質問:主人がたまに動悸息切れが激しくなるようで狭心症に発展しないか心配です。主人がたまに動悸息切れが激しくなるようで狭心症に発展しないか心配です。デスクワーク中心の仕事で、土日の外出もほとんど車なので運動は通勤時の徒歩のみ、その上肥満気味です。男性は狭心症になりやすいと聞いたことがあり、生活習慣と併せてとても危険因子と感じています。子どもも生まれ、まだまだ元気でいてほしいのですが、狭心症の対策として家で気をつけられることはありますでしょうか?東京都:tamoさん(32)回答:「狭心症」についてお答えします。――「狭心症」とは「狭心症」は「心筋梗塞」と同じく、虚血性心疾患に分類される病気です。心臓の表面を流れている冠動脈の内部にコレステロールが溜まり、動脈硬化が進んで血管の中の血液の通る内腔が狭くなることで発症します。血管内腔が狭くなりすぎて、心臓を動かすための血液量が確保できない状態になると、心臓の筋肉(心筋)に血が足りなくなってしまい、胸痛や胸の圧迫感を感じるようになります。これが「狭心症」です。狭心症の発作は一時的なもので、長くても15分以内にはおさまります。これが完全に塞がって血液が長時間心筋に届かない状態になると、心臓の組織が死んでしまいます。これが「急性心筋梗塞」です。「狭心症」の予防には、健康的な生活習慣を心がけましょう狭心症の予防には、生活習慣の改善が大切です。もし喫煙されているなら、禁煙してもらいましょう。喫煙は狭心症・心筋梗塞の大きな危険因子になります。塩分、脂肪分および糖分のとりすぎに気を付けましょう。高血圧症や高脂血症、糖尿病は発症のリスクファクターになります。食事はうす味の日本食をベースにするのがよいでしょう。できれば週に数回程度、スポーツジムやジョギングなどの運動をしましょう。週末の外出を時々、ハイキングや徒歩での公園の散歩にするだけでもよいですよ。ストレスや不規則な生活をできるだけ避けることも、病気の予防には大切なことです。以上のことを踏まえて、健康的な生活習慣を心がけましょう。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:肥満から肝疾患の病気になることがあると聞きましたが、肝疾患を治すには専門の食事療法で治療した方が良いのでしょうか?肝疾患の原因で最初に思い浮かぶのはやはりアルコールですが、お酒や暴飲暴食で不規則な生活を続けてしまうと肝疾患の病気になりやすいのかなと思います。お酒を全く飲まない人でも肥満から肝疾患の病気になることがあると聞きましたが、肝疾患を治すには専門の食事療法で治療した方が回復が早いのでしょうか?また、自宅での食事などで気をつけなくてはいけないことなどがあったら知りたいです。新潟県:夏のひまわりさん(40)回答:「脂肪肝」についてお答えします。――「脂肪肝」とは暴飲暴食による肥満や、お酒の飲み過ぎが原因となる肝臓の病気としては、脂肪肝が挙げられますね。脂肪肝は、よく聞く病名ですが、なかなか具体的にイメージすることは難しい病気なのではないでしょうか。まず、簡単に脂肪肝になるメカニズムからご説明したいと思います。食べ物として摂取された脂肪は、口から取り込まれ、食道、胃を通って小腸まで運ばれます。小腸では脂肪を分解する酵素であるリパーゼの働きによって脂肪は脂肪酸とモノグリセリドに分解されます。この分解された形で脂肪酸となった脂肪は肝臓に送られます。このため脂肪や糖分をとり過ぎると肝臓に負担がかかり、脂肪酸から肝臓で作られる中性脂肪の形でためこまれることになります。これが脂肪肝です。アルコールの飲み過ぎによっても、やはり同様に肝臓に脂肪がたまってしまいます。また、糖尿病をお持ちの方も、代謝の異常により、脂肪肝になりやすい傾向があります。このように脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪やコレステロールがたまった、いわば肝臓の肥満のような状態です。そのため、脂肪肝は動脈硬化など、さまざまな病気の引き金になることが知られています。ご質問にあったように、脂肪や糖分の多い食事が続けば、全くお酒を飲まない方でも脂肪肝になることがあります。<「脂肪肝」の治療法>脂肪肝は幸い、可逆性、つまり適切な治療により健康な肝臓に戻れる状態です。そして、脂肪肝を治すには、やはり食事療法、運動療法が有効です。もちろん、高度な脂肪肝の場合や、自己流でなかなか改善がみられない場合は専門知識を持った医師や栄養士の指導を受けて治療を行った方がよいかと思いますが、ご自宅での食事や運動、例えば暴飲暴食を避け、食事はカロリーの低いもの、脂質の少ないものを心がける、アルコールは量・回数を減らして週2回は休肝日を作る、週に4時間程度を目標に生活に運動を取り入れる、といったやり方でも十分に改善は期待できます。まずは試してみてはいかがでしょうか。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:夫の父は心筋梗塞で40代で亡くなりました。夫も40代半ばになり、同様のリスクがあるのではと不安です。夫の父は心疾患(心筋梗塞)で40代で亡くなりました。夫も40代半ばになり、同様のリスクがあるのではと不安です。義父はヘビースモーカーでしたが、夫は学生時代に肺気胸になってから一切喫煙していません。遺伝による発症リスクはあるのでしょうか?また、食事や運動など、予防のために生活の上で気を付けることはありますでしょうか?埼玉県:flowerroomさん(44)回答:「心筋梗塞」の遺伝についてお答えします。――「心筋梗塞」の危険因子心筋梗塞の遺伝に関するご相談ですね。義理のお父さまが40代で心筋梗塞で亡くなられているということで、ご主人の心筋梗塞のリスクをご心配されていますが、結論から申し上げると、心筋梗塞という病気そのものには遺伝性は認められません。ただ、心筋梗塞の危険因子として、次のようなものが挙げられます。それぞれの危険因子を順番に見てみましょう。1.高血圧高血圧は心筋梗塞の危険因子として非常に大きなものです。高血圧は心筋に対し負担をかける上、酸素需要を増やして狭心症の発症を誘発します。また、血管内の圧力を高めてコレステロールを動脈の内壁に押し込み、血管中層に沈着させることで動脈硬化を招きます。また、動脈硬化で血管の弾力がなくなると、より血圧が上がりやすくなる、という悪循環を招いてしまいます。2.肥満肥満は脂質代謝異常症や糖尿病を招きやすく、冠状動脈の動脈硬化の大きな危険因子の一つです。体重が重いことで心臓に負担がかかり、心筋が肥大してしまいます。この心筋の肥大によって冠状動脈を通じてより大量の血液を送る必要が出てくるので、さらに心臓に余分な負担をかけることになります。運動習慣や食習慣の改善を図り、肥満はぜひとも改善するようにしなくてはなりません。3.脂質代謝異常症かつて高脂血症と呼ばれていたもので、血中の中性脂肪、コレステロール、飽和脂肪酸の濃度が多いものを言います。俗に善玉コレステロールと呼ばれるHDLが多いほど動脈硬化が抑えられ、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLが多いほど動脈硬化は進行しやすくなります。イワシなどの青魚にはHDLが多いので、積極的に食べるようにするといいでしょう。4.糖尿病糖尿病は血管障害を合併しやすく、心筋梗塞の発症率も高いことが知られています。食事、お薬などでしっかり血糖コントロールをすること、病気のため痛みをあまり感じないことがあるので、少しでもおかしいと思ったらすぐ病院を受診することが大切です。<禁煙や運動などできるところから変えていきましょう>これらに加え、ご主人がやめられたという「喫煙」も大きな危険因子ですので、ぜひ禁煙は継続してください。また、過度のストレスや高尿酸血症、運動不足といったことも心筋梗塞の危険因子になりますので、できるところから少しずつ変えていくことが心筋梗塞のリスクを下げるカギになるでしょう。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日いまや社会的な問題となっている肥満。最近では大人だけでなく、子どもの肥満の問題も増加傾向にあるようです。小さいうちからの生活や食事の習慣が、将来の肥満リスクを招く原因になることもあるのだとか。気づかないうちに子どもの肥満リスクを高めてしまっていないか、普段の生活習慣を見直してみましょう。■夜更かし&睡眠不足子どもの健やかな成長には、睡眠が大きな関わりをもつということはよく知られています。