2020年7月現在も、感染がとまらない新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)。日本で感染が確認され始めた頃は、その恐ろしさや感染対策はあまり認知されていないものでした。患者や医師、看護師など214人がコロナウイルスに感染し、クラスターが発生した東京都の永寿総合病院。同月2日に、永寿総合病院の湯浅祐二院長が会見を開きました。湯浅院長は、面会できないまま亡くなった患者や家族に謝罪し、感染拡大の原因や今後の対策について語りました。また、看護師、医師の手記も紹介され、永寿総合病院のウェブサイトでは全文が公開されています。3つの手記のうち、看護師の手記の一部がこちらです。なかなか正体がつかめない未知のウィルスへの恐怖に、泣きながら防護服を着るスタッフもいました。防護服の背中に名前を書いてあげながら、仲間を戦地に送り出しているような気持ちになりました。家族がいる私も、自分に何かあったときにどうするかを家族に伝えました。幼い子供を、遠くから眺めるだけで、抱きしめることができなかったスタッフ、食事を作るために一旦は帰宅しても、できるだけ接触しないようにして、ホテルに寝泊りするひとり親のスタッフもいました。家族に反対されて退職を希望するスタッフも出てきましたので、様々な事情を抱えながら、永寿が好きで働き続けてくれるこの人たちを何とかして守らなければ、今の業務を続けていくことはできないと強く感じました。4月4日、「頑張れ、永寿病院 地元有志一同」の横断幕が目に入り、「まだ私たちはここにいてもいいんだ」と思えました。涙を拭きながら非常口を開けたのを覚えています。支えて下さった地元の皆様には、本当に感謝しかありません。私たちは、今回のウィルス感染症で多くのことを学びました。人の本質は、困難な状況に直面するとより露わになることを実感しました。 困難な状況であるからこそ、思いやりのある行動や、人を優しく包むような言葉を宝物のように感じました。 育児休業中のスタッフが、「メディアで医療従事者が感謝されていますが、私はまだ何もできていない」と話してくれたときは、「その気持ちこそが宝物ですよ」と答えました。7/1日本記者クラブでの院長会見についてーより引用横断幕を見て涙を流し、励みになったという看護師。会見の後、永寿総合病院はTwitterで近隣住民や患者、患者の家族からの励ましの様子を公開しました。昨日の湯浅院長記者会見後、リプ欄を含め、多くの温かいメッセージを頂戴しました。すべて職員で読んでおります。また、これまで苦しかったとき、写真のように、近隣の方々や患者様やその御家族から、多くの励ましを頂きました。重ねて厚く御礼申し上げます。 #永寿総合病院 #頑張ってきてよかった pic.twitter.com/vO5EuFXblb — 永寿総合病院(公式) (@eijuhp) July 2, 2020 「頑張れ、永寿病院」「医療関係者ありがとう」などと書かれた横断幕やメッセージ。地域の医療機関として、多くの人が助けられてきたのでしょう。ネット上にも、たくさんの励ましの声が寄せられていました。・横断幕を見て涙が出た。頑張ってください。応援しています。・手記を読んで涙が止まりませんでした。病院を誹謗中傷することはやめましょう。・医療従事者は想像以上に頑張ってくれていると思う。感謝しかありません。病院が少しでもひっ迫しないよう、私たちにできることは移動の自粛や感染対策などをすることでしょう。このような状況下でも命を救おうと懸命に働く医療関係者に感謝したいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年07月05日幼稚園に通い始めて間もないときのこと。初めて幼稚園から電話がかかってきました。何かあったのでは……と緊張しながら電話に出ると、予感は的中! 幼稚園でのささいなケガから、歯科医院で思いがけないことが判明した体験をお話しします。 ほんのささいなケガだと思ったのに…「息子くんなのですが、今日お友だちとぶつかってしまって……。床に顔をぶつけてしまって、出血は止まっているのですが、お迎えに来ていただけますでしょうか?」。担任の先生からそうお電話があったとき、いろいろなことが頭の中を駆け巡りました。 どこから、どれくらい出血したのか、今も痛がっているのか、ぶつかったお友だちは大丈夫だったのか、お友だちとの間に潜在的にトラブルがあったのかどうか。私は慌てて幼稚園に向かいました。 前歯のレントゲンを撮ってもらうと…先生に付き添われていた息子は、初めての早退ということもあり緊張した表情をしていました。先生のお話によると、室内でお友だちと遊んでいてぶつかってしまい、転んでしまったとのことでした。喧嘩ではなかったことに胸をなでおろしつつも、血が出ていたという口の中を見ると、歯茎が紫色に腫れていたのでかかりつけの歯科へ。 歯科医ではまず歯が折れていないかチェックをするため、レントゲンを撮りました。幸い、折れてはいなかったのですが、歯医者さんの表情は曇ったまま……。「過剰歯がありますね」と言われて、私はすぐには何のことだかわかりませんでした。 過剰歯発見! しかも2本も!過剰歯というのは、あるべき本数よりも多く歯があることだそう。息子にはそれが2本あるのだと言われてもまだ、「そんなこともあるのだなぁ」としか思っていませんでした。しかし、過剰歯があると他の歯の成長を邪魔してしまうかもしれず、息子の場合はそれを抜くのに手術が必要だと言われて、一気に血の気が引きました。 大きな病院で診てもらうことをすすめられ、後日今度は口腔外科へ。手術は今すぐではなく、永久歯が成長してからでいいと言われました。今現在もまだ手術はしていません。 思いがけない過剰歯にかなり驚いたものの、もし幼稚園でそんなことがなければ息子の過剰歯は見つからず、歯並びが悪くなってしまったり、永久歯が生えにくくなったりということがあったのかもしれないと思うと、これもある意味ラッキーだったのだと今では思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:田丸あかね現在、小学校1年生と幼稚園年中の兄弟を子育て中。性格の違う子どもたちの成長を楽しみつつ、自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年07月04日初めての出産を控え、分娩予定の産婦人科での健診で「子宮頸管が短めだから、無理は控えてね」と指摘を受けました。出産予定日より少し早い出産になるのかなと軽く考えていたら、出産予定日より2週間も早い出産に! 夜中に始まった痛みを前駆陣痛だと思っていたら、なんと陣痛だったという私のドタバタ体験をお伝えします。 子宮頸管が短かった私長女の出産時、私は2つの産婦人科にお世話になりました。1つは自宅近くの病院、もう1つは実家近くの病院です。出産のおよそ1カ月前に里帰りし、後者の病院で健診を受けたときに子宮頸管が短いと医師から指摘がありました。 体に負担をかけすぎないようにとアドバイスされ、「胎児の成長スピードがゆっくりめなので、できるだけ長くおなかの中で成長してもらいましょう」とお話がありました。「急がなくていいからね」とおなかに向かって話しかけていましたが、予想以上に早く出産の日はやってきたのです。 これは前駆陣痛?痛みを感じ始めたのは、出産予定日2週間前の真夜中でした。「これが噂に聞く前駆陣痛か!」と、体が陣痛の練習をするなら自分も本番のための練習をしようと思い、陣痛間隔を記録するアプリを寝ぼけ眼でダウンロード。 睡魔に負けてまどろみつつ、だんだん強くなる痛みに「練習とはいえ痛いものだなぁ。本番の出産、私は大丈夫だろうか?」と心配しながら時間は過ぎていきました。しかし、余裕があったのも明け方まで。朝7時には間隔が8分おきくらいになっていて痛みも強くなっており、産婦人科へ電話しました。 病院へ着いたときには子宮口全開に!破水の有無や陣痛の痛みの程度を聞かれ、診療開始とともに診てもらうことになり、夫に連絡。でもこのときはまだ私も夫もすぐ出産になるとは思っていませんでした。 病院とやり取りをしているうちに痛みは一層増し、朝食を食べつつもじっとしていられない状態に。結局、診療開始より早めに診てもらうと、子宮口が全開になっているとわかり、即分娩室へ。 畳の部屋でのフリースタイル出産だったので、助産師さんが持って来てくださった大きなクッションにもたれるようにしていきみを逃しました。そして、病院到着から約2時間後に出産! 夫は立ち合いを希望していたので、連絡を受けてすぐに向かってくれたのですが、残念ながら間に合いませんでした。 出産のタイミングはいつになるかわからないものですが、いざそのときになると痛みの強さや状況の変化にかなり戸惑ってしまいました。でも、「おなかの中の赤ちゃんが選んだタイミングなんだよ」と助産師さんに言われ、心が軽くなったのを覚えています。今は第二子を妊娠中ですが、この子が生まれるときは心に余裕を持って臨みたいなと考えています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー イラスト:(c)chicchimama著者:柴崎諒子2016年2月長女を出産。2019年3月に第2子出産予定。元雑誌編集部勤務で、企画・編集・営業・ライターを経験。現在は仕事をセーブしつつ子育て優先。妊娠・出産・子育てに関する記事を中心に執筆している。
2020年07月04日精神科医のいちは(@BookloverMD)さんは、七夕が近付くと思い出すことがあるといいます。ある患者の『願い』いちはさんが研修医として勤めて2年目のある日、統合失調症を患い、何十年も入院している患者さんが書いた『七夕の短冊』を目にしました。そこには、こんな言葉が書かれてあったそうです。「ミナサンタイインデキマスヨウニ」自分のことでなく、ほかの入院患者たちの回復を願い「みんなが退院できますように」と書いた患者さん。切なくも優しい願いに、いちはさんは感動し、「精神科医になる」と決意したそうです。研修医2年目のとき。何十年と入院していて、この先も退院できそうにない統合失調症の人が、七夕の短冊に、「ミナサンタイインデキマスヨウニ」と書いた。自分の退院ではなく、みんなの退院を願うその人の姿を見て、精神科医になろうと決めた。 pic.twitter.com/RaBLZboCBP — いちは (@BookloverMD) July 1, 2020 この投稿に対し「なんて心のきれいな人なのでしょう」「不意打ちで感動してしまいました」などのコメントが寄せられました。生きづらさを抱えて、傷付き苦しい想いをたくさんしてきたであろう患者さん。それでも他者の幸せを祈る優しさを失わない姿に、心打たれます。そして、そんな人々に寄り添い続けようと決めた、いちはさんの志がとても素敵ですね。[文・構成/grape編集部]
