『愛がなんだ』がロングランヒットした今泉力哉監督の最新作『アイネクライネナハトムジーク』が本日より全国公開。主演に三浦春馬、ヒロインに多部未華子を迎え、恋愛を軸に多種多様な人々の“生き方”を描いた群像劇だ。原作は、『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞など、数多くの賞を受賞している人気作家・伊坂幸太郎の“初”にして“唯一”の同名恋愛小説集。2014年に単行本が発売され、2017年に文庫化、現在に至るまでに42万部(電子書籍を除く)を売り上げるベストセラーだ。ギターの弾き語りが心地よく響く仙台駅前を舞台に、“劇的な出会い”を待つだけの主人公・佐藤(三浦)と、偶然出会った紗季(多部)の関係を中心に、何組もの男女の恋愛模様と人々の巡り会い、そしてそれぞれの生き方を、10年の歳月にわたって描き出している。今泉監督といえば、緻密な構成と巧みな演出で、リアルで新しい恋愛群像を描いてきた、“ダメ恋愛映画の旗手”とも称される存在。原作者の伊坂からは、「(この小説を)映像化できるのは今泉監督しかいない!」とラブコールを受け、快諾したのだという。出演は、佐藤を演じる三浦、紗季を演じる多部のほか、佐藤の大学時代の友人役に矢本悠馬、その妻役に森絵梨佳、物語のキーとなるボクサー役に成田瑛基、佐藤の上司役に原田泰造が扮する。その他、貫地谷しほり、こだまたいち、MEGUMI、恒松祐里、萩原利久ら多彩なキャストが顔を揃えている。撮影前に三浦は、「『アイネクライネナハトムジーク』という作品に関われること、とても光栄に思います。この作品に登場するキャラクターが過ごす一瞬や、大切な人との言葉のやりとりが人生の音符となり、柔らかな応援歌になるよう、監督をはじめ、スタッフ、キャスト一丸となって撮影に臨みたい」と語っていた。原作者の伊坂も、「『こっぴどい猫』がとても味わいのある群像劇だったので今泉監督なら、この小説を面白い映画にしてくれるのではないかとお願いしました。自分の小説世界が、今泉さん風に変換されるのが今から楽しみ」と述べていた。さて、“ダメ恋愛映画の旗手”・今泉監督は、本作をどのような群像劇に仕上げているのだろうか。無数に引かれる伏線、丹念に紡がれる恋模様の数々。人々の“生き方”を、ぜひとも大きなスクリーンで堪能したい。『アイネクライネナハトムジーク』本日より全国公開
2019年09月20日兄と妹のように育ち、ある時期には濃厚な身体の関係もあった賢治と直子。直子の結婚式が10日後に迫る時、久しぶりに故郷で再会した二人の間で、再び禁忌的な欲望が疼きだす――直木賞作家、白石一文の小説『火口のふたり』が映画化された。原作者の白石一文さんへのインタビューをお届けします。明日死ぬという時にセックスを望む。それが、人間が本来持つしぶとさ。『火口のふたり』を書いたのは東日本大震災の翌年、2012年です。年明けに富士山が噴火する夢を見たんですよ。その頃は実際に、今後最大余震がきて富士山に連動するんじゃないかと言われていました。それで、夢から目覚めた後なぜかふと、自分がそれを小説に書いたら、噴火が少し遅れるんじゃないかなと思ったんです。それで富士山の写真集をめくりながら、一気呵成に書いたんですね。その時に考えたのは、明日若くして死ぬかもしれないとしたら、何がしたいか、ということでした。やっぱり好きな人とのセックスに勝るものはないんじゃないか。むしろ、それくらいしかないんじゃないか。そう思いました。生命って、絶滅の危機に瀕した時にしぶとくなる。人為的ではない、不可抗力の自然災害があった時に、自分にはないと思っていたしたたかさが出てくる。それに、死ぬかもしれないという恐怖心と生殖行為って繋がっていると思うんです。知り合いの漢方の先生が、不妊に悩んでいる人に「子供が欲しかったら食事を減らせ」って言っていたんですよ。飢餓状態を作って生命の危機を身体に感じさせたほうが、子供ができやすくなるってことですよね。頭の中であれこれ考えることとは別に、身体にも身体の言い分がある。この小説の中に何度も「身体の言い分」という言葉が出てきます。<男の悦びには言い分と呼べるほどの「身体の言い分」などありはしない。我が身から真実の声を聞くというのは女性だけの特権なのだろう。>という文章も書きました。実際、男の人は自分の身体のことをあんまり意識していないんですよ。性衝動はあるけれど、それはスイッチが入るというだけの話。若い時は自分の意思に関係なく、そのスイッチが入りっぱなし。性欲に身体が翻弄されている感覚なんです。男の人にとって性器って、身体の一部というか、単なるアタッチメントなんですよ(笑)。女の人みたいに身体の中に根差した感覚はない。男は単純な機能しかなくて、それに女の人が合わせてくれている感覚がありますね。女の人のほうが、入った大きさに合わせてくれるというか、身体を合わせてきてくれる。ただ、僕に言わせると、だからといって女の人が男の身体を憶えていてくれるわけじゃないんですね。むしろ男のほうが女の身体を憶えている。作中、直子に「私は、賢ちゃんの身体をしょっちゅう思い出してたよ」と言わせましたが、あれはわざと男女逆を書いたんです。男の人が女の人の身体を忘れないのは、反応があるからでしょうね。男の性欲って支配欲も込みだから、彼女の反応も憶えている。僕の個人的経験で言うと、女の人ってセックスしているときれいになるんですよ。その最中も、その期間も、全部。「えっ」と思うような表情をして、輝くように見える時期がある。男はそういうのを見ているんです。身体の相性なんて、回数を重ねていくと良くなっていく。だから、若い時は「この人と添い遂げようと思う相手じゃないと駄目だ」などと思わずに、惹かれる相手と集中的にセックスしておくのもいいと思う。もちろん、相手は誰でもいいわけじゃない。濃密な精神的な交流がないと快楽も深まらない。お互いが一緒にいる一定の理由が必要になる。賢治と直子は一度別れた後で再会しているし、従兄妹同士という血の繋がりもある。しかも一緒にいられる時間には限りがある。期間限定セックスだから、彼らは集中する。それがしぶとさだと思う。たとえばセックスレスの夫婦だって、下地はあるのだから、どこかで切り替えればまたいいセックスができるようになるんじゃないでしょうか。セックスって、男女で作り上げていくものなんですよ。挿入するだけが性行為じゃないんです。射精をどうデコレートするかが問題。動物の行為なんて超つまらないでしょう?猫なんて、痛いらしい。人間みたいにセックスを楽しむ動物って他にいないのでは。なぜかというと、人間だけがセックスをデコレートするから。若年層の性欲低下なんて話もありますけれど、それはデコレートする方法が分からないから。他にも楽しいことがたくさんあって性欲の優先順位が低くなって、身を入れていないから。セックスって、実は読書と一緒なんですよ。一定程度の本を読まないと読書の楽しさが分からないように、セックスもある程度のレクチャーが必要なんです。試写で完成品を観ました。賢治と直子の年齢設定が原作よりも若くなっていたけれど、観客にとってはそのほうが見栄えもいいから良かったなって。かつて関係のあった好きな女の人がいて、その人と血の繋がりがあって、追い詰められて田舎に帰った時にその人がいてくれたら、男はやっぱり、たまらない。映画という形になって具体的に二人が絡んでいる姿を観て、改めて、自分はいい小説を書いたなと思いました(笑)。しらいし・かずふみ作家。1958年生まれ。出版社に勤務していた2000年、『一瞬の光』を刊行しデビュー。‘09年に『この胸に深々と刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞、翌年『ほかならぬ人へ』で直木賞受賞。『火口のふたり』かつて愛し合った二人が再会。快楽を求める身体の言い分に従って、5日間だけという約束のもと身体を重ねていく。「世界が終わるとき、誰と何をして過ごすか?」。その問いに対する答えを突き付けてくるような作品。R18+。監督・脚本/荒井晴彦原作/白石一文出演/柄本佑、瀧内公美、柄本明(父の声)8月23日より新宿武蔵野館ほかにて上映。公開に合わせ、フォトストーリーブック『あの頃の「火口のふたり」』を刊行。同書には白石一文が書き下ろしたスピンオフ短編も収録。また、8月10日~9月8日、新宿・B GALLERYにて、野村佐紀子 写真展「火口のふたり」も開催。※『anan』2019年8月14-21日合併号より。写真・野村佐紀子取材、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年08月15日範宙遊泳の山本卓卓が、KAAT 神奈川芸術劇場のキッズ・プログラムに初登場。岡田淳原作の『二分間の冒険』を、8月17日から、同劇場の大スタジオで上演する。山本とキッズ・プログラム、意外にも思われるこの組み合わせ。だがKAATについて山本は「とても良い劇場」と語り、両者の良好な関係がこの企画を後押ししたことを明かす。「KAATの人たちはちゃんと“人”でつくっている感じがするんですよね。流れ作業ではなく、そこにしっかりと血が通っている。またアーティストとどう関わろうかを考えてくれますし、さらに地域のことも考えている。キッズに力を入れているところも魅力的ですし。だからお話をいただいた時はぜひ!って感じでした」『二分間の冒険』に関しては、KAATの方から提案があったとのこと。山本は上演台本と演出を担うが、劇団公演を始め、これまで手がけた舞台はほぼオリジナル。原作ものへの抵抗はなかったのだろうか。「まったくないですね。逆に僕、得意だと思いますよ。というのも、原作者の考えていることっていうのは上演台本を書きながらもすごくためになりますし、そこからどう自分なりのものに置き換えていくか。それを思案するのはすごく楽しい作業で。自分の中から絞り出して書くオリジナルよりも、ずっと楽しかったです」原作は小学校高学年以上を対象にした長編冒険小説。だが舞台では4歳から入場可ということで、わかりやすい表現へと意識的に書き換えたのかと思いきや……。「子供目線ということを強調したくないと思ったんです。だから平易な言葉にする、みたいなことはまったくやっていませんし、多少難しくてもそのままでいいかなと。難しいってネガティブに捉えられがちですが、つまりは考えるきっかけになるということ。そして今伝わらなかったとしても、何時間、何日、何年か後に伝わる可能性はある。それを僕は“ディレイ”と呼んでいて、特にこの作品ではそのディレイに期待しているんです」本作には主要なキャストが7人登場するが、それ以外に公募された10人がエキストラ=”みんな”役として参加している。「先日初めて、”みんな”勢も加わって稽古をしてみたんです。メインと言われるメンバーはかなり細かい段階まで仕上がってきているんですが、そこにみんな勢が入った時に、お芝居がさらに立体的になったのを見てすごくワクワクして。これからもっと荒々しくて初々しいものになっていくはずなので、その駆け引きが今から楽しみですね」すでに来年にはツアーも予定されている本作。“みんな”役は各都市でそれぞれ新たに公募される。「だから地方によってバージョンが変わるわけで、それこそ僕がやりたかったことなんですよね。地域の人たちと経験を共有することが出来ますし、演出家としてももうちょっとキャストのボリュームを出したいって時にそれが可能になる。これがフォーマットとして演劇界に定着していけば、演劇の可能性をもっと広げられるんじゃないか。そのひとつの可能性として提示したいって気持ちもあるんです」その第一歩はまず8月の横浜から。そして山本はこの舞台にこんな想いを込める。「人は最終的には“個”、“私”であるということですね。もちろん最初から最後まで“私”では、ただ我が強いだけでダメですけど。まず“私”から始まって、次に“あなた”の存在に気づき、そこから“私たち”になって、さらに“みんな”になる。でもそこからちゃんと“個”があることが認識出来ると、“私”から“私”までの過程がものすごくぶ厚くなるはずで。それを感じ取ってもらえたら嬉しいですし、ディレイしていつか届くといいなと思います」取材・文:野上瑠美子
