乳歯から永久歯への生え変わりは、5歳前後から始まり14歳ごろに完了します。それまでの乳歯も、健康な状態をキープしておきたいものです。でも、多くの子どもは歯磨きが大嫌い! しっかり磨けないと虫歯に!? なんてことも。 そこで今回は、小児歯科医の川越じゅん奈先生に乳幼児期の虫歯予防や治療についてお話を伺いました。大切な子どもの歯が虫歯にならないための注意点や治療について紹介していきます。 虫歯の原因は、糖分とミュータント菌 乳歯が生え始めると、虫歯の原因となるミュータンス連鎖球菌が常在菌として成育し始めます。ミュータンス連鎖球菌は糖分を利用して酸を作り、歯の表面にあるエナメル質を溶かしていきます。これが虫歯です。特に乳歯はエナメル質が薄く、歯が軟らかいため虫歯になりやすく、生え始めの時期にも虫歯になりやすいという特徴があります。 大切なのは、口の中に糖分を残さないこと。まだ、砂糖の入ったお菓子を与えていないから大丈夫と、安心はできません。糖というのは砂糖だけではなく、炭水化物(お米やパンなど)やミルク、イオン飲料や果物にも入っています。砂糖が含まれたお菓子を食べ始める時期はもちろん、乳児のうちから口の中に食べカスやミルクが残らないようしっかり歯磨きをしてあげることが大切です。 虫歯の進行状況によって変わる歯の治療方法 1歳半や2歳の乳児歯科検診で虫歯が見つかったり、子どもが痛みを訴えてきたときは、すぐに受診が必要です。その治療は、虫歯の進行状態によって変わってきます。※下記の状態は、虫歯の進行順に記載しています。 ●歯の表面が白濁したり、噛む面の溝が茶色になっている歯の表面が白濁している状態は、通常の歯より白く表面がザラザラした感じで、光沢がないのが特徴。虫歯になった原因(歯磨きの仕方、お菓子や食事内容など)を改善することで自然回復するケースが多く、フッ素の塗布などの予防処置も効果的になります。 ●表面のエナメル質の虫歯、その奥の象牙質まで達する虫歯表面のエナメル質の虫歯、その奥の象牙質まで達する虫歯は穴が開いた部分を詰める治療をおこないます。また、象牙質まで到達している場合、乳歯が近いのでその後も安心はできません。生活習慣の改善が必要となります。 ●歯髄まで進んだ虫歯神経の根の治療をして、穴の大きさにより、穴を埋めたり、銀の冠をかぶせたりします。 ●歯が欠けていき根だけになってしまった虫歯神経を取るなど根の治療をして銀の冠をかぶせるか、保存できない場合は歯を抜きます。 大人の虫歯治療と少し異なる点虫歯の治療は、ほぼ大人と変わりませんが、子どもの虫歯治療で少し異なる面があります。虫歯は自然に治らないので、虫歯部分や根っこまで治療して完治させます。1~2歳ごろの子どもの場合は、徹底した治療が難しいので虫歯の進行を止める薬を塗るだけにとどめておくケースが多々あります。虫歯は完治しませんが、進行を防ぎ、隣り合う歯に虫歯が広がるのを防ぐのにも役立ちます。 0歳から歯科医院に通っていると、クリニックで場慣れをしているため、例えハードルの高い治療でも、ママの心構えも準備できています。そのため、子どもも治療を受けやすくなります。極力麻酔は使わない治療を当院ではおこなっておりますが、どうしても必要な場合、抑制治療をおこなうこともありますので、前後のコミュニケーションが大切になってきます。うっかり大きな虫歯を作る前の、何もトラブルのないときからの歯の磨き方や、クリーニングをするための通院をおすすめします。 また、乳歯と永久歯とでは虫歯治療の方法が異なりますので、治療の際は小児歯科治療に長けた歯医者さんを受診するのが安心です。 虫歯予防に欠かせない歯磨き習慣 虫歯予防の第一は歯磨き! それと同時に食生活や生活習慣の改善の大切なポイントを紹介します。 ●おやつの時間を決める食べ物を口に入れることで口内は酸性へと傾きますが、唾液の働きにより中和され、食後30分ほどで元の状態へと戻ります。また、唾液には酸で溶けた歯を修復する働きも備わっています。この唾液の機能を十分に発揮させるために、食事と食事の間隔を十分に空け、決められた時間以外にはダラダラと食べないこと。 ●歯に詰まりにくい食品を選ぶ歯にとどまる時間が長いほど、虫歯になる可能性が高くなります。歯に詰まりにくく、短時間で食べられる食品を選ぶ。 ●虫歯菌の餌となる砂糖菓子は避ける砂糖が含まれている食品は避ける。砂糖の代わりにキシリトールを使用した食品を選ぶ。おせんべい、果物、きのこなどが比較的虫歯になりにくい食品だと言われています。 ●食後にお茶を飲ませるお茶の中には、フッ化物やカテキン(抗菌作用)が含まれ、虫歯予防におすすめ。ただ、緑茶にはカフェインも含まれるので、水分補給は水や麦茶で、食後にだけお茶を飲む習慣をつけると良いでしょう。※緑茶はカフェインを含んでいます。1歳未満の子どもにはカフェインの入っていない麦茶を与えるようにしましょう。 下の前歯が生えたら受診しましょうエナメル質の薄い子どもの虫歯は進行が早く、痛みを訴えたときには、すでに虫歯がかなり進行しているケースがかなりあります。歯の治療は、大人だって痛くて苦手なものです。まして、子どもはもっと苦手。そのためにも定期的な歯科健診によって虫歯の予防や早期発見が不可欠です。 多くの自治体では、子どもが1歳半と3歳ごろに歯科健診がおこなわれますが、子どもの口の中を見て下の前歯が生えてきたと思ったら、歯科医院を受診すると良いでしょう。虫歯になるリスクは歯が生えたときから発生します。歯が生えそろっていないときの歯磨きは、歯が全部そろっているときと磨き方が異なるため、正しい磨き方を身につけることが大切です。 また、1歳半ごろからを目安に、歯医者さんで歯質を強化させるフッ素の塗布を4、5カ月に1回ほどの頻度でしてもらうのがおすすめです。虫歯でいきなり怖い治療を始めるより、虫歯のない状態で受診して雰囲気や環境に慣れておくことがとても重要です。 虫歯の治療は、子どもにとって大きな負担となります。1歳半ごろから健診へ行き、虫歯の早期治療やフッ素の塗布による予防処置を。また、同時に食生活や生活習慣を整えて、虫歯のない健康な歯を守りましょう。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~5歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日なりますように! 著者:井上 裕紀子監修者:医師 原宿こども歯科院長 川越じゅん奈 先生平成16年岩手医科大学卒業後、赤ちゃん子供歯科、こばやし歯科クリニック、あーす歯科勤務の後、平成27年に原宿こども歯科を開業。怖くない、また来たくなるような場所となることをモットーに、日々治療を行っている。院内は赤ちゃんの時からご家族で心の負担なく通えるよう幸せ感たっぷりな空間や仕掛け用意するなど、楽しめる歯医者を目指している。
2020年09月29日ピリピリとした痛みや、小さな水ぶくれができるのが特徴的な、帯状疱疹(たいじょうほうしん)。ヘルペスウイルスの一種によって引き起こされるため、日本では『ヘルペス』と呼ぶ人もいます。帯状疱疹にかかった経験を、rikko(@rikko157)さんはTwitterに投稿。注意喚起も兼ねて、投稿者さんのパターンを漫画で描きました。帯状疱疹にかかった体験談が話題に【実録】帯状疱疹(ヘルペス)にかかっていました。かかったら直ぐに治さなきゃ!と思う気持ちが大事だと身にしみました。 pic.twitter.com/cn1Ekkg3sn — rikko (@rikko157) May 12, 2020 謎の痛みや目元のはれについて、最初はものもらい(霰粒種)だと思っていた、投稿者さん。医師の診察によって帯状疱疹だったことが判明しますが、この時、投稿者さんはあまり大ごととは思っていなかったようです。仕事を優先して皮膚科を受診しなかった結果、まゆ毛の部分に大きめの痕が残ってしまったのだとか。顔の傷痕は自分が気になってしまうものですよね。「少しでもおかしいと思ったら、すぐに受診してほしい」という思いを込めた作品は拡散され、いろいろなコメントが寄せられました。・自分も放置したら痕になってしまい、20年ほど経っても残っています。・治ってよかったです。でも、顔に痕ができるとつらいですよね…。・帯状疱疹を発症して投薬と点滴を受けたら、たくさんお金が飛んでいきました…。投稿に寄せられたコメントを見るに、顔や腕に帯状疱疹ができ、痕が残ってしまった人は少なくないようです。どんな病気も早期発見、早期治療が重要です。「あの時、早く受診していれば…」と後悔することのないよう、迅速な行動をお勧めします。[文・構成/grape編集部]
2020年05月14日みなさんは、犬の散歩やストレッチなど、日課となっている行動はありますか。『毎日取り組んでいることなのに、突然うまくできなくなった』と気付くことが、大病の早期発見につながることもあるのだとか。脳梗塞の早期発見につながった『意外なもの』にびっくり!死因ランキング上位の『脳梗塞』…その症状とは?厚生労働省によると、毎年、脳血管疾患が原因で多くの人が亡くなっているそうです。脳血管疾患(脳卒中)は、脳の血管が詰まる脳梗塞と、脳の血管が破れる脳出血、くも膜下出血の3つに分けられます。その内の1つである脳梗塞は、右半身か左半身に運動麻痺が起きたり、うまく言葉が話せなくなったり、意識がはっきりしなくなったりする病気。脳梗塞の具体的な症状には、『急に手足から力が抜ける』『つまずきやすい』『言葉が出てこない、理解できない』『片方の手足がしびれる』などがあります。国立循環器病研究センター循環器情報サービスによると、身体にこのような異常を感じたら「脳梗塞かもしれない」と疑い、すぐに病院を受診することがとても重要なのだとか。父が脳梗塞で入院…早期発見につながったのは、『ぷよぷよ』!?そんな脳梗塞について、わいじぇい(@tabboi)さんの投稿が話題となりました。わいじぇいさんは、母から「父が脳梗塞で入院した」と連絡があったそうですが…。父は倒れて運ばれたのではなく、毎日やっているゲーム『ぷよぷよ』の操作がうまくいかなかったことをおかしいと思い、病院に検査に行ったら初期の脳梗塞が見つかった。母から父が脳梗塞で入院した旨連絡があった。ただ、倒れて運ばれたのではなく、毎日やっている「ぷよぷよ」の操作がうまくいかなかったことをおかしいと思い検査に行ったら初期の脳梗塞が見つかったのこと。サンキューぷよぷよ٩(′д‵)۶— わいじぇい@ゲーム実況 (@tabboi) April 25, 2020 『ぷよぷよ』とは、1990年代にスーパーファミコン版『す~ぱ~ぷよぷよ』が大ヒットし、2020年現在でも大会が開かれるなど、多くの人に愛され続けているパズルゲームです。子供の頃に夢中でやっていた人も多いのではないでしょうか。パズルゲームが脳梗塞の早期発見につながるとは驚きですね!この投稿には多くのコメントが寄せられました。・早期発見できてよかったですね!ゲームは悪いことばかりじゃないなと思いました。・ちょっとした異変できちんと検査を受けに行く健康意識の高さと、フットワークの軽さが素晴らしい!・普段から指先動作で健康状態を知ることが大切ですね!わいじぇいさんの父親は、毎日息抜きにゲームをすることで自然と自分の『健康な状態』を把握できていたのでしょう。自分の身体の異常に気付くために、スマホのパズルゲームを日課としてみてもいいかもしれませんね。[文・構成/grape編集部]
2020年04月30日「がんには検診が有効ながんとそうでないがんがあります。ですから、検診して早期発見しさえすればよいということでもないのですが、日本の医療はいつまでも『早期発見・早期治療』をスローガンに掲げています。実はこの概念は世界の基準から見ても30年以上遅れているのです」日本医科大学武蔵小杉病院・腫瘍内科の勝俣範之医師はこう話す。検診が有効ながんか無効ながんかを決めるのはがんの進行度合いによるという。「がんの種類というのはがんが成長するスピードによります。『急速がん』は定期的に検診をしていても、成長が早くて見つかりにくいがんです。『毎年検診していたのに見落とされた』という場合は、このタイプのがんでしょう。急速がんには、急性白血病などの血液腫瘍や一部の固形がん(胚細胞性腫瘍、炎症性乳がん、すい臓がんなど)があります」(勝俣先生・以下同)検診をしても見つからないことが多いため、急速がんは検診が有効とは言えないという。「一方、『超のんびりがん』は、進行するスピードが10年単位と非常にゆっくりとしたペースで成長するタイプ。『進行しないがん』は、がんがそれ以上大きくならないか、あるいは死滅していくタイプで、いわば、これは治療しなくていいがんと言えます。前立腺がん、甲状腺がん、乳がん(一部)などがあります」超のんびりがんや進行しないがんの場合、治療しなくてもがんが大きくならないか、大きくなったとしても、患者はそれ以外の原因・理由で死を迎える。これも検診には適さないというのだ。「このがんのタイプのうち、のんびりがんは、放置しておくと1年から数年で大きくなって死に至るタイプで、唯一、定期的な検診の恩恵を受けるタイプです。しかし、残念ながら、現状では検診でがんが発見された時点で、それがどのタイプなのかは、誰にも分りません。部位でも特定することもできません。ですが、検診でがんの疑いが出ると、精密検査を受けることになり、がんと判明すると治療に入ります。非進行性のがん(超のんびりがんや進行しないがん)であっても同じです。そして、非進行性のがんであったとしたら、本来なら不必要な検査や治療とも言えるわけで、結果的に、過剰診断、過剰治療(過剰な診断や治療)を受けていることになるのです」では、検診は無効なのだろうか。「コクラン共同計画というイギリスの医学情報組織が発表したデータがあります。乳がん検診を受けた6,000人と受けなかった6,000人を13年間追跡調査したのです。最終的に検診で乳がんが見つかり、乳がんで死亡した人は11人、一方、検診をせず乳がんで死亡した人の数は14人でした。その差は3人で、検診により乳がんが発見された100人のうち、乳がん死亡を免れる確率は3人=3%となっています。さらに検診を受けた人たちのうち約1割が偽陽性で再検査を受け、乳がんが発見された人の3割が過剰診断・過剰治療を受けたとあります」偽陽性とは、「がんの疑いあり」とされて、精密検査を受けるが、最終的にがんではない場合をいう。がんと診断されると手術や本格的な治療に突入するが、偽陽性の段階ですでに肉体的、精神的に大きな負担をもたらすことは容易に推察できる。実は、がんの早期発見と関連して使われる「5年生存率」にも数字のトリックが隠されていると、勝俣先生は指摘する。「たとえば、50歳でがんが発生し、70歳で死亡した2人で比べてみましょう。Aさんは検診を受けておらず、67歳で診断され、3年後の70歳で死亡します。この場合、Aさんの5年生存率は0%です。一方のBさんは、63歳のときに検診をしてがんが見つかりました。治療をしましたが、7年後の70歳で死亡しました。しかし、Bさんは発見後5年以上生きたので5年生存率は100%です」ここで鍵となるのは、2人とも同じ時期にがんが発生していて、長期間無症状だったということ。「症状が出たときに治療をしたAさんに対して、Bさんは無症状時の検診でがんが判明したため、死亡までの期間が5年以上となりました。2人とも同じ時期にがんが発生し、同じ年で亡くなりますが、どのタイミングで見つかったかだけで0%か100%になるのです」数字のトリックはもうひとつあるという。「たとえば、症状が出て初めてがん診断される人の5年生存率が50%というデータがあるとします。検診を受けない場合は50%のままですが、検診を受けた場合は、検診で非進行性のがん(超のんびりがん、進行しないがん)の人数も加わると、母数が増えて5年生存率は、たとえば80%になったりします。非進行がんは、もともと生存率が高いので、5年後もほぼ全員が生存しているからです。つまり、底上げをすることで、全体の生存率が上がり、早期発見・早期治療が正しいという論調ができあがるのです。“5年生存率が伸びる”という説には、この2つのバイアスがかかっていることがあるため、検診群と非検診群とを比較した前向き研究をして、全体の死亡率まで低下するかどうかを見極めることが大切なのです」緩和ケアを行う萬田診療所の萬田緑平院長は高齢者へのがん検診はかわいそうと嘆く。「日本の医療の方針は『死なないように生きる』です。平均余命が5年、10年の人に検診してがんを見つけて、体力を落として認知症になるまで生きさせるより、健康寿命を延ばしてあげるほうがご本人のためにもよいのではないでしょうか。高齢者は糖尿病などの基礎疾患もあるので、手術リスクも大きいですし。70代や80代では、がんになってもならなくても、残された人生は限られています。果たして抗がん剤を使って体を痛めつける治療をすべきなのか、ということを考えるべきだと思います」過剰診断、過剰治療が多発する背景に、医療機関のビジネスの側面も否めないが、専門性を追求するあまり、患者の部位しか診ない、という日本の医療体制にも原因があるのだという。「日本で推奨されているがん検診を40代から毎年受け続けていたら、ほぼ全員が再検査・治療などで年間1カ月くらい入院しなくてはならなくなるでしょう。それくらい専門家は自分の専門分野の死亡率を下げたい。死因の押し付け合いです」(萬田先生)勝俣先生は、最後にこう加える。「すべてのがんに検診が有効なのではなく、検診が有効ながんは一部で、検診には、メリット、デメリットがあることを理解したうえで、受けることが大切です」「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載
