【エルピス 第7話 感想】明かされた『許されざる罪』 岸本が「まじクソですね」の意味は
一方の岸本は異動でかえって動きやすくなっていた。
だがDNA鑑定も再審も一向に動く気配はなく、真実が人間が作ったものだとは思えないくらい、重たく、冷たく感じられた。
そして岸本は母・陸子(筒井真理子)と久しぶりに会うことに。弁護士である陸子も、検察の力が圧倒的な構図の中で、DNA再鑑定まで持ち込むことは難しいと話す。
「この社会というのはね、君らが思っているよりずっと、恐ろしいものなのよ」
そんな陸子の言葉だが、岸本はそれをもって実感してきた。
母親との関係もそうだ。裕福な家庭、力のある両親、色々な権力に従ってやっと勝ち組でいられた自分はきっと、検察に嫌われてたくないがために真実を捻じ曲げてきた者たちと同じなのだ。
だがもう同じにはなりたくなかった。
何も信じられなくなっていても、あの頃には戻りたくなかった。
岸本はそんな思いからか、実の母親に対しても終始他人行儀で接していた。
そして岸本が村井(岡部たかし)に愚痴をこぼしていると、『ニュース8』から浅川の声が聞こえて来る。そして二人の瞳に飛び込んできたのは、松本死刑囚のDNA再鑑定実施の速報だった。
退官する人間に働く『圧力』
弁護士の木村(六角精児)