「悪いことをすると罰が当たる」と、小さいころに教わったことはありませんか。そんな教えを体現する動画、嘘の条件を出して土地を買い取った不動産会社に制裁したスカッとする話が話題になっています。孫夫婦のためなら土地を売ろうかなりの土地持ちだった祖父。いくつかある土地の中でも、なぜか売り渋っていた土地がありました。ある不動産会社が、マンション開発用にその土地を売ってほしいと交渉しに来ます。「マンションの一角を孫夫婦の新居に」という家族の提案と「最上階の角部屋を分譲する」という不動産会社からの条件で、祖父は土地を譲ることに。そのマンションは立地よし、広さよし、お値段お手頃ということで、完成前に完売したのですが…。なんと、づ道三会社は孫夫婦が住むはずだった最上階角部屋まで、売却してしまったのです。もちろん、「話が違う!」と祖父は激怒するのですが…。不動産会社は、「証書を交わしていない」「あまりしつこいと警察に相談します」と謝るそぶりもない様子。孫夫婦は「今回は縁がなかった」と諦めていたのですが、2度の戦争体験をしてきた祖父は簡単には諦めません。実は、マンションの敷地周辺、三方を囲む土地を所有していたのも祖父。残る一方は車どころか人の上り下りもキツイ山道。諦めきれない祖父は、その敷地を使ってある行動を起こしました。その行動は、不動産会社に一泡吹かす大胆なものなのですが…続きは動画をご覧ください。建設過程を知らない住人はある意味被害者。不動産会社と最上階の住人をターゲットにした大胆な行動にスカッとする一方で、被害者である住人には配慮していることにホッとする動画でした。[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2020年07月20日不動産投資で「よい物件があります」と紹介されても、絶対に鵜呑みにしてはいけません。どんなに営業マンが商品のメリットを並べて魅力的な投資に見えたとしても、それは綿密に作られた営業マニュアルをもとに、魅力的に見せているだけかもしれません。今回は、そんなよくある不動産投資の営業テクニックや裏側をご紹介します。不動産投資の営業が一方的に販売したいだけの物件がある不動産投資会社からの電話営業でおすすめ物件を紹介されたら、たとえ大手の不動産会社からであったとしても、まずは疑ってみる必要があります。必ずしも不動産投資会社がおすすめする物件は、実際に紹介された人にとってぴったりの商品ではないことが多いからです。なぜそのようなことが起こるのでしょうか?不動産会社の内情を知ると、その背景が見えてきます。不動産投資の営業の内情不動産投資の営業が売りたいだけの物件を紹介する理由は、不動産投資の営業の給料の仕組みが大きく関わっているからです。その仕組みを知っておけば、不動産投資の営業の言いなりになってはいけないという背景が理解できます。不動産投資営業の給料は歩合給不動産投資の営業の給料は、通常は「基本給+歩合」で成り立っており、会社によってそれぞれですが、おおよそ以下のような仕組みになっています。基本給15万+歩合給(仲介手数料の20%)基本給20万+歩合給(仲介手数料の15%)基本給なし歩合給のみ不動産投資の営業にとっていかに歩合給の部分が大切かがお分かりいただけると思います。歩合給を上げる方法は2つ仲介手数料と不動産会社の給料の仕組みを見ると、自分の収入を上げるためには以下の方法があることがわかります。取引物件価格を上げる仲介手数料を上限に近づける(※)※仲介手数料は宅地建物取引業法で上限が決まっています。不動産投資営業のモチベーションをアップさせる「担ボー」歩合給を上げる方法としては前述の2点があげられますが、さらに不動産営業のモチベーションをアップさせるため、裏金とも言えるボーナスが存在します。それを「担ボー」と言います。「担ボー」付きの物件は営業が儲かる「担ボー」とは担当者ボーナスの略で、一般的には売主がどうしても売ってほしい物件に対して、仲介手数料とは別に支払われる特別ボーナスのことを言います。仲介手数料は宅地建物取引業法で上限が決まっていますので、それに上乗せするということで実際は「裏金」に当たり、不動産を仲介した会社を通すことができず営業マンに直接支払われます。「担ボー」付きの物件を販売すると、不動産投資の営業自身が儲かる仕組みになっています。売主が「担ボー」を払いたくなる物件とは物件価格にもよりますが、「担ボー」は100万円くらいになることもあります。仲介手数料以外にわざわざそのような大きなお金を払ってでも、どうしても売ってほしい物件とはどんな物件でしょうか?人気物件ならば高値で売却できますし、わざわざボーナスを個別に営業に支払う必要などありません。ということは、「担ボー」が付く物件はなかなか入居者が見つからないような「売れ残り物件」である可能性が高いことが予想できます。不動産投資で売りたい物件を販売する営業テクニック不動産投資の営業は海千山千です。不人気の「担ボー」物件も含めて、営業は売りたい物件を売るコツを心得ています。不動産投資で失敗しないためにも、不動産投資の営業が販売に使うテクニックについて知っておきましょう。条件の悪い物件と比較して本命をよく見せる本当に売りたい本命物件より「価格が高い、築年数が経過している」など、本命よりも条件が悪い物件を比較対象に並べ、本命物件を魅力的に見せる方法です。一応比較をしているので、1つの物件を押し売りされた感がなく、比較対象にするのは条件が悪い物件ですから、本命物件が一番お買い得に見えてくるのは当然です。単純ですが、不動産投資の営業がよく使う手法です。未公開物件を売りにするインターネットや広告には掲載されていない未公開物件というものが存在します。未公開ということは、告知しなくても売れる物件ととらえることもできます。しかし、ずっと公開しているのに売れ残っていることを知られたくないために未公開としている場合や、事故物件ということを知られたくないというマイナスの要因で未公開物件としているケースもあります。未公開物件だからプレミア物件、お買い得物件なわけではないことも知っておきましょう。不動産投資のマニュアルトーク不動産投資の営業の基本的なマニュアルの中には、これまで紹介した営業テクニックのほかにも、初対面や面識がない人に不動産投資を魅力的に見せるような心を引くフレーズがちりばめられています。基本的な営業トークをご紹介しますので、もし当てはまった営業トークが出てきたら、安易に信用しないよう気をつけましょう。[adsense_middle]「不動産投資は年金代わりになりますよ」「不動産を購入し入居者が決まれば、毎月家賃収入が月に〇万入ります。現役時代にローンも並行して返済していく必要がありますが、返済が終われば毎月安定した収入が見込めるため、老後の年金の上乗せになります。」このように言われた場合は、不動産は年月ととも築年数が経過すれば、仮に退去したときに次の入居者が決まらないリスクがあることや、入居者を見つけても家賃を下げざるを得ないケースが将来出てくることを考慮しておく必要があります。「不動産投資は生命保険の代わりになります」「不動産投資の物件を購入するとき、ローンを利用すれば団体信用生命保険(団信<だんしん>)というものに加入をします。毎月返済している人が万が一お亡くなりになった場合は残債がなくなり、不動産という資産が手に入ります。」その資産が家賃を生み出してくれるのですから、確かに生命保険の代わりになるという考え方は間違いではありません。しかし、不動産はやはり年月が経てば劣化しますし、空き室リスクがあるため生命保険のほうが確実に決まった金額でお金を残せるでしょう。「不動産投資は節税になります」「不動産投資は物件価格を数年にわたって費用に計上できます。不動産投資では赤字が発生するため、サラリーマンは給料の収入と合算すると税金の還付が受けられます。」概要だけ聞くともっともな話ですが、そもそも不動産という大きな投資なのに、赤字前提での運用という点は疑問が残ります。節税対策として不動産投資を活用するにはもう少し緻密な収支計算が必要で、しっかり収支のシミュレーションをしてくれない営業は信用できないでしょう。電話や訪問時の応酬話法不動産投資の営業は電話でも訪問でも、すべてにマニュアルが存在します。最初に断られるのはもう承知の上で、その反対を切り返す応酬話法というものを心得ています。タチの悪い不動産投資の営業は、電話や訪問をする前に営業のロールプレイングを済ませていて、とにかくああ言われればこう返すという手法を心得ていることを知っておきましょう。営業のロールプレイングとはほかの社員をお客様役に見立てて、営業が想定できる反論や疑問点について、すべて切り返すことができるように商談の事前練習を行うことです。電話、訪問、契約時などあらゆる場面でロールプレイングを行って商談に臨む営業も中には存在します。利回りなどメリットばかりを強調不動産投資のメリットとなる部分を強調して、マイナスになる部分は表示されていないことがあります。またはさらっと書かれているため、注意深く見たり、よくよく考えたりしないと気が付かないような表記にしてあるケースもあります。メリットばかりを強調する事例【前提条件①】物件価格2000万円、家賃月8万、利回り4.8%と表記【前提条件②】3.6%の金利で30年間返済していくぱっと見ると、利回り4.8%なので少しよい投資に見えてしまいます。しかし2000万円の物件を購入しないといけないことを忘れてはいけません。2000万円についてすべて融資を受け、3.6%の金利で30年間返済していくスケジュールの場合、毎月の返済額は約9万円です。赤字前提の負のループ家賃月8万円で返済額が月9万円ならそもそも赤字です。「年間12万円の赤字は給料と合算すると節税効果になりますよ。なおかつローンが払い終われば8万円すべて収入になります。」というような営業トークはよくある事例です。節税はそのとおりですが、そもそも赤字を発生させる前提がおかしいという点もありますし、このケースでいえば家賃8万円が30年間ずっと維持できるかの保障はありません。築年数が経てば家賃が下がる可能性も高く、そうなるとさらに赤字幅は広がっていきます。たまらず売却をしようとしても思った値段で売れずに残債が残り、さらに毎月マイナスが発生するという負のループが出来上がってしまいます。不動産投資会社のしつこい勧誘の断り方不動産投資の営業は、歩合給であるがゆえに勧誘も必死という場合が多いです。そして営業トークも販売マニュアルも非常によくできていて、断る方法も至難の業です。もし不動産の営業で勧誘が来たら、どのように対処したらよいのでしょうか?いざというときの断り方についてご紹介します。[adsense_middle]きっぱり断るきっぱり断るのは単純ですが、最もよい方法です。不動産投資の営業は電話営業や飛込営業など、数をこなせばいずれ話を聞いてくれる人がいて、契約にいたることがあるのは事実です。また、仲介手数料が大きいので、1000人に1人でも1件販売できれば歩合給は大きいといえます。断ることに気まずい思いをするかもしれませんが、上記の理由から、自身は不動産営業マンにとって勧誘している大勢の中の1人とも考えられます。断ることにストレスを感じる必要はなく、自分の意思をはっきりと伝える姿勢が大切です。勧誘にはとにかく取り合わない勧誘パターンはさまざまです。少しでも怪しさを感じたら、どんなケースでも入口の時点で取り合わないことが大切です。電話なら、会わない・出ない・着信拒否を心がけましょう。訪問営業でもドアを開けない・家に入れないことが大切です。キャッチセールでも連絡先を教えない・絶対に会う約束を取り付けないなどが考えられます。どうしても断れないときは公的機関をちらつかせるあまりにしつこい勧誘や、応酬話法を熟知している営業マンには、公的機関に連絡することをちらつかせるのが最も効果的です。不動産投資も含めて、不動産業全般でしつこい営業活動をすることは宅地建物取引業法で禁止されています。そのため、「国土交通省や消費者生活センターに相談します」と公的機関をちらつかせて断ることも方法の1つです。それでも収まらなければ、実際に公的機関に連絡をして相談しましょう。不動産投資で失敗しない4つの要件不動産投資を長く経験している人は、これまで述べてきた営業マニュアルや営業トークはすぐに見抜くことができるでしょう。しかし、不動産投資に慣れていない人や、まだ不動産投資の経験が間もない人は見抜くことができずに投資に失敗してしまうかもしれません。ここでは、不動産投資で成功するための要件をご紹介します。不動産投資の目利きを磨くには、とにかく物件を見ること不動産投資の物件選びはとにかく足を運んでみることが大切です。物件の立地が駅から近いか、郊外でも商業施設などが近く便利な場所にあるかを確認しましょう。広告には都合のいいように記載されていることがあるため、自分の目と足で確認をすることで自然と物件の目利きも上達していくでしょう。不動産会社を訪問する不動産投資においては、信頼できる会社か、信頼できる営業かどうか、肌で感じる感性も大切です。実際に不動産投資を始めるなら、不動産会社をいくつか訪問してみましょう。不動産投資のノウハウは身近に成功している人から得る不動産投資の物件探しや信頼できる営業探しといっても、なかなか最初から判断することは難しいこともあるでしょう。そのような場合は、その地域で実際に成功している人からノウハウを学ぶのが一番確実です。セミナーやSNSのコミュニティ自体の信頼性には注意が必要ですが、それらに参加することで成功している人に出会える可能性が高まるでしょう。緻密な情報収集と判断力不動産投資は、新築、中古、マンション、戸建てそれぞれ個別のノウハウがあります。マンション投資で成功したから戸建てでも同じ手法が通じるというわけではありません。石橋を叩いて渡るような気持ちで細かな知識を収集し、決めるときは即決断する判断力をあわせ持つ必要があります。不動産投資の営業は、本当によい物件は売り込まない不動産投資において本当によい物件は売り込む必要がありません。本当におすすめの物件は、よく購入してくれたり、不動産投資で成功していて実績のあるお得意様に真っ先に連絡がいったりするのが通常です。もし不動産投資の営業からおすすめ物件を紹介されたら、まずは疑ってみることが大切といえます。不動産投資の営業のテクニックに惑わされて失敗しないように、多くの人脈や情報をもとに慎重に検討していきましょう。
2020年06月05日「不動産投資に興味はあるけれど、どうやって始めたらよいのかわからない」「不動産投資をしてみたいけれど、失敗したらどうしよう…」と悩んでいる人がいるのではないでしょうか。入居者からの安定した家賃収入が魅力の不動産投資ですが、初心者の場合は何から行動してよいのかわかりにくいですよね。そこで今回は、不動産投資の始め方と失敗しないための基礎知識について解説します。これから不動産投資を始めようと検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。不動産投資の仕組みを理解しよう不動産投資初心者は、まず不動産投資の仕組みを理解するところから始めましょう。ここでは、不動産投資の仕組みについて解説します。不動産投資は資産運用の1つ資産運用とは、ご自身が保有している資産を利用してさらに資産を増やすことをいいます。株式投資や投資信託、不動産投資などが該当するでしょう。資産運用の中には、FXのようにハイリスク・ハイリターンという投資方法も存在します。投資の世界では、リスクとリターンは密接に関連しています。ハイリターンの投資方法は、ハイリスクであるということになるのです。ちなみに、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資方法であると言われています。不動産投資の仕組み一般的に「不動産投資」といわれるものは、所有する不動産を賃貸して収入を得る投資方法です。不動産を他の人に貸して家賃収入を得る方法では、家賃収入から経費・ローン返済額を差し引いた手残りがいくらになるのかというキャッシュフローが非常に重要となります。不動産投資は長期で運用する投資方法ですから、途中で破綻してしまわないように綿密な計画を立てる必要があるのです。不動産投資で利益を得る方法としては家賃収入の他、売却したときに得られる利益もあります。賃貸経営は「事業」の一面も賃貸経営では多くの場合、金融機関などからローンを借り入れてアパートなどの物件を購入します。購入した物件を利用して継続的な利益を得られるよう経営していくのです。年度ごとに収支を報告して税金を納めたり、軌道に乗ってくると個人事業から法人化したりすることも。賃貸経営は「事業」という一面も併せ持っています。初心者が不動産投資を始める方法初心者が不動産投資を始める場合、まずどんなことから取り組めばよいでしょうか。ここでは、不動産投資初心者が取るべき行動について解説します。不動産投資に関する書籍を読むまずは、不動産投資に関する知識を身に着けることから始めましょう。不動産会社は丁寧に解説してくれるかもしれませんが、営利目的の業者です。ある程度、自分で判断できる知識がないと業者の言いなりとなってしまい、収益性の低い物件を購入してしまうことになりかねません。不動産投資初心者の方は、不動産投資に関する書籍を読んで知識を身に着けることが大切です。不動産投資セミナーに参加する不動産会社や不動産投資家などが開催しているセミナーに参加してみましょう。不動産投資は規模や種類が様々ですので、できれば自分の方針に合うセミナーに参加するとよいでしょう。不動産投資セミナーに参加すると、不動産投資に関する知識を身に着けることができるほか、オーナー同士の交流ができる場合があります。実際に不動産投資を行っているオーナーとの交流からも、有益な情報を得られることがあるでしょう。資金を作る不動産投資ではフルローンで物件を購入するにしても、手付金や諸費用など現金で支払わなければならない場面があります。したがって、本当の元手ゼロでは始められません。不動産投資を行う場合はまず資金を作ることから始めましょう。資金を作る方法としては、節約をして貯蓄を増やす、家の中にある不要品を売却するなどの方法が考えられます。初心者の方は、上記で解説したように不動産投資に関する情報収集を行いながら、資金を作ることを意識しましょう。比較的少額から始める方法も不動産という特性上、初期投資額が大きくなりやすいという一面があります。しかし、不動産投資には様々な種類があります。一棟のマンションよりは分譲のワンルームマンションの方が購入価格は少額で始めることができるでしょう。また、REITと呼ばれる不動産投資信託を利用して少額から始める方法があります。ご自身の現在の状況や今後のことを踏まえて、不動産投資の方法を検討してみるとよいでしょう。不動産投資の運用方法不動産投資の運用方法としては、管理業務をすべてオーナー1人で行う運用方法と、管理業務の一部または全部を管理会社に委託する方法があります。ここでは、不動産投資の2種類の運用方法について解説しましょう。[adsense_middle]賃貸経営における管理業務とは2種類の運用方法を解説する前に、賃貸経営における管理業務にはどのようなものがあるかご紹介します。一般的な管理業務には、次のようなものがあります。退去精算退去後の室内クリーニング入居者募集賃貸借契約・更新業務家賃回収・滞納者への対応クレーム対応設備の修繕共用部の清掃など賃貸経営の管理業務は上記のように、日常的に行われる業務から入退去に関する業務など、多岐に渡ります。自主管理自主管理とは、賃貸経営を行うオーナーが管理業務のすべてを行う運用方法です。管理会社に委託しないので管理会社へ支払う管理費用がかからない、自分の自由に管理ができるというメリットがあります。しかし、上記のように不動産投資における管理業務は非常に多岐に渡ります。時間のある人や物件の近くに住んでいる人でないと、管理業務のすべてをオーナーのみで行うことは難しい可能性があります。管理委託管理委託とは、賃貸経営に関する管理業務の一部または全部を委託する運用方法です。上記で解説したように管理業務の内容は幅広くあり、クレーム対応など突発的な業務も発生します。サラリーマンなど日々忙しく投資にかける時間が少ない人は、管理委託をする人が多いでしょう。管理会社によって管理委託できる業務範囲や管理費用などが異なります。複数社を比較検討して、最終的に決定することをおすすめします。不動産投資のリスクを理解しよう不動産投資は「投資」ですから、様々なリスクが存在しています。不動産投資を行う場合は、「安定した家賃収入」というメリットだけでなく、必ずリスクを理解しておくことが大切です。ここでは、不動産投資における代表的なリスクについて解説します。空室リスク修繕リスク滞納リスク家賃下落リスク災害リスク不動産価値の下落リスク空室リスク不動産投資は、入居者からの家賃が収入源となっています。したがって、入居者がいなければ収入はゼロ。不動産投資を行うのであれば、空室リスクは必ず考えておかなければならない問題です。空室リスクを考える上で、物件を購入するときの立地選定が非常に重要です。利回りという収益性だけにとらわれず、多方面から検討した上で物件を購入しましょう。また、空室リスク対策としては管理会社の選定も非常に重要です。不動産会社によって、入居者の客付けの得意・不得意があるからです。管理会社の選定は、複数社を比較検討した上で行いましょう。滞納リスク無事客付けできたとしても、入居者が家賃を滞納してしまうことがあります。家賃を滞納されるとオーナーの家賃収入がなくなってしまいますから、賃貸経営にダメージを与えてしまいます。家賃回収や滞納者への対応を管理会社へ委託している場合は、滞納者への対応を管理会社が行います。オーナー自身が滞納リスクへの対策をすることは中々難しいので、初心者の方は管理会社へ業務委託するのが無難でしょう。修繕リスク建物を丁寧に管理していたとしても、年数が経つごとに劣化していきます。壊れた設備の修繕や入れ替え、外壁塗装工事、室内リフォームなど、修繕費用が発生します。不動産投資を行うときには、あらかじめ修繕リスクについても考えておきましょう。修繕の内容によっては多額の費用がかかりますので、少しずつ修繕費用として積み立てしておくことをおすすめします。家賃下落リスク建物の価値は年数を経過するにつれて低下していきます。新築時に設定した家賃は、年数を経過して入退去を繰り返していくと下落していきます。不動産投資を行う場合には、家賃下落リスクも考慮した上で物件選定を行う必要があるでしょう。資金計画を立てるときには、家賃下落リスクを考えて余裕を持った計画にすることが大切です。災害リスク日本は災害大国です。近年では、東日本大震災や熊本地震などの大規模な地震が発生しています。日本で不動産投資を行うのであれば、災害リスクについて考えておく必要があるでしょう。例えば地震という災害リスクに対策する方法として、新耐震基準の物件を選ぶ、地震保険に加入するなどの方法が考えられます。また、災害は地震だけではありません。水害や火災などの被害を受ける可能性も考えられるでしょう。物件を購入する前に自治体で公開されているハザードマップを確認することも大切です。不動産価値の下落リスク不動産の市場価格は、時代とともに変化しています。街の再開発により人気(=需要)が高まり、周辺の不動産価値が上昇することもありますが、逆に様々な事情から下落することもあります。不動産投資においては、出口戦略も非常に重要です。周辺の不動産価値が下落すると、思うような値段で売却できなかったり、手放したくても買い手がつかったりする可能性があるのです。物件を購入するときには物件そのものの情報だけでなく、周辺の情報も調べておくべきだといえるでしょう。不動産投資の始め方に関するまとめ不動産投資では上記で解説したように、様々なリスクが存在します。しかし、株式やFXなど、他の投資の場合でもリスクは付き物です。不動産投資で収益を得るためには、様々なリスクを考慮して余裕をもった資金計画を立てることが大切です。不動産投資初心者の方は、まずはある程度自分で判断できるようになるために知識を身に着けることから始めましょう。
