イランも夏真っ盛り! こんにちは Mamiです。日本の各地で40度近い気温を記録した話を最近よく耳にします。 イランも、40度近くまで気温が上昇することがよくありますが、実際に住んでみてびっくり、涼しいんです! その理由は湿度!だいたい10%くらいなので、カラッとした天気が続いています。直射日光の当たる場所は日差しが辛いのですが、日陰に入ると涼しくてとても過ごしやすい気候です。(とはいえ、暑いのですが。想像していたよりは全然マシです!) ちょっと足を延ばして、宮殿までお散歩! そんな最近、マイブームはお散歩。ひとりで、家から散歩をしたり、メトロで少し遠いところに行ったり。 今回は、お散歩で行ってきた「サアダーバード宮殿」を紹介します! サアダーバード宮殿は、テヘラン北部にある宮殿。かつてのパフラヴィー王家の夏の離宮だった場所が、現在約20個の博物館として公開されています。 本当に大きな場所で、敷地内を乗り合いのバス(ゴルフ場の車みたいなもの)が走る程です。 沢山の博物館がある中で、今回は白の宮殿(メッラト宮殿)と緑の宮殿に行ってきました!敷地がとても広いのですが、緑がいっぱいで気持ちいい場所でした。 入り口からテクテクと5分程度歩いてまず到着したのが通称ホワイトパレス「メッラト宮殿」です。 外から見るとこんな建物!さっそく中に入って行きます。 入り口で支払いをした際のレシートについたバーコードを読み取ってもらい入場。レセプションホールや寝室など様々な部屋をガラス越しに撮影することができます。 一部屋一部屋の絨毯の大きさにびっくり。1番おおきなものは37畳サイズ!手織りで37畳。。衝撃です。 キラッキラ!また同じ建物の中に、近代美術を紹介するコーナーも。 壁や階段まで可愛くて、ついつい写真におさめてしまいます。 白の宮殿を出て、緑の宮殿へ。1キロ以上坂道を登っていきます。気温は35度を超え暑いのですが、日陰に入ると体感温度が一気に下がるのがイランのいいところ。日陰を探しつつ丘を登ります。 そして到着した、通称緑の宮殿ことグリーンパレス。残念ながら内側は撮影禁止です。。白の宮殿よりもサイズは小さいものの、豪華絢爛、とても見応えのある宮殿でした! 広大な敷地には、レストランカフェもあり、ゆっくり休憩もできます。 そして、周りを見渡すとカップルがとても多くてほっこりします。次は誰かと一緒に来たい場所だなと、1人猛暑の中歩いて来たわたしは思うのでした。 イランには、今回ご紹介したような宮殿が沢山あります!また他の宮殿もご紹介できればと思います。それでは! text:Mami Yamada
2018年08月19日こんにちは、Mamiです。 中東圏で観光を兼ねたお買い物をする場所は?その答えに、「バーザール」や「スーク」という単語を耳にすることも多いかもしれません。 今日は、イランの「バーザール」= 市場を紹介します。 なんでも揃う!中東のバーザール イランにはたくさんのバーザールがあります。サイズは様々、徒歩で数十分で回りきれるものもあれば数日かけても回りきれないような巨大なものまで! お魚やお肉、季節の野菜などの日常的な食材はもちろん、イラン名産のナッツ類やドライフルーツのお店も多く並びます。 食材だけではありません!服屋さんがあったり、食器・インテリアなどを取り扱うお店があったり。 バーザールはみんなの生活に根ざした、小さなお店の集合体なのです。 今回は、わたしの家の近くにある、比較的手頃なサイズのバーザールの様子を写真でおさめてみました!テヘラン北部にある「タジュリーシュ・バーザール」です。 バーザールの入り口には大きなお野菜屋さんが! カラフルで盛り盛りに積まれた季節の野菜を購入することが出来ます。イランのカラッとした天気の元育ったお野菜は、いつもみずみずしくて美味しいんです! お野菜は、そのままのものもあれば、イラン式のお漬物にされたものもたくさん販売されています。 いつも人々で大賑わい! 小道を抜けると、ドライフルーツ屋さん。イランでは、ナッツ屋さんとドライフルーツ屋さんをよく見かけます。 みんな、色々な種類のナッツやドライフルーツを味見しながら、購入するものをじっくり吟味…(ついつい、味見しすぎておなかいっぱいに!) バーザールは、場所によって様々な顔を持ちます。イランにはそれぞれ、観光地に大きめのバーザールが存在します。 モスクや宮殿観光を終えたら、その街その街のバーザールで、中東らしい雰囲気を味わいつつ、お土産探しもいいかもしれません。 今回はテヘラン北部、タジュリーシュバーザールを紹介しましたが、またいつか、他の地域のバーザールも写真で紹介します! text:Mami Yamada
2018年08月07日イランのごはんは、美味しいものが色々。 こんにちは、Mamiです。今回はイランのごはんをテーマにご紹介します! 首都テヘランに住んでいると、少し海から遠いからか、お魚よりもお肉を食べる頻度が高いです。イスラム教の国なので、豚肉を街中で見ることはありません。 「じゃあ、何の肉を食べるの??」 よく食べるのは、日本と同じく鶏肉、牛肉、あと豚肉の代わりといってはなんですが「新鮮な羊肉」がよく食卓に並びます。 日本に住んでいる頃は、羊肉ってなんだか臭いがあって、好んで食べることはありませんでした。 でもイランの羊肉は美味しい!「新鮮だから、臭くないよ」と皆口を揃えて言います。(焼きたてをオススメします。冷めてくるとヒツジ感が。。) 今日は、イラングルメの中でも、きっと上位に来るであろう「ケバブ」をピックアップ! 日本のケバブと一味違う!イラン式ケバブとは? ケバブって、イメージで多く持たれているのが、ドネルケバブかなと思います。あの、トルコ屋台でよく見る、縦長い筒状のお肉を削いで、ピタパンに入れるものです。 イラン式ケバブは、いうならば「ジャンボ焼き鳥」。大きな串に、具材を刺して炭火で焼いて、焼きたてをごはんやナン、野菜たちと食べる料理です。 イランではケバブの語源、「キャバーブ、キャバービー」はグリルするという動作そのものを意味します。なので、串に刺して炭火で焼いてしまえばほとんどのものが「ケバブ」となるんです。 ケバブには色んな種類があって、おなじみの鶏肉、牛肉、そしてシシリークと呼ばれる羊肉。牛肉のホルモンもキャバービーされて出てきます。付け合わせは、ピクルス、焼いたトマト、柑橘類が出て来ることが多いです。 味付けも、シンプルなものから、ピリッと辛いもの、トルシュと呼ばれる酸味のあるものまで、様々。 日本人にも馴染みやすい味付けなので、旅行の際はオススメ! こんなカラフルで可愛いものや お焦げが美味しいパリパリごはんの上に乗ったケバブも。 屋外で食べるケバブも最高!炭に火をつけてケバブを焼くファミリーの姿も、よく公園で目にします。 また、暮らしの中のイランごはん事情をご紹介できればと思います! text:Mami Yamada
2018年07月16日イランに引っ越してきて、早いもので半年が経ちました。 ヒジャブ生活にも慣れて、言葉も少しずつ覚えて。最近では人と話すのが楽しくなってきました。 そんな私ですが、先日初めてのイラン近隣国への旅行を体験しました! 初めての中東旅行。行き先は、「レバノン」と「トルコ」です。今回は「ヒジャブを外して近くの国をお散歩-レバノン編」を紹介します。 中東旅行の穴場!レバノンってどんな国? シリアやイスラエルに隣接し、地中海に面する国。 飛行機のチケットを取る前に、地図でみて「危なくないかな。」と少し不安になる位置にある、サイズは岐阜県程度、国民も600万人もいないくらいの小さな国。※エリアによっては危ないとされているところもあるようなので、事前に調べることをお勧めします。 ドキドキしながら訪れた初レバノン。結果、ハッとするくらい綺麗な景色と、地中海からやってきた美味しいレバノングルメと、おおらかな人たちに癒されるステキな旅となりました。 写真多めで紹介します! あなたはどっち?首都ベイルート、それともゆったりしたリゾート街 空港からホテルへの移動で出会ったUBERの運転手さんはこう言いました。 「ベイルートはビジネスの中心。買い物をしたいならベイルートをお勧めするよ。人も多くて賑やかだよ。ジュニエ(ベイルートの隣町、海辺)は、海が近くて人が少ない。ゆっくりしたいならジュニエだよ。」 わたしたちが選んだのは、ジュニエ!テヘランは海から遠く、人が多くて…。(東京よりももっともっと人口密度が高いんです!)ゆっくり、海を見て、シーフードを食べたいねと、海辺のホテルを予約しました。 ジュニエの景色はこんな感じ! 人が本当に少なくて、海の音を聞きながら、ゆったりゆったり過ごすことができる街でした。 UBERの運転手さんに教えていただいた現地の人に大人気のレバノン料理屋さんや(35ドルで飲み放題、無限にレバノン料理が出てくるコスパの良さ…!) 波の音と沈む夕日に癒されるシーフードレストランや 昼間から青い海を眺めながらビールとシーシャ(水タバコ)を楽しむことができるレバノンレストランまで。 外食に飽きたら、品揃え豊富なスーパーで買い物をしてお部屋ごはんも◎。 レバノン=中東なので、イスラム教色が強いのかな、ラマダン中だしな。と心配していたのですが、イスラム教とキリスト教徒が半々程度でいるようで、アルコールもレストランはもちろん、スーパーやコンビニのような小さなお店でも豊富に取り揃えてありました。 品揃えにびっくり!ジュニエ最高! (でも、少しは観光もしないとな。)と思い、本当に少しですが、観光もしました。 世界遺産ビブロス、首都ベイルートを少しだけ観光してきた! 首都ベイルートから北に30キロ。レバノンに5つある世界遺産のうちの1つがあります。大きな十字軍の城砦跡をはじめとする、遺跡群が海をバックに残っています。人が全然いなくて、6月は気候もよくて気持ちよく観光できました! そして観光を終えると、大きなスーク(バーザールのようなもの)があり、買い物をしたり、かわいいカフェで寛いだりもできます。 屋外にあるバーカウンターが最高に可愛くて、思わずパシャり。 そして、ベイルートへ!一気に車や人の量が増えます。モハメド・アル・アミンモスクを少し見学して。(女性は黒いマントを貸し出ししていただけます。) おしゃれなシーフードレストランでランチをして。 kumamotoという名前の牡蠣がありました。九州出身のわたしは、嬉しくなってkumamotoをおかわり! そして中東のパリと呼ばれる街並みを散歩して。 あまりレバノンだけに旅行に行く機会はないかもしれませんが、中東に旅行に行く際は、気分転換に、レバノンもいいのかも!と思えるような国でした。はやくもまたレバノンに行きたい!と思うほど。 アラビア語とフランス語がよく聞こえてくる、イスラム教とキリスト教が入り混じる不思議な中東の国、レバノン。これからも、行ったことのない国に気軽に行けるフットワークを持って生活していきたいなと思います! Mami
