草彅剛が誇り高き武士を演じる映画、『碁盤斬り』が5月17日(金) から公開される。『孤狼の血』などでアクション映画に新風を吹き込んだ白石和彌監督が初めて手がける時代劇。古典落語の『柳田格之進』を大胆に脚色し、人情噺を武士の尊厳と親子の情愛が際立つ骨太な復讐ドラマに作り上げた。共演者も清原果耶、國村隼、小泉今日子、市村正親、斎藤工、中川大志と魅力的な顔が並ぶ。気は早いが、今年の日本映画を代表する一本といいたい作品だ。『碁盤斬り』古典落語の『柳田格之進』は、囲碁を巡る人情噺だ。故あって江戸の貧乏長屋で娘のお絹と浪人暮らしをする柳田格之進は、囲碁の仲間である萬屋源兵衛の大金紛失騒ぎに巻き込まれ、あらぬ疑いをかけられる。父の窮状を見かねたお絹が吉原に身をしずめて金を作ることになってしまい、格之進は、その金を萬屋の手代に渡す際に「もし紛失した金がでてきたら、お前と源兵衛の首をもらう」と言い放って去る。そして、ついにその年の暮れ……といったお噺。この名作を、落語家がそれぞれの解釈と演出をほどこして語る。それが愉しみなのだが、正直、毎回、噺の中にどうにも腑に落ちない箇所がいくつかあった。なんでこうなるの?という感覚。映画では、人物設定や大筋は落語と同じ。その上で、主人公である柳田格之進(草彅剛)の人物像を思うさま膨らまして、落語にはなかった別のドラマを作り上げ、重厚な江戸の武士の物語にしている。そのことで、これまで落語で納得できなかった箇所も、なるほど、と氷塊した。例えば、「お絹が吉原に身をしずめて金を作る」なんて部分、そのへん、さらりと演じる落語家もいるのだけれど、武家の娘が何のゆかりもない吉原に自分で身売りするとか、ずいぶん思い切ったことをやるものだ、とちょっと違和感があった。本作の、遊女屋の大女将(小泉今日子)と格之進一家のエピソードを観れば、展開に無理がない。源兵衛(國村隼)と格之進の挿話も秀逸で、大店の主人と貧乏浪人の交誼も納得できるように作られている。源兵衛は碁会所で出会った格之進のその清廉潔白な囲碁の打ち方に感銘を受け、仲良くなり、影響を受けていくのだ。実直な格之進が、彦根藩を追われ、お絹(清原果耶)と江戸で暮らすようになった理由が次第に明らかになり、壮大な復讐ドラマが始まるという展開にも驚かされる。脚本は、加藤正人。拍手!さらに、キャスティングも、絶妙。それぞれがこのストーリーにのまれることなく、持ち味を放つ。まずなんといっても草彅剛だ。清原果耶の父役ときいて、草彅クンで大丈夫なの、と一瞬でも思った自分を恥じる。堂々たる武士であり、父である。穏やかで、物静かなたたずまいの格之進が、次第に復讐の鬼としての相貌に変わっていくのは圧巻。お絹役の清原果耶は、主演の日本台湾合作映画『青春18×2 君へと続く道』も5月に公開と、出演作ラッシュの人気俳優だが、ひたむきに父を信じる、芯の強い凜とした武家の娘も似合っている。萬屋源兵衛の國村隼、その手代役・中川大志、吉原の女将・小泉今日子は、このストーリー展開の要。斎藤工、市村正親は復讐シーンで重要な役を演じる。「ずっと時代劇を作りたかった、その想いがようやく叶った」という白石和彌監督。『凶悪』『孤狼の血』2部作などとは作風は異なるが、見事な風格。京都周辺で行われた撮影、小道具や美術、細部に気配りがほどこされて、観ていると、江戸時代に旅行をしている気分になる。囲碁や将棋は、打ち方に個性や人柄がでるという。この作品は、今までの日本映画のなかでは、囲碁の対局シーンが一番多いそうで、日本棋院が撮影に協力している。局面が画面いっぱいに映しだされることもあり、通がみても、納得がいくものになっていると思う。さらに、日本棋院のサイトによれば、井山裕太王座、藤沢里菜女流本因坊が特別出演しているそうだ。囲碁ファン、落語ファン、時代劇ファンの皆さんも、これは必見ですゾ。文=坂口英明(ぴあ編集部)【ぴあ水先案内から】佐々木俊尚さん(フリージャーナリスト、作家)「……予想以上にすばらしい作品だった。何よりも草彅剛の重厚な演技が凄まじい……」佐々木俊尚さんの水先案内をもっと見る()中川右介さん(作家、編集者)「……全編にわたり、美術がすばらしい。江戸の貧乏長屋、立派な商家、吉原の遊郭などが、見事に再現されている。」中川右介さんの水先案内をもっと見る()(C)2024「碁盤斬り」製作委員会
2024年04月22日展覧会「塩田千春 つながる私(アイ)」が、大阪中之島美術館にて、2024年9月14日(土)から12月1日(日)まで開催される。塩田千春、大阪で16年ぶりの大規模個展塩田千春(しおた ちはる)は、作品を通して「生きることとは何か」、「存在とは何か」を問いかけてきたアーティストだ。その代名詞である、無数の糸を張り巡らせたインスタレーションは、場所や物に刻まれた人々の痕跡を「記憶」として捉え、確かに存在するものとして可視化するものだといえる。展覧会「塩田千春 つながる私(アイ)」は、塩田の出身地である大阪で開催される、16年ぶりの大規模個展。大規模なインスタレーション作品5〜6点を中心に、新作や国内未発表作品を含む絵画やドローイング、立体、映像などを紹介する。塩田が作品化する「記憶」とは、自分と自分以外のものとの「つながり」によって織りなされるものだ。本展では、「私/I」、「目/EYE」、「愛/ai」という3つの「アイ」を通じて、他者との「つながり」に光をあててゆく。展覧会概要展覧会「塩田千春 つながる私(アイ)」会期:2024年9月14日(土)~12月1日(日)会場:大阪中之島美術館 5階展示室住所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1開館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)休館日:月曜日(9月16日(月・祝)・23日(月・振)、10月14日(月・祝)、11月4日(月・振)は開館)、9月17日(火)・24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)※詳細については追って告知【問い合わせ先】大阪市総合コールセンター(なにわコール)TEL:06-4301-7285(受付時間 8:00~21:00、年中無休)
2024年04月18日Vライバーガールズユニット・戦国武将「武士来舞(BUSHILIVE)」 の初オリジナル楽曲「Rock 繚乱(ロックりょうらん)」が29日より、各種配信サイトで順次配信されている。○■武士来舞メンバーの実体験も歌詞に武士来舞は、日本史ファンの間で特に人気の高い5名の戦国武将の志を受け継いだ女性Vライバーによって構成されており、初のオリジナル楽曲「Rock 繚乱」も和楽器とロックを融合させた華やかな楽曲に。また、歌詞の後半部分は武士来舞メンバー5名の実体験をもとに作成された歌詞となっており、武士来舞の「天下統一」に向けた思いや、これからもファンとともに目標に向かって走り切りたいという熱意を力強く歌い上げている。楽曲は、武士来舞公式YouTubeでミュージックビデオが配信されるほか、SpotifyやApple Musicなどの各種配信サイトでも順次配信予定。また、ライブ配信についても、今後は「17LIVE(イチナナ)」の配信に加えて、YouTubeでも武士来舞5名それぞれが個人配信を実施する。○■武士来舞リーダー・Nobuka コメント武士来舞初のオリジナル曲が完成しました! その名も「Rock 繚乱」。和のサウンドにRockの魂を込めた楽曲で、武士来舞と皆とがひとつになれるような曲に仕上がっております! 戦国の世の志を受け継ぎ現世を生きる武士来舞が、現世を生き抜く全ての人の心に届くよう歌っていきます。是非たくさん聴いてください!
2023年09月29日ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」のVライバー5名で構成されるガールズユニット・戦国武将「武士来舞(BUSHILIVE)」のデビューが決定し、メンバーのビジュアル、今後の活動予定が28日に発表された。武士来舞は、日本史ファンの間でも特に人気の高い織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、上杉謙信、武田信玄の武将の志を受け継いだ女性Vライバーによって構成され、武将らしく刀や甲冑を身にまとい、メンバーそれぞれのテーマカラーに沿った和風の装いが特徴。7月には「17LIVE」でのライブ配信デビュー、8月にはBSテレ東で放送を予定しているVライバーの番組への出演も決定しているほか、雑談を得意とするリアルライバーや、演奏や歌唱を得意とする音楽ライバーとのコラボレーションも実施予定だという。また、武士来舞のデビューを記念し、7月4日(20:00〜)に17LIVE公式番組で特別配信企画も実施される。武士来舞のメンバーコメントは以下の通り。■Nobuka(信華)「Vライバーのアイドルユニット」として天下統一を果たしたいと思っています。日々の配信では悩みやストレスを吹っ飛ばすような楽しい時間を作り、ステージではみんなと一体とな って熱いライブを作りたい。次元を超えたアイドルとして、私たちの後に続く人たちがたくさん現れるような、一つのスタンダードを作りたいと思っています。■Hidemaru(ひでまる)武士来舞のピンク担当、ひでまるです。武士来舞のメンバーに選ばれる前は、一農民として平凡な生活を送っていたので、ドキドキわくわくで新鮮な毎日です! 活動を通して2次元と3次元をつなぐ架け橋になれるように一生懸命頑張ります!■Mitsuha(三葉)武士来舞の緑担当、Mitsuha(三葉)と申します。戦乱の世の中に希望の光を照らすべく、新緑の安らぎの如く優しく皆さんを導きます。天下統一のその先にある愛にあふれた世界平和を私たちと皆さんで実現させていきましょう!■Saku(雀)“Vアイドルをプロデュースしたい!”と思っていたはずが、まさか自分自身がメンバーになるなんて……正直想像もしていませんでしたが、今となっては、この仲間たちと進む未来がただただ楽しみでなりません。これからひとつずつ紡いでいく武士来舞の歴史。それがどんな物語になっていくのか、ぜひ皆さん自身の目で見届けてください。■Shina(紫衣奈)武士来舞の武田信玄ことShina(紫衣奈)です! 自身の強みを活かし、名を世界に轟かせ武士来舞の生き様を魅せつけます! 素敵な仲間であるメンバーと共に活躍していきますので、乞うご期待下さい!
