ネットを通じて理想の異性を見つけられるかもしれない「恋愛マッチングアプリ」。数多くのアプリがある中、自分が使うべきアプリは…?目的に合ったアプリの選び方を婚活コンサルタント・澤口珠子さんと「桃山商事」代表・清田隆之さんに伺いました。数多くのアプリの中で、どれを使うかという選択が重要に。「目的はライトな出会いか、婚活なのかなど、自分がアプリに求めるものを明確にしましょう。アプリによって男性の真剣さやテンションが違います」(清田さん)「ちなみに、どのアプリに登録しても、デートまでの流れは基本的に同じ。アプリをダウンロードしたのち、フェイスブックのアカウントで登録&ログイン。検索をして好みの男性を見つけたら“いいね”を送ります。相手からも“いいね”が返ってきたらマッチングが成立し、メッセージ交換が可能に。お互いが会いたいと思えばデートに至ります」(澤口さん)料金は無料の場合も多いが、アプリごとに異なるので確認を。TYPE1:「とにかく会いたい」とりあえず男性と出会う数を増やしたいという人や、マッチングアプリを気軽な気持ちで楽しみたい人におすすめ。使い始めるまでのステップやプロフィールの登録が簡単でトライしやすく、会うまでのスピード感もウリ。ただ、登録している男性の恋愛に対する真剣度は低い傾向が。TYPE1の人はこのアプリをチョイス!・Tinderプロフィールを判断基準に、直感で「あり(LIKE)」か「なし(NOPE)」かを仕分ける。“3km”など相手との距離が表示され、即会える人を探すのにも便利。・タップル誕生共通の趣味を持つ相手とマッチできる。自分が興味のあるカテゴリーを選ぶと、同じ趣味を持った異性のプロフィールが表示され、アプローチすることができる。TYPE2:「真面目に恋人探し」カジュアルすぎず、結婚相手としても意識できる彼氏が欲しい人向け。年齢や身長、体型、職業、年収、趣味等、細かく絞り込んで検索をすることができ、会う前に相手のパーソナリティが見えやすい。男性は有料の場合がほとんどで、真面目に恋活をしている人に出会える確率が高い。TYPE2の人はこのアプリをチョイス!・Pairs会員数は延べ570万人、4000 万組のマッチングが成立している実績があり、結婚の報告も多い。同じ趣味や価値観を持つ人を探せるコミュニティ機能が人気。・Omiai徹底した年齢確認や、不倫目的の既婚者を通報できるなど、安心して利用できる仕組みが充実しており、本気の恋を探すのにぴったり。30代以上の女性は有料。TYPE3:「結婚を前提に」恋ではなく、結婚を前提とした本気の出会いを求める人はこちら。男女ともに有料のものが多く、その分、真剣度はアップ。プロフィールで相手の結婚観を知れるものがほとんど。恋活を目的にしたマッチングアプリに比べ、メインユーザーの年齢層が30代以上と、少し高いのも特徴。TYPE3の人はこのアプリをチェック!・youbride累計会員数130万人と多く、これまでに2500組の成婚カップルが誕生!“条件”と“価値観”の2 パターンで相手を検索でき、効率よく出会うことができる。・excite婚活今年の6月だけで、3500組以上のカップルが成立。毎日の出来事や趣味などを書いた日記を投稿して、アピールできる機能が人気。定額制なところも安心。澤口珠子さん婚活コンサルタント。自身もマッチングアプリで出会った男性と結婚。そのノウハウを教える著書『はじめての「ネット婚活」』(幻冬舎)が発売中。清田隆之さん恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表として、数多くの女性の悩みを聞いている。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)など。※『anan』2017年8月2日号より。写真・中島慶子イラスト・沼田光太郎取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2017年07月30日出会いの新しい形として浸透しつつある「恋愛マッチングアプリ」。いいな、と思った相手と実際に会うためにはどんなメッセージを送るべき?婚活コンサルタント・澤口珠子さんと「桃山商事」代表・清田隆之さんにお話を伺いました。マッチングはゴールにあらず。まずは一度会って、相性の確認を。「マッチングは出会いのスタート地点にすぎない」と澤口さん。「いいパートナーになるかどうかは、実際に会うまでわからないため、できるだけ早く会いましょう。どんなに見た目や条件が好みだったり、メールが盛り上がっても、会って“違う…”と思うことも。あくまでもメールは、相手の基本情報を知ることと、会う日時の調整のために使うものだと考えて」また、やり取りする相手は1人に固執せず、10人程度と同時進行するくらいが理想的。「出会う前から“この人しかいない!”と盲目的に思い込むのは危険。たとえ相手からの連絡が途絶えても“まぁ、いいか~”と流すくらいの気持ちでいると、傷つくことも少ないはず」(清田さん)メッセージの心得はズバリ…会うための情報収集の手段。だらだら続けるのは厳禁。メールはあくまでも会うためのツール。そのため、「デートまでの時間と労力は少ないほど良く、マッチングから1か月が目標。男性は自分が決めたことに責任を持ちやすい傾向があるため、誘ってもらえるような質問を投げかけて」(澤口さん)。出会いにつながる4つの質問「お休みの日には、何をされてるんですか?」Point:彼の趣味に共感することで一緒に過ごす時間を確保。彼の趣味やライフワークを聞き出したら、“私も興味があるんです。今度、教えてください!”“情報交換しましょう”などと切り出して。相手は趣味に興味を持ってもらえたことに喜び、“一緒にやろうか”と声をかけやすくなる。「よく飲むのは、どのあたりなんですか?」Point:プライベートの行きつけ調査はデート実現への大きなステップ。彼がよく訪れるエリアを聞くことによって、“そのあたりのお店、私も気になっていたんです。おすすめのお店教えてください”“今度、一緒にお店開拓したいです!”と自然な流れでデートをほのめかすことができる。言われた男性も誘いやすい。「お仕事忙しいんですか?いつも何時ごろ終わりますか?」Point:彼のスケジュール感を知り、都合のつく日にちをプレゼン。相手のスケジュールを把握しておくと、都合のいい日時を提案しやすく、デートの日取りがスムーズに決まる。特に、仕事帰りのタイミングは誘いやすい。“私も仕事が終わる時間、調整できます。お仕事帰りにご一緒しましょう”などと、送ってみて。「お仕事先やお住まいは、どのあたりなんですか?」Point:相手の行動エリアを尋ねて、ファーストデートの場所を探る。最初に会う場所を具体的に調整したいときに投げる質問。相手の回答に合わせて、どこでデートをするかを考える。職場が近い場合は、“近いですね!仕事帰りに一杯どうですか?”。遠い場合は“土日に、ゆっくり飲みに行きましょう”と提案を。澤口珠子さん婚活コンサルタント。自身もマッチングアプリで出会った男性と結婚。そのノウハウを教える著書『はじめての「ネット婚活」』(幻冬舎)が発売中。清田隆之さん恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表として、数多くの女性の悩みを聞いている。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)など。※『anan』2017年8月2日号より。写真・中島慶子イラスト・沼田光太郎取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2017年07月30日俳優の神木隆之介が1月22日(日)、東京・渋谷の書店「HMV&BOOKS TOKYO」にて、写真集+DVDブック「Sincérité(サンセリテ)」の“お渡し会”を実施。主催者発表で約2,600人のファンが駆けつけ、「緊張します」と背筋を伸ばした。昨年公開された主演アニメ『君の名は。』の一大旋風も記憶に新しい神木さん。その瑞々しい魅力をギュッと凝縮した写真集「Sincérité(サンセリテ)」がA4ワイド版、ハードカバーでDVDブック付きの特別装丁BOX仕様という豪華さでついにリリース!本人たっての希望でパリ、モン・サン・ミッシェル、そしてバルセロナなどヨーロッパの有名スポットや都市で撮影が行われ、「こんな美しい景色の中に、自分がいるのが信じられない」といまも夢見心地だ。タイトルはフランス語で“真実・真心”といった意味を表しており、「いままでお見せしたことがない、素の表情もたくさん載っているので、『こんな表情もするんだ』と楽しんでいただければ」とアピール。バレンタインデーに話題が及ぶと、「学生の頃は意識していましたけど、いまやただの1日です。あっ、自分で自分に買いますよ。トラックでチョコ?桜蘭高校みたいじゃないです」とジョークを交えて、話していた。2017年も主演を務める『3月のライオン』前後編、人気コミックを実写化する『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』など話題作が目白押し。「毎回、勉強させていただき、成長できる作品に携われるのは恵まれているし、感謝しかないです」としみじみ語っていた。写真集+DVDブック「Sincérité(サンセリテ)」は発売中。(text:cinemacafe.net)
2017年01月22日俳優・神木隆之介が22日、公式Instagramアカウントを開設した。神木は2016年、映画『太陽』主演、映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』出演、さらに大ヒット映画『君の名は。』で主人公の声を務め、2017年には映画『3月のライオン』(前編2017年3月18日、後編4月22日公開)、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(2017年夏公開)を控えている。Instagramでは、本人とスタッフが海外ロケの写真を中心に投稿を行っていく。記念すべき初投稿は、神木による自撮り写真。今後は自撮り動画も予定しており、海外で撮影を楽しんでいる様子を垣間見ることができる。また、30日に神木の新作情報発表が行われることも予告されている。
2016年11月22日共演した声優たちが「瀧がそこで“息をしている”と感じた」と、口をそろえて評した映画『君の名は。』での神木隆之介の芝居――ところが本人にそのことを伝えると、「本当ですか!そんなことを言っていただいていたんですね。嬉しいです」とまるで無自覚な様子で、「僕は、島崎(信長)さんと石川(界人)さんのお芝居を横で聞いていて、声が良すぎて耳が溶けそうでした」と無邪気に言葉を続けたのだった。「芝居のリアルさはあまり…考えていなかったかもしれないです。ただ今回は…新海監督の作品は、実写により近いアニメーションだと思っています。例えばひとりごとのところとか、“もし自分が実写の現場でひとりごととしてお芝居するなら、どういうふうに話すだろう?”というのは、すごく考えました。掛け合いでは信長さんと石川さんが両隣にいて、僕が真ん中だったのですが、画面を通して話しかけるというよりは…司に話すときは信長さんに話しかけているような感じで、高木に話すときは石川さんに話しかけているような感じで演じていました」。それこそが、芝居のリアルさに繋がってくるのではなかろうかと思ったが、神木さんは「信長さんたちが僕を引っ張って下さったので(笑)、すごく安心しました。本当にすごいです、職人です」と心底感心した様子で、ひとりごとのように小さくつぶやいている。なるほど、神木隆之介という役者は基本的には“感覚の人”なのだろう。特に今回主役を演じた『君の名は。』では、いくつかの理由によって彼のセンスがピタリとはまり、立花瀧というキャラクターがより一層鮮やかに、みずみずしく浮かび上がったのではないだろうか。ひとつは、神木さんが新海誠監督の大ファンだったということ。高校生のときに『秒速5センチメートル』と出会い感銘を受け、ほかの作品も全て観たという神木さんは、新海監督が描く世界を“色彩のイメージ”で捉えたうえで、『君の名は。』はこれまでとは少し違ったものになっていると感じたようだ。「これまでの新海監督の作品は、深い色、もしくは白と黒というようなモノクロのイメージだったんです。それが今回、監督の声でセリフが入っているビデオコンテをいただいて観たときに、“なんてカラフルなんだろう!”と思ったんです。表情が豊かというか…楽しかったり、笑えたり、切なかったり、感情がすごく鮮やかになるような作品だなと思いました。しかし、モノローグの節々には、やはり新海監督の独特な間や表現が折り込まれているので最初は、どのぐらい芝居をカラフルにしていいのか、監督とすごく話しました」。そもそも神木さんは、自分の声が新海監督の世界には合わないと思っていたという。「僕は自分の声を、“特徴のある声だな”と思っているんです。というのも以前、ドラマで周りの声を録ったときに、ふざけて入ったら一発でバレてしまったんです(笑)。そのとき、“僕は人と少し違う声質なのかな?”と思ったからこそ、新海監督が描く日常の、あのモノトーンな感じが絶対合わないと思っていました。前作の『言の葉の庭』を観て、次回作が“早く出ないかな”と、とても楽しみにしていました(笑)。いまだになぜ僕が『君の名は。』にキャスティングしていただけたのか、まったく分からないのですが…今作はモノトーンだけではなくて“色分けだ”と思いました。三葉のときはオレンジや黄色の声です。滝のときは青という感じで、モノローグは黒か白かグレー。でもたぶん僕は、モノトーンな声は出ないと思うので、モノローグはとてもがんばりました(笑)。できるだけモノトーンをイメージしながら」。もうひとつ、神木さんがアニメ好きということも大きかった。共演した声優陣について――それまでの会話よりも、わずかに声のボリュームを上げつつ――楽しそうに語る神木さんを見ていると、現場でもイキイキとした表情で、心から楽しんで芝居していたのだろうなあと容易に想像できる。「声優の方々はすごいです。何十回も同じトーンで声が出せますし、監督の指示にも的確に対応して、そこから絶対ブレないんです。本当に職人だなと思います。横で聞いていて“畑が違うって、こういうことなんだろうな”と思いましたし、勉強させていただくことも本当にたくさんありました。勉強させていただきながら、すごい心地良い時間を過ごさせていただきました(笑)。本当にアニメが大好きなので、幸せの場でした」。一方で、アニメが大好きだからこそ、高度な技術を要する声優という仕事を十分に理解していた神木さんは、彼らと同じ舞台に立つことに戸惑いがあったようだ。「役者が本業の声優の方々と一緒に、声に関わる仕事をするのは本当に緊張します。違う畑にお邪魔しているような。なので最初は、すごく緊張していたのですが、信長さんが話しかけてくださって、石川さんが同い年だということが判明して。同じアニメを好きで観ていて、ほぼ同世代で同じようなアニメを辿ってきたという話をしたら、一気に仲良くなりました(笑)。そうやって距離が近くなって打ち解けてから、3人でのお芝居に入れたので…打ち解けられずに“この場を僕はどうしたらいいんだろう?”というようにならなかったので、信長さんと石川さんには本当に感謝しています」。最後に、たくさんのオススメシーンがあることは承知の上で、神木さんに「ネタバレしない程度に」という条件で、『君の名は。』の見どころや、印象に残っているシーンを聞いてみた。「瀧と三葉が入れ替わったときの上白石さんの声がカッコイイです。『あれ、私のことだよね?』と言って机を蹴飛ばすところとかもカッコイイですし。あと印象に残っているところは、歩道橋での奥寺先輩とのシーンです。憧れの先輩と男の子の、絶妙な、理解しあえていない、少しズレた感じっていうのが、やはりリアルだなと思いました。長澤(まさみ)さんの“先輩っぽさ”もすごく良いので、観ていただきたいです。長澤さんとは初めてお会いしたのですが、役者同士だからという違和感も特になかったです。役を通して、きちんと受け入れていただいていたんだろうというのはすごく思いました。ぎこちない感じでもないし、気持ち良く瀧を演じさせていただくこともできました」。これまでいち(熱狂的!?)ファンとして新海監督の作品を観ていたためだろうか、「公開されてから、新海監督のファンの方にどう思われるか、すごく不安です。自分ではやっぱりまだ…客観的に観れないです」と語っていた神木さんだが、みなさんも観ていただければ分かるだろう。新海誠監督の最新作『君の名は。』には、俳優・神木隆之介の溢れる想いがこぼれ落ちそうなほど、詰まりに詰まっていることを。(text:とみた まい/photo:Nahoko Suzuki)
