2021年11月22日 19:09
【『最愛』感想 6話】約束の成就が別離の時である痛み・ネタバレあり
今週は、そんな松下の本領発揮というべき回だった。
最愛6話で見られた松下洸平の『最大風速』
週ごとに視聴者の視聴熱が上がり続けている『最愛』(TBS金曜22時主演・吉高由里子)。常に視聴者の熱い考察を上回る「手の内を惜しみなく晒す」展開がこのサスペンスの持ち味だが、今回は現在パートの殺人事件が一段落してしまった。
今週の白眉は、殺人事件に巻き込まれたヒロイン・真田梨央(吉高由里子)と、事件の被疑者となった梨央の弟・朝宮優(高橋文哉)を守ろうとする刑事の宮崎大輝(松下洸平)と弁護士・加瀬賢一郎、2人の奮闘である。
冷蔵庫から落としたヨーグルトを片付けられないほどに動揺している梨央を寝かしつける時に、加瀬がそっと梨央の時計を外す仕草が切なくて良い。
家族かそれなりの友人であれば、毛布をかけることはためらわないだろうけれども、眠りかけた相手の時計を外せる距離感というのは特殊なものだと思う。それでも、それ以上距離を詰めずに梨央の寝顔を見つめる加瀬の視線は意味深だ。
加瀬にとっての『最愛』はどこに、どんな形でしまわれているのか。
おそらくこれから物語の後半で明かされるのだろう。
弁護士として加瀬が過剰な取調べから優を守る一方で、刑事である大輝は優が犯人ではない手がかりを探して地味な聞き込みに奔走している。