名匠・成島出監督が、町田そのこの小説をベースに杉咲花主演、志尊淳共演で映画化した『52ヘルツのクジラたち』が公開され、高い評価を集めている。本作のトランスジェンダーの表現をめぐる監修、出演者で、現在、トランスジェンダー男性の俳優、ジェンダー表現監修として活躍する若林佑真にインタビュー。若林は、2022年のドラマ『チェイサーゲーム』でもトランスジェンダー男性を演じて話題となった。日本ではまだまだ少ないトランスジェンダー男性の俳優。「メッセンジャーになりたかった」という若林の思いを聞いた。そこに導いたのは、意外な人物の講演だった。また、「シスジェンダーの俳優がトランスジェンダーを演じること」「BL作品やGL作品」への率直な意見も聞いた。○シスジェンダーの俳優がトランスジェンダーを演じること――今作ではトランスジェンダーの表現をめぐる監修としての参加とともに、俳優としても出演されています。イチ俳優として、成島監督のもとで演出を受けてみていかがでしたか?監修として接しているときは、ぶしつけながら対等にお話させていただいているという感覚だったのですが、清水役で出演させていただいた際には、すごくアドバイスをいただきました。「指をさすときは“ここぞ”というときにブレないように一点で指すほうがいい」とか、「目線はこうしたほうがいい」「語尾は落ちない方がいい」といった、今後役者としてやっていくうえで、絶対に逃しちゃいけないポイントを真剣に教えてくださって。その時の監督の表情やアドバイスに、役者として「これが一流の監督なんだ!」と実感して、ちょっと震えました。――若林さんは以前、飯塚花笑監督の『フタリノセカイ』(2022)でもトランスジェンダー監修をされています。『フタリノセカイ』では坂東龍汰さんがトランスジェンダー男性を演じました。飯塚監督にお話を伺った際、いわゆる“シスジェンダーの俳優がトランスジェンダーを演じることへの議論”に、「日本はその辺を議論する段階にまでなっていない。土俵にない」とおっしゃっていました。そこから2年経ちました。飯塚監督がおっしゃることも一理あると思います。でも僕はいま議論の段階に来たというか、それこそがこの『52ヘルツのクジラたち』であってほしいと思っています。前提としては、誰が誰を演じてもいいんです。志尊君や坂東君が演じても全く問題ない。ただ、今まではトランスジェンダーの俳優が起用される機会がほとんどありませんでした。僕自身も舞台のプロデュースをやっている身として考えるのは、作品を作る上で視聴率や興行収入が見込めるかどうかという視点は重要になってくる。そうしたときに「この人が演じてくれるなら多くの人が観てくれるだろう」という人がキャスティングされる。そうなると、今トランスの俳優でそこに見合う人がいるかと言われると、正直いない。なのでシスジェンダーの方が演じることになる。こうした現状は、トランスジェンダーに対する社会の偏見や差別が影響している面もあると思います。当事者が自分の性のあり方をオープンにして、俳優として経験を積んだり、実力を身につけられたりする機会がほとんどないなかで、シスジェンダーの俳優と同じように活躍できる機会を得ることはとても難しいです。一方で、今やっと日本でも性的マイノリティの役が描かれるようになってきて、トランスジェンダーの役も出てきた。そうした状況下でも、全部シスジェンダーの方が演じるとなると、トランスジェンダーの俳優が演じる機会がますます減ってしまい、興行収入の見込める俳優が育ちにくくなる、という悪循環が続いてしまいます。難しいですよね。――たしかに。また、トランスジェンダーで俳優のロールモデルがいないからそもそも目指さない、という側面もある。そうなるとやはり、シスジェンダーの方が演じる機会が増えていくことになります。ですが、例えば“トランス女性”の役を“シス男性”が演じた場合、どうしてもトランス女性=“女装した男性”のように捉えられてしまい、誤った偏見を助長する可能性があるんです。実際はそうでない人もたくさんいるにもかかわらず、物語の中のトランス女性がそういった方ばかりだと、日常を生きているトランス女性の存在がますます見えにくくなる。そういった意味で、今トランスジェンダーの方が演じることの重要性は感じています。ただ、いきなり主演というのも現実的に難しいとも思います。だから今回、僕は清水という役で起用の機会をいただけてとてもありがたかったですし、2022年に『チェイサーゲーム』(テレビ東京)というドラマに出演させていただいた際には、トランスジェンダーの役を演じました。その時に、当事者の方から「自分は生まれたときに割り当てられた性別と性自認が違うから、俳優になんてなれないと思っていたけれど、なっている人がいたんだ」という声が届いたんです。トランスジェンダーの俳優がいるんだと世の中に知ってもらうことは、すごく大事なんだと実感しました。○メッセンジャーになりたい! きっかけは杉本彩の講演――お話の子は若林さんの姿を見て感銘を受けたわけですが、若林さんはいつご自身の未来を切り開こうと決意したのでしょう。僕は大学時代にカミングアウトして、男性として生きて行こうと思ったんです。だけど、10年前の就職活動のときは、今みたいにLGBTQ+に対して理解を表明してる会社も少なかった。となると、女性として就活をしなきゃいけない上に、もし就職できたとしても女性として働くのは、もうめちゃくちゃきついなと。そう思っていたときに、大学の授業にタレントの杉本彩さんが動物愛護の講演でいらしたんです。そのときにその場にいた1人の学生が「私は保健所から犬を1匹引き取ったけれど、私が引き取ったところで1日に200匹が殺処分されている現実が199匹になるだけで、約200匹が殺処分されている現実は変わらない。これって私、意味あります?」と聞いたんです。そしたら杉本さんが「たったひとりの力でも、それがたくさん集まれば大きな力になって、やがて世界は変わります。だから、ここにいらっしゃる一人ひとりが、もっとメッセンジャーになってください」と。――おお。さすがですね。それにビビビー! と来て「僕もメッセンジャーになりたい!」というか、僕もトランスジェンダーとして生まれてきた意味というのがあるんじゃないかと、その瞬間思ったというか、思いたくて、芸能界を目指したんです。だから、世界を変えたくて、変わると信じて、“メッセンジャーになるために”芸能界という道を選んで、それが俳優に続いていたという感じなんです。――そうだったんですね! 現在、若林さんは、それこそメッセンジャーとして、学校に講演に行かれたりもしています。この10年間で世の中の価値観も変わってきていると感じますか?まだまだ変わっていない部分はあります。例えば日本ではまだ同性婚ができないとか、トランスジェンダーの人が戸籍の性別を変えようと思うとハードルが高いといった制度的な部分や、SNSを開けばトランスジェンダーに対する心無い声が飛び交っていたりなど。ですが、今の学生の皆さんと話していると、自分が学生の時との違いを感じることはありますね。この間も高校1年生に講演をしたのですが、僕が10代の頃とは違い「LGBTQ+の人がいることは当たり前のこと」と認識しているのだと感じました。BLやGLと言われる作品が身近にした面もあるでしょうね。作品の中には議論の余地があるものもあるのですが。講演後には生徒の子から「『おっさんずラブ』見てるよ、誰推し?」とか聞かれたりして。同性同士で付き合っていることを「おかしい」と思わなくなってきているという側面と、同性同士の恋愛を描いていながらも、現実を生きている当事者の現状を置き去りにしているなと感じる両方がある。ただ、ドラマや映画でLGBTQ+の人たちが描かれるようになってきたことは、僕個人としてはとても嬉しいことなので、悲劇やファンタジーの作品だけでなく、日常を描いた作品もこれからは沢山出てきてほしいなと思います。○funnyの笑いじゃなくて、interestingのほうの面白さを自分で――そうしたことを実感できる講演もですが、プロデュース業もまさしくメッセンジャーとしての夢の一部が叶ってますね。そうですね。出演もそうですし、こうした監修もそうですし、プロデュースや自分で作品を作っていくこともそうです。今回、『52ヘルツのクジラたち』を経て、作品作りには、ずっと関わっていきたいという思いを、より感じました。作品を作るということに関してだと、昔、メディア関係の人に、「男が女に成り下がっているのは面白いんだけど、女が男に成り上がっているのは面白くないんだよね」と言われたんです。――それはどういう意味だったのでしょうか?当時からメディアにゲイの方々やトランス女性、ドラァグクイーンの方はたくさん出ていらしたのですが、出生時の性別をネタにされたり下ネタを言ったりと、ただただ“笑ってもいい対象”にされている印象でした。その方々と同じように僕らが下ネタを言っても「結局、女の子が言ってる感覚になるから、“笑えないから使えない”」とか言われて。これってトランスジェンダーに対する偏見だけでなく、女性蔑視でもあると思います。だからこそ、そういったfunnyの笑いじゃなくて、interestingのほうの面白さで、自分は頑張ろうと思って作品を作り始めて、プロデュースのほうにシフトした時期があったんです。これからも、作品や役がないのなら作るしかないので作っていきたいですし、こうやってトランス男性の作品があれば、監修として関わらせてもいただきたい。もちろん出演もしたいです。あとは目標としては筋トレ雑誌『Tarzan』の表紙かな(笑)。これから、やりたいことが山ほどです!■若林佑真1991年11月5日生まれ、兵庫県出身、大阪府育ち。生まれた時に割り当てられた性別は女性で、性自認は男性のトランスジェンダー男性の俳優 /ジェンダー表現監修。同志社大学在籍中から演技のレッスンを受け、卒業を機に上京。俳優、舞台プロデュースの他、作品監修、講演活動など多岐にわたり活動している。2022年にはドラマ『チェイサーゲーム』(テレビ東京)にトランスジェンダー当事者役として出演。公開中の映画『52ヘルツのクジラたち』でトランスジェンダー監修と出演を務めた。望月ふみ 70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビュー取材が中心で月に20本ほど担当。もちろんコラム系も書きます。愛猫との時間が癒しで、家全体の猫部屋化が加速中。 この著者の記事一覧はこちら(C)2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会
2024年03月13日性の多様性に関するさまざまな取り組みが広がりを見せるなか、まもなく公開を迎える映画は、8歳のトランスジェンダーの少年を主人公に描いた話題作。第73回ベルリン国際映画祭において、史上最年少となる9歳で最優秀主演俳優賞受賞の快挙を成し遂げたことでも注目を集めている1本です。『ミツバチと私』【映画、ときどき私】 vol. 629夏のバカンスに入り、フランスからスペインにやってきたある家族。その一員である8歳の少年は、男性的な名前である“アイトール”と呼ばれることに抵抗感を示すなど、自身の性をめぐって周囲からの扱いに困惑し、悩みを抱えていた。心を閉ざしていたアイトールだったが、叔母が営む養蜂場を訪れ、ミツバチの生態やバスク地方の豊かな自然に触れることで徐々に気持ちがほどけていく。ある日、自分の信仰を貫いた聖ルチアのことを知ると、自分もそのように生きたいという思いが強くなっていくのだが…。自身の性自認に悩む子どもの成長を描き、大きな反響を呼んだ本作。そこで、作品が誕生したいきさつなどについて、こちらの方にお話をうかがってきました。エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン監督数々の短編を手掛け、さまざまな国際映画祭で評価を得てきたソラグレン監督。着実にキャリアを積み重ねてきたなか、本作が初の長編劇映画となります。今回は、制作過程での苦労や影響を受けた出来事、そして作品を通して伝えたい思いなどについて語っていただきました。―今回、トランスジェンダーという題材を取り上げようと思ったきっかけなどがあれば、お聞かせください。監督私はいままでも、アイデンティティや身体、ジェンダー、家族などを作品のテーマにしてきました。前作に取り組んでいる際には、「私たちはいつ自分の正体に目覚めるのだろう?」「私たちのアイデンティティと体の関係は、どういうものなのだろう?」「アイデンティティは、自分の内側に見つけるものなのか、それとも外的な要素に影響されるものなのか?」といったことを繰り返し自分のなかで問いかけていたほどです。そんななか、16歳のトランスジェンダーの少年が自殺してしまったニュースを聞き、衝撃を受けた私は「この問題は蓋をすべきことではない」と感じて映画を作ろうと思うように。私が脚本を書いたのは2018年ですが、当時のスペイン社会ではメディアも政治もトランスジェンダーについてはなるべく触れないようにしようという風潮だったので、映画に関わる人たちからの偏見が強く、そこと闘うのが一番大変でした。子どもたちも自分は何者かと考えている―そんな厳しい状況のなか、主人公を8歳の子どもにすることに対してもいろんな意見が挙がったと思いますが、設定についてはどのようにして決めていったのでしょうか。監督16歳の少年の事件は、自分のなかである種の“引き金”にはなりましたが、この映画を作るうえで大きな影響を受けたのは、自分が住んでいる地域にあるトランスジェンダーの子どもをもつ家族の会です。彼らと話をしていて、本当にさまざまなことに気付かされました。そのなかでも一番驚いたのは、3歳や5歳くらいの幼い子どもと家族もいたことです。というのも、いままでの社会では「成熟した大人が自分のジェンダーを好きに選んでいる」と思っている人が多いかもしれませんが、実は言葉を覚え始めた頃から子どもたちは「自分は何者なんだろう」と考えているんだなと。