【石子と羽男 第7話 感想】歩み出すきっかけを与えられるのは、私たちであるということ
石子が用意したシナリオをコミカルに演じる二人が東を饒舌にさせていく。
殴れば言いなりになる。子供が世間に出た時に恥をかかないようにするために必要な『しつけ』。
「虐待はしていない」と主張する大人は、これを『しつけ』と言う。だが、これはれっきとした暴行罪だ。
でも、しつけと履き違える親は一向に減らないし、近所や親族との繋がりが弱くなった現代においてはより虐待の事実は見えにくくなった。
虐待や家庭問題で苦しむ子供を全員救うことは難しく、大人一人で救えることなんて、高が知れている。
だが街を賑わせる沢山の音の中に、居場所を求め彷徨う若者の声は響き続ける。
私たちはその声一つにひとつにこれから続く尊い人生があることを忘れてはならない。
確かに期待しても叶わないことの方がずっと多い。それでも選択と偶然の繰り返しの中で、希望のための一瞬のきっかけだって存在する。
それを逃さないためにも、法律が存在する。
ひなと美冬は、石子と羽男という大人に偶然出会い、そして正しい法との向き合い方を知った。
「もう逃げないで戦います」
暴行傷害で声を上げたのは、意識を取り戻した美冬自身だった。そしてキッチンカーの賠償も、綿郎(さだまさし)