2018年06月25日「マナラ ホットクレンジングゲル」イランイランの香り「マナラ化粧品」の主軸アイテム「マナラ ホットクレンジングゲル」より、アロマが優しく香る限定バージョン「マナラ ホットクレンジングゲル イランイランミックス」(税抜3,800円)が登場します。2018年6月25日(月)より全国の取り扱いショップにて、22,000本限定での発売です。毛穴トラブルにさよなら!毛穴周りのトラブルに悩まされている人は、多いのではないでしょうか。「マナラ ホットクレンジングゲル」は、ジェルで毛穴の汚れを絡め取り、さらにキュッと引き締めることで、毛穴の目立たないツルツルの肌を叶えるアイテムです。90%以上は美容成分でできているため、まるで美容液でメイク落としをしたかのような、しっとりとした仕上がりに。6種類ものコラーゲンサポート成分やヒアルロン酸、ビタミンC誘導体など、数々の美容成分でリッチに洗い上げます。また着色料や合成香料等、肌に刺激の強い7つの成分を無添加なのもうれしいポイントです。イランイランが優しく香る今回発売となる初夏限定バージョンは、優しいイランイランの香り。心を落ち着け、幸せな気持ちに導くとされるイランイランの香りで、癒やしのクレンジングタイムになるでしょう。完全数量限定のため、気になる方はお早めに。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社ランクアップのプレスリリース
2018年06月21日今年のラマダンも終わりに差し掛かる今日この頃。イランもようやく夏らしくなってきました。 こちらに来る前は「中東ってなんだか砂漠が広がっているイメージだし、年中暑そうだな」と考えていたのですが、今は日本と近く、さほど変わらない気候だなと感じています。 湿度が年中低く、気温ほど暑く感じないので、直射日光があたる場所以外は心地よく過ごすことができます。 湿度の低さ、カラッとした天気のおかげで、イランはフルーツがとても甘くて美味しい! 今回は、テヘランの街中にある八百屋さん、フルーツ屋さんをご紹介します。 写真のような、大きなバーザールのイメージが強いイラン。 ですが実際は日本と同じように、街の小さな八百屋さんもたくさんあるんです! 季節ごとにたくさんのフルーツや野菜がカラフルに配置されています。 日本でよく見るフルーツはもちろん、変わったものもたくさん! これはトゥートゥと呼ばれる桑の実。4月5月に大量に収穫され、軒先に並びます。 なにこれ!!と、初めは触ることを抵抗したくなるような見た目ですが、味は甘くて柔らかくて◎。 一見梅のように見える右の緑のものは、グーチェサブジーというフルーツ。 甘酸っぱくて食感もよく、小さめの林檎のような感じです。 日本ではあまり目にしないフルーツたち、中にはちょっとぎょっとするような見た目のものも…笑 でも、お店のおじさんにおススメしてもらいながら食べてみると、新しい発見があります。お気に入りの新しいフルーツを見つける瞬間も、これまた楽しい。 ちなみにイランでは、スイカとメロンがとても甘く、そのうえとっても安いんです! メロンやスイカが150円〜300円程度で購入できるため(!)、毎日半玉を贅沢にいただいております。こちらは、テヘランでよく見る細長いメロン。 フルーツはそのまま食べることはもちろん、ジューススタンドで生搾りジュースになって販売されていたり、ドライフルーツにして販売されることも多いです。 イランのカラッとした気候のもと、甘く甘く育つフルーツたち。今度帰国する際は、ドライフルーツをお土産にしようかなと、密かに考えています。 今年のラマダンが終わる頃、イランは大きめの連休が控えています。 わたしは、ちょっと変わったご近所の国に旅行にいってこようかなと企画中! また記事にてご紹介しますね! Mami
2018年06月16日5月に入りましたね。イランはラマダン期間が始まりました。(イスラム暦の9月の1カ月間、日の出前から日没にかけて、一切の飲食を断つことをラマダンの期間と言います) ランチ時に賑わうレストランも、お洒落な女子が集うカフェテリアも、ショッピングモールにあるフードコートも、日が沈むまでの間はシャッターがおりています。 そんな時期だからか、恋しくなる甘いもの。今日は、イランのカフェ事情についてお伝えします。 テヘランはカフェ激戦区!? イランはイスラム教の国。なので、国内ではお酒は禁止されています。 なので、日本のようにバーやスナックなど、お酒を楽しむ場所がありません。そのかわりといっては何ですが、かわいくてお洒落なカフェが沢山あるんです! ここは家の近くのカフェ。本屋さんとカフェが併設されているカフェです。 若い子たちが多いのかと思いきや、中に入ってみると年配の方もちらほら。落ち着く雰囲気で、近隣の住人から人気の様子。 ここもまた、近所のカフェ。とにかくお洒落で、いろんな写真を撮りたくなるお店。 イランのカフェは、イランっぽい!と感じるお店もありますが、最近流行りのお店の多くは近代的で、少し西洋寄りなイメージです。 このお店は、テヘラン内に急速に店舗数拡大しているお店、『viuna』。 店舗によって店内の内装や商品が異なるので、場所場所でviunaを探すのが楽しみになります。 イラン内の有名な建物(遺跡や橋など)をミニチュアにして配置してある公園内にあるカフェ。 テラス席も多く、気持ち良い風を感じながらスイーツを楽しみます! イランに来たらこれを飲もう!生搾りジュース 道を歩いていると、たくさんの生搾りジュース屋さんに出会います。 イランの夏は、乾燥し気温がぐっと上がるため、フルーツがとても甘いんです。それらのフルーツを生搾りジュースにしたものが、至るところにあるジューススタンドで販売されています。200円程度でフレッシュなフルーツが楽しめるので、いつもつい買ってしまいます。 今からの時期は、生メロンジュースが甘くておすすめ。アナール(ざくろ)の生搾りジュースも甘酸っぱくて、さっぱりしたい時にぴったり! また、生搾りジュースと同じように愛されているのが、「マージューン」というシェイクのような飲み物。 ナッツやアイスクリーム、バナナやチョコソースがミックスされた冷たい飲み物で、これがとっても美味しくてお気に入り!もちろん、イラン人にも大人気です。 イランならでは?水タバコカフェ 日本だと、暗い雰囲気のビルに入って、煙たい空間で吸うイメージのある水タバコ、シーシャ。イランでは、山の上の開放的な空間でシーシャを楽しむことができます。 ペルシア絨毯の上に座って、紅茶を飲みながら吸うシーシャはいいものです。夜ご飯の後の2軒目としてシーシャ屋さんに行く、というお酒のない国ならではの楽しみ方もあります! イランは、ここ数年で一気にカフェが増えて来たよう。これからも進化するイランのカフェ事情に目が離せません! Mami
2018年06月02日5月に入りましたね。私の住むイランは、もうすぐラマダン入りするようです。 世界中のイスラム教徒が毎年行う「ラマダン」。1ヶ月のあいだ一切の飲食を絶つほか、あらゆる禁欲が課せられ、そして主神であるアッラーへ感謝を捧げます。 中東というと、年中とても暑いと思われることも多いのですが、4月5月の気温は、だいたい日本と同じ。年中湿度が低いので、じめっとした暑さがなく、日本よりも体感気温は涼しいかもしれません。 そんなイラン。前回に引き続き、イランの古都「エスファハーン」のイラン暦のお正月:ノウルーズの風景をご紹介します。 イランのお正月は春の訪れ イラン暦のお正月:ノウルーズは3月。春分の日に新年を迎えます。 今年はイラン暦でいうと1397年(۱۳۹۷)。日本のお正月と比べて、イランのお正月は少しお休みが長め。数週間のお正月休みを使って、故郷に帰る人、家族旅行に出る人、様々な過ごし方で新年を祝います。 私たちが宿泊していたアッバースィーホテルも、新年のカウントダウン時には皆がグランドフロアに集まり、その時を待っていました。 新年が明けると、それはもうお祭り状態!ホテルスタッフはお菓子やジュースを配り、新年明けましておめでとうの言葉を掛け合います。 イランの人々は、ここから約1週間から2週間、正月休みを満喫します。そのため、いつもは開いているはずのお店が今日も閉まっている!なんていうハプニングもあります。もしご旅行に行かれる際はご注意を… イスラム教の国のキリスト教会 エスファハーンはまだまだ見所が満載です! 夜にオススメなのがこちら、ヴァーンク教会です。エスファハーンの市内から車ですぐなのも◎。 モスクを多く見る国ですが、ちゃんと教会もあるんです。 ここ、ヴァーンク教会はサファビー朝の全盛期時代に、アッバース1世が新しい都「エスファハーン」を建築するにあたり、優秀な建築家や商人のアルメニア人を移住させ、貢献が認められたの結果、建設された教会…とのこと。壁や天井一面に描かれた絵は圧巻です! そこは例えて言うなら、イランの京都のような街。 わたしは大学時代京都に住んでいたのですが、全く違う国なのに、人も街も…どこか近い部分を感じてしまう街だと、エスファハーンを訪れるたびにそう思います。 テヘランから電車やバスで8時間。飛行機で1時間の、古都エスファハーン。緑が溢れ、大きな大きな広場が迎えてくれるこの街で、忙しい時を忘れ、ただただ空を見上げ、歴史ある建造物を遠くから眺める時間も気持ちのいいものです。 そんなエスファハーン、まだまだご紹介したい場所がたくさんあるのですが…それはまたいつか。長くなりましたが、イランのお正月編は今回で終了。また、日常に戻りテヘラン、イランの暮らしをご紹介していきますね。 これからもどうぞよろしくお願いします。 Mami
