1990年に宮本亜門演出、麻実れい×白石加代子で上演、2005年には南果歩×原田美枝子によって上演されたイタリア人女性作家、ダーチャ・マライーニ作の舞台「メアリー・ステュアート」。パルコ劇場では、現在放送中の「ゴーストライター」に出演する中谷美紀と舞台女優・神野三鈴を迎えて10年ぶりに上演が決定した。本作は、血なまぐさい宗教戦争と華やかなイギリス・ルネサンス文芸の黄金時代である16世紀に生きたスコットランド女王メアリー・ステュアートと、イングランド女王エリザベス1世という同時代に同じ島の中に生きた2人の女王を描いた作品。フリードリッヒ・シラーの同名作品の翻案として、イタリア人作家のダーチャ・マライーニが女性の視点からこの2人の女王を主人公に描いた戯曲だ。この作品の登場人物はメアリー・ステュアートとその乳母、そしてエリザベスとその侍女の4人だが、演じるのは2人の女優。メアリーを演じる中谷さんはエリザベスの侍女を、そしてエリザベスを演じる神野さんはメアリーの乳母を演じる。中谷さんは、映画・テレビでの活躍はもちろんのこと、フランソワ・ジラール演出「猟銃」(’11)で初舞台にして、紀伊国屋演劇賞個人賞、読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。そして翌年の三谷幸喜演出「ロスト・イン・ヨンカーズ」では、読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞するという2本目の舞台にして頂点に立つという快挙を遂げている。そして今回演じるのは、生後6日目スコットランドの王位を継承し、国や宗教に翻弄されながらも「女」として果敢に生きたメアリー・ステュアート。中谷さん自身、舞台の参加は3度目となる。一方、メアリーと同時代に生き、政治にまつわる男女間の諍いを嫌い、「国家」と結婚をした“ヴァージン・クイーン”エリザベス一世を演じるのは、中谷さんがいま、もっとも共演したかったという神野さん。井上ひさし作品に欠かすことのできない女優として活躍し、三谷幸喜演出「三谷版桜の園」(’12)、栗山民也演出「組曲虐殺」での演技により紀伊国屋演劇賞個人賞を受賞し注目を集めている。実力派女優が繰り広げる2人の女王の物語は見ごたえのある、熱く、そしてスリリングな舞台になること間違いなさそうだ。以下、出演者コメント。■中谷美紀(メアリー・ステュアート/エリザベスの侍女)今回はステージの上にはたった二人だけですから、掛け合いの妙をお客様に楽しんでいただくためには、寸分の隙も許されません。大変な作品と出会ってしまったというのがいまの正直な気持ちです。女王というポジションは、われわれ市井の人間とは異なった特殊なもの。とはいえ、女性が人の上に立つということでいえば、会社を営んだり、あるいは部署を司ったりということで、彼女と同じ立場にいる女性も多いと思います。そしてその中で、自分の意志だけではなにも決められない、という経験のある方も少なくないのでは。そのもどかしさは、メアリーと現代の女性たちが共通して感じる部分だと思っています。メアリーは、人の上に立つ者であるにもかかわらず、感情に流されやすく愚かな部分もあって、そこが魅力的でもある人物です。エリザベスのように冷静で、自制心をもって国を治める人間と異なり、彼女はその場の感情に流されている。その二人の対比を楽しんでいただきたいですし、対照的でありながら、ともに気高い女王たちの物語を全身全霊で演じたいと思っています。■神野三鈴(エリザベス一世/メアリーの乳母)中谷さんと一緒に二人芝居を、という話をいただき、しかもそれが「メアリー・ステュアート」。演劇史に残るような作品を、大好きな女優さんとご一緒できるなんて奇跡のようです。二人だけで、純粋に作品に取り組む環境を作っていただき、演劇を志した頃の夢が叶いました。エリザベスの人生を演じることで、彼女が抱くものを昇華させてあげられたら、それが、私たちすべての女性の中にあるなにかを昇華させることに繋がったらうれしい。そして、女性ならではの苦しみや幸福、葛藤を一緒に感じていただければ。舞台という生身の人間が立つ場で、中谷さんと私が魂でぶつかり合う姿を見届けていただけたら幸せです。舞台「メアリー・ステュアート」は6月13日(土)~7月5日(日)パルコ劇場ほか順次全国公演予定。(text:cinemacafe.net)
2015年01月26日人気ミュージカル『モーツァルト!』で2002年の初演以来、4回にわたり、主役のヴォルフガング・モーツァルト役を務めてきた井上芳雄。5度目の今回が主役として最後の出演となる井上に、現在の心境を聞いた。ミュージカル『モーツァルト!』チケット情報「最後といっても別に引退するわけではないですから(笑)。稽古では冗談で『芳雄先生、ここはどうでしたか?』と聞かれるぐらい僕にとっては居心地のいい作品。でも僕はひとつの場所に留まっているのはあまり良しとしない。15年間の役者人生の中ですべてを教えてくれた役ですが、新しいところに行くためには、何かを手放すことも必要だと思っています」。天才音楽家、モーツァルトの一生を青年ヴォルフガングと、彼の才能をつかさどる分身アマデのふたりで表現する。ヴォルフガングの父親との確執や、作曲家としての苦悩を力強い楽曲で描いた力作だ。「初演では、僕は経験も少ないし、ヴォルフガングみたいに激しい人生でもない、分からないことだらけで、なかなか彼に共感できなかった。でも今は、天才ではないけれど、表現者の苦しみは分かりますし、何か運命に導かれてここまでやってこられたと思う。それに、人生が思い通りにいかなかったり、良かれと思ってやったことが裏目に出たり、現状と戦うことは多い。前よりも、今はずっと彼に共感できますね」。井上も35歳で亡くなったモーツァルトと同じ年を迎えた。「モーツァルトは神に愛された人で幸福だけど、同じ分だけの不幸もあったはず。その振れ幅が激しいだけで、結局は凡人である僕たちの人生と変わらないかもと思うんです」初演からモーツァルトの父、レオポルトを演じ、病気で療養していた市村正親が本作で復帰するのも注目だ。「以前よりお元気です。市村さんのすごいところは心のありようと若さ、そのエネルギーですね。『モーツァルト!』でオファーがきたとき、父親役ではなく、ヴォルフガング役と思っていらっしゃったぐらいですから(笑)。今回で辞めると言った僕には、またリターンしろと言って下さっています(笑)」今やミュージカルは井上にとって「運命の相手と結婚しているようなもの」だという。「別れ話も出ていないですし、結婚生活は順調です(笑)。でも、子供ができて、親も年を取り役割が大きくなった。法事を取り仕切る長男の感じですね(笑)」。その結婚相手との幸福な時間をじっくりと見届けたい。ミュージカル 『モーツァルト!』は1月15日(木)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演中。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2015年01月07日“ミュージカル界のプリンス”と称され、その歌声に定評のある俳優・井上芳雄が『アナと雪の女王』の「Let It Go」など、ディズニーの名曲をカバーしたアルバム『井上芳雄・ミーツ・ディズニー ~プラウド・オブ・ユア・ボーイ~』を発売した。それを記念し、2月18日(水)に一夜限りのコンサート「YOSHIO INOUE sings Disney ~One Night Dream!」を開催する。本公演にかける思いを井上が語った。「YOSHIO INOUE sings Disney ~One Night Dream!」の公演情報本アルバムは、井上が自身の好きな曲を中心に選曲。普通のカバー曲集ではなく「ひとつの物語が感じられるような内容にしようと思い、作った」という。2部構成となるコンサートの第1部では、それをいかしストーリー仕立てで贈る。「最初はCDだけの話でしたが、その物語を舞台上で、生のお客さまの前でやれるのは、さらに面白いと思いました。CDにはブックレットが付いていて、曲と曲の間にちょっとした台詞が挟み込まれています。その台詞を自分で声に出して読んで、お客さまに届けたい」。第2部では、スペシャルゲストとして坂本真綾を招く。「デュエットはもちろんありますが、真綾さんの声でこの曲を聞きたいと僕からリクエストしているものもあるんです」。さらに「ディズニーは、舞台のミュージカルもたくさん作っているので、その魅力もお届けできればと思っています。『美女と野獣』にしても『アラジン』にしても、アニメには入っていないけれど舞台版にはあるナンバーも結構多い。あとは『アイーダ』のようにアニメにはないミュージカルも存在するので、いわゆる映画のディズニーファンの方も知らないかもしれない曲も聞いていただけるんじゃないかな」と意欲を燃やす。もともと新譜が出るたびに「日本版が出る前に、輸入盤を買っちゃいます。どんな音楽で、どんな作曲家で、どんな人が歌ってるんだろうとすごい気になります」というディズニーミュージカルのファン。その魅力を「独特の高揚感、幸福感みたいなものがありますよね」と分析する。「夢と魔法の世界を作って、それを守っていくには本当に努力が必要なんだと思います。ここまで徹底して作るからお客さまが入り込んで、こんなにも熱狂するんだということがすごくよくわかって勉強になりました」「ディズニーの力を借りて、タイトルどおり、一夜限りの夢ではありますが、できるだけ極上の夢を見られるような時間にしたいなと思っています」と井上。壮大なファンタジーの世界を、歌を中心に舞台でどう表現していくのか、期待が膨らむ。公演は2月18日(水)に東京国際フォーラム ホールAで上演。
