国立がん研究センターは4月2日、乳がんの脳転移にがん細胞から分泌される微小な小胞エクソームが関わっていると発表した。同成果は分子細胞治療研究分野の富永直臣 研修生、落合孝広 分野長の研究グループによるもので、4月1日付けの米科学誌「Nature Communications」電子版に掲載された。乳がんは比較的予後の良いがんとして知られる一方、治療後、長期間を経て脳転移が認められることがある。脳への転移は予後に大きな影響を及ぼしQOLを著しく低下させるが、そのメカニズムについてはわかっていなかった。同研究では、がん細胞が分泌する直径約100nmの顆粒(エクソーム)が、脳血管で物質透過を制限しているBBBという生体バリア構造を破壊していることを突き止めた。エクソームに含まれるmiR-181cというマイクロRNAがBBBの構造を変化させた結果、バリア機能が失われ、がん細胞が容易にBBBを通過し、脳転移を引き起こしていると考えられるという。がんの脳転移メカニズムを明らかにした今回の成果は今後、早期発見および新規治療法の開発への応用が期待される。
2015年04月02日国立がん研究センターはこのほど、日本のがん罹患(りかん)数・率の最新推計値を公表した。同推計値は、国立がん研究センター がん対策情報センターが2011年にがんに罹患(りかん)した全国推計値を算出したもの。集計元のデータは、地域のがん対策に役立てるため、都道府県が1975年より登録している「地域がん登録」のデータで、2011年分においては40県(2010年は30県)が登録を行ったという。この登録数の増加と登録精度の向上により、従来の罹患数・率だけではなく、各都道府県における主要部位の標準化罹患比(※)および標準化死亡比(※)を算出し、それを地図上に示す試みを今回初めて実践したという。※年齢構成の異なる集団間の罹患数・死亡数の比較に用いられる方法で、標準とする人口集団と同じがん罹患率であるとしたら、その集団で何人のがん患者が発生するかを予測し(期待値)、実際の罹患数(死亡数)をその期待値で割ったものが、標準化罹患(死亡)比となる。集計結果による2011年の全国のがん罹患数は下記の通り。■男性49万6,304人■女性35万5,233人■合計85万1,537人同センターによると、2010年の推計と比較した各部位の罹患数は、男性のみ変化があったという。2010年時に4位だった「前立腺」が今回は2位となっている一方、女性は順位変動がなかった。各部位の標準化罹患比は下記の通り。厚生労働省の「平成23年人口動態統計月報年計」において、男性の「死亡数・死亡率」(人口10万対)が最も高かった「肺がん」。今回の集計では、男性では北海道と青森県、また近畿圏で、標準化罹患比と標準化死亡比ともに高く共通した分布が見られた。 女性では男性ほどの偏りは見られなかったが、北海道および近畿以西で罹患、死亡ともに多い点は共通していた。男女共に一定規模で死亡数が多い「胃がん」に関しては、標準化罹患比は、男女共に日本海側の県に集中している傾向が見られた。 標準化死亡比よりも、標準化罹患比においてその傾向が強く出ていた。女性に多い乳房および子宮がんのデータも公表された。女性の乳房に関しては、はっきりとした地域の偏りは見られなかった。罹患数が増えているという前立腺も、地域による偏りは確認されなかった。同センターは今回の発表について、「罹患比と死亡比との差異や、地域差を観察することで予防、早期発見、治療を含む都道府県がん対策に役立てられます」としている。なお、詳細は同センターでも公開している。
2015年03月27日機能性食品「AHCC」の研究・製品化などを行っているアミノアップ化学は17日、女性特有の病気である「子宮頸がん」の基礎知識をはじめ、子宮頸がんの予防効果が期待できるAHCCの最新研究結果や予防方法のアプローチなどをまとめたニュースレター「AHCC通信 Vol.3」を発行した。子宮頸がんは、毎年約3,000人以上が亡くなっているといわれる深刻な病気。とりわけ、がんの中でも330代までの若い患者が多く、重症になると子宮摘出など大がかりな手術が必要となり、妊娠をすることができなくなったり、手術後の障害も多いといわれている。また、がんになっても進行するまで無症状であることが多く、予防・早期発見には若いうちから定期的に子宮がん検診を受けることが大事とのこと。子宮頸がん患者の99%は、HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染していることから、HPVが原因ウイルスであると考えられている。HPVは女性の約80%が知らない間に感染しているといわれ、20~40代の若い年齢での感染者数が増加しているとも言われている。こうした子宮頸がんに対して、予防効果が期待されているのが「AHCC」だ。AHCC(Active Hexose Correlated Compound : 活性化糖類関連化合物)は、シイタケ属に属する担子菌の菌糸体培養液から抽出されたα-グルカンに富んだ植物性多糖体の混合物。健康食品・サプリメントとして、日本のみならず、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、オセアニアなど広範囲で販売されており、現在では統合医療の一手段としても取り入れられている。2014年10月29日に米国・ヒューストンで行われた「第11回アメリカ癌統合医療学会(SIO2014)」においては、「ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染した女性にAHCCを投与するとウイルスが死滅する」という研究結果も発表され注目を集めている。HPVを除去する医薬品は未だ開発されていないため、この研究では更に大規模な試験を計画しており、AHCCの作用とHPV死滅の因果関係解明が期待されている。なお、3月28日に神戸学院大学にて「ハイリスクHPV感染に対するAHCCによる治療の可能性」に関するセミナーが行われるほか、大阪大学にて「サプリメントの臨床応用への薬剤師の役割」に関する講演が29日に実施される予定となっている。
2015年03月23日リプロセルは3月9日、国立がん研究センター(国がん)とヒト正常上皮細胞とがん細胞の培養試薬に関する共同研究契約を締結したと発表した。同研究では、これまで樹立や培養が困難だった各種がん細胞および正常上皮細胞を安定的かつ高効率に培養することが期待される。同社は「上皮細胞向けの培養試薬は身体のさまざまな部位に存在する、あらゆる上皮細胞を対象としております。また、がん細胞向けの試薬も、がん研究の障害であった培養の困難を克服する画期的なものであります」とコメント。次世代シーケンサーを用いた臨床検査事業におけるがん診断サービスへの取り組みに着手しているとした。
2015年03月11日国立がん研究センターは3月10日、次世代シーケンサーによるマルチプレックス診断パネルを取り入れた産学連携がんゲノムスクリーニング「SCRUM-Japan」を立ち上げたと発表した。同事業は、これまで実施してきた肺がんが対象の「LC-SCRUM-Japan(2013年開始)」および大腸がんが対象の「GI-SCREEN-Japan(2014年開始)」という2つの全国規模のゲノムスクリーニングネットワークを統合したもの。実施期間は2015年2月~2017年3月31日を予定しており、4500例の登録を目指す。現時点ではアステラス、協和発酵キリン、アストラゼネカなど計10社が契約を締結済みで、今後数社増える予定だという。また、医療機関側は全国で計200施設が参加する。患者の検体からがんのドライバ遺伝子を特定し治療薬を分子レベルから検索するクリニカルシーケンシングでは、各遺伝子ごとに有効な治療薬を検索すると時間がかかる。同プロジェクトでは、米サーモフィッシャーサイエンティフィックが開発した「Oncomine Cancer Research Panel(OCP)」というマルチプレックス診断パネルを採用。OCPは140種以上の遺伝子を同時に解析できるほか、微量検体から解析することができるというメリットがある。「SCRUM-Japan」では、全国の医療機関で収集した検体を遺伝子解析し、治療の標的となる特定の遺伝子に異常を持つがん患者を発見する。異常が発見された患者は対応する治療薬への臨床試験へ参加できる可能性もあり、新たな治療機会を得ることができる。収集された患者の遺伝子情報と診療情報は、治療選択の参考として用いられるほか、匿名化された上でデータベース化され、今後のがん研究に活用されることになる。今後、「SCRUM-Japan」を通じてマルチプレックス診断薬の臨床応用の実現や、有用な治療手段のない希少な遺伝子異常を持つ患者に新たな治療選択が提供可能となることが期待される。