2023年06月29日平安末期から鎌倉時代にかけての武士たちによる戦いを題材にした武者絵や戯画などを紹介する『源平合戦から鎌倉へ―清盛・義経・頼朝』が、7月1日(土)より太田記念美術館にて開催される。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でも今まさに描かれている平安時代末期の源氏と平家の争い。特に1180年の後白河法皇の皇子・以仁王(もちひとおう)による平家追討の令旨から、1185年に壇之浦の戦いまでを指す「治承・寿永の乱」は、「源平合戦」とも呼ばれ、諸国の武士をも巻き込み各地で激しい戦いが繰り広げられた。『平家物語』や『吾妻鏡』などの軍記物により伝えられてきた当時のエピソードは、江戸時代には小説や歌舞伎などで親しまれ、浮世絵でも数多くの作品が描かれている。同展では、平清盛によって栄光の時代を築きながら没落の一途をたどり、最後は壇ノ浦に滅びた平家一門、天才的な軍略で平家を滅ぼしながら、兄頼朝に疎まれて非業の死を遂げた源義経、鎌倉幕府の草創を支えながら、勢力争いの中で滅ぼされていった御家人たちなど、平安~鎌倉時代を中心に武士たちの栄枯盛衰を描いた浮世絵を紹介。武者絵の第一人者として活躍した歌川国芳は、源平時代の武士たちを数多く取り上げ、《牛若鞍馬修行図》や《木曽街道六十九次之内 御嵩 悪七兵衛景清》などで、さまざまなエピソードを親しみやすく、迫力たっぷりの筆致で描き出した。その流れは国芳門下の絵師たちに受け継がれ、中でも月岡芳年は、同展の見どころ作品でもある《大日本名将鑑 右大将源頼朝》など、洗練された画風で源平の武者たちを描いている。ほかにも、歌川広重作のどこかのんびりとした武者絵や戯画などを公開。江戸の人々の心を魅了した、動乱の時代を生きた人々の栄光と悲劇を、浮世絵で堪能したい。水野年方《寂光院》太田記念美術館蔵歌川国芳《木曽街道六十九次之内御嶽悪七兵衛景清》太田記念美術館蔵月岡芳年《芳年武者旡類 源牛若丸 熊坂長範》太田記念美術館蔵月岡芳年《大日本名将鑑右大将源頼朝》太田記念美術館蔵【開催概要】『源平合戦から鎌倉へ―清盛・義経・頼朝』会期:2022年7月1日(金)~7月24日(日)会場:太田記念美術館時間:10:30~17:30(入館は17:00まで)休館日:7月4日(月)、11日(月)、19日(月)時間:一般800円、大高600円美術館公式サイト:
2022年06月01日イケムラレイコと塩田千春の対話集『手の中に抱く宇宙 イケムラレイコ+塩田千春 対話集』の刊行記念展が4月2日(土)より、銀座 蔦屋書店で開催される。ドイツ・ベルリンを拠点に世界で活躍する現代アーティスト、イケムラレイコと塩田千春。2021年には名古屋にて二人展を開催し、その中ではコラボレーションドローイングも出品され話題になった。『手の中に抱く宇宙 イケムラレイコ+塩田千春 対話集』はロックダウンで移動が制限されていた期間に互いの家を行き来し対話を重ねながら、展示や作品制作について語りあった記録。この刊行を記念した本展では、2021年の二人展「手の中に抱く宇宙展」(KENJI TAKI GALLERY・名古屋)に出品したイケムラと塩田それぞれの作品、共作のドローイング、そして新作のコラボレーション作品も初披露となる。さらに石を持ったイケムラ自身の手がスキャンされた写真に塩田が赤い糸を縫い重ねた作品も、対話集とのセットでエディション版画として数量限定販売。こちらは4月1日(金)10時よりオンラインにてエントリー受付が開始予定だ。心の対話から宇宙へとつながる希少なコラボレーションを対話集、作品の両面からぜひ鑑賞してほしい。■展示情報『手の中に抱く宇宙イケムラレイコ+塩田千春 対話集』刊行記念展4月2日(土)~4月13日(水)時間:11:00-20:00 ※最終日のみ、18時閉場会場:銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM(イベントスペース)入場:無料特集ページ: ■リリース情報『手の中に抱く宇宙イケムラレイコ+塩田千春 対話集』4月15日発売(銀座 蔦屋書店で4月2日より先行発売)定価:3,300円(税込)限定特装版オンラインエントリー受付期間:4月1日(金)10:00~ 4月14日(木)17:00「OIL by 美術手帖」にて、4月1日(金)10時より開始。予告ページ: 特設サイトURL: (4月1日(金)10時に公開)<エディション版画作品>石を持ったイケムラ自身の手がスキャンされた写真に、 塩田が赤い糸を縫い重ねたコレボレーション版画作品。『Planet in Hands』(2種各ED30)作品サイズ:27.7cm×39.7cm/19cm×25.5cmお届け:2022年6月中予定※制作の進行によりお届けが早まる場合があります。※エディションナンバー入り、 アーティストサイン入り、 額装あり※版画作品のみの販売はありません。 版画作品1つに対談集1冊が付きます。※詳細は4月1日(金)に公開の特設サイトにてご確認ください。
2022年03月24日平安時代後期から戦国時代の終わりまで、地域の支配者(領主)としても存在した中世武士が、地域社会に定着していくまでの様相を豊富な資料で紐解く『中世武士団―地域に生きた武家の領主―』が、千葉・国立歴史民俗博物館にて開催されている。武士の地域支配は、武士個人の力量ではなく、主に一族と家人によって構成された武士団という集団(組織)を形成することで実現していた。同展では、戦闘集団ではなく「領主組織」という観点で武士団に注目。中世の武士が世襲制の職業戦士だった時代、武士団という領主組織を形成して遂行した地域支配の実態と展開について、13世紀~15世紀を中心に、中世の文献・考古・美術資料のほか、近世~近代の絵図・土地台帳や現地調査に立脚して復元した本拠景観などで紐解いていく。公開されるのは、関東初出品となる、益田の医光寺《木造釈迦如来坐像》、小城の円通寺《木造多聞天立像》《木造持国天立像》、《三岳寺三尊像》のほか、成田ニュータウン造成時に発見された《八代椎木出土梵鐘》(重要文化財)や、雪舟筆《益田兼尭像》(重要文化財)、色鮮やかな美しい合戦絵巻で、中世武士の本質である職業戦士たる世界観も堪能できる《紙本著色前九年合戦絵詞》(重要文化財)や《紙本著色後三年合戦絵詞》(模本)など。さらに展示キャラクターによる一言解説で、変容する武士団の姿をナビゲート。地域に生きた武士たちの姿を文献史学・考古学・美術史学・民俗学・歴史地理学による“地域総合調査”の成果から紹介する。重要文化財《紙本著色前九年合戦絵詞》(部分)鎌倉時代中期国立歴史民俗博物館蔵重要文化財《八代椎木出土梵鐘》宝亀5年(774)国立歴史民俗博物館蔵佐賀県重要文化財《木造多聞天立像》永仁2年(1294)円通寺蔵(画像提供:熊本県立美術館)重要文化財《益田兼尭像》(雪舟筆)文明11年(1479)益田市立雪舟の郷記念館蔵 展示期間前期(3/15~4/10)【開催概要】企画展示『中世武士団―地域に生きた武家の領主―』会期:2022年3月15日(火)~5月8日(日)会場:国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)休館日:月曜(3月21日、5月2日は開館)、3月22日(火)料金:一般1,000円、大学500円※土日祝、5月2日~5月8日はオンラインによる入場日時の指定が必要■公式サイト:
2022年03月17日2月27日(日)まで、岡田美術館で開催されている武士をテーマにした展覧会『The SAMURAI― サムライと美の世界 ―』では、フジテレビ「+Ultra」ほかにて放送中のTVアニメ「平家物語」とコラボレーションした特別展示が行われている。琵琶法師により語り継がれ、後世の文学や演劇に大きな影響を与えた『平家物語』を初めて連続TVアニメでシリーズ化した同作は、山田尚子監督をはじめとした豪華制作陣&声優陣の共演で話題に。アニメオリジナルキャラクターの主人公「びわ」と、平家の人々との交流を軸に、時代に翻弄されながらも懸命に生きた人々の群像劇が繰り広げられる。現在開催中の『The SAMURAI』展のメイン作品のひとつである≪平家物語図屏風≫は、源平の栄枯盛衰を豪華絢爛に表現した屏風で、『平家物語』全12巻の各巻から一場面を描いた画面構成や、作者、注文主も研究途上の謎多き屏風。総勢約800人もの人物が緻密に描かれており、高度な技術をもつ絵師による作品とされ、日本美術史界においても近年注目を集めている。今回のコラボでは、綿密な時代考証を重ねて制作された美術資料(設定画)や、アニメと≪平家物語図屏風≫で共通する場面や登場人物を関連付けて紹介する。『平家物語』が誕生してからおよそ800年。日本人の精神や文化・芸術に影響を与え続ける「諸行無常」「盛者必衰」の世界が、アニメと屏風、現代と江戸時代という異なるメディア、時代でどのように表現されているのか。ふたつの『平家物語』を通じて、その豊かな物語の世界を展観する。≪平家物語図屏風≫江戸時代前期17世紀岡田美術館蔵同じ橋合戦を描いたシーン同じ橋合戦を描いたシーン(C)「平家物語」制作委員【開催概要】『TVアニメ「平家物語」×「The SAMURAIーサムライと美の世界ー」コラボレーション特別展示』会場:岡田美術館4階エレベーターホール会期:2022年1月2日(日)~2022年2月27日(日)時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)料金:一般・大学2,800円、高中小1,800円※会期中無休美術館公式サイト: ■TVアニメ「平家物語」について放送情報:2022年1月12日(水)よりフジテレビ「+Ultra」にて毎週水曜24:55〜放送他各局でも放送※放送日時は変更となる場合あり監督:山田尚子脚本:吉田玲子キャラクター原案:高野文子音楽:牛尾憲輔 出演者:悠木碧/櫻井孝宏/早見沙織/玄田哲章ほか公式サイト:
2022年01月27日ヨコヤマノブオの性と笑いに溢れるタイムスリップコメディ-漫画「武士スタント逢坂くん!」が、「ジャニーズWEST」濵田崇裕主演でドラマ化されることが決定した。江戸時代、人気の春画師だった武士・逢坂総司郎。しかし、「性の交わりを描いた浮世絵=“春画”」は風紀を乱すものとされ、禁止令が出ており、隠れて描いていた逢坂は処刑されることに。しかし、無念の思いから突如、令和の漫画家・宮上裕樹の元へタイムスリップ!?春画が理由で死ぬはずだったのに、現代で自由にあふれる「エロ漫画」に逢坂は感激。そして、「まん画」に魅了された逢坂は、宮上の弟子になることを決意する――。2019年11月~2021年4月まで「週刊ビッグコミックスピリッツ」にて連載された原作漫画。第1話が3万RTとなり、Amazonほしいものランキング青年コミック部門1位獲得など、大きな話題となった。ヨコヤマさんは、今回のドラマ化に「めちゃめちゃ喜んだことを昨日のことのように鮮明に覚えております!」と明かし、「本当に楽しみで仕方がありませんね!」とコメントしている。今作がドラマ単独初主演となる濵田さんが演じるのは、江戸時代からタイムスリップしてきた武士であり、ご禁制の春画師・逢坂総司郎。「ドラマ単独初主演!不思議。不思議です!とても嬉しい反面、緊張していますが、たぶんオンエアを見るまで実感が湧かないので、気張りすぎず、まずは皆さんに楽しんで見て頂きたいです」とコメントし、「マンガの中で逢坂くんが『はじまりを大切にする』と言っているので、僕も『初めての単独主演』という気持ちを大切にして挑んでいきます。ぜひ楽しみに待っていてください」と意気込みを語っている。「武士スタント逢坂くん!」は7月26日(月)深夜24時59分~日本テレビにて放送。Huluでも配信。(cinemacafe.net)
