どうして癇癪(かんしゃく)を起こすの?癇癪にまつわるギモン子育てしていく中のお悩みとして多い「癇癪(かんしゃく)」。大声で泣き叫んだり、壁や床に頭を打ちつけるなど、激しい癇癪への対応に周りの保護者の方もヘトヘトになってしまうという声も多くあります。発達ナビQ&Aコーナーでも、これまで癇癪に関する質問の投稿が1,000件以上寄せられています。発達障害との関係や、家での対応策、服薬するボーダーラインまで、みなさんの疑問とは。「子どもはどうして癇癪を起こすの?」「優しく声をかけてもダメ、怒ってもダメでノイローゼになりそうです。子どもの癇癪はどう対応したらいいのでしょうか」「2歳3ヶ月の癇癪が激しく、切り替えが極端に苦手、落ち着きのないなどの特性もあり、発達障害があるのでは?と感じています」「癇癪がひどく、小児科医で薬を処方されましたが、飲み始めてから子どもの元気がないような気がしていてこのまま飲ませ続けてよいのか心配です」このコラムでは、癇癪のなぜ?から、癇癪への対応、服薬についてなど、体験談や、専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。癇癪(かんしゃく)とは具体的にどのような状態のことをいい、原因にはどのようなものがあるのでしょうか。◆癇癪(かんしゃく)とは癇癪(かんしゃく)とは興奮を伴う混乱状態を指します。個人差はありますが、大声で泣き叫ぶ、壁や床に頭を打ちつける、物を投げるなどの激しい行動が見られることが多くあります。赤ちゃんのころから幼児期、児童期にも見られ、人によっては思春期や大人になっても続くこともあります。気持ちのコントロールがうまくできないときに起こりやすく、コミュニケーションの手段として習慣化することもあります。◆癇癪(かんしゃく)の原因赤ちゃんの癇癪は、空腹や眠気、痛み、おむつが濡れたなど生理的に不快な刺激によって引き起こされることが多いです。幼少期以降になると発達段階やその場の状況によって原因は異なるものの、癇癪が起きているときには、「何か不都合を取り除こうとしている」そして「困っているというサインを発している」と考えられます。発達ナビのQ&Aコーナーに寄せられた、具体的な悩みと解答について紹介します。年少の娘は自閉症です。上手くいかない事があれば、すぐ大声をだしたりグズグズします。原因不明の癇癪や、人形の靴が履かせれないなどなど…ささいな事でキーキー、グズグズ叫んで怒ります。(中略)私も主人もノイローゼになりそうです。助けてください。こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。A. 保育園や療育先で相談してもわからないのは辛いですね…わかりやすい癇癪は、例えば自分の要求が通らない時がありますが、他にも大人には理解に苦しむ癇癪が多々ありますよね。まだ生まれて3年です。上手く表現出来ないのです。親としても3年。成長と共に少しずつ理解出来るようになりますよ。例えば息子ですが、保育園時代の昼寝が地獄だったと小学生になってから教えてくれました。 癇癪は言葉で対応しようとしても、興奮していたり、怒っていたりしている場合がほとんどであり、気が立ってる時に働きかけても悪い方向に物事がすすんでいきます。癇癪を起こしてるときは、ものを側におかない、ものをこわしたり投げさせないよう気をつける、頭を叩いたり、ぶつけたりしないように気をつける、などし、興奮がなるべく短い時間に済むようにすることが大事です。癇癪している場合は、さらっとかわす。わたしは、スルー、やり過ごす、これでのりきりました。怒っても、もっとひどくなるだけです。こえかけは火に油になることも多いです。癇癪の対応に関するギモンと体験談をもとにした回答をご紹介いたしました。聞いてみたい質問があればぜひQ&Aコーナーに投稿してみてください!癇癪(かんしゃく)と発達障害の関連とは。自閉スペクトラム症やADHDなどがある子どもの癇癪の特徴は?激しい癇癪に服薬は必要?癇癪にまつわるギモンとして発達障害との関連や薬の服用について気になっている方も多いと思います。発達ナビのQ&Aコーナーにも以下のような投稿が寄せられています。子どもについて初めて投稿します切り替えが極端に苦手、落ち着きのなさ、人を叩く引っ張る噛む等々、上の子よりも激しいことが多々…。特に切り替えの苦手さで言うと、床に寝そべって泣き喚くことは日常茶飯事、何かで釣るのも普段はしないウチですが仮にしたとしても無意味、他の提案も聞いてすらもらえず、機嫌を損ねて癇癪を起こしたら最後で、何をしても無駄です。私は落ち着くのをひたすら待ちます。(中略)診断してほしい!とかうちの子は発達障害!と言い切りたいわけではないのですが、もう少しこの子や周りが上手に楽しく過ごせる方法はないのかな…と日々考えています。こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。A. 保育園児さんということで、年齢が分からないので何とも言えませんが、年長さんなら就学相談を含め早めに次の対応を考えられても良いのかな、と思います。年中さんなら、年長に上がる前に、担任や主任の先生とゆっくり、家庭と園の現状について話し合われれ、次のステップにいくかどうか相談されても良いのではないでしょうか。 親が大変かどうかで踏み込んで良いと考えています。「仮に何もなくても、相談して情報が得られるなら」と自治体の保健センターに相談しました。主治医からまさに「親御さんにしか困り感がわからないタイプだね」と言われて支援が始まりました。3歳すぎでASDの診断がおりています。初期の相談から2年経ち、息子も4歳過ぎましたが色々と形を変えた困りごとと向き合い続けているので当時の感覚は合ってたなという結論です。比較的早い年齢での着手でしたが、それでも児童精神科の受診や検査、療育先の契約までにそれなりの待ち時間がかかりました。逆算すればやはり早いに越したことはありません。癇癪がひどくわずかな事にイラつき暴言を吐いたり壁を殴ったりします。ストラテラを服用し始めて約2ヶ月たつのですが すごく改善されていた癇癪がまた元通りになってしまいました。こんな事ってありますか?こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。A. 我が家の主治医からは、薬を服用した際、そのような事例があると聞いていますよ。なお、これはストラテラに限らず、他薬でも似たような結果となる話は聞きます。その薬がどのような働きをするのかなど専門的見解から考えると、現状の癇癪がまた元通りになったというのは、特別おかしな状況ではありません。あくまでも基盤となる生活が毎日同じような繰り返しであっても、些細な気候の変化など様々な動きが生じます。そのなかで、さらに本人自身の体調の変化なども合わさりますと、薬の効果が感じないという事はよくある話でもあり、この場合においてはもう一度病院を受診されるなど、医師にご相談が無難ではと思われますよ。癇癪を頻繁に起こすからといって発達障害があるというわけではありませんが、発達障害のある子どもに見られることが多い傾向が癇癪を起こしやすくしている場合があります。◆癇癪の原因となり得る発達障害のある子どもに見られる傾向・感覚の問題とこだわりの強さ・自分の意思や気持ちを他者に伝えるのが苦手・他者と自分の意図をすり合わせるのが苦手・気持ちのコントロールが難しいこれらの傾向が癇癪のきっかけになり得る場合があります。◆癇癪と自閉スペクトラム症(ASD)自閉スペクトラム症(ASD)のある子どもには、感覚過敏がある場合が多くあります。周りの子どもにとっては気にならない刺激であっても過敏に反応して癇癪を起こしてしまうことがあります。また、自閉スペクトラム症(ASD)のある子どものこだわりや不安の強さによって、普段と違うことが起きたり、突然の予定変更に気持ちがついていかず、癇癪につながってしまうこともあります。また、相手の気持ちや意図を理解するのが難しかったり、こだわりが強い、他人のペースに合わせるのが苦手、ということもあります。◆癇癪とADHD(注意欠如・多動症)ADHD(注意欠如・多動症)がある場合は、衝動性から「やりたい」という気持ちを抑えるのが難しいために、相手の気持ちが分かったとしても、その気持ちを譲ることができないことと、感情がすぐに表面化することで、爆発的に怒ってしまうことがあります。【小児科医に聞く】発達障害がある子どもの癇癪(かんしゃく)の対応のコツ、服薬のギモンここまで発達ナビのQ&Aコーナーに寄せられたギモンを中心にご紹介しました。次に、小児科医の藤井明子先生に発達障害がある子どもへの対応のコツ、服薬のギモンについてお答えいただきます。A. 癇癪を起こす背景として、感覚の問題、こだわりの強さ、気持ちを伝える苦手さなどがあります。癇癪を起こした際に、なぜ癇癪を起こしているのか、お子さんの視線に立って少し考えてみましょう。物事が思い通りに進まなかった、暑かった、いつもと違った順序で嫌だった、など理由が思い当たるかもしれません。癇癪を起こしている最中には、まずはお子さんが落ち着く・クールダウンできるように見守り、少し落ち着いたら、「〇〇できなくて悲しかったね」「思い通りできなくて悔しかったね」と気持ちの言語化を代わりにして、声をかけてみましょう。つい、癇癪を抑えようとして、お子さんの言いなりになりそうになるかもしれませんが、まずはお子さんの言いたい気持ちを受け止めて、言語化してみましょう。事前の対策は、これから起こりうる物事に対して、見通しを持った声かけをしておくと良いでしょう。「今日はいつもと違う道を通って帰るよ」「スーパーに行くけど、おやつは一個だけ買います」など、事前に見通しを立てておくと、気持ちのコントロールの手助けになることがあります。Upload By 専門家インタビューA. 親もヘトヘト、という時点で病院に受診することをおすすめします。特に、お子さんが小さい場合には、親御さんがヘトヘトでも目は離せません。親御さんの疲れがたまると、その皺寄せがお子さんへのイライラにつながってしまうことも多々あります。どうか、一人で悩まずに、医療機関、療育機関などに相談してください。病院に相談したから、すぐに薬の内服が始まるわけではありません。私の外来では、選択肢の一つとしてお薬の話をし、それ以外ご家庭でできる工夫などもお話ししています。また、すぐに癇癪が減るわけではないですが、第3者に相談して、一人でないのだと親御さんが思われるだけでも、少し気持ちに余裕が出てきて、お子さんの癇癪に対して、適切な対応を取れるようになってくる親御さんもいらっしゃいます。Upload By 専門家インタビューA. 服用に際しては、メリット、デメリットについてバランスをみて、服用のメリットがあると判断される場合に処方されます。もし、副作用など疑問があれば、主治医の先生に相談することをおすすめします。小児科で処方する癇癪に対する内服薬は、眠気や怠さなどの副作用が少ない薬を選択することが多いです。副作用があったり、内服中に気になることがあった場合には、主治医の先生と相談のうえ、中止ないし、ほかの薬への変更など考えていきましょう。Upload By 専門家インタビュー癇癪(かんしゃく)の理由は?クールダウン方法や対応は?自閉スペクトラム症など発達障害があるわが子の癇癪エピソード発達ナビライターの方々の癇癪にまつわるエピソードをご紹介します。子どもの癇癪(かんしゃく)で親もつらくなってしまうようなときは、迷わず専門機関に相談を癇癪にまつわるみなさんの疑問や回答、癇癪と発達障害との関係や、癇癪が起こってしまったときのクールダウン方法や事前の対策、病院を受診するタイミングなどをご紹介しました。癇癪が起こると、本人はパニック状態になってしまうため、まずは安全な場所でクールダウンできるように見守り、落ち着いたタイミングで本人の心に耳を傾けることが大切です。また、癇癪には何かしらの理由が隠れています。お子さんがパニックを起こさないで済むように事前に見通しを持てるような説明をしておくことが、癇癪を防ぐことにつながることがあります。癇癪に対して「通院」や「服薬」を聞くと、不安を抱いたり、「自分が我慢すればよい」「そこまで必要かな?」と思うこともあるかもしれませんが、子どもの癇癪で親御さんもつらい状況にある場合は、迷わずに小児科などの専門機関に相談してみてください。Q&Aにぜひ投稿してください!発達ナビはみんなでつくるポータルサイトです。一人ひとりの質問や回答が誰かの支えになっています。参考になる質問や回答を投稿してくださるユーザーの方々いつもありがとうございます!「ぜひ参考にしたい!」というユーザーの方々の声も多いことから話題の投稿などをご紹介し、専門家の先生にもコメントいただければと思っています。子育てに関する疑問や知りたいこと、身近な人には相談しにくいこともあるかもしれません。そんな質問をぜひ発達ナビのQ&Aに投稿してみてください!