2015年03月11日結婚、出産の高齢化が進み、不妊治療を望むカップルが増えています。そこでネックになるのが、高額な治療費。子どもを授かるまで治療を続けたくても、治療費が捻出できず諦めるケースも多いようです。ですが、一定の要件に当てはまれば、「特定不妊治療」という国の助成制度を利用することができます。○平成26年度に変更になった「特定不妊治療」不妊治療には、いくつかのステージがあります。まずは排卵日を予測して自然妊娠を目指す「タイミング法」。次にチューブで精子を子宮に送る「人工授精」となり、最後のステップとして、体外で受精させた受精卵を子宮へ戻す「体外受精」「顕微授精」があります。タイミング法は数千円、人工授精で1万円~2万円程度ですが、体外受精になると、1回30万円~50万円程度の負担になり、資金面で治療の継続が難しくなってきます。治療の負担を軽くするために使えるのが、体外受精と顕微授精を対象にした「特定不妊治療」という国の助成制度ですが、助成を受けるにはいくつかの条件があります。対象者は、特定不妊治療以外の方法で妊娠の見込みが無い、または極めて少ないという医師の診断を受けた夫婦で、戸籍上の夫婦に限られます。また、夫婦合算の所得が730万円以内という所得制限が設けられています。助成制度を実施するのは、各都道府県、指定都市、中核市なので、利用の際は、住所地の自治体に申請をします。また、特定不妊治療ができるのは、各自治体が指定した指定医療機関に限られるので、事前に確認をしておきましょう。この特定不妊治療、平成26年度から制度が変更され、少々ややこしくなっているので注意が必要です。従来は年齢に関係なく、初年度3回、通算5年度で最大10回まで助成が受けられましたが、平成26年度以降、39歳までの女性は通算最大6回までと回数が減りました。40歳以上の女性は、平成27年度までに申請すれば、従来通り通算10回の助成が受けられるのですが、平成28年度以降の申請では、40歳~42歳が通算3回まで、43歳以上になると、制度の対象外となります。年齢が上がると体外受精や顕微授精の成功率が下がり、妊娠、出産のリスクが高まることから、このような見直しがなされたようです。助成額は、A~Fまでの治療ステージによって変わり、治療1回につき最大7万5,000円~25万円です。特定不妊治療は国の制度のため、どの都道府県でも同様の助成となりますが、自治体ごとに、独自の不妊治療支援を実施している場合もあります。例えば、東京都港区では年30万円・通算5年間の助成制度があります。独自の助成制度の有無で、東京都港区の場合では費用負担が150万円も変わってきます。不妊治療に本格的に取り組みたいという夫婦は、各自治体の助成制度について、調べてみるとよいでしょう。※画像は本文と関係ありません。○著者プロフィール武田明日香エフピーウーマン所属ファイナンシャル・プランナー南山大学経済学部卒業後、大手印刷会社に入社。2010年に、法人営業の仕事をしながら自己啓発のためにファイナンシャルプランナーの資格を取得。「女性がライフステージで選択を迫られたときに、諦めではなく自ら選択できるための支援がしたい」という想いから、2013年にファイナンシャルプランナーに転身。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく!トラベル!」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「webR25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)
2015年03月10日岡山大学(岡山大)は2月2日、患者の体に対しより少ない負担で、消化器がんのリンパ節転移を完全に消去する治療法を開発したと発表した。同成果は同大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学分野の藤原俊義 教授、岸本浩行 助教、菊池寛次 医師らの研究グループによるもので、1月20日に米科学誌「Molecular Therapy」(Nature Publishing Group)電子版で公開された。胃がんや大腸がんなどの消化器がんは、早期で粘膜内に留まっていれば開腹することなく内視鏡切除によって根治が望めるが、粘膜下層まで浸潤していると10-20%の確率でリンパ節転移が認められることがあるため、その診断・治療のために臓器とリンパ節を切除することが勧められる。しかし、約80%の患者はリンパ節転移が見られず、結果的に手術の必要がなかったことになる。同研究グループは、抗がんウイルス製剤「テロメライシン」をがんの下の粘膜下層に注入することで、リンパ節の微小転移を消去できることをマウスに移植した大腸がんのモデルで証明することに成功した。実験で投与された「テロメライシン」はリンパ流に乗ってリンパ節に到達し、がん細胞を選択的に殺傷したという。「テロメライシン」は岡山大が開発したウイルス製剤で、ヒトのがん細胞に感染すると1日で10万~100万倍に増え、がん細胞を破壊する。その一方、正常組織細胞にも同様に感染するが、増殖はしないため、正常組織での損傷は少ないと考えられている。米国ではすでにがん患者に対する臨床試験が実施されており、重篤な副作用は認められておらず、投与部位での腫瘍縮小効果などの有用性が確認されている。また、岡山大では食道がんに対して放射線治療と併用する臨床研究が進められている。同剤は内視鏡でがんを切除する際に、がんを持ち上げるために粘膜下層に注入する薬剤としても利用できるため、内視鏡切除の際に同時に使用することで、万が一リンパ節転移があっても、患者の胃や大腸を温存し、QOL(生活の質)を高く保つことができると期待される。
2015年02月02日国立がん研究センターは1月29日、国際共同ゲノムプロジェクト「国際がんゲノムコンソーシアム(IGC)」において、胃がん、胆道がんのプロジェクトを新たに立ち上げると発表した。IGCは、世界各国を通じて臨床的に重要ながんを選定し、国際的な協力のもと少なくとも各500例の高解像度のゲノム解析を行い、がんのゲノム異常の包括的カタログを作成、網羅的がんゲノム情報を研究者間で共有・無償公開することでがんの研究および治療を推進することを目的としている。現在、アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、南北アメリカの17カ国が参画し、73種のがんについてプロジェクトが進められており、日本では国立がん研究センター、理化学研究所、東京大学が共同で、肝細胞がんを対象とした研究が行われている。新たにスタートする胃がんは、日本において罹患数が最も多いがん腫で、大規模なゲノム解析を行うことで、分子治療・診断開発を目指した日本人特有のゲノム異常の同定することなどを目標とする。胆道がんは東アジアで特に頻度が高いことが知られており、国立がん研究センターでは2013年11月には新規FGFR2融合遺伝子を標的とする臨床試験が計画されるなど成果を挙げている。今回さらに徹底的な解析を行うことでさらなる治療標的の同定とその臨床開発を進めていくほか、同じく胆道がんプロジェクトが始まったシンガポールとも協力して発がん要因の解明を目指すとしている。
2015年01月29日国立がん研究センターは1月20日、肺がんの悪性化に関る新たな分子メカニズムを解明したと発表した。同成果は、同センター難治進行がん研究分野の江成政人 ユニット長らの研究グループによるもので、米国科学アカデミー紀要に掲載された。同研究では新たに、肺がん細胞から分泌される因子によってがん周辺間質の主要な細胞である線維芽細胞のがん抑制因子p53の発現が抑制されることを発見。p53の発現が低下した線維芽細胞では、TSPAN12というタンパク質が増加し、線維芽細胞とがん細胞との細胞間接触依存的に肺がん細胞の浸潤能および増殖能を促進していることが判明した。さらに、TSPAN12は分泌性因子であるCXCL6の発現を誘導し、これら線維芽細胞由来の分泌性因子も肺がん進展に協調的に働くことも明らかとなった。今後、TSPAN12およびCXCL6はがん周辺の間質の有用な治療標的となり得ると考えられ、これらのタンパク質に対する抗体、ペプチド、低分子化合物などが、既存の抗がん剤との併用で治療効果をもたらすことが期待される。
