2021年9月10日 23:05
2人の母を持つ女性作家・森美樹さんが最新刊『母親病』を語る。「私には実母と継母がいるんです」#1
は、園枝の母親としてのポリシーだと思うんです。
――母親としてのポリシーというのは、森さん自身の体感や経験から生まれたものなのでしょうか?
森さん私の今の母が父と結婚したとき、母は初婚で出産が可能な年齢だったんですね。でも、姉と私のために子どもを産まなかったと聞いたことがあるんです。まぁ、聞かされた方としては複雑な心境ではあるのですが……。振り返ってみると、それが母のポリシーというか覚悟だったのかもしれません。私は残念ながら母になったことがないのですが、母親になると自分の中に芯のようなものができるのかもしれないですね。
――園枝の死因とされるドクウツギという植物の存在も強烈です。
森さん園枝の死には毒物を使おうと思い、身近にある毒物を調べまくり、その中から一番、ビジュアルが良くて毒素が強いものを選びました。
その時期は図書館で毒物のことをずっと調べていたので、何か事件が発生したら疑われるだろうなと冷や冷やしていました(苦笑)。
次回は複雑な家庭環境で育った森さんのお話をうかがいます。
●プロフィール
森美樹(50歳)1970年埼玉県生まれ。1995年、少女小説家としてデビュー。その後、5年間の休筆期間を経て、2013年「朝凪」