そういったことがわかってきたので、映画でも表現したいと思いました。ともに学んで歩んでいく家族の過程も見せたかった―最終的に3歳から9歳までの子どもを持つ20世帯の家族に会われたそうですが、劇中に登場するキャラクターたちは、監督が実際にお話しされた方々からインスピレーションを受けているのですか?監督そうですね。本人と同じように家族も苦しんでいますし、「自分たちの子どもに一体何か起きているのか」という疑問もあるので、劇中でさまざまな反応をする家族の様子に関しては、そのあたりをリアルに反映しています。そんなふうに、映画ではお互いに悩みを抱えながらも、ともに学んで歩んでいく家族の過程を目に見える形で描きたいと思いました。その理由としては、スペインの社会では当事者だけでなく、家族も責めるようなところがあるからです。そういったこともあり、トランスジェンダーの子どもだけを取り上げるのではなく、変わっていく家族の姿も見せたいと考えるようになりました。―この作品を経て、監督自身のなかでもマイノリティの方々に対する向き合い方などに変化を感じている部分はありますか?監督当事者ではない人間からすると、正直に言って彼らの痛みを理性的に理解するのはなかなか難しいことかもしれません。でも、主人公を通して、彼らが抱えている苦しみや思いを受け入れることが重要だと考えています。なぜなら、これまでの社会の尺度で正しくないとされていたことでも、そこに立ち向かおうとする子どもと家族によって健全化されていく部分もあることを知ったからです。本当の家族のような雰囲気を目指して作った―舞台となるのは監督の出身地でもあるバスク地方ですが、独自の言語や文化を持っている様子も描かれており、非常に興味深かったです。監督バスク語はスペイン語と違って、名詞や形容詞などにおいて男性と女性で区別されることがほとんどない言語なんですよね。劇中では、自由でリラックスした雰囲気のなかで交わされる会話のときにバスク語を使用し、少し堅い空気感のなかではスペイン語を使うなどして言語を混ぜています。バスクの社会というのは、家族や社会の絆が強いので、そういった部分が教育や政治にも反映されているんだなと改めて感じました。―そして、本作では約500人のなかからオーディションで選ばれた主演のソフィア・オテロちゃんの演技も素晴らしいの一言に尽きます。どのような演出をされたのでしょうか。監督ソフィアに関しては、キャスティングの段階からこういう演技ができるということはわかっていました。なので、私が取り組んだのは、撮影に入る前までにキャストの間で親子や兄弟としての関係性にリアリティを持たせること。ケンカも含めたさまざまな思い出作りをすることによって、本当の家族のような雰囲気を作れるようにしたいと考えました。「どんな困難でもやれる」という自分への信頼感が大事―画面からも伝わってくるリアルさには、そういった背景があったんですね。では、日本についてもおうかがいしたいのですが、どのような印象をお持ちですか?監督日本人は他人を尊重する民族であり、とても繊細でディテールにこだわる方々だなと感じています。また、外交的で文化度も高いのですが、そのいっぽうで保守的な部分もあるんだなということにも今回気付かされました。とはいえ、日本に来るのは初めてで、しかも到着してからずっと仕事に追われているので、まだ銀座界隈しか見ることができていないのですが(笑)。それだけで日本について語ることは違うと思うので、もう一度ゆっくり来たいなと考えているところです。―お待ちしております。それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。監督私はみなさんにアドバイスをできるような立場ではありませんが、始めるのも続けるのも大変な映画業界のなかで、私が関心を持っていただける存在になったのは、自分自身を信じることができるようになってからだと感じています。みなさんも一人一人、さまざまな問題と向き合っていらっしゃるところかもしれませんが、まずは「どんな困難でもやれる」という自分への信頼感が大事かなと。そういったことがキャリアにおいても人生においても第一歩だと考えているので、ぜひみなさんも意識していただければと思います。家族の温かさと優しさに包まれるトランスジェンダーが抱える悩みや問題だけにフォーカスするのではなく、ともに生きる家族の姿も丁寧に描いている本作。観る者の心を揺さぶる俳優陣の繊細な演技と、美しいバスク地方の景色にも魅了される必見作です。取材、文・志村昌美胸が熱くなる予告編はこちら!作品情報『ミツバチと私』1月5日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開配給:アンプラグド(c) 2023 GARIZA FILMS INICIA FILMS SIRIMIRI FILMS ESPECIES DE ABEJAS AIE
2024年01月04日多様な性のあり方があるこの社会。皆さんは、トランスジェンダーについてどのくらい理解していますか?そこで今回は、MOREDOORの大人気SNSより、オリジナル漫画「お母さん、僕は僕だよ」から、話の展開を予想していただくクイズをお届けします。トランスジェンダーだと伝え……ここでクイズです!トランスジェンダーの主人公。主人公は、自分の性について母親にカミングアウトしました。話を聞いた主人公の母親は、主人公に性別を意識した発言をするようになります。果たして、母親はどう考えたでしょう……?ヒントとして母親は、主人公の気持ちを理解しようと努めます……。「男の子になりたい」子どもを思う母……青い服を拒む子ども……1人の人間として見て欲しい正解は『母は“男の子らしく”と考えた』母親は自分なりに子どものことを受け入れようと必死だった様子。母親の行動と主人公の気持ちはすれ違っていき「男の子らしく」という考え方は嬉しいものではなかったようです。その後、主人公はモヤモヤしていた気持ちを伝えたことで、母親も理解することができました。皆さんがもし母親の立場なら、どう対応しますか?※この漫画はフィクションです※こちらの記事・漫画は男女の分断を助長するという意図はございません。あくまで一例として、それについて考えるきっかけ作りになればと思います。■作画:まきうちまきえ(MOREDOOR編集部)
2023年10月24日もし自分の子どもがトランスジェンダーだったら?性の多様化が認められる昨今。今回は、“トランスジェンダー”とその家族のお話です。そこで今回は、MOREDOORの大人気SNSより、オリジナル漫画「お母さん、僕は僕だよ」から、話の展開を予想していただくクイズをお届けします!トランスジェンダーだと告白し……ここでクイズです!主人公は、自分の母親にトランスジェンダーだとカミングアウトします。母親は冗談だと言いつつも、その話を聞いてくれた様子。しかし、母親は性別を意識した発言をしてしまい……。その後、主人公はどのような返答をしたでしょうか?ヒントとして、母親も悪気があった訳ではありません。主人公の返答とは……?正解は「いい加減にして、僕は僕だ」と言った主人公は母親の発言に、怒りをあらわにします。しかし、母親はこれまでの対応について謝ってくれて……。皆さんがもし母親の立場だったら、この場合どう対応しますか?※この漫画はフィクションです※こちらの記事・漫画は男女の分断を助長するという意図はございません。あくまで一例として、それについて考えるきっかけ作りになればと思います。■作画:まきうちまきえ(MOREDOOR編集部)
2023年10月07日トランスジェンダーの人も、自分の性について公言しやすくなった昨今。しかしスポーツの世界では、トランスジェンダーの方に対する意見はさまざまです。そこで今回は、MOREDOORの大人気SNSより、オリジナル漫画「トランスジェンダー×スポーツ」から、話の展開を予想していただくクイズをお届けします。※こちらの記事・漫画は男女や性別の分断を助長するという意図はございません。あくまで一例として、それについて考えるきっかけ作りになればと思います。※この漫画はフィクションです。優勝するも、周囲の反応は……ここでクイズです陸上の大会で優勝した主人公。しかし、主人公がトランスジェンダーで、もともと男性だったことに納得しない選手もいる様子。一方で先生は主人公を励まします!そんな状況で、主人公が感じたこととは、一体何でしょう……?ヒントとして、主人公の立場になれば、分かるかもしれません。主人公が感じたこととは……?正解は『陸上を続けるべきか、悩む』主人公はトランスジェンダーの自分が陸上を本当に続けるべきか、思い悩んでしまいます。最近では、ニューヨークシティマラソンやボストンマラソンなど「ノンバイナリー部門」が設けられている大会もありますが、トランスジェンダーの方に対するスポーツの世界での環境整備はまだ混沌としている状況です。皆さんはこの漫画を、どう感じましたか?※こちらの記事・漫画は男女や性別の分断を助長するという意図はございません。あくまで一例として、それについて考えるきっかけ作りになればと思います。※この漫画はフィクションです■脚本:ちゃんまり■作画:ミノル(MOREDOOR編集部)
2023年09月30日2023年3月、トランスジェンダー選手の女子競技参加が禁止と決定されました。そこで今回は、「トランスジェンダーのスポーツ選手」について、インターネット調査を実施。「性別に関係なく、利用できる場所は増えるべきかどうか」についても、読者の本音を紹介します。気になる結果は……まず、「トランスジェンダーのスポーツ選手が、女子陸上競技から参加禁止になったことについてどう思いますか?」と訊ねたときに、「賛成だけどトランスジェンダー選手の枠を作るべきだとは思う」と答えた方は全体の48%と、最も多い結果となりました。なお、「賛成」と答えた方は32%、「反対」と答えた方は16%、「そのほか」と答えた方は4%です。それでは、数多く寄せられていた意見をご紹介します。多かった回答は……体の構造の差により、勝敗が分かれてしまうことを心配する声が上がっていました。具体的な代替案を立てるべき、という意見が多く寄せられています。そのほか回答は……禁止にすることで価値観の多様化が難しくなるのでは、といった懸念もあります。一方で、参加が可能になると、嘘をつく人も出てくるのでは、という意見もあるようです。性別に関係なく、利用できる場所は増えるべき?次に、「オールジェンダートイレなど性別に関係なく、利用できる場所は増えるべきだと思いますか?」と訊ねたときに、「はい」と答えた方は全体の68%と、最も多い結果となりました。なお、「いいえ」と答えた方は20%、「そのほか」と答えた方は12%です。数多く寄せられていた意見は、次のとおりです。増えることを望むものの……オールジェンダートイレなど、性に関係なく利用できる場所を作ることに賛成する一方で、男性用・女性用も残すべきだという意見が多く寄せられていました。ただし、新しく場所を作るとなるとコストも必要になってくるでしょう。手探り状態が続く現代トランスジェンダー選手の女子種目出場が禁止になったことに対して、多種多様な意見が寄せられていました。スポーツ以外にも、公共施設や企業など、性的マイノリティに対してまだ手探りの状態である現代社会。ジェンダーについて、スポーツ業界では議論の余地がまだまだあることを思い知らされる結果に。皆さんはこの結果を、どう感じましたか?調査主体:MOREDOOR編集部調査方法:クラウドソーシングサイト「クラウドワークス」によるインターネット上のアンケート調査調査期間:2023年4月18日有効回答数:50名の男女(MOREDOOR編集部)
2023年05月07日性的マイノリティに対して、偏見の目で見られている方もいまだに多い現代社会。中でも最近、「トランスジェンダー」に対する公共施設での利用方法が議論を呼びました。そこで今回MOREDOORでは、「性的マイノリティの方を取り巻く問題」に関する、読者の本音を調査しました。読者の意見も踏まえご紹介します。気になる結果は……「トランスジェンダーの方に対する偏見についてどう感じるか」尋ねたときに、「ひどいと思う」と答えた方は全体の46%と、最も多い結果に。なお、「仕方ないと思う」と答えた方は32%、「とくに何も思わない」は14%、「そのほか」と答えた方は10%とさまざまな意見も見受けられました。寄せられた意見の詳細をご紹介します。「ひどいと思う」と答えた方は……『当事者の気持ちや、辛さを考えたことがないのかなと感じたからです』(匿名)『体と心は別物であり、必ずしも一致しないのは不思議なことではないと思っているからです』(38歳/主婦)『トランスジェンダーの方は生まれつきのもので、何も悪くはないからです』(匿名)生まれ持った心のあり方が受け入れられないのは、性に限らず悲しいもの。これまでにたくさんのトランスジェンダーの方たちが傷ついた背景を考えても偏見は痛ましいものですよね。「仕方ないと思う」と答えた方は……『トランスジェンダーの気持ちは、そうでない人には理解できないことだからです』(40歳/会社員)『時代が追いついていないので、時間が経てば差別や偏見はなくなっていくと思います』(52歳/自営業)『教育から変えていき、子どもたちが大人になるころに変わっていけば良いのかなと思います』(43歳/専業主婦)トランスジェンダーの方への偏見は、時間の問題だと捉える方も。教育の改革など、新たな取り組みによって、性的マイノリティが徐々に受け入れられるようになるのを待ちたいと考える方も少なくありません。「そのほか」と答えた方は……『自分自身もトランスジェンダーで、性別を変えた今でも壁にぶつかることがあり、ヘイトに対し「ひどい」と思わなくなってしまうほど、国や国民性に呆れてしまいました』(28歳/自営業)『実際にLGBTQ+を盾に、要求を通そうとしている人がいることは事実ですが、すべてのLGBTQ+を一括りにして攻撃することは、穏やかに過ごしている方に対してかわいそうだと思います』(35歳/専業主婦)『繊細な問題なので、誤解が生じてしまうのも無理はないと思います』(匿名)当事者のなかには、「ひどいという感想も持てない」ほど、多くの問題に悩まされている方もいるようです。一方で、一括りに「ひどい」「仕方がない」とはいえないという意見もありました。トランスジェンダーの方が、公共施設を自認している性で利用することはどう思う?『嘘をついて性犯罪をおこす人もいるので、正直なところ難しいと思っています』(56歳/主婦)『男性・女性関係なく利用できる施設を作るべきです』(32歳/パート)『個人的には賛成ですが、今までの習慣があるので議論が必要だと思います』(40代/会社員)『自認している性で、堂々と入ればいいと思います』(28歳/自営業)公衆浴場やトイレを、自認している性で利用することは賛否両論あるようです。トランスジェンダー以外の人間による性犯罪の可能性を考慮すると、手段を講じる必要があるという声が多く挙がっていました。性のあり方に関心を性別は、男性・女性のみで区別できるものではありません。その社会的認知が進む一方で、トランスジェンダーの方に対する偏見を目にした場合、感じ方は多種多様であるとわかりました。現代社会は、性的マイノリティに対して、まだ手探りの状態といえます。皆さんはこの結果を、どう感じましたか?調査主体:MOREDOOR編集部調査方法:クラウドソーシングサイト「クラウドワークス」によるインターネット上のアンケート調査調査期間:2023年03月28日~3月29日有効回答数:50名の男女(MOREDOOR編集部)