2020年07月02日小学2年生の娘さんを持つ、父親のヒロシ(@maruko_no_oyaji)さんがTwitterに投稿したエピソードをご紹介します。ヒロシさんの娘さんは、別々の動作をまとめて行う協調運動が困難な『発達性協調運動障害』などの症状があり、小児科で定期健診を行っています。ヒロシさんが小児科の先生に「娘は鉄棒も縄跳びもまったくできないんです」と相談した時のこと。先生は、ヒロシさんにこう答えたといいます。鉄棒や縄跳び?必要ありません。あれは『鉄棒や縄跳びができる子が自慢するためだけ』に存在するんです。階段の、のぼりおりができるようになれば充分。今までの人生で、鉄棒や縄跳びが何か役に立ちましたか?※写真はイメージ娘は鉄棒も縄跳びも全くできません。先日、小児科発達領域で大変ご高名な医師にそれを聞くと「鉄棒や縄跳び?必要ありません。あれは『鉄棒や縄跳びができる子が自慢するためだけ』に存在するんです。階段登り下りが出来るようになれば充分。今までの人生で鉄棒や縄跳びが何か役に立ちましたか?」— 手を洗うヒロシ@マルコの親父 (@maruko_no_oyaji) June 27, 2020 先生は、「鉄棒や縄跳びは必要ない」と一蹴!もちろん、先生はヒロシさんの不安を取り除くために、あえて極論のようないい回しをしたのかもしれません。しかし、愛娘の心配をしていたヒロシさんにとって、先生の言葉はどんなに救いとなったことでしょう。ヒロシさんは「鉄棒や縄跳びができる子はすごいし、その才能を伸ばしてあげたら素敵だと思う。ただ、自分の娘のように全然できない子でも、気にしなくていいと思えたらホッとした」と語っています。エピソードはネット上で拡散され、14万件を超える『いいね』を集めました。・最高!素晴らしい視点を持った先生ですね。・その言葉を、子供の頃に聞きたかった…。体育が苦手なことを先生や親から責められて、つらい経験をしたことがあるので。・確かに。自分は逆上がりができませんが、それで大人になってから困ったことはありません。・できる子はすごいけれど、できない子に対しても「できなくても構わない」と思わせてくれる社会になってほしいです。人によって得意・不得意はあります。なんでも器用にこなす子がいれば、どんなことにも時間がかかり、なかなかこなせない子もいるでしょう。一人ひとりの子供が持つ多用な個性を認め、成長を見守ることが大切だと気付かされますね。[文・構成/grape編集部]
2020年06月29日現在、娘はもうすぐ6歳。自治体の3歳児健診の視力検査で引っかかり、定期的に眼科に通うことに。弱視かもしれないと告げられて、不安を抱えながら通院した体験談と、振り返って今感じていることをご紹介します。 3歳児健診で視力の要再検査自治体の3歳児健診を受ける前に、自宅でもイラストを使った簡単な視力検査をするように案内があり、試したところ娘はあっさり全問正解できました。視力は問題ないと思って健診の日を迎えましたが、結果はアウト。 乱視があるようなので、専門の先生のところで詳しい検査を受けるようにと紹介状をもらって帰ることに……。実は私自身が生まれつき乱視の度数がものすごく強く、小さいころから眼鏡をかけていたことが大きなコンプレックスでした。 弱視の可能性が浮上紹介された眼科は小児の弱視治療に力を入れていて、視能訓練士さんも常勤。初診日は娘が初めての場所、初めての先生、初めての器械に緊張してしまい、うまく検査を受けられませんでした。ランドルト環の視力検査で出た視力はなんと0.2。 眼科医の先生から「まだ3歳だから検査が単純にできないだけかもしれないし、本当に見えていなくて弱視なのかもしれない。もし弱視だとしたら、目の神経が育つ今を逃すと手遅れになりかねない。急いで治療をすべきかどうかを判断するために、来週またきてもらって、それまでお家でも検査の練習をしてみてください」と言われました。 3歳児相手の検査はひと苦労先生に言われた通り、自宅でも厚紙でランドルト環を自作して検査の特訓をしました。特訓の成果もあり、2度目の検査では0.4、3度目は0.5と少しずつ良い結果に。ただ診察前に言い聞かせてから受診していたものの、やはり相手は3歳児。途中で疲れてやる気をなくしてしまう日も……。 それでも視能訓練士さんも眼科医の先生も笑顔でやさしくおだやかに対応してくださり、毎回検査を頑張ったご褒美にと大好きなキャラクターのシールをもらって、娘はにっこり。 申し訳ないと謝る私にも、「十分頑張ってくれています。眼科を嫌いにならなければそれでいいんです」と励ましのお言葉までいただき、本当にありがたかったです。 視力が出てからも検査初診日から半年ほど経ち、両目とも0.7まで視力が出たタイミングで新しい検査の説明がありました。実は、子どもは目のピントの調整機能が大人よりも優れていて、本来出ないはずの視力が出ることもあるんだそう。そこで、目薬をさして一時的にピント調整機能を和らげ、再び視力を検査することに。 その結果、娘の場合は視力に大きな変化がなかったため、ようやく弱視ではないとの診断が下されました。その後も3カ月おき、半年おきと間隔を少しずつ延ばしながらも経過を見てもらい、右目0.9・左目1.0の視力が出た4歳半で、晴れて眼科卒業のお墨付きをいただけたのです。 幸い娘は弱視ではありませんでしたが、弱視は成長してからでは、眼鏡をかけても視力が出ないということをそれまで私はまったく理解できていませんでした。早期発見に努めてくれている自治体の健診業務にも、子ども相手の根気がいる検査にやさしく向き合ってくださる眼科の先生や視能訓練士さんにも、感謝の思いでいっぱいです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/sawawa監修/助産師REIKO著者:近藤あいこ5歳女児と0歳男児の2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年06月24日私の息子は先天性の病気の影響で肺が片方しかないため、ただの風邪でもこじらせることが多く、ICUに入院したこともあります。そんな息子が新型コロナウイルスにかかれば命に係わると思い、私は息子を極力外に出していませんでした。しかし外出自粛で、ついに息子の喘息の常備薬が残り少なくなり、病院に相談することにしたのです……。 息子の常備薬が残り1週間分!息子は喘息の予防のため、毎日薬を飲んでいます。月に1回かかりつけの小児科に行き、まとめてもらっていました。 最後に行った通院日には、先生にお願いして多めに薬を出していただいていたのですが、その時点ではまさかこんなに長引くとは思っていませんでした。息子の薬は残り1週間分しかなくなってしまったのです。 オンライン診療を調べてみたけれど小児科は新型コロナウイルスの影響でほとんど患者さんがいないとは聞いていましたが、体が弱い息子を病院に連れていくのはやっぱり抵抗がありました。喘息などの定期的な治療薬に関しては、オンライン診療で対応しているというのをニュースで見たので、まずはオンライン診療について調べてみることに。 しかし、近隣のオンライン診療をおこなっている病院に小児科はなく、診療を受ける本人が18歳以上でないと受けられませんでした。 ダメ元でかかりつけの病院に電話 かかりつけの病院は息子の持病についてもよく理解してくれていたので、ダメ元で病院に電話をしてみることにしました。 電話で、息子の体調が非常に安定していること、息子を病院に連れていくのが怖いことを伝え、私だけで行って薬をもらえないか打診してみました。すぐに電話に出た受付の方が先生に確認して、私だけでも構わないと言ってくれたのです。 着いて10分で薬ゲット!30分くらいで処方箋が準備できるとのことだったので、その時間に合わせて病院に行くと、受付の方が自動ドア越しに私の顔を見るなり、処方箋を持って出てきてくれました。私は靴を脱ぐこともなく、病院の入り口で処方箋をもらって薬局へ。 薬局も誰もいなかったのであっという間に準備していただき、着いて10分ほどで薬を手にすることができて本当にほっとしました。 持病がある子どもにとって新型コロナウイルスは本当に恐ろしいですが、持病の薬がなくなってしまうのは、それはそれで不安なものです。今回は外出できない期間が長く、備蓄していた分もなくなってしまったので、病院の柔軟な対応には本当に助けられました。ひとりで考え込まず、早めに病院に相談してよかったなぁと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/マメ美監修/助産師REIKO著者:岩崎はるか2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院まで学んだ食についても執筆。
2020年06月23日先天性横隔膜ヘルニア(※)の影響で肺が片方しかない息子。とはいえ特に大きく体調を崩すことなく、1歳の誕生日を迎えました。しかし暖かくなってきて安心した春先、風邪をこじらせて入院することに。今回は、元気に育っていると思っていた息子の持病を改めて実感した瞬間をご紹介します。 (※)本来胸とおなかの臓器を隔てている横隔膜に生まれつき穴が開いており、その穴からおなかの中の臓器が胸の中に出てきて心臓や肺を圧迫してしまう病気。心臓や肺を圧迫するために心臓や肺の発育が悪くなります。これにより心臓の機能の低下や肺低形成・肺高血圧症をきたすため、出生後に手術を受けたあとも酸素療法や心不全に対する治療が長期に必要になることがあります。 小児科に行ったのに…ひどくなる咳昨年の4月、息子が風邪をひきました。とはいえ、初めての風邪というわけではなく、その前にインフルエンザにかかって無事だったこともあり、私は正直気を抜いていました。そのときちょうど上の娘が胃腸風邪をひいていて、嘔吐を繰り返していたので気が回らなかったのもあります。 午前中に2人を小児科に連れていき、もらった薬を飲ませて安心していたのですが、そこから息子の状態はどんどん悪くなっていきました。 動きが遅れた原因息子は夕食を食べたものの、咳き込んで戻してしまいました。上の娘の胃腸風邪がうつったのかもしれない。でも今から病院に駆け込んでも、胃腸風邪なら経過観察になるだろうと思いました。水分だけでもとスポイトで少しずつ経口補水液を飲ませました。 息子の呼吸はどんどん荒くなっていましたが、上の娘たちはもう寝たあと、夫は飲み会で不在。ちゃんと水分はとれているし……と、私はつい不安にフタをしてしまいました。 夫が帰宅後すぐに大病院へ息子の状態は一向に改善せず、夫の帰宅後、すぐに私の運転で大病院へ行きました。病院につくとすぐに処置が始まりました。喘息用の吸入や酸素吸入をさせようとしますが、機嫌の悪い息子は全力で拒否。結局、眠らせて口から気管に管を入れ、人工呼吸器を装着することに。 処置が終わった息子はぴくりとも動かず、生後すぐに手術が終わったあととまったく同じ姿でした。「やっと元気になってきていたのに、私の判断が遅かったから」と後悔が止まりませんでした。 歩けなくなった息子幸い、人工呼吸器は1週間ほどで外れましたが、その間完全に動きを封じられていた息子は、歩くことどころか立つことすらままならなくなっていました。出始めていた言葉もほとんどなくなり、ほぼ半年の成長がたった1週間で失われてしまったのです。 結局原因は「ウイルス性の風邪」ということしかわからず、ただの風邪でここまでの状態になってしまう息子の持病を、改めて突き付けられた思いでした。 医療ケアや服薬の必要もなくなった息子に、私はすっかり油断していました。後悔だらけの入院でしたが、おかげでその後は思い立ったらすぐに大病院に行くようになりました。これからも息子の持病を頭において、早め早めの対応を心がけようと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:岩崎はるか2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院まで学んだ食についても執筆。