2020年02月10日一般的に、不動産投資は所有している物件を賃貸して収入を得る投資方法です。不動産という特性上、初期投資が大きくなりやすいため、「高額な資金を費やした結果、詐欺であったらどうしよう…」と不安に感じている人がいるのではないでしょうか。そこで今回は、不動産投資詐欺に遭わないために、典型的な手口と回避策についてご紹介します。不動産投資を始めようと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。不動産投資詐欺の手口とは不動産投資詐欺の手口には様々なものがあります。ここでは、いくつか詐欺の手口についてご紹介しましょう。マンション利回り詐欺手付金詐欺満室詐欺デート商法告知詐欺手口①:マンション利回り詐欺業者からおすすめされたの高利回りの物件。非常に収益性が高いとおすすめされましたが、実は利回り詐欺であったという事例です。不動産投資物件を購入する際の選定基準は様々ありますが、利回り(=収益性)は非常に重要な項目です。しかし、利回り詐欺で提示された数字は想定家賃を高く設定していたり、経費を一切考慮していない計算であったりするのです。そのため、実際に不動産投資を始めると、高利回りどころか収支マイナスで手出しが出てしまうケースがあります。手口②:手付金詐欺「手付金を支払えば物件を押さえることができますよ」などと説明され、手付金として預けたお金を持ち逃げされてしまう手付金詐欺。物件の引渡し前に連絡が取れなくなってしまい、物件も手に入らないという状況になってしまいます。複数人に同様の手口を使い、手付金としてお金を受け取っていることがあります。手口③:満室詐欺物件が満室であるかのように装って販売する満室詐欺。販売しているときだけ業者の関係者などが仮住まいすることなどにより、満室に見せかけているのです。業者の目的は物件を売却することですから、売却後は退去が続出します。また、実際は空室であるのにカーテンをかけておくなどによって、満室を表現していることがあります。手口④:デート商法恋人関係のように親密な関係を築き、物件購入をさせたあとに音信不通となるのがデート商法です。「あなたとの将来を考えて、一緒に住む物件を購入しない?」などと話を持ち掛け、相手を物件購入へと導くのが特徴です。購入した物件は、到底収益が望めない物件であったというケースもあるようです。「相手ともっと親密になりたい」という気持ちを利用した詐欺手法です。手口⑤:告知詐欺物件のマイナス要素を隠し、購入希望者が質問したことに対しても虚偽の回答をして購入をさせる告知詐欺。過去に事件・事故があったことを隠したり、建物の修繕履歴を偽ったりするなど、買主の購入意思決定に影響を与える情報を隠す・偽ることが特徴です。買主は事実を知らずに購入するため、後々トラブルに発展してしまう可能性が高いでしょう。不動産投資詐欺の見分け方上記のように、不動産投資詐欺には様々な種類があります。詐欺の被害に遭わないためには、事前に不動産投資詐欺であるかを見極めることが大切です。ここでは、不動産投資詐欺の見分け方について解説します。利回りの種類実際に運用した時のシミュレーションを作成してもらう会社の経営実態を確認するメリットしか言わない業者は要注意!購入判断を急かす業者に注意利回りの種類不動産投資では、賃貸収入を得るための物件選定が非常に重要です。購入する物件を選ぶ基準の中でも、利回りを重視している人は多いのではないでしょうか。通常、不動産会社が作成している物件資料に掲載されている利回りは「表面利回り」です。しかし、実際に資金計画を立てる上で重要なのは「実質利回り」でしょう。両者の違いを下記に簡単にまとめました。表面利回り…想定年間家賃収入÷購入価格実質利回り…(想定年間家賃収入-諸経費)÷(購入価格+購入時の諸経費)計算式からわかるように、表面利回りは「1年間に想定される家賃収入」と「購入価格」のみで計算されています。しかし、不動産を購入する際には登記費用などの諸費用がかかり、運用が始まってからも管理料などの諸経費がかかります。業者が提示している利回りの数字はどのような計算方法で算出されているかを見極めましょう。実際に運用した時のシミュレーションを作成してもらう不動産投資詐欺である場合、見栄えがよくなるように数値を変えていたり、一部の項目を抜いていたりするなど、きちんとシミュレーションを作成していないことがあります。詐欺業者のシミュレーションでは儲かる内容となっていたとしても、実際に運用してみると収支がマイナスになってしまう物件も存在するのです。不動産投資を行う上では、様々なリスクを考慮しておくべきでしょう。実際に運用した時のシミュレーションを作成することで、物件を購入するときの判断に役立ちます。会社の経営実態を確認する不動産投資詐欺を行う人・グループの中には、架空の会社名を名乗っていることがあります。少しでも不審な点を感じたら、会社名や事務所の住所・電話番号、所属している団体(宅建協会など)などを調べましょう。メリットしか言わない業者は要注意!メリットばかりを推し続け、デメリットを一切言わない業者であれば注意してください。不動産投資にはメリット・デメリットの両面があります。投資において、「絶対に儲かる」「必ず損はしない」ということはあり得ません。デメリットや注意点など、ネガティブな要素をはぐらかす詐欺まがいな業者とのやり取りには十分に注意しましょう。購入判断を急かす業者に注意このマンションは、すぐに手付金を払わないと他の人に取られてしまいますよ。あなたがワンルームマンションを買わないのであれば他の購入希望者がすぐに買ってしまいますよ。人気物件だけど、あなただから特別に紹介しているのです。今買わなければ他の人にも紹介してしまいますよ。今買わないと損します。上記のように、業者がしつこく購入判断を急かしてくるようでしたら注意が必要です。物件のネガティブな情報を気付かれないよう、あえて購入の検討をする時間を与えないようにしている可能性があるからです。不動産投資詐欺の対処法誰でも詐欺の被害には遭いたくないですよね。しかし、万が一不動産投資詐欺の被害に遭ってしまったらどうしたらよいでしょうか。ここでは、不動産投資詐欺の対処法について解説します。[adsense_middle]行政の相談窓口を利用する消費生活センター警察相談専用電話(#9110)上記は、不動産投資詐欺に限らず相談ができる窓口です。「まだ詐欺と決まったわけではないけど、不安…」という人でも気軽に相談してみましょう。警察相談専用電話(#9110)は、皆さんご存知の110番と異なり、緊急性の低い相談内容の相談も可能です。相談内容によっては、問題に適した窓口を紹介してくれることがあります。不動産投資詐欺に遭ったかもしれないと悩む人は、まず行政の相談窓口に連絡してみましょう。宅建協会など業者の所属団体に相談する詐欺の相手が不動産会社の場合、宅建協会などの所属団体に相談することも有効でしょう。場合によっては、弁済してもらえる可能性も。どの団体に所属しているかは、不動産会社の会社概要もしくは所属団体のWebサイトなどから確認することが可能です。免許行政庁に連絡する宅建業の免許が発行されている会社が宅建業法に違反する行為を行っている場合は、宅建業の免許を発行している免許行政庁に連絡しましょう。免許行政庁は国土交通省・各都道府県のいずれかです。弁護士に相談する法律のプロである弁護士に相談するのも1つの対処法です。弁護士に依頼する場合は費用がかかりますが、詐欺被害に遭ったことが確実であれば専門家に依頼することが解決への近道となる可能性があります。弁護士によって得意分野・不得意分野がありますので、不動産関係に強い弁護士に依頼することをおすすめします。不動産投資詐欺の回避策不動産投資詐欺を行う人・グループは詐欺のプロ。「不動産を高値で売却する」「高額な資金を回収する」などの目的のために様々な手段を使っています。また、勧誘する際の話術も巧みで相手をその気にさせる技術に長けている可能性があります。そこで、この項目では不動産投資詐欺を回避する方法について解説します。何か不審に感じる点があれば、参考にしてみてください。複数の不動産会社を比較検討する不動産投資に関する知識を身に着ける契約書類の内容をきちんと確認する第三者に相談する安易にお金を渡さない複数の不動産会社を比較検討する不動産投資詐欺を回避する1つの方法として、複数の不動産会社を比較検討することが挙げられます。詐欺を働いている人たちは物件を買わせるなどの目的のために大切な情報を隠したり、虚偽の情報を伝えたりしています。複数の不動産会社を比較検討することで、説明の矛盾点に気がつくことができる可能性が上がるでしょう。なお、「詐欺かもしれない」などと不審に思う点があれば、上記でご紹介した行政の相談窓口に相談してみましょう。不動産投資に関する知識を身に着ける不動産投資に関する知識を身に着けることで、詐欺師の言動・行動のおかしな点に気付くことができるでしょう。不動産投資を行うのであれば、ある程度自分で判断できるための知識を身に着けることが必要です。業者の言いなりでは、不動産投資詐欺であることに気付きにくいでしょう。不動産投資に関連する本を読む、不動産投資家の本・ブログを読む、実績のある不動産会社のセミナーに参加するなどを行い、不動産投資の勉強をすることをおすすめします。契約書類の内容をきちんと確認する不動産を購入する場合は、不動産売買契約書などの書類を取り交わします。契約を行う前に、必ず書類の内容を確認しましょう。契約書類の中には不動産用語や法律用語などわかりにくい言葉がたくさん含まれています。書類の内容がよくわからないという場合には、遠慮せず担当者などに質問しましょう。不動産会社自体が信用できないという場合には、上記の「不動産投資詐欺の対処法」の項目でご紹介した機関などにご相談ください。第三者に相談する詐欺被害に遭う人の中には、身近な人や行政機関など第三者に一切相談せずにいた人が少なくありません。不動産投資を行うことを家族などに話しておくと、自分では気付かなかった不審な点を指摘してくれることがあります。少しでも不安に思うのであれば、相手が急かしてきたとしても第三者に相談しましょう。安易にお金を渡さない1度相手にお金を渡してしまうと、回収することが困難になってしまう可能性があります。そのため、通常の不動産取引ではあり得ないタイミングで金銭を要求されたり、契約内容に不審な点があったりするなどの場合は、安易にお金を渡さないようにしましょう。不動産投資詐欺のターゲットになりやすい人とは不動産投資詐欺を行う人は、ある程度ターゲットを絞っていることがあります。ここでは、不動産投資詐欺のターゲットになりやすい人について解説します。[adsense_middle]ステータスの高い人不動産という特性上、販売価格は数千万円・数億円といった高額になることが多くあります。したがって、不動産投資物件を購入するためのローン審査が通りやすい人が狙われることがあります。医者や上場企業の社員など、金融機関などの融資が通りやすいステータスの高い人がターゲットにされることがあるのです。はっきりと断れない性格の人世の中には、はっきりと断れない性格の人がいます。不動産投資詐欺に限らず、詐欺被害に遭う人の中には「あまりにしつこいので根負けして購入してしまった」という人がいるのです。また、はっきりと断られなければ、業者側から「この人はしつこく営業をすれば言いなりになってくれるかもしれない」と思われてしまう可能性があります。購入する意思がなければきっぱりと断ったり、はっきり意思を伝えることが難しければ業者からの連絡を絶ったりすることが大切です。上手い話に信用してしまう人相手を疑うのはとても心苦しいことです。しかし残念ながら、初めから騙そうと思って近づいてくる人が存在しているのです。不動産投資は成功すれば収益を得られますが、様々なリスクがあることをきちんと理解した上で運用していく必要があります。したがって、「絶対」「必ず」儲かるということはありません。「この物件を買えば必ず儲かる!」などという言葉は信用しないようにしましょう。不動産投資に興味のある人は、不動産投資詐欺に注意しよう!不動産投資では、ある程度自分で判断ができるよう知識を身に着けることが必要不可欠です。業者の言いなりでは、詐欺とまでは言えなくとも収益性の悪い物件を購入することになりかねません。詐欺を行う人は「騙すプロ」ですから、「自分は絶対に騙されない」などと思わずに回避策や対処法を知っておくと良いでしょう。不動産投資に興味のある人は、詐欺被害に遭わないよう十分に注意してください。
2020年01月27日子どもの教育資金や老後の生活費など、将来かかるお金に不安を感じている方がいるのではないでしょうか。会社員以外の収入を得る方法の1つとして、不動産投資があります。不動産と聞くと敷居が高いと感じる人がいるかもしれませんが、きちんと仕組みを理解して投資を行えば、将来にも繋がる良い収入源となるはずです。そこで今回は、不動産の仕組みについて初心者にもわかりやすく解説します。この記事を読むことで、不動産投資の基礎知識を知ることができるでしょう。不動産投資の仕組み不動産投資とは、所有している物件を賃貸して家賃収入を得る手法の投資です。賃貸物件に住んだことのある人は、仕組みが想像しやすいかもしれません。ここでは、不動産投資の基本的な仕組みについて解説しましょう。不動産投資の始め方不動産は物件によって販売金額が違うのはもちろん、想定される家賃などの条件が異なります。不動産投資では、所有する物件が非常に重要です。不動産投資は、購入する不動産の選定から始まると言えるでしょう。条件の良い物件を手に入れるためには、不動産投資の知識を身に着けることが必須です。初心者の方は、本を読む、セミナーに参加するなど、不動産投資の情報を取得することから始めると良いでしょう。不動産投資の種類冒頭に記載した通り、不動産投資の基本は「所有物件を賃貸して収入を得る」手法です。しかし、不動産投資には様々な種類があります。ここでは、不動産投資の主な種類についてご紹介します。一棟投資まるまる一棟のマンション・アパートを貸し出す投資方法です。数戸程度の建物から、100戸を超える大型のマンションまで規模は様々。一棟物件への投資の場合、規模が大きいので投資効率が良いというメリットがあります。戸数が多いので収入がゼロになる可能性が低く空室リスクを抑えることができる、築年数が経過しても土地は資産価値が残りやすいなどもメリットに挙げられるでしょう。一方で、規模が大きいということは初期投資が大きいということです。実績のない初心者の場合は金融機関からの融資が受けられない可能性が高いことがデメリットの1つです。また、リスクの分散がしにくいので、失敗した場合のリスクが大きいということもデメリットであると言えるでしょう。区分投資区分投資とは、分譲マンションへの投資のことを言います。分譲マンションでは、一棟の建物の中にある部屋を一部屋ずつ販売されているのが特徴です。一部屋単位なので他の投資方法と比較すると少額から始められる、複数購入によるリスク分散がしやすいというメリットがあります。しかし、「一部屋」であれば空室になった場合に収入がゼロとなってしまいます。複数購入するとしても、一棟物件への投資と比較すると投資効率が落ちるというデメリットが挙げられるでしょう。戸建て投資戸建て投資は、主に中古の戸建てを賃貸して家賃収入を得る投資方法です。市場で販売されている戸建ては、投資用だけではありません。マイホームなど住宅用として販売されていることが多いでしょう。したがって、物件によっては「不動産投資の視点から見るとお得」ということがあり得るのです。また、競争相手が少ないというメリットがあります。一方で、リフォーム費用などの維持費用が高くなりやすい、空室リスクが大きいというデメリットがあるのが特徴です。利益を生み出す方法不動産投資で利益を生み出す方法は主に2つ。ここでは、2種類の利益を生み出す方法について解説します。所有物件からの賃貸収入1つは冒頭から解説している通り、所有物件を賃貸して収入を得る方法です。「不動産投資」といえばこの手法が一般的でしょう。アパートやマンション、戸建て、テナントなどを借りている入居者からの家賃から経費を差し引いたものが利益となります。入居者がいなければ収入はゼロですから、客付けのしやすい立地を選定するなど、購入時の物件選定が重要です。所有物件を売却する方法もう1つの方法は、所有物件を売却する方法です。「売却時の金額-購入時の金額」が利益となります。例えば、割安な価格で販売されている物件を購入して、高い金額で売却できれば利益になるということですね。場合によっては、賃貸収入と売却収入のどちらも得られることがあるでしょう。不動産投資の運用方法とは不動産投資用の物件を購入した後は、収益を生み出すために運用していかなければなりません。不動産投資の運用方法というのは、主に管理方法のことを指します。管理形態には主に2種類あり、それぞれ異なる特徴があります。ここでは、2つの管理方法についてそれぞれ解説しましょう。[adsense_middle]管理会社へ委託する1つは、物件の管理業務を管理会社へ委託する方法です。委託する業務は、管理会社と締結する管理委託契約の内容によって様々です。すべての管理をお任せするケースもあれば、管理業務の一部のみを委託するケースもあります。賃貸物件の管理業務は、家賃集金、クレーム応対、修繕、退去精算、契約業務など多岐に渡ります。日々忙しい会社員などが不動産投資を行う場合は、管理会社へ委託している人がほとんどでしょう。なお、管理会社へ委託する場合は、管理料が費用としてかかります。自主管理もう1つは、すべての管理業務をオーナー自ら行う方法です。管理会社に委託しないので管理費がかからないというメリットがありますが、入居者の募集やクレーム対応、退去精算など、すべての業務を自分でこなさなければならず、時間に余裕があって物件の近くに住んでいる人でなければ難しいでしょう。ある程度賃貸経営のノウハウを持っていて、時間などに余裕のある人には良い管理方法であると言えます。一般的には、管理会社へ委託する人が多いでしょう。不動産投資では、管理業務を管理会社に委託することで、あまり投資に時間をかけなくていいという魅力があるのです。不動産投資のメリット不動産投資のメリットには、どのようなものがあるでしょうか。ここでは、以下のメリットについて解説していきます。安定した家賃収入生命保険代わりになる投資に拘束される時間が少ない節税効果がある年金代わりに活用できる安定した家賃収入不動産投資における魅力の1つは、安定した家賃収入です。入居者から毎月決まった家賃が入ることはメリットだと言えるでしょう。例えば、会社員が副業として不動産投資を行うことで、総合的な収入を上げることが可能となります。また、安定した家賃収入という特徴から、今後のライフプランや資金計画が考えやすいというメリットも考えられるでしょう。生命保険代わりになる不動産投資では、物件を購入する際に金融機関などからローンを組んで購入するケースがほとんどでしょう。多くの金融機関などでは、ローンを組む場合に団体生命信用保険へ加入することができます。団体生命信用保険とは、万が一契約者が死亡した場合に、ローンの残債が保険から支払われるというもの。つまり、契約者に万が一のことがあればローンの支払いがなくなり、収益のある物件を相続させることができるのです。不動産投資には、生命保険代わりになるというメリットもあります。投資に拘束される時間が少ない不動産投資をしている人は、物件の管理業務を管理会社に委託している人が多いでしょう。管理会社の行う業務は契約内容によって異なりますが、家賃回収・クレーム対応・退去精算など、手間のかかる業務を委託することで、投資に拘束される時間を少なくすることができます。特に会社員であれば、日々の仕事だけでなく家庭や趣味などに時間を使いたいと考えている人がいるのではないでしょうか。拘束時間が少ないということも、不動産投資の魅力だと言えるでしょう。ただし、管理会社に委託しないで運用する「自主管理」の場合は、すべての管理業務を行わなければならないので手間がかかります。また、不動産投資では購入する物件の選定が非常に重要です。物件の選定をするための勉強時間や、購入時の不動産会社・金融機関などとのやり取りなどには時間を使うことになるでしょう。節税効果がある例えば、会社員の副業として不動産投資を始めた場合、本業の所得では使えない「経費計上」ができるようになります。不動産の所得は、家賃収入から経費を差し引いたもの。建物の減価償却費や固定資産税・都市計画税、ローンの金利などを経費として差し引くことができるのです。また、他の所得と損益通算を行うことで、所得税・住民税の節税に繋がります。年金対策になる老後の生活資金に不安を抱えている人は多いのではないでしょうか?不動産投資は上記で解説した通り、長期で安定した家賃収入が魅力の1つです。定年後にローンの完済した物件があれば、入居者がいる限り家賃収入を生み出します。公的年金に加えて副収入とすることができるでしょう。不動産投資は、年金対策としても活用することができるのです。不動産投資のデメリット不動産投資には上記のようなメリットがある一方で、デメリットが存在します。ここでは、不動産投資のデメリットについて解説します。入居者が決まらないと収入ゼロ家賃滞納者の対応築年数経過により修繕が必要になるすぐに現金化できない[adsense_middle]入居者が決まらないと収入ゼロ不動産投資における収入源は「入居者からの家賃」です。したがって、入居者がいなければ収入が入りません。そのため、なるべく空室期間を短くする工夫が必要だと言えるでしょう。ちなみに、不動産会社などに一括借上してもらう「サブリース」という管理形態もあります。物件を不動産会社などが一括で借り上げて、入居者へ転貸するという仕組みです。サブリースであれば空室時でも家賃が保証されるので、空室リスク対策として有効でしょう。しかし、サブリースの場合は家賃が満額手元に残るわけではありません。不動産会社などの手数料が差し引かれたものが収入となります。家賃の見直し時期など、契約内容を十分に確認することをおすすめします。家賃滞納者の対応入居者がいても、家賃を滞納されると収入がなくなってしまいます。家賃を滞納する入居者は、お金がないから払えないという人だけでなく、生活にルーズで支払いを忘れる人や、物件や管理方法などに不満があってあえて支払わない人など、事情は様々です。単に空室であれば新しい入居者を募集することができますが、家賃滞納では「滞納者から家賃を回収する」「滞納者を退去させる」などの手間がかかります。家賃滞納リスクはデメリットの1つであると言えるでしょう。築年数経過により修繕が必要になる建物という特性上、築年数が経過すると傷んでいきます。建物が傷んだまま放置した状態では入居者が入りにくいので、設備の修理や入れ替え、修繕、リフォームなどが必要となります。建物を長く快適に使用するためには、定期的なメンテナンスが大切です。外壁工事など大掛かりな工事は、あらかじめ計画を立てておくことをおすすめします。すぐに現金化できない不動産は高額となりがちであること、売却に手間がかかることなどから、すぐに現金化することができないというデメリットがあります。場合によっては、買い手が見つかるまでに数年かかってしまうことも。不動産市場の相場が変わってしまい、思うような値段で売却できないかもしれないというリスクもあるのです。初心者は特に不動産投資のリスクも知っておこう不動産投資は入居者がいれば安定した家賃収入が得られるというメリットがある一方で、空室リスク、滞納リスク、修繕リスクなど様々なリスクがあります。不動産会社は物件を販売すること、管理を受託することなどを仕事としています。ですから、不動産投資の持つリスクについて十分な説明がされないことがあるかもしれません。初心者の方は特に、不動産投資のリスクを十分に理解して、きちんと資金計画を立てた上で判断してください。仕組みを理解して不動産投資に挑戦してみよう!不動産投資は初心者には難しいと感じるかもしれません。しかし、今回解説したように、不動産投資には安定した家賃収入、生命保険の代わりになる、節税、年金対策など様々なメリットがあります。不動産投資では最初の物件選びが非常に重要です。不動産投資に関する書籍を読んだり、不動産投資に関係するセミナーに参加したりすることで、まずは不動産投資の知識を身に着けることから始めましょう。そして、不動産投資の仕組みを理解して挑戦してみてください!