2019年08月15日世間の50代がさまざまな恋模様を繰り広げる一方で、淡々と、穏やかに営まれる“大人の恋愛”を描いた小説『平場の月』が昨年12月の発売当初から話題に。本作は第32回山本周五郎賞を受賞。作者である朝倉かすみさんも現在50代。作品に投影したその恋愛観についてうかがいました。舞台は埼玉県南西部のとある街。一度は地元を離れるも、再びこの街で暮らす青砥健将は、検査で訪れた病院の売店で中学時代の同級生・須藤葉子と再会する。彼女も夫と死別後、地元に戻ってひとり暮らしをしていた。ともに50歳。検査結果を待つ身のふたりは、景気づけに「互助会」と銘打って近所の居酒屋で飲む約束をする。「小説『世界の中心で、愛をさけぶ』をあらためて読み、愛する女性を失うという枠組みの大人版を書いてみたいと思ったんです」(朝倉さん・以下同)本作で50代の恋愛を題材にした理由について、朝倉さんはこう話す。「さて、大人っていくつだと考えたときに、60歳はわりと死が現実的にそばにあって、40歳はちょっと若すぎる。それで50歳に設定して、物語を組み立てていきました」小説では、このままもう何もなく人生が過ぎていくと思っていた50歳のふたりが、出会って静かに惹かれ合っていく。「最初はなんでもないようなことでも、かかわりをもって、気持ちが動いたら、自動的に始まってしまう。もうそれは年齢に関係なく。場所や相手によっては、軽率だ、不倫だとたたかれてしまうこともあるけれど、『それって恋だよね。始まってしまったものはしょうがないよね』とは思いますよ」たびたび居酒屋で開かれていた「互助会」がいつしか須藤のアパートに移り、ふたりは過去をぽつぽつと語り合いながら徐々に距離を縮めていく。そんななか、須藤が大腸がんの告知を受ける。術後、抗がん剤治療を受ける間、青砥は一緒に暮らそうと提案した。50代のふたりの恋愛描写については、どこからくるものなのだろう。会話やラインのやりとりが、現実に、すぐそこで行われていそうな生々しさをもつ。「そこは取材できないところなので。このふたりはそれぞれどういう人か、という想像がまずあって、どうやって近づいていくのかが大切なんだけれど、調べるのではなく、書いてみてわかる部分です。ただ、ふたりがどうやって出会うかは考えました。この年だと、素性がわかる人でないと始まっていかないですよね。だから、仕事関係の人とか近所の人、あとは学生時代の人との再会が自然だろうなって。今回は、特別じゃない、普通の人を描きたかったので、特殊な要素は入れていません」普通の場所で営まれる日常、それが平場ということだ。須藤と一緒になろうと決めた青砥だが、須藤はそれを拒み、これ以上会わないと言い放つ。「1年間だけ会わずに待つ」と約束し、ひとりの生活に戻った青砥はある日、別の同級生から須藤の「その後」を聞く。このふたりのように、ほぼ誰にも知られず、ふっと始まってふっと消えていく恋は“普通にある”のかもしれない。「年が年だけに、『こんなこと、あんなことがありました』なんてワーワー口に出さないだけで。そっと胸の中にしまって、恋までもいかず淡いままで通り過ぎていることは山ほどあるんじゃないかな、という気がしますよ。周囲も『最近どう?』なんてびっくりするくらい聞かなくなりますし。言わないからわからないだけで、ないように思われがちだけれど……やっぱりあるはずなんです」一方で、年齢的に“最後の恋”を意識するころでもありそうだ。「最後にしたい気持ちはわからなくもないけれど、決めてしまうのはどうかなと思います。『私、雨女だから』と同じ感じですね。あまり根拠がない。同じく“結婚”や“末永く一緒に”を当たり前のように恋愛の着地点と考えるのもどうなんでしょうね。去年、某通販会社の社長と若い女優さんの恋愛模様がニュースになったとき、『(男性に結婚の意思がないらしく)女優さんがかわいそう』という声が多くて驚いた覚えがあります。幸せを“結婚できるかどうか”で判断しがちな風潮には疑問しかありません」確かに、須藤は青砥からの(結婚の)申し出を断り、さらにある選択をする。「彼女が『誰にどんな助けを求めるのかは私が決めたい』と語るところは、自分もそうだな、と思いました。『私は特に大好きな人には世話になりたくないんだ』と考える人もいるだろうって。支え合うのをよしとする人もいるけれど、そうでない人もいるんです。私はひとりでごはんを食べてひとりで過ごすのが好きなんですが、まったく理解できないという人がいるのと同じで。年を重ねると、自分の我というか、思いがより強くなりがちだから、衝突する場合もあるでしょうね。そういう意味でも、50歳からっておもしろいと思うんです。若いころは思いを口にできなかったけれど、年をとってハッキリ言えるようになることもあるじゃないですか。そうしたら、今までとまったく違うタイプの人と新しい関係を築けるようになるかも、というのは明るいニュースですよね。“結婚しなきゃ”とか、今までしばられてきた恋愛のマニュアルみたいなものがなくなって、自分の好きなようにお付き合いできるんじゃないか、というのも」最後に、50歳を迎えたあと、朝倉さん自身にも恋愛観に変化があったのかと問うた。「私自身、そういうのにまったく興味がないんです。ただ、今もどこかで恋している人、始まってしまった人は素敵だと思う。かたくなに否定しなくても、と思います」
2019年08月10日世間の50代がさまざまな恋模様を繰り広げる一方で、淡々と、穏やかに営まれる“大人の恋愛”を描いた小説『平場の月』が昨年12月の発売当初から話題に。本作は第32回山本周五郎賞を受賞。作者である朝倉かすみさんも現在50代。作品に投影したその恋愛観についてうかがいました。舞台は埼玉県南西部のとある街。一度は地元を離れるも、再びこの街で暮らす青砥健将は、検査で訪れた病院の売店で中学時代の同級生・須藤葉子と再会する。彼女も夫と死別後、地元に戻ってひとり暮らしをしていた。ともに50歳。検査結果を待つ身のふたりは、景気づけに「互助会」と銘打って近所の居酒屋で飲む約束をする。「小説『世界の中心で、愛をさけぶ』をあらためて読み、愛する女性を失うという枠組みの大人版を書いてみたいと思ったんです」(朝倉さん・以下同)本作で50代の恋愛を題材にした理由について、朝倉さんはこう話す。「さて、大人っていくつだと考えたときに、60歳はわりと死が現実的にそばにあって、40歳はちょっと若すぎる。それで50歳に設定して、物語を組み立てていきました」50代。子育てが一段落し、孫がいる人もいるなかで、「この世代で恋愛?」と驚いて本を手に取った人もいたはずだ。「書き始めて、私自身も“幻想上の50歳”というものが頭にあったことに気づかされました。私は今50代後半で、実際には50をとうに過ぎても『われわれはいつ大人になるんだろう?』という感覚なんですが(笑)、イメージする50歳はすごく大人で、自分よりずっと年が上というか。その感じがあったから、主人公たちが何か新しいことをやろう、恋愛をしようとなったとき、幻想上の50歳が邪魔をするような気もしましたね」小説では、このままもう何もなく人生が過ぎていくと思っていた50歳のふたりが、出会って静かに惹かれ合っていく。「最初はなんでもないようなことでも、かかわりをもって、気持ちが動いたら、自動的に始まってしまう。もうそれは年齢に関係なく。場所や相手によっては、軽率だ、不倫だとたたかれてしまうこともあるけれど、『それって恋だよね。始まってしまったものはしょうがないよね』とは思いますよ」たびたび居酒屋で開かれていた「互助会」がいつしか須藤のアパートに移り、ふたりは過去をぽつぽつと語り合いながら徐々に距離を縮めていく。そんななか、須藤が大腸がんの告知を受ける。術後、抗がん剤治療を受ける間、青砥は一緒に暮らそうと提案した。須藤がストーマ(人工肛門)を装着したり、ストーマのカバーを縫ったりするくだりが、非常にリアルに描かれているが。「ストーマについては取材ではなく、細かく調べた情報を参考にしました。その後、須藤が青砥の勤務先でパートをするシーンがあるんですが、『ここは実際にやってみないと雰囲気がわからないな』と思って、日雇いの派遣に登録して働きに出ました。リサーチしながらお金ももらえるし(笑)。刷り上がった本に汚れがないかチェックしたり、ビニールのカバーをかけたり、歯みがき粉の箱におまけの糸ようじをつけたり……不定期でしたが、3〜4カ月間は働きましたね」では、50代のふたりの恋愛描写については、どこからくるものなのだろう。会話やラインのやりとりが、現実に、すぐそこで行われていそうな生々しさをもつ。「そこは取材できないところなので。このふたりはそれぞれどういう人か、という想像がまずあって、どうやって近づいていくのかが大切なんだけれど、調べるのではなく、書いてみてわかる部分です。ただ、ふたりがどうやって出会うかは考えました。この年だと、素性がわかる人でないと始まっていかないですよね。だから、仕事関係の人とか近所の人、あとは学生時代の人との再会が自然だろうなって。今回は、特別じゃない、普通の人を描きたかったので、特殊な要素は入れていません」普通の場所で営まれる日常、それが平場ということだ。「学生時代の青砥と須藤は、私の高校時代のクラスメート——ちょっとやんちゃっぽい男の子と真面目な女の子のふたりをうっすらイメージしましたが、大人になって再会したあとは、特にモデルはいないですね。彼らが勝手に語ってくれた感じで、書き出したら一度も悩むことなく書き終えました。逆に、下手に取材してしまっていたら書けなかったと思います」須藤と一緒になろうと決めた青砥だが、須藤はそれを拒み、これ以上会わないと言い放つ。「1年間だけ会わずに待つ」と約束し、ひとりの生活に戻った青砥はある日、別の同級生から須藤の「その後」を聞く。このふたりのように、ほぼ誰にも知られず、ふっと始まってふっと消えていく恋は“普通にある”のかもしれない。「年が年だけに、『こんなこと、あんなことがありました』なんてワーワー口に出さないだけで。そっと胸の中にしまって、恋までもいかず淡いままで通り過ぎていることは山ほどあるんじゃないかな、という気がしますよ。周囲も『最近どう?』なんてびっくりするくらい聞かなくなりますし。言わないからわからないだけで、ないように思われがちだけれど……やっぱりあるはずなんです」
2019年08月09日7月の参議院選挙で躍進した山本太郎氏率いる「れいわ新選組」。支持者の切実な声に応えて、山本代表は政権奪取を宣言した。その目的を緊急インタビュー。「早ければ衆議院選挙が1年以内、3年後に参議院選挙があります。なるべく早く与野党をひっくり返したい。生活が苦しくて日々クビが絞まっていっている人たちを、もう放っておけません。国が壊れていくスピードは待ってくれない。だから政権をとりにいきたいんです。そのためには、次の衆院選で100人の擁立を目指します」そう決意を語るのは、「れいわ新選組」の代表で前参議院議員の山本太郎氏(44)。秋から、全国を2カ月くらいかけて回り、候補者選びにつなげたいと意気込む。山本代表は、俳優だった’13年、参議院選で東京選挙区から無所属で出馬し、初当選。その後、「自由党」の共同代表として活動してきたが、今年4月1日、政権をとるため、たった一人でれいわ新選組(以下、れいわ)を旗揚げした。7月の参議院議員選挙では、派遣切りにあったシングルマザーなど、さまざまな問題の当事者9人の候補者を擁立。〈消費税の廃止〉〈最低賃金1,500円〉など社会的弱者に寄り添う政策を打ち出し、2議席を得る大躍進をとげた。「生産性で人の価値を測られない社会にしたい」という思いから、政党が優先して当選者を決められる特定枠に、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の舩後靖彦さん(61)と、重度障害者の木村英子さん(54)の2人を指定。両名とも当選を果たした。結果的に「れいわ」は、得票率4.55%で政党要件を満たす。ネットを中心に支持を集め、4月から約3カ月間で4億円を超える寄付も集めた。山本代表は比例で99万票を得ながら議席を失ったが、党代表として活動することに。“れいわ旋風”を巻き起こし、政権を取ると宣言した山本代表は、何を目指すのだろうか。「6年前に議員になってから、街頭で話すことをずっとやってきました。いちばん興味を持って聞いてもらえたのが、生活に直結する“雇用”や“税金”の話だった。反応が、飛び抜けてちがうんです。それだけ厳しい状況に置かれている人が多いんだ、と実感しました」(山本代表・以下同)最終的には、首相になって実現したいことがある。「まず消費税を廃止します。日本は、デフレが続いた結果、経済規模が縮小し、そのしわ寄せは労働者に。この負のスパイラルから抜け出すには、消費税をゼロにして消費を喚起し、景気を上向かせるしかありません。そうすれば賃金も上がってきます」財源はどうするのか。「国は、所得税と法人税を下げて、足りなくなった財源を補填するために消費税を上げました。これを元に戻せばいいだけ。税金はあるところから取れって話なんです」しかし、現実には、「そんなの夢物語」という声も聞こえてくる。「自分の生活もままならない状況に置かれていたら、『自分が世の中を変える力を持っている』ってことを忘れてしまいますよね。なぜ、法人税が下がったかというと、大企業は組織票を固め、自分たちの言うことを聞いてくれる議員を当選させて、政治を動かしてきたからです。でもこの国のオーナーはこの国に生きる人。おかしいと思ったら、皆さんの力でこんな社会は変えていけるんです」貯蓄ゼロ世帯が20代から50代まで40%を超えているというデータもある(金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査金融資産の有無」より。’18年に調査の際の聞き方を変えたので、山本代表は’17年のデータを使用している)。「これだけ数が多いということは、本人の努力不足とかっていう問題じゃない。国の経済政策に翻弄されてきた人が、それだけ多かったということ」山本代表も、国の政策に翻弄された当事者だという思いは強い。「そこそこ順調だった役者人生が180度変わりましたからね。原発事故でおかしなことがたくさんあることに気づいて発信したら、仕事がどんどん減っていって」当時は明日の生活がどうなるかわからない不安を感じたという。「自業自得だという向きもありました。しかし、なんでも自己責任だという社会は地獄です。首相になったら、『生きているだけで価値がある』って思える社会にしたいですね。そういう自己肯定感と経済状況は密接にかかわっています。やはり消費税を廃止にして、すべての人の暮らしを底上げすることが大事だと強く思います」