2015年01月05日2015年1月30日から代官山「ギャラリー スピーク フォー(GALLERY SPEAK FOR)」で、イラストレーター ヒラノトシユキの個展「once upon a time」が開催される。2月11日まで。本展では、「昔々…」を意味するタイトルで、ヒラノの創作の歩みと、新しく始まりそうな表現活動を示唆。新作を中心にアーカイブから自薦するアクリル画、ドローイング、最近手掛け始めた立体的な奥行きのある絵のシリーズなど、約50点を展示・販売する。また本展のために制作されたオリジナル作品集、手ぬぐいなどの雑貨、関連商品も合わせて紹介・販売。1月30日18時半から19時まで、本人によるギャラリートークを開催。ヒラノトシユキは1984年生まれ。学生時代から各種のコンペに入賞。2009年以降、井上ひさし、池澤夏樹などの本の装画、『ウオモ(UOMO)』などの雑誌・広告のイラストレーションを幅広く手掛け、高く評価されている。【イベント情報】once upon a time会場:ギャラリー スピーク フォー住所:東京都渋谷区猿楽町28-2スピークフォー2階会期:2015年1月30日から2月11日時間:11:00から19:00(最終日は18:00まで)休廊日:木曜日、12月28日から1月5日
2014年12月25日名匠・山田洋次監督が12月17日に都内で会見を行い、最新作『母と暮せば』の製作を発表した。公開は2015年12月12月(土)。故井上ひさしさんが長崎を舞台に「最後に書きたい」と強く願っていた“遺志”を山田監督が引き継ぐ形で、脚本を執筆し、吉永小百合と二宮和也が親子役で初共演を果たす。その他の写真先日、約20年ぶりとなる本格喜劇『家族はつらいよ』(2016年公開)がクランクアップしたばかりの山田監督が、さらなる新作に着手する。1948年8月9日、長崎で助産婦として暮らす伸子(吉永)の前に、3年前に原爆で亡くしたはずの息子・浩二(二宮)がひょっこり現れるという山田監督にとって、初のファンタジー作品だ。山田監督は「この歳になって、こういう作品にめぐり合えるのは幸運であり、運命さえ感じている」といい、「生涯で一番大切な作品をつくろうという思い。戦後70年という節目に、いまのうちに語り継がなければいけない当時の様子をきちんと知ってもらわなければ、井上さん、そして長崎の皆さんに申し訳ない」と来年の春に控えるクランクインに、静かな闘志を燃やした。会見には山田監督、吉永と二宮、そして浩二の恋人・町子を演じる黒木華が出席。山田作品は『おとうと』(2010年)以来となる吉永は、「また“山田学校”に帰ってこられて、とてもとてもうれしい。全国の二宮さんファンににらまれないよう、すてきな親子になれれば。心踊っています」と抱負を語った。一方、山田組に初めて参加する二宮は「すごく緊張しています」とあいさつし、「今までの映画とは、一味違う。監督に呼ばれた意味を、自分なりに問い詰めながら、いろんなものを吸収したい」。吉永の発言を受けて「僕も吉永さんファンににらまれないようにしないと」と笑いを誘った。また、山田監督の『小さいおうち』で第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞を手にした黒木は、「素晴らしい経験をさせていただき、またこうして呼んでいただき、光栄。本当に幸せ者です」と感無量の面持ちだった。『母と暮せば』2015年12月12日(土)から全国公開取材・文・写真:内田 涼
2014年12月17日日本を代表する名匠・山田洋次監督が12月17日(水)、都内で会見を行い、最新作『母と暮せば』の製作を発表した。故・井上ひさしの遺志を継ぎ、山田監督が脚本を執筆。公開は2015年12月12日で、吉永小百合と二宮和也が親子役で初共演を果たす。山田監督といえば、先日、約20年ぶりとなる本格喜劇『家族はつらいよ』(公開:2016年)がクランクアップしたばかり。早くも新たな作品に挑む『母と暮せば』は、1948年8月9日、長崎で助産婦として暮らす伸子(吉永さん)の目の前に、3年前に原爆で亡くなった息子の浩二(二宮さん)が“ひょっこり”姿を現すという、山田監督が初めて手がける心温まるファンタジーだ。「この歳になって、こういう作品にめぐり合えるのは幸運。運命さえ感じる。生涯で一番大切な作品を作ろうという気持ち」と来年春のクランクインを前に、意欲を燃やす山田監督。来年は終戦70周年の節目であり、「これも不思議なめぐり合わせ。いまのうちに語り継がないといけないテーマだし、その分きちんと当時を知ってもらわなければ、井上さん、そして長崎の人々に申し訳ない」と神妙な面持ちだった。会見には山田監督に加えて、吉永さんと二宮さん、そして浩二の恋人・町子を演じる黒木華が出席した。「また“山田学校”に帰ってこられて、とてもとても嬉しい。全国の二宮さんファンににらまれないよう、素敵な親子を演じられれば。いまから心が踊っております」と吉永さん。本作は119本目の映画出演となる。一方、山田組に初参加し、吉永さんと初共演する二宮さんは「とても緊張しています…とても緊張しています」と文字通り、緊張の挨拶!「監督に呼んでいただいた意味を、自分なりに問い詰めながら、いろんなものを吸収できれば。いままでの映画出演とは一味違う。それに吉永さんファンににらまれないようにしないと」と背筋を伸ばした。黒木さんは、山田監督の『小さいおうち』で第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞し、「素晴らしい体験をさせていただいた」。念願の再タッグに「私にとって、山田監督はお父さんのような存在。本当に幸せだなと思う」としみじみ語っていた。<山田洋次監督からのメッセージ>井上ひさしさんの名曲戯曲『父と暮せば』はすでに黒木和雄監督によって映画化されていて日本人にはよく知られています。井上さんはヒロシマをテーマにしたこの作品の外に、ナガサキと沖縄をテーマにした「戦後命の三部作」とも云うべき三作品を作り上げることを晩年の課題とされていました。その遺志を引き継いで、沖縄について彼が残した構想と資料を基にして蓬菜竜太さんが劇化し、『木の下の軍隊』というタイトルですでにこまつ座によって上演されました。残るナガサキについては『母と暮せば』というタイトルだけは決まっていました。そして井上さんの果たせなかった遺志を継いでこのタイトルでナガサキをテーマにした映画を製作したいという思いを(三女の)井上麻矢さんがかねがね持っておられたのを知り、ぼくは進んでその仕事をお受けすることにしたのです。原爆で死んだ愛する肉親が亡霊になってこの世に現れるというシチュエイションを含め、『父と暮せば』という素晴らしいモデルをお手本にして泉下の井上さんと語り合うような思いで脚本を書き上げました。井上作品独特のユーモアと暖かい涙を引き継いだ作品を、敗戦70周年となる2015年に公開することを意義深く感じています。山田洋次『母と暮せば』は2015年12月12日より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月17日大泉洋が主演し、戸田恵梨香、満島ひかりがヒロインを務める映画『駆込み女と駆出し男』のティザーポスターとチラシが初公開された。本作は、井上ひさしの時代小説『東慶寺花だより』を原案に、江戸時代の離婚事情を描く人情エンタテインメント作品だ。その他の写真映画は、江戸時代の駆込寺である東慶寺を舞台に、離縁を願う女たちの手助けをする医者見習いでありながら駆出しの戯作者でもある男(大泉)と、さまざまな事情を抱えて寺に駆込んでくる女たちの織り成す人間模様を描く時代劇。『クライマーズ・ハイ』『わが母の記』の原田眞人監督が手がけ、大泉のほか、樹木希林、堤真一、山崎努ら豪華キャストが出演する。このほど公開されたポスターは、戸田演じるじょごと、満島演じるお吟が切羽詰まった様子で、東慶寺に“駆込み”しようとしている姿を捉えたもので、そんなふたりに驚いている信次郎(大泉)の姿も描かれている。また、チラシの裏には、現代の2倍あったといわれる江戸時代の離婚についてのトリビアが劇中写真とともに紹介されている。『駆込み女と駆出し男』2015年5月16日(土) 全国ロードショー
2014年12月17日「日の名残り」「わたしを離さないで」で世界的に著名な英国の作家、カズオ・イシグロの自身初となる短編集「夜想曲集」が世界初舞台化されることが決定。この度、『桐島、部活やめるってよ』から一気に注目を集め、主演作が相次ぐ最旬俳優・東出昌大が本作で舞台デビューを果たすことが明らかになった。「ブッカー賞」に輝いたイシグロ氏の初短編集に収められている5編は、どれもが独立した作品としての完成度、面白さを持ちつつも、テーマと状況はつながっていて全体で一つの世界を形成している。この5編の中から、「老歌手」「夜想曲」「チェリスト」の3編を選び、一つの戯曲として“井上ひさし最後の弟子”と言われ、確かな筆の力で注目を集める劇作家・長田育恵が再構築。2度の読売演劇大賞優秀演出家賞に輝く新進気鋭の演出家・小川絵梨子が人生の夕暮れに直面し心揺らす人々を切なくユーモラスに描いていく。主演に抜擢されたのは、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」や、『アオハライド』『寄生獣』など今年最も活躍したといっても過言ではない東出昌大。本作が初舞台という東出さんの演技に注目が集まる。東出さんの脇を固めるキャストには、小川演出作2作目となる安田成美を始め、近藤芳正、長谷川寧、中嶋しゅうなど演技俳優陣が集結している。舞台「夜想曲集」は2015年5月11日(月)より天王洲 銀河劇場にて公演予定。(text:cinemacafe.net)