2023年01月09日自閉症スペクトラムの娘、あきちゃんとの日常をマンガで紹介しているさやこさん。今回は娘の癇癪がひどくなって、さやこさんが疲れていたときのこと。さやこさんがある行動に出ると……!?母、思わず涙… 自我が出るとともに、娘の癇癪がひどくなって疲れていたさやこさん。今日は、癇癪を起こす娘の手がさやこさんの顔面を直撃しました。 するとさやこさんは、「いいですか。お母さんはもうあなたが落ち着くまで相手をしません」と言って、娘の見えないところに隠れました。 5分ほどすると、 「おっかあっさーんっ、おちっついったー」 と、娘の呼ぶ声が。その声から頑張って泣き止もうとしているのが伝わってきます。 さやこさんが急いで戻ると、甘えてくる娘。その様子を見て「苦しいのはこの子だ」と思い、さやこさんは目に涙をためながら、娘に離れたことを謝りました。 そして同時娘の成長を実感し、成長を見守ろう、もう少し頑張ろう、と思えたのでした。 ◇◇◇ いつもは1時間ぐらい泣き続ける娘さんが、このときは5分で泣き止んだので、頑張って泣き止もうとしていることがわかったのだそうです。そして娘さんが少しずつ成長していることを感じたのだとか。自分の行動を娘にしっかり「ごめんね」と言えるさやこさん、とても素敵ですね。 さやこさんのマンガは、このほかにもブログやInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。 著者:マンガ家・イラストレーター さやこ娘と夫の3人暮らし。自閉症スペクトラムの娘との日常を中心にいろいろと過去の出来事などエッセイマンガを描いてます。
2022年11月17日買い物中にトラブルに巻き込まれ、モヤモヤしたことはありませんか?今回は実際に募集した買い物中のトラブル体験談をご紹介します!母性ってものわかるかな?買い物でモールまで行ったのですが、3歳の息子と0歳児の乳児を抱えていました。3歳の息子が疲れてきたのかかなりの癇癪を起こし、これはもう撤退しかないな…と帰宅することにしました。車に行くためにほぼ無理やり3歳児を連れていく形で、0歳児も大泣き…それを見たベンチに座った初老の男性に「お母さん、母性ってものわかるかな?君がやっていることはいじめだよ」と言い出し、勘弁してくれよ…と泣きそうになっていました。するとペットショップのお姉さんが出てきて「僕、すっごいかわいいワンちゃんがいるから一緒に見てみない?」と誘ってくれ、一瞬で癇癪が引きました。お礼を言って店内に入ったのですが「見てましたよー私も子どもがやっと小学校に行ったんですけど、本当に大変ですよねこの年齢!あのおじさんは子育てしたことないんです。ゆっくり見ていってくださいね」と言ってくださり、本当に救われました。(女性/会社員)あなたの周りでもこんなこと、ありませんか?人に対して嫌な態度を取る人は、放っておいて正解かもしれませんね。反面教師として、自分は周りの人に対して優しくありたいものですね。以上、スカッと体験談でした。次回の「スカッと体験談」もお楽しみに♪※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点のものになります。"
2022年11月07日今回は娘さんが癇癪を起したときのお話です。ある日、お家で癇癪を起してしまった娘さん。さやこさんは横にいながらも、娘さんには一切触れず、娘さんが落ち着くのを見守っていました。しかし、そこに夫がやってきたかと思うと、泣いている娘さんを抱っこしようとして……!?癇癪を起したときの娘の対応。以前、夫に伝えたはずなのに… 娘さんが癇癪を起こしたとき、とにかく落ち着くまで横にいて見守っていたさやこさん。 (もう少しかな……) そう思っていると夫がやってきて「お父さんが抱っこしような」と言い、娘さんに触れてしまいました。 すると、娘さんは「ギャーーーー!!」と暴れ出してしまったのです。 以前から夫に娘さんが癇癪を起したときの対応などを伝えていたのですが、なぜか見守ることができずに途中で手を出しまった夫。 「触ったらダメだって……」 思わず声が漏れると、「じゃあ何!?ほっといてくつろいでていいの!?」と逆ギレ。 (せっかく落ち着きかけていたのに……) さやこさんは思わずため息を漏らしてしまうのでした。 さやこさんは以前から娘さんの対応については、旦那さんに伝えていたそうなので、「やれやれ……」と思ってしまうのも分かる気がしました。皆さんはどう思いましたか? 著者:マンガ家・イラストレーター さやこ娘と夫の3人暮らし。自閉症スペクトラムの娘との日常を中心に色々と過去の出来事などエッセイ漫画を描いてます。
2022年11月02日自閉症と中度知的障害を持つ2015年生まれのほぺろうくんのママ、ぼさ子さん。ほぺろうくんが3歳ごろ、保育園に入園できたものの癇癪がひどすぎて精神的に追い詰められて限界に……。しかし突然「もしかして、ほぺろうは、ずっと前から私の表情に苦しんでいたんじゃ?」と思いつき、「ほぺろう! 大好きだよー!」と思い切り抱きしめました。 いつも寝るときに大暴れするほぺろうくんですが、このとき、ぼさ子さんがぎゅっと抱きしめると? 「気づかなくてごめんね…」 ほぺろうは言葉もなく、考えていることもよくわからない子だったので 「お母さんのことなんて何とも思ってないんだろうな」 と勝手に決めつけていたのですが、そんなことはなかったのかも……。 この当時のこと思い出すと、本当「うわぁあああーーっ」ってなる。 ほぺろうはずっとお母さんが寄り添ってくれるのを待っていたのかと思うと、私、大罪すぎるー(泣)!!! ◇◇◇ いつも寝るときに大暴れするほぺろうくんですが、このとき、ぼさ子さんがぎゅっと抱きしめると、癇癪がスッと落ち着き、安心したように眠りに落ちたのでした。 監修/助産師 REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター ぼさ子自閉症と中度知的障害を持つ、2015年生まれの息子を育児をしています。いまだに発語はありませんが、母目線でその成長記録を綴っています。
2022年09月03日ほぺろうくんの癇癪がひどかった3歳ごろ、あるとき突然気づいてしまったこととは?障害児を子育てするなかで気づいたこと、心境の変化を綴る「障害のある息子からの学び」を短期連載でご紹介します。ほぺろうくんが2、3歳のころ、癇癪がひどすぎて精神的に追い詰められて限界だったという、ぼさ子さん。 しかし、ひょんなことからの気づきによって、今は母子ともに笑って過ごせる時間が増えたそう。その心境の変化とは? 繰り返される癇癪に、気分は落ち込み… 保育園に入園できたものの、この頃はまだ癇癪がひどかったほぺろう。 でも、パートに行き始めて、ほぺろうと離れる時間を作れたおかげで母(私)のほうが少しずつ変わっていけた気がします。 ◇◇◇ 「なにこの癇癪……」「感覚過敏のせい? 眠いのが理解できないせい?」 暴れながら泣き叫ぶほぺろうくんの癇癪をみて、うんざりしてしまったママ。 しかしその瞬間、気づいてしまった「大切なこと」とは一体? 監修/助産師 REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター ぼさ子自閉症と中度知的障害を持つ、2015年生まれの息子を育児をしています。いまだに発語はありませんが、母目線でその成長記録を綴っています。
2022年09月01日痛みにあまり反応しないむっくんは小さなころから痛みに強い子でした。転んでも泣くことはなく、少々怪我をしてもケロっとしています。実はむっくんの父も痛みにあまり反応しないタイプなので、特性なのか家系なのか、ハイブリッドなのかは分かりませんが、とにかく痛みに鈍感なのです。そんなむっくんは周囲にぶつかりやすかったり、物を踏みやすい傾向があります。こういう場合、ボディイメージの弱さが考えられるという話をきくのですが、むっくんの場合はぶつかっても痛くないから、回避行動をとらない面もあるのでは?と感じることもありました。また、他者の体へ接触するときは自分が痛くないように相手に触れるという、心理的な手加減があるかと思うのですが、むっくんは痛いと思わないからか当たりが強く、ぶつかられた私のほうが悶絶し、本人は涼しい顔をしていることもよくありました。発熱時などもつらそうにふるまうことがないので看病などは弟と比較すると楽だと感じることもありましたが、痛みを伴う重大な怪我や病気に気づけなかったらどうしようという心配もありました。その上、癇癪やパニックを起こしているとこの痛みへの反応の鈍さがますます強くなるのです…。Upload By ウチノコうっかり自分を傷つけてしまうむっくんは小さなころ、癇癪を起こすとひっくり返ってじたばた暴れたり、周囲のものを投げたり殴ったり蹴ったりして全身で体の中で膨れ上がる何かを発散させていました。このときに周囲に力いっぱいぶつかることで、怪我をすることがときどきありました。「自傷」のように自分で自分を傷つけようと思っているわけではないのですが、パニックがおさまって我に返ったらあざができていることもしばしば。冷蔵庫をおもいきり蹴とばしたあとに、歩けないと訴えて病院にかかったこともあります。(捻挫でした)むっくんは癇癪時にはいつも以上に痛みに鈍くなるため、怪我をするかしないかの力加減ができなくなっているのではないかと私は考えています。こういうときは、ぶつかられた私もいつも以上に痛い!手加減なしで暴れるので、怪我をしないように押さえようとした結果、お互いぶつかり合ってそれぞれあざができてしまうこともありました。現在は8歳になり力も強くなったむっくん。成長と共に我を忘れるほどの癇癪は起こりにくくなり、暴れたり物や私への暴力も減ってきています。だけど昨年、自分の感情の爆発をなんとか我慢しようと体を手でぎゅうっと握りしめた結果、爪が食い込んで出血してしまったのです。Upload By ウチノコ鎮めるか発散するか今までむっくんは、癇癪を起こしそうなときにはお風呂に入る、好きな読書をする、静かな場所に行くなどの興奮を鎮める対処をしてきました。だけど、この件を受けてこれから力がますます強くなることを考えると、鎮めるだけではなく、安全に発散することも考える必要があるのだなと感じました。そこで手っ取り早く力をおもいきり使えるように部屋にサンドバックを設置。これは過去に私自身もストレスに対処する方法として児童精神科医の三木先生 からアドバイスいただいています(笑)今のところ、サンドバックを蹴り蹴りしながら邪魔!と言っていますが(笑)それでもカーッと来ると部屋に飛び込んでたまに使っている様子です。ほかにも「大きな声で叫ぶ」もよさそうですし、夫は走る感覚と怒るときの感覚は似てる気がするから、全速力で走るのもいいかも?なんて言っています。これからはむっくんの内なる大きなエネルギーを、怪我しない程度に発散し程よくコントロールする術を身に着けていけたらいいなぁと考えています。Upload By ウチノコ執筆/ウチノコ(監修:三木先生より)おおお、サンドバック設置されたんですね…!たしかに邪魔かもしれませんが(笑)。エネルギーを爆発させる、外に出す方法にはいろいろあります。本人がつらくなく、周りに迷惑ではなく、そしてちゃんと発散になる方法が見つかると、かなり暮らしやすくなると思います。
2022年06月17日ほぺろうの癇癪でつらかった時期、家族はバラバラUpload By ぼさ子自閉スペクトラム症と知的障害のあるわが家の息子ほぺろう。正式に診断が下りたのは3歳のときでした。1歳半ごろから発達の遅れは気になってはいましたが、2歳を過ぎたあたりから手のつけられないレベルで癇癪が激しくなり、いよいよ『ほかの子とは違う』という現実を突きつけられていました。当時の私は障害について検索するのに必死。改善する方法を検索して必死。障害じゃない可能性を検索して必死。…頭がおかしくなるくらい検索漬けの毎日でした。しかも「私は母親なんだから子どものことをしっかりやらなくてはならない!」という変な意地を張っていたので、仕事のあるペー太(夫)に支障がないようにほぼ毎日別室で寝ていたし、ほぺろうのことはほぼ全て私がやっていました。ただでさえ大変なほぺろうに私は24時間つきっきり。ほぺろうが何よりも最優先。ペー太とはすれ違い生活で会話は減り、そのころの夫の記憶がほとんどありません。限界のとき…妻に放たれた夫のセリフ3歳でほぺろうの診断名が出た当時の私の気持ちは、わが子の将来が見えなくて不安と絶望。また「育児は母親が背負うもの」という間違った先入観が邪魔して、「癇癪で大暴れ」や「夜の寝つきが悪い」などなど…ほぺろうと二人っきりの閉鎖的な世界で(他人に会うと迷惑をかけるので)全てを私一人で抱え込んでいました。毎日の癇癪と寝不足で心身はボロボロ。限界でしたが助けの求め方が分かりません。というか、もう正しい判断もできなくなっていたので「母親なんだから助けを求めてはいけない」と思っていました。あるとき、追い詰められていた私はペー太に心配してほしくて「ほぺろうがいなくなっても後悔しないかも…」と心にもない言葉を出してしまいました。でも そんな屈折したSOSを理解する方が難しいでしょう。Upload By ぼさ子Upload By ぼさ子Upload By ぼさ子そう言い残し、戸を閉めて行ってしまいました。そのときは、「夫は私やほぺろうに無関心なんだと」思ったし、寄り添ってもらえないと感じました。そして、さらに夫に頼るということができなくなりました。転機!全てのきっかけは私自身にあったその後もずいぶん一人でもがき苦しんでいました。でもやがて、地域のサポートや保育園にお世話になれるようになってから私の気持ちに少しずつ余裕が出てきました。そして就職も私にとって大きな転機だったと思います。決して自慢できませんが、家事がどんどん下手クソになっていったのです!あまりにも上手く家事ができな過ぎて、逆に「ま、いっか!」と開き直るようになったせいか、助けの求め方が分からなかった私が自然にペー太を頼れるようになっていきました。すると不思議なことに、なぜか家族仲が良くなってきました。ほぺろうがお父さんに懐くようになっていきました。Upload By ぼさ子Upload By ぼさ子壁をつくっていたのは私自身だったんだと気づきました。実は誰よりも息子を想っていたペー太ほぺろうが6歳になった現在、今では子煩悩で ほぺろうのためなら何でもやってくれるペー太。最近になって初めて、診断が出た当時の気持ちを聞いてみました。ペー太いわく、「診断が出たときはホッとした。その前からほぺろうはほかの子とは違うとハッキリ感じていたから、早く対策してあげたかった」「診断名が分かったから、ようやく適切なステップを踏めると思った」とのこと。私は衝撃でした。私なんてむしろ障害じゃない可能性を探したりしていたのに、ペー太はスタートラインから心構えが違っていました。全然無関心なんかじゃなかった。診断名を聞いて「よし、これからだ」とペー太は思っていたのに、障害を受け入れられずに悲観してばかりの私を見て「何やってんの」となるのは当然だと思いました。当時、ほぺろうのために何かしたかったのに、私が壁をつくっていたせいで手を出しにくかったらしい…。本当に最近までペー太の気持ちを知らず、対話してみないと分からないものだと実感しました。Upload By ぼさ子現在の気持ちも聞いてみました。ペー太いわく、「障害とは何か?と聞かれたら詳しくはよく分からないけど、”ほぺろうはほぺろう“としか思えない」とのこと。障害と向き合うと言うより、本人そのものと向き合おうとする子育ての本質を、意外にも父親であるペー太の方がつかんでいたことに驚かされました。今ではほぺろうはすっかりお父さんっ子。相変わらず私に対しては優しくない夫ですが(笑)、ほぺろうへの愛情深さは本当に尊敬しています。Upload By ぼさ子執筆/ぼさ子(監修:初川先生より)夫婦の思いが分かり合えるに至るプロセスのシェア、ありがとうございます。はじめは、ぼさ子さんがまさに孤軍奮闘している思いだったのですね。お子さんの発達がゆっくりだったり癇癪がすごかったりして、なんかちょっと違うのでは…と思うこと、そして実際に診断が下りること。うすうす感づいてはいても、衝撃と困惑とさまざまあったことと思います。大きな衝撃を受けたときの反応は人それぞれで、読者の方の中にも、ぼさ子さんのように思われる方も多くいらっしゃると思います。そして、“孤軍奮闘”になると、どうしても視野が狭くなってしまうものです。人は頑張りすぎると周りが見えなくなりがちなのはいかなる場合・状況でもそうなるものです。保育園や地域資源の利用、就職などで、さまざまな方のお力を借りる(というか、分業する、子どもと離れる時間を設け、子どもを見る良き支援者が増える)ことで、ぼさ子さんの場合には精神的なゆとりと物理的な支えを得たことが、視野が広がるきっかけだったように思います。ぺー太さんのように、子どもの発達の遅れや診断を「よかった」と受け止める方もいらっしゃいますね。そうしたところについては、夫婦や家族の中であっても、どう受け止めているのかは聞いてみないとわからないものです。話してみたら、意外とわが子を「子」として見ていてくれた(障害の有無にかかわらず「子」として見るって素敵なことです)とのこと、素敵なパートナーさんですね。一緒に子育てを担う方の中に、そうしてどーんと構えて、子どもをかわいがってくれる人がいるというのは心強いですね。