2016年08月27日アイドルグループ・TOKIOのメンバーで俳優の長瀬智也と、俳優の神木隆之介が25日、都内で行われた主演映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』(6月25日公開)初日舞台挨拶に、共演の尾野真千子、森川葵、桐谷健太、清野菜名、古館寛治、皆川猿時、宮藤官九郎監督とともに登場した。同作は、不慮の事故によって地獄に送られてしまった普通の高校生・大助(神木)が、地獄農業高校軽音部顧問で、地獄専属ロックバンド・地獄図(ヘルズ)を率いる赤鬼のキラーK(長瀬)に導かれ、現世に転生するチャンスを狙って地獄めぐりをするというコメディ。宮藤が監督・脚本を務めた。映画にちなんだ「誰が一番鬼か?」という質問に、桐谷と長瀬は神木を指さした。桐谷が「リュウ(神木)はカレーのごはんに対して、ルーをティースプーン1杯しかかけない」というエピソードを披露し、「変態鬼」と命名すると、神木は「ごはんに染み込んでいるルーが好きで」と弁解。長瀬は、神木が地獄で拷問を受けて吊るされるシーンでスタッフに気遣われるも「『いや大丈夫です~』ってすごい爽やかな笑顔で言う」と神木の様子を語り、「最後の方は快感を覚えていたんじゃないかと」と疑惑を話した。相次ぐ"変態"疑惑に、長瀬と桐谷は「みんなからキャーキャー言われるかわいい変態の鬼」(桐谷)「そんなリュウも好きだから」(長瀬)「神木ルーのすけ」(桐谷)と、”神木いじり”が止まらなくなった様子。神木は「鬼ってつけ足しただけでしょう!」「カレー屋さんじゃないし!」と全ての球を打ち返し「ツッコミの鬼」と呼ばれた。また、神木が話し出すと長瀬が急に「お前かわいい顔してるなあ。みんなかわいいって言ってるぞ」と言い出し、客席からも「かわいい!!」と悲鳴が上がる一幕も。2001年に放送されたフジテレビ系ドラマ『ムコ殿』以来の共演となる神木に、長瀬は「本当久しぶりだったので、大人になったな、なんて思いもありましたね。僕も人間じゃなくなって鬼になっちゃったんで。あの頃はまだ人間で一緒にお風呂に入るシーンもあったんですけど」と、しみじみと振り返っていた。
2016年06月25日神木隆之介と門脇麦の主演映画<a href="">『太陽』</a>の公開直前トークショーが4月2日(土)、東京・ヴィレッジヴァンガード下北沢店にて開催され、入江悠監督と原作・脚本の前川知大が登壇し、映画の制作秘話を語った。『太陽』は、2011年に前川さんが主宰する劇団イキウメによって上演された同名舞台に強く惹かれた気鋭の入江監督による実写化映画。人類が、夜にしか生きられない進化した新人類・ノクスと、太陽の下で貧しく暮らす旧人類・キュリオに分かれた近未来で、己の未来を探そうとする若者たちを描く。イベントは、映画化の経緯や、舞台と映画の違い、2人が影響を受けた作品などをテーマにして始まった。入江監督は舞台「太陽」を観劇した際、「ディズトピアに至るちょっと手前の世界かなと思ったところが面白かったんですよね」とふり返った。前川さんに、「『太陽』を観て俳優陣はどう映った?」との質問が向けられた一幕があった。前川さんは「主演の2人はすごくいいなと思いました」と神木さんと門脇さんの演技を絶賛し、「自分で演劇をやったときの俳優さんの顔を思い出すわけでもなく」と語った。前川さんは続けて、神木さんと門脇さんの顔は別作品などで知っていたが、『太陽』を観ているときは、「(知っていたその顔を)思い出すわけでもないというのがありました」と言い、2人の演技に引き込まれたことを明かした。入江監督も、映画化の実現には「神木君の出演が決まったことが大きかったです」と製作秘話を披露。神木さんのキャスティングについて、入江監督は、「彼の明るさといいますか、ポジティブさが映画版の方ではかなり大事だったんですよね」とも。「色々としがらみとか、難しいこともあるかもしれないけど、神木君のような次世代の人であったら突破してくれるかもしれないという思いがありました」と神木さんに期待していたエピソードを語った。前川さんが手がける舞台「太陽」も、5月と6月に東京と大阪で再演される。前川さんは2月に小説版「太陽」(KADOKAWA)も上梓した。イベントではQ&Aコーナーもあり、会場に詰め掛けたファンから、映画『太陽』と舞台「太陽」のどちらを先に観たらよいのかとの質問が出た。前川さんは「ネタバレで面白さを損なうタイプの作品ではないので、どちらでもよいのでは」と回答。入江監督は、「小説から入ったらよいのでは?」と、「太陽」の楽しみ方をファンに“逆提案”していた。『太陽』は、4月23日(土)より角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(竹内みちまろ)
2016年04月03日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○最終回を前に、すでに泣きそうになってますさて、早いもので3月……というかもう4月目前です。コラムというのは書き出しが最も難しいところなのですが、私はこの連載を「もう○月だよ! 早いよ!」というパターン一辺倒で乗り切ってきました。そんな『大学デビューの落とし穴』もこれが最終回。もう1年経ったのかよ! マジで早すぎて怖えよ……。私は今、連載のラストをどんな原稿にするか模索するため、過去の全23回をすべて読み返してきました。そしてちょっと泣きそうになっているところです。大学とは基本的に放任主義の場所であり、誰も何も言ってくれない。そういう環境では、閉じた人間関係の中に引きこもったり、マニュアルを提供してくれる何かに飛びつきたくなったりするのも致し方ない。しかし、「自分と向き合う時間がたっぷりある」というのが大学生の特権であり、恐れずトライアンドエラーを繰り返してみよう(もちろん上手なリスクヘッジも忘れずに)!……というようなメッセージを、我々はここで大学生たちに送ってきたつもりです。手前味噌で恐縮ですが、地味ながらもなかなか素敵なアドバイスではないかと思います。○本当に散々だった私の大学デビューそしてトミヤマさんは前回、「学生の心をケアすることも大学教員の大事な仕事になっている」という近年の傾向を紹介しながら、「失敗しない方法を考えているヒマがあったら、失敗をリカバーする技術を磨いた方がよっぽどいい」と述べました。こんな先輩、俺も大学時代にマジで欲しかったよ……と、ここでちょっぴり涙腺が崩壊しかけたわけです。思えば、私の大学デビューは本当に散々なものでした。中高一貫の男子校に通い、大学受験に失敗。そして浪人時代は毎日朝6時から夜12時まで必死に勉強し、念願の大学にめでたく入学。ここから華やかなキャンパスライフが始まるかと思いきや……待っていたのは敗北感と焦燥感に充ち満ちた日々でした。授業にマジでついて行けない、クラスは女子ばかりで何をしゃべっていいかわからない、知らない人が怖くて新歓コンパに参加できない、だからどのサークルにも入れない、友達が全然できない、金がない、やることがない、コネもセンスも才能もない、ないないない、何にもない……。そして5月の誕生日に、高校時代から2年間つき合ってきた彼女にフラれました。○大学は"いること"をただただ許してくれるしかし、大学というのはとにかく"包容力"のハンパない場所でした。スタートダッシュにつまずいてふて腐れてる私になぞ一切の関心も示さず、図書館で一日中スヤスヤ寝てても、キャンパスのベンチでずっとマンガを読んでても、中高時代の友達を呼んで食堂でダベっていても、一向にお構いなし。こんなことが許されるのって、実は人生の中で大学だけなんじゃないかと思います。中学や高校だと先生に叱られるはずだし、実家じゃ親に心配されるし、会社だったら即効クビになるでしょう。しかし大学だけは、私たちのことを子ども扱いも大人扱いもせず、"いること"をただただ許してくれる。こんな場所、よく考えたら大学以外になかなか見当たりません。私は現在フリーランスの文筆業者ですが、近所の公園で日中ぼけーっと座ってるだけで子連れのママさんたちにビンビン警戒されてしまいます。ああ、何も問わず存在を許容してくれた大学の包容力が恋しい……。○社会は結構"穴だらけ"なところだ!ともあれ、あのころ大学が懐深く放置してくれたことは、その後の人生で決定的に役立っているような気がしています。なぜなら、「素材と環境だけ与えてやるからあとはお前の好きなようにやれ」「困ったら言え。少しは手を貸してやるから」という大学の態度は、実は「社会」そのものだからです。これは大人になって実感していることですが、社会というのはさほど精密にできていません。むしろ結構"穴だらけ"です。学校みたいに厳しい規則があるわけじゃないし、受験勉強のように努力と結果が直結するわけでもない。そもそも何をすれば幸せに生きられるのか、誰も教えてはくれません。社会が提供してくれるインフラやシステムを適当に活用しながら、自分なりに生きていくしかない。ルールは「税金を納める」「罪を犯さない」くらいのもんです。もしかしたら、社会というのは大学以上に放任主義な場所かもしれない。そんな社会を生きる上で役に立っているのが、大学時代のトライアンドエラーです。○人生は何でもあり。だから焦るべからず!はっきり言って、大人になったってトライアンドエラーの連続です。会社に入ったって結婚したってTOEICで高得点取ったって「人生これで安泰!」となるわけではありません。トミヤマさんも「大学が就職予備校化している」と書いていましたが、「社会人に求められる能力を大学生の内から身につけておき、即戦力な人材になってなるべくいい企業に就職しよう!」という風潮がかつてないくらい強まっていることは確かでしょう。そんな中で、一回の失敗を"致命傷"と捉え、だらだら過ごすことやくよくよ悩むことを"時間の無駄"と考えてしまう感性が育ってしまうのも、無理はない話だと思います。でも、社会は案外テキトーだし、人生は思いのほか長い。そんな毎日をたくましく生き抜いていくためにも、大学という懐の深い場所に抱かれながら、ぜひトライアンドエラーする力を磨いていってください。変な自己啓発ブロガーに煽られ、「人脈広げなきゃ!」「コミュ力上げなきゃ!」「英語勉強しなきゃ!」「留学しなきゃ!」「フォロワー増やさなきゃ!」「セルフブランディングしなきゃ!」などと焦る必要はありません。何を言いたいんだかわからなくなってきましたが、要するに「人生は結構何でもあり」ということを伝えたかったわけです。それを知り、少しでも肩の力を抜いてもらえたらなと思います。互いにがんばっていきましょう。一年間どうもありがとうございました\(^o^)/清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radioトミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica
2016年03月30日たった一人の運命の人に出会いたい!そして、“the one”に巡り会えたらハッピーエンド!と言いたいところだけれど、彼と親しくなってからじゃないと見えない部分があるのも事実。「ちょっとでも違和感があるなと思ったら、すぐに撤退する勇気を持つことも大切。せっかく出会えた運命の相手だと思って執着すればするほど、辛い恋から抜け出せなくなります」(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表・清田隆之さん)とくに違和感を感じやすい人の特徴は、いつもスキを見せない人、自己否定感&自己主張が強い人、母親を尊敬していない人の4パターン。その他にも、「男性はプライドが高いので、女性のほうが収入が多かったり、社会的評価が高い格差カップルは、性格的に相性がよくても破綻する確率が高いです」(合コン、婚活アナリスト・松尾知枝さん)では、運命の相手との恋を長続きさせる秘訣とは?「ほとんどの男の人は甘えたがりで、常に女の人に母性を求めています。男性が居心地のよさを感じ、心から安らげるような環境を作ってあげることが、“the one”を手放さない秘訣かもしれません」(松尾さん)こんなところがあったら要注意!? 逆チェックリストをまとめました!■いつもスキを見せない。「常にポジティブなことしか言わず、SNSにもかっこいい内容しか投稿していないような人は、本音が見えづらく、心の距離がなかなか縮まりません」(松尾さん)■自己否定感が強い。「自己否定感が強い人は、一緒にいる女性のことも褒めようとせず、必ずダメなところを探してきます。長く一緒にいたいなら、自己肯定ができる人を」(松尾さん)■自己主張が強い人。「自己主張が強いのは、自分に自信がない証拠。女性の出世などをネガティブに捉えるので、高め合えないどころか、足を引っ張られる可能性があります」(松尾さん)■母親を尊敬していない。「一番身近にいる異性の母親に対してネガティブなイメージを持っていると、結婚後、それがそのままそっくり自分に返ってきます。DVの危険性も大」(松尾さん)◇きよた・たかゆき恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。失恋ホストとして恋の相談を受けたり、恋愛コラムの執筆も。著書は『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)。◇まつお・ちえ合コン、婚活アナリスト。婚活支援サービス「Precious美女塾」運営。著書は『3ヶ月でベストパートナーと結婚する方法』(かんき出版)など多数。※『anan』2016年3月23日号より。イラスト・3rdeye文・菅野綾子
2016年03月18日恋に迷走中のあなたへ。本当に大切なのは、自分とぴったり合う人を探すことです。運命の相手とは、実はもう出会っている可能性も。最高の「たった一人」への道のりを歩み始めましょう。「人は、相手のルックス、スペックのランクが自分より上、と思う人に対して、勝手に運命を感じ、執着してしまう傾向があると思います」(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表・清田隆之さん)しかし、本当の運命の相手、すなわち“the one”とは、「ずっと一緒にいられるかどうかがポイント。基本的に恋人というのは、食事、買い物、旅行など、日々の行動を誰よりも多く共にするパートナー。つまり、相性が大事なんです」(清田さん)具体的に“相性”とは、「一緒にいて楽かどうか。人は誰かと一緒にいるとき、相手に合わせて間隔やペースなどをチューニングしようとします。つまり、そのチューニングの幅が狭ければ狭いほど、相性がいいということになるんです」(清田さん)そんな相性のいい相手を見つけるためにまずやるべきことは、「自分を知ること。自分はどういう価値観をもっているのか、これだけは譲れないと思うポイントは何なのか、自分の考えを明確にすることが大切です」(合コン、婚活アナリスト・松尾知枝さん)けれど、たとえ相性のいい相手が見つかっても、ゴールはまだ先。「自分が一方的に好きというだけではなく、あなたを心から愛し、幸せにしてくれる相手かどうかを見極めることも大事です」(離婚カウンセラー・岡野あつこさん)相性がよく、あなたを大切にしてくれる男性に出会えたなら、それは間違いなくあなたにとっての“the one”です♪◇きよた・たかゆき恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。失恋ホストとして恋の相談を受けたり、恋愛コラムの執筆も。著書は『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)。◇まつお・ちえ合コン、婚活アナリスト。婚活支援サービス「Precious美女塾」運営。著書は『3ヶ月でベストパートナーと結婚する方法』(かんき出版)など多数。◇おかの・あつこライフアップカウンセラー、夫婦問題研究家。結婚相談所(AZCOブライダルサロン)の運営も行っている。著書に『幸せな結婚がしたいなら年収350万円の男を育てなさい』(牧野出版)など。※『anan』2016年3月23日号より。イラスト・3rdeye文・菅野綾子