2019年08月08日7月21日の参議院議員選挙を前に、れいわ新選組の山本太郎氏(44)が注目を集めている。山本氏が演説をすると人だかりができ、その様子はSNSを中心に拡散されるのだ。20日の産経ニュースによると、立憲民主党の関係者が「枝野幸男代表の10倍以上の聴衆が集まっている」と語るほどだという。YouTubeにアップされた山本氏の演説動画を見ると、その熱量がうかがえる。Twitterでもこんな感想が上がっている。《選挙なんか行っても変わらんから適当でいいって考えやったけど、それが変わったのは山本太郎さんの演説見たから》《山本太郎の街頭演説がすごく盛り上がってる。田中角栄の演説も聴衆がすごく集まったらしいけど、こんな感じなのかな》《れいわ新撰組に大きなうねりを感じる。これだけ心に響く演説は聞いたことがなかったし、山本太郎にかけてみたいと思う。ウソやごまかしはもうたくさん》れいわ新選組の擁立する候補者が個性豊かな点も、人々を惹きつけているようだ。元拉致被害者家族会副代表の蓮池透氏(64)や元派遣社員の渡辺照子氏(60)、また難病であるALSの当事者・舩後靖彦氏(61)や脳性まひで重度障害者である木村英子氏(54)といった顔ぶれが揃っている。れいわ新選組はホームページに「政権とったらすぐやります」「今、日本に必要な緊急政策」とつづり、政策を紹介。「安い家賃の住まい」「奨学金チャラ」「最低賃金1,500円」など17個の政策が並んでいる。そのなかで特に注目を集めるのは、他の野党が10月に予定されている消費税率10%への引き上げに「反対」「凍結」といった姿勢を示すなか、「廃止」を打ち出している点だ。5月、山本氏は本誌に登場。安倍晋三首相(64)について「深刻なデフレ下で、消費税を増税するなど、経済オンチでしかありません」と揶揄。「景気が低迷している今、まず手をつけるべきは人々の生活を底上げすること。そのために、消費税廃止を目指し、まずは5%に減税すべき」と話していた。続けて山本氏は「消費税は、89年に3%で始まって以来、97年、14年の2回、上がりました。そのたびに、法人税や所得税は減税されています」と指摘する。かつて消費税が導入された89年には19兆円あった法人税の税収だが、16年には10.3兆円に。89年を基準とする法人税の減収額は累計192.5兆円にのぼる。そのいっぽうで、消費税の税収の累計は263兆円だ。「この2つの数字を比較すると、消費税収の73%が、法人税の減少分に割り当てられていると見ることができます」(山本氏)つまり、法人税の減税で足りなくなる税収を消費税で穴埋めしている形となる。山本氏は「法人税は利益に対してかかりますが、消費税は家計が赤字であっても、消費をする限り払わなければならない“罰金”です。金持ちを、もっと金持ちにするために消費税がある」と語り、こう続けていた。「税金は“ないところから取るな、あるところから取れ”が基本です。日々の生活に苦しむ人たちが犠牲になっていいわけはありません」14年4月、消費税を3%増税する際に政府は「引き上げ分は、全額、社会保障の充実と安定化に使われます」と約束した。しかし山本氏は「完全な形で“社会保障の充実”に使われたのは、3%の増税で増えた約8兆円の税収のうち16%ほどに過ぎません。残り84%の使途について、詳細を要求しても、『出しません』の一点張り。説明責任を果たす気もない」と批判。そして、こう結んでいる。「しかも、この7年で社会保障費は4兆円以上カットされています。消費税は社会保障のため?だまされてはいけません」果たして、有権者はどんな結論を出すのだろうか。
2019年07月21日「ずっと女の一代記を書いてみたかったんです。一人の人ではなく、立場の違う3人の人生について書きたいなと思っていました」窪美澄さんの話題の新作『トリニティ』は、1960年代に創刊された新雑誌編集部で出会う、3人の女性の人生を濃密に描く長編。50年前、出版社で出会った3人。生き方を模索した女性たちの物語。「女性が生まれ育ちに関係なく、才能があれば働いていける時代の始まりが、‘60年代くらいからという気がします」ただ、物語は現代から始まる。就職したが挫折した奈帆という若い女性が、祖母の知人で元ライターの登紀子から来し方を聞く。売れっ子だった登紀子、新雑誌の表紙挿画に大抜擢されたイラストレーターの妙子、編集部で雑務を担当したのち結婚退社した鈴子。出版社で出会った3人の人生がひもとかれていく。「登紀子や妙子は当時活躍された実在の方と重なる部分もありますが、小説に書いた人生は私の創作です。鈴子はフィクションの人物で、女性は24歳までに結婚しろという風潮があった時代、専業主婦を選んだ人も登場させたかったんです」鈴子が順調に家庭を築く一方、登紀子や妙子は忙殺されながらも仕事や恋や結婚、出産の何を選び優先するかという問題に直面する。「妙子は全部手に入れたがる自分に罪悪感を抱いている。今の女性はそうした罪悪感は薄いかもしれませんが、周りを見ると35歳前後で出産する女性が多くて。ある程度仕事ができるようになるまで子育てする気になれない状況があると思う。自分の人生自分で選んでいるつもりでも、時代ごとの社会的な要因に左右されているなと感じます」印象的なのはデモの場面。騒乱にまみれ、3人は男性たちへの不満を叫ぶ。「女を馬鹿にするな!」と。「編集者に“ここは女性たちの祝祭の夜にしてください”と言われて。私自身、今まで男性に馬鹿にされたといっぱい思い出して、かさぶたをめくられる気持ちでした(苦笑)」登紀子たちの苦悩は、今もあまり変わらないのかもしれない。でも、「彼女たちは、その後の女性たちが生きていく線路を少し敷いたと思う。奈帆という現代の女性を登場させたのは、そのバトンは繋がっていくんだ、と書きたかったからです」バトンはあなたにも渡されている。『トリニティ』 ‘60年代に出版社で出会った鈴子、登紀子、妙子の3人。仕事、恋、結婚、子育て―欲しいものを求めてあがき、生き抜いた彼女たちの人生とは。新潮社1700円くぼ・みすみ1965年生まれ。‘09年「ミクマリ」で女による女のためのR-18文学賞大賞受賞。‘11年『ふがいない僕は空を見た』で山本周五郎賞、‘12年『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞受賞。※『anan』2019年5月29日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年05月23日まさかこの作品の続編が読めるとは。吉田修一さんによる『続 横道世之介』は、青春小説『横道世之介』の数年後の話。1987年を舞台にした前作では、大学進学で上京した世之介の一年が描かれ、今作では卒業から数年後、1994年の1年間が綴られる。「自分でも続編を書くつもりはありませんでした。でも、文芸誌『小説BOC』が創刊される際に連載を依頼され、考えていたら世之介が浮かんできてしまったんですよね(笑)」24歳の世之介は、バイトとパチンコに通う日々を送っている。「人生がうまくいかなかった時期を書こうと思いました。自分も、全然やることがなく、アルバイトをしながらあてもなく小説を書いていたのがこの頃だったんです」確か著者も20代前半、世之介のように湾岸の倉庫街で働いていたはず。「そうです。基本的にこの小説は自分の体験や、実際に見聞きしたエピソードを集めて書いているんです」当時の風俗をよく憶えているなと感心もするが、「当時つけていた日記を見ながら書き進めました。その日観た映画とか、会った人について1~2行書いただけですけれど。年表には残らないようなあの時代の雰囲気が書けたかなと思いますね」世之介は2人の女性と出会う。鮨職人を目指す丸刈りの浜本と、シングルマザーの日吉桜子だ。「浜ちゃんは、10代の頃に女友達が突然角刈りにした記憶が強烈に残っていたので(笑)。桜子は、以前書いた短編集『女たちは二度遊ぶ』に収録された〈殺したい女〉に出てくる、小岩の整備工場の娘をもう一回書きたかったんです。単純にキャラクターとして好きだったので」お気楽で勝手なのに、なぜか周囲に人が集まってくる世之介。「彼は友達が辛い時期に、助けに行こうと思いながらも行かない人。友達にしてみたら、実際に来られても迷惑ですよね。でも辛い時に会いに行くといつでも会えるのが世之介なんです。結果的に、そういう人のほうが、スランプの時に必要じゃないかと思う」前作同様、世之介と関わった人たちのその後が書かれる本作。今回描かれる「その後」は、少し未来、東京オリンピックの年だ。「マラソン競技中のコースの何地点かで同時多発的に何かが起きる小説の構想もあったので、それがこの話と重なっていきました」彼らの中でも「この人が書けたことに達成感をおぼえた」というのが、桜子の兄の隼人だという。中学生の時にケンカ相手が意識障害で寝たきりとなり、ずっと彼の家にお見舞いに通い続けていた青年だ。「隼人のように、その場所から動けなくなっている人に興味があるんですよね。世之介と関わった時間を経て、隼人が自分から動いたことを書けて本当によかったです」世之介がその後どうなったのかは、前作の読者なら知っているはず。知らない人は…とにかく読んで!よしだ・しゅういち1968年、長崎県生まれ。’97年、「最後の息子」で文學界新人賞を受賞しデビュー。’02年に『パレード』で山本周五郎賞、『パーク・ライフ』で芥川賞を受賞。ほか受賞多数。『続 横道世之介』アルバイト生活を送る世之介、24歳。現在、人生のスランプ期。それでものんきな彼の周囲はいつも明るくて…。映画化もされた青春小説、奇跡的な続編。中央公論新社1600円※『anan』2019年3月20日号より。写真・土佐麻理子(吉田さん)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年03月14日綾野剛(37)が笑福亭鶴瓶(67)と映画「閉鎖病棟(仮題)」で共演すると2月4日に発表された。同作は11月に公開されるという。「閉鎖病棟」は帚木蓬生の山本周五郎賞受賞作である同名小説を映画化するというもの。各メディアによると長野の精神科病院を舞台に、世間から遠ざけられながらも明るく生きていた患者たちに起こる殺人事件を描くという。各メディアによると綾野は「私はこの作品の中で、本当を見つける事を捨て、嘘をつかない事を手に入れた」と明かし、「誰一人、自分に嘘が無い人達の物語です。優しく強く抱きしめて頂けたら幸いです」とコメントしたという。綾野と鶴瓶が映画で共演するのは08年の「奈緒子」以来、10年ぶり。先月31日に放送された「きらきらアフロTM」(テレビ東京系)で鶴瓶が綾野についてのエピソードを明かしていたことから、共演を期待する声も上がったばかりだった。そのためネットでは、今回の共演を喜ぶ声が上がっている。《綾野さん映画だ!!鶴瓶師匠主演なのか!!!》《剛くんの繊細な役どころ、久々の鶴瓶さんとの共演も楽しみ》《原作を見たことがあります。しばらく頭の中から離れなかった作品。剛くんと鶴瓶さんで映像化されることを楽しみにしています》綾野と鶴瓶は「A-Studio」(TBS系)や「鶴瓶の家族に乾杯」(NHK総合)といった番組で、たびたび共演している。「綾野さんはその交友関係の広さで有名ですが、そのキッカケは鶴瓶さんだといいます。というのも鶴瓶さんが綾野さんについて『人を偏見なく見れる』と評し、『ずっとそのままでいてくれ』と声をかけたそうです。また綾野さんは鶴瓶さんを前にするとついつい喋り過ぎてしまうというほど、鶴瓶さんを慕っています。今回の共演も、2人の息のあったやり取りに期待できそうです」(映画関係者)