2020年06月22日先天性横隔膜ヘルニア※の影響で、肺が片方しかない状態で生まれた息子。退院後もしばらく人工呼吸器をつけていましたが、生後半年を迎えたときに病状が改善してきたため、酸素吸入器に切り替わりました。今回は人工呼吸器と酸素吸入器の違いについて、私が感じたことをご紹介します。 ※横隔膜ヘルニア:本来胸とおなかの臓器を隔てている横隔膜に生まれつき穴が開いており、その穴からおなかの中の臓器が胸の中に出てきて心臓や肺を圧迫してしまう病気 息子がつけていた人工呼吸器 息子の場合は、最初は気管に管を入れて空気を送る形、退院時には鼻カニューレを付けて空気を送り込む形の人工呼吸器を使用していました。送り込む空気の圧が高く、そのままだと取り付けた箇所がひどく乾燥してしまうため、加湿器と共に使います。 加湿器、加湿用の精製水、結露を受けるコップなど付属品が多いため組み立てが複雑。また人工呼吸器、加湿器の両方に電源が必要です。 人工呼吸器で大変なこと人工呼吸器は清潔を保つため、2週間に1回すべての回路(人工呼吸器から息子に繋がるホースのような部分)を取り替える必要があり、最初のうちはずいぶん手間取りました。 また、加湿器用の精製水は点滴パックのような大きさで、1日ほどでなくなります。精製水がないと熱い空気が送られ、やけどの危険があるため、常に残量に目を光らせておかねばなりません。 このため、精製水は30個以上、予備の回路は3個以上、常に家に置いておかなければならず、置き場所にも苦労しました。 酸素吸入器は回路がシンプル!酸素吸入器に切り替わって、まず一番変わったのは回路がシンプルになったこと。息子が使っていた酸素吸入器は、人工呼吸器と比べると流れ出てくる酸素の勢いが穏やかなので加湿の必要がなく、酸素濃縮器と息子の鼻カニューレの間には長いチューブがあるだけです。 チューブを引きずりながらではありますが、息子を抱っこひもでおんぶして部屋の中を歩けるようになり、できる家事の幅が一気に広がりました。 酸素吸入器で外出がラクに!人工呼吸器は、短い時間なら加湿器はなくてもよく、本体にはバッテリーがあるので外出自体は可能でした。しかし回路を組み替えてベビーカーや車に人工呼吸器をのせるわけですが、これが非常に複雑で、慣れたころでも10分くらいはかかっていました。 一方、酸素吸入器なら酸素ボンベにつなぎかえるだけ。酸素ボンベは機械ではないので、取り扱いが安心でリュックに入れて持ち歩き、抱っこひもも使えます。外出へのハードルがぐんと下がった感じがしました。 人工呼吸器も酸素吸入器はどちらも「大変そう」ですが、実際に扱ってみるとかなり大変の度合いが違います。息子の退院前は「医療ケアが必要」ということで、どちらを使う期間も心配していましたが、実情を知っていればもう少し気持ちが軽くなったかなぁと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 著者:岩崎はるか2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院まで学んだ食についても執筆。
2020年06月21日私は保育園に務める現役保育士です。日々、子どもの成長と命を預かる仕事としてやりがいと責任を感じながら保育に臨んでいます。子どもを守る立場にある保育園の職員に、新型コロナウイルス感染疑いが出ました。そのとき、園内でおこなわれた話し合いや動きなどを詳しくお伝えします。 職員の感染疑いが判明園に勤める栄養士が、年に一度の定期健診でおこなったレントゲン写真に肺炎の特徴が表れており、数日前から弱い咳が続いている事実を知った医師が、急きょ感染症医療機関での新型コロナウイルス感染症の検査を促したという情報が夕方、園長から私に入ってきたのです。 その時間はちょうど主幹保育士が不在で、副主任である私に園長から相談がありました。園長は「栄養士は給食やおやつの調理もしているので、検査結果が陽性であれば感染爆発を起こしてしまうかもしれない」と非常に慌てていました。 園長と意見の食い違い園長は「混乱をできるだけ避けるために、職員への伝達も限定した人数にしたい」と言い、それについてどう思うか意見を求められました。私の意見は真逆でした。自覚がないために感染を広げてしまう行動をとることにリスクを感じていた私は、少しでも早く全職員に周知するべきではないか。そして保護者にもすぐに伝えていくべきではないかと答えました。 すると、職員への周知はできたとしても、まだ、疑いの段階で保護者への周知をする決断をするには議論が必要だという返答が園長からありました。 深夜の緊急職員会役員の話し合いでは議論が進まないということで、急きょ招集がかかり、職員会が開かれました。その場でもう一度私の意見を職員に伝えましたが、保護者への周知はリスクではないかという意見もありました。 私は、「現在妊娠中の家庭もあります。祖父母と同居している家庭もあります。持病を持っている子ども、保護者もいます。新型コロナウイルスの感染者数が増えてきている今は、疑いの段階でも伝えていくべきではないかと思います。陰性ならばよかったで済ますべきことだと思います」と職員に伝えました。 しかし、その職員会のときにはすでに夜の11時を回ったところで、夜間の家庭連絡は難しく、明日には検査結果も出るので、それから判断しようということで議論を終えました。 結果として検査結果は陰性だったので、ほっとした職員一同でした。そして今回、危機感の違いにも気付くことができました。自分がキャリアかもしれないという自覚を持つだけで行動は変わっていくように思います。今まで以上に検温や消毒など感染予防に敏感になっている現場ですが、何よりも個人の自覚が必要になると思いました。 ※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、一部店舗では臨時休業や営業時間の変更などを実施している可能性があります。商品購入の際には自分だけではなく周りの方、スタッフの方への感染防止対策を十分におこない、安全性に配慮していただくなどご注意ください。外出を楽しめる日が1日も早く訪れますように! 著者:藤田直樹10歳長女・6歳長男・2歳次男の3人を子育て中のパパ。現役男性保育士ならではの保育経験や子育て経験を執筆している。
2020年06月19日私の娘は、先天異常の口唇口蓋裂で生まれてきました。これまで、娘が受けた治療として、2回の手術と歯科矯正通い、耳鼻科通い、言語療法として言葉の学校に通った様子をお伝えしてきました。今回は、口唇口蓋裂の娘を妊娠しているときの様子と、1回目の手術を受けるまでの様子をお話ししたいと思います。 妊娠中の経過は順調 妊婦健診では、医師から特に何も指摘されることはありませんでした。ただ、赤ちゃんによっては、エコー検査で口唇裂を確認できる場合もあるのだそうです。 その後、娘は元気のいい産声をあげて生まれてきたのですが、先生方が「あっ」とびっくりした様子だったことを覚えています。私が「どうしましたか?」と聞くと、「ちょっとお口が……でも大丈夫。元気ですよ」とのことでした。 産後すぐの私にショックを与えないようにするためか、赤ちゃんを最初に見たときには、くちびるに医療用テープが貼られていました。 最初の受診は形成外科 私の場合、上の子の出産のときには命も危なかったため、娘に口唇口蓋裂があるとわかっても「手術で治るから大丈夫」と思い、不安にはなりませんでした。 退院後、産院から専門医を紹介され、総合病院の形成外科を受診することに。その際、治療として手術を何度も受ける必要があり、さまざまな問題が出てくるとわかってから、不安な気持ちになったのでした。形成外科からまず紹介されたのは、矯正歯科。鼻の形を整える部分がついた“ホッツ床”という、口蓋裂の部分にフタをする器具を作ってもらいました。 「ホッツ床」に苦戦する日々 娘の口は動物の口に似ていて、それはそれでかわいらしいと感じました。そのため、ホッツ床が完成するまでの間、家の中では口にテープも貼らず、そのまま過ごしていました。ただ、最初に会う人は驚くので、外出時はテープを貼って出かけ、親しい人には症状を説明しました。 ホッツ床ができてからは、その装着に苦戦。テープで頬に固定する必要があるのですが、授乳のたびに洗う必要があったため、手間がかかるうえに子どもが嫌がり大変でした。 見た目にびっくりされたり、装着に苦労したりしたホッツ床。でもホッツ床のおかげで育児用ミルクもしっかり飲めて、鼻の形成もうまくいきました。今となれば、わが家の良い思い出になっています。次回は、生まれてから6年間、口唇口蓋裂の治療を受けてきた娘の、今後の治療についてお伝えします。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。