2021年04月26日いま、日本で一番“笑い”を求められる俳優である。俳優としての映画やドラマへの出演はもちろんのこと、バラエティ、さらには年末の紅白歌合戦の司会まで務めるなど、コロナ禍にあっても引っ張りだこの大泉洋。恐怖や不安が社会を覆ういま、観客、視聴者を笑顔にすべく、この男が強く求められるのだろう。周りを楽しませるサービス精神「四六時中ひとを笑わせたい」この日のインタビューでも、取材部屋に入ってくるや、質疑応答に入る前の何気ない会話ひとつで、あっという間にその場にいる全員を笑顔にしてしまった。すさまじいまでのサービス精神! しかし、そんなふうに常に周りを楽しませようとすることに、大泉洋は疲れないのだろうか? 常に“おもしろいこと“を求められ、そのハードルがどんどん上がっていくことにプレッシャーは感じないのだろうか?そんなこちらの問いを一笑に付す。「僕の場合、『ひとつの笑いも取らずに淡々と真面目にやってくれ』と言われる方がつらいんです。四六時中、ひとを笑わせたい人間なんでね」。この取材が行われたのは12月。年末の大仕事を前に「確かに紅白の仕事はちょっと特殊かもしれない…」と語ったが、それは決して紅白歌合戦という伝統ある大舞台に対する恐怖や不安といった類のものではなく「面白いことを期待されているというのはわかるんですけど、紅白って全然、(フリートークの)尺がないでしょうからね。その部分での難しさはあるのかなと感じていて…」というもの。“エンターテイナー”としてのこの男のすごさが垣間見える。今回、大泉さんに話を聞いたのは、主演映画『騙し絵の牙』について。出版界を舞台にした小説の映画化だが、本作が特殊なのは原作者の塩田武士氏が小説の執筆段階で、大泉さんにあてがきする形で主人公・速水を作り上げたということ。映画やドラマの脚本執筆の段階で、出演俳優をイメージしてのあてがきはよくあるが、小説で、しかも執筆前の段階で作家が公言する形で、特定の俳優にあてがきするというのは非常に珍しい。わざわざ、あてがきされたキャラクターということは、この速水という男は、さぞや大泉さんそのままなのであろうと思いきや…。「速水さんという人はやりたいことが明確にあって、そこに向かって忖度なく、どんな手段を使っても突き進んでいく人なんですけど、僕にはそういうところが全くない(笑)。ものすごく周りばかりを見てしまう人間なので…。『これ、やりたいけど周りに迷惑かかるよな』って(苦笑)。速水さんのように策を講じて…ということも全くできないですし」自信をイメージした役なのに「一番僕らしさを出せなかった役」出版不況のなか、崖っぷちにある出版社、出版業界でエネルギッシュに暴れまわる速水だが、一方で周囲の人間をその気にさせ、味方にして巻き込んでいく“人たらし”の側面も持っている。そんなところは大泉さんと重なるのでは?「どうなんでしょうねぇ? 自分ではそうでもないと思うんですけどね。こう見えて、僕はすごく人見知りだったりするし、人付き合いを面倒くさいと思ってしまうタイプなので。いや、人は好きなんですよ。甘ったれなところもあるから、出会った人となるべく別れたくないんです。だから、北海道での仕事もそうですけど、僕の仕事って長いんです。でも、メチャクチャべったりというのでもなくて、仕事でつながっているくらいがちょうどいい。関係が切れるのが寂しいけど、だからってこっちから『ごはん行こう』とか『遊びに行こう』って連絡するでもない。仕事で会って、そこでくだらない話をしてくれるのがちょうどいいんです」大泉洋をイメージして作られたはずの人物なのに、リアル大泉洋とはズレている…。そんな不条理(?)は映画の撮影の現場でも続く。「当初は単純に『だって僕をイメージしているってことは僕のままでいいんだろ?』って思ってたんですけど、現場でやってみたら全然、そういうことじゃなくて。なんで僕をイメージした役を演じてるのに、こんなに監督から『いまのは大泉さんっぽかったからNGです』って言われるんだろう…? って(苦笑)。いや監督、原作者は僕をイメージしてんだから、大泉洋っぽくてもいいんじゃない?って思ったんですけど。そこが吉田大八さんという監督の素晴らしさで、彼がイメージする速水という人間がハッキリとあって、それはバラエティなどで見せる素の大泉洋ではないんですね。結果、僕がいままで演じた中で、一番僕らしさを出せなかった役になりました(笑)。この間まで宣伝してた『新解釈・三國志』の方がよほど大泉洋でしたね。それは本来、おかしいというか問題ですよね(苦笑)。あの役は劉備玄徳という実在の人物であって、あっちこそ俺じゃいけないはずなのに、99%俺でしたからね」好感度は「そこまで気にすることはない」ちなみに、こうした“ボヤキ節”もまた、大泉さんの魅力だろう。取材の場で、バラエティ番組で、暑さや寒さから共演者への嫉妬、愚痴などなど、とにかくボヤく。だが不思議と聞いてて、ネガティブな気持ちにならず、ボヤけばボヤくほど、なぜか好感度が上がっていく。昨年末も、先述の出演作などのプロモーションであちこちの番組に出演し、ボヤキを交えつつ愛娘や料理の話を披露し、しっかりと視聴者の心をつかんでいた。とはいえ本人は「好感度をそこまで気にすることはない」という。「どうなんでしょうね? いや、いろんなところで『三度の飯より好感度が好き』って話はしてるんですけど(笑)、そう言いつつも実際は、そこまで『好感度を上げてやろう』と思ってるわけでもないんです。バラエティ番組に出る際に事前に『いま気になっていることは?』とか『興味があることは?』とアンケートがあるんですけど、僕の興味って『娘』か『ゴルフ』か『食べること』しかない。でもゴルフって、TV局はほとんど乗ってこないですからね(苦笑)。結果、娘か飯の話になるわけです。こないだも散々、TVに出たけど、娘の話しかしてない。さすがに申し訳ないですね。嫁は『パパはあんなに娘の話をしてるのに、1回もベストファーザー賞が来ないね』って。いったい、どういうことなんだろう、これは(苦笑)。だから、好感度がほしくて娘の話をしてるわけでもないんです!」この取材中も、あれやこれやと現場でのことをボヤきつつ、完成した作品、そしてスクリーンに映る自身について「この映画、派手なお芝居をする話じゃなくて、速水も飄々とした何を考えているかわかんない人なんですけど、僕自身も『いつもの僕とは違うな』と思いながら見れました」と充実した表情で語っていた大泉さん。TVで見せる“おもしろい”部分は、この男の魅力の一側面でしかない。ぜひ、映画館で、役柄をまとった上での大泉洋のかっこよさにしびれてほしい。(text:cinemacafe.net)■関連作品:騙し絵の牙 2021年3月26日より全国にて公開©2020「騙し絵の牙」製作委員会
2021年03月22日3月26日(金)より公開となる大泉洋主演の映画『騙し絵の牙』から、インストロックバンドLITEのサウンドともに本編シーンやレコーディング収録風景を収めた特別映像が到着した。累計発行部数50万部突破を誇るミステリー小説『罪の声』の著者・塩田武士が、俳優・大泉洋を主人公にあてがきし、2018年本屋大賞にランクインするなど、話題・評判ともに世間の注目を集めたベストセラー小説「騙し絵の牙」(角川文庫刊)。そんな前代未聞の小説が、『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』などの吉田大八監督により実写化される。主人公の雑誌編集長・速水を演じる大泉をはじめ、松岡茉優、佐藤浩市、宮沢氷魚、池田エライザ、中村倫也、佐野史郎、木村佳乃、和田聰宏、坪倉由幸、斎藤工、塚本晋也、リリー・フランキー、小林聡美、國村隼など日本を代表する超豪華俳優陣が集結。それぞれがクセモノ揃いのキャラクターを見事に演じ、崖っぷち出版社を舞台に仁義なき騙し合いバトルを繰り広げる。そして、本作の「ここぞ!」という名シーンの数々で流れ、観る者のテンションを引き上げる絶大な効果のひとつがLITEのサウンドだ。LITEは2003年に結成され、独自のプログレッシブで鋭角的なリフやリズムからなる、エモーショナルでスリリングな楽曲は瞬く間に話題となり、アメリカのインディレーベル”Topshelf Records”と契約し、アメリカやヨーロッパ、アジアなどでもツアーを成功させるなど、国内外で注目を集めている4人組。映画への楽曲提供は本作が初となる。そんなLITE×『騙し絵の牙』の特別映像では、騙し騙されるキャラクターの面々がリズムに同調して次々登場。中でも高野(松岡)のシーンが多用されていることに注目してほしい。倉庫から原稿らしきものを見つけると、床一面に広げ集中して作業する高野。LITEの演奏シーンのインサートがあけると、アスファルトに倒れている高野の側に投げ出されている雑誌。これはまさに重要シーンのひとつ。高野がなぜ倒れているのかは、映画の公開日までのお楽しみだ。特別映像の最後には、レコーディング収録現場にも立ち合った吉田監督の姿もある。今回、LITEが起用されたきっかけは、吉田監督のこだわりだった。脚本を書いている段階からLITEを聴いていた吉田監督だったが、曲調的に「ドラムやギター、ベースもエッジが強いので、芝居に馴染ませやすい劇伴ではない。僕にとってもチャレンジでした」と語るほど当初は迷いもあったという。しかし完成した本編は「日本映画では珍しいくらい音楽が鳴っているのに、セリフもしっかり聴こえている」と吉田監督もその仕上がりに満足している。この度、映像の公開にあわせてLITEからの熱いコメントが到着した。●LITE実はLITEの約20年の活動の中で映画の劇伴を担当するのは初めてのことでした。「本当にLITEの音楽が映画に合うのだろうか」という疑念を抱きながら最初に見た試写で、音楽が無くても成立している映画そのもののクオリティに圧倒され更に不安が募ったことを覚えています(笑)。しかし監督とのやり取りの中で0コンマまでこだわる音に対する並々ならぬ熱意と理解、この映画の音楽はLITEでなくてはダメなんだという思いが伝わってきて、その熱に侵された僕たちは創作に没頭していきました。僕たちの音楽が徐々に映画に溶け込んでいく過程は興奮そのものでした。結果として「マスロックと映画」という、過去全世界を探しても類を見ない唯一無二の映画音楽に仕上がりました。監督と僕たちの「世の中に無い新しいものを作る」という思いが映画を通して耳からでも伝わったら、それほど嬉しいことはありません。LITE×『騙し絵の牙』特別映像『騙し絵の牙』3月26日(金)より公開
2021年03月06日「罪の声」の著者・塩田武士が俳優・大泉洋を主人公にあてがきして描き出した小説の映画化『騙し絵の牙』。この度、大泉さんをはじめ、騙し合いバトルを繰り広げるクセモノたちが次々登場するキャラクター予告が解禁となった。今回のキャラクター予告に登場するのは、大泉さん演じる“笑顔と牙の男”である雑誌「トリニティ」編集長の速水輝、松岡茉優演じる“熱血すぎるルーキー”である新人編集者の高野恵。さらに宮沢氷魚演じる“新人カリスマ作家”の矢代聖、池田エライザ演じる“闇を持つ人気ファッションモデル”の城島咲、木村佳乃演じるトリニティと対立する文芸誌「小説薫風」の“冷徹な編集長”・江波百合子、和田聰宏演じるその“忠実な部下”の三村洋一。坪倉由幸演じる“永遠のNo.2”である「トリニティ」副編集長の柴崎真二、國村隼演じる“怒りの大御所”小説家の二階堂大作、小林聡美演じる“噂好きの評論家”の久谷ありさ、塚本晋也演じる“優しき本屋の主”であり高野恵の父・高野民生、斎藤工演じる“クールな投資家”である外資ファンド代表の郡司一。そしてリリー・フランキー演じる“謎の男”、中村倫也演じる“創業家Jr.”である亡き社長の息子の伊庭惟高、佐野史郎演じる“皮肉な保守派”である薫風社常務の宮藤和生、佐藤浩市演じる“合理的な権力者”である薫風社専務の東松龍司と、嘘をついている全員が勢揃い。騙し合いバトルを繰り広げるオールスターキャストにますます期待が高まる映像となっている。『騙し絵の牙』は3月26日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:騙し絵の牙 2021年3月26日より全国にて公開©2020「騙し絵の牙」製作委員会