2018年05月19日「そこには世界の半分がある」かつてそう言われた都市がイランにあります。 今回ご紹介するのが、その都市「エスファハーン」(イスファハーン)です。 エスファハーンは、16世紀末にサファビー朝の首都として発展した緑豊かな綺麗な街。 前回記事のシーラーズが日本でいう北海道のような街(広くて、壮大で、人が温厚で…)であれば、エスファハーンは例えるならば京都のような土地。 古都エスファハーン。歴史的にも文化的にも重要なものが多く残る、大きな街です。 今回はイランのお正月:ノウルーズのお休みを利用して、このエスファハーンまでお邪魔してきました。 イランの首都、テヘランから飛行機で約1時間。その後バスや電車で約8時間ほどの場所にエスファハーンという都市があります。 「イランに旅行を」と言うと大多数の人がエスファハーンの地名を答えるのではないでしょうか。 そんな一大観光地 エスファハーン。見所がたくさんある本当に素敵な街なんです! 一番有名と言っても過言でない、エマームの広場。 エマームの広場は、2つのモスクと1つの宮殿を持つ広場。その3つを囲うように大きなバーザールが発展しています。 その広さは、1日2日では回りきれないほど!絨毯、スパイス、銅細工、置物、衣服、お菓子などありとあらゆるものを扱うお店が並びます。 観光地なので、日本語が堪能なイラン人が沢山!いくつか、お店の様子を。 ここはサフラン屋さん。サフランとはスパイス(香辛料)のこと。ひとつまみで料理が鮮やかな黄色に染まります。レストランで出てくるパエリアを想像していただくと分かりやすいのではないのでしょうか。実は世界の90%以上のサフランはイランで生産されているんです。高価なイメージのサフランですが、イランの生活には馴染み深いもの。ちなみに日本で購入するより、だいぶ安価に購入できます。お土産にも喜ばれるかもしれません! 「マシュハド」というイラン最大の宗教都市産のサフランが最高級なんだと教えてもらいながら、お土産を購入しました。 そしてここはペルシア絨毯屋さん。エスファハーンはペルシア絨毯も有名とのこと。 チャイ飲む?と何杯も紅茶を頂きながら、色んなペルシア絨毯を見せていただきました。「ペルシア絨毯の柄には意味がある。」お店のお兄さんは日本語とペルシア語を織り交ぜつつ丁寧に話を聞かせてくれます。 織り手が生活の上で大事にしているもの、それが愛であったり、平和だったり。時にはそれが麻薬であったり、ラクダであったり。ザクロの模様で食べ物を表現していたり。 これはラクダをモチーフにしたもの。 いつか王様が求婚してくれないかな?という妄想を表現した絨毯、なんてのもありました。ユニークな絨毯たちを眺めていると、あっという間に半日がたってしまうから不思議です。 他にも、銅細工に加工を施した置物を販売しているお店や イランの伝統工芸ミーナーカーリー(全部手で模様を描いているというから驚き。)のお店も。 普段見慣れないお店に足を止め、心をとらわれてしまうため、大きなバーザールの入り口で1日が終わってしまうほど。結局、エスファハーンに3泊4日したのに、バーザールの3分の1も見ることができませんでした。。 エマームの広場を出ても、エスファハーンは見所がたくさん。例えばスィーオーセポルという大きな橋。 17世紀初頭に建設されたもので、・スィーオーセ:ペルシア語で33・ポル:橋という意味の通り、橋の上に33のアーチを持っています。 年間数日しか橋の下に水が流れないということもここの特徴。橋の下でみんながピクニックをしているのも日本人からすると不思議な光景です。 まだまだご紹介したい場所が沢山あるのですが、続きはまた次回。 今回宿泊した本物のキャラバンサライを改築したホテル、アッバースィーホテルの写真を最後に。 これからもどうぞよろしくお願いします。 Mami
2018年04月26日タレントの泰葉が23日、YouTubeの公式アカウントにアップした動画を通じ、イラン出身の会社社長・メィヒディ・カーゼンプール氏との婚約解消を発表した。泰葉泰葉は「この度、私はお付き合いをしておりました、そして婚約をしておりましたメィヒディ・カーゼンプールさんとお別れというんでしょうか、お友達としてお付き合いしていくことになりました」と報告。「メィヒディさんには本当に『ありがとう』と感謝の気持ちでいっぱいです」「メィヒディさんは誠実で優しくてたくましくて頭が良くて女性思いのすばらしい男性です」と感謝の気持ちと共に、その魅力を伝えた。婚約解消の原因となったのは、新曲「深愛のmythology」のジャケット写真。「喜んでくれる」と思って同氏に見せたところ、「僕はこの写真が気に入らない。変えてくれ」と言われ、「私は本当にショックでした」。「夫でもありませんし、音楽のスタッフでもありません。そこまで入って意見を言うのはまだ早いのではないか」と不満を抱き、「大変ショックで。その文字を見た瞬間に何かがガラガラと崩れる音がしてしまいました」と当時の心境を表現した。また、「メィヒディさんがカナダの会社と契約が結ばれて、カナダのバンクーバーに永住することになっています。夏からそちらに来て、生涯一緒に住もうと言われていました」とも明かし、「美しい街だったので楽しみにしていたんですが、そこには仕事場もあってオフィスもある大変大きな家。女性としては喜んだんですけど、日本での音楽活動が本当に難しくなってしまう」と感じ、移住の決断には至らなかったという。そして、「性格上、白黒はっきりつけるタイプなので。主婦になったら主婦、歌をやるなら歌。両方天秤にかけることができない性格です」「歌で認めてもらってそれが私の生きる道ではないか。音楽で全うする、それが私の天職ではないかと思い、大変苦しみましたが、今回の決断に至りました」と涙を浮かべながら吐露。「すべては『深愛のmythology』でした。この楽曲を生んでしまったのは運命だったのでしょうか。でも、メィヒディさんとはこれからもお友達でいたい。それからまたお目にかかりたい。そういう気持ちでいっぱいです」とメッセージを送り、「メィヒディさん、本当にありがとうございました。そして、ファンのみなさん、これからも宜しくお願い致します」と締めくくった。泰葉は、Youtubeにアップした動画をブログで告知。「ブログなどでにてお知らせをさせていただこうと色々考えましたがたくさんの言葉を伝えるために映像にしてご報告をさせていただく事にいたしました」「このような形になりみなさま方には様々な意見があると思いますがこれからも泰葉を暖かく応援していただけたらと思います」(原文ママ)とつづっている。
2018年04月23日こんにちは、Mamiです。 つい最近まで寒い夜を過ごしていたのに、気づけばすっかり春。イランは3月末にノウルーズ(お正月)を迎え、1397年がはじまりました。(イラン暦、まだ慣れません…) そんな異国でのはじめての年越し。日本から私の母と母の友人が2人で遊びに来てくれました。もちろん2人は初イラン、せっかくなので国内旅行に!首都テヘランから、シーラーズ、エスファハンという都市をゆったりとしたスケジュールでまわってきました。 今回はその中から1カ所、シーラーズという街の絶景体験を記事にしたいと思います。 --- 首都テヘランから飛行機で1.5時間、夜行電車やバスだと大体14時間離れた場所に、シーラーズという街があります。 大きな遺跡「ペルセポリス」があったり、シラーという品種のワインの原産地だったりする土地です。都会のようなせかせか感があまりなく、その代わりに広い空と大きな山と緑がたくさんある、のびのびとした雰囲気はさながら暖かい北海道のよう。 シーラーズを訪れるのは今回で2度目。なかでも、わたしが大好きな場所がここ! 通称「ピンクモスク」こと、マスジェデ・ナスィーロル・モスクです。 まさに、光を浴びるという表現!とはじめてここにきた時に感じました。 モスク内の壁一面のステンドグラスに朝日が差し込み、床にひいてあるペルシア絨毯や繊細な模様が描かれたタイルを彩ります。係員の方に伺うと、この景色を見るためには、季節にもよりますが朝8時ごろがベストとのこと。 ですが観光の繁忙期にはたくさんの人で賑わうので(ノウルーズの期間はイラン人もみんな旅行に出る時期)、わたしのオススメはオープン直後の朝7時ごろ。それはこれから綺麗に光が差し込む様子を、贅沢に独り占めできるから!早朝のまだ薄暗い時間帯には、ふんわりと柔らかなパステルカラーの光。それが陽が昇るにつれてパキッと鮮やかなビビッドカラーの光に変化していくさまは、思わず見とれてしまうほど美しいのです。また、春の光、冬の光…季節によっても、また天気によっても光の差し方が変化するのも見所のひとつ。 そしてモスク内だけでなく、外壁も可愛い! イランのモスクはブルー系が多い印象なのですが、ここのモスクはピンクやイエロー系。ひとつひとつ手で丁寧に修理、手入れをしています。 もし、イランに来られる際は…頑張って早起きしてピンクモスクの光を浴びて。お昼頃からちょっと遠出して、ペルセポリスでシルクロードを感じる、なんていう過ごし方もいいかもしれません。 シーラーズのピンクモスク、いかがでしたか。 次はイラン ノウルーズ旅行の2都市名、エスファハンをご紹介出来ればと思います。エスファハンはかつては「世界の半分がそこにある」と言われた場所! これからもどうぞよろしくお願いします。 Mami