2020年06月19日2人目まで大きなトラブルもなく、「3人目だし、余裕♪」と思っていた長男妊娠時。妊娠28週で先天異常の疑いを告げられて、大きな病院に転院することになりました。転院先で判明した病名は「横隔膜ヘルニア」。あまり知られていないこの病気について、実際の経験をもとにご紹介します。 ※横隔膜ヘルニア:本来胸とおなかの臓器を隔てている横隔膜に生まれつき穴が開いており、その穴からおなかの中の臓器が胸の中に出てきて心臓や肺を圧迫してしまう病気 長すぎるエコー。胃が心臓の真下に?初めての男の子にわくわくしていた第3子妊娠中、妊娠28週の健診で違和感を覚えました。普段数分のエコーが、10分以上続いたのです。先生の顔も心なしか曇っています。「胃が心臓の真下にあります。横隔膜ヘルニアという病気かもしれません」正直、そう言われてもピンときませんでした。 ただ、淡々と進む大病院への転院の手続きと、看護師さんからの「まだ確定したわけではないから落ち込まないでね」という言葉に、これはただ事じゃないのではと思い始めました。 転院先で治療説明。人工肺は避けたい!転院先の大病院で診断が確定し、治療方針の説明がありました。横隔膜ヘルニアというのは本来胸とおなかの臓器を隔てている横隔膜に生まれつき穴が開いており、その穴からおなかの中の臓器が胸の中に出てきて心臓や肺を圧迫してしまう病気であること。 帝王切開で胎児を眠らせた状態で出産し、生まれた直後から人工呼吸器で治療していくこと。人工呼吸器で状態が落ち着いてから横隔膜の穴をふさぐ手術をすること。人工呼吸器で間に合わなければ、人工肺を使う可能性があること。 さまざまな説明をされ、特に人工肺には脳出血などのリスクがあると聞き、怖くて仕方がありませんでした。 出生後、容体急変! 生死を彷徨うわが子先天異常がある以外は穏やかに進んだ妊娠期間も終わり、ついに出産の日。麻酔から目を覚ました私に、夫が人工呼吸器をつけて穏やかに眠る赤ちゃんの写真を見せてくれてひと安心しました。 しかし、翌日容体が急変。恐れていた人工肺の取り付けと横隔膜ヘルニアの手術をいっぺんにおこなうことになり、不安で涙が止まりませんでした。 手術は成功したけれど…募る不安 手術は無事成功しましたが、その2日後に人工肺を取り外すことになりました。息子のサイズに合わせると小さめの人工肺しか取り付けることしかできなかったのですが、想定より肺のダメージが大きく、その人工肺の許容量を超えてしまったのだそうです。横隔膜ヘルニアの影響で息子の肺は片方しかなく、あるほうの肺もほとんど機能していませんでした。 一か八かの人工肺離脱手術が始まり、何とか成功。入院中の私は、帝王切開の痛み、3時間おきの搾乳、息子への不安でほとんど睡眠をとれない日が続きました。 結局息子はその後4カ月入院、鼻に取り付ける人工呼吸器をつけた状態で退院しました。退院時は在宅医療の不安が大きく、あまり喜べなかったのが正直なところです。 息子はその後、酸素吸入器を経て1歳直前で服薬等も終わり、普段の生活で医療ケアは必要ない状態になりました。ただ、肺は未だにひとつしかなく、呼吸器系の風邪を引いたときにはこじらせて入院となることもあります。だけど、生まれたときのことを考えれば、生きているだけで奇跡だと思わずにはいられません。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:岩崎はるか2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院まで学んだ食についても執筆。
2020年06月18日こんにちは! 助産師のREIKOです。出産を控えて、陣痛ってどのくらい痛いんだろう、赤ちゃんは無事生まれてくるかな……なんて、思いを馳せているママもいらっしゃるかと思います。出産予定日はあくまでも予定日で、出産はいつになるかはわかりません。もちろん、ほかのママとお産が重なることだってあり得ます。お産が重なるのはよくあること? そんなとき病院のスタッフはどうしているのか、私が働いていた病院を例にお話ししたいと思います。 入院から出産までの流れ産院によって、陣痛室と分娩室が分かれているところ、LDR(陣痛室から分娩室、産後の回復室の機能を兼ねているお部屋)があるところなど、さまざまです。 私が働いていた病院は、陣痛室・分娩室・産後入院のお部屋が分かれていました。陣痛が来たり破水で入院になると、陣痛室へ。そこでお産の経過を見て、お産間近になったら分娩室に移動、お産後2時間まで分娩室で経過を見て、問題がなければ産後入院のお部屋に戻るという流れでした。 大きな病院だからこその悩み!?私が働いていた病院は、その地域では大きな施設で、正常分娩だけでなく、ハイリスクなケースも受け入れていました。また、産婦人科病棟ということもあり、お産以外にも検査や処置も分娩室でおこなわれていて、分娩室は2部屋、陣痛室は2部屋ありました。 検査や処置はあらかじめ日時が決まっているので、先生方が重ならないように調整しているのですが、それでも検査や処置が多い日もあります。そこにお産が加わったときには、分娩室の争奪戦!?が起こっていました。 いろいろ重なったときこそ!検査や処置がなくても、お産が重なるときは重なります。そんなときこそ、助産師の先を見通す判断力と医師をはじめとしたスタッフとの協力が不可欠になります。日中は、それでもスタッフの人数が確保されていますが、夜間は日中と同じ人数とはいかないので、なおさらです。 お産が重なったとき、どのママの経過が一番早いか、検査・処置の時間の調整は可能か、今、分娩室で休んでいるお産後のママの経過に問題はないか……などなど、いろいろなことを判断して、お部屋移動をしていただくことも。 破水はしているけれどまだ陣痛が来ていないママは、いったん病室で経過を見たり、せっかく分娩室に入ったのに、思いのほかお産が進まず、陣痛室にいたほかのママのほうがお産が早くなりそうという場合は、申し訳ないけれどもお部屋をチェンジということもありました。 それでも安全第一で!いろいろなことが重なったとき、助産師の頭と体はフル回転です。でも、ママたちの前では冷静に、そしてママと赤ちゃんの安全を第一にしていました。 私が今でも印象に残っているできごとは、破水で日中入院した6人のママたちに次々と陣痛が来て、夜勤の間に全員がお産になったこと、そしてこちらも夜勤でのできごとですが、分娩室も陣痛室もすべて埋まっている状況で、もうすぐ生まれそう!という経産婦さんがさらに入院となり、数分違いで3人のお産があったことです。 いずれのお産もスタッフ全員バタバタでしたが、ママも赤ちゃんも無事で、ほっとしたのと同時に何とも言えない達成感を先生やほかのスタッフと分かち合ったことを覚えています。 最近では、1カ月に取り扱うお産の件数を決めている産院も少なくありません。産院のスタッフはお産をはじめ、ほかのできごとが重なったときのことを常に考えながら、陣痛に向き合っているママたちの経過を見ています。「私のこと忘れられてるかも……」なんて心配はいりませんよ。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2020年06月12日「男の子のほうが熱を出しやすいのよ」と元幼稚園教諭の母から聞いていたものの、たまに熱を出すことはあっても、普段はとても元気な長男。しかし幼稚園の年中になってから、なんと5回も同じ病気で出席停止になったのです。 熱を出すと40度超えになる長男わが家の長男は熱を出すと高熱になりやすく、1歳半で40度を超える熱を出しました。初めての高熱のときは熱い体の長男を抱っこして、慌てて小児科に駆け込んだことを覚えています。 高熱が出るたびに診察してもらうと、お医者さんから「喉が腫れていますね」と毎回のように言われていたので、長男は喉がウィークポイントなのかなと思っていました。それでも治りはとても早く、翌々日には完全回復ということが多いので、健康に育ってくれていることをありがたく思っていたのですが……。 年中の5月に初めての溶連菌感染症に幼稚園に入ってからは熱を出すことも減ってひと安心と思っていたころ、急に高熱を出した長男。小児科に行くと「最近、溶連菌が流行っているので検査しましょう」と言われました。 聞きなれない病名に心配になりながらも、検査の結果を待っていると陽性と言われ、しかも出席停止になると聞いてびっくり! すごく大変な病気なのかもしれないとドキドキしながら看病していたのですが、薬を飲んだ翌日にはすっかり熱が下がり、出席停止期間が長く感じるほどでした。 治ったとひと安心…これが始まりでした溶連菌感染症は腎臓に影響が出る場合もあるということで、完治してから尿検査がありました。それも問題がなかったので、よかったと思っていたのですが……。この2カ月後に再び熱が出て病院に行くと、同じく溶連菌が陽性。さらに数カ月後も溶連菌にかかり、多いときは1カ月に2回かかることも! いずれのときも幸いなことに軽い症状で済んだのですが、結局1年間で5回も溶連菌に感染していました。症状としては喉の痛みと発熱なので、私では風邪との区別がつかないのですが、溶連菌感染症のときは長男いわくかなり喉が痛くなるようです。 こんな風に長男は溶連菌に感染し続けているものの、次男にうつったのは1度だけ。私も1度だけかかりました。やはり長男はかかりやすいようです。そのため、手洗いとうがいは必ずおこない、水分もこまめにとるように気を付けています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 著者:田丸あかね現在、小学校1年生と幼稚園年中の兄弟を子育て中。性格の違う子どもたちの成長を楽しみつつ、自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年06月07日横隔膜に穴があき、腹部の臓器が胸部に脱出して肺の発達を妨げる病気「先天性横隔膜ヘルニア」により、肺がほとんど機能していない状態で生まれた息子。生まれた次の日に人工肺を装着しました。最近新型コロナウイルスによる肺炎の治療でよく話題になっている人工肺について、息子がつけたときの様子やそのときの思いをご紹介します。 事前に聞いていた人工肺のリスク産前、息子の治療について説明を受けたとき、人工肺についてのお話がありました。人工肺は自力での呼吸で血液に十分な酸素を送り込めないときに使うもので、体中の血液を頸動脈から装置へとつなげて酸素を送り込むものです。 人工肺をつけるとき、体の外に血を流しても血が固まらないようにする薬を使うのですが、その薬の影響で脳出血などが起こるリスクがあると言われました。そのときはまだ息子の状態が人工肺を使うほど悪いとはわかっておらず、「万が一」というニュアンスでしたが、それでも十分恐ろしく、「人工肺になりませんように!」と祈っていました。 たくさんの同意書と長い手術息子が生まれた次の日、容体が急変し、人工肺の取り付けと横隔膜ヘルニアの手術の前倒しを提案されました。手術直前の息子は人工呼吸器の圧力で風船のように胸が膨らんだり縮んだりしていて、到底「自分の力で生きている」という感じではありません。 人工肺が怖かった私も「このままでは死んでしまう」と手術に同意。恐ろしい説明を聞きながら、無心でたくさんの同意書にサインし、半日にも及ぶ手術が終わるのをひたすら待ちました。 腎臓に負担が…溶血の恐怖手術が無事終わって安心したのもつかの間、翌日お見舞いに行くと、息子の体はぱんぱんにむくみ、黄疸で光線治療を受けていました。担当医から話を聞くと、人工肺から高い圧力で血液が流されていくことによって起こった「溶血」が原因だと言います。溶血は、血液中の赤血球が壊れてしまうこと。 さらに溶血が多いと赤血球が壊れた血液がそのまま腎臓に達し、腎障害を引き起こすのだそうです。腎臓への負担を減らすため、息子は交換輸血(血液内にある有毒成分を体外へ排除するために、その血液を抜き取り、新しい血液を輸血する治療法)をおこなうことになりました。 ずっとは使えない? わずか5日で離脱人工肺装着から4日後、息子の担当医との面談があり、「もうすぐ人工肺の許容量を超えてしまう。離脱か付け替えが必要だ」と言われました。詳しく聞くと、息子の人工肺は生まれたときの血管の細さから、かなり小さめのものだったようです。 人工肺は肺が回復するまでつけておけると思っていた私は驚きました。息子は一か八かの人工肺離脱手術をおこなうことになり、幸いそのまま人工肺から人工呼吸器に移行できました。 息子が人工肺をつけていたときは、わからないことだらけで不安が絶えない日々でした。今は元気に育った息子ですが、未だ肺は片方で、新型コロナウイルスに感染すれば人工肺まで逆戻りということも十分あり得ます。このときの記憶を胸に、気を引き締めて過ごそうと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:岩崎はるか2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院まで学んだ食についても執筆。