2022年06月13日エビリファイってどんな薬?「エビリファイ(一般名:アリピプラゾール)」(以下エビリファイ)は、統合失調症、双極性障害における躁状態の改善、うつ病・うつ状態に効果が期待できる飲み薬です。2016年に「小児期の自閉スペクトラム症(ASD)における易刺激性」もエビリファイの適応症となることが承認されました。易刺激性とは、ささいなことをきっかけに不機嫌になったり、怒ったり、大泣きしたりしてしまう状態のこと。ASDがある子どもは、急に癇癪を起こしたり、攻撃的になったり、あるいは自傷行動をしたりといった症状が見られることがあります。こうした症状は本人も保護者にもコントロールが難しく、日常生活にも支障をきたしてしまうこともあります。エビリファイは、こうした易刺激性をやわらげてくれる抗精神病薬です。エビリファイには、脳内でドパミンホルモン(※)が過剰に放出されているときは、ドパミンをおさえる働きをし、反対にドパミンが少量しか分泌されていないときは刺激する方向に働きます。この働きによってドパミン神経を安定化させ、気持ちを穏やかにしてくれる効果があるのです。(※)ドパミン:神経伝達物質の一つで、快く感じる原因となる脳内報酬系の活性化において中心的な役割を果たしている。参考:ドパミン|e-ヘルスネット 厚生労働省エビリファイは何歳から使える? 用量はどれくらい?小児期のASDに対してエビリファイを用いる場合、対象となる年齢は原則として6歳以上18歳未満とされています。エビリファイは錠剤のお薬ですが、錠剤を飲み込むのが苦手なお子さんには小袋に入った液剤もあります。飲む回数は1日1回。投薬開始時は、1日1mgから始めます。薬を増量する場合は、1日あたりの増量幅は最大3mgまでにとどめます。また、1日あたりの最大量は15mgを超えないようにすることが推奨されています。医師の指示に従い、用法用量を守って正しく服用することが大切です。すぐに効果が出ない場合も、自己判断で中止したり、勝手に薬を増量したりすることにないように、気をつけましょう。副作用の心配や、服用するときに気をつけることは?エビリファイは副作用が少なく、子どもにも安心して使える薬として活用されています。ただ、副作用がまったくない薬というのは存在しません。エビリファイを使用すると、次のような副作用が出ることがあります。日中の眠気体重増加、食欲増加のどの渇き起立性低血圧めまい高血糖注意力や反射運動能力の低下また、別の薬といっしょに飲むと、作用が強くなりすぎたり、お互いの作用が弱まってしまったりすることがあります。ほかに服用している薬がある場合は、必ず医師に伝えましょう。リスパダールとエビリファイの違いは?エビリファイと並んでよく使われる薬に「リスパダール」があります。リスパダールも、エビリファイ同様、ASDが原因による癇癪、衝動性を穏やかにするための治療薬です。2つの薬には、どんな違いがあるのでしょうか。まず、エビリファイとリスパダールでは、働きかける脳内の伝達物質が異なります。エビリファイがドパミンに作用するのに対して、リスパダールはドパミンとセロトニンの両方に働きかけることで、不安や緊張、精神の不安定な状態を抑えます。リスパダールは、原則として5歳から使うことができ、子どもの体重に合わせて用法用量が定められています。エビリファイとリスパダールには錠剤、液剤のほか、注射薬もあります。ただ、注射は統合失調症および双極Ⅰ型障害の方専用で、ASDのある子どもへの適応は今のところ認められていません。エビリファイとリスパダール、どちらの薬剤を使用するかは医師の判断によります。リスパダールの副作用が強かったり、薬が合わなかったりするときに、エビリファイを処方されることもあります。また、リスパダールには、リスペリドンという名前のジェネリック医薬品(後発医薬品)があり、5歳から17歳までのASDのある子どもへの易刺激性に対して投与が認められています。エビリファイにもジェネリックはありますが、まだ小児期のASDがある子どもへの投与は認められていません。医師と相談しながら適切な治療を癇癪やイライラ、気分の落ち込みは、ASDがある本人にとっても、また子どもを見守る保護者にとってもつらいものです。小児期は、薬物療法よりもまず行動療法に取り組んでいくのが一般的ですが、それは決して小児期には薬物療法ができない、という意味ではありません。子どものASDにも使える薬の正しい知識を得ることは、困りごとを解決するための選択肢の幅が広がるステップにもなります。医師と相談しながら、必要な場合には薬を上手に活用していくことも一つの手。心穏やかに、笑顔で過ごせる時間が増えるよう、専門家のアドバイスを受けながら工夫していきましょう。参考文献:お薬を正しくご使用いただくために エビリファイ |大塚製薬株式会社 HPより抗精神病薬 「エビリファイ」 小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の適応追加承認|大塚製薬株式会社 HPより
2022年05月20日お友達と一緒に公園へ長女が5歳、長男が2歳のときのお話です。長女は癇癪持ちで、スイッチがはいると1~2時間ほど大声で泣き続けることがしばしばありました。特に室内にいると癇癪がおこることが多いので、なるべく開放的な公園などに遊びに行くことを心がけていました。その日は平日でしたが幼稚園はお休み。ママ友とそのお子さん2人(Aくん5歳、妹3歳)と一緒に公園に遊びに来ていました。公園には小川と池があり、小さな生き物などもいて自然がいっぱいなので子どもたちが大好きな公園で、月に何度も行っていました。5歳の2人は木の側をお家に見立てて遊んでいました。2歳の長男は、長女たちを見守る私の近くでドングリ拾い、ママ友は少し離れた小川で3歳の妹と水遊びをしていました。Upload By 発達ナビ編集部長女がお友達との言い合いから、癇癪モードに突入それぞれ楽しく遊んでいたと思っていたら…「ちがう!!そうじゃない!!」と長女が大きな声で言いました。Aくんと遊んでいる中で意見が合わず、何度話しても折り合いがつかないため、とうとう長女が大きな声を出してしまったのです。ある程度は子どもたちのやり取りを見守りたいと思っていたのですが、次の瞬間、長女がAくんを押そうとしていました。咄嗟に私は長女を止めるために駆け寄りました。長女の手を止め、私はお互いの話を聞いてみようと思いました。ところが、私が介入したことで、長女はヒートアップ!癇癪モードに突入してしまいました。初めはAくんと意見が合わないことで、怒り始めた長女だったのですが、私が介入してしまったことで「お母さんが、嫌」という思考に変換されてしまいました。私が何を言っても「お母さんは言わないで!」「お母さんあっちに行って!」、離れようとすると「行かないで!」「話を聞いて!」…とパニック状態に突入。Aくんもどうしよう…、と困り顔。そのやり取りはしばらく続いていました。長男は、なぜか気にせず、その間夢中でドングリ拾いをしていました。ママ友に助けを求めようと思ったのですが、少し離れた小川にいて声は届きません。そして長女がパニック中なので移動することも難しく、周りの人からの視線もつらく…。イライラするやら、悲しいやら、でも、怒っちゃいけない…と思いながら、冷静を装っていましたが、私もパニックになりそうでした。長男が消えた!そのとき…、私は2歳の長男が側にいないことに気づきました。長女と会話を始めたときには近くでドングリ拾いをしていたのですが、長女と私がヒートアップしていく間にどこかへ行ってしまったのです。Upload By 発達ナビ編集部公園には小川と池があり、すぐそこに車道もあります。「待って、○○(長男)がいない!」と私が言うと、怒っていた娘もハッとして癇癪が収まりました。長男は今まで、私の側を離れていくことはありませんでした。それで安心しきっていたのが私の間違いだったのです。Aくんも状況を分かってくれて、長女とAくんと私で、長男の名前を叫びながら探しました。Upload By 発達ナビ編集部なんで手を握っていなかったんだろう…なんで目を離してしまっていたんだろう…後悔と焦りの中、公園の中を探し、小川のほうに行くと…小川で遊んでいたママ友と、Aくんの妹と一緒にいる長男を発見しました。「○○(長男)くんが、お池のほうに行こうとしていたから、お母さんと一緒にみんなで行こうね、って話してたところだよ」と言うママ友。「よかった~(涙)」と泣く私を見て、慌てるママ友にさっきまでのことを話しました。長女もAくんも「よかった~」と言い、長男はポカンとしていました。Upload By 発達ナビ編集部きょうだいでも個性はそれぞれ長女が2歳ごろのときは私と離れることを怖がっていて、特定のお友達ができてもある程度大きくなるまで私から離れて遊ぶことができませんでした。長男もまた公園に行っても私から離れることはなかったので、長女と同じように「自分から私の側を離れることはないだろう」と思っていました。しかし、この出来事をきっかけに、長男は興味を持ったら「お母さんと離れる」ということを気にせずに衝動的に動いてしまうところがあることに気がつきました。それまで、長男は公園に行っても私の側から離れることはなく、いつも私の側でドングリを拾っていました。それは、長男にとって「母の側」ということが重要だったのではなく、「ドングリ拾い」が楽しかっただけだったようです。そして「ドングリ拾い」に満足した長男はその日、「あっちに池がある」ということに気づき、衝動的に池に向かっていったのだと思います。心から反省する出来事で、思い出すと今でも背筋が凍ります。長男を保護してくれたママ友に今でも感謝しています。長女の癇癪ばかりに目を向けていたことにも反省しました。長男はこのころからどんどん活動的になり、衝動性、多動性が目立っていきました。同じように生活しているきょうだいであっても、子どもは一人ひとり個性が違うことを実感しました。また子どもの傾向を決めつけず、注意深く見ること、そして何より屋外で絶対に目を離してはいけないと胸に刻みました。エピソード参考/カワカワイラスト/taeko(監修:三木先生より)お子さん二人を一人で見るのはとても大変ですよね。特に片方に手がかかっているときは、もう一方のことはうっかり見落としてしまいがちです。そのことに気づいて、でもしばらくすると忘れて、また思い出して、の繰り返しなのかもしれません。こういうきっかけでそのことに気づけたのは、とても良いことでしたね。あなたのエピソードもコラムになるかも?体験談募集中!保護者の方が日々子育てをする中で「こんなトラブルがあった」「こんなハプニングがあった」など悩みはつきないと思います。そんな発達ナビユーザーのみなさんの「困った」エピソードを募集しています。テーマは「ゲーム」「不器用」「ママ友・保護者」「祖父母や親戚関係」「ご近所トラブル」などに加え、今回より「自傷」「学習」「不登校」のお悩みも追加募集!癇癪を起こして自分の頭を叩く、地団太を踏むなどの自傷行為…読み書きや計算の困りはもちろん、授業を落ち着いて受けられないなどの学習の悩み…行き渋りや不登校などの悩み…いろいろなお悩みエピソード、お待ちしております。お寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんにコラムとしてコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開致します!あるあるのエピソードからヒヤリとしたエピソード、SNSなどではなかなか言えないような家族やママ友とのトラブルまで。いろいろな「困った」エピソードをぜひ教えてください。
2022年05月16日小学校に入って、癇癪で泣く事が本当に減った娘。親としてはとても楽になった反面、ちょっと寂しいなと感じていました。色んな事が自分でできるようになって、イライラも減ったのかもしれません。ところが、ある日のこと。 可愛くて笑ってしまいそうなのを必死に我慢しつつ、まだまだ娘を抱っこしてヨシヨシしたい母心でした。
2022年04月27日切り替えで大癇癪勉強会で知ったのは…Upload By ゆきみ言葉が遅く、1歳半健診で指摘を受けた長男けんとは、市の発達支援の親子教室に通っていました。「毎日体を動かしましょう」とアドバイスをいただいていたのですが、散歩を嫌い、公園へ行っても座り込んで砂をサワサワ触るだけ。どうにか少しでも歩いてほしいと、大好きなエレベーターと駐車場があるショッピングセンターによく行きました。しかし3歳のころ、大好きなエレベーターに乗りまくったあと、お気に入りの場所である、地下1階にある駐車場の事前精算機の前で動かなくなってしまったのです。帰るために離れようとすると大癇癪!!床をゴロゴロ転がって抵抗し、隙をみてママから逃走してお気に入りの場所へ…。そのころはまだ弟が赤ちゃんだったので、暴れるけんとと2人を抱っこして車に連れていくのが本当に大変で、気がめいってしまいそうでした。そんなときに、親子教室や発達支援施設でおこなわれた勉強会に参加し「視覚支援」というのがあることを知ります。ネットや本でも調べてみて、軽い気持ちでやってみることにしました。視覚優位!?視覚支援がピッタリはまったUpload By ゆきみショッピングセンターに到着。「1 エレベーター」「2 ちゅうしゃけん」「3 くるま」「4 おかし」など、言葉と簡単なイラストも添えて紙を見せてみました。指をさしながら「次は駐車場だね」「次は車だね」と案内していくと、泣くこともせずに自らの足で次の場所まで歩きだしたのです!たった1枚の紙でこんなに違うの?と本当にビックリ!それからというものの「まだ帰りたくない」と癇癪をおこしてしまうような場所へいくときは紙を持っていき、順番を書いて見せることに。その後、4歳ごろに通っていた発達支援施設の臨床心理士の先生に「けんとくんは視覚優位なタイプだと思います」と言われました。文字が読めなかったり、説明するのが難しい場所へ行ったりする場合、予めインスタントカメラやスマートフォンなどで撮影をして、写真を見せるのも有効的かもしれないとアドバイスをいただきました。発達支援施設の先生の案で新たな発見Upload By ゆきみ「いつもと違う行動」というのが苦手なけんと。忘れ物に気がつき、家に引き返そうとしたときや、帰宅途中にコンビニへ寄ろうとしたときに大癇癪をおこしてしまうことがありました。「お店に寄ってから家に帰るよ」と口でいくら言っても泣き止まないのに、紙に「おみせ→いえ」と書いて見せるだけでピタリと泣き止むことも。年長で通っていた発達支援施設では「おわりの会」のときに数人が「今日の感想」を発表するというのがありました。けんとは、これが大好きで毎回発表をしたがったそうです。ですが当番制!毎回は無理です。どうしても発表したいけんとは大号泣。それが何回か続きました。そこで先生が提案してくださったのが、カレンダーを印刷し、けんとの当番の日に丸をつけてくださるというもの。施設に行く前にカレンダーを見ながら「今日は発表だね」と確認してから行くと、泣くことはなくなりました。年齢と共に少し変化!?6歳の現在は…Upload By ゆきみ6歳になった現在は「忘れ物を取りに帰る」「寄り道して帰る」というのがどういう状態なのかというのを理解したようで、文字にせず、口での説明だけでも大丈夫なことが増えてきました。それでも視覚を使わないと理解が難しいことも多く、試行錯誤の毎日です。これは最近分かったのですが、うちの子の場合「なるべく前もって見通しを伝えておく」「予定変更になりそうな予定も含めて伝えておく」というのも大事なポイントのようでした。今から思いかえしてみると、ショッピングセンターで見せた紙の最後をいつも「おかし」にしていたのがお菓子大好きけんとくんは「食べたい!」となり上手くいったのかなーなんて思ったりもします。イラストを書いたり、文字で書いたりと、ひと手間を加えるのは少し面倒なときもありますが、これからも「こんな小さなことで変わる?探し」を楽しむ気持ちでいけたらいいなと思っています。執筆/ゆきみ(監修:初川先生より)視覚支援をめぐる驚いたエピソードの共有をありがとうございます。ASDのあるお子さんは「視覚支援」「見通しを提示する」がピタッとはまることが多いです。視覚的な刺激に引っ張られやすいため、お母さんの声掛けが入りづらかったり、言葉は分かっていても、実際の物事や展開と一致させることが苦手であったりするため、絵や文字で提示するのは有効なことが多いです。また、予期せぬことにパニックになりやすいASDのあるお子さんも多くいらっしゃると思いますが、だからこそ、あらかじめ見通しを提示しておくことは安心感につながります。年齢が上がるにつれ、急な変更が入りやすい場合は、そのことも見通しの中に入れておくことができますし、そういったことにも慣れてくると、急な変更にも少しずつ慣れていくこともあります。「こんな小さなことで変わる!?探し」、素敵ですね。小さな工夫でも本人に合っていればうまく機能することは結構あるかもしれません。ぜひ楽しく探してみてください。