2021年02月26日青森の十和田市現代美術館では、開館以来初となる常設作品の入れ替えを実施。2021年4月1日(木)には塩田千春の新作が、そして12月にはレアンドロ・エルリッヒの作品が公開される予定です。塩田千春やレアンドロ・エルリッヒの作品を常設展示十和田市のまちを美術館にするプロジェクト「アーツ・トワダ(Arts Towada)」の10周年を機に、十和田市現代美術館は、常設作品の入れ替え、展示室の増築、寄託作品の展示を実施します。塩田千春、“十和田湖”に着想を得た新作を公開常設作品では、糸を紡いだ大規模なインスタレーションを中心に手がける塩田千春の新作を公開。これまで国内外で発表されてきた船と糸を使用したシリーズであり、国内の公立美術館では初の常設作品となります。“十和田湖”に着想を得たこの作品には、十和田湖で実際に使用されていた船も使用されるなど、この地にゆかりの深いものとなっています。レアンドロ・エルリッヒ《建物─ブエノスアイレス》世界初の常設展示にまた、新しい展示室では、体験型の大規模なインスタレーションで知られるレアンドロ・エルリッヒの作品《建物─ブエノスアイレス》を、 世界初の常設作品として展示。故郷アルゼンチンのブエノス・アイレスで見られるファサードをもとに、鏡を介して重力に逆らうように自由なポーズを取ることができる作品を展開。名和晃平の代表作「PixCell」もさらに、名和晃平の代表作「PixCell」シリーズの《Pix-Cell-Deer♯52》も、寄託を受けて期間限定で公開。「PixCell」は、動物の剥製などを透明の球体で覆うことで制作されており、情報社会ではパソコンなどの画面の“セル”を介してものを見ているのだという現状が、彫刻として表現されています。詳細十和田市現代美術館 常設作品入れ替え・展示室増築・寄託作品展示場所:十和田市現代美術館住所:青森県十和田市西二番町10-9開館時間:9:00〜17:00(最終入館 16:30)休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)、年末年始、そのほか臨時休館観覧料:大人 1,200円、高校生以下 無料※企画展のない時期は、大人520円※最新情報は美術館ウェブサイトにて確認■常設作品・塩田千春 新作(作品名未定)一般公開日:2021年4月1日(木)・レアンドロ・エルリッヒ《建物─ブエノスアイレス》一般公開日:2021年12月〈予定〉■寄託作品・名和晃平《PixCell-Deer#52》展示期間:2021年4月1日(木)〜2023年9月〈予定〉※作品入れ替えに伴い、キム・チャンギョム《メモリー・イン・ザ・ミラー》は展示室から撤去、再展示までのあいだ収蔵【問い合わせ先】十和田市現代美術館TEL:0176-20-1127
2021年02月13日「罪の声」の著者・塩田武士が大泉洋を主人公にあてがきし、吉田大八監督が映画化した『騙し絵の牙』。この度、大泉さんと映画初共演、吉田組には『桐島、部活やめるってよ』以来、8年ぶりとなる松岡茉優のインタビュー映像が解禁された。松岡さん演じる高野恵は、実家が小さな書店で父親譲りの文学への熱意に溢れ、伝統ある文芸誌編集部の一員として誇りを持って働いている。だが、熱い思いの余り、大御所作家にもつい率直な意見を論じてしまう。そんなとき、笑顔の裏にとんでもない“牙”を秘めている廃刊ピンチの雑誌「トリニティ」編集長の速水(大泉さん)に引き抜かれ、速水の策略に巻きこまれていく…。今回新たに解禁された場面写真では、いろいろなトラブルに直面しつつも編集部で奮闘する、松岡さん演じる高野の姿が切り取られている。また、インタビュー映像では、大泉さんや吉田監督、さらに主役級の超豪華キャスト陣について言及。「10代の時に青春というものを私が一番残せたかなと思うのは『桐島~』だと思っていて、私にとっては一生ものの作品」と語る同作以来、8年ぶりに吉田監督作品に出演したことに、その間に積み重ねてきたことに思いを馳せながら「お話を頂けただけで嬉しかったですし、少しだけ自信を持てた気がしています」と語る。そして、主演の大泉さんについては、「どうしても現場がピリッとしまうときに、必ず立って場を和ませるような楽しい話をしてくださるんです。まさにスタンダップコメディアンのような方なんですよね。主演ですし、セリフも本当に多いので、きっと集中したい場面もあると思うのですが、現場の空気を察知して、みんなの気持ちを上げてくださるんです」と尊敬を込めてコメント。そんな撮影現場は、「(脚本のキャストページを)めくれどもめくれども、主演級のスター達なので…毎日、お腹が痛かったです(笑)」と打ち明け「同世代は宮沢氷魚君と、池田エライザちゃんくらいで。もう、子羊3匹は大変震えております」と語る。「いつか共演したい、また共演したいと思っていた俳優さんたちと、毎日入れ替わりで撮影できることは本当に幸せでした。日本の俳優界をけん引する素晴らしい俳優さん、女優さん方の演技合戦にも注目していただきたいです!」と見どころにも触れている。『騙し絵の牙』は3月26日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:騙し絵の牙 2021年3月26日より全国にて公開©2020「騙し絵の牙」製作委員会
2021年01月28日3月26日(金)に公開される大泉洋主演映画『騙し絵の牙』。この度、松岡茉優のインタビュー映像と彼女が演じる高野惠の新たな場面写真が公開された。原作は、累計発行部数50万部突破を誇るミステリー小説『罪の声』の著者・塩田武士が、あの大泉を主人公に当て書きし、2018年本屋大賞にランクインするなど、世間の注目を集めたベストセラー小説。監督は『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』などの吉田大八。国民的俳優と日本アカデミー賞監督の最強タッグで、邦画界最高峰のエンタテインメント作品が誕生。舞台となるのは、大手出版社・薫風社。かねてからの出版不況に加え、創業一族の社長が急逝し、次期社長を巡って権力争いが勃発する。その中で、専務・東松(佐藤浩市)が進める大改革で、雑誌は次々と廃刊のピンチ。会社のお荷物雑誌『トリニティ』の変わり者編集長・速水(大泉)も、無理難題を押し付けられて窮地に立たされることに。しかし、一見頼りないこの男、実は笑顔の裏にはとんでもない“牙”を秘めていた。新人編集者・高野恵(松岡)を他の編集部から引き抜き、文学への熱意に溢れる彼女を焚き付けながら、イケメン作家(宮沢氷魚)、大御所作家(國村隼)、人気モデル(池田エライザ)らバラエティ豊かなクセモノたちを手玉に取り、自由な発想と天性のトーク術で『トリニティ』を大きく売り出すための企画を次々と仕掛ける。小さな書店で父親譲りの文学への熱意に溢れる高野は、伝統ある文芸誌編集部の一員として誇りを持って働いているが、熱い思いの余り、大御所作家にもつい率直な意見を論じてしまう有様。そんな時に、笑顔の裏にとんでもない“牙”を秘めている編集長の速水に引き抜かれ、速水の策略に巻きこまれていく…。今回解禁された場面写真では、いろいろなトラブルに直面しつつも編集部で奮闘する高野の姿が切り取られている。また、インタビュー映像では、主演の大泉洋や吉田監督などについて語っている。インタビューの内容は以下の通り。――『桐島、部活やめるってよ』以来、8年ぶりに吉田監督作品に出演したことについて。「10代の時に青春というものを私が一番残せたかなと思うのは『桐島~』だと思っていて、私にとっては一生ものの作品です。そんな大切な作品の監督がまた呼んでくださったことがうれしいですし、この8年間、私がいろいろな人と出会って、様々な作品に出していただいて、嫌なこともあったり。でもそういったことも含めてすべてにありがとうと思えるくらい、お話を頂けただけで嬉しかったですし、少しだけ自信を持てた気がしています」――主演・大泉洋との共演について。「大泉さんの大好きで特に尊敬しているところは、いい作品を作る上で必要なことだと思うんですが、どうしても現場がピリッとしまうときに、必ず立って場を和ませるような楽しい話をしてくださるんです。まさにスタンダップコメディアンのような方なんですよね。主演ですし、セリフも本当に多いので、きっと集中したい場面もあると思うのですが、現場の空気を察知して、みんなの気持ちを上げてくださるんです。大泉さんとの現場は楽しいので、また他の作品でもぜひご一緒したいです」――撮影現場について。「(脚本のキャストページを)めくれどもめくれども、主演級のスター達なので…毎日、お腹が痛かったです(笑)。『それぞれで1本映画が撮れるのに』っていう人達が集まっている中、同世代は宮沢氷魚君と、池田エライザちゃんくらいで。もう、子羊3匹は大変震えております。もうそれ位、恐ろしいような、『あれ、ヤクザ映画かな?』っていう様な、コワモテがたくさんいるんです(笑)」――映画の注目ポイントは?「いつか共演したい、また共演したいと思っていた俳優さんたちと、毎日入れ替わりで撮影できることは本当に幸せでした。日本の俳優界をけん引する素晴らしい俳優さん、女優さん方の演技合戦にも注目していただきたいです!」『騙し絵の牙』3月26日(金)全国公開
2021年01月28日作家・塩田武士が、俳優・大泉洋を主人公にあてがきした小説を、大泉さんを主演に迎え、吉田大八監督が実写化した『騙し絵の牙』。この度、主人公の雑誌編集長・速水を演じた大泉さんのインタビュー映像が公開された。インタビューでは「監督とも話して、とにかく“何を考えているのかがわからない”という人を意識していました」と演じたキャラクターについてふり返る。また共演者についてもコメント。新人編集者を演じた松岡茉優については「これまでの共演では今回ほど絡みのない役どころでしたので、今回改めて『しっかりしているな』と。現場の雰囲気もとにかく楽しくしてくれますしね」と印象を明かす。専務役の佐藤浩市とはこれまでも共演が多く、「その都度緊張するというか。とても気さくで素敵な方なので、決して周りを緊張させることはしないのですが、僕ら役者からすると佐藤浩市という存在がすごすぎて勝手に緊張するわけですよね」と話し、「僕ら世代の『北斗の拳』でいうとラオウですよね。『来たなー!』というね」と表現した。さらに撮影中に“騙されたこと”を問われると、「やっぱり監督かな」と大泉さん。「打ち合わせでお会いした際には、クールな印象で話しにくい雰囲気がありました。ところが、撮影が始まってみると大変話しやすいし、テイクも多いと聞いていましたが永遠に撮るということもなく。それはいい意味で騙されたなという感じでしたね。なんかファンになりますね、あの方」と話している。また場面写真では、速水が新人編集者・高野恵(松岡さん)の実家である書店に突然訪れる様子、社内で改革派の急先鋒に立つ東松(佐藤さん)の姿が切り取られている。『騙し絵の牙』は3月26日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:騙し絵の牙 2021年3月26日より全国にて公開©2020「騙し絵の牙」製作委員会