2020年06月06日4歳の子どもは軽度のハウスダストアレルギーがあり、小児科では風邪のときに呼吸器系の症状が出やすいといわれています。そんな子どもがこのコロナ禍のなか、風邪をひきました。小児科に加えて耳鼻科も受診したのですが、そのときの医師の対応にびっくりした私の体験談をお伝えします。 耳鼻科はわが家のホームドクター私の子どもは鼻がつまりやすいため、自分で鼻をかめない0歳のときから耳鼻科にはお世話になっています。かかりつけの耳鼻科の医師は定期的に学会に参加したり、このコロナ禍でもいち早く保健所の電話番号を病院の入り口に張り出したりしていて、地域の予防医療にも積極的な方です。 子どもに対してもやさしく、穏やかな口調で話しかけながら治療をしたり、帰り際にはハイタッチをして「またねー」とあいさつをしてくれたりと、私も子どもも頼りにしていました。 まさかの対応に混乱4月上旬に子どもの熱が出て、鼻水と咳もあったので小児科を受診しました。私は一瞬、新型コロナウイルスの心配をしましたが、のどは赤くないし、肺の音もきれいで「風邪だね」との診断。そこで私はひと安心したのですが、子どもの鼻がつまり、息がしづらそうだったので耳鼻科にも行くことにしました。 耳鼻科の受付で世間話をし、いつも通りの気持ちで診察室に入ると医師が伏し目がちのような気が……。今までよりも手短に処置を済ませると「このあとは小児科にかかるように」と素っ気なく言われ、背を向けられたのです。あまりにもいつもとは違う態度に、私は混乱してしまいました。 不安感から視野狭量に私はそこでやっと気づいたのです。子どもが新型コロナウイルスの感染者かもしれないと警戒されていたのだと。病院の入り口の張り紙は注意喚起ではなく、新型コロナウイルスを病院内に持ち込ませないためのものだったのだと。 子どもの体調が悪く、心配から不安感が強くなっていた私は、その耳鼻科の医師の豹変ぶりに傷つき、さらに不安になりました。けれど落ち着いて考えれば医師の態度は当然かもしれないと考えられます。 耳鼻科の医師は、自身もスタッフも患者も守らなければならない立場にいるのです。私ばかりが苦しく不安なのだ、私が弱者で守られるべきなのだと視野狭量になっていたと気づかされました。 その後、子どもは2日で解熱。新型コロナ疑惑なんてどこふく風で走り回っています。子どもが元気で、心穏やかな今ならあんなに不安にならなくてもよかったのにと思えます。大変なときこそ、私自身がニュートラルな状態でいることの大切さを感じられる一件でした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:小原水月1児の母。管理栄養士免許取得。「健康が人生をわくわくさせる」をモットーに食と健康の分野でライターとして活動中。高齢出産後、生まれ育った都心を離れ夫の実家がある地方都市へ移住。義母と同居。
2020年05月24日長女が1歳5カ月のとき、腰にできものがあるのに気づきました。おむつかぶれだと悠長にかまえていたら、翌日の明け方に高熱が出てしまったのです。急いで救急に行くと皮膚に細菌が感染する「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」で、即日入院と診断されました。そして、地域の大病院へ移動し、治療を受けたときのことをお話しします。 おむつかぶれじゃない? 急な発熱に驚く1歳5カ月の娘の腰にポチッと虫刺されのような膨らんだ跡がありました。おむつかぶれかな? 虫刺されかな? さして驚くこともなくワセリンを塗って様子を見ることに。そして、夜寝る前の授乳時に少し熱っぽいかなと感じましたが、娘は機嫌も悪くないし普段通りだったのでそのまま寝かしつけました。 明け方の授乳時、ぐずった娘に寄り添っただけで「熱がある!」とわかりました。熱を測ったら40度もあったので、すぐに救急へ行きました。 初めて聞く病名「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」 ぐったりして寝たり起きたりを繰り返している娘。背中は、膨らみを中心に赤く、熱を持って広がっていました。診断名は「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」。皮膚に細菌が感染し炎症を起こしたものでした。すぐに対処しないと全身に広がってしまうし、熱も下げないといけないということで即日入院することに。 そんなに大変な病気だったのかとショックを受けながら、先生の話を聞いていました。救急でかかった病院では小児の入院施設がないため、近くの大きな病院まで1時間かけて移動。その間もぐったりしている娘が心配でした。 初めての入院。長かった5日間まず手の甲に点滴のための静脈留置針を入れました。寝ていても、昼間違う部屋で遊んでいても、きっちり6時間おきに細菌感染症を抑える薬剤を注射して、患部の様子を確認。 娘の熱は入院当日の夜に下がりましたが、患部が痛いのかあおむけに寝ることができませんでした。赤く広がった患部は3日目になってようやく少しずつ小さくなり、色も薄くなっていきました。そのころになると、娘もあおむけに寝るようになったので、やはり違和感があったんだなと感じました。 患部の症状以外はとても元気だった娘は、キッズルームで1日の大半を過ごすまでに回復。5日目に赤みも引いて、患部も小さくなったので、自宅での投薬治療でOKとのことで退院することができました。 虫刺されか? おむつかぶれか?と悠長に構えていたら、実は細菌に感染していた娘。しかも、細菌感染で発熱してしまうことがあることを初めて知りました。小さな変化も見逃さず、「あれ?」と思ったら医療機関を受診するなど、もっと注意していかなければと思った体験でした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 著者:長谷川モリジ8歳、4歳男子、1歳女子の3人子育て真っ最中。調剤薬局事務、秘書、ビジネス文書検定保有。夫の両親、祖父と8人暮らし。今は地元にコワーキングスペースを作る活動している。
2020年05月20日私は毎月大きくズレることなく、生理を迎えていました。きちんとサイクルが整っていたおかげなのか、27歳のときに結婚してからすぐに長男を授かることができ、2年後には次男を授かり出産しました。そんな私が38歳のとき、あることがキッカケで婦人科を受診することになったエピソードをお伝えします。 職業柄なかなかトイレにいけない下の子がある程度手がかからなくなったタイミングで、フルタイム勤務を決めた私。アパレルメーカーのショップスタッフとして勤務していました。 お客様対応が最優先なので、どうしてもトイレに行くタイミングが難しく、生理の多い日は夜用ナプキンを2枚重ねていたくらいです。いつも心配なのは、やはりモレのことでした。 心配事が的中した!!その日も朝から量が多くて心配だったので、ナプキン2枚重ねで準備も万全にしていました。しかしちょうどセール期間で、朝からトイレに行くタイミングがない!! 嫌な予感は的中……。 店内にいた女性のお客様が近寄ってきて「あなた、洋服からモレているわよ」と耳打ちされました。気まずいし、恥ずかしいし、なんとも言えない気持ちになりました。 このできごとで婦人科受診に!!幸いにも勤務先はアパレルメーカーのショップなので、目の前には洋服が! 同じビル内には下着屋もあります。もちろんソッコーで着替えを購入し、事なきを得ました。 このことがキッカケで、婦人科を受診。診断は「子宮筋腫」。「大きさは新生児の頭くらい」と医師から告げられ、「こんなに大きくなるまで育てずにもっと早くに受診しなさいよ」と苦笑されてしまいました。 自分にとって大きな決断をすることに私の場合、経血の量が多くて日常生活に支障があったことや、子宮筋腫の大きさからして子宮全摘手術が一番の治療方法とのこと。夫と相談して「もう子どもは望まない」と決め、全摘することになりました。 そして、診断から2週間後に子宮全摘手術を受けました。手術が無事に終わり、麻酔から覚めて夫と子どもたちの顔を見て安心したことは、今でも覚えています。 幸いにも卵巣は2つ共に残せたので更年期が早まることはなく、毎月の生理による不快な症状もなくなり、煩わしい生理から解放されました。今思うと恥ずかしい体験でしたが、いい思い出です。自分の体の中は自分では見えないので、体から送られるサインを見逃してはいけないと教訓になりました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:岩田ちほ
2020年05月19日2020年1月から続いている、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染拡大。日本では39県を対象に緊急事態宣言を解除するなど状況はよくなっているように感じますが、まだ多くの感染者が治療を受けています。そんな彼らを救うため、自らも感染するリスクを負いながら闘っているのは、全国の医療従事者たちです。病院に届いた『ゴディバ』からの感謝の贈り物同年5月11日、病院で働いている女性は3枚の写真をTwitterに投稿。ある日、女性の勤務先に、複数の大きなダンボールが届いたといいます。「触るな危険!」と書かれた貼り紙のついた、複数のダンボール。中には一体何が入っているのでしょう。荷物の送り主は、チョコレートの製造や販売を行っている世界的ブランド『ゴディバ(GODIVA)』。ダンボールを開けてみると、そこにはゴディバのチョコレートやクッキーが大量に入っていたのです!「触るな危険!」という貼り紙は、ダンボールが落ちて中身が崩れないよう病院のスタッフが貼ったのでしょう。同封されていた「医療に携わるみな様へ」と書かれた手紙には、このようにつづられていました。謹啓この困難な環境下におきまして、日々ご従事いただいているみな様の多大なる貢献に、日本で生活するものの1人として、心より御礼申し上げます。私たちの周りには、普段は気付きにくいけれど、いつも支えてくれている人たちが存在します。何気ない『日常』を作ってくれている人たちがいます。勝利の瞬間に向かってたゆまぬ努力を続ける人たちがいます。ゴディバは、そんな人たちこそが『ヒーロー』と呼ばれるにふさわしいのだと考えています。本日は、ゴディバの従業員を代表して、私たちの『ヒーロー』であるみな様へ、ショコラティエが丹精込めて作りましたゴディバのチョコレートとクッキーを、ささやかながらお届けいたしました。大変な緊張感の中で長時間お仕事をされ、多忙な毎日を過ごされているみな様が、ほんのひと時でも安らぎをお感じいただけ、また次の職務へ立ち向かわれる一助となりましたら、これに勝る喜びはございません。感謝を込めて。ゴディバはコロナウイルス感染拡大を受け、全国の医療従事者へ無償でチョコレートを届ける企画を始めました。「困難な環境下で命を救ってくれている医療従事者に、感謝の気持ちを届けたい」という想いが詰まった、素敵な企画。第1弾は全都道府県の300の病院を対象に応募を受け付けたところ、わずか3時間で予定数に達すほどの反響が上がりました。感謝と応援の気持ちを届けたいゴディバが医療従事者に向けて始めた企画に称賛の声疲れている時においしい食べ物を口にすると、ほっとするもの。きっと、ゴディバは心身ともに疲弊している医療従事者を癒したいと思ったのでしょう。この投稿以外にも、ネットでは「ゴディバからお菓子が届いた!」という感謝のメッセージが投稿されていました。※掲載許可はいただいておりますが、投稿者様の希望で匿名にしております。[文・構成/grape編集部]