2022年04月27日発達ナビユーザーの体験をコミックエッセイ化!発達ナビにて行っている「みんなどんなトラブルで悩んでる?アンケート&エピソード大募集!」。今回はその中で投稿のあった「癇癪」についてのエピソードをコミックエッセイ化してご紹介します。2歳ごろから癇癪が激しかった娘娘は2歳前ころから癇癪が激しく、私の悩みの種でした。癇癪が始まると声が大きくなり、同じ娘だとは思えないような怖い表情になり、顔を真っ赤にしたまま1時間は癇癪モード。2時間くらいになるとさすがに疲れてくるのか、だんだんと落ち着いてくる、というのがほとんどでした。2歳ごろはいわゆるイヤイヤ期なのだろうと思っていましたが、3歳になっても、4歳になっても、5歳になっても落ち着くことはありませんでした。むしろ年齢が上がるごとに声はどんどん大きく出せるようになり、発語もはっきりしてきたため、癇癪を受ける側のダメージはアップしていきました。Upload By 発達ナビ編集部自分の要望が満たされなかったり、本人の予測と違ったことが起きると娘は癇癪になりました。特に癇癪を起こすタイミングは「出かける前」。そして娘が一番癇癪を起こしやすいパターンは「遊びを中断する」ということでした。そのため、出かける前に娘が時間がかかりそうな遊びを始めるのは高リスクでした。娘が遊びに熱中しすぎないように声をかけて気を逸らしたり、短いテレビ番組を流して”観終えたら出発”と約束してみたり、毎日同じ方法ではうまくいかず、とにかく娘がご機嫌に出かけられるようにできることを日々いろいろと考えました。その甲斐もあり「これから出かけるから、一旦遊びは終わらせて一緒に行こう」と落ち着いて話しをして、癇癪を未然に防ぐことができる日もありました。穏やかな朝が一変!掃除機が癇癪の引き金に娘、4歳5ヶ月のころ。その日は、いつもよりも穏やかに1日がスタートしていました。娘は朝の着替えを嫌がることもなく、朝ごはんもおいしそうに食べ、幼稚園に行くというスケジュールも理解していました。普段だったら娘が不機嫌になり、バタバタと出かける準備をしているくらいの時間だったのですが、不思議なくらいスムーズに事が運び、時間に余裕がありました。出発時間まではあと30分ほど。娘が出発前におもちゃを出して遊び始めても、落ち着いて話せば遊びをやめて出かけられそうな雰囲気がありました。時間があったので、私は少し離れたところで掃除機をかけ始めました。この油断がいけなかったのです。この日は、これが癇癪の引き金でした。娘「掃除機しないで!!」母「嫌だった?ごめんね」…娘の表情はみるみる変わっていきました。娘の表情を見たら(ああ、もうこれは癇癪モード突入だ…)とすぐに分かりました。Upload By 発達ナビ編集部癇癪のとき娘は「お母さん、ねえ、聞いて!」と叫ぶのがお決まりでした。「うん、なあに?」「聞いてるよ」と私が言っても、娘は理由などを言うわけでもなく…。娘が話し始めるのを待っていると「だまらないで!」「しゃべって!」と叫びます。そのあと私が「聞いてって言ってたから、待ってたんだよ」と言うと「しゃべらないで!」と娘、そして「お母さん、ねえ、聞いて!」に戻る…という。こんなやり取りが1時間続くというのがいつものパターンでした。こうなると私はもうサンドバッグ状態でした。完全に娘はパニック状態なので、少し距離を置いたほうがいいのかなと思い、そっとその場から離れようとすると「行かないで!」と叫ぶのです。娘が我に返るまで、私はとにかく娘のそばで終わるのを待つしかありませんでした。いつもの癇癪と思って耐えていたら、警察が…その日、癇癪が始まって40分くらいしたとき「ピンポーン」と自宅のインターホンが鳴りました。インターホンのモニターをみると、そこには警察らしき人が映っていました。「ああ、通報されちゃったんだな」とすぐに分かり、涙が出てきました。その日は窓を開けておくと気持ちがいい6月のとある日(しかも私の誕生日…)、大声で「お母さん!」「行かないで!」と言う声が外に響いていたのでしょう。Upload By 発達ナビ編集部突然のインターホンの音と「お巡りさんだ!」という私の声にびっくりして娘の癇癪も収まり、私は娘と一緒に玄関に向かいました。警察の方「○○署の者です。お子さんの泣き声がすると連絡があり…、お母さんどうして泣いているんですか?」私「すみません…。心配していただきありがとうございます。すみません、娘が癇癪を起こしてしまって…」このころ娘の癇癪がない日はほとんどありませんでした。毎日必死で向き合ってきたのに、それは誰にも伝わっていないんだな…と感じ、私はやるせなく涙が止まりませんでした(しかも誕生日なのに…!!)。Upload By 発達ナビ編集部そのあとは警察の方が、娘に「こんにちは」と言うと娘も「こんにちは」と答え、親子と警察の方で少し他愛もない会話を交わしたあと、心配ないと思ってくださったのか、特にほかに何か聞かれることはなく帰っていきました。ご近所の方への感謝と切なさ私は自分の地元を離れ子育てしており、このころご近所付き合いもほとんどありませんでした。ご近所の方は、子どもの激しい泣き声を聞いて、娘を心配して通報してくれたのだということは分かりますし、地域の方が子どものことを気にしてくださることに感謝をしています。ただ、娘がどんな子どもなのか、私がどんな子育てをしていてどんなことで悩んでいるのか、わが家がどんな家庭なのか…このとき心配してくださった方に伝える手段がなかったことが悲しく、少し苦い思い出として残っています。そして、誕生日が来る度に思い出します。この出来事のあと、私は地域の行事に親子で参加したり、地域の方と話す機会を意識してつくるようになりました。娘の激しい癇癪は私(母)に対してがほとんどですが、小学2年生くらいまで頻繫におきました。10歳になった娘は、今でもたまに怒りがコントロールできず「お母さん、ねえ、聞いて!」と言うお決まりのセリフで1時間怒っていることがあります。まさか10歳まで続くとは思っていなかったのですが、理不尽な会話で私がサンドバッグ状態になることはかなり少なくなりました。また怒りが落ち着いたタイミングで「怒る気持ちになると、自分でも言わない方がいいと思うことを言っちゃう」と話してくれるようにもなりました。娘が怒りの気持ちとこれからうまく付き合って行けるように親子でできることをしていきたいなと思っています。エピソード参考/カワカワイラスト/taeko(監修:三木先生)これはとてもつらい経験でしたね。しかし、そんな経験のあとに自分から地域に出ていくという行動を取られたことは驚きと称賛に値すると思います。そういったご苦労のおかげで、いま娘さんはだいぶ落ち着けるようになったんでしょうね。あなたのエピソードもコラムになるかも?体験談募集中!保護者の方が日々子育てをする中で「こんなトラブルがあった」「こんなハプニングがあった」など悩みはつきないと思います。そんな発達ナビユーザーのみなさんの「困った」エピソードを募集しています。テーマは「ゲーム」「不器用」「ママ友・保護者」「祖父母や親戚関係」「ご近所トラブル」などに加え、今回より「自傷」「学習」「不登校」のお悩みも追加募集!癇癪を起こして自分の頭を叩く、地団太を踏むなどの自傷行為…読み書きや計算の困りはもちろん、授業を落ち着いて受けられないなどの学習の悩み…行き渋りや不登校などの悩み…いろいろなお悩みエピソード、お待ちしております。お寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんにコラムとしてコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開致します!あるあるのエピソードからヒヤリとしたエピソード、SNSなどではなかなか言えないような家族やママ友とのトラブルまで。いろいろな「困った」エピソードをぜひ教えてください。
2022年04月25日癇癪の理由、分かるときはまだいいけど…Upload By ぼさ子自閉スペクトラム症と知的障害のあるほぺろうは、痛い・眠い・空腹などとにかく何でも癇癪で伝えてきます。それらはまだ理由が分かるけど、ニコニコの1秒後に急に怒り出したり原因不明なことも多々あります。癇癪の理由を探るとは、想像のバリエーションを広げることぼさ子(以下、――):癇癪の原因を解消してあげたくても、何もできないときもあって…悩んでいます。三木先生:う~~~ん、まぁ言ってしまうと子どもってそういうものなのかなって気がするんですけど、赤ちゃんへの対応と一緒で思い当たるものを一つひとつ、つぶしていくしかないかな。ただそのとき、こうかな?っていう想像が必要なんですけど、想像を通り越してむしろ『妄想』でもいいくらいです。結局大人の予想とは違ってたってことはよくあるんですけど、想像のバリエーションを幅広く持てると、癇癪の理由を10回のうち1回はつぶせた、2回はつぶせた、というふうに可能性が増えていきます。Upload By ぼさ子三木先生:でも、発語があったとしても6歳なら自分で説明するのは難しいので、ある程度は理解できなくても仕方ない部分もありますね。あとはフラッシュバックしてる可能性もあるかもしれません。ただ、何がフラッシュバックしているのかは本人の頭の中を覗かない限り分からないので、大人側の心の準備としては「フラッシュバックかも」という視点を持っておくことで「理由の分からないものは仕方ない」と思うこともできます。子どもは思うよりワケ分からないもの。突拍子もない想像をしてみよう三木先生:メジャーな理由を考えてもダメだったときは、「突拍子もない想像をしてみる」ことです。「まさかこんな理由で!?」みたいな先入観なしに。ありえないと思う可能性でも意外にスッと当てはまることもあるので、一応頭の隅っこに捨てずに取っておくといいですね。例えば「カラスが鳴いていたのが気に入らなかった」とか、もっととんでもない理由でもいいのですが、そういう可能性を考えておくと積み重ねていくうちに3回目くらいに「やっぱり関係あるかも?」みたいに、その子に対する理解の幅が広がります。Upload By ぼさ子三木先生:結構大人が理解できないようなことで子どもの癇癪は起こるので、先入観がない状態で自由に想像してもらうといいかなって。それでも100%理解するのは絶対ムリなので、気が済むところまで考えたら諦めるのもアリかなと思います。大人同士であっても定型発達の子どもであっても100%は分かり合えないですからね。喋れない子どもだったら余計「分からないものだ」という前提を持っておくことも大事かな。保育園の先生が発見した意外な理由ーー実は、保育園でほぺろうは午睡から起きると機嫌が悪いことが多いのですが、最近先生から「原因が分かりました!」という報告をもらったんです。その原因というのが「午睡後のおやつが好きか嫌いか」だったという…三木先生:原因は昼寝じゃなかったと。ーーはい、寝起きの悪さじゃなかったと。Upload By ぼさ子Upload By ぼさ子三木先生:いやぁ、でも「寝起き」という先入観があるとなかなか気づきにくいですけど、発見した保育士さんたちすごいですね!そういうところまで広げていくと面白い発見がありますよね。感想最近だと「ほぺろうは保育園から帰るとき、どんなに機嫌良くても、自宅の玄関を入った途端に泣き出す」というのが悩みの一つで、私としては理由が全く分からなくて泣き止むのを待つしかない…という毎日なんですけど、三木先生のお話を参考に突拍子もない想像をしてみたいと思います。Upload By ぼさ子ほぺろうはまだ6歳ですし自閉スペクトラム症もある。私の想像をはるかに超えていて当然なのかも知れません。こちらも思い込みを捨てて観察してみると面白い発見がありそうです。そして今回も、お話の中で印象に残った三木先生の言葉があります。Upload By ぼさ子執筆/ぼさ子
2022年03月30日最長で20時間以上、泣いて怒っていたころUpload By かさはらあやこ自閉スペクトラム症と中度知的障害のある息子が3歳のころは、・眠いのにうまく寝つけない・思い通りに遊べない・嫌なことを上手に避けられない・行事などいつもと違う状況・怪我や風邪などの体調不良・気圧や天候、温度や湿度の変化上記のような理由で癇癪を起こし、1~2時間、長い時は3~4時間、最長で20時間以上、泣いて怒る。発語もなく、意思の疎通も難しいので、その時点で理由を推測するしかなく、真相は分からない。という状況でした(きっとどの理由も正しい)。一度スイッチが入ってしまうと、最終的に全力でスルーして耐えるしか策がなく、泣き叫んで暴れるわが子と共に涙を流し、ただただ心が擦り減る日々を過ごしていました。医師と相談してはじめた投薬治療Upload By かさはらあやこ3歳6ヶ月から4歳6ヶ月の一年、偏食は酷くなり、体調もずっと崩しがちで小さな成長すら感じることも少なくなりました。癇癪も、瞬間湯沸かし器のように、一瞬の激しい怒りで床に頭を打ちつけたり、壁に激突したり…。力も強くなったことで怪我の心配もあり、一日中イライラして苦しそうな息子を見ていることもつらく、4歳を過ぎたころから医師と相談して投薬療法を始めました。飲めば、穏やかになり癇癪は起こさなくなる。薬は、それぐらい精神に作用する強烈なもの。息子が息子でなくなったらどうしようという不安と、これでやっと癇癪から解放されるという期待。9ヶ月経った今、どちらも当てはまらず。心配していた副作用も特になく、息子は息子のままで、昼間に何時間も続くような癇癪はなくなったものの、小さなイライラは相変わらず起こっている状態です。薬に完全に頼るのではなく、家での環境も見直し、できるだけ落ち着けるような空間にするために努力したり、母親である自分のメンタルを崩さぬよう仕事をセーブし(コラムもお休みをいただいておりました)、とにかく無理をしないように過ごしています。癇癪を起こす理由が少しずつ分かるようになった出来事Upload By かさはらあやこ息子は12月に入り、年末が近づいてくると荒れる傾向にあります。2020年から2021年にかけての年越しで、起きている間はずっと泣いている、という過酷な状況を経験したこともあり、2021年の年末は気合を入れて臨みました。予想通り昨年もクリスマスを過ぎたころから段々と雲行きが怪しくなり、一日中イライラして泣くようになりました。そんな状態だったある日、キッチンに立っている私を見つめ、息子が「ぐぅにゅー、ぎゅうにゅう」と言ってきたので、コップに牛乳を注いで渡すと、ごくごくと牛乳を飲み干し、満足そうにニコッと笑いました。牛乳を飲まなくなって半年以上経っていたので驚いたのと同時に、彼の中で〝ぎゅうにゅう〟と〝牛乳〟がマッチした瞬間かもしれないと感じました。それをきっかけに段々、言葉と実物がマッチするようになり、癇癪を起こす理由も少しずつ分かるようになってきました。『これじゃなくてあれが食べたいんだ』『いまこのアニメが観たいんだ』『あのおもちゃで遊びたいんだ』今までまったく分からなかった〝怒っている理由〟が分かるようになると、癇癪が起きる前に防ぐことができたり、癇癪を起こしても最短で切り替えさせることに成功したり、おさまるまでただただ耐えながら全力で無視するしかなかった時間に選択肢がうまれました。一瞬のSOSを見逃さないUpload By かさはらあやこ不快な音が流れると耳を塞ぎ、見たくないものがあると隠れたり、目を閉じたり、発語が増えると共に、3歳のころはうまく避けられなかったことも、息子なりに意思表示ができるようになりました。今は、その一瞬のSOSをできるだけ見逃さないように毎日を過ごしています。まだまだ考えても分からないようなことや失敗した!と思うことも山ほどあります。オムライスを出して烈火の如く怒り出した理由が、顔を描いたのがいけなかったのか、チキンライスを卵で巻いたことに腹が立ったのか、ケチャップが嫌いなのか…考えても考えても分からないのだけれど、オムライスが原因で怒っていることが分かっただけ息子と私にとってはとても大きな進歩です。今までは、それが原因だと気づかず、無理やり食べさせようとしつこく口に運び、食べないストレスで叱り、余計に怒らせて長引かせていたからです。でもいつか聞いてみたい。アイスやかき氷をすすめると、食べるまでに警戒して凄く時間がかかるのに、雪に速攻で食らいつくのはなぜ?って。執筆/かさはらあやこ(監修:鈴木先生より)お母さんは息子さんの優秀な通訳になれたのです。もしあなたが今、一人で言葉が違う国へ行ったら、通訳がいないと生活できません。通訳の中でも知識のある通訳は、今晩何を食べたいか3、4種類候補が出るのに対して、知識がない通訳だと今日は1種類しか提示できず選択できなくなります。優秀な通訳ならこちらの言いたいことも察してくれてそろそろトイレですねとか、喉が渇きませんかなどと聞いてくれます。お母さんはそれと同じようなことができたのです。苦手でも相手の立場に立って考えていく努力が実を結ぶのです。癇癪は自閉スペクトラム症の易刺激性が原因の場合があります。ちょっとしたことでイライラしやすく、自他傷行為や汚言などがみられることがあります。環境整備をしても生活や教育に支障が出ている場合は抗精神病薬の投与によって抑えることが可能です。副作用の心配などおありでしょうが、お子さんの将来のことを考えて集団の中でつらい思いをさせないように早めの対策も必要だと思います。
2022年03月29日息子の癇癪パターンはいろいろUpload By かなしろにゃんこ。自分が思い描いた目標に達成できないと怒ったり、何かに夢中になっているところを横から干渉されると癇癪を起こすわが家の息子。学童期は、「もうやだー」と家具を蹴ったりする始末……その度、「あぁ~また始まっちゃった。リュウ太が怒りだすと近所に聞こえるような大きい声で怒鳴るからヤダな~」と母の私も暗くなったりイライラすることがあります(涙)。中学生になっても癇癪のときの声の大きさは変わらず「くそーーーなんでだよーーー!」と何に対して言っているのか分かりませんが、乱暴な言葉で怒鳴り散らすのでたまりませんでした。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。成人した息子に癇癪について聞いてみると「暴言は自分に対してだったりするよ、うまくいかない自分に腹が立つ」のだそう。さらに「癇癪はなくすことはできないんだ。『ほかの人は怒るときに大声なんて出さないで怒るんだよ。だからあなたも声を出さないようにしなさい』って親や先生に注意されてきたけれど、オレは声を出さないで怒りを消すことはできないんだ」と話してくれました。息子は、怒りが発生して数秒でピークに到達する→ 怒りをリセットするにはなるべく遠くに怒りを放つ感じで吐き出すから大声になる→ 大声を出すと気持ちが収束に向かうだから怒ると大声を出してしまうんだと知りました。Upload By かなしろにゃんこ。私自身は「怒りの感情」というのが時間をかけてジワジワと来たりします。そのため瞬間湯沸かし器のようになる息子の状態が今まで私には分かりませんでしたが、息子の話を聞いて「自分の中にわいてくる”嫌なもの”を早めに排除する行動だったのね!」と知りました。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。息子は、「ものによっては声を出しても怒りが収まらないときがあるけれど、『ま、いっか!』という言葉をつぶやいて全てどうでもいいことに変えるようにしてるよ。『ま、いっか!』は小学生のころからやっていて、”怒り”に区切りをつけることができる」とも言いました。小中学生のころはまだ心のコントロールができていないように見えましたが、息子は自分なりに心の調整をする方法を見つけていたと分かりました。執筆/かなしろにゃんこ。(監修:井上先生より)「怒りの感情」は、リュウ太さんが言われていたように成長と共に少しずつ制御可能になっていきます。小さいころは「制御する」というよりは、周りの大人が「我慢させようとする」ことが多いかもしれません。子どもの場合、我慢する方法を具体的に教えてあげないと「我慢しなさい」とだけ言われたことが、火に油を注ぎエスカレートして悪循環に陥ることもあります。「叩いたり壊したりするよりは、声に出すほうがいい」「声に出すよりも、走ってみるのはどうか」「壊れないものを投げてみるのはどうか」…など怒りを鎮めるやり方を一緒に考えてあげるといいかもしれません。「怒り」を押さえつけるのではなく、怒りをうまく手なずけるための代替案を一緒に考えたり、うまく怒りを鎮められたときに褒めることが大切だと思います。