2021年01月20日6月19日(金)に公開される大泉洋主演映画『騙し絵の牙』。この度、大泉が役作りと共演者である松岡茉優や佐藤浩市、吉田大八監督について語ったインタビュー映像と、新たな場面写真が公開された。原作は、累計発行部数50万部突破を誇るミステリー小説『罪の声』の著者・塩田武士が、あの大泉を主人公に当て書きし、2018年本屋大賞にランクインするなど、世間の注目を集めたベストセラー小説。監督は『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』などの吉田大八。国民的俳優と日本アカデミー賞監督の最強タッグで、邦画界最高峰のエンタテインメント作品が誕生。舞台となるのは、大手出版社・薫風社。かねてからの出版不況に加え、創業一族の社長が急逝し、次期社長を巡って権力争いが勃発する。その中で、専務・東松(佐藤)が進める大改革で、雑誌は次々と廃刊のピンチ。会社のお荷物雑誌『トリニティ』の変わり者編集長・速水(大泉)も、無理難題を押し付けられて窮地に立たされることに。しかし、一見頼りないこの男、実は笑顔の裏にはとんでもない“牙”を秘めていた。新人編集者・高野恵(松岡)を他の編集部から引き抜き、文学への熱意に溢れる彼女を焚き付けながら、イケメン作家(宮沢氷魚)、大御所作家(國村隼)、人気モデル(池田エライザ)らバラエティ豊かなクセモノたちを手玉に取り、自由な発想と天性のトーク術で『トリニティ』を大きく売り出すための企画を次々と仕掛ける。解禁された場面写真では、伝統ある文芸誌編集部の一員として誇りを持って働く高野の実家である書店に突然訪れた速水や、社内で改革派の急先鋒に立つ東松を演じた佐藤浩市の姿を垣間見ることが可能だ。大泉のコメントは以下の通り。――速水を演じて「監督とも話して、とにかく“何を考えているのかがわからない”という人を意識していました。彼なりのポリシーや真実があるのでしょうけど、飄々としていて、まわりには本音がわからないという人を意識しましたね」――松岡茉優との共演について「子役からお芝居をされているキャリアのある方なので、とても安定感がありました。これまでの共演では今回ほど絡みのない役どころでしたので、今回改めて『しっかりしているな』と。現場の雰囲気もとにかく楽しくしてくれますしね。松岡さんはいつも僕と話をするときに『我々は』と、僕と松岡さんをまとめて言ってくれるんです。確かに僕たちは考え方が似ているなと思います」――佐藤浩市との共演について「ありがたいことに、僕の短い役者キャリアの中でも佐藤浩市さんとの共演は多い方です。そして、その都度緊張するというか。とても気さくで素敵な方なので、決して周りを緊張させることはしないのですが、僕ら役者からすると佐藤浩市という存在がすごすぎて勝手に緊張するわけですよね。なんですかね、あの、とてつもなく人を緊張させるオーラといいますか。僕ら世代の『北斗の拳』でいうとラオウですよね。『来たなー!』というね」――撮影中に“騙されたこと”「撮影中に騙されるってことはなかったけれど、やっぱり監督かな。打ち合わせでお会いした際には、クールな印象で話しにくい雰囲気がありました。ところが、撮影が始まってみると大変話しやすいし、テイクも多いと聞いていましたが永遠に撮るということもなく。それはいい意味で騙されたなという感じでしたね。なんかファンになりますね、あの方。かわいいんだよね。一見、クールに見えるのですが、暖かくて気づかいのある方だったので、いい意味で騙されていたなと思いましたね」さらに現場については「本当に楽しい現場で、とても充実した楽しい日々でした」と語ったという。このコメントを踏まえ、ますます内容に期待が高まる。『騙し絵の牙』3月26日(金)全国公開
2021年01月20日俳優の小栗旬と星野源が映画初共演することで話題を呼んでいる、映画『罪の声』(10月30日公開)。塩田武士氏の同名小説の実写化作である同作は、日本中を震撼させた未解決事件を追う新聞記者の阿久津英士(小栗)と、父の遺品の中にあるカセットテープを発見し、その事件の脅迫テープに幼いころの自分の声が使われていたことを知った曽根俊也(星野)の人生が交錯していく。実際にあった事件をもとに映画化した本作。今回は野木亜紀子氏にインタビューし、脚本化するときに感じた難しさや、原作もの/オリジナル作品の脚本を書く時に共通する矜持などについて話を聞く。○■実在する事件を扱う際に気をつけること――映画を観させてもらって、勝手に野木さんらしい作品だなと感じました。そう言われる意味がわかる気がします。塩田武士先生の書かれていることと、私が書いてきたことが、非常に親和性が高いと感じるので。塩田先生には1、2回しか会ったことがないんですが、私と塩田先生は過去に同じタイミングでフェイクニュースに関する話を発表していたりするんですよね。だから、ちょっと似たようなことを考えているのではないかと勝手に思っています。――野木さんも『フェイクニュース』をテーマにずばりのタイトルでオリジナルドラマを書かれてますもんね。野木さんが、原作のあるものを映画化するときって、何か軸のようなものを見つけて脚本化するのかなと思っていて、今回も報道する側の矜持のようなものがそうなのかなと思いましたが、実際にはいかがでしょう?原作自体、子供の未来をテーマにした話ではあるんですが、同時に警察の縦割りの構造が生んだ歪みへの批判、メディアへの批判が通底してあるので、そこをいかに粒立てていって、映画にしたときに目に見えるようにしていくかということを考えていました。その中で、記者の阿久津英士がなぜ社会部から文化部に移ったのかということを描いていかないと、単なる狂言回しで終わってしまう。主人公として機能させるためにも、記者としての矜持の部分を掘り起こしていきました。――阿久津のある部分が、完全にオリジナルの言葉で書かれていて、その部分が個人的にはぐっときてしまったので。阿久津の帰結の仕方みたいなところを「野木さんっぽい」と言われるとそうかもしれないですね。ただあれを書いたのは、あくまでも阿久津で、原作のト書きに潜んでいた心情を記事として起こしたという形ですね。――それとやっぱり、報道とかマスコミに関わるものとしては、「他人の人生に踏み込む」ということを考え出すと、どこまでやっていいことなのだろうかとドキっとするところがありまして。野木さんは、脚本を書いていく上で、そういう影響力とか責任みたいなものを感じることはありますか?脚本は基本的にはフィクションなので、というところはあります。ただ『MIU404』でも、実際の事件や、外国人労働者のことなんかも書いたので、現実にあることだし、現実に波及するものだということで、すごく気を使いました。例えば、いろんなフィクションで、実際の事件を元に書くことってありますよね。でも、被害者がまだ生きていたりするのに、元の事件を連想させる形のままで好き勝手に物語化していくというのは、どこまで許されるんだろうと。何十年も前の話で、すでに遺族もいないような事件であったり、都市伝説化してしまったようなものならばいいと思うんですけど、モデルとなった家族や被害者を直接連想させるようなものは、フィクションの名を借りて他人に踏み込みすぎているし、一種の暴力にもなりうるんじゃないかと思うんです。自分が実際の事件を扱う際には、そうならないように、あえていろいろ混ぜて、固有の事件そのものにならないようにしています。――それって、ルールが明文化されてもいないですし、その事件によっても、どこまで踏み込んでいいかの基準があいまいだから、すごく難しいですよね。最終的には、実際に傷つく人がいるということを繊細に想像するしかないですよね。書く側のある種の肌感覚というか、倫理観の世界なんですけど、そこはちゃんとしないとと思ってます。ただ、実在の事件を扱う意義がある場合もあるので、少なくとも加害者と被害者が逆転するような表現だけはやめようとか、ケース・バイ・ケースで難しいですよね。○■原作があるからこその難しさ――今回の原作は、塩田先生がものすごく取材をされていたということで、そこは安心があったんじゃないですか?それがまた難しかったんですよ。塩田先生がフィクションとして肉付けした部分と、ノンフィクションの部分との境が、すぐにはわからない。だから今回、映画を作るにあたって、まず1個1個、これはどこがフィクションでどこが事実なのかということを確認していきました。もう一段難しいのが、ノンフィクションの部分も「世の中で一般的に知られている事実」と、「塩田先生が独自に取材して『これは事実であろう』と認定して書いている部分」があって、さらに、それとはまた別に「完全なノンフィクションの部分」があるんです。映画を作るにあたっては、フィクションの部分だけは変えてもいいと思うんですけど、やっぱり、事実の部分は変えないようにしたいので、その境目を見つけるのが大変でした。細かいことをひとつひとつ、本打ち(脚本の打ち合わせ)のときに、みんなで確認していって、気づいたら12時間が経っていたということがありました。原作の中では地の文になっている箇所を、台詞に起こしたりする部分もあったんですけど、そこに関しても検証が必要だったりするので、かなり大変な作業でした。――『MIU404』でも、かなり取材を重ねて書いたそうですけど、それともまた違うものなんですか?違いましたね。オリジナルだと、映像としてベストなところで進めていけばいいんですけど、原作ものは、どこまで変えていいのだろうということがあるので。そういう意味ではオリジナルの方が楽なんですよね。――確かに、以前もまた別の意味でオリジナルが楽だということは言われてましたもんね。『罪の声』の原作は、映画を観た後でもぜひ読んでほしいです。臨場感があって入れたかった場面も、本筋を描く中では枝葉になってしまうところがあって、やむなく入れられなかったんですけど、そういう部分が面白い小説でもあるので。当時の警察の動きのあれこれや、新聞記者の取材技術が知れる部分など、見どころがたくさんあります。○■「巨悪」を描いても社会は変わらなかった――脚本を書かれた時期と、放送や公開の順番は逆になってしまいましたが、『MIU404』を見ていた私たちは、少しだけ『MIU404』と『罪の声』と地続きみたいな感覚がありまして。野木さん自身は、2つの作品が地続きのような感覚はありますか?同じ人間が書いているので、価値観は同じだし近くなることはあると思います。塩田先生もわりと近いことを考えてる人だろうなという点もあるし、『MIU404』の後半ではメディアやSNSに翻弄される人々のことを書きましたけど、『罪の声』も、SNSではないけれど、同じなんですよね。当時、マスコミや新聞が犯人によって踊らされ、それを読んだり見たりして興味を持った人が、世の中の空気を作ってしまったというところが共通していて、単なる過去の話ではないなと思いました。実は『MIU404』のSNSにまつわる後半は、『フェイクニュース』のリベンジでもあったんですよ。諸事情で放送終了後にお蔵入りしてしまったので、だったらもう一度違う形でやってやろうと密かに(笑)。だからつながっていると言えば、すべてつながってますね。――それとやっぱり地道に生きている人々の声をないがしろにしてはいけない、というところも共通しているなと。一方で『MIU404』の伊吹や志摩は地道に生きている人ですが、公権力の側の人でもあるので、もっと権力の側を疑う目線も必要なのではという意見も見たんですが、そこに対してはいかがですか?『MIU404』は結局、ドラマとして「巨悪」をやりたくなかったんですよ。それは、日本の刑事ドラマって、最後はすべて巨悪に向かっていくということが多くて。なので、自分が刑事ドラマをやるときは、やりたくないと思っていたんです。実はオンエアでは尺が足りずカットになってしまったんですが、ディレクターズカット版の最終話で志摩が「確かに警察は組織もデカいし、悪いやつらもいるかもしれないけど、末端の自分たちはルールの中で出来る限りのことをやってるんだ」という話をしています。『MIU404』は、末端の刑事たちを描くことで、「こうあるべき」という姿を見せるドラマにしようと思っていました。今までの刑事ドラマで「巨悪」を描いてきて、結果どうなったかというと、社会は変わらなかったし、権力側の不祥事を見ても「ああそんなもんか」といつの間にか慣れてしまってたんじゃないかと。それよりも、ルールは絶対に守る、公文書は破棄しないという、本来あるべき姿を描いていれば、それが当然だという空気になるかもしれない。もし実際の社会に、ルールを破る警察が出てきたり、公文書を破棄する官僚が出てきたら、「それはダメでしょう」という空気になるだろうと思うからこそ、私は、そっちの方を描いたし、むしろ今はそのほうが意義があると思ったんですね。――やっぱり、そういう視線は『罪の声』にも通じるところがありますね。そうですね。マスコミにもそうあってほしいですしね。■野木亜紀子1974年生まれ、東京都出身。主な作品に映画『図書館戦争』シリーズ(13・15年)、『アイアムアヒーロー』(16年)、ドラマ『空飛ぶ広報室』(13年)、『重版出来!』『逃げるは恥だが役に立つ』(16年)、オリジナル作品にドラマ『アンナチュラル』『獣になれない私たち』『フェイクニュース』(18年)、『コタキ兄弟と四苦八苦』(20年)、『MIU404』(20年)など。(C)2020 映画「罪の声」製作委員会
