「上の子は“ママに会いたい”と」無痛分娩“医療ミス”の悲痛
という。
「ところがこの事件では、長時間にわたって十分な酸素供給ができない状態に置いたために、重度脳障害を起こして死亡に至ったのです」(小川准教授)
報告書も、麻酔薬の投与量は全脊髄麻酔を起こすには十分とし、「その結果、呼吸抑制から無呼吸となり、それに対する酸素化の処置が十分なされなかったことから死亡に至った」と結論づけている。
そのうえで報告書は、再発防止のため、クリニック管理者の老木院長に「生命に関わる合併症の初期対応ができるレベルを習得」するなどの対応を求めている。
安東さんらは老木院長を業務上過失致死容疑で刑事告発したが検察は不起訴にした。不起訴の理由は明らかにされなかった。「これだけ証拠があるのに到底納得できない」として安東さんらは検察審査会に審査を申し立てた。
’19年10月、検察審査会は「不起訴不当」と議決し、現在、検察による再捜査が行われている。一方で遺族は損害賠償請求訴訟を起こし、いまも係争中である。
「女性自身」2020年3月17日号 掲載