2014年12月03日大泉洋、戸田恵梨香、満島ひかりが出演する『駆込み女と駆出し男』の特報映像と場面写真が公開になった。本作は江戸時代を舞台に、駆け出しの医者で戯作者見習いの男と、さまざまな事情を抱えて寺に駆込んでくる女たちの姿を描いたエンターテインメント作品だ。その他の写真本作は故・井上ひさしの小説『東慶寺花だより』を原案に、『クライマーズ・ハイ』『わが母の記』の原田眞人監督が初めて時代劇に挑んだ作品。舞台は幕府公認の駆け込み寺・東慶寺。そこは離縁を求める女たちにとって“最後の砦”だが、寺に駆け込むためにはその手前の御用宿と呼ばれるところで聞き込み調査が行われていた。映画は、御用宿の主人、源兵衛と共に駆け込み女の人生の再出発を手伝うことになった中村信次郎(大泉)と女たちの悲喜こもごもを描いており、戸田は顔にやけどの痣を持つ鉄練りの達人・じょごを、満島は惚れた男のもとをなぜか離れて寺に駆け込んできた女・お吟を演じる。このほど公開された特報は、女たちが寺を目指して一心不乱に駆け込んでくる迫力のあるシーンから始まり、大泉、戸田、満島をはじめ、樹木希林、堤真一、山崎努ら豪華キャストの出演シーンが登場。細部の演出や美術にまで徹底的にこだわる原田監督らしく、美しい紅葉やしっかりと作りこまれた東慶寺の門前の風景も楽しむことができる。『駆込み女と駆出し男』2015年5月16日(土) 全国ロードショー
2014年11月19日大泉洋が駆出しの医者でありながら戯作者に憧れる、“どっちつかず”の主人公を演じ、夫との離縁を願う“駆込み女”たちのために奮闘する、人情エンタテインメント『駆込み女と駆出し男』。このたび、初披露となる特報映像と場面写真が解禁された。本作の舞台は、現代のおよそ2倍の離婚率があったという江戸時代、女性たちが夫との離縁を求め最後の望みを託して駆込む、鎌倉にある幕府公認の縁切寺・東慶寺。医者見習いの主人公・中村信次郎(大泉洋)は江戸を追われ、離婚の聞き取り調査を行う場である“御用宿”に居候の身だ。宿の主・源兵衛とともに、放蕩三昧の亭主に愛想をつかした女・じょご(戸田恵梨香)、惚れぬいた男の元から何故か離れてきたお吟(満島ひかり)といった駆込み女たちの、人生のリセットを手伝うことになる。今回の特報映像では、そんな“駆込み女”の戸田さん、満島さんと、“駆出し男”の大泉さんが登場するのはもちろんのこと、樹木希林、堤真一、山崎努など、日本を代表する名優たちの姿も続々とお披露目。大泉さんが彼女たちを何とか助けようと大奮闘を見せており、コミカルでありながら優しさに満ちた映像となっている。また、初公開となった場面写真には、大泉さん演じる信次郎の凛々しい(?)姿や、医者見習いだけに、顔に火傷を負った戸田さん演じるじょごを手当する姿も。また、満島さん演じるお吟がじょごを大八車に乗せ、大急ぎで駆込み寺へと向かう緊迫した様子も見て取れる。本作は、国民的作家・井上ひさしが、晩年の11年もの歳月をかけ紡いだ小説「東慶寺花だより」を原案に、『クライマーズ・ハイ』『わが母の記』で知られる原田眞人監督が手掛けた初の時代劇という点でも注目を集めている。様々な事情を抱え縁切寺に集まる女たちと、それを取り巻く男たちの姿を温かく描く本作。果たして、信次郎は首尾よく男と女のもつれた愛の糸を解き、“ワケあり”女たちの新しい出発を手助けすることができるのか?そして、信次郎が恋心を抱く“駆込み女”とは?今後の続報にも期待が高まるところだ。『駆込み女と駆出し男』は2015年5月16日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年11月19日「イノブータン王国」に「カシオペア連邦」……そんなユニークな名前の国がどこにあるのかといえば、わが日本だ。実は、昭和の時代に地域振興や自然保護を目指して"建国"された団体なのだが、近年はその数も減少傾向にある。しかし、まだまだ頑張っている"独立国"だってあるのだ。○「ミニ独立国オリンピック」も開催そもそも"ミニ独立国"のほとんどは、地方自治体や商工会・観光協会などによって運営されている。とりわけ街を活気づけるお祭りなどのイベントにおいては、"王国色"を強く打ち出していることが多い。その第1号は、昭和52年(1977)に誕生した大分県宇佐市の「新邪馬台国」。そして昭和56年(1981)には、東北の小さな村が突然日本からの独立を宣言するという井上ひさしさんの小説『吉里吉里人』(新潮社)が大ヒットし、翌57年(1982)には岩手県大槌町に実際に「吉里吉里国」が誕生した。これら2つの出来事が、昭和の時代に"ミニ独立国"ブームを巻き起こしたきっかけとなる。一時は100を超える"ミニ国家"が日本国内に分立し、昭和61年(1986)には「ミニ独立国オリンピック」が「銀杏連邦」(東京都八王子市)で開かれたほどである。しかし、昭和から平成へと時代が移り変わるなかで、多くの"ミニ独立国"は衰退・消滅していった。「町おこしのきっかけとなれば」と創建される"国"は多いが、結果的にその多くが、地方の活力衰退という現実を乗り越えられず、衰亡への道をたどってしまったのである。新邪馬台国も銀杏連邦も今はない。吉里吉里国はいったん消滅したが、現在は森を復活させるという、自然保護運動を行う特定非営利法人として大槌町に甦っている。○年間数千万円の経済効果を生んだ"国家"国家衰亡が相次いだ"ミニ独立国"だが、少ないながらも現存する"ミニ独立国"もある。和歌山県すさみ町の「イノブータン王国」がその代表格である。イノブータン王国は、今年で建国29年を迎えた一種の"パロディ国家"だが、その国家の性格を王国枢密院(すさみ町商工会)の君嶋栄作さんは、次のように説明してくれた。「イノブータン王国はテーマパーク的なものではなく、すさみ町全域がイノブータン王国と考えてください。例えば、イノブータン王国夏祭りはすさみ町夏祭りに、イノブータン王国運動会は町民運動会に置換できます」。言ってみれば、イノブータン王国はすさみ町そのものの別称だということだ。「すさみ町は他の過疎地域と同様に、少子高齢化、限界集落の増加、若者の域外流出が著しく、昭和35年(1960)に1万人を超えていた人口が現在は4,000人弱にまで減っています。そのような状況の打開作となればとの想いから建国に至りました」と君嶋さんは話す。そんなイノブータン王国がこれまでどんなことを行ってきたのか、"王国"の主要な活動をいくつか紹介してみよう。(1)イノブタダービーと朝市毎年5月3日には王国建国祭とイノブタダービーが開催され、近畿と中部圏から1万人を超える集客がある。ちなみに王国の名になっているイノブタとは、和歌山県畜産試験場で開発されたイノシシとブタの混血種であり、その肉は絶品! 過去には精肉部門・加工品部門でプレミア和歌山の認定を受けたほか、キリンビールの「ニッポンのうまい!」では飛騨牛や山口のフグを抜いて全国ランキング1位に輝いたこともあるそうだ。(2)SSFTビルフィッシュトーナメント「マナーで守ろう太平洋」をスローガンに、全国から100チームが参加して競う日本一のカジキ釣り大会。同時期にはジギング・キャスティングの大会「オフショアトーナメント」も行われている。(3)すさみ町レディースフィッシング大会アオリカップ女性だけのアオリイカのエギング大会。(4)和歌山バリアフリーまつりinすさみ数百人の障害者の方にブルーツーリズム(海辺に滞在して余暇を楽しむ生活体験)を楽しんでもらう。これら事業で、すさみ町=イノブータン王国は数千万円の経済効果を上げているという。そのほか、ギネスに認定された海の中の郵便ポスト「海中ポスト」、スルメをハガキにした「するめーる」(漁協の販売)など、見た目にもユニークな取り組みも行っている。○「カシオペア」という美しい国名を力に西日本のミニ独立国の代表がイノブータン王国なら、北日本の代表としては岩手県の「カシオペア連邦」をあげたい。カシオペア連邦とは、岩手県北の二戸市、一戸町、浄法寺町、軽米町、九戸村の5市町村による広域連邦。地図上で5市町村を結ぶと、北の夜空に輝くカシオペア座とよく似ていることから連邦名にカシオペアの星座名が使われた。この地域は人口減少のほか、他地域との経済格差などの問題を抱え、暗い・寂しいといったマイナスのイメージを免れなかった。これを払拭して、明るい、美しい、ロマンチックな地域イメージ作りを行うために、県の二戸地方振興局が中心となってカシオペア連邦を建国したのである。平成4年(1992)にカシオペア連邦が誕生した後は、カシオペアの名を冠したグループが相次ぎ誕生し、ゆるやかな運動体として地域住民主体の活動が行われている。地域づくり若者グループ「カシオペアアカデミー」が創作劇を上演するほか、5市町村を回る「カシオペアラリー」や「まちづくりアイデア・コンペ」を実施。ミニFM局「カシオペアFM」もあれば、「カシオペア連邦農業振興PMJ基金プロジェクト」という、農と福祉の連携や産地育成のチャレンジをサポートする事業も進行中である。極めつけは、「カシオペア連邦局おもてなし課長」プロジェクト。この地域には目立った観光地は少ないが、歴史・文化や食などに個性的な地域資源が多い。特産の雑穀を用いた「そばかっけ」や「麦かっけ」(かっけとは麺の一種)、たかきび粉、もちあわ粉、いなきび粉などで作る「へっちょこだんご」などがその代表的なものである。こうした地域の資源を発信していく地域住民13人が「おもてなし課長」となって、日常生活を通じて地域の魅力を訴求していく活動を担っている。カシオペア連邦という新たな名称は、空に輝く星のように、過疎などに悩む地域の住民にとっての輝かしい光となり、大きな勇気と元気を与えているようだ。"国家"という名の町おこしの活動は、なにもイノブータン王国やカシオペア連邦だけではない。実はあなたの隣町にも"国家"が存在しているかもしれない。地域の魅力を知るひとつとして、ぜひ国内にある"国家"にも注目していただきたい。
