フランスの国民的シャンソン歌手、シャルル・アズナヴールの9年ぶりとなる来日公演が、6月13日(月) 大阪・大阪フェスティバルホール、15日(水)・16日(木)東京・NHKホールで行われる事が決定した。今年92歳を迎えるシャルル・アズナヴール。現在も週3回は音楽出版社に出向き、ピアノを弾いて過ごすなど、圧倒的な“声”の存在感と“リズムの多様性”は健在。今回の来日について「最後の日本ツアー」と名言しており、日本で彼の声が聴けるのは今回の公演が正真正銘の最後となる。シャルル・アズナヴールは1924年生まれ。1946年にエディット・ピアフに認められ本格的に歌手活動を開始。その後、当時ピアニストであったポール・モーリアをアレンジャーに迎え数々のヒットソングを発表。代表曲に、後にエルヴィス・コステロがカバーしリバイバルヒットした『She』(映画『ノッティングヒルの恋人』主題歌)などがある。チケットの一般発売に先がけて、チケットぴあでは最速先着先行を実施。受付は2月27日(土)昼12時から3月6日(日)23時59分まで。■シャルル・アズナヴール来日公演 「最後の日本ツアー2016」6月13日(月) 大阪フェスティバルホール(大阪府) 開場 18:00 / 開演 19:006月15日(水) NHKホール(東京都) 開場 18:00 / 開演 19:006月16日(木) NHKホール(東京都) 開場 18:00 / 開演 19:00料金:VIP 指定席 24,000円(税込、前方エリア・グッズ付き) / S 指定席 16,500円(税込) / A 指定席 13,500円(税込)★★以下のリンクより「シャルル・アズナヴール」をお気に入り登録して、情報をゲット!
2016年02月10日“シャンソンの女王”エディット・ピアフの生誕100周年イヤーとなる今年、栗山民也演出、大竹しのぶ主演の音楽劇『ピアフ』が3年ぶりに帰ってきた。2011年の日本初演、2013年の再演とも、「ピアフが大竹しのぶに舞い降りた」と大絶賛された舞台だ。初日を翌日に控えた2月6日、東京・シアタークリエにてゲネプロが公開された。音楽劇『ピアフ』チケット情報貧民街での日々、最愛の恋人の死、2度の交通事故、モルヒネ中毒…。ピアフの47年の壮絶な人生は様々な形で舞台化されているが、パム・ジェムス作による本作は、短い場面の連続によってまるでドキュメンタリーのように見せていくのが特徴。経験を元に想像を膨らませて役を表現するというより、役の感情を実際にその場その場で感じるような演じ方をする大竹が、この戯曲に出会ったことは必然のように思える。ピアフが人生の様々な局面で感じた痛みと喜び、愛と喪失を目の前で追体験する大竹の姿を見つめているうちに、3時間の上演時間はあっという間に過ぎていった。大竹ピアフの歌う『水に流して』は何度聴いても心に迫り、心を揺さぶり、そして心に染み入る絶唱だ。大竹の神懸かった熱演にばかり注目が集まりがちだが、そして実際それが最大の見どころであることは疑いようがないが、キャスト全員の調和なしにこの上質な舞台は完成しない。下品であけすけだがピアフを丸ごと受け止める度量を持つ親友トワーヌ役の梅沢昌代、匂い立つばかりの色気を放つ女優マレーネ・ディートリッヒと気弱な秘書マドレーヌを見事に演じ分ける彩輝なおら、初演からの続投組はもはや本作に欠かせない存在。大竹と梅沢以外はひとりで複数の役を演じる演出のなかで、初参加となった伊礼彼方のコメディセンスや大田翔の美声も光り、作品にまた新たな陰影を与えていた。ゲネプロ前には記者会見が行われ、大竹がピアフの扮装で出席。「栗山さんがまた細かく演出してくださってさらに豊かになった。どこまでもどこまでも追求していける作品」と3演目の実感を語った。その上で、「今回はロングランなので体調に十分気を付けて、ピアフと共に、みんなと共に生き抜いていく覚悟です」と力強く宣言。昨今の芸能ニュースについて話を振られて戸惑うひと幕もあったが、「人生はみんなそれぞれ、自分で責任を持って生きていくもの。ピアフも自分の責任で人を愛し、別れ、幸せを掴もうとした。そんな素晴らしい人のお芝居をどうぞ皆さん観に来てください」とアピールに繋げて見せた。東京公演は3月13日(日)まで。その後3月19日(土)から21日(月・休)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、3月23日(水)に広島JMSアステールプラザ 大ホール、3月26日(土)・27日(日)に愛知・中日劇場で上演。取材・文:町田麻子
2016年02月09日世界的シャンソン歌手、エディット・ピアフの若き日から晩年までを、大竹しのぶが全身全霊で演じる『ピアフ』。イギリスの劇作家パム・ジェムスの傑作として知られ、2011年、2013年に上演されて大絶賛を浴びた舞台が、ピアフ生誕100周年の今年、再び幕を開ける。大竹にとっては読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞した、まさに当たり役への3度目の挑戦。とはいえ「稽古をしながら、新たに発見することがいっぱいあります」と語る。舞台『ピアフ』チケット情報この日、稽古が行われていたのは、ピアフが47歳で亡くなる直前のラストシーン。最愛にして最後の夫・テオ(碓井将大)に寄り添われて、車いすに座ったピアフのもとに、貧しい時代を共に生きた仲間トワーヌ(梅沢昌代)がやって来る。もう長い間会っていないのに、顔を見るなり毒舌を吐いて笑い合うふたり。その姿はこの舞台の冒頭で描かれる、20代の頃のままだ。懐かしい友の昔話を聞きながら、安堵したのか目を閉じるピアフ。テオとトワーヌがゆっくりと去った後、甦ったかのように立ち上がり「水に流して」を歌い始めた。「もういいの、もう後悔しない…」と静かに自らに問いかけるような歌い出しから、歌っていくほどに、大竹のピアフは大地から沸き上がる水のごとく力を蓄えていく。そして歌い切った瞬間、まるで雷に打たれたように。その姿は神々しいほどだ。「ピアフは生前、もし歌えなくなったら、ただ長く生きるより死んだほうがいいと語っていたそうです。そう言えるのがすごいし、壮絶な人生を送ってきたからこそ、すごく愛したいし、愛されたかった人。『愛の讃歌』もこのお芝居の中で歌うと、こんなにも深い愛を叫んでいたんだなって。だからこそピアフの歌は人に生きる力をくれるし、私も歌う時にはお客様にパワーを与えたいと強く思うんです」その後、冒頭のシーンの稽古に移ると一転、路上で命をつなぐために大声で歌う20代のピアフは、野良猫のようにたくましく愛らしい。約3時間、駆け抜けるような人生を演じ、14曲を歌う舞台はハードに違いないが、逆に「歌うほどに力をもらえる」という。「“あたしが歌うときは、あたしを出すんだ。全部まるごと”“エディット・ピアフがステージに上がったら、何かが起きなくちゃ”といった台詞をいうたびに、ああそうだなって、同じ舞台に立つ人間として教えられます。ピアフのように私も1回1回全力を尽くします」そう語る大竹が再びピアフになる。そしてステージに立った時、愛と歌に生きた人生を私たちは体感するはずだ」公演は2月7日(日)から3月13日(日)まで、東京・シアタークリエにて。その後3月19日(土)から21日(月・休)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、3月23日(水)に広島JMSアステールプラザ 大ホール、3月26日(土)・27日(日)に愛知・中日劇場で上演。取材・文:宇田夏苗
2016年01月29日シャンソンの女王、エディット・ピアフの鮮烈な人生を大竹しのぶが演じ、その熱演と熱唱に「ピアフが大竹しのぶに降りてきた」と賞賛された伝説の舞台『ピアフ』が、待望の3度目の上演を果たす。1月7日、大竹が共演する梅沢昌代、彩輝なお、伊礼彼方、川久保拓司とともに製作発表に出席した。【チケット情報はこちら】愛を求め、歌に生きた伝説の歌手のドラマチックな人生を、『愛の讃歌』『バラ色の人生』など14曲の彼女の名曲とともに綴っていく作品『ピアフ』。魂をぶつけるかのような大竹のピアフは大絶賛を呼び、初演時には読売演劇大賞最優秀女優賞をはじめ、その年の演劇賞を総なめにした。今回は3年ぶりの上演となるが「ピアフの歌に私自身も勇気付けられて生きてきたところもある。たくさんの方がこの芝居を観て、生きる勇気や喜びを味わってもらえたらすごく嬉しいです」と大竹。本人もこの役に特別な思いを抱いているようで、「“あたしが歌うときは、あたしを出すんだ。全部まるごと”といったピアフのセリフを言う時は、私自身もそう思って、私の身体にもそういう血が流れる。この芝居をやるとピアフに会える気がします。私の人生で大きな出会いになった」と話した。そのピアフとの出会いは、大竹が20歳の頃、美輪明宏が主演するピアフの評伝劇『愛の讃歌』を観劇し、同時期に故・中村勘三郎にピアフの評伝本を勧められたことだった…と公言していたのだが、つい最近、仰天の事実が判明したそう。年末に『日本レコード大賞』に出演の折、泉ピン子と話す機会があり、この公演の話題から「わたし、ノリちゃん(勘三郎)に『ピアフ』の本を貸してあげたのよ」と明かされ、よくよく聞いてみたらその本が勘三郎が大竹に渡した本だったとのこと。「勘三郎さんから借りたと思ったのは実はピン子さんの本だったということが最近バレました(笑)。哲明さん(勘三郎)らしい、人から借りたものを「これ読みなさい」って…。ホントに図々しいヤツだ!(笑)」と、旧友の愛らしいエピソードを楽しそうに話していた。公演は2月7日(日)から3月13日(日)まで、東京・シアタークリエにて。その後3月19日(土)から21日(月・休)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、3月23日(水)に広島JMSアステールプラザ 大ホール、3月26日(土)・27日(日)に愛知・中日劇場で上演される。
2016年01月07日2011年の初演から3度目の上演となる『ピアフ』で、大竹しのぶが再びエディット・ピアフになる。演じるというより、まさしくピアフが降りてきたとしか言いようのなかったあの舞台に、再び立つ思いを聞いた。舞台『ピアフ』チケット情報舞台『ピアフ』は、シャンソンの女王、エディット・ピアフの人生を、短くも鮮烈なシーンを積み重ねながら表現した作品。そこに、『愛の讃歌』『バラ色の人生』『水に流して』などのピアフの珠玉のナンバーが加わっていく。再演にあたって大竹が改めて感じているのは、そのピアフの歌が持つ力だ。「音楽番組で歌う機会があったんですけど、演劇と離れて歌っても、やはりピアフの歌は別格でした。演出の栗山(民也)さんも『ピアフが歌うときは神々しい』とおっしゃっていましたが、地と天を結ぶような力があって、聴く人にその力を与えられないと歌う意味がない感じがするんです。『あたしが歌う時は、あたしを出すんだ。全部まるごと』という台詞があるように、私も全部を出して歌わないと歌えない」。それだけに、「ピアフをやると疲れる(笑)」のだと苦笑する。「でも、ピアフの台詞に私自身が力をもらえる。そして、“何があっても生きていかなくちゃいけないね”っていうような気持ちを、舞台にいる私たちとお客さんとで、共有し合えたような感覚になるんです」。歌のみならず、ピアフの人生自体も壮絶だ。最愛の人を亡くし、病に身体も心も蝕まれながらも、歌い続ける。「愛を求めた孤独な人だったんだろうなと思います。歌っているときだけは喜びがあって自分になれて。そんなふうに人生の苦しみやつらさを知っている人の歌だからこそ、あの人の歌声は多くの人を惹きつけたんじゃないかなと思うんです」。その人生を本当に生きたように演じた大竹は、初演の年に読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞した。「評価していただいたことがプレッシャーにならないと言ったら嘘になります。でも、どう思われるかということは考えずに、今の自分と共演者のみんなでまた一から作っていって、1回1回やるだけだと思っているんです」。おそらく大竹は、また毎公演、エネルギーをあふれさせて、ただピアフを生きるのだろう。「私たちの身体を通してピアフの愛と力を感じてもらって、頑張って生きていこうと思ってもらえたらうれしい」。ピアフにとって歌うことが喜びであったように、大竹にとっても演じることが喜び。その純粋な思いに心動かされないはずがない。公演は2月7日(日)から29日(月)まで東京・シアタークリエにて。その後、大阪、愛知、広島でも公演。東京公演のチケット一般発売は11月28日(土)午前10時より。取材・文:大内弓子