2020年01月20日収益物件を購入して家賃収入を得ることを不動産投資と言いますが、そもそも収益物件とはどのような物件のことを意味しているかご存知でしょうか。数ある不動産の中でも収益物件に該当する物件には、他の不動産とは違ったメリット、デメリットがあります。そこで本記事では、不動産投資を始める前に知っておくべき収益物件の基本知識について解説します。不動産投資における収益物件(収益不動産)とは?一般的に収益物件というと、アパート、マンション、ビルなどの賃貸物件というイメージがありますが、正確にいうと収益を生み出す不動産のことを収益物件といいます。収益とは基本的に家賃収入を意味しており、不動産を他人に賃貸することで家賃収入が得られる不動産のことを収益物件といい、収益物件に投資することを不動産投資というのです。マイホームとの違いと収益物件の意味不動産の中には一戸建てなどのマイホームも含まれますが、自己使用を目的として建てられている不動産については収益を生み出さないため収益物件とはいいません。ただし、一戸建て全てが収益物件ではないということではありません。例えば、一戸建てマイホームを購入して自分で住んでいたところ、転勤命令が出て住めなくなったためローンを組んでいる金融機関に許可を得て他人に賃貸することがありますが、この場合一戸建てであっても家賃収入が発生するため収益物件になります。収益物件とは原則的には収益を目的として建てられたアパートやマンションを意味していますが、自己使用目的で建てた不動産だとしても、借り手がついて収益を生み出せるのであれば収益物件に該当するのです。つまり、収益物件とは物件そのものの特徴だけによってカテゴライズされるものではなく、不動産を運用する人のやり方や工夫次第で収益物件になるのです。収益物件のメリット不動産投資で収益物件を所有することには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。メリット1:定収入が確保できる先日金融庁が発表した報告書で、老後の生活資金としておよそ2,000万円が不足すると記載されていたこともあり、年金だけでは満足な生活が送れない可能性が浮き彫りとなりました。そもそも、金融庁がこのような報告書を発表した目的は、兼ねてから不安視されていた年金問題をぶり返したかったわけではなく、貯蓄を美徳とする日本人に対してもっと金融リテラシーを高めて投資マインドを持つよう促すことだったのです。不動産投資によって収益物件を所有すれば、毎月家賃収入という定収入を確保することができます。当初はアパートローンを組んで購入するため家賃収入の多くはローンの返済に充てることになりますが、老後に近づいた頃にローンが完済すればあとは家賃収入だけが手元に残るため、不足する老後の生活資金の十分な補填として活用できるのです。メリット2:専門的な知識が不要である株式投資やFXも投資として一定の人気がありますが、安定的に収益を出し続けるためにはそれなりのノウハウや知識が必要です。プロの株式トレーダーと言われる人たちは、日夜さまざまな情報を大量に収集し数分単位の値動きを見逃さないよう目を光らせており、一般人が気軽に入り込める世界ではありません。証券会社に口座を開設するだけで株式投資すること自体は可能ですが、初心者がする株式投資は投資というよりも実際はギャンブル性の方が強いのです。一方で不動産投資については、投資する物件選定については熟慮が必要ですが、収益物件を購入した後の賃貸経営については管理会社に委託できるため実務的なノウハウはほとんど必要ありません。メリット3:利回りが安定している利回りとは年間収入に対する投資額のことで、不動産投資でいうと年間家賃収入に対する収益物件の購入価格になります。物件の収益性を判断する上で重要な指標となる利回りですが、不動産投資においては利回りが他の投資に比べて安定しやすいというメリットがあるのです。家賃については短期的に大きく値下がりすることはほとんどないため、長期的に安定した収益を生み出してくれます。ところが株式投資やFXについては、日々価格が変動しており激しく乱高下することも日常的なので、長期的に安定した利回りを維持し続けることは熟練の投資家でも至難の技です。そのため、株式投資やFXはプロと初心者の力の差が結果に大きく出てしまうのですが、不動産投資についてはそこまで結果に差がつかないので、投資初心者の方についてはできるだけ不動産投資から始めた方が有利と言えます。収益物件のデメリット収益物件を所有すると大きなメリットがあることがお分かりいただけたかと思います。ただし、投資である以上はメリットばかりではありません。収益物件を所有するにあたっては、最低限次のようなデメリットがあることも知っておくことが重要です。[adsense_middle]デメリット1:家賃が入金されないリスク収益物件を購入した後の賃貸経営については管理会社に委託できるため、投資家自身にノウハウはほとんど必要ありません。ただし、いくら管理会社が優秀だとしても次の2つのリスクについてだけは、常に消えないためその都度対策が必要になります。空室リスク収益物件は常に満室とは限りません。むしろ一棟20戸のアパートだとすると、最近では1割程度が空室でも不思議ではないのです。収益物件で空室が発生すると、その間はその部屋からの収入はゼロになるため収益が一気に落ち込むことになります。一棟アパートであれば空室が発生したとしても、他の部屋の家賃でどうにか補填して経営していくことができますが、マンションの一室に投資する区分マンション投資の場合は空室が発生すると収益が一気にゼロになってしまいます。すぐに次の入居者が決まればよいのですが、立地や築年数によっては数ヶ月空室になることもあるため、その間の収益の落ち込みが大きなリスクとなります。家賃滞納リスク不動産投資において投資家にとって一番の悩みの種となるのが家賃滞納です。賃貸経営におけるほとんどの業務は管理会社に委託できますが、家賃滞納が発生した際の督促については原則として委託ができず、投資家自身で対応しなければなりません。管理会社の中には督促を委託業務に含めているケースもありますが、本格的に督促して家賃を回収するとなると債権回収業務にあたり弁護士法に抵触する恐れがあるため、基本的には当事者である投資家自身で賃借人から回収する必要があります。家賃滞納は1ヶ月分程度であれば電話で督促するだけでも入金になる可能性がありますが、3ヶ月以上滞納が続くと自力での回収はほぼ不可能になってきます。諦めて退去してもらおうとしても、本人自ら退去してくれないと建物明渡請求訴訟による裁判手続きを経なければならず、かなりの労力とコストを奪われることになるのです。デメリット2:災害リスク不動産投資が他の投資と大きく違うのは、不動産という物的資産に投資するということです。物的資産を保有するということはメリットでもある一方で、収益物件の場合は災害リスクという大きなリスクを負うことになります。大地震のリスク東日本大震災をきっかけに日本の地震におけるリスクを考えた人は多いのではないでしょうか。日本の新耐震基準では震度6強〜7程度の地震で倒壊、崩壊しない構造となっていますが、他人に賃貸できないほどに損傷する可能性は十分に考えられます。万が一大地震が収益物件に直撃した場合でも、残りのローン返済は続くことになるため、他人に貸せない状況に陥ってしまうと家賃収入が得られず返済が難しくなる可能性があるのです。最近は地震保険に加入する不動産投資家の方が増えていますが、地震保険で保証されるのは火災保険の補償額の30~50%が上限になるため、損害の全額を保険で補填することはほぼ不可能といえます。集中豪雨・台風リスク最近被害が増えているのが集中豪雨や台風による水害リスクです。収益物件が多い都市部については土砂災害などのリスクはあまりありませんが、平坦な場所については水害の被害が多く見られます。2019年の台風19号でも多くの収益物件が床上浸水の被害に見舞われ、復旧に多くの費用がかかることとなりました。また、2階以上の部屋についても室内の浸水被害はなかったものの、1階部分の機械室が浸水したことによってエレベータが停止したり、給水ポンプが停止して水が出なくなったりといった被害が発生し、入居者に家賃を返金する事態に発展したマンションもあります。収益物件を購入する際の選び方のポイント地震や水害などのリスクをできる限り回避するためには、収益物件の選び方として次のポイントについて確認することが重要です。旧耐震基準と新耐震基準耐震基準には旧耐震基準と新耐震基準があり、1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物については新耐震基準で確認されているため地震によるリスクが非常に低くなります。建築基準法が改正になる前の旧耐震基準で建てられた収益物件については、耐震改修工事をしていない限りあまり投資しないほうがよいでしょう。ハザードマップを活用自然災害リスクは防ぎようのない部分がありますので、できるだけ浸水リスクの低い立地を見極めることが重要になってきます。そこで自治体の作成しているハザードマップなどを確認することで、浸水リスクの低い立地の物件を選ぶとよいでしょう。収益物件に関するまとめ今回は、不動産投資を始める前に知っておくべき収益物件の特徴やポイントについて解説してきました。収益物件を保有するということは、老後の生活資金に不安がある日本において非常に大きなメリットがありますが、一方で地震や水害といったリスクがあることも忘れてはいけません。メリットとデメリットを理解した上で物件探しをすることが、何よりのリスクヘッジとなるでしょう。
2019年12月02日こんにちは、婚活FP山本です。近ごろでは「サラリーマン大家さん」という言葉もよく聞くほど、不動産所得のある方も増えました。それほど不動産投資が一般的になった一方で、会社員なら税金のことは年末調整で済むことが多いため、確定申告に苦戦している方も多いのが実情です。そこで今回は、会社員の方が不動産投資をしている事を想定して、不動産所得がある場合の確定申告についてお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。不動産による収入は確定申告が必要まずは、不動産所得と確定申告の関係についてお伝えします。冒頭でも少し触れた通り、不動産による収入がある方は、年末調整では済まず確定申告が必要です。稀に「どうやって年末調整するんだ?」と悩む声も聞きますが、そもそも年末調整できませんから注意しましょう。ちなみに会社員の方は確定申告を避ける傾向にありますが、年末調整よりも税金を安くできることも多いので、むしろおすすめです。それに、どうせ確定申告する訳ですから、これで「確定申告が必要」という行為を避ける必要もなくなります。また確定申告が必要といっても、あくまで「自分に関係する部分だけ」です。初めてなら難しく感じても、いずれ慣れてくるでしょうから、そう考えて確定申告に挑んでいきましょう。税金への義務はしっかり果たそうそもそも、日本では基本的に「全ての利益」について税金が発生します。そして納税は国民の義務であり、少額だからと許されるものではありません。会社員の方は年末調整で税金関係が完了しますから、つい軽く考える方もいるのですが、その感覚は極めて危険です。なお、仮に「利益がゼロ」であっても確定申告したほうが得に繋がります。不動産投資をする以上、不動産所得がある以上、確定申告は付き物と考えて取り組みましょう。金額ではなく規模で計算方法が変わる?ここからは、不動産所得と確定申告の基本についてお伝えします。不動産所得というのは、不動産の価格・金額ではなく「事業の規模」で確定申告の内容が変わるルールです。具体的に言えば「10室以上か否か」、または「5棟以上か否か」で基本的に判断されます。そして簡単に言えば「5棟10室以上」のほうが、事業的規模と見なされて、様々な優遇措置が受けられます。とはいえ一般的なサラリーマン大家さんなら、そこまでの規模ではない事が多いので、将来的な事業規模の拡大を見越して覚えておいて頂けますと幸いです。また確定申告は、「青色申告」「白色申告」という2種類があり、青色申告のほうが細かく帳簿を付けなければならない反面、以下のメリットがあるので有利です。青色申告特別控除が使える(10万円、事業的規模なら65万円)(事業的規模なら)家族への給料を経費にできる(事業的規模なら)貸倒引当金を設定できる赤字を3年繰り越せる青色申告したい方は、事前に税務署へ「青色申告承認申請書」を出すだけで出来ます。ぜひ検討してみましょう。賃貸数によってはサラリーマン大家も事業者最初は一室から始めた不動産投資であっても、その後に賃貸数が増えたのであれば、サラリーマン大家さんであっても事業者と見なされる訳です。むしろ最初の一室を始めた時点で、確定申告が必要だったり申告の種類を選んだりで、立派な事業者と言えるかもしれません。少なくとも、借主から見たら規模は関係なく誰もが大家です。ぜひそんな意識で、これからも不動産所得を得ていきましょう。不動産所得になる収入とは?次は、不動産所得になる収入についてお伝えします。不動産には様々な名目のお金が発生しますが、簡単に言えば不動産所得になる収入は以下の通りです。家賃名義書換料・承諾料・更新料・頭金など敷金・保証金など(返還しないもの)管理費・共益費などの名目で受け取る水道光熱費や掃除代などなお、「収入として認定される時」は、名目によって違いがあります。そして給与所得と同じく、不動産所得も1月1日~12月31日の期間が対象です。この間に手に入った収入かどうかも考えましょう。またサラリーマン大家さんの中には、「これがどの名目のお金になるのか分からない」ような場合もあるでしょう。そんな時は勝手に判断せず、できれば管理会社や税理士などにしっかり確認を取って下さいね。管理費や共益費は忘れがちかも会社員の場合、お金は「出すか貰うか二者択一」のことが多いので、稀に管理費や共益費を忘れる方もおられます。たとえ一部を出そうとも、帳簿上・確定申告上は一旦全額を収入として計上するわけです。もちろん最終的には差額分しか収入計上しませんけどね。サラリーマンでも大家さんになった以上、このような感覚や帳簿・確定申告も覚えていく必要があります。少しずつでも慣れていきましょう。不動産所得で経費・控除できるものとは?今度は、不動産所得で経費にできるものについてです。不動産所得は、先ほどの収入から以下の経費を控除として差し引いた残りが該当します。固定資産税などの税金損害保険料など減価償却費修繕費管理会社に支払う手数料司法書士などへの報酬ローンの金利や手数料簡単に言えば、不動産所得を得るために支出した様々なお金を経費にできる訳です。減価償却費など、直接的な支出を伴わないものも、ちゃんと経費にしましょう。逆に言えば、不動産所得とは関係ない支出については経費にできません。代表例は所得税や住民税でしょうか。なお、このような様々な支出を伴うのが不動産投資だからこそ、日常的な記録を取ることが大切と言えます。税金についてはもちろん、自分で経営状態を常に把握・管理するためにも帳簿付けを日課としましょう。ローンの金利や固定資産税をお忘れなく先ほどの経費にできる支出一覧を見て、忘れているようなものはないでしょうか?初めて確定申告する方だと減価償却費以外にも、ローンの金利や固定資産税あたりも忘れがちです。忘れがちというより、どんな支出を経費にできるか知らなかった……というケースも多いと言えます。経費は増やすほどに利益を小さくでき、ひいては税金額も低く抑えられる訳です。あくまでルールの範囲で、できるだけ経費を増やすよう心がけましょう。[adsense_middle]不動産所得の手続きに必要な書類は?今度は、実際の不動産所得の確定申告手続きについてお伝えします。まず、不動産所得を申告する時に使う必要書類は、以下の通りです。青色申告:確定申告書B、青色申告決算書白色申告:確定申告書B、収支内訳書どちらのケースも、最近では国税庁サイトにある「確定申告書等作成コーナー」を使うと簡単なのでおすすめです。ちなみにサラリーマン大家さんなら、不動産所得だけでなく給与所得についても申告する訳ですから、そちらも忘れず申告しましょう。なお、上記のコーナーを使うと、収入と経費さえ入力すれば利益や税金額については自動で計算してくれます。収入や経費も色々と指示・説明がありますから、それに沿って入力しましょう。領収書などは5年間、しっかり保存を例えば、あなた個人にかかる源泉徴収票や生命保険料控除証明書などは、確定申告書に記載するとともに添付する必要があります。一方で不動産所得の経費などの証明書となる領収書などは、添付する必要はありません。ただし5年間の保存義務があるので、大切に保管しましょう。ちなみに帳簿関係の保存義務期間は7年間です。このように基本的に確定申告では、架空の収入や経費を申告させないために、一定の証拠書類を必要とします。会社員ならレシートを貰ってもすぐに捨てていたかもしれませんが、以後はしっかり保管するようにしましょう。確定申告する時期と方法は?今度は、確定申告の提出についてお伝えします。添付書類も含めて確定申告書類が完成したら、あとは提出するだけです。確定申告は、毎年1月1日から12月31日の期間の内容を、翌年の2月16日から3月15日の間に申告します。土日の関係で毎年、多少はズレますから時期には注意しましょう。また確定申告書類を提出する方法は、以下のような方法があります。税務署へ郵送する税務署へ持参するe-Taxを活用する(一定の事前申請や機器の準備が必要)はじめて確定申告するなら、その場で簡単にチェックしてもらえるので、税務署へ持参する方法がおすすめです。会社員なら税務署へ行く機会など中々ありませんから、今後の経験の意味も込めて、一度は行ってみるのもアリではないでしょうか。なお、確定申告は控えとともに2つ提出しますが、申告後の控えは銀行から融資を受ける際に必要となります。領収書などとともに、これもちゃんと保管しておきましょう。最近では土曜日でも提出できる!最近の税務署は、確定申告の時期は土曜日でも納税者のために署を開けているところもあります。サラリーマン大家さんなら平日は都合が付きにくいでしょうが、土曜日ならいかがでしょうか。もし確定申告書類を持参するなら、対象となる税務署がどうかを確認してみましょう。ただし、全ての税務署が同じではありません。どうしても持参できない場合は、素直に郵送で手続きしましょう。不動産所得は給与と損益通算できる!今度は、サラリーマン大家さんにとって大切なことをお伝えします。不動産投資の営業マンのセリフではありませんが、不動産所得は給与所得と損益通算できるルールです。つまり、もし不動産投資で赤字になっていたとしたら、その分だけ税金が安くなります。また不動産投資というのは、特に初年度は税金などの関係で赤字になりがちです。もちろん初年度から黒字のほうが望ましいものの、赤字になったならなったで有効活用すべきと言えます。きっちり確定申告して、源泉徴収されてきた所得税を返してもらいましょう。なお、だからこそ最初の物件が黒字化した頃に、次の物件を増やすような投資手法を取る方もおられます。ぜひ今後は、総合的に一番得になりそうな方法を模索しましょう。「損が出ても得」とは言えないので注意を!少し注意が必要なのですが、稀に「不動産投資は損が出たほうが得」などと勘違いする方もいますが、そんなことはありえません。税金は、あくまで利益の一部を納めるだけですからね。先ほどの損益通算も、あくまで赤字が出た時の損失補てんの一部でしかありません。税金を一円でも減らすことばかり考えると、かえって損してしまうことも多いのが実情です。あくまで不動産投資も黒字を目指す一方で、赤字が出た時には損益通算などで少しでも損失補てんするようにしましょう。[adsense_middle]確定申告のやり方がわからない場合は相談を!最後に、確定申告における大切なことをお伝えします。はじめて確定申告するのであれば、大抵は一つや二つ、分からない部分も出てくるのが普通です。不動産所得がある事情も様々で、身近な相談相手がいないようなケースもあるでしょう。そんな時は、以下のいずれかの方法がおすすめです。近くの税理士に相談する税務署で相談しながら作成する管理会社などに相談できるのなら良いのですが、そうでない場合でも確定申告を無視するのは危険と言えます。一定のペナルティ的な税金が発生する可能性もあるうえ、場合によっては不動産投資が会社バレするかもしれません。税理士か、あるいは税務署に相談してでも、しっかりと確定申告はこなしましょう。サラリーマン大家も立派な経営者!サラリーマン大家さんの中には、経営者感覚の弱い方も少なくありません。そんな場合は税金への感覚も弱く、むしろ税務署の存在やペナルティを他人事と捉えて「自分には関係ない」などと考える方もいます。残念ながら、そんな自分ルールは社会では通りません。特に、親から投資用物件を相続したようなケース、あるいは空き家となった自宅を貸しているようなケースで注意が必要です。人に貸した時点であなたも立派な経営者ですから、強めに注意しましょう。不動産所得の確定申告は毎年のこと!基本的に不動産投資は毎年、不動産所得が発生します。つまり、確定申告も毎年のことになる訳です。毎年苦しむくらいなら、早めに慣れたほうが得ではないでしょうか。慣れるほどに節税にも強くなります。ぜひ早めに慣れて、早期の資産形成を目指しましょう。
2019年11月25日不動産投資に興味はあるけれど、高額というイメージが邪魔をしてまだやったことがないという方は多いのではないでしょうか。確かに不動産は高額な投資商品ですが、やり方によっては少額でも不動産投資を始めることが可能です。そこで今回は、少額でできる不動産投資の始め方ややり方、初心者が注意すべきポイントなどについて詳しく解説します。少額投資は初心者におすすめ不動産投資をする場合に、初心者の方がいきなり億単位の物件に投資するとなると、どうしてもハイリスクになってきます。そこでまずは少額投資で始めてみて、不動産投資とはどんなものなのかを理解し、慣れてから高額物件に投資する方がおすすめです。不動産投資でいう少額とは?不動産投資の王道といえば一棟もののアパートなどがありますが、一棟投資となると一度に億単位の投資が必要になるほか、災害の多い日本においてリスクが一点に集中するというデメリットがあります。不動産投資で少額なものとしては、区分マンションが一つの選択肢です。中古の区分マンションであれば、東京都内だとしても郊外のエリアを探せば500万円以下でも投資することができます。そこで今回は、500万円以下を少額の目安と考えて不動産投資法についてご紹介していきたいと思います。不労所得で将来も安心少額から不動産投資を始めることには様々なメリットがありますが、中でも一番重要なことは老後の生活資金となる不労所得の確保です。人生100年時代と言われ長生きすることが当たり前になっている昨今ですが、先日の金融庁の発表では老後の生活資金として年金以外で2,000万円程度が不足するとの見解を示しました。これは国が不安を煽ろうとしているのではなく、国民に対して金融リテラシーをあげてほしいというシグナルを発しているのです。貯蓄マインドから投資マインドへ日本人は貯蓄マインドが古くから根付いているため節約して貯蓄することを美徳とする傾向がありますが、人生100年時代を乗り切るためには、貯蓄ではなく運用して働けなくなった後も安定的な不労所得を確保することが必須になります。そこで貯蓄マインドから投資マインドに切り替えて、サラリーマンでも無理なく始められる少額投資を始めていくことが今の国民に求められているのです。初心者でもできるお手軽少額投資の方法の仕組み少額投資の必要性をある程度ご理解いただけましたでしょうか。ここからは、実際に不動産投資を少額で始めるやり方や、少額投資の種類について詳しく解説していきます。[adsense_middle]少額投資の始め方少額投資を始めるためには元手となる資金が必要になります。通常の不動産投資のように金融機関から融資を受けて始めることも可能ですが、少額投資の場合は後ほど解説しますが通常の不動産投資に比べると融資が受けにくいケースがあるので、できればある程度の投資資金は事前に貯蓄しておくことがおすすめです。1年あれば十分貯蓄できる投資資金を貯蓄するというと、時間的ロスがリスクのように感じるかもしれませんが、少額投資で必要となる投資資金は100万円程度あれば十分なので、一般的なサラリーマンの方であれば1年間集中して貯蓄すれば十分準備することが可能です。少額投資は始めた後ローンの返済に苦しむリスクはほとんどないので、最初の貯蓄さえ頑張れば後は少しずつリターンを受け取ることができます。少額不動産投資の種類について少額から始められる不動産投資にはどのような種類があるのでしょうか。投資法ごとに解説していきます。中古ワンルーム区分マンション投資法不動産投資の中でも一部屋から購入できる区分マンションに投資する方法があります。ただ、区分マンションでも新築だと都内のワンルームで2,500万円以上することもあるため、少額で始めるためには築15年前後の中古区分マンションで、できるだけ郊外のものを選定しなければなりません。都内であれば、東京23区外の私鉄沿線(西武新宿線、西武池袋線、小田急線、京王線、東武線など)の物件が狙い目です。郊外でもJR中央線などJR沿線の物件は価格が若干高めなので、少額投資であれば価格が落ち着いている私鉄沿線で探す方がおすすめです。ローンを組む際の注意点上記条件にあてはまる中古区分マンションであれば500万円程度でも購入が可能ですが、ローンを利用する際には注意が必要です。新築物件を購入する際には、購入する物件自体の担保評価が高いので、購入価格の100%満額のフルローンが出たりすることもありますが、中古の場合は担保評価が低く見られるため、ある程度の元手が必要になります。神奈川や千葉であれば、首都圏にも関わらず200〜300万円程度でも購入できる物件がありますので、ローン審査が心配な方は購入金額満額を貯蓄で賄うという選択肢もありでしょう。地方の戸建投資比較的手頃に購入できる地方の戸建を使って投資する方法もあります。地方の戸建物件はもともと投資目的で売りに出ているものはほとんどなく、基本的には自己使用を前提に売りに出ているため、家賃を想定して利回り計算をしてみると、賃借人さえ決まればかなり高利回りが実現できる場合があるのです。うまくいけば長期安定収入になる地方の戸建というと不動産投資のイメージが湧かないかもしれませんが、実は立地さえ慎重に吟味すれば地方は戸建賃貸の需要が意外にあるので、高利回り物件に化ける可能性があります。主なターゲットとしては低所得者世帯やシングルマザーなど、住宅ローンが組めないけれども一戸建てに住みたいという客層です。特に小さな子どもがいる世帯については、近隣への騒音を気にしてマンションよりも戸建を希望するケースが多く、住宅ローンが組めない人に戸建賃貸が意外とマッチします。リフォーム費用も考慮することが重要地方の中古戸建物件はもともと賃貸目的で売りに出ているわけではないので、購入後はある程度の手直しが必要になることを見込んでおく必要があります。特にバスルームやキッチンなどの水まわりが古い場合は、100万円以上のリフォーム費用がかかる可能性がありますので購入時にはその金額も考慮して検討しましょう。クラウドファンディングによる不動産投資最近話題になることが多いクラウドファンディングですが、不動産投資にも応用されてきており少額から投資ができる場合があります。クラウドファンディングとはインターネットを使って不特定多数の人から出資を募ることで、海外でも注目を集めており、投資の対象は不動産以外にも事業やサービス、商品など様々です。クラウドファンディングのタイプを大きく分けると次の4つの種類があります。寄付型クラウドファンディング:リターンを求めず、単に寄付をするタイプです。投資型クラウドファンディング:事業を始めたい人に投資するタイプで、一定のリターンがあります。融資型クラウドファンディング:資金を必要とする人や法人に資金を融資するタイプで利息などのリターンがあります。購入型クラウドファンディング:不動産などの高額なものを共同で出資して購入するタイプで、少額不動産投資はこれに該当します。簡単に言うと、高額な不動産を不特定多数の人同士で資金を出資しあって購入し、そこから生じる家賃などの利益の配当を受けられるということです。不動産に特化したクラウドファンディングとしては、オーナーズブックが比較的有名で、東証マザーズに上場しているロードスターキャピタル株式会社が運営しています。クラウドファンディングを活用した不動産投資は、数万円程度という非常に少額から始められるというメリットがあるだけではなく、物件の選定や運用面は不動産のプロに任せられるため、知識や情報が少ない初心者ならではのリスクを抑えることができるのです。株式投資感覚できるREITREITとは不動産投資信託の事で、不動産に直接投資するのではなく、不動産を運用する不動産投資法人に投資する方法です。