2016年03月18日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○大学教員にとっていま一番大事な仕事とは4月から桃山商事・清田くんと続けてきたこの連載も、あっという間に1年が経とうとしています。時の流れ、早すぎやしないか……。「もうすぐ2年生になる君たち! 1年間ついてきてくれてありがとう! 大学デビューもそろそろ卒業だね!」と明るく送り出したいところなのですが、今回は、ちょっと重い話をしようと思います。「大学教員にとっていま一番大事な仕事は、研究でも教育でもなくて、学生を死なせないことだ」という話を聞いたことがあります。大学は研究機関であり、大学教員は研究者ですから、一番大事なのは研究です。そして、研究を教育という形で学生に還元することも大事。しかし、いまは学生の心のケアも大事な仕事になりつつあります。大学に馴染めないことで、引きこもり状態になり、そのまま退学したり、ひどい場合は自分を殺す方向に行ってしまう学生がいるからです。こういう学生は、たいてい真面目ですし、つねに正しさを求めています。「適当にやり過ごす」ということができません。平均的な学生像をはみ出してしまった自分を許せないのです。○何度でも仕切り直していい大学が就職予備校化していることもあって、レールを外れることなく真面目に学ぶ&正しく生きることばかりが重要視されている現状を、わたしは不安に思っています。真面目に正しくやった奴だけが報われるべきである、という考えもあるでしょう。でも、不真面目でも、正しくなくても、報われることはあります。欠席しまくりなのに学生コンパの仕切りだけはやるとか、論文を酷評されてもヘラヘラしているとか(わたしです)、そういう人間でも、ちゃんと社会人になれるし楽しく生きられるのに、そういう「ダメなりの報われ方」がまるっと「無いこと」にされるのは、ちょっと違うような気がするのです。大学というのは、人生の中で「人と同じじゃなくてもなんとかなる」ことを知るための場所だと、わたしは考えています。何かを学ぼうという気持ちがほんの少しでもあれば、ぼっちだろうと、留年しまくろうと、構わないのです。どんな奴がどんな風に学ぼうと自由。それが大学のあるべき姿です。本連載は「なんでも要領よくこなせるキラキラ系学生は相手にしない」と決めてスタートしました。それよりも「ちょっとしたことで躓いてしまう学生にそっと手を差し伸べたい」と思っていました。ですから、1年生の終わりに「まだ大学に馴染めないな」とか「大学デビュー失敗したわ」と思っているひとには、「何度でも仕切り直していいんだよ!」と言いたい。キャラ変してもいいし、転部を考えてもいいし、大学では適当に過ごして外での活動を頑張ってもいいし。べつに最初の1年間で作った自分に縛られる必要はありません。むしろ、変わっていいのです。自分に一貫性がないことを、あまり恥じないでください。○真面目さと正しさを求めすぎないわたしには苦い思い出があります。学生時代のことなのですが、すごく仲の良かった友だちが、みんなの前から姿を消してしまったのです。勉強がうまくいかなかったのかも知れないし、恋愛がうまくいかなかったのかも知れない。家庭になにか問題があったのかも知れない。でもその友だちは、誰にもなんにも相談しないで、いきなり音信不通になってしまいました。「うまくいかない原因」を知られて、これまで築き上げてきた「優秀だしモテる」というリア充キャラが崩壊することを恐れているように見えました。それは若さゆえの恐れであって、30歳を過ぎれば、笑って再会できるだろう。そんな風に思っていました。でも、いまだに音信不通のままなのです。あのとき、どんな言葉をかければよかったのだろうと、切ない気持ちになることがいまだにあります。教員になってからも、同じようなことがありました。優秀な学生の中に、最後の課題が出せないひとがいます。授業中の発言などで「あいつできるぞ!」というイメージがつくと、それを守ることに必死になってしまって、身動きがとれなくなってしまう。教員からすれば、できる奴でもC評価食らうことはあるよ、ぐらいの気持ちなのですが、本人は絶対A評価を貰わないといけないと思い込んでいる。でも、必ずA評価を貰えるかどうかは、フタをあけてみるまでわからないわけです。そうなると、欠席を繰り返し、課題の提出をせず、敢えて「不可」を食らう作戦に出る。BよりCより、いっそ不可の方がマシだと思うのでしょう。この手の学生を救うのは、なかなか難しいというのが、正直なところです。失敗することや、挫折すること。これを学生時代に受け入れることができれば、後の人生でかなり強みになります。積極的に失敗しろ! とはいいませんが、用心してたって失敗するのが人生だということを、分かっておいて損はありません。失敗しない方法を考えているヒマがあったら、失敗をリカバーする技術を磨いた方がよっぽどいいのです(そのためのちょっとしたヒントを1年かけて伝えてきたつもりです)。いつまでも新品同様みたいな人生はない。傷つき、汚れ、使い込むほどに味が出る人生を目指すべきです。ピカピカの大学1年生にはちょっと想像がつかないかも知れないけれど、10年もすれば、きっとこの言葉の意味がわかりますから、とりあえず、真面目さと正しさを求めるあまり自分を責めたり殺したりする方向はナシでいきましょう!トミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radio
2016年03月16日羽海野チカの人気コミックを実写化する映画『3月のライオン』で、神木隆之介が主演を、大友啓史が監督を務めることが発表になった。映画は前後編の2部作で、2017年に公開される。その他の情報『3月のライオン』は、中学生で将棋のプロとしてデビューした桐山零が、将棋の世界を通じて様々な人々に出会い、自身の居場所や家族、夢を獲得していく様を描いた作品。「元々大好きな原作なので、お話を頂いた時は本当に嬉しかった」という神木は「大人気の原作なので、大きなプレッシャーはありますが、原作の中にある温かさを出せたらいいなと思っています」とコメント。『るろうに剣心』でも神木とタッグを組んだ大友監督は「ずっしり重い孤独を背負いながら人生と真正面から向き合い、自分の足で立とうとする主人公・桐山零の姿は、僕の中でいつの間にか、俳優・神木隆之介君と重なっていました。『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』以来、彼の成長ぶりに触れるのがとても楽しみです」と意気込みを寄せている。また、原作者の羽海野も「棋士である主人公の“身の内にライオンが棲む男の子”を神木隆之介さんに演じていただける事が本当に嬉しくて、待ち遠しい気持ちでいっぱいです」とコメント。実写化が発表になった際には、ネットで神木が主演予想に挙がることが多く、ファンも原作者も監督も期待を寄せるキャスティングになったようだ。映画は今月末から撮影を開始する。『3月のライオン』2017年 前編、後編2部作 全国ロードショー
2016年03月16日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○もうすぐフレッシュな新入生がやってくる……今年は年始からビッグニュースが目まぐるしく入れ替わり、2月の中旬には春一番も吹き荒れました。何とも慌ただしい序盤戦となりましたが、大学1年生のみなさんはいかがお過ごしでしょうか。この時期は大学入試も終盤に差しかかる頃。ちょっと前まで初々しい新入生だったみなさんも、もうじき先輩になるわけです。早いですね。恐ろしいですね。ぼやっとしてるとあっという間に春が来て、キャンパスを占拠するフレッシュな若者たちに嫉妬心を抱くようになるかも……。そうならないために、私からもイケてる先輩になるための必読書を5冊紹介させていただきます。○つき合いやすいのは"弱い先輩"!? 岡田美智男『弱いロボット』(医学書院)本書はロボット研究者による著作ですが、ここに登場するのはPepparやルンバのような高性能ロボットとは真逆の、「役立つ機能が特にない」という風変わりなロボットたちです。例えば本書で紹介されている「ゴミ箱ロボット」は、自分でゴミを拾えません。できるのは、センサーでゴミを見つけて近づくのみ。しかしおもしろいことに、これを見たまわりの人間がゴミを拾ってくれ、結果的に掃除という目的を果たしてしまうのです。つまり、機能の不完全さが他者のアシストを引き出した、ということです。弱い、危うい、つたない、他力本願──。これらは一般的にネガティブな要素と捉えられがちですが、著者はここに新たなコミュニケーションの可能性を見出しています。役割意識や固定観念にとらわれず、自分の弱さや不完全さを認め、後輩たちとしなやかなつながりを作ることができる……。そんな先輩を目指してみるのもありでは?○イケてる先輩は誘惑の構造を見抜く デイミアン・トンプソン『依存症ビジネス――「廃人」製造社会の真実』(ダイヤモンド社)スマホゲーム、クレジットカード、SNS、カップケーキ。これらはみな身のまわりの生活に溢れているものですが、実は人を"依存症"に陥れる恐ろしいものだとしたら……。本書は「依存症」をキーワードに、現代社会のヒット商品やコンテンツを分析していきます。その根底にあるのが「人を病みつきにさせて購買させる」というビジネスモデル。いわく我々は、「やめられないもの」や「つい手を出してしまうもの」に囲まれて暮らしているというわけです。確かに、思い当たる節はありますよね。知らず知らずの内にハマり込んでしまうのが依存症の恐ろしいところですが、大事なのは「背後にあるビジネスモデル」に目を向けるという視点です。問題を社会構造から読み解こうとするのが大人の姿勢です。イケてる先輩になるために、ぜひ本書で視野を広げる訓練をしてみてください。○"幸せ上手"な先輩を目指して エリック・ワイナー『世界しあわせ紀行』(早川書房)自分が幸せに生きるためには、何が必要なのか。それをちゃんと知ってる"幸せ上手"は男女問わず人にモテると思いますが、そのための参考になるのが本書です。これは世界各国の「幸福観」を調査したジャーナリストによる旅行記です。例えばアイスランドは日照時間が極めて短く、国土のほとんどが凍っているような場所ですが、失敗を「名誉」と捉える国民性があり、人々の幸福度は総じて高いそうです。逆にスイスは裕福で国のシステムもしっかりしていますが、特有の勤勉性が「退屈」に通じ、人々の幸福度は低めだそうです。本書を読んでいると、自分と近しい幸福観を持った国、逆にまったく理解できない国が見えてくるはずです。ぜひ、世界を旅しながら自分自身を見つめてみてください。○これからの男子は「ボーイズトーク」を! 桃山商事『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)手前味噌で大変恐縮ですが……自著もぜひご紹介させてください。本書は桃山商事のメンバー(男子3名)が、これまで見聞きしてきた恋バナを紹介・分析していく鼎談集です。タイトルにある「二軍男子」とは自分たちのことですが、旧来的な男性像(プライドが高く、自分のことを変えようとしないメンズ)から脱却しようという気持ちを込めてつけた言葉でもあります。長年女性たちから恋バナを聞いていると、「男のダメな部分」をこれでもかというくらい直視させられます。しかし、それを直視することがイケてる男子への道だとも思います。モテ自慢やエロトークではなく、自分たちの弱さやダメさについて語り合うボーイズトークをぜひ!○可笑しくも哀しい人間賛歌! いましろたかし『初期のいましろたかし―ハーツ&マインズ+ザ★ライトスタッフ』(小学館)最後の一冊は思いっきり私の趣味なのですが、マンガ家・いましろたかしさんの初期作品集をぜひオススメしたいと思います。ここに登場するのは、生き方のヘタクソな人ばかり。誠実に生きているのにまったくモテない、一生懸命働いているのに非正規雇用で未来が見えない、頑張って勉強しているのに公務員試験に受からない……。そのまっすぐで不器用な生き様が可笑しくも哀しくて、心の琴線と笑いのツボを一気に刺激してきます。いましろ作品には、浮ついた消費社会への批判精神が根づいています。その中で翻弄されながら生きる人間たちを描きながら、社会の不条理をえぐり出していきます。これが描かれたのは90年代ですが、現在にも十二分に通じる内容だと感じます。いましろマンガを読めば、人にも自分にも優しくなれるような気がします。とにかくとんでもなくおもしろいマンガなので、騙されたと思って読んでみてください!……以上5冊です。どれもイケてる先輩になるための心構えを学べる良書なので、ぜひトミヤマさんのブックガイドと一緒に、自分なりの先輩像を模索するための参考にしてみてください。清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radioトミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica
2016年02月17日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○春休み中におすすめの本は2月頭から3月終わりまで続く大学の春休みは、長い上にこれといった宿題もないため、夏休み以上のお得感がありますよね! ちなみに、教員は採点とか入試などの業務がてんこ盛りなので、本格的な春休みはごく短いです(泣)。以前、夏休みには「とにかく本を読め!」とアドバイスしました。なので、春休みも長くて難解な本をどんどん読んで欲しいのですが、そればっかだと疲れちゃいますよね。ということで、もうすぐ新入生を卒業し「先輩」となるみなさんにうってつけの本を紹介したいと思います。なにも「こういう先輩/後輩関係が理想的」などと押し付けるつもりはありません。むしろ「いろいろな先輩/後輩がいる(いていい)」ということを知ってくれたら幸いです。○憧れの先輩との距離感が絶妙 又吉直樹『火花』(文藝春秋)漫才師として天才的なセンスを持ちながら、どこまでも不器用な先輩「神谷さん」を、後輩「德永」が観察し続ける物語。借金まみれ、恋愛も中途半端。面白さを追求する姿勢はカッコいいけれど、ときどきやりすぎて、みんなを引かせてしまう……そんな神谷さんに憧れとほんのちょっとの侮蔑を感じている德永。この「ほんのちょっとの侮蔑」というところがポイントです。德永は、先輩を盲目的に信仰したりはしないのです。先輩は神様じゃないし、先輩と自分の人生は、どれだけ密接にかかわりあっていても別物。好きだからって全肯定すればいいというものではないし、逆に、ちょっと相容れないところがあっても、それで絶縁するなんてバカげている。芸人の世界は特殊ですが、それでも、德永の人間関係調整力からは学ぶべき点がたくさんあると思います。○強引な先輩と出会ったら? ジュール=ベルヌ『海底2万マイル』(講談社青い鳥文庫)言わずと知れた少年小説の大傑作。ですが、大人になってから読むと、「とんでもない先輩に振り回される後輩の話」として読めます。潜水艦ノーチラス号のネモ艦長は、好奇心旺盛なアナンクロス教授を乗せ、世界の海をかけめぐります。が、ネモ艦長はなかなか行き先を教えてくれないし、潜水艦から逃げ出したらダメだというし、どこまでも強引。でも、アナンクロス教授が不満たらたらかというと、そうでもないんです。むしろ、これまで見たこともない光景を見せてくれた艦長に感謝している部分も。面白いのは、教授がネモ艦長との冒険旅行について「人々がこの話しを信じてくれようが、くれまいが、わたしにとって、それは、さして問題ではない」と語っていること。この承認欲求の薄さ、すごすぎ。ふつう、誰かに振り回されるとつい愚痴りたくなるし、貴重な経験をさせてくれたら、みんなに自慢したくなりそうなものですが、アナンクロス教授はあえて「自分とネモ艦長」の関係だけを見て、そこから得られるものだけを得ようとするのです。強引な先輩の言いなりかと思いきや、ひそかに経験値を上げている……アナンクロス教授、デキる男です。○人生のモチベーションを引き上げてくれる先輩 林真理子『野心のすすめ』(講談社現代新書)「低め安定」志向の若者を叱咤激励し、とにかく野心を持て、上を目指せと煽りまくってくる一冊。わたし自身「え~、そんなに頑張りたくないよ~」と思いながら読みはじめたのですが、読み終えるころには「野心、だいじ!」とすっかり考えを改めました。彼女の熱心な読者とはいえないわたしでも、こんなに心動かされるのですから、林真理子は「人生の先輩」として、かなり優秀だと思います。なんといっても、就活で40社以上から不採用を食らったところから今日の地位を築き上げ、有名になってからは数々のバッシングに耐え、仕事で結果を出し続けているのですから、説得力がハンパない!○プロ後輩になって先輩から学ぼう 石塚真一『BLUE GIANT』(小学館ビッグコミックススペシャル)本作は、一流のジャズミュージシャンを目指して奮闘する青年「宮本」の物語なのですが、彼が「プロ後輩」みたいなひとなんです。彼と関わったひとは、どういうわけかみんなイイ先輩になってしまう。それは、宮本が人間を好きで、人間を信じているから。「このひとと付き合うことにメリットがあるのか?」といったコスト感覚で人間関係を選択してしまうことってあると思うのですが、宮本にはそれがないんです。そういうコスト感覚をぶっ壊した先に、ものすごい人的財産があることを、彼は本能的に見抜いているのかも。これがプロ後輩のスキル……わたしも宮本の力でイイ先輩に仕立て上げて貰いたいものだよ……。○規格外の先輩に惚れる 加賀まりこ『純情ババアになりました』(講談社文庫)女優・加賀まりこのエッセイ集なのですが、びっくりするほど一般人の暮らしからかけ離れており、たいへん痛快です。父親の仕事の関係で小さな頃から勝新太郎と知り合いだったとか、20代で芸者あそびをしていたとか、妊娠が発覚してすぐにシングルマザーになると決めたとか、もう、人生の全てが、洒脱で、潔くて、かないません。なるべく失敗しないように、なるべくレールから外れないように生きる慎重派のみなさんにしてみれば、彼女の人生はまるで他人事かも知れません。が、わたしは本書を読むと「規格外の人生でも、なんとかなる」と感じ、なんだか安心します。人生、いくら用心していても、予想外のことが起きますが、加賀まりこマインドがあれば、もしすっ転んだとしても、ひとより早く立ち上がれる。慎重派のひとこそ、彼女を「いざという時に頼れる先輩」と思うべきだと思います。……全5作品、いかがだったでしょうか? ここから先輩/後輩関係を知るヒントをうまいこと引き出せたら、あなたの先輩/後輩力がアップするのはもちろん、読書力もアップしているハズですよ。トミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radio