さらに睡眠は、子どもの将来の肥満リスクにも影響するのだとか。睡眠不足になると、食欲や、脂肪の蓄積を抑制する「レプチン」というホルモンの分泌が低下し、反対に食欲を増進させるホルモン「グレリン」の分泌が増加するといわれます。また、夜更かしをして起きている時間が長くなると、それだけ間食を食べる機会も多くなりがちです。子どもの肥満防止のためには、生活リズムを整え、きちんと睡眠をとることがとても大切だといえます。■おやつを袋ごと与えるおやつにスナック菓子などを食べるとき、大きな袋ごと子どもに渡してはいませんか?お菓子を袋ごと渡してしまうと適量が分からずに食べすぎてしまい、一度に全部食べきってしまった、なんてことも。市販のお菓子は袋ごと与えずに、食べる分だけを皿などに取り分けるようにしましょう。子どものうちは、間食も食事の一部。栄養バランスをとるために、スナック菓子ばかりではなく、乳製品やフルーツなどと組み合わせるのもおすすめです。また、お菓子などの買いだめはできるだけ避けて。子どもがいつでもお菓子に手が届く環境をつくらないようにしましょう。■家のお手伝いをさせていない現代の子どもは、昔に比べて運動量が減っているといわれています。環境によっては外遊びができる場所も少なく、友達と遊ぶ際もテレビゲームなど座ったまま、ということも珍しくありません。さらに、子どもにあまり家のお手伝いをさせていないと、運動不足に拍車をかけることになってしまいます。「お手伝いよりも勉強」と考える家庭もあるかもしれませんが、少しでも体を動かすため、役割を決めて積極的にお手伝いをさせるようにしてみましょう。運動不足が続くと、体を動かすことそのものが億劫になってしまいます。ポストまで郵便を取りに行く、お風呂掃除をする、など、まずは簡単なお手伝いからはじめてみてはいかがでしょうか。■整理整頓の習慣がない部屋が汚い人は太りやすいといわれます。それは、「面倒だから後回しにしよう」という気持ちが食生活にもあらわれるほか、散らかった部屋が知らず知らずのうちにストレスになって食べすぎてしまうからなんだとか。子どものうちからきちんと整理整頓をする習慣をつけておかないと、大人になっても部屋が汚いままになってしまう可能性も。また、リビングなど家族の共有スペースがいつも散らかっていると、その状態を「当たり前」と思いながら育ってしまい、片づけられない大人になってしまうかも。小さいうちからきちんと、「使ったものは片づける」という習慣づけができるように心がけましょう。子どもが片づけやすいように、収納の場所や高さも工夫してあげるのも効果的です。子どもの肥満リスクには、食事の内容や量だけでない、意外な要因が関係していることも。子どもの将来の健康のために、思い当たる点がないかチェックしてみてくださいね。(かとうともみ)
2016年09月30日サニーヘルスはこのほど、ダイエット情報発信サイト「microdiet.net」にて、調査レポート「深夜のオリンピック観戦によって肥満に拍車がかかる!? 」を公開した。リオ五輪の開催地・ブラジルと日本の時差は12時間。日本とは昼夜が正反対になるため、リアルタイムで競技を観戦する場合は、深夜にテレビ放送を観ることになる。翌日が休日ではない場合、睡眠不足の状態で通勤・通学する人も多いと思われる。同サイトによると、寝不足の状態が続くと、体がつらくなるだけでなく、太りやすくなってしまうという。アメリカ・シカゴ大学の調査では、「適切な睡眠時間を確保することにより、脂肪の燃焼を増加させるだけではなく、食欲も抑えられる」ということが明らかになっている。同調査では、睡眠時間が短い場合に食欲増進ホルモンの「グレリン」の分泌が増えたという。一方、毎日7.5時間以上の睡眠を取ると、食欲を抑えるホルモンの「レプチン」が分泌され、食欲を適正にするという結果が見られた。代謝もアップし脂肪が燃焼されやすい体質になっていくこともわかったという。また、睡眠時間が少ないほど肥満率が高いという研究結果もあり、睡眠と肥満には関係性があることが分かっているとのこと。同サイトによると、最適な睡眠時間は個人差があるものの、一般的に7~8時間であるという。睡眠は90分間を1サイクルとしてレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)を繰り返す。長く眠るほどレプチンが増えるわけではないため、ダイエット効果を考える場合、5サイクル分の7時間半が理想的と言われているという。深夜のテレビ視聴では、睡眠不足だけではなく、画面から出ている「ブルーライト」にも注意が必要とのこと。人の体内時計を司(つかさど)るホルモンに、夜になると分泌され眠気を引き起こす「メラトニン」があるが、夜遅くまでテレビなどを見ていると、画面から発せられるブルーライトにより、脳は昼間だと誤認しメラトニンの分泌が抑制してしまう。これが、睡眠の質を落とす要因となってしまうとのこと。睡眠の質は食欲を司るホルモンのグレリン・レプチンの分泌に影響を及ぼすため、睡眠の量だけでなく、質を良くすることも重要であるという。入眠をスムーズにして質の良い睡眠を十分に取るには、就寝の2時間くらい前からはテレビやスマホ、パソコンを控えるようにすることが大切とのこと。また、ブルーライトをカットするメガネやフィルムを使用するのも良いという。画面の明るさを下げるとブルーライトも減るため、見づらくならない程度まで暗くすることも、ブルーライト対策として有効だという。詳しい説明はmicrodiet.netの最新の記事「深夜のオリンピック観戦によって肥満に拍車がかかる!? 」で案内している。
2016年08月12日みなさんは、自分のBMI値を知っていますか?BMIとは、身長と体重から算出する肥満度の指標のこと。たとえば身長165cm、体重55kgだとBMIは20。日本肥満学会によれば「22」が標準体重とされていますから、20は標準よりも少しやせ型。25を超えたら肥満で、生活習慣病に気をつけなければいけないといわれています。そうであるだけに、BMIが20かそれ以下という人は「私は太っていないからだいじょうぶ、生活習慣病とは無縁」と思いがちです。でもじつは、BMI20以下でも肥満とされるケースがあるというのです!今回は、『やめたい食べグセ』(KKベストセラーズ)の著者で加圧トレーニング&ピラティス『rinato』代表・森拓郎さんに、BMIが平均以下でも陥りやすいかくれ肥満についてお聞きしました。■国によって大きく違うBMIの評価BMI(ボディ・マス・インデックス)はBMI値=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出できます。日本肥満学会によると、18.5~25未満が“普通体重”。25以上で肥満(1度)、30以上で肥満(2度)と、数値が上がるにつれて肥満の程度もアップしていきます。(肥満度の判定基準は記事の最後)「日本の若い女性の平均は、だいたい身長157cm前後でBMI21未満。これは、世界的に見てものすごく痩せているんです。たとえばアメリカだとBMI25は平均的な体重ですし、国によって数値の評価は違っています」(森さん)。冒頭の「身長165センチ、体重55キロ」は日本だと平均的ですが、アメリカだと超・やせ型ということになります。■「筋肉が非常に少ない」かくれ肥満さらに、森さんはこう続けます。「じつは、日本の若い女性にはBMIが20以下でも肥満とされる人が少なくないんです。いわゆるかくれ肥満です。かくれ肥満の特徴は、筋肉が非常に少ないこと。体重だけを目安にして、食事を減らすダイエットをしていると陥りやすいものです」森さんによると、モデル体型の女性のなかにも、体脂肪率が28~30%という人がけっこう存在するのだそう。これは驚きですね。「20~30代の若い時期に身長が160cm以上あるような人でも『体重50kgが下回れたらいいな』と食事を極端に減らすようなダイエットを繰り返す人がけっこういます。それで5kg落ちても、そのうち2.5kgは筋肉が落ちているかもしれない。その後リバウンドで元の体重に戻ったとしたら、増えた分の殆どは脂肪だけで戻っている可能性が高いのです。年齢とともに代謝は落ちてやせにくくなります。若いときにそういう方法を繰り返して筋肉を減らしていくと、脂肪がたまりやすく、しかも落としにくくなる悪循環に陥ってしまいます」BMI20以下でも、食べる量を減らす食事制限ダイエットに熱心で「2~3kgぐらいすぐ落とせる」と思っている人は要注意。自分自身でやせにくい身体をせっせとつくり上げている可能性があるのです。