2023年04月07日大人気ファンタジー小説「ハリー・ポッター」の世界を再現したアクションRPG「ホグワーツ・レガシー」。そのゲーム中にトランスジェンダーに関する描写があることが現地メディアCNN等で報道され、話題を呼んでいます。そこで今回は、「『ハリポタ』新作ゲームにトランスジェンダーを示唆するキャラが登場すること」について、読者の意見を編集部が調査。その結果をご紹介します。気になる結果は……「『ハリポタ』新作ゲームにトランスジェンダーを示唆するキャラが登場すること」について尋ねたときに、「とても良いと思う」「良いと思う」と答えた方と、「とくに何も思わない」と答えた方は、それぞれ全体の40%ずつで、最も多い結果となりました。なお、「違和感がある」「とても違和感がある」と答えた方は20%でした。それでは、それぞれの回答者さんが「そう思った理由」についてご紹介します!肯定的な意見の方は……『この世界にはさまざまな人がいるので、トランスジェンダーの方が自然に混ざっているのはいいことだと思います』(39歳/自営業)『いろいろな人が楽しむゲームで、さまざまな個性を持った人物たちの登場は、多様性を身近に感じられていいことだと思います』(46歳/自営業)『LGBTQ+の人々が理解してもらえる一助になるなら、良い試みだと思います』(32歳/会社員)多様性をゲームの世界にも反映することに、肯定的な意見が多く寄せられていました。深刻になりがちな問題でも、ゲームに取り入れることで、多くの方が受け入れやすくなるのかもしれませんね。違和感があると答えた方は……『世間の風潮に合わせて、無理やり出した感じがあるからです』(41歳/会社員)『世の中の流れを汲んだものだとは思いますが、原作にはなかったキャラクターをわざわざ登場させるとことに、違和感を抱きます』(42歳/会社員)『魔法を扱うファンタジーな世界観のゲームで、トランスジェンダーという現実的な価値観や問題を持ち込まれると、没入感が薄れるからです』(匿名)このように時代の流れや現実的な問題に応じて作り出したキャラクターではないかと、違和感を感じた方も。LGBTQ+のキャラクター描写が増加していることについて、どう思う?『物語が面白ければ、とくに気になりません』(39歳/自営業)『ゲームなどでLGBTQ+の人たちへの理解を促すことは、子どもたちにとっても受け入れやすく、悪くはないと思います』(42歳/会社員)『性別がどうこうより、キャラクター自体に好感が持てるかどうかが重要だと思います』(39歳/自営業)『増えているのではなく、昔からあったという視点で描いてほしいです。特異な事じゃないので、認められてこなかったことや大多数という考え方を排除してほしいです』(41歳/ファッションデザイナー)『それが当たり前になり、何とも言われない社会になることを望んでいます』(27歳/会社員)このように「当事者の方々がより生きやすい世の中になることを願う」「当たり前の社会に」といった声が最も多く寄せられました。一方で「流行っているのでとりあえずその設定を入れてみましたという流れでなければ良いと思う」とゲームのコンセプトを重視すべきとの声も挙がりました。意見や価値観は多種多様世界にはさまざまなジェンダー観を持つ人が当たり前に存在することをゲームを通して実感できる一方で、LGBTQ+の描写が「このストーリーに必要だったのか?」と違和感を抱く方もいます。さまざまな意見があることも多様性のひとつ。そんな風にお互いの価値観の違いも捉えられると良いですね。調査主体:MOREDOOR編集部調査方法:クラウドソーシングサイト「クラウドワークス」によるインターネット上のアンケート調査調査期間:2023年03月28日~3月29日有効回答数:50名の男女(MOREDOOR編集部)
2023年04月06日トランスジェンダーをはじめ、性的少数者への理解をうながすことを目的にした法律、通称『LGBT理解増進法案』をきっかけに、世の中からさまざまな意見が寄せられている2023年3月現在。特に、こころと身体の性が一致しないトランスジェンダーの公共トイレや公衆浴場の利用をめぐっては、犯罪に悪用される危険性を指摘する声があがるなど、ネット上で多くのコメントが飛び交っています。しかし、実際にトランスジェンダーとして生きている人にとっては、身体の性に合わせて施設を利用することに精神的苦痛を覚えている人もおり難しい問題です。そんな中、俳優の橋本愛さんが、Instagramのストーリーズ機能でトランスジェンダーについて言及し、後に謝罪したことが議論を呼んでいます。橋本愛、トランスジェンダーめぐる発言に「本当に心からごめんなさい」2023年3月5日、24時間で投稿が消えるストーリーズで、公共のトイレや公衆浴場では、「身体の性に合わせて区分するほうがベターかなと思っています」と自身の意見を記した橋本さん。一方で「もしかしたら当事者の人たちにとっては、我慢を強いられるような気持ちになるかもしれず、想像すると、とても胸が痛くなります」と、理解を示す文章もつづっています。入浴施設や公共のトイレなど、そういた場所では体の性に合わせて区分する方がベターかなと思っています。もしかしたらLGBTQ+も方々にとっては我慢を強いられるような気持ちになるかもしれませんし、想像するととても胸が痛くなります。けれど私は女性として、相手がどんな心の性であっても、会話してコミュニケーションを取れるわけでもない公共の施設で、身体が男性の方に入って来られたら、とても警戒してしまうし、それだけで恐怖心を抱いてしまうと思います。そんな態度をとって傷つけたくもないですし、その制度を悪用した犯罪が発生することは絶対に阻止しなければならないと思います。この件に関しては、LGBTQ+の当事者の方々が自ら、特に女性にとってリスクが高いと声を上げてくださっているのをお見かけするので、その気持ちに深く感謝しています。ai__hashimotoーより引用これに対し、一部で「差別だ」と指摘する声があがったといいます。その後、橋本さんは自身の発言を謝罪し、ストーリーズに投稿しました。ヘイトの気持ちなどまったくなくても、あらゆる観点から色んな人の気持ちを考えてやっと言葉にしても、無自覚に人を傷つけてしまったこと、反省しています。勉強になりました、教えてくれてありがとう。傷つけてしまった方々、ごめんなさい。ai__hashimotoーより引用また、最新の投稿でも「本当に、心から、ごめんなさい」とつづっています。とても有難いご意見をたくさんいただき、トランスジェンダー差別について、昨晩からたくさんたくさん調べました。一晩で得た知識や知見など極めて微々たるものだと思うので、今はまだ言葉にすることを控えますが、自分の犯した失敗の原因、問題点、そしてこれから自分が持つべき指針について考えました。今一つだけ確かに言えることは、まったく別のことで、私の中にまだ、解決されるべき課題が残っていたことです。あるトラウマの根が、関係のないところにまで結びついてしまうほど蔓延っていたことに気づき、昨夜、断ち切りました。私の思想と視野が、やっと、一致し始めてきたところです。もう二度と、考えの至らないまま発言をしてしまわないために、何よりこの世界に生きる誰かをこえ以上傷つけてしまわないために、今私が約束することは、今後必ずアップデートし続け、学び続け、そして行動し続けるということです。本当に、心から、ごめんなさい。本当にごめんなさい。学びの機会をくださり、本当にありがとうございます。ai__hashimotoーより引用自身の発言を謝罪する事態となった橋本さんですが、ネット上では擁護の声も目立ちます。トランスジェンダーの公共トイレや公衆浴場の利用は、『LGBT理解増進法案』をきっかけに注目を集めており、今回も橋本さんの意見に共感する声、一方で疑問視する声が寄せられました。【共感する声】・1人の意見であり、発信することは間違っていない。ましてや差別とみなして、口をふさぐことなんてあってはならない。・相手がどういう人かも分からないのだから、警戒してしまうのは当然。公衆浴場なんて裸なんだから、余計怖いだろうに。・橋本さんの意見の、何が間違っているのだろう?【疑問視する声】・橋本さん自身も「我慢を強いられるような気持ちになるかも」といっている。そんな思いを、どちらかだけに強いる状況はおかしい。・この場合、発言力がある人が投稿したことが問題なのかもしれない。少なからず、橋本さんの考えに引っ張られる人はいると思う。・いっている意味は分かるけど、じゃあ実際に利用したくてもできない人はどうすればいいの?どちらか一方が我慢を強いられる状況が正しいとはいえないでしょう。しかし、状況を改善するため、誰もが納得できる答えを見つけるのは容易なことではありません。また、どちらの立場であれ、意見を発信しなければ、問題が議論されることすらないはずです。今回、橋本さんが発信した意見は、『LGBT理解増進法案』をめぐる議論に一石を投じ、私たち一人ひとりが考えるきっかけとなったはずです。[文・構成/grape編集部]
2023年03月06日不妊治療を提供しているはらメディカルクリニックは、性別違和が強いトランスジェンダーのうち、生物学上は男性だが、女性としての人生を望む者(Male to Female、以下 MtF)に対しても、精子凍結サービスを提供することを発表しました。MtFが子どもを持つ選択肢の1つが精子凍結サービスあらかじめ精子を凍結保存しておくことは生殖補助医療のさまざま側面において有利に働く場合があるため、当該治療利用者にとっては一般的な手法となりつつあります。しかし、国内ではまだMtFへの精子凍結保存サービスが充分に提供されておらず、時代に即した治療の提供を志向する同院には多数の問い合わせがありました。MtFの治療過程において女性ホルモンの投与することになりますが、これが精子の造精機能低下につながるため、精子凍結は同ホルモン投与前に行うことが理想的です。しかし、すでに投与をしている段階の人でも、精子にはまだ影響がでていない場合もあります。凍結有無の決定前に精子の状態を確認することができるため、女性ホルモン投与の状況に関わらず、まずは同院に相談をしましょう。また、MtFを志向する場合において、子どもがほしいという欲求を自覚できていない場合があります。しかしながら、女性ホルモン投与がある程度進んだあとでは、精子の凍結は困難になるので、数後年に後悔しないためにも、1本でも凍結保存しておくことをおすすめします。MtFへの精子凍結サービスの提供概要費用:1アンプル1年間¥11,880(税込)*1*1:同額料金で、65歳の誕生日まで1年単位で凍結保存期間の延長が可能(必要書類)・健康保険証・精子凍結保存及び保存継続に関する同意書・(同時に2本凍結を希望される場合)1回分の射精精子を2本に分ける凍結保存(精子2本凍結保存)に関する同意書・(ご本人が来院できない場合)委任状・詳細掲載ページ: (画像はプレスリリースより)【参考】※クリニック公式サイト