2016年02月03日男性から誘われないと、「私モテないわ…」と沈みがち。でも、モテは自分で作るものなのです。そこでおすすめなのが、女子から狩りに行く“恋愛ハント”。総研アンケートでモテの期待度2位だったのが、ホームパーティやバーベキューなど友達の友達たちが集まる場。いわゆる「友達の紹介」に対する信頼はやはり厚い。「一応、恋愛目的に集まっているわけではない場。男モテを意識しすぎず、その時間を皆と楽しむことに主眼をおいて」(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表・清田隆之さん)「SNSでも繋がっている人同士が集まっているなら、特に周りのウケも重視して」(トレンド評論家・牛窪恵さん)おしゃべりや食事を楽しみながらも、ちょっとした行動が他と差をつける鍵に。具体的な場面ごとに提示される2つの道。モテに繋がるのはどちらの選択肢?■問1:学生時代の友達の家で鍋パ。友達の同僚や、友達の彼氏の友達など、大人数が集まった。宴もたけなわというとき、より好印象な行動は?A. 食卓でみんなと談笑し、友達との思い出話などをして盛り上げる。B. キッチンに入って追加の食材を切ったり、洗い物をしたりする。正解:Bその後も付き合いがある仲間内で、わかりやすく男性の印象に残ろうとしたりするのは逆効果。「男性は、女性ウケもいい人を選んで『見る目のある人間』と周囲に認められたいもの」(牛窪さん)。話題の中心を狙うよりも、健気に裏方役をこなして「いい子」感を出して。■問2:会社の同期に呼ばれて参加したバーベキュー。知らない人も多く来ていて、その中に気になる人を発見。彼にも自分を意識してほしいとき、どうする?A. 彼と仲良く話している男性に話しかける。B. 気になる彼に直球で話しかけに行き、一緒に飲もうと誘う。正解:A気になる人にどう話しかけるかをとかく考えがちだけど、「男性が控えめなご時世とはいえ、まだ同性間での競争意識はある。あえて目当ての彼の隣の人に接近して、彼の競争心をあおるのが◎」(牛窪さん)とのこと。標的を定めたら、少し的から外れたところから攻めるとよし。◇うしくぼ・めぐみトレンド評論家。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ)ほかTV番組やマーケティングで活躍中。近著『恋愛しない若者たち』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は5刷に。◇きよた・たかゆき恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。失恋ホストとして恋のお悩み相談を受けたり、恋愛コラムの執筆を行う。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。※『anan』2016年1月20日号より。写真・森山祐子イラスト・泰間敬視文・重信 綾
2016年01月16日性別問わず全方位的に好かれるのも大切だけれど、やっぱり乙女の心は恋を求めているのです。男性にモテたいと思うのは女子のサガ。しかし、恋は待つものでなく、狩りに行くものです。そんなハンターガールがハントに出る前におさえるべし!教官のモテ格言をご紹介いたします。■自分はブスだと仮定してみて。「本当にブスかどうかではなく、“もし自分がブスなら、この行動でモテるか?”と考えてみてください。きっと“ブスなら明るいほうがいい”“話は面白いほうがいい”と、自然とモテるためにすべき動きが導き出せますよ」(お笑いコンビ「相席スタート」・山崎ケイさん)■指ツンは最強♪「経験上、人さし指でツンツンと男子をつつくワザは効果絶大。笑顔でかわいらしく行うことが大事です。隣に座っている人にはもちろん、遠くにいる人に“エアツン”をしてアプローチするのも効果的。相手は喜びます」(モデル、タレント・IVANさん)■堂々とした態度で臨もう。「世にはセフレ候補や“ワンチャン”狙いの男がいて、彼らは自信のなさそうな女性を獲物にします。“男に気に入られなきゃ”とオドオドせず、“ダメならそれでいい!”くらいの堂々とした自分らしい態度で臨んで」(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表・清田隆之さん)◇やまざき・けいお笑いコンビ「相席スタート」として活動中の芸人。“ちょうどいいブス”を掲げ、モテテクを指南するネタが人気。『PON!』(日本テレビ)に水曜レギュラーとして出演中。◇アイヴァンモデル、タレント。『有吉反省会』(日本テレビ)など数多くのTVや雑誌で幅広く活動中。著書に『IVANTITY-これが私の生きるRUNWAY-』(ワニブックス)が。◇きよた・たかゆき恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。失恋ホストとして恋のお悩み相談を受けたり、恋愛コラムの執筆を行う。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。※『anan』2016年1月20日号より。写真・森山祐子イラスト・泰間敬視文・重信 綾
2016年01月15日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○ますますキツくなる"クリぼっち恐怖症"いよいよ12月も残すところあとわずかになりました。まもなくクリスマスを迎えますが、世間が浮かれムードに包まれる一方、"クリぼっち恐怖症"に苛まれている人も少なくないと思います。かつては「一緒に過ごす恋人がいない」ということが問題の中心でしたが、最近はSNSやパーティ文化の浸透もあってか、「楽しむ仲間がいればオッケー」という風潮になりつつあります。ただし、これはプレッシャーを緩和させるものではなく、むしろ「恋人どころか一緒に過ごす仲間すら見つからなかったら余計にみじめ」という不安を生み出したという意味で、クリぼっち恐怖症はますますキツくなっていると言えます。さて、トミヤマさんは前回「偏ることを恐れると何もできない」と書きました。2年次からの専門課程を選ぶにあたり、「なんでもできそう」な道を選ぶと結果的に「なんにもできない」事態に陥ってしまう、だから思い切って偏ってみようと、そう説いたわけです。実はこれ、ぼっち問題にもかなり通じる話だと感じます。そこで今回は、話題を人間関係にまで広げて考えてみたいと思います。○クリスマスに一人ぼっちはなぜ怖いのかクリスマスというのは、多くの人間が「誰と過ごすか」を一斉に考えさせられる機会です。関心の有無に限らず、その火の粉は万人に降りかかります。どんなスタンスを取ろうと、強制的に意識させられてしまうのがクリスマスの厄介なところです。では、このイベントを一人ぼっちで迎えることが、なぜこんなにも「つらいこと」とされているのか。これは単に「さみしいから」というだけの話ではありません。その根底には、おそらく「否応なしに自分の居場所を意識させられてしまうから」という、極めて実存的な理由が関わっているように思います。我々は基本的に、いくつかのコミュニティに属しながら暮らしています。大学1年生であれば、地元の幼なじみ、中学や高校の友達、大学のクラスメイト、サークル、バイト先、趣味のつながりなど、関わりの濃淡が異なる複数の所属先があると思います。こういった中で、みんな一斉に「誰と過ごすか」を考えさせられるのがクリスマスというわけです。すると、どうなるか。ここで人々の脳裏に浮上するのが、「本当の帰属先(=ホーム)はどこなのか?」という問いです。○「アンチ・クリスマス」の集いは実はリア充?これを考えるのは、案外恐ろしいことです。もちろん、確固たる所属先がある人は問題ないでしょう。自分もそこをホームだと認識し、相手も同じ思いだと確信できる。こういった関係がひとつでもあれば安心だし、「恋人」というのもそのひとつでしょう。問題は、これに確信が持てないときです。いろんなコミュニティに所属してるものの、どの所属先でも「自分はコアメンバーである」と胸を張っては言い切れない……。自分が仲良しだと思っている人には、自分よりももっと仲良しの人がいるかもしれない……。結局のところ、自分にはホームと呼べる人間関係などないのではないか……。こういった不安をあぶり出してしまうのがクリスマスというイベントなのです。だから、例えば毎年クリスマスの時期になると「アンチ・クリスマス」を唱えたイベントやデモ行進などが行われたりもしますが、これを「イデオロギーを共有する仲間たち」という視点で見れば、実はわりとハッピーでリア充な集いであることがわかります。これに比べれば、つながりに自信の持てないコミュニティのクリパに参加する人の方が、実存的な不安はずっと大きいはずです。否応なしに「本当の居場所はどこか?」と問いかけられてしまう……。これこそが"クリぼっち恐怖症"の正体ではないかと思うわけです。○人間関係でも「とりあえず偏ってみる」今の大学生はしばしば「マジメ」「バランス重視」「損することを嫌がる」といった傾向を指摘されますが、これは人間関係の作り方にも当てはまるような気がします。日常生活を快適に過ごすためには、人とのつながりが不可欠です。刺激や癒し、有意義な情報などを得られるし、孤独や不安を埋めてくれるといった効能もあります。しかしその一方で、人間関係は面倒くさいものでもあります。コミュニケーションというのは心身にそれなりの負荷がかかるし、それを維持していくためには、お金や時間といったコストを払う必要があるからです。これを要領良くやろうとすると、様々なコミュニティに「浅く広く」関わることで、なるべくデメリットを背負わずにメリットを得るようなつき合い方や、他者とのコミュニケーションを可能な限りSNSなどのオンライン上で行い、リアルな時間とお金はすべて自分自身に投資するといった方法が選択されがちです。コミュニティにしても、コアメンバーとしてイベントや飲み会を"運営"するより、誰かが作ってくれた場に"乗っかる"方が効率的だと見なされます。しかし、実はこういう「コスパ重視」の心構えこそが、クリぼっち恐怖症の原因となる実存的不安へとつながっているのです。トミヤマさんも言うように、何ごとも「浅く広く」というのは意外に難易度の高いもの。様々なコミュニティを渡り歩き、面倒を背負わず器用に生きていくことももちろん可能だと思いますが、その"税金"としてついてまわる「結局のところ、自分はどこにも所属していないかもしれない……」という不安は、案外バカにならないものです。では、どうするか。トミヤマさんと同じ結論になりますが、人間関係においても「とりあえず偏ってみる」ことをオススメします。損得を考えず、とりあえずどっぷり関わってみる。その結果、リターンも面倒も倍になります。そういう時間やコストの堆積が帰属意識の形成につながるかもしれないし、どこかの地点で「自分の居場所はここではない」と感じるかもしれない。どちらにしろ、そこまで行ければしめたものです。必ずや、確固たる仲間や、逆に「自分は一人の方が好きかも」という確信が得られるはず。って、何だかやけに説教くさい話になってしまいましたが……クリぼっちは自分の生き方を見直すチャンスということで、目をそらさずその不安に浸ってみて!清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radioトミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica
2015年12月23日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○「なんでもできそう」の罠12月です、師走です。師=教員も大忙しのシーズンですが、学生だっていろいろと忙しいですよね。クリスマスや年末年始のお楽しみで忙しいだけでなく、この時期は、2年生からの専門課程をどうするか決めねばならない大学が多いため、そっちで頭を悩ませているひともいるハズ。ということで今回は、失敗の少ない進級の仕方について考えてみたいと思います。AコースとBコースの2択です、ということならわりと話は早いのですが(それでもかなり悩むとは思いますけど)、5つも6つも選択肢があると、当然一発では決められなくなってきますよね。「やりたいこと」がハッキリしていない学生ほど、悩む時間も長引いてしまいます。その結果「なんでもできそう」なコースの人気が高くなるわけですが、これは大いなる罠です! 気をつけて!「やりたいこと」がまだよくわからないから、いつか「これだ!」となったときに、なんでもやれるような、いろいろなジャンルの学問が学べるマルチなコースにいれば安心……その気持ち、痛いほどよくわかります。実際、マルチなコースの人気は年を追うごとに高まってきています。○「なんでもできそう」は「なんにもできない」しかし「なんでもできる」は、かなりの確率で「なんにもできない」と直結しています。たとえば、和洋中なんでもあるバイキング(ビュッフェ)を想像してもらいたいんですが、あれって結局、料理がどれだけ美味しくても、自分で皿に盛りつけた瞬間から素人感丸出しのゴチャゴチャプレートになっていくじゃないですか? なにこれ、エサ? みたいな感じになってるひと、いっぱいいますよね?あれをキレイに盛りつけるには、相当のセンスと鍛錬が必要。それと同じで、マルチなコースを選択するのであれば、それを使いこなすだけのセンスが学生の側にないとダメなんです。そして、いまの時点で「やりたいこと」が見つかっていないようなぼんやりさんは、たいていそのセンスを持っていない!……となると、マルチなコースには、一部のセンスある系学生と、その他大勢のぼんやりさんが集まってくるのであって、そこで繰り広げられるのは、センスある系学生の台頭と、彼らを見て劣等感を募らせるぼんやりさんの凋落。この格差をみることほど、教員にとって辛いことはありません。だから言いたい。ぼんやりさんこそ偏っておけ! と。バイキングよりもまずはフレンチのコースだけをがんばって食べなさい! と。じつはわたし自身、過去に苦い経験をしているのです。学部生のころ(法学部でした)、なんとなく偏りの少ないコースにいたほうがいいだろうと、自分では賢い選択をしたつもりで民法コースに進み(憲法や刑法はマニアックというイメージが支配的だったため)、その中でもさらに柔軟性が高いことで知られるゼミに入ったのですが、もう柔軟性が高すぎて、「○を極めました」と言えることがなにひとつない!いや、副幹事長として運営とかは相当がんばった……コミュ力もアップした……それは嬉しいけど、でもそれって、ほかの場所にいてもできたことだし、もはや学問関係ないんですよね。いまから考えたら著作権法のゼミとかに入っておくべきだったとわかるのですが、後の祭りでございます(泣)!○ぼんやりさんこそ偏りが必要他のことならともかく、学問に関して、最初から「浅く広く」ができる学生は、そう多くありません。就職への不安などから、ついあれこれ学べるコースに惹かれてしまいそうな時こそ、そうした環境を本当に使いこなせるかどうかを己に問うてみてください。そして、ぼんやりさんに偏ってみることをオススメする理由がもうひとつあります。それは、一回がっつり偏っておいたほうが、本当にやりたいことを見つけやすいということ。ここでいう「偏る」とは、ある系統だった学問領域について専門的に学んでゆくことを指していますが、その過程でかならず「これ向いてる!」「これ無理!」と思う瞬間が出てきます。向いてることに気づけたら、儲けもの。そして無理なことに気づくのも、とてもいいことです。何が好きで、何が嫌いか、何が得意で、何が苦手か。得意を伸ばす方がいいのか、苦手を減らす方がいいのか……こうした自己分析はすべて「とりあえず偏ってみる」ことでしかはじめられないのです。偏るとか、ある一定の型に嵌められる、というのは、抑圧されることです。しかし、抑圧があってこそ、そこから自由になろうとする強い心が育まれると、わたしは言いたい。キツすぎて病んじゃうほどの抑圧からは全力で逃げるべきですが、筋トレだと思えるレベルの抑圧については、引き受けておくに越したことはありません。たぶん、みんな将来が不安なんだと思います。だから自分の中にいくつもの可能性を持っておきたいんだと思います。しかし、偏ることをむやみやたらと恐れるひとより、己の偏りを知り、得意分野ではバリバリ活躍して、苦手分野では誰かに頼ることを恥ずかしがらないひとの方が、重宝されるし、愛されます。なぜ愛されるのか? それは「偏り」というのが「個性」の別名だからです。学生としてどんな偏りを身につけられるか、いかに面白く&チャーミングに偏っていくか。そこを考えることが何より大切なのではないでしょうか。トミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radio