2020年05月18日私の娘が「陰唇癒合(いんしんゆごう)」と診断されたのは、生後4カ月ごろの自治体での集団健診時でした。聞きなれない病名に、当時はとても戸惑いました。後日、大きな病院で処置をしてもらうことになった経緯と実際の症状についてご紹介します。 問題ないと思っていた健診で…娘の4カ月健診。身長と体重の測定が終わり、最後に首のすわりなど成長をチェックしていたときのことでした。性器の状態を確認した医師に、「ここ、くっついているのわかりますか?」と聞かれました。 娘の性器は左右のヒダが重なるように癒着していて、わずかな隙間しかありませんでした。このとき「陰唇癒合(いんしんゆごう)」と診断され、初めてその病気のことを知りました。 陰唇癒合の症状とは?医師の話によると、「陰唇癒合」とは女の子の性器の小陰唇(左右のひらひらしているヒダ)がくっついてしまっている状態で、腟口などが隠れているのだそうです。放っておくと、膀胱炎になりやすいなどのリスクがあるのだとか……。 以前からおしっこの出方に違和感があったのですが、出口が塞がっていて狭いためだったのです。私はその場で小児外科がある病院の紹介状をいただき、すぐに予約を取りました。 病院で処置、そして…後日、病院で処置をしていただくことになったのですが、想像していたよりもあっけなく終わりました。 娘の場合、癒着がそれほど強くなかったので、診察のときにヒダをピンセットのようなもので素早く剥がし、炎症箇所に1週間ほど薬を塗り続けて完治しました。薬で癒着を剥がしていく場合や切開するケースもあるのだそうです。ともあれ、早く治ったことにとても安心しました。 病院の先生から、陰唇癒合は後天的なもので、おむつ替えやお風呂のときなどに小陰唇とその周囲を清潔にするなど、毎日のケアが大事なのだと説明を受けました。お風呂に入った際など、陰部もきちんとチェックしてあげたほうがいいなと、改めて気付かされたできごとでした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:しまのさくら一女の母で夫と3人暮らし。出産を機に勤めていた会社を退職。現在は育児のかたわら、データ入力の仕事や妊娠・出産・育児に関する記事を執筆している。
2020年05月16日赤ちゃんの歯茎に白いブツブツができて、「もしかして歯?」と思ったことはありませんか? わが家では息子にも娘にも白いブツブツができていました。もしかして病気なのではないかと心配し、病院を受診したときのことをお話しします。 赤ちゃんの歯茎に小さな白いブツブツが!わが家の娘が生後1カ月ごろ、歯ぐきに小さな白いブツブツがいくつかできていました。実は上の子のときも、生後2~3カ月ごろに同じようなブツブツがあったのです。 そのときは「歯が生えかけているのかな?」と思いながらもそのままにしていました。しばらくすると消えてなくなっていたので、今回も気にしないで放置していました。 今度は白い大きなかたまりが!娘が生後4カ月のころのことです。小さな白いブツブツは消えてなくなっていたのですが、今度は1つだけ大きな白いかたまりができていました。この間まであった小さなブツブツがかたまって、大きくなったような白いかたまりです。 最初は、白いかたまりが見えているだけでしたが、しばらくするとぷっくりふくらんで、できもののようにも見えました。そんな白いブツブツの変化に心配になり、病院で診てもらうことにしました。 診断の結果は「上皮真珠(じょうひしんじゅ)」医師によると、前にあった小さなブツブツも、この大きな白いかたまりも、「上皮真珠(じょうひしんじゅ)」というものなのだそうです。 あごの中で歯が形成するときに残った組織が歯茎から出てきたもので、病気ではないとのこと。「生後6カ月を過ぎるころにはなくなっていくので、そのままにしていて大丈夫ですよ」と説明を受けました。特に治療も必要ないとのことだったので、娘もそのままにしています。 子どもが小さいと、何でも気になりますね。赤ちゃんだとなおさらです。娘の場合は心配になり受診しましたが、病気ではなくそのままで大丈夫とのことだったので、先生に診てもらってよかったと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:藤川智子結婚前は小学校教員、現在は幼児への音楽教育を指導している音楽ママ。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。
2020年05月15日2020年4月、トルコ・イスタンブールにある病院の緊急救命室に、子猫をくわえた母猫がやってきました。2匹は野良猫でしたが、間違えて入ってきたのではない様子。どうやら子猫の具合が悪く、心配した母猫が助けを求めて病院へ駆け込んできたと思われます。Yavrusu biraz haylaz biri, annesi bulduğu yerde kapıp götürüyor pic.twitter.com/GYvBXt3UQz — Merve Özcan (@ozcanmerveee) April 27, 2020 海外メディア『Bored Panda』によると、そこは動物病院ではありませんでしたが、職員は猫たちを追い出そうとはしませんでした。なんと状況を察した医師やスタッフはすぐに子猫を抱き上げて、診察を始めたのです。Bugün hastanenin acilindeydik, bir kedi ağzında taşıdığı yavrusunu koşa koşa acile getirdi pic.twitter.com/lS7acpuWmg — Merve Özcan (@ozcanmerveee) April 27, 2020 我が子の身を案じる母猫は、診察中もずっと子猫のそばを離れようとしなかったのだとか。そのため子猫を診察している間、スタッフは母猫を落ち着かせるためにミルクや食べ物をあげたそうです。診察の結果、子猫は健康上に問題はなさそうでしたが、病院スタッフは念のため母猫とともに動物病院へ連れて行きました。その様子を見ていたTwitterユーザーのMerve Özcan(@ozcanmerveee)さんが写真を投稿すると世界中に拡散されました。またこれらの写真は海外の掲示板『Reddit』でもシェアされ、たくさんのコメントが寄せられています。・素晴らしいお母さんだ。・猫はどこへ行けば助けてもらえるか知っているのよ。・イスタンブールの人たちが優しくて涙が出た。・僕がイスタンブールの学生だった時、たくさんの野良猫を動物病院へ連れて行った。でもお金を払ったことは一度もないよ。コメントには「イスタンブールの人は野良犬や野良猫にとても優しい」という声があふれています。母猫は普段から人に優しくされているので、病院でも医師やスタッフを信頼していたのではないでしょうか。母猫がそこを病院だと知っていたのかどうかは分かりませんが、子猫を助けたいという思いから、本能的に病院へ向かったのかもしれませんね。母猫の我が子への愛情と、野良猫の親子のために最善を尽くした医師やスタッフの優しさ。この心温まる出来事は、連日暗いニュースばかり目にしている世界中の人たちを笑顔にしてくれました。[文・構成/grape編集部]
2020年05月11日「産後の肥立ちは重要」と昔から言われていますが、私自身、身をもってそう感じた経験があります。そんな時期に別のある病気にも悩まされました。産後1年目、私が「原田病」を発症してしまったときの体験談を紹介します。 朝起きたら目の前が真っ白難産で長女を出産後、長女がNICUへ入院していたため、多少無理をして病院に通っていました。そのため、産後の肥立ちが悪い状態が半年ほど続き、体調にも影響が。産後の肥立ちの大切さを実感しました。 そんな産後の体調不良も、だいぶ回復してきたときのこと。出産から約1年が経ったある日、後頭部が今までにないくらいにガンガンと痛くなりました。 しばらく痛みが続いたので横になり、そのまま夜を迎えました。ところが翌朝、起きたときに、目の前が霧がかかったように真っ白になっていたのです。見えるのはほんの一部という状態でした。 目が見えにくい状態での子育て初めてのことで驚きましたが、一次的なものですぐに落ち着くだろうと思いました。ところが、翌朝になっても変わらぬまま……。 眼科へ行くと総合病院を紹介され、その結果、「原田病」と診断されました。自己免疫疾患の一種で、目の網膜を免疫が攻撃している状況とのことでした。 点眼治療でしたが、目が見えない状態での子育てには厳しいものがありました。子どもの顔もきちんと見えず、家事も大変だったので、実家にお世話になって治療することにしました。 3カ月で症状が落ち着いてきた治療中は、度が強いメガネを作り、それをかけて過ごしました。また、外では日の光でさらに目の前が真っ白になってしまうので、できるだけ外出は控えることに。病院へ行くときはサングラスをかけて家族に手を引いてもらいました。 制限されることはなかったのですが、目が見えない生活は非常に大変だと痛感。症状のピークは発症から1カ月後くらいで、徐々に症状も落ち着き、だんだんと目が見えるようになっていきました。そして、3カ月後くらいには問題なく日常生活を送れるようになったのです。 幸い、目が見えにくいだけで、産後の体調は回復してきた状態だったので、なんとか乗り越えることができました。突然、こんな病気に悩まされることになるなんて……。あのとき、サポートしてくれた家族には感謝しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。