2022年07月29日不妊治療を提供している、はらメディカルクリニック(東京都渋谷区、院長:宮崎 薫、以下 当院)は、性別違和が強いトランスジェンダーのうち、生物学上は男性だが、女性としての人生を望む者(Male to Female、以下 MtF)に対しても、精子凍結サービスを提供することを発表しました。従来、MtFに同サービスを提供するクリニックは非常にまれであったが、多様な生き方を実現できる現状においては、不可欠な医療サービスと判断し、当該決定に至りました。はらメディカルクリニックHP■概要MtFへの精子凍結サービスの提供費用:1アンプル1年間¥11,880(税込)*1*1:同額料金で、65歳の誕生日まで1年単位で凍結保存期間の延長が可能(必要書類)・健康保険証・精子凍結保存及び保存継続に関する同意書・(同時に2本凍結を希望される場合)1回分の射精精子を2本に分ける凍結保存(精子2本凍結保存)に関する同意書・(ご本人が来院できない場合)委任状・詳細掲載ページ: ■内容あらかじめ精子を凍結保存しておくことは生殖補助医療のさまざま側面において有利に働く場合があるため、当該治療利用者にとっては一般的な手法となりつつあります。しかし、国内ではまだMtFへの精子凍結保存サービスが充分に提供されておらず、時代に即した治療の提供を志向する当院には多数の問い合わせがありました。MtFが子どもを持つことができる選択肢は実際的には複数存在します。■当院で精子凍結を行い、MtFが子どもを持つ選択肢1) 戸籍上男性のままのMtFが生物学上の女性と法律婚をした場合2) 戸籍上女性に変更したMtFが生物学上の女性と事実上の婚姻関係にある場合*2*2:当院のガイドラインに準拠する必要あり3) 戸籍上の性別に関わらず、MtFが生物学上の男性とのカップルにおいて子どもを望む場合*3*3:このケースでは、卵子を提供してくれるドナーと、代理出産となるドナーが必要であり、これらの生殖医療は当院を含め国内では実施できない。しかし、海外にはこれが可能な機関があるため、凍結精子を海外に輸送することができる。凍結精子は輸送のダメージを受けにくく、国際輸送網の範囲内であれば海外に空輸が可能。■MtFへのメッセージMtFの治療過程において女性ホルモンの投与することになりますが、これが精子の造精機能低下につながるため、精子凍結は同ホルモン投与前に行うことが理想的です。しかし、すでに投与をしている段階の方でも、精子にはまだ影響がでていない場合もあります。凍結有無の決定前に精子の状態を確認することができるため、女性ホルモン投与の状況に関わらず、まずは当院に相談に訪れてほしいです。また、MtFを志向する場合において、子どもがほしいという欲求を自覚できていない場合があります。しかしながら、女性ホルモン投与がある程度進んだあとでは、精子の凍結は困難になるので、数後年に後悔しないためにも、1本でも凍結保存しておくことをおすすめします。当院では凍結精子の所有権は患者様に有すると考えておりますので、他院での施術を希望される場合は、当院に保存してある凍結精子を他院に移送することができます。■会社概要はらメディカルクリニックは1993年6月、都内初の日帰り体外受精ができる不妊治療専門クリニックとして開業しました。その後、顕微授精(ICSI)なども早い時期から取り入れ、再生医療を日本で初めて不妊治療に応用した「子宮内膜再生増殖法ERP」は特許出願治療です。不妊治療外来の他、着床不全外来、男性不妊外来、心理カウンセリング、併設する鍼灸院2BlueLineにより多角的に治療にアプローチし、「最先端の医療で、最短の妊娠を」という方針のもと、短期間の治療で新しい家族との出会いをサポートいたします。商号 : 医療法人社団暁慶会 はらメディカルクリニック代表者 : 院長 宮崎 薫所在地 : 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-8-10 巌ビル2F設立 : 1993年6月事業内容: 不妊治療専門クリニックURL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年07月27日映画界においても、LGBTQをテーマにした作品は増えていますが、まもなく公開を迎える注目作『私はヴァレンティナ』で描かれているのは、トランスジェンダーの女子高生。そこで、リアルな現状に迫っている話題の本作について、こちらの方にお話をうかがってきました。ティエッサ・ウィンバックさん【映画、ときどき私】 vol. 469役柄同様に自身もトランスジェンダーであり、人気YouTuberとしても活躍中のティエッサさん。ソーシャルメディアがきっかけで主人公のヴァレンティナに抜擢され、演技未経験にもかかわらず、見事な演技を見せて高く評価されています。今回は、自身の経験や葛藤、そして本作を通じて伝えたいことについて、語っていただきました。―最初に、映画出演のオファーを受けたときのお気持ちから教えてください。ティエッサさんすごくうれしかったので、躊躇することなく、その場ですぐに承諾しました。というのも、私は映画で役を演じることがずっと夢で、小さい頃から自分の部屋をスタジオに見立てては撮影ごっこのような遊びを一人でしていたほどなので。そしてもうひとつは、自分が生きている現実と映画で描かれている現実とが非常に似ていたからというのも大きな決め手となりました。―とはいえ、演技の経験がないなかでの挑戦はいかがでしたか?ティエッサさん一度セットに入ったら、1日中そこから出たくないと思うほど、すごくエキサイティングな経験でした。役を演じることが好きなのもわかりましたし、キャストやスタッフのみなさんともワイワイしながら過ごしていたので、仕事とは思えなかったほど。本当に毎日が楽しくて仕方がなかったです。―劇中では、初めての演技とは思えないくらい堂々とされていましたが、不安を抱えていたところもあったのでは?ティエッサさん実は、ひとつだけありました。それは、母親役のグタ・ストレッサーさんと初めてカメラテストでお会いしたときのこと。彼女はベテランの女優さんで、ブラジルではものすごく有名な方なので、そんな方と本当に一緒にやるんだと思ったら、ものすごくプレッシャーを感じてしまいました。でも、ご本人がとても優しい方で、いろいろなことをたくさん教えてくださったので、いまでは「お母さん」と呼んでいるほど。セットの外でも私のことを娘のように扱ってくれています。初めてでも、自分を最大限出せるように意識した―現場に入る前には、何か自分なりの準備もしていたのでしょうか。ティエッサさん心がけていたのは、自分を最大限に出せるようにしようという意識。そういったことを考えながら脚本を読んで準備をしましたが、もちろん緊張はしましたね。でも、みなさんが本当に快く迎えてくれたので、撮影中はずっと幸せな時間でした。とはいえ、私は自分がしていることに批判的なところがあるので、監督に「いまので本当に大丈夫でしたか?」と何度も確認してしまったことも。OKだと言われても納得できずに、心配になることはたびたびありました。―演じるうえでは、ご自身の経験を活かしたり、アイディアを監督に伝えたりというのもありましたか?ティエッサさんそうですね。まず初めに脚本を読んだとき、トランスジェンダーが置かれている現状などにいろいろな疑問点があったので、それを監督には伝えました。その後、さまざまなディスカッションをしたうえで、監督が私の意見をしっかりと受け入れてくれたのはありがたかったです。―そのなかでも、思い入れのあるシーンといえば?ティエッサさん一番は、ヴァレンティナが性被害を受けたことを母親に告白する場面。「私にもこういったことを告白できる母親がいて、自分を支えてくれていたら……」と考えながら演じていたら、撮影が終わっても涙が止まらなくなってしまいました。そのときに、トランスジェンダーの人たちにとっては、家族や親しい人が家にいて安心して暮らせることがものすごく重要だと改めて感じたのです。性の多様性については、もっと議論していくべき―この作品を通して、心境の変化を感じることもあったのではないですか?ティエッサさんすごく変わりましたね。撮影を終えたあとはヴァレンティナと自分を区別するのが難しくなってしまい、セラピーに通ったこともありましたが、それによって自分のことをより理解できるようになりました。実生活では母親が不在なので、大きくなっていたのは母親に対する感情。この作品に出演したことをきっかけに、母親を探してみようと考えるまでになったのです。残念ながらすでに私が小さい頃に亡くなっていたということが判明しましたが、そういった大切なプロセスを経験することができました。―背景にはそんな思いも抱えていらっしゃったんですね。ティエッサさんはもともとYouTuberとして活動していたということですが、きっかけは?ティエッサさん以前働いていた職場のなかにトランスジェンダー嫌悪の女性上司がいて、非常につらい思いをしていたので、仕事を辞めることになりました。そこで次に何をしようか考えていたときに、YouTubeを見るのも自分がカメラに映るのも好きだし、アーティスティックなことをしたいと考えていたので、自分で撮影してみようと始めたのが最初です。―ブラジルではトランスジェンダーの中途退学率は82%、そして平均寿命は35歳というデータが出ていると知り、かなり衝撃を受けました。この事実をどう感じていますか?ティエッサさん本当に、ひどいことだと思っています。それ以外に言葉が出てきませんが、私たちトランスジェンダーの人生というのは、それほどいつ断ち切られてしまうかわからない状況に置かれているのです。ただ、そういったことをなくしていくためにも、性の多様性については、もっと議論していくべきですし、そのうえで相手をリスペクトすることが基本になってくると思います。保守的な街で、多くの嫌がらせを受けたこともあった―映画のなかのヴァレンティナのように、ご自身も危険な思いをしてきたことは多かったのではないでしょうか。ティエッサさんそうですね。私はブラジルにある非常に保守的な田舎で育ったので、そういったことは当然ありました。しかも、私がその街でトランスジェンダーを自称する最初の人間だったので、歩いているだけで指を差されたり、侮蔑的な言葉を投げつけられたりは日常茶飯事。そういう意味では本当にたくさんの虐待を受けてきましたし、パブリックな人間になったことによって、私の状況は悪化していると感じています。―そういった恐怖や危険には、どのように対処しているのですか?ティエッサさんまずは、絶対にひとりで外出しません。同僚や友人と必ず一緒に出掛けますし、知らない場所には行かないようにもしています。それくらいブラジルは、何が起こるか本当にわからない国なので……。自分の精神的かつ肉体的安全を守っていくためには、自分の行動を制限しなければならないのが現状です。―厳しい生活を強いられることはあると思いますが、パブリックな立場にいるからこそ、この状況を変えるために行っていることもありますか?ティエッサさんまずは、この映画で話し合うところから始めたいと考えています。公開される前は、ネガティブな反応が多いと予想していましたが、蓋を開けてみたら、感動したといった声をたくさんいただくことができましたので。ほかにも、いまブラジルで放送されているリアリティ番組にトランスジェンダーの女性が出演していて評判になっているのですが、「彼」と呼ぶのか「彼女」と呼ぶのか、といったことなどさまざまなことが話し合われていて、徐々に認知度が上がっているのを感じています。人は情報がないから偏見を捨てることができないと思うので、これからもいろいろなメディアを通じて、たくさん情報を届けていけたらと。そのうえで、多くの方と議論を進めていきたいです。どうありたいかは、他人ではなく自分で決める―そんななかでも、ご自身を支えているような言葉や信念があれば、お聞かせください。ティエッサさん私は自分がどうすべきか、何ができるのか、何をしてはいけないのか、といったことを他人には言わせないようにしています。なぜなら、自分がどうありたいかは他人ではなく、自分自身が決めることですから。そういったことは、いつも大事にしています。―非常に興味深い問題なので、日本でもこの映画によってもっと議論してほしいですが、公開を控えてどのようなお気持ちですか?ティエッサさん本当に信じられないですね。 もし、子どもの頃の私に誰かが「いつか自分が出ている映画の取材を日本から受けることになるよ」と言ったとしても、「そんなバカな!」と思うでしょうから(笑)。それくらい信じられないことですが、日本での公開はありがたいです。―日本のカルチャーで好きなものとかがあれば、教えてください。ティエッサさん私は日本のアニメをよく見ていて、『新世紀エヴァンゲリオン』やポケモンが大好きです。日本を訪れたことはまだないですが、よく日本に遊びに行く友達がいて、いつも素敵な動画を見せてくれるので、私もいつか行きたいなと考えています。―それでは最後に、日本の観客に向けてメッセージをお願いします。ティエッサさんこの映画を観てくださる方に感謝するとともに、みなさんの心に届くことを願っています。そして、トランスジェンダーというひとつの問題について、思いやりとリスペクトを持っていただけたらうれしいです。インタビューを終えてみて……。劇中で見せていた姿より、ぐっと大人の魅力を増していたティエッサさん。太陽のような明るい笑顔と芯の強さがとても印象的でした。とはいえ、時折見せる表情からは苦悩も感じずにはいられなかったので、ティエッサさんが提唱するようにもっと議論と理解を進めていくことの重要性を多くの人にも感じてほしいです。偽りの自分を捨てて、新しい自分と出会う!いくつもの壁と危険が立ちはだかる理不尽な社会のなかでも、毅然と立ち向かうヴァレンティナの姿に心が動かされる本作。暗闇のなかでも希望を感じさせる生き方は、ありのままで生きることの大切さだけでなく、思い通りに行かない人生のなかでも自由を手にするために闘う意味を教えてくれるはずです。取材、文・志村昌美ストーリー母親とともに、ブラジルの小さな街に引っ越してきた17歳のヴァレンティナ。出生届の名前ではなく、通称名で学校に通う手続きのため、蒸発した父を探している。未だ恋を知らないゲイのジュリオ、未婚の母のアマンダなど、新しい友人や新生活にも慣れてきたが、自身がトランスジェンダーであることを伏せて暮らしていた。そんななか、年越しパーティに参加した際、見知らぬ男性に襲われる事件が起きる。それをきっかけに、トランスジェンダーであることが広まり、SNSでのネットいじめや匿名の脅迫、暴力沙汰などヴァレンティナの身に危険が襲い掛かるのだった……。胸を締めつける予告編はこちら!作品情報『私はヴァレンティナ』4月1日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開配給:ハーク©2020 Campo Cerrado All Rights Reserved.
