2015年10月1日 14:00
少女漫画の「幼なじみ最強説」に待ったをかける『ヒロイン失格』
『北斗の拳』『アタックNo.1』『ゴルゴ13』『ドラえもん』『キャンディ・キャンディ』とヲタネタがてんこ盛り。たとえ本筋のストーリーに興味がなくても、ここだけでも読む価値があるというものです。いやおもしろい。
若いうちなんて、自分が世界のヒロインだと思ってるから、恥ずかしいこと山ほどしでかします。そういうことを笑いに落とし込んで恋愛や人間関係を語ってるところがこの作品のみどころです。「マンガは娯楽だから笑いがないといけないよね」っていうことを実感します。
どんなにシリアスなことや説教を語りながらも、笑いの要素がある作品が好きです。笑いはセンスと知性のたまものだから、イコールそれが作品のクオリティなんだと思うんですよ。
はとりがどんなに真剣に告白しても振り向かない利太とか、はとりを口説いてるくせに他の女ともイチャイチャする弘光くんとか、男性キャラがいまいち思い通りに動かないところも、リアルでいいですね。でもストーリーは、ゆるやかに「少女漫画の王道」へと移行していき、読者を裏切る展開にはなりません。冒頭の元気の良さが光る作品です。
Text/和久井香菜子
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