2020年05月09日国内で感染が拡大している新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)。その症状は人によってさまざまですが、微熱、鼻水、ノドの痛み、咳など風邪によく似ているといわれています。スーパーマーケットで働いている、味丸ぜんざい(ajimaruzenzai)さんはある日熱を出してしまいました。ただの風邪かと思いましたが、病院に電話すると…。熱が出て病院に行った話「コロナウイルスかもしれない」といわれ、厳戒態勢で迎えられた味丸ぜんざいさん。医師の話では「多くの人が外出自粛をしているため、普通の風邪はほとんどない」とのこと。10日以上の発熱はコロナウイルスの可能性が高いため、保健所や対応している病院にいってほしいといわれたそうです。幸い、味丸ぜんざいさんの熱はすぐに下がり体調も回復しました。最前線で対応しなければならない医療従事者の大変さを改めて感じたといいます。読者からはコメントが多数が寄せられました。・とりあえず熱が下がってよかった。10日も経たないと検査ができないのですね…。・今熱が出るのは本当に怖いです。ゆっくり休んでください。・スーパーの店員さんも感染リスクが高いですよね。私も毎日ドキドキしながら検温をしています。・普通に体調が悪い人もたくさんいるから、お医者さんも判断が難しいよね。例を見ないパンデミックに、医療機関もギリギリの状態で対応をしています。検査も入院もできずに自宅待機を余儀なくされている人は、たくさんいるのでしょう。日々の検温など体調の変化に敏感になっておくこと、発熱をした場合は十分に注意して経過観察することが大事ですね。[文・構成/grape編集部]
2020年04月29日2020年4月現在、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染拡大による影響で、医師や看護師などは多忙を極めています。感染者と密接が避けられない医療現場では、院内感染が多発。医療従事者たちはいつ感染してもおかしくない状況下で、患者のために業務にあたっています。娘に『遺書』を書いた母親母子家庭で育ったとも(@yoshinaga_tomo)さん。母親は、病院に勤務する看護師です。ある朝、出勤前の母親から「話がある」と呼ばれたともさんは、正座をして聞くことにしました。母親は、次のように話したといいます。あなた宛に遺書を書いたの。私に万一のことがあったら隔離の上、最悪の場合はこの姿であなたとお別れできないと思うの。だから、念のためにあなたに直接いいたい。あなたを産めてよかった。あなたを育てられて幸せだった。あなたが娘なのが私の自慢。私とあなたが暮らしてこられたのも、看護師という仕事があったから感謝してる。だから、私に万一のことがあっても、病院を恨んじゃだめよ。あなたの花嫁姿がみたい。それが心残りになると思う。でも、私はそれでも仕事に行くね。感染しないように気を付けているけど、絶対に感染しない保証はない。よく顔を見せて。母親は、ともさんを出産し、育ててきた日々は幸せだったと語り、感謝の言葉を連ねました。そして、女手一つでともさんを育てられたのは看護師という仕事があったからだといい、「万一何かあっても病院を恨まないでほしい」と告げたのです。2人でひとしきり泣いた後、「無事だったら2人でおいしいものを食べながら遺書を破ろう」と約束し、仕事に出かけたといいます。『よし!万一の時の最期のお別れが出来たから母ちゃん行ってくるね。この騒ぎが過ぎて、母ちゃんも無事だったら2人で美味しいもの食べながら遺書を破ろうね。じゃ、行ってきます!』母ちゃん、大好きだよ‼️いってらっしゃい。待ってるよ。待ってるからね‼️— とも!⏰ (@yoshinaga_tomo) April 25, 2020 コロナウイルスに感染すると、症状によっては隔離され、家族であっても面会が制限されます。さらに亡くなった場合も立ち会えず、遺骨が戻るまで待たなければならない可能性があることを、母親は知っていたのでしょう。ともさんは一連のエピソードをTwitterに投稿。38万件を超える『いいね』と、さまざまな声が寄せられています。・ともさんのお母様を含む多くの医療従事者の人々のおかげで、日本はなんとか持ちこたえているのでしょう。感謝しかありません。・私にできることはなんなのかを、改めて考えさせられます。ともさんの母親の覚悟に、涙が出ました。・泣けてくる。覚悟の上で毎日出かける母親と、無事を祈って帰りを待つともさん。普通の生活に戻れるよう、日々祈るばかりです。最後にともさんは「大好きだよ。いってらっしゃい。待ってるよ。待ってるからね!」と、母親への想いをつづりました。コロナウイルスの問題が終息を迎えた時、2人が笑顔で遺書を破る未来を、祈らずにはいられません。投稿全文はこちら我が家は母子家庭で、母は看護師です。母が今朝出勤前に、話があるというので、正座して母の話を聴きました。母『あなた宛に遺書を書いたの。わたしに万一のことがあったら隔離の上、最悪の場合はこの姿であなたとお別れ出来ないと思うの。だから、念のためにあなたに直接言いたい。』— とも!⏰ (@yoshinaga_tomo) April 24, 2020 『あなたを産めて良かった。あなたを育てられて幸せだった。あなたが娘なのがわたしの自慢。わたしとあなたが暮らしてこられたのも看護師という仕事があったから感謝してる。だから、母ちゃんに万一のことがあっても、病院を恨んじゃだめよ。』— とも!⏰ (@yoshinaga_tomo) April 25, 2020 『あなたの花嫁姿を見たい。それが心残りになると思う。でも、わたしはそれでも仕事に行くね。感染しないように気をつけてるけど、絶対に感染しない保証は誰にも出来ない。よく顔を見せて。』2人で大泣き。— とも!⏰ (@yoshinaga_tomo) April 25, 2020 『よし!万一の時の最期のお別れが出来たから母ちゃん行ってくるね。この騒ぎが過ぎて、母ちゃんも無事だったら2人で美味しいもの食べながら遺書を破ろうね。じゃ、行ってきます!』母ちゃん、大好きだよ‼️いってらっしゃい。待ってるよ。待ってるからね‼️— とも!⏰ (@yoshinaga_tomo) April 25, 2020 [文・構成/grape編集部]
2020年04月28日出産について調べているときに知った「会陰切開」という言葉。切るのも怖いけど裂けるのも痛そう。少しでも会陰を守る方法はないかと思い、妊娠中に会陰マッサージをしました。そして出産に臨みましたが、結局会陰切開をしました。ここでは私がおこなっていた会陰マッサージと会陰切開の体験談をお話しします。 会陰切開という言葉を知ったとき私は初めての妊娠でいろいろと調べているときに、会陰切開のことを知りました。出産を経験した方に聞いてみると、誰もが知っている言葉でした。そして、わりと多くの方が会陰切開を経験しているということにかなり驚いたのです。会陰切開のイメージは「怖い!」の一言。本やネットを見て予防法を真剣に探しました。そして、妊娠中からできる会陰マッサージというものを試してみることに。 会陰マッサージを試してみる本で紹介されていた会陰マッサージを試しました。念のためかかりつけの産院で聞いてみると、おこなっても問題ないと言われました。妊娠8カ月を過ぎたころから、市販のカレンデュラオイルを使ってお風呂上りに会陰をマッサージすることに。頻度は1日1回毎日おこないました。自己流でおこなっていたので、本当に効果的にできていたかはわかりません。ただ、毎日、会陰をマッサージすることで会陰切開への恐怖を減らすことができました。 会陰切開をすることに!実際の出産では、私は難産で陣痛の痛みがあまりにつらく、「早く生まれてきて!」と願うばかりでした。大きめの赤ちゃんだったので、先生が「裂けないように少し切ります」と言ったので、私はすぐに了承しました。切られた感触はありましたが、痛みや恐怖はまったく感じませんでした。会陰切開よりも赤ちゃんを産み出すことと、陣痛に耐えることに必死だったのだと思います。産後も3日くらいは会陰部の痛みがありましたが、痛み止めは必要ない程度でした。 妊娠中に会陰マッサージをしていたものの、結果として会陰切開をしました。しかし、会陰マッサージをしていたおかげで、恐怖心を少なくできたと思います。実際に会陰切開を体験しましたが、赤ちゃんを産むことに必死でほとんど痛みを感じませんでした。会陰の痛みがさほど気らなかったのは、赤ちゃんに会えた喜びのほうがはるかに大きかったからだと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:山下 ひいこ一児の母。看護師・鍼灸師の資格を持ち、逆子治療やマタニティケアなどを行っている。自身の経験を生かし、不妊や妊娠・育児に関する体験談を中心に執筆活動を行う。
2020年04月26日新型コロナウイルスの感染拡大を受け、7都府県に出されていた緊急事態宣言の対象が全国に拡大され、安倍首相は「この緊急事態を1カ月で終了するために、人との接触を7割から8割削減することが前提だ」と述べました。それに伴い、不要不急の移動の自粛が強く求められ、それによって里帰り出産を予定していた妊婦さんにも影響が出ています。 日本産婦人科学会からもメッセージが日々新型コロナウイルスの感染者数が増えるなか、当初里帰り分娩をする予定ではなかった妊婦さんが実家に戻り、出産を希望すると言うケースが出てきました。そこで、日本産婦人科学会は移動による感染リスクを考慮し、妊婦さんに向けて「急な帰省分娩の検討はぜひ避けてください」というメッセージを公表しています。 しかし、4月21日には、帰省分娩の予約をすでにされた妊婦さんも分娩予約をしている施設と相談の上、状況によっては現在住んでいる地域での出産を考慮してほしい旨のお願いを出しました。 出産する場所がない!7都府県に緊急事態宣言が出された時点で、もともと里帰り出産を予定している妊婦さんに対して「受診2週間前の帰省」や「帰省後の体温測定で約2週間発熱がないことを確認した上での受診」などをお願いしていたり、緊急事態宣言対象地域や感染拡大地域からの里帰り出産を制限している施設がありました。 しかし、緊急事態宣言の対象が全国に拡大されたことで、里帰り出産自体を断る施設が増え、妊婦さんが出産する場所を失ってしまうという問題が起こっています。 行き場のない妊婦さんはどうしたらいい?日本産婦人科学会では、現在住んでいる地域で出産施設を捜す際には、原則として自分で捜さずに現在健診を受けている担当医師と妊娠中の経過や合併症の有無などをふまえて相談し、決定するよう呼びかけています。 また、東京産婦人科医会では妊娠の週数にかかわらず、出産に対応できる施設のリストを4月17日にHPで公開したとのことです。このリストには合わせて123の施設が地域ごとに掲載され、ハイリスクの出産を受け入れられるかどうかも記されているそうです。また、JNNがおこなった日本産科婦人科学会の木村正理事長へのインタビューによると、大阪ではリストは公表はしていないものの、産婦人科医のなかでは出産が可能な施設がわかっているとのこと。 くわえて、そのインタビューで木村理事長は、妊婦さん自身が出産先を探して施設に連絡をするのではなく、「専門家のネットワークを通じて、そのような場所を探すということをやっていただきたいと思います」と話しています。 新型コロナウイルスの感染に対する不安に加え、突然出産場所を失ってしまった妊婦さんの不安は計り知れません。