クリステン・スチュワート主演『アンダーウォーター』が、本日9月2日(水)よりデジタル配信スタートした。海面下約11,000m。海底研究所でエンジニアとして働くノラは、大地震に遭遇。その衝撃で壁が崩壊し、水が激しい勢いで吹き出し、研究所は破壊的な損傷を受けてしまう。なんとか生き残ったノラたちは、潜水服を着て近くの中間基地まで避難することを決める。そんな中、地震の影響で深海に潜む得体の知れない生物を呼び覚ましてしまう…。本作は、深海で巻き起こる未知の生物との戦いを描いた、SFパニック・スリラー。クリステンが演じるのは、海底研究所で機械系エンジニアとして働くノラ。海底シーンでは、約60キロもの気密服で堂々とアクションをこなし、役作りで坊主頭で登場するなど、新たな魅力を覗くことができる。クリステンのほかにも、『ブラック・スワン』のヴァンサン・カッセル、『デッドプール』シリーズのT・J・ミラー、「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズのジェシカ・ヘンウィック、『10 クローバーフィールド・レーン』のジョン・ギャラガー・Jrらが出演している。配信では、字幕版と日本語吹き替え版が製作。ボーナス・コンテンツには、基地からの脱出シーンや海底ウォークシーンなどのロング・バージョン&未公開シーン集をはじめ、劇中では描かれなかった「もうひとつのエンディング」や、キャストとスタッフが語る「製作の舞台裏」などが収録されている。『アンダーウォーター』は9月2日(水)よりデジタル配信開始。(cinemacafe.net)
2020年09月02日クリス・プラット&キャサリン・シュワルツェネッガー夫妻に第1子女児が誕生した。どちらも2人の手と赤ちゃんの手を重ねている写真をインスタグラムに投稿し、報告。ライラ・マリア・シュワルツェネッガー・プラットと名付けたことも発表した。クリスは「こんなにうれしいことはない」と大喜びで「母子ともに健康」であることも伝えている。クリスのインスタにはエンタメ業界の仲間たちから祝福メッセージが殺到。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の監督ジェームズ・ガン、共演者のゾーイ・サルダナ、カレン・ギラン、ジョシュ・ブローリンや『ジュラシック・ワールド』の共演者ブライス・ダラス・ハワードらがライラちゃんの誕生を祝った。「ETonline」によると、パトリック・シュワルツェネッガーは早速ライラちゃんに対して“叔父ぶり”を発揮。記者に「赤ちゃんへの贈り物なんだ」とピンクのリボンがついたプレゼントを見せ、うれしそうだったという。おじいちゃんとなったアーノルド・シュワルツェネッガーら家族はすでに夫妻の家を訪れ、ライラちゃんに面会した。クリス&キャサリンは昨年6月に結婚。クリスには元妻アンナ・ファリスとの間に7歳の息子ジャックくんがいる。(Hiromi Kaku)
2020年08月11日『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』を手がけたパブロ・ラライン監督が贈る最新作『エマ、愛の罠』が10月2日(金)より全国公開。新星女優が鮮烈に登場する予告編が完成した。ある悲しい事件をきっかけに、 心のよりどころを失った美しきダンサーのエマ。 振付師の夫・ガストンとの結婚生活が破綻し絶望のどん底に突き落とされたエマは、ある思惑を秘めて、その妖しい魅力で実直な消防士と彼の妻を虜にする。エマの不可解なまでに奔放な行動の裏には、ある衝撃的な秘密が隠されていた…。主人公・エマを演じるのは、会って10分後に監督が主演オファーした脅威の新星マリアーナ・ディ・ジローラモ。そして、エマの夫ガストンには、『天国の口、終りの楽園。』で世界的に脚光を浴び、その後も『モーターサイクル・ダイアリーズ』『バッド・エデュケーション』『バベル』「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」などの話題作に出演、M・ナイト・シャマラン監督の新作映画も決定しているガエル・ガルシア・ベルナル。ラライン監督とは『NO』『ネルーダ大いなる愛の逃亡者』と強力タッグを組んできた。