【妻、小学生になる。第9話 感想】『つましょー』は新島家だけが主役ではない・ネタバレあり
貴恵を救った、万理華の言葉
貴恵は、あの公園でお迎えの時を待っていた。
もう十分わがままして、皆とはお別れしたから、もう思い残すことはない。そんな貴恵の前に、万理華は現れた。
「会いたいって思うのは、わがままなんかじゃないよ」
真っ直ぐな万理華の言葉に、貴恵の本音が溢れる。
「もう一度だけでいいから、会いたいよ。家族に会いたい」
万理華の優しい手が、涙で濡れた貴恵の頬を包む。
あの時、貴恵がひとりぼっちの万理華を優しく包んだように。
もうこの世に未練はない、そう思って別れを告げたが、貴恵は本当のさよならをできていなかった。
伝えたいことも言えずに、もう一度会いたいって思う気持ちを殺してまで。
そんな貴恵を救うのは、万理華なのだ。
この奇跡は万理華にも大きなものをもたらした。会いたいと思う気持ちを一歩踏み出す力を大切にすること…。
誰よりも優しい貴恵と万理華が周りを救い、そしてお互いを助け合う。新島家の物語だけじゃない。
白石家の物語でもあり、そして見ている私たちへ向けた物語。
今話と来週の2回続いての最終章としたことは、この物語が紡がれる意味としても非常に大きかったと思う。