2020年03月19日がんは怖い病気。だから、検診をして早期発見・早期治療をすれば、治って長生きできるーー。これが多くの人が考えることだろう。ところが、必ずしもこの説が正しいわけでもないようだ。「がんには検診が有効ながんとそうでないがんがあります。ですから、検診して早期発見しさえすればよいということでもないのですが、日本の医療はいつまでも『早期発見・早期治療』をスローガンに掲げています。実はこの概念は世界の基準から見ても30年以上遅れているのです」日本医科大学武蔵小杉病院・腫瘍内科の勝俣範之医師はこう話す。検診が有効ながんか無効ながんかを決めるのはがんの進行度合いによるという。「がんの種類というのはがんが成長するスピードによります。『急速がん』は定期的に検診をしていても、成長が早くて見つかりにくいがんです。『毎年検診していたのに見落とされた』という場合は、このタイプのがんでしょう。急速がんには、急性白血病などの血液腫瘍や一部の固形がん(胚細胞性腫瘍、炎症性乳がん、すい臓がんなど)があります」(勝俣先生・以下同)検診をしても見つからないことが多いため、急速がんは検診が有効とは言えないという。「一方、『超のんびりがん』は、進行するスピードが10年単位と非常にゆっくりとしたペースで成長するタイプ。『進行しないがん』は、がんがそれ以上大きくならないか、あるいは死滅していくタイプで、いわば、これは治療しなくていいがんと言えます。前立腺がん、甲状腺がん、乳がん(一部)などがあります」超のんびりがんや進行しないがんの場合、治療しなくてもがんが大きくならないか、大きくなったとしても、患者はそれ以外の原因・理由で死を迎える。これも検診には適さないというのだ。「このがんのタイプのうち、のんびりがんは、放置しておくと1年から数年で大きくなって死に至るタイプで、唯一、定期的な検診の恩恵を受けるタイプです。しかし、残念ながら、現状では検診でがんが発見された時点で、それがどのタイプなのかは、誰にも分りません。部位でも特定することもできません。ですが、検診でがんの疑いが出ると、精密検査を受けることになり、がんと判明すると治療に入ります。非進行性のがん(超のんびりがんや進行しないがん)であっても同じです。そして、非進行性のがんであったとしたら、本来なら不必要な検査や治療とも言えるわけで、結果的に、過剰診断、過剰治療(過剰な診断や治療)を受けていることになるのです」日本には検診の種類にも問題があるという。次のように、現在、日本では、胃がん、大腸がん、肺がん、子宮頸がん、乳がんの5つのがん検診が国によって推奨されている。一見して、日本と米国での推奨度が異なるのがわかるだろう。【胃がん】日本での対象者:50歳以上男女<検診の方法>胃X線検査:日本の推奨グレード・B/米国(USPSTF)の推奨グレード・対象外胃内視鏡検査:日本の推奨グレード・B/米国(USPSTF)の推奨グレード・対象外ヘリコバクターピロリ抗体:日本の推奨グレード・I/米国(USPSTF)の推奨グレード・対象外【大腸がん】日本でも対象者:40歳以上男女¥<検診の方法>便潜血検査:日本の推奨グレード・A/米国(USPSTF)の推奨グレード・A(50〜75歳)S字結腸内内視検査:日本の推奨グレード・C/米国(USPSTF)の推奨グレード・A(50〜75歳)全大腸内視鏡検査:日本の推奨グレード・C/米国(USPSTF)の推奨グレード・A(50〜75歳)注腸X線検査:日本の推奨グレード・C/米国(USPSTF)の推奨グレード・対象外【肺がん】日本での対象者:40歳以上男女<検診の方法>非高危険群に胸部X線検査、および高危険群に胸部X線検査と喀痰細胞診:日本の推奨グレード・B/米国(USPSTF)の推奨グレード・D低線量CT:日本の推奨グレード・I/米国(USPSTF)の推奨グレード・B(55〜80歳高危険群)【子宮頸がん】日本での対象者:40歳以上女<検診の方法>細胞診(従来法):日本の推奨グレード・B/米国(USPSTF)の推奨グレード・A(21〜65歳)細胞診(液状検査法):日本の推奨グレード・B/米国(USPSTF)の推奨グレード・A(21〜65歳)HPV検査を含む方法:日本の推奨グレード・I/米国(USPSTF)の推奨グレード・I(30〜65歳)【乳がん】<検診の方法>マンモグラフィー(日本での対象者:40〜74歳):日本の推奨グレード・B/米国(USPSTF)の推奨グレード・B(50〜74歳)マンモグラフィー±視触診(日本での対象者:40〜64歳):日本の推奨グレード・B/米国(USPSTF)の推奨グレード・対象外マンモグラフィー±視触診(日本での対象者:40歳未満):日本の推奨グレード・I/米国(USPSTF)の推奨グレード・C(50歳未満)視触診(日本での対象者:全年齢):日本の推奨グレード・I/米国(USPSTF)の推奨グレード・D超音波検査(日本での対象者:全年齢):日本の推奨グレード・I/米国(USPSTF)の推奨グレード・対象外「米国では、Aは推奨するレベル、Bは合格ライン。CやDは禁止レベルです。Iはエビデンス不十分、それ以外は対象外。日本ではA、Bは推奨レベルですが、Cは『利益が不利益とほぼ同等』とし、住民検診などの対策型では推奨していません。Iはエビデンス不十分(人間ドックなどの任意型検診では個人の判断による)」日本と米国で共に推奨レベルAなのは唯一、大腸がんの便潜血検査だけだが、海外では50〜75歳で行うのに対し、日本では40歳以上と年齢制限が異なる。子宮頸がんも21〜65歳の細胞診は推奨レベルが米国ではA、日本ではBと異なる。乳がん検診のマンモグラフィーは日本も米国も推奨レベルBだが、日本では米国より10年開始が早い。そして、米国で推奨されていないのに日本では実施されている検査のほうが多い。胃がん検査は米国ではどれも推奨されておらず、大腸がんの注腸X線検査も対象外。乳がん検診も50歳以上のマンモグラフィー以外は推奨されていない。「米国ではA、B以外の検査対象のがんは、検診しなくてもいいがんとみなされているのです」これほど米国で異なるデータが開示されても、日本では変わらず定期的ながん検診で、若い年齢のうちから推奨しているのだ。では、検診が勧められる最たる理由の死亡率について。国立がん研究センターがん対策情報センターのデータによれば、乳がん検診の受診率が上がるにつれて、上皮内がんも含む乳がんの発見率も上がっている。「“早期発見が治療につながる”のなら、早期発見で死亡率は下がるはずなのに、実際は緩やかに上がっています。発見率が上がっているのは、超のんびりがんや進行しないがんの発見が増えているからで、死亡率は減っていないのです。同様の海外の報告は、甲状腺がん、前立腺がんでもされています」「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載
2020年03月19日こんにちは。助産院ばぶばぶのHISAKOです。習い事をさせないと「よい親」「よい子育て」とは言えないのではないか? そんなふうに習い事や早期教育をとらえている大人が多いです。今回は、早期教育や習い事についてお話ししたいと思います。 幼児教室よりも自然体験をさせよう発達心理学や小児行動学、専門的分野の立場で研究を重ね、根拠ある理論思考回路のなかで想定した「遊び」「場所」「学習の方法」は、子どもの健やかな成長のためだとしても、子どもの無限の創造力には敵わないのではないでしょうか。 自然の中に繰り出すと、子どもたちは夢中になって遊びます。落ちている枝1本。蟻1匹。海岸の色とりどりの貝殻。すべてが体験型学習になり、子どもの自主性、積極性、感受性を育てます。習い事や幼児教室に行かせるより、実際の体験や経験のほうがずっと意義のある学びとなると私は思います。 自分がやりたいことを見つけられる力子どもに真っ先に獲得してもらいたいものは、「勉強ができるようになる能力」や「人より優れた何かができるようになる能力」ではないと思います。「やりたいことを見つけられる力」それこそが、彼らに学ばせたい真髄だと私は思います。自発的な経験を積めば積むほど、積極性と創造的な生き方が磨かれていきます。子どものうちから基礎能力を高めておけば、自分のしたいことが見つかったときに道が開けやすくなるという考え方は、確かにその通りだと思いますが、日本という豊かな国に住み、学習環境としてはかなり高いレベルの中で育ってきているはずなのに、10代後半の子どもたちと関わっていると意欲や自主性、主体性、積極性が低いことがとても気になります。 子どもへの過干渉のリスクとは子どものためによかれと関わる“過干渉”は、不成績を恐れる気持ちや自己肯定感の低さ、評価されないことを避ける、つまらない人生観をつくり上げてしまうリスクや、躍動感のある創造性を潰してしまう可能性もあります。 身につけさせたいのは、何か自分の好きなものを見つけ、それに取り組もうとするバイタリティー、モチベーション、既成概念にとらわれない自分への自信です。誰かが引いた線路の上を歩んでいくより、自分で決めた人生を自分で納得しながら歩んでほしい。まだ自主性が育っていない段階で、大人が「あれしなさい、これしなさい」と求めていくことは、子どもが自分で本当に好きなものを見つけたり探したりという意欲の芽を摘んでしまうマイナス要因を持っています。 習い事や早期教育は必ずしなければならないことではないと思います。自分がやりたいことを見つけ、目標に向かっていく挑戦的な意欲、前向きな自信、根性などがまず育ってこそ、そこに学力が意味を持つのではないかと私は感じています。 監修者・著者:助産師 助産院ばぶばぶ院長 HISAKO総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2020年に12人目を出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。
2020年02月03日痛い、費用が高い、そもそも見つけにくい……。多くの問題を抱えていた従来のがん検査。それを次々とクリアするような技術が開発され、これからは「早期発見・早期治療」が限りなく可能な時代へ!――。「私たちが開発した技術を使えば、血液1滴から、99%の精度で網羅的にがんの有無を検出できます。ステージ0のような超早期のがんでも識別可能です」こう語るのは、東芝・研究開発本部で研究主幹を務める橋本幸二さん。血液中に含まれるマイクロRNAという核酸分子から、がんにかかっているかどうかを判別する機器を開発した。人間には配列の異なるマイクロRNAが約2,500種類ある。細胞ががん化すると細胞内のバランスが崩れ、ある特定の配列を持ったマイクロRNAが血液中にたくさん分泌されるという。これを検知するのが、東芝が今回開発した機器だ。’14年に開発プロジェクトがスタート。99%の確率でがんの有無を識別できるまでに約6年を要し、今年から、東京医科大学などと共同で、実用化に向け本格的な実証実験が始まる。「検査方法は、まず採取した血液の中から白血球、赤血球といった、マイクロRNAの測定を妨げる物質を除くため、血清の状態にします。この血清の中からマイクロRNAだけの成分をさらに抽出するという工程を経ます。次に、マイクロRNA自体は非常に微量で小さい分子なので、これを検出しやすいように人工配列を付加するという工程を行います。分子のサイズを少し大きくした後、マイクロRNAチップと小型の検査装置を使って測定するという流れです」特筆すべきはその速さで、血清作製から結果が出るまでわずか2時間。13種類のがん(乳、胃、大腸、肺、食道、肝臓、ぼうこう、前立腺、膵臓、胆道、卵巣、脳腫瘍、肉腫)を網羅的に検出できるという。「今の時点で、どの臓器のがんを患っているかを特定するまではできませんが、そこを目指してさらなる研究、技術開発を進めていきます」’81年以降、がんはずっと日本人の死亡原因の1位として挙げられている。「肺がんの場合、ステージ0という超早期発見ができれば、5年生存率は97%。がんは、早く見つけることができれば治る病気になってきているのです」(橋本さん)「女性自身」2020年1月28日号 掲載
2020年01月20日痛い、費用が高い、そもそも見つけにくい……。多くの問題を抱えていた従来のがん検査。それを次々とクリアするような技術が開発され、これからは「早期発見・早期治療」が限りなく可能な時代へ!ーー。1月6日、たった1滴の「尿」から、がんの有無を見分ける検査法がついにスタートした。その検査法とは、線虫の一種である「シー・エレガンス」という体長約1ミリメートルの生物の嗅覚を利用した「N-NOSE」だ。この線虫には、犬の約1.5倍の嗅覚がある。資料写真では、シャーレにがん患者の尿を垂らしたところ、その尿に向かって線虫が集まっていく様子がとらえられている。この線虫、健常者の尿からは逃げていくという性質を持っている。「早期がんを含むがん患者と健常者の尿を採取し、計1,368名を対象にした基礎研究を行ったところ、ステージ0〜1のがん患者を85%、ステージ4で91.7%の確率で見分けるという結果を得ました」こう語るのは「N-NOSE」を運営、事業展開するHIROTSUバイオサイエンス広報担当・永溝はるかさん。現在、線虫が反応することがわかっているがんは15種類(胃、大腸、肺、乳、膵臓、肝臓、前立腺、子宮、食道、胆嚢、胆管、腎臓、ぼうこう、卵巣、口腔・咽頭)。開発したのは、同社代表の広津崇亮さん。同氏は、九州大学大学院の助教時代に、線虫ががん患者の尿の臭いをかぎ分けることを証明した生物学者。’16年に実用化に向けて独立し、同社を設立した。生物によってがんの有無を診断するのは「N-NOSE」が世界初の技術だというが、私たちもこの検査を簡単に受けることができる。まず、「N-NOSE」を導入している医療機関や検診センターに、検査の申し込みをして尿を提出する。そして、HIROTSUバイオサイエンスの検査センターにて、その尿を使って線虫検査が実施され、2週間後にがんの有無が報告されるという、非常にシンプルなシステムだ。「N-NOSE」のメリットは、その簡単さだけでなく、費用面にもある。検査費用は、9,800円(税別・保険適用外)。薬剤を体内に投与して全身のがんを検査する「PET検査」の場合、10万円前後の費用がかかるのに対し、こちらはかなり格安といえるのだ。今回の実用化にあたり、すでに法人や健康保険組合などからの問い合わせが殺到しており、一般対応は1月中旬以降、同社のホームページ上で、取り扱い施設を順次公開するとのこと。現状では、この検査はがんの有無の判別にとどまるが、’22年を目標に、まずは膵臓癌の特定を目指しており、実用化に向けてすでに実証実験に取り組んでいるそう。「早期のがんにも反応するので、リスクが高いという結果が出ればこれまで検診に行かなかった方も受けようと思うはず。そういう流れを作る検査になっていけばよいと考えております」(永溝さん)初年度で25万検体を目標にしており、今後は国内だけでなく、海外でも事業展開していく予定だ。健康診断のオプションで検査が受けられる日も近いかも。「女性自身」2020年1月28日号 掲載