2022年03月31日どんな役もしなやかに演じ分ける坂東龍汰さん。初のW主演を務める映画『フタリノセカイ』では、トランスジェンダーの真也役に挑む。オファーを受けた時の心境を「難しい役だと思いました」と打ち明ける。性を超えたカップルを通じて、形にとらわれない愛を描き出す。「W主演ということにも驚きましたけど、女性の体で生まれながら男性として生きることを望む、FtMの役ということで、僕には胸もないし、男性の骨格で生まれてきたので、リアリティという意味で大丈夫なのか、FtMの方が演じないとダメなんじゃないかと」難役への理解を深めるため、クランクインまでにさまざまな体験を重ねた。自身がトランスジェンダーである、飯塚花笑(かしょう)監督と話し合いを重ねたこともそのひとつ。「真也が性の違和感に気づき、自分に向き合うと決めて、“大変”という言葉でまとめていいのかはわからないですけど、いろんなことを乗り越えようとした10年を、短い撮影期間で表現しなければいけなくて。撮影前の1か月間は、何度となく監督とお話しさせていただきました。その中で、監督からブラジャーをつけて生活してみてほしいと言われて実際につけて人前にも出てみたんですが、なんとも言えない不思議な感覚になりました。特殊造形で胸を作ってもらい、つけた時の重さを感じられたことも大きかったですね。監督には、トランスジェンダーの方たちが集まるバーにも連れていってもらったんです。そこではざっくばらんにたわいもない話を楽しくして、みなさんの雰囲気に触れることができました。バーのお客さんからも監督からも言われたんですけど、僕の声がいいんですって。高くも低くもないミックスボイスが、FtMの方と近いみたいです。そうしたことを重ねながら、もちろん調べた知識も大事ですが、頭で考えるよりも体で感じたことを役に活かそうと思うようになりました。このような役作りのアプローチは初めてでしたが、FtMの当事者ではない僕が、極力嘘なく、表現するにはどうしたらいいのか。そうした迷いはクリアにしてから現場に入れました」真也が、会った瞬間に恋に落ち、いずれ結婚して家族を作りたいと願う相手・ユイは、女性の体で生まれ、性自認も女性。真也への想いと彼が抱える事情の狭間で葛藤する役を演じるのは、ドラマ『ボイスII 110緊急指令室』などで注目されている片山友希さん。「片山さんのリクエストで、真也とユイのようなカップルにお会いして、お話しする機会を監督が作ってくれたんですが、お二人ともすごく明るく幸せそうだったんです。この作品を通じて、愛にはいろんなあり方があって、それぞれが素敵なんだと気づかされました。どんな愛でも、二人が幸せなら、それが本物の愛なんだと。それは愛に限らず、仕事もそう。形や理屈にとらわれず、これまでに演じたことのない役に挑戦していきたいです」『フタリノセカイ』写実家の弁当屋を手伝うトランスジェンダーの真也は、保育園勤めのユイと出会い、恋に落ちる。やがて同棲を始めた二人だったが、その先には乗り越えなければいけない、厳しい現実があった。1月14日より全国順次公開。©2021 フタリノセカイ製作委員会ばんどう・りょうた1997年5月24日生まれ、北海道出身。2017年、俳優デビュー。翌年『花へんろ 特別編 春子の人形』で主演。放送中のドラマ『真犯人フラグ』に出演。今年、映画『峠 最後のサムライ』が公開予定。※『anan』2022年1月12日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE)ヘア&メイク・浅井美智恵インタビュー、文・小泉咲子(by anan編集部)
2022年01月11日ブラジルの現在を生きる、17歳のトランスジェンダーの少女を描いた劇映画『VALENTINA』が、邦題を『私はヴァレンティナ』として4月1日(金)より公開決定。日本版ポスターと場面写真が解禁された。ブラジルの小さな街に引っ越してきた17歳のヴァレンティナ。彼女は出生届の名であるラウルではなく、ヴァレンティナとして学校に通う手続きをするために蒸発した父を探している。新しい友人や新生活にも慣れてきた中、参加した年越しパーティーで見知らぬ男性に襲われる事件が起きる。それをきっかけにSNSでの誹謗中傷や、匿名の脅迫、暴力など様々な危険が襲い掛かる…。LGBTQ+の権利保障に前向きに動き、同性婚が認められているブラジル。だが、その一方でトランスジェンダーの人々の中途退学率は82%、平均寿命は35歳といわれている。そんな現在のブラジルに生きるトランスジェンダーの少女が、「私として生きる」ことの難しさと、力強さを描いた本作。ヴァレンティナ役はトランスジェンダーの当事者であり、著名なYouTuberでインスタグラマーとしても活躍中のティエッサ・ウィンバックが演じる。監督はショートショートフィルムフェスティバル&アジア2009でオーディエンス・アワードを受賞した『秘密の学校』(08)のカッシオ・ペレイラ・ドス・サントス。「本作の制作では、多くのトランスジェンダーの方にインタビューを行いました。映画製作の全過程でトランスジェンダーの方に参加してもらうことが重要でした。もしこの映画の物語が軽い内容になってしまうとブラジルでの過酷な現実に対してフェアでないと感じた」と語る監督。「悲しいエンディングやネガティブな思いを起こす映画もたくさんありますが、もし自分がトランスジェンダーの10代だとしたらそういった映画を観るのは辛いと思いました。苦しい状況の中でもトランスジェンダーの若者たちにとってポジティブで希望のある物語を贈りたい」という想いから生まれた、未来に捧げる1作となっている。『私はヴァレンティナ』は4月1日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:私はヴァレンティナ 2022年4月1日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2020 Campo Cerrado All Rights Reserved.
2022年01月11日俳優でモデル中山咲月が17日、東京・渋谷区で実施されたフォトエッセイ『無性愛』(発売中、ワニブックス刊)の発売記念取材会に出席。トランスジェンダーであり、無性愛者(編注:他者に対して、恋愛感情や性的欲求を感じない人)というセクシュアリティについて初告白した心境を語った。『中学聖日記』(TBS系)のジェンダーレスな役が話題を呼び、『仮面ライダーゼロワン』(テレビ朝日系)では亡役を演じた中山。「今年に入って、映画『彼らが本気で編むときは、』を見て、自分の中にある違和感に何となく名前がついたタイミングがあった。そこから1カ月くらい、やっぱり自分の中で腑に落ちなくて、悩んで『これは、自分は言ったほうだ楽だ』と気づいた。最初はブログで発表して、フォトエッセイのお話をいただいた。出すなら、エッセイの部分で自分のパーソナルな部分をお話できたらと思って話すことにした」と公表の経緯を説明した。無性愛者であることを意識したのは「実はけっこう前で、中学生くらいのときに何となくそう思っていた。思春期じゃないかと思ったりもして、何となく答えは出さずにいた。インターネットで性別がないことを調べたとき、同じような考えの方がたくさんいることに気がついてから、自分の中に落とし込めるようになった」と話した。以前よりも胸板がやや厚くなり、声も男性らしさが増した。「実は、医学に頼りながら進化している途中。リスクもあるのは分かっているけど、それよりも、何よりも、今の自分が生きやすいというのが大きい。前よりも生きることが楽しいということに尽きる。どんどん進化していく自分になれれば」と白い歯をこぼした。取材会当日は、中山の23歳の誕生日。「当たり前に中山咲月というのが存在して、いろいろなお仕事ができればいいなと思っています。具体的に『こういうことをやりたい』というよりは、トランスジェンダーである中山咲月ではなく、ただ一人の人間として認められるように、普通にお仕事をがんばっていきたい」と意欲を口に。加えて「当たり前に男性の中に入って、男性の役をやるのが自分の中では目標」だと述べた。“自分ですら扱いにくい性別”だという中山。「説明していく難しさもある。自分の中にないものを紹介されても、誰しもがびっくりする。自分は、自分の中のない、分からない感情を、分からなくていいなと思っている。分かる必要はないし、理解する必要もない。分からないけど『こういう人もいるんだ』ということを伝えていきたい」と語る一方、「トランスジェンダーの悩みを抱えている皆さんの代表にはなりたくない。皆もがんばっている途中だし、中山咲月もこれからがんばらないといけない立場。一緒にがんばっていこうと伝えたいです」とメッセージを送った。
2021年09月17日出生時の性別と性自認が異なるトランスジェンダーの男性・竹紫春翔(ちくしはると)さん(本名・大城春香さん 32歳、神戸市)が自らのおいたちや体験をもとにした絵本「せかいにひとりだけのぼく」の制作・出版のためのクラウドファンディングを8月8日に立ち上げました。公共施設への寄付、講演費用など120万円の調達を目指し、支援は10月11日まで受け付けております。8月8日から18日間で50%達成しました。勇気と希望を届けたい竹紫さんは沖縄県生まれで体は女性、心は男性のトランスジェンダー。幼少期から自分の性に違和感を持ち、小学校6年生で女性の先生を好きになったときに、人と違うことに気づきました。男子生徒に混じり小・中・高と野球に打ち込みますが、いじめに遭うなど苦しい学生生活を送ることとなりました。母へのカミングアウトは25歳のとき。家を出ることを覚悟して打ち明けたのに、母はあっさりと受け入れて拍子抜けしたそうです。竹紫さんは語ります。「母に受け入れてもらったことをきっかけに、トランスジェンダーは自分の個性だと思うようになり、前を向いて歩んで行けるようになりました。その体験を絵本という形で世に出し、同じような悩みを持つ大人、子供に勇気と希望を与えたいです。現在、日本のLGBTの割合は8~9%と言われています。誰にも打ち明けられず、相談もできない。そんな人びとを寛容に受け入れていく社会になっていくことを望みます。絵本出版はその第一歩になると信じています」左・竹紫さん、右・絵本作家Haijiさん■クラウドファンディング「男女って何?性別の枠を越えた、個性を大切にする絵本を子供達に届けたい」 【竹紫春翔(ちくしはると)】(本名・大城春香)32歳、神戸市。1989年生まれ、沖縄県那覇市出身、神戸市灘区在住関西を中心にオニイタレントとして活動。LGBTの講演も積極的に行っている。Instagram: 【Haiji(ハイジ)】(本名・平野沙緒理)37歳、西宮市。1984年生まれ、山口県下松市出身、西宮市在住の絵本作家。「ほっこり優しいイラストで子どもたちを笑顔にしたい」をテーマに絵本を描く。絵本「パイクとそら」「シェリーとのんちゃん」など。Webサイト: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月01日トランスジェンダーとして葛藤する彼とその彼女の2人に視点を置いた映画『フタリノセカイ』が、2022年1月14日(金)より新宿シネマカリテほかにて公開決定。メイン画像も初解禁となった。出会った時から互いに惹かれあった、トランスジェンダーの真也とユイ。恋愛し、いずれ結婚して家族をつくり、共に人生を歩んでいきたいと願っていたが、その願いを叶えるには、ひとつひとつクリアしなくてはならない現実があった。ときにすれ違い、別々の道を歩むが、再び出会った“フタリ”。愛を確かめあい、ある決断をする。それはもしかすると常識を越えているのかもしれない。だが、安らぎに満ちた“フタリ”には、確かに感じる未来があった…。監督・脚本を務めたのは、自身もトランスジェンダー(女性から男性に移行)である飯塚花笑(いいづか かしょう)。ぴあフィルムフェスティバルPFFアワード2011において自伝的作品『僕らの未来』で審査員特別賞を受賞、国内外で高い評価を受けた。ユイを演じるのは、『茜色に焼かれる』ほか、ドラマ「ボイスll 110緊急指令室」に出演する片山友希。ユイは真也に対して様々な葛藤に揺れつつも、一緒に生き、支えていくことを選択する。片山友希また、真也を演じるのは、『弱虫ペダル』『スパイの妻』など出演作で話題を呼ぶ坂東龍汰。真也は、子どもの頃から違和感を感じていた自身の性に対し、向き合い、自分らしく生きていこうとしている。坂東龍汰飯塚花笑監督コメント全文この映画を作ろうと思い立ったのは、かれこれ5、6年前だろうか。まだまだ自身の性別や、これから生きていく道に迷い、そんな最中に生まれたのが「フタリノセカイ」です。世界に一つだけのフタリだけの愛のカタチを描くことによって、誰かの常識をぶち壊したい。世間で語られる幸せのカタチに疑問を呈したい。そんな想いでこの作品をつくりました。この作品が誰かの心の支えとなりますように。そして多くの方々の元へ届きますように…。『フタリノセカイ』は2022年1月14日(金)より新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:フタリノセカイ 2022年1月14日より新宿シネマカリテほか全国にて順次公開©️2021 フタリノセカイ製作委員会