2022年03月25日マンガで癇癪を学ぼう!マンガで分かりやすく発達障害が学べる『マンガで学ぶ発達障害』シリーズ。今回は悩んでるご家庭も多い「癇癪」についてまとめてご紹介!癇癪ってどのような状態のこと?原因や背景をはじめ、起こさないようにご家庭でできる環境調整方法、起きてしまったときのクールダウン方法、発達障害との関係性など、公認心理師の井上先生の解説とともにご説明します。癇癪とは、声を荒げて泣いたり、激しく奇声を発したりするなどの興奮を伴う混乱状態を指します。癇癪行動の例やどのような気持ちの変化で起きてしまうのか、癇癪について原因を2つに分けて専門家が解説します。たびたび癇癪が起こるからといって発達障害があるというわけではありませんが、発達障害のある子どもに強く見られる傾向が癇癪が起こるきっかけと絡んでいる場合があります。そんな発達障害のある子どもに見られる4つの傾向と癇癪の関係を解説します。いったん始まってしまうと、癇癪を鎮めるのは難しいので、普段の生活から子どもに十分配慮をし、癇癪が起きないように回避することが重要です。癇癪が起きないように気をつけたいポイントや起きてしまったときのクールダウン方法などをご紹介します。まとめ子どもが癇癪を起こす背景には必ず理由があります。普段の生活や癇癪の起きるきっかけなどを探し、子どもに合った配慮を行うことで癇癪を抑えることもできます。もちろん全ての癇癪を抑えることは難しいです。ですが、どのようなときに癇癪が起きやすいか、クールダウン方法を知っておくことで保護者も安心して過ごすことができます。それでも子どもの癇癪に悩むときには一人で悩まずに周りの人や相談できる施設を頼ることが重要です。
2022年03月20日癇癪がない?Upload By まる昨年末に自閉スペクトラム症の診断を受けた息子リュウ(3歳)。今までひどい癇癪やパニックがない、おっとり鈍感タイプだ。友人たちにも「リュウちゃんは本当におっとりしてて優しいよね~」とよく言われる。叱っても泣くのを我慢することがあったり、泣いていてもそんなに長時間泣くことはなく親の私でも驚くほど切り替えが早い。人見知りや場所見知りで困ったこともほとんどない。こう言うとすごい楽な子じゃん!と誤解されがちだがそれなりに心配がある。癇癪などで、嫌な気持ちを今の小さいうちに表現したりすることで気持ちの切り替えや伝え方などを学んでいくと聞く。「小さいうちに体験して学んでおかないと、大人になって力が強くなってから思い通りにいかなくて暴れたりするとママの力じゃ抑えられないから今癇癪がある方がいいんだよ」と言われたことがある。息子はすでによく食べるお陰で年齢よりも大きく成長している、親戚中から将来はお相撲さんかな〜⁇と言われるくらい。これで将来手がつけられない癇癪などされたらたまったもんじゃない。息子が診断される前の私の中の自閉スペクトラム症のイメージが「癇癪、こだわりが強い、多動」などがあった。2歳ごろのリュウは癇癪とこだわりがあまりないが多動ではあった。静かに移動するので外で本当にすぐ見失う。私が買い物の棚を見ているほんの一瞬でいなくなるのだ。忍者か。それは保育園でも同じようで公園などでもそろ~っといなくなるらしい。迎えに行ったときに先生から「静かな多動」といわれて笑ってしまった。息子はおっとりタイプの性格…そうなると保育園ではUpload By まる発達障害かもと言われてから初めて支援センターで心理士さんと面談した際、「この子はおとなしいしぼーっとしているタイプの子なので、大人数の保育園などに入れると放置されやすくなるかもしれない。自ら学びを吸収しようと動くタイプでもない、そうなるとこれまで以上に発達が遅くなる危険があるのでちゃんと大人が一緒に関わるようにした方がいい」と言われた。現在通っている保育園は少人数制で先生の人数も多くよく見てもらえ、息子にとても合っていた。母子家庭ということもあり先生方にもすごく気にしてもらっていたので感謝しかない。2歳児までの保育園なので残念ながら3月で卒業だが、来年度からは、新しい保育園に転園するが、そこでは加配保育士(※)をつけていただけることが決まっている。※加配保育士とは:障害の診断を受けた子どもを対象に配置される保育士で、子ども2人につき1人を基準として配置されることが一般的。ついにきたイヤイヤ期(3歳前後)Upload By まるおとなしいと思っていた息子だが、徐々に3歳ごろからイヤイヤで大騒ぎするようになった。バナナを食べると言うのでむいてあげ、黒ずみを見つけたのでそこだけ取ると欠けたバナナが気に入らなくて泣いて投げつけてきたり、パンを食べるときに半分にして渡すと半分にしたことに怒って泣きじゃくったり。お散歩中駅に電車を見にいきたいと道路でひっくりかえって大泣きしたり、スーパーであっちこっち行く息子と買い物ができなくて手をがっちり捕まえると離せと大泣きして転がったり…私も思ったように動けず買いたいものも買えなく、泣きながら帰宅することも多々あった。療育でのイヤイヤもUpload By まる1番大変だったのは2歳9ヶ月ごろ療育に通い出したとき。最初は週1回通っていた(現在週2回)ので慣れるのに時間がかかったせいもあるかもしれない。行くたびにリトミックに参加したくない、教室から出たいと怒って大泣き、なにも参加できず「この療育に通って何の意味があるんだろう」と毎週ぐったりしていた。何ヶ月か過ぎたとき、不機嫌に泣いている息子を見てため息をついていると先生に「癇癪とまではいかないけど、ちゃんと自分の嫌なことは嫌って表現できているから大丈夫よ。それに前より『聞く』ことができていますね。これをお片づけしたらそっちのおもちゃ出そうね、とか聞き分けて自分で納得して動くこともできるようになってきているから!」と言ってもらえて安心したことを覚えている。もうすぐ4歳の息子、最近は…Upload By まるリュウはもうすぐ4歳になる。スーパーや道端で寝っ転がって泣くことやスーパーであっちこっち行くことも、1年ほどの間で少なくなってきた(日によってはある)。お陰で私が泣きながら買い物から帰宅することもなくなったし、療育でもすべてではないが多少参加できるようになってきた。先日療育で絵本の読み聞かせ中に座って居られなくて笑いながら逃げ回っている息子にちょっとイライラしていると先生が「でもさ!リュウちゃん変わったよ!最初のころ思い出してみて!ずっとドアのところで泣いてたんだよ!?」と言われてハッとした。一つできるようになるとできなかったことを忘れてしまう。この記事を書くまでイヤイヤで外で泣いて転がっていたことも忘れていて、うちの子大変なときあったっけ…?と考えていたほどだ。今も大変なことは多いが、少し前を思い出すと成長しているなぁと思える。執筆/まる(監修:井上先生より)癇癪が強いか弱いかというのは、周囲の受け止め方の違いもあったりするので、大きな癇癪がないことに対して過度に気にされる必要はないかと思います。リュウくんはその理由が比較的はっきりしていますね。そのような場合大人も原因が推測できるので、癇癪の代わりになる周囲に伝わる言葉や行動を教えていくチャンスにしていくこともできると思います。ただ、大人の要求水準が高すぎるとバトルになってしまうので、まるさんのように事前に予告をしたり、100%できなくても25%で良しという行動にしたり(25%ルール)、できている部分ややろうとしている部分に注目してそこを少しずつ増やしていけるようにすると良いと思います。まるさんの努力によって、リュウくんも少しずつ自分の感情をコントロールしたり、コミュニケーションに置き換えたりすることができてきたのだと思います。
2022年03月19日癇癪は減ってきているけど現在8歳のむっくんは小さいころと比べると、明らかに癇癪は減ってきていますがゼロではありません。最近特に癇癪を起こしやすいシーンが、弟のテレビゲーム視聴中です。むっくんは弟のプレイを見ているうちにゲームの世界にのめりこんでいってしまうようで、弟に対してつい口を出してしまう、思うようなプレイでないときはコントローラーを取り上げて自分でやろうとしてしまう。当然、弟は応戦してケンカになるため、私が介入するとそれが引き金となって癇癪を起こすというコースです。Upload By ウチノコ自分の行いをどう思っているの?毎日ではありませんが週に何度か繰り返されるこのパターンに困っていました。とにかく環境改善だと、弟のゲームを目にしないようむっくんに別の部屋に行っておいてもらう工夫をしつつ、むっくんとも話し合いを重ねました。むっくんは、弟のゲームが見たいなら黙って見ればいいと分かっているけれど、自分が大好きなキャラクターが負けてしまうことが耐えられない。自分がやれば負けないのにと、思わず弟からコントローラーを奪ってしまう。そんな自分の行いが好ましくないことは分かっていて、頑張って我慢しようとしているけどできなくて。そんなときにお母さんに怒られるとワケが分からなくなると話してくれました。Upload By ウチノコ私の対応を変えてみるこの件で私は、むっくんが弟に口や手を出すタイミングで介入していました。だけどむっくんの話では、介入より前は本人なりに必死で努力していることになります。だとしたら介入のタイミングが遅すぎるのかもしれないと考え、弟がゲームを始めたタイミングでむっくんのそばについてみることにしました。すると、むっくんは弟のプレイを見ながら手を出さず、口も出さず、じっと耐えています。こぶしをぎゅっと握りしめて、口を一生懸命つぐんでいます。Upload By ウチノコ弟のゲーム時間は30分間。しばらく耐えていたむっくんですが、少しずつ興奮して口を出すシーンがちらほらと現れはじめました。どうしようかな…と考えて、私は黙って背中をさすってみることにしました。すると少し興奮が落ち着いたのか、また我慢をはじめたのです。そんなふうにむっくんが興奮してきたら背中をさすることを繰り返すと、その日むっくんは最後まで弟とケンカをせず、癇癪も起こさず過ごすことができました。ひとりでがんばらせないこの日の体験で私は、ずっと彼なりに必死で頑張っていたんだなぁということを肌で感じました。私は今まで、むっくんが弟に口や手を出したことにだけに注目して介入していました。だけど、むっくんなりに努力をしていた時間もある。それなのに、頑張り続けられなかったことにだけに注目されて叱責されてしまうなら、癇癪だって起こしたくなるよな…と私はこれまでの対応を反省しました。以前「ひとりでがんばらせないで」という言葉を発達障害の本で読んだことがあります。ひとりでがんばらせないってどういうことなんだろう?と思っていたのですが、叱責ではなく努力を認め、そっと背中をさすること。これが「ひとりでがんばらせない」ということなのだなと理解することができました。Upload By ウチノコ見えない努力に注目する癇癪は目立つため、つい注目しがちですが限界を超えるまで頑張っていたから癇癪が起こることもあります。この場合結果としての癇癪ではなく、そこに至る過程や心の変化、特に【努力】への注目が大切なのだと私は感じました。癇癪前にある本人の頑張りに気づき、認めてもらえるのなら、癇癪を起こす必要なんてなくなるのかもしれません。私にとってむっくんの癇癪は「問題行動」などではなく「気づかないといけない何かに気づけていないよ!」という私へのサインだということを忘れず、これからもむっくんと向き合っていこうと思います。執筆/ウチノコ(監修:初川先生より)素敵な気づきのシェアをありがとうございます。癇癪でお困りの保護者の方は多くいらっしゃると思いますが、どう収めるか、というだけではなく、まずはむっくんと話し合いをし、そして癇癪のはじまりから見てみるようにしたのですね。むっくんの発達度合いや年齢にもよりますが、癇癪時の自分の心の動きを言葉にしているのは素晴らしいですね。むっくんの思いのように、癇癪は、その前の事象でイライラが募っていることに加え、それを収めようと関わる大人の言動でますます混乱してしまうことが多々あります(そこに気づけているむっくんは本当に立派!)。すでにイライラが限界に達しているお子さんに、いかに火に油を注がずに対応するか、そこを考えるには、イライラが限界に達する前の関わりが大切です。そういう意味では、弟くんがゲームを始めるときからむっくんの様子を見てみた、というのは重要な情報を得るためにとても重要なポイントでしたね。弟くんのプレイを見ているときの頑張って我慢している姿に気づき、そして思わず背中をさすってみた。その親子での協働的な関わりによって、むっくんにとってはお母さんが見ていてくれる中で、我慢を応援してくれている中で、安心して我慢できつつあったのでしょう。弟くんのプレイを見る時間がこれまではただただイライラして、結果お母さんにも怒られる残念な時間になっていましたが、3人で楽しく過ごすためにどうしたらよいかを母子で頑張る時間に変わりましたね。ときには我慢が効かず、癇癪を起こすこともあるでしょうが、それでも上手に我慢できたときは、「よく我慢できたね、頑張ったね」と褒められる機会に変化しています(繰り返しますが、これまでは怒られる機会だったのに!)。そうして、安心できる中で、イライラを爆発させずに我慢する時間を保つという行動を身につけてゆきます。癇癪は困ったものではありますが、大人が癇癪は困ったもの、迷惑だとだけ思ってしまうと、子どもへのまなざしがきつくなってしまいます。癇癪を起こしたくて起こしている子はいないと思います。まずは癇癪の前に注目して関わってみる、ということ。とても参考になるエピソードでした。
2022年03月18日悩んでいる方も多い「癇癪」特集第二弾!発達ナビユーザーの中でも「読みたい!」との声が多い「癇癪」。そんな癇癪についてのエピソードを今回も連載ライター陣に描き下ろしていただきました。「あるある!」と共感できる癇癪エピソードや、すぐに実践できそうな癇癪への対応方法、マンガで学ぶ・専門家解説の癇癪についての原因や背景など、内容も盛りだくさんです!初めての習い事。先生は「大丈夫」と言っていたけれど…?4歳、発達グレーゾーンのとまちゃん。習い事に通わせたいけれどまだまだ癇癪が多く、不安だった母親のとまぱんさんでしたが、体操教室での体験で先生の「大丈夫!」の言葉を聞いて通う決意をします。先生の「大丈夫」の言葉に安心していましたが、参観日で目の当たりにしたとまちゃんの姿は…?!あの手この手を駆使して見つけたクールダウンアイテム9選!ADHDと自閉スペクトラム症の診断がある小学2年生、むっくん。小さなころから母親のウチノコさんはむっくんの癇癪で悩んできましたが…さまざまな経験を重ねるうちに見つけた、癇癪が起こるイメージとクールダウン方法は必見です!癇癪を起こしていたころとターニングポイントを親子で振り返る小学5年生のときに「もしかして、自分の表現って人より激しいのかな…?」と気づいたコウくん。そこからグッと癇癪も落ち着いてきました。そんな過去をコウくんと母親の丸山さとこさんが分析をしながら振り返ります!「みんなと同じ経験をしてほしい」だけなのに…行事で癇癪を起こしてしまう息子を見て遠足、運動会、発表会など子どもにとっては楽しみなイベントでも嫌がる子どもももちろんいます。立石美津子さんの、自閉スペクトラム症のある息子さんもその一人でした。今は21歳になった息子さん。立石さんは写真を見返しながら、当時の心境を思い出します。相手が謝っていても「絶対に許さない!!」という息子。担任の先生にも心配されてASDのある小学2年生ミミくんの小学校での個別面談で、担任の先生から「対人関係の形成に支障がでるかもしれない」と言われる母のtaekoさん。学校での様子では、ほかにも気になるところがあって…。まるで地雷のような息子の癇癪!何が原因なの?自閉スペクトラム症のあるPくんの癇癪がいつ、どんなときに起こるのか分からずにいつも注意を払いビクビクしていた母のみんさん。「仕方ない」と思っていたけれど一体これっていつまで続くの?と悩んでいましたが、Pくんが5歳を過ぎたあたりからその状況にも変化も見えてきて…。子ども癇癪が心配で、外出できない!広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある、あーさん。小さいころからよく癇癪を起こしていました。SAKURAさんは、癇癪が起きたときの対応で消耗する体力・気力のことを考えただけで、ため息が出るほど。「癇癪をなくす方法」があるのではないかと思い、当時通っていた発達支援センターで聞いてみると…!癇癪について、マンガで専門家が解説!癇癪(かんしゃく)とは、声を荒げて泣いたり、激しく奇声を発したりするなどの興奮を伴う混乱状態を指します。そんな癇癪ですが、何故起きてしまうのか?原因や癇癪が起きてしまうまでの背景などを解説します。たびたび癇癪が起こるからといって発達障害があるというわけではありません。ですが、発達障害のある子どもに強く見られる傾向が癇癪が起こるきっかけと絡んでいる場合があります。このコラムでは発達障害のある子どもによくみられる4つの傾向を紹介します。いったん始まってしまうと、癇癪を鎮めるのは難しいので、普段の生活から子どもに十分配慮をし、癇癪が起きないように回避することが重要です。癇癪が起きないように気をつけたいこと、実際起きたときのクールダウン方法などを紹介します。まとめ癇癪の原因、対応方法などはお子さん一人ひとりで違います。そして、癇癪が起きないようにどんなに気をつけていても不慮の癇癪が起こることもあります。もし、つらい、どうしたらいいか分からないなどあれば、お近くの相談機関などに相談し、一人で抱え込まずに周りの人に頼ることも大切です。