2020年01月19日痛い、費用が高い、そもそも見つけにくい……。多くの問題を抱えていた従来のがん検査。それを次々とクリアするような技術が開発され、これからは「早期発見・早期治療」が限りなく可能な時代へ!ーー。「“痛くない”“被ばくしない”というメリットを持つ最新マンモグラフィを用いた治験を今夏から開始します。翌年の夏ごろには、実用できるよう目指しています」神戸大学数理データサイエンスセンターの木村建次郎教授が開発した、世界初の画像化診断システム「マイクロ波マンモグラフィ」。’18年10月、本誌は研究段階であったマイクロ波マンモグラフィを紹介した。取材当時、木村教授は実用化のめどを「’21年の秋ごろ」としていたが、少し早まることになりそうだ。「微弱な電波を出すアンテナ発信機を使い、乳房の表面を軽くなぞるようにスキャン。乳房内の構造を立体的な画像で映し出します。乳房の表面をなぞるだけなので痛みはありません。機器が発するマイクロ波は、携帯電話の1,000分の1以下の微弱な電波なので、体に与える影響もほとんどないと考えられます」(木村教授・以下同)臨床研究では、乳腺と靱帯が密集している「高濃度乳房」を含むすべてのタイプの乳房で、高い乳がん検出感度を持つことが証明されている。「50〜65歳未満のアジア人女性の約6割が、この高濃度乳房に当てはまるとされています。この高濃度乳房は、従来のマンモグラフィに使用されているX線を遮断してしまうため、乳房に潜むがんを見つけることが困難とされてきました。いっぽう、マイクロ波は高濃度乳房を貫通します。がん組織にマイクロ波が当たったときの波形を解析し、数秒でがん組織を含む乳房全体を立体画像ではっきりと映し出すことができるのです」早期発見で9割以上が治る、といわれる乳がんだが、発見の難しさもあり、世界では毎年52万人以上、日本では1万4,000人以上も亡くなっている。「マイクロ波マンモグラフィが世界中に導入されたら、10年後には、先進国において、乳がんで死亡する人は激減するでしょう。そして近い将来、乳がんで亡くなる人がゼロになると信じています」簡単に、そして安心して乳がん検査が受けられる時代はもうそこまで来ている。「女性自身」2020年1月28日号 掲載
2020年01月19日歌手の加山雄三(82)が、右の脳に軽い脳梗塞を発症したことが11月12日に公表された。公式サイトによると8日に体調不良を訴え、病院で検査したところ脳梗塞が発覚したという加山。現在も入院中で快方に向かっているというが、大事を取って16日と28日に予定していた公演は中止に。この予期せぬ出来事にTwitterでは加山を心配する声が溢れている。《加山雄三さん、 無事、回復して欲しい!》《え、加山雄三さん 脳梗塞…… 若大将シリーズからの 大ファンなんだけど…… ほんとに無理せずに 早く治って欲しいな……》《加山雄三が軽度の脳梗塞かぁ… まだ82歳!元気でいてくれ!バイオハザードが好きな若大将だけにな》公式サイトでコメントを発表した加山は、《皆さん、ご心配をおかけしてます。今のところ病気による症状は何もなく、自分としてはいたって元気にしていますが、自宅で気づいた時、ただちに病院へ向かった行動が大きな救いだったように思います》と発覚にいたる経緯を明かした。そして、《自分のような年齢で同じような経験をしている方がたくさんいると思いますが、早期に発見することがいかに大事かを、より多くの人が知ってもらえる機会になれれば幸いです。いち早く回復してみなさんの前に元気な姿をお見せできますよう治療して参りたいと思います。しばらく時間をくださいね》とファンに呼びかけた。「テレビゲームが趣味としても知られている加山さんですが、もともと反射神経を鍛える目的でやっていたようです。さらに80歳を超えてもバーベルで筋トレをしていたこともありました。ですが今年4月に反射神経に鈍りを感じ、運転が怖くなったとして運転免許証を自主返納しました。元気に歌い続けるために、健康維持には余念のない加山さん。そんな日頃の心構えが脳梗塞の早期発見につながったのでしょう」(芸能関係者)“若大将”の元気な姿を心待ちにしているファンのためにも回復を祈るばかりだ――。
2019年11月12日美智子さまは9月8日、東京大学附属病院で乳がんの摘出手術を受けられた。宮内庁によれば、手術は無事に終わり、経過は順調だという。美智子さまにとって初めてのがん手術。不安もおありだったのではないかと思うのだが、8月下旬の軽井沢・草津ご静養の際、美智子さまに悲愴な雰囲気はほとんどなかったという。「幸いなことに、美智子さまの乳がんは“奇跡的な早期発見”だったのです。本当に極小のがんで、ベテラン医師でも見逃してしまうようなものだったようです」(宮内庁関係者)美智子さまは、15年以上前から乳がんの検診を受けられている。本誌も’03年5月、美智子さまが都内の癌研究会附属病院(現・がん研究会有明病院)で精密検査を受けられたことを報じている。「そのころから検査を担当してきた女性医師の高橋かおるさんに、美智子さまは絶大な信頼を寄せられています。彼女は’06年の1月に地元・静岡県の県立静岡がんセンターに移りましたが、その後も毎年、美智子さまの検診を担当してきました。そのことが、今回の奇跡的な早期発見につながったのです」(前出・宮内庁関係者)今年7月、高橋さんは乳腺超音波検査で美智子さまの左胸に病変を発見、MRI検査でも乳がんの疑いと診断した。その後、いくつかの検査を経て乳がんの告知を受けた美智子さまは「よくぞ見つけてくれました」と高橋さんへの感謝を述べられたという。医療関係者が明かす。「実は、彼女は“スーパー女医”ともいうべき名医なのです。患者さんと丁寧にやりとりし、なおかつはっきりものを言う医師。術例数も非常に多いので、手術の腕も間違いありません。20年ほど前から“乳がんといえば髙橋かおる医師”と言われるほど評価が高かったのです」高橋さんは以前から、日本の乳がん検診受診率の低さに警鐘を鳴らしてきた。’05年度の時点で欧米諸国では6~8割だった受診率が、日本ではたった17.6%だった。そうした状況に危機感を覚えた彼女はいち早くマンモグラフィーを導入して、触診でわからない「非蝕知がん」の発見にも尽力してきた。触診で判別できる大きさになる前に発見すれば、より治癒の可能性が高くなるからだ。「高橋さんは“忙しくても笑顔を忘れない”、そして“自分自身が受けたいと思える医療を行う”をモットーとしていて、女性患者の信頼がとても厚いのです」(前出・医療関係者)8日の手術は高橋かおる医師と東大病院乳腺・内分泌外科の合同チームにより行われた。がんの大きさは1センチ弱で、乳房温存手術によりその周辺5センチ弱を摘出。手術は4時間ほどで終了した。美智子さまは、経過が順調ならば術後数日で退院される見通しだという。
2019年09月10日浮気って病気と同じで早期発見、早期対処をすることで深刻になるのを防げるもの。「気のせいかも?」と思っているうちに相手の女性にハマっていき、浮気が本気になってしまうこともあるんです。だから、怪しいと思ったらスルーしないのが正解。彼の浮気を見抜く「ほんのわずかな変化」について元女探偵の筆者が解説します。■ 運動やジム通いを始めようとする女性の場合は恋するとメイクやファッション、ダイエットに気合いが入る方が多いと思いますが、男性だって同じです。気になる人が出来たら「服を脱いだときに恥ずかしくない体型でいたい」という欲が出るので、運動やダイエットを意識するようになります。突然「明日から走ろうかな」「ジムに行こうかな」なんて言い始めたら怪しいです。そこで「なんで?」と聞いたとき「いや、健康が気になって」など曖昧な回答が返ってくる場合は余計に怪しいと思ったほうがいいでしょう。女性に比べ、男性の方が環境の変化に対する順応性が弱いので、切羽詰まらないとなかなか運動を始める人はいません。そのきっかけに「モテたいから」という欲求がある可能性は高いです。■ スマホを見る時間が増える浮気の始まりって、今はLINEのやりとりから始まることが多いです。だから、どうしてもスマホを触る時間が増えます。とくに、「彼女がいる」ということを隠してアプローチしている場合には、その人に怪しまれないように「空白の時間」を作らないようにするので、いつもよりLINEを返すことが増えるはず。また、そのときの表情が嬉しそうだったり、逆にあえてスマホを手元に置かない時間が増えるなど、それまでとは少し違う様子が見られたら浮気相手と知り合ってやりとりをしている可能性が高いですよ。■ ケチになるデートってお金がかかります。本命彼女と浮気相手と両方に奢っていたら、金欠になってしまうのでどこかで節約しようとする心理が働くんですね。それがけっこう細かいところに出ます。例えば、それまで1000円のランチを食べていたのが500円のところにする、ビールではなく発泡酒を選ぶなど。微妙なところに”節約したい気持ち”が態度に出てしまうのです。さらに旅行やイベント事などお金がかかることを嫌がるようになったら、かなり怪しいと思ったほうがいいでしょう。■ 後ろめたさから優しくなる女性より男性のほうが浮気しているときに態度に出やすいと言われていますが、「後ろめたさで優しくなる」のもその一つ。女性が浮気するときはどちらかというと被害者意識が強く、「あなたがちゃんと私を満たしてくれなかったから浮気した」とパートナーに不満を感じて開き直っていることが多いもの。ですが、男性の場合はそうじゃないので罪悪感を感じるんですね。「バレたらどうしよう」という気持ちは、彼女が笑顔を見せてくれれば「バレてないに違いない」と安心する気持ちに変わります。だからこそ浮気相手とデートした後に罪悪感で「ふだん買ってこないお土産のアイスを買ってきた」などの分かりやすい態度に出てしまうのです。■ 女の勘はだいたい当たる多くの女性は細かな変化も見逃さない感覚を持っているので、「怪しいな」と思ったらその勘はだいたいの場合当たっています。浮気は放置が一番よくありません。早い段階で気付けば「もし浮気したら即別れるから」と釘をさすこともできます。気付いた時点で、まずは自分がどうしたいのかを決めるのが良いでしょう。(上岡史奈/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2019年08月19日今年1月に岐阜市で胃がんの検診を受けた50代の女性が、7月16日に亡くなった。「要精密検査」と診断されていたにもかかわらず、「異常認めず」と誤って通知されていたのだ。市区町村が実施するがん検診への信頼を、大きく揺るがす事件であった。「全国の自治体で行われているがん検診で、正しくがんが発見できる精度は、そもそも7〜8割。4〜5割の自治体すらあります。がんの見落としは、かなりの確率で起こりうるのです」そう語るのは、国立がん研究センター・社会と健康研究センター検診研究部長の中山富雄医師。がん検診にはなぜ、そのように“穴”があるのだろうか?中山医師と、東京大学医学部附属病院放射線治療部門長の中川恵一医師が部位別に解説してくれた。【乳がん】乳腺が発達している人にマンモグラフィーは不向き女性の11人に1人がかかるといわれる乳がんは、40〜50代女性の部位別死因のトップ。年間1万4,000人ほどが命を落としている。「『マンモグラフィー』が乳がんの早期発見に効果があることは明らかですが、弱点もあります。画像で乳がんの部分は白く写るのですが、同時に乳腺も白く写るので“雪原で白うさぎを見つける”くらい、がんとの判別が難しいのです。とくに日本人は乳腺濃度の高い“デンスブレスト”が多く、画像を読む技量の低い医師による“見落とし”の可能性はあります。乳房に超音波を当ててがんの有無をみる『超音波検査(乳腺エコー)』は乳腺が白く写り、がんは黒く写ります。二親等以内に乳がんか卵巣がんにかかった人がいる“乳がん家系”の方は、40歳以前から乳がん検診をするべき。とくに若い人は乳腺が発達しているため、超音波検査がいいでしょう」(中川医師)乳がんの発見率はマンモグラフィーが8割、超音波が7割と万能ではないことも知っておきたい。「超音波検査も検査する技師の腕次第。機器を扱う角度のわずかなぶれで、乳がんが見逃されてしまうこともあるのです。わずかな病変を見つけ出す名人もいますが、そうでない人もたくさんいるのが現状。超音波検査の認定試験が’15年からスタートしていますが、技術の均一化には時間がかかりそうです」(中山医師)【胃がん】早期で見つかりやすいのはバリウム検査より胃カメラ’90年代まで日本での死亡者数が最も多かった胃がん。今でも5万人近くが亡くなっている。ただし、早期に発見できれば、ほぼ100%が治るという。おもな検査は「胃部X線検査(バリウム検査)」か「胃内視鏡検査(胃カメラ)」のどちらかを選択する。「胃がん患者の98%はピロリ菌の感染が原因です。採血や採尿などで感染の有無を調べ、感染していた場合には抗生物質で除菌することも重要です。バリウム検査は、X線画像に写る胃の粘膜の凹凸から病変を見つけます。これで手術可能な大きさまで進行した胃がんを見つけることはできますが、凹凸がない早期がんは盲点になりやすい。胃カメラは胃の内部の変化まで見られるため見落としが少ないのが特徴。早期の咽頭がんや食道がんが見つかることもあります」(中山医師)厚生労働省の「地域保健・健康増進報告」によれば、’16年に新たに胃がんになった13万人のうち、自治体のバリウム検査で見つかったのはわずか4,500人。もはや時代にそぐわないようだ。【子宮頸がん】「細胞診」の精度は高いがそれでも“見落とし”は2割年間で約1万人が患者となり、3,000人近くが亡くなっている子宮頸がん。おもな検査となるのはブラシやヘラで子宮頸部の粘膜を採取して調べる「細胞診」だ。「顕微鏡で採取した細胞を調べるため、有効性が高く、大規模な臨床研究でも『検診で死亡率が下がる』ことが判明しています」そう話す中川医師。それでも見つかる確率は、最大で8割という。「子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因。海外では主流になっている、HPVに感染しているかどうかをチェックする検査も、検診とあわせて行うといいでしょう」(中川医師)どうやら“見落とし”も多い、がん検診。とはいえ、「受診しないのは間違いです」と中川医師。「がん検診はそもそも“受診者個人のがんと向き合い、死亡リスクを下げる”ためのものではなく、“国民全体のがん死亡率の減少”が目的。でも、だからこそ公的な補助があるわけで、受けなければ損だと思います。そのうえで、自分の家系に多いがんや、生活習慣病の既往歴など、抱えているリスクに応じて、自己負担での検査も受けることが重要です」(中川医師)検診に頼りきらず、“自分に合った”がん対策を始めよう!