2015年11月27日“マンガの神様”手塚治虫や“世界のNINAGAWA”こと演出家の蜷川幸雄、そして“映画界の巨匠”黒澤明も題材として取り上げ、今年は佐々木蔵之介の舞台でも話題になったウィリアム・シェイクスピアの戯曲「マクベス」。このほど、マイケル・ファスベンダーとマリオン・コティヤールの競演により映画化されたシェイクスピア没後400周年の記念作『マクベス』が、2016年初夏、日本公開されることが決定。本作で、吉本興業が初の洋画配給を手がけることになった。「ハムレット」「オセロー」「リア王」と並ぶシェイクスピア4大悲劇の1つとして知られ、中世のスコットランドに、欲望と野心にとらわれた勇敢で有能な戦士・マクベスが、最愛の妻“レディ”マクベスと共に歩んだ激動の生涯を描いた本作。今年5月に開催された第68回カンヌ国際映画祭で、コンペティション部門のクロージング作品として上映された際には、その圧倒的な映像美とドラマ性の高さが絶賛され、約10分間にもおよぶスタンディングオベーションが起こった。マクベスを演じるのは、主演作『SHAME-シェイム-』にて第68回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門で「俳優賞」を受賞、また、ブラッド・ピット製作で話題となった『それでも夜は明ける』では2013年の第86回アカデミー賞「助演男優賞」にノミネートされたマイケル・ファスベンダー。米映画サイト「TC Candler」による 「世界で最もハンサムな顔」第1位(2013年)のセクシーな容姿とともに、“世界最高の演技派”の一人として注目されており、ダニー・ボイル監督のもとでアップル創業者スティーブ・ジョブズを演じることでも話題となっている。また、物語のカギを握るマクベスの妻を演じるのは、マリオン・コティヤール。主演映画『エディット・ピアフ~愛の賛歌~』で第80回アカデミー賞「主演女優賞」受賞をはじめ、第65回ゴールデングローブ賞、第33回セザール賞などを受賞、『サンドラの週末』でも再びアカデミー賞にノミネートされたフランスを代表する女優。彼女もまた、「世界で最も美しい顔100人」第1位に選出された美貌と実力を兼ね備え、本作ではファスベンダーと共に、手を血に染め、野心と欲望に苛まれながら次第に狂気に満ちていく夫婦を演じている。「シェイクスピア史上最高傑作」とも言われる原作に忠実な解釈を行いながらも、そんな夫婦の心情を圧倒的かつ繊細な映像表現で描き出したのは、オーストラリア出身のジャスティン・カーゼル監督。共演には、『コードネーム U.N.C.L.E』のエリザベス・デビッキ、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネーション』で悪役を演じたショーン・ハリス。また、全米での配給を行うのは、『英国王のスピーチ』などアカデミー賞常連作品を多数製作し、ハリウッドで絶大な影響力をもつザ・ワインスタイン・カンパニー。日本では、吉本興業が『るろうに剣心』3部作や『許されざる者』の製作アイアトン・エンタテインメントとタッグを組み、初めての洋画配給に乗り出す。本作の製作スタジオStudioCanalからは、「吉本興業及びアイアトン・エンタテインメントの新しい事業である洋画の映画配給に関して、喜びをもって協力いたします」とコメントが寄せられており、作品の高評価とともに日本公開に期待が寄せられている。『マクベス』は2016年初夏、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年10月19日フランス出身の女性シンガー、ZAZ(ザーズ)が11月16日(月)東京・オーチャードホールより来日公演を行なうことが決定した。【チケット情報はこちら】ZAZは2010年にアルバム『モンマルトルからのラブレター』でデビュー。同作が世界的なヒットを記録。その後も国内外で人気を集め、今年の1月にはクインシー・ジョーンズがプロデュースを務めたアルバム『PARIS~私のパリ~』をリリース。その歌声から、フランスで最も愛されている歌手のひとりである、エディット・ピアフの再来と称されている。来日公演は、東京・大阪の2か所で4公演開催。今年の1月に行われた来日公演は即日ソールドアウトとなっただけに、注目を集めそうだ。チケットの一般発売は6月27日(土)午前10時より。なお、一般発売に先がけてチケットぴあでは先行先着プリセールを実施。受付は6月13日(土)昼12時から21日(日)午後11時59分まで。■ZAZ来日公演11月16日(月)オーチャードホール(東京都)開場18:00 / 開演19:0011月17日(火)オーチャードホール(東京都)開場18:00 / 開演19:0011月19日(木)Zepp Namba(大阪府)開場18:00 / 開演19:0011月20日(金)Zepp Namba(大阪府)開場18:00 / 開演19:00
2015年06月09日本年度アカデミー賞で自身2度目の「主演女優賞」ノミネートとなったマリオン・コティヤールの主演作『サンドラの週末』が、いよいよ5月23日(土)より公開される。フランスを代表する歌手エディット・ピアフの生涯を描いた『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』(’07)でオスカーを獲得し、ハリウッド大作にも出演してきたマリオンが、かねてから大ファンであったベルギーの名匠ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟の主演に迎えられるという“夢”をつかんだことについて、興奮を抑えきれずに熱く語るインタビューが到着した。本作で彼女が演じたのは、病気休職が明けた後、不当に解雇を言い渡される主婦・サンドラ。彼女が仕事を続けるためには、週明けまでに16人の同僚にボーナスを諦めてもらい、自らの復職に投票してもらわなければならない。マリオンは、ときに傷つきながらも、必死に同僚1人1人を訪ね歩き、説得を試みる等身大の主人公サンドラを熱演。やがて、サンドラはその週末を通して、少しずつ自分にも、そして周囲に対しても希望を見出していく。国際的に活躍し、トップブランドのミューズとしても輝きを放つマリオンを起用したのは、『ロゼッタ』『ある子供』で2度のカンヌ国際映画祭最高賞「パルムドール」を受賞し、『少年と自転車』では「グランプリ」を獲得するなど、カンヌ史上初の5作品連続受賞を誇るダルデンヌ兄弟。こだわり抜いたリアリティの中から覗く優しい視点と、演じる者の繊細な感情の機微を映し出す演出で世界を魅了する兄弟監督だ。――ダルデンヌ兄弟と撮影ができるなんて、叶わない夢だと思っていた…「ダルデンヌ兄弟との出会いを、マリオンは「ベルギーでジャック・オディアール監督の『君と歩く世界』の撮影の際にすれ違いました。エレベーターでの短い出会いでしたが、それはとても印象的でした」とふり返って語る。その数ヶ月後に「ダルデンヌ兄弟が仕事をしたいと言っている」とエージェントから聞かされるが、「そのときの驚きと言ったら!私にとって彼らと撮影をするということは、到底叶わない夢だと思っていましたから」と、オスカー女優は実に謙虚だ。「女優としての経験の中で、アメリカでも映画に出演して、手の届かないような人々といままで仕事をしてきました。ダニエル・デイ=ルイスなど、例を挙げればきりがないですが。それでもダルデンヌ兄弟は特別でした。本当に手の届かない存在でしたから」。そう語るマリオンは、兄弟との最初の面接からドキドキもので「自分を保つのに精いっぱいだった」とも話す。それでも、「脚本を読み始めたら、ダルデンヌ兄弟らしさがつまっていて、圧倒されました。私は喜びでいっぱいで、これはすばらしい経験になると思いました」。――サンドラを演じ、ダルデンヌ兄弟常連俳優と共演してそんな思いで臨んだサンドラという役柄は、これまで彼女が演じたどんなキャラクターとも違う、実在するかような「普通の女性です」と言う。「選択の余地がないだけに、物事の価値が分かっている1人の労働者です。彼女は、自分を雇っておくことに投票するより、1,000ユーロのボーナスを手にすることを選ぶ人たちの気持ちが分かっています。彼女が彼らの立場だったらどうしていたかは誰にも分からないし、映画はどの登場人物も裁いてはいない。それが彼女の強さなのです」。「彼女はある場面では、『自分は何者でもない』とすら言います。この無力感は彼女の奥底に住み着いていますが、それは自分の仕事と、あるいは仕事がないことと折り合いをつけることができない多くの人の心にも住み着いているのです。撮影の数か月前、仕事のことで自殺した人の記事、ルポルタージュを読んでとても心を打たれました。彼らはこの無力感に耐えるよりは、それに“けりをつける”ほうを選んだのです。この映画は、私の心に強く訴えかけてきたこうした出来事を反映しています」。これまでもダルデンヌ兄弟は、酒びたりの母親とトレーラーハウスで暮らす少女が職場を突然解雇される『ロゼッタ』、貧しい暮らしの中で生まれたわが子を“売って”しまう若いカップルを描いた『ある子供』、父親に育児放棄された少年と偶然出会った女性が心を通わせる『少年と自転車』など、困窮し混迷する社会のあるがままを描き出し、それでも真摯に生きる人々に寄り添い続けてきた。「それぞれの映画で、彼らは社会の現実を観察しています。そして同時に、映画の新たな冒険を発明しているのです。彼らの映画は作家の映画です。しかし、彼らはあらゆるカテゴリーを逸脱することに成功しています。彼らの映画は、絶対的に普遍的なのです」。また、自身の復職のために同僚にボーナスを諦めるよう説得しなくてはならないという苦境に立たされるサンドラを、支え続ける夫マニュを演じたのは、ダルデンヌ兄弟作品常連のファブリツィオ・ロンジョーネだ。「彼はダルデンヌ兄弟の映画の世界に自然に溶け込みますが、それは、彼もダルデンヌ兄弟の映画の世界と同じ真実味にあふれているからです。ダルデンヌ兄弟に見守られながら、ファブリツィオと仕事ができたことは、私にとって大きなチャンスでした」とマリオンは言う。――私がダルデンヌ兄弟の映画が大好きな理由、彼らとの仕事が大好きな理由彼らの現場では、数多くの作品に参加してきたはずのマリオンも驚くエピソードがあったという。「撮影中やリハーサル中に、“観客”について話をすると、ほとんどの場合、監督は嫌がります。ある監督は、私が『観客は…』と言った瞬間に怒り狂って『観客なんてどうでもいい!』『観客のことなんて話すな!』と。ほとんどの場合、監督というのは観客について話したがらないものです」。ところが、ダルデンヌ兄弟は違った。「リハーサル中にダルデンヌ兄弟が観客について話していたので、私はうれしそうに彼らを見ていたら、リュックが突然私のほうを振り返って言いました。『ここでは私たちは観客についてたくさん話すんだ』。彼らにとって観客はとても大切な存在です。彼らは脚本を、シーンを、観客のために作っています」。「彼らが観客について話すのは、彼らがすることすべてが観客をどこか別の場所へ連れていくためだからです。私たちを驚かせたり、私たちの存在を、とても特別に感じさせてくれる。これが、私が彼らの映画が大好きな理由で、彼らと仕事をするのが大好きな理由です」と、生き生きとした表情で語る。またダルデンヌ兄弟と映画を作りたいか?と問えば、「彼らが望むなら! 直ぐにイエスです!」と即答するマリオン。ハリウッドでも活躍する国際派スターでありながら、少女のように目を輝かせ、憧れの監督たちとの仕事がいかに特別なものであったかを語るその姿からは、愛と希望を抱いてひたむきに生きる、強さと繊細さを持ち合わせたサンドラに込めた思いが伝わってくる。『サンドラの週末』は5月23日(土)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:サンドラの週末 2015年5月23日よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか,全国より公開(C) Les Films du Fleuve -Archipel 35 -Bim