2019年02月04日精神科医である作家・帚木蓬生による、山本周五郎賞受賞のベストセラー小説「閉鎖病棟」が映画化決定。主演を約10日間で7kgも減量した笑福亭鶴瓶が務め、綾野剛、小松菜奈が共演する。原作「閉鎖病棟」は1995年に発売され、「丸善」お茶の水店に掲げられた「感動のあまりむせび泣きました…」というPOPが起爆剤となり、累計80万部を超えたベストセラーミステリー。とある精神科病院を舞台に、様々な過去を背負い、家族や世間から遠ざけられながらも明るく生きていた患者たちの日常を遮るように起こった殺人事件――。事件を巡り、登場人物たちの交錯する様々な想いを描いた本作は、その結末が感涙を誘うと絶賛された。■笑福亭鶴瓶&綾野剛&小松菜奈が共演!主演は、落語家、タレント、俳優と多岐にわたって活躍する国民的芸人・笑福亭鶴瓶。本作で演じるのは、死刑囚でありながら、刑の執行が失敗し生き永らえ、現在は精神科病院にいる男・梶木秀丸。『ディア・ドクター』以来、10年振りの主演作となる本作では、役作りのため炭水化物をとらない食事制限や腹部にサランラップを巻くなどして、約10日間で81.6kgから73.8kgもの減量を成功させ、お馴染みの庶民的な顔とは異なる姿に挑戦する。また、秀丸と心を通わせる患者役として、『そこのみにて光輝く』『新宿スワン』などで個性溢れる演技を見せ、『破陣子』で中国映画にも進出を図る綾野剛が出演。サラリーマンだったが、幻聴が聴こえるようになり、精神科病院に強制入院となったチュウさん役を演じる。そして、不登校が原因で精神科病院に通院する女子高生・由紀役には小松菜奈。『渇き。』『来る』のエキセントリックな役柄から、『坂道のアポロン』『恋は雨上がりのように』の恋する女子高生役まで、幅広い演技力を備えた若手女優の参加にも要注目。メガホンをとるのは『愛を乞うひと』『エヴェレスト神々の山嶺』の平山秀幸監督。2011年に出会った原作に惚れ込み、初めて自ら脚本を執筆して映画化を打診。今回、9年越しで映画化が実現することになった。■精神科病棟で撮影!ドキュメンタリー以外では初の試みすでに1月7日、長野県松本市でのロケにてクランクインしており、その後、独立行政法人国立病院機構が運営する精神科の専門医療施設・小諸高原病院の多大なる協力を得て、2週間にわたるロケ撮影を敢行。ドキュメンタリーを除いて、国立の精神科病棟を使用し、精神科病棟を舞台とした日本国内の映画撮影は、本作が初めて。ほかに関東近郊や都内での撮影を経て、2月中旬ごろにクランクアップ予定という。笑福亭鶴瓶、脚本に「涙が止まらず」平山監督から、長文のオファーの手紙をいただいたのが3年前。素晴らしい作品を数多く手がけた平山監督がそこまでおっしゃるならと、お引き受けしました。とにかくいい脚本なんです。クランクイン前に脚本を読んでいたら、涙が止まらず、撮影現場でも台詞を言っていても、ぐっと詰まることが度々あります。“人に優しい映画”になると確信しています。綾野剛「誰一人、自分に嘘がない人たちの物語」鶴瓶さんは深く潔く、小松さんは繊細で瑞々しく、平山監督は愛で現場を包み込んでくれる。 私はこの作品の中で、本当を見つける事を捨て、嘘をつかない事を手に入れた。本当とは観念だ。嘘をつかないとは心念だ。平山監督のまなざしに魅せられ気づかされました。誰一人、自分に嘘が無い人たちの物語です。優しく強く抱きしめて頂けたら幸いです。小松菜奈「化学反応を楽しみながら、日々挑戦」今回、私が演じているのは、自分ならば決して耐えられない程の壮絶な過去を背負いながら、強い覚悟で生きていく少女の役です。共演者の方々とお芝居の化学反応を楽しみながら、日々挑戦しています。特に長野ロケでは、演技に集中出来る環境が整い、鶴瓶さんや綾野さんという諸先輩がオープンに接して下さるので、オンとオフを切り替えながら、現場で落ち着いて撮影に取り組めているのを実感しています。平山秀幸監督、鶴瓶師匠に「新しい顔を見せてもらえる」原作が書かれた20年以上前と比べて、今ではスマホやパソコンで生活は便利になったけれど、むしろ、自分の荷物を抱えきれずに、心の病にかかる人が増えた気がする。自身もどん底で苦しいのに、他人の痛みを思いやる――原作で、秀丸がみせる“自己犠牲”に圧倒され、どうしても映画化したいと脚本を書き始めた。笑福亭鶴瓶さんは、きっと新しい顔を見せてもらえるとお願いした。そこに綾野剛さん、小松菜奈さんという、才能溢れるキャストが加わって、芝居の応酬を見ていて楽しい現場となった。■ストーリー長野県小諸のとある精神科病院。それぞれの過去を背負った患者たちがいる。母親や嫁を殺めた罪で死刑となりながら、死刑執行が失敗し生き永らえた梶木秀丸(笑福亭鶴瓶)。サラリーマンだったが幻聴が聴こえ暴れ出すようになり、妹夫婦から疎んじられているチュウさん(綾野剛)。不登校が原因で通院してくる女子高生、由紀(小松菜奈)。彼らは家族や世間から遠ざけられても、明るく生きようとしていた。そんな日常を一変させる殺人事件が院内で発生する。加害者は秀丸。彼を犯行に駆り立てた理由とは…?『閉鎖病棟(仮)』は11月、全国にて公開予定。(text:cinemacafe.net)
2019年02月04日面倒見のよい堀川次郎、容姿に恵まれ皮肉屋の松倉詩門。高校2年生の彼らの共通点は、図書委員であること。放課後、図書室で暇をつぶす二人に持ち込まれる数々の謎とは?米澤穂信さんの新作『本と鍵の季節』は、魅力的な男子コンビが活躍する青春ミステリ短編集だ。「もともと、いろんなタイプのミステリを書こう、と始まった企画でした。それで1話目を“暗号もの”にして、こういう謎を解くのは誰だろうと考えた時、二人の人物像が出来上がりました。次の短編では違う登場人物を考えていたのですが、周囲から“彼らの話がもっと読みたい”と言ってもらえたので、二人の話を続けることになりました」物語は堀川の視点で進む。謎を解く二人組とくればホームズとワトソンのような「探偵と助手」という役割分担をイメージしがちであるが、本作では二人が共に推理に挑戦し合っていく。「堀川はわりと真っすぐにものを見ると同時に発想が優れ、松倉は斜めからものを見ていて、鋭さがある。視点が少しずつ違うダブル探偵が一緒に謎を解いていくという形です」どれも本もしくは鍵に関わる謎が登場するが、ミステリのタイプのバリエーションについては、「表向きはこういうミステリだけど、その奥にはこういうミステリの狙いもある、という二重構成です」ネタバレを避け表向きだけ説明すると、先述の“暗号もの”に加え“アリバイ探し”、他人の何気ない言動から秘密を暴く“ワンシチュエーションからの推理連鎖”、“日常の謎” “テキストクリティーク(資料の読み込み)”といったタイプがあり、読めばどれもその展開に驚くはず。ミステリの手練れの米澤さんだけに、細部も周到に組み立てられている。探偵役が最終的に犯人を追い詰めて裁いたりしないのも特徴で、「ここから先は一介の高校生の領分ではない、と彼らもわきまえていますね。それに、事件を解決することが動機というより、好奇心のために行動している部分もあります。それでも、そこから踏み出す場面があります。人が本当に死ぬかもしれない場面と、作中ただ一度だけ“君”という言葉が使われている場面の、2か所です」というから、ぜひチェックを。そして、季節のうつろいとともに堀川と松倉の二人の関係がどう変化していくのかも、読みどころだ。「第1話の時点で二人はすでに友人同士でお互いのことを分かり合っている。でもお互いが知っているのは、放課後の図書室にいる相手なんですよね。それが、いろんな謎に出合い、外の世界を見るなかで、相手の知らない一面も見えてくる。そして…ということを考えていました。彼らは今は未熟なところがありますが、これからの時間で、いろんなことを知っていくはず。そんなニュアンスもこめて、タイトルに“季節”という言葉を入れています」上質な謎解きと、青春のきらめきとほろ苦さ、そこからほの見える男子たちの友情。ディテールまでしっかり噛みしめたい一冊なのです。よねざわ・ほのぶ作家。1978年生まれ。2001年のデビュー作『氷菓』から始まる〈古典部シリーズ〉などが人気。’11年『折れた竜骨』で日本推理作家協会賞、’14年『満願』で山本周五郎賞受賞。『本と鍵の季節』放課後の図書室にいた堀川と松倉のもとに、先輩から「開かずの金庫を開けてほしい」と相談が。二人が推理に挑む「913」ほか5編収録。集英社1400円※『anan』2019年1月16日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年01月15日直木賞作家である白石一文原作の「火口のふたり」(河出文庫刊)が映画化。監督は日本を代表する脚本家・荒井晴彦。主演は『素敵なダイナマイトスキャンダル』などの柄本佑と、『彼女の人生は間違いじゃない』の瀧内公美。あらすじ東日本大震災から7年後。何もかも失った永原賢治(柄本佑)は、ある日、旧友である佐藤直子(瀧内公美)の結婚式に出席するため、地元・秋田へ帰省する。久しぶりの再会を果たした永原と直子だったが、直子の言葉をきっかけに、ふたりはふたたび体を重ねあうようになる。直木賞作家、初の映画化2009年に「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」で山本周五郎賞を、さらに2010年には「ほかならぬ人へ」で直木賞を受賞した白石一文。「火口のふたり」では、数年ぶりの再会をきっかけに、抑えきれない欲望をそのままぶつけ合う男女の姿が描かれた。本作が初の映画化。主演を務めたのは、実力派俳優の柄本佑。『素敵なダイナマイトスキャンダル』(18年)や『きみの鳥はうたえる』(18年)など、スクリーンの中で鮮烈な印象を残し続けてきた。また、佐藤直子役には瀧内公美が抜擢された。昨年、廣木隆一監督作品『彼女の人生は間違いじゃない』(17年)で主人公を演じ、数々の賞を受賞。監督は、脚本家としても活躍を続ける荒井晴彦。『身も心も』(97年)、『この国の空』(15年)に続く、3本目の監督作品となる。キャスト&スタッフからコメントが到着永原賢治役・柄本佑荒井晴彦脚本作品に出ることは僕の夢でした。今回のお話をいただいた時、小躍りしました。なんたって脚本だけでなく監督も荒井さんなんですから。ホンはなんともチャーミングで「大人」なホンでした。5歳の時から僕を知ってくれている荒井監督。今まで仕事したどの監督よりも付き合いの長い監督です。どんな映画になっているのか。出ている自分を見る不安はありますが、いち映画ファンとして出来上がりが楽しみです。佐藤直子役・瀧内公美最初に脚本を読んだ時の感想は、絡みのシーンが多い、他愛のないことをずっと喋っている。面白いけれど、私に出来るのかなぁと思いました。現場に入り柄本さんとお芝居をすると、賢治と直子として他愛のないことを話す、食べる、身体を合わせる、寝る。そんな二人の日常を積み重ねていくうち、ああ生きるってこういう事なのかなと、自然と身体が動き、賢ちゃんを真っ直ぐ見て、聞いて、素直に直子として生きたように思えます。良い緊張感と幸福感が現場に漂い、荒井さんと柄本さんの何気ない会話の端々に、この映画にとっての大切な何かがあるような気がして、さりげなく聞いているのが毎日の愉しみでした。まだ仕上がりは見ていませんが、綺麗に撮っていただきましたので、実物より綺麗な私を見て欲しいです(笑)。お楽しみに。荒井晴彦監督東日本大震災と原発事故の翌年、白石一文の「火口のふたり」が刊行される。津波の翌年に××が××する話をよく書くなあと感心した。意表をつくカタストロフィーだが、まだ、あれから2年もたっていない時だ、あるかもと思わせられた。白石さんに原作をもらいに行った時、福岡を秋田に変えていいですかとお願いした。