2022年03月17日わが子の癇癪のスイッチが分からなくて悩む母自閉スペクトラム症のある息子P。こちらが良かれと思ってしたことに対して怒ってしまったり、何の前ぶれもなくパニックになったりすることもあり、私は自分が1番近くで見ている親なのにPの気持ちも、接し方も分かってあげられなくてずっと戸惑っていました。思えばPが2〜3歳のころが1番大変な時期だったような気がします。なだめようにも言葉を理解できないのでこちらの言うことも伝わらない。そしてPは言葉を発せないのでこちらも癇癪の原因を想像しかできず本当の気持ちや理由までは理解してあげることもできない。だから癇癪が起きたときはただただ途方に暮れることの方が多かったように思います。Upload By みんそしてPが原因の分からない癇癪やパニックを起こす度に、私は心の中で「大丈夫!大丈夫!時間が解決してくれる!そのうちおさまる!」と思ってひたすら耐え続けていました。「この子は自閉スペクトラム症があるから仕方ない」「この子は知的障害があるから仕方ない」と自分自身に言い聞かせ、納得させながら癇癪の対応をしていたのですが何十分、何時間とも続くか分からない癇癪にどうすることもできない日々が続き、「仕方ないとしてもこれはいつまで続くんだろう?このまま大きくなったらどうなってしまうのだろう?今でも大変なのにもっと大変になるのかな?」と未来を漠然と考えては不安になっていました。Upload By みん癇癪が起きないように常に注意していた私はありとあらゆる癇癪の原因を避け、排除し、癇癪が起きないように先回りするようになりました。そして癇癪が起きても落ち着けるようにと、Pのお気に入りのおやつやおもちゃなどクールダウンできそうな物を、出かけるときは常に持ち歩いていました。そうやっていつ爆発するかも分からない爆弾のようなわが子との日々を過ごしてきました。Upload By みんそんなPが少し落ち着いてきたかな?と思えたのは、5歳を過ぎたあたりです。まだ言葉は上手く出ませんが、ジェスチャーや、絵カードなどで少しずつ自分の要求を、人に伝えられるようになってきたことと、療育でも繰り返しお終いや切り替えの練習を積み重ねてきたので、自分の要求が通らない状況に納得できることも、切り替えられることも増えてきました。また、集団の中で過ごすことにより、家とは違って自分のペースばかりでは動けない経験や、我慢する経験なども増え、本人の中でもいろいろと変化があったのかもしれません。家で母子だけで過ごしていた日々に比べると、圧倒的に指示が通りやすくなり、簡単な意思疎通もできるようになってきたので、お互いに「相手の考えや思いを理解できやすくなった」ということが、癇癪が減ってきた理由の一つではあると思います。Upload By みん癇癪を少しでも減らすために私たち親子に必要だったことは?ずっと癇癪のスイッチが分からなくて、Pの気持ちを分かってあげられなくて悩んでいた私でしたが、それはきっとPの方も同じで、自分の願いや気持ちを伝えたくても伝わらないもどかしさや、伝える方法が分からないつらさの中で、今まではそれらを「癇癪という形でしか表現できなかった」のだと思います。まだまだ全てを分かってあげられないときもありますが、そういう場面になったとしても癇癪以外の方法に置き換えらえるように模索している途中です。自分の気持ちが伝わり、相手に理解してもらえるというのは、一方的ではなくお互いに必要です。たとえ言葉で表現するのが難しくても、さまざまな伝達方法を探し、それを習得しながら、お互いに意思疎通ができるようになるということが、癇癪やパニックを減らせる第一歩になるのかもしれないと思っています。Upload By みん執筆/みん(監修:井上先生より)自閉スペクトラム症のある子どもの子育ての悩みで一番多いのは癇癪などの行動的な問題です。子ども自身が言葉で表現できない場合、また感覚過敏やこだわりがある場合はその理由が分からず親御さんも困惑される場合が多いと思います。直接的な原因が発見しにくい場合も、一人でいるときに起こりやすい/起こりにくい、外出したときに起こりやすい/起こりにくい、など大まかに予測するようにすると、みんさんがされていたように事前の心構えや準備ができると思います。特に小さいころの癇癪については、完璧に予測したり、コントロールしたりすることは難しいと思います。またこのことで親自身が不安になったり苦しくなることもあると思います。そのようなときには、身近な人や相談機関にお話をするのも良いと思います。
2022年03月17日癇癪が心配で、外出できない。広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘は、現在小学5年生。娘は小さいころから、よく癇癪を起こしていました。当時は、娘の癇癪がいつ起きるかいつも心配で…Upload By SAKURA起きたときの対応で消耗する体力・気力のことを考えただけで、ため息が出るほどでした。ひどい時期は、ママ友に遊びに誘われても、娘が癇癪を起して迷惑をかける可能性を考え、誘いを断ることもよくありました。娘が癇癪を起こしても、放置ができる家から出ることも嫌で、娘と二人っきりの日々を、刺激もなくただ淡々と過ごしていました。癇癪をなくす方法はない?待つのみなら…このころの私は、癇癪をどうにかしてなくす方法はないかと、考えていました。Upload By SAKURA「癇癪をなくす方法」「癇癪を起してもすぐに落ち着かせる方法」など、なにか私が知らない画期的な方法があるのではないかと思い、当時通っていた発達支援センターで聞いてみたのですが…Upload By SAKURAやはり「癇癪を起さないようにする手立て」も「起こしたときに瞬時に落ち着かせる方法」もない…なんとなく分かってはいましたが、そうなると救いはどこに?どういう心持ちでいたらいいのか分からず凹んでいると、発達支援センターの方からUpload By SAKURA「ずっと癇癪が今のままってことはない。段々変わっていく」と言われ、私は、癇癪をなくすこと、ゼロにしようとすることをやめました。それは、娘についてあきらめた訳ではありません。誰だって、うまくいかずにイライラすることもあるし、大人だって泣くこともあります。何かうまく言い表せない気持ちがあって、感情が爆発しているときに、「泣くな!」「やめろ!」は、自分だってつらい。今は「癇癪は仕方ない」「癇癪起こしたっていい」と考えることにしました。自分なりにつくった癇癪のルール。ただ…そう思っても、周りの目は気になります。そこで私は、自分の中でルールを決めました。Upload By SAKURA癇癪が起きたときは、とにかくどこにいても、娘を周りの目にさらされないところ(車や家)に戻れば、いい!どんなに娘が泣き叫んでいても、泣き止ませなくていい!と決めました。そう考えるようになってからは…Upload By SAKURA暴れた娘を抱えて家に戻り、ドアを閉めた瞬間、「よし!!ゴールした!よく頑張った、自分!」と自分を褒められるようになりました。自然と落ち着いていった癇癪。そんな考え方をするようにしてから、娘も、少しずつ…少しずつ変わっていき、癇癪を起こす頻度が減っていきました。回数も減りましたが、癇癪の起こし方も、年々パワーダウンしていきました。Upload By SAKURA特に、ここ最近は、奇声がなくなり、癇癪と言っていいのか?というほど、静かになりました。ただ、パニックになることはまだよくあり、すぐ泣いてしまうのは相変わらずです。しかし私は、それをゼロにしたいという思いは、今もありません。つい先日も、弟にゲームを取られ、大泣きしていましたが…Upload By SAKURA「小学5年生なのに、そんなことで泣くな!」とはあまり思いません。私とのやり取りは、こういう淡々とした姿勢の方がうまくいき、夫との場合…Upload By SAKURA二人で爆笑して終わる…という感じです。特別なことは何もしなかった。今振り返っても、なにか特別よかったという対応や、劇的に効果があった対策というものは、思い当たりません。ただうちの場合は、癇癪を起こしている娘を否定しないという姿勢は、ずっと同じでした。会話がほとんど成立しなかった4歳ごろまでは、ひたすら癇癪が収まるのを待ち…少しずつ会話ができるようになった5歳からは、なぜ悲しいかを聞き、共感し、どうしたらいいか、納得する答えを一緒に考えました。そして、10歳になったころからは、反抗期・思春期に入ったため、私たちの話をほとんど聞いてくれなくなったこともあり、発達外来の先生のアドバイスに従い、「泣いてもいいけど、あとは自己判断で、自己責任で」という対応にしています。(これが今の娘には、合っていたようでした)この記事を書くにあたって、娘と癇癪について話をしてみたら…Upload By SAKURA自分のことではないように、客観的に答えていました。しかし私は、娘がそうやって癇癪について、パニックについて、自分の状況の話ができるというのは、その状態の自分に罪悪感を抱かず、自分を責めていないからだと感じ、安心しました。自分のことを客観的に見ることができたり、そんな自分が嫌いじゃないというのは、きっとこれから生きていく上で、大事なこと。みんなと同じような、年相応の対応ができなくても、癇癪を起こしても、少し幼くても、娘は娘。いつか、大人になって一人で生きていけるようになる、その日まで…私は娘と一緒に、頑張っていきたいと思います。執筆/SAKURA(監修:初川先生より)癇癪についてのこれまでの歴史をありがとうございます。発達支援センターの方のご助言にもあるように「待つ」はとても大事な支援です。癇癪を起こしているときに、一生懸命良かれと思って語りかけても、それが自分にとって大切な語りであると認識できるようになるまでは、残念ながら火に油を注ぐ行動でしかありません。まずは火の勢いが小さくなるのを待つ、気を紛らす関わりができるならしてみる、というところです。大人の話が多少理解できるようになってからは、気持ちを言語化してみる(「悲しいね」「つらいね」など)、説得してみる、交渉してみるといった方法が少しずつ選択肢として浮上します。しかし、これは本当に個人差の大きいことなので、お子さんがそれを受け止められる段階がいつ来るか、それまでは成長を待つしかない面があります。癇癪を起こされたら困るから行動を制限する(ママ友さんの誘いを断るなど)気持ちも生じますよね。実際癇癪が起きたときにそばにいる家族には心身ともに大きな負担がかかってしまいますね。ただ、そこで外出しなくなってしまったり、ほかのお友達との関わりが減ってしまったりすることは、課題を先延ばしにしている面もあります。そういう意味で、癇癪を起こしても大丈夫なシチュエーションで外に連れだすという方法を検討されたのは何よりです。そして、心持ちとしても、「癇癪は仕方ない」「癇癪を起こしてもいい」と思えたこと、大きなターニングポイントとなられたことでしょう。できていないことをなんとかするだけを考えていると、そこにばかり注意が向いてしまい、大人の側がつらくなりますね。今すぐにはできないかもしれないけれど、少しずつ成長するのだと、どーんと構えられたこと、きっとあーさんにも安心感として伝わっていたと思います。
2022年03月16日癇癪を起こさないために普段から気をつけたいことUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンいったん始まってしまうと、癇癪を鎮めるのは難しいので、普段の生活から子どもに十分配慮をし、癇癪が起きないように回避することが重要です。・刺激の過敏性に対する配慮気になるものをなくす、不快な刺激を生み出すものを遠ざける、違うものに変更するなど・見通しの立てられるような言葉がけを気持ちの切り替えを行うことは子どもにとっては難しいことです。いきなり遊びを中断されたりすることは子どもにとって大変ストレスなことなので、癇癪を起こす要因の一つとなります。あらかじめ予定を視覚的に見せることで伝わりやすくしたり、感覚過敏のある場合には、苦手な環境や状況を避けるなど、癇癪の背景にある特性に合わせて、癇癪が起きにくい環境を整えることが大切です。・自分の気持ちを知ってもらう「今、自分はこんな気持ちだ」ということが周囲に知ってもらうだけでも、気持ちが楽になっていくこともあります。例えば、困ったときに口に出すべき具体的なセリフを教えてあげることで、「困ったときには人に頼ってもいいんだ」という安心感が生まれます。・余暇グッズを用意する長時間待たなければならない場合など、何もすることのない状態だと手持無沙汰によるイライラや不安などから癇癪に繋がることがあります。本人の楽しめる余暇グッズを用意することで気を紛らわし癇癪を減らすことができます。・ルールを一緒に決める言葉を理解し、話すことができるくらいの年齢の子どもに対して有効な方法です。癇癪が起きてしまったときにつぶやくと落ち着く言葉や、落ち着く場所や行動など子どもと一緒にルールを決めておくとよいでしょう。対処方法をルール化することで、怒りの感情から抜け出すための「いつもの方法」をもつことができ、癇癪が起こったときに子どもが自分で冷静さを取り戻すことも可能となります。子どもが癇癪を起こしてしまった! クールダウンの方法は?癇癪への対応はそれが起こる前の環境調整や対応に力を注ぐことが原則です。しかし、十分な対応をしても癇癪が起きてしまう場合があります。その場合はどのように接するべきか前もって知っておくことで、焦らずに対応しやすくなります。癇癪が起きたときは、まずは子どもが怪我をしないように安全を確保します。危険なものを遠ざけたり、周りの安全を確保したりします。癇癪が生じた場合、必要以上に声掛けをしたり、注意したりしてかまうことで、結果的にそれが子どもの注目要求をかなえてしまったり、より興奮させてしまうことに繋がってしまうかもしれません。難しいところもありますが、できるだけほかのことに気を散らしたりして落ち着くまで待つほうがよいでしょう。癇癪が止まり、子どもが完全に冷静さを取り戻したタイミングで落ち着けたことをしっかり褒めるようにしましょう。褒めてあげることで子どもは安心感を抱き、さらには気分を落ち着けるための方法を学ぶことで、予防にもつながります。時間が経ってからだと、癇癪を起して落ち着いたという一連の流れを忘れてしまうので、落ち着いたらその場で褒めてあげることを心がけましょう。不適切な対処は、癇癪をエスカレートさせてしまう先に述べたように子どもが激しい癇癪を起こしている様子に周囲の大人が感情的に引きずられないように注意しましょう。親自身も子どもの隣にいるだけでイライラしたり、気分が乱れてしまいます。対応する大人の心が乱れていては、子どもに冷静に対応することはできません。物が飛んできたり、たたいたりと怒りの矛先が自分に向いたときには距離をとることも大切です。・感情的に叱るのはNG頭ごなしに叱りつけたり、いきなり力でおさえるような対応は、子どもを混乱させ、癇癪をエスカレートさせてしまうこともあります。逆に、強い癇癪に対して好きなものを与えてその場をおさめることを繰り返すと癇癪によって自分の要求をかなえると言う事を学習してしまう可能性もあります。・要求を通さないようにする癇癪を鎮めるためにおもちゃやお菓子を与えると、子どもの癇癪はその場では止むこともありますが、子どもに「癇癪を起こすとなにかいいことがある」と言うことを学習させてしまうことに繋がります。また、要求を通さないと最初に子どもに言ったならば、その態度を貫き一貫性をもって接することが大切です。ただ、乳児期の子どもの泣きやぐずりについては、子どもと保護者の愛着関係をつくり上げるための大切なコミュニケーション手段となり、その後の子どもの気持ちの発達の基礎となるので、子どもの要求に合わせて応対するという姿勢が必要です。子どもの癇癪に悩んだら、早めに相談を子どもがたびたび過剰に癇癪を起こす場合、保護者が一人で継続して向き合うことは簡単ではありません。また、癇癪が起こる場面を予測し、予防の方法を考えるには、専門性が求められることがあります。特にプランを見直しながら継続するのは負担が大きいので、専門家と連携しながら取り組むとよいでしょう。もし現在子どもとの関わり方や、癇癪への対応に一人で悩まれているのでしたら、なるべく早く相談できる味方を見つけることをおすすめします。子育て支援センターは、乳幼児の子どもと子どもをもつ親が交流を深める場です。市区町村ごとに、公共施設や保育所、児童館などの地域の身近な場所で、乳幼児のいる親子の交流や育児相談、情報提供などを行っています。子育てをしている家庭の支援活動を行う施設であり、保護者にとっては、育児に関する不安の相談に総合的に応じてくれる心強い施設です。詳しくは、お住いの市区町村のHP内の子育て・育児のページをご覧ください。子どもの特性や困りごとに応じた支援を行う、いわゆる療育プログラムを提供している福祉施設です。事業所によっては相談支援事業も行っており、保護者からの子育ての相談にも乗ってもらえます。また施設にもよりますが、言語聴覚士や理学療法士、 作業療法士などの専門家による支援を受けられる場合もあります。利用までにはお住まいの自治体の福祉担当窓口への申請が必要となりますが「通所受給者証」を取得することで、低い自己負担額で利用できます。発達障害の当事者、及びその周囲の関係者(保護者や教師など)を支援する機関です。大人の発達障害や、その関係者の支援が充実している施設ですが、基本的に年齢に関わりなく相談できる場所です。子どもの問題行動について機能分析の知識をもつ発達支援の専門家がいることもあります。癇癪があまりに強すぎると、反抗挑戦性障害や破壊的気分調節不全障害 、行為障害として診断される場合があります。そのようなときには何らかの医療・福祉的な配慮によってトラブルを解決できることもあります。あまりに高頻度で長時間の癇癪が続いたり、自傷行動を行うなど身体的、精神的にダメージが大きいときや、解決に緊急性が求められるときには医療機関への相談も選択肢の一つです。医療機関に相談する場合、「発達外来」や「小児神経科」「児童精神科」が専門となります。まとめ子どもが癇癪を起こさないように気をつけていても、すべてうまく対応できる訳ではありません。予期せぬ癇癪や、子どもの癇癪が続くことで親自身が落ち込んでしまったり、子どもに対して感情的な態度をとったことで自分自身を責めてしまうことがあります。つらい、どうしたらいいのか分からない、など悩むことがあれば、一人で抱え込まずに上の相談機関などに相談することが重要です。イラスト/かなしろにゃんこ。