■かくれ肥満脱出のカギはタンパク質かくれ肥満を解消するには、ためこんだ脂肪を燃焼し、失われてしまった筋肉をしっかりと取り戻していくことが必要。そのために、森さんは著書「やめたい食べグセ」のなかでタンパク質を意識してとる食生活を勧めています。本書のなかで森さんは、「『やせる』というのは、体重を落とすことではなく、筋肉を維持し体脂肪を落とすこと」と指摘。糖質はタンパク質・脂質よりも体脂肪になりやすく、インスリンの働きで脂肪を身体に蓄えやすい状態を作ってしまう、としています。「ごはんや糖分などの糖質はエネルギーにしかなりませんが、タンパク質はエネルギーにも筋肉や皮ふ、髪の毛にもなります。それに、高タンパクなものの方が腹持ちもいい。できるだけ糖質をとらない食事を意識していただきたいんです」(森さん)食事では、意識して肉類や魚、卵料理など高タンパクなメニューをとるのがいい、という森さん。「肉類でも牛肉がもたれる場合は鶏肉とか、豆腐などの豆類もおすすめです。小腹がすいたときのおやつや残業のお供にも、ナッツ類ひとつかみや6Pチーズ、ゆで卵といった良質なタンパク質をとるように心がけてください」*おなかがすいたときに手軽に食べがちなおにぎりやパン、スイーツ、外食でチョイスしがちなどんぶりものや揚げものなどは、すべて糖質過多な食品。森さんの著書「やめたい食べグセ」では、つい陥りがちなこうした糖質過多な食事のクセを高タンパクなものに転換するアドバイスが詰まっています。自分はかくれ肥満かもしれないと思ったら、「やめたい食べグセ」を参考に、ついやってしまう糖質過多な食べグセを見なおしてみてはいかがでしょうか?■BMIによる「肥満度」の判定基準18.5未満・・・低体重(やせ)18.5~25未満・・・正常体重25~30未満・・・肥満(1度)30~35未満・・・肥満(2度)35~40未満・・・肥満(3度)40以上・・・肥満(4度)(文/よりみちこ)【取材協力】※森拓郎・・・1982年生まれ。大手フィットネスクラブを経て、2009年、自身のスタジオ『rinato』(加圧トレーニング&ピラティス)を東京・恵比寿にオープンし、ボディメイクやダイエットを指導している。トレーニング至上主義のフィットネス業界に疑問を感じ、栄養学を学び、健康的に理想の身体をつくるための食事指導に力を入れている。著書『ダイエットは運動1割、食事9割』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は15万部を突破、多数のメディアで注目されている、今話題のボディワーカー。【参考】※森拓郎オフィシャルブログ※加圧トレーニング&ピラティス『rinato』※森拓郎(2015)『やめたい食べグセ』KKベストセラーズ
2015年12月17日松谷化学工業はこのほど、名城大学薬学部らとの共同研究において、 希少糖のD-プシコースが、高ショ糖・高脂肪食負荷肥満マウスを用いた研究において、抗肥満作用があることを「第36回日本肥満学会」にて発表した。同研究は、名城大学薬学部、香川大学医学部、自治医科大学医学部統合生理学部、名古屋第一赤十字病院内分泌内科と同社研究所が共同で行った。「D-プシコース」は、自然界に存在量の少ない「希少糖」の一種。砂糖の7割程度の甘さを持っているが、ノンカロリーという特徴がある。また、抗糖尿病および抗肥満作用を示し、肝細胞内のグルコキナーゼの核外移行を促進してグリコーゲン量の増加を起こすこともわかっている。そこで今回、D-プシコースによるグルコキナーゼの核外移行による肝糖利用の促進と肥満との関連性について検討を行った。研究では、C57BJ雄性マウス(10週齡)に、高ショ糖・高脂肪食を投与すると同時に5%D-プシコース溶液を自由飲水下で8週間投与。投与期間中の体重増加、飲水量、摂食量を記録した。摂取期間終了時に、尾静脈血糖値およびインスリン濃度、内臓脂肪量の測定を実施。また、肝臓内で糖の代謝を高める酵素「肝グルコキナーゼ」の発現についても調べた。その結果、高ショ糖・高脂肪食の投与により体重増加が進むことが確認できた。一方、D-プシコースの投与では、高ショ糖・高脂肪食投与による体重増加は抑制されることもわかった。摂食量および飲水量には差は見られなかった。結果として、高ショ糖・高脂肪食投与による血糖値、血中インスリン濃度、内臓脂肪量、肝グルコキナーゼ発現の増加は、D-プシコースの投与によりいずれも抑制されたことが明らかとなった。
2015年10月07日大阪市立大学(大阪市大)は9月24日、肥満小児は脂肪肝の頻度が高く、肝臓の硬さの数値が高い傾向にあるとの研究結果を発表した。同成果は、同大大学院医学研究科 発達小児医学の徳原大介 講師と趙有季 医師らの研究グループによるもの。詳細は、米国の科学誌「PLOS ONE」に掲載された。近年、日本における肥満小児が増加しており、脂肪肝や高脂血症、糖尿病などの合併症の早期発見と治療介入が課題となっている。中でも肥満による脂肪肝は、肝細胞への脂肪沈着のみが認められる単純性脂肪肝と、脂肪化のみならず線維化・炎症性変化を伴う非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の2種類に分類され、NASHは肝硬変に進展する可能性が高いことが知られている。脂肪肝評価として近年、体表からプローベを当てるだけで、痛みや出血を伴わずに非侵襲的に短時間で肝硬度と脂肪蓄積量を定量化することができる肝硬度測定機器「フィブロスキャン」の有用性が成人では報告されていたが、国内の小児に対する検討は皆無であったという。そこで今回、研究グループでは、小児、中でも肥満小児における同機器の有効性と実効性の評価を目的に研究を行ったという。具体的には、1~18歳の小児214名を対象に、肝臓の線維化の程度(肝硬度:LSM)と脂肪の蓄積の程度(肝脂肪蓄積度:CAP)の同時測定を行い、肥満群、肥満を伴わない肝障害群、肥満と肝障害を伴う対照群に分けて比較を実施。その結果、同機器は94%の小児で実施可能であり、肥満小児は対照群と比較してCAP・LSMともに有意に高い傾向にあることが判明したという。また、その他の比較からも、同機器は小児において非侵襲的に実施可能な信頼性の高い検査であり、肥満小児は脂肪肝の頻度が高く、NASHを判定する指標となる肝硬度が高い傾向にあることが明らかになったとする。今回の結果について研究グループは、同機器は非侵襲性が求められる小児科領域での有用性が高く、肥満小児の脂肪肝・NASHの効果的なスクリーニングを介した早期治療介入につなげることが期待されるとコメント。今後、肥満小児に対してどのような食事や運動指導を行っていけば、脂肪肝の改善に結びつくかといった検討を同機器を用いて進めていくとするほか、学校検診への導入によるスクリーニング、および早期の食事・運動指導介入につなげ、子供の健康福祉につなげていければ、としている。
2015年09月25日肥満や虫歯につながりやすい砂糖の摂りすぎは禁物です。1日に摂ってもよい糖分摂取量について、世界保健機関(WHO)は小さじ6杯程度(25g)までにするべきだと発表しています。でも、砂糖が体に悪いという噂のほとんどは迷信なのだとか。というのも『BUSINESS INSIDER』で、科学的に立証されていない、砂糖の迷信が紹介されているのです。■1:砂糖は子どものADHD(注意欠陥・多動性障害)を招く ⇒ 迷信「砂糖を多く摂るとADHDになる」とは昔からいわれていることですが、実は根拠がありません。この迷信が有名になったのは、1974年に書かれた「砂糖はADHDの原因だ」という研究者の手紙によります。1通の手紙が大きな迷信を流布させてしまったのです。■2:ブドウ糖果糖液糖は体に悪い ⇒ 迷信人口的につくられた糖分は体に悪いと信じ込んでいませんか?最近の研究では、ジュースなどに多く使用されているブドウ糖果糖液糖が体に与える影響は、ハチミツと特に変わらない、ということがわかっています。フルーツなどで摂取する天然の糖分も、人工的な砂糖の糖分も、成分としては同じだというのです。ただし、人工的な砂糖が使われたもののほうが糖の量が多いので、その点では注意が必要です。■3:子どもの肥満の原因はソーダ ⇒ 迷信肥満大国アメリカでは、1日に1本ソーダを飲む子は、そうでない子より60%肥満になりやすいといわれています。しかし、研究では必ずしもそれは正しくないとされています。もちろん砂糖がたっぷり入ったソーダを毎日飲むのは健康的とはいえませんが、ソーダだけが肥満の原因ではないということです。肥満の改善には砂糖を減らすだけでなく、運動や食生活など、生活全体を見なおす必要があると指摘されています。