白石さんはアライさんじゃ仕方が無いですねと言ってくれた。その時から4年、震災から7年もたってしまった。直子の結婚式に出るために故郷へ帰った賢治は直子に「今夜だけ、あの頃に戻ってみない?」と言われる。「賢ちゃんが相手の人とうまくいかなくなるのは分かってたし、だったら、私、待ってればよかったかなって。ヘンな嫉妬なんてしないで、もっとちゃんと自分の身体の言い分を聞いてあげた方がよかったのかもしれないって」と直子は言う。何があろうと「自分の身体の言い分」を聞いてあげようという映画です。原作者・白石一文『赫い髪の女』や『遠雷』の頃から荒井晴彦さんの脚本に魅せられてきた者のひとりとして、その荒井さんから映画化の話をいただき、一も二もなくすべてをお任せすることにした。しかも今回は自らメガホンを握って下さるという。原作者としてこれに優る光栄はない。「火口のふたり」はあの大震災から時を経ずに一気呵成で書き上げた小説で、私としてはめずらしいほど生命力にあふれた作品だ。人のいのちの光が最も輝く瞬間をどうしても描きたかったのだろう。映画界の伝説ともいうべき荒井晴彦さんの手で、その光がよりなまなましく、妖しく観る者の心を照らし、身の内に眠っていた“おとこ”や“おんな”が強く喚起されんことを切に願っている。『火口のふたり』は2019年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年12月17日連載時から大胆に改稿し、できあがった大長編『熱帯』は、森見登美彦さんご自身も“怪作”と言い切る、2018年の目玉と呼べる一冊だ。幻の本に魅入られた人々の「読む/書く」をめぐる冒険奇譚。作家の〈私〉は、ふと学生時代に出合った佐山尚一の『熱帯』という小説を思い出す。大切に読もうと思っていた〈私〉の元から忽然と消え、以来、図書館や古書店を探し歩いても見つからない謎の本。その奇書をめぐり、物語は進んでいく。「単行本化に取りかかるタイミングで『千一夜物語』を初めて読んでみたんですね。200話ほどしかなかった原型が、勝手に付け加えられて増えたり、バージョン違いが生まれたりと、成り立ちも含めて面白いと思ったんです。最初は、’80年代の京都を舞台に、作中作である『熱帯』の内容や誕生の経緯を書くのだろうと考えていたのですが、影響を受けてどんどん膨らみ、“謎の本”についてより深く考えることになりました」〈この本を最後まで読んだ人間はいない〉等、噂を聞けば聞くほど、『熱帯』についても、著者の佐山尚一についても、知りたくなると同時に、よくもこんな風変わりな物語を思いつくものだと、作家としての森見さんを、謎多き作家・佐山尚一に重ねてみたくなる。「彼は、この世界のどこかに穴があって、その向こう側に心惹かれるような人物ではあるので、そのメンタリティは僕自身と重なる部分かもしれません。実は、佐山尚一は平凡なようでいて、ネットなどで調べても、同姓同名の人が全然引っかからなかった名前なんです。自分が作り出したことで、初めてこの世に出てきた存在だと思うと興味深いですね」登場人物たちが、読書とは何かと考察する丁々発止も楽しい。突き詰めていく場面も出てくる。たとえば、同じ小説を読んでも人によって解釈はいろいろなのに、みな同じ一冊を読んでいるといえるのだろうか。「そもそも『熱帯』という魔術的な小説のことを書かなくてはいけない。それに重ねて、読書についてや、断片的な妄想が小説という形になっていく自分の小説が生まれてくる過程を、小説にしようとも考えていました。複雑に考えすぎて、納得できる形になるまで試行錯誤の連続。担当編集さんは、書き終わらなかった別バージョンの『熱帯』を山のようにお持ちです(笑)」もりみ・とみひこ1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年、『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞、’07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。『熱帯』Amazonには佐山尚一の古書が用意され、作中の古書店「暴夜(アラビヤ)書房」プロジェクトも進行中。本好きの心をくすぐる仕掛けも。文藝春秋1700円※『anan』2018年12月19日号より。写真・土佐麻理子(森見さん)大嶋千尋(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2018年12月13日史上初の快挙となる直木賞と本屋大賞のW受賞を果たした小説「蜜蜂と遠雷」。若きピアニスト4人の姿を描いた話題作が、2019年秋に映画化されます。松岡茉優さんや松坂桃李さんといった豪華キャスト陣と、新鋭・石川慶監督が映像化に挑みます。2019年秋「蜜蜂と遠雷」公開予定「ここの優勝者は、世界最高峰のコンクールでも優勝できる」というジンクスがある芳ヶ江国際ピアノコンクールを舞台とした、若きピアニスト4人の挑戦・苦悩・努力・成長などを描く物語。話題作を多く生み出した原作者 恩田陸さん1992年に『六番目の小夜子』でデビューした恩田陸さん。SFやホラーから青春小説まで、さまざまなジャンルで執筆し、読みやすさと安定した面白さから幅広い年齢層の支持を得ています。2000年代から吉川英治文学新人賞や山本周五郎賞などをはじめとする、多くの賞を受賞してきました。そして2017年、「蜜蜂と遠雷」では直木賞と本屋大賞のW受賞という史上初の快挙を達成。話題作を豪華キャストが彩る松岡茉優さん松岡茉優さん2008年にデビューし、今や多くのCMやドラマなどに出演している松岡茉優さん。2016年~2018年に3部作で公開された映画「ちはやふる」に出演し、主人公のライバル役として圧倒的な存在感を放ちました。「蜜蜂と遠雷」では、かつて国内外のジュニアコンクールを制覇し天才少女と呼ばれたものの、母の死によりピアノが弾けなくなってしまった女性「栄伝亜夜」を演じます。松坂桃李さん松坂桃李さん2008年にモデルとしてデビューし、2009年「侍戦隊シンケンジャー」の志葉丈瑠 /シンケンレッド役で俳優としての活動がスタートしました。以降、話題の舞台の主演なども務め注目を集めています。本作では、音楽大学を卒業しながらも今はサラリーマンとなり今回を"最後の挑戦"としてエントリーした「高島明石」役を担当します。森崎ウィンさんPrizmaX左上:森崎ウィンさん2008年にダンスボーカルユニット「PrizmaX」に加入し、同年に俳優としてもデビュー。2016年にスティーヴン・スピルバーグ監督の「レディ・プレイヤー1」で主要キャストに抜擢され、話題となった若手俳優です。演技力だけでなく、甘い声と高い歌唱力にも注目です。本作では、優勝候補と言われており在学中の名門ジュリアード音楽院では"ジュリアードの王子"とも呼ばれる「マサル・C・レヴィ=アナトール」役に選ばれました。映画「蜜蜂と遠雷」作品詳細公開時期2019年秋原作恩田陸「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎刊)監督・脚本石川慶キャスト松岡茉優松坂桃李森崎ウィン鈴鹿央士ほか映画「蜜蜂と遠雷」が待ち遠しい原作でも話題となった「蜜蜂と遠雷」に、石川慶監督による演出・豪華キャストが加わることでどのような作品となるのか、期待が高まります。公開は2019年秋です。注目の作品をお見逃しなく。
2018年10月22日NMB48の山本彩が、17日深夜(25:00~)に放送されるニッポン放送『NMB48山本彩のオールナイトニッポン』でパーソナリティを務める。27日にNMB48卒業コンサートを控える山本にとって、NMB48メンバーとして最後の『オールナイトニッポン』となる。27日は大阪城ホールでの『NMB48 8th Anniversary LIVE』があり、ライブ直後に大阪市内から生放送される。番組では、山本と同じ1期生の現役メンバー(川上礼奈・白間美瑠・吉田朱里)、そして、山本と交流が深い2期から4期のメンバー(谷川愛梨・太田夢莉・渋谷凪咲)が1時台と2時台に時間を分けてゲストに登場する。この他、NMB48のメンバーが問題を作った「クイズ!山本彩!!」コーナーも。さらに番組の最後にはリスナーとファンに感謝を込めて、山本による弾き語りで自身がセンターを務めた「365日の紙飛行機」が生演奏される予定だ。
2018年10月16日2008年に本屋大賞を受賞し、2010年には堺雅人主演で映画化され大ヒットした伊坂幸太郎原作「ゴールデンスランバー」が、人気俳優カン・ドンウォンを主演に韓国でリメイク。その日本公開が決定した。公開に併せて、韓国版『ゴールデンスランバー』のポスタービジュアルも解禁されている。■ストーリー人気アイドル歌手を強盗から救い出し、国民的ヒーローになった優しく誠実な宅配ドライバーのゴヌ(カン・ドンウォン)。ある日、久しく会っていなかった友人ムヨル (ユン・ゲサン)から突然連絡が来る。再会の喜びも束の間、目の前で次期大統領候補者が爆弾テロにより暗殺されてしまう。動揺するゴヌに向かってムヨルは「お前を暗殺犯に仕立てるのが“組織”の狙いだ。誰も信じるな、生きろ!」と警告して自爆。大統領直属の機関である国家情報院はゴヌを暗殺犯と断定し、マスメディアが一斉に報道。大規模な包囲網が敷かれる。身に覚えのない罪を着せられたゴヌだったが、やがて事件の裏に国家権力が潜んでいることを知る。無数の警察に追われる無実の男は、巨大な陰謀にどう立ち向かうのか――?■伊坂幸太郎も納得の作品、韓国版『ゴールデンスランバー』今回解禁されたポスタービジュアルは、「逃げて、逃げて、生きまくれ!」 というコピーの通り、暗殺犯に仕立てられ逃走するカン・ドンウォンの躍動感溢れるショットが印象的な一枚だ。「本屋大賞」「山本周五郎賞」に輝いた伊坂幸太郎の傑作ベストセラーを原作に、強大な国家の陰謀に巻き込まれた平凡な一人の宅配ドライバーの逃走劇が描かれている本作。観光名所として知られる光化門広場で韓国映画初となるロケを敢行し、撮り直しのきかない一発勝負の爆発シーンを臨場感たっぷりに激写している。原作者の伊坂幸太郎氏も「オリジナルのアイディアが盛り込まれ、カン・ドンウォンさんの魅力が炸裂するソウル版『ゴールデンスランバー』、楽しませていただきました!」とコメントを寄せるほど完成度の高い作品に仕上がっているようだ。■タイトル通り、テーマソングはビートルズの「Golden Slumbers」本作のテーマソングは、ビートルズの解散直前にポール・マッカートニーが完成させた名曲「Golden Slumbers」。その情緒的なメロディーと、誰も信じられない絶望的な状況のなかで主人公ゴヌの心を支える高校時代の友人たちの存在が観客の胸を熱くするだろう。『ゴールデンスランバー』は2019年1月12日(土)よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2018年10月11日NMB48のメンバー・山本彩(25)が7月30日に行われた全国ツアーの公演初日で卒業を発表したと、各スポーツ紙が報じた。卒業時期は未定だという。山本といえば、NMB48を発足当初からキャプテンとして牽引してきた存在。そのためTwitterでは《結成した日から今この瞬間までNMB48のことを引っ張ってくれて愛してくれたこと、今までNMB48のメンバーでいてくれたことに感謝しかないです》《8年間キャプテンっていう大きなものを背負って前へ前へと引っ張ってくれていたことをほんとに感謝してますし、尊敬してます》など、感謝の声が上がっている。「山本さんは兼任していたAKB48の楽曲『365日の紙飛行機』でセンターに抜擢。この曲で紅白歌合戦に出場した際、ギターを弾きながら歌うスタイルが話題になりました。ソロ歌手としてもすでに2枚のアルバムを発表しており、そのクオリティは業界内でも評判となっていました」(音楽関係者)音楽活動への意欲は並々ならぬものがあるという山本。それだけに、今後も幅広い活躍が期待されているという。「来年開催されるラグビーW杯のキックオフイベントに参加した際、松井一郎大阪府知事(54)に『応援団長は山本さんで』とお願いされていました。そうしたオファーは各方面から殺到しているといいます。ソロとしての実力はもとより、キャプテンとして培った経験もある。今後もオファーが途切れることはなさそうです」(前出・音楽関係者)卒業は寂しいが、これからも元気な顔を見せてくれそうだ!