2014年11月04日10月4日、金沢21世紀美術館 市民ギャラリーAにて「特別展 ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」がスタート。初日の開場式には井上雄彦も登場し、自らの手でテープカットを行った。「特別展 ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」は、7月から約2か月にわたり東京・森アーツセンターギャラリーで開催され、その斬新な内容が好評を博した展示会だ。19世紀末~20世紀初頭のスペインで活躍した建築家アントニ・ガウディと、現代日本を代表する漫画家である井上雄彦。時代も、国も、バックボーンも違うふたりを組み合わせる、いまだかつてないアイデアが大きな話題となった。金沢展は東京展に続いての2会場目。実物を含む資料約100件、井上による描きおろし作品約40点と、基本的な作品数は同じだが、ギャラリーの規模や環境に合わせ井上自身が若干のアレンジを加えている。展示レイアウトはもちろんのこと、作品と作品の間にある白壁に注訳やイラストを加筆。こちらは金沢展オリジナルの内容も含まれる。井上雄彦という稀代の漫画家を組み合わせることで、アントニ・ガウディの創作の原点にまで光を当てることに成功した本展。展示会の今後も感じる「特別展 ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」は、11月5日(水)まで金沢21世紀美術館 市民ギャラリーAにて開催される。ぴあ中部版WEBでは、井上雄彦へのインタビューを含めた初日レポートが掲載中なので、こちらもチェックしてみよう。■「特別展 ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」会期:開催中 ~ 11月5日(水)10:00~18:00会場:金沢21世紀美術館 市民ギャラリーA料金:前売券/大人-1,100円・中高生-800円・小学生-600円※入館は閉館の30分前まで。会期中無休。未就学児童無料。
2014年10月16日咽頭がん治療のため4月から演奏活動を休止していた指揮者の井上道義が、10月2日、活動復帰記者会見を東京芸術劇場で行った。「井上道義」の公演情報「今はまるで生まれ変わったような気持ち」と語る井上道義。闘病中は喉の痛みや咳、不眠などとても音楽を聴く心境ではなかったという。「本当に辛いときは音楽は全然助けにならない。それよりもどうしたら咳が止むか、眠れるのか必死だった」と過酷な闘病生活を打ち明けた。「この場に戻ってこられたのは、たくさんの人たちの温かい応援があったから」と、オーケストラやファン、友人から贈られた千羽鶴や寄せ書きを紹介。「どう生きていくか。改めて自分の使命について考えさせられた。これからはひとつひとつをもっと大切に考えたい」と真剣な面持ちで語った。治療の経過は順調で、7月の退院後はリハビリテーションに努めている井上道義。復帰後初の公演は、10月11日(土)に鎌倉芸術館でNHK交響楽団、ヴァイオリニストの前橋汀子と共演する。また、今後は「大きな生きがい」と語る新曲の創作活動に加え、演出家・野田秀樹と共に手がけるオペラ『フィガロの結婚』(2015年に10都市13公演を予定)の準備にも取り組むという。<井上道義 今後の公演スケジュール>■NHK交響楽団 井上道義×鎌倉芸術館「いざ、鎌倉への道」Vol.410月11日(土) 鎌倉芸術館 大ホール(神奈川県)■上田市交流文化芸術センター開館記念事業 NHK交響楽団上田公演10月12日(日) 上田市交流文化芸術センター 大ホール(長野県)■大阪フィルハーモニー交響楽団 第482回定期演奏会10月23日(木)・24日(金) フェスティバルホール(大阪府)■佐倉市民音楽ホール会館 30周年記念 東京交響楽団演奏会11月3日(月・祝) 佐倉市民音楽ホール■大阪フィルハーモニー交響楽団 マチネ・シンフォニーVol.1211月13日(木) ザ・シンフォニーホール(大阪府)■オーケストラ・アンサンブル金沢 ファンタスティック・クラシカルコンサート11月23日(日・祝) 石川県立音楽堂 コンサートホール(石川県)■新日本フィルハーモニー交響楽団 埼玉会館公演11月29日(土) 埼玉会館 大ホール(埼玉県)
2014年10月03日原田眞人監督が大泉洋を主演に迎えた初の時代劇『駆込み女と駆出し男』に樹木希林、堤真一、山崎努ら豪華キャストが出演することが発表になった。故・井上ひさしの時代小説『東慶寺花だより』を映画化した作品で、戸田恵梨香と、満島ひかりがヒロイン役を演じる。その他の情報本作は離縁を求める女たちの最後の砦、江戸時代の駆込寺・東慶寺を舞台に、駆込寺に入る前の聞き取り調査を行う“御用宿”の居候・中村信次郎と、訳あり女たちが織り成す人情ドラマを描いた作品。駆け出しの医者でありながら戯作者志望というどっちつかずの信次郎を大泉が、放蕩三昧の亭主に愛想をつかした女・じょごを戸田が、唐物問屋主人の妾でなぜか惚れ込んだ男の元から離れて来る女・お吟を満島が演じる。『クライマーズ・ハイ』や『わが母の記』など、俳優たちの重厚な演技をじっくりと堪能できる作品を多く手がけてきた原田監督の新作だけに、映画界、演劇界で活躍する実力派キャストがズラリと顔を揃えた。『わが母の記』に続いて原田作品に出演する樹木が演じるのは、信次郎と共に聞き取り調査を行う御用宿・柏屋の主人、源兵衛。堤は満島演じるお吟を妾に持つ日本橋唐物問屋、堀切屋三郎衛門を、山崎は『南総里見八犬伝』を記した江戸時代の戯作者、曲亭馬琴を演じる。そのほかにも、武田真治、内山理名、木場勝己、キムラ緑子、陽月華、神野三鈴、北村有起哉、橋本じゅんらが出演。撮影は今年4月に終了しており、来年5月16日(土)から全国公開になる。『駆込み女と駆出し男』2015年5月16日(土) 全国ロードショー
2014年09月27日いま引く手あまたの人気俳優・大泉洋を主演に迎え、気鋭監督・原田眞人が井上ひさしの時代小説を元に映画化した『駆込み女と駆出し男』の劇場公開日が、2015年5月16日(土)に決定。併せて、大泉さん、戸田恵梨香、満島ひかりに続く超強力キャストの面々も発表され、樹木希林、堤真一、内山理名、山崎努、武田真治、キムラ緑子ほか日本映画界・演劇界を代表する名優たちが勢揃いしていることが明らかとなった。江戸時代――時は老中・水野忠邦による“質素倹約”の天保の改革真っ直中。鎌倉に建つ東慶寺は、幕府公認の駆込み寺(縁切寺)として離縁を求める女たちの最後の砦。だが、女たちは駆込み後、御用宿にて聞き取り調査をし、夫を呼び出した上で離婚の意志(三行半を書くか否か)を確認。夫が三行半を書かない場合に東慶寺へ入山し、2年の修行を経て、晴れて離婚成立、という過程を経なければならなかった。戯作者に憧れる医者見習いで、御用宿・柏屋の居候である信次郎(大泉さん)は、男のような名前を持つ柏屋の女主人、源兵衛(樹木希林)とともに男と女のもつれた愛の糸を解き、訳あり女たちの人生の新たな出発を手助けすることに…。本作は、離婚率は現代の2倍といわれる江戸時代の駆込寺を舞台に、見習いの医者兼駆け出しの戯作者の男が“離縁調整人”となり、さまざまな事情を抱えて駆込んでくる女たちが織り成す人情エンタテインメント。作家・井上ひさしが11年かけて紡いだ時代小説「東慶寺花だより」を元に原田監督が映画化し、当時の男女の“離縁”事情だけでなく、江戸の風俗や文化もふんだんに盛り込んでいるという。離縁調停を行う御用宿・柏屋の女主人となる樹木さんは、役所広司主演の原田作品『わが母の記』に続く出演。「南総里見八犬伝」を記した当時の戯作者、曲亭馬琴には山崎努。また、満島さん演じる“駆込み女”・お吟を妾に持つ日本橋の唐物問屋、堀切屋三郎衛門に堤真一。さらに、前夫をゴロツキ侍に殺され、乱暴の後に無理やり妻にされた壮絶な過去を持つ“駆込み女”に、原田作品初出演となる内山理名。柏屋の番頭・利平に木場勝己、その妻・お勝にキムラ緑子、縁切寺の東慶寺の院代・法秀尼には、元宝塚宙組トップ娘役の陽月華、もうひとりの駆込み女に神野三鈴、水野忠邦の腹心・鳥居耀蔵に北村有起哉、ヤクザの親分に橋本じゅん。そして、戸田さん扮する、顔にヤケドの跡がある駆込み女・じょごのDV夫・重蔵を武田真治が演じている。原田監督は、この第2弾豪華キャストの各々についてコメントを寄せてくれている。「樹木希林さんには三代目柏屋源兵衛という仰々しい男の名前を持つ女傑をお願いしました。『赤ひげ』でぼくがもっとも好きなエピソードに出ていた山崎努さんには、戯作の神様をお願いしました。堤真一さんは盟友であり、名優です。江戸の光と影を背負った儲け役を楽しんでもらいました。内山理名さんは、文字通り体を張った熱演で、一皮むけたのではないかと思っています。この映画で原田作品に4作品連続登板となるキムラ緑子さんとは、深く愛し合っているので、次も、その次も出演をお願いするつもりです。武田真治さんは、江戸時代のDV男がぴったりでした。本人は心やさしすぎて大変だったろうと思います。陽月華さんは、法秀尼役は彼女しかいない、と脚本段階でイメージしていました。美しい以上に剽軽で思い切りの良さがある人です。神野三鈴さんは、一緒に仕事をするのが本当に愉しい超演技派です。ハチミツ浣腸のシーンがあるのですが、その場では死ぬほど笑って苦しかった。北村有起哉さんは素晴らしい俳優で、英国演劇界の重鎮と拮抗できる名優になる人だと思います。そして、橋本じゅんさんは、「原作を読んだとき近江屋三八は彼の為に書かれた役だと思いました。大泉洋さんが演じる信次郎とのトークバトルは映画史に残る名場面だと思っています。演ずる気迫に心を打たれました」。監督自身も太鼓判を押すキャストたちの化学反応に期待感が高まる。『駆込み女と駆出し男』は2015年5月16日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年09月27日フランス映画の傑作を舞台化したミュージカル『シェルブールの雨傘』が、9月開幕した。