投資を受けた不動産投資法人は集めた資金を利用して不動産投資をして、得られた利益を投資家に配当します。投資家は信頼できる不動産投資法人を選定して投資するだけなので、不動産経営に関するノウハウは一切不要でです。中には株式投資のように簡単に投資できるものもあるので、株式投資をやったことがあるという方であれば感覚を掴みやすいでしょう。ただ、不動産を所有するわけではないのでオーナーとしての実感を味わいたいという人には向いていません。少額投資で多くの利益を生む少額投資の方法をいくつかご紹介してきましたが、少額投資というとどうしてもローリターンに留まってしまうという懸念があり、効率的な資産運用には向いていないのではとの声もあったりします。ただ、少額投資だからといって必ずしもローリターンというわけではありません。[adsense_middle]継続投資でリターンを増やす少額投資は1回だけではローリターンで終わってしまいますが、継続して投資していくことで徐々にリターンが増えていきます。特にクラウドファンディングやREITなどについては一口あたりの投資額が数万円程度と非常に少額なので、慣れてきたら徐々に増やしていくことで、ゆっくりですがリターンを増やしていくことが可能です。リスク分散が最大の特徴少額投資で少しずつやるのであれば、最初から高額な融資を利用して投資したほうが効率的なのではと思うかもしれませんが、初心者の場合は一つの投資対象に投資資金が集中すると万が一の時に立て直すことができないほどのダメージを被ります。少額投資であれば同じ不動産投資の枠組みの中でも、様々な物件に分散して投資ができるので地震や台風といった災害に対してもリスクヘッジが可能です。もっと言えば、不動産投資に限らず株式投資や投資信託、FXなどと組み合わせることでさらにリスクヘッジになります。このように少額に抑えることで、他の投資にも資金が回せて分散投資できることが最大のメリットと言えるでしょう。少額投資でおすすめの賃貸運営法少額で不動産投資を始める場合は、賃貸運営についても一定の工夫が必要となります。例えば、500万円で買った区分マンションに対して毎回10万円以上かかる原状回復工事を発注していたら割に合いません。少額で購入できる区分マンションは家賃も4万円前後と非常に安いケースが多いため、賃貸運営をするにあたってはできる限り原状回復工事や諸修繕費用などのランニングコストを抑える必要があるのです。自主管理と相見積もりを活用するランニングコストを抑えるためには、できるだけ管理会社に管理を委託せず自分自身で賃貸管理をすることで管理料3,000円程度を削減できます。区分マンション1部屋であれば、自主管理してもそこまで面倒なことはありません。サラリーマンでも片手間でできるレベルです。また、原状回復工事などを発注する際には必ず複数社で相見積もりをとって、できる限りコストパフォーマンスがよい業者に発注するよう心がけましょう。最終的には自分でやることも視野に区分マンションや戸建てなどで少額不動産投資していくのであれば、最終的にはできるだけ自分でできる施工は自分でやることを視野に入れるとより利益が出やすくなります。自分でやるといっても、自分自身で内装工事をするということではなく工事箇所ごとに最安値の業者に振り分けて発注できるようになるということです。例えばエアコン交換にしても内装業者にまとめて発注したほうが手配が楽ですが、コストについては割高になることがあります。むしろエアコンだけ家電量販店に来店して自分で購入したほうがコストダウンできます。また、壁紙やフローリングの張替えなどについてもアマゾンなどで安い具材を自分で調達して、施工だけ職人さんに日当を支払ってやってもらうという方法でコスト削減を行っているオーナーさんもいます。少額でできる不動産投資に関するまとめ今回は、不動産投資の中でも初心者が気軽に始めやすい少額でできる投資法についてご紹介してきました。少額投資は当初ローリターンになりがちなので、ランニングコストを削減する意識を強く持つことがとても重要です。コスト削減などを考える余裕がないという方は、クラウドファンディングやREITなど運営面をプロに任せられる投資法で始めることをおすすめします。少額投資は継続することでリスク分散しながら徐々に資産を増やすことができますので、安定した老後の生活資金を確保したい方などには非常に適している投資法と言えるでしょう。
2019年11月06日初心者でも気軽に始められる不動産投資ですが、節税目的で始めてみたもののうまくいかずに失敗してしまう人が多いのも事実です。不動産投資で失敗する人の理由はある程度決まっているので、実際に失敗した事例を知ることで自身の失敗を回避することができます。そこで本記事では不動産投資に失敗する4つの理由について、事例を交えながら解説していきたいと思います。初心者は不動産投資の「落とし穴」にはまりやすい不動産投資に失敗する人に共通しているのは、不動産投資に対する大幅な知識不足です。確かに不動産投資は初心者でもローンを利用すればすぐにでも始められますが、最低限の知識がないと始めたところで失敗してしまいます。では具体的にどのような知識が欠けていたことで失敗につながってしまうのでしょうか。失敗する理由1:空室リスクを甘く考えている不動産投資のリスクの中でも、やってみないと実感しにくいと言われているのが空室リスクです。不動産投資は家賃収入によってローンを返済するため、空室によって家賃が入ってこなくなると途端にキャッシュフローが苦しくなってしまいます。ワンルームの区分マンションは空室リスクが深刻空室リスクによるダメージがより深刻と言われているのが、ワンルームの区分マンションに投資するケースです。区分マンションはアパート経営とは違い一戸単位で物件を保有するため、サラリーマンでも手ごろに投資できる価格帯であるというメリットがある一方で、空室になると家賃収入が一気にゼロになってしまい、キャッシュフローが極端に悪化するというデメリットもあるのです。アパートであれば一部屋空室になったとしても、残りの部屋の家賃収入でローン返済を補うことができるのですが、区分マンションの場合は補うことができないので、自らの給与などから手出しでローン返済に充当しなければなりません。敷金礼金ゼロゼロ物件の出現でさらに空室リスクが深刻化不動産投資をやったことがない人からすると、「空室リスクといってもせいぜい1〜2ヶ月くらいの空室ならそんなに大きなリスクにはならないだろう」といったくらいに軽く考える傾向がありますが、最近の空室リスクはそんなに甘くありません。平成初期の頃は敷金や礼金が2ヶ月ずつかかる物件が珍しくなく、賃貸借契約をするとなると、家賃が8万円であれば前家賃なども入れると50万円近く諸費用がかかる時代だったため、一度契約すると長期間居住するケースが多く、そのおかげで空室リスクを考える必要性もあまりありませんでした。ところが、少子高齢化で都内の賃貸物件が供給過多の状況に陥ったことで状況が一変し、敷金礼金ゼロゼロの物件なども増え始めたことで、2年も経たないうちに引越しをする人が増えてきたため、入居者の入れ替わりが激しくなり結果として空室リスクが高まったのです。空室が長期化して家賃収入がなくなる、よくあるケース不動産繁忙期である1〜3月に空室になるのであれば概ねすぐに次の賃借人が決まるのですが、不動産閑散期である8月前後の夏場に空室になってしまうと、最悪の場合翌年の繁忙期までずっと空室という可能性も出てきます。かつては夏場に空室になることはあまりなかったのですが、供給過多の影響による空室対策で、敷金礼金ゼロゼロで夏場に募集する物件が増えたことにより、夏場に安い物件を求めて引越す人が増えてしまったのです。また、残念なことに敷金礼金ゼロゼロ物件のように諸費用がほとんどかからないプランで入居する人の多くは、居住期間が短くして退去してしまうケースが多いと言われています。空室リスク対策として行われている入居条件の緩和対策が、他の物件の空室リスクを助長しているという悪循環が発生しているのが、今の不動産投資における空室リスクの現状なのです。空室リスクで破産しないためには空室リスクについては基本的に予測することが非常に難しいので、対策としてはとにかくキャッシュフローに余裕を持つことが大切になります。ギリギリのキャッシュフローで資金計画を立てていると、万が一空室が発生した際にすぐにお金が足りなくなってしまい、サラリーマンであれば自身の給与から持ち出さなければならなくなってしまうのです。給与からの持ち出しが続くと、最悪の場合生活が立ち行かなくなって破産してしまうケースも珍しくありません。夏場の空室は早めに条件緩和の決断を夏場に空室が発生した場合については、繁忙期と同じ家賃や敷金礼金で募集してもなかなか決まりません。初心者投資家の多くは、当初決めていた家賃を値下げしたくないという意識が強いため、繁忙期と同じ金額で数ヶ月募集をし、それでも決まらなかった場合に仕方なく家賃を下げる決断をするケースがあります。ただ、このように家賃など条件を緩和する決断が遅くなると空室期間はさらに伸びてしまうため、できれば早い段階で決断して早期契約を目指すことが大切です。たとえ家賃が当初の金額のまま決まったとしても、そのために何ヶ月も空室だった場合は年間収支で見ると赤字になってしまう可能性があります。まとめると、空室リスクをできる限り最小限に食い止めるためには、次の2点に注意しましょう。・余裕のあるキャッシュフローでシミュレーションする・不動産閑散期に空室が生じた場合における募集条件緩和の決断は早い方がよい失敗する理由2:高額なアパート経営の修繕費負担一棟もののアパートなどを経営している方に重くのしかかるのが修繕費用の負担です。アパートは区分マンションとは違い、自分自身で建物の維持管理費用を捻出しなければなりません。新築から10年以内であれば大きな不具合も起きないため油断しがちなのですが、それ以上の月日が経過すると徐々にほころびが出てきて高額な修繕が必要な箇所が出てくるのです。[adsense_middle]比較的高額な費用がかかる修繕特に次のような修繕については、比較的高額な費用がかかります。屋上防水工事外壁塗装やタイル張り替え鉄部塗装耐震補強工事排水管交換エレベータのメンテナンス区分マンションの場合は強制的に修繕積立金を徴収しているため、これらの施工に当てる財源が積み立てられていますが、アパートの場合はオーナー自身が自発的に積み立てていなければ一度に大きな出費を強いられることとなります。実際にこれらの修繕費用が支払えないがために、物件自体を売りに出すというケースも少なくありません。よって中古アパートに投資する場合については、購入するにあたって今後どのような修繕工事がいつ頃発生するのかについて確認しておくことが重要です。中古物件の投資には、今後の修繕工事の見積もりが不可欠例えば、相場が5,000万円の物件を4,000万円で売りに出ていた場合、物件価格だけで比較すると非常によい買い物のように感じるかもしれません。ただ、屋上防水や外壁の張り替え費用などを考えると2,000万円くらいかかってしまうことになると、差し引き3,000万円で購入しなければ実質的に損することになってしまうのです。このように中古物件に投資する場合は、今後必要となる修繕工事の見積もりをとった上でそれらの金額について物件価格で控除するよう交渉するとよいでしょう。・新築アパートに投資する場合は、自身で修繕費を貯蓄することが重要・中古アパートに投資する場合は、今後必要になる修繕費用の見積もりをとり、その価格も購入価格に含めて検討する必要がある失敗する理由3:家賃下落で運用が困難に不動産投資初心者の方の中には、家賃の下落リスクについて一切考えが及んでいないケースがあります。現在の不動産投資では新築から家賃がさらに値上がりすることはなく、築年数の経過とともに徐々に家賃が値下がりしていくのが一般的です。にも関わらず、家賃が8万円であれば、数十年先まで家賃8万円でシミュレーションをして購入してしまう人がいて失敗の元となっています。アパート経営の家賃収入は概ね2段階で値下がりする家賃収入は新築時から考えると、概ね2段階で下落する可能性があります。第1弾段階:新築時の入居者が退去した時第1段階の値下がりは、新築時の入居者が退去した時にタイミングがやってきます。新築物件については、新築というステータスが付加されているため、通常相場よりも1割ほど高い家賃額で決まっている可能性があります。ただし、新築時の入居者が退去してしまうと、その物件はもう新築とは言えなくなるため家賃が元の相場家賃に値下がりするのです。このように第1段階の値下がりは実質的には値崩れというよりも、もともとの正しい相場家賃に戻すといったイメージになります。第2段階:築10年〜15年の間第1段階の値下がりにより相場家賃程度まで下落している状況で築10〜15年程度が経過すると、次に第2段階としてもう1割程度値下げになる可能性があります。これは一度に一気に値下がりするわけではなく、退去を繰り返しながら徐々に下がっていくというのが一般的です。もちろん、必ず下がるというわけではなく物件の立地などの条件がよければ第2段階の値下げが発生しないケースもありますが、基本的には建物が古くなった分、ある程度の値下げが必要になると考えてキャッシュフローをシミュレーションする必要はあるでしょう。第2段階の値下げを乗り切れば、そこからは大幅な値下がりは生じにくく下げ止まったような状態になるので、この段階でのキャッシュフローに問題がなければ概ね投資としては成功したと言えます。・新築時の設定家賃は相場よりも1割程度高いため、退去して新築でなくなればある程度は下がると考える必要がある・家賃は概ね2段階に分けて1割程度の値下がりのタイミングがあることを念頭に、キャッシュフローをシミュレーションする失敗する理由4:管理料が安い管理会社を選んで失敗不動産投資の利回りをよくするために、管理料の安い管理会社に管理を委託するケースがあります。管理料は概ね家賃の3~5%、金額にすると1戸あたり3,500円~5,000円位が相場ですが、最近では小規模な管理会社が管理戸数を増やすために1戸あたり1,000円前後という破格の金額を提示して勧誘してくることがあるのです。初心者投資家の中には、経費を削減するためにとにかく管理料が安い管理会社と契約をしようと考える人がいますが、こうした管理会社には大きな落とし穴があるのです。[adsense_middle]管理料が安い管理会社の実態とは管理料1,000円と聞くと非常にお得な感じがするかもしれませんが、現実問題として管理料1,000円では管理会社として存在することは極めて困難と言わざるを得ません。例えば管理戸数が200戸あったとしても、1戸あたり1,000円では20万円にしかなりませんので社員を雇うことは無理でしょう。にも拘わらず管理料1,000円で勧誘してくるのには、やはり落とし穴があるのです。管理料が安い管理会社の2つの落とし穴管理料が安けばオーナーの負担は軽くなるので、一棟アパートでも区分マンションでも大きなメリットがありますが、安すぎる管理会社については管理料だけでは経営が立ち行かないため、次のような手法でオーナーからお金を取ろうとするのです。修繕費用が自社指定で割高管理料が安い管理会社は、入退室の際の内装工事が自社指定になっていることが多く、工事費用にその管理会社のマージンが大きく上乗せされているのです。ただ、初心者投資家の方は内装費の相場をあまりよく知らない事が多いので、割高な金額を払わされていること自体に気がついていないケースもよくあります。また、内装費以外でも書類の郵送代など普通の管理会社であれば費用が発生しないような事務手続きについても、すべて別途料金扱いとなることが多いので注意が必要です。違約金が高額である管理料が安いと管理会社としてはそれなりの戸数を集める必要があるので、一度契約を結ぶとそう簡単には解除ができない管理委託契約書になっているのです。具体的には解除の違約金が家賃の半年分など非常に高額な設定になっているケースが多く、管理がずさんで解除したいと思っても違約金がもったいなくて解除できずに困っている方の事例をよく耳にします。管理料が安い管理会社と契約する際には、解除する場合に違約金がいくらなのか必ず確認しましょう。・管理料が安い管理会社はほかの部分で割高になることが多い・解約したくても違約金が高額で解約できなくなる可能性もあるため注意が必要不動産投資の失敗理由に関するまとめ:営業マンの話を鵜呑みにすると失敗する今回ご紹介した事例は、事前に投資家自身が知っていれば対策をとって回避することが可能なものばかりなのですが、残念ながら失敗する方というのは情報を得て対策を取るということを放棄してしまっている方がほとんどです。そしてそうした方の多くは物件を勧めてきた営業マンの耳障りのいい営業トークをすべて鵜呑みにしてしまい、「あなたを信じる」といって購入してしまうのです。不動産会社の営業マンは決して悪者ではありませんが、営業してくるということはそこには必ず利害関係が存在しています。すなわち、営業マンが第一優先しているのは投資家の利益ではなく会社の利益、そして個人のノルマ達成なのです。営業マンはあくまで営業マンであり第三者的なアドバイザーではないということをよく認識し、不安だという方は税理士など利害関係から外れた第三者に相談して、客観的にキャッシュフローをシミュレーションしてから検討することをおすすめします。
2019年10月31日個人が不動産投資をする場合、ほとんどの方が不動産投資ローンを利用することになります。不動産投資ローンは審査基準や金利相場が住宅ローンと異なるため、実際に不動産投資をする前に知っておくことが大切です。そこで本記事では、不動産投資ローンの審査基準や金利相場について徹底解説します。物件を購入する際に借入を活用するわけとは不動産投資にかかわらず、日本人の意識としては「ローン=借金」というネガティブなイメージが強いこともあり、不動産投資ローンを組むことに抵抗感を感じる初心者投資家の方が多いように感じます。確かに借金であることに変わりはありませんが、不動産投資の場合はたとえ自己資金があったとしても銀行から借入することで次のようなメリットがあるのです。銀行融資のおかげで収益の効率がよい例えば自己資金が100万円の方が利回り5%で1年間運用した場合、生み出される利益は5万円です。一方、不動産投資ローンで900万円借入して1,000万円を利回り5%で運用すれば、利益は50万円と一気に高額になります。どちらも自己資金は100万円の投資なのに、不動産投資ローンを活用することで年間収益が10倍も違うのです。利回りと家賃相場が間違いなければ、返済の心配もない銀行から借金をする際に一番心配になるのが返済のことではないでしょうか。不動産投資ローンの場合は、不動産を賃貸することで得られる家賃収入をローンの返済に充当することができるので、自分自身の給与などから削られる心配がありません。投資をする前に予定される利回りと、購入物件の家賃相場さえ読み間違えなければローンが返済できなくなるリスクはほぼ回避できるのです。このように不動産投資ローンを使って不動産投資をすることは、非常に大きなメリットがあるのです。ローン審査基準の4つのポイント不動産投資ローンは自分で住むことを目的として購入する際に利用する住宅ローンとは審査をする際に見る視点が違うため、利用するにあたってはどこを銀行に見られているのか事前に知っておくことが審査を通過するためにも大切です。審査基準1:物件の担保評価一般的になじみがある住宅ローンは、基本的に本人の属性が審査対象ですが不動産投資ローンの場合は投資を目的としたローンであるという観点から、本人の属性に加えて購入対象となる物件自体の担保評価が審査の重要な判断基準となります。担保評価は大きく分けて不動産を売却した場合の評価と、不動産を賃貸した場合の評価によって総合的に判断されるのです。不動産を売却した場合の評価不動産投資ローンを組む際には、購入する物件自体を担保に入れることになるため、融資をする銀行としては万が一返済ができなくなった時に、不動産を売却して残りのローンを完済できるのかという見方をします。不動産を売却した場合の評価については、物件の築年数、最寄り駅からの距離などによって異なってきます。また、耐用年数の短い木造よりも鉄筋コンクリートマンションの方が高く評価されやすいです。不動産を賃貸した場合の評価賃貸経営による収益力についても重要な審査基準となります。例えば、2,000万円で購入予定のマンションの家賃が5万円だとすると年間で60万円の収益となり、利回りにすると3%にしかなりません。このように収益力の低い物件を購入するために融資をしてしまうと、銀行としても回収できなくなるリスクが高いので、価格が下がらないと審査が通らない可能性が出てきます。また、郊外の物件については都市部に比べて空室リスクが高いので、満室時の想定利回りが良い場合でも審査が通らないこともあるのです。賃貸経営による収益力については、利回りだけではなく地域性の問題なども加味して総合的に判断されます。審査基準2:既存の借入について不動産投資ローンは概ね年収の20倍程度が借入できる限度とされているため、すでに金融機関から借入をしている場合については審査に影響してきます。既存の借入についてよく質問されるのが住宅ローンです。すでに住宅ローンを組んでマイホームを購入している方の中には、不動産投資ローンは組めないのではないかと考えて不動産投資をあきらめている方が時々いますが、年収の20倍以内であれば住宅ローンを組んでいても不動産投資ができる可能性は十分あります。審査基準3:自己資金不動産投資をするにあたって頭金にできる自己資金がどの程度あるのかについても、審査に大きな影響を与えます。以前は事前の貯蓄なしで、物件価格の100%をローンで組むフルローンを利用する人が大勢いましたが、フルローンの場合は毎月返済する金額が重くのしかかることとなり、空室になると返済ができなくなってしまう可能性があるため注意が必要です。基本的に物件価格の1~2割程度の自己資金があった方が、同じ物件を購入する場合でも審査結果が変わる可能性があります。審査基準4:本人の属性不動産投資ローンを組む本人の属性は、審査において非常に重要になります。具体的には次のような項目が審査の対象です。年収本人の年収は不動産投資ローンを組むにあたって非常に重要な要素となります。不動産投資ローンをはじめとする事業用ローンというと、ある程度の年収が必要になるイメージがあるかもしれませんが、不動産投資ローンの場合は先ほど解説した物件の担保評価も加味されるため、実際は年収400万円程度の一般的なサラリーマンの方でも担保評価が出やすい都内の駅近物件などであれば審査が通る可能性もあるのです。また、年収は金額だけでなくどの程度安定しているのかについても審査の基準となります。基本的には過去3年間分の源泉徴収票や確定申告書を提出して、年収が安定しているのかについて審査されるのです。そのため、前年度の年収が高かったとしてもインセンティブの比率が高く、前々年の年収と落差が大きい場合はその分審査が不利になることもあります。本人単独の年収でローン審査が通らない場合は、夫婦の収入を合算して審査を通すという方法もありますので、詳しくは銀行に聞いてみましょう。勤続年数収入の安定性が審査の重要なポイントとなるため、本人の勤続年数も重要な判断材料となります。基本的にできるだけ長い方がプラスに働きますが、3年未満の場合は通らない可能性が高くなるため注意が必要です。転職を考えている方は、できるだけ転職して勤続年数がリセットされる前に不動産投資ローンを組んだ方が得策と言えます。勤務先ローンを組む本人の勤務先は、収入の安定性に直結する情報なので審査においても非常に重要です。例えば、次のような勤務先や職業の方は不動産投資ローンが通りやすいと言われています。上場企業公務員医師弁護士公認会計士税理士勤務先での役職についても審査の対象です。中小企業のサラリーマンでも、ある程度の収入と勤続年数があれば審査が通る可能性は十分あります。また、医師や弁護士といった国家資格の有無についてもできるだけあった方が審査により有利になる傾向です。銀行ごとの審査の傾向について不動産投資ローンの審査基準の大枠はここまで解説してきた通りですが、あとは金融機関によっても審査の傾向に特徴があります。[adsense_middle]大手都市銀行系の場合不動産投資において都市銀行系は最もハードルが高い金融機関です。住宅ローンとは違い、事業用ローンに該当する不動産投資ローンについては基本的にある程度の頭金がないと非常に厳しいと言われています。特に過去取引がない都市銀行だと、サラリーマン投資家が一発でローンを引き当てることはむずかしいでしょう。地方銀行系の場合金融緩和政策が始まって以降、融資先に困った地方銀行が都心部の物件に投資する投資家に向けて積極的に不動産投資ローンを斡旋しています。都市銀行系に比べると審査のハードルが低く、年収が低い人でも担保評価がしっかり出る都市部の物件であれば審査に通りやすいです。ただし地方銀行の中には営業エリアを限定しているケースもあるため、東京に支店がない地方銀行だと東京での不動産投資には利用できない場合があります。信用金庫、信用組合の場合審査のハードルは地方銀行と同じくらいですが、信用金庫や信用組合はその名の通り信用を重要視しているため、過去に同行での取引実績がある方が審査に通る可能性が高いです。また、都市銀行系よりも担当者ベースで融通が効きやすいというメリットもあります。ノンバンクの場合審査のスピードが速く通りやすいというのが最大の特徴です。年収が低いサラリーマンでも利用できますが、場合によっては購入する物件以外にも担保を求められる共同担保となる場合もあります。ただ、他の金融機関と比較すると金利は高めです。不動産投資でおすすめできる金利の目安と金融機関ごとの比較不動産投資で成功するためにはローン審査が通るかどうかよりも、いくらの金利で通るかの方が重要です。例えば、利回り7%の物件だったとしても、ローン金利が4.5%だとイールドギャップ(投資利回りとローン金利の差)は3.5%しかありません。一方で利回り6%の物件でもローン金利が2%だとイールドギャップは4%となり、後者の方がより収益性が高いことになります。このようにローン金利は投資利回りと同じレベルで重要なのです。[adsense_middle]今ならローン金利は1%台を目指せる昨今は超低金利時代なので、住宅ローンであれば金利が1%を下回るほどです。不動産投資ローンでも金利1%台で融資が下りることも少なくありません。ちなみに昭和のバブルの頃の不動産投資ローンは8%を超えていたこともあるくらいなので、いかに今現在の金利が不動産投資において有利かがわかります。ローン金利は審査が通りやすい金融機関ほど金利が高くなる傾向があり、一部の金融機関では4.5%前後になる場合もあります。ローン金利が高くなると、手元に残るキャッシュが大幅に減りますので金利が3%を超えるようであれば、一旦物件も含め考え直した方が良いかもしれません。ノンバンクは金利が高めノンバンクについては、年収が低いサラリーマンでも審査が通りやすい反面金利が高くなる傾向があります。高利回りの物件を見つけて購入を急いでいる時は、あまりローン金利が目に入っていない方が多いのですが、実際に不動産投資家の手元に残る金額はローン金利も考慮に入れなければならないので、慌ててノンバンクから借りるのではなく、必ず金利をよく確認してから売買契約を結ぶようにしましょう。不動産投資ローンの返済期間について不動産投資ローンを利用する際、金利の他にもう一つ重要となるのがローンの返済期間です。不動産投資のキャッシュフローを考えた場合、返済期間が長ければ長いほど毎月の返済額を減らせるためキャッシュフローが安定し、反対に短くなると家賃に対する返済比率が高くなります。このように返済期間は毎月のキャッシュフローに直接影響するため、不動産投資ローンを組む際にはどのようにして返済期間が決まるのかについて知っておくことが重要です。物件の法定耐用年数がポイント不動産投資ローンの返済期間は、物件の法定耐用年数が一つの基準となっています。簡単に言うと築年数が新しい物件ほど長い返済期間で借入することが可能で、また木造、鉄骨、鉄筋コンクリートの順に法定耐用年数が長くなるため、返済期間についても長く設定できるのです。また、中古物件の場合は、法定耐用年数から経過年数を考慮して返済期間が決まります。法定耐用年数自体が返済期間になるとは限りませんが、返済期間を決める重要な指標となるのは間違いありません。そのため、できるだけ返済期間を長くしたい方については、新築鉄筋コンクリートマンションを狙うと良いでしょう。不動産投資ローンに関するまとめ不動産投資ローンは住宅ローンとは違い、本人の属性に加えて物件自体の担保評価がとても重要な審査基準となるため、できるだけ担保評価が出やすい都心部の物件に投資する方が審査に通りやすくなります。ただ、審査が通りやすい金融機関ほどローン金利が高くなる傾向にあるので、金利3%を超える場合についてはよほど利回りの良い物件でもない限りあまりおすすめできません。審査を通す事ばかり優先してしまうと、結果として無難に返済できない高金利や短い返済期間で借りてしまうことがありますので十分注意が必要です。ローン審査は不動産投資の入り口でとても重要ですが、通すことを最優先に考えるのではなく、通った後の返済計画のことを第一に考えましょう。