2015年12月09日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○高校の文化祭とはまったくちがう「学祭」11月になりました。学祭シーズンの到来です。開催日が近づくにつれて学内全体がザワついてゆくあの感じ、お祭り大好き人間にとってはたまらないことでしょう!また、お祭りなんか嫌いだという人も、学祭に合わせた臨時休講があったりして、夏休みがもう一度戻って来たかのような高揚感を味わえますから、文句は言えませんよね。学祭が中学・高校の文化祭ともっとも異なるのは、できることの規模がデカかったり、幅が広かったり、ということ。全てが先生の許可のもとに進んでいく文化祭とは違って、学祭では、予算の組み方から、出し物の内容まで、かなりの部分を学生だけで決めることができます。そして、学生の身分でありながら「プチ社会人」として外部の人たちとやりとりすることで、経験値を上げたりもできます。とくにイベントサークルなどは、芸能人やミュージシャンを呼んだりできるので「学生なのにこんなデカいことできた!」という達成感を味わえます。バイトやインターンもプチ社会人だと言えますが、その多くは日常的な業務の域を出ません。それに対して、学祭はその名の通りお祭りなので、非日常的だし、苦労もあるけれど、基本とても楽しい。楽しくて経験も積めるなんて、めっちゃお得! ということで、イベントサークルは大変人気があるようですが、かなり危ういところがあるのもまた事実です。○「学生だから」は自分から言ってはいけないたとえば、依頼時に「学生の企画だからノーギャラで」と言い出す学生がけっこういますが「学生=貧乏=ノーギャラ」という図式を素直に信じる大人なんて、そうそういません……。だいたい、イベントが成功したら、打ち上げと称してひとり3,000円くらい使って飲み会とかやるワケじゃないですか。そのお金があるのなら、ギャラ払えるよね? という話です。もしノーギャラでもOKしてくれる人がいたとすれば、それはものすごい聖人君子……である場合はごく少なくて、たいていは、仕事としてではなくボランティアとして、学生のプチ社会人ごっこに付き合ってくれているのだと考えるべきでしょう。まぁ宣伝になるからいいや、ぐらいのテンションで、やっつけ仕事をしている場合も少なくない。相手が学生だろうとなんだろうと、ちゃんと仕事がしたいと思っている人ほど、「学生企画だからノーギャラで」という態度に疑問を持っています。このことについては、文筆家の岡田育さんが「どうして彼らは「お金」を払いたがらないのか」という大変すばらしい文章を書いてらっしゃいますので、各自チェックするように!「少ないかも知れないけどギャラは払います!拙いかも知れないけど社会人と同じように動きます! よろしくおねがいしゃっす!」という気合いを見せてくれたら、多少のことは許せるし、なんなら応援だってしちゃうんですよ、大人は。「学生だから」と言うのは、学生側が言っていい言葉ではないのです。それは、大人たちがあなたたち学生を慰め、励ますために使う言葉なのです。○「社会人気取り」として記憶に残らないためにしかし! プチ社会人ぶりを批判されたくないからといって、決して小さくまとまってはダメですよ! 学生のうちにちょっと背伸びしてプチ社会人的なことをするのは、決して悪いことではありません。野心的な学生は、掛け値ナシに、とてもいいものです。野心的といえば、わたしの大好きな安野モヨコさんの『働きマン』(講談社)の第13話に、こんなセリフが出て来ます。たいていのヤツはボールを「入社」に向かって投げるから/最高でも「届く」で普通はもっと手前で落下する/ところが目標を「入ってから何をするのか」「どうなりたいのか」に設定すれば/自ずと遠くへ投げるから結果として「入社」は飛び越えているこれは就職活動に関することなので「入社」というワードが入っていますが、ここを「イベントの成功」に変えてみてください。イベントがやれればなんでもいいとばかりにいい加減なことばかりする学生の球は、確実に手前で落ちます。でも、目標を遠くに定め、全力で球を投げれば、見える世界は大きく変わります。わたしにも経験があるのですが、イベントを企画した学生が、その後社会人になってかつてのゲストに再会し「ああ、あの時の君か!」となることや、それが新たな仕事につながることは珍しくありません。つまり、「あの時がんばってた君」として好意的に思い出してもらえるか「社会人気取りだった君」として思い出されてしまうかは、過去の自分がどんな球を投げていたかにかかっています。「学生だから」と甘えたことを言えば言うほど、再会したときに恥ずかしい思いをする可能性が高いのです。逆に、めちゃくちゃ失敗して怒られたとしても、あくまで大人のスケールでがんばってさえいれば、再会の恥ずかしさは半減します。たかが学祭、されど学祭。プチ社会人としての投球スタイルには十分注意してください。なお、学祭に一切関わらず、家でゴロゴロしている諸君。君たちもある意味で正しい。どうせ卒業すれば、嫌でも大人の世界で、大人のスケールで生きていくハメになるのですから。全力で学生時代を学生らしく生きるのも、アリだと思います……と学生時代1度も学祭を経験せぬまま大人になってしまった(大学の都合で学祭がなかった)わたしからお伝えしておきますね。ではまた来月!トミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radio
2015年11月04日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○幸福の最大の敵は嫉妬さて、10月です。後期が始まりましたね。2か月の夏休みを経て戻ってきたキャンパス。あまりに日が暮れるのが早くなっていて、私は毎年その時間感覚のズレに戸惑いを覚えていました。油断してると一年が終わるよ!「嫉妬が卑屈を呼ぶ」というトミヤマさんのお言葉、心に刺さりましたね……。当時の私は完全にそんな感じでした。嫉妬というのは、自分と他人を「比較」することによって生じる心の動きです。そして、世界の"幸福度"を研究した『世界しあわせ紀行』(エリック・ワイナー/早川書房)という本によれば、「幸福の最大の敵は嫉妬」なのです。当時の私は、まさに周囲の学生との"比較地獄"とも言うべき苦境に陥っていました。それは「勝ちも負けもできない」という地獄で、「二度とあの頃には戻りたくない!」と強く思う理由のひとつです。そこで今回は、同じような苦しみを味わっている大学1年生がいるかもしれないと思い、何かの参考になればと、当時の生活を振り返ってみたいと思います。○上には上が、下には下が……私は早稲田大学の第一文学部(今はもうありません……寂!)というところに入学しました。高校は東京のパッとしない中堅校で、現役時代は受験に全滅。当時の成績からはとても早稲田なんて想像できるものではなかっただけに、我ながら浪人時代はがんばったなと思います。しかし、「憧れの早稲田だワーイ\(^o^)/」となったのも束の間。待ち構えていたのは、マジで授業についていけない日々でした。特にフランス語の授業では、予習しても復習してもチンプンカンプンで、単位を取るのに4年かかりました。なのに、クラスメイトたちはホント平然と100点を取っていく。デキの違いを痛感しました。勉強がダメなら今度は……と、私は別の何かを探しました。自分の強みは何か。人と違うところはどこか。己の個性とは何か。そういうオリジナルなものを求め、いろいろともがきました。が、しかし。スポーツをやろうと、カルチャーに走ろうと、必ず上には上がいる。何か特定の分野に詳しくなろうとしても、一歩分け入ればどんなものにもマニアがいるし、「文章なら書けるかも」なんて思ってライティングの授業を選択しても、すでに詩や小説を書いてる人がバンバンいて、追いつける気がしない。ついには「チキショー、もう何もねえ!」とヤケになり、飲んだくれたり授業をサボったりと自堕落な生活に突入しかけましたが……ここもすでに激戦区で、飲み方のすごい人、サボり方がハンパじゃない人が、うじゃうじゃいる。完全に八方塞がりでした。○「自分は普通」という屈辱の自己認識「男性学」の研究者である田中俊之さんによれば、男性が自身の「男らしさ」を証明しようとするとき、そこには「達成」と「逸脱」という2つの方法があるそうです。意訳すると「エリートかアウトローになることで"俺アピール"を試みる」ということになると思いますが、勝つことも負けることもできなかった私は、そのどちらにも失敗した感覚がありました。そして待っていたのは……「俺、めっちゃ"普通"じゃね?」という自己認識の受容です。喉から手が出るほど個性が欲しかった人間にとって、これは屈辱以外の何ものでもありませんでした。でも、納得感がハンパなかった。自分に特別なところなんて何もない。100点を取る能力はないけど、0点を取るほどの極端さもない。そこそこ器用で、小心者で、バランスを気にし、すぐに眠くなる……。当時の私は、そういう"普通"な自分とまわりの人間を比べまくり、嫉妬心にかられ、卑屈になっていました。○雑多な自分を認めてあげよう!こうして当時を振り返ってみると、何てバカなことで悩んでいたんだろうと思います。こういう"比較思考"に囚われてしまうと、たとえ学校で一番足が速かったとしても、極端に言えば「でもどうせウサイン・ボルトには勝てない」という発想になってしまい、どこまで行っても自分を認めてあげることができない。それは自分に酷なことだと思います。そんな状態では恋愛だってうまく行くはずはなく、自信がないからアプローチできないし、せっかく仲良くなってくれそうな女子がいても、「自分はいかにモテない男か」を必死にアピールして敬遠されるという謎のサイクルを繰り返していました。確かに、劣等感や競争心はときに強いエネルギーを生みますが、それが自己の幸福につながるかというと、はなはだ疑問です。そして、まず自分で自分を幸せにしてやれないと、まわりの人々と良好な関係を築くのも難しい。トミヤマさんは「天才からバカまで、いろんな学生がいる雑多さを楽しんで欲しい」と書いていますが、これはそのまま自分自身にも当てはまることだと思います。「自分は天才か!」と思える瞬間もあれば、「何て自分はバカなんだ」と死にたくなる瞬間もあるでしょう。でも、そういう雑多さを認めることが、「自分の一部分だけを取り出して人と比べてしまう」という極めて一元的な発想から脱却する契機になるような気がしています。自分は自分が簡単に説明できるほど簡単な存在ではない! ということで、ひとつよろしくお願いいたします。清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radioトミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica
2015年10月21日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○嫉妬が卑屈を呼ぶ状態は危険10月になり、後期の授業がはじまったわけですが、その前にありましたよね……そうです! 成績発表です! 好成績に喜ぶ者、思わぬ不可を食らい悲しむ者、あれだけ頑張ったレポートがなぜC評価なのか1ミリも納得いかない者……みなさんの顔が目に浮かぶようです。それにしても、不思議だと思いませんか? 大学というのは、一応「同じくらいの偏差値集団」で構成されているハズじゃないですか? それなのに、成績発表というフタをあけると、引くぐらい成績に差がある。もちろん、同級生の中には、上位校に落ちた人も、まぐれで受かっちゃった人もいるんですが、そこを考慮に入れたとしても、成績にかなり開きがあるように思えてならない。受験勉強をがんばって、やっと入った大学で、またしても周囲に差をつけられることを「理不尽だ」と思う気持ち、わたしにはよく分かります。わたしも「浪人中あんなに勉強したのに、入学してたった半期でこの差かよ!」と憤りましたもの! 理不尽!いつもだったら「悔しい……巻き返してやる……」と思えたんでしょうが、長きにわたる受験勉強で精も根も尽き果てていたので「がんばる気も起こらない」というのが本音。そのままズルズルとサボり上手になったわたしは、留年こそしませんでしたが、必修の単位をいくつか落としました。「理不尽だ」「がんばる気も起こらない」といったネガティブモードに突入してしまうと、留年の危険性が高まりがちですが、それよりも危険なのは、デキる学生に嫉妬してしまうこと。そして、嫉妬のあまり、卑屈になってしまうこと。ここをいかに避けるかが、学生生活を楽しくする上で、非常に大切です。○「優秀ではない自分」を受け入れる教員の立場から言わせてもらえば、少人数講義やグループワークの場で、決してコミュ障というわけではないのに、他人との能力差にビビってしまい、授業に出て来られなくなる学生が一定数いますが、非常にもったいないことです。「優秀ではない自分」に耐えられないのかも知れませんが、教員から見れば、その学生が気にしている能力差なんて、ほんの僅かな、気にするだけバカらしいものです。逆に言えば、優秀に見える学生だって、別の授業、別のグループワークの場では平凡な学生として扱われる可能性があります。まあ、教員から見ればその程度の差なんだと思って、とにかく気を楽にしてください。大学に入ってからは、ナンバーワンよりオンリーワンを目指すべきだと、わたしは思います(心のBGMは『世界に一つだけの花』でお願いします)。もし、自分を「大したことない」学生だと感じたなら、その「大したことなさ」を役立てる方向で考えてください。とくに、グループワークなどでは、上を目指すだけの優等生集団ではなく、多様性を目指す雑多な集団の方が、圧倒的に面白い結果を残します。そして、本当の意味で優秀な学生というのは、その雑多な環境を作り出し、楽しむことができるのです。自分以外に頭のいいヤツがいるなら「あえて凡人の係を引き受ける」つもりで動いたらいいのです。のび太がいて、出来杉君がいるから、『ドラえもん』は面白いのです。出来杉君しか出て来ない話は、国民的長寿番組にはならない! みんな、のび太になれ! あるいはジャイアンになれ! しずかちゃんでもいい! アニメのたとえがわからないのなら、バンドでたとえましょう。ドラムしかいないバンドより、ギターがいて、ベースがいて、ボーカルがいるバンドの方が、いろいろな曲が演奏できる! 当たり前!○「勉強できる系バカ」にならないためにつまり何が言いたいのかというと、大学に入ったら偏差値至上主義にしがみつくのをやめた方がいい、ということ。これは、優秀な学生にこそ言っておきたいことです。勉強ができるだけじゃダメ、ゼッタイ。あえて凡人の立場から「バカだからわかりませーん!」「知らないので教えてくださーい!」と言える(イヤミでなく言える)チャーミングな人間になって欲しいのです。そして、天才からバカまで、いろんな学生がいる雑多さを楽しんで欲しいのです。学力ではなく、人間力を高めろと言いたいのです。これは、司法試験や国家公務員を目指す優秀な学生に囲まれつつ4年間を過ごした落ちこぼれ法学部生からのお願いです。模擬裁判とかで「いやそれ、普通のひとには分からないから!」と言う係を引き受け続けた(バカであるがゆえに重宝された)、わたしからのお願いです。でないと、新入社員歓迎会の挨拶で「なぜわたしは優秀なのに希望の部署に入れなかったのでしょう?」と言い出す「勉強できる系バカ」になってしまいますよ。というか、これは本当にあったこわい話なんです……そりゃあ同期の中では優秀だったのかも知れないけど、会社にはあんたより優秀な先輩が一杯いるよ……むしろあんたは今一番下っ端だし一番使えない子だよ……。でも、優等生タイプの学生というのは、わりと視野狭窄なので、うっかりこういうことを言って冷笑を買ったりするものなのです。こわい、こわすぎる。大学に入ってたった半期で成績に差が出るように、この先の人生、どこに行っても差が開き、「できない方」に振り分けられる可能性があります。そのたびにプライドを傷つけられ、引きこもっていたら生きていけません。向学心があること、上を目指すことは大事ですが、もっと自分の中にチャンネルを作り、時と場合に応じて使い分けていくことが、より大事なことなのです。バカにも天才にも、貧乏にも金持ちにも、良いヤツにも悪いヤツにもなりながら、学生生活をサバイブしていってください。頼みましたよ。トミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radio