2015年01月20日今や国民病といえるがんの診断と治療技術は、日進月歩で進歩しています。最近のがん治療は通院(外来)で行われることが増えてきました。そのため、入院治療主体の従来型のがん保険では、治療実態と乖離(かいり)し、十分な保障が得られない可能性があります。そこで、最近のがん治療や最新のがん保険について考えてみました。国民の約2人に1人はがんにかかる!?がんは国民病といっていいほど、身近な病気になりました。一生涯のうちにがんと診断される人の割合は、男性58.0%、女性43.1%。約2人に1人ががんにかかるのです。そして、がんは昭和56年(1981年)から日本人の死因第1位を占めています。平成25年のがんによる死亡者数は36万5,000人で、全死亡者のうち28.6%でした。がんは30年以上にわたって死因の第1位を占めていますが、医療技術の進歩によって徐々に治る病気になりつつあります。ただ、治療は長期にわたることもあり、公的医療保険が適用される治療だけを受けても、毎月の医療費負担は家計の重荷になります。もし、高額な先進医療の技術を受けることになると、経済的なダメージはさらに大きくなります。また、がんにかかると、通院のために職場の配置転換や離職を余儀なくされることもあり、収入減や収入途絶が追い打ちをかけます。こういった経済的ダメージへの備えとしてがん保険があるわけですが、最近、保障内容に変革が起きています。それは、治療方法が変わってきたからです。では、最近のがん治療はどう変わったのでしょうか。がん治療は「集学的治療」が主流以前のがん治療は、「入院して手術」が主流でした。現在でも、手術はがん治療の有効な治療法ですが、最近はこれに、放射線治療や抗がん剤治療を効果的に組み合わせる治療法が主流となっています。これを「集学的治療」といいます。放射線治療や抗がん剤治療は通院だけで行われることもあり、手術も技術の進歩で日帰りや短期間の入院ですむケースがあります。こういった治療法の進歩で、がん治療は入院から通院にシフトしているのです。下表は、がんの受療率の年次推移ですが、平成17年を境に、通院治療の方が増えています。ところが、入院・手術を前提とした従来型のがん保険では、通院だけの治療では受け取れる給付金はがん診断給付金くらいで、通院については十分な保障が得られるとは言い難いのです。そこで、最近のがん治療に合わせた保障内容を盛り込んだ新しいがん保険が登場してきています。このタイプをここでは新型がん保険と呼ぶことにします。大きく、「通院重視型」と「一時金重視型」に分かれる新型がん保険の傾向をみてみると、通院だけでも給付金が支払われる「通院重視型」と、診断給付金・治療給付金などまとまったお金の給付を重視した「一時金重視型」に大別されます。通院重視型は、文字通り、手術・放射線治療・抗がん剤治療などの治療を受けるために通院すれば、日数分の給付金が支払われます。入院の有無にかかわらず、がんの治療のために通院すれば給付されるのが通院重視型の新型がん保険の特長です(経口投与による治療は対象外になる等、保障内容は保険商品により異なります)。もちろん、入院治療でも給付金は支払われます。一時金重視型は、診断給付金や治療給付金としてまとまったお金を受け取って、自由に治療費、あるいは生活費の補填等にあてられるタイプの保険です。どちらのタイプがいいかは、その人の考え方によります。入院・通院のどちらの治療を受けても日数分の給付金を受け取りたい人は通院重視型、まとまったお金をもらって治療費などにかかる費用を賄う方がいいと考える人は一時金重視型がいいでしょう。新型がん保険を検討する際は、がん診断給付金の内容もチェックしてください。診断給付金はがんと診断されると支払われるがん保険がほとんどで、入院を伴わなくても受け取れます。ただ、最初のがん診断時に1回のみしか受け取れないがん保険と、複数回(2年に1回が限度の商品が多い)受け取れるがん保険があります。がんは再発や転移が心配な病気なので、複数回の方が安心でしょう。ただ、保障が手厚い分、保険料は高くなるので、1回のみしか受け取れないがん保険でもいいと割り切ることも必要かもしれません。先進医療の保障は、どちらのタイプのがん保険にもセットされているか、特約でつけられるようになっています。がんに関する先進医療の技術料は高額なものがあるので、今や必須の保障といっていいでしょう。通算限度額は1,000万円、2,000万円などがあり、2,000万円が主流になりつつあります。これは、1,000万円か2,000万円あればよいでしょう。ただし、現在ご加入の医療保険に先進医療の保障がセットされていたら、がん保険にはなくてもいいでしょう。医療保険の先進医療でがんの先進医療もカバーしているので、両方につけると重複してしまうからです。なお、公的医療保険適用、自由診療(海外では治療に使われているが、日本国内では承認がおりていない抗がん剤を使用する治療などのこと。治療費が公的医療保険対象部分も含めて全額自己負担になる)のどちらの治療を受けても、先進医療の治療費を含めてかかった治療費の全額が支払われるがん保険もあります。5年以上前にがん保険に加入した人は、保障内容は従来型のがん保険のケースが多いので、この機会に見直しをしましょう。コラム執筆者プロフィール 小川 千尋(おがわ ちひろ)ファイナンシャルプランナー/子育て・教育資金アドバイザー/終活カウンセラー/整理収納アドバイザー1994年AFP資格取得。独立系ファイナンシャルプランナーとして、主にマネー誌、一般誌、新聞などのマネー記事の編集・執筆・監修、セミナー講師などで活動。オールアバウト「生命保険」ガイドも務めている。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2014年12月09日味の素は2011年4月より、少量の血液から血中のアミノ酸濃度バランスを調べる「アミノインデックス技術」を用いた、がんリスクの解析サービス「アミノインデックスがんリスクスクリーニング(AICS)」を提供している。「AICS」は、血液中のアミノ酸濃度を測定し、健康な人とがんである人のアミノ酸濃度バランスの違いを統計的に解析することで、がんに罹患しているリスクを評価するというもの。1回の採血(約5ml)で最大5種類のがんの罹患リスクを調べることができる。具体的には25種類のアミノ酸からそれぞれのがんに応じて6種類を抽出し、その血中濃度を解析しているという。がんに罹患した場合アミノ酸のバランスは数カ月で変化するとのことで、味の素は年1回の受診を推奨している。このほど、同検査を体験してきたのでその内容をご紹介する。なお、今回紹介する検査の流れなどは受診する病院によって異なる場合があるのでご注意いただきたい。○採血はあっという間に終了 - 結果は……?筆者が受診したのは都内の某病院。まず、通常の健康診断と同じように電話をかけて予約をする。その際、検査前8時間以内に水以外は摂取していけない、必ず午前中に採血するなど注意事項の説明を受ける。検査当日、受付を済ませた後は5分とかからずに名前を呼ばれ、採血へ。上記でも説明したとおり「AICS」は少量の血液しか必要としない点が特徴で、採血はあっという間に終了した。後日届いた「アミノインデックス報告書」がこちら。「AICS」ではアミノ酸濃度バランスを0.0~10.0でスコア化し、がんの部位ごとにA~Cのランクが付けられる。Aが最もリスクが低く、Cが高い。筆者の場合は胃、肺、前立腺はAランクだったが、大腸がんがBランクで有病率は0.13~0.21%だった。ここで提示されている有病率は、一般的ながんの有病率を0.1%(1万人に10人)としているため、この場合はその1.3倍~2.1倍リスクが高いことになる。○全国850カ所で受診可能今回「AICS」を受診してみて、何より驚いたのは検査の簡便さ。わずかな血液しか採取しないことは事前にわかっていたが、がんリスク検査に対して身構えていたこともあり、あまりに早く終わったので少々拍子抜けにすら感じた。結果については、筆者はヘビースモーカーなので何かあるとすれば肺だと思っていたが、実は大腸のほうがリスクが高いことを知ることができて良かったと感じている。一般より最大で2.1倍のリスクがあることは多少ショックだったが、生活習慣の改善によってBランクをAランクに戻すことも可能とのこと。自分の食生活などを見直す機会になった。「AICS」は全国850カ所の医療機関で導入されており、臨床アミノ酸研究会のウェブサイトから検索することができる。医療機関によっては、結果について疑問がある場合、面接を行って医師の説明を受けることもできるという。今後すい臓がんや生活習慣病など、検査対象を広げていくとのことで、身体的負担の少ないリスクスクリーニング検査として注目を集めるだろう。興味のある方は受診してみてはいかがだろうか。