2022年03月13日癇癪と発達障害って関連はあるの?Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンたびたび癇癪が起こるからといって発達障害があるというわけではありません。ですが発達障害のある子どもに強く見られる傾向が癇癪が起こるきっかけと絡んでいる場合があります。自閉スペクトラム症、ADHDなど発達障害のある子どもによく見られる4つの傾向と癇癪の関係自閉スペクトラム症のある子どもには、感覚過敏がある場合が多くあります。周りの子が大丈夫な刺激でも過敏に反応して癇癪を起こしてしまうことがあります。また、自閉スペクトラム症のある子どものこだわりや不安の強さによって、普段と違うことが起きたり、突然の予定変更に気持ちがついていかず、癇癪に繋がってしまうこともあります。強い癇癪の背景には、言葉の理解と表出の発達に関するアンバランスさが影響している場合があります。また、知的障害を合併する場合は言葉の発達全般に遅れが見られたり、身振りや手振りなど言葉以外での表現も苦手であることで、その伝わらないもどかしさや要求を伝えるための手段として、癇癪を起こしやすくなると考えられます。このほかにも感覚の過敏性がある、決まったパターンが乱れることが苦手(同一性保持)、余暇の乏しさなどが、癇癪の背景にある場合もあります。私たちは、自分の意思と相手の意思の両方を考えながら、時には譲ったり、自分の願いを優先させるために交渉したりして、他人との関わりの中で生きていきます。発達障害のある子どもたちは、他者の意思と自分の意思を調節することが難しい傾向があります。自分と他者の意思を調整するためには、まず相手の気持ちを把握した上で、「これぐらいなら譲れる(または要求できる)」という2つのステップが必要です。自閉スペクトラム症といわれる発達障害のある子どもの場合、まず最初に必要な相手の気持ちや意図を理解するというステップを通過することが難しく、そのために自分と相手の意図を調節するための材料を持ち合わせていない状態に陥りやすいのです。こだわりがある、他人のペースに合わせるのが苦手、ということもあります。また、ADHD(注意欠如・多動性障害)がある場合は、「やりたい」という気持ちを抑えるのが難しいために、相手の気持ちが分かったとしても、その気持ちを譲ることができないことと、感情がすぐに表面化することで、爆発的に怒ってしまうことがあります。成長するにつれて人は自分のストレスを減らすために工夫を行います。発達障害のある子どもたちは、この自己調整や衝動性のコントロールを行うことが難しい傾向があります。このような行動の工夫を行うことが苦手なので、不快な状況をそのまま経験することになり、ストレスが蓄積されていきます。最後には自分の気持ちをコントロールすることができずに不満や怒りが爆発して癇癪を起こすことがあります。まとめ癇癪の原因は必ずしも子どもに発達障害があるから、というわけではありません。ですが発達障害のある子どもに強く見られる傾向を知っておくことで、子どもに癇癪が起きたときにより良い対応が取れる可能性があります。イラスト/かなしろにゃんこ。
2022年03月05日癇癪の予兆をつかむむっくんは小さなころから癇癪を起しやすい子でした。最近では以前と比べると自力でコントロールできるようになってきましたが、相変わらずときどき元気いっぱいに癇癪を起しています。パニック状態になり叫んだり暴れたり、周囲の言葉が届かなくなるので勘弁してよと言いたくなるむっくんの癇癪ですが、起こすときは必ず理由があります。むっくんの場合は周囲からの強い刺激(騒がしい音などの不快な感覚)や疲れに眠気。また、物事が思うようにいかないフラストレーション、他者から怒られるという恐怖、周囲に自分の想いを伝えられない苦しさ、自分を理解してもらえない悲しさなどが多いです。Upload By ウチノコこういった経験を重ねるうちに、私はむっくんの中にストレスや不快感をためておくコップがあってそれがあふれるときに癇癪が起こるイメージを持つようになりました。一度コップがあふれはじめると、むっくんはある程度発散し終わるまで落ち着くことが難しくなります。だけど癇癪を起こしたいと思っているわけではありません。それしか発散方法がない所まで追い詰められるから、癇癪で放出するしかなくなるのだろうと感じています。そのため、わが家の癇癪対応のカギのひとつは【コップの中身をあふれさせない過ごし方】であると考えています。Upload By ウチノコクールダウンアイテムむっくんの癇癪の予兆は、イライラしていたり家族の生活音を嫌がるなどがあります。基本的には不快、恐怖、不安などがストレスの成分なので、予兆を感じたら安心安全心地よさを感じられるアイテムを発動します。むっくんの大好きな揺れや包まれた感覚、浮遊感などの感覚刺激を入れることができます。そこで本を読む時間がとれると、最高に落ち着けるようです。体重を預けて横になると、とてもリラックスできるようで本人も疲れると自分から横になっています。周囲を囲まれた段ボールの中などの狭い空間は落ち着く様子で、イライラしてくると自分からソファーの下に潜り込んだり、静けさを求めて自分の部屋にこもったりすることもあります。そういうときは家族みんなむっくんが落ち着くまで刺激を与えず、そっと見守るように心がけています。好きな音楽はむっくんにとってクールダウン効果の高いアイテムです。好きな音楽はむっくんのタブレット端末に入れてあり、自分の判断で聞けるようにしてあります。また、好きな音楽を使った音楽ゲームなども視覚、聴覚から心地よい感覚を入れることができる様子です。Upload By ウチノコこれはむっくんが小さなころから大好きな4原則。この要素を含んでいてぼんやり眺めることのできるおもちゃは8歳の今も相変わらず大好きです。こういった同じ動きを反復するものを静かに眺めることはクールダウンにつながりますむっくんは大人向けの宇宙の番組が小さなころから好きでいくつかお気に入りがあるのですが、疲れを感じるときほど好んで見ている様子です。興奮したりワクワクする番組ではなく、何度も繰り返し見ている静かな宇宙の番組を選ぶのは安心できて落ち着くからなのだろうと感じています。全身でお湯の心地よさを感じることができるお風呂やシャワーは小さなころからクールダウン効果の高いアイテムです。癇癪を起こしてからでも水に触れると落ち着きやすいのでよく利用しています。むっくんは空腹感で癇癪を起こしやすくなることがあります。彼には感覚鈍麻な一面があり空腹に気づきにくいことがあるので、イライラしていたらラムネやチョコなどで血糖値を上げることを意識しています。むっくんはどこへ行くにも決まったお気に入りのおもちゃ(ぬいぐるみやブロック)を持っていきます。これは遊ぶためではなく、かばんに入っていると思うだけでとても安心できるから持ち歩きたいのだと教えてくれました。年齢にそぐわない行動かもしれませんが、外出時はいつも以上に不安を感じやすいので彼なりのお守りなのかな?とその習慣を尊重するよう心がけています。Upload By ウチノコ自分と折り合いをつけていく小さなころは癇癪を自制することがとても難しかったむっくんですが、現在は一生懸命自分の中にある激しさと折り合いをつける努力を重ねるようになりました。癇癪は問題行動とレッテルを張られてしまうこともありますが、何より、誰より、本人がそれと折り合いをつけたいと思っているように感じています。むっくんが7歳になったころから、ストレスにうまく対処する方法【ストレスコーピング】を意識してどんなときに緊張が高まるか、どんな方法をつかうと緊張が和らぐかということを一緒に話し合うようになりました。自分の感覚を共に言語化していくことで、自分を知り少しずつ対処できることも増えてきたむっくん。これからも相談し合いながら心地よい環境を整えていけたらと思っています。執筆/ウチノコ(監修:初川先生より)癇癪を起こすことを“コップに注がれるストレスや不快感があふれるイメージ”と捉え、癇癪を起こしたくて起こしているのではなく、そういう方法しかないところまで追いつめられているからそうなっているのだ、という理解。その理解によってどれほどむっくんは救われていることか…!と思います。癇癪を起こされると、保護者や周りの関わる大人はご自身が困ってしまうため、いかにして癇癪を起こさないようにするか、だって癇癪が起きたら迷惑…そんな風に考えてしまうこともあると思います。しかし、癇癪を起こしたくて起こしているのではなくそうせざるを得なかったから、という理解があるだけで、お子さんへのまなざしはとてもあたたかいものになっているだろうと感じます。不快感やストレスを減らし解消する具体的な方法も、同じように困っている子や保護者の方にはとても参考になりますね。さまざまなところで言われているように、触覚、聴覚、視覚に働きかけるものが多いですね。お子さんの好みに合うものをぜひ探してみてください。持ち歩けないものは写真で持ち歩き安心感を得る、というのはなるほどそういう方法もあるんだなと勉強になりました。むっくんはまだ子どもですが、大人になるにつれて、自分自身でどういう場面でどう疲れてしまうのか、そのためにどうしたらよいか、ということを理解していく(自己理解を深めていく)ことが求められていきます。その準備として、親子で試行錯誤してみることはとても大切ですね。親子での理解、自己理解が深まるにつれ、「折り合いをつける」ことがどんどん上手になってゆくことと思います。
2022年03月04日子どもの癇癪とは?何故起きるの?Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン癇癪(かんしゃく)とは、声を荒げて泣いたり、激しく奇声を発したりするなどの興奮を伴う混乱状態を指します。怒りや不安などの感情を持つこと自体は誰にでも起こる自然な現象ですが、気持ちのコントロールがうまくできないときに癇癪は起こります。具体的な癇癪行動としては以下のような状態がよく見られ、子どもによって一人ひとり異なります。・床にひっくり返って泣きわめく・物を投げたり、自分の頭をものにぶつけたりする・周りの人を殴ったり蹴ったりするそれまでは問題なく穏やかに過ごしていた子どもが突発的に癇癪を起こすこともあります。また過度な場合だと癇癪を起こしているときに、自制できない衝動的な行為として自分を傷つけてしまったり(自傷行動)、物を壊したり、他者を傷つけてしまう(他害)こともあります。癇癪は、乳児期には空腹や眠気、痛み、おむつが濡れたりといった不快な刺激や状況によって不快な刺激や状況によって生理的に引き起こされるものですが、成長に伴って子どもにとっての何らかの不都合を親や周りの人へ伝え、それを取り除く社会的なコミュニケーションの機能をもってきます。例えば、おもちゃを取り上げられてしまって癇癪を起している子どもの状況を考えてみましょう。おもちゃを取り上げられた子どもにとっては「おもちゃが自分の手元からなくなったこと」が不都合なことです。そのおもちゃを取られたという状況をなくすために、手段として癇癪を起こすという行動の流れになります。ですので子どもの癇癪をただ「怒っている」「泣き叫んでいる」という単なる一つの行動ではなく、「不都合な現実(原因)」→「不都合を取り除く方法(手段)」→「目的の達成」というグループ化された行動のまとまりとして捉えていくことが大切です。上の例でいうとおもちゃを自分の手元に取り戻すことが「目的の達成」です。もう一つ大切な点は、癇癪を起こす子ども自身も怒りの爆発を抑えられず困っている場合があるということです。泣き叫ぶ子どもを見ると「どうして早く泣き止まないの?」とイライラすることもあるかもしれませんが、癇癪がひとたび始まると本人も感情を抑えようとしても抑えられないのです。詳しいことはあとで述べますが、これは子どもの癇癪を理解するために重要な、もう一つのポイントとなります。癇癪は赤ちゃんから幼児期、児童期にも見られ、思春期や大人になっても続くこともあります。発達段階やその場の状況によって原因は異なるものの、癇癪が起きているときには、「何か不都合を取り除こうとしている」そして「困っているよとサインを発している」という二つの点を思い出してみてください。癇癪を起こす原因は?その場の状況や子どもの気質によって、癇癪を起こす原因はさまざまです。癇癪を起こす子どもにはどのような背景があり、癇癪がどのような目的を達成するための役割を果たしているのかを考えていきます。子どもが生まれてからしばらくの間は、保護者の養育のもと、眠ったり、おっぱいを飲んだりします。その際に「眠たいのに眠れない」、「お腹が空いた」、「痛い」、「オムツか濡れた」などの生理的な不快を泣くことで表現します。赤ちゃんが泣くと、保護者はあやしたり、ミルクをあげたりといった生理的な不快を解消するお世話をします。この関わりによって、赤ちゃんはコミュニケーションを学んでいきます。ですので、赤ちゃんが癇癪を起したり泣いたりすることは、この時期に必要なことです。※自閉スペクトラム症のある子どもの中には、感覚過敏がある場合が多くあります。周りにいる子どもが大丈夫な刺激でも、過敏に反応して癇癪を起こしてしまうことがあります。1歳ごろになると、保護者のしてほしいことと子ども自身がしたいことが違う場合があることをぼんやりと分かり始めるようになります。このころから、保護者の行為に対して拒否的な反応を示すようになっていきます。癇癪を起してしまうのは、どうしても不都合で回避したい出来事があるようなときでしょう。これらの反応は、自分が保護者とは別の意図をもった人間であるということを子どもが学習し、次第に気付いてきたという成長のあらわれです。これはだいたい1歳ごろから始まるとされており、2・3歳になると言葉も加わって「いやっ!」といいながら自分の意見を主張します。これがイヤイヤ期といわれる時期です。周囲の人と言葉でコミュニケーションができる子どもであれば、苦痛や拒否、要求などを適切に表現して伝え、助けを求めることができるでしょう。前に述べたように、乳児期の不快な状況に対する生理的な泣きは、成長とともにコミュニケーションの機能を持つようになります。特に言葉をまだ覚えていない乳幼児期の子どもの場合には、泣き叫んだり、暴れたりするなどの行動によってしか、自らの気持ちを伝える手段がありません。このような学習性の癇癪には、大きく分けると注目、要求、拒否の3つの場合があります。【注目】注目を引きたい、かまってほしい【要求】物が欲しい、活動を行いたい【拒否】活動をやめたい、ある状況を避けたい等、嫌だという気持ちを伝えたいつまり過去に、癇癪を起こすことによって結果的に要求を叶えたり、嫌なことしなくて済んだりしたといった経験があった場合にはコミュニケーションの手段として癇癪が習慣化してしまっていることが考えられます。例えば、癇癪を起こすと母親が駆けつけて抱きしめてくれた、癇癪を起こしておもちゃを貸してもらったなど、親にとっては癇癪をやめさせようとしてとった行動が、子どもにとっては「癇癪を起こすことで望ましい結果が得られる」というご褒美になっていることもあるのです。癇癪はそれぞれの子どもの状況において別々の原因がありますが、こうした経験が重なることで、かまってほしいときに行うコミュニケーション行動として「泣き叫ぶ」「暴れる」ことが学習され、定着してしまっている可能性もあります。まとめ子どもの癇癪の原因は一人ひとり違います。乳児期には生理的な不快感や状況によって引き起こされる生理的な刺激に基づいた癇癪が多いですが、成長するにつれて学習性の癇癪へと変化していきます。まずは子どもがどのような状況で癇癪を起こすことが多いのかを理解し、癇癪が起きる前に子どもの癇癪の原因の「不都合」や「困り」をできるだけ取り除くこと、癇癪に変わる適切なコミュニケーションを教えていくことがポイントです。イラスト/かなしろにゃんこ。
