【『不適切にもほどがある!』感想2話】柔らかいのに息苦しい、現代社会への処方箋
このミュージカルのシーンは、公式HPにまとめてアップしてあり、作り手の力の入れようが伝わってくる。
おそらくこの調子で、回を追うごとにミュージカルの場面は楽しみになっていくだろう。
もう一つ、2話目で興味深く思ったのが、令和から昭和にやってきた少年・キヨシが意外なほどに昭和を楽しんでいる描写である。
純子への想いを賭けてムッチ先輩(磯村勇斗)とタイマンを張り、ダチとして認められ、短ランを譲り受けてイケてるヤンキーにクラスチェンジ。
愉快なムッチ先輩を演じる磯村勇斗は、こんなにコメディにハマるのかと驚くほどの快演である。
それは、SNSなんかまだどこにもない、人の悪意も善意も単純で野蛮な昭和時代。
でもその単純で野蛮な時代が変わっていく必要があったから、今の社会があるはずである。
そして昭和よりずっと柔らかで優しいはずの令和でも、人々の多くは幸福に見えない。
宮藤官九郎の優しいけれども容赦ない目は、笑いと涙の物語の中でその一端を暴くだろう。
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[文・構成/grape編集部]
かな
SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。
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