2018年04月10日こんにちは、Mamiです。 今回も、イランのお正月ノウルーズにまつわる話を紹介させていただきます。舞台は前回に引き続き、テヘランで開催される「バハーレ」(ペルシア語で春を意味します。)という大きな市場から。 イランでも、お正月が近づくと、新年に使う色々なものを新調します。 たとえば、服。日常着る服はもちろんですが、イスラム圏ならではのお店も。 こちらはチャードルという黒い布。イランの女性が外に出る際に服の上から着用する伝統的な衣装です。 モスクに礼拝する際や、人によっては日常から着用していたり。(ヘジャブの着用は義務づけてありますが、チャードルの着用は義務ではありません。) また、黒のチャードルのように、モスクに入る際などに着用するカラフルな布も。 わたしも前に観光に行った際に貸していただきました。 現地の人が着用すると違和感がないのに…と毎回想像とのギャップに笑いが。 __ チャードルの他にもたくさんの品が並びます。 機械織りのクロスたち。イランでは、写真のような細かな刺繍作品、鮮やかなブルーをよく目にします。 モスクの色にも似ていて、1番中東っぽい!と思う色かも。 たくさん並ぶイランの国産商品たち。中でも1番テンションが上がったのは、やっぱりこれ。 イランといえばやはり「ペルシア絨毯」です。先日「マツコの知らない世界」という番組で、ペルシア絨毯の世界が紹介されていました。お高いイメージのペルシア絨毯。わたしの住むテヘランの街にもたくさんのペルシア絨毯屋さんが軒を連ねます。 もれなく、バハーレの会場にも! 日本では数十、数百万〜高いものでは数千万するといわれるペルシア絨毯ですが、イランの生活にペルシア絨毯は欠かせません。わたしが住むマンションにも、大家さんがあらかじめ敷いてくださっているペルシア絨毯が大きなものから小さなものをあわせて5枚あります。 はじめて見たとき、こんなに敷くの?と驚いたものですが、イラン人から言わせると「床がこんなに見えているなんて。。もっと敷かないと落ち着かないよ!」とのこと。 バハーレの会場には、比較的安価な数万〜数十万円のものが並んでいました。床に敷く以外にも、壁に飾る用のものも。 手織りの絨毯はもっとゆっくり、しっかり選びたかったので、今回は機械織りの絵のように飾るものを。 日本に住む父にプレゼント!兄弟が馬術をやっているので、馬の絵を。このサイズで7000円でした。 イラン人にとっても、絨毯は安いものではありません。だけど生活に密接した大事なもの。 3.4年は住む予定なのでいろんなペルシア絨毯に出会いたいなと心躍る日々です。 __ イランの新年を迎える前の催しバハーレ。産地の方がこのバハーレのために、数日かけて商品をイラン各地から運んできて、販売しています。 実は、1979年の革命以降、色々な制裁をかけられているイラン。 海外製品の輸入に制限が多くあるため、暮らしてみると、無い物・何故か高い物が多く目に付きます。 でも悲観しても切ないばかりだし、国としてすぐに解決する問題でもないなと感じています。 せっかくの機会なので、今ここに住んでいて、ここだから感じられる空気、ここだから手に入る物、それを作り、大切にしている人をもっと知って、理解していけたら幸せなのかもしれないなと思います。 __ さて、次回の記事は「イランで過ごすはじめての年越し。イランにはじめてお客さんを招いてみた!」です。 イランのお正月休み、なにをして過ごそうかと悩んでいたら、なんと、日本に住む母と母の友人が遊びに来ることになりました。 ドキドキ!これからもどうぞよろしくお願いします。 Mami
2018年03月26日3月を迎えたイランはお正月ムード。イランは西暦ではなく、春分を新年とする太陽暦、通称「イラン暦」で1年が流れていきます。 今回はイランのお正月「ノウルーズ」を記事でお伝えできればと考えています。 日本と似ている!と感じたことや、ペルシアならでは!と感じたことを、イランのお正月準備市「バハーレ」の舞台からご紹介します。 イラン人は、ノウルーズが近づくと、新年に向けた準備をはじめます。 日本人と同じで、新しい年を迎えるために、洋服を新調したり、寝具を買い換えたり、お正月料理に使う食材を買いそろえたり。もちろん大掃除も。 そんなお正月を迎える準備を始める時期に出現するのが「バハーレ」という、お正月準備市です。 イメージが湧きやすいようにお正月準備市と称していますが、実際は大型の見本市のようなもの。 日本の4.4倍の国土を持つ広大なイランの様々な地域から、商人が名産品を持ち寄り、さながら日本の市場のようなものが催されます。 敷地内には大きな大きなテントが6つ程。実はこのテントひとつに、お店が150以上入っています。 販売されているものは様々で、肉や魚、豆類やスパイス、蜂蜜等の食品から、衣服やカバン・ベルト・財布等の革製品。ペルシア絨毯や絵画、鮮やかな焼き物や蝋燭などの芸術品まで。全国から集まった名物のお菓子や手作りのアクセサリーなど。衣食住に関わるモノが、幅広く取り揃えてあります。 実はイラン、アメリカと世界1位を争うピスタチオの生産国なのです。ピスタチオをはじめとする豆類が所狭しと並びます。 イランの焼き菓子や、胡麻やナッツを混ぜて作った練り菓子、ひきたてのスパイスも。 こちらは、「世界の半分」と言われていた世界遺産エマームの広場があるイスファハンから持ってこられたギャズというお菓子。 たくさんの試食をいただきながら、イランの名産品に触れることができるバハーレ。 半日では回りきれないほどのお店が並んでいました。 長くなってしまうので、今回は食品編。次回は、目にも鮮やかな絨毯や器、女性用の衣類などの市の様子をお伝えします。 Mami
2018年03月16日日本から7,500km離れた中東の国に、ひょんなことから引っ越すことになった。 東京 新宿で出会った男性は変わった人で、「あと3ヶ月後に中東に引っ越すんだ。数年は住むと思う。」と、初対面の私にそう言った。 人生とは面白いもので、その後私は彼と結婚することになり、現在イランの首都 テヘランに住んでいる。 イランに住むんだと人に告げると、まずは中東全体の漠然としたイメージからか、「テロは大丈夫?治安は?」と心配されたり、イスラム教の漠然としたイメージからか「女性は大変なんじゃないの?」と同情も含めた心配をされたり。天候面でも「暑いんでしょ?大丈夫?」と灼熱の国のイメージを持たれたり。 かくいう私も、彼と出会うまではイランという国がどこにあるかもわからず、“ググっても何も出てこない、バックパッカーの人が世界一周の途中に訪れる国”というイメージしか持っていなかった。 日本では、平凡な学生生活を謳歌し、東京に出てがむしゃらに働いていた私。そんな私が、結婚を機にイランに住むか否かの決断を迫られる事になる。 そして、将来に向けてどんな人生を送りたいかと立ち止まって考えた時に、知らない国を感じてみる暮らしを選ぶことにした。 この国は、思っていたよりも綺麗で、あたたかくて、優しい。不便なこともたくさんあるけれど、知ってもらえたらイメージが変わるのかも! と思えることがたくさんある国。 ひとつひとつを手作業でメンテナンスしている綺麗なモスク。 人が行き交う大きなバーザール(中東諸国・中央アジア・インドなどの市場のこと)。 夜のレストラン。オープンな恋愛のイメージのないイランのデートスポット。 もちろん、各地に点在する2500年の歴史を誇るペルシア帝国の世界遺産や観光地も。こちらはペルセポリスとエマームの広場。 そして、宗教的なきまりからファッション誌がないこの国の、今時ファッションやグルメの流行について。 細かく細かく作られた、ペルシャ絨毯や建築物のこと。 7,500km離れたここイランから、ヒジャブでお洒落を楽しみながら、街を歩いて、生活して、人と出会って、感じたこと、見たこと、食べたこと、色んなことを記事にしていけたらなと思います。 (ヒジャブとは、イスラム法で規定されている一定年齢以上の成人女性がかぶるシャールのこと。イランでは、国籍や宗教の如何に関わらず、ヒジャブを被ることになっています。) これから、どうぞよろしくお願いします。
2018年03月04日イラン出身の男性メィヒディ・カーゼンボールさん(36)との婚約を発表したタレントの泰葉(56)が20日、都内で2人そろって会見を行った。泰葉は今の心境を聞かれ、「感無量だわ」と目を潤ませながら返答。メィヒディさんも「泰葉様と一緒にいることを大変うれしく思います」と幸せそうな表情を見せた。Facebookで出会ったという2人。泰葉は「優しい。寛大。すごく心が広い」と惹かれたポイントを明かし、メィヒディさんも「大変優しい心の持ち主です。そして、泰葉様が文化的ないろんな活躍をしていることを本人から聞き、より興味が増した」と語った。また、泰葉は「2019年12月31日をもって芸能活動すべてを引退します」と引退を発表。「女性として子供ができなかったものですからどうしても子供をつくりたい。彼の血筋を残したいというのが希望で、たくさんの子供を育てるために引退します」と理由を説明した。泰葉は、1987年に落語家・春風亭小朝と結婚したが2007年に離婚。今月14日にブログで婚約を発表していた。
2017年09月20日タレントの泰葉(56)が14日、自身のブログを更新し、イラン出身の男性ミィヒディ・カーゼンボールさん(36)と婚約したことを報告した。泰葉は2人で抱き合っている写真を公開し、「ミィヒディ カーゼンボールと私 泰葉は本日婚約しました」と報告。「20日に二人で会見を行います」と発表し、「プレス各位みなさま現在準備を進めていますよろしくお願いします」と呼びかけた。また、別の投稿で「長い道のりやっと掴んだ幸せですなんか演歌みたい」と心境をつづり、「優しい優しい人でしたメヒディ カゼンポールさん1981.8.18生まれ36歳 イランテヘラン出身です」とお相手について紹介した。
2017年09月15日本当に欲しい絨毯に出会える「バハール」社長のグーチャーニー・ビジャンさんは日本に母国イランの素晴らしい文化を伝えたいという強い想いから、2000年に「バハール」をオープンしました。「バハール」はペルシャ語で「春」という意味の言葉です。そんな「バハール」では、「本当にその人に合った絨毯を購入して欲しい」というビジャンさんの意向でネット販売は一切行っていません。一生使い続けることができる本当に良い絨毯を一緒に選んでもらえます。自分の手でギャッベが織れる「ギャッベ教室」イランの遊牧民カシュガイ族やロル族の女性たちが作る手織りの絨毯の"ギャッベ"。西荻窪にあるペルシャ絨毯、ギャッベ、キリムの直輸入販売店「バハール」では、自分の手でギャッベを作ることができる「ギャッベ教室」が人気を集めています。ギャッベ教室では、ペルシャ絨毯などとは違い図案がなく、自分自身の感性で自由に織ることができるギャッベをはじめから織る体験ができます。1回2時間30分、全5回の教室で、最初は20cm角の鍋敷きサイズのギャッベ作りに挑戦します。完成するまでに時間は掛かりますが、一つ一つの作業はあまり難しくありません。道具や材料も用意されているので、手ぶらで通うことができます。アットホームな雰囲気とギャッベを織る作業がストレスの発散にギャッベ教室を受講している方同士は非常に仲が良く、アットホームな雰囲気が印象的です。もくもくと作業に打ち込んでいる方もいれば、世間話をしながら楽しそうに作業を進めている方もいました。毎週ギャッベ教室に通っている受講者の方は、「ここにくると、日々のストレスから解放されるんです」と話してくださいました。本当に欲しい絨毯に出会える「バハール」。あなただけの一枚を探しに、お出かけしみては?スポット情報スポット名:バハール (Bahar)住所:東京都杉並区西荻北4-8-13電話番号:03-3399-5944