2019年08月13日筆者の長女は、現在私立中高一貫校の中3年生です。中学受験専門塾に入るには、新小3(小2)の2月がちょうどよいといわれています。詳しい中学受験事情を知らなかったため、小1から小3の5月まで地元の小さなプリント学習塾に通わせていましたが、トラブルがあって退塾しました。その後、気持ちが落ち着いた小4から中学受験専門塾へ入塾。そのときのトラブルがどういったものだったのか、参考までにご紹介いたします。■ 新学期から起きた子どもの異変ocsa / PIXTA(ピクスタ)筆者は、小1から中学受験専門塾への通塾は早いと考えていました。そこで、小3までは「勉強のくせづけ」として地元の小さなプリント学習塾に入塾させました。お試し期間があったので、おおよその退出時間がわかりました。塾へ行った時間から逆算してお迎えに出ていたのですが、小3の4月から長女の表情に変化が起きました。少し泣きそうになりながらも、「何もないよ、ママ」と子どもはいうので、少し気になりながら、家へ帰る日が続きました。makaron* / PIXTA(ピクスタ)4月下旬に入り、手の甲が腫れ上がった痕や、消しゴムがないことに気が付き「塾で何かあったのではないか」と、塾に問い合わせをしました。責任者の先生からは「特に担当の先生から報告はないです」との回答でした。ところが、毎回教室から泣きながら出てくるので、長女から話を聞き出しました。■ いたずらを通り越した行為が…しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)長女から聞き出せたことは、1学年上の男子が入塾してから筆箱の中身をばらまかれた同じ子に学習中のプリントを取り上げられて、勉強ができなかった先生に見つからないように、手の甲をつねられたといういたずらを通り越した行為が行われていました。主人にも相談して、一度長女へのいたずらのことと、今後の対応を塾と話し合うことにしました。■ 責任者の先生と担当の先生に温度差が…Gallardo / PIXTA(ピクスタ)まず長女から聞いた内容を全て話しました。責任者の先生は、一生懸命謝って「該当の生徒とお母さんとは、後日話し合って対応を決める」と話してくれました。担当の先生は、軽く「すみません」の一言のみです。その後塾側は、相手の子どもや親を交えた面談はなく、塾へ通う日をずらすことで対応することになりました。結局、この子どもは退塾しています。一方で、「もう塾を切り替えようか」と考えていた矢先に、担当の先生が、長女への添削や指導を行わないようになりました。■ 話し合いをしたものの、退塾することにmuu / PIXTA(ピクスタ)話し合いを始めると、担当の先生は以前のいたずらについては「記憶にないです」の一点張りで、長女への指導を拒否したことは、「気に入らないからです」と驚く発言をしました。さすがに、責任者の先生も驚いていて、筆者と主人は「これでは安心してここへ子どもを預けられない」と、退塾の手続きをすぐ取ると伝え、その場で手続きをしました。後日、責任者の先生から連絡があり、事前研修での教育が甘かったことの詫びがありました。担当の先生はその後退職したそうです。また、特別にということで学費返金の申し出がありましたがお断りしました。それよりも、長女の心の傷にならないか、心配でなりませんでした。■ その後の長女の進路は…ryuukikou / PIXTA(ピクスタ)トラブル後、すぐ中学受験専門塾へとは考えず、しばらくは自宅でドリルをさせて、小4になる前に「そろそろ塾通いしてみる?」と聞いて、長女の反応を見ながら塾探しを始めました。塾選びは迷いましたが、筆者が高校受験で通っていた塾で中学受験対応をしていると知り、問い合わせて長女と一緒に面談と見学をしました。見学後の面談で、プリント学習塾でのトラブルのことを話して、「それなら2対1の個別指導コースはどうでしょう?」という提案があり、お試し授業を2回受けてから、通塾を始めました。校舎の責任者の先生や各教科の先生が、丁寧かつ非常に面倒見がよい方ばかりでしたので、安心して子供を預けることができました。YsPhoto / PIXTA(ピクスタ)その結果、中学受験をし、志望校に合格して、毎日元気に通学しています。家計から学費を捻出し、子供に勉強を教えてもらうために預けているのに、いたずらをしている生徒への注意を怠り、その後叱られた腹いせに長女の指導拒否をされたのは、今でも驚くばかりです。長女は、うっすらと記憶にはあるのですが、今では元気に学校に通っています。嫌な思いはしたけれど、その後、いい先生方に恵まれて無事合格したので、結果としてかたのかもしれません。
2019年06月19日「認知症とは、脳神経細胞の劣化によって起こる症状です。あとは脳血管障害、糖尿病を放置していたなど、複合的な要因も関係してきます。65歳以上、5つ年を取るごとに認知症になる危険性は2倍に。90歳を超えたら、6~7割の人は認知症になるといわれています」そう語るのは認知症予防・治療の第一人者である朝田隆先生。加齢と認知症発症リスクは比例していて、年を取るほど発症率が高くなってしまう仕方ないことのよう。’12年時点で、日本の65歳以上の認知症推定人口は約462万人、軽度認知障害(MCI)は約400万人といわれている。そもそも、認知症とMCIの違いは何なのか?次々に湧いてくる疑問を解消すべく、朝田隆先生に疑問をぶつけてみた。【Q1】認知症とMCIの違いとは?「キーワードは『自立』です。生活の自立に支障をきたしてくれば認知症、自立生活がなんとか維持できていればMCI。たとえば物の置き忘れでいうと、眼鏡や財布などを一日中捜していたら認知症。その回数が少なければMCIです」(朝田先生・以下同)【Q2】認知症・MCIが疑われる場合、病院はどこへ行けばいいのか?「神経内科、精神科、老年病科などです。ただ、認知症・MCIの専門医は全国に約2,000人しかいません。インターネットで『日本老年精神医学会』『日本認知症学会』と検索するなどして、専門医を探してみてください」【Q3】実際に病院に行くと、患者や家族にはどんなことが待っているの?「長谷川式スケール(HDS-R)などの標準的なテストと面接です。面接では自分の人生史なども話してもらいます。あとは脳のMRIを撮り、それらを総合して診断します。私の場合、初診には40分前後をかけています」【Q4】認知症・MCIと診断されたら、家族はどうすればいいの?「一緒に行事に出かける、散歩する、大型スーパーへ行って店内をくまなく見てまわるなどして、脳を活性化させてあげる。あとは好奇心を引き出し、新しい経験をさせることも重要。いちばん大切なのは意欲をもって生活してもらうことです」【Q5】認知症・MCIを疑われる家族に対する“禁句”は?「『それ、さっきも言ったよ』といった、患者を責めるような言葉は3回に1回ぐらいにして、気長に接してあげてほしいです。何度も言われると、腹を立てる方も。『人のあら探しばかりして』という不満は、よく耳にします」認知症やMCIを、患者本人やその家族が見分ける方法はあるのかと聞いてみると、「まず、自分たちで見分けようと思わないほうがいいです。すぐに病院へ行くことをおすすめします」とのことだった。そこで本誌は、公益社団法人「認知症の人と家族の会」作成「家族がつくった 認知症 早期発見のめやす」をもとに、「認知症・MCI“早期発見”チェックリスト」を作ることにした。これは、日常の暮らしの中で認知症の始まりではないかと思われる行動を、「家族の会」の人たちの経験からまとめたもの。医学的な診断基準ではないが、いくつか思い当たることがあれば、専門医に相談を。【もの忘れがひどい】□今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる□同じことを何度も言う・問う・する□しまい忘れ・置き忘れが増え、いつも捜しものをしている□財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う【判断・理解力が衰える】□料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった□新しいことが覚えられない□話のつじつまが合わない□テレビ番組の内容が理解できなくなった【時間・場所がわからない】□約束の日時や場所を間違えるようになった□慣れた道でも迷うことがある【人柄が変わる】□ささいなことで怒りっぽくなった□周りへの気づかいがなくなり、頑固になった□自分の失敗を人のせいにする□「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた【不安感が強い】□ひとりになると怖がったり寂しがったりする□外出時、持ち物を何度も確かめる□「頭が変になった」と本人が訴える【意欲がなくなる】□下着を替えず、身だしなみにかまわなくなった□趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった□ふさぎこんで何をするのもおっくうがり、嫌がる「認知症は進行速度が遅くなることはあっても健常に戻ることはありません。しかし、MCIは改善が期待できます。MCIと診断された方の26%は健常に戻るともいわれていますので、早期に対策を始めることをおすすめします」
2019年02月27日こんにちは。「男の気持ちは男に聞くのが一番早い!」恋愛プランナーのTETUYAです。ちょっとした何気ない男性の会話に、あなたへの好意が隠されていることがよくあります。その、ちょっとした会話を見逃すか見逃さないかで、そのあとの二人の展開も変わってきます。今回はそんな男性の会話のフレーズに隠された本音について、皆さんに紹介したいと思います。■ もしよかったらなんだけど「もし良かったらなんだけど…。」と男性から言われたことがありますよね。「もし良かったら、今度、ご飯でもどう?」「もし、良かったら、今度、ドライブでもどう?」。このフレーズを使うときの男の本音は、なんとかあなたに断れたくないと思っている証拠。なるべく、あなたの気持ちを最優先しますから、つきあってくれませんか?と言いたいんです。この会話が男性から出たときは、完全にあなたは優位な立場です。だから、強気に出ても男性は受け止める覚悟ができてます(笑)。「焼き肉がいいな!」「夜景が見えるディナーがいいな!」など言っても大丈夫。■ 普段はあまり言わないけど「普段はあまり言わないけど…。」この会話を二人きりでいい感じで酔ったときに、言う男性がいます。男性の本音は、「普段はあまり言わないくらい特別なこと、真剣なこと言うよ。」と言いたい。この会話が出たら、あなたは脈アリの可能性が高いです。ただ、このあとに続くことばで「可愛いね。」「色っぽいね。」のような、ありきたりの褒め言葉なら、その場しのぎで、ただ喜ばせて、あなたのことをなんとかしたいだけの場合もあるので注意してください。逆に、「二人の今後について」のように、いい意味で真面目で重めの内容ほど、あなたのことを真剣に考えている証拠。■ 次に会う予定を聞いてくるシンプルに会った時に、次の会う予定を聞いてきた場合。これは脈アリです。男性としては、あなたと次回会うまでに、きちんと予定を立てて、あなたのことを喜ばせたいと思うポジティブな気持ちのあらわれ以外の何ものでもありません。デートのあとの次回の約束は、二人のテンションが熱いうちに決めないと、家路に着いてしまったり、数日経ってしまうと冷めてしまうこともありますからね。■ 自分の行きつけのお店に連れていく自分が行きつけのお店に連れていかれた場合は、脈アリだと思ってください。連れていかれたお店に彼も初めて来ている場合は、彼女のことは関係無しに、ただ、そのお店が気になってた場合もあるので、脈アリかどうかは疑わしいです。行きつけのお店なら、彼なりに自信のあるお店なので、あなたに自慢したい可能性が高いです。ただし、すごくチープなチェーンの居酒屋なら話は変わってきますが(笑)。それはたんに安く済ませたいと思ってる場合もあるので、お店のランクで判断しましょう。■ おわりにまだまだ男性の脈アリな会話や行動は無数にありますよね。僕が男性だからこそ、わかる部分がたくさんあります。今後もより多くの読者にシェアすることで、脈アリパターンをストックしてもらって今後に活かしてもらいたいですね。(TETUYA/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2019年02月03日今は小学校入学前に平仮名や片仮名をマスターする子が大半で、なかには足し算や引き算、英語ができる子もいるようです。我が子も遅れを取らないように早期教育を行うべき?いったい何歳から始めればいい?そんな焦る気持ちになりますが、誤ったやり方をしないように、まずは早期教育について知っておきましょう!そもそも早期教育って?早期教育とは小学校に入る前から教育を取りいれること。胎児・乳児期に行うものは、超早期教育と呼んだりもします。早期教育を行う機関や家庭で読み書きなどを教えたり、英語やピアノ、スイミングなどの習い事を早い段階から始めることなどです。「2~3歳から始める〇〇トレーニング」や「頭のいい子に育つ〇×式子育て」なんてキャッチフレーズも目にしますよね。0~5歳は脳の神経系が急激に発達するので、この時期から経験させることでその子の能力や関心を高めることが狙いと言われています。ただ、その効果は、実はまだ明確に証明されていないのです。専門家や教育に携わるプロの間でもさまざまな意見に分かれているのは現状です。では、結局どうするのが正解なの?という疑問がわきますよね。判断材料となる、早期教育のメリットとデメリットをご紹介しましょう。早期教育のメリット〇子どもの得意分野を知り、伸ばせるスポーツ、音楽、芸術分野……我が子は何に興味があり、何が得意なのか。幼児期の習い事は、そんなことを知る良いきっかけになります。サッカーやピアノ、スイミングなどを体験させる中で、子どもの得意分野がわかってくるでしょう。おっとりしている性格だと思っていた我が子が、実は負けず嫌いだったなど、意外な発見もあるかもしれません。そして、子どもは楽しみながら自分の能力を高めていけます。〇子どもに自信がつく早期教育や習い事を通し、先生や親に褒められたり、時には失敗や困難を乗り越えたりすることで、子どもは自分に自信をつけていくことができます。また、小学校で習う前に平仮名や片仮名、漢字、足し算や引き算を学んでおけば、最初の段階で授業についていけずにつまずく、ということもありません。「私はできる!」という自信は、その後の学習意欲にもつながってくるのではないでしょうか。〇脳の働きに大きく影響子どもの脳の神経系は0~5歳の時期に最も発達すると言われています。そのため、早期教育を行う機関などでは、好奇心が旺盛で、脳が柔軟な子どものうちに教育を開始して脳を活性化することで将来も優秀な人間に育つ、という考えに基づいて行われています。行っていない子に比べて、高い基礎学力を身につけることができると言えるでしょう。早期教育のデメリット●インプット教育の弊害新しい情報を与えることはとても大切ですが、一方的に何かを教え込むインプット教育を続けていると、子どものやる気がダウンしてしまいます。「お母さんに教えてくれる?」など、アウトプットの機会をはさむことで、子どものやる気も学習効果もアップするようです。●自主性の抑圧早期教育はパターン化され、それに反応するという受け身の学習、訓練が多いと言われています。また、「早くできるように」と親が先回りして無理に教えたりすることも良くありません。子どもの自主性・創造性の領域の発達が抑圧され、受け身的になってしまう危険があります。子どもの自主性を育てるためには、親は過度な口出しをせず、失敗もつまずきも見守る姿勢をつらぬくことが大切です。●親同士の競争になってしまいがち「友達の××君が始めたから」「〇〇ちゃんはもうできるから」と他の子と比較し、子どもに過度の期待を押しつけないように気をつけないといけません。親の方が早期教育にハマり、「もっと早く、もっと正しく」と求めすぎると、子どもは精神的に追い詰められてしまいます。親自身がライバル心をコントロールできるようにしましょう。教育学博士・教育カウンセラーの諸富祥彦氏は、著書の中でこう書いています。早期教育をやるかどうか決めるときは、「お子さんの能力」よりも、子どもと親がいっしょに楽しんでできるかどうかを、真っ先に考えるべきなのです。