■4:砂糖の摂りすぎで糖尿病になる ⇒ 迷信アメリカの糖尿病協会のホームぺージには、「砂糖の摂りすぎで糖尿病になるのは迷信」とはっきり書いてあります。ジュースやソーダのような過剰に砂糖が含まれているものは避けたほうがいいとされていますが、普通に砂糖を摂っているだけでは、糖尿病になるとは考えにくいようなのです。■5:砂糖にはヘロインと同じくらい依存性がある ⇒ 迷信2009年に発表された研究では、「砂糖を摂取することにより、脳はたばこやアルコール、ヘロインを摂取したときと同じような状態になる」とされていました。よって、砂糖にも依存性があると考えられていたのです。たしかに、砂糖を摂取することで快楽物質は分泌されますが、依存性は確認されていません。■6:砂糖はほんの少しでも摂取してはいけない ⇒ 迷信砂糖に依存性があると信じている人は、砂糖を麻薬のようなものだと思っているかもしれません。麻薬であれば、たしかに微量の摂取も命取りになり得ます。しかし適量の摂取であれば、砂糖は体にまったく悪影響を及ぼしません。1日に推奨されている適量の倍も砂糖が入っている炭酸飲料などを常飲しなければ大丈夫です。■7:砂糖はドラッグの入り口 ⇒ 迷信繰り返しますが、砂糖に依存性はありません。また、砂糖がドラッグの入り口だという考え方も誤りです。砂糖をなめたからといって、ドラッグを乱用してみたくなるわけではありません。■8:ブラウンシュガーは白い砂糖より体にいい ⇒ 迷信これは、ブラウンシュガーのほうが、体によさそうな色をしているというだけのこと。ブラウンシュガーは精製されていないだけで、成分は白い砂糖と同じです。精製されていないぶん独特の風味があり、多少のカリウムやマグネシウムなどの栄養素が含まれてはいますが、健康への影響はほとんどありません。■9:砂糖は恋の妙薬 ⇒ 迷信19世紀半ばころまでは、砂糖は女性や子ども、貧しい人を性的に興奮させる作用があると考えられていました。香辛料なども、そうした状態に人を導くものだとされていたようです。実際には砂糖に限らず、いかなる食べものも、人を性的に興奮させることは科学的に立証されていません。悪者にされることも多い砂糖。でもそのほとんどは迷信のようです。正しい知識で、適量を摂取しましょう!(文/スケルトンワークス)【参考】※9 science ‘facts’ about sugar that are completely false-BUSINESS INSIDER
2015年08月25日文響社はこのほど、肥満治療の専門医が解説する書籍「やせる生活」(島野雄実/著)を発売した。同書の著者・島野雄実氏は肥満治療専門の病院「北星クリニック」の理事長で、長年にわたり肥満治療をしてきた経験を持つ。同クリニックは2003年の開業以来、累計1万人以上が来院。激しい運動や食事制限・薬の使用もせず、平均して10~20キロの減量と体重のキープに成功しており、その成功確率は90%以上だという。島野氏は、ダイエットに失敗する人には3つの共通点があると語っている。「他力本願的」「情報にふりまわされやすい」「過去・現在・未来の状況を分析するのが苦手」という性格的なもので、肥満は遺伝の問題ではなく、多くの場合は本人の性格や生活習慣に起因していると主張している。同書では、ダイエットに対する認識や姿勢を根本から変え、「太りやすい考え方」から「やせやすい考え方」に変える「スローダイエット」の方法をまとめている。一例を挙げると、「がんばろうと強く思っている時点で、それは続かない前兆である」「手早くやせようと思っている人は、確実にリバウンドする」「盛りつける皿を、大皿から小鉢に変えることで量がおさえられる」など。全7章にわたり、「太る、やせられない理由」「食べ方を変える」「やせる生活の始め方」「やせられない人が陥る7つの罠」などを解説。やせる考え方やテクニックについて、なぜそうしなければいけないのかを1つずつ、実際に患者と向き合って話しているように解説している。価格は1,350円(税別)。
2015年07月07日“奇跡の肥満外来”島野雄実のダイエット本ダイエットに失敗する人には、共通点が3つある。他力本願で、情報にふりまわされやすく、状況分析が苦手。そんな画期的なアドバイスをするダイエット本が出版された。6月30日、文響社は、究極のダイエット本「やせる生活」を7月3日に出版すると発表した。同本の著者は“最後の頼み綱”、“奇跡の肥満外来”と評判の北星クリニック理事長の島野雄実だ。激しい運動や食事制限は一切なし。それなのに北星クリニックを訪れる人のダイエット成功率は90%を超え、リバウンド知らずだという。「やせる考え方」でスローダイエット!同本では、肥満のほとんどの原因は、本人の性格や生活習慣にあると指摘。「太りやすい考え方」を「やせやすい考え方」へと変えることが肝要で、スローダイエットを推奨している。紹介されているテクニックをみると、一品ものをやめて幕の内弁当的な食事にする、大皿から小鉢に変える、などすぐに実践できそうなものばかり。実際に患者に話しかけるような文章で、「なぜそうしなければいけないのか」をわかりやすく解説してあり、目からうろこだ。「やせる生活」で自分の間違ったダイエット観を改め、本当にやせるダイエット方法を身につけてみてはいかがだろうか。(画像はプレスリリースより)【参考】・文響社 プレスリリース(PR TIMES)
2015年07月02日肥満の人と、10年間喫煙を続けた人。どちらががんになりやすいと思いますか?答えはなんと、肥満の人なのです!がんの最大の原因は、あと10年で喫煙よりも肥満になるだろうと専門家は予測しています。がんの研究者は、抗がん剤に頼る化学療法だけではなく、食事や運動療法によって予防に努めるべきだと主張。肥満はがんを発症するリスクを高めるだけではなく、死亡率さえ高めます。それにも関わらず、WHOは英国の成人肥満率が2030年までに、1/4から1/3まで上昇すると予測しています。こうした肥満の恐ろしさについて、イギリスのニュースサイト『Daily Mail Online』の記事を参考にまとめました。■肥満はがんの死亡率を上げるボストンのハーバード・メディカル・スクールの研究員、ジェニファー博士が率いる研究チームは、肥満とがんとの関連を3年にわたって研究しました。すると20年前の生活と比べると、がんの原因において肥満が占める率が上昇していることがわかったのです。これは人々が、肥満が心臓病や糖尿病にリスクがあることは知っていても、がんのリスクやがんの死亡率を上げていることは認識していないためだと指摘されています。■肥満対策はまだ不十分な状況政府は過去10年間で、タバコ税の引き上げや公共施設での喫煙を禁止するなど、喫煙については幾つもの対策を取ってきました。しかし肥満についての対策は根付いているとは言えません。がんに対する喫煙対策は万全でも、肥満対策はまだ不十分と言えるでしょう。ハーバード大学の研究者は、肥満は乳がん、前立腺がん、大腸がん、子宮頸がんを含むさまざまな腫瘍のリスクを上昇させていると言います。彼らの研究によると、がんと診断された時に肥満であった女性患者は、乳がんの死亡率が75%であることがわかりました。また、肥満率がとても高い女性は、子宮がんを発症する確率が普通の女性の6倍以上でした。別の研究では、がんと診断された後でも積極的に運動をして脂肪を落とした患者は、生存率が2倍にアップしたことがわかっています。以上の結果から、研究者は、人々には基礎的な食事療法と運動プログラムこそ重要であると主張しているのです!■喫煙よりも肥満を改善すべきニューヨークのマウントサイナイ病院のパメラ・グッドウィン博士も、喫煙よりも肥満ががんの原因となっていると主張しています。肥満は体内のホルモン量を変化させてしまい、結果としてがんになりやすい体になってしまうというのです。実際に肥満ががんの治療を妨害し、患者の回復を妨げているとグッドウィン博士は言います。次世代のがんの原因は、肥満ではなく喫煙であると確実に言えることでしょう。喫煙者がタバコをやめるのは重労働ですが、肥満にならないために食事の改善をするのは容易いことです。がんは恐ろしい病気。がんの発症率を確実に上げてしまう肥満体にならないように、今できる食生活の改善から始めましょう。甘いものを摂りすぎず、適度な食事量を守りましょう。適度に運動もできれば、より健康な生活を送れますね。(文/和洲太郎)【参考】※Obesity will cause more cancers than smoking in ten years-Daily Mail Online