2019年10月17日働き方改革などによって副業が当たり前になりつつある昨今、不動産投資に興味を持つサラリーマンの方が増えています。不動産投資というと昔は一部の資産家がすることというイメージがありましたが、実際のところサラリーマンが不動産投資をすることにどのようなメリットがあるのでしょうか。そこで本記事では、サラリーマンが不動産投資をすることのメリット、デメリットについて詳しく解説します。不動産投資はサラリーマンにおすすめサラリーマンができる資産運用というと株式投資やFXなどがありますが、それらの投資で安定的に資産を増やしているという話はあまり聞きません。むしろ、失敗して大損し「二度と手を出さない」と言っている人の方が多い気がします。株や為替は変動が激しい株式投資やFXは、株価や為替の変動が非常に激しく、場合によっては1日のうちに価値が大暴落することもありえます。これらの投資は非常に専門性が高く、サラリーマンで成功できる人はほんの一握りにすぎません。また、サラリーマンをやっている以上、日中は本業に集中しなければならないため、いくらスマホアプリを使って取引ができるようになったとはいえプロのトレーダーのような立ち回りはできないでしょう。サラリーマンが投資で成功するためには、以下の条件を満たす投資であることが重要です。相場変動が少なく、比較的「安定」している本業に支障がないよう、大部分を「プロに委託」できるある程度の「安定した利回り」が期待できる「専門知識が不要」で、初心者でも簡単にできるそして、これらの条件にすべて当てはまるのが不動産投資なのです。サラリーマンにとっての不動産投資のメリット不動産投資はサラリーマンとの相性がよく、メリットを受けやすいと言われています。ここからは、サラリーマンが不動産投資をすることのメリットについて詳しく解説していきます。メリット1:ローンを組んで投資ができる通常、投資をするためには元となる資金が必要です。株式投資やFXをする場合は、事前にある程度の資金を貯蓄してから始める必要があるため、本格的に投資を始めるまでに時間がかかってしまいます。一方、不動産投資については、投資としては珍しく投資資金のほぼ全額をローンで組むことができるのです。不動産を購入するためには、ワンルームの区分マンションだとしても1,000万円くらいのキャッシュが必要ですが、不動産投資の場合はローンでほぼ全額の資金を調達できるため、始めたいと思ったその時にすぐに始めることができるのです。年収400万円でも不動産投資ローンが組めるサラリーマンと言っても、ローンが組めるのはある程度の年収がある人だけではないかと思っている方もいるかもしれませんが、実は年収400万円程度の一般的な会社勤めのサラリーマンでも問題なく融資を受けることが可能です。通常、融資を受ける場合は本人の年収や勤続年数など本人の支払い能力に基づいて審査されるため、高額な融資を受けることは容易ではありません。ですが、不動産投資ローンの場合は、購入する不動産自体を担保に入れて借入をするため、本人の年収が400万円でも購入する物件の担保価値によって何倍もの融資を受けられるのです。レバレッジ効果がすごいローンを組んで不動産投資ができるということは、自己資金の何倍もの投資ができるということでもあります。例えば、手元に100万円がある場合に、利回り5%の投資をすると年間で5万円の利益しか出ませんが、900万円のローンを組んで合計1,000万円で利回り5%の不動産投資をすると、年間で50万円もの利益を出すことができるのです。このように、少ない資金で大きなリターンを受けられる効果のことをテコの原理の意味で「レバレッジ効果」と言います。日本人は「ローン=借金」というネガティブなイメージが強く、ローンを組んで不動産投資をすることに罪悪感を感じるという人もいますが、投資の世界ではローンを組んで自己資金以上の投資をする方が、効率がよいと考えるのです。メリット2:初心者でも成功しやすい不動産投資は比較的相場が安定していて、株やFXのように短期間で損失を出すことが少ないため、初心者でも成功しやすいという特徴があります。サラリーマン投資家の方は、基本的に平日は本業で忙しいため、投資のために時間を割くことができません。そのため、サラリーマンで投資に成功するためには、できるだけ時間をかけずに安定した利益を出せる仕組みが必要です。不動産投資の基本はインカムゲイン昭和のバブルの頃の不動産投資というと、買った金額より高く売る売却益目当ての「キャピタルゲイン」が主流でしたが、バブル崩壊以降は毎月の家賃収入で継続的に利益を出していく「インカムゲイン」にシフトしました。これにより、急激な価格変動によって損をする人がいなくなり、長期的に家賃収入を得ることを目的として投資する人が増えたのです。インカムゲインは不動産を保有することで継続的に利益を出す手法なので、長期安定的に運用できるという面で忙しいサラリーマンと相性がよいと言えるでしょう。最低限の知識だけで始められる株式投資の場合は、投資する企業の業績や業界の動向、経済情勢など広い視野で様々な情報を収集し、そしてそれを自分で分析する能力が必要ですが、不動産投資については基本的に最低限の知識だけあれば、あとは不動産会社や管理会社が丁寧にサポートしてくれます。自ら売り注文や買い注文の判断をする必要はなく、基本的な業務としては毎月家賃が入金されてくるのを通帳記帳で確認するくらいです。あとは基本的にすることはありません。特段のスキルは必要ないため、初心者でも比較的成功しやすいと言われています。サラリーマンにとっての不動産投資のデメリットサラリーマンにとってメリットの多い不動産投資ですが、投資である以上は必ずデメリットもあることを忘れてはいけません。ただ、デメリットと言っても対策次第でリスクにはならないものがほとんどなので、本記事をよく読んで理解しておけば心配しなくても大丈夫です。[adsense_middle]空室リスクによりローンが返済不能になる危険があるローンを組んで不動産投資をする場合、ローンの返済には家賃収入を充当する計画でシミュレーションをします。ところが、満室時はそれでよいのですが、入居者が退室して空室になると次の入居者が決まるまでの間は家賃収入が途切れてしまい、ローンの返済が苦しくなってしまうのです。一棟アパート経営であれば、1部屋空室になったとしても他の部屋の家賃収入でカバーできますが、区分マンション投資の場合は戸数が1戸で空室になると収入がゼロになってしまい、手出しでローンを返済しなければなりません。空室リスクについては、募集方法を工夫して軽減させる努力はもちろん必要ですが、基本的には1ヶ月程度は空室になることを前提に、キャッシュフローをシミュレーションすることが重要になります。できれば、満室時に少しずつキャッシュを貯蓄して、空室になった時に補填に回せるようにするとキャッシュフローが安定するでしょう。家賃保証という選択肢もあるどうしても空室が心配という方は、不動産会社の家賃保証を利用するのも選択肢の一つです。家賃保証とは、不動産会社が物件を一括で借り上げて、相場の9割程度で毎月家賃を保証する一種の管理形態で、空室リスクを懸念する初心者投資家の方がよく利用します。家賃保証を利用すれば毎月の取り分は少し減りますが、常に安定した収入が確保できるため、当初のキャッシュフローシミュレーションさえ正確にしておけば、ローン返済ができなくなるリスクはなくなるでしょう。家賃が値下がりするリスク初心者投資家の方が最も勘違いしやすいのが、家賃の値下がりリスクです。初心者投資家が新築物件に投資をする場合、新築時の家賃をベースにキャッシュフローをシミュレーションすることがあるのですが、新築時の家賃は「新築」というステータスがつくことで、相場よりも若干割高な設定になっています。よって、新築時の入居者が退去すると新築というステータスが消えて、家賃は若干値下がりしていくことになります。物件によって値下がりするスピードや金額は違いますが、最近の傾向では古くなって家賃が値上がりするというケースはほとんどありません。そのため、不動産投資で失敗しないためにはキャッシュフローをシミュレーションする際に、家賃が値下がりすることを前提としたシミュレーションを組むことが重要です。意地になって家賃を下げないと余計マイナスになる初心者投資家の中には引くに引けなくなり、空室が長引いても家賃を値下げしない人がいますが、空室が何ヶ月も続くよりも家賃を下げて空室期間を短くした方が、年間収支で見た場合は必ずと言って良いほどプラスになるはずです。空室が生じた時に柔軟に対応できるかどうかは、当初のキャッシュフローシミュレーションにかかっています。キャッシュフローに余裕さえあれば、家賃の値下げについても早い段階で決断できるため、空室を短くすることもできます。サラリーマンによくある融資失敗のリスクサラリーマンでも比較的簡単に融資が受けられるのが不動産投資の魅力ですが、自分の返済能力以上に借りてしまい、返済不能に陥るケースは少なくありません。特に初心者投資家の方は、金融機関の融資審査が通ると金融機関からその投資にお墨付きが出たと勘違いし、当然返済していけるものとタカをくくってしまう人がいます。ですが、金融機関が見ているのは返済していけるのかということだけではなく、返済不能になった際に不動産を売却して回収できるのか、という視点も見ているため、決して投資としてお墨付きをもらえたわけではないのです。サラリーマンの収入には手をつけないのがポイント返済能力以上の融資を受けてしまうと、その時点でほぼ不動産投資の失敗が確定してしまいます。そこで、ローンを組む際には毎月の返済額と家賃設定などを用いてシミュレーション表を作成し、毎月どのようなキャッシュフローになるのか計算することが大切です。この時点でキャッシュがギリギリだったり、すでに赤字だったりする場合については、たとえ融資が通ったとしても絶対に借りてはいけません。借りるからには余裕を持って返済できる状況でなければならないので、余裕がなければもう少し価格を下げて物件を探し直すという決断も必要です。何もしないことが一番のリスク不動産投資のリスクについていくつか触れてきましたが、最も大きなリスクは「何もしないこと」です。昨今では、老後の生活資金は年金だけでは不足することが明らかになってきており、金融庁の報告では老後資金が2,000万円足りなくなるという試算も出ているくらいなので、もはや自分自身で何らかの対策をとらないと老後の生活がままならなくなる可能性があります。現在は超低金利時代でなので、ただ銀行口座に貯蓄しているだけでは老後資金不足を解消することは難しいでしょう。今のうちから不動産投資を始めれば、仕事を引退する頃にはローンの返済が終わり家賃収入だけが残るので、それによって老後資金を補填することができるのです。不動産投資をすることがメリットというだけではなく、しないことで将来に抱えるリスクの方が大きな問題なのです。[adsense_middle]サラリーマンの不動産投資、まずは始めることが重要不動産投資のいいところは、ローンを利用することで今すぐにでも始められることです。そして、管理会社に管理を委託すれば本業に支障が出ることもありません。今の現役世代の方は、将来どこかのタイミングで今よりももっと深刻な形で老後資金の問題に直面するはずです。その時に、すでに不動産投資をしている人とそうではない人で老後生活が大きく異なるでしょう。不動産投資は早めに始めた方が、ローン返済が早く終わる分将来的に見ても有利なので、20代の方でも早すぎるということはありません。また、不動産所得の赤字分についてはサラリーマンの給与所得と損益通算によって相殺できるので、確定申告をすることで所得税が還付されるという追加のメリットもあります。早めに始めた方が将来的により多くの戸数を保有できるようになりますので、まずは一度不動産会社のセミナーなどに参加してみてはいかがでしょうか。
2019年10月06日不動産投資というと様々なメリットがありますが、中でも不動産会社の営業マンが特に強調してアピールしてくるのが「節税」です。不動産投資は節税対策になると一般的によく言われていますが、実際のところ、なぜ節税になるのか理解できていない方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、不動産投資が節税になる仕組みや、メリット、デメリットなどについて徹底的に解説したいと思います。不動産投資による税金対策がサラリーマンに注目されるわけ不動産投資を使った税金対策は、資産家などの富裕層だけではなく、一般的な所得のサラリーマン投資家にも人気があります。なぜなら、不動産投資をすることでサラリーマンの給与所得を引き下げられるため、確定申告をすることですでに源泉徴収されている税金が還付されるからです。このように聞いても、まだピンとこない方がほとんどでしょう。では、なぜ不動産投資をするとサラリーマンの給与所得が引き下げられるのでしょうか。理由は不動産所得との損益通算不動産投資によって得られる家賃などの収益は、不動産所得として申告する必要があります。そして不動産所得で赤字が出た場合は、他の所得から赤字分を相殺できるのです。このように他の所得との間で赤字を相殺することを「損益通算」と言います。不動産所得はサラリーマンの給与所得との間で損益通算が可能なため、不動産所得で赤字が出た分、サラリーマンの給与所得から控除され、引き下げられた給与所得で計算した所得税以上に源泉徴収されている分については、確定申告によって還付されるのです。不動産投資が税金対策になる仕組みとは不動産所得と給与所得の損益通算によって、給与所得が引き下げられて節税になるという理屈はお分かりいただけたかと思います。ただ、なぜそもそも不動産所得が赤字になるのでしょうか。ここが不動産投資が節税になる最大のポイントです。減価償却の仕組みを理解しよういくら節税になると言っても、不動産所得が赤字では本末転倒ではないか、と思われるかもしれませんが、ここでいう赤字とは、あくまで帳簿上の赤字だということが重要です。つまり、不動産所得は帳簿上赤字でも、キャッシュフロー上は黒字ということなのです。その理由は減価償却という経費計上の仕組みにあります。不動産投資で5,000万円のマンションを購入した場合、帳簿上はマンションの建物部分の価格と土地部分の価格に分けて、建物部分の価格については年々劣化していく資産に該当するため、減価償却という方法で経費として計上していくのです。例えば、建物部分の価格割合が2,000万円だとした場合、マンションを購入した翌年の確定申告で、いきなり2,000万円全額を経費とするといきなり大赤字の計上となり、その翌年からは大幅な黒字が出ることになってしまい、非常にバランスが悪くなってしまいます。そこで、建物部分の価格2,000万円を法定耐用年数に応じて、毎年経費化していく方法が減価償却です。法定耐用年数は建物の構造に応じて次のように定められています。【建物の法定耐用年数】木造:22年鉄骨造:34年鉄筋コンクリート造:47年例えば、鉄筋コンクリートのマンションであれば、2,000万円を47等分して少しずつ「減価償却費」という名目で経費として計上していきましょうというのが、減価償却の仕組みです。減価償却費で節税効果が出るわけとは減価償却費は不動産投資の経費の中でもかなりの割合を占めるため、不動産所得を大幅に引き下げることができます。一方で、減価償却費という経費は帳簿上経費として計上するものの、実際に減価償却費という金額がキャッシュアウトしていくわけではありません。つまり、キャッシュは減らないのに経費として計上できるため、帳簿上の不動産所得が赤字になったとしても、実際のキャッシュフローについては黒字という状態が発生するのです。それだけであれば不動産所得が赤字になるだけで終了ですが、冒頭でも解説した通り不動産所得は損益通算ができるため、不動産所得の赤字分をサラリーマンの給与所得にぶつけて相殺して、全体の所得を引き下げることができます。よって、所得をもとに課税される所得税や住民税が節税でき、確定申告をすることで源泉徴収されていた税金の一部が還付されるのです。このように、不動産投資は家賃収入による利益だけではなく、節税効果による利益も非常に重要なのです。不動産投資ローンの活用方法不動産投資をする方のほとんどは、キャッシュで購入するのではなく不動産投資ローンを組んで購入し、家賃収入の一部を毎月の返済に充当します。キャッシュで購入することが難しい会社勤めの方だけでなく、キャッシュで購入が可能な富裕層でもあえてローンを利用するのはなぜなのでしょうか。[adsense_middle]利息がメリットに!?節税につながる仕組みを解説ローンを組むと発生するのが「利息」です。毎月返済する返済額のうち、元金以外の建物部分の購入にかかる利息分については、不動産投資の経費として計上することができるのです。また、不動産投資ローンは多くの場合で変動金利の元利均等返済方式で借り入れることも、節税に大きく関係しています。元利均等返済方式と元金均等返済方式ローンの返済方式には、大きく分けて元利均等返済方式と元金均等返済方式の2種類があります。元利均等返済方式とは(※イメージ図)毎月の返済額は常に一定で、その一定の金額の中で利息と元金の比率が変化していく返済方式です。返済開始当初は利息部分の割合が多く、返済が進むにつれて徐々に元金部分の割合が増えていきます。元金均等返済方式とは(※イメージ図)毎月の返済額の中で、元金部分が常に一定で利息が変化する返済方式です。返済開始当初は返済額が高くなるため、当初のローン返済が大変で、返済が進むにつれて利息が減った分返済額が減ってきます。元利均等返済方式は、返済開始当初から経費にできる利息部分の返済割合が大きいため、資金繰りが一番厳しい開始当初の節税効果が最も高いというメリットがあるのです。減価償却の落とし穴「逆転現象」による失敗を回避する方法不動産投資の税金対策を考えるうえで絶対に外せないのが、「逆転現象」です。逆転現象の仕組みを理解しておかないと、気が付いた時にはキャッシュフローが赤字になってしまい、「なぜこうなってしまったんだ」と後悔することになってしまいます。ここでは、不動産投資で必ずリスク管理しなければならない逆転現象による失敗を回避する方法について解説します。[adsense_middle]恐怖の黒字化、逆転現象とは?元利均等返済方式は、毎月の返済額自体は常に一定です。ところが、返済が進むと経費にできる利息分の割合がどんどん減っていき、反対に経費にならない元金部分の割合がどんどん増えていきます。つまり、キャッシュアウトする金額は同じなのに、経費として計上できる割合が減っていくため、税務上は不動産投資の利益が徐々に増えていくことになるのです。そしてやってくるのが、恐怖の逆転現象。逆転現象とは、元金部分の返済額が減価償却費の金額と逆転することを意味しています。経費にならない元金部分の返済額が減価償却費の金額を追い越してしまうと、そこからはどんどん利益が出ることになるため、課税所得額が高額になるという非常事態が発生するのです。逆転現象はマンションよりも木造が怖い逆転現象による打撃が大きいのは、減価償却期間が短い木造アパートで、中でも築22年以上経過している中古アパートの場合はさらに注意が必要です。法定耐用年数のすべてを経過した建物については、法定耐用年数の20%に相当する年数で償却することになります。木造アパートの場合、法定耐用年数が22年なので、なんと4年という短期間で全部償却してしまうのです。購入当初4年間は、かなりの金額の減価償却費を計上できるため、不動産所得は赤字になり税金は発生しないでしょう。ところが、5年目になると減価償却費が突然ゼロになるため、逆転現象どころか一気に利益が出てしまい、高額な所得税が課税されてしまうのです。逆転現象は避けられないからこそ対処方法が重要逆転現象の問題は木造だけの問題ではありません。鉄筋コンクリートマンションでも長期間かけてじわじわと元金の返済比率が増えていくため、どこから減価償却費を元金が超え税金が上がり始めるのです。逆転現象については税務上どうしても避けることはできないため、仕組みを理解したうえで、いつまでにどのような準備が必要なのかをシミュレーションすることが重要になります。シンプルな対処方法としては、貯蓄することです。不動産投資開始当初の節税効果が高いうちはキャッシュフローに余裕があるはずなので、その時にある程度のキャッシュを貯蓄しておき、将来的に利益が出るようになってきたら貯蓄を納税資金として利用するのです。ただ、このやり方も建物が古くなってくると以前より修繕費用がかかるようになり、どんどんキャッシュフローが悪化するようになるので、可能であれば「売却」という対処方法も検討すべきです。逆転現象は利益確定のタイミング不動産の売り時というと、単に不動産価格が高騰した時というイメージがあるかもしれませんが、税務上は逆転現象が発生するタイミングを目途に、売却による出口戦略を計画すると、税金面で損をしなくて済みます。そもそも、節税効果を期待して不動産投資をしたのであれば、逆転現象が起きたら早めに物件を買い替えた方が、節税効果が高いのです。例えば木造アパートであれば、新築で購入したとしても23年目からは減価償却費がなくなってかなりの黒字が発生するため、節税どころではありません。そうなる前の段階で売却して買い替えることで、もう一度減価償却をやり直した方が賢い選択なのです。売却は計画性が重要不動産投資は、最終的に不動産を売却した時に利益が確定します。よって、いくらよい物件に投資をして高利回りを叩き出していたとしても、売るタイミングや金額の目測を誤ると最後の最後で不動産投資に失敗してしまうのです。不動産は株式とは違い、流動性が低いため、すぐに売却しようと思っても価格が割安でもない限り難しくなります。税金が上がったことに気がついて慌てて売りに出したとしても、それではタイミングが遅いのです。逆転現象が発生する1年以上前から、徐々に利益確定に向けて不動産会社と媒介契約を締結するなどして、早めから売買募集を開始することをおすすめします。ただ何も考えずに物件を保有していると、気が付いた時には高額な所得税を課税されてしまうため、十分注意しましょう。売却時の譲渡所得税にも注意減価償却で十分な節税効果が得られて油断していると、売却時の税金に不意打ちされる可能性があるため注意が必要です。不動産を売却すると、売却で発生した譲渡所得に対して譲渡所得税が課税されます。譲渡所得税というと、買った金額よりも高く売れたら課税される税金、と思い込んでいる方が時々いますが、正確には買った金額ではなく、未償却残高よりも高く売れたら税金が課税されるのです。建物部分を毎年減価償却費で計上していくと、まだ償却されていない未償却残高が残ります。譲渡所得の計算は、この未償却残高に対してどのくらい利益が出ているかで計算するため、減価償却が進んでいるほど、譲渡所得が発生しやすくなります。つまり、1,000万円で買った建物を20年以上保有して800万円で売却すると、見た目上は200万円マイナスのように見えますが、譲渡所得は発生してしまうのです。そのため、減価償却が進んでいる古い物件を売却する際には、事前にいくらの譲渡所得税が発生するのかについて試算したうえで売却価格を決めるようにしましょう。不動産投資は節税対策だけを目的にしないことが重要このように、不動産投資は上手に活用することで継続的に大きな節税効果をもたらしてくれます。ただし、不動産投資の目的はあくまで利益を上げることであり、節税だけが目的ではありません。節税だけに意識が行ってしまうと肝心の賃貸経営で利益が出にくくなってしまい、節税にはなっているものの不動産投資ではキャッシュが残らなくなってしまいます。不動産投資で成功するためには、今回ご紹介した節税対策のメリットとデメリットをよく理解したうえで、どのタイミングで、どんな税金が、どのくらい課税されるのかについて予測し、それに向けてキャッシュフローを組み立てることが非常に重要です。不動産投資は節税というメリットがあると同時に、所得税などの税金との闘いでもあるということをよく理解しましょう。
2019年10月01日資産運用の一つの選択肢として不動産投資がじわじわと注目を集めていますが、興味はあっても実際のところ、どんなメリット・デメリットがあるのか分からないからちょっと怖い、という人も少なくないようです。そこで本記事では、不動産投資のメリット、デメリット、そして初心者不動産投資家におすすめしたい運用法について詳しく解説します。初心者でも安心!不動産投資の高いメリット第 21 回市場ワーキング・グループ 厚生労働省資料このニュースを受けて、多くの方が老後の生活資金をどうすればいいのか不安になったことと思いますが、実は不動産投資こそがここで大きなメリットを発揮します。不動産投資最大のメリット、それは「家賃収入」です。何もしなくても毎月一定額の収入が発生することは、他の投資にはない大きなメリットになります。つまり、不動産投資による家賃収入は個人年金としての役割を担ってくれるのです。メリット2:ローンを使って効率的な資産形成と運用ができる投資には不動産投資の他にも、株式投資やFXなどさまざまな方法がありますが、不動産投資には他の投資にはない独自のメリットがあります。それは「ローン」が使えるということです。通常、個人の方が投資をするためには、もととなる投資資金を自己資金で準備しなければなりません。ところが、不動産投資については自己資金がほとんどない状態でもローンで借りられるのです。今現時点で手持ちの自己資金が十分にない人でも、すぐに投資を始められるところが不動産投資の特徴であり、大きなメリットと言えます。不動産投資でローンが使える理由とは個人が銀行からお金を融資してもらうためには、個人の収入や勤務先などの属性をもとに審査されるため、そこまで大きな融資は受けられません。ですが、不動産投資の場合は、購入する物件自体を債務の担保に入れられるため、物件自体の担保評価に応じて高額な融資が受けられるのです。不動産投資の「レバレッジ効果」とは不動産投資のメリットでよく言われるのが「レバレッジ効果」です。レバレッジとはテコの原理のことで、少ない自己資金で大きなリターンを得るという意味でよく使われます。例えば、自己資金100万円を利回り10%で運用したとすると、年間の利益は10万円ですが、900万円のローンを組んで合計1,000万円で運用したとすると、年間の利益は100万円となり、たった1年で自己資金をペイできてしまうのです。このように、ローンを活用して不動産投資をすることで、自己資金の何倍ものリターンを得ることができるため、投資規模を容易に拡大していくことができます。メリット3:団信で生命保険代わりになるローンを組んで投資をすると聞くと、人によっては「多額の借金を負うようで怖い」と感じる人もいるようです。特に、自分自身に万が一のことがあったら、家族に多額の借金を残してしまうのではないかと心配する人も少なくありません。ですが、ご安心ください。不動産投資でローンを組む場合、同時に「団体信用生命保険」にも加入するため、万が一の時にも全く心配はありません。団体信用生命保険とは団体信用生命保険とは、ローンを組んでいる人が死亡した場合に、その時点におけるローン残高相当額の保険金がおりる保険のことです。例えば、4,000万円のマンションに投資をして、その後ローン残高2,000万円の時に本人が病気などで死亡した場合、2,000万円の保険金が支給されて、残りのローンが自動的に完済します。残された家族には、ローンのなくなった賃貸物件だけが残るので、家賃収入を遺族年金代わりにしたり、売却して保険金代わりにしたりすることができるのです。このように、不動産投資には生命保険としての機能も備わっています。メリット4:確定申告で還付される?サラリーマンの節税効果不動産投資で発生する所得のことを「不動産所得」と言います。不動産所得は税務申告上、他の所得との間で赤字を相殺できる「損益通算」が可能です。この仕組みを利用すれば、下記イメージ図のように、不動産所得で生じた赤字を給与所得から相殺できるため、サラリーマンであれば確定申告によって所得税の還付を受けることができます。不動産所得が赤字でもキャッシュフローが黒字になるわけ不動産投資が節税になる一番の理由は、キャッシュフローが黒字のまま不動産所得を赤字にできることにあります。不動産投資をすると、購入した建物部分の価格については減価償却することになるため、毎年減価償却費という経費を計上することができます。