お母さん自信が「誤りを許せない」完璧主義、「ほかの子と張り合ってしまう」ライバル心を抑えられないようなら、早期教育はおすすめできません。(引用元:諸富祥彦(2010),『女の子の育て方』,WAVE出版.)早期教育を始めるか検討の際には、これらのメリット、デメリットを踏まえた上で、お子さんに必要かどうかを判断するのが良さそうです。“教えない”という早期教育にも注目を「子どもが将来困らないように、できる限りの教育をするのが親の役目」「子どもの学力や将来は親から与えられた教育の質や量が影響する」そんな風潮から、我が子にも幼いうちから何かしてやらなければ、と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。しかし、諸富氏によれば、子どもの教育において重要なのは、親が何かを「させる」ことばかりではない、とのこと。余計な手出し、口出しをしないこと、子どもの内的な成長をじっくりと見守るということも親の大切な役割のひとつだと指摘しています。人間には一人でいるときにしか起こらないある種の内面的成長があり、そのため、一人になって自分と対話する時間を持たず、絶えず外界からの刺激に身をさらしてばかりいると、想像力や創造性の発達が妨げられるのだそうです。また、共働きの保護者に向けた役立つ情報を提供している『日経DUAL』の記事内では、早期教育について取材した記者が次のように語っています。脳科学分野の権威である小泉英明さんは、「小さいうちにそういった“不自然な教育”に時間を取られて本来伸ばすべきことがおろそかになる」という状況を懸念していました。知育よりも、子どもの意欲を伸ばすことのほうがはるかに大切で、脳が内側から外側へと進化した人類の進化の順に照らし合わせ、「意欲」や「やる気」が関わる脳の内側をまず鍛えるのが一番なんだそうです。(引用元:日経DUAL|“教えない”早期教育を脳科学者らが勧める理由)様々な考え方がある早期教育。焦らずに、また周りと比べることなく、親子が納得して楽しめるものを探した先にあるのが“答え”なのかもしれません。文/鈴木里映(参考)マイナビウーマン子育て|「早期教育」はどのような教育法?その種類や実践する際の注意点などALL About|早期教育のメリット・デメリット日経DUAL|“教えない”早期教育を脳科学者らが勧める理由諸富祥彦(2010),『女の子の育て方』,WAVE出版ベネッセ教育情報サイト|インプットよりアウトプットで子どもは伸びる
2018年11月13日「大腸がんの原因は、はっきり解明されていません。しかし大腸がんの約70%は、肛門のすぐ上、便がたまりやすい直腸とS字結腸にできるんです。つまり便秘になると、大腸がんになるリスクが高まると考えられます。腸内に老廃物をため込まないことが予防になるのです」こう語るのは、これまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた腸の専門医で、『腸はぜったい冷やすな!』(光文社)など、多くの著書を発表している、松生クリニックの松生恒夫院長(63)。9月に厚生労働省が発表した「平成29年人口動態統計」によると、昨年の女性のがん死亡者数1位は、15年連続で大腸がん(結腸、直腸)だった。その数は2万3,347人。さらに、国立がん研究センターが同時期に発表した今年のがん死亡者数予測でも、2万4,800人と、今年も女性の死亡者数1位は大腸がんと予測されている。30年前と比べて倍以上に増えている大腸がんによる死亡者数。多くの女性たちがこの病いが原因で命を落としてきた。「大腸がん増加は、日本人のライフスタイルの変化、特に食生活の変化が、腸に負担をかけていることが原因だと考えられています」(松生院長・以下同)それでは、どのように生活習慣を改善すれば、腸が健康になるのだろうか。松生院長が勧める大腸がんを予防する習慣は次の5つ。【1】オリーブオイルを使った食事をする【2】夕食の主食は、肉と魚を1日おきにする【3】節度ある飲酒を心がける【4】食物繊維の多い品目を多く取る【5】適度な運動をして、肥満を避ける生活習慣の改善のほかに、忘れてはならないのが、定期的に大腸がん検診を受けることだ。「大腸がんの死亡者数が減らないのは、大腸内視鏡検査が浸透していないことが大きな要因です。現在、国内で年間400万件ぐらいの検査が行われていますが、胃の内視鏡検査など(約950万件)の半分以下に過ぎません。検査を受ける人が少ないので、大腸がんが悪くなってから見つかるケースが多く、死亡者数にブレーキがかからないのです。胃がんによる死亡者数が毎年減っているのとは対照的です」大腸がんは内視鏡検査による早期発見、早期治療で90%以上が治癒するといわれている。最後に松生院長はこんな人には、ぜひ診察を受けてほしいと言う。「いちばんは血便のある人。次に、いままでは平気だったのになぜか急に便秘が始まったような人です。また、親が60歳前後で大腸がんになったなど、家系内に大腸がんの経験者がいる場合は、遺伝性の大腸がんになるリスクが高いので、注意してください」女性のがん死亡者数1位の大腸がん。だが、正しく予防し、定期的に検査すれば、“死なない”病気なのだ。
2018年11月12日いつ行っても何かしらの“新たな発見”があるから、特に用事がなくてもよくコンビニを利用する筆者。先日もいつものようにコンビニ探索をしていたところ、またまた大発見しちゃいました!ファミリーマートで見つけた、“あの”人気お菓子の限定バージョンを紹介します。1●おさつどきっ塩バター味(UHA味覚糖)秋から冬にかけて、焼き芋をはじめ「さつまいも」がおいしい季節ですよね。その時期になると食べたくなるお菓子といえば、「おさつどきっ」もそのひとつ。今回、筆者がファミリーマートで見つけたのは、「おさつどきっ塩バター味」(税込160円)というもの。なんでも、ファミリーマート、サークルK、サンクスで数量限定での発売だそう。皮の色が白っぽい黄色で、ホクホクとした食感ややさしい甘さが特徴の九州産・黄金千貫さつまいもを使用した同商品。ひと口食べてみると、まず塩とバターの塩味がきて、噛めば噛むほどさつまいもの甘みが口いっぱいに広がっていきます。また、さつまいもチップスのようなサクサク食感も◎。ジッパー付きなので、保存が楽なのもいいですね。2●じゃがりこ焼きチーズ味(カルビー)続いて紹介するのは、「じゃがりこ焼きチーズ味」(税込152円)。こちらも、ファミリーマート、サークルK、サンクスで数量限定だそうです。「じゃがりこ焼きチーズ味」は、サラダやチーズ、じゃがバター、たらこバターなどさまざまなフレーバーが楽しめ、食感もたまらない「じゃがりこ」の新フレーバーで、「こんがり焼いたチーズの香ばしい風味と旨みが特徴」とのこと。なのですが、実際に食べてみると、定番のチーズ味とはそこまで変わらないような…。あくまで個人的な感想ですが、しいて言えば、従来のチーズ味よりもチーズの味が濃く、塩味がやさしくなった印象。ただ、おいしいことには変わりはないので、パッケージにも記載されているように「食べだしたら“キリン”がない」一品です!3●ピザポテトマルゲリータ味(カルビー)最後は、「ピザポテトマルゲリータ味」(税込173円)。上記の2つと同様、ファミリーマート、サークルK、サンクスで数量限定の商品です。定番の「ピザポテト」とまったく異なり、“イタリア”感が満載のパッケージが目を引きます。食感やベースの味は「ピザポテト」なのですが、トマトの酸味やバジルの香りが後からふわっと広がる感じ。チーズも濃厚で、食べ応え十分。「ピザポテト」と「ピザポテトマルゲリータ味」を同時に食べ比べてみれば、きっとその違いに気づくはずです!今回紹介した3つのお菓子は、3月27日に発売されたばかり。いずれも限定商品なので、気になる方は早めの購入をおすすめします!(文・三軒茶屋すみ子/考務店)
2018年03月29日まずは母語を完璧に。自分の意見を話す訓練も大事ですね。グローバル化が進むなか、2020年度より、英語教育(外国語活動)の開始を小学校3、4年生に早め、5、6年生からは英語が正式な教科となることが決まりました。現在、文部科学省では指導計画を考案中です。僕自身、英語習得に苦労したので、英語教育のスタートが早くなるのは、とてもいいことではないかと思います。早期英語教育の話が出ると、「母語の教育をおろそかにしてはいけない」という反論がよく上ります。母語はとても重要です。必ずしも日本語でなくても構いませんが、複雑な気持ちを表現できる言語を何か一つ、徹底的にきちんと身につけるのは、生きていく上で必要なことです。言葉は人に気持ちを伝えるだけでなく、自分の思考を深める助けにもなるからなんですね。母語も新しく学ぶ言語も未熟な状態を「ダブルリミテッド」または「セミリンガル」といいます。それだと“アイデンティティ・クライシス”に陥りやすく、モヤッとした気持ちを伝えられないと不安が募り、暴力的になったり、引きこもりになることもあります。勘違いされやすいのは、その言語環境にいれば子供は勝手に言葉を話せるようになるだろう、ということ。しかし、思考を深めるくらいの言語を習得するには専門的な教育が必要です。日本語であれば、国語の授業や小論文ですね。これにより言葉の表裏を知り、表現が鍛えられます。ですから、早期英語教育を始めるにあたっては、母語教育が重要なんですね。ダブルリミテッドは避けなければいけません。海外で日本人が苦労するのは、言葉以前に、自分の意見を話すということではないでしょうか。英語力があっても、意見がなければコミュニケーションにはなりません。文科省では、討論や発表を通じ、自ら問題を見つけ解決できる学習を、英語だけでなく各教科で導入していこうと計画しています。日本人以外の非英語圏の人たちは、多少文法が間違っていたり、発音が訛っていても、たくましく自分の意見を英語で伝えようとします。日本人が英語が苦手な理由は、「間違ったら笑われる」という不要な羞恥心が邪魔をしているのかもしれませんね。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年3月28日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年03月25日ドコモ・ヘルスケアはこのほど、乳がん罹患者を対象にした「乳がん」に関するアンケートの結果を明らかにした。同調査は8月21日~9月4日、乳がん患者160人を対象にインターネットで実施したもの。乳がんに気づいたきっかけを尋ねたところ、40%が「セルフチェック」、37%が医療機関での「マンモグラフィ検査」と回答した。次いで「超音波検査」(19%)、「視触診」(14%)となっている。「その他」と回答した人の中には「たまたましこりに触れて気づいた」というコメントも見られた。乳がんのステージが0もしくは1の早期発見者に乳がんと診断される前の検診受診頻度を聞いたところ、37%が「年1回」、16%が「2年に1回」、3%が「年に2回以上」と回答した。合わせると56%で、早期発見者の半数以上が乳がん発見前に2年に1回以上の頻度で検診を受けていたことがわかった。乳がん発見後、病気に関する情報をどこから収集したか尋ねると、63%が「インターネット」と回答した。「主治医」(78%)の次に多くなっている。「同じ病気の患者のブログ」(31%)が「看護師など主治医以外の医療者」(25%)を5ポイント上回っており、インターネット上の情報を頼りにしていることが明らかとなった。乳がん発見前に何らかの仕事をしていた人に乳がん発見後の就労状況について聞くと、46%が「休職せず仕事を続けた」と回答した。休職後復職した人や仕事をやめた後に再就職した人を合わせると、79%が罹患中の現在も何らかの仕事に就いていると答えている。乳がんを経験した立場から、他の女性たちに勧めたいことについて聞いたところ、「仕事は続けた方が良い」というアドバイスが多く集まった。乳がん発見後、治療と仕事の両立について誰に相談したか尋ねると、36%が「会社の上司・同僚」と回答した。2位は「主治医」(30%)、3位は「家族」(28%)となっている。18%は「誰にも相談していない」と答えており、「友人・知人」(12%)よりも上回った。湘南記念病院乳がんセンター長の土井卓子先生は、セルフチェックのタイミングは「月経後が適切」と語っている。しかし、セルフチェックで発見できるのは、ある程度大きくなってからのがんであるとのこと。セルフチェックだけで安心するのではなく、マンモグラフィ検診も定期的に受診することを推奨している。
2017年09月22日ダウン症って?治療法はあるの?出典 : ヒトの体は無数の細胞によって構成されています。細胞のなかには遺伝子があり、さらにその遺伝子がらせん状に繋がったものを「染色体」といいます。染色体は通常23組46本で構成されていますが、この並びや数にたまたま変異が起こり、21番目の染色体が通常より1本増えた状態をダウン症といいます。21番目の染色体が1本増えて3本になることが原因で起こるタイプを「標準型21トリソミー」と呼び、これがダウン症全体の95%を占めています。このほか、3本目の染色体が別の染色体にくっついている転座型、21番目の染色体が3本のものと2本のものが混じっているモザイク型があります。上記のようにダウン症が引き起こされる原因やタイプはある程度わかっていますが、ダウン症そのものを治療する方法は、現在のところ解明されていません。一方、ダウン症のある人に合併しやすい疾患(心臓や消化器の内臓疾患など)の症状を軽減したり治療したりする方法については確立されているものが多く、比較的早期の乳幼児期から、治療が開始できるようになってきています。ダウン症の確定診断はいつ行われるの?赤ちゃんの合併症はすぐにわかるの?出典 : 出生後に医師によってダウン症の疑いが認められた場合は、ご両親やご家族に説明し承諾を得たのちに、赤ちゃんの血液で染色体の検査を行い、確定診断を行います。出生前に母親の血液を採取して調べる検査もありますが、確定診断には、母親の腹部に針を刺して羊水を採取し、染色体を調べる検査を受けるのが一般的です。診断後は医師から説明があるほか、希望すれば医療機関のスタッフや地域の保健担当に詳しい話を聞くことができる場合もあります。合併症についても、妊娠中や出産後の検査で早期に診断されるものも多く、新生児期に手術が可能な場合には、生まれてすぐ医師から手術をすすめられることがあります。生まれたばかりのわが子の手術についての説明に戸惑い、医師と相談をしてもなお不安なことがあるようなら、セカンドオピニオンを求めることもできるかもしれません。ダウン症協会や地域の親の会などに相談すると、ダウン症のあるお子さんに詳しい医療機関等の情報を紹介してくれることもあるようです。公益財団法人日本ダウン症協会ダウン症親の会一覧ダウン症の合併症の治療法は?出典 : 合併症を伴わずに生まれてくるダウン症のある赤ちゃんもいますが、20〜40%の赤ちゃんは循環器(心臓など)の疾患を伴って生まれてくるといわれています。近年は出産直後に発見されることが増え、早期の外科治療によって完治することも可能になってきました。その他、消化器系の疾患が合併している可能性もありますが、このような疾患についても、医療の発達により手術法が確立され、乳幼児期のあいだに改善できるものも多くなってきています。また、風邪などが重症化すると、気管支炎や肺炎など呼吸器疾患に発展する場合や、中耳炎を引き起こすことがあります。乳幼児期に風邪をひいた場合は早めに診察を受けたほうがよいでしょう。出典:産婦人科の現在「ダウン症候群について遺伝カウンセリングで伝えるべきこと」◇循環器(心臓など)の疾患循環器の疾患のうちダウン症のある赤ちゃんに合併していることが多いのは、・出生後すぐに閉鎖するはずの動脈管が閉じない「動脈管開存症」・左右の心室あるいは左右の心房の間の壁に穴があいている「心室中隔欠損」・心臓の真ん中部分が形成されず穴があいている「心内膜床欠損症」・循環器に関する4つの症状を持つ「ファロー四徴症」などがあります。あいていた穴が閉じるなど自然に治る場合もありますが、自然治癒が見込めない場合には乳幼児期に手術治療を行います。また、心臓に疾患があると、心臓から血液を送りこまれる肺にも影響が起こることがあります。肺への負担を軽減するために、原因や状態によって、投薬治療などが行われます。