2014年11月20日今、日本人の2人に1人が何らかのがんになるといわれています。がんになる確率は、男性が約58%で、女性は約43%(公益財団法人がん研究振興財団調べ)。がんは特別ではなく、誰もがなりうる病気だと言えるのでしょう。がんの原因や予防法の研究も進んでいますが、完全に予防するのは難しいこと。「もしも自分ががんになったら」という心構えを持ち、いざというときによい選択ができるように備えておきましょう。■適切な治療をすれば、がんは治る時代「不治の病」というイメージがあったがんですが、早期発見により適切な治療を行えば、治る可能性は格段に高くなります。では、治療にはどのような種類があるのでしょうか。従来、がん治療の基本は、外科手術によりがん細胞を取り除くことでしたが、近年は薬物療法(抗がん剤治療)や放射線治療が進歩しています。外科手術、抗がん剤治療、放射線治療の3つを合わせて「3大がん治療」といい、そのいずれかを行った割合は、全体の9割を占めています。■自己負担になるがん治療と、ならないがん治療公的医療保険制度の対象となる診療、つまり保険の効く診療であれば、自己負担額は医療費の3割(70歳以上の場合は所得により1割~2割)のみで、仮に医療費が高額になった場合でも、「高額療養費制度」により一定限度額以上の治療費は、請求すれば戻ってきます。ですが、がんの場合は、公的医療(保険診療)の対象とならない、全額自己負担の治療もあります。どんな治療が公的医療の対象になり、どんな治療が自己負担になるのか、「標準治療」「自由診療」「先進医療」という3つの用語を整理しながら、確認してみましょう。(1)標準治療医学学会で検討され、科学的な根拠に基づいた観点で「患者にとって現在利用できる最良・最善な治療法」とされるもの。がんの種類ごとおよび、それぞれのがんの進行状態ごとに決められています。「標準」とは、その時代で最も良い、基本になる治療という意味で使われ、「標準的・平均的」な治療法のことではありません。公的医療保険制度の対象となります。(2)自由診療海外ではすでに承認されていても、日本国内では未承認の治療は「自由診療」で受けることになります。「進行がん」や「再発・転移」時には有効な薬を投与しても、徐々に耐性ができ効かなくなるため、自由診療を選択することもあるでしょう。その場合、公的医療保険制度の対象にならないため、全額自己負担となります。(3)先進医療厚生労働大臣によって定められた高度な医療技術を用いた療養のことで、公的保険適用にするかを評価する段階にある医療を指します。がん治療の場合、「陽子線治療」「重粒子線治療」などが知られています。先進医療そのものにかかる費用は全額自己負担ですが、その前段階の診察や検査などでは公的保険が適用されます。■治療以外にも、ウィッグや乳房再建など、女性特有の医療費がかかるがんの治療に自由診療や先進医療の治療法を選択した場合、そもそもの費用がそれなりに高額のため、全額自己負担となると、金銭的負担がかなり大きくなります。女性の場合、抗がん剤の副作用で抜けてしまった髪をカバーするためのウィッグ(医療用かつら。1万~30万円)や、乳房再建術(保険適用の場合、10万円前後、保険適応外のもので50万~100万円くらい)といった費用が、治療費のほかに必要になることもあります。最初にもお話しした通り、がんはもはや特別な病気ではありません。自分にとって納得のいく治療をするためには、保険での備えがあると安心です。そして、何といっても早期発見が重要。保険に加入することだけではなく、定期的な健診を受けることも心がけましょう。
2014年11月19日美容外科ガーデンクリニック 池袋院は、切らずに20分で治療が終わる、最新ワキガ・多汗症治療『ビューホット』を、11月より開始いたしました。ガーデンクリニック『ビューホット』 ■『ビューホット』サービス開始背景従来、ワキガ・多汗症を改善する治療法はメスを使用する手術が主流であることから、傷跡が残ったり、一定期間のダウンタイムが必要という問題がありました。また、薬物療法やボトックス法という治療法は効果が永続的でなく、定期的な通院・施術が必要であるため、「手術はしたくない、定期的な通院をせずにワキガ・多汗症を治したい…」という声が多くありました。この声を受け、ガーデンクリニックは、皮膚を切らずに片脇10分・合計20分で治療が終わる最新ワキガ・多汗症治療『ビューホット』を11月より開始いたしました。■『ビューホット』について<極細針で切らない治療法>『ビューホット』は、高周波を発生させる多数の極細針でワキガ・多汗症の原因である汗腺だけを効果的に破壊する最新の治療法です。カートリッジに内蔵されている極細の針を、深さを変えながら汗腺がある層まで到達させ、熱を発する高周波により臭いの元となるアポクリン汗腺、汗の元となるエクリン腺の二つを同時に破壊します。<局所麻酔で痛みにも安心>また、当院では局所麻酔を用いた「完全無痛」の状態で治療を行うため、痛みに不安がある方でも安心して治療いただけます。ダウンタイムもほとんどなく、翌日からシャワーも可能ですぐに日常生活にお戻りいただけます。従来のワキガ・多汗症治療では効果が出なかった方や、気になっているが手術までは踏み出せない方にとって画期的な治療法です。■『ビューホット』治療メニュー<特徴>・高周波を発生させる極細針を装着したカートリッジによる切らない治療法・局所麻酔を用い、冷却システムで冷やしながら行う痛くない治療法・片脇10分・両脇で20分程度の治療時間・治療1~2回で改善率98%の効果が立証済み・圧迫固定なし、翌日からシャワー可能の短いダウンタイム<価格>通常料金:385,000円(税込) → モニター価格:330,000円(税込)※その他各種治療も行っております。詳しくはお問い合わせください。【クリニック概要】美容外科 ガーデンクリニックTEL : 0120-008-219URL : ・池袋院:東京都 豊島区南池袋2丁目26-6 島倉ビル 4階・品川院:東京都 港区高輪4丁目24-58 サマセット品川東京 2階・横浜院:神奈川県 横浜市西区北幸2丁目10-40 横浜西口TYビル 3階・名古屋院:愛知県 名古屋市中区栄3丁目27-18 ブラザー栄ビル 6階・大阪院:大阪府 大阪市北区梅田1丁目11-4 大阪駅前第4ビル 6階・福岡院:福岡県 福岡市中央区大名1丁目15-35 大名247ビル 5階※『ビューホット』の施術は、池袋院のみでご提供致します。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2014年11月11日ヒュー・ジャックマンが3度目の皮膚がん治療を受けていたことが分かった。26日(現地時間)、ニューヨークで愛犬と散歩中をパパラッチに撮られたヒューの鼻に絆創膏が貼られていたことから、ヒューの代理人が明らかにした。代理人は「E! News」の取材に、ヒューが治療を受けたことを認めて「すべて大丈夫です」と語った。ヒューは昨年11月に鼻に基底細胞がんが見つかり、摘出手術を受けた。今年5月にも同様の手術をしている。直後に『X-MEN:フューチャー&パスト』プレミアに出席した北京で「僕は未来については現実的なんだ。今後少なくとも1回、おそらく数回は(皮膚がんになることは)あるだろう。オーストラリア人、それもオーストラリア育ちのイギリス系にはめずらしくないことなんだよ。日焼け止めを塗れ、なんて言われた記憶もないんだから」と語った。27日には、「Good morning」と愛犬と一緒の笑顔の画像をインスタグラムに投稿したヒュー。数時間後には「SUNSCREEN!」と、改めて日焼け止めを塗る大切さを伝えるメッセージを投稿した。(text:Yuki Tominaga)