2018年07月31日3月いっぱいで所属事務所「オフィス北野」からの独立を表明したタレントのビートたけし(71)が、3月22日発売の「週刊文春」(文芸春秋)に書き下ろし小説「ゴンちゃん、またね。」を掲載し話題になった。 「うだつの上がらない小説家志望の主人公と飼い犬の物語。犬を飼っていた人なら確実に涙腺を刺激される、手堅い作品です。今後は小説執筆にシフトするとみられるたけしさんだけに、文学賞争いに関わるような作品を生み出すのではないでしょうか」(大手出版社の文芸担当者) 小説を書いた芸能人といえば、真っ先に思い浮かぶのが「火花」(文芸春秋刊)で芥川賞を受賞したお笑いコンビ・ピースの又吉直樹(37)だろう。 そのほかジャニーズ事務所の人気グループ・NEWSの加藤シゲアキ(30)は処女作「ピンクとグレー」(角川書店刊)が映画化されるなど、小説家としても活躍。お笑いタレントの劇団ひとり(41)は「陰日向に咲く」(幻冬舎)、「青天の霹靂」(同)が映画化されいずれもヒットしている。 さらにモデルの押切もえ(38)は「永遠とは違う一日」(新潮社刊)が「山本周五郎賞」の候補作に。最近ではロックバンド・THEALFEEの高見沢俊彦(63)が「音叉(おんさ)」で小説家デビューを果たし、「オール読物」(文芸春秋)に掲載された。 そんな芸能人たちが文学界を大いに盛り上げるなか、小説家デビューを期待される“2人の大物”がいるという。 「歌手で俳優の星野源さん(37)と、人気バンド・RADWIMPSの野田洋次郎さん(32)です。ともに根強いファンがいるだけにかなりの売り上げを叩き出しそうですが、超多忙なのでハードルが高いといえます。ただ2人ともすでにエッセイで非凡な文才を発揮しており、文学賞も狙えるレベル。出版界からも熱視線が注がれていますね」(出版プロデューサー) 果たして、次はどの芸能人の小説がヒット作となるのだろうか。
2018年03月26日「極道×学園×美食」の3ジャンルが共存するグルメドラマシリーズ『紺田照の合法レシピ』がAmazonプライム・ビデオで見放題配信中。累計発行部数30万部を突破した同名の飯テロ漫画を、竜星涼を主演に、『孤独のグルメ』『女くどき飯』『ホクサイと飯さえあれば』などの美食妄想ドラマの名手・宝来忠昭が実写ドラマ化し、話題を集めている。登場人物たちの名前が食べ物に由来するなど独自の世界観を持つ本作で、現役高校生にしてヤクザ、そして料理に情熱を注ぐ主人公の紺田照(こんだてる)が通う高校のクラスメート、春真希(はるまき)を演じている山本舞香にインタビューした。女優業に加えて、『王様のブランチ』(TBS系)にもレギュラー出演するなど、さまざまな顔を見せる山本は、昨年10月に二十歳に。『紺田照の合法レシピ』の魅力はもちろん、山本自身が現在感じている心境の変化などを聞いた。○『紺田照の合法レシピ』撮影初日から"言い合い"――取材用に3話ほど拝見しようと観始めて、10話一気に観てしまいました。あはは! 本当ですか?おもしろいですよね。私も一気に観ちゃいました。自分が出ている作品なのに、いろいろパートが分かれていて展開が早いし、ドキドキハラハラしながら観ちゃいましたね。――オファーがあったときのことを教えてください。最初に台本を読んでから、原作を読んだんです。そしたら私の演じる真希がちょっとぽっちゃりで。あれ、太ったほうがいいのかなと思ったりもしたんですけど(笑)。宝来監督からは、とにかく真希は明るい子だからと言われました。――紺田くんにも物怖じせずに話しかけていきますね。物怖じというか、母性本能みたいなものですかね。紺田くんは学校に来なかったりするので、テストは大丈夫なの? とか、そういうのを気にかけてあげている感じ。そこから恋心が生まれていくというか。紺田くんには、たまにドキドキさせられるものだから。――難しい点はありましたか?真希の明るさに、今まで山本舞香が演じてきていない明るさを出してほしいと言われて。でも私はもともとの性格が明るくないし、どうやったら明るくなるか分からなくて。セリフの言い方なんかも、たまに山本舞香が見えると言われたりして、すごく難しかったです。監督は妥協しない方なので、初日から言い合いしながら作っていきました(笑)。クランクアップのときは、私も達成感がありましたし、監督は泣きそうになってました。――今回の作品は、任侠ものであり、青春ものであり、そしてグルメドラマでもあります。高校生活パートではグルメシーンは少ないですが、それでも文化祭の回で登場したタイ風お好み焼きなど、おいしそうでした。お好み焼き、おいしかったですよ! その場で作ってくれていて、私、お昼休憩に楽屋に持って行って何枚も食べてました。自分が出演して無い時は、アサリのスープとかおいしそうでしたね。あれは寒いところで、あの缶に入った状態で食べたい(紺田が冷蔵室に閉じ込められる回で登場)。なんか、毎回、料理の発想がすごいですよね。○竜星涼は「お兄ちゃんみたい」――紺田くんの料理はみな美味しそうなものばかりですが、料理ができる男の人は?いや! だって、こっちが作る気なくなっちゃうから。――山本さんは普段、料理されるんですか?もともと実家では手伝っていたし、二十歳になってから、結構、作るようになりました。生姜焼きとか照り焼きチキンとか、自分が食べたいもの。朝ごはんは、ごはんにお味噌汁っていう日本食が好き。お味噌汁大好きですよ。家にいま、白みそ、赤みそ、合わせみその3種類置いてます。――それはすごい。料理男子はちょっと……、ということですけど、紺田くんを演じた竜星さんの印象はいかがでしたか?最初はとにかく背が高い!っていう印象。私と並んだら大変なことになるから。あとはすごくまっすぐな人なんだろうなというのと同時に、ちょっと怖そうというイメージもありました。でも実際はすごく話しかけてきてくれて。お兄ちゃんみたいでした。――このドラマの見どころは?竜星くんがすごい役者さんだなって思います。紺田くんみたいに、ず~っと一定のテンションでいる役って難しいと思うんですけど、ボケを入れてきたりして、それがちゃんと笑えるんですよ。ヤクザパートのみなさんもいいし、学園パートではキュンキュンできると思うし、いい感じのバランスのドラマになっていると思います。○女優の登竜門を経て――ところで、山本さんは「三井のリハウスガール」や「JR SKISKI」など、女優の登竜門と言われる作品に出てきました。当時の反響や、いま糧になっていることを教えてください。あのときは、凄いねっていろいろ言われたりしていましたが、でもそれでちょっと調子に乗っている自分がいたなと思います。初めて受けたオーディションに受かって、それが三井のリハウスで歴代の方々がすごくて。本当に調子に乗っちゃって。でも今はお芝居しているときは、とても楽しいです。みなさんに愛されて、支えられてここまで続けてこられたというのはすごく実感しているし、有難いと思っているんです。だから、今までお世話になった人に、私、まだ続けてます、頑張っていますというのを、もっともっと見せられたらと思っています。――ちょうど二十歳の記念として『1st写真集 サニー/ムーン』が発売ですね。これまでにない「新しい自分」を見てもらいたいとコメントされていましたが。どんな点が新しいのでしょうか。私、普段明るくないんですよ。でも、結構笑っている写真が多くて。バラエティ番組で見せている、性格悪い感じとは真逆だと思う(笑)。彼氏とデートしてるような、ちょっと女の子っぽい顔が見えるかも(笑)。そういうのは初めて。カメラマンさんの鈴木心さんは、「JR SKISKI」のときにお世話になった方で、舞香がやって欲しいってお願いして、引き受けてもらったんです。写真集の撮影の時だけ、私、鈴木さんに普通に恋してて(笑)。スタイリスト、メイクさん、編集の方も、みんな私の好きな、仲のいい人ばかりに集まってもらって作りました。夏と冬に撮影したんですが、途中で二十歳になって、顔が変わったとも言われました。ちょっとだけ余裕を持ててるんだろうと思います。――その余裕はどこから?13歳から、このお仕事をしてきましたが、子どもだからこうしちゃダメだとか、ずっと言われてきたんです。あれはダメ、これはダメ、二十歳になるまではって。――自由になれたから、余裕も生まれたのでしょうか?私、二十歳まで事務所のマンションにいたんです。だから料理もしないし、門限もあった。今は自分の好きな時間に帰って、好きなタイミングでご飯を食べられる。でもだからといって、別に遅くまで遊ぶとかじゃないし、逆に責任感が出てきたのかもしれない。あと一番大きいのは、自分の空間が持てたこと。この家は、自分の陣地だ!って。それで余裕が出てきたんだと思います。――心境も変わってきているようですが、これから先も変えたくない自分と、新たに出会いたい自分を教えてください。自分に頑固なこの性格はもう変えたくない(笑)。人にああだこうだ言われて何かをする人生なんていやだし。こうなりたいっていうのは、どうなんだろう。常識的な大人にはなりたいですね。ちゃんと尊敬されるような。――あとは先ほどのお話にも出ましたが、目標としては、今までお仕事をされてきた方々に恩返しをしていきたいとか?はい。まあ、いくつまでこの仕事を続けているか分かりませんけど(笑)。今の私を見守っていてくださいという気持ちは常にあります。先が分からないからこそ、そのとき、そのときは、全力でいろんなことに向き合っています。■著者プロフィール望月ふみ70年代生まれのライター、インタビュアー。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。
2018年03月21日俳優の菅田将暉が、オールナイトニッポン50周年スペシャルラジオドラマ『明るい夜に出かけて』で主演を務めることが決定した。『菅田将暉のオールナイトニッポン』(ニッポン放送 毎週月曜 25:00~27:00)の4月16日放送回のなかで放送される。『明るい夜に出かけて』の原作は佐藤多佳子氏の小説で、第30回山本周五郎賞を受賞している。この小説は、かつてニッポン放送で放送されていた『アルコ&ピースのオールナイトニッポン』(13年4月~16年3月)のリスナーではがき職人の主人公・富山一志が、社会での自分の居場所や人付き合いに悩むという内容だ。主人公の富山役に菅田が決定した他、富山が働くコンビニで偶然出会う同作のヒロイン・佐古田愛役を女優の上白石萌音、富山のバイト先の先輩・鹿沢大介役を三代目J Soul Brothersの山下健二郎、富山の幼馴染・永川正光役を声優の花江夏樹が演じる。上白石は『上白石萌音 good‐night letter』(毎週金曜 24:40~)、山下は『三代目 J Soul Brothers 山下健二郎のオールナイトニッポン』(毎週金曜 25:00~)のパーソナリティを務めるなど、ニッポン放送と縁が深い。菅田はこの作品について「辛いことがあったとしても、自分の好きなものに背中を押されて、頑張っていこうと思えるそんな作品になっています。いやー、ラジオってすげー!!!!!」と語り、原作小説を読んだという共演する上白石も「主人公の心の中を覗いているような感覚でした。言葉やラジオが持つ力と、人と人との繋がりが持つ温かさを感じ、時間を忘れて一気に読んでしまいました」と振り返っている。