◇消化器官系の疾患なんらかの原因で生まれつき十二指腸が閉じている「十二指腸閉鎖症」、肛門が閉じている「鎖肛」などの疾患があります。これらの疾患があるとミルクなどを消化して排泄することが困難になるため、新生児期の早い時期に手術が必要です。術後の予後は良好だといわれています。◇環軸椎不安定性(首の1番目と2番目の骨にずれが生じる状態)首の1番目と2番目の骨は、細い筋肉や腱によって固定されていることに加え、骨同士を噛み合わせるように突出している2つ目の骨の突起構造が小さいため、ずれが生じやすい箇所です。この関節がずれている亜脱臼の状態を「環軸椎不安定性」といい、ダウン症がある子どものうち1~2%にあるとされています。亜脱臼の状態からさらに関節がずれ、脱臼すると、脊椎の背中側にある脊椎神経の束が強く圧迫され、麻痺が起こることがあります。脱臼させないためには何より早期発見が重要です。一般に3~4歳の時期にレントゲン検査をし、環軸椎不安定性の有無を確認することがすすめられます。環軸椎不安定性と診断されると、うつむく姿勢で首に強い力が加わる前転のような運動は避けるよう指導されます。◇ウエスト症候群(点頭てんかん)ウエスト症候群(点頭てんかん)も、合併症として起こる可能性がある疾患です。身体の一部をピクピクさせてミルクを飲まなかったり、首をガクッと落としたりするような様子がある場合には、脳波の異常を調べ、必要があれば投薬等による治療を開始します。ウエスト症候群は国の指定難病に定められています。ダウン症のあるお子さんに起こるウエスト症候群は、比較的予後が良いといわれています。出典:産婦人科の現在「ダウン症候群について遺伝カウンセリングで伝えるべきこと」参考:難病情報センター◇ 甲状腺機能の問題甲状腺から分泌されるホルモンが過剰となる甲状腺機能亢進症、逆に低下する甲状腺機能低下症があります。どちらも起こる可能性がありますが、特に甲状腺機能低下症の合併率が高いようです。症状がでにくい場合もありますので、年に1回の血液検査で確認することが望ましいようです。必要があれば投薬により治療します。◇筋肉の緊張が低く柔らかい(低緊張)ただ立っているだけ、座っているだけでも、姿勢を保つためには、ある程度、筋肉を緊張させておく必要があります。ダウン症がある子どもは、筋肉の緊張の度合いが低く、体が柔らかいことが多いと言われています。そのため、寝返りやお座り、つかまり立ち、歩行など一連の運動発達がゆっくり進むようです。また、歩き始めても、足底の親指側に体重がかかってしまう外反扁平足になりやすいため、靴の中に足をサポートする足底版を入れることをすすめられることがあります。◇耳や目の問題聞こえの問題や、遠視や近視、乱視など見え方の弱さがある場合には、補聴器やメガネの装用をすすめられることがあります。また、滲出性中耳炎にも罹患しやすいため、耳を気にする様子などがあったら耳鼻科を受診してみてくださいダウン症のあるひとの医療費、養育費のサポート出典 : ダウン症がある子どもには、特に乳幼児期に合併症の手術などで高額な医療費がかかることがあります。金銭的負担を軽減するために、いくつかの医療費に関する制度を利用することができます。・乳幼児医療費助成制度自治体から医療費が助成される制度です。利用には年齢制限があり、各自治体によって定められています。ダウン症、障害の有無に限らず、対象年齢内のすべてのお子さんの医療費が助成されます。・小児慢性特定疾病医療費助成ダウン症は小児慢性疾患の対象疾病になっています。合併症のうちいくつかの疾患で長期にわたる治療を要する場合に、小児慢性特定疾病の医療費助成が受けられます。助成には条件がありますので、病院のソーシャルワーカーや各都道府県の担当部署にお問い合わせください。参考:小児慢性疾患・特別児童扶養手当医療費に関する制度ではなく、子どもの養育のための手当が支給される制度です。支給される条件は各自治体によって異なります。・障害児福祉手当重度の障害のためにかかる日常生活上の精神的、物質的な負担を軽減する目的で支給されます。障害による生活の困難さによって、受給されるかどうか判断されます。ダウン症の診断のみでは、手帳の習得はできませんが、合併症による障害があることによって日常生活に支障があると考えられる場合に、以下のような手帳を取得し、福祉サービスを受けることができます。・「療育手帳(愛の手帳など)」知的な障害によって日常生活に不便さがあるお子さんに、各都道府県から交付される手帳です。交通機関などを一人で利用できず介助者を必要とすることがあることから、公共交通機関の料金の減額や、公的機関の駐車料金の支払い免除などの福祉サービスを受けることができます。等級によって受けられるサービスに違いがありますので、各都道府県にお問い合わせください。・「身体障害者手帳」心疾患などの合併症で長期間身体的に不自由さがある場合や、歩くことが難しい場合、また聴覚障害がある場合などに、身体障害者手帳が交付されます。療育手帳と同様に、さまざまなサービスを受けることができますが、交付の対象となるかどうかは医師の診断書などにより各都道府県が判断します。こういった手帳の取得は強制ではなく任意です。保護者の申請なしに交付されることはありません。また、補助制度には地域差もあります。一度お近くの福祉担当課窓口にご相談に行かれることをおすすめします。東京都心身障害者福祉センター愛の手帳(療育手帳)について厚生労働省身体障害者手帳制度の概要ダウン症の合併症の治療法は医療以外にもあるの?療育って何?出典 : 「療育」とは、「治療」と「教育・保育」をあわせて作られた言葉です。成長を促す関わりや訓練を総称して「療育」と呼んでいます。ダウン症のある赤ちゃん、子どもは、一般的にゆっくり成長すると言われており、発達段階にあわせてさまざまな療育的なかかわりを受けている子どもが多いようです。また、自閉症など発達障害を合併することがあるともいわれており、そういった場合には、一般的な発達障害への療育的対応が役にたつことがあります。「療育」には、主に運動発達を促す目的で提供される理学療法(PT)、日常生活動作の自立を促す目的で行われる作業療法(OT)、言語コミュニケーションの発達を促す言語聴覚療法(ST)、発達心理学や学習に関する知見をもとに提供される療育的かかわりなどが含まれます。また、ダウン症のある子どもの様々な特徴を踏まえ、日常生活を不自由なく過ごせるようにサポートすることも「療育」サービスのひとつです。お子さんにどんな療育的関わりが必要なのかは、その時点でのそれぞれの発達によって異なります。療育の内容から、家庭での関わり方のヒントが得られることがありますので、相談したいこと、疑問に思っていることなどがあるときにも、利用してみてください。地域にどのような療育機関があるかは、自治体の子育てに関する窓口が情報を持っている場合があります。なお、こういった療育サービスを受けるためには、市区町村より発行される受給者証という証明書の取得が必要な場合があります。詳しくは、療育サービスの事業者または市区町村の窓口でお尋ねください。子育てには悩みがつきものです。ダウン症がある子どもの子育ても同じですが、ダウン症があることで生まれる特別な悩みもあるかもしれません。もし何か相談したいことが出てきたら、まずは身近な存在である主治医や、自治体の子育て支援に関する窓口、利用している施設のスタッフなどに相談してみましょう。出口がないように感じていた悩みにも、何か解決の糸口が見つかるかもしれません。相談先は、病院や自治体の窓口のほか、以下のような施設・団体があります。電話で相談を受け付けているところもあるようです。◇相談できる団体、施設など・日本ダウン症協会・地域のダウン症の子を持つ親の会・児童相談所・自治体の保健センター、子育て支援、福祉担当課等・自治体および民間の療育機関・知的障害者更生相談所(障害者福祉センター等の名称で事業を行っている自治体もあります。主に18歳以上の人の相談に応じます。)日本ダウン症協会全国児童相談所一覧(厚生労働省)ダウン症の合併症治療最先端医療の研究出典 : ダウン症がある人は、「アミロイド前駆体タンパク遺伝子」という遺伝子が、遺伝子病のない人と比べて1.5倍存在し、その結果、脳の中のアミロイドタンパクが増加して、若年期からアルツハイマー病様の変化を脳内に生じ、それが引き金となって、急激退行症を発症する可能性があります。それまでに知的障害や発達障害を伴っていたとしても、それとは別に、突発的に「言葉を発しない」、「寝たきりになる」、「コミュニケーションが取れない」などの症状となって現れる場合があります。根本的な治療法はないとされていますが、アルツハイマー病治療薬である塩酸ドネベシルが急激退行症に有効であるという仮説に基づき臨床実験がされています。主に認知機能の低下に対する臨床試験が、ヨーロッパの製薬会社などが開発した薬を使って行われています。日本でも、アリセプト(ドネペジル塩酸塩)などを使用した治験が開始されました。実用化に至るにはまだ時間はかかりそうですが、いつか、すべてのダウン症のある人たちが、認知機能の低下によって生活の質が下がる心配をしなくてもいい未来が実現するかもしれません。参考:ダウン症者・家族が幸せに暮らすために/近藤 達郎参考:アリセプト難病情報センター急激退行症(21トリソミーに伴う)まとめ出典 : ダウン症そのものを治療する方法は現在のところありませんが、合併症の治療についてはそれぞれ手立てがあり、また、発達を促すための療育に関する知見も日々更新されてきています。さまざまな支援や療育サービスなどを利用しながら、かけがえのない日々の子育てを楽しんでくださいね。参考:ヨコハマプロジェクト参考:NDSS(National Down Syndrome Society)参考文献 『ダウン症者の豊かな生活』菅野敦・池田由紀江(福村出版)参考文献 『ダウン症のすべてがわかる本』池田由紀江/監修(講談社健康ライブラリー)参考文献 『ダウン症は病気じゃない』正しい理解と保育・療育のために飯沼和三/著(大月出版)参考文献 『出生前診断』河合蘭/著(朝日新書)『When Down Syndrome and Autism Intersect: A Guide to DS-ASD for Parents and Professionals』 Margaret Froehlke , Robin Zaborek
2017年07月20日「カレが最近冷たい・・・」何をしてもそう感じてしまうような状態だと、カレのアナタへの愛情はもう末期を迎えています。この状況から愛を取り戻すのはなかなか困難。しかし、早期発見をすれば、もしかしたらもう一度カレの愛を取り戻せる可能性はあるのです!そこで今回は、カレの「冷めてるサイン」をご紹介致します。早めに気付いて、速攻治療してやりましょうね!■1.連絡頻度の低下「出来るだけ返信するスピードを遅くしますね。そうすれば1日に連絡する数も減りますし。他の人のLINEは返すけど彼女の返信は後回しにしちゃうかも」(23歳/広告)もちろん最初からスローペースのカレの場合は問題ありません。問題なのは、元々すぐに返信が来るタイプだった場合です。今までは5分以内に来ていたのに、急に3時間後くらいに返信が来ることが続くようになったら危険信号!ただ、一回だけ返信が遅かっただけで文句を言うとただの束縛女になってしまうので、要注意ですよ。■2.出来るだけ早く帰ろうと(帰らせようと)する「彼女に冷めちゃうと、デートを早く切り上げて一人になりたいなって思う。今までは帰る時に彼女が見えなくなるまで見送っていたけど、今はもうしないかなぁ・・・」(24歳/飲料)今までは電車が来るまで一緒に待ってくれたり「一本逃して次の電車に乗りなよ~」なんてじゃれあいをしてなかなか帰れなかったのに、今ではすんなりと解散・・・そんなことはありませんか?そんな行動をされていたら危険サイン!デートの頻度を少し減らしてみたり、カレに苦痛を与えすぎないように気を付けましょうね。■3.何故かいつも疲れている「彼女に冷めていると、何を言われても『面倒くさいな~』って思っちゃいます。その結果『疲れているから~』と嘘を付くことも多いですね」(25歳/損保)「今日電話して良い?」「○日デートしよう!」こんなお誘いをしても、いつも「疲れているから」と言った理由で断られてはいないですか?最近疲れているみたいだし、日にちを置いてから連絡しよう!なんて1カ月以上も音沙汰ナシでいたら危険です。無理に会おうとするとカレは嫌がりますが、連絡はしっかりと取るようにしましょうね。■4.賢者モード中、構ってくれない「どれだけ上手くごまかせても、賢者モードの時は態度に現れちゃうよね。『好き!』って気持ちがないと優しくできないもん」(21歳/学生)このときにカレがどれだけ優しいか否か。コレが一番分かりやすい方法かもしれません。そもそも賢者モードのときはなんでも面倒くさいところを、「好きだから」なんとか優しくできてたんですよね、きっと。以前はすごく優しかったのに、今では終わった後にすぐ寝ちゃう・・・。こんな態度をされてしまっては、もうかなり冷めちゃっているのかも。気を付けましょう。■おわりに彼の「冷めてるサイン」は、早期発見をするのが大切です!「カレは私のこと好きだから何でも許してくれる」こんな態度を取り続けていたら、カレの冷めた心はどんどん悪化してしまいますからね。少しでも早く気付いて、アナタ自身もカレに対して重い行動をしないように気をつけて下さい!(霧島はるか/ライター)(ハウコレ編集部)
2017年07月06日小学校教育に新たな波がおとずれます。2020年より英語学習を前倒しする「早期化」と、5年生からの英語教育が成績のつく科目としての「教科化」がスタートすることになりました。英語が必要な時代が来ているとはいえ、この2点について親たちはどう考えているのでしょうか?Q.小学校の英語教育「早期化」「教科化」、どう思う?1.賛成 72.6%2.反対 7.2%3.わからない・どちらともいえない 20.2%小学校の英語教育「早期化」「教科化」に賛成という声が72.6%と大多数という結果になりました。グローバル社会で活躍する人材を育成するためには英語は必須と考える親が多くいるようです。■日常会話くらいは英語で話せる人に日本にもどんどん外国人が来るようになりますし、これから大人になるまでに海外に行くこともあると思います。そんなときにも日常会話くらいは英語で話せるようになってほしいというのが親の希望。そのための教育なのであれば賛成という声が多数です。「世界的に必要なこと。他国は母国語と英語、両方教えるのが普通」(東京都 40代女性)「日本語的英語ではなく、英会話力を伸ばしてほしいと思っています。聞き取った英語を素直に口に出せるようになったら最高だと思います」(佐賀県 40代女性)「英語に早くから親しむという点ではいいと思います。ネイティブの先生と英会話を経験する授業なら、導入としてはいいかもしれませんね」(千葉県 50代女性)■日本人なのだから英語よりもまずは国語反対派の多数の意見は、英語教育の前に日本語教育を学ぶべきというもの。美しい日本語や漢字などをしっかり学んでから英語を学んでも遅くはないという声や、学校の教員の英語レベルが気になるという声もありました。「単純に教科が増えるとすれば、他の教科がおろそかになる。PCやタブレットを使うために漢字の読み書きができない子が増えている。英語に力を入れるまえにもっとやらなければいけない課題がある」(静岡県 40代男性)「それ以前に日本人として正しい日本語を身につけさせることの方が重要なのではないかと思うのは私だけでしょうか?」(神奈川県 50代女性)■英語の早期教育のメリットとは音や発音は小さいうちにやったほうが効率的であることはすでにわかっています。苦手意識を持つまえに、自然と英語に触れて、話すことで英語力がついていくのが理想的。それが果たして小学校教育でできるのかが問題のようです。「英語教育は早ければ早いほど、国語と同じように自然に覚えられる利点があります。しかし、小学校教員の英語力には課題があるのが現状。映像やタブレット端末などを使用して、小学生のうちに日常会話には困らないようになってほしいです」(神奈川県 40代女性)Q.小学校の英語教育「早期化」「教科化」、どう思う?アンケート回答数:6408件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年06月06日「いじめって、なくなるんですか?」