2015年06月15日日本医科大学 衛生学・公衆衛生学の可知悠子助教らはこのほど、「親の経済格差が子どもの肥満に及ぼす影響」の調査結果を明らかにした。同研究結果は2015年5月23日に「Journal of Epidemiology」オンライン版で発表している。欧米では親の経済状況が悪いほど、その子どもが肥満になるリスクが高くなることが多数報告されている。現在、日本では同様の報告がなかったことから、全国の子どもを対象に親の経済状況によって肥満の割合が異なるかどうかを分析した。対象者は、厚生労働省が全国規模で無作為抽出により実施している「国民生活基礎調査」と「国民健康・栄養調査」に参加した学童期(6~11歳)と青年期(12~18歳)の各397名の子ども。月間の家計支出額の平均値を「低(学童期15.0万円、青年期16.5万円)」「中(学童期24.2万円、青年期27.6万円)」「高(学童期39.0万円、高45.2万円)」の3群に分けて分析した。その結果、学童期の49名(12.3%)、青年期の36名(9.1%)が肥満の基準(※)に当てはまることがわかった。また、青年期では、月間平均家計支出額が「低(16.5万)」の場合、「高(45.2万)」と比較して、肥満の割合が3.4倍高いことが明らかとなった。しかし学童期では、家計支出が「低(15.0万)」と、「高(39.0万)」との間に、肥満の割合に有意な差はみられなかったという。※世界的に用いられている International Obesity Task Force の基準による
2015年06月08日日本医科大学は6月4日、経済水準が下位3分の1の世帯は、青年期(12歳~18歳)の子供の肥満の割合が、上位世帯の3倍に達すると発表した。同成果は同大学 衛生学・公衆衛生学の可知悠子 助教らによるもので、5月23日に「Journal of Epidemiology」オンライン版で発表された。可知助教らは、「親の経済格差が子どもの肥満に及ぼす影響」に関して、全国から無作為に抽出した794名の6歳から18歳の子どもを対象に分析を行った。その結果、青年期では、世帯を月間の家計支出額に基づいて3つのグループに分けた場合、下位3分の1の世帯(平均家計支出額:16.5万円)では、上位の世帯(平均家計支出額:45.2万円)と比較して肥満の割合が3.4倍高いことが判明した。欧米では親の経済状況が悪いほど、子供が肥満になるリスクが高くなることが報告されているが、日本ではこれまで同様の報告はされていなかった。
2015年06月04日松谷化学工業はこのほど、名城大学薬学部らとの共同研究において、希少糖の一種「プシコース」に抗肥満作用があることを明らかにした。同研究は、名城大学薬学部、名古屋第一赤十字病院内分泌内科、自治医科大学生理学講座統合生理学部門、香川大学医学部と同社研究所の希少糖(レアシュガー)研究チームと共同で行った。高ショ糖・高脂肪食の負荷マウスを用いて、希少糖「D-プシコース」の抗肥満作用について検討した。希少糖とは、自然界に微量にしかない希少な単糖およびその誘導体のこと。今回の研究で用いた「D-プシコース」も希少糖の一種である。プシコースには、肝臓内で糖の代謝を高める酵素「肝グルコキナーゼ」の核外移行を促進し、グリコーゲン量の増加を起こす作用があることがわかっている。研究では雄性マウスに、高ショ糖・高脂肪食を投与した。マウスを2群に分け、一方には5% D-プシコース溶液を与え、対照群としてのもう一方には水を投与。8週間の研究期間中、5% D-プシコース溶液、水は自由飲水下で投与した。期間中は体重増加や飲水量、摂食量を記録。摂取期間終了時に、尾静脈血糖値およびインスリン濃度、内臓脂肪量を測定したところ、D-プシコース投与により体重増加が抑制されていたことが認められたという。また、D-プシコース投与群では、血糖値、インスリン濃度および内臓脂肪量の低下が確認できた。この結果、D-プシコースは肥満を助長することなく、耐糖能および内臓脂肪蓄積を改善する作用があることが明らかとなった。同研究の結果は、5月23日に山口県下関市で開催する「第2回肝臓と糖尿病・代謝研究会」のポスターセッションで発表する。
2015年05月21日京都大学は5月8日、食事性肥満の鍵となる分泌性因子を同定したと発表した。同成果は伊藤信行 薬学研究科教授(現名誉教授)、木村郁夫 同研究科客員准教授(現東京農工大学テニュアトラック准教授)、太田紘也 同研究科特定研究員(現神戸薬科大学研究員)らの研究グループと、中尾一和 医学研究科メディカルイノベーションセンター特任教授、伏木亨 農学研究科教授、小西守周 神戸薬科大学教授らの共同研究によるもので、英科学誌「Scientific Reports」電子版に掲載された。分泌性因子は細胞間や組織間の情報伝達に重要な物質で、生物の恒常性維持に不可欠とされる。白色脂肪組織由来の分泌性因子レプチンは肥満の発症に関わることが知られるなど、肥満の発症に関わる分泌性因子は、抗肥満薬開発の標的として注目されている。今回の研究では、新たに発見した分泌性因子の1つであるneudesinに着目し、その役割を調べるためにneudesin遺伝子を欠損させたマウス(ノックアウトマウス)を作成し、解析を行った。その結果、ノックアウトマウスは高脂肪食を与えても極めて太りにくく、肥満に伴って発生するインスリンが効きにくくなる状態や脂肪肝の発症にも耐性を示した。これは、交換神経が活性化したことで、エネルギーを貯める白色脂肪組織で脂肪分解が亢進し、エネルギーを消費する褐色脂肪組織でも熱産生や脂肪酸酸化が高まり、エネルギー消費が向上したためだとわかった。研究グループは「今回の成果を通じて、同因子を抗肥満薬創出の標的として利用する上での基盤となる知見が得られることが期待される」とした。
2015年05月11日「マイクロダイエット」を展開するサニーヘルスは、ダイエット情報発信サイト「microdiet.net」にて調査レポート「低体温は肥満の元! 現代人に多い低体温の改善方法」を公開した。現代は低体温の人が昔に比べて増えているという。1日の中で体温は1度ほど前後するが、日本人の平均体温は36.6度と言われており、この程度~37度が、体内酵素が最も活発に働くと考えられているという。一方、低体温とは平熱が35度台のことを指す。これには自覚症状がない人もいるが、風邪をひきやすい、手の指先や足のつま先が冷える、疲れやすい、生理痛が重いなど体に不調が出る人も多いそう。また、体温は体の免疫力に関わる重要な要素で、わずか1度下がるだけで免疫力は30~40%程度低下すると言われている。さらに低体温の悪影響は、太りやすい、むくみやすい、しみ・シワができやすい、くすみが気になるなど美容面での影響も大きいという。低体温の原因として、まず運動・筋力不足があげられる。運動で筋肉を動かすことで代謝が良くなり、熱が産生されやすくなるという。そして体の末端まで血液が循環するため、末端冷え性の人は日常的に体を動かすようにすると良いそう。運動は、大またで早歩きする、エレベーターやエスカレーターをなるべく使わず階段を上る、ストレッチをしながらテレビを見るなど、まずは生活の中でできることからで良いという。次に、栄養の偏りや食生活の乱れも原因に。食事量が少なかったり、不規則な生活で食生活が乱れたりすると、低体温の原因になるばかりか肥満の原因にも。食後に体が温まることは知られているが、これは食べた物を消化する際に熱が発生する「食事誘発性熱産生/DIT」という働きだそう。そして、体を温める作用のある食品や血行を良くする食品を選ぶことを心がけ、特に熱を産生する筋肉を作る元となるタンパク質(魚・肉・卵)や、血液を作る鉄(レバー、赤身肉、貝類、小松菜など)は、毎日適量をとると良いとのこと。また、体温調整には自律神経とホルモンが大きく関わっており、ストレスを抱えているとこのバランスが崩れるという。自律神経には、交感神経と副交感神経があり、前者は日中など活発に活動している時に優位になり、後者は夜やリラックスしている時に働く。強いストレスを受けるとこれらのバランスが崩れ、血流が悪くなったり体内酵素が活発に働かなくなったりし低体温化に。また、睡眠不足や不規則な生活も、自律神経のバランスを崩す原因になるという。最後に、体を冷やさないことも大切とのこと。シャワーだけで済ませずに、温かいお風呂にゆっくりつかり体を芯から温めると、リラックスして副交感神経が高まり体を温めるという。なお、体の内側からも温めることも効果的。食品自体にも体を温めるものと冷やすものがあり、体を冷やすものには、白砂糖、コーヒー、砂糖の入ったジュース、暑い地域が原産の果物や夏野菜などがある。体を温めるためには、白砂糖よりも黒糖やはちみつ、野菜や果物なら秋から冬が旬の物を積極的に取り入れてみると良いとのこと。