2021年08月31日「13の理由」のライアン役で知られるトミー・ドーフマンが、トランスジェンダーであることを「Time」誌および自身のインスタグラムで公表した。「この一年間、私はプライベートでは女性であると認識し、女性として生きてきました。トランスジェンダーの女性です」と語ったトミー。すでに医学的な性転換を行ったという。自身に対して使ってほしい代名詞は「She」(彼女)で、名前については「変更するつもりはありません。私が生まれて1か月後に亡くなった、母方のおじにちなんだ名前なので。亡くなる前に抱きしめてくれたおじに、とてもつながりを感じている名前です。これはトミーの進化です。もっとトミーらしくなります」と明かしている。2016年に同性婚した男性との関係はというと、「彼のことはすごく愛しています。でも、トランスの女性として、私が興味を引かれるものは必ずしもゲイの男性にあるとは限らないと気付いたのです。そこで私たちはじっくり話し合って関係性を見直し、友だちでいることにしました」とのこと。相手の男性も、インスタグラムのストーリーズで「たくさんの愛をこめて。きみはゴージャスで、完全に自分らしい自分を生きている。誇りに思うよ、T」とサポートを表明している。「29歳なのにまた思春期を迎えた気分でワクワクしています」と喜ぶトミーは、今後トランス女性としてテレビや映画に出演していく意欲もみせており、「昨年、レナ・ダナムが私に女性として初めての役をくれたんです。楽しかったし、認められている気がしました」と語っている。(Hiromi Kaku)
2021年07月26日エリオット・ペイジが、昨年12月にトランスジェンダーであることを公表してから初めて、テレビ番組でインタビューを受けた。Apple TV+のオプラ・ウィンフリーのトークショー「The Oprah Conversation」に出演したことをインスタグラムなどで報告している。実は12月に長文レターをインスタに投稿して公表する前から、周りの人にはトランスジェンダーであると伝えていたというエリオット。「自分自身が安心したかったし、はっきりと言うことができる機会を求めていました」という理由から公表に至ったというが、あのタイミングでそうしたわけには「義務感」もあったと話す。「私たちがいまいるこの時代、トランスジェンダーの人々――特に若いトランスジェンダーの人に対して強い反感が向けられているのを見て、(自分が公表することは)急を要すると感じたんです」。若いトランスジェンダーに必要な医療が限定されているアメリカの法律や、トランスジェンダーがスポーツに参戦する際の制限などの問題点も挙げた。「男性として生きていくことを決めて、うれしくなる瞬間は?」というポジティブな質問には「シャワーから出て、腰にタオルを巻いた自分の姿を鏡で見るとき。『ほら、自分だ』と思えるんです」と語った。エリオットは「TIME」誌で乳房切除術を受けたことを明かしている。「ただTシャツを着る。胸を触って、私の身体が心地よく感じる。多分初めての経験ですね。涙が出るほどうれしい」と喜びをかみしめた。エリオットが出演する「The Oprah Conversation」はアメリカで30日からApple TV+で配信開始。(Hiromi Kaku)
2021年04月30日3月31日は「国際トランスジェンダー認知の日」で、アメリカでは「女性史月間」の最終日でもあった。この日、LGBTQの人々に対する差別的表現などをメディアモニタリングしている「GLAAD」は、トランスジェンダーの女性・少女へのサポートを表明する公開状を公式サイトに掲載。「言葉の暴力は特に黒人、ラテン系のトランス女性に対する殺人・暴力事件を助長しています。2020年は44人以上のトランス女性が殺害されるという、トランス・コミュニティにおいて、史上最悪の記録を更新しました。今年は少なくとも9人が殺害されています」と悲惨な現状を説明し、「トランスジェンダーの女性・少女に対する暴力(法律的、身体的、社会的、そして言葉の)の長い歴史を終わらせるときがきました」と訴えかける内容だ。「私たちみんなは、トランスジェンダーの女性・少女の前に立ちはだかる、無用で非倫理的な壁と戦わなければなりません」と闘志を込めた力強い文章がつづられている。公開状には内容に同意し、署名したセレーナ・ゴメス、ハル・ベリー、ブリー・ラーソン、ジュリアン・ムーア、エミリア・クラーク、シンシア・エリヴォ、カーラ・デルヴィーニュら465人以上の著名人の名前が記載されている。「GLAAD」は一般女性およびノンバイナリーの人々にも「ぜひ署名を」と呼びかけている。署名は氏名とEメールアドレスを入力するだけで簡単にできる。(Hiromi Kaku)
2021年04月01日日本で初めてトランスジェンダーの女性役を、当事者の俳優を公募して選出した映画『片袖の魚』(仮)の製作が決定。ファッションモデルのイシヅカユウが主演を務めることになった。本作の原案は、16歳で現代詩手帖賞、史上最年少18歳で中原中也賞を受賞して以降もNHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、エッセイ集の刊行など幅広く活躍する詩人・文月悠光の「片袖の魚」(詩集「わたしたちの猫」/ナナロク社/2016刊に収録)。その詩を、1995年の第4回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭コンペ部門にて審査員特別賞を受賞し、『劇場版 喧嘩番長』シリーズや『はぐれアイドル地獄変』といった商業作品を手掛け、近年では『老ナルキソス』『ホモソーシャル・ダンス』『帰り道』など、自主製作した作品が国内外の映画祭で高い評価を得ている東海林毅が脚本化、監督する。文月悠光の詩を原案にした映画化は、本作が初めて。主人公およびその友人役にトランスジェンダー当事者の俳優を公募し、オーディションが実施された本作。多数の応募者の中から主人公ひかりに選ばれたのは、ファッションモデルで、MVなど映像でも活躍しながら、最近ではTVやラジオなどで自身の体験や意見を発信するなど活動の場を広げているイシヅカユウ。イシヅカさんは、「新しいことに挑戦するのはいつも不安ですが、お芝居の渦中に身を投じ、自分の中にあるものと自分の中に無いものを重ねて一つの像を作る途方もない作業を楽しんでいます。ご期待下さい」と初めての挑戦に意気込みを語る。友人の千秋役には、トランスジェンダーの女優・タレントとして今後より一層の活躍が期待される広畑りか。また、ひかりの同僚役で、猪狩ともか(仮面女子)も出演する。原案の詩人・文月さんは本作を「とても大切な映画」と語り、「文月も監督も主演のイシヅカユウさんも、本作に携わる多くの方にとって『片袖の魚』は大きな『挑戦』になります。それが何より嬉しいです。今はまだ稚魚のような心持ちですが、公開までどうか温かく見守って頂けたら幸いです」とコメントを寄せている。『片袖の魚』(仮)は2020年内に完成、2021年に劇場公開を予定。(text:cinemacafe.net)
2020年12月11日2014年に同性愛者であると公表し、2018年にダンサーのエマ・ポートナーと結婚したエレン・ペイジ(『JUNO/ジュノ』)が、トランスジェンダーであることをSNSで明らかにした。「ハイ!友人のみんな。私はトランスジェンダーであることをみんなと共有したいです。私の代名詞はheかthey(彼か彼ら)で、名前はエリオットです」と長文メッセージで報告した。エリオットはついに本当の自分を認めて愛することができたと喜ぶ一方で、トランスジェンダーの人々が直面している問題についても言及。たとえば、トランスジェンダーに対する偏見やヘイトが広まっていること、「2020年だけで、少なくとも40人のトランスジェンダーが殺害された」ことなどを挙げた。「私はトランスジェンダーであり、クィアである自分のことが好き」と明言するエリオットは、「この世界をもっとよく変えるために、私にできることはなんでもやるつもりです」という決意を込めた一文でメッセージを締めくくっている。Netflixの大人気ドラマ「アンブレラ・アカデミー」で女性のヴァーニャ役を演じているエリオットに、Netflixは「私たちのスーパーヒーローを誇りに思います。シーズン3であなたに会えるのが待ちきれない!」とツイート。エリオットがシーズン3にもヴァーニャとして戻ってくることを明らかにした。「アンブレラ・アカデミー」の共演者のトム・ホッパー(ルーサー役)、ジャスティン・H・ミン(ベン役)、製作総指揮のスティーヴ・ブラックマンやマイリー・サイラス、アンナ・パキン、オリヴィア・マンらがエリオットに応援メッセージを送っている。(Hiromi Kaku)
2020年12月02日映画『ミッドナイトスワン』(9月25日公開)でトランスジェンダー役に挑戦した俳優の草なぎ剛が、『週刊文春』の巻頭グラビア「原色美女図鑑」に主人公・凪沙役で登場する。『全裸監督』『獣道』『下衆の愛』で知られる内田英治監督のオリジナル脚本による本作は、トランスジェンダーとして日々身体と心の葛藤を抱え新宿を舞台に生きる凪沙(草なぎ)と、親から愛を注がれず生きるもバレエダンサーを夢見る少女・一果(服部樹咲)の姿を通して“切なくも美しい現代の愛の形”を描くラブストーリー。『週刊文春』の巻頭グラビア「原色美女図鑑」に、草なぎは“凪沙”として登場。映画で描かれなかった“凪沙”の姿を、写真家・渞忠之氏が撮影した。そこから写し出させる“凪沙”は、時には女優らしく、時には小悪魔のように、時には柔らかな光に包まれ穏やかな表情を見せるなどドキっとする美しさを見せている。巻末のグラビア「男の肖像」では、タレント・草なぎ剛としてのオンからオフまで様々なシーンに密着。番組収録を楽しむ一面のほか、合間に見せる真剣なまなざし、そして愛犬・クルミちゃんとのショットなど、いくつもの表情が存分に収められている。さらに、インタビューはノンフィクションライターの金子達仁氏が務め、本作への役作りや共演者のエピソードはもちろん、草なぎの表現者として、役者としての素顔を直撃した。今まで『週刊文春』では、男性キャストが登場するときは「原色美男図鑑」として掲載。しかし、今回は、映画の主人公であり、新人女優“凪沙”として登場するため、「原色美女図鑑」として掲載。1989年6月から「原色美女図鑑」の連載を開始し、今年で32年目の歴史の中で、同誌としては初めての大胆な展開となっている。9月24日発売の『週刊文春』で詳報する。草なぎは「皆さんのお力添えによって、1カット1カット撮るごとに、僕の中の“凪沙”が出てきた感じがありました。僕より、周りのスタッフが凪沙というキャラクターを愛してくれてるので、その気持ちに応えられるように頑張りたいな、と。きっと、いいものになってるんじゃないかなと思います」とコメントしている。また、9月25日には『ミッドナイトスワン SPECIAL CINEMA BOOK』が発売される。草なぎの限定インタビューや、キャラクター相関図、映画評、小説版『ミッドナイトスワン』冒頭部分の他、「週刊文春」の「原色美女図鑑」とは別の表情を見せる凪沙の撮りおろし写真も収録。映画の世界観をより深く理解できるとともに、鑑賞の思い出になる1冊となっている。なお、小説版『ミッドナイトスワン』は現在発売中。『ミッドナイトスワン SPECIAL CINEMA BOOK』(C)文藝春秋小説版『ミッドナイトスワン』文春文庫刊(C)2020 Midnight Swan Film Partner
2020年09月14日東スポWebは8月26日、草なぎ剛(46)がトランスジェンダーを演じる映画「ミッドナイトスワン」に関する記事をアップした。タイトルは「強烈!草なぎ剛が“女装オネエ”に 主演映画で見せた進化と『母の顔』」。ネットでは非難の声が殺到している。タイトルでトランス女性のことを“女装オネエ”と表現している同記事。そこには試写会に参加したある人物が、劇中の草なぎについて「女装姿に思わず噴き出しそう」「いわゆる世間一般で言う“オネエ”」とコメント。さらに書き手は草なぎの「ねえ、アンタさぁ~」などの言い回しに対して「オネエ言葉を連発」「バラエティー番組でのコントのようにも感じそう」ともつづっている。「トランスジェンダーと“女装をしたオネエ”は本来、異なるものです。トランス女性は戸籍上では男性でも、女性として生活しています。ですから『女装』や『オネエ言葉』という表現を用いるのは適していると言えませんし、それらを『強烈』『噴き出しそう』『コントのよう』と書き表すのも失礼ではないでしょうか」(全国紙記者)そのため、ネットでは東スポWebに「差別的」と厳しい声が上がっている。《東スポが草なぎ剛 主演映画についてトランス女性に対する侮蔑的な言葉を並べている》《オネエという生き方もある でもトランスジェンダーとは違う 草なぎ剛の女装姿にオネエ言葉がコントみたいと表するなんて》《日本特有の「オネエ」という呼称に起因する地獄が、全て詰まっている》《トランスジェンダーを理解する気ゼロの記事でつらい》