2014年10月29日米シカゴ大学は10月22日、「OTS964」という開発中の治療薬に肺がんを消滅させる効果があることを確認したと発表した。同研究成果は同大学の中村祐輔教授らによるもので、10月22日付け(現地時間)の米医学誌「Science Translational Medicine」に掲載された。「OTS964」は中村教授のがん遺伝子に関わる成果を基に設立されたベンチャー企業であるオンコセラピー・サイエンスが開発したもの。同薬は、がんを発生・増殖させるとされる「TOPK」というタンパク質の働きを阻害することができる。今回、肺がん細胞を持つマウスを作成し、2週間にわたり「OTS964」を投与したところ、腫瘍が縮小したほか、投与後も縮小を続け、6匹中5匹で完全に消滅したという。「OTS964」より以前に開発された「OTS514」という薬においても、がんに対する効果が報告されていたが、赤血球や白血球の生成に悪影響を与えるなど、副作用が課題となっていた。同研究グループは薬をリポソーム製剤とすることで副作用を小さくすることにも成功した。「TOPK」は乳がんなど、さまざまながんで発現するため、今回の成果は肺がん以外のがん治療に対しても活用が期待できるとのことで、2015年秋には人を対象とした治験を開始する予定だという。
2014年10月23日不妊治療もしたけれど…最終的に下した「産まない」選択不妊治療でもっとも難しいのは、なかなか授からない場合に“やめどき”を決めることかもしれません。この記事を読んでいる人の中にも、今まさに悩んでいる人もいることでしょう。今回は、不妊治療をやめ、「産まない選択」をした女性の体験談を聞きました。●仕事がおもしろくなり、執着がなくなったAさんのケースAさんは38歳で離婚。前夫は家庭を築くというより自由に生きたいタイプで、子どもを持つことにも乗り気ではなく、その意識の違いが離婚の原因の1つにもなったそう。「40歳で再婚し、すぐにタイミング療法(*1)で子づくりを始めたものの授からず、1年経った時点で人工授精(*2)に変更。それでも授からず、体外受精(*3)も試しました。でもやっぱりダメで、不妊治療をストップしたのは44歳の時でした。治療をやめてもいいと思えたのは、仕事がうまくいくようになったからです。子どもが欲しくてたまらなかった時期って、今思えば仕事に行き詰まっていた時期だったんです。そんなつもりはなかったけど、心のどこかで、妊娠を、人生を変えるきっかけにしたかったのかもしれない。年齢的に出産がいよいよ厳しくなる時期と、仕事が充実しだした時期が重なったのは、私にとってラッキーだったかもしれません。『子どもがいなくても人生を楽しめる、無理しなくていい』って、自然に思えるようになりました」また、Aさんは治療をやめて精神的に楽になった、と言います。「治療中は、期待と失望の繰り返しがつらかったし、不妊治療のことしか考えられなくなっていました。検査薬をたくさん買い込んで、生理予定日が近づくとトイレのたびにチェックしたりして。でも不思議なもので、治療から離れた今は、もう執着していません。急な出張があっても思い切り仕事ができるので、これはこれでいいかなと思っています」●夫婦で旅行を楽しむことが生きがいのBさんのケースBさん夫婦は、旅行が趣味。結婚前から2人で毎年旅行に出かけていたそうです。「でも、37歳から不妊治療を始めて、そんな経済的余裕はなくなりました。有名なクリニックに通って何度も体外受精をしたので、治療代がかなり負担になっていましたから。精神的にも旅行を楽しめなくなっていましたね。このお金で体外受精ができるとか考えていましたし、妊娠しているかもしれないと思うと、温泉は良くないかもとか、この食べ物は大丈夫なのかとか、気になってしまって…」Aさん同様、不妊治療中は、そのことしか考えられなくなってしまったという人は多いようです。「治療をやめたのは43歳の時です。たまには旅行にでも、と誘ってくれた夫に『もし妊娠してたらどうするの!』と怒鳴ったところ、『そんな怖い顔をしているお母さんのところに、赤ちゃんも来たくないよ』って言われたんです。その時はひどい夫だと思って大泣きしましたが、その後、夫婦で何度か話し合って、治療をやめました。今はまた、夫婦で旅行を楽しんでいて、老後は海外移住もいいかなって話してるんです。子どもや孫の心配がないぶん、身軽にどこへでも行けますからね」●ペットと生活しながら“ゆる妊活”を続けるCさんのケース完全に不妊治療をやめる人がいる一方で、「治療はやめても完全に諦めたわけではない」というCさんのような人もいます。「タイミング療法、人工授精、体外受精、冷えとり、漢方薬、サプリメントなど、さまざまな不妊治療を行ってきたのですが、残念ながら授かりませんでした。私は、ズルズル続けるのはつらいと思っていたし、『治療をやめたとたんに授かった』という話もありますから、最初から42歳までって決めていたんです。ただ、まだ可能性があるかもとは思っていて、卵子に良いというサプリメント療法だけ続けています。あとは、体を冷やさないように気をつけているくらい。赤ちゃんが授からなかったとしても、美容や健康のためにいいので、気は楽ですね」子どもへの思いもありながら本格的な治療をやめるのは、勇気がいる決断だったのでは?「治療をやめたのと同時に犬を2頭飼い始めたので、この子たちが癒やしになってくれている部分は大きいです。もちろん子どもとは違うけれど、夫婦2人だけよりはだいぶ違いますね。子どもは、できたらうれしいけど、できなくても大丈夫だと思えます」今回、3人の女性にお話をうかがって、「子どもがいる、いないが女性の幸せを左右するのではない」と改めて気づかされました。不妊治療をしていると「子どもを授かる」ことだけに意識がいきがちですが、授かってから子育ての大変さ、子を持つことの責任という壁にぶつかって悩む女性も多いでしょう。子ども以外の生きがいや楽しみを持つのは、子どもを授かっても授からなくても、大事なことなのかもしれません。(*1)タイミング療法:エコーで排卵時期を測定し、タイミングを合わせて性交する方法。軽微な排卵誘発剤を処方されることもある(*2)人工授精:精子を排卵時期に合わせて女性の膣内に戻す方法(*3)体外受精:卵子を体内から取り出し、シャーレで精子と受精させて体内に戻す方法<取材・文/島田彩子>
2014年10月13日咽頭がん治療のため4月から演奏活動を休止していた指揮者の井上道義が、10月2日、活動復帰記者会見を東京芸術劇場で行った。「井上道義」の公演情報「今はまるで生まれ変わったような気持ち」と語る井上道義。闘病中は喉の痛みや咳、不眠などとても音楽を聴く心境ではなかったという。「本当に辛いときは音楽は全然助けにならない。それよりもどうしたら咳が止むか、眠れるのか必死だった」と過酷な闘病生活を打ち明けた。「この場に戻ってこられたのは、たくさんの人たちの温かい応援があったから」と、オーケストラやファン、友人から贈られた千羽鶴や寄せ書きを紹介。「どう生きていくか。改めて自分の使命について考えさせられた。これからはひとつひとつをもっと大切に考えたい」と真剣な面持ちで語った。治療の経過は順調で、7月の退院後はリハビリテーションに努めている井上道義。復帰後初の公演は、10月11日(土)に鎌倉芸術館でNHK交響楽団、ヴァイオリニストの前橋汀子と共演する。また、今後は「大きな生きがい」と語る新曲の創作活動に加え、演出家・野田秀樹と共に手がけるオペラ『フィガロの結婚』(2015年に10都市13公演を予定)の準備にも取り組むという。<井上道義 今後の公演スケジュール>■NHK交響楽団 井上道義×鎌倉芸術館「いざ、鎌倉への道」Vol.410月11日(土) 鎌倉芸術館 大ホール(神奈川県)■上田市交流文化芸術センター開館記念事業 NHK交響楽団上田公演10月12日(日) 上田市交流文化芸術センター 大ホール(長野県)■大阪フィルハーモニー交響楽団 第482回定期演奏会10月23日(木)・24日(金) フェスティバルホール(大阪府)■佐倉市民音楽ホール会館 30周年記念 東京交響楽団演奏会11月3日(月・祝) 佐倉市民音楽ホール■大阪フィルハーモニー交響楽団 マチネ・シンフォニーVol.1211月13日(木) ザ・シンフォニーホール(大阪府)■オーケストラ・アンサンブル金沢 ファンタスティック・クラシカルコンサート11月23日(日・祝) 石川県立音楽堂 コンサートホール(石川県)■新日本フィルハーモニー交響楽団 埼玉会館公演11月29日(土) 埼玉会館 大ホール(埼玉県)