2014年12月10日microdiet.net調査レポート12月5日、サニーヘルス株式会社は同社のダイエット情報発信サイトmicrodiet.netにおいて「低体温は肥満の元!現代人に多い低体温の改善方法」を公開した。年末年始のイベントシーズンを迎える前に読んでおきたい調査レポートだ。低体温とは日本人の平均体温は36.6度。36度から37度程度の体温で体内の酵素が最も活発に働くといわれている。しかし、現代では低体温の人が増えてきているらしい。低体温とは平熱が35度台で、疲れやすい、手足が冷える、風邪をひきやすいなどの不調を感じることが多い。女性の敵、低体温低体温で不調を感じるだけならば、気合いで乗り越えることも可能かもしれない。しかし低体温が本当に怖いのは、肥満の原因になることだ。体内の酵素が最も活性化するのは36度から37度程度であるということは、その体温のときに基礎代謝も活発になるということだ。基礎代謝量が少ないと太りやすいということは既によく知られている。低体温の恐怖はそれだけではない。血行や水分代謝も悪くなるためむくみやすくなる。また、肌色がくすんだり、しみやシワができやすいなど美容面へ様々な悪影響を及ぼす。さあ、体温を上げよう体温を生み出す元は筋肉。しかし、現代人は運動量の低下に伴い筋肉量が低下してきている。筋肉は熱を生産するだけでなくポンプの役割もするので、筋肉を動かすことで血液を末端まで運び、むくみなどの老廃物をリンパ管まで運ぶ。特別な運動を始めるよりも、生活の中で実行できそうなことを続けたい。また、食生活も大切だ。実は食べることでも熱は産生される。食べたものが消化される際に熱エネルギーが発生するからだ。食べないでいることや食生活の偏りは低体温を招く原因になりかねない。バランスよく、体を温める作用のあるものを食べることが大切だ。(画像はプレスリリースより)
2014年12月09日ジョージア大学が発表2014年11月10日、ジョージア大学はコーヒーにたくさん含まれているクロロゲン酸が肥満による体の悪影響を予防すると発表した。研究成果はPharmaceutical Researchに2014年9月24日から公開されている。高脂肪食マウスに週2回15週間にわたってクロロゲン酸を注射したところ、体重増加が抑えられただけでなく、血糖値と肝臓の脂肪の増加が抑制された。肥満によって、インシュリンに対する抵抗性が増し、肝臓では脂肪が蓄積する。これを放置しておくと糖尿病や肝機能の低下につながる。今回の実験からコーヒーに含まれるクロロゲン酸が肥満だけでなく、糖尿病や肝臓病の予防につながる可能性が示唆された。クロロゲン酸はコーヒーの含有量が最も高いが、リンゴや西洋なし、トマト、ブルーベリーにも含まれている。しかし、研究者のコメントによれば、今回の実験で投与したクロロゲン酸の量は人がコーヒーから摂取するには不可能なような量であり、コーヒーをたくさん飲んだり、果実を食べたりするよりは運動の方が効果があるとしている。糖尿病とコーヒー日本人における疫学的研究で、コーヒーの摂取量が糖尿病の発現率を減らすことが明らかになっている。40~69歳の男女約5万6千人を10年間追跡した調査結果から、年齢、既知の糖尿病リスク因子およびストレスと睡眠時間のグループによる差が結果に影響しないよう考慮して分析した結果、1日にコーヒーを飲む回数が多いほど、糖尿病のリスクが下がることが判明。特に女性でその傾向が大きく、飲まない人のリスクを1とすると1日3~4杯飲む人のリスクは0.62、5杯以上飲む人のリスクは0.40となった。(画像はイメージです)【参考】・ジョージア大学プレスリリース
2014年11月20日世の中には、仕事と勉強は両立できても、肥満でメタボ予備軍になっている人が多いといわれています。そこで、ポイントになるのが、仕事も勉強もメタボ対策も3つ同時にできる人間になること。どうすればそれが可能になるのでしょうか?仕事と勉強を両立するのは得意だけど……勉強熱心なサラリーマンで、仕事も勉強もうまく両立できているという人は多くいます。しかし、そういう人に限って、なぜかお腹がでっぷりしていて肥満ぎみという傾向があるようです。働きながら勉強をすると、夜中遅くまで起きていることになりますし、それなりに食べてしまいます。しかも、寝不足になればますますお腹が空いてどんどん食べてしまうことに。こうした悪循環が肥満につながってしまっているようです。仕事と勉強を両立させるのであれば、もう一つ、メタボ予防やダイエットも一緒に同時進行させることが大事といえそうです。睡眠が肥満予防の鍵に!睡眠時間が短いと肥満になりやすいということは、すでに実証されています。遅くまで起きているとつい食べてしまうという行動は、睡眠不足によるものだということはあまり知られていませんでした。しかし、実験結果によれば、睡眠時間が短くなるにつれて、食欲抑制ホルモンであるレプチンの分泌が低下し、反対に、食欲増進ホルモンのグレリンの分泌が増えることが分かっています。このことから、昼間働いて夜けなげに勉強をして睡眠時間を減らすことは、一方で肥満を助長させる行動になってしまっていることが分かります。仕事、勉強、ダイエットの3本立てを!働きながらの勉強生活は、寝不足にもなるため、ますますストレスもたまるものです。それがかえって、人をストレス解消法として食事へと向かわせることもあるようです。実際、もはや取り返しがつかないくらいに肥満状態になっている方もいるかもしれません。そんなあなたにおすすめなのが、仕事をしながら勉強する毎日に、ダイエットをプラスした3つをきちんと行うこと。ダイエットは、睡眠をたっぷりととったり、スポーツクラブに通ったり、ヘルシーなものを食べたりなどなんでもOK。ただし、激しい運動を続けたり、極端な食事制限をしたりするのはNGです。無理せず持続的なダイエットを行うことですべてがうまくまわるといわれています。ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。Photo by David Martyn Hunt
2014年10月22日国立がん研究センター18万人以上のデータから推定2014年10月7日、国立がん研究センターは肥満と閉経状況別の乳がんの関連性について、日本人を対象とした大規模な前向きコホート研究をあわせたプール解析の結果を発表しました。この研究成果は「Annals of Oncology」に掲載されています。発表概要今回の研究の対象は今まで行われた日本の8つのコホート研究をあわせた18万人以上となっています。平均追跡期間は12年で、この間に乳がんを発病したのは1,783人でした。約100人に1人の割合で発病したことになります。BMI(肥満指数:体重(kg)を身長(m)の2乗で割ったもの)と閉経前乳がんと閉経後乳がんの発生について、BMIが23~25未満の乳がんリスクを1としたときの、各BMIの乳がんリスクを算出しています。(画像はプレスリリースより)閉経前、閉経後にかかわらずBMIが大きくなると乳がんリスクは高くなりました。閉経前乳がんでは、BMIが30以上でリスクは2.25倍になることが分かりました。閉経後乳がんでは、BMIが1上がることにリスクは5%上昇するという関連がありました。この解析ではBMIが途中で変動している可能性があることから、追跡開始から2年目までに発生した乳がんを除いた解析も行っていますが、結果に変動はありませんでした。欧米人との違い欧米人を対象とした同様の研究では閉経前乳がんの場合には、BMIが30を超えると乳がんのリスクが低下するとしたものが大部分です。これに関してはこの研究からは原因を見いだすことはできませんが、がん研究センターは日本人の場合には無排卵やエストロゲンレベルが低下するような極端な過体重が少ないからではないかと推測しています。また、欧米と日本では乳がんのタイプが違うの可能性があるとも推測しています。上記の推測に関しては、今後の研究を待たなければ結論的なものは言えません。痩せすぎはリスクを下げるのか閉経後乳がんでは痩せすぎの人では乳がんのリスクが減少しています。国立がん研究センターはこの件に関しては以下の用にコメントしています。痩せに至るような栄養不足は免疫力を弱めて感染症を引き起こしたり、血管壁がもろくなり脳出血を起こしやすくすることも知られています。国立がん研究センターが科学的根拠に基づいて提唱する「日本人のためのがん予防法」では、総合的な健康にも配慮し、中高年女性のBMIの目標値としては21以上25未満を推奨しています。(プレスリリースより)【参考】・国立がん研究センタープレスリリース