2015年05月22日国際的に活躍する女優マリオン・コティヤールが本年度アカデミー賞「主演女優賞」にノミネートされた最新作『サンドラの週末』。フランスを代表する伝説的歌手の生涯を描いた『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』でオスカーを獲得して以来、2度目のノミネートとなった本作から、マリオンと、“カンヌの常連”ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督の“相思相愛”ともいえるコメントが到着。すべての撮影を終えたマリオンが号泣していたことが明らかとなった。不当に解雇を言い渡された病み上がりの女性が、仕事を続けるための条件である“16人の同僚がボーナスを諦め、自分の復職に投票してくれること”を叶えるため、夫に支えられながら奔走していく本作。マリオンは、必死に同僚のもとを1軒1軒訪ね歩く等身大の主人公サンドラを熱演。常に不安げで自分に自信の持てない女性が、同僚を訪ねるうちに、自分自身にも、そして周囲にも希望を見出していく姿には誰もが心を強く揺さぶられると、アカデミー賞の前哨戦から注目を集め、マリオンは2度目となるオスカーノミネートを果たしている。そんな彼女について、「偉大な女優はすべてを捨てられる」と称賛の声を惜しまないのが、ベルギーが生んだ名匠ジャン=ピエールとリュックのダルデンヌ兄弟。第52回カンヌ国際映画祭「パルムドール」を受賞した『ロゼッタ』(’99)では新人女優エミリー・ドゥケンヌに同「女優賞」をもたらし、『ある子供』(’05)では2度目の「パルムドール」を獲得。クリント・イーストウッド監督作『ヒア アフター』のセシル・ドゥ・フランスを主演に迎えた『少年と自転車』でも第64回「審査員特別グランプリ」を受賞するなど、史上初、5作品連続のカンヌ受賞歴を持つ兄弟監督だ。入念かつ徹底したリハーサルを行う中で役者のポテンシャルを引き出し、カメラを意識させない俳優の自然な姿をスクリーンに何度も映し出してきた。今回も本作で、混戦極めたアカデミー賞「主演女優賞」へのノミネートや、10の「主演女優賞」をマリオンにもたらした監督たち。彼女について、兄のジャン=ピエールは「マリオンは、とても賢く、寛大で気前のよい女性です。また同時に、偉大な女優です。彼女がそれまで映画でつくってきたイメージや、ミューズを務めるブランドのイメージ、そして世間が彼女に持つあらゆるイメージ。それらすべてを消し去り、マリオンはサンドラになってくれました。このように自分を忘れさせることのできるのが本当の偉大な女優なんです」と語り、絶賛。さらに、弟のリュックも続ける。「彼女は撮影に入る前に『私をあなたたちの思うようにしてくださって結構です』と宣言し、私たちに身を任せてくれました。ほかの俳優・スタッフと食事も移動も控え室も一緒。専用のヘアメイクもドライバーも一切つけませんでした。何でもないことのようですが、こういったことは、仲間意識を作るのに重要なことで、映画にも繋がっていきます。また、私たちが出す細かな注文を全て受け入れ、突き詰め、そして彼女からも提案し、演技にも工夫をしてくれました。マリオンは、女性、そして女優としても本当に素晴らしい人です」。一切妥協はしないダルデンヌ兄弟のもと、さすが、マリオンも役者として果敢に作品に向き合い続けたようだ。撮影前、1か月にも及ぶリハーサルを行ったという本作は全編フランス語だが、フランス人であるマリオンは、このリハーサル期間でベルギーのアクセントを会得し、その土地の環境に馴染んでいったともいう。また、ダルデンヌ兄弟は、衣装や髪型、登場人物が乗る車の車種など、細部まで設定し、テイク数を重ねながら真実味にこだわった演出をすることでも知られている。サンドラが身につけているピンク色のタンクトップは特に印象的だが、「美しい色味の衣装にしたのは、自分に自信がなく、病み上がりで弱っている主人公サンドラに1つでも輝きを与えたかったからです。衣装については、色々と悩みましたが、リボンのデザインがプリントされているTシャツは、マリオン自身が私たちの意図をくみ取り、気に入って選んだものなのです」と、彼女自身のこだわりを明かした。そして、マリオン自身も本作について、「間違いなく一番深く、理想的なものでした。これほど、演出家たちに寄り添ってもらっていると感じたことはありません。最終カットの時には、物語が、撮影が終わってしまうんだと思うと、心の底から悲しくなりました」と語っている。その言葉を裏付けるかのように、先日の来日の際、「マリオンは最終カットの後、号泣してしまったんだよ」とリュック監督は語っており、マリオンとリュック&ジャン=ピエール監督の3人で肩を組みながら、クランクアップ直後の泣いている写真を大切に保存していることも明かしている。「いつか、もう一度彼女と仕事をする日がくるかもしれませんね」と両監督が言えば、「彼らが望むなら!すぐにイエスです。また一緒に映画を作りたいです」とマリオン。深い信頼関係の中から生まれた、マリオン演じる繊細で力強い女性サンドラは、必見といえそうだ。『サンドラの週末』は5月23日(土)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月13日昨年末の紅白歌合戦で、NHK連続テレビ小説「花子とアン」の挿入歌としても使われたエディット・ピアフの「愛の讃歌」を歌い、大きな反響を呼んだ美輪明宏。普段の煌びやかな姿から一転、黒い髪に真っ白な衣装を身にまとい、歌に必要のないものを一切排除したいでたちで登場。その圧巻の歌声は視聴者に大きな衝撃を与えた。そんな彼の歌声が十二分に聴けるのが「ロマンティック音楽会」。現在ツアー真っ最中だ。ここでは、彼のルーツであるシャンソンをはじめ、カバーやオリジナルなど様々な歌を聴くことができる。昨年末に開催される予定だった公演は、急性喉頭炎により声が出なくなったため延期に。その振り替え公演を含む2015年のツアーは、1月17日(土)の千葉公演からはじまり、愛知、埼玉、東京、神奈川、静岡、福岡、大分、大阪へと続く予定。すでに完売している公演もあるため、チケットの確保はお早めに。
2015年01月16日フランス出身の女性シンガー、ザーズが1月10日(土)に東京・恵比寿ザ・ガーデンホールで約2年ぶりに来日公演を開催する事が決定した。今回の来日公演は、来年1月28日(水)に発売する、エディット・ピアフ、エラ・フィッツジェラルドなどの名曲をカバーしたアルバム『PARIS~私のパリ~』のリリースに伴って開催。一夜限りのプレミアムな公演だ。ザーズは2010年にデビュー。デビューアルバム『モンマルトルからのラブレター』が世界的なヒットを記録し、日本でも人気が高い。チケットの一般発売は12月20日(土)午前10時より。なお、一般発売に先がけて、チケットぴあでは先行先着プリセールを実施。受付は12月17日(水)午前10時より。■「PARIS ~私のパリ~」発売記念 ”One Night Premium Showcase”日時:2015年1月10日 (土)開場17:00 / 開演18:00会場:恵比寿 ザ・ガーデンホール(東京都)料金:全席指定3,000円(税込)※終演時間は19:00を予定しております。※6歳未満入場不可・6歳以上有料
2014年12月15日アカデミー賞女優マリオン・コティヤールが、カンヌ常連のジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟のもと主演した『Two days, One Night』(英題)が、『サンドラの週末』として2015年5月に日本公開されることが決定。アカデミー賞の前哨戦といわれる各賞で「主演女優賞」を続々受賞していることが分かった。体調不良から仕事を休職していたサンドラ(マリオン・コティヤール)。ようやく復職できることになった矢先のある金曜日、職員のボーナスを捻出するため、ひとり解雇せねばならないとして、解雇を言い渡される。サンドラが解雇を免れる方法はただひとつ、過半数の同僚たちが自らのボーナスを諦めること。彼らはサンドラを解雇し、ボーナスをとるのか、それともサンドラにいてほしいのか!?月曜日に迫った投票に向け、サンドラは夫に支えられながら、週末の2日間、同僚たちの説得に回ることに――。本作は、『ロゼッタ』『ある子供』で2度のカンヌ国際映画祭最高賞「パルムドール」に輝くダルデンヌ兄弟が、オスカー受賞後も『ダークナイト ライジング』『君と歩く世界』『エヴァの告白』など、常に前進し続けるマリオンを起用した最新作。体調不良から復帰し、手に入れたマイホームを守るために、家族を養おうとしていた矢先の解雇。愛とかすかな希望を抱いて、同僚たちのもとを回るサンドラの長い週末を、ダルデンヌ兄弟は淡々と優しい視点で描き出していく。強さと繊細さを持ち合わせた等身大の主人公、サンドラを熱演するマリオンは、第80回ニューヨーク映画批評家協会賞「主演女優賞」に続き、第35回ボストン映画批評家協会「主演女優賞」および「外国語映画賞」、さらに第15回ニューヨーク映画批評家オンライン賞、第3回ボストン・オンライン映画批評家協会賞でも「主演女優賞」「外国語映画賞」を受賞するなど、日本での公開を前に、数々のアカデミー賞前哨戦で絶賛を受けている。また、そのほかのキャストには、ダルデンヌ兄弟監督作品では常連のファブリツィオ・ロンジォーネ、オリヴィエ・グルメ、モルガン・マリンヌらが出演しており、作品により深みを与えている。マリオンの『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』以来となるアカデミー賞「主演女優賞」受賞への期待も高まる本作に、ぜひ注目していて。『サンドラの週末』は2015年5月、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月11日ニコール・キッドマンがハリウッド女優からモナコ公国公妃に転身したグレース・ケリーを演じる映画『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』が公開になる。本作では実話を基に、ひとりの女性のドラマが描かれるが、監督を務めたオリヴィエ・ダアンは、ミステリー映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコックに大きな影響を受けて製作したという。来日時に話を聞いた。その他の画像映画は、過酷な課税を強要し、承諾しない場合はモナコを自国領にすると発表したフランスを相手に、公妃のグレース・ケリーがモナコを救うために、“最後の切り札”を武器に、危機に挑む姿を描いたもの。ダアン監督は『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』で伝説のシャンソン歌手の半生を描いて高い評価を集めたが、「グレース・ケリーについては多くを知らなかった」という。「まず思ったのは、伝記映画ではなく、ひとりの女性のポートレイト(肖像)を描きたいということでした。また、この物語のポイントは、平凡な女性が公妃になったのではなく、女優がプリンセスになったことにあると思います。さらに作りながらヒッチコックのことを避けて通ることはできませんでした。彼もまた映画を通じて女性の肖像を描き続けてきた作家です」。ケリーはヒッチコックの『ダイヤルMを廻せ!』や『裏窓』でヒロインを演じ、公妃になった後も、ヒッチコックから女優復帰のラブコールを受けていた。「私はヒッチコック作品を通じて、女性像を描いてみたいと思ったのです。だからこの映画では、ヒッチコック映画の引用やオマージュが多くありますし、強い影響を受けています」。さらに監督は「この映画は“沈黙の言葉”に注目してほしい」と語る。「この映画は、登場人物が実際に声に出さないセリフで出来上がっている、と言っていいでしょう。グレースも夫のレーニエも思っていることをハッキリと言葉にしない人たちでした。大事なのは言葉の中身ではなくて、その言葉を発する人間の表情やたたずまいです。思い返せば、ヒッチコックの映画も、具体的な言葉や描写を使うことなく様々なことを表現しましたよね? だから、この映画もぜひセリフとセリフの“行間”を読みながら楽しんでほしいですね」。小国を救うために奔走するひとりの女性の姿を描いた本作は、誰もが知る名女優にしてプリンセスの“知られざる素顔”を覗き見て、解読するミステリーでもある。大きなスクリーンでじっくりと観賞し、ダアン監督が仕掛けた謎の数々を読み解いてほしい。『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』10月18日(土)TOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー
2014年10月17日女優の檀れいが14日に都内で行われた仏映画『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』の公開直前PRイベントに、映画を彷ふつとさせる純白のロイヤルドレスで出席。高級ブランド“ヴァンクリーフ&アーペル”のネックレスとイヤリング、髪飾りを身につけた檀は「本物の輝きはやはり違う。落としはしないかドキドキしている」と緊張した表情だった。3点合わせて719個のダイヤモンドを使用し、総額は1億円を超える逸品で、会場には警備員の姿もあった。その他の画像本作は、ハリウッド女優からモナコ公国大公妃へと華麗な転身を遂げたグレース・ケリーの生き様を、オスカー女優のニコール・キッドマン主演で映画化。2007年に公開された『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』でマリオン・コティヤールに、アカデミー賞主演女優賞をもたらしたオリヴィエ・ダアン監督がメガホンを執った。ケリーのファンだという檀は、「あまり知られていない彼女の苦労や努力が描かれていて、改めて愛に生きた女性なんだと感じた。選択の多い人生だったが、それは今の女性の悩みにもリンクするんじゃないでしょうか」と共感した様子。また、主演を務めたキッドマンには「実在の人物を演じるプレッシャーがあったはず。あえて挑んだチャレンジ精神が素晴らしいし、モノマネではない形で、見事に表現する努力と才能に拍手したい」と同じ女優として、最大限の賛辞を送った。イベントには同じくケリーの大ファンで、檀とも親交があるという美容アドバイザーの佐伯チズが駆けつけ、「自分の長所を知っている、自信がある美しさが好き。エレガントで知的な品を持っている」とケリーの魅力を語っていた。『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』10月18日(土)TOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2014年10月14日『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』のオリヴィエ・ダアン監督が5度目の来日を果たし、25日に都内で行われたジャパンプレミアに出席した。ハリウッド女優からモナコ公国大公妃へと華麗な転身を遂げたグレース・ケリーの生き様を、オスカー女優のニコール・キッドマン主演で映画化。ダアン監督は、キッドマン側から提案された“Skype”面談が、起用の決め手だったと秘話を明かした。その他の写真2007年に公開された『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』でマリオン・コティヤールにアカデミー賞主演女優賞をもたらしたダアン監督は「グレースを演じる女優を探して、ハリウッドに飛んだが、しっくりくる女優がいなくてね。いったんパリに戻ると、ニコールの代理人から連絡があって、急きょ本人とSkypeで2時間ほど話したんだ」と経緯を説明。「言葉を交わす間に、ニコールこそ適任だと確信できた。今回に関しては、彼女が僕を探してくれたんだ」と話した。「撮影期間中は、彼女がいかに特別な存在かを実感する日々だった。例えば、スタッフが準備を進める間も、楽屋に戻ったりせずに、その場にいてくれるんだ。僕の技量を信頼してくれたことにも感謝している」(ダアン監督)。また、主人公であるケリー自身の人物像については「まるでおとぎ話のような人生だが、本人は女優を諦めきれない気持ちがあったはず」。単なる伝記映画ではなく、外交上の難問に立ち向かい、“一世一代”の芝居を打つというサスペンス要素を盛り込んだ理由を「彼女はヒッチコックの映画にも出演していたからね。陰謀や裏切りが渦巻くモナコの地で、女優の本領を発揮する姿を描いてみたかった」と語った。ジャパンプレミアには、ケリーの大ファンだという中村玉緒が、映画をイメージした特注ドレスに身を包み、駆けつけた。『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』10月18日(土)TOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー
2014年09月26日人気絶頂の中でハリウッドを去り、モナコ公妃となったグレース・ケリーの結婚後の“ある出来事”を追った、ニコール・キッドマン主演『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』。今年2014年は、ちょうどグレース・ケリーの生誕85周年に当たる年。世紀の結婚をし、オスカー女優からプリンセスへと華麗な転身を遂げたかに見えた彼女の結婚生活や、モナコ公妃としての日々はどんなものだったのか。1982年、52歳という若さでこの世を去った彼女の命日・9月14日に併せ、在りし日のグレース・ケリーの写真と新たな劇中ビジュアルの到着とともに、彼女の生涯をふり返ってみた。本作は、“世紀の結婚”から6年後の1962年、グレース・ケリーが挑んだモナコ公国最大の危機に関わる “一世一代の大芝居”にスポットを当てた物語。監督は『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』のオリヴィエ・ダアン。同じくオスカー女優のニコールがグレース・ケリーに扮し、ティム・ロスが夫・レーニエ公を演じている。1929年11月12日、フィラデルフィアの裕福な家庭に4人兄弟の次女として生まれたグレース。父はオリンピックの金メダリストであったため、活発なグレースの兄姉に目をかけており、内向的で芸術に興味を持つグレースに対しては、評価も期待も一切してこなかったという。グレースの恋の相手が常にかなり年上の男性だったのは、こうした父親への思いがあったためだとも言われている。その後、両親の反対の中、単身NYに演技の勉強に出たのが17歳のとき。1951年に『14時間』でスクリーンデビューし、52年には大手スタジオのMGMと契約して『真昼の決闘』でゲイリー・クーパーと、翌年には『モガンボ』でクラーク・ゲーブルと共演を果たした。そして、24歳のとき、ヒッチコック監督にイングリット・バーグマンに続くミューズとして見いだされ、1954年『ダイヤルMを回せ!』の主演に抜擢、「グレースは私がずっと探していた通りの女性だ」とヒッチコックに言わしめ、『裏窓』『泥棒成金』に相次いで出演。55年には、ジョージ・シートン監督『喝采』のビング・クロスビーの妻役でアカデミー賞「主演女優賞」を受賞した。6年間で11本の映画に出演したが、1956年、カンヌ映画祭で出会ったモナコのレーニエ公と結婚、女優を引退。式の模様は世界9か国で放映され、「世紀の結婚式」と呼ばれた。当時のモナコは、経済的困窮と後継者問題の解決が急務とされており、その中でグレースは、モナコの広告塔としての知名度と美貌、持参金、健康な体と最高の条件を兼ね備えていた妃とされていた。しかし、アメリカとヨーロッパ、一般人と王室、しきたりも風習も考え方もまったく違う環境に一人放り込まれたグレースは、本音を話せる友人もおらず、寂しい生活を送っていたという。また、モナコ人にとってもアメリカ人が突然公妃になったことをすぐには受け入れられず、またフランス語がほとんど話せず、口数が少ないグレースは「冷たい人物」と思われていたという。1957年、妊娠中のグレースがマスコミを前にお腹を隠すようにエルメスのバッグを抱えていたことをきっかけに、エルメスから正式に打診があり「ケリーバッグ」が誕生。そして、本作の舞台となる1962年、ヒッチコックから『マーニー』主演のオファーを受ける。愛する父を失っていただけでなく、何度も流産を繰り返しふさぐグレースを心配したレーニエ公は、この女優復帰に賛成。撮影のために家族全員でアメリカへ行く予定を立てるが、フランスがモナコに税制問題に関して、一種の宣戦布告を行い、その復帰は断念された。やがて、その国家の危機を乗り越えたものの、1982年9月13日、バカンスからの帰り道に自らハンドルを握った車で崖から転落。同乗していた愛娘ステファニー公女は一命をとりとめたが、グレースは危篤状態となり、翌14日に、生命維持装置が外された。まだ、52歳だった。グレース・ケリーが、いまも生きていれば85歳。神戸博「ポートピア’81」で来日した際には、濁った温泉、畳での就寝に難色を示した当時16歳のステファニー公女を、「日本には歴史ある文化があるのですから、体で独自の文化を理解するようにしなさい」と諭したとも言われている。日本庭園を愛し、「HANAE MORI」の顧客でもあるなど、親日家としても知られていた彼女の人生に、今日14日は思いを馳せてみて。『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』は10月18日(土)TOHOシネマズ有楽座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年09月14日3年ぶりに上演される美輪明宏版『愛の讃歌』~エディット・ピアフ物語~。3月、都内某所で行われている稽古場に潜入し、作・演出・美術・衣装を手がける美輪明宏、そして、キャストの木村彰吾とYOUに、この作品にかける思いを聞いた。美輪明宏版『愛の讃歌』チケット情報『愛の讃歌』はフランスを代表するシャンソン歌手、エディット・ピアフの人生を描いた物語。毎年舞台公演を行っている美輪が、今年この作品を選んだのは、たくさんの熱いリクエストがあったからだ。それらの声には、美輪が描く真実のエディット・ピアフと、美輪が歌う真実の『愛の讃歌』に触れたいという思いが含まれている。「これまでに映画や舞台で描かれたピアフは、無知でわがままで淫乱で、といった姿ばかりです。でも、私が調べたピアフはまったく違います。レイモン・アッソーという詩人に知識・教養を叩き込まれ、『愛の讃歌』の作詞もした芸術家なんです。その詞も、みなさんがよく耳にされる訳詞ではなく、“空が落ちてきたって、地球が割れたって、あなたのためならどんなことだってする”というような、スケールが大きく哲学的な内容です。その本当のピアフを私は描きたいと思っているのです」と美輪は語る。真実のピアフを描くための稽古は厳しい。台詞のなかのひとつの言葉の抑揚にも、繰り返し美輪の注意が入る。3年前の公演で、美輪が演じるエディット・ピアフの妹、シモーヌ・ベルトーを演じたYOUも「稽古が終わると、もう脳みそが大変なことになってます」と苦笑。2006年に続いてピアフの最後の恋人、テオ・サラポを演じる木村彰吾も「美輪さんに褒められることはまずありません。この間も、神の領域の芝居ができたって言ったら、『カミはカミでも紙くずね』って言われました」とユーモアを織り交ぜて話す。しかし、ずっと以前から美輪の舞台を観ていたYOUにとって『愛の讃歌』は、「出演せずに観ていたいぐらい大好き」な作品。木村も、「登場人物が全員やさしくて、こんなに愛のある舞台はない。出演できることが誇りです」という。木村が演じるテオが登場するのも、美輪明宏版『愛の讃歌』ならではだ。その思いを美輪が最後にやさしく語ってくれた。「ピアフに『愛の讃歌』を書かせた最愛の人、マルセル・セルダンを飛行機事故で亡くしてどん底に陥るまでしかほかの作品では描かれませんが、茫然自失のピアフをテオが救うところまで私は描いています。その無償の愛をこの作品で提示することで、不毛な愛がはびこる今の世の中に、本当の愛情とはそういうぬくもりのあるものなんだということを伝えたいんです」。公演は4月12日(土)から5月5日(月・祝)まで東京・新国立劇場 中劇場にて。その後、岡山、福岡、大阪、静岡、長崎、愛知、青森、宮城、新潟、神奈川でも公演。チケット発売中。取材・文:大内弓子