節税できる2種類の税金ただ、減価償却費というのはあくまで減価償却という帳簿上の経費計上の仕組みであるため、実際に減価償却費という経費がキャッシュアウトしているわけではありません。そのため、実際は家賃収入でキャッシュフローは黒字でも、帳簿上の不動産所得は赤字にできるため、それをサラリーマンの給与所得にぶつけることで、所得税と住民税という2種類の税金が節税できるというわけです。メリット5:インフレに強い資産である日本は長期的にデフレから脱却できずにいますが、今後急激にインフレになることも十分想定されます。インフレが生じた際に預金資産を大量に抱えていると、物価が上昇してしまうため、資産が大幅に目減りしてしまうのです。一方で、不動産投資によって不動産を所有していれば、万が一インフレになったとしても、物価の上昇とともに不動産価格も上昇する可能性があるため、預金資産よりもインフレに強いと言われています。このように、不動産投資にはたくさんのメリットがありますので、初心者の方でも安心して始めることができます。本当はリスクが高い?低い?不動産投資のデメリットメリットの多い不動産投資ですが、投資である以上は必ずデメリットもあります。ここでは、初めて不動産投資をする方が、最低限覚えておいた方がよいデメリットについて次の2つをご紹介したいと思います。賃貸経営は「空室リスク」との戦いオーナーの頭を悩ます「滞納リスク」[adsense_middle]デメリット1:賃貸経営は「空室リスク」との戦い不動産投資最大のメリットでもある「家賃収入」ですが、家賃収入を得るためには常に部屋を賃借人に貸していなければなりません。ですが、いつも満室であるとは限らず、むしろ保有物件の1割程度は空室があることが一般的であるとも言われています。空室期間については収益が大幅に減ることになるため、あまり長くその状態が続くとローンの返済が厳しくなる可能性が出てくるのです。募集条件とリフォームを工夫することでリスクヘッジ空室リスクを回避するためには、ただ単に募集に出すのではなく、次の2種類のポイントに基づいて対策を打つことが大切です。礼金ゼロ?募集条件を工夫する募集家賃が相場からかけ離れていると、空室が長期化してしまいます。たとえ近隣相場が値下がりしていなくても、賃貸需要は季節によっても変動しますので、夏の暑い引越し閑散期に空室が発生した際には、家賃を値下げして募集するといった工夫が必要です。また、どうしても家賃を下げたくないのであれば、礼金をゼロにするなど、募集条件にアレンジを加えるとよいでしょう。少額でも効果大!リフォームを工夫する賃貸物件は都内でも供給過多の状況にあるため、空室になった際にコストだけを考えて最低限のリフォームだけを行っていると、結果として空室が長引いてしまう可能性があります。では具体的にどのようなリフォームをすればよいのでしょうか。アクセントクロスで印象に残る部屋にするウォシュレットや浴室乾燥機を設置する畳やカーペットをフローリングにするこれらのように、大掛かりなリフォームというよりは、通常の原状回復工事にプラスアルファ付加価値のある施工をすることで、他の物件と差別化を図ることができます。最近では、IKEAなど安くてデザイン性の高いインテリアが増えてきていますので、そういったものも積極的に取り入れていくとよいでしょう。デメリット2:オーナーの頭を悩ます「滞納リスク」オーナーが直面する問題で、最も解決が難しいのが「家賃滞納」です。昭和のころは終身雇用が一般的だったため、収入が安定している人が多く、家賃滞納はそこまで大きなリスクではありませんでした。ところが、終身雇用が崩壊した昨今、収入が安定せず、たびたび家賃が滞納するケースが増えているようです。管理会社任せでは解決が難しい理由管理会社に丸投げすれば大丈夫、そう考えている人も多いのですが、確かに管理会社に委託すれば賃借人に連絡くらいはしてくれますが、本格的に家賃を取り立ててもらうことはできません。そもそも、滞納家賃の督促は債権回収に該当するため、弁護士以外の人間が行うと非弁行為となってしまい違法なのです。つまり、家賃滞納が発生したら、最終的にはオーナー自身で対処するか、弁護士に依頼することになります。保証会社でリスクヘッジ可能家賃督促をやりたくないという方は、保証会社を利用することでリスクヘッジができます。保証会社とは、賃借人からの依頼を受けて家賃等を保証してくれる会社のことで、万が一家賃滞納が発生しても、保証会社が速やかに立て替えて支払ってくれるのです。最近では、集金代行もセットで委託できる保証会社が増えており、家賃が滞納しても自動で立て替えてくれるため、滞納という状態自体が発生しません。また、賃借人の累積滞納額が増えて建物の明け渡しを求める場合についても、訴訟費用や強制執行の費用などすべて保証会社が負担してくれるので、滞納リスクについてはほぼ完全に解消できるでしょう。初心者やサラリーマンにおすすめの不動産投資運用法不動産投資の中にも、幾つかの運用法があります。そこで今回は、初心者やサラリーマン投資家におすすめの運用法についてご紹介したいと思います。[adsense_middle]手頃な価格から始められる分譲マンション投資不動産投資は大きく分けるとアパートやマンション一棟に投資する一棟投資と、分譲マンションの一部屋に投資する区分マンション投資の2種類があります。一棟投資ですと、一度に投資する金額が大きくなるため、ハイリスクハイリターンであるのに対し、区分マンション投資は手頃な価格で購入できるローリスクリターンであるため、経験の浅い初心者や、サラリーマン投資家は区分マンション投資から始めて経験を積むことがおすすめです。ワンルームの分散投資で賃貸経営のリスク管理分譲マンションであれば、一棟アパートとは違い別々の地域に分散投資することが可能です。災害が多い日本において、狭いエリアに集中して物件を所有することは大きなリスクとなるため、分散投資することが最大のリスクヘッジとなります。急な転勤、住宅活用で始める不動産投資不動産投資で成功している人の中には、もともと自己使用目的の住宅、つまりマイホームとして購入した物件を賃貸に出すことから始めた人も多くいます。例えば、住宅ローンを組んで購入したものの、すぐに転勤が決まった場合、売却するのではなく、他人に貸して家賃収入を得ることで不動産投資が始まったというケースは比較的よくある話です。「住宅ローン」でも他人に賃貸できるというメリット住宅ローンは不動産投資ローンとは違い、マイホームを購入するということで、低金利で貸し付けてくれるローンです。そのため、通常は住宅ローンで不動産投資をすることは絶対にできないのですが、転勤などやむをえない事情で賃貸に出す場合については、例外的に金融機関の了承を得られれば、住宅ローンでもマイホームを他人に賃貸できる場合があります。マイホームから引越しをする際には、すぐに売却するのではなく、賃貸に出すことも一つの選択肢にすると面白いでしょう。不動産投資のリスクに関するまとめ不動産投資には魅力的なメリットがある一方で、空室リスクや家賃滞納など一定のデメリットがあることもお分かりいただけたでしょうか。ただ、デメリットのほとんどは今回ご紹介したような対策をとることで、十分リスク管理することが可能ですので、そこまで心配する必要はありません。不動産投資のリスクが高いと感じている方は、リスクの低いワンルーム区分マンション投資から始めてみてはいかがでしょうか。
2019年09月25日かつて高い資産価値を誇っていたはずの不動産も、近年では少子化による「家余り」で売るに売れない「負動産」になるケースが増えているという。「不動産」ならぬ「負動産」とはなんだろう。「一般的に負動産とは、『持っているだけで資産的にマイナスになる不動産』のことを指します。もっともイメージしやすいのは、地方にある戸建ての空き家でしょうか。もともと住んでいた親は亡くなったものの、売却もできず子どもが固定資産税を払い続けているような状態は、負動産の典型例です。また、それに限らず『いまよりも価値が下がっていく不動産』も、大きな枠で負動産に該当すると私は考えています」そう語るのは、負動産問題の専門家で、相続・不動産コンサルタントの藤戸康雄さん。すでに国内にある「所有者不明」の土地は九州の面積を超す広さに達しているが、藤戸さんは「今後はさらに、マンションも含めた負動産が大幅に増加していくでしょう」と警鐘を鳴らす。「すでに都心でも、木が鬱蒼と生い茂った空き家を目にするようになりました。相続争いなどの問題もあるのでしょうが、もし所有者や相続人たちが『場所がいいから、売ろうと思えば高く売れる』と思っているのなら大間違いです。需要自体が減っているなか、不動産業者もいつ空き家状況が解消するかわからない物件より、いま売りに出ている土地や家を優先して扱います。都心でさえすでに『その気になればいつでも売れる』などという時代ではなくなっているのです」地方となればなおさらだ。もはや、不動産はプラスの資産になるどころか、売ることも貸すこともできず、固定資産税などのお金だけがかかっていく「負動産」になりうる時代。かといって、そのまま放置しておけば、さらに最悪のシナリオが待っている。それは「特定空家」に指定されること!「’15年5月26日に、『空家等対策の推進に関する特別措置法(空家対策特別措置法)』が全面施行されました。これはずばり、増え続ける日本の空き家をなんとかするべく、国土交通省の肝いりでつくられた法律です。この空家対策特別措置法に定められた『特定空家』に指定されると、最大で、固定資産税が更地の6分の1となる優遇措置の対象から外れるほか、市町村長から建物の除却や修繕、周辺環境のために必要な措置をとるよう(1)助言または指導、(2)勧告、(3)命令、と段階的に措置がとられます」最後の措置である命令に従わないときは、50万円以下の罰金刑が下される。「さらに、家屋倒壊の危険が大きいときは『行政代執行』といって強制的に家屋の取壊し除去が行われますが、そこにかかる費用はすべて所有者に請求されます。払わなければ、給与や財産を差し押さえて回収されることになるので、注意が必要です」特定空家に指定されるのは、次の4つの要件を満たしたとき。【1】そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態。【2】そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態。【3】適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態。【4】その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態。もはや、実家の「負動産」対策は待ったなし!まずは「不動産神話は完全に終わった」ことを、心に強く刻んでおこう。
2019年09月04日不動産というものは高額であるのでどうしても慎重になってしまうもので、その中で「買います」「借ります」と言わせるために営業は様々なテクニックを駆使します。今回は、新築マンションの不動産広告が「肝心な点をわざとぼかす」ことについてお話します。不動産取引において正直であることはもちろん大切なことですが、最初の内はぼかしておいた方がいいものもあるのです。■ 「肝心な点をぼかす」不動産の広告tkc-taka / PIXTA(ピクスタ)先日筆者はたまたま乗車していた電車内で新築マンションの不動産広告に注意を引かれました。「東京23区」「大手町〇分」「□□□線直通」「△△△線始発」「「2駅2路線利用可」「南向き」という言葉がデカデカと並んでいますが、肝心の最寄り駅がどこにも見当たりません。(恐らく見えないくらいの小さい字でどこかに書いてあるとは思います)不動産の営業を長くやっているとこれだけでおおよその場所とざっくりとした周辺環境までイメージできますが、一般の人にそこまで求めるのは無理でしょう。利用者のことを無視した不親切な広告と思いがちですが、こういう「肝心な点をぼかす」というのは新築マンションの営業ではよくある手法なのです。■ 肝心な情報をぼかすことで反響につながる!?Renoir / PIXTA(ピクスタ)港区・千代田区・中央区の「都心3区」などと違って東京23区内にも人気のないエリアは確実に存在し、そのような立地の物件で馬鹿正直に全ての物件情報を出してしまえば誰も見向きもしてくれない事態が十分に予想できます。今回の物件のように最寄り駅をぼかしておけば客はHPにアクセスするか業者に問い合わせをすることになり、そうなればHP制作者や営業マンの腕次第で立地面の不利を克服できる場合もあります。環状八号線と東名高速道路が交差する場所に建っているマンションを担当した営業に話を聞いたことがありますが、モデルルーム完成前というような初期の段階では現地案内まで立地を伏せるのに最も苦労したそうです。■ 客に勝手に物件を見に行かせないTOSHI / PIXTA(ピクスタ)土地や戸建てで住居表示の枝番が省略されていたり、マンションで部屋番号が明示されず「10階建ての7階部分」というような表記となっていることもよくあります。不動産業界において物件情報は所定の流通機構に登録して業界全体で共有化しなければならない定めとなっていますが、登録の段階でぼかされているので仲介会社の営業マンもこれだけでは客の案内ができません。物元の業者(売り主・貸主側の仲介会社)に内見申し込みを入れると初めて教えてくれるのですが、最大の狙いは客だけで物件を見に行かないようにするためです。最初から物件が特定できる状況になっていると客が勝手に物件を見に行き、外見だけで判断されてしまう恐れがあります。kazukiatuko / PIXTA(ピクスタ)不動産の真の価値は営業マンの説明のもとでしっかりと内部を確認して初めてわかるもので、素人判断で検討の対象から外されてしまってはたまりません。不動産は高額であるため売買にせよ賃貸にせよ簡単に成約となるものではなく、そのため客に「買います」「借ります」と言わせるために営業マンは様々な工夫を積み上げます。不動産業界特有の広告の出し方もそのうちの一つなのです。
2019年05月19日史上最長といわれる10連休のゴールデンウィークが終わりました。不動産会社の営業マンは休めた人と仕事だった人の両方かと思いますが、どちらのタイプであってもこれからしばらく「閑散期」というつらい時期がやってきます。たとえ閑散期といえど給料(歩合給)をもらうためには売り上げを上げなければならず、そのためには地道な努力が必要になります。■ 不動産会社にとってのGWとは7maru / PIXTA(ピクスタ)土日が書き入れ時となる不動産業者は水曜日が定休日という場合が多く、世間の人と休みが合わないというのはこの業界で生きている人にとってどうしようもない宿命です。そんな不動産会社の社員が世間並みに休むことができるのが年末年始とお盆休みですが、ゴールデンウィークに関しては休む会社と営業する会社の二通りに分かれます。新築マンションの営業にとっては1年で最も物件が動く時期であり、朝から晩まで商談と現地案内に追いまくられていました。賃貸物件の営業は会社によって違いますが、筆者の場合は出社したことの方が多かったと思います。歩合給の営業にとっては売り上げが上がれば休みなどどうでもいいもので、最終的に成約に結びついた反響が多く取れて「いいゴールデンウィークだった」と思ったことを覚えています。■ ゴールデンウィークが終われば「閑散期」キャプテンフック / PIXTA(ピクスタ)不動産業界は年が明ければ引っ越しシーズンに突入して猛烈に忙しくなるため、一段落する3月末までを「繁忙期」と呼んでいます。4月もなんやかんやで忙しさは継続しますが、ゴールデンウィークが終われば客足はパタッと止まってしまい、そこから長い長い「閑散期」が始まります。大企業や公務員の人事異動の関係で7月は少し忙しくなったように思いますが、その時期以外は12月まで比較的ヒマな毎日でした。とはいえ閑散期といえど個人で引っ越しをする人は年間を通して一定数います。また新婚カップルの新居用として1LDK~2LDKもある程度動きますが、賃料の高い3LDK以上のファミリー向け物件は繁忙期を逃してしまうとほとんど動きません。筆者が在籍していた会社では、売り上げが一定金額を下回った場合は歩合給が支給されない定めとなっており、この時期はどうしてもこれに引っかかってしまうことがあるため、その分まで繁忙期に稼いでおく必要がありました。■ 「閑散期」に必要な地道な努力makaron* / PIXTA(ピクスタ)閑散期だからと言って最初からあきらめてしまうと大変なことになってしまうため、不動産会社では「キャンペーン」と称してこの時期様々な対策をとるものです。部屋探しをしている人に物件を紹介する「客付け」の場合は自社サイトを改良して反響を増やすしかありませんが、オーナーから預かった物件を賃貸市場に出す「物元」の場合はいろいろと工夫の余地がまだあります。空き部屋に客を付けるにはできるだけ多くの営業から顧客に紹介してもらわなければなりません。賃料を下げれば検索に引っかかる回数が増え、また成約の場合にバックマージン(広告料とかADと呼んでいた)を付けることができれば営業が優先的に顧客紹介してくれます。これらの原資は全てオーナーが負担しなければならないため、当然ながら事前に交渉して了解を取らなければなりません。■ 長期空室物件の注意点shimi / PIXTA(ピクスタ)契約のためには内見が絶対に必要ですが、その際の印象が悪ければとても申し込みなどとれるものでないため、空き室は定期的に見回りをする必要があります。長期間にわたって空室になっている物件の場合、「封水切れ」と言って水回りの排水トラップの水が蒸発してしまって蓋になるものがなくなり、下水管から臭いやハエが室内に侵入していることがあります。床にホコリがたまっていることもあればゴキブリの糞が散乱していることもあり、こうした見回りに際してはペットボトルの水と清掃用具を持参する必要がありました。■ 安定している不動産会社とは?カワグチツトム / PIXTA仲介手数料しか売り上げの手段がない場合は社会情勢の影響を受けやすく、筆者の勤めていた不動産会社もリーマンショックや東日本大震災後の業績は散々でした。以前不動産会社はどう選ぶ?社名の「漢字か、カタカナか?」その差はとんでもなくデカい!という記事を投稿したことがありますが、地元に長く根付いて管理物件を多く抱えた不動産会社の場合は管理料や礼金、更新料等で毎月の売り上げが計算できるため、ガツガツした営業活動をする必要がありません。不動産会社に就職しようという場合、こういう点も考慮して選ぶようにした方が良いと思います。
2019年05月12日不動産登記とは、土地や建物の所在、地番、家屋番号、権利関係などを公の帳簿に記載し、一般に公開するものです。登記があることによって、不動産の持ち主や権利関係の内容が分かります。すでに住宅や土地があるなら、法務局で「登記識別情報」が取得でき、ここに情報が記載されています。ここでは、登記の役割とその重要性、住まいを購入する際にいくらかかるのかを中心に紹介します。■ 1. 不動産登記は何のためにするの?ino masa / PIXTA(ピクスタ)住宅を購入した人が必ず行わなくてはならないのが「登記」です。不動産購入したい人や不動産を担保に融資をしたい人が、スムーズに取引ができるようするもので、人間の住民票の登録にあたるものです。土地や建物の面積はどれくらいあるのか、誰が所有者なのかは外見だけでは分からないものです。こつづ / PIXTA(ピクスタ)土地の場合、境界線に杭が打たれていても、隣の土地とはっきりと線が引かれているわけではないので、隣の人と境界線の場所について主張が異なり、争いになるケースが少なくありません。そのため、物理的状況と権利関係とを法的に明確にしておくことは非常に大切です。また、土地や建物を担保にして複数の金融機関からお金を借りるときに、どの金融機関に貸付金回収の優先権があるかも登記をしておくことで明確になります(これを抵当権の設定順位と言います)。これらを記載することで、正確な不動産取引を円滑にすることができるのです。■ 2.登記しないとどうなるの?PHOTO NAOKI / PIXTA(ピクスタ)じつは、「登記事項証明書」の権利部(甲区・乙区)と言われる部分は、登記の義務がありません。登記申請を行わなくても、罰則はないのです。そのために、土地の名義が他界したままになっていて、売却時に名義変更していないことが判明するケースは非常に多くあります。親から受け継いだ土地を売ろうと思ったら、自分の名義になっておらず、売却までに手間取ってしまう人や、名義変更のときに兄弟ともめごとが起きて名義変更ができなかった、という話は少なくありません。また、AさんがBさんへ土地を売却したのに登記がなされなかったとき、AさんはCさんにも同じ土地を売ってしまったとします。Cさんは土地の登記を行いましたが、Bさんは登記を行わなかったら、Bさんが先に土地を買っても自分のものである主張ができません。このように登記は自分の物がどれだけあるかを主張する重要な判断材料なのです。■ 3. 家を買う際に必要な登記と費用は?自分の住まいを購入するときは、住まいが自分の持ち物であることを示すために「所有権保存登記」または、「所有権移転登記」を行います。「所有権保存登記」は、まだ所有権の登記がされていない不動産に初めて登記する際に行われ、新築住宅の登記はこれに該当します。「所有権移転登記」は、売買などにより、一度は登記したことがある不動産の所有権が移ったことを示すために行うものです。中古物件や土地は通常、こちらの登記方法になります。PIXTOKYO / PIXTA(ピクスタ)マンションは複数の所有者が土地を共有していて、専有部分の所有権と敷地の利用権を一体化しているため(これを敷地利用権といいます)、土地の登記は省略されます。登記手続きを一般の人が行うのは難しいため、一般的には一定の報酬を支払って司法書士に依頼するのが一般的です。住宅購入資金の残金を支払う時に一緒に支払い、銀行で行われることが多いようです。司法書士報酬(8~10万円程度)と登録免許税(売買なら固定資産税評価額の0.3~2パーセント)がかかり、どちらも買い主が費用を負担するケースがほとんどです。住宅ローンを利用するなら抵当権設定登記も行います。資金を貸し付ける金融機関(債権者)が住宅を担保にした証拠として登記を行います。この権利が登記されていると、ローンの支払いが滞ったときに差し押さえとなり、競売にかけられ、貸したお金を回収することができるのです。■ 4.まとめkazu / PIXTA(ピクスタ)住宅を購入する際は、ローンの支払いなど、ほかのことに気を取られがちですが、登記は非常に大切なものです。登記識別情報に目を通し、間違いがないか確認しましょう。購入時に確認しておけば、将来売却するときに慌てることがありません。しっかりと目を通すようにしましょう。
2019年05月10日あなたはどんな時に不動産会社を利用しますか?「家を借りたい」「家を売りたい」「家を買いたい」など、その理由は人によって異なります。不動産会社を選ぶときは、その目的によって選ぶべき会社が違ってきます。種類と特徴を理解して、自分にとってベストな不動産会社を選ぶべきです。■ 不動産会社によって得意・不得意な分野があることを知ろう!cba / PIXTA(ピクスタ)不動産会社とひと口にいっても、いろいろな種類があります。大きく分けて不動産の業務には管理と仲介があります。管理とは、賃貸住宅を借りて、実際に住んでから関わる業務全般のことで、業務を行う会社を「管理会社」といいます。仲介会社は、いわゆる「仲人」のようなもので、賃貸住宅の貸し手と借り手、不動産の売り手と買い手を結びつける役割を行います。1. 管理会社の業務吉野秀宏 / PIXTA(ピクスタ)管理会社は家賃の入金管理、滞納督促、退去時の精算業務など、賃貸住宅へ入居している間のお金に関わることを管理しています。また、設備が故障した際の修理手配、共有部分の定期メンテナンスを行います。2. 仲介会社の業務cba / PIXTA(ピクスタ)仲介会社は、いわゆる「仲人」のような仕事です。賃貸住宅の貸し手と借り手、不動産の売り手と買い手を結びつけることを行います。マンションを購入したり借りたりする際は、仲介会社にお世話になることになります。3. 不動産会社の特徴を知るためにはサイトを確認するGraphs / PIXTA(ピクスタ)仲介会社は、成約したときの仲介手数料が収入源のため、1人でも多くのお客さんに部屋を借りてもらおうと広告活動を行います。広告活動としては、大半がインターネットの住宅ポータルサイトを利用しています。借主や買主は不動産会社に来店する前に、大半の人がインターネットサイトを見ています。そのために、その不動産会社がどんな物件をポータルサイトに掲載しているかを確認すれば、どのような特徴を持っているかがある程度分かります。賃貸が得意であれば、賃貸物件の掲載件数が多くなり、売買が得意であれば売買物件が多く掲載されています。賃貸7~8割、売買2~3割くらいの数が賃貸・売買ともに力を入れている不動産会社の標準的な掲載割合でしょう。■ 不動産会社のタイプを理解しよう次に、不動産会社の事業規模をチェックしましょう。会社の規模が、どんな事業を行っているか理解する際の手掛かりになります。1. 大手不動産会社PIXTOKYO / PIXTA(ピクスタ)※写真はイメージです全国展開し、テレビCMが多く放映されているのが、このタイプの不動産会社です。フランチャイズに加盟している地元企業とは異なり、自社でアパート建設なども行っています。大手不動産会社が手掛けているために、見学から入居、管理まで一貫して同じ会社に関わってもらうことが可能となります。2. 地元の不動産会社freeangle / PIXTA(ピクスタ)※写真はイメージです地元密着型の不動産会社で、フランチャイズの看板をあげていることが多いのが特徴です。仲介している物件数も多く、地元の企業なので気軽に利用できます。地元不動産会社は、抱えている物件がほかのタイプに比べ多いため、対応が手薄になることがあるので注意が必要ですが、地元密着であることを考えると、一番訪問しやすく、利用しやすいと予想されます。3. 家族経営や個人経営など小規模な不動産会社saki / PIXTA(ピクスタ)※写真はイメージです扱う物件は少ないものの、掘り出し物の物件が見つかるケースが多いのが、このタイプです。営業規模が小さいために、すべての物件をカバーしているわけではないことに注意すれば、親切丁寧な対応をとってもらいやすいので、満足度は上がります。■ まとめMills / PIXTA(ピクスタ)信頼できる不動産会社探しは、物件探しを始める前にするべきことです。理想の物件が手に入れられるかは不動産会社の選び方次第と言っても過言ではありません。扱う不動産の種類や数が会社ごとに異なるのがその理由です。いろいろな角度から不動産会社を調査し、その特徴を理解したうえで不動産会社を選ぶべきです。