2014年10月13日(画像はイメージです)抗肥満薬の新しい試み2014年10月5日、Hanyang(漢陽:ハニャン)大学(韓国)とユタ大学(米国)の研究者は、脂肪細胞をターゲットとした遺伝子治療に関して肥満マウスモデルで効果があったことを明らかにしました。この研究成果は10月5日からNature Materialにオンライン版で公開されています。抗肥満薬の現状現在市販されている抗肥満薬は消化管あるいは中枢神経に作用するもので、効果は限定なのに強い副作用が出ることがあります。脂肪を過剰にため込んでいる脂肪細胞に直接働きかける薬剤は確実な効果が得られ、副作用も少なくなることが予想できます。今回の研究脂肪細胞の表明にはプロヒビンという受容体があります。この受容体に結合したものは細胞内に取り込まれます。今回の研究では脂肪細胞の核内に作用して、脂肪の燃焼を促進するオリゴペプチド(アミノ酸が複数結合したもの)と、プロヒビンを標的にして運び屋として働くオリゴペプチドを結合したものです。肥満マウスに投与すると代謝が回復して、体重が20%以上減少しました。この薬剤は肥満だけでなく、肥満が関連するメタボリックシンドロームに対しても効果が期待できます。その他の細胞内の脂肪を燃やす試みラトガース大学(米国)の研究によると、抗寄生虫用薬のニコサマイドが細胞内のミトコンドリアに作用して細胞内の脂肪を燃焼する効果がありました。ニコサマイドの誘導体が近々米国で臨床試験が始まるという情報もあります。この研究成果はNature Medicine誌に10月5日からオンライン版で公開されています。【参考】・Oligopeptide complex for targeted non-viral gene delivery to adipocytesNature Materials (2014) doi:10.1038/nmat4092・Niclosamide ethanolamine–induced mild mitochondrial uncoupling improves diabetic symptoms in miceNature Medicine (2014) doi:10.1038/nm.3699
2014年10月10日国立がん研究センターは10月7日、日本人を対象とした研究で、肥満と閉経状況別の乳がんの関連性について確認したと発表した。同成果はがん予防・検診研究センターの笹月静 予防研究部長らの研究グループによるもので、欧州のがん専門誌「Annals of Oncology」にて発表された。今回の研究では18万人以上のデータを解析し、肥満指数(BMI)と乳がんとの関連を閉経状況別に推定した。平均約12年の追跡期間中に乳がんになった1783人について、診断時の状況に応じて閉経前乳がんと閉経後乳がんに分類し、BMIによる乳がんリスクを比較した。その結果、閉経前後ともにBMIが大きくなると乳がんリスクが高くなり、閉経前ではBMI最大群(30以上)でのリスクは基準値に(23以上25未満)の2.25倍だった。一方、BMIが低いほど閉経後ではリスクも低く、閉経前では基準グループと同程度のリスクだった。BMIと乳がんリスクの関連性については、これまで主に欧米の研究成果から、閉経後の乳がんではBMIが大きなリスクとなることが示されており、逆に閉経前の乳がんでは予防的であるという弱い関連が報告されている。しかし、アジア人においてBMIと乳がんの関連がどのようになっているのか、特に閉経前の乳がんとの関連性は明らかにされていなかった。今回の結果によって、乳がん予防の観点からはやせているほうがリスクが低いことが示されたが、やせすぎると免疫力が弱まり、感染症を引き起こすほか、血管壁がもろくなり脳出を起こしやすくなる。そのため、同研究センターではBMIの目標値として21以上25未満を推奨している。
2014年10月07日(画像はイメージです)リンゴの効果2014年9月29日、ワシントン州立大学の研究者はリンゴに含まれる非消化性化合物が肥満に伴う障害の予防に有益であると発表しました。この研究内容は、Food Chemistry誌の10月号に掲載されています。この研究は、リンゴの非消化性化合物が肥満のマウスの腸内細菌叢が通常マウスの腸内細菌叢に改善することを示しました。研究内容リンゴは食物繊維やポリフェノールといった非消化性化合物を豊富に含んでおり、カロリーも少ないことから、腸内での善玉菌の成長を助けます。口での咀嚼、胃液や消化酵素によっても、非消化性化合物はそのままの形で腸に届きます。いったん腸に届くと、非消化性化合物は腸内の細菌によって発酵します。その発酵物は善玉菌の成長に有利に働きます。肥満マウスに非消化性物質を与えると、糞中の細菌は痩せたマウスと同じようになりました。研究の意義肥満の人々では腸内細菌叢のバランスは乱れています。そのため、軽度ですが、慢性の炎症と行った障害が肥満の人々に起こっています。これは将来の糖尿病になる危険性をあげてしまいます。リンゴを摂取することにより、腸内で善玉菌が増え、腸内細菌叢のバランスが良くなることが分かりました。このことは、肥満の予防に繋がることを示唆しています。つまり、普段の食事にリンゴを追加するということです。決してリンゴだけを食べていればいいというものではありません。今回の研究ではGranny Smithというリンゴの品種が使われました。事前に検討した結果、Granny SmithはBraeburn、 ふじ、Gala、Golden Delicious、McIntosh あるいは Red Deliciousといった品種よりも非消化性化合物が豊富に含まれていたからです。【参考】・ワシントン州立大学プレスリリース
2014年10月03日(画像はプレスリリースより)岡山大学が縦断的研究で明らかに2014年9月25日、岡山大学の研究グループは、早食いの習慣と肥満の関係について3年間の縦断研究で明らかにしました。早食いの習慣があるとない人に比べて肥満になる可能性が4.4倍になることが分かりました。「油っこいものを好んで食べること」や「満腹まで食べること」よりも、「早食い」が肥満のリスクをあげることも判明しています。今まで、肥満と肥満でない人を比べて早食いの習慣があるかの聞き取り調査をして、早食いと肥満の関係を比べた研究はたくさんありました(このような調査を横断研究と呼びます)。今回の研究は、早食いの習慣がある人とない人を3年間追跡することにより、肥満になるかどうかを検討したものです(このような調査を縦断研究と呼びます)。横断研究は「早食い」が肥満の原因になる可能性を示すものですが、縦断研究は「早食い」の人が肥満になる可能性を実際に確かめたものです。横断研究ではその他の習慣と「早食い」の肥満になる可能性の高さ(リスク比)を比較することができます。咀嚼法咀嚼法は肥満治療における行動療法の一つです。ものを食べるときには20~30回以上噛んでから飲み込むことです。咀嚼法は、だ液による消化を促進する、食べ過ぎを防ぐなどから肥満の行動療法として有用です。今回の研究から咀嚼法を習慣とすることで肥満を防ぐことが明らかになりました。【参考】・岡山大学プレスリリース
2014年09月30日岡山大学は9月25日、早食いの習慣を持つ大学生が肥満になりやすいことを縦断研究において突き止めたと発表した。同成果は、同大大学院医歯薬学総合研究科予防歯科学分野の森田学教授、山根真由医員らの研究グループと同大保健管理センターの岩﨑良章准教授の共同研究グループによるもの。詳細は米国科学雑誌「Obesity」(電子版)に掲載された。日本では男性の場合、20代、30代、40代と年齢を重ねるにつれて肥満の割合が高くなるほか、女性の場合も、20代以降、年齢とともに肥満の割合が高くなっているという調査がある。また、早食いを自覚する人は、そうでない人よりも一口当たりの量が多く、かむ回数が少ない傾向があることが知られている。今回の研究は食事のスピードと肥満の関連性について大学生を対象に3年間の追跡調査を行う形で調査され、その結果、早食いの習慣を持つ大学生が肥満になりやすいことが判明したという。具体的には、早食いの人は早食いではない人に比べて4.4倍ほど肥満になりやすく、中でも男性は女性に比べても2.8倍肥満になりやすいことが判明したとのことで、この関係はほかの生活習慣(油っこいものを好んで食べたり、満腹まで食べたりするなど)に比べても強いもので、「肥満の前段階」になるリスクも高めることも分かったとする。なお、肥満治療ガイドラインでは、「咀嚼法」が肥満治療における行動療法の1つとして明記されているほか、1回20~30回以上かむことも推奨されていることから、研究グループでは、今回、若年者においても早食いと肥満の関係が明らかになったことから、早期に早食いを是正することで、将来の肥満やメタボリックシンドロームの予防につながることが期待できるようになると説明している。