新たに出産施設を探すとなった場合、やはり妊婦さんのこれまでの妊娠経過を一番よく知っているのは、妊婦健診を受けていた産院の医師です。地域の施設事情もよく知っていると思います。まずは、これまで妊婦健診を受けていた産院に相談してみてください。全国の分娩取り扱い施設を検索できるサイトもあります。(※受け入れ可能な施設ではありません)。妊婦さんが安心して出産の日を迎えられますように。 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2020年04月22日2020年4月現在、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染拡大の影響を受け、医師や看護師といった医療従事者の人々は、多忙を極めています。院内感染の可能性を考慮し、家族と離れて暮らしたり、大切な人に会わずに過ごしたりする人は少なくないのだとか。肉体的にも精神的にも『癒し』が皆無に等しい状況下で、患者に向き合い続けています。そんな中、コンビニエンスストア大手のローソンが同月20日、公式Instagramで『ある取り組み』を開始しました。医療従事者へ感謝を伝えるコメントの募集を開始ローソンは、同月20〜24日まで、『病院のみな様への感謝のコメントを募集する』と発表し、以下の内容を投稿しました。ローソンでは、新型コロナ感染治療に日々奮闘されている病院の皆様への感謝のコメントを募集しています。4/24までに本投稿にいただいたコメントの一部は、全国約300店の病院内ローソン(ホスピタルローソン)店舗内ポスターに使用させていただきます。本投稿へのコメントをもって、コメントのポスター掲示にご同意いただいたとみなします。akiko_lawsonーより引用 View this post on Instagram A post shared by ローソン Lawson Japan (@akiko_lawson) on Apr 19, 2020 at 4:00pm PDTコメントの一部は、全国に約300店ほどある、病院内のローソン店内に貼られるポスターに使用するそうです。医療従事者が飲み物などを買いに訪れた時、感謝の言葉が連なるポスターを見たら、きっと励みになるでしょう。想いやりにあふれたローソンの取り組みに賛同した人々は、医療現場で働く人に向けた言葉をつづっています。・いつ感染するか分からない恐怖の中、私たちのために仕事をまっとうしてくれて、ただひたすらに感謝です。・心身ともに、大変な毎日を送られていると思います。みな様に感謝しつつ、私は私にできることを頑張ります!・あなたたちの一人ひとりが、人類の誇りです。今この瞬間も、感染の危険と隣合わせで働く医療従事者の人々に、感謝の想いをつづってみてはいかがでしょう。ちなみに病院内のローソンでは、医療現場で働く人がスイーツやコーヒーを半額で楽しめる『サンクスデー』も開催。『医療応援』を開始したローソンその内容に「コレは嬉しい」「いい取り組み」さまざまな方法で医療従事者を支えるローソンの取り組みを、応援していきたいですね![文・構成/grape編集部]
2020年04月21日2020年4月現在、増え続ける新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染者を救うため、多くの医療従事者が懸命に働いています。誰よりも最前線に立って、多くの患者と接さなくてはならない医療従事者の疲労はピークに達しているでしょう。そんな中、一部では医療従事者本人や、医療機関に勤める親を持つ子供たちに、心ない差別が横行。厚生労働省によると、医療従事者であることを理由に、以下のような事態が起きているといいます。・医療従事者の親を持つ子供たちが、保育所への通園を断られた。・医療従事者に対し、タクシーの運転手が乗車を拒んだ。同月17日、こういった事例に対し、厚生労働省はTwitterを通して次のような呼びかけを投稿しました。「新型コロナウイルス感染症の治療に当たっている医療従事者の子どもたちが、保育所への通園を断られた」、「医療従事者が、タクシーへの乗車を拒まれた」、などといった心ない事例が紹介されています。— 厚生労働省 (@MHLWitter) 2020年4月17日 医師や看護師などの医療従事者は、感染防御を十分にした上で、患者の検査や治療、感染症のまん延を防止するなどといった、国民が望む仕事を行っています。正確でない情報により、医療従事者に対応することは慎むべきですし、場合によっては人権侵害になることもあります。— 厚生労働省 (@MHLWitter) 2020年4月17日 厚生労働省は、医療従事者が十分な感染対策を行ったうえで国民のために働いていることを前置きし、「正確でない情報を信じて対応することは人権侵害にもつながるため、慎んでほしい」と強く抗議したのです。【ネットの声】・ありえない。誰よりも危険をおかして頑張っている人たちにやることじゃない。・医療従事者です。病院から出た時に嫌な顔をされたり、指をさされたりしています。・酷すぎる。世界でも日本の死亡者数が少ないのは、医療従事者が頑張ってくれているからこそでしょう。・自分は医療従事者ですが、タクシーの運転手から「大変な中、働いてくれてありがとう」といわれたことがあります。残念なことに、一部の人の振る舞いによって、つらくやるせない思いを抱いている医療従事者がいるのは事実。当然ながら、医療従事者も同じ人間です。中には大切な家族を守りながら、不特定多数の人々を救うという大変な任務にあたっている人もいるでしょう。私たちが戦う相手は人間ではなく、コロナウイルスであることを今一度意識したいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年04月19日日を追うごとに増え続ける、日本国内の新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染者。2020年4月17日時点で、国内の感染者数は9千人を超えています。医療現場からは、事態収束の兆しが見えないどころか、悪化の一途をたどる現状に、医療体制の崩壊を危惧する声も上がっているほど。この緊急事態を受け、同日、緊急会見を開いた東京都医師会は、感染しているかどうかを判別する『PCR検査』を行うセンターの設置を明らかにしました。会見映像は東京都医師会のウェブサイトでも公開され、東京都医師会の尾崎治夫会長が語った医療現場の現状がネット上で話題になっています。尾崎会長「さらなる自粛を」PCR検査センターの設置の背景として、「感染している人や疑いのある人を拾い上げ整理しないと、感染予防もできない」と語っていた尾崎会長。続けて、最前線で業務に当たる各地の保健所の現状も明かしています。保健所さんの機能が不全になっておりますが、これは保健所の方々が、わざと(検査を)ブロックしているわけでは決してありません。あそこ(保健所)の方々は、本当に少ない人数で精一杯やっております。ただし、例えばクラスターを追わなければいけないとか、詳しい疫学調査の実施というのも、厚労省のほうから指令がありまして。そういったことをやりながら、いろんな方が患者さんの追跡とかいろいろやりながら、また、電話対応もしながら頑張っていますが、いかんせん感染者の増大というかスピードが速いので、追い付いていかなくて機能不全におちいっているわけです。マスコミの方々も、保健所の怠慢だみたいな話が出てるところもありますが、そんなことは決してございませんので。彼らも一生懸命、このコロナと闘っておりますので、ぜひその点はご理解をいただきたいと思います。東京都医師会:広報ーより引用感染が広まる中、一部では「なかなか検査が受けられない」「保健所に電話をかけても、つながらない」といった対応の遅れを指摘する声があるのも事実。医療現場にいる尾崎会長は、そうした一部の批判に対し、限られた人数で対応にあたっている保健所の現状を説明し、強く反論しました。また、すでに限界を迎えつつあるのは保健所だけではないといいます。新型コロナ外来の先生も、精一杯やってる状態で、これ以上PCR(検査)をやっても入院先も見つからないという状態で、やむを得なく断っている状況をご理解いただきたいと思います。そういう中で、私たちかかりつけ医ができることは何かといった場合に、やはりここは我々が立ち上がって、このPCRセンターを作って、少しでも今の混沌とした状態をよくしていきたい。感染者を拾い上げて、きちんと整理していきたいという強い思いで、この47の地区の医師会にお願いして、こういった体制を作っているということですので、ぜひご理解をいただきたい。東京都医師会:広報ーより引用その上で、改めてさらなる外出自粛の強化を呼びかけました。これはもう繰り返しのお願いですが、感染のスピードがこれ以上収まらないとですね、いくら病床を用意して、宿泊施設を用意して、そして我々がその軽症者を今度は自宅で診るような事態になって、それを頑張ったとしても、追い付いていけません。実際に11日でしょうか、休業要請が10日ですか、11日から厳しい自粛のほうを要請してから2週間後、25日でございます。それまで私たちは頑張っていきますが、そのあとぜひ、感染者の流れがですね、横ばいになる減ってくるということがないと、これ以上東京はもちませんので。ぜひそこを、都民のみなさんに働きかけていただきたい。マスコミの方々からもぜひ自粛、さらなる自粛をお願いしたい。人と人との接触をやめていただきたいということを、ぜひ記事の最後には絶対に書いていただきたい。そういうふうに思っておりますので、よろしくお願いします。東京都医師会:広報ーより引用「もっとも大事なことは、人と人との接触をやめること」と、強く訴えかけた尾崎会長。すでに不要不急の外出を控える動きは広まっているものの、今以上に強く意識しなければ、感染拡大は防げないといいます。「危機感がダイレクトに伝わる」の声東京都医師会の会見は反響を呼び、尾崎会長の強い訴えに危機感を覚え、改めて感染予防の意識を強く持ち直す人たちの声が目立っています。・この危機感あふれる訴えと、地域の医師によるPCRセンター設置が、東京都の現状を反映しています。・もはや医療現場は崩壊寸前。・これは本当に、日本国民全員に見てほしい。過去にも、尾崎会長は自身のFacebookを通じて外出自粛を呼びかけていました。改めて会見で、外出自粛の重要性を訴えている点からも、いかに感染拡大の防止は、私たち一人ひとりの意識にかかっているかが伝わります。医師会長から切実な訴え…「外出自粛、もう飽きちゃった」続く内容に絶賛の声感染が拡大する中、自分もコロナウイルスに感染しているかもしれないと不安になる気持ちは、誰もが抱いていることでしょう。その思いに共感し、そして最前線で闘う医療現場の人たちのため、東京都医師会をはじめ、多くの人が尽力してくれています。私たちも改めて感染予防の意識を強く持ち、日々の行動を見直したいものです。その意識が、自分だけでなく、周りの人、そして医療現場の人たちを救うことにつながります。[文・構成/grape編集部]
2020年04月18日