2014年04月04日安蘭けいが、ジャズ史に残る歌姫ビリー・ホリデイを描いたレニー・ロバートソン作のソロミュージカル『レディ・デイ』に出演する。1986年にオフ・ブロードウェイで初演された作品で、レディ・デイと呼ばれたビリーが死亡する4か月前に行ったライブを再現したもの。観客はライブのオーディエンスに見立てられ、安蘭演じるビリーが歌い、MCとして自らの体験も語る。ソロミュージカル『レディ・デイ』チケット情報情感豊かな歌声と共に、奔放な男性遍歴、麻薬やアルコール依存など壮絶な人生で知られるビリー・ホリデイ。その代表曲のひとつ『奇妙な果実』は、彼女も経験した黒人差別の歌で、安蘭は初めて聞いた時、「こんなダークなジャズもあるのだな」と驚いたという。「私が自分自身の歌として歌うとしたら、理由というか、乗り越えなくてはならないものが多い。でも今回はビリーとして歌えるのでやりやすいです」。実在の人物を演じるにあたっては「かつては真似から入ることが多かったのですが、私の体を通してお客様はビリーをご覧になるわけだから、私らしさがないと意味がない。どれだけ、ビリーに共感できるところをみつけてお客様と共有できるか。その辺りを突き詰めていきたいです」と語る。「以前私が演じたエディット・ピアフもそうですが、ビリーはどんな境遇にあっても這い上がる強さやエネルギーをもった女性。それでいて脆さもあり、全てが歌に表れている。すごく素直なんですよね」。こう語る安蘭もまた、舞台では嘘がつけないタイプだ。「なんとなく歌ってしまうと歌詞が出てこないし、気持ちが伴わないまま台詞を言うと絶対に間違えたり噛んだりするんです。プロなのにと思われるかもしれないけれど、そこは自分の好きなところ。この作品でも、私がビリーになるという嘘はあるけれど、自分に嘘はない状態で演じたいと考えています」。宝塚歌劇団退団後5年目。波乱に富んだ役柄を多く演じてきた。「癖のある役柄は演じ甲斐があります。巡り合わせもあるでしょうが、もしかしたら私が呼んでいるのかもしれません」とほほ笑む。今年は3月に森新太郎演出によるヘンリック・イプセン作『幽霊』、そしてこの栗山民也演出『レディ・デイ』と、初タッグの演出家の舞台が続く。「いつも新しいことに挑戦したいと考えています。イプセンも初めてだし、『レディ・デイ』は初のひとり舞台。今年は越える山が多いですね。登る前の今は怯んでいますが、結局、こういうチャレンジが私にはすごく楽しいんです」。ソロミュージカル『レディ・デイ』は6月12日(木)から29日(日)まで東京・DDD AOYAMA CROSS THEATER、7月5日(土)・6日(日)に兵庫・宝塚バウホールにて。東京公演のチケット一般発売は3月1日(土)午前10時より。取材・文:高橋彩子
2014年02月27日「愛には、苦い涙がつきものよ」この言葉を読んで、そうだよねと感じる人は少なくないのではないでしょうか。会いたいのに会えなくて。ひどいフラれ方をして。好きになってはいけない人と恋に落ちて。彼に浮気されて。不倫の恋から抜け出せなくて。苦しくて切なくて報われなくて、今日も一人、涙を流す。それでも恋をせずにはいられない。人間って本当に不条理な生き物ですね…。冒頭の一文は1915年の今日12月19日に生まれたフランスのシャンソン歌手、エディット・ピアフの名言です。よく知らないという人でも、彼女の代表作の『愛の讃歌』は美輪明宏さんや桑田佳祐さん、宇多田ヒカルさんなども歌っているので、曲自体はどこかで耳にしたことがあるかもしれませんね。没後50年のピアフは、生涯を通して恋多き女と言われた女性。十代でナイトクラブの歌手となり、数々の男性と恋に落ち、二度の結婚をしたと伝えられています。人生最大の恋の相手はボクシングの世界チャンピオン、マルセル・セルダン。彼には妻子がいましたが、2人は初めて会った時から惹かれ合い、ピアフは2日ごとにセルダンへラブレターを送ったそうです。しかし、ある日、セルダンが乗っていた飛行機が墜落して2人の恋は突然幕を閉じます。失意の中、セルダンのために書いたという『愛の讃歌』をステージで歌い、大喝采を受けたピアフ。そんな苦しい恋を経験した彼女の言葉「愛には、苦い涙がつきものよ」は、とても説得力がありますね。人生で自分の半身のように感じられる相手と恋に落ちるなんて経験は、そうそうできるものではないでしょう。けれどもその恋を通して世界が広がり、人としても女性としても磨かれるのは事実。だから、たとえ大切な恋を失くしたとしても悲嘆に暮れたりしないで、自分がそこまで相手を深く愛せたことに誇りを持てばいいのだと思います。ここでつらい恋、特に失恋に悩んでいる時、心に効きそうな著名人の名言をいくつかお届します。・『失恋って、当の本人は苦しい苦しいと言っているけれど、本当は終わった恋をいつまでも思い出して楽しんでいるような所があると思う。本当に苦しいなら、一秒でも早く忘れる努力をするはずだから。』(宇野千代/小説家)確かに…。嫌な記憶しかなかったら、みんな、どうにかして忘れようとするだろうけれど、恋愛には良い思い出もたくさんあるから、なかなか心から追い出したりはできないんですよね。要はつらくてもジタバタしないで、過去の出来事を反芻しながら待っていれば、いつかは時間が解決してくれるということなのでしょうか。ピアフ同様、恋多き女と呼ばれた宇野千代さんの言葉、深いですね。・『上手に別れられるなどということは、まったく稀なのだ。そういうのは、ちゃんとうまくいっていたら、別れたりはしやしない。』(マルセル・プルースト/作家)上手な…って、いったいどんな別れ方なのでしょうか。笑ってさよならして、その後も後腐れなく友達として付き合えるような別れ方なのか。それとも、傷つけ合っても数年後に相手があれは最高の恋だったなと、ふと思い出すような別れ方なのか。いずれにせよ、20世紀を代表する作家プルーストでさえうまくできないと言っているのだから、私たちが上手に別れられないのは仕方のないこと。付き合う時も別れる時も、なりふりかまわず相手にぶつかっても、それもまた一つの正解なのかもしれません。・『女性が綺麗になる方法は二つあります。「いい恋をすること」と「悪い恋をやめてしまうこと」です。』(浜尾朱美/ニュースキャスター・エッセイスト)この言葉も正論そのもの。女性は恋をするときれいになれると言うけれど、あまりにも苦しい恋をすると疲れで早く老けてしまう場合も。せっかく恋をするのなら、美しく若返るような恋をしたいですよね。とはいえ、現在進行中の恋愛が“良い恋”か“悪い恋”かを見極めるのって難しいもの。そんな時は、こちらの名言を思い浮かべてみてはいかがでしょうか。・『あなたのマスカラではなく、口紅を汚すような男と付き合いなさい。』(キム・カーダシアン/テレビパーソナリティ、女優)大好きな人と一緒にいるのに、泣いてばかりいるようならば、その恋はそろそろ終わらせたほうがいいのかも。ハリウッドセレブの一人でゴシップ雑誌の常連だというカーダシアンの言葉には、真理があるような気がします。つらくて苦しくてどうしようもない時、数々の恋を経験した著名人たちの名言に触れてみては。少しだけ心の傷が癒され、前を向こうという気持ちになれるかもしれませんよ。(文=Kawauso)
2013年12月19日あなたは「最高の恋」を経験したことがありますか?恋に溺れたことはあるでしょうか。「これがきっと最後の恋・・・」と切なく甘く、涙と共に吐息を漏らしながら呟いてしまうような恋とはどんなものなのか。スマートで平和な楽しい恋もいいけれど、一生に一度くらいは恋に溺れて、痛みと共に自分の中の「女性性」を高めてみませんか?今回は山口路子著『恋に溺れて女になる』より、最高の恋を経験した歴史的人物や著名人の残した言葉から、彼女達の美しさとその美しさの元となった「最高の恋」をご紹介します。■1.シモーヌ・ド・ボーヴォワール(哲学者・作家)フランスの哲学者であり作家でもあったシモーヌ・ド・ボーヴォワールの言葉が、山口さんの著書ではこう紹介されています。「私の人生の最大の成功はサルトルであった」サルトルとはやはり哲学者・作家で、彼女と五十年以上にも渡って親密な関係を続けたそうです。「ボーヴォワールは、古い慣習にとらわれた社会に反抗し、本を書くということに対して情熱を持っていました。(中略)彼女が自分の内にある情熱をおさえ込むことをせず、諦めず、それをなんとか実現しようとしていたからこそ、サルトルと出逢えたのではないでしょうか。」お互いを高め合える関係。そんな相手に出会うには、まず自分の中の情熱と可能性を諦めないという強い意志が必要なのですね。自分を諦めてしまっている人に、高みに上げてくれる人は現れない。そう考えるとボーヴォワールの残した言葉にも納得です。■2.エディット・ピアフ(シャンソン歌手)「あたしにとってこの世で大切なものは、もうあなたの他には何もないわ。あたしの声に、命に、あたしの瞳にかけて、このことをあなたに誓うわ」彼女の恋の歌にはそのせつなさが、人を好きになる悦びが満ちています。ピアフの言葉にも、恋の歌にも「駆け引き」なんてものは存在しません。それだけ人を愛せるということに恐ろしさをも感じる程です。駆け引きなど出来なくなるくらい、相手を愛し、愛される。恋に溺れて虜になる。その覚悟を持てたとき、あなたはピアフのような悦びと切なさを味わうことが出来るはずです。そしてピアフのような美しい表現力を身に付けることが出来るでしょう。■3.与謝野晶子(歌人)「最初のころの恋愛関係のままでいくなんて、ありえないのだから、常に新しい風を二人の間に送りこみましょう。新たな関係性を築いていくことが大切。それが愛の創作です」与謝野晶子は「愛の継続」について重要なヒントを語ってくれています。どんなにのめり込み、溺れるような恋だったとしても、それは永遠には続かない。でもそこに相手への強い想いがあれば、愛に昇華することができるということですね。ふたりの関係をマンネリ化させないために本当に必要なことは、自分の出し惜しみなどではなく、新な自分の創造なのかもしれません。そうすればおのずと二人の関係にも新しい風が入り込んできます。■4.フランソワーズ・サガン(作家)「愛することはただ『大好き』ということだけではありません。特に理解することです。理解するというのは見逃すこと・・・・・・余計な口出しをしないことです」彼の気持ちを理解したい、と思う女性は多くいると思います。そんな想いからつい、彼に余計な口出しをしてしまうこともあるのではないでしょうか。辞書で「理解」を引いてみると、「相手の立場や気持ちをくみとること」という一文がありました。それを可能にするのは「想像力」です。大好きであるが故に、つい彼にあなたの意見や希望を押し付けてしまってはいませんか?本来は、あなたの想像力を目一杯使って、「彼はこういう人だからしょうがないわ」と自分とは違う考えを持ち行動する彼を「見逃す」ことこそが重要なんですね。■5.テリー・マクラミン(作家)「私は、ただ誰かにきつく抱きしめられて、よくやったねって言って欲しいだけなの。でもそれは、息子でもママでも女友達でもダメなの」この言葉に共感する方は多いのではないでしょうか。先生でも上司でも家族でも友人でもなく、「たった一人の大切な人」からの、心に響くメッセージ。それはあなたをとても幸せな気持ちにさせてくれますよね。もしかしたらそれは「運命の相手」の言葉だから胸に響くのかもしれません。あなたを幸せな気持ちにさせる魔法の言葉は、彼にしか使えない。それを感じることが出来たら、あなたは「最高の恋」に溺れ始めているのかもしれませんよ。■おわりに溺れるような恋は、怖いことだとも思います。だけど確実に、あなたの人間としての深みを育ててくれるはずです。何故なら恋愛程、他者のことを深く考え、傷つき幸せを感じることはないのですから。一生に一度くらいは、是非溺れるような恋を体験してみて欲しいと思います。その経験はきっと、あなたに重要なことを教えてくれるはずですよ。(水月紗綾/ハウコレ)
