【エルピス 第7話 感想】明かされた『許されざる罪』 岸本が「まじクソですね」の意味は
あれほど「絶対にあり得ない」との一点張りだった平川だったが、金銭を受けとった後、その重い口がようやく開く。語られた真実は、許されざる罪だった。
「うちは無実の人間を犯人にでっち上げたんです」
上が真犯人を逮捕させたくないという裏事情があると現場の皆が感じていたという。だからこそ丁度よかったのだ。
悲しむ家族がおらず、少女を匿っていた松本良夫が、それに適任だった。
こうして署の刑事たちは目を明け、真実を追い求めることを辞めた。長い間、耳を塞ぎ、口を閉ざし続けてきた。
だが平川自身は「あくまで正義側の人間である」と語る。
金銭という手土産もなく、そこまで世間から注目されていなかった時にはあれだけ否定していた隠蔽を、今は自慢気に話すのだ。
平川はきっと警察内部の当時を語ったヒーロー気分なのだろうか。目の前にあるのは正義なんかではなかった。
毒に侵され続けた平川が願うのは、犯人の逮捕だという。「組織は一枚岩ではない」と言い放った平川の告白がまさかこの言葉の象徴とされるとは思わないだろう。
岸本はそんな平川に思わず口がすべってしまう。
「なんというか、まじクソですね」
その後、被害者の井川晴美の姉・純夏が八頭尾山連続殺人事件の被害者遺族の会を立ち上げる。