今回解禁する予告編では、ジェンダーレスでボーダーレスのヒロイン・エマが、別居中の夫、家族、エマを敬愛してやまない友人たち、夫と離婚するために雇った弁護士、車の放火現場で出会った消防士…自分の欲望のために、あらゆる人々を巻き込みながら、ミステリアスなルックスと大胆で過激な行動力で、“ある計画”を遂行する様が描かれる。鮮烈な映像美の中、体の奥底から満ちあふれる魂の叫びを体現するかのような、レゲトンに彩られた世界を浮遊するエマ。その妖しい魅力を放つ新星女優マリアーナの存在感。あらゆる人を虜にしていく彼女の真意は何なのか?あらゆる観客を欺いて仕掛ける“愛の罠”を体感したくなる予告編となっている。監督は、ハリウッド映画『ジャッキー/ファーストレディ最後の使命』で第73回ヴェネチア国際映画祭、第89回アカデミー賞、第74回ゴールデン・グローブ賞を賑わせ、米アカデミー賞に輝く『ナチュラルウーマン』の製作を務めたチリ出身のパブロ・ラライン。 クリステン・スチュワートがダイアナ元妃を演じる監督作『Spencer』(原題)の製作が決定しており、また外出制限下に撮影された短編集「HOMEMADE/ホームメード」(Netflix)の製作・監督陣にも名を連ねている。『エマ、愛の罠』は10月2日(金)よりシネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラスト有楽町、kino cinéma立川高島屋S.C.館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年08月02日VANS(ヴァンズ)から、ハワイ在住のアーティスト、クリス・ゴトウ(Kris Goto)とのコラボレーショアイテムが、2020年7月23日(木)よりVANSストア各店などで発売される。日本で生まれ、香港やニュージーランド、ハワイと世界各地を移住してきたハワイのアーティスト、クリス・ゴトウ。手塚治虫の漫画をはじめ、マオリ族のタトゥーやデイブ・マッキーンなどから影響を受けた、ユニークでカラフルな作品が特徴だ。今回のコラボレーションでは、クリス・ゴトウを代表するパターンである美しいハワイアンレイのグラフックをあしらった、シューズ・Tシャツ・サコッシュがラインナップする。シューズは、スリッポンにシューレースをあしらい、デッキシューズのように仕上げたVANSのスニーカー「LACEY」がベース。色鮮やかなハワイアンレイを、つま先部分にプリントした。ソールの側面にも、繊細に描かれた花を散りばめている。ホワイト・パープル・カーキ・ベージュの4色展開となるTシャツは、左胸に小さく、バックに大きくグラフィックを配置。色鮮やかなアートを配したサコッシュは、日常使いしやすいサイズで用意する。【詳細】VANS × クリス・ゴトウ発売日:2020年7月23日(木)販売店舗:VANSストア各店、ABCマート グランドステージ取扱店舗、カリフォルニアデプト各店、ABCマートオンラインストア価格:・スニーカー 6,000円・Tシャツ(ホワイト・パープル・カーキ・ベージュ) 3,000円+税・サコッシュ 2,000円+税
2020年07月25日キャプテン・アメリカ役を卒業宣言したクリス・エヴァンスが、『アベンジャーズ/エンド・ゲーム』などのMCU作品でお馴染みのアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟と、『The Gray Man』(原題)で再びタッグを組む。脚本はジョーが手掛け、『エンド・ゲーム』の脚本家コンビ、クリストファー・マルクス&スティーヴン・マクフィーリーがリライトにあたる。製作はルッソ兄弟の制作会社「AGBO」を通して行われる。クリスはライアン・ゴズリングとW主演すると報じられているが、中心となるのはどちらかといえばライアンのようだ。「Deadline」によると、Netflixで製作・配信される今作は、製作費に同社史上最高額となる2億ドル(約210億円)以上が投入されるとのこと。原作はマーク・グリーニーの小説「暗殺者グレイマン」。ライアンは元CIAで現在は暗殺者のジェントリー役、クリスはジェントリーの元同僚で現在はジェントリーを追跡する立場であるハンセン役を演じる。ルッソ兄弟によると、ジェイソン・ボーンを主人公とした『ボーン』シリーズのようなストーリーになるそうで、「異なるCIAを演じる、2人の素晴らしい俳優のガチンコ対決」と表現し、「どんな劇場映画にも引けを取らない」、「ゴズリングとエヴァンスの2人がそろうなんて夢みたい」とポジティブに語った。すでに続編製作にも前向きで、「1作目に心血を注いでいるから、2作目もできるといいな」と意欲を見せている。(Hiromi Kaku)