2014年09月26日(画像はイメージです「病草子肥満の女」)隠れ肥満隠れ肥満とは、見かけ上、太っていないあるいは体格指数(BMI)が肥満と分類される値(BMI=25)以下であるのに体脂肪率が高い状態を指します。これは間違ったダイエットなどにより筋肉が落ち、内臓に脂肪が蓄積した場合に起こります。内臓に脂肪が蓄積している肥満は「内臓脂肪型肥満」と呼びます。内臓脂肪型肥満は皮下脂肪による肥満よりも将来の血管性疾患のリスクが高くなるという報告がたくさんあります。内臓脂肪は正しいダイエットを行うと比較的簡単に落ちることが分かっています。しかし、隠れ肥満であることに気づかないと内臓脂肪を放置しがちになります。このような状態で高脂肪の状態を続くと脂肪組織は王冠様構造(CLS)を取りはじめます。CLSが発生しているということは、脂肪組織が脂肪を蓄えきれない状態になっています。そのため本来は脂肪をためない臓器にも脂肪が蓄積します。(画像はプレスリリースより)CLSの形成に係わる分子に関する新しい知見2014年9月19日東京医科歯科大学は九州大学との共同研究でMincleがCLS中に高発現しており、CLS形成に大きな役割を果たしていることを明らかにしたことを発表しました。この研究成果はNature Communicationでオンライン公開しています。この研究ではMincleを活性化する結核菌由来糖脂質を投与しただけでラットにおいてCLSが形成し、耐糖能も低下することを示しています。今後、人でMincle活性化分子を発見できれば内臓脂肪型肥満発生に関する分子的機構が分かる可能性があり、メタボリックシンドロームの治療戦略の開発に繋がるとしています。また、欧米人に比べて、日本人は肝臓の脂肪蓄積をきたしやすいことが知られています。Mincleに関する研究が進めば、この違いに関しても説明が可能になるかもしれないとのことです。【参考】・東京医科歯科大学プレスリリース
2014年09月26日社会人を対象にした調査で、一日の睡眠時間が4時間未満の人は肥満を自覚する傾向にあるという結果が出たそうです。そこで今回は、4時間睡眠に絞って肥満と睡眠時間の関係についてご紹介します。4時間睡眠に関する意外な調査結果?!アイシン精機株式会社という寝具ブランドを扱っている会社が、全国1,206名の社会人に「睡眠」に関する実態調査をしました。その結果、睡眠4時間未満の人は、4時間以上の人より2.8倍も肥満の傾向にあることがわかりました。平日は特に時間がとれず、寝ていたい時間まで寝ていられないという人が多いようで、睡眠時間が短い人ほど肥満について悩んでいる傾向があることがわかりました。現代人の多くは、単純に「睡眠不足」の一言で片付けられないような悩みを抱えていることがわかります。4時間睡眠だと肥満になる理由睡眠時間が短い人が肥満を自覚する傾向にあるという結果については、しっかりとした理由があります。睡眠時間が短いと、食欲を抑える役割を果たすホルモンのレプチンが出にくくなってしまいます。すると、肥満だけでなく、糖尿病や高血圧にもなりやすくなります。さらに、睡眠不足がきっかけで肥満になり、肥満になったことで糖尿病や睡眠時無呼吸症候群になり、さらに睡眠障害を引き起こすという悪循環に陥ってしまうケースもあるようです。そのため、睡眠の質を向上させ、睡眠をしっかりと取ることが大切になります。起きたい時間よりも早く目が覚めてしまう起きようとする時間に起きられるかどうかという調査結果でわかったことは、約8割の人が起きたい時刻よりも前に目が覚めてしまうことがあるということです。寝ていられる時間よりも前に、または途中で起きてしまうとのことです。さらに42.5%の人は、1時間以上も前に目が覚めてしまうといいます。ストレスや日常の焦りなどもあり、十分な睡眠が取れない環境を自ら作り出してしまっているともいえます。睡眠を取る前にしっかりと気分をほぐしリラックスさせ、平日から十分な睡眠が取れるように心がけましょう。【参考】朝日新聞『全国1,206名の社会人に聞いた「睡眠」に関する実態調査』Photo by Charlie Barker
2014年09月24日(画像はプレスリリースより)体の恒常性を司る脳-肥満とやせの不思議を探る2014年9月8日、自然科学研究機構は2014年10月4日(土)に一般公開を開催することを明らかにした。その一環で、生理学研究所の箕越 靖彦教授が「体の恒常性を司る脳-肥満とやせの不思議を探る」と題して講演を行う。場所は岡崎コンファレンスセンター、時間は午前10時~10時45分。入場は無料、予約は不要。講演概要現代では世界中で肥満が問題となっている。肥満は、暴飲暴食を行うことによりその分だけ太るという訳ではない。逆に食事がとれない場合も、痩せすぎないように体が調節しているのだ。この体の調整は脳が重要な役割を果たしていることが明確になってきており、生活習慣によって脳に変化が起こり、肥満することも分かってきている。箕越教授の講演「肥満とやせにかかわる体の不思議」では、このような脳と体の関係を分かりやすく話す。箕越 靖彦教授の研究箕越 靖彦教授は「脳におけるエネルギー感受機構と食餌嗜好性調節機構の解明」と「視床下部腹内側核を介した摂食調節ホルモンの摂食・代謝調節作用とその統合機構」と題した科学研究費助成事業の研究代表者である。両研究とも2015年3月31日まで継続する予定。この事業は順調に進行しており、すでに視床下部は、摂食と末梢組織の代謝を統合的に調節することを発見し、論文投稿を行っている。また、マウス室傍核神経細胞に活性型AMPKを発現させると炭水化物食への嗜好性が亢進して過食となり、肥満することを見出し、論文投稿を行っている。【参考】・自然科学研究機構 生理学研究所プレスリリース
2014年09月12日何を食べてもおいしい季節。でも、同じように食べても太りやすい人と太りにくい人がいるのはなぜなんでしょう?腸内に住んでいる細菌の種類によって、肥満になる確率が変わる、そんな驚きの研究結果があるそうです。どういうことなのか、平田雅子先生に詳しく伺ってみました。人間の胃腸管内には、その内壁を覆うように無数の細菌がすみついていて、これが「腸内細菌」といわれているものです。腸内細菌は、食物の消化吸収や免疫機能の強化・ビタミンの生成・中性脂肪・コレステロール・血糖の代謝促進など、さまざまな働きをしています。人間やマウスに住む腸内細菌は1,000以上の種類があり、「B類」か「F類」のどちらかのグループに属しています。そこで、太ったマウスとやせたマウスの腸内細菌B類とF類の割合を比べた結果、太ったマウスはB類細菌が50%以下と、非常に少ないことが分かったのです。この現象は人の場合も同様で、太った人ほどB類が少なかったとのこと。さらに研究者が、太ったマウスにカロリー制限を行い体重を減少させたところ、B類が増えると同時にF類が減ったそうです。また、細菌が全くない状態で飼育したマウスに、太ったマウスの腸内細菌を与えた場合と、やせたマウスの腸内細菌を与えた場合でそれぞれ飼育し、体重の変化を調べました。すると、太ったマウスの腸内細菌を与えたマウスの方が、体重が増加するという結果が出たそうです。これらの結果から、B類細菌が減ってF類細菌が腸内に増えると、食事からのカロリー回収率が高まり、肥満になりやすくなるのではないかと考えられています。現在の研究段階では、残念ですが肥満を解消する以外に、B類細菌を増やす方法は明らかにされていません。でも、栄養バランスの良い食生活を送り腸内環境を整えることは、ダイエット以外にも美容や健康の維持にも必要なこと。特に、食物繊維、オリゴ糖、酵素を含む食品は腸内環境を整えるためにオススメの食材です。普段の食生活に上手に取り入れてみてください。【関連リンク】人には言えない女子の悩み相談【ビューティ&ダイエット】ピルを飲んでカンジダになる?マリー先生の相談室【コラム】専門医の教え。重要なのは「順番」食べ順変えるだけダイエット!
2011年11月02日