2009年公演で主演を担った井上芳雄が、新たなヒロインに野々すみ花を迎えて挑む再演である。ミシェル・ルグランの音楽に乗せて歌声で全編を綴っていく名作について、井上が抱いた印象は「何度も繰り返し観たくなる、独特な色合い、湿度のようなものを持った作品」。ドラマチックな悲恋物語に5年ぶりに向き合う、今の心境を聞いた。ミュージカル『シェルブールの雨傘』チケット情報「前回はちょうど井上ひさしさんの音楽劇を経験した後で、芝居に関して多くのものを得たと感じていた時期でした。セリフも歌も、ただきれいな声を出せばいいだけじゃない。音楽ももっと自由でいいんだと気づいた後に、この『シェルブール~』に出会った。やっとセリフの面白さを感じ始めたのに、歌だけで物語を進めていくなんて…。自分が興奮して学んだことをどう生かせばいいんだ!という葛藤はありましたね。なので、叫ぶように歌ってみたり、語尾をセリフのようにしたり、いろいろ試しながら取り組んでいたと思います。全編が歌という特殊な形をしているぶん、“自分が音楽を導き出している”くらいの意識でやるのが理想かな。自分の感情の動きに合わせて音が出てくるような感覚で表現していければと思います」主人公の青年ギイは恋人のジュヌヴィエーヴと深く愛し合いながらも、戦地へと向かう。離ればなれになっていた2年の月日が、ふたりの運命を狂わせて……。幸せの絶頂にいるオープニングから、別れの悲しさ、その後の苦悩と決断など、ギイの感情の流れについて井上は「普通の男性の素直な反応として理解しやすかった」と振り返る。ただ一か所、ギイの選択に“自分ならどうするだろう…!?”と迷いが生じたのが、哀切ただようラストシーンだった。「一番最後こそがこの作品の核になっていて、観客の皆さんの心を震わせるシーンだと思いますね。でもどちらかが悪いのではなく、ふたりとも、一生懸命に生きた結果だと感じてもらえるように演じたい」前回公演からの5年の月日の中で、演技に対する意識が大きく変化し、今はそれが一巡してもとに戻ったところだそうだ。つまり、芝居をパートナーに例えると…。「最初はうまくいかなかったけど、そのうちうまくいき出して、やっぱり僕たち相思相愛だった、みたいな(笑)。でもちょっと待てよ、ホントにそう思っていいのか!?まだまだこの人のことを本当にわかってないぞ…と思い始めたのが今なんですよね。永遠にこの繰り返しかもしれないけど。だから今回の舞台も、もがき苦しむんじゃないかな」さらに井上は「もがきたい、と思う」と言葉を重ねた。前回以上に生々しい吐息をもらすギイの姿を期待せずにはいられない。「自分自身の思いが絶対にどこかに重なる、普遍的な物語です。ぜひ心を重ねに来ていただければと思います」東京公演はすでに終了。9月27日(土)から29日(月)まで大阪・サンケイホールブリーゼ、10月3日(金)から5日(日)まで愛知・中日劇場で公演。取材・文上野紀子
2014年09月26日(画像はニュースリリースより)「リポビタンファイン」の新しいテレビCMに、「井上真央」さんが登場!大正製薬株式会社は、テレビや映画でも活躍している「井上真央」さんを「リポビタンファイン」の新しいテレビCMに採用した。新しいテレビCM「ブランコ篇」は、全国で7月15日からオンエアされる。「リポビタンファイン」は2005年発売以来、たくさんの消費者から好評な「糖類ゼロ」のドリンク剤だ。井上真央さんは新CMポイントの「私の元気のつくり方」をもとに、日々積極的に元気よく生きる女性を表現している。また大正製薬が「井上真央」さんを採用したことについて、年齢に関係なく人気があることと、井上真央さん自身のキャラクターが新CMキャラクターにピッタリだったことが理由だという。井上真央さんはメイキングの映像の中で、「撮影はとても楽しくて、気持ちよかったです」(大正製薬株式会社 TVCMメイキングの映像より)とうれしそうに語っていた。新CMの内容は?空中でふしぎなブランコに乗りながら現実世界と抽象世界を行き来する、ピンク系の愛らしいドレスを身につけた井上真央さんが登場する。そして自由な気持ちで楽しそうにブランコをこぐ井上真央さんの姿を通して、「リポビタンファインを飲めば、無邪気な自分自身をオープンにできる」というメッセージが込められており、新しいCMを見ている視聴者が製品に興味を抱き、さわやかな気分で元気になれるようなCM内容に仕上げられている。【参考】・大正製薬株式会社 ニュースリリース
2014年07月23日お笑いトリオ我が家が出演する、こまつ座公演『てんぷくトリオのコント』が6月19日、東京・池袋のあうるすぽっとで開幕。初日前日には3人をはじめ、キャストと演出の青木豪が同劇場で会見を行った。こまつ座『てんぷくトリオのコント』チケット情報井上ひさしがてんぷくトリオ(三波伸介、伊東四朗、戸塚睦夫)のために書いたテレビ用のコントをもとに、ラサール石井が脚本・監修を手がける舞台。我が家の3人、坪倉由幸、杉山裕之、谷田部俊は1977年生まれで「リアルタイムでてんぷくトリオを見ていない」世代。「逆にその方がよかったのかな。見ていたらモノマネになっちゃうと思うんです」と坪倉。3人はてんぷくトリオを演じることにかなりのプレッシャーを感じていたようで「伊東四朗さんにラジオでお会いしたとき、『僕らがやることを正直どう思いますか』と尋ねたら、『本当にうれしい』と言っていたいただけた」(坪倉)、「ホントよかった」(杉山)と安堵の表情で振り返る。それでは招待するのかと質問されると、坪倉は「伊東さんにはお金を払って見に来てもらいたいですね」と不敵なジョーク。これにあわてて杉山が「一番見ていただきたい方だろ」と突っ込む。井上のコントは手強かったと明かしながらも、杉山が「稽古を重ねて、だんだん自分たちのものにできたのではないか」と手応えを話すと、坪倉は「完全に僕らのものですね。てんぷくトリオさんより僕らの方が稽古してますから」と断言。谷田部は「ウケるネタはキングオブコントに持って行きたい」と、まさかのパクリ発言で取材陣を笑わせていた。7月6日(日)まで。その後、9月10日(水)から15日(月・祝)まで、かつて井上がコントを書いていたゆかりのストリップ小屋、フランス座を前身とする、浅草東洋館でも上演する。
2014年06月19日スペインの建築家アントニ・ガウディ(Antoni Gaudi)と、「スラムダンク」「バガボンド」漫画家・井上雄彦のコラボレーション展「特別展 ガウディ×井上雄彦―シンクロする創造の源泉―」が、六本木・森アーツセンターギャラリーにて開催される。会期は7月12日から9月7日まで。ガウディは19世紀から20世紀に掛けてバルセロナを中心に活動。1882年に着工以来、今も作り続けられているサグラダ・ファミリアをはじめ、グエル公園、カサ・ミラなど、数々の独創的な作品を遺してきた。本展では、スペイン・カルターニャ工科大学の監修のもと、素描、設計図、模型、家具等、ガウディの偉業を振り返る貴重な資料約110点が展示される。また、ガウディに範を求めてバルセロナに赴き、「日本スペイン交流400周年事業」の親善大使にも任命されている井上雄彦が、鋭い観察力と創造力で“人間・ガウディ”像を描き下ろし表現する。2011年には『PEPITA 井上雄彦MEETSガウディ』(日経BP社)が出版されている。同展は今後1年を掛けて、金沢21世紀美術館、長崎県美術館、兵庫県立美術館、仙台(会場は後日発表)を巡回予定。【イベント情報】特別展 ガウディ×井上雄彦ーシンクロする創造の源泉ー会場:森アーツセンターギャラリー住所:東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー52階会期:7月12日から9月7日まで
2014年01月17日2009年の初演、2010年のロンドン、ニューヨーク公演が話題を呼んだ『ムサシ』。かの有名な宮本武蔵と佐々木小次郎の戦いのその後を描いた井上ひさしの戯曲を蜷川幸雄が演出した作品が、彩の国さいたま芸術劇場で上演中だ。今回佐々木小次郎役に抜擢された溝端淳平に話を訊いた。『ムサシ』ロンドン・NYバージョン チケット情報初めて観た舞台が蜷川の『お気に召すまま』だったという溝端。「上京して3か月経ったか経ってないかの僕にとっては、何もかもが初めての感覚で、圧倒されました。ただ階段を上って下りるだけのシーンに、ぐんと惹き込まれたのを覚えています」と蜷川作品の魅力を語る。以来、蜷川作品にいつか参加したいと願いつつも「舞台は力量が露骨に表れる場所。いまの自分にはまだまだだと思っていました」。そんな溝端に『ムサシ』の話が舞い込んだ。今回溝端が演じる佐々木小次郎は、初演で小栗旬が演じた大役。さらに溝端以外のキャストは前回と同じ。全員の芝居が出来上がっているところにひとり飛び込まなくてはならない。「小栗旬さん、藤原竜也さんといえば、僕ら世代の俳優にとって憧れの人。仕事を始めた頃は、それこそおふたりの演技をまねしてみたこともありました。だからものすごく緊張していますし、怖さもあります」と率直に話す溝端。しかし、だからこそ「とにかく飛び込むしかない、といまは少し開き直っています」と笑顔を見せる。「蜷川さんの舞台に出ることも、憧れの藤原さんとの共演も、自分の力がもっとついたらぜひやりたいとずっと思っていた。でもそれは今思えば逃げていたのかもしれません。せっかく機会を与えられたからには、精一杯やりきりたいと思います」と決意を新たにした。今回の舞台では、歴史上の人物をユーモアたっぷりに演じなくてはならない。殺陣も初挑戦となる。「初めてのことだらけですが、僕はいつも、どんな現場でも困ったら先輩方にすぐ聞くことにしています。皆さん本当に真摯に教えてくださる。今回も怖がらず、なんでも聞いて吸収していきたい」と溝端。さいたまでの上演の後、大阪を経てシンガポール公演、そして来年には韓国公演も控えている。「シンガポールにはこの間、ひとり旅で下見に行きました。だから唯一シンガポールに関してだけは、カンパニーの皆さんより詳しいかもしれないですね」と笑った。若手実力派である溝端の初挑戦を、この目に焼き付けたい。10月20日(日)まで彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにて。その後、10月25日(金)から29日(火)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティでも上演。取材・文:釣木文恵