2017年06月21日本年度アカデミー賞外国語映画賞に輝いた傑作サスペンス『セールスマン』に出演するイラン人女優のタラネ・アリドゥスティが初来日を果たし、6月9日(金)、東京・千代田区の日本プレスセンターで会見を行った。イラン映画界の巨匠、アスガー・ファルハディ監督が『別離』に続き、2度目のアカデミー賞外国語映画賞を獲得した本作。しかし、トランプ政権がイラン人などへのビザの発給制限を検討しているとの報道を受けて、監督とタラネは授賞式をボイコットし、世界中の注目を集めた。「自分が出演した映画が、アカデミー賞に輝くことは非常に光栄。もちろん、授賞式の場にいたかった気持ちはありますが、私たちが欠席したことで、この問題がより注目され、ほかの国の映画人が抗議の声をあげてくれたことのほうが喜ばしい」と現在の思いを語るタラネ。「映画を通して、異文化を知り、交流することこそが大切」と訴えた。思わぬ理由で転居を余儀なくされたテヘラン暮らしの国語教師エマッドと妻のラナ。2人が参加するアマチュア劇団の仲間に紹介された賃貸物件に引っ越して、わずか数日後、夫の留守中に、ラナは何者かに暴行されてしまう。エマッドは、現場に残された手がかりを頼りに、愛妻を傷つけた犯人を突き止めようとするが、事件を表ざたにすることを拒否するラナとの間で、夫婦の溝が深まっていく。女性が性犯罪の犠牲になる傾向が強い現状について、タラネは「これはグローバルな問題。法律を厳しくするだけではなく、文化的な側面から、人々の考え方そのものを変える必要がある」と語り、「特に被害を受けた女性側が、自分に“恥”を覚えてしまうということは絶対にあるべきではありません」と熱弁。また、「ネットが発達した時代ですから、疑問について自分でリサーチして情報を得ることは可能。メディアの報道だけを鵜呑みにするのか、自分の手で真実を知るか、私たちは選べる立場にいるのです」と話していた。『セールスマン』は6月10日(土)よりBunkamura ル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:セールスマン 2017年6月10日よりBunkamura ル・シネマほか全国にて順次公開(C) MEMENTOFILMS PRODUCTION-ASGHAR FARHADI PRODUCTION-ARTE FRANCE CINEMA 2016
2017年06月09日本年度第89回アカデミー賞にて外国語映画賞を獲得したイランの名匠アスガー・ファルハディ監督の『セールスマン』。このほど、本作の日本公開日が6月10日(土)に決定し、ファルハディ監督のコメントとともに貴重なメイキング画像が解禁となった。作家アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演中の夫婦。夫は教師をしながら、小さな劇団で妻とともに俳優をしていた。ある日、引っ越ししたばかりの自宅で、夫の留守中に妻が何者かに襲われ、暴行を受ける。事件を表沙汰にしたくないと、警察への通報を拒否する妻の態度に納得できない夫は、自分自身で決着をつけるべく、ひそかに犯人捜しを続ける。演劇と犯人探し、夫婦の感情のずれがスリリングに絡み合い、やがて事態は思わぬ展開に…。第69回カンヌ国際映画祭にて脚本賞&主演男優賞をW受賞し、本年度アカデミー賞では外国語映画賞に輝いた本作。しかし、ファルハディ監督と主演女優のタラネ・アリドゥスティは、トランプ政権の入国禁止措置に抗議し、授賞式へのボイコットを表明、連日大きくニュース報道もされた。その渦中にあって国境や信教を超えて作品が高く評価され、見事、外国語映画賞を受賞したファルハディ監督。『別離』(’11)でも同賞に輝いており、二度目のオスカー獲得という快挙を成し遂げた。ファルハディ監督は、本作について「ひとつの映画で、7,000万人のそれぞれの信仰や生活がある多様な社会全体を描くことは、誰もできないことだと認識しています。しかし、ひとつの映画で、ひとつの社会の風景を描くことはできます。それが、たとえ、私の視点であったとしてもです。しかし、映画監督として、自分の才能を限定しない限りは、イランに開かれた窓を提供する機会を与えられていると思っています」と、映画制作に込めた思いを口にする。また、暴漢に襲われる妻・ラナ役を演じたタラネ・アリドゥスティについて、「この映画の概要を書いているときから、この夫婦役を誰が演じるか考えていました。それが、映画の世界に入っていくのに大変役に立つのです。撮影中、私はとても安心した状態でいられました。なぜなら、みんなが役柄のテイストを理解していたからです」と語る。タラネから「なぜラナは家族と一緒に住んでいないのか?」と聞かれたという監督は、「私は『彼女の家族は違う町に住んでいる』という考えを伝えました。そうすると、彼女は『わかりました。それではこれから私はこの役柄をいままでとは変えて演じます。だって、彼女は地方出身ですから』と言ったのです」と、彼女との役作りにおけるやりとりを明かしている。イラン国内では60万人を動員する大ヒットとなり、全米でも1月27日にたった3館で限定公開されたが、その週公開の作品でアベレージ1位となるヒットスタートを記録。緻密な脚本と繊細な演出、スリリングな心理描写で事件の真相を紡いでゆく、サスペンスドラマの傑作として熱い視線を送られている。そして今回、主演女優タラネの来日も決定。日本でもさらに注目を集めそうだ。『セールスマン』は6月10日(土)よりBunkamura ル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2017年03月08日「第69回カンヌ国際映画祭」にて脚本賞と主演男優賞をW受賞し、アカデミー賞外国語映画賞の最有力候補作とされるイランの名匠アスガー・ファルハディ監督の最新作が『セールスマン』(英題:THE SALESMAN)として、6月、日本上陸を果たすことが分かった。作家アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演中のある夫婦。夫は教師をしながら、小さなの劇団で妻とともに俳優としても活動している。ある日、引っ越ししたばかりの自宅で、夫の留守中に妻が何者かに襲われ、2人の穏やかだった生活は一変する。事件を表沙汰にしたくない、と警察への通報を拒否する妻の態度に納得できない夫は、自分自身で決着をつけるべく、ひそかに犯人捜しを続ける。舞台の上と現実の犯人探し、夫婦の感情のずれがスリリングに絡み合い、やがて物語は思わぬ展開に…。『別離』でアカデミー賞外国語映画賞のみならず、ベルリン国際映画祭で史上初の金熊賞(最高賞)、銀熊賞(男優賞/女優賞)の主要3部門を受賞、続く『ある過去の行方』ではカンヌ国際映画祭にてベレニス・ベジョに主演女優賞をもたらしたイランの名匠アスガー・ファルハディ監督の最新作。イラン国内では約10人に1人が観たことになる60万人動員の大ヒットを記録し、本年度カンヌ国際映画祭での脚本賞&主演男優賞をW受賞。2016年ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞外国語映画賞を受賞し、第74回ゴールデン・グローブ賞にもノミネート、第89回アカデミー賞外国語映画賞のイラン代表作品にも選出されており、本日24日(火)夜に発表される同ノミネーションにおいても最有力候補とうわさされている。緻密な脚本と繊細な演出により、夫と妻のスリリングな心理描写とともに事件の真相を紡いでゆく本作。ファルハディ監督の手腕が光る、新たな傑作を楽しみにしていて。『セールスマン』は6月、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2017年01月24日エアバスは現地時間の1月28日、イランがエアバスと新造機の購入および民間航空産業における包括的協同に関して協定を締結したことを発表。加えて、エアバスとイラン航空はエアバス機の導入(73機のワイドボディ機と45機の単通路型機)に関して同意した。この同意内容には、導入機材の効率的な運航と運航開始を支援するパイロットや整備士の訓練、サポートサービスの提供が含まれている。さらに、イランの道路・都市開発大臣によって、イランの民間航空産業の近代化計画の一環として包括的協同の同意が締結された。これにより、航空交通管理(ATM)の開発や空港および航空機の運用、規則に関する調和、技術および学術訓練、整備、修理、産業協力の支援が実施される。これらの同意は、1月16日に履行された包括的共同作業計画(JCPOA)および関連する規則と指標の一環として締結された。また、イラン航空は合計118機のエアバス機を導入することで同意した。内訳は、A320ceoファミリーが21機、A320neoファミリーが24機、A330ceoが27機、A330neoが18機、A350-1000が16機、 A380が12機となっている。