2022年02月27日「助けて」運良く空きがあった発達クリニックへ2歳の後半からほぺろうの癇癪は悪化。一日のうち10回は癇癪が起爆し、一回につき1時間ほど引きずるという毎日を繰り返し、当のほぺろうも、つき合わされる私も満身創痍でした。さすがの私も「成長を待てば何とかなるものではないかも」と察し、誰かに助けを求めなければと思い始めました。調べてみると、ちょうど近所に発達クリニックがあったので意を決して電話。一般的に発達クリニックは予約を取るのが大変だと聞いていたので、半年は待つことを想定していましたが、運良く「2週間後に空きがあります」との返事に私は飛びつきました。Upload By ぼさ子初めて訪れた発達クリニック。病院っぽい佇まいを見ただけで、ほぺろうは案の定、大号泣!!パニックを起こし、抱きかかえるのも至難の業でした。待合室に検査の人が来て「こんなに泣かれては検査できません。本当に今日検査しますか?」と聞かれました。そう言われて「発達検査って、泣かない子しか受けられないものなの!?」と頭をよぎりましたが、当時の私は発達クリニックをよく知らなかったので、この時点で「ほぺろうは発達クリニックでも手に負えないんだ」と愕然としました。でも今日を逃したらもう予約は取れないと思った私は、「すみません、すみません…やれることだけでもお願いします」と必死にお願いしました。Upload By ぼさ子ほぺろうに検査は到底できないので、暴れるほぺろうを抱えながら行った”保護者の聞き取り調査“。待合室中にほぺろうの泣き声が響き渡り、ほかの患者さんやクリニックに申し訳ない気持ちで心が折れそうでした。検査の人にも「今日は無理じゃないですか?」と何度か声をかけられましたが、当時の私はほぺろうの困りごとを助けてほしくて「聞き取り調査だけでもお願いします!」と必死でした。しかし、やがてベテランらしきスタッフが登場し強い調子で言われました。「こんなに泣くなんて、すごい声」と。お子さんは連れてこないでさらに、「聞き取り調査の結果は10日後に出ますが、説明が泣き声で聞こえないのでお子さんは連れてこないでください」と言われました。結果が出る日は夫にもほぺろうを預けられないことが分かっていたので、「どうか子ども連れでもお願いします」と私は頭を下げましたが、「無理なら諦めてください。その日しか予約は取れませんよ」と言われてしまいました。そして当日、嫌な顔をされると分かりつつ この日しか話を聞けないということなので、号泣するほぺろうを抱えて再び来院。待合室に入るなり、「詳しい説明はいらないでしょう」と言われてしまい、そのまま追い返されるように帰りました。Upload By ぼさ子「今 本当に困っているけど、ほぺろうもしんどいし周りにも迷惑かけるから、ほぺろうに手がかからなくなる日まで診察は諦めるべきなのかな…」そのときすでに心身擦り減っていた私は、何が正しい判断か分からなくなっていました。そして「私たち親子は、発達クリニックにも助けてもらえない存在なんだ」と、ますます孤独が深まりました。Upload By ぼさ子クリニックが変われば対応も変わる時が経ち、その後、引越しを機に現在お世話になっている発達クリニックを発達支援センターより紹介してもらいました。そこでもほぺろうは変わらず大号泣。申し訳なさすぎて、以前の発達クリニックでの経験から「次回から先生のお話だけの日は、息子を夫に預けてきた方がいいですか?」と恐る恐る聞いてみました。すると先生が、「お子さんの様子を見るのも診察のうちなので、なるべく連れてきてほしいです」と仰ってくださり、存在を否定されなかったことに私は目頭が熱くなりました。Upload By ぼさ子医療・療育関係のみなさまへの願い初めて発達クリニックを訪ねてから数年が経ち、優しく親身になってくれる方々にたくさん出会うことができました。今なら「初めて行った発達クリニックは、配慮がなかったな」と思うことができますが、何も知らなかった当時の私は、発達障害のある子を助けてくれるはずの機関に見放されるなんてと思い詰めていました。あのような対応は滅多にないと信じたいですし、現在お世話になっている発達クリニックのような対応が一般的なのかもしれません。『もしかして発達障害?』とわが子の発達に心配を抱える親子は、おそらく診断が出る前が一番精神的に不安定なのではと想像できますし、心身がすでにボロボロになっている可能性が高いと思うのです。医療機関や療育関係のみなさまにとっては、数多くいる相談者の中の一組かもしれません。でもその一人ひとりの親はわが子を心配し、とまどい悩み必死です。どうか保護者の気持ちにも寄り添っていただけたらと願ってやみません。Upload By ぼさ子執筆/ぼさ子(監修:初川先生より)あぁ、なんと最初のクリニックのひどいこと…!!拝読しながら衝撃を受けました…!困っているから受診しているのに、そんな親子をさらに追い詰めて、一体何がしたいんだと怒りすら湧いてきます…。同じ支援者界隈の人間として、つらい思いをさせてしまったことをお詫びしたいくらいです。ほんとにもう…!さて、しかしながら、残念な支援機関や医療機関が存在するというのは、私も各所で耳にすることです。それを回避する方法として、一つには、地域の相談機関や子育て支援機関にまず相談して、その中でおすすめの医療機関など地域の情報を得るという方法があります。行政の相談窓口だと、特定の医療機関をおすすめすることは実は難しいことですが、それでも実際には、「このあたりの人がよく受診する医療機関」については教えてくれたりします。ぼさ子さんが最後のイラストで描かれているように、「子どもの安心って親の安心からつくられる」はまったくその通りです。保護者の方をまず支えるのが支援機関の最低限の務めだと思います。クリニックであれ、相談機関であれ、最初に訪れる際にはとても勇気が要ったことと思います。「相談に来てよかったです」や、「あのとき勇気を出してよかったです」と感じていただけるのが支援者の使命だと多くの支援者は思っています(なのにほんとに、どうしてあんなことに…!)。みなさまが良き支援者・機関と出会えることを祈りつつ、支援者として気が引き締まるお話でした。
2021年12月17日ほぺろう2歳。少しでも癇癪を改善したくて…ネット検索漬けの日々Upload By ぼさ子自閉症と知的障害のある、わが家の息子ほぺろうは、現在保育園の年長さん。6歳になりましたがいまだに発語はありません。1歳半健診のときに発達の遅れを指摘されていましたが、言葉の遅れを気にしている余裕がないくらい悩まされたものが『癇癪』。ほぺろうは2歳を過ぎたあたりから癇癪が激しくなり始め、『なだめる・共感する』も一切通用せず抱っこも拒否。眠っているとき以外は朝から夜中まで、一日10回は地雷を踏み、1回につき1時間は泣き暴れる…そんな毎日を繰り返し、ほぺろうも私も心身疲れ果てていました。こんな大きな困りごとがあるのに当時の私はほぺろうに発達障害の可能性があることを信じたくなくて、「私にできる改善方法はないだろうか」と隙あらばネット検索漬け。暴れ疲れてようやくほぺろうが眠ってくれたとき、私も疲れているのだから寝ればいいのに、チャンスとばかりにスマホにかじりついては検索。疲れているのに頭はさらにフラフラになり、取り憑かれているかのように『検索魔』になっていました。Upload By ぼさ子ネットから得た情報を何でも試しました。声かけや接し方のみならず、コミュニケーションを増やすためにテレビを一切視聴しなくしたり…。でもほぺろうには響かず、ついには『食生活の変更』まで。迷走。約1年続けるほど必死だったそのときよく目にしていた情報の一部ではありますが、それを元に私は『いくつかの食材を断つ』という取り組みをしました。ほぺろうがほしがるといけないので夫にも協力してもらいましたが、今までの食生活を変えることは大人でもストレスを強いられるし、偏食のほぺろうにとってはさらにに食べられるものが狭まってしまう。それでも「この癇癪がおさまるなら…」と私は続けました。レシピ本を購入したり、ほぺろうのおやつもなるべく手づくりしたり(しかも午前と午後)、何をほぺろうに食べさせたら良いのだろうということばかりで毎日頭がいっぱい。当時お世話になっていたデイサービスにまで、おやつの出し方に条件を出して協力をお願いしていました。そんな生活を約1年続けました。ズボラな私がそこまでするなんて今では想像できません。それだけ必死だったんだと思います。とにかく「あのとき取り組んでおけば良かった」という後悔はしたくなかったのと、ほぺろうのためにやれることは何でもやらなきゃとガムシャラだったのです。Upload By ぼさ子迷走を続けた結果、今は…約1年そんな生活を続けましたが、結果ほぺろうの癇癪に何ら変化はありませんでした。保育園に入ったあたりから、給食を選り好みしてる場合でもなかったし、何より食材制限に縛られる私が疲れてしまって、やめました。制限を強いられる生活を続けたことで疲れ果てはしましたが、時間の無駄だったとは思っていません。ほぺろうには効果がなかったと実証できたし「あのときやっておけば…」という後悔にはならなかったので、今はスッキリしています。でも、当時の私に言いたいことがあります…。当時を振り返り、大切だと思うこと今現在 不安を抱えている親にとっては、将来が見通せなくて「とにかくやれることはなんでもやりたい」という気持ちになると思います。そして私も実際そうでした。私の場合ですが、ほぺろうの癇癪を改善することばかりに縛られていた当時は本当に殺伐としていたし、睡眠もろくに取れていないので常にイライラしていました。もしかしたらほぺろうの癇癪は、外部的な要因で起こるものだけじゃなく、イライラした私の顔を見てずっと不安を抱えていたことも原因のひとつだったかも知れません。今は「私がリラックスしていると、ほぺろうもリラックスしているな~」と感じます。私が「ほぺろう大好き」と伝えるようになってから少しずつ癇癪が和らいできた気がするのですが、「ボクは愛されている」という安心感も大切な要素なんだと思います。反省を踏まえて当時の私に言うならば、まずは「とにかく寝なさい」ということ。育児をしながら睡眠時間を確保するのは難しいけれど、誰かに助けを求めてでもしっかり寝てほしい。体もそうだけど脳を休めないと、イライラするし迷走する。焦る気持ちもわかるけど、リラックスして接したほうが子どもにとってきっと良い結果に向かうよ。Upload By ぼさ子そして、「“今は”仕方ないと受け止めて」ということ。何をやってもダメな時期ってある。でもそれは、受け入れられる成長段階じゃないだけかもしれない。どんなにこちらが努力しても響かないわが子を見ては「それほど、ほぺろうに問題があるんだ」「ほかのママなら上手くできるのに私にはできないんだ」とマイナス思考になっていたけど、「“今”できないだけ」と受け入れると焦る気持ちが軽減するよ。Upload By ぼさ子悩みの中にいた当時の私は気持ちが擦り切れていたので、上記のことを言ってもなかなか受け入れなさそうですが、「とにかく睡眠だけは取って!!」と言ってやりたいです。周りは変わらない。でも自分が変わって得たもの6歳になった現在のほぺろうは相変わらず癇癪を起こしますし、発達年齢は2歳のままです。それでも今は、ほぺろうと過ごす毎日が楽しいし、ほぺろうが可愛くてたまらないと思えることが幸せだなと感じています。おそらく、ほぺろう以上に変わったのは私の方なんだと思います。Upload By ぼさ子執筆/ぼさ子(監修:井上先生より)子どもの頻繁な癇癪は、親御さんを疲弊させたり精神的に追い込んだりすることがあります。また、それによってさらに子どもへの対応が困難になり、癇癪も激しくなるという悪循環に陥ることもあります。当時のお母さんの大変さがよく伝わり、「まずは休んで」というメッセージもその通りですね。癇癪については、どんなときに癇癪を起こすのか、どんなときに癇癪を起こさないで済んでいるのかを振り返ってみることが大切です。そのためには、少し離れた視点で見られるようになることが必要ですので、難しいとは思いますが割り切って休養を取り、心に余裕をつくっていただけたらと思います。
2021年10月22日週一で遊びにくる義両親。義両親は近くに住んでいるため週一で家に遊びに来ていました。野菜や手づくりのおかずなどたくさん持ってきてくれるので食費も浮き、初めはあまり嫌な気はしていませんでした。しかし娘が成長するにしたがって、義両親は子育てに口を出すことが多くなってきたのです。ある日、自宅で義両親も含めお昼ごはんを食べていたときのこと。いつもどおり全然食べる気配がない娘。Upload By とまぱんUpload By とまぱん『こっちはこっちのやり方があるんだよーーー!!』と心の中で絶叫しました(笑)。この時期、娘は長い間座って食べることができませんでした。どんなに言ってもダメです。一口食べさせて美味しいと分かれば座って食べてくれるのでは、と思いとった行動でした。また別の日。珍しく娘が大人しくごはんを食べていました。自分も今のうちにごはんを食べようと思い自分の食事に集中していたそのときのこと。Upload By とまぱんUpload By とまぱん『えーーーん。うるさいよーーーうるさいよーーー』再び心の中で叫びました(笑)。義両親には(特に義父)、食事どきの訪問を避けてもらえたら…心の中でそう思いました。癇癪を起こしそうな娘。私がとった行動に義両親は義両親とおでかけ中、娘が癇癪を起こしそうになったときのこと。癇癪が起きてからは何をしてもダメだということを知っていたので癇癪を起こす前に娘にお菓子をあげました。娘は大きな癇癪を起こさずにすみ、ほっと胸をなでおろす私。しかし一緒にいた義両親は私にひとこと。「すぐにお菓子をあげるなんて。しつけがあまいな」私のとった行動は、しつけがあまいと取られてしまうのは仕方ないかもしれません。しかしほかの子より癇癪が強い娘。癇癪が始まると、長時間大声で奇声を出し続けてしまいます。力強く暴れまわるので抱きかかえることもできません。床に大声で暴れまわる娘を見つめることしかできない時間は、私にとってつらいものでした。もちろんお菓子に頼らずしつけられるのが理想です。しかし子育てとは理想通りにできないもの。妥協せざるをえないときがたくさん出てきます。親の葛藤と苦悩とは裏腹に、義両親はそのことを知りません。私は義両親と一緒にいることが徐々にストレスになっていきました。義両親と会うのがストレスに。そんなとき夫は義両親と会う前日は「明日はどんなことを言われるのだろう」と考えて眠れなくなる日も。こんな行動したら何か言われるだろうかと、義両親の前で行動ひとつ取れなくなっている自分がいました。ちなみに夫はそんな義両親をどう思っていたかというと…。夫にとっては両親なので、義両親の発言がストレスだということを伝えるのは勇気がいりました。ある日思い切って伝えることに。Upload By とまぱんUpload By とまぱんはい、夫は全く記憶にありませんでした。義父はもともと指摘することが多く、義母に対してもいろいろと言う場面が多かったようです。夫は小さいころから慣れていることもあり、スルースキルが身についていたようです。うらやましい…。うらやましいけど、このつらさを共有できないのがしんどい(笑)。現在の義両親との関係は?今、義両親とはちょうどいい距離感になりました。その理由は夫が義両親に「来すぎ」と言ったからです。ありがたいけど、夫の言い方が強くてシュンとする義両親。ほんのちょっとだけ可哀想になりました。そんなこともあり、今は遊びに来る頻度が週一から月一になりました。孫を可愛がってくれるのは嬉しいですし、可愛い孫の子育てに口を出したくなる気持ちも分かります。口を出すのも孫に会えた嬉しさからなのでしょう。ですが、やはり子育てでとても大切なのは親のメンタル。親の気持ちが不安定だと子どもにすぐ伝わるし、ときには子どもに当たってしまうこともあります。私も夫のように、スルースキルを身につけられればみんなハッピーだったのかもしれません。しかし人間そんな器用なことはできないもの。ときには自分のためにも子どものためにも。自分自身の気持ちを優先することも大切だと思いました。執筆/とまぱん(監修:初川先生より)同居していない祖父母などの親族の言葉はネガティブなものであればどんな些細なことでも刺さりますね。子と生活を共にし、どういうときにどう難しくなるかの歴史や「傾向と対策」を日々身に付けているお母さんからすると、とまぱんさんの「心の叫び」が出るのも当然だろうと思います。祖父母も孫がかわいいし、良い子に育ってほしい思いで助言するのだろうということをそんな状況でも察しているのは素晴らしいですね。ただ、本当に欲しいのは、助言ではなく労いや子育ての苦戦の理解だったりするんですけどね…。「大切なのは親のメンタル」はその通りです。心がざわつく距離感ではなく、良い距離感に落ち着けることが大切です。今は「ちょうどよい距離感」とのこと、何よりです。
2021年10月04日癇癪を起こした息子をほったらかして家から飛び出しましたUpload By かなしろにゃんこ。こんにちは、かなしろです。ADHDと広汎性発達障害がある息子は、気性が荒く幼少期から癇癪持ちでした。過去に癇癪のときの息子の気持ちなどをコラムに書いたことがありますが、今回は私がしていた「息子が癇癪になったときの対策」についてお話ししたいと思います。息子がまだ3歳だったころ、遊びの中でうまくいかなかったとき息子は、頻繁にプンプン腹を立てていました。オモチャを投げたり、足を踏み鳴らしたりして、体全体で怒る息子の様子を見て「なんでこの子はこんなにイライラしているんだろう?」と不思議でしたし、怒っている子と同じ空間にいると、とってもイヤな気持ちになって子育てがつらく感じてしまっていました。ミニカーを並べて遊んでいて、思っていた場所に置けずにずれたりするとキーキー怒り出してしまう息子。そんな息子に「怒らないの、大きな声を出さないの、泣かない」などと私もついつい口を出してしまっていました。口を出すと息子はさらに泣いたり叫んだり、余計に怒ってしまいます。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。当時私は「癇癪」という言葉がどんな状態を表す言葉なのかよくわかっていませんでした。だから息子はうまくいかないとよく怒るけど、本人の経験不足から我慢が足りずに怒っているだけで、大きくなったら癇癪はなくなるものだと思っていました。しかし息子のうまくいかなかったときのイライラや爆発する怒りは、成長しても収まることはなく、「これが癇癪というものなのか!」と知りました。そんなある日、我慢の限界が来て…Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。癇癪持ちは治らない!おもちゃの線路がうまくはめられない、時間内にクリアしないといけないゲームは焦ってできない……など、できなかった場合「そんなこともあるよね」と諦めることができない息子。あるとき癇癪を起こした息子がイヤで、私は息子の視界から少し離れました。すると息子は、(なぜ母はいなくなったのか?)と気になったのでしょう。怒るのをやめてポカーンとしていました。少し離れたところから息子の様子を見ると、息子のさっきの怒りは鎮まっていました。これは効果がある、息子が癇癪を起こしたら離れるといいのかも!Upload By かなしろにゃんこ。それから、息子がうまくいかなくて怒っているときに離れることができない場所では、徹底的に「見ざる聞かざる言わざる」にしてみました。(もちろん、荒れた息子が人の迷惑になったり、危ない行動をとらないように視界の端で気にしながらですが)そうすると、干渉しないことで息子の場合は早く怒りが治まることがわかりました。私が機嫌をとろうとして関わると余計に荒れてしまう。息子自身沸きあがる自分の感情をどうしたらいいのか分からずに、戦っている形が「癇癪」なのかもしれません。癇癪に同調して寄り添う姿勢ももちろん大切だと思います。ですが、今まで息子が癇癪を起したときに、私が無理に止めるような関わり方をしていたせいで、怒りが長引いていたのかもしれないな、と思いました。Upload By かなしろにゃんこ。この経験をきっかけに、癇癪は息子自身の心の問題で、もしかしたら親が必要以上に干渉しなくてもいいのかもしれない。怒りや喜びなど、本人がいろいろな感情を味わい、それが成長につながっていくのかな、と思うようになりました。癇癪のときにどうしてほしかったか、その後成長した息子本人に聞いたコラムもありますので是非読んでみてくださいね。執筆/かなしろにゃんこ。(監修:三木先生より)大人のコンディションが悪いときは、寄り添っても逆効果になってしまうこともよくあります。寄り添いと見守りを大人のコンディションによって使い分けるのはとても良い方法だと思います。つまるところ、「しんどいときは無理をしない」で良いのかもしれません。
2021年09月09日