2013年10月04日藤原竜也主演の『木の上の軍隊』が、東京・シアターコクーンで公演中だ。本作は劇作家・井上ひさしが生前書こうと試み、3年前に上演が予定されていたものの、井上の急逝により幻となった、まさに彼の遺作ともいえる作品。今回、井上の原案をもとに蓬莱竜太が戯曲を書き下ろし、井上が信頼を寄せた栗山民也が演出を務めることで、ついに上演が実現した。井上ひさし版にも主演予定だった藤原にとっては3年越しでの挑戦となる。出演は、藤原のほか、山西惇、片平なぎさ。片平の舞台出演は11年ぶり。舞台『木の上の軍隊』チケット情報劇場に入ると『木の上の軍隊』というタイトルの通り、舞台中央にそびえる大きな木に目を奪われる。本作は、終戦を知らずに2年もの間、沖縄県・伊江島のガジュマルの木の上で生活したという日本兵ふたりの実話に基づく物語なのだ。木の上で敵軍を見張りながら、待てども来ない援軍を待ち続ける上官(山西)と新兵(藤原)の様子を、片平が“語る女”として第三者的な立場から語っていく。3人芝居という少人数の上、ほぼ出ずっぱりという構成であり、何よりも3人の演技力を存分に堪能できる点が見どころだろう。木の上では大きな動作が制限されるため、特に会話の演技が際立って感じられる。動けない中でも新兵の無垢な姿を生き生きと演じる藤原と、体面を重んじ恥の多い人生を送ってきた、山西の演じる上官のコントラストが見事。国のためと大義を語る上官と、故郷であるこの島を守るために戦うことを志願した新兵。ふたりだけの同じ極限状態を共有しているものの、お互いが見つめているものはまったくちがっており、ずっと近くにいながらも心の底ではわかり合うことができない人間関係は、決して戦時中の特別なものではなく、現代の生活の中にも通じる普遍的なドラマとして心に訴えかけてくる。劇場内を見渡してユニークなのは、せり出した舞台のすぐ真横に設けられたステージサイドシートだ。上手と下手にそれぞれ9席ずつと席数は少ないが、舞台の最前面より奥側に設置されており、役者の横顔や後ろ姿など、通常の席では観ることができない角度から舞台を楽しむことができる。俳優との距離が近く、シーンによっては山西の肩越しに、藤原が自分に対してセリフを言ってくれているかのような臨場感を味わえるのも、この席ならではの楽しみ方だろう。このステージサイドシートは現在上演中のシアターコクーンのみの席種であり、俳優陣の演技を間近で楽しみたいなら、またとない機会である。物語の内容と相まって、貴重な演劇体験ができるはずだ。4月29日(月・祝)まで東京・シアターコクーン、5月3日(金・祝)から5月6日(月・祝)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。その後、愛知、大阪、愛媛、長崎、広島、福岡を巡演する。なお、コクーン公演「ステージサイドシート」は現在発売中。取材・文:大林計隆
2013年04月12日舞台『組曲虐殺』の公開稽古が12月6日、東京・天王洲 銀河劇場で行われ、出演する井上芳雄、石原さとみらが会見を行った。『組曲虐殺』公演情報2010年に死去した井上ひさし最後の作品で、官憲の拷問によって29歳の若さで命を落としたプロレタリア文学の旗手、小林多喜二を題材にしたもの。2009年に初演され、その年の演劇賞を総なめにした。今回の3年ぶりの再演には、初演時と同様、演出に栗山民也、キャストも同じ顔ぶれが揃った。多喜二を演じる井上は、初演の時は初日4日前に台本が完成したことを明かし「台本がギリギリだと言い訳がきくけど、今回そうはいかない。厳しさを感じます」と気を引き締めながら、「井上先生は(再演を)喜んでらっしゃいますかね。きっと舞台が始まったら、(天国から)毎日劇場に来てくださるんじゃないかな」と亡き劇作家に思いを寄せた。一方、多喜二の恋人役の石原は「先生がいらっしゃらないな、と寂しい思いもありますが、先生が命を削って書かれた言葉を大切に丁寧に伝えていきたい」と気合を入れた。公演は12月7日(金)から東京・天王洲 銀河劇場にて。その後、福岡、愛知、大阪ほか全国を巡演。
2012年12月07日今年、公開された映画の中で「ベスト親子賞」を選ぶなら井上真央と松坂慶子が『綱引いちゃった!』で演じた娘と母は有力候補となること間違いなしである。井上さんにとってはNHKの連続テレビ小説「おひさま」後に出演した最初の作品。「おひさま」では愛情あふれる家族の絆が描き出されたが、本作でも母と娘の2人ながらも「おひさま」に負けず劣らず温かい親子の姿が映し出される。かつてはオリンピックの正式種目だったという歴史を持つスポーツ“綱引き”を題材にした本作。「いつかご一緒させていただきたいと思っていたけれど、初共演でまさか一緒に綱を引くことになるとは…(笑)」とふり返る松坂さんとの共演を始め、大分で行われた撮影、本気で挑んだ綱引きなどについて井上さんが語ってくれた。井上さんが演じた千晶は大分市の広報課職員。市長の命令で市のPRを目的に女性だけの綱引きチームを結成する。「最初は綱引きと聞いて、スポ根映画をイメージして、綱引きをガムシャラにやる汗と涙の結晶という感じだろうと思いましたし、映画になるのかな?という思いもありました」と井上さんはふり返る。千晶という役柄については「私と結構、近かったかもしれない。だからこそ難しかったのかな?」とも。だが「役づくりは、綱引き!」と語る通り、役の内面については事前に作り込むことはせず、現場で方向性を決めていったという。「千晶を明るく演じるのか?それともしっかり者のキャリアウーマンとして演じるのか?すごく難しかったですが、ずっと大分にいて大分弁を話す中で段々と『こんな感じかな』という形が出来上がっていきました。何より、綱引きを一生懸命やって技術がアップしてチームも一つになっていく過程が、お芝居にリンクしていけばいいなと思っていましたので。だから現場では、いかに姿勢を保つかとか、どうやって綱を引っ張るかといった話し合いをみんなでしていましたね」。ちなみに綱引きのシーンに関しては「全てガチです!」。劇中のチーム「綱娘」さながら毎日トレーニングを積んで撮影に臨んだ。「最初にみんなで大会を見に行ったら、想像以上にパワフルで地面に着くんじゃないかってくらい低い姿勢なんですよ。松坂さんも最初、綱引き部分にはスタントがいると思っていらしたみたいです(笑)。『あの姿勢を?』と思いつつやってみたら、1人や2人で引くのと8人で引くのとでは全く違って、体力だけでなく全員で息を合わせる大変さがありました。やっていくうちに1日でも綱を引かないと落ち着かなくて(笑)、感覚を忘れないよう『早く引きたい!』って気持ちでした」。「相当、インパクトのある作品じゃないと『おひさま』の陽子役は抜けきらないと思った」という井上さんは、『舞妓 Haaaan!!!』や『なくもんか』といったコメディ映画を世に送り出してきた水田伸生監督の下で新たなスタートを切った。千晶はどちらかと言えば、周囲のボケにビシバシとツッコミを入れる役柄だが、水田監督が求める独特の笑いを存分に楽しんだようだ。「水田監督は結構、その場で思いついたことを提案して、たまたま見た人がクスっと笑ってしまうような小さな笑いを散りばめるので、笑いを堪えるのが大変でした。お芝居をしている本番の最中に監督の笑い声が響いて、音声さんが『シーっ!』って怒っているような現場でした(笑)。逆に感動的なシーンでフッと監督を見たら、号泣されているんです(笑)。監督が一番のお客さんでしたね」。しっかり者としてツッコミを入れるだけでなく今後、コメディエンヌとしてボケ倒す井上さんを見てみたい気もするが…。「どうでしょう…(笑)?笑いのツボはみんなそれぞれ違うので、難しくもありますがコメディは楽しいですね。面白いと思ってやっていても『あれ?』となることもあるから、脚本を読んで面白ければ面白いほどプレッシャーもあります。テンポがちょっと違うだけで面白くなくなったり、セリフ一つ削るだけで面白くなったり、本当に難しい。でも現場で笑いが起きるのはやっぱり楽しいです。私もどちらかというと思い切り笑わせるというよりも、地味に小さく笑えるようなものが好きなので、そういう作品もやれたらいいですね」。そして、ギャグシーンではないのに観ているだけで思わずクスっと笑ってしまうのが井上さんと松坂さんの母娘のやりとりだ。年の功でチーム「綱娘」をまとめる精神的な支柱であり、家ではまるで友達のように娘・千晶と何でも言い合える母・容子。井上さんは「小さい頃から映画館で観てきた作品に出ていた大好きな女優さん」という松坂さんとの共演をこうふり返る。「チームメイトであり親子でもあるという2人の距離が、緊張や遠慮もなく自然にできたと思います。松坂さんは誰に対しても壁を作られることが全くないので、一緒にいたら甘えたくなっちゃうような本当に優しいお母さん。家での2人のシーンのときは『こないだウチの娘がね』と娘さんやお母さまの話をしてくださったり。『おひさま』を見てくださっていたのでその話をしたりもしました」。特に家で松坂さんとマッサージをし合うシーンは、井上さんにとってもお気に入りになったようだ。「日常の親子の雰囲気が好きですね。台本には『マッサージをし合う』とは書いてなかったんですが、松坂さんが私の上に乗ってきたので、その場で思わず『重い~!』とアドリブで言ってしまいました。後で考えると、とても失礼なセリフなんですが、私自身が実際に母とそういうやり取りをしたことがあったので。完成した映画を観たら、ウチの母とのやり取りに近くて、自然にできた良いシーンになっていました」。多くの俳優が、朝ドラや大河ドラマへの出演をきっかけに成長や変化を感じると口にしている。井上さんは慎重に言葉を選びながら「確かに10か月も同じ役をやるというのは大きなことです」とうなずく。自らの変化を知覚するのはこれからかもしれないが、ハッキリと感じるのは周囲の反応の変化だ。「いままでは若い人に声を掛けられることが多かったのですが、最近は、おじいちゃんやおばあちゃん、お父さんの世代の方にも『見ていました』と言っていただけて嬉しいです。大分でも『陽子ちゃん、陽子ちゃん』と声を掛けていただきました(笑)」。そして、最後にこうつぶやいた。「何より震災があった年にあの作品に出られたというのが一番大きなことかもしれません」。年が明けて少し経てば26歳になる。20代の後半戦、女優・井上真央はどのような道を歩んでいくのか?楽しみに待ちたい。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:綱引いちゃった! 2012年11月23日より全国東宝系にて公開(C) 2012「綱引いちゃった!」製作委員会
