【エルピス 第1話 感想】覚悟を十二分に感じる第1話 意味深なEDにも注目
のみ込みたくもない馬鹿げた現実を、そこに闇があるのを横目に平然と進み続ける日常を、根強く残り続ける差別を、何も知らない者達の無責任な評価を。
のみ込んでしまった分、吐き続けてきた。そうやって、そこにある権力に縋り、そこにある温かさに身を寄せるだけ頼り、何も動かなかった平凡な自分と、今決別する。
浅川は、透明な水を飲み干すのだ。黒さに惑わさず貫かれる、透明な真実を。
意味深な『エルピス』エンディング映像にも期待
まだ登場人物も闇に包まれたままの初回。
大山の虐待による手の傷跡を見て、岸本が思い出した過去の出来事とは何か。
そして行方不明の少女が山中で遺体で発見されたことで、事件は再び動き出す。
加えて意味深なED映像。ルンルンで料理する浅川を、統制された笑みを浮かべ、虚構を語り並べるメディアに準えるものだとしたら、黒く爛れ、失敗したケーキが闇に呑まれた真実のように感じられる。
そしてそれが入るケーキ箱が、パンドラの箱のようにも見えてくる。
また、1ピース欠けた純白のホールケーキを食べながら、慌てふためく浅川を見守る、チェリーの構図が暗示する未来とは…。
EDまで意味を持たせてくることでも、信頼感が増す思いだ。