2014年10月03日岡山大学は9月30日、代表的ながん治療薬であるパクリタキセルを用いた研究で、副作用を抑えながらがんを効率的に標的にする新たなドラッグデリバリーシステム(DDS)を開発したと発表した。同研究成果は同大学大学院自然科学研究科ナノバイオシステム分子設計学研究室の妹尾昌治 教授、岡山理科大学理学部の濱田博喜 教授と塩水港精糖の共同研究グループによるもので、米科学誌「PLOS ONE」に掲載された。パクリタキセルは広範囲ながんに有効ながら、副作用が強く、水にも溶けにくいためヒマシ油とエタノールを含む液に溶解させ、ブドウ糖液に分散させたものを点滴により投薬する方法がとられている。岡山理科大の濱田教授らは20年以上にわたりパクリタキセルに水溶性を持たせ、利用しやすいがん治療薬とする研究を行ってきたという。今回その研究に岡山大の妹尾教授が加わり、水溶性の高くなったパクリタキセルを用い、溶媒に対する溶解度の差を利用することで効率よくリソポーム(人工の小胞)に封入する技術の開発に成功した。さらに、リポソームの表面にがん細胞を認識する抗体を結合させる処理を行うことで、正常細胞には影響が少なく、がん細胞にのみ高い細胞毒性を発揮させることができたとのこと。同研究グループは「水溶性を高めたパクリタキセル誘導体を効率よくリポソームに封入し、がん細胞を特異的に認識する抗体を結合させるこの技術は、がん治療薬の副作用を抑制しつつ、がん細胞への集積効果を高めることのできる新たなDDSだ」とコメント。また、リポソームは肝臓を介して腸管へ排出されるが、パクリタキセルは腸管から吸収されないため、過剰投与しても副作用を起こすことが考えにくい安全な製剤が可能になるという。
2014年10月01日京都大学(京大)は9月22日、放射線や抗がん剤を用いたがん治療における精子幹細胞のDNAのダメージによって引き起こされる副作用である不妊症について、精子幹細胞におけるDNAダメージが特定の遺伝子経路を活性化し、その細胞死を誘導することを明らかにしたと発表した。同研究成果は同大学大学院医学研究科の篠原隆司 教授、同 篠原美都 助教、同 森本裕子 研究員、同大学医学部の石井慧氏、同大学放射線生物研究センターの高田穣 教授、同 石合正道 准教授、福島県立医科大学の丹羽太貫 特命教授(京都大学名誉教授)らの研究グループによるもので、9月18日付(現地時間)の米科学誌「Stem Cell Reports」に掲載された。小児がんに対する抗がん剤治療では、7割以上の患者が5年以上生存し、そのうち約3割が不妊症となることが知られている。成人の場合は、精子を凍結して保存することができるが、小児の場合は精子が回収できないため、抗がん剤による不妊症は深刻な問題となっている。精巣はDNAダメージを受けやすい組織として知られているが、放射線を含むDNAダメージがどのようにして精子幹細胞の細胞死を誘導するかはわかっていなかった。同研究チームは今回、マウスを用いた研究などによって、これまで精子幹細胞の細胞死には関係がないと考えられていた「Trp53」遺伝子が関与していることを発見。さらに、放射線の照射によって、「Trp53」の下流遺伝子が次々に活性化され、細胞死を誘導することも突き止めた。今回確認された現象は放射線の照射だけでなく、抗がん剤を加えた場合でも同様で、がん治療の際に起こる不妊症の改善に応用できる可能性があるという。
2014年09月24日(画像はイメージです)子宮体がんとイソフラボンの摂取女性のがんに関しては、胃がんは低下しているのに乳がん、子宮体がんは大きく増加しています。子宮体がんの発現にはエストロゲンが抑制方向の作用を持つため、早い初経、遅い閉経、未産婦などがリスク要因と想定しています。大豆食品にはイソフラボンは化学構造がエストロゲンと似ていることから、子宮体がんの発生には予防的に働くことが予想されますが、いくつかの疫学的調査では結果が一致せず、前向き研究もありません。JPHCによる検討国立がん研究センターの「多目的コホート(JPHC)研究」で大豆摂取とイソフラボンの関連を調べ、その結果をBJOGで発表。対象は45-74歳の女性約4万人、観察期間は平均12年。大豆食品の総摂取量は、アンケートに含まれている豆腐、納豆、みそなどの8項目から算出。追跡期間中に、対象者集団のうち112人が子宮体がんと診断されました。イソフラボン摂取量を低摂取、中摂取、高摂取の群に分けて低摂取群に対するハザード比を計算しました。大豆食品量も同じ計算を行いました。結果は、イソフラボン摂取量、大豆食品摂取量共に子宮体がんのリスクには有意な変化はありませんでした。可能性としては,日本人においては大豆食品やイソフラボンの摂取量は元々高いこともあり、大豆食品やイソフラボンの摂取量と子宮体がんの関係を明らかにするには、更に大規模な研究が必要と結論。【参考】・国立がん研究センタープレスリリース・BJOG文献
2014年06月23日プロの料理レシピサイト「E・レシピ」がご紹介する『今日の献立』は、旬の食材を使ったバランスのよい献立メニュー。今夜の夕食にオススメの献立を毎日ご紹介!今日の献立は「がんもどきの煮物」を含めた全4品。味がしっかり染み込んだ、がんもどきとナスがホッとする和食の献立です。カツオのたたきは梅肉みそダレでサッパリと。 がんもどきの煮物 だしを吸ったふわふわながんもどきと、切り込みにしっかり味が染みこんだナスは、ホッとする和食の味です。 カツオのたたき・梅肉みそダレ 梅酒の梅入りで食べやすい梅肉に。かつおのたたきの臭みが気になる方にもおすすめです。 具だくさんの豚汁 里芋、大根、ニンジン、ゴボウなど。お好みの具を入れてだしに野菜のおいしさが出た豚汁です。 和風デザートアイス 市販のアイスクリームに抹茶を溶いてかけるだけでおしゃれなおもてなしデザートに。 ⇒今日の献立一覧はこちら
2014年05月30日アクサダイレクト生命保険(以下アクサダイレクト生命)はこのび、カカクコムが3日に発表した『価格.com保険アワード2013』において、同社の「カチッと終身がん」が”がん保険の部(インターネット部門)”で第1位を獲得したと発表した。『価格.com保険アワード2013』とは、カカクコムが運営する総合保険比較サイト「価格.com保険」において、2013年の1年間でユーザーから最も申込み数の多かった保険商品を販売チャネル別に選出するもの。このたび、がん保険の部(インターネット部門)において、アクサダイレクト生命のがん保険(終身型)「カチッと終身がん」が第1位を獲得したという。カカクコム・インシュアランスによる「カチッと終身がん」の評価寸評は、シンプルでありながら、インターネット上で保障内容をオーダーメイドで組み合わせることができる商品。カカクコム・インシュアランスは、カカクコムの100%子会社。
2014年04月14日がん、と聞くと怖い病気だとは分かっていても、「私はまだまだ若いから大丈夫・・・」と人事のように思いがち。しかし現在は、生涯のうちにがんになる人は2人に1人という時代。まだまだと言って、のほほんと待ち構えているのではなく、若い時からこそ、がんについての知識をきちんと学び、向き合うことが大事なのです。実は最近中学からがんについての特別授業「生きるの教室」というものがあることをご存知でしたか?バイエル薬品株式会社が設立100年を迎えた2011年より取り組んでいるプログラムは、今後の日本の未来を担っていく中学生に対し、がんの知識や予防、早期発見、検診の重要性を伝えるために実施されているもの。これにより、将来の日本における検診率アップとがんによる死亡率を下げることを目標に掲げています。実際に、昭和56年から死因の第1位ががんであり、平成23年には年間1万7千人以上が、がんが原因で亡くなっているという現状の埼玉県に位置する入間市立金子中学校でも、12月に実施されたばかり。そこでは 東京大学医学部附属病院 の放射線科准教授/緩和ケア診療部長の中川恵一先生が講師として 、また、乳がん体験者の集いである、あけぼの会埼玉支部支部長の持田豊子さんが講師として登壇し、生活習慣の改善でがん予防が可能であること、検診による早期発見の大切さを伝えました。また、生徒達はただ授業を聞くだけではなく、グループワークにも積極的に参加。「がんで大切な人を失わないために自分は何ができるか」を話し合い、班ごとの発表で率直で活発な意見を発表しました。受ける前のアンケートでは約8割以上が「がんは予防できない病気」と考えていたり、約6割以上が「2人に1人はがんになる」という事実を知らなかったという生徒達。また、約7割以上が「がんについて家族と話したことがない」という経験を持ち、約7割以上が「家族ががん検診を定期的に受けているかどうか知らなかった」というほど、がんに対しての知識だけでなく、家族のがんに対しての意識も薄かったということが浮き彫りとなってしました。しかし講師達によるセッションや自分達で行うグループワーク、そして事後アンケートなどで、彼らたちのがんへの意識と理解をより深いものへ、そしてがんへの予防を考えるだけではなく実行させるものへと明らかに変化していったことが見受けられたようです。このように、現代は中学生からがんについての知識を深めていく時代。皆さんもがんになってからはではなく、そうなる前にきちんと知識を養い、予防を始めていきませんか?
