第67回グラミー賞ノミネート! 宅見将典インタビュー “グラミー賞を目指す”と公言してから実現までのサクセスストーリー
でも「それじゃダメだな」と途中で気づいて。もっと個性が必要だし、自分にしかできない音楽をやらないといけないなと。ちょうどその頃に、友人であり仕事仲間でもあるBREAKERZのDAIGO君に「とりあえず着物とか着てみたら?」と言われたんですよ。
――そうなんですね!
DAIGO君は僕がSirenにいたときから繋がりがあって。アメリカでなかなか上手くいかなかった時期に「もっと目立ったほうがいいでしょ」って視覚的なプロデュースをしてくれたんですよ。坂本龍馬風に革靴、ハットを着物に合わせて。そこから音楽も変わっていきました。やっぱり和楽器だなと思って、三味線を買って、練習し始めて。
自分の作品の中でどうブレンドするかを考えて、2019年に『HERITAGE』というアルバムを作ったんです。その作品を「コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム」というカテゴリーにエントリーして、プロモーションや広告も限界までやって……もちろん全部自己資本です。自分としてはできることはすべてやったチャレンジだったんですが、ノミネートされなかったんです。大きなお寺でMVを撮ったり、これ以上はないほど日本の美を追求したんだけど、結局ダメだった。