くらし情報『全盲の弁護士と音楽家の夫婦 子どもたちの笑顔は心に映って』

2022年6月26日 06:00

全盲の弁護士と音楽家の夫婦 子どもたちの笑顔は心に映って

「十数年ぶりの連絡は出演依頼でした。地元・沼津の知的障害者施設で、誠さんたち兄弟がクリスマスにギターコンサートをすることになったそうなんです。でも、ふたりだけでは心許ないので私に参加してほしいという電話でした」

そして、このコンサートを機に誠さんと亜矢子さんは、たびたび会う機会に恵まれ、やがて、それは交際へと発展していった。

しかし、ふたりはなかなか結婚に踏み切れないでいた。誠さんはその理由を「結婚生活への漠然とした不安があった」と話す。

「目が見えない者同士が一緒になって、果たして幸せな家庭が築けるだろうか、そう思っていました」

交際期間が3年を過ぎた’09年、突然の不幸が訪れる。誠さんの母が急逝したのだ。

「58歳、早すぎる死でした。
横たわる母のなきがらを前に、命のはかなさを痛感しました。なんの恩返しもできないまま逝ってしまった母に、僕は心の中で詫びました。同時に、いまの僕にとってかけがえのない人は誰かという自問も。答えはもちろん、亜矢子さんでした」

突然の母との別れが、誠さんに決断を促した。こうして’10年11月、誠さんと亜矢子さんは結婚。このとき、亜矢子さんのおなかには小さな命も宿っていた。

【後編】目が見えない夫婦の子育て家族でかけあうたくさんの「ありがとう!」へ続く

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