私の考えるいじめ解決法出典 : 「いじめから子どもを守ろうネットワーク」東京代表の栗岡まゆみです。いじめで苦しむ子どもたちの心と命と未来を守るために、長らくいじめ問題の解決に関わっており、各地の学校などで講演活動をしています。昨年は、命の犠牲を伴ういじめ問題を耳にすることが多かったように思います。そのニュースに胸を痛め、「我が家の子どもは、大丈夫なのか?」「我が子の通う学校は、大丈夫なのか?」と不安になられた保護者の方もたくさんおられるのではないでしょうか?私は一昨年、『いじめゼロを目指して‐「いじめ防止授業」生徒5000人の現場から』という書籍を出版しました。その際、ある新聞社の記者さんからの取材で、「いじめって、なくなるんですか?」と質問されました。私の答えは、「早期発見・早期解決で、いじめ問題は解決できます」というものです。今回の記事では、保護者のみなさまにぜひ大切にしていただきたいこととして、・早期発見: 子どもの発するSOSサイン・早期解決: 冷静な文書化による学校との連携方法の2点を中心に、具体的なノウハウをお伝えしたいと思います。早期発見のために大切なのは、いじめのサインを見逃さないこと出典 : いじめられている子どもは、いじめられていることを親になかなか言わない・言えないことが多いです。いじめ自殺で子どもが命を落としたその悲しみの中で、親御さんは必ずといっていいほど、「いじめの事実に気がつかなかった…」という、後悔と無念のこもった言葉を語られます。親に心配をかけたくないという気持ち、親や教師に告げると「チクッた」と言われて、“倍返し”のいじめにあうかもしれないという不安が、子どもが親に相談できない大きな要因です。けれども子どもは、自分を助けてくれる大人、信じられる大人を求めて、「助けて!」というサインを必ず出しています。その声にならない助けを私たち大人が発見することが、子どもの命を守る命綱となるのです。もしかしたら、いじめに遭っている…?子どもの発する具体的なサインの例出典 : いじめ相談のお電話を頂くとき、「子どもが、頭が痛いと言って学校に行かなくなりました。もしかしたら、いじめがあるのでしょうか?」とご相談くださる保護者の方が、多くいらっしゃいます。「お腹が痛い」「頭が痛い」「学校に行きたくない」という症状は、実は、かなり深刻です。お子さんがそう言いだす前に、次のような症状が1つでも見られたら、夕食時にさりげなく学校での様子を聞いてあげて下さい。・急に元気がなくなる・帰ってくるとすぐに部屋に閉じこもる・理由のわからない成績の低下・親の前で携帯メールを見なくなる・友達から電話があっても、出たがらない・おねしょをする・妙に明るく装う・教科書に落書きがある・服が破れていたり、汚してくる・物をよく無くす・急にお金を欲しがる・擦り傷や打撲がある・頭痛などを訴え、学校に行きたがらなくなるまた子どもの発するこうしたサインにいち早く気づくためには、学校の保護者同士のネットワ―クを作っていくことも大切です。両親共に仕事を持っていたり、自由選択制で校区を超えた学校に通学したりすると、保護者同士のネットワークがどうしても希薄になりやすいです。保護者同士でお子さんの情報を共有できる機会を少しでも作り、お子さんのサインに気付きやすくなるようなネットワークを作っていきましょう。子どものいじめ、解決を困難にしているものとは出典 : いじめ問題の解決を困難にしているのは、「証拠がない」ことに尽きます。今のいじめで一番多いのは、教師や親など大人の見ていないところでの、言葉の暴力や無視などの精神的ないじめです。暴力を受けたのなら、体に傷が残ります。ノートや文房具など持ち物を壊されても証拠が残ります。けれども、言葉による暴力は証拠がありません。これを解決するためには、冷静な文書化が必要です。「子どもからの聞き取り+証拠集め」を通して、以下のような「事実」を文書にまとめていくのです。・いつ、誰が、どこで、どのようないじめをしたのか・加害者は一人か、複数か。その名前は・それを目撃していた子どもはいるのか。いたら、それは誰か・具体的にどんなことを言われたのか・具体的にどんなことをされたのか・怪我をさせられたことはあるのか・子どもはどう感じているのか・学校や担任の対応はどうだったのか時系列に従い、いつ、誰が、どこで、どのようないじめをしたのか。加害者は1人か複数か、それは誰なのか(実名)、怪我はないか、いじめられてどう感じたか…などを子どもから聞き取り、先ず文書にすることが大切です。そして、いじめを周りで見ていた友達が居ないかどうか子どもに聞き、怪我をしていたら病院で診断書をもらい、物を壊されていたらその証拠写真を撮る等、客観的な証拠を集めることも有効です。そのあとに、いじめ被害の客観的な事実をもとにして担任に連絡をし、担任や校長と話し合います。その際に、可能であればいじめ加害者とその保護者にいじめ事実を認めてもらい、心から反省と謝罪を求めることが、いじめ再発防止には大切です。加害者の心からの謝罪が、被害者の心を復活させる大きなポイントになります。また学校側にも、いじめ再発防止を要望書として提出することをお勧めします。この話し合いで、学校側がこちらの要望に応じない場合には、教育委員会や警察、法務局、議員、マスコミに、いじめ被害事実を訴えることも視野に入れてみましょう。子どもをいじめから守るために一番大切なこと。それは…出典 : ここまでの対応を現実のものとするために、保護者の方の“決意”が求められます。それは、「もし、いじめられていても、いじめられているあなたは決して悪くない」「何があっても、必ず、あなたを命をかけて守る!」というものです。この決意とその後の行動を実は、他でもない、いじめで傷ついた子どもが、じっと見ています。その真剣な決意とその後の学校との交渉の姿で、愛されていることを実感するのは、いじめで傷ついて、自信を失った子供なのです。その愛されているという実感が、いじめで傷ついた心から復活する鍵の一つとなります。ですが、保護者の方も、決して、一人ではありません。一人で、戦わないでください。悩まないでください。そのために、私たち、いじめから子どもを守ろうネットワークは存在しています。一本の電話する勇気を持っていただくだけで、いじめ解決までのすべてのプロセスに、ひとつひとつ、一緒に考え、お子様の心を救い、復活までの時間を共にさせて頂きます。一般財団法人いじめから子どもを守ろうネットワーク
2017年03月02日「ふだんから『舞台は下痢をしても頭痛がしても立たなければいけないもの』と周囲に話していましたから、その自分が舞台に穴を開け、ましてや芝居自体を中止に追い込んだということは、さぞや無念だったと思います」(演劇関係者) 3月18日から名古屋・中日劇場で開幕するはずだった舞台『おもろい女』。主演の藤山直美(58)の病気降板と、舞台の中止が発表された。病名は、乳がんだ。開幕1カ月前になって発覚した重病。彼女に何があったのか――。 藤山は10年前から、がん検診を続けていたという。さらにこの数年は、乳がんの啓蒙活動やピンクリボン運動にも熱心に関わってきたと、芸能関係者は説明する。 「じつは数年前、藤山さんにとって大切な人の1人が、がんにかかってしまって。それ以来、彼女は“他人事と思えない”と言って、がんと闘う活動に力を入れるようになったのです。早期発見のため自分ができることはないかと、15年10月に地元・京都で開かれた日本癌治療学会で『えらいこっちゃ!うちの◯◯ちゃんが、がんになってしもた』と題した寸劇を演じたり、“女性ががんと生きる”を語り合うパネル・ディスカッションにも参加したり。精力的に活動していました」 まさか“がん闘病”が自分の身に降りかかってくることまで、彼女は想像していたのだろうか――。だが活動に打ち込んだ甲斐あって、いま彼女の周りには日本を代表する“がん名医”が集まっているという。 「まさに“不幸中の幸い”でした。本人も心強いでしょう」(前出・芸能関係者) あの底抜けに明るい舞台姿を早く見たい。
2017年02月24日日本の国民病というべき病気、癌。以前は不治の病とされていましたが、現在は早期発見早期治療を行えば治すことも可能になりました。それだけに、変調を感じたらすぐに病院にいくことが重要。また、複数の医師から意見を聞くセカンド・オピニオンも早期発見にとっては大事な要素といえます。しかし、わかっていてはいても1回目の病院で「異常なし」といわれれば安心してしまい、別の病院にいくことをやめてしまうもの。安心しきってしばらく過ごしたものの、違和感や痛みがひどくなり2回目の病院検査を受けてみたら、医師から「かなり重篤な癌です。もう少し発見が早ければ」と告げられた。この場合初回の検査を担当し、「異常なし」の結論をだした医師を提訴したくなります。はたしてそのようなことは可能なのでしょうか?医療問題に詳しい三宅坂総合法律事務所の伊東亜矢子弁護士に意見を伺いました。 Q.2回目の検査で重篤な癌が判明した場合、1回目で「異常なし」の判断をした医師を訴えることができる?*画像はイメージです:提訴に踏み切るには十分な事前調査が必要です。「単純な見落としなのか、結果論からすれば初回検査時から癌があったと言わざるを得ないが、初回検査時の発見は難しい状況だったのか、などが問題となります。実務上は、いきなり提訴の前に、まずカルテを取り寄せるとともに、患者側で医療事件を扱っている弁護士に相談し、病院側の考えを聞くところから始めるのが通例です。提訴となると、『初診時に既に癌を発症していたので**の検査をやればわかったはず』『**の検査結果は“癌”と評価すべき』等、医学的知見を立証する必要があるので、医学文献や第三者医師に意見をもらうなど、その点の準備も必要になってきます。医療訴訟は専門的な知見の立証などが必要になり、単純なミスに見えても『医療機関側が専門的な見解では**』と反論するかもしれず、その場合の再反論の手立てなども考えておく必要があり、事前の調査が大事と思います。また、仮に裁判で“ミス”を立証することはなかなか難しいかもしれないという場合でも医療ADRなどで話合いの場を持つことはあり得るところです。医療訴訟での原告(患者)側勝訴率は高いとは言えず、提訴に踏み切るには慎重な検討を要するところです」(伊東弁護士) 簡単に「納得がいかないから提訴」という訳にはいかず、弁護士や第三者医師などの意見を十分に聞いたうえで慎重に検討する必要があるようです。できれば検査段階で複数の病院に通い、多くの医師に意見を聞いておきたいところですね。 *取材協力弁護士:伊東亜矢子(三宅坂総合法律事務所所属。 医療機関からの相談や、 人事労務問題を中心とした企業からの相談、離婚・ 男女間のトラブルに関する相談、 子どもの人権にかかわる相談を中心に扱う。)*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)【画像】イメージです*Graphs / PIXTA(ピクスタ)
2017年02月17日発達障害の専門的医療機関が不足している!?出典 : 年1月20日、総務省は、文部科学省と厚生労働省に対し、発達障害者支援に関する行政評価と監視の結果に基づく勧告を行いました。この調査は、保育所・学校現場を含む、都道府県・市町村における発達障害者支援の実態を初めて調査したものとなります。これまでの記事では、①早期発見について、②発達障害発見後の支援と引継ぎについて、それぞれ総務省による調査の結果と勧告内容についてお伝えしてきました。今回の記事では、発達障害の専門的医療機関の確保に関する調査・勧告内容についてご紹介します。調査対象の18.5%で発達障害の専門的医療機関が確保出来ておらず出典 : 各都道府県において、専門的に発達障害の診断及び発達支援を行うことができると認める病院又は診療所を確保しなければいけないことは、発達障害者支援法に定められています。「都道府県は、専門的に発達障害の診断及び発達支援を行うことができると認める病院又は診療所を確保しなければならない。 」発達障害者支援法第19条(専門的な医療機関の確保等)では実態はどうでしょうか。今回総務省が19都道府県及び8指定都市の計27団体に関して調査したところ、専門的医療機関を確保していたものは22団体(81.5%)で、残る5団体(18.5%)は確保できていなかったことが明らかになりました。また、専門的医療機関を確保済みの22団体の管内に所在する専門的医療機関から、27機関を抽出し、発達障害に係る初診待機者数及び初診待機日数も調査しました。その結果、約4割の医療機関で初診待機者数が50人以上となっており、その中には最大316人が待機している例も存在しました。加えてその初診待機日数は、半数以上の医療機関で3か月以上となっており、その中には最長で約10か月の例もみられるなど、専門的医療機関の更なる確保が必要な状況がみられたとのことです。なぜ発達障害を診ることができる医者は少ないのか?出典 : 総務省の調査した医療機関の中からは、以下のような意見があがったとのことです。①小児科医が発達障害を診断する場合、風邪等の診察と違って、幼児期の状況や成育歴などを聴き取る必要があり、手間と時間を要するため、診療報酬上のメリットを与えてほしい。②発達障害児に対する精神科医による診察は、その特性上、1 人に対し1 時間から 2 時間費やすことが多く、30 分を大幅に超えるため、現行の「通院・在宅精神療法」の時間区分(30 分未満の場合は 3,300円、30分以上の場合は 4,000 円の 2区分のみ)のうち30分以上を細分化し、その時間区分に見合った診療報酬にしてほしい。③発達障害児に対する小児科医の診察による診療報酬では、「小児特定疾患カウンセリング料」(月の1回目は5,000円、月の2回目は 4,000円)が算定可能であるが、発達障害という特性上、長期にわたり通院が必要であるにもかかわらず、2年を限度にしか算定できないことから、2年という期限を設けないようにしてほしい。太字は引用者注発達障害の専門医となるのは難しい上に、診療の旨味も少ないため、医師にとっても魅力を感じにくい領域なのかもしれません。市町村によっては不安解消のため独自の取り組みを行っています出典 : この度総務省が調査した都道府県及び指定都市の中には、初診待機者の不安解消を図るための取り組みを実施しているところもあったとのことです。ひとつは市町村が医療機関と連携して小児科の診察優先枠を毎月1日設定し、保護者の了解のもと県職員も医療機関の診察に同席、医師、保護者及び県の三者で情報の共有を図っている事例です。そしてもうひとつは、医療機関の受診前や療育前に、市町村の主催で臨床心理士等による親子小集団活動、保護者同士のグループワーク等を「にこにこ教室」として実施している事例です。医療機関の受診などを待っている保護者の不安感の解消が図られていることがメリットとして挙げられています。総務省は専門的医療機関の確保を勧告こういった現状に対し、総務省は厚生労働省に対し、発達障害が疑われる児童生徒が専門的医療機関を早期に受診できるよう、専門的医療機関の確保のための一層の取組を行うことを勧告しました。また専門的医療機関の受診までの間、保護者の不安解消を図る取り組みを都道府県等に示し推進するようにも勧告しています。以上、いかがだったでしょうか。発達障害者支援者法は施行されてからまだ10年と少し。発達ナビではこれからも国の取り組みと状況についてお伝えしていく予定です。