2016年01月29日アジア最大の短編映画の祭典『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2015』が6月15日に最終日を迎え授賞式が開催。イラン映画『キミのモノ』がグランプリを獲得した。その他の写真今年で17回目を迎える同映画祭は6月4日より渋谷、原宿、表参道、二子玉川、横浜などで12日間の日程で開催されてきた。コンペティション部門は作家の冲方丁、俳優で映画監督の奥田瑛二、映画作家の河瀬直美、俳優の要潤、女優の藤原紀香、韓国の人気俳優チョン・ウソンという豪華メンバーが審査員を務め、期間中に上映された85作品(応募総数は4559作品!)の中から、“インターナショナル部門”、“アジア インターナショナル部門”、“ジャパン部門”の優秀作品を選定。その3作品からさらに、グランプリが選ばれた。『キミのモノ』は手に入ることのない物を自分の物だと主張するふたりの少年の姿を描いた作品で、テヘランで映画制作を学んだイラン人監督のレザ・ファヒミ監督にとっては2作目のショートフィルムとなる。“アジア インターナショナル部門”に続き、最優秀賞にあたるグランプリの受賞を知らされたファヒミ監督は満面の笑みを浮かべ「夢を見ているよう。この作品に携わり、協力してくれたみなさん、そして子供たちに感謝したいです。撮影を行った7日間、私たちは子供の視線で世界を見ていました」と喜びと感謝を口にした。なお同作は来年の米アカデミー賞の短編部門のノミネート選考対象となる。審査員6名はいずれも子供の視点で現実を描いた同作を激賞。藤原は子供の所有欲を描きつつ「大人になっても所有や侵略が世界の平和を脅かしている。メッセージをダイレクトに感じました」と語り、海外映画祭常連の河瀬も「世界の縮図に思えて、刺激的で勉強させてもらいました」とうなずいた。“インターナショナル部門”優秀賞はチュニジア出身のロットフィ・アコー監督の『父親』、“ジャパン部門”優秀賞(東京都知事賞)は沖縄出身の岸本司監督の『こころ、おどる-Kerama Blue-』に贈られた。授賞式には音楽をテーマにした“ミュージックShort部門”にGLAYやKABA-BOONも来場。ネット上の投票でネスレアミューズ映画祭のアワードを受賞した園田俊郎監督がネスレ日本の支援を受けて制作した『恋する占女リータ!』もこの場でお披露目され、主演の浅見れいな、大和田健介、IVANらによる舞台あいさつも行われるなど、多彩なゲストに声援が送られた。取材・文・写真:黒豆 直樹
2015年06月17日「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2015」が6月15日(月)に最終日を迎え、アワードセレモニーが開催。イラン映画『キミのモノ』がグランプリに輝いた。今年で17回目を迎える映画祭は12日間の日程で開催され、コンペティション部門だけで85作品が上映されたほか、各種イベントも行われるなど、アジア最大の短編映画祭にふさわしく大きな盛り上がりを見せた。ちなみに、コンペ部門の審査員を務めたのは、作家の冲方丁、俳優で映画監督の奥田瑛二、海外映画祭の常連監督である河瀬直美、俳優の要潤、人気韓国人俳優のチョン・ウソン、そして女優の藤原紀香と超豪華な顔ぶれ。中でもつい最近、歌舞伎役者の片岡愛之助との熱愛が報じられた藤原さん目当ての報道陣も数多く会場に詰めかけたが、藤原さんはチャイナドレス風の真っ赤なドレスでスリットから素足をのぞかせながら笑顔でレッドカーペットを歩いた。このほか、楽曲を元に製作される「ミュージックShort」部門に楽曲「疾走れ!ミライ」を提供した「GLAY」や「生きていく」を提供し、俳優業にも挑戦した「KANA-BOON」なども来場し、大きな盛り上がりを見せた。85作品の中から「インターナショナル部門」、「アジア インターナショナル部門」、「ジャパン部門」の3部門の優秀賞が選定され、その中からさらにグランプリが決定するが、子供の視点で物語を紡いだ、イラン人レザ・ファヒミ監督の手による『キミのモノ』が「アジア インターナショナル部門」優秀賞に続き、グランプリを獲得!ファヒミ監督は「夢を見ているよう。撮影を行った7日間は子供の視点で世界を見ていました」と喜びを口にした。審査員の中でも藤原さんは、子供たちがあらゆるものを“自分の物”であると主張するさまを描いた同作に触れ「子供の世界を描いていますが、大人になっても所有や侵略により、世界の平和が脅かされている。メッセージがダイレクトに伝わってきました」と称賛。他の審査員からも、現実や大人の世界を感じさせつつ、子供の視点で世界を描いた本作への絶賛の声が寄せられた。グランプリ受賞はならなかったものの、「インターナショナル部門」優秀賞はチュニジア出身のロットフィ・アコー監督の『父親』、「ジャパン部門」優秀賞(東京都知事賞)は沖縄出身の岸本司監督の『こころ、おどる-Kerama Blue-』が受賞した。映画祭の創設者であり代表を務める別所哲也はあと3年で迎える記念すべき20回に向け、さらなる飛躍を誓い、盛況の中で映画祭は閉幕した。(text:cinemacafe.net)
2015年06月15日エキゾチックな芳香をもち、料理を鮮やかな黄金色に染めるサフラン。世界で最も高価なスパイスとして知られ、パエリアやブイヤベースといった各国料理にも欠かせません。世界で最も高価なスパイス、サフランサフランはアヤメ科の多年草で、秋に薄紫の花を咲かせます。スパイスとして利用するのは、花の真ん中にある雌しべの部分。これを手で摘み取って干して使います。1つの花に雌しべはわずか3本しかなく、1gのサフランをとるのに約160個もの花が必要です。それほど貴重なことや作業の手間を考えれば、高価なのも納得ですね。サフランは紀元前からヨーロッパでは香料や染料として利用され、古代ギリシャでは王族のみが使用できる「ロイヤルカラー」として珍重されたこともあるとか。日本へは江戸時代に薬として伝わり、明治以降になって国内栽培も始まりました。現在、世界のサフランの9割以上はイラン産です。血行不良、冷え性、更年期障害、月経不順の緩和にもサフランにはさまざまな薬効があり、医薬品としてもよく使われています。今年4月、イラン・イスラム共和国大使館にて千葉大学名誉教授の池上文雄先生がサフランにまつわる講演をおこない、その薬効についても教えてくれました。池上先生によれば、サフランは鎮静や鎮痙、また婦人用薬として冷え症や血行不良の緩和のために利用されているとのこと(※ただし、通経作用があるので妊婦の服用は禁忌)。また、女性の更年期障害や月経不順からくるイライラや頭痛といった症状の緩和にも利用されているそうです。さらにサフランの色素成分であるクロシンは抗酸化作用が強く、安全性が高いため、アルツハイマー症やパーキンソン症などにも応用でき、脳梗塞予防効果も期待できるといいます。このほかクロシンには、記憶学習障害の改善作用、大腸がん予防などに効果があるという報告もあるそうです。スーパーなどのスパイス棚に売られているサフランは食品なので上記のような効果効能は謳えませんが、こうした働きを期待することはできるでしょう。美味しく手軽に! サフランの使い方サフランは独特の芳香があり、わずかな苦味と香ばしい風味が持ち味。サフランを使った料理といえば、リゾットやパエリア、ブイヤベースなどが代表的です。サフランは香りが強く、少量でも鮮やかな色に染まるので、使う量は控えめでOK。リゾットやパエリアのような米料理なら色付けがメイン、ブイヤベースなどでは魚の臭みを消す効果もあります。油に溶けず、水に溶ける性質があるので、使うときはしばらく水かお湯に浸し、その着色液を料理に使います。空気に触れ、湿気を含むと、香りが減ります。また光も苦手なので、密閉容器に入れ、冷暗所で保管しましょう。サフランを使ったおすすめレシピサフランならではの美しい色をつけた料理は見た目にも食欲を誘います。日常的に使うなら、お湯を注いでサフランティーにしたり、スープやドレッシングの色付けに使ってもいいですね。サフランライスを炊いて、カレーに添えてもおいしいです。ひとひねりあるレシピなら「パスタでパエリア」もおすすめ。お米の代わりにパスタを使ったレシピは、通常のパエリアより短時間で作れるのもメリットです。▼「パスタでパエリア」「パスタでパエリア」のレシピはこちら→ また、サフランを使った料理の代表格、「ブイヤベース」も、ぜひトライしたいメニュー。魚介の旨味たっぷりの贅沢な味わいがたまりません。▼「ブイヤベース」「ブイヤベース」のレシピはこちら→ 古くからその薬効が伝えられてきたサフラン。ぜひ気軽に食卓に取り入れてみては。
2015年06月12日「まだ見ぬデカ盛りはないものか……」とネットサーフィンに勤しんでいたデカ盛りファンの筆者。すると、「東京都の上板橋にデカ盛りのイラン料理居酒屋がある」との情報が目に飛び込んできた。イラン料理……のデカ盛り!? イラン料理にそもそもなじみがないので一体どんな店なのか想像もつかないが、胃袋的にワクワクする語感であることは間違いない。しかも、フードはすべて400円との噂!! 「イラン料理×デカ盛り×全フード400円」という魅惑的かつ摩訶不思議な組み合わせ。むむっ! こりゃ、実際に突撃してみるしかないですぜ!!○ダジャレ大好きな名物イラン人店主やって来たのは東武東上線の上板橋駅から徒歩8分ほどの場所にある「居酒屋 花門」。看板にはでかでかと「COME ON」の文字が。つまり、「花門」に「カモン」。あぁ、なるほど……。クセ者のマスターがいるような気配をビンビンと感じつつ、おじゃましますっ!「はい、いらっしゃい~」と、陽気に声をかけてくれたのは花門の名物マスターであり、イラン人のマンスさん。店内はいかにも日本的な雰囲気だが、ところどころに中東テイストが混じっている。……というか、そんなことよりもツッコミどころが多すぎる! まず、なんでこんなにたくさん時計があるんですか!?「そんなことは"ほっとけい"ってね」(マンスさん)。あああっ! 聞くんじゃなかった!! でも、ちょっと吹き出してしまった自分のバカバカッ! これ以上ツッコんでいたらキリがない気がするので、とりあえずデカ盛りをいただきたいですっ!! そこでさっそく「ポテトサラダ」と「イランの煮物」(各400円)を注文!○とある夫婦がキッカケで激安デカ盛りに!そして、運ばれてきたポテトサラダを見て驚愕!! もう山ですやん! ポテサラマウンテンですやんっ!! これで400円だというのだからゴイスー!!!だがしかし! 肝心なのはそのお味。では、いただきま~す! ……ウ、ウマい!! シンプルな味付けながら、茹で玉子とハムがゴロゴロと入っており、粗挽きのブラックペッパーがいいアクセントになっている!……と、ポテサラを食べ進めているうちにイランの煮物が運ばれてきた。って、これも量がハンパない! お味は、例えるならトマトベースのスープカレーといった感じ。スパイスが効いてはいるが、優しい味でこれまたウマい! イラン料理を食べるのは初めてだが、なんだか懐かしい味だ。味もさることながら、やっぱりこの量で400円は驚き! なんでこんなに安いんですか、マンスさん。