西日本豪雨や大阪地震で批判を浴びた被災者の実名報道 違法ではないのか弁護士が解説
6月に発生した大阪北部地震や7月の西日本豪雨は、人々の生活に重大な影響を与えました。住居の倒壊や土砂災害などで、命を落とした人々も存在しています。
そのような場合家族としては「そっとしておいてほしい」と思うものですが、メディアは大々的に被害者の実名を報道し、全国へと発信。視聴者からは「ほっといてやれ」「なぜ実名を流すんだ」と批判されている状況です。
メディアは「報道の自由」を主張しているようですが、個人のプライバシーを侵害しているようにも思えます。法的に見て、問題ないのでしょうか?パロス法律事務所の櫻町直樹弁護士に見解をお伺いしました。
■非常に難しい問題
櫻町弁護士:「地震や津波、豪雨などの災害でお亡くなりになった方のご遺族、あるいは、行方が分からず安否不明とされた方のご家族の中には、自分の家族が死者・行方不明者として報道されることを望まない方もいらっしゃると思います。
ただ、そうした「公表を望まない遺族・家族」が、死者・行方不明者の氏名等を報道した報道機関に対して損害賠償請求をした場合に、これが認められるかどうかはなかなか難しい問題です。
こうした損害賠償請求が認められるためには、第三者の行為(この場合は「報道」)