2017年02月02日総務省による、発達障害者の支援に関する実態調査。その結果は?出典 : 年1月20日、総務省は、文部科学省と厚生労働省に対し、発達障害者支援に関する行政評価と監視の結果に基づく勧告を行いました。この調査は、保育所・学校現場を含む、都道府県・市町村における発達障害者支援の実態を初めて調査したものとなります。前回の記事では、早期発見に関する実態の調査報告と総務省の勧告内容についてお伝えしました。今回の記事では、発達障害がある子どもへの支援状況と情報の引継ぎに関する調査・勧告内容についてご紹介します。発達障害児に対する支援「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」とは出典 : 発達障害を含む障害のある児童生徒の指導について、学校等では、児童生徒それぞれに「個別の教育支援計画」(以下「支援計画」)と「個別の指導計画」(以下「指導計画」)を「必要に応じ」作成し、指導と支援を行っていくこととされています。(4) 関係機関との連携を図った「個別の教育支援計画」の策定と活用特別支援学校においては、長期的な視点に立ち、乳幼児期から学校卒業後まで一貫した教育的支援を行うため、医療、福祉、労働等の様々な側面からの取組を含めた「個別の教育支援計画」を活用した効果的な支援を進めること。また、小・中学校等においても、必要に応じて、「個別の教育支援計画」を策定するなど、関係機関と連携を図った効果的な支援を進めること。(5) 「個別の指導計画」の作成特別支援学校においては、幼児児童生徒の障害の重度・重複化、多様化等に対応した教育を一層進めるため、「個別の指導計画」を活用した一層の指導の充実を進めること。また、小・中学校等においても、必要に応じて、「個別の指導計画」を作成するなど、一人一人に応じた教育を進めること。特別支援教育の推進について(通知)なお、2016年の改正発達障害者支援法においても、発達障害児が年齢及び能力に応じ、かつその特性を踏まえた十分な教育を受けられるようにするために必要な措置として、これらの支援計画及び指導計画の作成を推進することが具体的に明示されています。法律第六十四号(平二八・六・三) ◎発達障害者支援法の一部を改正する法律支援計画や指導計画、実際にどれくらい作成されているの?その効果は?出典 : しかし支援計画に関していうと、必ずしも発達障害のある児童全員に作成されていないのが現状のようです。この度の総務省の調査で調査対象となった111の保育園および幼小中高校において、発達障害児(発達障害が疑われる児童生徒を含む)は計2,431人でした。そのうち支援計画作成が「必要」と判断された児童生徒は829人であり、さらにそのうち支援計画を作成済みの児童生徒は690人でした。支援計画作成が「必要」と判断されたものの、未作成の生徒が139人いることが明らかになりました。未作成の理由としては、教員の業務が多忙で作成する時間の確保が困難であるため、保護者の同意が得られないため、などとされています。また、支援計画作成が「必要」と判断する範囲に関して、111の調査対象のうち19の保育園および幼小中高校では、医師の診断がある児童生徒のみなど、計画の作成対象をかなり限定した範囲にとどめている例がみられました。そしてこうした計画作成対象が限定されていたことの結果として、支援計画や指導計画が作成されていなかった生徒の中には、不登校等の二次障害が生じている例がみられたとのことです。問題行動の度合いが高くない生徒には支援計画及び指導計画を作成することとしていないため、発達障害の診断を受けているにもかかわらず、両計画とも作成されず、結果として、学習障害等で授業についていけずに、平成22年度から26年度までの間に、不登校4人、休学1人、退学1人が発生した。一方、調査した保育所及び学校において、支援計画又は指導計画を作成したことにより、特別支援学校など関係機関による助言や保護者との連携等が図られ状態が改善するなど効果的な支援が行われている例が30事例みられました。総務省は文部科学省と厚生労働省に対し、保育所及び学校において、一律の基準によって支援計画及び指導計画の作成対象を限定するのではなく、個々の児童生徒の特性や状態を踏まえ、支援が必要な児童生徒に対して着実に作成されるよう、作成対象とすべき児童生徒についての考え方を示すことを勧告しました。継続的な支援のために欠かせない、進学先等への情報の引き継ぎ。しかし現状は…出典 : 支援計画や指導計画の作成だけでなく、支援の前提となる子どもに関する情報の引き継ぎ共有も重要です。こうした情報共有の実態についても調査がなされました。具体的には、・乳幼児健診の結果として発達障害の疑いがあるとする情報を保育所へ渡す取り組み・保育所や幼稚園で作成された支援計画等に適宜資料の追加等を行った上で、障害のある児童生徒等に関する情報を一元化し、支援計画や相談支援ファイル等として小・中学校等に引き継ぐ取り組みなど、関係機関同士の情報の引き継ぎ・共有が十分ではないという勧告がなされています。しかし、情報共有が十分に進まない背景には、個人情報保護の観点からの障壁もあるようです。そのことが明らかになったのは、調査対象となった31市町村が実施した乳幼児健診結果の引き継ぎ状況の調査からです。平成26年度に実施した乳幼児健診の結果の、進学先(保育所、幼稚園等)への引き継ぎ状況をみると、30市町村で「引継ぎを行うこと」という方針を立てているものの、個人情報保護の観点から、保護者の同意が得られた場合であって、保育所等から情報提供の依頼があった児童のみ引き継ぐとしている自治体が14市町村にのぼりました。つまり、半数近くの市町村では、保育所等からの働きかけがなければ引継ぎが行われない状況であるということです。調査した市町村の中には、乳幼児健診の結果の進学先への引継ぎ時における保護者の同意取得については、次のような取組を行っている例がみられたとのことです。乳幼児健診の問診票の中に、健診結果等について、保育所等の関係機関と連絡を取り合う場合がある旨をあらかじめ記載し、これに同意するか同意しないかを選択させることとしている。児童が幼稚園に入園する前に、心配事のある保護者に「保護者との連携シート」の記載を依頼しており、同シートにより、幼稚園が保健師等の関係機関等から情報を入手する旨の同意を得ている。また、乳幼児健診の結果が引き継がれなかったことにより、対応が困難になった例もみられたとのことです。市外からの転入により入所した児童について、転出元の市町村での乳幼児健診結果(発達障害の疑いあり)を把握できなかったため、支援計画の作成、個別の配慮、小学校への引継ぎ等を行わなかったところ、小学校で集団行動になじめない状況となり、急遽支援が必要となった歳児健診及び3歳児健診で紹介された親子教室において、軽度な知的障害を伴う発達障害の疑いを指摘されたが、それらの結果が、入園先の幼稚園に伝わらず、児童の知的障害の把握が遅れた。その結果、児童は、特別支援学級へ入級したが、知的学級ではなく、自閉・情緒学級へ入級することとなり、児童に対する教育的配慮や課題設定を行うのに数箇月要した同様に、進学の際や転校の際における引き継ぎの不備も指摘されており、総務省は厚生労働省に対して、市町村に乳幼児健診の結果等の進学先への引継ぎの重要性を周知し、積極的な引継ぎを促進することを勧告しました。他にも総務省は、厚生労働省と文部科学省に対して、保育所・幼稚園から大学・就労先までの各段階において、発達障害児に対する必要な支援内容等が文書により適切に引き継がれるような呼びかけを行なっています。都道府県、市町村、都道府県教育委員会及び市町村教育委員会に対しては、・具体例を挙げて支援内容の引き継ぎを周知すること・支援計画及び指導計画については、引継ぎまでの適切な保存・管理を求めるとともに、具体的な引継方法を提示し、確実に引き継がれるよう徹底を図ることを勧告しました。「切れ目のない支援」を実現するための課題は出典 : 情報の引き継ぎは、切れ目のない支援を推進する上で不可欠だと言われています。そして文部科学省でも障害のある子どもに対して小学校から高校まで一貫した支援ができるよう、進学先の学校へも引き継げる「個別カルテ(仮称)」の作成を学校に義務付ける方針を固め、推進しています。また逆に保育所から専門機関に相談するようすすめられる場合もあるようです。現在、4歳の男の子を持っていますが、引越しして、2ヶ月前ほどから、転園した先の、保育園の先生から、落ち着きがなく、みんなと一緒のことができない、話す単語が少ない、との指摘を受けて、療育センターに問い合わせをするように、言われました。保育園で発達障害を疑われました。3歳1ヶ月の男児です。保育センターの心理相談の結果、問題はなさそうでした。しかしモヤモヤと心配が晴れず、何か息子のためにできることはないかなと焦っています。親や支援者が発達障害をどう理解するか、そして個人情報保護や当事者、家族の不安に配慮する仕組みの構築が、実際に切れ目のない支援を実現するためには必要なのではないでしょうか。
2017年01月30日総務省による初の発達障害者支援実態調査出典 : 年1月20日、総務省は、文部科学省と厚生労働省に対し、発達障害者支援に関する行政評価と監視の結果に基づく勧告を行いました。この調査は、保育所・学校現場を含む、都道府県・市町村における発達障害者支援の実態を初めて調査したものとなります。約12年前となる2005年4月、「発達障害者支援法」が施行され、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などの「発達障害」のある児童生徒が乳幼児期から切れ目なく適切な支援が受けられるよう、国、都道府県及び市町村の責務や求められる取組が定められました。この発達障害者支援法が制定されるまで、発達障害は、身体、知的及び精神の各障害者制度の谷間に置かれ、必要な支援が届きにくい状態となっていました。しかし同法の施行により、発達障害の早期発見、発達支援(医療的、福祉的及び教育的援助)サービスの提供、学校教育における支援、就労の支援、発達障害者支援センターの設置などが進められてきました。法の施行後、発達障害に対する理解や支援の取組が進展したとの一定の評価がなされています。一方、今回の総務省勧告では、・発達障害の早期発見の不十分さや市町村による発見状況の差・障害児に対する「個別の指導計画」「個別の教育支援計画」の未作成・進学過程での支援の途切れ・専門的医療機関の不足などの課題が残っていることが指摘されました。発達ナビでは、この総務省による発達障害者支援に関する行政評価・監視の結果に基づく勧告について、「早期発見に関すること」「発見後の支援と引継ぎに関すること」「専門的医療機関の確保に関すること」の全3回に分けて詳しくお伝えします。発達障害早期発見の重要性と早期発見の場としての健診出典 : 現在、適応困難、不登校や引きこもり、反社会的行動等といった二次障害を未然に防止するという観点から、発達障害の早期発見と適切な支援の実施はとても重要だと考えられています。発達障害者に対する適切な支援がなされない場合、その特性により生じる問題に周囲が気づかずに、無理強い、叱責などを繰り返すことで失敗やつまずきの経験が積み重なり自尊感情の低下等を招き、更なる適応困難、不登校や引きこもり、反社会的行動等、二次的な問題としての問題行動(以下「二次障害」という。)が生じることがあるとされている。(生徒指導提要」(平成22年3月文部科学省)こうした二次障害を未然に防止する上で、発達障害者を早期に発見し、早期に適切な発達支援につなげていくことが特に重要であることから、国及び地方公共団体は、発達障害の早期発見のため必要な措置を講ずるものとされている。(発達障害者支援法第3条第1項)また、早期発見の機会としては、1歳6か月児健診、3歳児健診、5歳児健診などの乳幼児健診や、就学時健診が該当します。市町村は、母子保健法(昭和40年法律第141号)第12条及び第13条に規定する健康診査(以下「乳幼児健診」という。)を、市町村教育委員会は学校保健安全法(昭和33年法律第56号)第11条に規定する就学時の健康診断(以下「就学時健診」という。)を行うに当たり、発達障害の早期発見に十分留意しなければならないものとされている。(発達障害者支援法第5条第1項及び第2項)調査で分かった早期発見の取り組みにおける課題点出典 : 厚生労働省は乳幼児健診において、広汎性発達障害を早期に発見するためのツールとして、2歳前後の幼児に対して自閉症スペクトラムのスクリーニング目的で使われる、親記入式の質問紙であるM-CHATや、広汎性発達障害の支援ニーズを評価するための評定尺度であるPARSの活用・普及を図っています。そして就学時健診を行うにおいて、市町村教育委員会に対し発達障害の早期発見に十分留意するよう求めてはいますが、具体的な方法は特に示してはいません。今回の調査の結果、健診時に発達障害が疑われる児童を見逃しているおそれが指摘されています。というのも調査対象となった31市町村で、市町村ごとの発達障害が疑われる児童の発見割合をみると、1歳6か月児検診では0.2%から48.0%まで、3歳児検診では0.5%から36.7%までと、市町村ごとで発達障害が疑われる児童の発見割合にかなりのばらつきがある検診で発達障害が疑われる児童の発見割合が1.6%を下回る市町村については、発見に漏れがある可能性が高いのではと考えられます。また、厚生労働省が早期発見ツールとして普及を図っているM-CHAT及びPARSの活用がされている市町村は、31市町村のうち5市町村にとどまりました。総務省は厚生労働省に対し、乳幼児健診における発達障害が疑われる児童の発見のための市町村の取組実態を把握するとともに、発達障害が疑われる児童を早期発見する有効な措置を講ずることを勧告しています。文部科学省に対しては、就学時健診時における発達障害の発見の重要性を改めて周知徹底するとともに、就学時健診における具体的な取組方法を示すことを勧告しています。発達障害早期発見のための保育所・学校の取り組み出典 : 保育所や学校も発達障害の早期発見の場としてとらえられています。文部科学省は、都道府県教育委員会及び市町村教育委員会に対し、各学校において発達障害等の障害は、早期発見・早期支援が重要であることに留意し、実態把握や必要な支援を着実に行うことなどを求めています。今回の調査の結果、調査した23保育所では、保育士等による日々の行動観察を通じて発達障害が疑われる児童の発見に努めていました。このうち、4保育所では、行動観察に当たって、着眼点や項目を共通化し、できるだけ客観的に判断できるよう、所内共通のチェックリストを用いてました。また、調査した23幼稚園、23小学校、23中学校及び24高等学校の計93校のうち、91校においては、教諭・教員による日々の行動観察を通じて発達障害が疑われる児童生徒の発見に努めていました。このうち、35校(4幼稚園、14小学校、11中学校、6高等学校)では、行動観察に当たって、校内共通のチェックリストを用いていました。チェックリストの活用をしている学校では、「教諭・教員が行う行動観察の習熟度が向上する」「発達障害児の特性が把握でき、その後の支援方法の検討に参考となる」「客観的な尺度であるため、保護者の理解が得られやすい」などの意見がみられたとのことです。教育委員会の学校に対する支援状況出典 : また、教育委員会の学校に対する支援の実施状況の調査も行われました。調査した50教育委員会(19都道府県教育委員会、31市町村教育委員会)のうち、36教育委員会(19都道府県教育委員会、17市町村教育委員会)において、文部科学省の「小・中学校におけるLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)、高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドライン(試案)」や「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」(平成24年12月)における質問項目を活用するなどし、学校に対し、チェックリストを示していました。しかしながら、上記ガイドライン(試案)は、小学校及び中学校を対象としたものであり、また、上記調査の質問項目は、学習面に関しては小学校3、4年生までに表面化する困難や障害を意識して作成されたものとされ、元々の調査対象も小学校及び中学校となっていることから、幼児や高校生に関しては、そのまま用いることは必ずしも効果的とは言えません。総務省は、厚生労働省と文部科学省に対し、発達段階における日々の行動観察に当たっての着眼点や項目を共通化した標準的なチェックリストを、活用方法と併せて示すことを勧告しています。発達障害の早期発見はなぜ重要なのか、そしてその難しさ出典 : このように現在、発達障害の早期発見と適切な支援の実施は、適応困難、不登校や引きこもり、反社会的行動等といった二次障害を未然に防止するという観点から重要とされ、国として取り組みが行われています。しかし市町村によって取り組み具合にばらつきがあることも今回の調査で明らかになりました。発達ナビとしては今後の国の取り組みを注視しつつ、情報発信を続けていく予定です。
2017年01月26日