2018年03月21日人気作家・伊坂幸太郎の初にして唯一の恋愛小説集「アイネクライネナハトムジーク」が、俳優・三浦春馬主演で今冬映画化されることが決定。原作者の伊坂氏から「映像化できるのは今泉監督しかいない!」とラブコールを受けた新鋭監督・今泉力哉がメガホンを取り、4月にクランクイン、オール仙台ロケで撮影を敢行する予定だ。ストーリーギターの弾き語りが心地よく響く仙台駅前。大型ビジョンからは、ボクシング世界戦のタイトルマッチに沸く声。「劇的な出会い」を待つだけのボク・佐藤(三浦春馬)は、街頭アンケートを実施中だ。今時なかなか相手にしてもらえない中、珍しく快く応えてくれたのはリクルートスーツの女性。手には「シャンプー」の文字。これって運命?そういえば居酒屋で雇われ店長をやってる親友が言ってたっけ「出会いなんてどうだっていい、後で自分の幸運に感謝できるのが一番だ」って。確かに、そんな彼には分不相応なほど美人の奥さんと可愛い娘がいて、幸せそうにやってる。運命って、奇跡って、幸せって?音と音がつながってメロディが生まれるように、誰かと誰かがつながって物語が生まれる――。原作は伊坂幸太郎唯一の恋愛小説集! 誕生のきっかけは斉藤和義?2008年、「ゴールデンスランバー」で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞など数多くの賞を受賞し、「陽気なギャングが地球を回す」「重力ピエロ」「グラスホッパー」など様々な作品がドラマ・映画・舞台化される人気作家の伊坂氏。今回映画化が決定した原作小説は、42万部(電子書籍を除く)を売り上げるベストセラーだ。「アイネクライネ」に始まり「ナハトムジーク」で終わる、6章の短編から成るこの小説が生まれるきっかけとなったのは、アーティストの斉藤和義だったという。伊坂氏が会社勤めをしていた頃、斉藤さんの「幸福な朝食退屈な夕食」を聞いて退職を決意し、執筆活動に専念することを決めたという逸話があったが、2人の交流は斉藤さんが伊坂氏に“出会い”をテーマに作詞を依頼したところから始まる。この依頼を受けた伊坂氏は、苦手な恋愛モノでも「作詞はできませんが、小説を書くことならば」と短編小説を執筆。これが第1章の「アイネクライネ」。これを受けて斉藤さんは、「ベリー ベリー ストロング ~アイネクライネ~」を制作した。さらに、この曲がシングルカットされるにあたり、初回限定盤に付属される特典用小説として伊坂氏が書き下ろしたのが、第2章となる「ライトヘビー」だ。短編の中には登場人物それぞれに伏線が敷かれ、最終章でそれが回収されるという仕掛けがあるのだが、映画でもそれが三浦さん演じる佐藤という男を中心に展開していく。主演・三浦春馬からコメント到着!伊坂作品としては「CHiLDREN チルドレン」に出演し、最近では主演ドラマ「オトナ高校」が話題となったことも記憶に新しい三浦さん。本作への出演に関して「とても光栄に思います」と喜びを語った三浦さんは、「この作品に登場するキャラクターが過ごす一瞬や、大切な人との言葉のやりとりが人生の音符となり、柔らかな応援歌になるよう、監督をはじめ、スタッフ、キャスト一丸となって撮影に臨みたいと思います!」と意気込みを語っている。監督は新鋭・今泉力哉、伊坂氏も「面白い映画にしてくれるのではないか」と期待また監督を務めるのは、『こっぴどい猫』『サッドティー』『知らない、ふたり』などを手掛け、緻密な構成と巧みな演出でリアルで新しい恋愛群像を描いてきた“ダメ恋愛映画の旗手”とも称されるいま注目の新鋭監督・今泉力哉。監督は「この映画は“出会い”について、そして“特別ではない人々”の愛や関係性についての物語です。斉藤和義さん、伊坂幸太郎さん、三浦春馬さん、というさまざまな世代の“特別な人”ととともに、どこにでもあるような悩みや、平凡だけど美しい日常を描けたらな、と思っています。楽しみます!」とコメント。伊坂氏は、「『こっぴどい猫』がとても味わいのある群像劇だったので今泉監督なら、この小説を面白い映画にしてくれるのではないかとお願いしました。自分の小説世界が、今泉さん風に変換されるのがいまから楽しみです」と期待を寄せている。『アイネクライネナハトムジーク』は今冬、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2018年03月11日■春の憂鬱気づけば3月。最高気温はあまり変わらないのに、昨日までの服装がどこか野暮ったく見えるのは、明るい陽射しのせいでしょうか。いつまでもぬくぬくと重いコートにくるまっていないで、新しい季節を迎える準備をしなければ……。■パステルカラーが落ち着く春でも、なんとなく億劫。というわけで、気分転換で久しぶりに海を見に出かけました。青が冴えわたる真冬の海に比べると、春先は海の色も少し白を落としたような優しい色合いです。3月は、空も花も街の緑も空気さえも色味が柔らかくなります。すべてがパステルカラー。本格的な春を迎えるまえのメローでアンニュイな気分のときは、そういう色合いのほうがむしろ落ち着きます。たまたま立ち寄った海のそばのカフェで素敵な本を見つけました。■『山本容子のジャズ絵本 Jazzing』山本容子と言えばだれもが知っている女流銅版画家。ちなみに、わたしは、吉本ばななを愛読していた若かりし頃、山本周五郎賞受賞作『TSUGUMI』の表紙でその名を初めて知りました。透明感のあるストーリーに彩り豊かな表紙画。とても印象に残っています。たしかに、山本容子の作品は、どれも構図が独特でカラフルなのに、落ち着いた色使いが印象的、洗練されていながら遊び心も感じさせ、美しくも茶目っ気のあるご本人の佇まいと重なります。『山本容子のジャズ絵本』はまさにタイトルに偽りなし。山本容子本人が、20世紀に生まれたさまざまなジャンルの曲を絵と言葉で紹介しています。「雨に唄えば」「ニューヨーク・ニューヨ―ク」「モナ・リザ」「星に願いを」などなど、名曲揃いの全24曲。しかも、人気銅版画家がそれぞれの曲をイメージして描いた絵が1冊にまとめられているのですから、それだけでもかなり贅沢。■観てよし音楽という時間の流れのあるものを、彼女ならではのイマジネーションで、1枚の紙のなかに見事に描き切っていて、作品集としても見応えじゅうぶん。歌詞や音符まで絵の小道具にしてしまうところがなんとも洒落ています。彼女が表現している曲の世界観は、自分がその曲に対して漠然と思い描いていたイメージとは違っていたり、でも、どこか重なっていたり。どの絵にも大胆さと繊細さ、哀愁と洒落っ気、それになんとも言えない温かみがあります。そして、もちろん、色使いの美しさ。不思議な心地よさを感じます。これぞまさしくパステルカラー・マジック。■読んでよし絵に添えられている文章も、いちいち気が利いています。長すぎず、短すぎず。曲にまつわる豆知識やエピソードに触れながら、作家本人の人生観をすこしばかり織り交ぜて……。でも、スパイスはほんのちょっぴりだけ。その匙加減が大切。なにごともスパイスの利かせすぎは禁物です。ところで、この本のタイトルには「ジャズ」という言葉が入っています。その理由は本を手にするとわかります。紹介されている全24曲のジャズ・ナンバーを納めたCDがもれなく付いてくるのですから――。■聴いてよしCDのプロデュースを担当したのは作曲家の谷川賢作。この本のためだけのオリジナル版とあって、曲ごとのアレンジが絵の世界観にぴたりとはまっています。山本容子本人いわく、「CDを流しながら、目で絵を追いかけると、絵がメロディに乗って動くように見えてくる」……まさしく。本を購入後、家ではずっとこのCDを流し、時間を見つけては本を眺めています。目覚めに優しく、就寝前には心を落ち着けてくれる。春先の憂鬱な心を、パステルカラーのスカーフのようにそっと包んでくれる逸品。■持ってよし、贈ってよしCD付きで2800円(税別)という価格もとても優しい。手元に置くのもよし、とっておきの友達へプレゼントするのもよし。配信される音楽をイヤホンで聴くことがあたりまえの今、手に取って目で見て耳で聴いて音楽を楽しむことがとても新鮮に感じられるはずです。
2018年03月04日遺影専門の写真館がある町で起きた、悲喜こもごもの心震えるミステリー、道尾秀介さんが書いた小説『風神の手』。舞台は、西取川(にしとりがわ)をはさむ2つの町、上上町(かみあげちょう)と下上町(しもあげちょう)。その地にある遺影専門の写真館「鏡影館(きょうえいかん)」に飾られている写真が呼び水となり、数十年にわたる“縁”の物語が語られていく。道尾秀介さんは、朝日新聞で連載していた「口笛鳥」を『風神の手』の第二章に据え、その前後に加筆して、連作長編として完成させた。第一章の「心中花」は、若き漁師と女子高生という立場の違う男女の切ない恋物語が、続く第二章は、まめとでっかちという小学5年生の2人が決意を秘めて立ち向かう事件が描かれる。第三章の「無常風」で、死期間近の老婦人の告白によって、仰天の過去が掘り起こされ、エピローグの「待宵月」へなだれ込む。「真相へと迫っていく中で、犯罪が悪意で行われるとは限らないし、善行が善意で行われるとは限らないという、人間の複雑さ、面白さを書けたらいいなと思っていました」悪意のない嘘。言えなかった真実。過去の出来事の意味が裏返り、欠けていたピースが鮮やかにはまる快感。さらに、物語の鍵として、自然の神秘を感じるモチーフがちりばめられているのも、道尾ワールド。標題紙をめくると現れる、コナン・ドイルの小説から引用したエピグラフ(序文)が意味深だ。「5~6年前に読んだ小説のこの部分に強く惹きつけられたのは、めぐり合わせの不思議さを、僕もよく思うからです。いろんな偶然が影響し合って、日々、思いがけないことが起きる。たった一粒の砂がめぐりめぐって人を殺してしまうというような因果律の世界を、前々から書きたいと思っていました。人間は文明や街を作り、自然を支配してるかのようですが、どこかで風が吹くだけでいろんなことがこんなにも変わってしまう。僕自身も予想していなかったくらい、エピソードやモチーフ、人物同士が有機的につながったので、書いていて本当に楽しかった」本書に関しても奇縁があったそう。「砂がひとつの鍵になっている小説なので、カバーに使う装画を、僕が好きでライブパフォーマンスに通っていた、サンドアーティストの伊藤花りんさんにお願いしたんですね。うれしいことに、彼女は学生時代から僕の本を読んでくれていたそうなんです。世界は、人生は、不思議なもんだなぁといつも思っています」みちお・しゅうすけ作家。2004年に『背の眼』でデビュー。’10年に『光媒の花』で山本周五郎賞、’11年に『月と蟹』で直木賞など受賞歴多数。道尾さんは、作中に出てくるウミホタルを取材がてら実際に捕獲に行ったそう。「思っていたよりずっと蒼くて明るい。神秘的でした」朝日新聞出版1700円※『anan』2018年2月14日号より。写真・水野昭子インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2018年02月12日2017年に新成人を迎えた女優の山本舞香と桜井日奈子が、東京大神宮にて、晴れ着を披露し、20歳になった心境や今後の目標などを語った。■山本舞香&桜井日奈子、大人への仲間入り!これまで映画やドラマの撮影で、晴れ着は何度か着たことがあったという山本さんと桜井さんだが、山本さんは「きっちりした会で晴れ着を披露するのは初めて」と緊張した面持ちを見せると「結びはシンプルに、帯はきつめに締めてもらいました」と着こなしへのこだわりを語る。一方の桜井さんは「成人のときには、ラッキーカラーであるブルーが基調のものを絶対に着たいと思っていたので嬉しい」と笑顔を見せると「偶然なのですが、この着物は桜の模様が入っているんです。桜井という名前なので縁があります」と思わぬコラボを喜んでいた。20歳になった心境を聞かれた山本さんは「家族や友人、事務所の方々に支えられて無事20歳を迎えることができました。これからは自分自身の行動に自覚を持って、何事にも後悔することなく、全力で向き合っていきたいと思います」と抱負を述べると、桜井さんも「大人の仲間入りをはたしたので、自分の行動に責任を持って、地に足をつけて生活をしていきたいです」と誓いを立てていた。■山本さん&桜井さん、お酒は弱くない!?“大人の女性”の仲間入りをした二人だが、山本さんは「10代と20代では色気が違うと思うので、いろいろな経験を積み重ねて、色気のある女性になりたいです」と語ると、桜井さんは「大人というのは、たくさんの失敗を経験して成長している人というイメージがあります。変な言い方かもしれませんが、私もいっぱい失敗をして、それを糧に、何が起きても慌てない女性になりたいです」と目を輝かせていた。お酒については、どちらも“弱くはない”ということだが、山本さんは「共演者やスタッフの方とお酒の席でご一緒すると、絆が深められますよね」と交流の場が広がったことへの期待を明かすと、桜井さんも「まだあまり機会はないのですが、体質的には大丈夫みたいなので、いろいろな方と交流できたらいいですね」と語っていた。■大人気コミック実写化『ママレード・ボーイ』主演も「楽しみたい」(桜井さん)2018年、桜井さんはシリーズ累計1000万部を突破している吉住渉の大人気コミックを実写映画化した『ママレード・ボーイ』でヒロイン・小石川光希を務める。大規模公開で主演という大役を担うことになるが「身が引き締まる思いです」とやや緊張した表情を見せつつも「初めての経験がたくさんできることをドキドキしながら楽しみたいです」と前向きに語る。現在撮影真っ只中というが「いろいろなことを吸収してとても楽しい現場です」と充実した日々を送っているようだ。山本さんも2018年は、ドラマ、映画、舞台へと作品が目白押しで、撮影の日々だというが「とにかくいただいた仕事に全力で臨み、女優業をしっかりやっていきたいです」とさらなる躍進を誓っていた。(text:cinemacafe.net)