2013年05月25日世代や性別好みを問わず、とにかくみんなが知っている!そんな母国の国民的アーティストを、日本に住む外国人20人に聞いてみました!■Robbie Williams ロビー・ウィリアムズの「Let me entertain you.」テンションの高い歌です(イギリス/男性/40代前半)イギリスのみならず、ヨーロッパ中でとても人気のロビー。「Let me entertain you」という曲は確かにテンションが高く、イベントなどの時にもよくかけられるそうです。プロモーションビデオもテンション高めの仕上がりです!■El Canto del Loco。「besos」という曲だ。ポップロックの曲でロマンチックな歌詞ですごく人気があった(スペイン/男性/20代後半)スペイン・マドリード発の4人組ポップロックバンド。バンド名の意味は「狂人の歌」ですが、代表曲「besos」では、「毎朝君のキスで起こしてくれよ」とかわいらしいことを言っています!■レディー・ガガです。代表曲はゲイとかのアンセムでもある「ボーン・ディス・ウェイ」(アメリカ/女性/20代後半)みなさんご存じ、レディー・ガガさんの登場です。「ボーン・ディス・ウェイ」はヒットチャートの常連でしたね。ノリだけの曲かと思いましたが、どんな自分だとしても自分自身を受け入れて愛してあげよう、という素敵なメッセージが込められていました。応援歌です。■アムル・ディヤーブです。「アマリーン」という曲で、「2つの満月」という意味です。好きな女性のことを説明した歌です(エジプト/男性/40代後半)甘く切ない歌詞とロマンチックな歌声で人気のアムル・ディヤーブ。20年間の間に25枚のアルバムをリリースしたそうです。ファンにとってはうれしい活動ぶりですね!■DJティエスト。「アダージョ・フォー・ストリングス」トランス、エレクトロニカ系(オランダ/男性/30代前半)オランダといえばトランスなイメージがありますが、その中でも世界的に有名なDJです。タワーレコードの注目アイテムとしても紹介されており、うねるような旋律でダンスシーンを盛り上げています。■周杰倫の「双節棍(ヌンチャク)」。カンフー、武術をテーマにした曲(中国/男性/20代後半)若者に絶大な人気を誇るこの周杰倫(ジェイ・チョウ)氏の「双節棍」という曲は大ヒットし、中国全土でヌンチャクが大流行したそうです。プロモーションビデオで鍛え上げられた身体と華麗なヌンチャクさばきが見られますよ!■昔のアーティストになりますが、いまだにクロード・フランソワ、ジョニー・ハリデー、パトリック・ブリュエル、エディット・ピアフは伝説的国民的アーティストです。クロード・フランソワの代表曲は多数ありますが、Frank Sinatra もカバーした「Comme d’habitude (コムダビチュード・My way)」(フランス/女性/20代後半)マイ・ウェイ、もとはフランスの曲だったのですね!アメリカとフランスでは歌詞がだいぶ違います。アメリカは「俺は山あり谷ありのこの厳しい人生を生き抜いた!自分を貫いて!」という人生を振り返る内容ですが、フランスは「僕は君を起こそうとつついてみる、いつものように君は起きない、いつものように遅刻だ、いつものように愛し合っているふりをする」とアンニュイな日常を歌っております。全然違います……。日本でももちろんカバーされています。歌詞はアメリカ寄りですね。ベテラン歌手から今が旬の売れっ子まで、様々なアーティストの名前が挙がりました。世代によってかなり意見が分かれそうですが、日本の国民的歌手と聞かれたら、あなたは誰の名前を挙げますか?【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月20日『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』で世界中を魅了し、フランス人女優として49年ぶり2度目のアカデミー主演女優賞の快挙を成し遂げたマリオン・コティヤール。その後も『ミッドナイト・イン・パリ』や『ダークナイト ライジング』など話題作への出演が相次ぐ彼女が、現代のフランスを代表する名匠ジャック・オディアール監督とタッグ組み、両足をなくした女性という難役中の難役に挑んだ『君と歩く世界』の公開が2013年4月に決定した。南仏・アンティーブの観光名所・マリンランドのシャチ調教師・ステファニーを突然襲った事故は、彼女の人生を一変させた。満場の拍手を浴びながら、シャチによる華麗なショーを指揮している最中にステージが崩壊し、両脚を失う大怪我を負ってしまったステファニー。絶望の海に沈んだステファニーが出会ったのは、他者への愛を表現する術を知らないアリという名の不器用な男。哀れみの目を向けず、妙な気づかいもせず、自分に接してくるアリに不思議な魅力を感じたステファニーは、すでに諦めかけていた生きる喜びを呼び覚まされ、自らの意思で未来へ踏み出す力を掴み取っていく。2012年カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、フランス本国ではスマッシュヒットを記録した本作。宝石のようにきらめく幾つもの人生の発見に満ちあふれ、いかなる痛みや悲しみに打ちひしがれても這い上がり、時には生まれ変わることさえできる人間のもつ可能性を、息を飲むような迫真のリアリティで描き出す。『天使が隣で眠る夜』(’94)で監督デビューを果たしたオディアール監督は、いまやカンヌ映画祭やセザール賞の常連。前作『預言者』ではカンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞している。そして過酷なハンディキャップを抱えたヒロイン・ステファニーを演じたマリオンは、身体的制約の厳しい条件下にも関わらずドラマティックな感情の起伏をナチュラルに表現し、その素晴らしい演技力で2013年度アカデミー賞主演女優賞ノミネート最有力とも囁かれているほど。またもう一人の重要人物にして、比類なき存在感を放っているのが、アリに扮した新星マティアス・スーナールツだ。そんなアリの人間性の目覚めをきめ細やかに描き、「人はなぜ一人ではなく誰かと一緒に生きたいと願うのか」という根源的なテーマを探求したオディアール監督の視点の奥深さには感銘を受けずにはいられない。オスカー女優・マリオンと名匠・オディアール監督がタッグを組んで描く、再生と希望の物語。さらにグラミー賞の最優秀新人賞を射止めたシンガー・ソングライター、ボン・イヴェールが提供した挿入曲が、観る者の胸にエモーショナルな響きを与えてくれるはず。カンヌでの上映、フランスでのヒットに続き、ロンドン映画祭で最優秀作品賞を獲得するなど並々ならぬ大反響を呼び起こしている本作だけに、来年の公開が待ちきれない。『君と歩く世界』は2013年4月6日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:君と歩く世界 2013年4月6日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© Why Not Productions - Page 114 - France 2 Cinéma - Les Films du Fleuve – Lunanime
2012年11月20日20世紀に実在したドイツの伝説的女優マレーネ・ディートリッヒの半生を、和央ようか主演で描く舞台『ディートリッヒ』が10月29日、東京・青山劇場にて開幕した。和央が主演した2010年の初演から2年ぶりの再演。演出や脚本、共演者、楽曲は一新され、新しい作品として生まれ変わっている。20世紀初頭、サイレント映画からトーキーへと、映画そのものが大きく変わっていった時代。『嘆きの天使』のヒロインに抜擢されたディートリッヒは、母と娘をベルリンに残して、ハリウッドへと進出。その挑発的な態度と妖しい魅力で、一躍映画界のスターへと上り詰める。アメリカで次々と成功を収めていく彼女だが、祖国のナチス・ドイツは彼女の影響力を利用しようと圧力をかけるようになる。表現の自由を奪うナチスに反発したディートリッヒは、愛する母を残してきたことに心を痛めながらも、祖国のためにあえて反ナチスを掲げることを決意。第二次世界大戦中はアメリカ国民として、自ら慰問団に志願して前線に赴き、そのとき兵士たちに歌った「リリー・マルレーン」は、多くの人々の心を揺り動かすことになる。激動の中にあっても、自分の選んだ道をひたむきに信じて真っ直ぐ生きていくディートリッヒを、宝塚で男役を極めた和央が強くしなやかに演じる姿が印象的な舞台だ。開演前に行われた記者会見で和央は「ディートリッヒはひとことでいうとカッコいい女性。その生き方とともに、裏にある彼女自身の葛藤や哀しみなども描き出したい。私もこの役を演じながら強くなれたと思う。観終わったあとに、勇気や希望そして温かいものを感じていただける作品」とコメント。ディートリッヒの女優としての輝きや信念の強さといった言葉では表しきれない部分を、生身の女優・和央ようかを通して体感できるのは本作の醍醐味だ。ディートリッヒの母、ヨゼフィーネを演じる今陽子が「テーマは“愛”。マレーネ役のたかちゃん(和央の愛称)とは本当の親子のように仲良しなのでステキな母娘を演じたい」と語ったように、娘のマリア役の新垣里沙を含めた親子3世代のドラマも見どころ。そのほか奔放なエディット・ピアフとの友情や、俳優ジャン・ギャバンとの恋など、さまざまな角度から見えるディートリッヒ像。その生き様からは、誰しも信念をもって強く生きていくことへの勇気をもらえることだろう。11月4日(日)まで青山劇場で上演した後、11月16日(金)から18日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて公演を行う。取材・文:大林計隆
2012年10月30日女性アーティスト、ザーズの一夜限りの来日公演が9月10日(月)に赤坂BLITZで行われることが決定した。【公演情報はこちら】デビューアルバム『モンマルトルからのラブレター』が全世界で100万枚ものセールスを誇るザーズは、そのハスキーボイスでエディット・ピアフの再来とも言われており、今年の春に行われた初単独公演は全てSOLDOUTするなど、日本国内でも高い人気をみせている。今回は前回の来日から短い期間での再来日となるが、前回公演で受けた日本のファンの声援が忘れられないということで、本人たっての希望で公演が実現した。さらに今回の公演に際して、日本のファンのためにエディット・ピアフの代表曲である『愛の讃歌』『バラ色の人生』のカバーも披露するとのことで、前回とは異なったセットリストで楽しませてくれそうだ。チケットは7月7日(土)より一般発売開始。■ザーズ来日公演「メルシー・トーキョー One Night Stand Live」2012年9月10 日(月)会場:赤坂BLITZ(東京都)開場/18:00 開演/19:001F 立見/2F 立見 7,000円(税込)2F 指定席 8,000円(税込)※入場時ドリンク代 別途500円