2020年11月11日俳優の小栗旬と星野源が映画初共演することで話題を呼んでいる、映画『罪の声』(公開中)。塩田武士氏の同名小説の実写化作である同作は、日本中を震撼させた未解決事件を追う新聞記者の阿久津英士(小栗)と、父の遺品の中にあるカセットテープを発見し、その事件の脅迫テープに幼いころの自分の声が使われていたことを知った曽根俊也(星野)の人生が交錯していく。脚本を務めたのは、数々のヒット作を世に出す野木亜紀子で、本作には『逃げるは恥だが役に立つ』や『MIU404』の星野源、『アンナチュラル』の市川実日子、松重豊、尾上寛之、『コタキ兄弟と四苦八苦』の古舘寛治、『MIU404』の橋本じゅんと、過去の野木作品で魅力を放った役者陣が数多く出演している。今回は野木にインタビューし、完成した映画で彼らをどんな風に見たのか、話を聞いた。また、脚本を書くときに共通する矜持などについて語ったインタビューも後日公開する。○■たまたま縁のある俳優が多かった――野木さんは、書いている時には、どなたが出演するのか知っているんですか?この話を受けたときは、監督が土井裕泰さん(『空飛ぶ広報室』『重版出来!』『逃げるは恥だが役に立つ』を演出)だという座組を聞いたのと、面白そうな企画だなということでお受けしました。主演2人はすでに決まっていましたし、他のキャスティングにも口は出してないんです。たまたまご縁のある方が多かっただけで。どなたも素晴らしい役者さんなので、引っ張りだこというだけなんじゃないでしょうか。――映画をご覧になって、俳優の方に感じたことを聞きたいです。この9月まで『MIU404』の志摩役をやっていましたし、『逃げるは恥だが役にたつ』でも、平匡さんを演じていた星野さんですが、本作のテーラーの曽根俊也という役はいかがでしたか?源さんは、志摩を演じる以前の源さんって感じでしたね。実際に、撮影のタイミングも『MIU404』の前でしたが、どちらかというと平匡さん寄りな部分がありました。出来上がりを見て、やっぱり普通に生きている人を演じるのがうまいなと思いました。実際の本人はポップスターなわけで、大きなステージで「星野源でーす!」と言ってる人なんだけど、どう見ても素朴に地道に生きているテーラーに見えたし、そういう普通の人が巻き込まれていく様子をうまく演じられていたなと。――対して、新聞記者の阿久津英士を演じた小栗旬さんはいかがでしたか?野木さんの作品は初めてということですね。阿久津は狂言回し的な役割なんですけど、それだけでは主人公として機能しないので、なぜ社会部から文化部へ来たのかなどの理由を描いてます。実際観てみると、演技に過剰なところがなく、それでいてちゃんと存在感があるのが見事だなと思いました。存在感があるのに、さりげなくいる感じがあります。だけどクライマックスでは静かな熱が伝わる。――『MIU404』で機動捜査隊の一人の陣馬を演じた橋本じゅんさんも、続けて出演されているということで、公開前から期待が高まっていますね。小料理屋の板長を橋本さんにお願いしたと聞いて、「大丈夫? やりすぎない?」なんて冗談で言っていて。あがりを見たら、すごく良かったですよね。あの役って「うかつ」な役じゃないですか(笑)。そういう「うかつ」な役を、うかつに演じていて面白かったですね。妙な説得力がありました。――シリアスな場面の多い映画の中で、くすっとできるのが橋本さんのシーンでしたよね。『罪の声』は、キャスティングにほとんど口出ししてないとのことですが、本当に野木さんの作品で活躍してた人が演技しているのがうれしくて。市川さんもそうですもんね。市川さんに関しては、「誰がいいと思う?」と意見を求められて私が推した気がします。やっぱり、今、星野源さんの妻の役って難しくないですか? 『逃げ恥』のイメージも大きかった中で、誰が演じたらすんなり見られるのだろうと思って。実際見てみて、市川さんの「すんなり力」が発揮されていたし、自然でリアリティのある芝居が本当にうまいなと思いました。――ほかにも、『アンナチュラル』所長の松重さんと、『コタキ兄弟と四苦八苦』の古舘さんが、同じ新聞社の記者でしたね。この2人も、キャスティングされてから知って、特に松重さんは福岡出身なので「関西弁大変じゃない?」なんて言ってたんですが、さすがお見事でしたね。――特に、古舘さんが後半に入って言う台詞にすごくぐっときまして。意義の問答ですかね? それは良かったです。最後の因数分解のところは原作でいい台詞だなと思って、おそらく塩田武士先生ご自身の矜持だと思ったので入れたかったんです。古舘さんは、『コタキ兄弟と四苦八苦』監督の山下敦弘さんの『マイ・バック・ページ』でも、ちょっと似た部分のある新聞記者を演じられていたんですけど、うまく演じ分けてましたね。でも、そういう意味でいうと、個人的に面白かったのは、尾上寛之さんですよね。――『アンナチュラル』を見ていた人からすると、尾上さんって、めちゃめちゃ悪い人としてインプットされてますもんね。「これは何かあるんじゃないか」って、『アンナチュラル』を見ていた方にとっては地味なミスリードになってますよね(笑)。でも朝ドラの『カーネーション』では純情で素朴な役柄で素晴らしいお芝居をされていたし、今回のような役もとても素敵だと思うので、早く『アンナチュラル』のイメージが抜けるといいなと勝手に心配しています。■野木亜紀子1974年生まれ、東京都出身。主な作品に映画『図書館戦争』シリーズ(13・15年)、『アイアムアヒーロー』(16年)、ドラマ『空飛ぶ広報室』(13年)、『重版出来!』『逃げるは恥だが役に立つ』(16年)、オリジナル作品にドラマ『アンナチュラル』『獣になれない私たち』『フェイクニュース』(18年)、『コタキ兄弟と四苦八苦』(20年)、『MIU404』(20年)など。(C)2020 映画「罪の声」製作委員会
2020年11月07日歴史短編小説を原作にした朗読劇『さらば黒き武士(もののふ)』が10月24日(土)に大阪・メイシアター中ホール、10月31日(土)に東京・浅草公会堂にて上演される。出演者の北村有起哉に話を聞いた。「朗読劇さらば黒き武士」の公演情報はこちら本作は、織田信長の生涯とその美学を、森蘭丸のモノローグ形式で綴る岡本さとるの小説を、岡本自身による上演台本、藤間勘十郎(宗家藤間流 八世宗家)の演出によって舞台に立ち上げる朗読劇。森蘭丸を山本一慶が、織田信長と実在したアフリカ人・弥助の二役を北村が、くノ一・村雨と読み人を如月蓮が演じる。日本舞踊 宗家藤間流・藤間勘十郎の演出で、生演奏の鳴物が入るなど、果たしてどのような朗読劇になるのか楽しみな本作。北村は「宗家(藤間)の座組なので、まともにやるはずはないと思っています(笑)。初めてご一緒した『怪談 牡丹燈籠』(’19)同様、今回も藤間ワールドになりそうです。でも、宗家がノリノリになってくれたほうが楽しいんですよ。今はまだ『一体どこへ行くの?』という段階ですが(笑)、そこが楽しみのひとつです」と明かし、朗読劇のイメージを超えるものになりそうだ。山本、如月とは「初共演です。でも敢えてバラバラの3人を集めたんだろうなと思いますし、だからこそどんな作品になるのか想像がつかない。僕は仕事でのこんな一期一会をいつも楽しみにしているんです。この出会いの先に何かがあればいいなとも思いますしね」と楽しんでいる様子だ。北村は信長と弥助の二役を演じるが「(それぞれのキャラが強いぶん)演じ分けをしすぎるとコントみたいになっちゃう可能性もある。“朗読劇”であることに集中して、言葉を大切に読んでいきたいです」と話し、「でも、山本くんも如月さんも“声をつくる”というような発声の仕方をされるので、ちょっと僕もやってみようかなと思っています」と、これまでにない北村の姿も観られそうだ。ドラマに映画に舞台にと演じ続けている北村。「僕はいろんなことをやってみたいんです。ミュージカルもやりたいし、活劇とかもやりたいし、歌舞伎もやってみたい。たまにマネージャーに『これ以上はスケジュールが無理ですよ』と言われくらい(笑)、もっとやりたい。きっと楽しいだろうなって思うから」と語るほどの芝居好きだが、その中でも舞台の魅力は「やっぱり“ライブ”ですよね。お客様と、劇場という空間で同じ時間を過ごすことは実はすごく特別なことだったんだというのは、このコロナ禍で改めて感じました。今舞台ができることを、本当に嬉しいと思っています」(取材・文 中川實穗)
2020年10月26日塩田武士のベストセラー小説を、小栗旬、星野源らをキャストに迎えて映画化した『罪の声』が間もなく公開になる。本作は35年前に起こった未解決事件の真相を追うふたりの男と、当時の事件に直接的/間接的に関わった人々の人生を描いた作品だが、土井裕泰監督は単なる犯人探しに終わるのではなく、主人公ふたりの気持ちが重なり合っていくプロセスやドラマを重層的に描きたかったと語る。かつて、食品会社6社を標的にした一連の企業脅迫事件は、警察やマスコミが翻弄され、日本中をわかせる大事件になったが未解決のまま時効を迎えた。35年後、新聞社の文化部に勤務する阿久津(小栗)はこの事件を改めて調査する特別企画班に選ばれ、取材を開始する。同じ頃、京都の小さなテーラーを父から継いだ曽根(星野)は、父の遺品からカセットテープを発見する。そこには35年前に犯人グループが身代金の受け渡しに使用した子どもの声が吹き込まれており、その幼い声は……自分の声だった。実在の事件をモチーフに、未解決事件を追うふたりの男を描いた原作小説は発刊時から高い評価を得ている。「前半は阿久津と曽根がそれぞれ緻密に取材をしていく“点”の部分。それが後半になってつながって"線”になり、多様な人々の人生があぶりだされてゆくダイナミズムがこの小説の面白いところ」と分析する土井監督は、その一方で「あまりにも情報量の多い話なので、普通に脚本化してしまうと5、6時間の映画になってしまうんですよ(笑)。これを2時間強の映画にまとめるのは至難の技ではないかと。そこが最初の課題でした」と振り返る。『アンナチュラル』や『MIU404』など人気ドラマも手がける野木亜紀子が脚本を手がけることになり、土井監督たちは原作の要素を徹底的に整理し、物語の要素を的確に脚本に落とし込んでいった。「小説がモチーフにした実在の事件のことを知らない若い人もこの映画を観ると考えた時に、事件そのものを詳細に説明するよりは、あくまでフィクションを通じて“犯罪に巻き込まれてしまった子どもたちの人生とその顛末”をメインテーマに描くべきだと思いました。とは言え、緻密に編まれた原作の要素を単純に省略したり短くすればいいわけではないので、何かの要素を削除したら、そこに映画としての新たな文脈をイチから組み立て直す必要がありました。もちろん、事件の全貌を描く必要はないとは言え、そこに登場人物の過去があり、現在の姿があり……物語を構成するレイヤー(層)の数がすごいんですよ! これが重なり合ってひとつになった時にどんな色が見えてくるのかは、僕も最初から掴めていたわけではなくて、ひとつひとつ撮っていき、最後の最後にドキドキしながらひとつに束ねていきました」監督が語る通り、本作は、前半は新聞社で働く阿久津と、幼い頃の自分の声が脅迫に使われたことを知ってしまった曽根がそれぞれの立場で事件を追い、関係者の証言を集め、事件の真相に迫る姿が交互に描かれ、やがてふたりは行動を共にするようになる。「このふたりが主人公ではあるんですけど、彼ら、特に阿久津は35年前の事件に直接的に関わっているわけではないので、ふたりが単なる“ストーリーテラー”になってしまわないように気をつけましたね」しかし、本作は基本的に阿久津と曽根が関係者の話を集めてまわる物語だ。「そうなんです。話を聞くシーンが多いので意外に映画的な動きは少ないんですよ」このままでは主人公がただただ座って相手役の話を聞いているだけの平板な展開になってしまう。しかし、土井監督は“感情のアクション”を描くことで本作に躍動感をもたらしている。「ふたりが出会う人たちに心を動かされる。そういう意味でのアクションを起こせるのではないかと思ったんです。35年前の事件の話なので、証言者はだいたい50歳から70歳台の方が多くなる。そこで、僕がかつて映画やドラマで憧れていた俳優さん、かつてお仕事をさせていただいた方にもお願いして……キャスティングにはすごく注力しました」梶芽衣子、宇崎竜童、松重豊、古舘寛治、火野正平、正司照枝、佐川満男、そして宇野祥平……本作には土井監督の言葉を借りるなら「奥行きのある俳優」たちが集結した。