【エルピス 第7話 感想】明かされた『許されざる罪』 岸本が「まじクソですね」の意味は
によると、現裁判長が再来月に退官するため、この先出世も左遷もないからこうした奇跡的な決断を下したのだという。
しかし再鑑定には検察の壁がそびえ立っていた。
検察側と弁護側の両方がDNAを鑑定するため、松本とDNAが一致しないとしても、検察側がそれを正直に公表するとは限らない。
過ちが詰まった箱を退官する人間に勝手に開けられまいとする力が、それを必死に閉じ込めようとするのである。
浅川はこの事態を重く受け止めつつも、木村の「組織というのは必ずしも一枚岩ではない」という言葉を聞き、強大な組織の中の個人の良心を信じたい気持ちが大きくなっていた。
だが岸本からは、「それは平和ボケして考えることから逃げてるだけだ」と喝を入れられる。
信じたいと思うことは決して逃げではないが、自分では何もアクションを起こそうとせず、ただ全てを丸投げする意味での『信じる』も存在する。
確かに報道にいる浅川は最近「時間がない」と岸本の声掛けを遮ることが増えていた。
岸本から見れば、事件を追うことを辞めたと捉えられても無理もなく、浅川も結局、権力の一部となっているかのように思えただろう。
岸本は、無関心で生きていた自分に対して浅川か投げかけた「おかしいと思うものを飲み込んじゃダメなんだよ」