くらし情報『全盲の弁護士と音楽家の夫婦 子どもたちの笑顔は心に映って』

2022年6月26日 06:00

全盲の弁護士と音楽家の夫婦 子どもたちの笑顔は心に映って

そんな亜矢子さんの心を癒してくれたのがピアノだった。

「生徒が自由に利用できる音楽練習室が5つもあって、どの部屋にもピアノが置いてあることを知ったんです。暗闇に光が差した感じがしました。以来、私は時間を見つけてはピアノを弾き、歌を口ずさむことで、救われたんです」

高等部では音楽科を選択。音楽家への厳しい道を歩み始める。ときにはあまりのハードな毎日に心身を病み、心療内科を受診したこともあった。だが、それでも高等部卒業後の’94年には、武蔵野音楽大学声楽科に進学。きついレッスン、いちいち自分だけ点字の楽譜を用意しなくてはならない煩雑さに音を上げそうになりながらも、’98年、無事卒業に漕ぎ着けた。


卒業後、亜矢子さんは弾き語りの仕事を始めた。そして、3年後の’01年、亜矢子さんのもとに1本の電話が。相手は誠さんだった。

「じつは誠さんの3つ下の弟さんも、誠さんと同じ病気を患っていました。小学生の私が通った盲学校に、弟さんも通ってきていたんです。その学校では私が6年生のとき、富士山登頂を目指す取り組みがあって。そのパーティには誠さんと弟さんの姿もあったんです」

のちに結ばれるふたりは小学校時代、すでに出会っていたのだ。

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