2020年07月20日『キャプテン・アメリカ』のクリス・エヴァンスと『シンデレラ』のリリー・ジェームズに、交際のうわさが浮上している。先週末の午前1時ごろ、ロンドンのメイフェアにある上品な会員制クラブ「Mark’s Club」から出てくるところを英紙「Daily Mail」などがキャッチした。ドレスコードのある会員制クラブのため、リリーは赤いドレスに紺のトレンチコートというエレガントなファッションに身を包み、クリスはいつもSNSに投稿しているようなTシャツやスウェット姿というカジュアルな服装ではなく、黒のスーツでスマートな出で立ちだった。2人はクラブを後にすると一緒にタクシーに乗り込み、クリスが滞在するホテルに向かったもののホテルに到着すると別々に降り、クリスはフロントドア、リリーは裏側のドアから入ったという。2人の交際のうわさに、ツイッターではファンが「なんてゴージャスなカップル」、「2人が一緒にいるところを見たい」、「支持する!」と歓迎ムードであることを表明している。リリーは2019年12月に5年交際していた「ザ・クラウン」のマット・スミスと破局。ロックダウン中に復縁がささやかれていた。クリスは2018年3月に、2年ほどオン・オフを繰り返したジェニー・スレイトとの破局が報じられている。(Hiromi Kaku)
2020年07月08日クリステン・スチュワートが『Spencer』に主演することがわかった。ダイアナ妃の伝記映画で、彼女が英国王室を去ることを決意するクリスマス休暇に焦点をしぼるもの。監督は『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』のパブロ・ラライン、脚本は『イースタン・プロミス』『完全なるチェックメイト』のスティーブン・ナイト。撮影は来年開始の予定。スチュワートは昨年プレミアされた『Seberg』でジーン・セバーグを演じている。次回公開作はコメディ映画『Happiest Season』。文=猿渡由紀
2020年06月18日クリステン・スチュワートが映画『Spencer』(原題)の主演に決定。故ダイアナ妃を演じることになったという。「Deadline」など複数のメディアが報じた。監督は『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』のパブロ・ラライン。「クリステンは今日の素晴らしい俳優の1人。彼女はいろんなことができる。すごく神秘的だったり、もろさを醸し出したり。突き詰めていくとそこには力強さがある。まさに私たちが求めていたことなんだ」とクリステンをキャスティングした理由を明らかにしている。また、『Spencer』のメガホンを取ることへの興奮も。チリ出身のラライン監督は、「ロイヤルファミリーにはいつも興味を持っていたし、魅力を感じていた。私が生まれ育った地にはないものだから。ダイアナ元妃は本当にパワフルなアイコン。女性だけでなく、世界中の何百万人もの人たちが、彼女の人生に共感を抱いた」と王室とダイアナ元妃への想いを語った。映画では「彼女が、チャールズ皇太子に出会う前の自分に戻りたいと決断するまでの物語を描く」という。具体的には、ダイアナ元妃がサンドリンガムに滞在中、チャールズ皇太子との結婚に終止符を打つと決める1990年代のクリスマス休暇の3日間が描かれる。脚本は「ピーキー・ブラインダーズ」のスティーヴン・ナイトが手掛ける。(Hiromi Kaku)
2020年06月18日6月3日(水)のテレビ東京「午後のロードショー」では、キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リューの出演でアメリカの人気ドラマを映画化、大ヒットしたシリーズの第2弾『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』をオンエアする。探偵社で働く3人の女性の活躍を描いた70年代の同名人気ドラマをリメイク、大ヒットさせた本シリーズ。