2019年04月08日賃貸物件を探すときに、足を棒にして何社も回っている人はいませんか?不動産会社の仕組みを知れば、時間と手間をかけずに希望の物件を見つけることができます。入居してからも快適に暮らすためには、不動産会社の仕組みを知ることから始めましょう。■ 1.不動産会社の種類を知るFast&Slow / PIXTA(ピクスタ)不動産会社とは、どんなことをする会社かご存知ですか?不動産を扱う会社はおもに2つの業務を行っています。それは「不動産仲介」と「不動産管理」です。不動産会社は、仲介だけ行う、管理だけ行う、両方行う、の3パターンあります。1-1 不動産仲介とは物件を探している人が希望の物件を見つけるための支援をする業務です。希望家賃、エリア、間取りなどをヒアリングし、募集が出ている物件の中から条件に合ったものを紹介します。不動産会社はたくさんあるので、お客さんが来てくれるように色々な方法でPRをします。KY / PIXTA(ピクスタ)一番効果があるのはインターネットのポータルサイトの掲載です。近年は、物件を探している人はインターネットで物件をチェックし、自分が気に入った物件を掲載している不動産会社に問い合わせをすることがほとんどです。不動産会社はポータルサイトの掲載枠を買って、自分の会社の物件が目に留まるようにします。ポータルサイトの検索結果一覧の上位に表示されるには、画像や動画の掲載点数や紹介文の文字数など、ポータル会社の規定に沿ってきっちり守ることが必要となります。1-2 不動産管理とはABC / PIXTA(ピクスタ)アパートやマンションを維持し、入居者が快適に過ごせるようにする業務です。トイレから水漏れが起こった、廊下などの共用部分の蛍光が切れてしまったなど、入居中におこる住まいのトラブルに対応します。また、騒音をはじめとするご近所同士のトラブルやクレームの対応も行います。アパート管理を行うためには大家さんと「管理委託契約」を結びます。大家さんは、入居が決まった部屋に対し、毎月5%程度の管理料を支払います。freeangle / PIXTA(ピクスタ)管理会社は大家さんの代わりに建物のメンテナンスを行うほか、早く入居が決まり、かつ長く住んでもらえるように、費用対効果の高いリフォームやリノベーションを提案・工事します。入居者が支払う家賃を管理し、世の中の動向をリサーチして、的確なリフォームを提案できるかどうかは管理会社の腕の見せ所。場合によっては、家賃を管理する、滞納者に対し督促するなども行います。■ 2.どの物件も1つの不動産会社から申し込みができるmuu / PIXTA(ピクスタ)ポータルサイトを検索したとき、取り扱う不動産会社が異なるだけで、同じ物件がいくつも表示されたことはありませんか?これは、1つの物件を色々な不動産会社から申し込みができることを意味します。2-1 仲介手数料のカラクリを知るYNS / PIXTA(ピクスタ)大半の大家さんが管理を任せるとき、管理委託契約は1社としか結べません。いっぽう物件の募集はいろいろな会社が募集することが可能です。管理している不動産会社以外の業者が募集し、客付けが成功すると仲介手数料がもらえます。仲介手数料は、法律上は貸主からももらえることになっていますが、ほとんどの場合、家賃+消費税を上限とした仲介手数料を入居者からもらいます。den-sen / PIXTA(ピクスタ)管理会社以外の仲介会社が入居者を紹介・案内して成約した場合、その仲介手数料をもらうことができるのです。仲介会社は仲介手数料目当てに、たくさんの物件をポータルサイトに掲載します。そのために同じ物件がポータルサイトにいくつも掲載されるのです。管理会社は、自社で申し込みを受けた場合に比べて仲介手数料は少なくなりますが、空室でなくなれば管理料が毎月入ってきます。管理料が5%なら20か月で元がとれますので、結果的に得をします。そのために、管理会社は他社がネット掲載することを許可するケースが多いのです。2-2どの物件もすべての不動産から申し込みができるUshico / PIXTA(ピクスタ)インターネットサイトへの物件掲載は、管理会社のお許しがないとできませんが、紹介と申し込みに関しては、ほとんどの物件がすべての不動産から申し込みができる仕組みになっています。そのために、わざわざ掲載元の不動産会社に1件1件足を運んで物件見学をしなくてもよいのです。仲介会社に行ったときに、お目当ての物件のほかに「ポータルサイトでみたのですが」といって、掲載元が他社になっている気になる物件についても問い合わせをしてみてください。ほとんどの場合、チラシを取り寄せてくれ、見積作成や案内もしてくれるでしょう。まとめて問い合わせれば、1日で何件も物件の見学が可能です。ABC / PIXTA(ピクスタ)掲載元と異なる会社で申し込みをしても、敷金や礼金、家賃が変わることはありません。不動産会社の仲介手数料の「分け前」がどうなるかの問題なので、申し込み者が支払う仲介手数料の総額には影響ありません。ただし、不動産会社がキャンペーンを行っていて、自分の取り分である仲介手数料をディスカウントしてくれることはありますので、問い合わせてみるべきです。フリーレントについては、大家さんがOKするかどうかの問題なので、不動産会社が変わると極端に差が出るということはないようです。■ 3.まとめこれらの仕組みを知っておけば、「不動産会社巡り」をしなくて済みますし、値段交渉等する際にも役立ちます。入居後は仲介会社とは縁が切れ、管理会社とお付き合いすることになります。そのため管理もやっている仲介会社を通して借りたほうが何かと便利かも……と考える人もいますが、物件の見学や申し込みに限って言えば1、2社訪問するだけで十分なのではないでしょうか。
2019年02月01日お部屋の賃貸借契約を結ぶ際、用途についてははっきりと規定されていますが、貸主も管理会社も知らない間にとんでもない使い方をされていた……というのはよくあることです。こういったことは必ずバレますので、お部屋探しの際には「用途」について十分に注意しなければなりません。今回は筆者の実務経験の中で忘れられない3つの事件簿をご紹介します。■ 1.管理員の機転から規約違反のエステサロンが見つかったtomos / PIXTA(ピクスタ)マンション管理会社で分譲マンションのフロントをしていた時代に、「オートロックの前でうろうろしていた人に声を掛けたらエステをやっている部屋は何号室かと質問された」という報告を管理員から受けたことがあります。住居専用のマンションであることを説明するとあっさりと帰ったそうですが、「あれは絶対に何かあるよ」とそのベテラン管理員は筆者に断言しました。試しにマンションの住所に加えて「エステ」と入力して検索してみると、何とマンション内のとある部屋がしっかりと引っかかっているはないですか。問題の部屋は外部オーナーが賃貸物件として貸し出しており、新しい借主が入居したばかりでした。当然ながら管理規約に違反していることから不動産会社を通じて注意したところ、エステサロンとしての使用は否定しながらもすぐに退去していきました。■ 2.部屋が振り込め詐欺グループのアジトに!Caito / PIXTA(ピクスタ)同じ管理会社の別物件に関して、振り込め詐欺グループのアジトとなっている部屋があるということで所轄の警察署から館内の防犯カメラの映像の開示請求を受けたことがあります。告げられたのはオーナーが海外転勤のため外部に貸し出した部屋で、たまたま数日前に漏水が発生して筆者も中に入ったばかりでした。下の階への水漏れを止めるためにはすぐにでも原因を特定して処置をとらなければならないのですが、不動産会社を通じて入居者とアポイントを取ろうとしても多忙ということでどうにもならず(書類上では会社社長ということになっていた)、最終的にご本人の了解の上で警備会社が保管している鍵を使用して室内に入りました。kai / PIXTA(ピクスタ)テレビも食卓テーブルもなく生活感のほとんど感じられない殺風景な部屋で、今になってみれば「アジト」そのものだったと思います。捜査が入ったときにはすでに逃亡していましたが、犯行グループのメンバーは部屋に入ると5日間籠りきりになり、いったん解散して2日後に再度集結して5日間籠るというサイクルを繰り返しており、マンションに出入りする様子が防犯カメラにすべて映っていたようです。当然ながら部屋の解約手続きなどできるはずはなく、強制解約ということになりました。■ 3.カメラマンの自宅のはずが撮影会のスタジオに東中野の不動産会社に勤務していた際、地元の家主の一人が血相を変えて怒鳴り込んできたことがあります。カメラマンの自宅用に部屋を貸したところ客を集めて女性モデルの撮影会をやっていたということで、「直ちに追い出せ!」とまくしたてられました。Flatpit / PIXTA(ピクスタ)インターネットで検索してみるとどちらかというと美少女系の撮影会のようで「これは家主が怒るのも無理はない」と思いましたが、そうはいっても日本では借地借家法により借主は二重三重に保護されており「追い出す」というのは簡単ではありません。本人を呼んで話を聞くとあっさり自己の非を認めて退去に同意してくれましたが、ゴネられたらどうしようと内心ではヒヤヒヤしていました。■ 契約時に必ず確認すること部屋の使用方法については重要な問題で、「居住用」のみか「事務所使用可」なのかは契約書に必ず明記されます。後になって揉めることのないよう、契約時に十分に確認するようにしてください。
2019年01月29日昨年12月に発生した、札幌の不動産仲介会社のガス爆発事故には驚かされました。そこから様々な問題が発覚しましたが、何よりも知名度の高い不動産ネットワークであっても客の無知に付け込んで暴利を吹っ掛けることがあるということに驚かされました。引越しシーズンを前に、お部屋探しを始めるうえで知っておくべき最低限の知識をご紹介します。■ 3月下旬まで不動産仲介業者はてんやわんやであるYukini / PIXTA(ピクスタ)いよいよ2019年がスタートしました。日本では4月1日に新年度がスタートすることが多いため、この時期には新入学・就職・異動等により新しい生活が始まるという方が一斉にお部屋探しに着手します。当然ながら不動産会社も多忙を極めることになり、筆者の感覚では1月4日の仕事始めの日から問い合わせの電話が鳴りっぱなしになり、3月下旬の国立大学合格発表まで、ずっとてんやわんやであったように記憶しています。YsPhoto / PIXTA(ピクスタ)読者の皆様の中にも、転勤や入学等の事情でこれからお部屋探しをするという方もいるかと思います。全国にある不動産仲介会社の数はコンビニより多く、その中には残念ながら悪質な業者も含まれます。こういった業者に引っかからないためには最低限の注意点を知っておかなければなりません。■ 悪質な不動産会社を避けるためのポイント3つそれでは悪質な不動産会社を避けるための具体的なポイントを3つご紹介します。1. 不動産会社による情報量の差は存在しないふじよ / PIXTA(ピクスタ)売買でも賃貸でも、不動産会社は預かった物件の情報を所定の流通機構に登録して業界全体で共有化しなければならない定めとなっており、逆に言えば業者は専用サイトにアクセスすればすべての物件情報を入手することができます。そのため情報量はどこの業者も同じで「物件数地域一番店」などという看板に惑わされてはいけません。2. 「仲介手数料半額」を売りにした業者は避けるもとくん / PIXTA(ピクスタ)不動産会社の広告を見ていると「仲介手数料半額」を謳い文句にしている会社を目にすることがよくあります。不動産会社は成約時の仲介手数料以外の報酬を客から受け取ってはならないと定められており、これを半減させてしまってどうやって売り上げを確保するのでしょうか。成約時に貸主からバックマージンが出る物件がありますが、「仲介手数料半額」の会社はこういった物件以外紹介してくれないという話を聞いたことがあります。本当に気に入ったお部屋を見つけるためにはこういった「仲介手数料半額」を売りにする業者は避けた方がいいでしょう。3. 「除菌・消臭料」をとる業者はNGもとくん / PIXTA(ピクスタ)札幌の爆発事故をめぐる最大の問題点は業者が「除菌・消臭料」というような費用を日常的にとっていたことにあると筆者は考えています。退去時の原状回復は前入居者と貸主の費用負担で行うことが大原則であり、「除菌・消臭料」「消毒料」といった名目で新しい入居者からも費用を徴収することは不当(違法ではない)です。知名度の高い不動産ネットワークに属する業者でもこういう悪質なことをやっているのです。物件資料を見る際には備考欄に注目し、怪しい項目を発見した場合は外してもらうよう交渉しましょう。■ 不動産会社とのやりとりで気をつけるべきことtomos / PIXTA(ピクスタ)不動産会社を訪れる際は飛び込みではなく事前に電話をして予約してから行くようにしてください。この時期(特に週末)の不動産会社は多忙を極めており、飛び込みで店に入ってもまともに対応してもらえない可能性が高いからです。事前に希望条件を伝えて予約をしておけば必ず担当者が体を空けて待っていてくれ、さらに物件資料を揃えて内見する準備までしていてくれたりします。■ 「退去時清掃費」の扱いに注意!Graphs / PIXTA(ピクスタ)退去が完了した部屋は次の募集をかけるためプロによる室内クリーニングを実施する必要があり、その費用は前入居者が負担します。通常は敷金を利用して清算しますが、「敷・礼ゼロ」というような物件においては話が違ってきます。退去時に請求される場合もありますが、「退去時清掃費」といった名目で契約時にあらかじめ費用をとっておくことはよくあります。(これは違法でも不当でもない)「敷・礼ゼロ」が必ずしも引越し費用の軽減に結びつかないことも多いので、「退去時清掃費」のような項目があれば必ず確認してください。
2019年01月24日住宅や土地の購入は一生モノの買い物。どの会社から不動産を購入するかは、大きく迷うところであると同時に、担当する営業マンはその会社の顔とも言えます。今回は、住宅不動産企業に勤務していた筆者が、良い営業マンとイマイチ営業マンの見極め方のポイントを解説!ぜひ参考にしながら、後悔のない買い物をその営業マンに任せられるかどうか、検討してみて下さいね。■ 1.清潔な身だしなみと声の明朗さ、笑顔はありますか?xiangtao / PIXTA(ピクスタ)初歩的なところですが、まず身だしなみをチェックしましょう。爪、髪の毛、靴など、目に見えるところだけでなく、例えば口臭や体臭など、お客様に不快感を与えないよう意識しているかが立ち現れるのが身だしなみです。営業マンは一日のうちに何件ものお客様対応をしているだけに、特に夕方になってくると、身だしなみに対する意識が薄れがちです。それでも、一人ひとりのお客様を大切にする意識がある営業マンは、清潔感に手を抜くことがありません。naka / PIXTA(ピクスタ)また、声の明朗さと笑顔もポイントです。大きな声と、わかりやすく明るい言葉遣い、絶やさない笑顔は、自信と真面目さの現れともいえます。電話応対でも同じですが、ハキハキと気持ちの良い声で応じてくれるか、不快感がないか、意識的に確認しましょう。■ 2.質問に対し逃げないで答えてくれますか?YNS / PIXTA(ピクスタ)例えば、エリアに関する質問や、相場についてなど、わからないことを聞いたときに、丁寧に解説してくれるかは、その営業マンの経験値を測る一つの見極め方です。他社と比較して解説してくれたり、不動産全般の中でその会社がどういう位置づけなのかまで解説してくれる営業マンであれば、かなり良い営業マンであると言えます。また、その会社の弱点を指摘したときに、正直に認めて、それでもその会社の不動産を選ぶことのメリットを丁寧に説明してくれるような営業マンは信頼できるでしょう。KY / PIXTA(ピクスタ)新人営業マンであれば、ベテランと一緒に対応することがほとんどですが、若手二人組の場合は新人の教育のために3年目程度の営業マンが付いて指導していることが多く、まだ経験豊富とは言い難いといえます。気になる際は、早めに「担当を上の方に代わってもらえますか?」と伝えることで、後悔なくやりとりすることも可能です。■ 3.予算に余裕をもたせた提案をしてくれていますか?Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)会社側からすると、少しでも儲けが高くでる物件をお客様に購入させたいものです。でも、信頼できる良い営業マンは、お客様の家づくりをトータルで考え、その場だけの儲けにこだわりません。お客様の予算ギリギリではなく、少し余裕をもたせた提案をして、お客様のニーズにあったオプションなどを提案してくれるのが、良い営業マンです。これも、その営業マンが一人ひとりのお客様視点に立って担当しているかどうかの見極めポイントと言えます。また、予算をもう少し下げたいなどの相談をしたときに、嫌な顔をせず応じてくれるかも重要です。一緒に家づくりに携わる人として、気持ちの良い関係を築こうとしてくれている営業マンが良い営業マンといえるのではないでしょうか。ロストコーナー / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたでしょうか。以上のチェックポイントをぜひ参考にして、お客様視点に立って対応してくれる良い営業マンと一緒に、素敵な家づくりをしたいですね。
2019年01月20日先日札幌で発生した爆発事故には驚かされるものがありました。不動産会社の店内で消臭スプレーのガス抜き作業をしていたことが原因で、ニュースでも大々的に取り上げられていますが、そこでは本来最も問題とすべきポイントが見落とされています。この不動産会社では明らかに「ぼったくり」 といってもよい商売が日常的に行われており、 それがスプレー缶の大量在庫につながりました。そのことが最大の問題であって、1,000円の原価で1万~2万円徴収していることや、 やるべき作業をさぼってスプレー缶がたまってしまったことは、どちらかというと小さな問題です。■ 札幌の爆発事故の概要YsPhoto / PIXTA(ピクスタ)12月16日20時半ごろ札幌市豊平区の整骨院、居酒屋、不動産仲介会社が入居した木造2階建ての建物で爆発事故が発生し、これによって居酒屋と不動産仲介会社がほぼ倒壊し、整骨院も外壁などが崩れました。爆発の衝撃で付近のマンションなど少なくとも20棟が破損、数百メートル離れた車の窓ガラスが割れるなど広範囲で被害があり、この爆発によるケガ人は重傷1人を含む42人にのぼります。不動産仲介会社の店長が室内で消臭スプレー120本のガス抜き作業を行い、その後、手を洗うために湯沸かし器をつけた際に爆発が起きたといいます。■ 問題なのはスプレー缶じゃない!Graphs / PIXTA(ピクスタ)当時店内には160本ものスプレーが在庫として置かれており、店の改装を控えて処分する必要があることから、その内の120本を店内のテーブルに並べ、中身を一度に噴射させたのだそうです。当然のことながらテレビの情報番組でも大々的に取り上げられていますが、筆者が見る限り室内でスプレーを大量に噴射したそのアホさや原価と料金のギャップ、作業を実際にはやっていなかった「未施工」の疑いばかりが問題とされています。しかし筆者は非難されるべきポイントは他にあると考えており、隔靴掻痒の感がどうにも否めません。■ 消臭スプレーを在庫として置いている店など見たことがないCORA / PIXTA(ピクスタ)不動産の賃貸借契約を締結する際には契約金というものが発生し、そこには通常では敷金・礼金・火災保険料・鍵交換代・保証料(保証会社利用の場合)といった費用が含まれます。今回問題となった店舗の契約ではこれらに加えて「除菌・消臭代」という項目があり、入居予定者に諮ったうえで1万~2万円を徴収していたようです。Melpomene / PIXTA(ピクスタ)「施工」という言葉を使用していますがそれほど大したものではなく、単価1,000円の消臭スプレーを室内で噴射させればそれで終了です。客から「除菌・消臭代」を暴利で徴収していながら実際には作業を実施しておらず、そのため店内にたまったスプレーの在庫を隠すために非常識なガス抜きが実施されたのではないかという内容が論点になっていましたが、そもそも「除菌・消臭代」をとるということ自体が不当なことなのです。筆者はブラックからホワイトまでこれまで様々な仲介店舗を経験してきましたが、消臭スプレーを在庫として置いているような店は一度も見たことがありません。■ 悪い噂で聞いていたアコギな商売が頭に浮かんだhap / PIXTA(ピクスタ)賃貸仲介に従事していた頃、契約時に「消毒料」という名目で客から費用を徴収している業者があるという話を聞いたことがあります。「消毒」といっても客に鍵を渡す前に室内で、バルサンのようないわゆるくん煙(煙・霧)剤を焚くだけですが、それだけで万単位の金を徴収する相当にアコギな商売です。しかし筆者はそれを実際に見たことはなく、単なる悪い噂だとばかり思っていました。今回の事故に際して「仲介会社になぜスプレー缶?」ということでまず頭に浮かんだのがこの「消毒料」です。くん煙(煙・霧)剤を焚くようなことを消臭スプレーでやっていたのかもしれないと漠然と思いましたが、どうやらそれが当たっていたようです。■ 本当に問題にしなければいけないポイントはココ!ABC / PIXTA(ピクスタ)退去後の空き室で再募集をかけるには商品として仕上げなければならず、そのためにはプロの手で室内クリーニングを実施することが必要だという記事を以前書きました。そのようにして前入居者と家主の負担で原状回復を完了させておきながら、それに加えて「除菌・消臭代」「消毒料」といった名目で新入居者からも費用を徴収するのはどう考えても筋の通らない話で、金額の大小にかかわらず不当なものでしかありません。いくら「入居予定者に諮ったうえ」で実施するにせよ、それは客の無知に付け込んだ詐欺同然の行為です。今回爆発事故を発生させたのは日本でも屈指の知名度を誇る不動産ネットワークの直営店だったようですが(HPからは既に消されている)、そのような店でこういったアコギな商売をしていたことが最大の問題なのです。■ 物件情報の「備考」欄を必ず確認しようjannoon028 / PIXTA(ピクスタ)この記事を書くために改めてネット上の賃貸情報を見ましたが、「水廻消毒料」「ストーブ分解清掃料」等々様々な項目が記載されていることに驚かされました。物件を紹介された際は一番最後に書かれているはずの「備考」欄を必ず確認し、少しでも疑問を感じた項目は外してもらうよう交渉するようにしてください。それを知らないまま契約してしまうと、取り返しがつかなくなります。
2018年12月20日不動産に掘り出し物(ここでは相場より価格が安い物件の意味とします)がない理由として、「安い物件は市場に出回る前に不動産会社が優先的に買って、値段を上げ転売してしまうから」という意見をたまに耳にします。実は、この意見は半分正解で半分ハズレています。今回は、先述の意見が「半分正解で半分ハズレている」理由をもとに、不動産会社が物件を仕入れる仕組みについてお話ししたいと思います。■ 不動産会社は掘り出し物を転売して儲けている?HHImages / PIXTA(ピクスタ)不動産にはさまざまな指標からなる相場があり、相場よりも価格が安い物件を「掘り出し物」と呼ぶことがあります。一般的に、不動産会社はこの「掘り出し物」が市場に出回る前に優先的に買うことができ、それを右から左へ転売して儲けている、と思われているようです。たしかに、不動産業者が購入する物件は相場よりも安いものになります。逆にそうでなければ、不動産会社が売主となって分譲する物件は、その販売価格が相場より高くなってしまいます。これが冒頭の意見が「半分当たっている」理由です。では、なぜ不動産業者は相場より安く買えるのでしょうか?■ 相場より安く買える最大の理由とは?maruco / PIXTA(ピクスタ)まず、あなたが不動産(土地や建物)を持っていて、それを売る場合を考えてみましょう。あなたはその不動産を「少しでも高く売りたい」と思うはずです。ただし、不動産には相場があるので、なかなかそれ以上で売ることはできません。逆にいえば、「相場以下で売る必要もない」ともいえます。そこで疑問なのは、「少しでも高く売りたいはずの売主がなぜ相場以下で不動産業者に売るのか」ということです。不動産の売買には個別の事情が存在するのが当然であり、「売り急ぎ」やその逆の「買い進み」などの事情も多く存在します。言うまでもなく、売り手に売り急ぎの事情がある場合は、その取引価格が若干低めになる傾向があります。また、不動産会社のなかには情報の非対称性(買い手と売り手が持っている情報の格差)を利用して、安く買い取ろうとする質の悪い業者も一部には居るようです。■ 「不動産を商品化するスキルを持っている」ことが最大の理由テラス / PIXTA(ピクスタ)しかし、不動産会社が相場より安く買える最大の理由は、不動産会社が「不動産を商品化するスキルを持っている」ことにあります。例えば、高低差があり造成しなければ住宅が建たない土地や、一般住宅用地としては広すぎる土地、生活インフラ(上下水道・ガス・電気・道路等)が未整備の土地、権利関係が複雑だったり何らかのトラブルを抱えている土地などは、その物件情報を一般のマーケットに公開してもなかなか個人の買い手は見つかりません。買い手が見つからなければ、そのような物件は個人向けに販売するのではなく、不動産会社向けに販売することになります。そして不動産会社が購入する価格は、事業性(再販売等)を前提としたものになるので、個人向け相場よりも安くなってしまい、結果的に売主は相場より安く不動産業者へ土地や建物を売ることになります。不動産会社は、その不動産の最適用途を見つけ出して加工(造成工事、権利関係整理、利害関係整理など含む)することで新たな商品としての価値を見いだします。■ 加工して商品化するという前提があるから安く買える!HAKU / PIXTA(ピクスタ)不動産会社が土地や建物を相場より安く買える背景には、そのままでは一般の人たちが購入しづらい不動産を「加工して商品化する」という前提があります。つまり、不動産会社は「優先的に安い物件を買えている」わけではないのです。これが冒頭の意見が「半分ハズレている」理由です。このように、不動産会社はさまざま情報を集め、その不動産を加工する能力と技術を駆使し、相場より安く(しかし競合他社よりは高く)不動産を購入する努力を重ねているため、掘り出し物を購入することが出来るのです。
2018年12月01日いろいろな書籍やネット上で、「○○年に不動産が暴落する!」などの記事を見かけたことはありませんか?そのなかでも、とくにまとしやかに「暴落の年」と主張されているのは、「2019年」と「2022年」ではないでしょうか。では、この2つの年には何が起こり、なぜ不動産が暴落するといわれているのでしょうか?■ 2019年問題とは?ABC / PIXTA(ピクスタ)国立社会保障・人口問題研究所が2013年1月に推計した「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」によると、世帯総数は2019年をピークに減少に転じるとされていました。世帯数が減少に転じることで、住宅が供給過剰状態に陥り価格が暴落する、というのが「2019年不動産暴落説」が主張される大きな理由のひとつです。Rise / PIXTA(ピクスタ)しかし、この主張の基になった「総世帯数の減少」ですが、今年2018年1月に新たな推計が発表され、世帯総数増加のピークは2023年まで延びるという結果が出ました。つまり、世帯数減少を理由とした2019年問題はすでに回避されてしまったので、ここでは新たに世帯数ピークとされた2023年に暴落があるかを考えてみたいと思います。まちゃー / PIXTA(ピクスタ)実は、総世帯数が減少に転じても、すぐに不動産が暴落するとは考えにくいといえます。なぜなら、2023年以降も人口が増え続けると推測されている地域がたくさんあるからです。国立社会保障・人口問題研究所の人口推計によると、全都道府県の人口が減少に転じるのは前回の推計よりも延びて2030年となっています。つまり、2030年までは人口が増え続ける地域(都市)があるということになります。まちゃー / PIXTA(ピクスタ)これは、近年、出生率が改善されたことや、人口移動(移住)の状況を反映した結果なのですが、人口増加が続く地域では住宅の需要も一定程度継続します。そのため、人口流入が続いている地域(都市)については不動産の暴落は起こりにくいと考えられます。ただし、人口が流出していく地域では住宅需要が減り続け、不動産価格も下落していくと考えられます。■ 2022年問題とは?1988年に農地法が改正され、生産緑地の指定が始まりました。この指定を受けた土地は、固定資産税などの税金を大幅に減免できたり、相続税の納税を猶予する制度を使うこともできるのです。ただし、生産緑地の指定を受けると30年間の営農義務を負い、その土地を他の用途に転用することはできません。pixabayこの指定を受けた土地が2022年には30年目を迎え、その営農義務が外れて、税金対策などでそれらの土地が一斉に売り出されたり、アパートやマンションなどが建築されて、市場が供給過多になり、地価が暴落する、というのが「2022年問題」と呼ばれるものです。ABC / PIXTA(ピクスタ)ただ、この問題についても、すぐに不動産の暴落にはつながりにくい理由があります。2017年に生産緑地法の改正があり、生産緑地の指定から30年経過した土地について、新たに「特定生産緑地」の指定を受ければ、買い取り申出の時期をさらに10年延長することができるようになったことで、まずは急激な増税は回避されました。money/pixabayまた、この生産緑地の指定を受けた農地のなかには、前述した相続税の納税を猶予する制度を利用している生産緑地もあります。この、相続税納税猶予制度を利用するための条件が、終身営農(三大都市圏の場合)なので、買い取り申出(生産緑地の解除)をする場合は、猶予されていた相続税を支払う必要があります。つまり、そもそもこの制度を利用している生産緑地については、相続の発生などがないかぎり買い取り申出の対象外になると考えられるのです。よっちゃん必撮仕事人 / PIXTA(ピクスタ)東京都が2015年に都内の都市農業者を対象に行ったアンケートでは、この「相続税納税猶予制度の適用をまったく受けていない」という回答は約41%でした。さらに、この「相続税納税猶予制度の適用はまったく受けていない」と回答したなかで、今後の利用計画について「指定から30年経過後、すぐ区市へ買取申出したい」との回答は8.2%でした。つまり、東京都に限っていえば、2022年に買い取り申出の対象となる農地は、生産緑地の指定を受けている農地の約41%で、さらに即時買い取り申出をしたいのは、そのなかの8.2%なのです。実際にどれだけの農地が買い取り申出されるかについては「そのとき」になってみないと分かりませんが、上述した理由を考慮すれば、2022年に供給過剰といわれるほど市場に土地があふれ出るとは考えにくいといえるでしょう。HAKU-No1 / PIXTA(ピクスタ)今回取り上げた以外にも、2020年問題、2025年問題、2030年問題など、不動産の暴落をアナウンスする声は絶えません。ひとつだけ確かなことは、不動産が確実に「上がる」「下がる」などのタイミングは誰にも分からないということです。過激なアナウンスに惑わされずに、自分自身にとって最適な「売・買」のタイミングとは何かを大事にして実際の売買に臨むようにしましょう。【参考】※国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成 30 年推計)」※参議院立法と調査「都市農地の保全と有効利用」都市農地の貸借に関する制度と課題2017.11