「ほとんどの人物は点でしか描かれない。ほんの数分間の出演でその人の人生、生きてきた背景をセリフだけではなく感じさせなければならない。本当に難しいんですけど、それぞれ存在感に奥行きのある俳優さん達にやっていただけて本当に良かったです」次々に登場する名優たちの顔、細やかな動き、空気を受けて、小栗旬と星野源の心が揺れ動くのをカメラが捕らえる。さらにふたりが演じる阿久津と曽根の間にも友情にも似た感情が芽生えていく。「物語の中盤で阿久津は追う者、曽根は追われる者として出会うんですけど、やがてふたりの間には奇妙な友情が生まれる。そこはこの映画ですごく描きたかった部分で、通常のミステリーのように事件の原因と結果や、犯人をただ答え合わせしていくだけではなく、阿久津と曽根の気持ちが重なり合っていくプロセスだったり、阿久津が背負う“ジャーナリズムの意義とは?”というテーマを重層的に描きたかった。小栗さんと星野さんはタイプの違う俳優だと思うんですけど、お互いが過去を含めたこれまでの表現に対してとてもリスペクトし合っている感じがありました。ふたりともこれまで立ってきた場所が少し違うからこそ、俳優としてガチで向き合った時に自分たちに何が起こるのか? に興味を持っている感じがしたんです。劇中で初めて阿久津と曽根が出会うシーンが、ふたりの最初の共演シーンだったんですけど、その時点ですでに単なる“攻め/守り”ではないある種の共犯者的なシンパシーがあった。それが見えた時に『この映画は面白くなりそうだな』という感触を得られましたね」過去の事件に改めて光をあてることが正しいことなのか迷いながら取材を続ける記者と、知らぬ間に事件に加担していたのではないかと悩むテーラーの男は奇妙な友情を築きながら事件の真相に迫っていく。それぞれが調べていった事実=点はやがて線になっていく。しかし、土井監督は「最後に謎解きをして、最終的にすべてのことが腑に落ちて終わるだけの話にはしたくなかった」という。「描くべきは、事件に巻き込まれてしまった子どもたち=無垢の加担者の人生に起きてしまったことです。この物語の入り口はミステリーで始まるのかもしれないけれど、出口では、あらゆる年代の人たちがそれぞれ自分なりに様々な余韻を抱えて劇場を後にする。そんな映画にしたいと思いました」事件の真相が明らかになったとしても、事件に巻き込まれてしまった人々の過去や痛みが消えるわけではない。知らぬまに事件に加担させられた子どもたちはどんな人生をおくってきたのだろう? もし事件がなければ、どんな人生が待っていたのだろうか?「僕は情報を伝えるメディアで30年以上仕事をしてきましたが、いま改めて小さな声の人たちの声を、市井の人たちの日常に埋もれている声みたいなものをエンターテイメントのかたちを借りて届けることが自分のすべきことなんじゃないかなと感じています。それは、劇中で阿久津が記者としての新たな矜持にたどりついたことと非常に近いなと思ったんです。そういう意味でも、この映画にいま関わることができてよかったと思っています」本作はかつて起こった事件をモチーフに描きながら、そこに生きた人々、事件を背負ってこれからも生きていく人々の"小さな声”を繊細なタッチで描いている。『罪の声』10月30日(金)ロードショー
2020年10月26日映画『罪の声』(10月30日公開)の完成報告会が東京・国際フォーラム ホールCで行われ、小栗旬、星野源、土井裕泰監督、塩田武士(原作者)が登場した。同作は塩田武士の同名小説の実写化作。新聞記者の阿久津英士(小栗)は、昭和最大の未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、残された証拠を元に取材を重ねる。一方、京都でテーラーを営む曽根俊也(星野)は、父の遺品の中にカセットテープを見つける。何となく気に掛かり再生すると聞こえてきたのは、幼いころの自分の声。それは30年以上前に複数の企業を脅迫して、日本中を震撼させた昭和最大の未解決事件で犯行グループが使用した脅迫テープと全く同じ声だった。印象的だったシーンについて聞かれると、小栗は「高田聖子さんが演じている被害者の友達が、俊也に話すシーンがあるんですけど、そこがこの作品の中で自分が最初に『うわあ、すごいなこのシーン』と思って、とても気に入ってるシーンです」とピックアップする。また星野は「橋本じゅんさんのシーンは、現場でもテンションがすごかったですよね。『もうちょっとおさえてください』というくらいにやってて。あれでもじゅんさんはおさえてやってたんですよ」と思い出し笑い。『罪の声』出演で「『MIU404』という作品の1年半くらい前にじゅんさんとご一緒していた」と明かした星野は、「じゅんさんのシーンはとってもキーマンなんです。あの人がいなかったらも、しかしたらこの映画は途中で終わってるんじゃないかというくらいのキーマンなんですけど、めちゃくちゃおっちょこちょいで迂闊なので、そこをぜひ楽しみに見ていただけると、違った面白さが出てくるんじゃないかなと思います」と語った。小栗はそんな星野の回答を聞いて、「僕らがあげた2人(高田&橋本)は、劇団☆新感線ですね」と共通点に気づく。星野も「そうですね。やっぱり劇団☆新感線はすごいですね」と同意していた。
2020年09月29日映画『罪の声』(10月30日公開)の完成報告会が東京・国際フォーラム ホールCで行われ、小栗旬、星野源、土井裕泰監督、塩田武士(原作者)が登場した。同作は塩田武士の同名小説の実写化作。新聞記者の阿久津英士(小栗)は、昭和最大の未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、残された証拠を元に取材を重ねる。一方、京都でテーラーを営む曽根俊也(星野)は、父の遺品の中にカセットテープを見つける。何となく気に掛かり再生すると聞こえてきたのは、幼いころの自分の声。それは30年以上前に複数の企業を脅迫して、日本中を震撼させた昭和最大の未解決事件で犯行グループが使用した脅迫テープと全く同じ声だった。1500人の会場が無観客となり、小栗は「ある種、ぜいたくなところにいさせていただいていますが、やっぱりお客さんが入っている姿を早く見たいですね」、星野は「僕もずっと舞台をやってきた人間なので、お客さんがいっぱいいる景色を早く見たいですが、こういう風に集まれただけでも感激しているというか、とても嬉しいです」と光景を噛み締める。4年前からオファーされていたという小栗は「曽根俊也というキャラクターは星野源さんでと聞いて、ぴったりだなと思いましたし、原作を読ませてもらって、この作品に参加しないという手はないなと感動しました」と振り返る。同じく星野も「阿久津を小栗くんでやりたいと思ってるんだという話を聞いた時にすごく面白いなと思って。原作を読ませていただいたときに、小栗くんがこの役をやるんだというのがフレッシュ。普通のおじさんなんですよ。人間味あふれるというか」と印象を明かし、「挫折を経験していて、人の気持ちをちゃんと見れる人で、でもパッと見くたびれているおじさんであるという感じを小栗くんがやるんだ、早く見たいなと思いました」と語った。ドラマ『コウノドリ』で少し共演経験はあったものの、映画で初タッグとなった2人。試写を見終わった後には、星野が「小栗くんと電話して、『土井さんすごいね』という話を2人でしました」というくらい仲を深めたという。小栗は「普通に星野源さんの音楽を聞かせてもらって、ファンみたいな気分でいました。共演する前にも何度かお会いする機会があったんですけど、いっつもちょっとしたファン心理みたいな感じで、ただただ会えることを喜ぶみたいな感じだった」と告白する。今回共演に至り「いろんな時間を過ごさせてもらって、星野さんを知っていけて、今では時々食事なんかもできるようになっているのは嬉しい出会いだったと思っています」と思いを表した。星野は「共通の知人が何人かいて、飲みの場とかご飯の場で会っていたので、いわゆるしらふの状態で話をすることがなかなかなかったんですよ。僕はあんまり飲まないけど飲みの場はすごく好きで、ワイワイ状態の小栗くんしか知らなかったんですけど、現場でどうなんだろうなと思って楽しみにしていた」と振り返る。さらに「役に対してまっすぐ丁寧に向き合っていて、現場にもそっといる感じの人。僕も同じタイプなので、2人でぼそぼそずっと話をしているような、そんな待ち時間だったんです。その会話がすっごく楽しくて、一気に好きになりました」と笑顔に。小栗も「僕もとっても好きになりました」と答え、星野は「ありがとう」と相思相愛の様子だった。
2020年09月29日塩田武士の小説を映画化し、小栗旬と星野源を主演に迎えた『罪の声』が、10月30日(金)に公開されることが決定。あわせて、最新予告映像が公開された。「2016年週刊文春ミステリーベスト10」で第1位を獲得し、第7回山田風太郎賞を受賞するなど高い評価を得た原作小説は、フィクションでありながら、日本中を巻き込み震撼させ未解決のまま時効となった大事件をモチーフにした内容。綿密な取材と着想が織り混ぜられ、事件の真相と犯人像に迫るストーリーが“本当にそうだったのではないか”と思わせるリアリティに溢れる物語が話題を呼んだ。事件に翻弄されながらも、その奥に眠る真実に向かって力強く進むふたりの男。主人公の新聞記者・阿久津英士を演じるのは小栗旬。35年以上前に起き、すでに時効となっている犯罪史上類を見ない劇場型犯罪の真相と謎の犯人グループを追う新聞記者の役を務める。もう一人の主人公・曽根俊也役を担当したのは、星野源。父から受け継いだテーラーを営み、平凡な毎日を過ごす中で、偶然にも幼少時の自分が知らないうちに、日本中を震撼させた未解決事件に関わっていたことを知ってしまう男を演じる。監督は、『いま、会いにゆきます。』『ビリギャル』などの土井裕泰。脚本は、今夏話題のドラマ『MIU404』も担当する野木亜紀子。さらに、主題歌にはドラマ『テセウスの船』で話題を呼んだUruに決定。本作を何度も鑑賞し書き下ろしたという楽曲「振り子」が、映画の世界観を盛り上げる。公開された予告映像では、物語の発端となる、「日本中を震撼させた劇場型犯罪」で使われた脅迫テープの子どもの声から始まる。その声が、自分の声だと気が付き戸惑う、星野演じる俊也。緊迫した映像とともに、35年の時を超え、小栗演じる阿久津によって、事件の真相が紐解かれていく。そして、運命に導かれるように出会う阿久津と俊也。「真実を、明らかにすることに意義があります」「どんな意義ですか?」ふたりのセリフに重なるように、Uruの『振り子』が流れる。主題歌を担当したUruと、本作プロデューサーのコメントは、以下の通り。■Uruコメントお話を頂き映画を拝見した時に、この作品に沿う主題歌とはどんな楽曲なのかとても考えました。深く体に染み込ませる為に何度も観て少しずつ形にしていきましたが、希望を描こうとすると浅薄な思考や言葉ばかりが浮かび、再び観る。その繰り返しで、映画の人物達の目線で何度も書き直しました。生きていると本当に様々な事がありますが、もし今、悲しみや苦しみの中にいて希望を見出せずにいたり、素直に涙を流す事が出来ずにいる方がいるのならば、この曲が「今悪い方へ振っているその振り子は、次は必ず光の方角へ振る」という希望になってくれることを願います。■プロデューサー(那須田淳)コメント原作小説の衝撃的な着想にひかれ、ふたりの主人公に小栗旬さん星野源さんを想い読み進めて4年経ち、Uruさんの主題歌をえたことで映画が完成しました。Uruさんとは、ドラマ『コウノドリ』でもご一緒しています。『コウノドリ』のテーマは「命」。彼女の歌と歌声には、その源のようなところに響く何かが感じられました。Uruさんとは何も打ち合わせすることなく、ただ映画を見て頂き、この楽曲を作ってもらいました。映画『罪の声』には様々な人たちの人生が宿っています。生きてきた証や夢や希望、どんな人生にも必ずある「生きているということ」の源にある何かを感じ取ってもらいたくてこの映画を作りました。その深淵に潜む何かを、Uruさんは『振り子』で、響きしみいる歌声と詞で浮かび上がらせてくれたような気がします。どんな人生も美しいことを教えてもらった気がします。映画の主題歌とはこういうことかと初めて聞いた時から今も繰り返して感動しています。『罪の声』10月30日(金)公開