「20年くらい前、とあるご夫婦が来店したんだけど、奥さんが妊婦でね。奥さんは800円ほどするサイコロステーキを注文しようとしてたんだけど、旦那さんが『予算がないから安いのにしよう』と言って、サイコロステーキではなく380円の料理を食べて帰ったんだ。そのとき『もし、サイコロステーキが380円だったら奥さんも食べられたし、お腹の赤ちゃんにも栄養がいったんじゃないか』と考えたら悲しくなって、翌日に全メニューを380円にしたんだよね。しかも、逆に料理の量を増やしてやった(笑)。お客さんがみんな笑顔になって帰ってくれるのが一番大事。人が笑ってくれると自分も幸せをもらえるから」。ううう……なんていい話なんだ!「私は周りの人に助けられながらお店をやってきたんだよ。隣のお豆腐屋さんには豆腐を分けてもらうこともあるし、とある男性は『花門にカモン! 』というブログを毎日書いてくれている。そういう絆って大事だと思う。その恩返しじゃないけど、『今、私に何ができるか』を考えて、お客さんに笑顔になってもらうために頑張ってるんだ。実は私、画家としても活動しているから、絵の売り上げを東北に寄付したりもしてるしね」。実はマンスさん、「日展」に7度も入賞するほどの絵の腕前なのだ。ただのオヤジギャグ好きのイラン人だと思っていてすみません、素晴らしいです! ……と、感動していたのもつかの間、「私は林先生より前に『今でしょ! 』と言っていた」だの「さんまさんより前に『しょうゆうこと! 』っていうギャグを使っていた」だのと、また軽口をたたき始めたマンスさん。真面目な話をしたかと思えば、しょうもない話を挟んでくる。でも、いつの間にか時間を忘れて笑顔になっていたのは事実だ。マンスさんの愛情がこもったデカ盛りとしょうもないダジャレでお腹いっぱいになりたい方は、今すぐ花門にカモン!!※価格はすべて税込(文・A4studio千葉雄樹)
2015年04月02日イランの最高指導者ハメネイ師が、クリント・イーストウッド監督の最新作『アメリカン・スナイパー』を批判するコメントを出した。自分は映画を観ていないと認めながらも、同作品は「クリスチャンや、ムスリム以外の若者に、できるかぎりムスリムに嫌がらせをしろと奨励する映画だ」と国営の新聞に対して語ったもの。その他の画像『アメリカン・スナイパー』は、イラクに遠征した米戦士クリス・カイルの自伝にもとづく戦争ドラマ。R指定のシリアスな映画であるにも関わらず、北米では3億ドル以上という、まるでスーパーヒーロー映画のような大ヒットとなり業界を驚かせている。アラブ諸国でもヒットしており、すでに30万人が観たとされている。イラクでも7000人が観たとされるが、上映される地域は偏っており、バクダットでは暴動の可能性などを警戒し上映されていない。『アメリカン・スナイパー』2月21日(土) 全国公開文:猿渡由紀(C)2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2015年02月18日イラン・イスラム共和国は2015年2月2日、人工衛星「ファジル」を搭載した「サフィール」ロケットの打ち上げに成功した。イランにとってこの打ち上げは前回から約3年ぶりの衛星打ち上げ成功となり、またファジルはイランが自力で開発した衛星としては4機目となった。○サフィール・ロケット、衛星ファジルを打ち上げファジルを搭載したサフィールは、イラン標準時2015年2月2日14時20分ごろ(日本時間2015年2月2日17時50分ごろ)、イラン北部のセムナーン州にある、ルーホッラー・ホメイニー宇宙センターから打ち上げられたとされる。イランは打ち上げ時刻については明らかにしていないため、この時刻は衛星が乗っている軌道の情報からの推定である。打ち上げ後、米戦略軍の統合宇宙運用センター(JSpOC)が運用する宇宙監視ネットワークによって、軌道上に2つの物体が乗ったことが検知されている。宇宙監視ネットワークとは、米国の本土をはじめとする世界のあちこちに設置された、数十基からなる望遠鏡やレーダーを使い、地球周辺の軌道を回る物体を検知、追跡するシステムで、軌道上にある物体を管理、監視し、人工衛星や宇宙ステーションに、他の衛星やデブリなどが衝突する可能性がある場合に警告を出したりといった役目を担っている。宇宙監視ネットワークの観測データによれば、物体のうち1つは、地球の地表に最も近い点(近地点高度)が224km、最も遠い点(遠地点)が470km、赤道からの傾き(軌道傾斜角)が55.53度の軌道に、もう1つは近地点高度224km、遠地点高度460km、軌道傾斜角55.54度の軌道に乗っているという。現在、暫定的に前者には2015-006A、後者には前者には2015-006Bという名前が与えられており、どちらかがファジルで、もう一方がロケットの最終段だと考えられる。イランにとってこの打ち上げは前回から約3年ぶりの衛星打ち上げ成功となり、またファジルはイランが自力で開発した衛星としては4機目となった。○衛星ファジル「ファジル(Fajr)」はイラン・エレクトロニクス・インダストリーズ社が開発した衛星で、「夜明け」、もしくは「オーロラ」といった意味だという。打ち上げ時の質量は52kgで、設計寿命は1年半ほどとされる。衛星にはカメラが搭載されており、地球を観測することが可能だという。またGPS機器も搭載しているとされるが、もちろんGPS衛星というわけではなく、位置の把握などに使われると考えられる。また「コールド・ガス・スラスター」を持ち、軌道を変えることができるともいわれる。コールド・ガス・スラスターとは、窒素ガスなどをあらかじめ掛けておいた圧力だけで噴射するエンジンで、その仕組み上、推力は弱いが、構造が簡単という利点がある。打ち上げから1週間が経った2月9日現在、軌道を変えた形跡は見られないが、今後の動きに注目される。ファジルはおそらく、カメラやスラスターなどの技術試験と、少しばかりの偵察を目的としていると思われる。現在の軌道では、地球上のある点を一定の周期で観測することはできないため、本格的な偵察衛星として使うことは難しいが、まったく役に立たないというわけでもない。○サフィール・ロケット「サフィール(Safir)」は2段式の液体燃料ロケットで、全長22m、直径1.25mの、比較的小型の機体だ。打ち上げ能力も、地球低軌道に50kgほどと小さい。サフィールとはペルシア語で「使者」という意味を持つ。ロケットの第1段には準中距離弾道ミサイル(MRBM)のシャハーブ3を改造したものを使用しているとされる。どの程度の改造が施されているか詳細は不明だが、少なくとも外見からは機体の全長が伸びており、推進剤の搭載量が増えていることがわかる。また第2段には2基のロケットエンジンを持っていることが、イランが公開している写真で確認されている。サフィールはこれまでに、知られているだけで5機、憶測も含めると7機が打ち上げられているが、その過程で改良が行われているらしく、例えば初期に打ち上げられた機体と今回の打ち上げに使われた機体とでは、推進剤が変更されるなどし、打ち上げ能力が大きく向上しているとされる。推進剤については、組み合わせは不明だが、初期のサフィールにはTM-185(ケロシン20%とガソリン80%)とAK-27と呼ばれる赤煙硝酸(27%の四酸化二窒素(N2O4)と73%の硝酸(HNO3)を、現在運用されているサフィールには非対称ジメチルヒドラジン(UDMH)とAK-27を使用しているという説がある。また外見も白い塗装が施されていたり、材料の地色がそのまま出ていたりといった違いがあるが、いかなる理由で塗装するか否かを決めているかは不明だ。考えられる理由として、打ち上げ能力の都合で、余力のあるときは見栄えを重視して塗装し、そうではないときは塗装を削って軽量化を図っているのではないかということが挙げられる。また、白い塗装はタンク内の推進剤の温度をある程度保つ役割があり、特にイランは大陸性気候で、なおかつセムナーン衛星発射センターは砂漠地帯にあることから寒暖の差が大きいため、打ち上げる季節や気候によって塗装の有無を変えているということも考えられる。その他にも、アリッジ・モーターにも細かな改良が加えられている様子が、公開されている写真から見て取れる。アリッジ・モーターというのは、第1段と第2段の確実な分離のためと、第2段の推進剤をタンクの底に押し付け、確実にエンジンへ供給できるようにするための、小さなロケット・モーターのことだ。サフィールの開発にあたっては、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)や中国からの技術供与があったと言われており、シャハーブ3は北朝鮮のミサイル「ノドン」のイラン版とも見なされている。さらにその源流には、ソヴィエト連邦で開発されたR-17、いわゆる「スカッド」ミサイルがある。結果的にはイランが北朝鮮よりも先に人工衛星を打ち上げることに成功したが、現在でもイランは、北朝鮮の銀河2(テポドン2)のような、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に匹敵するロケットは開発できていないため、現代でもロケット技術に関しては北朝鮮に一日の長があると見て良いだろう。ただ、イランは現在、「シームルグ」(Simorgh)と呼ばれる、より大型のロケットの開発を進めている。サフィールと比べると、第1段機体が格段に太くなっており、ロケットエンジンは4基を束ねる形で装着されている。このエンジンはおそらくノドンやサフィールで使われているのと同じもの思われ、こうして既存のエンジンを4基を束ねることで大きな推力を得る構成は、北朝鮮の銀河2号でも見られる。打ち上げ能力などの性能は不明だが、地球低軌道に100から150kgほどの衛星を打ち上げられるものと思われる。100kg級の衛星であれば、地球観測や通信を行うのに、ほぼ十分な性能をもたせることが可能となる。現時点で、シームルグの開発がどの程度まで進んでいるのかは不明だが、2015年3月から2016年3月(これはイラン暦でその年の年始から年末にあたる)までの間に初打ち上げが実施されると報じられている。(次回は2月19日に掲載予定です)参考・・・・・