2018年11月25日全国の不動産会社の数はコンビニの数より多いといわれています。その中には地元に根付いた家族経営のような店舗から、イケイケの営業を揃えて派手な看板を並べた店舗まで様々です。ほとんどの店の店頭にこれでもかと貼りだされた物件資料のことを、通称「マイソク」といいます。これらを見ると、どの店も相当な数の物件を抱えているように感じますが、実際に問い合わせてみると、既に募集が終わっていたという場合も数多くあるものです(終わっていることの方が多いかもしれません)。そのためこれらは「おとり広告」であるとしてかなり批判されているようです。何故終わってしまった物件が貼り出されているのでしょうか?かつて実際にマイソクを作り、店頭に貼り出していた筆者がご説明します。■ マイソク=店頭に貼り出された資料の正体不動産の物件資料=マイソクには一定の型があります。真ん中から左にかけて間取り図、外観写真と地図、右側に物件概要が記入されている事例が一番多いのではないかと思います。そして必ず下段に不動産会社の情報を記載した細長い部分があり、これを帯(おび)と呼んでいます。不動産会社は売買でも賃貸でも、預かった物件を所定の流通機構に登録して情報を共有化しなければならないのですが、検索して引っかかってきた物件情報を印刷すると、このマイソクの書式で出力されます。この時「帯」にはこの物件情報を登録した会社が記載されていますが、この帯の部分だけ貼りかえれば、いかにも自社の物件であるかのように見せかけることが出来るのです。どの不動産会社もB5、A4、A3の各サイズで貼りかえに使う「帯」を用意しています。このようにして作成した物件資料を貼り出したものが店頭のマイソクです(この会社の場合は帯の部分を折り込んでいます)。自社が預かっている物件だけでは大した数にならないことがほとんどであるため、このようにして他社物件の情報も載せるのです。■ 店頭の「マイソク」の募集が終わっていることが多いのはなぜか?店頭にこうした情報を貼り出すのはなんといっても集客のためです。インターネットを利用した集客が中心となった現在でも、看板を見て入ってくる「飛び込み客」はどうしても欲しいものです。ビルの1階に店を構えた路面店ならまだしも、ビルの上層階に店舗がある場合、このような手段でも取らなければ飛び込み客は来ないでしょう。路上に置かれたこのような看板を、横から見た形から「A看板」と呼びます。お客様の足を止めさせ、店内にまで入らせなければならないのですから、貼り出す内容としては誰もが「ここに住みたい!」と思うような魅力的な決まりやすい物件の情報になります。一方でこのような作業は意外と面倒であるため、案内や追客、契約事務等に負われる営業にとって、店頭のマイソクのメンテナンスなどどうしても二の次三の次になってしまいます。客が来店した時には募集が終わってしまっている、という背景にはこのような事情があります。資料を作成した時には確かに存在しており、悪意をもって終わった物件ばかり並べているのではないことは、かつて業界にいた筆者からも言わせていただきます。■ 「マイソク」がわざと曖昧に作られている理由店頭のマイソクの目的は、あくまでお客様を店内に呼び込むことにあります。そうすればご縁もでき、それによって様々な他物件を紹介することもできるのです。店頭の資料を見て「ああ分かった」と帰られてしまわないよう、どこかぼかして貼り出すのが常です。勝手に現地に行かれないよう住所の枝番を外すというのは大原則で、店頭の資料だけでは物件を特定されないよう様々な工夫をします。物件の全貌を知るのは店内のカウンターにおいてであり、現地へ行くのは営業の案内でなければならないのです。お客様からの問い合わせに対して、物件前で待ち合わせをするという営業スタイルの会社(筆者も所属していた)もありますが、今のところは最初に店舗に来てもらうというのが圧倒的に主流です。■ 「物件数地域1番店」ということはありえない!?makaron* / PIXTA(ピクスタ)今回ご紹介した内容は店頭に貼り出したマイソクだけでなく、インターネット上の情報にも当てはまります。物件情報は業者間で共有されているため、「物件数地域1番店」ということなど本来はないのです(管理棟数が1番ということならあります)。業者選びの際は、店頭に貼り出されたマイソクにまどわされることのないよう、十分に注意してください。(written by 鶴間正二郎)
2018年10月31日テレビジャック、洗濯機置き場、水道のレバー……。不動産会社に勤務し、たくさんのお客様を案内していると「収納があるか」「今ある家具がおけるか」「使い勝手のよい動線か」といったことは、ほとんどの人が確認をしています。ここでは賃貸物件を選ぶとき、見学の際に見落としがちなチェックポイントをご紹介します。■ 1.部屋の中のチェックポイント洗濯機置き場は高さも要チェックRyu K / PIXTA(ピクスタ)洗濯機や冷蔵庫が入るかどうかは、気になるポイントです。その際に、幅と奥行きを測る人が大半でしょう。洗濯機のサイズを測る際には、高さも測ってください。洗濯機用の蛇口がついていますが、床から蛇口の下部の部分までの寸法を測ります。大部分の洗濯機は、110センチあれば入ります。ABC / PIXTA(ピクスタ)縦型だとフタの開閉による「遊び」の部分があるので、サイズに余裕がなくてもある程度使用できますが、ドラム式の場合は壁面にぴったりと本体を寄せなくてはならないので、蛇口が引っかかると入りません。水道の蛇口が張り出しているタイプの場合は、ぶつかるので特に注意が必要です。テレビジャックの位置ABC / PIXTA(ピクスタ)テレビジャックの位置を確認する人はあまりいませんが、実は部屋選びの際に大変重要です。通常、テレビジャックの位置に近いところにテレビを置きます。テレビの位置が決まると、それに合わせてダイニングテーブルやソファの配置を決めていくことになります。つまり、ジャックの位置で部屋のレイアウトがある程度決まってしまうのです。Graphs / PIXTA(ピクスタ)リビングと洋室が引違い戸などで仕切られ、戸を開けると1つの部屋のように使える間取りがあります。ソファとダイニングテーブル、両方を設置し、どちらからもテレビが見られるようにしたいとき、テレビジャックの位置によっては不可能な場合があります。居室にはジャックがあるのに、リビングにテレビジャックがない物件は少なくありません。とくに、ファミリーで入居する場合は、リビングに集まり家族でテレビを見ることも多いでしょう。ジャックがない場合は、延長ケーブルによる設置ができるかどうかチェックしておくべきです。間取り図には、ジャックの位置に印をつけておくと、後で困りません。水回りfreeangle / PIXTA(ピクスタ)水回りの設備は、物件によって、もっとも差が出るところです。キッチンでチェックしたいのは、水道のレバーです。水道の蛇口は、レバー1本でお湯の温度と水量が調節できるもの(シングルレバーと呼びます)、水とお湯のハンドルが別にあって、水量と温度を調節するものの2種類があります。シングルレバーでないと、水とお湯水量を都度調節しなくてはならなので、洗い物をするときなど、大変面倒です。ABC / PIXTA(ピクスタ)お風呂も同様で、2タイプあります(お風呂の場合は、シングルレバーではなく、サーモスタット水栓と呼びます)。通常家賃が高い物件は、シングルレバーやサーモスタット水栓が使われています。もし、シングルレバーやサーモスタット水栓でない物件の場合は、給湯パネルがあるかどうか確認して下さい。給湯パネルの設定温度を希望の温度に設定し、お湯の蛇口だけ使うようにすれば、いつも一定温度のお湯になります。■ 2.周りの人とうまくやっていけるかの判断は?気に入った物件が見つかると、次にアパートやマンションにどんな人が住んでいるかが気になります。現在は、個人情報の観点から、不動産会社の人は隣に誰が住んでいるか教えてくれませんので、自分で調べなくてはなりません。次の2つは、どんな人が住んでいるか判断するためのツールとなります。洗濯物で隣の家の家族構成を判断Satoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)物件の外から、どんな洗濯物が干してあるかチェックすると、どんな人が住んでいるか分かることがあります。赤ちゃんや子どもの服が干してあれば、ファミリー層が入居していますし、洗濯物の色味で男性か、女性かはある程度察しがつきます。停まっている車で入居者の属性を予想YNS / PIXTA(ピクスタ)駐車場に停まっている車からも色々な情報が得られます。県外ナンバーが多ければ、転勤族の人がたくさん入居している可能性があります。また、ファミリー層が対象の地方マンションで、平日の昼間、たくさんの車が停まっていれば、仕事を持っていない主婦が多いかもしれません。上記2つは、あくまでも、さらりとチェックする程度にとどめましょう。細部までジロジロ見るのは控えてください。写真撮影は厳禁です。自分がされて嫌なことはしないようにしましょう。■ 3.まとめ部屋の広さや綺麗さを確認し、気に入った物件が見つかったら、次は実際に入居したときに便利かどうかを確認・イメージをします。そのために、自分の持っている家具や家電のサイズなどは確認しておくとよいでしょう。また、実際に物件を見に行ったときは、気になるポイントは間取り図に書き込んでおくと漏れがありません。準備して見学に臨み、希望にあった物件を探しましょう。
2018年10月18日マイペースに賃貸業を営んでいるアサクラですが、世間を賑わす不動産の話題が気になることもあります。最近気になるのはやはり、過熱ぎみの不動産投資とそれに伴うトラブルのニュースです。不動産投資の怖さは「おいしい話」ばかりが独り歩きしてしまい、困難やリスクが語られにくいこと。そこで今回は、大家的視点から見た「ゼロから始める不動産投資の難しさとリスク」について考えてみたいと思います。■ 不動産投資はとにかくシビアな金銭感覚が必要ナカムラ / PIXTA(ピクスタ)うちのマンションは親族から引き継いだ古い物件を、家族みんなに助けてもらって経営しています。ですから、賃貸経営といっても、物件を取得するための多額な初期投資がない分、ゲタをはかせてもらっての商売です。その分、リノベーションにもメンテナンスにもしっかりと予算を割くことができています。仮にビジネスとして少々割が合わない投資でも、自宅の延長としてマンションをとらえているので「自分の家のために使った」と思うと納得できてしまいます。HM / PIXTA(ピクスタ)しかし、ゼロから資金を借り、ローンを組んで不動産を取得し、それを賃貸に出すとなると事情が違います。投資である以上、金利を含めて銀行への返済をおこない、そのうえできちんとした利益を出さねばなりません。そのためには、とにかくお金に対するシビアな感覚を求められます。入居者獲得のために物件は充実させたい、しかし、利益を考えるとお金はかけられない……。freeangle / PIXTA(ピクスタ)賃貸経営は常にこのせめぎあいにさらされるビジネスですが、不動産投資で利益を上げている人たちの話をうかがうと、みなさん、僕とは比べものにならないくらい厳しいラインで、このせめぎあいに苦しんでいます。投資である以上、投下した資金と労力に見合う利益が出なければ意味がないのです。僕などは利回りの計算などを見せられると頭が痛くなってしまいますが、綿密な計画なくして不動産投資はできません。■ 物件の維持管理にかかるお金や労力もバカにならないアオサン / PIXTA(ピクスタ)緻密な計画には「今後〇年のあいだに物件のメンテナンスにいくらかかるか?」という見通しも含まれます。しかし、この見通しをつけること自体が、簡単ではありません。水道ポンプが急に故障したり、古い電気ヒューズが飛んだり、僕が体験しただけでも予想外の出費はたくさんありました。僕が無知だったということもありますが、こういうトラブルを予測して長期の資金計画に盛り込むのは、かなり難しいことです。また、僕のように入居者と同じ屋根の下に暮らしていれば、トラブル発生時に自分が駆けつけることができますが、マンション投資をしている人のほとんどは物件の近くに住んでいるわけではないので、誰かに代わりに対応してもらわなければなりません。あんみつ姫 / PIXTA(ピクスタ)となると、業務を管理会社に委託することになりますが、そのためには管理料(家賃収入のうちの3~8%くらいといわれます)を支払わねばなりません。管理会社選びも重要です。うっかり質の悪い管理会社を選んでしまうと、満足のいく対応をしてもらえない可能性もあります。うちに入居いただいた方の一人は、前に住んでいた物件で上階からの漏水があった際、遠方に住むオーナーと管理会社のたらいまわしに遭い、なかなか問題が解決せずに苦労したとおっしゃっていました。僕個人としては、自分が子どもの頃から暮らしていた物件を管理するのにも四苦八苦していますから、よく知らない遠方の物件を購入して管理するなんてことは、ちょっと想像できません。■ 家賃保証で不動産投資を丸投げするリスクsasaki106 / PIXTA(ピクスタ)すべてを人任せにするという不動産投資も喧伝されています。たとえば、こんなセールストークを聞いたことはありませんか。「あなたはローンだけ組んでください。できたマンション(アパート)は我々が借り上げて経営します。ローン返済はマンションが勝手にやってくれます。ウン十年間、家賃も保証しますから心配ありません」大家をやっている身からすると、「こんなおいしい話、あるわけないよな」とすぐわかります。家賃というのは、まさに不動産賃貸業の生命線です。それを何十年にもわたって保証することなんてほぼ不可能な話です。まちゃー / PIXTA(ピクスタ)時代的に見ても、新築マンションが乱立し人口が減少に向かうなか、常に安定した家賃収入を想定すること自体、無理があります。実際、「家賃保証」という言葉が醸し出す安心感とは裏腹に、その現実は残酷です。不動産会社は、経済状況の変化などを理由に家賃を減額できるし、契約を解除することもできるのです。つまり、「家賃の支払いは保証するけど、いくら払えるかはわからないよ」ということですね。個人的には、これでは「家賃保証」とは言えないと思うのですが、法律的にはそれがまかり通ってしまうのです。■ 借地借家法は不動産業者の味方?sanae / PIXTA(ピクスタ)この「約束破り」を可能にしているのが、借地借家法(の悪用)です。常々申し上げているとおり、現在の借地借家法は「借りる側に圧倒的に有利」にできています。通常の個人(弱者)が、マンションやアパートという資本を持つ人間(強者)から物件を借りるという前提なら、それも一理あるのかもしれません。大家の気まぐれで追い出されたりすれば、入居者の生活は成り立たないですよね。しかし、不動産会社という資本力のある強者が、(相対的に見れば弱者である)オーナーから「一括借り上げ」というかたちでマンションやアパートを「借りる」場合でも、この借地借家法が適用されるわけです。つまり、「家賃保証」のような約束を交わしても、不動産会社は法的な弱者であることを盾に、いざとなれば契約を変更・破棄することができるというわけです。結果的に本当の弱者であるオーナーが苦境に追い込まれる事態になります。これはルール自体に問題があると言わざるをえません。不動産投資をするなら、すべてを人任せにせず、最低限の法律知識を持って自分を守る必要があります。■ マンション経営だってリスクのあるビジネスですしゅんちゃん / PIXTA(ピクスタ)とまあ、いつもに比べてやや殺伐としたテーマで書きましたが、やはり「マンション経営だって、ほかのビジネスと同じでリスクがある」というきわめてあたりまえの結論に行きつきます。うちのように、「親族から引き継いだマンションを」「子どもの頃からよく知っている地元で」「自主管理している」場合でも、それなりの出費や苦労があるわけです。ならば、「ゼロから多額のローンを組んで」「よく知らない土地にマンションを建て」「その経営を人任せにする」ことが、いかに困難でハイリスクなことか容易に想像がつきます。なんとなく「老後の蓄えにマンション経営」なんて考えている方もいるかもしれませんが、ゼロから始める不動産投資には、新しいビジネスを起業するくらいの心構えが必要だと思ったほうがいいでしょう。
2018年10月01日今回は不動産取引における「片手」「両手」というものについてお話したいと思います。不動産取引で業者が客から受け取るお金は、賃貸借、売買いずれの場合も原則として契約締結に持ち込んだ場合の仲介手数料だけです。物件を何件も紹介し、交通費などの経費を使って現地案内を繰り返したお客様でも、他社で契約されてしまえば1円のお金も入ってきません。業界が抱える問題点のすべての根源が、ここにあるように思います。仲介手数料は、賃貸の場合は月額賃料の1か月分、売買の場合は売買代金の3%+6万円と決まっています。売り上げを増やして給料を上げるためにはなるべく金額の大きな物件を決めることがカギとなりますが、もう一つの手段として「両手」をねらうというものもあります。そもそも「両手」「片手」とは一体何のことを差すかご存じでしょうか。■ 売主と買主に別々の仲介会社がつく「片手」取引って?shimanto / PIXTA(ピクスタ)不動産取引において賃貸の場合は貸主と借主、売買の場合は売主と買主という2組の当事者があります。家を売りたい、貸したいと思っている人は自分で客を探すのが難しいため、媒介契約を結んで不動産業者に依頼します。一方、家を買いたい、借りたいと思っている人も不動産業者を訪れて物件を紹介してもらいます。ややこしくなるため、ここから先は売買に限定します(賃貸でも内容は変わりません)。甲さんの依頼を受けたA社が売却活動をした物件をB社が乙さんに紹介し、甲さんと乙さんの間に1,000万円で売買契約が成立したとします。この場合A社は甲さんから、B社は乙さんからそれぞれ36万円の仲介手数料(税抜)を貰います。売主側と買主側の仲介会社が違うこのような取引を「片手」と呼びます。■ 売主と買主の仲介会社が同一の「両手」取引って?ふじよ / PIXTA(ピクスタ)甲さんから売却依頼を受けたA社が、A社で物件探しをしている丙さんに紹介して甲さんと丙さんの間で売買契約が締結されたとします。この場合A社は売主の甲さんと買主の丙さんの両社からそれぞれ36万円の仲介手数料(税抜)を貰うことができ、1件の取引で2倍の売り上げとなります。このような取引を不動産業界では「両手」と呼んでいます。当然のことながら営業はまず両手を狙います。物件を「物上げ」した場合まず自分の客に紹介できないか考え、次いで同じ店の他の営業に紹介可能な顧客を抱えていないか確認します。物件情報をオープンにするのはその後です。■ 「両手」取引はそんなに悪いことなの?maroke / PIXTA(ピクスタ)この両手取引が“評論家”の間で評判が悪く、「不動産業界における悪しき商習慣」の筆頭のようにまで言われています。私が不動産業界に転身した19年前、入社初日に読んだ業界誌で「両手取引では利害関係が異なる売主・買主の双方に対して責任が果たせない」と書かれていたことを今でも覚えています。売主は高く、買主は安く取引したいのが当たり前なので一つの会社で仲介するのは利益相反だと言うのです。両手取引の場合買主と売主の間に1社しか入らないため、買主の値引き要求(「指し値」という)があれば売主がそれを飲まされて損をするというのですが果たしてそうでしょうか。現実の取引では購入申し込み(買付け)が入ると片手であっても両手であっても仲介会社は何としてもその客で決めたいと思います。先ほどの事例でいえば、B社にとっては自社で紹介した物件で決まらなければお金になりませんし、A社にとってはこの申し込みが破談になればそれ以降に別の申し込みが入る保証はなく、それではやはりお金になりません。ですから指し値が無茶な内容でない限り、買い付けが入ればA社は売主を説得しようとします。これはA社の両手取引でも変わりません。売主の側にとっても早い段階で指し値に応じて売ってしまうことにメリットはあります。指し値を断って破談になればその後物件が売れ残る恐れがあり、そうなると値引きか売却中止しかないからです。そもそも売主は指し値が入ってくることを前提にして、相場に少し上乗せして値付けをしているものです。そして買主の希望する金額が納得できなければ断ればいい話です。お互いが意地になって50万円の差額がどうしても埋まらず、両手取引が成立しなかった経験が筆者にはあります。従って、両手取引で誰かが不利になる、という事は実際にはないのです。■ 「両手を狙って物件を囲い込む」というのは本当?ふじよ / PIXTA(ピクスタ)「両手取引を狙うあまり、業者は物件情報を他社に流さず囲い込む」という指摘もよく見ます。囲い込みにより売却が遅れたり、それによる値引きで売主が不利益を被るというものです。両手取引はもちろん効率的ですが、特定の物件に狙ってできるほど客付けというのは簡単なものではありません。物上げした物件をピンポイントで気に入ってくれる客を自分で見つけるのは至難の技で、そんなことをしても買い客を逃すだけです。囲い込んだまま売れずに売却中止になる、あるいは一般媒介に切り替えられて他決するという最悪の事態を考えると、両手取引を狙って物件を囲い込むことにメリットはありません。何より営業マンというものは今月の数字をどうするかということしか考えない人間です。将来どうなるかわからない物件を抱え込むよりは、片手でいいから決めて今月の数字にしたい、と考える方が普通でしょう。あくまでも両手取引を目指す、という会社も中にはあるかもしれません。しかし私がこれまで在籍してきた会社はすべて「片手でいいから決めて、今月の数字を何とかしろ」という方針でした。囲い込みが業界内で常態化しているかのような指摘は、実態から乖離しているといえます。■ 薄っぺらい業界批判に惑わされず、不動産業界を正しく理解してほしいABC / PIXTA(ピクスタ)これまでも書いていますが、不動産というものは金額が高く、売るのが大変だからこそ、買い付けを取るためにあらゆる可能性にかけるのです。そのため他社が物件を内見するのは大歓迎され、予約を入れれば「ありがとうございます!頑張ってください!」と言われます。不動産やマンション管理についてのニュースはこまめに見るようにしていますが、実務について何も知らずに書いていると思われる、薄っぺらな内容の業界批判が多すぎるようです。不動産は契約にならなければお金にならず、それでいて契約を1件まとめるというのは大変だということをお分かりいただきたいと思います。(written by 鶴間 正二郎)
2018年09月27日今回は物件を購入する際の「値下げ交渉」についてお話します。不動産は高額の買い物であるために少しぐらい値切りたいというのは自然な感情ですが、効果的な交渉を行うためには取引の仕組みを知っておく必要があります。中古物件と新築物件では状況がまったく異なってくるため、それぞれのケースについて実体験に基づいてご説明します。■ 「中古物件」の値下げ交渉は常識の範囲内で行うことがポイント売主と買主の間に仲介会社が入る「中古物件」の場合、値下げ交渉は売り主側の仲介会社(物元、元付)と買主側に仲介会社(客付)の間で行われることになります。中間業者による中古物件の「値下げ交渉」についての仕組みをご紹介します。ABC / PIXTA(ピクスタ)値下げ交渉は「買い付け」を書くことが大前提値下げ交渉のタイミングとしては「お気に入りの物件が見つかった時」になりますが、実際の交渉は不動産購入申込書(買い付け)を物元業者に提出することから始まります。Good morning / PIXTA(ピクスタ)中古物件において値下げ交渉をするということは「ここまで価格を下げてくれれば『絶対に』買います」という意思表示であり、そのための証として買い付けは必須で、これを書かなければ物元業者は交渉に応じてくれません。申込書を提出しているのですから、交渉が成立した場合はそのまま契約準備に入らなければなりません。筆者は何回も値下げ交渉を行いましたが、値下げの余地について物元業者に事前に打診しても「買い付けを入れてくれれば、売主と交渉します」としか答えてもらえなかった記憶があります。また自分が物元の物件に問い合わせがあった際も同様の回答をしており、値下げの可否について事前に探りを入れるのは難しいと考えておいた方がいいでしょう。そもそも大幅な値下げはありえないTATSU / PIXTA(ピクスタ)物件探しに際して買主は仲介会社に希望条件を伝え、それに基づいて仲介会社は物件を紹介します。条件の中でも価格は最も重要な要素であるため仲介会社は細心の注意を払って紹介するものであり、大幅な値下げ要求というのはそもそもありえないはずです。そうでないのは仲介会社が買主の希望を無視した物件を紹介したか、買主の欲の皮が張ってしまったかのいずれかで、どちらにしてもあまり感じのいいものではありません。非常識な値下げ要求には仲介会社が応じないfreeangle / PIXTA(ピクスタ)筆者の場合は、950万円の物件に600万円で買い付けを出され、上司から「そんな買い付けを取ってどうするつもりだ」と怒られたことがあります。客はローンではなく現金で買うのだから下げて当然だろうと主張し、こちらが何度説明しても「銀行を通さない綺麗な金だから売主にとってもありがたい話のはずだ」と譲りません。とても売主にはかれるような話ではないため、最終的に担当者の判断で断りを入れました。売主は「指値」が入ることを前提に価格を設定しているfreeangle / PIXTA(ピクスタ)そうはいっても不動産は高い買い物であり、少しくらい値切りたいというのは自然な感情です。実際に買い付けを書く際にも販売価格そのままの金額を書くことは稀で、いくらか減額した金額を記入している事例が大半だったように思います。このように買主が希望した金額を指値(さしね)といいますが、たいていの売主は売却開始に際して指値が入ってくることを前提として価格を設定しているものです。「査定価格としては3,000万円ですが、指値が入ってくることを考えて3,300万円で市場に出しましょう」というような話を筆者は何回もしました。常識の範囲内の「指値」には応じてくれる可能性大xiangtao / PIXTA(ピクスタ)売主は指値が入ることを前提に価格を設定しているのですから、常識的な範囲の価格交渉には応じてくれる可能性は大であり、むしろ指値を入れないのは損であるといってもいいでしょう。どのくらいが常識の範囲内であるかということは仲介会社の営業マンが一番よくわかっています。■ 「新築マンション」の値下げ交渉は状況次第新築物件の場合は中古とは事情が異なってきます。筆者は新築の戸建は扱った経験がないため、マンションの事例についてご説明します。shimanto / PIXTA(ピクスタ)竣工前でモデルルームで販売しているような物件の場合は値下げ要求はまずできませんが、売れ残ってしまった完成物件の場合は交渉の余地があります。売れ残った部屋に関しては売主が区分所有者ということになって管理費や修繕積立金の負担も発生するため、業者は多少値下げしてでも売ってしまわないと負担が大変なことになるのです。特に棟内モデルルームで使用していた部屋や最後の一部屋というような場合は交渉に応じてくれる可能性大であり、積極的に申し入れましょう。Ushico / PIXTA(ピクスタ)この場合は業者の営業担当者と直接交渉することになり買い付けの提出は不要ですが、「下げてくれれば買います」と明確に意思表示すれば相手も応じてくれやすくなります。不動産は金額が大きいため、ちょっとした交渉でまとまった金額を節約することが可能です。しかしここで非常識な態度に出てしまうと信頼関係が損なわれ、交渉そのものが壊れてしまうことになります。値下げ交渉においてはくれぐれも「常識の範囲内」ということを大切にしてください。
2018年09月23日