その人気は根強く、クリステン・スチュワート、ナオミ・スコット、エラ・バリンスカが新生“チャーリーズ・エンジェル”を演じたリブート版も公開、大きな話題を呼んだのは記憶に新しい。3人の主人公たちを演じるのは、10代からモデルとして活動、1994年公開の『マスク』でスクリーンデビューを飾ると、『メリーに首ったけ』のヒットでスターダムに駆け上がったキャメロン・ディアス。トム・クルーズと共演した『バニラ・スカイ』ではゴールデングローブ賞にノミネートされ、『シュレック』シリーズではフィオナ姫の声を担当するなど、多くのヒット作で知られている。映画史に残る名作『E.T.』で主人公エリオットの妹を演じ名子役として話題に。その後は女優としてだけでなく『ローラーガールズ・ダイアリー』で監督を務め、本シリーズではプロデューサーにも名を連ねるなど多彩な活動で知られるドリュー・バリモア。本作のほか『キル・ビル』シリーズなどに出演、『カンフー・パンダ』や『ティンカー・ベル』シリーズ、『かぐや姫の物語』の英語版などでは声優も務めるルーシー・リュー。そして本作では『ゴースト/ニューヨークの幻』や『幸福の条件』などで知られるデミ・ムーアが3人と対峙する“敵”に。この作品のために全身を“メンテナンス”した彼女がみせる圧巻のアクションにも注目。物語はテロリストに拉致され、モンゴルとシベリアの国境に囚われたアメリカ警察機構の要人カーター・レイを救出する任務のため敵のアジトに潜入、カーターを奪還した3人だが、テロリストの真の狙いはほかにあった。それはアメリカ政府が連邦証人保護プログラムでかくまっている、対組織犯罪の最重要証人リスト。エンジェルたちはターゲットとなっている証人たちの情報を入手していくのだが、事件には思いがけない黒幕が…というもの。午後のロードショー『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』は6月3日(水)13時35分~テレビ東京でオンエア。(笠緒)
2020年06月03日クリステン・スチュワート、ローラ・ダーンらが出演する今年2月に公開が始まった映画『ふたりのJ・T・リロイベストセラー作家の裏の裏』が、早くもデジタル配信が決定した。アメリカ文壇に彗星のごとく登場し、時代の寵児となった美少年作家J・T・リロイ。『サラ、いつわりの祈り』の原作者としてカンヌ国際映画祭でも脚光を浴びた彼は、ふたりの女性が創り上げた架空の人物だった…。2000年代に実際に一大スキャンダルとして報じられたこの驚くべき事件について、J・Tの分身を担ったサヴァンナの視点から、新鋭ジャスティン・ケリー監督がスキャンダラスかつドラマティックに映画化。ふたりの女性が創り上げた架空の美少年作家J・Tの“嘘のような本当の話”が紐解かれる。初めてJ・Tの分身を担ったサヴァンナ役は、新たなメンバーで描く『チャーリーズ・エンジェル』にてサビーナ役で出演しているクリステン・スチュワート。サヴァンナの兄のパートナーで作家のローラ役は、『マリッジ・ストーリー』でアカデミー助演女優賞を獲得したローラ・ダーンが演じている。ほかにも、ダイアン・クルーガー、ジム・スタージェス、J・Tの友人でもあったコートニー・ラヴらも出演している。『ふたりのJ・T・リロイベストセラー作家の裏の裏』デジタル配信(セル)は6月5日(金)開始、デジタル配信(レンタル)は6月19日(金)開始。(cinemacafe.net)■関連作品:ふたりのJ・T・リロイベストセラー作家の裏の裏 2020年2月14日よりシネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国にて公開© 2018 Mars Town Film Limited
2020年06月02日『架空OL日記』サエちゃん役や『殺さない彼と死なない彼女』などで知られる佐藤玲と、「有村架純の撮休」『花と雨』の笠松将をW主演に迎えた長編映画『ドンテンタウン』が、7月17日(金)より全国順次公開が決定した。うまくいかない曲作りから逃れるかのように団地へと引っ越したシンガーソングライターのソラ。ある夜、新居の押入れから、前の住人が残した大量のカセットテープが見つかる。テープに吹き込まれていたのは、贋作画家として日銭を稼ぐ青年トキオの「心の声」だった。見ず知らずのトキオの想いに触れるにつれ、「記憶」と「現実」が交錯していくソラの日常。カセットテープとピアノとアロハシャツと2人分の朝ごはん――交わるはずのなかったソラとトキオのひと夏の物語が始まる。