2012年11月20日井上真央が主演で贈る、綱引きの女性チームの奮闘劇を描いた『綱引いちゃった!』の女性限定試写会が、11月7日(水)に都内で行われ、井上さんを始め、玉山鉄二、渡辺直美のキャスト陣と水田伸生監督が登壇した。『舞妓 Haaaan!!!』など宮藤官九郎とタッグを組み、笑いあり涙ありの心温まるコメディを手がけてきた水田監督の最新作となる本作。大分市役所広報課の千晶は、市長の命令で町おこしのために、かつては大分出身のチームが世界一に輝いたこともある女性だけの綱引きチームを結成。母・容子を始め閉鎖が予定されている給食センターのメンバーたちと大会に参加になるのだが…。この日は、女性限定試写会ということで登壇した井上さんは「見事に女性ばかりですね!この映画の撮影現場も雰囲気はずっと“女子会”みたいで、毎日楽しかったです」と挨拶。しかし、玉山さんは「非常に緊張しています」と女子たちの独特の雰囲気に圧倒された様子だったものの、渡辺さんが大女優風のコメントを連発すると「ムカつきますね(笑)」とツッコミを入れ会場の笑いを誘っていた。この日は、“女子会”をテーマにしているとあって、一般女性からのお悩みに対する相談会を開催。井上さんらゲストが事前に応募を募っていたお悩みに答えた。しかし、1問目の「朝が弱いんですがどうしたらいいですか?」という高校生からのお悩みに、「私も朝は弱いんです」と共感を寄せる井上さんだったが、「まだ17歳の高校生ですからね。社会に出れば、何が何でも起きないといけないこともあると思うので大丈夫ですよ」とザックリとした返答。これに渡辺さんから「適当だなぁ(笑)」とすかさずツッコミが入る一幕も。続いての質問では、「どんな年齢でも、どんな体型でも、自信を持って生きていくにはどうすれば?」と渡辺さんへのピンポイント質問が。「絶対、直美ちゃんをバカにしてますよね(笑)」と玉山さんが今度はフォローしたかと思いきや、「でも、(渡辺さんと)マンションが一緒なんですけど、この前エレベーターで偶然会ったときは、絶対お風呂に入ってないだろ…という感じの見た目でビックリしました」と裏切りの暴露!渡辺さんも「あのときはホントに酷いカッコをしていました…」と反省していた。最後の質問では、「どうしたら、真央ちゃんみたいに女子力がアップするの?」と今度は井上さんへのピンポイント質問が読み上げられたが、「いや~、特にないです」と照れつつも、「でも、毎日お風呂には入ってます(笑)」と渡辺さんをイジり、イタズラっぽい笑顔を浮かべていた。その後も、渡辺さんがおなじみのビヨンセのモノマネを披露するなど、最後まで大きな盛り上がりを見せたこの日の“女子会”。井上さんも「こんな時代だからこそ、女子の力を!」と語りかけ、客席の女子たちから大歓声を浴びていた。『綱引いちゃった!』は11月23日(土・祝)より全国東宝系にて公開。■関連作品:綱引いちゃった! 2012年11月23日より全国東宝系にて公開© 2012「綱引いちゃった!」製作委員会
2012年11月07日年頭から始まった〈井上ひさし生誕77フェスティバル2012〉。第7弾は1978年の初演時に杉村春子がヒロインを演じた『日の浦姫物語』だ。幻の名作、その復活に相応しく日本を代表する二大スター・大竹しのぶと藤原竜也の初共演も実現。11月10日(土)の幕開けを控え、佳境を迎える稽古場を訪ねた。舞台は平安時代の奥州・米田庄。この地の棟梁・成親(辻萬長)の家に生まれた美しい双子の兄妹・稲若(藤原)と日の浦姫(大竹)は互いを愛おしむうち一線を越え、子供も生まれてしまう。父母亡き後の後見人・叔父の宗親(たかお鷹)はふたりを諌め、稲若は都へ武士の修行に出すが途上で客死。幼い息子に手紙と守りの鏡を持たせて海に流した後、日の浦姫が棟梁となる。時が流れ、成長した息子・魚名(藤原のふた役)がそれとは知らぬ姫たちの前に現れて……という波乱万丈な筋立て。舞台は近親相姦の宿命に翻弄されるふた組の男女の物語を、説教聖(木場勝己)と三味線女(立石涼子)の夫婦が語る形で進められていく。この日の稽古は姫と魚名が再会の後、夫婦となって以降の場面。15歳から30、50代と劇中で年を経る大竹は、その時々に異なる美しさを見せ思わず息を飲む。兄と子を失って以来、女を捨てた姫が再び愛する人と懐妊の兆しを得て、輝きを取り戻した様子を大竹が艶やかに演じれば、年上の美女に溺れる若武者・藤原が熱っぽく荒々しい愛撫の仕草で応える。初共演とは思えぬ息の合った演技に、演出・蜷川幸雄の止めも入らぬまま稽古は進む。愛の交歓は姫が魚名を生き別れた息子と疑い、確かめ始めるところから急転直下で愁嘆場へ。事実の符合を激しく驚き、哀しみながら受け入れ始めるふたりを、語り部の聖・木場が強烈な視線で物語の外から射抜く。姫が挙げる親子の証に動揺する魚名と、別世界にいるはずの聖の表情、動き、感情がいつしかシンクロし、倍増した哀しみが場の空気を満たすのだ。ギリシア悲劇のようなスケール感の戯曲を演出・蜷川は、歌舞伎の絵画的演出や邦楽と聖歌を交えた音楽など、ボーダレスな感性で魅せていく。ツワモノ俳優が居並ぶ稽古は、ほぼノンストップだが、俳優としての誕生の瞬間から知る藤原には蜷川も「恥知らず!」「ここで笑いが起きなきゃ本番でも止めるゾ!!」など愛ある檄を飛ばし、笑いが起こる一幕も。悲劇に加え人間の根源に迫るエロス、作家の真骨頂である言葉遊びや戯れ歌など魅力満載の今作は、終幕さらに、私たち誰もが内心に抱える後ろめたさに鋭い一突きまでを残す。古えの物語を現代人へのメッセージに、皮肉に反転させるラストは驚きとともに劇場で味わっていただきたい。東京・シアターコクーンにて11月10日(土)から12月2日(日)まで上演された後、宮城・イズミティ21 大ホール、大阪・シアターBRAVA!で公演を行う。なお、東京公演の中2階立見のチケットが、10月27日(土)より発売される。取材・文:尾上そら
2012年10月26日劇作家・井上ひさしの最後の作品『組曲虐殺』が今冬再演される。2009年に栗山民也演出で初演されたこの作品は、音楽を全編、小曽根真の書き下ろし楽曲でつづる“音楽評伝劇”だ。今回、初演と同じスタッフ・キャストで、井上作品を連続上演してきた“井上ひさし生誕77フェスティバル2012”の掉尾を飾る。主演の井上芳雄に本作への思いを訊いた。プロレタリア作家の小林多喜二が、29歳の若さで特高警察に虐殺されるまでの2年9か月を描いた本作。多喜二を演じる井上は、「自分にとって『組曲虐殺』は、井上ひさし先生の思い出と共に、忘れられない宝物。絶対に再演したいと願っていました。初演メンバーが揃ったのも、作品の力に拠るところが大きいのでは」と話す。壮絶な最期で知られる多喜二だけに「演じる前は漠然と、激しさや痛みのようなものをイメージしていた」という井上。「でも井上先生の台本には、朗らかで、芸術に造詣が深く、人々に愛される人物が描かれていて、新鮮でした」。劇中では、恋人の瀧子や姉チマ、 多喜二の活動を支援するふじ子はもちろん、多喜二をマークしている特高刑事ですら、気がつけば彼に温かい眼差しを向けてしまう。「実際、魅力的な人だったんでしょうね。周囲からたくさんの愛情を受けていたからこそ、自分もそれを、虐げられた人々に返すことができたんじゃないでしょうか。社会のシステムを憎んでも、人間そのものは決して憎まない人だった気がします」。『組曲虐殺』は、井上にとって、表現面でもひとつの転機となった作品だ。「栗山さんからは『生死の瀬戸際に身を置くプロレアタリア作家の覚悟に迫れ!』と叱咤激励され続けて。演じる上で感情をどこまでどう出すのか、新しい挑戦でした。小曽根さんには『これまでと違う歌い方を試してみようよ』と、即興的な歌唱を教えていただきましたね。その後、別の作品を演じても、『今の、多喜二だったよね』と言われてしまうほど(笑)。俳優として大きな体験でした」。今は、井上ひさしの遺した言葉を伝えることが、自身の使命だと感じているという。「先生が書いてくださった言葉は、自分のちょっとした工夫など歯が立たないほど、すごい力をもっている。再演でも、まっすぐに体ごと、ぶつかろうと思っています。『後に続く者を信じて走れ』という多喜二の歌詞があるのですが、僕も、若い世代を含め多くの人に、彼の思いや生き様を伝えるつもりで演じたいです」。公演は12月7日(金)から30日(日)まで東京・天王洲銀河劇場にて上演。チケットは9月29日(土)より一般発売開始。なお、チケットぴあでは9月13日(木)11時までインターネット先行抽選・プレリザーブを受付中。東京公演の後、来年1月に各地を巡演。取材・文:高橋彩子