2015年02月18日イランの世界的名匠アッバス・キアロスタミ監督が日本を舞台に日本人キャストを起用して製作した『ライク・サムワン・イン・ラブ』に出演する加瀬亮が、9月23日(日)に渋谷のユーロスペースで行われたトークショーに出席した。デートクラブを通じて亡き妻に似た若い女性・明子を家へと呼んだ、元大学教授のタカシ。彼女の婚約者だという青年が現れ、タカシを明子の祖父だと勘違いしたことから彼らの人生は思わぬ展開を見せることになる。撮影現場で演技をしている時点では、この映画がどのようなものになるのか?物語に込められた意味などということに関して「ほとんど凄さが分からなかった」という加瀬さん。「打ち上げのときに監督が予告編を見せてくれて、『どうやら現場で感じたのと違うものができているようだ』と驚いた」とのこと。さらにカンヌ国際映画祭の場で本編を観て、「かなり驚いた。奇妙なことに自分の中に(映画が)居ついてしまった」とふり返る。「たいていの作品は、自分が演じて監督の演出に応じることが仕事で、出来上がった映画を観て、反省して次へ行くというものなんですが…」とこれまでとは違った感覚に包まれたと明かす。これまでガス・ヴァン=サント監督など海外のフィルムメーカーを含め、数多くの現場を経験してきた加瀬さんだがキアロスタミ監督の演出に戸惑うこともあったよう。「3人での車のシーンでは、僕がタバコの火を借りて一旦、(画面から)外れるんですが、そこで監督が『あっちを見ろ!』、『こっちを見ろ!』って立ち上がって怒鳴り始めるんですよ(笑)。意味が分からず混乱しました。役者が計算して決めてきたことに対して、本当の整理を求めてくるんですよね」とその演出の意図を推察する。動きなどに対しかなり細かい決めごともあったそうで、カメラのフレームから一度外れて、再び戻ってくるというシーンでは「『1回(カメラから)外れたら、20回スクワットしてから出てこい』と指示されたこともあった」とか。「リハーサルで1回やってみると『お前の演技は見たくない!』って言われて、50回だか100回、スクワットをやっておけと言われたり。ジョークだと思って10回くらいやって止めたら、『まだ10回だぞ』と(苦笑)。役者って『こういう気持ちだ』とか『いい人、悪い人』って整理しちゃうものですが、実際はうつろいやすく曖昧ですよね。そういう自分ひとりでは作れないものを演出や偶然によって監督が作ってくれたのかな。計算や邪念を取り除いてくれたと思います」と語った。この日は、撮影後に本作の解釈や意味を巡って友人と交わしたというメールをわざわざプリントアウトして持参した加瀬さん。自身が10代のときに初めて観たというキアロスタミ作品の『桜桃の味』などを引き合いに、本作のテーマや唐突なラストシーンの意味などについて自らの考えを熱弁。俳優であると同時にシネフィル(映画狂)の一面をのぞかせた。『ライク・サムワン・イン・ラブ』はユーロスペースにて公開中。■関連作品:ライク・サムワン・イン・ラブ 2012年9月、渋谷・ユーロスペースにて公開
2012年09月24日イランの巨匠アッバス・キアロスタミが日本を舞台に製作した『ライク・サムワン・イン・ラブ』が9月15日(土)に公開を迎え、出演した奥野匡と高梨臨がユーロスペース(東京・渋谷)にて行われた舞台挨拶に登壇した。退職した元大学教授がデートクラブを通じて知り合った若い女性への恋心を静かに描き出す。奥野さんらはオーディションで出演が決まったが「台本がない撮影でその点は面食らいました。映画ってのは、監督次第で我々は監督に操られて映画ができてしまうものなんですね。演技なんてものをすると監督は嫌うので、何も教わらないでやったんですが、観てみたら映画になってるから不思議なものです」と巨匠の現場をふり返る。高梨さんは「私はふざけて『ヘタクソ!』って言われたり、いじめられました(苦笑)。そうやって緊張をほぐしてくれてたのかな」と撮影を思い起こす。キアロスタミの妥協のない演出が印象的だったようで「奥野さんは何回も階段を昇り降りさせられて、スタッフの方がヒヤヒヤしてました」と明かした。2人は監督、そして共演の加瀬亮と共に本年度のカンヌ国際映画祭のレッドカーペットを歩いたが、奥野さんは「僕は主に舞台の人間だからカンヌは別世界のものだと思ってて、『行きたくない』って言ってたんです」と告白。さらに「人がいっぱいいて、道を歩いてても握手を求められたり、写真を求められたりしまして、これは日本に帰ったらどうなるんだろう?と思ってたらいつも通りでした」と語り笑いを誘っていた。高梨さんは「外国人のお客さんと一緒に映画を観る機会はあまりないですが、静かな映画なのにちょっとしたジョークで笑うので、新鮮な気持ちを味わいました。映画祭自体も初めて、海外の監督も初めてで、価値観が180度変わるいい経験をさせていただきました」と自身の中で掴んだ成長の手応えを口にした。本作は来月、韓国で開催となる釜山国際映画祭に出品されることになっており、奥野さんと高梨さんも渡韓する予定。年の離れた2人の男女の物語が韓国の観客にどのような反応で迎えられるか楽しみなところだ。『ライク・サムワン・イン・ラブ』はユーロスペースほか全国にて公開中。■関連作品:ライク・サムワン・イン・ラブ 2012年9月、渋谷・ユーロスペースにて公開
2012年09月15日イランという国に、どんなイメージをお持ちでしょうか?イスラム文化の国で、女性たちには髪を覆う“ヒジャーブ”の着用が強制されていて、核開発問題でも話題を振りまいている…。そんなところが一般的でしょうか。いまはイランと言えば、イラン人の父をもつダルビッシュ有という方も多いと思いますが。映画好きなら、アッバス・キアロスタミ、モフセン・マフマルバフら名匠たちの作品で少しは馴染みがあるかもしれませんが、私もそんな感じでした。イランが抱える様々な問題が反映された物語を、映画を通して見ていたので、ネガティブな部分にばかり敏感になっていたような気もします。豊かな歴史と文化を持つ国であるにも関わらず、あまり興味を持つことができなかったのです。個人的にイランの方と交流する機会がないこともあり、素顔や本音が見えにくかったのも理由かもしれません。常に、何か、誰かのフィルターがかかった情報ばかりを見ていたような気がします。そんな私にとって、『イラン式料理本』はとても新鮮でした。これは、イラン女性たちの姿をキッチンで撮影し続けたドキュメンタリー映画。モハマド・シルワーニ監督は、自分の母や母の友人、自らの妹や妻、そして妻の母など7人の女性とキッチンに入り、カメラを据えてひたすら彼女たちを撮影し続け、あふれ出る本音に耳を傾け続けました。そこから聞こえてくるのは、伝統的な家庭料理の作り方だけでなく、悲喜こもごもの人生模様。家族の中での妻の役割、夫への不満、姑への皮肉、家族への愛情などについて、人生に関する酸いも甘いも、心の赴くままに語り続けているのです。このあまりに率直な女性たちのつぶやきを通して、驚くべき素顔のイランが見えてきます。これまで観てきたイラン映画にはない、あまりにストレートな本音の数々に、私は最初とまどいました。自分が勝手に抱えていたイメージとあまりにも違ったために。そして、徐々に安心しました。イスラム社会では、女性たちは虐げられる傾向にあるとばかり思っていたので、必ずしもそうではないと分かったために。もちろん、思いやりのかけらもなく威張りくさってばかりいる夫と、母親の言うことなど一切聞かず暴れまくる双子の男児、数時間をも費やして食事を作る妹の姿には、既存のイメージが付きまといます。でも、姑や夫にユーモアたっぷりに嫌味を投げかけつつ、楽しげに何品もの伝統料理を作っていく監督の義母などは、どこの世界にでもいる肝っ玉母さんそのもの。イランにも、妻の尻に敷かれた夫と、夫をあごで使う恐妻がいるのだなと、大笑いしたりもしました。ほかの男性たちとは違い、妻を愛していると言ってはばからない夫を持つのは、監督の母親。登場する夫たちのいずれもが家事を手伝っていない様子ですが、監督の父親だけが、食事後の後片付けを「これは私の役目。誰にもさせない」と言って黙々と手を動かし続けているのも印象的でした。ある女性は休憩の1時間程度を除いてはだいたい台所に立っていると、主婦の置かれた過酷な状況を教えてくれました。女性の社会進出が進み、共働きが増えている日本では、出来あえのものや、デリバリーで…ということも可能ですが、まだまだイランでは、じっくり時間をかけて手作りするのが当たり前で、それを女性がするのも当たり前と思われているようです。ただ、先進的な家庭で育った監督は、妻に選んだ女性も先進的だったようで、自宅キッチンで語り始めた妻は少々横暴なくらい物言いが自由。たぶん知的な現代女性の代表なのでしょうが、少々空気が読めない人のようで、夫の友人がやってきた際も、缶詰のシチューを出し「おいしいね」と言われると、「これは缶詰よ」と言って一同をシーンとさせたという武勇伝も披露。女性たちが置かれた不平等について、かなり強い口調で持論を展開していて、母親世代とのあまりのギャップに、監督がちょっとかわいそうに思えてくるのが不思議です。男女平等大賛成、手抜き料理が大得意、という私でさえも…。と、こんな様子で盛りだくさん。シンプルなドキュメンタリーで、ナレーション、音楽は一切なしで淡々と進んでいく本作ですが、それがかえって女性たちの本音を浮き彫りにしていくのです。「奥さん、ちょっと聞いてくださいな…」的な親近感と現実味を持って、登場人物たちが観客に語りかけてくるとでも言いましょうか。知らなかった素顔のイラン。この作品を観なければ、私はこの国をもっと違う目で見続けていたと思います。作品を観ていくうちに、私の気持ちが変わったからでしょうか。伝統料理の数々にも興味を持ちました。いつか機会があったら食べてみたい…。こんな些細なことからでも、相手への興味はより膨らんでいくのだと思います。きっと、あなたの思い込みもぱたりとひっくり返してくれる本作。最後の最後には、数組の夫婦のその後を知らせてもいますが、それがちょっと痛快でもあるので(実際に試写会ではここで大きな笑いが起こりました)、劇場に行かれる際は、場内が明るくなるまで席をお立ちになりませんよう。(text:June Makiguchi)■関連作品:イラン式料理本 2012年9月15日より岩波ホールほか全国にて順次公開© 2010 Mohammad Shirvani. All rights reserved.
2012年08月29日