2020年08月28日反トランスジェンダー発言で大炎上中のJ.K.ローリングに対し、『ハリー・ポッター』ファミリーが批判の声を上げ始めている。ダニエル・ラドクリフは長文エッセイで「トランスジェンダーの女性は、女性だ」と強調し、ローリングの発言を本人に代わって謝罪。同映画でチョウ・チャンを演じたケイティ・リューングもローリングの名前は出さずとも、トランスジェンダーを支持する内容の記事を紹介した。ハーマイオニー役のエマ・ワトソンも「トランスジェンダーの人たちが、自分がどんな存在であるかというのは彼ら自身が決めること。誰かに“違う”といつも疑問を持たれたり言われたりせずに、人生を生きる権利があるのです」とツイート。「私のトランスジェンダーのフォロワーにわかってほしいのですが、私やそのほかの世界中の人々は、ありのままのあなたのことを理解し、敬意を払い、愛しています」とエールを贈った。また、トランスジェンダーの子どもたちのためのチャリティー団体「Mermaids」、フェミニスト基金の「Mama Cash」に寄付したことを明かし、フォロワーたちにも呼びかけた。『ファンタスティック・ビースト』シリーズのエディ・レッドメインは「仕事でJ.K.ローリング、トランスコミュニティーのメンバーたちと組んできた人間として、自分の立ち位置をクリアにしたいと思います。ぼくはジョーのコメントには賛成できない」とローリングを名指しし、強く反論。エディにはトランスの親友や仲間がいるといい、「彼らはアイデンティティに疑問を持たれることに辟易しているし、暴力や虐待に発展することも多々あります。ただ平和に暮らしたいだけなのです。いまがそうさせてあげるときです」と声明文を発表した。(Hiromi Kaku)
2020年06月11日しゅんかさんのセクシュアリティである ”パンセクシュアル”、”トランス女性” とは【多様な性、LGBTの世界】vol. 9”パンセクシュアル” と聞いてもピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。”パン” には ”全ての” という意味があります。平たくいうと、”性別の枠を超えて人を愛する” といった意味合いです。女性が男性に、男性が女性に、といったように異性に恋愛感情を抱くのが異性愛者です。異性愛者のことを ”ストレート” と呼ぶこともあります。いっぽう、同性に対して恋愛感情を抱く方たちは同性愛者です。いわゆる、”レズビアン” や ”ゲイ” です。また、異性にも同性にも恋愛感情を抱く方もいらっしゃいます。こうした方たちは”バイセクシュアル”と呼ばれます。生物学的には ”男性” と ”女性” の2つの性で語られることが多いですが、実はこうした性は複雑です。体が女性で心が男性である方はFemale to Male(FTM)、体が男性であり心が女性である方はMale to Female(MTF)と呼ばれます。生まれた体と心の性が異なる方を、”トランスジェンダー” といいます。また、”男性でも女性でもない” と感じる方もいらっしゃり、そういった方は ”Xジェンダー” と呼ばれています。”男性”・”女性” だけでなく、こうした複雑な性の垣根を超えて全ての人を愛する立場の方が ”パンセクシュアル” です。しゅんかさんは、このパンセクシュアルにあたります。バイセクシュアルとパンセクシュアルの明確な違いについて疑問に思う方がいらっしゃるかもしれません。双方の言葉は、それぞれできた背景が異なります。しかし、大きな差はそこにありません。どちらかだと自認していればそちらのセクシュアリティであり、なかには「自分はバイセクシュアルであってもパンセクシュアルであってもどちらでも構わない」と考えている方もいらっしゃいます。自分の心と向き合って、セクシュアリティを自認しているのです。また、”トランス女性” という言葉も聞き慣れないかもしれません。トランス女性とは、前述したMTFのことで、体は男性で心は女性に生まれ、現在は女性として生きている方のことです。逆にFTMの方はトランス男性といいます。英語では "trans woman" といい、トランス女性はその直訳です。"トランスウーマン" や "トランスジェンダー女性" と呼ぶこともあります。"trans woman" は、"transgender woman" を省略してできた言葉で、LGBTの理解が深まっている国では当事者もポジティブな意味合いで使っています。日本では、セクシュアリティをトランス女性という言葉で説明する方々はまだまだ少ないでしょう。今回お話をうかがったしゅんかさんがトランス女性という言葉を使用する理由は後述します。聞き慣れないかもしれませんが、よりLGBTを知る機会になればと思います。パンセクシュアルでありトランス女性であるしゅんかさん。ここからは、彼女の体験談と思いをお話します。LGBT当事者だと自覚した大学生時代、初めてカミングアウトしたきっかけ私がハッキリとLGBT当事者だと認識したのは大学生の頃です。それまでも違和感は少しありました。例えば、体毛が濃かったり声が低かったりといった男性らしい体つきに抵抗感があったのです。しかし、大学生になるまでは、トランスジェンダーという言葉を知りませんでした。違和感がありながらも、自認する機会がなかったのです。さらに、恋愛対象に関する知識がなかったため、パンセクシュアルだという認識もありませんでした。大学生になって、トランスジェンダーという言葉を知りました。二次性徴に対する違和感があったことから、「私はトランスジェンダーなのかもしれない」と思うように。改めて幼稚園の頃の写真を眺めてみると、女の子たちと一緒に遊んでいることが多いなと感じました。当時は意識していなかったのですが、幼少時の写真や二次性徴のときに覚えた違和感からトランスジェンダーを自認しました。恋愛に関しても、それまでは女性を好きになっていたのですが、大学生になって初めて男性を好きになりました。バイセクシュアルという言葉も知り、「私はバイセクシュアルなんだ」と認識したのです。後述しますが、パンセクシュアルだと自認するようになったのは26歳のときです。この頃は、バイセクシュアルだと思っていました。LGBTについては、テレビで見かけるようなキャラクターのイメージが強く、私自身なんとなく良いイメージを持っていませんでした。父がLGBTに対してネガティブな発言をしていたこともそういったイメージを後押ししていたのかもしれません。自分がLGBT当事者だと認識したものの、それは恥ずかしいことなのではと感じてしまっていました。なかなか人に話す勇気が出ませんでした。そんなとき、叔母を通じて20年以上会っていなかった従姉妹と再会することに。再会してからとても仲良くなり、いろいろな話をしました。その会話の中で、私は自然と自分のセクシュアリティをカミングアウトしていたのです。従姉妹は偏見などを持っておらず、温かい言葉をかけてくれました。従姉妹に受け入れてもらえたことが嬉しくて、「自分らしく生きていけそう」と思えたのです。それがきっかけで、身近な人からカミングアウトしていくように。会社の人にも話し、ありがたいことに、たくさんの人が受け入れてくれました。LGBTの知識を得たきっかけ、自分自身のセクシュアリティについて周囲の人にカミングアウトしてきましたが、両親へのカミングアウトが一番勇気がいりました。そんなとき、LGBTのコミュニティに行ったことがないなと思い、そういった仲間たちが集うというカフェに足を運んでみました。そこで偶然出会ったのが、現在私もLGBT活動をしている団体「認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ」の代表者たちだったのです。LGBTに関するさまざまな知識を聞き、「OUT IN JAPAN」という写真を通じて自身のセクシュアリティをカミングアウトするという活動も知りました。そういった話をしていくなかで、両親にカミングアウトする勇気ももらいました。さらにその日、ほかの人たちとも話をしました。そのときにパンセクシュアルという言葉を知り、まさに自分の性的指向だと思いました。”性別の枠を超える” といった意味合いが、男性・女性だけでなくトランスジェンダーなども含まれているため、自分自身を説明するのに合っている言葉だと感じたのです。それからは、自分のセクシュアリティをパンセクシュアルだと紹介しています。LGBTのなかでも、社会や当事者コミュニティからのバイセクシュアルやパンセクシュアルへの偏見は、ゲイやレズビアンに比べて強いように感じます。環境的に言いにくかったり、ときには"バイフォビア(バイセクシュアルに対して嫌悪感や恐怖感など負の感情を抱くこと)"を持っている人もいたりします。理解が深まっていないなか、バイセクシュアルやパンセクシュアルであることをカミングアウトしにくい当事者もいるのです。カミングアウトする人が少ないと、可視化が進みません。私は、「誰もが、どんな性の人を好きになっても良いな」と考えています。当事者にもよりポジティブに捉えてほしいという思いがあり、積極的にパンセクシュアルだと公言しているのです。また、私はMTFと言われるのがあまり好きではありません。MTFの ”M” には ”Male(男性)” という意味があります。女性として生きようとしているのに、”もとの性別” を明記しているようだからです。個人的には、今を生きていくうえでもともとの性別は重要ではないと考えています。だから、私自身を紹介するときはトランス女性だと言っています。とはいっても、MTF、FTMと自己紹介する方は尊重しています。それぞれの考えがあり、それぞれの表し方があって良いのだと思っているのです。”こうであるべき” ではなく、”こうしたい” という意志を尊重し合える社会へ「OUT IN JAPAN」の活動に刺激を受け、少しでも私に手伝えることがあれば、とLGBT当事者として活動を始めるようになりました。私が強く感じるのは、今の社会では ”こうあるべき” という考えが当たり前になっていることです。例えば私は研究職に就いています。それは、私自身追い求めるのが好きだからです。しかし、「せっかく大学院まで行ったのだから」という理由で研究者になっている方も見かけます。やりたくないのに研究者になっているのは、「ここまで勉強したら研究職に就くべき」といった考えが少なからずあるのではと感じています。そうした ”こうあるべき” という考えは、いろいろなところに見受けられると思うのです。私は、”こうしたい” というそれぞれの意志を尊重し合える社会になるよう望んでいます。実は、両親へのカミングアウト後、父とはあまりうまくいっていません。母は歩み寄ってくれ、正直に話せるようになりました。でも、カミングアウトしたことを後悔していません。ずっと嘘をついているよりは良かったのではないかと思うのです。父とも理解し合える日がくるよう努めています。”こうあるべき” が強い社会だからこそ、窮屈なことも多いのではないかと思います。これはLGBTに限ったことではありません。みんなそれぞれがいろいろな面で違っているのです。多くの人と違うから排除するのではなく、違っているからこそ一緒にいると楽しいと感じられるのだと思います。さまざまな人が ”こうしたい” という意志を持ち、それをお互いに尊重できる社会。さまざまな人が自分らしく生きられる社会になるよう、力になれればと活動しています。〜LGBTのバトン〜今回は、しゅんかさんにお話をうかがいました。次回は、ゲイ当事者であり、学生時代もLGBTの社会運動を行ってきたはじめさん。1990年代後半、ゲイサークルを設立したり、大学生向けのイベントを実施したりしていたそう。都内にあるクリエイティブエージェンシーに勤める彼は、2015年に社内プレゼンの機会を使って同僚にカミングアウトしたそうです。認定NPO法人グッド・エイジング・エールズの一番新しいメンバーであり(2018.4.1現在)、LGBT当事者の若い世代がありのままに生きていく手助けができれば、という思いを持っています。学生時代の活動や、会社でのカミングアウトについて、当事者としてのリアルな毎日をお届けします。Information認定NPO法人グッド・エイジング・エールズOUT IN JAPAN©FotoCuisinette/Gettyimages©kieferpix/Gettyimages©Jovanmandic/Gettyimages©skynesher/Gettyimages”パンセクシュアル”、”トランス女性” という言葉をご存知でしょうか? 徐々に認知度が上がってきていると感じるLGBTですが、まだまだ聞き慣れない言葉があると感じる方は多いようです。今回お話をうかがったのは、パンセクシュアルでトランス女性のしゅんかさんです。工学分野の研究者として働きながら、LGBT当事者としても活動を続けています。「さまざまな人が自分らしく生きてほしい」。そう願う彼女の思いを聞いてきました。よりLGBTを身近に感じられるよう、耳を傾けていただければと思います。