2013年12月26日がんの高度先駆的医療技術開発するため、共同研究を進めてきた国立がん研究センターと島津製作所は、創薬研究手法の開発などから、3つの成果を得られたと発表した。1つ目は、腫瘍組織中の薬物分布濃度を可視化する分子イメージング技術の確立により、ヒトの腫瘍組織中の薬物分布濃度と効果との関連の評価を開始したこと。国立がん研究センター研究所 臨床薬理部門 部門長 濱田哲暢氏らによるもので、医薬品の早期相の臨床試験(第I相臨床試験)の促進を目指すという。これまで見ることが難しかった組織の間質、血管部位、腫瘍部位への移行などを捉えることができるこの創薬研究手法は、ヒトの腫瘍組織中の薬物分布濃度を可視化する分子イメージングを行うことで、投与量の設定、作用の評価、臨床試験の短縮を可能にするという。なお、この研究は厚生労働省革新的医薬品・医療機器・実用化促進事業「全ゲノム配列解読・分子イメージング技術を組み合わせた革新的創薬研究手法の開発と個別化医療の実現」および国立がん研究センターがん研究開発費「抗悪性腫瘍薬の新規臨床薬理研究手法の開発に関する研究」により行われた。2つ目は、DDS抗がん剤(パクリタキセル内包ナノ粒子:NK105)の薬剤分布を高精細画像化し、DDS抗がん剤が通常の抗がん剤よりもがん組織に多く長く集まり、かつ、正常組織にはほとんど移行しないことを明らかにしたこと。国立がん研究センター東病院臨床開発センター 新薬開発分野 部門長 松村保広氏らによる成果。具体的には、質量顕微鏡を利用し、NK105を投与したマウスのがん組織と正常組織を画像で評価した結果、NK105ががんの塊の奥深くまで長時間集まっていること、および正常な組織にはほとんど移行していないことが確認できたという。DDS抗がん剤の創薬コンセプトがマウスにおいて証明されたことで、現在進行中の第III相臨床試験の結果が期待されるほか、前臨床の段階で詳細な薬剤分布を確認できたことで、次世代のDDS抗がん剤開発においても大きな一歩となるという。なお、この研究は国立がん研究センターがん研究開発費(特別)「がんナノテクノロジー研究プラン」により行われた。3つ目は、がん治療において適用範囲や品目が拡大する抗体医薬品の投薬量の決定や副作用の予測、医薬品の品質管理などを目的とし、多品目にわたる抗体医薬品に対応可能な血中濃度モニタリング技術(質量分析を用いた血液濃度測定技術を開発したこと。この研究は、島津製作所 ライフサイエンス研究所 産学連携研究室 グループ長 嶋田崇史氏らによるもの。ナノ粒子表面に結合したタンパク質分解酵素を用いて支持体上の抗体を分解することにより、抗体ごとに異なる相補性決定領域(CDR)ペプチドの分析が可能となったという。そして血液中に添加した抗体医薬品を用い、CDRペプチドを確認よび定量した。nSMOL法(nano-surface and molecular-orientation limited proteolysis)を応用し、日本発の抗体医薬品の血中濃度モニタリングシステム開発を目指すという。
2013年12月24日メスもいらない熱治療美容スキン治療の世界的市場リーダーであるSolta Medical, Inc.から、全く新しい、シワ取り治療法Thermage Total Tip 3.0を発表した。同社は美容医療の拡大に向けて、患者に対して安心安全で効果的なソリューションを提供し、肌のリサーフェシングと若返り、ニキビ減らし、ボディーコントゥアリング、肌の引き締め用の美容エネルギー機器および最新の脂肪吸引技術を最適化するツール、付属品を開発している。Thermageと呼ばれる治療法は、非侵襲の高周波処置を利用して、しわを取り除き、なめらかでハリのある肌を取り戻すというもの。メスや注射などを一切使わず、治療部位に高周波による熱処理を行うことで、目元のシワや顎、首のたるみに効果的な治療を施すことが出来る。肌質を選ばず安全にまた、Thermageは均一で大容量の熱を施すために、顔面治療に効果的で、1回の治療でも目に見える違いを感じやすいという特性を持っている。Total Tipは2度程度の大量の熱量を安全に照射し、一時的にセルライト(堆積脂肪)の出現を減らす高周波技術を使うことで、肌のなめらかさを取り戻すというもの。この治療法は、患者への治療を通して10年の技術的改善が行われ、より持続的な結果をもたらすよう開発された。2002年以来、100万回を超えるThermage治療が、80カ国余りで行われ、あらゆる年齢層、肌質、治療部位を選ばずに患者に施され、これまで前例を見ないほどに顕著な治療結果があったと多くの医師に受け入れられている。的確な高周波エネルギーによって即効性のある結果を経験することができる上に、全てのスキンタイプに対して安全であるというこの治療法は日本でも数多くのクリニックで取り入れられている。元の記事を読む
2013年05月15日医学の進歩により、不治の病から治る病気となりつつある「がん(悪性新生物)」。普段の生活を大切にしながら、通院中心で治療する人が増えています。がん治療の大半は保険診療です。この場合、高額療養費制度が使えるので、1ヵ月あたりに負担する医療費が青天井に上がることはありません。しかし他の疾病に比べると高額な治療が多く、健康保険を使っても1ヵ月あたり数万円~高額療養費制度の自己負担限度額いっぱいまでかかることも少なくないのが現状です。がんにかかり、通院治療を選択した場合に役に立つ「がん保険(特約)」はどれなのか。がん保険を選ぶ際のポイントについて紹介します。1. がん診断給付金にこだわるがん保険(特約)選びで最も重要なのは、「がん診断給付(一時)金」です。入院期間にかかわらず、100万円、200万円といった所定の一時金が支払われるので、治療当初の出費(治療費や所得補てん等)に対応できます。がん保険に加入していない人の中に、「生命保険にがん特約を付けているから大丈夫」と言う人がいます。しかし、そのがん特約ががんによる入院を保障するだけのものの場合や、がんの治療のために入院した場合は保障のがん入院給付金が支払われますが、入院しないで治す場合は対象になりません。あなたのがん特約にがん診断給付金が付いているかどうか、保険会社等に問い合わせて確認しておきましょう。最近では「がん診断特約」「がん診断治療特約」等の名称で、医療保険にがん診断給付金の保障を付けることができる保険商品が増えています。こちらの場合も、これからお伝えするがん診断給付金のチェックポイントと同じ要領で、内容を精査してみてください。がん保険に関しては、がん診断給付金が付いているのが一般的です。でも、その内容は保険商品により異なり、それによって保険料も変わってきます。ポイントは「入院の有無」「支払い回数」「支払いペース(○年に1回を限度等)」です。がん診断給付金には、「(A)がんと診断されたら入院の有無を問わず給付が受けられるもの」と「(B)がんと診断され、入院した場合に給付が受けられるもの」の2種類があります。入院はできるかぎりしたくないと思うのであれば、(A)を選ぶべきです。ただ、(B)は入院のしばりがある分、保険料は安くなる傾向があります。(B)の場合でも、自分の入っているがん保険がどちらのタイプなのかを知っておけば、診断を受けた際に少しだけ入院する治療プランを医師に相談することで、対処ができることが多いようです。覚えておくと便利ですね。支払い回数に関しては、「(C)1回の支払いで保障が消滅してしまうもの」と「(D)複数回支払われるもの」の2種類があります。当然のことながら、(C)タイプのがん保険の方が保険料は抑えられます。ただ、がんは再発する可能性の高いものなので、(D)を選択するのが長い目でみると安心です。(D)複数回払いのがん診断給付金の場合、「2年に1回」や「3年に1回」を限度にする等の支払いペースが決まっています。治療期間は治療法やがんの部位、がん発見時のステージ等により異なりますが、1年~1年半かかることはざらで、一生抗がん剤治療を続けなければいけないケースもあるそうです。最近のがん保険には、(C)1回払いと(D)複数回払いを組み合わせてひとつの保険にしたものもあります。あなたにとって安心なものはどれか、家計と相談して決めてください。2. がん通院給付金には、大きく2つの種類があるがん通院給付金には、2つの種類があります。ひとつは、がん治療のために入院し、退院後に通院した場合に通院日数に応じた給付金を支払うものです。通院のみで治す場合は給付が受けられません。例えば今から10年以上前に契約したがん保険に付いている通院保障はおおむねこのタイプです。現在取り扱われているがん保険の通院保障についてもこのタイプが多いので注意が必要です。もうひとつは入院の有無にかかわらず、所定のがん治療を受けた場合に通院給付金を支払うものです。