2015年10月07日佐藤健と神木隆之介が、「anan」1972号の表紙に登場。「彼と一緒に東京観光。」と題した特集で、2人と揃って東京デートをしているかのような豪華シチュエーションが実現していることが分かった。さらに本誌には野村周平、中川大志、高杉真宙、志尊淳、葉山奨之ら最旬若手俳優たちも“デートシチュエーション”で登場しており話題を呼んでいる。今回、表紙を飾る佐藤さんと神木さんは、共にアミューズ所属の俳優。プライベートでも交流があるという2人は、過去に佐藤さん主演『るろうに剣心 京都大火編』『るろうに剣心 伝説の最期編』で対峙するキャラクターとして競演。10月3日(土)より公開される『バクマン。』ではW主演を果たし、その最強タッグに注目が集まっている。本誌の巻頭ページでは、豪華にも佐藤さんと神木さんが2人揃って登場!東京駅から日本橋、人形町を2人がリアルに歩き、街の風景や買い食いなどを楽しむ様子を激写。「2人と待ち合わせして、3人でデートした」気分を味わえること請け合いだ。さらに本誌内では、若手俳優たちと東京の様々な場所でデートをしている気分が堪能できる「彼と東京」特集を掲載。月9ドラマ「恋仲」で、福士蒼汰と本田翼との三角関係を見事に演じ、『ライチ 光クラブ』『ちはやふる』と話題作の公開が待たれる野村さんとは、下町散歩デート。東京のレトロな喫茶店を満喫したのは、ドラマ「南くんの恋人~my little lover~」や「監獄学園-プリズンスクール-」、主演映画『通学シリーズ 通学途中』など今後出演作目白押しの中川さんと、ドラマ「表参道高校合唱部!」出演の高杉さん、そして「烈車戦隊トッキュウジャー」や「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」出演で話題の志尊さんに。連続テレビ小説「まれ」出演で注目を浴び「サマー・ストーカーズ・ブルース」で主演を果たす葉山さんだ。ほかにも、10月期ドラマ「おかしの家」出演の勝地涼、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』が公開中の三浦貴大、『星ガ丘ワンダーランド』主演の中村倫也らが登場する。いまをトキメク俳優たちと東京デートを妄想体験できる本誌は、ファン必携の一冊となりそうだ。「anan」1972号は現在発売中。(text:cinemacafe.net)
2015年09月29日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○桃山商事に届く女子の相談内容9月といえば、太陽も日に日に短くなり、一年も終盤戦へ突入していこうとするタイミングです。世間は秋冬モードにシフトする一方、大学生はまだ夏休みの最中。毎年この時期になると、焦りとのんびり気分が入り混じった、何とも落ち着かない気分で過ごしていたことを覚えています。さて、そんな大学1年生の9月。トミヤマさんは自身の恋愛体験を元に、「人として」他者と接することの重要性を教えてくれました。これは、特に男子学生にとって非常に耳の痛い言葉ではないでしょうか。ていうか、ぜひとも耳を痛めて欲しい言葉です。なぜなら、大学生男子の恋愛は、しばしば相手を「人として」見ない傾向にあるからです。桃山商事がやっている「失恋ホスト」という活動は、今から14年前、私が大学生のときに始まりました。これは「女子の恋愛相談を複数の男で聞く」という怪しげな活動なのですが、当時、下記のような相談を山のように聞いていました。・つき合った途端、彼氏が怠慢になった・彼氏が部屋に入り浸り、半同棲状態になっている・彼氏が全然話を聞いてくれない・彼氏の嫉妬や束縛が激しく、息苦しい・別れたいのに、彼氏が全然応じてくれない○彼女は俺のもので、いつも俺を受け入れてくれる……いかがでしょう。身に覚えのあるものはありませんか?ありますね。きっとあるはずです。私にもめっちゃあります/(ToT)\これにはおそらく、構造的な背景が存在します。高校までの生活に比べ、大学生になると自由度が格段に高くなる。親からの干渉も減るし、外泊もしやすい。一方、大学は基本的に“放置プレイ”なので、何をするにもすべて自分次第。そういう環境にあって、学生はしばしば目的を見失い、孤独をこじらせる。そんな中で恋愛が始まると、相手に対する依存度が高くなってしまう──。特に男子学生は、「男同士で悩みや弱さを開示できない」という謎のジェンダー規範があるため、感情的なケアを女子に求めがちです。これで恋人がひとり暮らしでもしていたらさあ大変。彼女の部屋に入り浸り、トミヤマさんが言うところの「閉じた恋愛」になっていきます。その果てに……先に挙げたような事案が多発するわけです。怠慢になるのも、話を聞かなくなるのも、束縛するのも、すべて「彼女は俺のもので、彼女はいつも俺を受け入れてくれる」という意識が原因です。端的に言って、これは彼女を「人として」見ていないから起こること。彼女を「女として」しか見ていない。もっと嫌な言い方をすれば、恋人を「セックス付きのママ」と捉えている節すらある。もう偏見上等で言いますが、男の中には「女子に幻想を抱く」と「女子を下に見ている」が同居しています。さらに所有意識があり、その所有権は永続すると思い込んでいます。それは母親に対する感覚と同じです。俺は自由に生きたいけど、彼女にはいつも家で待ってて欲しい。いつも見てて欲しいけど、いつも見られてると鬱陶しい。彼女は俺の世話をするのが大好きで、俺を脅かすようなことは絶対にしない。俺の浮気は大目に見てくれるけど、彼女は絶対に浮気しない……。そう思い込んでいる部分が、我々男には少なからずある。切ないことですが、これは認めざるを得ない事実です。○「色恋だけではない男女関係」を築くためには当然ですが、恋人は「セックス付きのママ」じゃありません。そんな態度で接していると、必ずどこかで愛想を尽かされます。そして、我々男はそうなって初めて事の重大さに気づき、彼女に泣きつきます。でも、時すでに遅し……。一度決意を固めた彼女たちの心は、もう戻ってきません。そうならないためにも、みなさんにはぜひ相手を「人として」見られる人間になって欲しい! 方法はさほど難しくありません。自分自身を知り、相手の話をよく聞く。まずはこれだけちゃんとやれば大丈夫です。恋愛をすると、自分という人間が否応なしに立ち現れます。自分の好み、自分の癖、自分の立ち位置、自分の価値、自分の本性……。そこでは「見たくない自分」ともたくさん出会いますが、目を背けず、真正面から向き合ってみてください。トミヤマさんが「相手の役に立つ」という恋愛観を獲得できたのも、「ありのままでは決してモテない」という冷静な自己分析の結果でした。そして、とにかく相手の話をよく聞いてください。特に男子は、「口説くために女の話を聞く」とかじゃなくて、現代文の問題を解くように、相手の言おうとしていることは何か、想像力を駆使しながら聞いてください。そうすれば、彼女たちが一人ひとりバラバラな個性を持った人間であることがわかります。そうなればしめたものです。恋人と多面的なつき合いができるようになるし、女友達にしても、「かわいい」「ヤリたい」という貧困な判断基準に引っ張られることなく、「この人とは趣味について語り合う仲間になれそうだ」とか、「この人とは一緒に活動するパートナーになれそうだ」とか、いろんな可能性を模索できるようになるはず。トミヤマさんの言う「色恋だけではない男女関係」とは、そういうものを指しているのだと思います。自分と向き合う時間がたっぷりあり、なおかつ身近にいろんな異性がいる大学時代というのは、その修業に打ってつけの時期です。そんな感じで、ひとつよろしくお願いします\(^o^)/清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radioトミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica
2015年09月22日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○時間の流れが突如速くなる「カレンダーの錯覚」いよいよ8月も後半に突入しました。毎年、お盆を過ぎると時間が一気に加速するような感覚を抱きます。これはなぜなのかと考えたところ、ある仮説に行き着きました。それは「カレンダーの錯覚」という現象です。一年が始まったとき、私たちは「1月始まりのカレンダー」で時間を認識しています。ところが年度が変わると、いつの間にか時間感覚が「4月始まりのカレンダー」へと切り替わります。夏休みと言うと何となく"真ん中"のような感覚がありますが、それは「4月始まり」での話。忘れがちですが、実はすでに2015年も3分の2が終わろうとしているわけです。おそらく、お盆を境に時間感覚が「4月始まり」から「1月始まり」に戻るのではないか……。それで、真ん中だと思っていた8月が"後半のなかば"であったことを突如認識し、はしごを外されたような気分になる。そして、ここから一気に年末へと時間がばく進していく──。これが「カレンダーの錯覚」という仮説です。すいません、だから何だって話ですね。○現代社会に広がる"実用至上主義"の風潮さて、トミヤマさんは大学1年の8月を「人生のうちでもかなり自由度の高い夏休み」と書きました。さしたる義務もプレッシャーもなく、目の前にはあり余る自由が広がっている。だから時間のかかる読書に挑戦し、マニュアルの整備されていないバイトに勤しみ、目的のない旅に出よう──と、そうアドバイスしてくれたわけです。これを読んで、「ホントその通りだよ!」と、自分も首がもげるほど頷きたい気分になりました。なぜなら、これは超絶"現代的"な助言だと感じたからです。私は以前、印刷物の制作会社に勤務し、様々な大学のパンフレットを作る仕事に携わっていたことがあります。数多くの学生や教職員の方々にインタビューさせていただいたのですが、そこで感じたのは、"実用至上主義"とでも呼びたくなるような傾向の存在でした。例えば授業のカリキュラムには、「TOEICで何点取れる」「○という資格が取得できる」といった具合に予め目的が設定されていました。また、短期留学やインターンのプログラムにも、「こんな体験ができます」「就職に有利な○力が身につきます」とメリットが具体的に明記されていました。そうしないと、学生が集まらないのだそうです。○実用至上主義の"副作用"を回避するためには?勉強も、インターンも、アルバイトも、旅行も、「○のために」する。あらゆるアクションには目的やメリットが設定されており、それがないもの、あるいはコストに見合ったリターンを得られないものは、すべて「無駄」「意味がない」となってしまう……。これが先に"実用至上主義"と呼んだ考え方であり、大学に限らず、この風潮は近年ますます強まっているように感じます。確かに効果はわかりやすいし、「コスパが高くてお得!」と感じられるのかもしれません。しかし、一方でこれは非常に息苦しい考え方だと思います。なぜなら、そこには「余裕」「遊び」「猶予」「余地」といったものが全然ないからです。例えば「関節がガチガチに固い人」や「内部構造に遊びのない建造物」を想像してみてください。……どうでしょう。衝撃を吸収する余地がないため、転んだり揺れたりしたときにものすごく弱そうですよね。実用至上主義も、イメージ的にはそんな感じだと思うわけです。自由を与えられても、何をすればいいのかわからない。イレギュラーな事態が起こると、心身がフリーズしてしまう。失敗すると一気に崩れてしまうし、教えられてないことはできないし、誰かに指示されないと動き出すことができない……。これは実用至上主義の悪しき"副作用"だと思うわけですが、こういった事態を回避するためにも、ぜひ身につけたいのが「探索能力」です。○探索能力=「自分なりに何とかする力」探索能力──。それは自分で意味を見出したり、自分なりに筋道を立てたり、推理したり、試行錯誤したり、状況に適応したりする力のことです。料理に例えるなら、「レシピ通りに材料を用意して調理する力」ではなく、「冷蔵庫の中にある具材で何かを作れる力」というイメージです。トミヤマさんが提示してくれたアイデアは、まさに探索能力を鍛えるにうってつけだと思います。よくわからない本を我慢して読み進めてみる。すると徐々に理解が進んできて、自分なりの意味や解釈が生まれたりする。あるいは、個人経営のお店で非マニュアル系のバイトをしてみる。最初は何をすべきかわからなくても、仕事の流れやまわりの人たちを観察する中で、やるべきことや改善すべき点が段々と見えてきたりする。そういうことが確実に起こるからです。つまり探索能力とは、「自分なりに何とかする力」のことです。確かに具体的で即効性のある能力じゃないかもしれませんが、これをしっかり磨いておけば、就職にも、仕事にも、恋愛にも、人間関係にも、めちゃくちゃ役に立つと思います。さらに、何よりこれがあると、人生が楽しくなります。「未来のために現在を犠牲にする」のが実用至上主義のスタンスだとしたら、探索能力とは、「今この瞬間と向き合う」ためのものだからです。よく考えたら、人生とは"今"の連続でしかありません。それと向き合い続けるのは労力の要ることですが、面倒くささの先にしか楽しさはありません。時の流れが速く感じられて焦るのは、おそらく「何もしないまま一年が過ぎちゃうよ!」という恐怖心が原因でしょう。それを防ぐには、やはり"今"という時間と向き合い続け、自分なりにそのつど意味を見出していくより他はないと思うわけです。そのためにも、ぜひ探索能力を磨いてみてください。「自由すぎる夏休み」の今こそ、その最大のチャンスだと思うので!清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radioトミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica
2015年08月19日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○過去最高に自由な夏休み8月。待ちに待った夏休みです。大学1年の夏休みは、人生のうちでもかなり自由度の高い夏休み。受験勉強から解放され、仮に宿題があったとしても、過去最高に少ない(小学生の方がよっぽど大変)。就活や卒論に時間を取られることも、まだない。どうしたらいいかわからなくなるほどに自由!むしろ自由すぎる!「この自由を存分に謳歌してください、以上!」と書いて終わりにしてもいいのですが、今から挙げるポイントを押さえておくと、よりよい夏休みになりますよ。まず、文系理系関係なく「ヒマな時はむちゃくちゃ難しい本を読む」ことを習慣化してください。本は、難しければ難しいほどイイです。全く意味がわからなくても、数行読んで寝ちゃってもいいので、とにかく拾い読みをしつつ通読してみてください。「一体なんの意味があるのか?」とお思いでしょうが、これは大変意味のあることなんです。というのも、ひとは大人になるにつれ「仕事などで必要な情報をコンパクトにまとめた本を必要に迫られ急いで読む」ことに時間を取られるようになっていきます。それは「情報収集」ではあっても「読書」ではない。○社会人になると本を読むのがしんどいつまり、情報を受け取るだけで終わってしまって、自分なりに本の内容を解釈したり、そこから新しいアイデアを生み出したりといったことがどんどんできなくなっていく。「そんなこと言ってないで、大人になってからも「読書」を頑張ればいいじゃないか」と思うでしょう? でもね、なんかもうダルさに負けるんですよ。仕事で必要な本を読んだら、あとの時間は寝たりとかゲームしたりとかしたいの。わたしの周りの真面目なサラリーマンたちもそう言ってますので間違いありません。難解な哲学書や、一生かかっても読み終わらなさそうな本(『失われた時を求めて』とか)を手もとにおいて、たっぷり時間を使い、あーでもないこーでもないと考えることは、ヒマな若者だからこそ行使できる特権であり、最高の「思考の筋トレ」です。興味のある本、面白い本を読むのも悪くないのですが、超軽装で富士山に登るみたいな「無謀な読書」をした方が、思考力は確実にアップします。「わからない」ことに立ち向かうことで、思考力が鍛えられてゆくんですね。さらに付け加えておくと、老眼になると活字を読むのがしんどいので、読書は若いうちにするに限る。このことは、わたしも上の世代からさんざん言われており「まさか~」とか言っていたのですが、最近「みんなが言っていたのはこれか……!」と戦慄しております。となると「いいコンディションで本を読めるの、あと何年よ?」という話になりますよね。わたしが今36歳で、そこそこキツくなってきていますから、ハッキリ言って明日は我が身ですよ……。「無謀な読書」はヒマな若者の特権、という意味がわかっていただけましたでしょうか?それと同じような話なのですが、歳を取ると過酷な旅行ができなくなってきますので、インドとか行きたいひとは早めに行っておいて! 青春18きっぷで鈍行列車の旅をするのも忘れずに! 社会人になってお金に余裕ができてからあちこち行こう、とか考えないで、行けるときにできるだけ遠くまで出かけて行く。これも、大学生のうちにやっておきたいことのひとつです。○おすすめは非マニュアル系バイト「読書とか旅行してるヒマなんかない! バイトしなきゃ!」という方にも、是非オススメしたいことがあります。それは「マニュアルが完備されてる系のバイトを避ける」こと。マニュアル系バイトは2年生以降のお楽しみにとっておいて、とにかく自分で考え、判断しなければいけないことが多い非マニュアル系バイトを選んでみてください。めちゃくちゃ鍛えられますから。できれば、将来就きたい仕事に関係がありそうなバイトを選ぶとさらにいいと思います。本格的な就活の前にバイトとして業界をのぞき見することは勉強になりますし、ここで肌が合わなくても今からなら余裕で進路変更できてしまいます。もし肌が合えば、いつか「1年の時から業界に興味をもってバイトをはじめた自分」として就活戦線に出て行けますし、もしかしたら就活を経ずにバイトから正社員になる道もあるかも知れません。ちなみにわたしは「編集っぽいことやりたい!」という漠然とした願い(実際に何をやるのかは知らないけど憧れてた)を口にし続けていたら、知り合いが編集プロダクションのバイトを紹介してくれて、そのバイトをけっこう長い間やった後、フリーライターになって、今に至ります。フリーになる上では、やはり非マニュアル系のバイトで柔軟な働き方をしていたことが有利に働いてるなと感じます(クライアントには色々なひとがいますからね)。○「社会人目線」に気をつけろ!ただし! 非マニュアル系バイトに慣れてくると「もう社会人みたいなもんだ」という気持ちになってきて、うっかりすると周囲の学生を見下す嫌なヤツになってしまうのでご注意を。実際、大学で教えていると「ひと足先に社会を知ったオレがお前らにアレコレ教えてやるぜ~!」的な学生が一定数現れますが、その多くは空気の読めないひとであり、つまり学内で友だちができにくいひとであり、そして社会の側からは「あくまで学生」と思われていることに気付いていない、イタいひとでもあります……仕事にやりがいを感じるのは結構ですが、調子に乗るとロクなことになりませんから気をつけましょう。このようなポイントを押さえつつ、でもまあ、クーラーの効いた部屋でアイスを食べたり、朝方寝て昼過ぎに起きたり、恋愛にハマって我を忘れたりもしてください。「勉強という足枷」がないと、自分がどこまでダメになってしまうのか知っておくのも悪くありません。なんといっても、大学1年の夏休みは、この先2度と訪れないかもしれない「自由すぎる夏休み」なのですから。トミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radio(イラスト:谷口菜津子)
2015年08月05日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○他者との距離感をキチンと測れる人間になろうぜ!7月といえば、夏が本格化する季節。ところが今年は、どうにもひと月遅れで梅雨が来ているような空模様で、浮かない気分のまま試験期間に突入してしまった1年生も多いと思います。でも大丈夫。テストが終わる頃には晴れてっから! みなさんには無事に試験を乗り切って、海に祭りに花火が待ってる夏休みへと思い切りダイブして欲しいと思います。さて、そんな7月。トミヤマさんは大学教員らしく、問い合わせメールに関するマナー講座を臨時開講してくれました。毎年学生たちから何百通ものメールを受け取る“現場の先生”ならではの、極めて実践的な指摘だったと思います(お、俺もメールの書き方を見直さねば……)。何が実践的だったのかというと、これが単なる「ハウツー」の話に終始していない、という点です。「こういうシーンではこういうメールを打ちましょう」と、ある種の“正解”を示してあげることはもちろん大事です。しかし、もっと重要なのは、「なぜそうする必要があるのか?」という部分を自分なりに納得することだと思います。トミヤマさんがここで強く訴えたかったのは、おそらく「他者との距離感をキチンと測れる人間になろうぜ!」ということです。適切な距離感を見極め、その上でやりとりを進めていく──。これは「コミュニケーション能力」と呼ばれるものの本質であり、その勘やセンスを自分なりに養っておくと、生きていく上で何かと役立つはず。だから実践的なのです。○"コミュ障"と“新型コミュ障”ところで、世の中には“コミュ障”という言葉があります。これは「コミュニケーション障害」(すごい言葉ですが……)の略であり、意味的には「人と関わることが苦手」という感じになるかと思います。男女に限らず、それを自認している人は少なくありません。何を話せばいいかわからない、目を合わせるのが苦手、ヘンな人間だと思われたらどうしよう……。そんな風にいろいろと気にしてしまって、人との距離を詰められないというのが悩みどころだと思います(私もです/(ToT)\)。しかし、コミュ障というのはそれだけではありません。私は「桃山商事」という、人々から恋バナを聞き集める怪しげな団体の代表を務めていますが、主に女性たちからよく聞くのが、「初対面の男子からいきなり『お前』って呼ばれてムカついた!」「合コンで会った男子に肩を抱かれてキモかった!」といった類の話です。男性向けの恋愛ハウツーには、こういった行為を“モテテク”として紹介しているものも多々あります(大抵「女は基本的にドMだから」というしょーもない理屈を根拠に……)。しかし、現に女性たちにウザがられている以上、それは完全なる虚妄です。騙されないで!いきなり「お前」と呼んでみたり、初めて会った人の肩を抱いてみたり……。端的に言って、これは距離を「詰めすぎ」です。だから相手が驚いたりキモがったりするわけです。大胆で勇気あるアクションと誤解されがちですが、適切な距離感を見極められないという点において、これもひとつのコミュ障と言えます。一般的な定義と区別するため、我々は便宜的に“新型コミュ障”と呼んでいますが、先生に馴れ馴れしいメールを送ってしまうのも、もしかしたらその一種なのかもしれません。○“他者不在”のコミュニケーションとは?コミュニケーション論の名著として名高い『わかりあえないことから─コミュニケーション能力とは何か』(平田オリザ/講談社現代新書)には、このようなことが書いてあります。いわく、かつては「一億総中流」という言葉が示していたように、日本人は均質的な価値観やバックボーンを共有していた。しかし、ライフスタイルが多様化した今、状況は大きく変わっている。だとしたら、互いに「わかりあえないこと」を前提に、バラバラな価値観の人間たちがいかにコミュニケーションしていくかを考えるべきである──。これは非常にシビアかつ重要な指摘だと思います。なぜなら、「どんなに近しい人であっても、結局は自分と異なる“他者”なのだ」と言っているからです。コミュ障というのは、おそらく「他者不在のままコミュニケーションしようとすること」が原因です。自分を守ることばかり考えてしまうから相手との距離が詰められないのだし、相手の反応をちゃんと見ないから距離を詰めすぎてしまうのでしょう。もちろん、世の中には「傷つくことを恐れずガンガン行こうぜ!」と語る自己啓発書は多いし、逆に「失敗しないためのマニュアルをしっかり身につけよう」と謳う教則本の類も少なくありません。そういうものに飛びつきたくなる気持ちは痛いほどわかりますが、個人的には反対です! なぜなら、それも結局は「傷つかないこと」「失敗しないこと」が目的になっていて、相変わらず“他者不在”だからです。○どんなに仲良くても、相手は他者(さみしいけど……)自他の区別をしっかりつけるというのは、イコール「甘えられない」ということであり、「常に緊張感を失わない」ということだと思います。これはなかなかシビアなことです。でも、どんなに仲良くても、相手は他者。考え方も感じ方も、自分とはまったく異なっている。何だかさみしいけど、これは厳然たる事実です。だから、コミュニケーションは「怖くて当たり前」です。ビビってナンボの世界です。ビビりながら、ちょっとカタめの態度から始めてみて、恐る恐る距離感を測り、徐々に距離を詰めていく。逆に、近しい人であっても、独立した他者であることを尊重し、一線を引くべきポイントを見定める。そうやって適切な距離感を見極めることができれば、結果的にそのコミュニケーションは気持ちの良いものになっているはずです。ビビらないメンタルを身につける必要も、無数のマニュアルを叩き込む必要も、一切ナシ! そう考えると、ちょっと気持ちが楽になりませんか?……って、何だか7月とは全然関係ない上、妙に説教臭い話になってしまいました。でも、これマジめっちゃ大事なことだと思うので、“トライアンドエラーし放題”という大学1年生の特権をフル活用し、ぜひコミュニケーションの勘とセンスを養ってみてください!清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radioトミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica
2015年07月22日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○湿気のせいで血迷い始めた6月早いものでもう6月。梅雨でじめじめしてて、なかなか過ごしづらい季節ですよね。私は前髪が天然パーマ気味なので、湿気の多い日になると、毛先が一斉に内側へとカールし、髪型がどうにもキマりません。また、実家がビルの1階にあったため、洗濯物を干す場所に日が当たらず、Tシャツから生乾きのニオイが漂うこともしばしばでした。ヘルメットをかぶった、クサい男──。メンタルが低下してる日は、そのような自己像に取り憑かれ、学校へ行く足が非常に重くなったことを覚えています。青春の難敵は自意識ですね。さて、そんな6月をトミヤマさんは「入学マジック」が徐々に解けてゆく月と書きました。入学式から続いた刺激と緊張の日々が終わり、いよいよ平常運行の大学生活へ突入していく、そのスタートがこの6月だというわけです。魔法が解けるということは、つまり「現実を直視せねばならない」ということ。自分は何がしたいのか、この先どうなりたいのか、今すべきことは何か──。そういうことを、すべて自分で考えていかなくてはならないわけです。当時の私は、ここで思いっきり血迷った行動を取ってしまいました。○授業をサボって書店通い。そのワケは?前髪をカールさせた私が、授業をサボって足繁く通っていたのが書店と図書館でした。こう書くといかにも文学青年っぽい感じですが、私は本が一冊もない家庭に育ち、文学部に通いながらほとんど読書をしたことのないズブの素人でした。そんな人間が、何をしに書店や図書館へ通っていたのか。この頃、私は新書と参考書のチェックに熱を上げていました。新書というのは2005年に『バカの壁』や『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』などの大ヒットによって一大ブームを迎えますが、これはそれよりも前の話。当時の新書は「経済とは何か?」「哲学とは何か?」みたいな本が多く、私は「一冊読むだけで経済や哲学がわかるのか!」と胸を躍らせていました。また、参考書というのは、漢字検定とか、日本語検定とか、歴史検定とか、そういう資格試験のテキストでした。資格を取れば取るほどイケてる人間になれる……。私は当時、そんな思いに取り憑かれていました。しかし、結果から言うと、新書は難しくて全然読めなかったし、資格ゲッターもなれませんでした。単にお金と時間を浪費しただけ。だったら授業に出ろやって話です。では、なぜこんなことをしていたのか。今ならその理由を説明できるような気がします。おそらく、当時の私は「導いてくれる存在」が欲しかったのです。○「やるべきこと」を与えて欲しい症候群トミヤマさんも言うように、大学というのは基本的に"放任主義"の場所です。「入学マジック」が解けた後の大学には、何の道しるべもない世界が待っています。すべては自分次第という日々にあって、私が求めたのは、受験勉強が示してくれたような「目標」と「カリキュラム」でした。つまり、高校や予備校の先生みたいに「ここからここまで勉強しろ」「そのためにはここから段階的に学んでいけ」と言ってくれる存在が欲しかった。その役割を、私は新書や資格試験の参考書に求めていたのだと思います。このメンタリティは案外笑えないもので、大人になっても消えません。というか、大人になるほど強くなると言ってもいいかもしれない。なぜなら、大学よりも社会の方が、圧倒的に道しるべのない世界だからです。何をすればいいかわからない。だから、「これをやれ」と言ってもらいたい。そして、「ここからここまでやりなさい」という風に、登るべき階段を用意してもらいたい。こういう心構えは、おそらく中高時代の受験勉強に起因するものです。「やるべきこと」が外から与えられ、しかも「努力すればするほど」成功に近づくことができる──。この"受験型モデル"しか努力の方法を知らなかったため、放任主義の大学よりも、道筋のわかりやすい新書や参考書に吸い寄せられたのでしょう。先に「笑えない」と書いたのは、これが自己啓発や新興宗教にも通じる話だと思うからです。○モヤモヤできるのは大学生の特権だ!ここからちょっとだけ、先輩風を吹かせます。大学1年生のみなさん、"受験型モデル"の誘惑にはくれぐれも気をつけてと私は言いたい!このモデルの特徴は、とにかく「わかりやすい」ことです。目標やカリキュラムを与えてくれるわけで、道しるべがハッキリしている。そして、自分が何を目指し、今どのあたりにいるかも確認できるため、実感や手応えが得やすい。だからつい、手を出したくなるわけです。しかし、ここにワナがあります。なぜなら、手段と目的が逆転しているからです。もちろん、何かやりたいことがあって、それに向かって努力するというのは素晴らしいことです。"目的"を見定め、やるべきことを割り出し、それを日々のノルマに落とし込んでいく。そういう"手段"として、受験型モデルは非常に有用なツールです。でも、当時の私みたいに、さしたる目的もないままこのモデルにすがるというのは、要するに、ここで得られる「何かやってる感」が欲しいというだけです。これは麻薬のようなもので、ハマると抜け出すことが難しくなります。常に"充実感"がないと安心できない。モヤモヤした状態に耐えられない。そんな風になっていきます。そういう人、大人にもたくさんいます。さらに、「不安の手っ取り早い解消」が目的化すると、いろんな恐ろしいものに漬け込まれかねません。「自分のことがわからない」という人は、悪い人間にとって絶好の"カモ"ですからね……。みなさんには、決してそうなって欲しくない!大学1年生なんて、堂々とモヤモヤしてていい時期です。存分にモヤモヤして、今の内に"モヤモヤ耐性"を鍛えておきましょう。これ、マジ、大学生の特権だから!!!……最後はちょっと熱くなってしまいましたが、現実を直視するというのは、とにかくモヤモヤする行為です。でも、これやっとくと、後々イケてる大人になれること間違いなしです。自分の心をちゃんとのぞける人間はカッコイイと思います。みなさんもぜひそうなってください\(^o^)/清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radioトミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica
2015年06月24日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○戦いは団体戦から個人戦へ入学式から延々と続いたお祭り気分がようやく落ち着き、そろそろ真面目に勉強でもするか……バイトも探さなきゃな……となるのが6月。連休もないし、期末試験まではまだ間がある6月は、言ってみればフツーの月です。つまらないと言えばつまらないですが、実はけっこう大事な時期。というのも、このあたりから「新入生にかけられた魔法=入学マジック」が徐々に解けてゆくんですよね。大学に通うことが非日常から日常になっていき、学生生活の実態が見えてくると「思ってたほど○じゃなかった」と感じることが増えていきます。大学は思ってたほど自由じゃないし、授業は思ってたほど面白くない。しかし「なんだ、こんなものか」という気持ちになったとき、あなたはやっと高校生から大学生になったと言えましょう。勉強しろ! クラブ活動に精を出せ! 運動会・文化祭に参加しろ! みんなで旅行に行くぞ! と「やるべきこと」をじゃんじゃん仕掛けてくるのが高校までのやり方だとすれば、「なんだ、こんなものか」という状況下で自ら「やるべきこと」を見つけ出すのが大学以降のやり方です。大学および教員たちは、学生ひとりひとりの人生にそこまで関心がないというか、来る者拒まず去る者追わずの精神でいることが多い。つまり、自分の努力とセンス次第で、この先の学生生活はいかようにも面白くすることができますし、逆に言えば台無しにするのも簡単です。ですから、入学マジックが解けたあとの少し醒めた気分で「やるべきこと」が何なのかをちょっと真面目に考えることは、今後の学生生活を充実させるためにもぜひやっておいてほしいことなんです。「やるべきこと」というのは、なにも勉強だけではありません。周囲の人間との付き合い方について考えることも大切です。4月から何度も自己紹介を繰り返すうち、自分のキャラが定まってくるのが6月であり、大人数でのコンパが減り、少人数でちょっとご飯でも、という機会が増えていきます。団体戦から個人戦へ。他者との関わり方が変わっていくんですね。○現役学生もやっぱり悩んでいた6月このことについて現役学生にインタビューをしたところ、やはり6月は人間関係が変化する時期だと言っていました。クラスやサークル内でのキャラおよび立ち位置が決まってきて、仲良くなりたい人、なれない人の線引きができるようになり、それにしたがって、仲良くなれそうな人との関係を深めることに時間を遣うようになっていく。「もっとあの人のことを知りたい、自分のことも知って欲しい」と思うようになり、1対1の付き合いがはじまるわけです。1対1と言えば、先輩から新入生への告白がはじまるのもこの時期だというインタビュー結果が。「もう6月だし、お互いのことがだいぶ分かってきたし、そろそろイイよね?」という感じで告白ムードが盛り上がるのであろう……ここでもやはり、浅く広く知り合いを作る時期が過ぎ、絞り込みの作業が始まるのですね。学生にインタビューしながら思ったのは「ああ、今も昔も6月の過ごし方って変わらないんだなー」ということ。わたしは残念ながら先輩から告白されることはなかったけれど、人間関係の構築はものすごくがんばっていました。その当時のわたしには、すごく気になる女子がいたのです。どうしても早稲田に行きたいからと3浪して、最後の方は予備校にも行かず、引きこもってクソ勉強したという彼女がとてもかっこよく思えました(親にお金を出してもらって予備校に行った自分はなんてあまちゃんなんだ!と恥ずかしくなった)。彼女にとても興味を持ったわたしは、授業そっちのけで彼女と喋りまくりました(まあ、授業は出るべきでしたけど)。そして、その彼女とは、いまだに付き合いがあるばかりか、仕事上の繋がりまであるんですよ。卒業して別々の業界に進んだというのに、なぜか再会してしまった。そんな偶然が人生にはあるんです。気心の知れた友だちと仕事の話ができることのありがたさといったらない! あの頃のお喋りは決してムダではなかったのだなと思わずにはいられません。実は、この彼女のほかにも、大学1年の時に仲良くなって仕事で再会した人が2~3人いるんですよね。ですからみなさんも友だち作りをバカにせず「この出会いは一生モノかも知れないぞ?」と思うぐらいで丁度いいかも知れません。○キャラ設定をリセットするチャンス6月が人間関係の絞り込み期だということに関してもうひとつ言っておくと、この時期は、自分のキャラを軌道修正・リセットするチャンスです。入学の時点で「こういうキャラでいこう!」と決めたけど、イマイチしっくり来ないという人、けっこういるんじゃないかと思うんですよね。ついついカッコつけてしまったけど「よく考えたらそこまでやる必要なかった! 失敗した!」と後悔しているそこのあなた! このタイミングでしれーっと軌道修正してしまいましょう。今ならキャラ設定を変えても、誰もあなたを責めませんから。「大学入学でちょっと浮かれてただけです、すんません」でOKですから。ちなみにわたしも「下北沢に通い慣れている古着好きの女」というキャラ設定に限界を感じ、背伸びをやめたのは6月でした。あそこで方向転換しなかったら、その後の人間関係がどんどん空疎になっていたと思います。うわー、恐ろしい。インタビューの中でも、不良キャラ、無頼キャラを演じてしまった人が6月あたりで軌道修正をしたという話が出てきました。ダメ学生っぽいのに喋るとすごく頭の良さそうなことを言うヤツ、みたいなキャラを目指した者の多くが「ゴメン! やっぱちょっとコレなしで!」と叫ぶハメに……。でもそれでいいのです。すべては入学マジックのせいなのですから。6月でキャラ変更した過去なんて、10年経てばすべて笑い話。いや、5年ぐらいでもう笑い話ですので、早いとこ自分に素直になって、「やるべきこと」が何なのかじっくり考えることを強くオススメいたします!トミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radio(イラスト:谷口菜津子)
2015年06月10日○「うわっ、そいつ最悪だな。それで言うと俺も~」コミュニケーションの基本といえば、会話です。何かを話し、それを聞き、リアクションをしたり、質問を投げたりして、また話を続ける。このようにして、互いの考えていることや感じていることが伝わり、関係が深まっていきます。いいですね。グッドなコミュニケーションですね。しかし、これはひとつの理想型です。実際の会話では、いつも互いが心地いい双方向のコミュニケーションが成立するとは限りません。片方は楽しいけど、もう片方はあんまり楽しくない。そんなコミュニケーションだってザラにあるわけです。今回は、そのようにコミュニケーションの邪魔をする厄介な行為をひとつご紹介いたします。それが「話ドロボー」です。例えば、こんな会話に身に覚えはないでしょうか?A「昨日、仕事でイヤなことがあってさ」B「どうしたの?」A「お世話になってる先輩に飲み会でセクハラされちゃって」B「うわっ、そいつ最悪だな。それで言うと俺も~」A「あ、うん……」これだけ見ると、「セクハラされて困っているBの話に耳を傾けるA」という構図であり、何らおかしいところは感じないかもしれません。しかし、このあとAが延々と自分の話をし始めたとしたら……話は変わってきますよね。○話ドロボーとは、カラオケ中にマイクを奪うことポイントは「それで言うと俺も~」の部分です。このひと言により、会話のバトンがBに移行します。これを機にAは聞き手にまわることになるわけですが、自分の話が中途半端なままであり、おそらくモヤモヤした気持ちが残るはずです。このように、相手が切り出した話題に乗っかり、いつの間にか会話の主導権を奪ってしまうことを、桃山商事では「話ドロボー」と呼んでいます。たとえるならこれは「カラオケ中に歌い手のマイクを奪うこと」と同義であり、無自覚に相手を不愉快にさせてしまう行為なのです。無自覚と書きましたが、話ドロボーをしている側に「盗んでいる」という意識はほとんどありません。それどころか、何ならいい感じのリアクションや、ちょっとしたアドバイスをした気になっている可能性すらあります。なぜなら、話ドロボーというのは当人にとって"気持ちいい行為"だからです。「話したいこと」が思い浮かぶのは、脳に何らかの刺激が与えられた結果です。つまり、半分は「相手のおかげ」なわけです。それをさも「自分が思いついた」と思い込み、相手の会話をさえぎってまで相手に話そうとしてしまう。これは言うなれば「マスターベーション」です。つまり、自分だけが気持ちいい行為なわけです。○コミュニケーションの実りを独占する行為もちろん、話したいことが浮かぶこと自体は悪いことではありません。互いに刺激を与え合い、話したいことが浮かんで会話が弾むというのはひとつの理想型です。しかし、話ドロボーは相手の話を受けとめません。いったん最後まで話を聞き、内容を理解した上でリアクションを返すという手続きを踏まず、思いついた話を文脈やタイミング無視で相手にぶつけます。やりたいことをやりたいときにやっているわけで、当人はそりゃ楽しいでしょう。そして、そうやって自分が楽しいものだから、相手も同じように楽しいだろうと思い込んでしまい、自分がまさか相手に不快感を与えているだなんて、想像すらしない。ここが話ドロボーの最も厄介な点です。このように、話ドロボーには自覚や罪悪感がありません。さらに、当人は気持ちよく、かつ楽しくなっているわけで、自分自身で気づくことはかなり至難の業と言えます。しかし、これは相手の話を途中でさえぎる行為であり、なおかつ、本当はふたりで作り上げているコミュニケーションの実りを、全部ひとりで持っていこうとする極めて卑しい行為なのです。こんなことを続けていたら、人は徐々に徐々に離れていくでしょう。話を受けとめてくれず、自分の話ばっかりしてくる人と会話をするのって、結構エネルギーを消耗する行為ですからね……。楽しいコミュニケーションとは、自分だけが楽しくしゃべれることではなく、互いに楽しくなれるようなやりとりのことを指すはずです。自分が話ドロボーをしているかどうかを意識するのはとても難しいことですが……相手の話をちゃんと受けとめたか、自分だけが気持ちよくなっていないか、会話中に自分を客観的に観察してみることをオススメします!○今回のマナーポスター「話ドロボーするな!!」【今回のまとめ】・話ドロボーは自分だけが気持ちいい行為・話ドロボーには自覚や罪悪感がない・話ドロボーをしてると人が離れていく<著者プロフィール<清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける恋愛の総合商社「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考える恋バナポッドキャスト『二軍ラジオ』も更新中。「日経ウーマンオンライン」や「messy」でコラムを連載中。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radioタイトルイラスト: 清田隆之
2015年06月09日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○すべてが奇跡的に丁度いい季節、5月キャンパスに爽やかな風が吹き込む5月。GW直後の気だるさも抜け、ようやく平常運行のリズムに慣れてきた頃ではないかと思います。冬は寒さ、春は花粉、梅雨は湿気、夏は日差しと蚊、秋はもの悲しさと、この国は何かと屋外で楽しもうとする人を邪魔する要素に満ちていますが、5月はすべてが奇跡的に丁度いい季節。それだけに……大学になかなか馴染めず、孤独と不安の落とし穴にハマり込んでいる人には苦しい時期かもしれません。「大学1年の5月なんて青春の絶頂じゃないか! なのに、何で俺は毎日ブックオフに通ってるんだ!」と、私もこの季節を悶々と過ごしていた人間の一人です。4月に欲張っていろんな授業を取ったものの、すでにサボり癖が始まっていた当時の私。「次は出るから!」と心に言い訳をして授業をサボるものの、一回休むと次も行きづらくなる……というスパイラルにまんまと陥り、まさにトミヤマさんが言うところの「怠け癖」を完全に舐めきっておりました。もうね、ちょっと遅刻しただけで、授業を休みたくなるんですよ。教室の前まで行くものの、ドアの小窓から中をのぞくと席がびっしり埋まってて。シーンとした中、ガラッとドアを開ければ全員がこっちを見るのではないか……。その気まずさに耐えつつ、俺はあの逆サイドの席までみんなの間をぬってたどり着かなきゃいけないの!? ……よし、休もう。と、そういう小さなつまずきが、連鎖して連鎖していつの間にか取り戻せないくらいのビハインドになっていく……。怖いですね。恐ろしいですね。外はこんなに天気がいいのに、俺は学費と青春をドブに捨てている! もうイヤだ!○"美容師の卵"に心変わりした彼女……すいません、当時のことを思い出していたら、若かりし頃の自分がよみがえってしまいました。そして2000年の5月20日(15年前の今日!)、そんな冴えない私をどん底に突き落とす事件が起こります。1浪した私にとって、この日は20歳の誕生日。そんな記念すべき日に、つき合って2年の彼女から別れを告げられたのです。ここは恋バナ連載じゃないので詳細は省きますが、「別に好きな人(美容師の卵!)ができたから、一緒に誕生日を祝うことはできない」というのが別れの理由でした。ちょうどこの直前の3月まで、キムタクが美容師を演じたドラマ『ビューティフルライフ』(TBS)が大ヒットしており、世間には空前の美容師ブームが到来していました。時代の追い風を一身に受ける美容師の卵と、欲張って自滅して「大学マジでつまんねえわ」などと彼女に愚痴をこぼす私。……100対0のコールド負けです。大学に溶け込めないし、授業はサボるし、友達はできないし、金はないし、背は低いし、服はダサいし、頭悪いし、字は汚いし、絵も描けないし、ギター弾けないし、家柄は普通だし、好きな音楽はミスチル、好きなサッカー選手は三浦知良、好きな食べ物は唐揚げとハンバーグ、概ね健康で、これといったトラウマもなし……。失恋によって自尊心が崩壊し、平凡で何の特徴もない自分に深く絶望し、実家でふて寝ばかりしていました。○大学生活を救った偶然の“自己開示”しかし、意外なことに、この一件が私の大学生活を救うことになります。それまでイマイチ距離を詰められなかった語学のクラスメイトたちが、親身になって失恋話に耳を傾けてくれたのです。私は中高6年間を男子校で過ごしたため、女子という存在にどこか恐怖心を抱いていました。なのに、こともあろうか大学で文学部のフランス語クラスに入ってしまい、そこは女子が8割という"女の園"。同じ班のよしみでお昼ご飯に混ぜてもらうものの、何をしゃべればいいのかわからない日々が続いていました。そんな中、思わずこぼしてしまった失恋の愚痴。すると……女子たちはキャッキャと盛り上がり始めました。「私もこないだ彼氏と別れたの」と痛みを共有してくれたり、「それは清田くんにも非があったかもね~」と冷静に経緯を分析してくれたり。しまいには「彼女の写真見たい~♡」なんてワイドショー的な関心も寄せてくれて……これを機に、みんなとの距離がグッと縮まったような気がします。トミヤマさんは「閉じるなキケン!」と言いましたが、これは居場所の問題だけでなく、心の問題にも通じることではないか。当時、私の中には「どうせ俺の失恋になんか誰も興味ないだろう」という気持ちもありました。しかし、失恋のつらさに耐えかね、つい愚痴をこぼしてしまった。それによって私は、意図せず"自己開示"をすることができたのだと思います。プライドの高さと視野の狭さによって、自分自身を苦しめてしまう……。それが「若さ」というものかもしれませんが、ダサくても、みっともなくても、つらいときは思い切ってつらいと言ってみる。そうすると、今まで見えなかった道がいきなり開けたりするものです。心を開いたことでクラスメイトとの間に接点が生まれ、それが互いのことを知り合うきっかけになりました。新しい環境の友達というのは、つい気を遣ったり空気を読んだりして慎重に接しようとしてしまいがちですが、もしかしたら、思い切って自分からお腹を見せちゃうことが、仲良くなるための近道なのかもしれません。私はその後、友達と恋バナをするのがライフワークとなり、今では恋バナを書いて生計を立てるという謎の人生を送っています。そう考えると、これは大学生活のみならず、私の人生を救う一件だったかもしれません。「閉じるなキケン!」からの「開けば海路の日和あり」ということで、空がスコーンと抜けるこの5月、つらいときは誰かに思い切って心の内を話してみることをオススメします\(^o^)/清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radioトミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica
2015年05月20日