2012年09月12日日本は島しょ国家ですから、その領海内には、たくさんの無人島があります。岩じゃん! みたいな島から手を入れれば人が住めそうなものまで。あなたの知らない日本の無人島を紹介しましょう。無人島といっても上げればキリがありません。いまさらここで軍艦島や猿島を上げてもつまらないので、名前が変わっていることで有名な無人島を紹介しましょう。■海驢島いきなり読めないと思いますが、これは「とどじま」です。北海道は礼文町船泊村にある島です。スコトン岬から約3kmのところにあります。しかし、スコトン岬って(笑)。■がっかり島岩手県宮古市の無人島です。ほとんど岩のような外見です。屹立(きつりつ)するがけみたいな地形のことをこの辺の言葉で「がっかり」と呼ぶそうで、こんな名前なんだとか(異説あり)。■嶮暮帰島読めないですね(笑)。「けんぼっきとう」と読みます。北海道厚岸郡にある島です。アイヌ語の「ケネポク」が語源だそうで、当て字なんですね。■媒島「なこうどじま」です。東京都小笠原村に属する無人島です。明治時代に入植されたのですが、第二次世界大戦中に民間人の引き上げが行われて現在は無人島になっています。入植中にヤギの放牧が行なわれていたので、そのヤギが野生化して島に残留。21世紀に入るまでヤギの駆除が行われました。■ローソク島島根県、隠岐諸島の島後島にある無人島。島と呼ばれていますが完全に岩です。外見はその名の通りローソクにそっくり!その先端に夕日がかかる時には、まるで本当のローソクに灯がともっているように見えます。■オランダ島岩手県下閉伊郡山田町にある無人島。なぜ岩手県にある島なのに、オランダ島かというと、1643年にオランダの『ブレンスケンス号』が難破して漂着したからだそうです。■ひょうたん島埼玉県児玉郡神川町にある無人島。「え?埼玉県には海がないじゃん」と思うでしょうが、これは神流湖(かんなこ)という人造のダム湖にあるんです。島とは言うものの、ダムの貯水量によって水没したりするそうですが(笑)。■瓢箪島もうひとつの「ひょうたん島」です。こちらは愛媛県今治市にあります。外見は、本当に『ひょっこりひょうたん島』のアノ島にそっくりです。井上ひさし先生はご存じだったのでしょうか。■怪島怪しい島と書いて「けしま」と読みます。愛媛県今治市にある無人島です。かつて瀬戸内海を荒らしまわった海賊が根城としたので、このような名前になったそうです。■ゴメ島北海道枝幸郡枝幸町にある無人島です。アイヌ語で「ゴメ」は「かもめ」の意味だそうで、「かもめ島」ですね。■ウ離島沖縄県八重山郡にある無人島で「うばなりじま」と読みます。今は「ウ離」になっていますが、昔は「アウ離島」で、どこかで表記の際に「ア」が落ちたのでは?と言われています。元に戻さないんでしょうかね。■藺灘波島こうなると絶対に読めないですね(笑)。「いなんばじま」と読んで、東京都御蔵島村にある無人島です。漢字が難しくて書けないので大抵カタカナ表記をするそうです。なぜもっと簡単な字を当てなかったのでしょうか。■男女群島長崎県五島市にある無人島です。古事記の国産み神話、イザナギ、イザナミの両神から産まれた最後の国『両児島』がここだとされています。かつてはサンゴ漁で栄えたことがあり、明治初期にはなんとイタリア人の仲買人(!)までいたらしいとのこと。■虻が島「あぶがしま」と読みます。富山県氷見市にある無人島。ちなみにこの虻が島は富山県最大の島だそうで、でも無人島なんですね。氷見市と言えば、遠景に立山連峰を望みながら富山湾を眺められる風光明媚なことで有名です。■海獺島またしても読めないでしょうが「あしかしま」です。東京湾にある無人島ですが神奈川県横須賀市に属します。「らっこじま」と呼ばれたりするとのころですが、正式名称はあくまで「あしか」です(笑)。■巌流島剣聖・宮本武蔵が佐々木小次郎と対決した無人島。「がんりゅうじま」と読みますが、「巌流」は佐々木小次郎が作った剣の一派の名称です。そこから巌流島になったわけですが、実はこの島の正式名称は「船島」(ふなしま)。宮本武蔵が船の櫓(ろ)で佐々木小次郎をぶん殴る様子の銅像があります。■年取島京都府舞鶴市にある無人島で「としとりじま」と読みます。中納言中院通勝卿と細川幽斎が夜通し和歌について論じ、そこで年越しになってしまったため、細川幽斎が名付けたとか(笑)。■無人島売ってます!ちなみに無人島を販売している業者もいます(笑)。『アクアスタイルズ』では無人島を扱っています。サイトに紹介されている無人島で一番安価なのは2,000万円の片島。住所は山口県大島郡東和町大字油字字片山で、5,709坪。港から約1km(船で15分)だそうです。もしお金があったら買ってみませんか?(谷門太@dcp)無人島販売/海外不動産販売の『アクアスタイルズ』
2012年09月02日2010年に永眠した劇作家、井上ひさし。存命ならば77歳の誕生日を祝うはずだった今年、『井上ひさし生誕77フェスティバル2012』と銘打ち、1月から12月まで8本の作品を上演している。このフェスティバルの特別企画として、8月16日(木)より東京・紀伊國屋画廊にて『井上ひさし「せりふ」展』(入場無料)が開催される。井上ひさし関連のチケット情報井上ひさしが綴りつづけた70作にもおよぶ戯曲。今回展示されるのは、戯曲の中から切り取られた77個の“せりふ”。額装された“せりふ”を目で見るだけではなく、スピーカーから聴こえる“せりふ”を「音」として耳で楽しむこともできるそうだ。『井上ひさし「せりふ」展』は8月16日(木)から28日(火)まで紀伊國屋画廊にて開催。なお、『井上ひさし生誕77フェスティバル2012』の今後のラインナップは、8月まで上演中の『しみじみ日本・乃木大将 』、8月末から9月に『芭蕉通夜舟』、11月から12月に『日の浦姫物語』が上演される。チケットは一部を除き発売中。
2012年07月25日井上ひさし作、蜷川幸雄演出による舞台『しみじみ日本・乃木大将』の開幕が、7月12日(木)に迫った。『井上ひさし生誕77フェスティバル2012』と銘打って今年8本上演される井上戯曲のうち、本作はその第5弾にあたる。稽古の様子を取材した。「うるさいチームだよ、まったく」と笑い混じりに蜷川がこぼすのは、キャスト陣のことだ。風間杜夫、根岸季衣、六平直政、山崎一、大石継太、朝海ひかる、香寿たつき、吉田鋼太郎。いずれも舞台が原点といっていい生粋の演劇人が揃う。特に目立ったのは、六平。演技を始める直前までギャグを飛ばし、出演者同士で段取りを確認した後には「みんな、わかったよな?」と仕切ってみせる。さらに、それに応える面々の切り返しもまた笑いを生み、稽古場の一体感が高まっていく。芝居が始まり、各人が役に扮しても、この空気は変わらない。むしろ、歌がふんだんに使われている分だけ、にぎやかさは増している。時は明治天皇大葬の日、殉死することを決意した陸軍大将・乃木希典の物語。設定だけ聞けば、重くシリアスな作風を想像しそうだが、実際には、驚くほどばかばかしい。“何を描くか”と“いかに描くか”。テーマとテイストの間に飛躍があるからこそ、ドラマがいっそう輝きを放つ。まさに井上作品の真骨頂がそこにはあった。日露戦争の英雄と称えられる一方で、愚将の烙印を押されることも少なくない乃木。彼は明治天皇にどんな思いを抱いて命を絶ったのか。周辺の人物によるコメントを通して主人公の人物像を浮き彫りにする物語は少なくないが、本作が珍しいのは、5頭の馬がその役割を務めるところ。しかもそれぞれ、前足と後足が別の意志を持つ。知的に考える前足たちと、生理にまかせて行動する後足たちと。10の人格ならぬ“馬格”による乃木の立場をめぐっての議論が、天皇制に対する賛否両論と重なって興味深い。また、「もしも○○が乃木大将の立場だったら、こんな態度に出るかも」と馬たちが何パターンも演じ分ける場面は、バラエティ番組さながらのおかしさだった。1979年に芸能座が初演した作品で、今回は、1991年のこまつ座公演以来21年ぶりの上演となる。蜷川は「俳優が演技を競い合うような戯曲。ト書きに細かく書かれているので、演出家はほとんどすることがない」と言いながら、「軽演劇風にみせたい」と明快に方向を示す。7月12日(木)から29日(日)まで彩の国さいたま芸術劇場 大ホールで上演。その後、大阪、新潟で公演を行う。
2012年07月06日井上公造が松田聖子の3度の結婚を徹底分析!17日、読売TV「クギズケ!」に出演した芸能レポーター、井上公造が再々婚をした松田聖子の隠された驚きの結婚の法則をレポートした。井上は以前、松田聖子に関しての著書を出版したことがあるほど聖子ちゃん通の一人。結婚発表のタイミング結婚相手の河奈裕正氏は今年3月に准教授になったばかりで一つの発表タイミングになった。河奈氏は井上独自の取材によると、一昨年離婚をしているという。昨年の年賀状から、これまでの家族写真では無くなったという。大変腕の良い歯科医でTVの嘱託医としても勤めている。結婚発表は必ずコンサート前井上は「聖子ちゃんはマスコミが沢山集まるのが大好き」と話し、「結婚発表をコンサート前にするのは聖子ちゃん一流の計算がある。」とも...。聖子と郷ひろみの結婚、離婚は順番に郷ひろみとの別れの会見の時の名言「生まれ変わったら一緒になろう」も、名古屋で会見を見ていた当の本人の郷は、思わず「そんなことは一度も言っていない」と思ったという。二人の別れから、互いに結婚、離婚を繰り返すが、必ず順番に起きているという。その都度、ファンは聖子と郷が赤い糸で結ばれていると信じたがっている。そして50代に突入している二人は今も輝き続けている。井上は「聖子ちゃんは多くのスキャンダルがあっても一つも曇らない」とコメントを締めくくった。元の記事を読む
2012年06月18日