【石子と羽男 第7話 感想】歩み出すきっかけを与えられるのは、私たちであるということ
それから毎年、試験を受けるたびにフラッシュバックし続けた。
今もパラリーガルのままなのはこれが原因だった。美冬の出血を見て顔を覆っていたのも、過去のこの記憶が脳内に過ぎっていたのだ。
事故が無関係であるはずの目撃者の人生さえ狂わせる。石子は山ヨコの若者も同じだと感じていた。
望まない環境に今いるのは、決して本人だけの問題ではない。人生は、望まぬ方向に一瞬で変わってしまうのだ。しかし、石子は続ける。
「逆に、私たちとの遭遇で、彼女たちの人生を少しでも変えられる」
石子の頑固な性格でありながら、諦めずに何か方法を探る、この柔軟な考えはいつも調査に風を吹かす。石子は大庭の自宅を訪れ、協力のもと二週間前のドラレコ映像の美冬にアザを発見する。
その映像と美冬がKに隠し撮りされた動画をもとに、法廷で東に見せ迫ると、責任を取ると証言し、キッチンカーの件は解決目前となった。
残るは虐待の証拠…。二人はとある秘策を思いついていた。
東の酒癖の悪さを聞き、塩崎(おいでやす小田)と大庭(赤楚衛二)がお酒の席で悪事を吐かせようという作戦だ。
まずはさりげない世間話から始め、調子に乗ってきたら一気に核心に迫る。