2018年04月15日1月5日(金)今夜放送スタートするドラマ10「女子的生活」。この度、本作でトランスジェンダー女子のヒロイン・小川みきを演じる志尊淳から、放送直前コメントが到着した。一足先に第1話を見たと言う志尊さんは、「改めて感じたのは、この作品は今回携わってくださったスタッフ、キャストの皆さんの想いが詰まった作品になっていたこと、“みき”というキャラクターは、携わって頂いた皆さんで作り上げることができた人物なんだな、ということでした」と感想を語る。また「ポップに描かれているみきの日常に個性豊かなキャラクターたちが絡んでいき、“いま”を全力で生きるみき。ポップで強くて周りから慕われているみきが、心の奥底で感じていること、みきの苦悩など裏側の気持ちまで汲み取っていただけたらと思います」と続け、「現実に媚びることなく各々が自分の道をゆく。それを経て成長していくみんな。成長させられていくみんな。いろんな感情を覚えていただけるような作品になっていると思います。本当にこの作品が大好きです。みんなで精一杯作り上げました!!ひとりでも多くの皆様に届くことを祈るばかりです」と想いを述べている。本作は、坂木司の同名小説のドラマ化。志尊さんが演じるのは、“かわいい女子的な生活”に憧れ、田舎から都会に出てきたファッション通販会社で働くOL・みき。実は、みきにはトランスジェンダーであるという大きな秘密が。そんなみきのもとに、ある日同級生だった男が転がりこみ、2人はひょんなことから共同生活をおくることに――。志尊さんのほかにも、「劇団EXILE」町田啓太、「ももいろクローバーZ」玉井詩織、玄理、小芝風花らが出演する。ドラマ10「女子的生活」は1月5日(金)より毎週金曜日22時~総合テレビにて放送(全4回)。(cinemacafe.net)
2018年01月05日エル・ファニングがトランスジェンダーの少年役に挑み、ナオミ・ワッツ、スーザン・サランドンと共演を果たす『アバウト・レイ16歳の決断』。エルは現在、ジョン・キャメロン・ミッチェル監督の『パーティで女の子に話しかけるには』が世界に先駆けて公開中、年が明けたら、本作とソフィア・コッポラ監督のカンヌ受賞作『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』と話題作の公開が続く。人気、実力ともに若手No1.女優エルの怒涛の出演作に注目した。『I am Sam アイ・アム・サム』で姉ダコタの幼児時代を演じてスクリーンデビューしたエル。『ベンジャミン・バトン数奇な人生』ではケイト・ブランシェットの少女時代を演じ、さらにスティーブン・スピルバーグ製作×J・J・エイブラムス監督の『SUPER 8』でも注目を集めた。ディズニー映画『マレフィセント』のオーロラ姫で、現在の人気を確立。2017年はニコラス・W・レフン監督の『ネオン・デモーン』、ベン・アフレック主演・監督の『夜に生きる』、マイク・ミルズ監督の『20センチュリー・ウーマン』、声優を務めた『フェリシーと夢のトウシューズ』が公開に。いまや、巨匠から鬼才まで、さまざまな映画人に愛される若手実力派の1人だ。『アバウト・レイ16歳の決断』2018年2月3日(土)公開Story16歳になり、身体も本当の自分になることを決断したトランスジェンダーの少年レイ。恋多きシングルマザー・マギー(ナオミ・ワッツ)、破天荒なレズビアンのおばあちゃん・ドリー(スーザン・サランドン)は“レイの決断”に戸惑うが、レイは髪を短く切り、身体を鍛え、少しずつ“本当の自分”に近づいていくことで生き生きとしてくる。そんな姿を見たマギーは意を決して、ホルモン治療の同意書のために別れた夫に会いにいくが…。ココをチェック!エルの新たな一面が見られる意欲昨。心のみならず、身体も男性として生きていく決意をするも、周りに理解されず、苦悩し、葛藤するトランスジェンダーの主人公・レイの繊細な心の動きを見事に演じている。髪も大胆にカットし、体当たりで挑んだエルの迫真の演技に注目!『パーティで女の子に話しかけるには』公開中Storyパンクなのに内気な少年エン(アレックス・シャープ)は、偶然もぐりこんだパーティで、反抗的な瞳が美しい少女ザンと出会う。大好きな「セックス・ピストルズ」やパンク・ファッションの話に共感してくれるザンと、たちまち恋におちるエン。だが、2人に許された自由時間は48時間。彼女は遠い惑星へと帰らなければならないのだ。大人たちが決めたルールに反発した2人は、危険で大胆な逃避行に出るのだが…。ココをチェック!エルが演じたのは、不思議な魅力を持つ、遠い惑星からやってきた美少女ザン。パンク少年エンに心惹かれていき、初恋を経験する。劇中では、“地球人”とはまた違った愛情表現にも要注目。表情豊かな、最高にキュートなエルを堪能できる。『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』2018年2月23日(金)公開Story南北戦争期、負傷した北軍兵士(コリン・ファレル)を治療するため、男子禁制の女子寄宿学園では彼を招き入れるが、女性に対し紳士的でかつ美しい男性と触れ合う中で、誰もが彼に心を奪われていく。やがて、情欲と危険な嫉妬に支配されてしまう彼女たち。秩序を守るか、欲望を取るか、彼女たちが最後に下した決断とは――。ココをチェック!ソフィア・コッポラ監督との待望のタッグ2作目は、可愛らしさとダークな一面を併せ持つ小悪魔な10代女子生徒に!学園長役のニコール・キッドマンや、キルスティン・ダンストとの共演にも注目。『Mary Shelley』(原題) 日本公開未定小説「フランケンシュタイン」の原作者である女性作家、メアリー・シェリーの半生と恋愛模様をエルが演じる。トロント国際映画祭で初お披露目された。共演にはダグラス・ブース、ベル・パウリー、メイジー・ウィリアムズら。そのほか、セレーナ・ゴメス、ティモシー・シャラメ、ジュード・ロウらと共演するウディ・アレンの『A Rainy Day in New York』、「ゲーム・オブ・スローンズ」のピーター・ディンクレイジと世界にたった2人だけ生き残った男女を演じるSFドラマ『I Think We’re Alone Now』(いずれも原題)などが控えており、エルの時代はまだまだ続きそうだ。『アバウト・レイ 16歳の決断』は2018年2月3日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年12月09日志尊淳がトランスジェンダー“女子”を演じるNHKのドラマ10「女子的生活」。このほど、志尊さん演じるトランスジェンダー女子のヒロイン・みきのメインビジュアルが公開された。本作は、坂木司・原作の痛快ガールズストーリーをドラマ化。2017年ブレイク男子の1人、志尊さんがNHKドラマ初主演を務める。“かわいい女子的な生活”に憧れ、田舎から都会に出てきたヒロイン・みき(志尊さん)は、ファッション通販会社に働くOL。でも、ひとつ大きな秘密が。それは、みきがトランスジェンダーであるということ。そんなみきのもとに、ある日、同級生だった後藤(町田啓太)という男が転がりこんできた。みきの姿に戸惑う後藤だが、2人はひょんなことから共同生活をおくることに――。■志尊淳「女性として生きるということに徹した」志尊さんは本作でトランスジェンダー女子を演じるにあたり、「まずは女性になるということをしっかりと意識し、外見の面では表情の作り方、所作、歩き方、体型の維持、肌のケアも入念に行い、女性として生きるということに徹しました」と明かす。それは「男性として無自覚に生きてきたこれまでの自分にとっては想像以上に困難な作業」だったそうで、「その過程は、内に秘めている女性性を探すという作業でもあり、自分とは何か他者とは何かを考えるまでに至りました。いままでアタマでしか分かろうとしていなかったことが、実感として分かったことは大きかったです」と、その役作りを激白。そして、「好きなものを好きと言う。なりたい自分になる。違いを認め合う。いまを大切に生きる。誰でも人を愛する気持ちは同じく尊く、他者を想うことによって人は成長出来る。この作品に込められたメッセージを『みき』の生き様を通して、伝えることができればと思っています」と決意を新たにコメント。■原作者も志尊淳を絶賛!トランスジェンダー指導のバックアップもまた、原作者の坂本氏は、「もともと顔立ちの良い方だとは思っていましたが、志尊さんがきちんとメイクされた姿を見たら本当にびっくりしました。主人公の『みき』そのもの」と大絶賛。「けれど、さらにびっくりしたのは、彼が動いているところを拝見してからです。立ち居振る舞いにさりげない仕草。声の出し方。そのひとつひとつが女性のカリカチュアではなく、きちんと現実的な『女の子』でした」と言う。「それを支えているのはトランスジェンダー指導の西原さつきさんと、素晴らしいスタイリストさんやメイクさん方です。男性の考える『女の子っぽさ』ではなく、すらりとしたスタイルの志尊さんに似合うよう考えられた、リアルなスタイリング。作者の想像を超えた、素晴らしい『みき』でした」とも語り、志尊さんの真摯な役作りや、「さつきぽん」の相性で知られる実際のトランジェンダー女子・西原さんらのバックアップにも称賛を贈っている。なお、合わせて、志尊さん演じるヒロイン・みきや、玉井詩織演じるかおりが働くファストファッション会社「Passeggio(パッセジオ)」の上司・板倉役に羽場裕一が決定。イタリアンテイストのファッションでキメたダンディな板倉にも注目していて。ドラマ10「女子的生活」は2018年1月5日(金)より毎週金曜日22時~総合テレビにて放送(全4回)。(text:cinemacafe.net)
2017年12月08日映画『ナチュラルウーマン』が2018年2月より公開される。トランスジェンダーの歌手が恋人の死をきっかけに、差別や偏見と闘いながら自分らしく生きる姿を描いた映画、『ナチュラルウーマン』。ベルリン国際映画祭では脚本賞を受賞。辛口で知られる映画批評サイト「ロッテントマト」では100%フレッシュと高い評価を得て、第90回アカデミー賞ではアカデミー賞外国語映画賞を受賞した話題作だ。ストーリー舞台は、チリ、サンティアゴ。ウェイトレスをしながらナイトクラブで歌うマリーナは、身体の性と心の性が一致しないトランスジェンダー。年の離れたパートナー、オルランドと一緒に暮らしていた。しかし、マリーナの誕生日を祝った夜、自宅のベッドでオルランドは意識が薄れたまま亡くなってしまう。突然直面した恋人の死をきっかけに、マリーナは思いがけないトラブルに巻き込まれていく。愛する人を失い深い悲しみに暮れるマリーナに、無遠慮で容赦のない差別や偏見が浴びせられる。それでも彼女は最愛の人に別れを告げるため、女性として生きていく権利を胸に前を向いて歩くことを決意する。自身もトランスジェンダーの歌手、ダニエラ・ヴェガが主演ヒロイン・マリーナを演じるのは、自身もトランスジェンダーの歌手であるダニエラ・ヴェガ。逆境に屈せず美しく生きるマリーナの姿を演じきった。監督はチリ映画界出身のセバスティアン・レリオ。プロデューサー陣は『ジャッキー/ファーストレディ最後の使命』、『ありがとう、トニ・エルドマン』を手掛けた実力派だ。【作品詳細】『ナチュラルウーマン』公開時期:2018年2月監督・脚本:セバスティアン・レリオ出演:ダニエラ・ヴェガ、フランシスコ・レジェス、ルイス・ニェッコ原題:Una Mujer Fantástica / 英語題:A Fantastic Woman配給:アルバトロス・フィルム■ストーリー:チリ、サンティアゴ。トランスジェンダーでナイトクラブのシンガー、マリーナは歳の離れたボーイフレンドのオルランドと暮らしていた。マリーナの誕生日を祝った夜、自宅に戻ると突然オルランドの意識が薄れ亡くなったことで、マリーナは思いもかけないトラブルに巻き込まれていく。それでもマリーナは女性として生きていく権利を胸に、自分らしさを守るための闘いに挑むことを決める。© 2017 ASESORIAS Y PRODUCCIONES FABULA LIMITADA;PARTICIPANT PANAMERICA,LCC;KOMPLIZEN FILM GMBH;SETEMBRO CINE,SLU;AND LELIO Y MAZA LIMITADA
2017年11月23日