川崎市「風の谷の幼稚園」子供本位の教育にかける天野優子園長の情熱
風の谷は確かに「心のふるさと」になった
園長のインタビューの途中で、思いがけない来客があった。町田市在住の下枝未来さん(22)は、風の谷の卒園生。この日、たまたま近くに来たついでに立ち寄ったという。
「ほぼ20年ぶりです。天野先生、私のこと覚えてますか。泣き虫のあのミクです(笑)」
「今は、もうお勤めなの」
「有料老人ホームで介護職員をしています」
「大変なお仕事でしょうね」
「つらいこともありますが、この風の谷で忍耐力がついたかな。社会の大抵のことは、あのじゃがいも掘りに比べたら、ましです!あっ、あの滑り台、懐かしい」
年少さんに戻ったように、滑り台へ駆け寄っていく未来さん。天野園長が風の谷を作ったときからの、みんなの「心のふるさと」にしたいという願いは、しっかり実現されていた。
【後編】風の谷の熱血園長親子の体温、子供の責任感を信念に理想の幼児教育を根付かせた25年の奮闘へ続く
「こんなの泣いてしまう」 つかまり立ちをする赤ちゃんを支えているのは…?