2012年06月25日本日よりいよいよ開幕となった第65回カンヌ国際映画祭。毎年異なるスタイリッシュなビジュアルで会場でも披露されるポスター・ビジュアルだが、今年のメインビジュアルに選ばれたのは“永遠のセックス・シンボル”マリリン・モンロー。没後50年にあたる節目にあって、いまも尚多くの人たちを魅了し続ける伝説の大女優にオマージュが捧げられている。今年のカンヌ映画祭では、そんな彼女に負けず劣らずの美貌と実力を誇る“現代のミューズ”たちの注目の最新作が数多く集まっている。その中から注目すべきミューズ&映画をご紹介。まずは、2007年公開の『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』でオスカー女優の称号を手にしたフランス出身の人気女優、マリオン・コティヤール。『真夜中のピアニスト』などで知られるジャック・オーディアール監督との初タッグを果たした『Rust & Bone』(英題)で、彼女は悲劇的な事故により、脚と夢をいっぺんに失ってしまう女性・ステファニーを演じる。夢を閉ざされ絶望の淵に立たされたステファニーは、家もお金も友人もいない男・アリと出会い、恋に落ち、希望の光を見つけていく。同作はコンペティション部門に出品。体を張った難役に果敢に挑んだマリオンの女優魂がいかに評価されるのか?一方、若手女優の中でもここ数年でめきめきと頭角を現しているのが、『Lawless』(原題/コンペティション)のミア・ワシコウスカ。本作の舞台は1931年、禁酒法真っ只中のアメリカ。密売人として名を馳せていたボデュラント兄弟が自分たちの生きる道を守るため、汚職にまみれた警察、専横的な司法、そしてライバルのギャングたちと闘う姿を描いたハードボイルドな本作で、ミアはシャイア・ラブーフ扮するジャックが恋に落ちる美女・バーサを演じている。ほかにもトム・ハーディやゲイリー・オールドマン、ガイ・ピアース、ジェシカ・チャステインと錚々たる面々が集結している本作。映画祭でのキャスト集合も期待されるところ。映画祭の舞台、フランスのミューズたちももちろん忘れてはならない。そのうちのひとりが、シャルロット・ゲンズブール。女優としてだけでなくファッション・アイコンとしても注目される彼女が出演するのは、「ある視点部門」に出品された、詩人アルフレド・ドゥ・ミュゼの自伝に基づいた映画『Confession of a Child of the Century』(英題)。ケイト・モスの元カレであり、ミュージシャンのピート・ドハーティを主演に迎えた本作で、シャルロットはピート演じる10歳年の離れた青年と情熱的な恋に落ちる未亡人を演じる。お騒がせロックン・ローラー、ピートのスクリーンデビュー作とあって映画業界のみならず、音楽業界でも話題となっている本作のカンヌでの反響にも期待が高まる。もうひとりは、“永遠に愛されるミューズ”の代表格、オドレイ・トトゥ!最近では『ココ・アヴァン・シャネル』で、『アメリ』のイメージを払拭し時代のリーダーを見事に演じきった彼女。この演技の幅の広さこそが、彼女が映画界で愛される理由といえよう。本映画祭では、彼女の最新作であり、今年4月に逝去したクロード・ミレール監督の遺作となった『Thérèse D』がクロージング作品として上映される。政略結婚が広く行われていた時代のフランス・ランド地方を舞台に、前衛的な考えを持ち、地方に根差す慣習に縛られない女性をオドレイが演じる。自らに課された運命から解放され人生を満喫するために、あらゆる手を尽くす彼女の姿は、現代の女性たちにも生きる“ヒント”と“勇気”を与えてくれそう。もちろん、この美しきミューズたちはほんの一部。今年のカンヌ映画祭には、今後の映画界を担うであろう次世代ミューズたちの出演作もまだまだ多数出品される。自由に飢えた3人の若者の旅路を描いたロードムービー『On The Road 』(原題)で奔放で魅力的なヒロインを演じるクリステン・スチュワートもそのひとり。プライベートのパートナーとしてたびたび報じられる、ロバート・パティンソンも主演作『COSMOPOLIS』(原題)も本作同様にコンペ部門に出品されるとあって、もしかしたら2人のツーショットが見られるチャンスも!?ミューズに注目しただけでもひと味違う楽しみ方ができる今年のカンヌ。開催は、5月16日から27日まで。特集:第65回カンヌ国際映画祭■関連作品:Thérèse D (原題)第65回カンヌ国際映画祭 [映画祭]Confession of a Child of the Century (原題)Lawless (原題)Rust & Bone (原題)On The Road (原題)■関連記事:ユアン・マクレガー、A・ペイン監督らが今年のカンヌ国際映画祭コンペ部門審査員にミス・ユニバース優勝の森理世が故郷・静岡とカンヌの結びつきを猛アピール!三池崇史、2年連続でカンヌに殴りこみ!『愛と誠』、カンヌ国際映画祭で上映決定
2012年05月16日フランスの歌姫・ザーズが2012年2月に来日公演を行う。日本来日公演の情報ザーズは、2010年に発表した(日本盤のリリースは2011年3月)ファースト・アルバム『モンマルトルからのラブレター』が世界20か国で100万枚を超すセールスを記録。本国パリでは、エディット・ピアフの再来とも称えられる人気女性シンガーだ。日本には2009年フジロックで来日、今回はフルバンド6名による初の日本単独公演となる。チケットは現在発売中。■ZAZ JAPAN TOUR 20122月23日(木)赤坂BLITZ2月24日(金)赤坂BLITZ2月25日(土)なんばHatch
2011年12月12日パリが最も愛したシャンソン歌手エディット・ピアフを、大竹しのぶが演じる舞台『ピアフ』が、10月13日(木)に東京・シアタークリエで開幕する。初日前日の10月12日、大竹と共演の田代万里生、碓井将大、KENTARO、山口馬木也が囲み取材に応じ、意気込みを語った。『ピアフ』チケット情報作品は、ブロードウェイ、ウェストエンドで名だたる女優が演じてきた、パム・ジェムス作の舞台『ピアフ』。これを、ジェムス自身が2008年のロンドン公演のために書き下ろした決定版の日本初演となる。日本版の演出は現代演劇を得意とする栗山民也が担当する。貧民街で生まれたピアフが、人々を魅了する歌声によって名声を得ていくが、私生活は孤独で、愛を求めて男たちと関係を持っていく。イブ・モンタン、シャルル・アズナブール、マルセル・セルダン、そして生涯最後の若き恋人テオ・サラポとの愛に生きる姿を描く。また、「愛の賛歌」「バラ色の人生」ほか15曲を大竹が絶唱するのも話題。会見で大竹は「ピアフの歌声がなぜこんなに惹きつけられるのかが知りたかったし、やっているうちにそれがみつかるかなと思いました。歌っている時、神聖な気持ちになります。(ピアフは)普段はめっちゃくちゃな性格だし、めちゃくちゃな生活をしてるんですけど、そこが逆に面白い」とピアフの魅力を語った。また4人の共演者のうち、もっとも若い碓井は「あんまり歳のことを言うとしのぶさんに怒られるので」と恐縮していると、大竹は「お父さんやお母さんが私より下なので、親子に見えないように頑張ります」と話すなど、すでに息もぴったり。田代が「稽古中も、しのぶさんが稽古をしている様子を全員がずっと見ていました。(本番では)客席で見れなくて残念です」と話すなど、共演する男性陣は大竹“ピアフ”に虜の様子だった。公演は11月6日(日)まで同劇場にて上演。その後、富山、石川、大阪、愛知と各地を回る。チケットは発売中。
2011年10月13日愛と歌で彩られた波乱万丈な人生で知られるシャンソンの女王、エディット・ピアフの生涯を描いた舞台『ピアフ』の製作発表が9月13日都内で行われ、ピアフを演じる大竹しのぶらキャスト6名と、翻訳の常田景子が出席した。チケット情報『ピアフ』はイギリスの女流劇作家パム・ジェムスによる傑作戯曲で、1978年にイギリスで初演。その後、ブロードウェイや世界各国で上演され、主役のピアフは名だたる女優たちによって演じ継がれてきた。その大役に、日本を代表する女優・大竹しのぶが初挑戦。路上で歌い始めた少女時代から47歳で亡くなるまでを演じ、『愛の讃歌』『バラ色の人生』ら約15曲ものナンバーを披露する。演出は、大竹とは5作目の顔合わせとなる栗山民也。二十歳の頃、舞台で共演中だった中村勘三郎(=勘九郎)からピアフの自伝を贈られたのが彼女との出会いだったという大竹。「ピアフを演じられるなんて夢のよう」とその喜びをストレートに表し、「なぜ彼女の歌がこんなにも心に響くのか、お客様が答えを出せるように一生懸命演じたい」と真摯に語った。またピアフは様々なタイプの男性との華やかな恋愛遍歴でも知られるが、「あんなにわがままでめちゃくちゃな生き方なのに、これだけの男性に愛されている(笑)。だけどそれも当然だなと感じてもらえるようなエネルギッシュでチャーミングな、そしてどこにもいない女性を演じられたら」と、思い描くピアフ像を語った。劇中にはピアフの歴代の恋人たちが登場するが、その中からこの日はイブ・モンタン役の田代万里生、テオ・サラポ役の碓井将大、マルセル・セルダン役の山口馬木也が出席。「マネージャー役なので色っぽいシーンがない」と嘆くルイ・バリエ役の高橋和也に田代が「僕はまるで映画のようなキスシーンもあるので申し訳ない(笑)」と応え、早くも大竹争奪戦が勃発!?またピアフの最後の恋人テオを演じる碓井の19歳という実年齢に、大竹が驚愕する一幕もあった。ピアフの生涯の友人トワーヌ役の梅沢昌代は、「とても展開の速い芝居なので、しのぶちゃんは本当に大変」と、気心の知れた大竹を気遣っていた。好きなピアフのナンバーに『水に流して』を挙げた大竹は、「『もういい、もう後悔しない。今日から新しい人生が始まる』という内容の歌詞で、私もそんな風に生きてきたし、これからもそう生きていきたい」とコメント。歌に全てを懸けたピアフと芝居に全てを懸ける大竹の生き様が交錯し、見応え、聴き応えのある音楽劇となりそうだ。公演は10月13日(木)から11月6日(日)まで東京・シアタークリエにて上演。その後、富山、石川、大阪、愛知にて上演される。チケットは一部を除き発売中。取材・文:武田吏都
2011年09月14日マリオン・コティヤールがパートナーで俳優・監督のギョーム・カネとの間に第一子を妊娠中であることを、彼女の代理人が認めた。マリオンとギョームは2003年に『世界でいちばん不運で幸せな私』で共演したが、当時ギョームはダイアン・クルーガーと結婚していて(06年に離婚)、マリオンも別の男性と交際中。恋愛関係にはならないどころか、撮影中は意見が対立して険悪な雰囲気だったというが、07年から交際が始まった。フランスの「Le Parisien」紙によると、マリオンは妊娠5か月。先月に開催されたマラケシュ国際映画祭に参加した際、左手薬指にダイヤの指輪をはめた彼女がふっくらしていたことから、結婚・妊娠の憶測が出ていたが、「People」誌によると、2人に婚約や結婚の予定はないという。交際開始直後にマリオンは『エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜』でアカデミー賞主演女優賞を受賞。『パブリック・エネミーズ』や『インセプション』などの大作に出演する国際派女優として活躍する一方、ギョームの監督作『Les petits mouchoirs』(原題)に出演し、2人は公私共に良きパートナーとなっている。(text:Yuki Tominaga)写真はマラケシュ国際映画祭のオープニングセレモニーに出席したマリオン・コティヤール。© AFLO■関連作品:インセプション 2010年7月23日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Warner Bros. Ent. All Rights Reservedパブリック・エネミーズ 2009年12月12日よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開© 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED. エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜 2007年9月29日より有楽座ほか全国にて公開■関連記事:個性派名脇役のピート・ポスルスウェイトが死去【ハリウッドより愛をこめて】2010年、ゴシップシーンを賑わしたセレブたち【シネマモード】2010年をふり返ってみれば…ジョニーが主演賞Wノミネート!オスカー前哨戦のゴールデン・グローブ賞候補が発表秋元康、来年は「予定調和を壊す」 サプライズはAKB48指原センター?