2020年08月19日フィクションでありながら、日本中を巻き込み震撼させ、未解決のまま時効となった大事件をモチーフにした塩田武士の小説を、小栗旬主演、共演に星野源を迎え映画化する『罪の声』。本作の公開日が10月30日(金)に決定し、最新予告映像とポスタービジュアルも到着した。今回到着した予告編では、物語の発端となる犯罪で使われた脅迫テープの子どもの声が、自分の声だと気がつき戸惑う、星野演じる俊也の姿からスタート。そして35年の時を超え、小栗さん演じる新聞記者・阿久津が事件の真相を探っていく。さらに、事件の裏に隠れ、忘れ去られていた子どもたちの姿も…。また本作の主題歌を、「テセウスの船」で大きな話題を呼んだUruが担当することが決定。本作を何度も鑑賞し書き下ろしたという渾身の楽曲「振り子」が、公開された予告編にも挿入されている。Uruさんは「お話を頂き映画を拝見した時に、この作品に沿う主題歌とはどんな楽曲なのかとても考えました。深く体に染み込ませる為に何度も観て少しずつ形にしていきましたが、希望を描こうとすると浅薄な思考や言葉ばかりが浮かび、再び観る。その繰り返しで、映画の人物達の目線で何度も書き直しました」と制作過程を明かし、「生きていると本当に様々な事がありますが、もし今、悲しみや苦しみの中にいて希望を見出せずにいたり、素直に涙を流す事が出来ずにいる方がいるのならば、この曲が『今悪い方へ振っているその振り子は、次は必ず光の方角へ振る』という希望になってくれることを願います」とコメントしている。『罪の声』は10月30日(金)より全国東宝系にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:罪の声 2020年10月30日より全国東宝系にて公開©2020「罪の声」製作委員会
2020年08月19日昭和最大の未解決事件に挑む、塩田武士の58万部突破のベストセラー小説を、小栗旬主演、星野源と映画初共演を果たす『罪の声』。この度、本作の最新ビジュアルと特報映像が到着。さらに、新キャストも明らかになった。今回到着した映像では、物語の発端となる脅迫テープの子どもの声からスタート。そして星野さん演じる俊也は、その声が自分の声だと気が付き戸惑う…。また、小栗さん演じる新聞記者・阿久津と言い合うようなシーンや、阿久津が「本当の罪人を、引きずり出します」と力強い眼差しを向ける姿など、30秒と短いながらも見入ってしまう、緊迫感たっぷりの映像となっている。また、運命が交錯する2人をとりまく10名の新たなキャストも明らかに。俊也の妻・亜美役に市川実日子。母・真由美役に梶芽衣子、その若き日を阿部純子。叔父の達雄役を宇崎竜童。そして、阿久津が所属する大日新聞の元社会部記者、水島洋介役を松重豊。社会部事件担当デスク・鳥居雅夫役を古舘寛治。事件に翻弄される生島一家の母・千代子役を篠原ゆき子、娘・望役を原菜乃華。2人が事件に翻弄される中で出会う、スーツの仕立て職人・河村和信役を火野正平、麻雀店の元オーナー・須藤みち役を正司照枝が演じる。最新ビジュアルでは、真剣な表情の阿久津と俊也に加え、今回発表された新キャストの姿も浮かび上がっている。『罪の声』は秋、全国東宝系にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:罪の声 2020年秋、全国東宝系にて公開予定©2020「罪の声」製作委員会
2020年06月24日テレビ東京「午後のロードショー」ではGWスペシャルとして、5月5日(火・祝)本日、堺雅人と仲間由紀恵の共演でおくる異色時代劇『武士の家計簿』を放送する。大河ドラマ「新選組!」で注目され「リーガル・ハイ」や「半沢直樹」が大ヒット。「半沢直樹」では主人公の決めゼリフ「倍返しだ!」が同年の新語・流行語大賞を受賞するなど社会現象ともなり、その後も「真田丸」に主演、『DESTINY 鎌倉ものがたり』『北の桜守』など出演が続く堺さん。「TRICK」「ごくせん」シリーズで一躍ブレイクすると、大河ドラマ「功名が辻」で主演を務め、2005、2006年には連続で紅白司会に抜擢されるなど国民的女優に。2014年からは「相棒」シリーズに参加し、最近では「偽装不倫」や「10の秘密」でみせた悪女ぶりも話題の仲間さん。2人が夫婦役共演を果たし、『家族ゲーム』『悲しい色やねん』などの作品を経て、渡辺淳一の原作を映画化した『失楽園』で日本アカデミー賞、報知映画賞、キネマ旬報賞などの各賞に輝いた森田芳光監督がメガホンを取った本作。幕末、加賀藩に仕える下級武士の猪山直之(堺さん)は、仕事ぶりは真面目でも融通の利かない性格から周囲と歩調を合わせられず浮いた存在となっていた。ある日、直之を心配した周囲の人々は妻をめとらせようと、お駒(仲間さん)との縁談を持ち込む。お駒の父は、武士としてはふがいないが、算術に関しては抜きんでた才能を持つ直之を、優秀な会計士として評価していた。やがてお駒が川で友禅を流していたとき、調査に出向いていた直之と出合い、2人はお互いに好意を抱き結婚する。その頃、藩内では米の不正が横行。不正を見逃すことができず独自に不正の調査を進める直之だが、調査が原因で左遷されかける。だが調査結果をみた上層部は彼の仕事ぶりを評価、藩主の側近として大抜擢され異例の昇進を果たす。一方、お駒が長男を出産、祝いの場で直之は初めて猪山家の財政難の問題を知る。親戚付き合い、養育費、冠婚葬祭と武家の慣習で出世の度に出費が増え、いつしか家計は火の車になっていた。一家の窮地に直之は“家計やり直し計画”を宣言する…という物語。午後のロードショー『武士の家計簿』は、5月5日(火・祝)13時15分~テレビ東京で放送。(笠緒)■関連作品:武士の家計簿 2010年12月4日より全国にて公開© 2010「武士の家計簿」製作委員会
2020年05月05日大泉洋を主人公にあてがきした塩田武士の小説を、大泉さん主演で映画にした『騙し絵の牙』。6月19日(金)より公開を予定していた本作だが、新型コロナウイルスの影響で公開が延期されることが決定した。本作は、「罪の声」で数々の賞を受賞した小説家・塩田武士が、俳優・大泉洋を綿密に分析、完全あてがきによる新感覚小説「騙し絵の牙」を、『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』の吉田大八監督が映画化。大手出版社の雑誌編集長・速水役の大泉さん、速水の策略に巻き込まれていくヒロインを松岡茉優、大手出版社・薫風社専務を佐藤浩市、ほかにも宮沢氷魚、池田エライザ、斎藤工、中村倫也、リリー・フランキー、木村佳乃ら豪華俳優が出演している。そんな本作が、今回公開延期を発表。新たな公開日については現在未定。決まり次第、映画公式サイトやSNSにて発表される。『騙し絵の牙』は近日公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:騙し絵の牙 近日公開©2020「騙し絵の牙」製作委員会
2020年04月15日ミュージカル『サンセット大通り』が3月14日(土)に開幕する。稽古場にて、音楽監督と指揮を務める塩田明弘に話を聞いた。【チケット情報はこちら】本作は、『キャッツ』『オペラ座の怪人』などで知られるアンドリュー・ロイド=ウェバーにより1993年にロンドンで初演された作品で、かつての栄光を忘れられない大女優ノーマ・デスモンドの妄執と、それがもたらす悲劇を描く。日本では鈴木裕美の演出で2012年に初演。2015年の再演を経て、今回が3度目の上演となる。『ジキル&ハイド』『天使にラブソングを~シスター・アクト』『ラ・マンチャの男』など数多くの作品を手掛け、日本のミュージカル界に欠かせない塩田。アンドリュー・ロイド=ウェバー作品も手掛けてきた中で、本作については「『キャッツ』が1981年に初演されて、『オペラ座の怪人』が1986年、この『サンセット大通り』は1993年の作品。“円熟期”の大作のひとつだと思います。美しいバラード『With One Look』や、哀愁を帯びた『Surrender』、ドラマティックに歌う『As If We Never Said Goodbye』など、主人公ノーマの心情を映し出した楽曲が多いのが特徴です」と話す。日本初演から音楽監督と指揮を手掛けてきて、三度目の上演となる今回は「譜面が変わり、楽器の編成も変わりました。ホルン、バストロンボーン、ギター、エレキベースが増えたんですよ。ロイド=ウェバーの得意とする重低音の楽器が増えて、17人編成となり、より壮大になると思います。アレンジメントとしては、登場人物、特にノーマですが、彼女たちの情景を、音楽によってもっと強く見せるというような変更が多いです」。その変化は作品全体とも通じており、「今回、ノーマの想いや、ジョーの想い、いろんな登場人物の想いの表現がより深くなっているなと感じます。カタチでいかず、より内面的なもの、心の中での葛藤のようなものも伝えようとしていると思う。それは音楽でも、演技でも」と明かす。初演、再演では舞台の後方で演奏をしていたが、今回はオーケストラピットにて演奏される。「音が明らかに変わると思いますよ。オーケストラピットだと、役者の呼吸を直で感じることができるので、演奏のタイミングも合わせやすい。そうすると歌声も自然と乗っかっていく。より一層深みのある演技と音楽を、皆様にお届けすることができると思います」塩田が「今回は主演のふたり(安蘭けい・濱田めぐみのWキャスト)の違いがより顕著だと思う」と語ったミュージカル『サンセット大通り』が3月14日(土)から29日(日)まで東京・東京国際フォーラム ホールCにて上演予定。取材・文:中川實穂
2020年03月09日累計発行部数50万部突破を誇るミステリー小説『罪の声』の著者・塩田武士が、あの大泉洋を主人公に当て書きし、2018年本屋大賞にランクインするなど、世間の注目を集めたベストセラー小説『騙し絵の牙』が実写映画化。もちろん大泉洋を主演に迎え、6月19日(金)より全国ロードショーされる本作の特報映像が公開し、あわせて場面写真も公開された。本作の監督は、『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』などの吉田大八。国民的俳優と日本アカデミー賞監督の最強タッグで、邦画界最高峰のエンタテインメント作品が誕生。舞台となるのは、大手出版社・薫風社。かねてからの出版不況に加え、創業一族の社長が急逝し、次期社長を巡って権力争いが勃発する。その中で、専務・東松(佐藤浩市)が進める大改革で、雑誌は次々と廃刊のピンチに。会社のお荷物雑誌『トリニティ』の変わり者編集長・速水(大泉)も、無理難題を押し付けられて窮地に立たされることになる。しかし、一見頼りないこの男、実は笑顔の裏にはとんでもない“牙”を秘めているのだ。公開された特報映像では、大泉、松岡茉優、佐藤のほか、宮沢氷魚、池田エライザ、中村倫也、佐野史郎、木村佳乃、和田聰宏、坪倉由幸、斎藤工、塚本晋也、リリー・フランキー、小林聡美、國村隼ら日本を代表する超豪華俳優陣の姿が次々と映し出され、重厚感のある映像になっている。廃刊の危機が迫る編集部で、速水は雑誌を立て直そうと奮闘する一方、國村演じる超大御所作家や、佐藤演じる改革派の専務・東松らからは「戦争だな」「狸黙らせろよ」などと、なんとも不穏な雰囲気。さまざまな陰謀が渦巻く様子がうかがえる。一体どんな裏切りや逆転劇が繰り広げられるのか。超豪華な“クセモノ”キャストたちが展開する、仁義なき騙し合いバトルを予感させる映像だ。またあわせて公開されたのは、大泉演じる速水の姿を収めた場面写真。一癖も二癖もありそうな表情から、大泉がどんな演技を見せてくれるのかに期待が高まる。さらに、デスクや資料が乱雑に積まれ、使い込んだ様子のホワイトボードのあるオフィスからも、リアルな編集部の空気感が伝わってくるものとなっている。『騙し絵の牙』6月19日(金)より全国公開
2020年01月23日