一部のがん保険に導入されていて、外来化学療法(通院による抗がん剤治療)にも役に立つと注目度の高い保障となっています。ただ、すべてのがん通院が対象になっているわけではありません。対象になる治療はどんなものなのかを確認した上で契約してください。ちなみに、医療保険に付帯されている通院給付金は前者のタイプです。入院給付金が支払われる入院をした後に退院し、同じ疾病・ケガを治す目的で通院した場合に給付が受けられます。これからがん保険に入るなら、入院を伴わないがん通院に対応するものを選びたいですね。3. 付けておきたいプラスαの保障とはその他、がん保険に付加しておくと便利な特約は「がん先進医療特約」です。がん先進医療特約は、健康保険が適用にならない先進医療のうち、陽子線治療や重粒子線治療等のがん治療(技術料)を実損払いするものです。先進医療の中には患者負担が300万円を超えるものもあります。医療保険に先進医療特約を付加できない場合は、がん保険に付けておきましょう。月払保険料は100円程度です。ただし、医療保険に先進医療特約が付いている場合は、重複加入となります。その分、無駄な保険料を払うことになるのでどちらか一方を選択しましょう。10年以上前に発売されていたがん保険は、がん入院に特化していたり、がん診断給付金等の保障が65歳を境に半減したり、初期がんである上皮内新生物が保障の対象外になっていたりする等、現在取り扱われているがん保険に比べて保障内容が見劣りするケースが多いです。一方、昔のがん保険は貯蓄性のあるタイプもあり、そうした商品は高齢時の解約返戻金に期待できる場合も。判断に迷うかもしれませんが、働き盛りのがん治療にしっかり備えたいなら、新しいがん保険に切り替えるのが賢明です。特に貯蓄の少ない方は、若いうちに検討するのもいいかもしれません。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2013年04月04日日常的な習慣を続けることで、治療効果アップアメリカ合衆国がん学会(American Cancer Society)と オブレネス・ヘルスシステム(O’Bleness Health System)は、がん治療のプログラムとしてヘアスタイルや化粧などの日常的身だしなみのケアを取り入れ、がん患者に与える影響について協同研究を始めた。2月4日、Vinton Daily.com が報じている。2月2日、オブレネス病院でアメリカ合衆国がん学会主催の「Looks Good, Feel Better」と題したセミナーが行われた。セミナーではスキンケアやメイクアップ、髪をとかすなど、日常的に習慣となっている身支度はがんの治療中や入院中であっても続けるべきであり、それによって治療の効果も高まるという内容だ。公式ウェブサイトでは、・マニキュア、ペディキュア、フェイシャルマッサージ・体重管理・デンタルケア・ファッションなど、気分が良いと感じることを続けるように勧めている。男性にも効果治療中の体に適したケアを特に女性に効果があるとされているが、男性もヒゲを剃る、頭髪を整えるなどの身だしなみに気を使うことで気分が向上し、治療への効果が期待できるという。化粧品ブランドからの寄付により集った製品でメイクアップのデモンストレーションも行われた。抗がん剤治療によって肌質が著しく変化したり頭髪を失った女性に対しては、治療中の体に適したケアの方法をレクチャーした。元の記事を読む
2013年02月07日博士タローは12日、がん専門医療施設として指定されている「がん診療連携拠点病院」のがん治療実績を調べることができるサイト、「がん診療連携拠点病院の実力」をオープンした。政府統計値によると、1984年のがん患者数はおよそ13万人だったが、1999年はおよそ27万人、2008年のがん患者数は1984年に対して2倍以上のおよそ30万人にまで増え続けているという。「当たり前のようにがんが受診でき、治療できる病院を要する時代を迎えている」と同社。専門的ながん医療機関として指定を受けているがん連携拠点病院の中で、もっとも多い年間患者数は8,866人、もっとも少ない拠点病院では155人(がん診療連携拠点病院院内がん登録2009年集計)。多種にわたるがんの、それぞれに合った医療を求める際には、がん患者診療経験の高い医療機関の見極めが必要となるという。同サイトは、がんの疑いによるがん受診医療機関検討時、セカンドオピニオンが必要な時、または治療中のがん医療機関を変える時、がん専門医療機関のがん治療実績をもとに、よりふさわしいがん専門医療機関が選択できるよう開発、オープンに至ったとのこと。同社では「一般の人はもちろん、医療機関にも、最新のがんに関連する医療・サイエンス動向を知ってもらえるようなコンテンツをさらに展開していく」としている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月14日アフラックはこのたび、独立行政法人国立がん研究センターと「がん情報の普及啓発に関する包括連携に関する協定」を8月23日に締結すると発表した。目的国立がん研究センターおよびアフラックが展開しているがん啓発に関する取り組みや双方が有する全国ネットワークを活かし、広く国民に対して共同でがんに関する情報の提供を行い、国民のがんに関する意識の向上を図りながら「がんと向き合い、がんに負けることのない社会」や「がんになっても自分らしい生き方ができる社会」を目指す。また、それによって全国のがん患者やその家族の不安・苦痛の軽減、療養生活の質の向上を実現する。主な取り組み一般市民へのがん啓発事業の実施がん診療連携拠点病院相談支援センターへの支援がん啓発ツールの制作がんに関する啓発事業として、9月15日から16日に東京ミッドタウン「アトリウム」にて、『がんを知る展~「知る」ことが、あなたを「守る」こと~』を開催予定。これは、国立がん研究センター創立50周年記念と連動したイベントで、同時に今回の国立がん研究センター・アフラック協定締結記念イベントとして開催される。アフラックはがん保険のリーディングカンパニーとして、がんになっても安心できる社会の実現に向けて、今後もがんに関する啓発活動を積極的に推進していくとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月22日SBI損害保険(以下SBI損保)は1日より、「SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)」(正式名称がん治療費用保険)の販売を開始している。厚生労働省「平成21年 人口動態調査」によると、1981年以来、がんは日本人の死因第1位になっており、年間約74万人の人が、がんと新たに診断されているという。その一方で、早期発見、早期治療をすることで、がんは治せる時代になってきたとも言われ、最善な治療を選択することで生存率も高まっている。近年は、医療技術の進歩によって、がんの予防法、診断法をはじめ治療法の選択肢が広がってきているが、選択する治療によっては公的保険が適用されず高額な治療費を患者自身が負担しなければならないケースも生じている。「SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)」は、公的医療保険制度の給付対象とならない新たな治療法が随時確立する”今のがん治療”にあわせて、誰もが費用を心配することなく希望する最善の治療を選択し、安心して治療に専念してもらうことをコンセプトに開発した商品になっているという。補償される費用は、先進医療だけでなく自由診療なども含めた実際にかかった治療費だが、公的医療保険制度にて保障されるべき金額(公的保険診療で可能な診療を自由診療にて行った場合の公的保険診療相当分、高額療養費相当額)は支払いの対象外。治療費等の実額を支払う他の保険契約がある場合は、他の保険契約を含めた治療費の実額が限度となる。実際にかかった治療費を実額補償がんの治療費を心配することなく、最適な治療を受けてもらうために実際にがん治療にかかった費用を実額で支払う先進医療だけでなく、自由診療も補償公的保険診療の自己負担分や先進医療だけではなく、自由診療でもがん治療にかかった費用を支払う。希望する最善の治療を選択して、がん治療に専念できる通院治療費は最大1000万円まで補償抗がん剤治療による通院や退院後の補助療法まで補償。しかも、通院日数に制限がなく、退院後も安心してがんの通院治療を続けることができるインターネットを活用した割安な保険料30歳男性の場合で月額970円(保険期間5年)。インターネットを活用し、業務を徹底的に効率化して削減できたコストを保険料に還元【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月10日