2011年01月12日わずか10歳にして余命を宣告された少年・オスカー。医師も、そして両親でさえも彼を気遣い真実を告げることができない中で偶然出会ったデリバリーピザの店主・ローズは、誰よりも正直に彼に接し、残されたこの世界での日々の少なさに落ち込む少年にこんな提案をする。「1日を10年と考えて過ごすこと。毎日神様に宛てて手紙を書くこと」。このときから少年の人生は大きく動き始める――。想像力を武器に100歳の人生を駆け抜けた少年と彼との交流の中で人生に確かな“愛”を灯していく周囲の人々の姿を描いた『100歳の少年と12通の手紙』。この命の奇跡の物語を手掛けたのは『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』の原作と脚本、そして『地上5センチの恋心』の監督として知られるエリック=エマニュエル・シュミット。このたび、本作に強く共鳴したという『食堂かたつむり』の富永まい監督と来日を果たしたシュミット監督の対談が実現!“命”や“死”を温かさをもって描いてきた2人が熱く語り合った。ファンタジーのなかで描かれる確かなリアリティ富永:映画を拝見して感動したと同時にすごくハッピーな気持ちになりました。私自身、監督として映画を作る上で、人の心の内面や精神世界を映像にしたいという欲求が高いので、そうした作品に感銘を受けることが多いんです。この作品がすごく刺激になって、まず嬉しかったのと、加えて一人の観客として感動したのは、非常に人物を公平に描いていること。命の長さ、短さ、子供、大人に関係なく、命というものが平等で公平なものだということを映像の美しさと共に描かれていたということに感動しました。シュミット:ありがとうございます。私自身も映画のどこに興味があるかと言うと、やはり登場人物の魂の中にどれだけカメラが入り込めるか、彼らの内面をどれだけ映し出せるかというところなんです。今回の作品についても、オスカーの目を通して彼が見た世界や人物を描くのであって、あくまでオスカーの主観に沿っている。オスカーの頭の中に描かれる映像がその映画の中で描き出される、という作りにしました。時に面白いシーンも残酷なシーンもあるけれど、それは彼の目を通した世界だから、そこには嘘はないと思うんです。実は私は、あまりリアリズムな映画には関心がなくて、主観的な物語、映像を大切にしているんです。私にとってカメラというのはペンと同じ存在なんです。劇中の舞台もリアルな場所ではなく、あくまでもオスカーが見たその場所が映し出されており、リアルな場所ではありません。富永:いまおっしゃられたようにリアリティとは離れた世界ではあるんですけど、ある意味ものすごくリアルさを感じるんですね。ファンタジックに描くときに私も気をつける部分でもあるんですが、シュミット監督の作品の素晴らしいところは、人間の内面を映像化しているんだけれど、それが決してただのファンタジーではなくて、心と繋がっているある種のリアリティになっているところ。これは理想ですがすごく難しいことだと思うので、すごく感銘しました。シュミット:確かに想像というのはリアルな世界ではない。けれども存在するんです。人間の心や頭の中に存在する、それはそれでリアルなものだと思います。想像は人生をものすごく豊かにするものだと自分では思っているんです。1日を10年だと思って生きるというローズの提案、それはオスカーにとっては人生最大のプレゼントだったんじゃないかと思います。それがあったからこそ――もちろん、想像の中ではあったけれども――彼は人生の様々なときを経験することができ、深みのある味わい深い人生になったと思います。少年が遺したものシュミット:劇中、“砂漠の花”というものが出てくるんですけど、一日で枯れちゃう花です。「枯れた花のあとに種が残るでしょ」ってローズが言うんです。この言葉はある意味、オスカーにとっては残酷なシーンだと感じていました。なぜなら、彼は想像の中では100歳を超えて生きるけれど、実際はそうではなく、子孫を残すことができませんよね。でも、後になって考えてみたら、オスカーが遺したもの――ローズや両親に伝えた彼の愛情は、しっかりと彼らの記憶に残るでしょう。生きている人たちが彼の死後も人生経験をできると考えたとき、肉体はなくなっても遺すものはあったんだ、と。あれは彼の人生のメタファーなんだと思いました。富永:素敵なシーンでした。陽気に描かれているのも良いですね。日本にも難病の子が死んでしまう映画が山ほどありまして「いかに映画館に泣きに行くか、泣きに行かせるか」が命題だったりするわけです。誰でも幼い子供が難病で死んでしまえば泣きますよ。でも、この映画はかわいそうで泣くんじゃない。この少年が素晴らしく生きたことに感動させてくれる。これが人間の持ってる力なんだと感じさせてくれる。“難病モノ”という点で同じ題材だけど到達点が違うんです。泣く映画を観に行く日本人にぜひ観てほしいと思いました。“命”はみんなに公平――それを象徴するローズ富永:ローズという人物は、乱暴に見えるけど公平な人物に思えました。死ぬんだと言われてる子に「そうだよ」と言うところから2人の関係が始まる。それは勇気がいるし、残酷なことかもしれないけど公平なんですよね、命はみんないつかなくなる、というところで。前作の『地上5センチの恋心』の主人公のオレットさん(カトリーヌ・フロ)も公平な人物であり、そこが魅力的でした。シュミット:2人とも大人の女性ですが幼児性が抜けてない。嘘がつけなくて言動がダイレクトなんです。オスカーがいじけてロッカーで過ごすシーンがあります。ローズはそのことについてオスカーに「楽しかった?」と聞くんです。普通の大人なら「なぜそんなことしたの?」と聞くか説教じみたことを言うものです。そうやって話しながら、彼女が意識してるわけでもないのにオスカーの苦痛は和らいでいく。『地上5センチの恋心』のオレットと作家の関係も同じです。作家が抱える重い問題が、オレットとのやり取りを通じて軽くなっていく。それは、ローズやオレットが持っている率直さ、真っ直ぐな物の見方が作用してる。私は作家として同じようにありたいと思います。話題にされないことについて壁を打ち砕き、言葉でタブーを破るのが作家である、と。富永:2人のようでありたいと憧れますが、一生、子供でいるには才能がいりそうですね(笑)。それから、ひと目見て魅了されてしまうオスカーくん。彼を演じた子役と接する上で、特に今回は難病を抱えた少年ですが、どんなことを大切にされたんですか?シュミット:私と(オスカー役の)アミール、(ローズ役の)ミシェル・ラロックと3人で台本を繰り返し読んで練習しましたね。病気を抱えている、というところを表現するのが難しかったようですが、ミシェルも難しさを感じていたようです。というのも彼女はアミールに心から愛情を感じてかわいがっていたので、それが演技に出ると良くない。突き放す、あっさりした感じで表現しないといけません。堂々とさらっと演じてるようですが、カットが掛かってから外で泣いていたこともありました。富永:自分だったらメロメロで正しい判断ができなくなると思います(笑)。毎回、編集室で「しまった!」と思うんです(苦笑)。最後に、映画からは離れてしまいますが、日本はいかがですか?シュミット:日本を訪れるのは2回目です。来る前はどこかで先入観を持っていたのですが、着いたとたんに日本に魅了されてしまいました。『ロスト・イン・トランスレーション』のように、異国で自分を見失うような感覚を味わっています。ある意味で、日本に対する憧憬が強くなった感じもします。「太れない相撲取り」という短い小説を書いたのですが、今度はそれを日本で映画に撮りたいです。不思議と日本にいると、パリにいるより気持ちよくて違和感がないですよ。富永:私は東京で毎日、違和感を持ってますけど…(苦笑)。シュミット:ここで生活しているわけではないから居心地がいいんでしょう。きっとあなたはパリが気に入ると思いますよ。私の方はパリは大嫌いです(笑)!■関連作品:100歳の少年と12通の手紙 2010年11月6日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2008 Pan-Europeenne-Studiocanal-Oscar Films-TF1 Films Production-Cinemaginaire-RTBF (Belgian Telecision) 地上5センチの恋心 2008年3月1日よりシネスイッチ銀座ほかにて公開© 2008 Crest International Inc. All rights reserved.■関連記事:ゆうこりん、羽根付きドレスで登場し大胆発言、次の夢は敏腕デイトレーダー?第33回セザール賞ノミネート発表!『秘密』と『エディット・ピアフ』の行方は?ありきたりの日常をバラ色に!『地上5センチの恋心』試写会に10組20名様ご招待
2010年11月11日