2022年7月19日 13:00
【『初恋の悪魔』感想1話】愛おしくも厄介なものに捕まった・ネタバレあり
2人の少年は大人たちの中で命が選別されるさまを見ていた。
片思いしていた少女を失った悲しみと、自分の大切な存在とそしてある意味自分たちもまた、選別された残酷なその場において『選ばれない』存在なのだと知った痛みに、少年は純粋さゆえに打ちのめされてしまう。
歪みはいつも1番弱い人たちに押し寄せて彼らを押しつぶす。
層は下層で潰れ、中央から辺境に向けてトラブルは押しやられる。
そして、刑事の姿を見てすすり泣く医者の姿に、彼もまた本意ではなかったのだということや、せめてもう1人執刀出来る医者いなかったんだろうかとか、どうにも昨今の医療の現状を思い返してしまい、ほろ苦い気持ちになってしまうのだった。この回のラストで、兄を殉職で失った悠日も何かそのことで問題を抱えていること、鈴之介は星砂への執着を拗らせていること、その星砂は二重人格であるような示唆が一気に描かれる。
主人公たち4人はもちろん、それ以外も初回にして登場人物に関する情報量はすさまじいが、そのほとんどがまだ浮遊したまま、互いの関連は見えてこない。
このドラマを見はじめた私たちの手の中に、既に原石は渡された。
その石を土曜日の22時に画面を見つめながら、手のひらの中で磨いていく。