2018年01月07日山本あきこ初の秋冬本「暖かいのにおしゃれになれる」人気スタイリスト山本あきこの新書「毎朝、服に迷わない 秋/冬 暖かいのにおしゃれになれる (ダイヤモンド社)」が、2017年9月14日に発売された。秋冬にありがちな、「どうしても着ぶくれしてしまう」、「寒すぎて、おしゃれよりも防寒を重視してしまう」、「色が暗くなってしまいがち」などの悩みを、山本あきこが解決。「着ぶくれしないために、白をちりばめる」など、秋冬のコーディネートに役立つテクニックが満載だ。現在、Amazon.co.jpにおいて、予約を受け付け中。Kindle版は1,458円、単行本(ソフトカバー)は1,620円。山本あきこのプロフィール人気スタイリストの山本あきこは、1978年5月28日生まれ、東京都出身。人気女性誌などのスタイリングを担当する他、「センスは持って生まれたものではなく鍛えられる」をモットーに、ファッションセミナーや、スタイリング講座などを実施。これまでにスタイリングをした人数は1,500名を超える。山本のテクニックが詰め込まれた著書には、「いつもの服をそのまま着ているだけなのになぜだかおしゃれに見える」、「毎朝、服に迷わない」などがあり、幅広い年代の女性たちから支持されている。(画像は山本あきこ オフィシャルブログより)【参考】※山本あきこ オフィシャルブログ※Amazon.co.jp
2017年09月27日山本周五郎没後50年の今年、改めて「日本人とは何か?」を問い詰めた珠玉の名作を贈る1話完結ドラマ「山本周五郎時代劇 武士の魂」。本日9月12日(火)放送の第12話「失蝶記」にて最終話を迎える本作から、「失蝶記」主演を務めた水田航生の鬼気迫る場面写真が到着した。「山本周五郎人情時代劇」で描いてきた、山本周五郎ならではの哀感あふれる町人・庶民の人生物語を、今回は「武士とその家族」に焦点を当てて映像化した本番組。武士として生きる以上、藩命に従い、時には犬死をも覚悟しなければならない。「武士の矜持を守ること」とは「死と隣り合わせで生きること」…そうした厳しさを正面から描いた原作を、石黒賢、田村亮、窪塚俊介、笠原秀幸、団時朗、渡部豪太ら錚々たる俳優陣を迎えて見事に表現。そして、本番組の最後を締めくくる第12話「失蝶記」で主演に抜擢されたのが、若手俳優の水田さんだ。「失蝶記」は、藩内で佐幕派と倒幕派で意見が分かれる中、意見の取りまとめに奔走する若き指導者の谷川の物語。谷川は、大砲の暴発事故で聴力を失ってしまい…。本作で迫真の演技を披露する水田さんは、「第1回アミューズ王子様オーディション」のグランプリを受賞。以来、ミュージカル「テニスの王子様」をはじめ、『太陽』『カノジョは嘘を愛しすぎてる』などの映画作品や、「クズの本懐」「ファイブ」ほかドラマにも多数出演。また、7月期クールのドラマ「脳にスマホが埋められた! 」「サヨナラ、えなりくん」に立て続けてゲスト出演し、老若男女から支持を得るNHK連続テレビ小説「ひよっこ」にも登場するなど、一気に活躍の場を拡大。この勢いに目が離せない若手俳優のひとりだ。今回、解禁となったビジュアルでは、青年藩士・谷川主計に扮した水田さんが鬼気迫る殺陣シーンを披露。さらに、一転して撮影セットでのオフショットでは、穏やかな表情を垣間見せ、ギャップ萌え必至!本作が時代劇初挑戦だというが、端正な顔立ちにマッチした“武士姿”に、今後の時代劇作品への出演も期待したいところだ。水田さんの公式Twitterでは意気込みが綴られており、本作へかける思いの強さが伺える。彼の新たな代表作となり得る本作を、この機会にぜひチェックしてみて。山本周五郎時代劇 武士の魂「失蝶記」は9月12日(火)20時~BSジャパンにて放送。(text:cinemacafe.net)
2017年09月12日山本美月が主演を務めるAmazonオリジナルの連続ドラマ「東京アリス」。このほど、山本さんをはじめとする仲良し女子4人組と、彼女たちを取り巻く男性たちの恋が始まる予告映像が公開された。「クローバー」「月と指先の間」で知られる人気漫画家・稚野鳥子による大ヒット少女コミックを実写化した本作。人生の岐路に立つ同級生4人組のリアルな姿と恋愛模様を描き、シリーズ累計210万部突破(電子書籍含む)大人気ラブコミックの待望の連続ドラマ化とあって、大きな注目を集めている。このたび解禁された90秒の予告映像は、お買い物大好きなOL有栖川ふう(山本美月)、駆け出し漫画家の羽田みずほ(トリンドル玲奈)、生粋のお嬢様・円城寺さゆり(朝比奈彩)、クールな女医の桜川理央(高橋メアリージュン)の仲良し同級生の4人が、代官山でシェアハウスを始めるところから始まる。代官山、恵比寿、表参道などを舞台に、憧れの東京ガールズライフをはじめた4人。そして、恋に仕事に奔走する彼女たちがそれぞれ出会う男性たちが登場する。ミステリアスな男・翡山(大東駿介)に強引に誘われるさゆり、冷徹で容赦ない仕事から“アイスマン”と呼ばれている奥薗(大谷亮平)とふうは、上司と部下の関係からまさかの恋仲に発展!「お前の気持ちはどうなんだよ?」と奥園に問いかけられた、ふうが出す答えとは…?しかし、同僚の環(佐津川愛美)と奥園の親しげな様子も目撃してしまい、やきもきする場面も。さらに、白石隼也、小関裕太、杉野遥亮、柳俊太郎と、いま注目の若手俳優たちも続々登場。ときに傷つきながら、それぞれの人生と恋模様が交差し、ドラマチックに物語が展開。映像全編を通してchayによるエンディングテーマ「恋のはじまりは突然に」も、爽やかに彼女たちの恋を見守っている。また、同時に解禁となった60秒の予告映像では、仲良し4人組の紹介を中心に、同じくchayさんによるオープニングテーマ「恋はアバンチュール」にのせて彼女たちが仕事に頑張る姿が。合わせてチェックしてみて。Amazonオリジナル「東京アリス」は8月25日(金)よりAmazonプライム・ビデオにて独占配信開始(全12話)。(text:cinemacafe.net)
2017年08月22日BSジャパンにて放送中の時代小説の巨匠・山本周五郎の「武家モノ」に焦点をあてた1話完結物語「山本周五郎時代劇 武士の魂」。この度、9月12日(火)放送の本作の最終話の主演に、若手俳優・水田航生が抜擢された。若い武士のプライド、友情、そして移り行く時代の流れへの葛藤を色濃く演じていく。山本周五郎没後50年の今年、改めて「日本人とは何か?」を問い詰めた珠玉の名作を放送する本番組。武士として生きる以上、藩命に従い、ときには犬死にをも覚悟しなければならず、「武士の矜持を守ること」とは「死と隣り合わせで生きること」。そうした厳しさを正面から描いた山本周五郎の原作の中でも人気の高い「失蝶記」が、全12話の最後の話を締めくくる。そんな第12話で主演を務めるのが、2005年、約5,000人の応募者の中から「第1回アミューズ王子様オーディション」のグランプリを受賞しミュージカル「テニスの王子様」(2009、2010年)に出演した水田さん。また舞台だけでなく、『カノジョは嘘を愛しすぎてる』や「クズの本懐」「ファイブ」など映画やドラマにも出演している。本作では、青年藩士・谷川主計役を演じる。水田さんは「初の時代劇主演ドラマ、ということもあり自分では覚悟を持ってこの役を演じました。その覚悟は武士として生きた谷川の覚悟にも反映させていきたいと強く感じて臨みました。キャストスタッフさん全員の熱い想いで武士の終焉の時代を創れたと思います」とコメント。また今回の出演で、幕末の細やかな時代背景など改めて勉強する機会にもなったと言う水田さん。「人間が何かを失ってでも必死に存在価値を見出し、それぞれの信念の為に生きようとする武士の魂は純粋にいまを生きる僕たちの心を打つと思います。いまを生きる人たちの心に必ず響くと確信しています。自分の中で何かが変わる、開けるキッカケになると思います」と語っている。また今回水田さんは、出演が決まると1か月におよぶ殺陣稽古に取り組み、立ち回りだけでなく、武士の矜持をも自身にたたきこむ勢いで撮影に挑んだそう。ファンにとっても見慣れない、彼の髷(まげ)姿や二本差し侍の格好を披露した今回。容姿だけでなく、心身ともに成長していく彼の姿にも注目してみて。山本周五郎時代劇 武士の魂「失蝶記」は9月12日(火)20時~BSジャパンにて放送。(cinemacafe.net)
2017年08月14日モデルとしてだけでなく、テレビ、ラジオ、広告キャラクターにデザイン業・執筆活動など多岐に渡って活躍する押切もえが、7月4日(火)、自身初となる児童読み物「わたしから わらうよ」を発売したことが分かった。また、同書の表紙絵や挿絵も押切さん自ら手掛けている。「わたしから わらうよ」は、少女のさわやかな成長物語。素直に気持ちを伝えられない小学校3年生の桜は、友だちにも家族にも気を遣ってばかり。そのうえ、自分に自信がもてない。そんな桜にとって、今年の夏は一大事!鳥取のおばあちゃんの家に、一人で行くことになったのだ。不安と戸惑いではじまった夏休み。でもそれは、桜を大きく変えてくれる冒険の旅…というストーリー。清々しい自然と人々とのふれあい、少女の背中をそっと押したひと夏の物語を描く。これまで「モデル失格―幸せになるためのアティチュード」「浅き夢見し」などを執筆し、また「永遠とは違う一日」では山本周五郎賞にノミネ ートされ高い評価を受けた押切さん。今回同書を執筆したきっかけは、鳥取県で始まった障がい者支援活動「あいサポート」の活動。「障がいを知り、共に生きる」をテーマに、障がいのある人が暮らしやすい社会を一緒に作っていくことを目的としたこの活動に参加した押切さんは、鳥取の美しい自然、それまで知らなかった障がい者の人々、活動支援者たちと交流することにより強い感銘を受け、同書の執筆に至ったという。押切さんはこの本を通して「鳥取の豊かで美しい自然には行くたびに驚かされましたし、人の温かさに感動したところを伝えたいです」と語り、「主人公と同じ小学3年生から理解をしてくれたら嬉しいです。でも大人にも読んでほしいですね」と様々な世代に読んで欲しいとコメント。また自身初の児童読み物ということで、表現を追求していったと言い、「柔軟に素直に、擬音語などを使ったり。 言葉の遊びだったり、素直に書けて楽しかったです」と語る。さらに早くも次回作については、「また小説は書きたいですね。そのときの自分が不思議に思ったこと、解決したいなと思ったこと。夢や目標ですね。夢を追いかける話は好きですね。いまやっていることを深めていきたいなと思います」と話している。押切もえ著「わたしから わらうよ」は発売中。(cinemacafe.net)
2017年07月13日