ソラ役を務めるのは、『泣くな赤鬼』『殺さない彼と死なない彼女』ほか、『架空OL日記』で知られる若手実力派・佐藤玲。トキオ役は、「いとしのニーナ」『花と雨』『転がるビー玉』など出演作が相次ぐ、いま注目の俳優・笠松将。また、『きみの鳥はうたえる』の山本亜依、『岬の兄妹』の松浦祐也ほか実力派が揃う。メガホンをとったのは、本作が初の長編映画となる新鋭・井上康平。古き良き日本の団地を舞台に、つかみどころのない不思議な青春譚を描き出し、音楽×映画の祭典「MOOSIC LAB 2019」長編部門にて準グランプリを受賞。ミュージシャンの菅原慎一が映画劇伴を担当する。浮遊感に満ちた映像表現と音楽がかけ合わさり、物語にさわやかな余韻を残す。佐藤玲(ソラ役)「“いつかの私”をそのまま真空パックしたような子」雲に覆われた空は、なにかを明るみに引きずり出そうともせず、かと言って涙をカモフラージュしてくれるわけでもなく、ただただ“いつかの私”をじっと思い出させてくれる。私にとってのソラちゃんは、その“いつかの私”をそのまま真空パックしたような子でした。なんとも言えないダサさです。スタッフ・キャスト、とにかく笑いながらも、その一瞬を絶対に逃すもんかという気合いを共有しながら、でも驚くほど穏やかに過ごしました。素晴らしい音楽を心の軸に、笠松さんやキャストの皆さまとのやりとりに素直に、そして監督と一緒にイメージを形作りながら、それはとても居心地のいい作品になりました。きっと多くの方の心に寄り添ってくれると思います。笠松将(トキオ役)「自分の振る舞いや考え方も、前とは少し違ってきている」劇場で映画を観てもらうという行為に、改めて色んなことを思います。自分の振る舞いや考え方も、前とは少し違ってきている様に思います。何はともあれ劇場公開。お時間あれば是非!井上康平監督「今の想いを映画に残したいという一心で撮りました」白黒だけじゃない、大人のグレーな部分を知ったとき、見上げた空が曇り空だった。そんなモヤのかかった「曇天しかない街」に住んでいる登場人物は空を見て何を思うのだろうか。超個人的な今の想いを映画に残したいという一心でこの作品を撮りました。ぼくの向こう見ずでがむしゃらな想いに応えてくれた佐藤さん、笠松さんをはじめとするキャスト、スタッフ、同じ視座で映画に音楽を産み落としてくれた菅原さん、先の見えない世の中でも公開に向けて動いてくれた全ての人たちに心から感謝しています。言葉だけじゃ伝わらない空気や温度、団地の匂いや、人々のやりきれない想い、その全てを眺めるようにこの映画に詰め込みました。今は曇りでも、次の晴れ間を信じる人に届くことを願って。ぜひ劇場にてご覧いただきたいです。よろしくお願いいたします。菅原慎一(音楽)「まるで自分の人生を肯定してくれるよう」僕が生まれ育った千葉の新浦安近辺は、埋立によって人工的に作られた。35年ほど前から開発がはじまり、マンションがちょこちょこ建ちはじめ、両親は第一世代としてこの街に入居した。最初の数年は、野良猫はおろかセミや虫たちもいない、静かなコンクリートだけの街だった。僕はこのどこか現実味のない不思議な場所で育ちながら、ゆっくりとアイデンティティを身につけていったが、自らの生み出す作品や表現が、他の誰かの創作や想いに繋がっていくとは思っていなかった。なので井上監督から「この映画には菅原さんしかいないという強い思いでメール差し上げました」という連絡をもらったとき、まるで自分の人生を肯定してくれるようで嬉しかった。監督は映画を撮り進めながらふと、「この作品はSFなんです」と言った。僕はこのSFの“F”はFictionではなくFantasyだと思っている。それは、偽りのない何よりもリアルなファンタジーだ。これまでずっと大事にしてきた想いを、ふたたび音楽に乗せてこの映画に託せることができて光栄だ。『ドンテンタウン』は7月17日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2020年05月26日ライアン・ゴズリングが、フィル・ロード&クリス・ミラーの監督コンビと組むことになった。タイトルは『Project Hail Mary』。原作は『火星の人』(『オデッセイ』の原作)を書いたアンディ・ウィアーが来年出版する、宇宙を舞台にしたスリラーだ。ゴズリングが演じる主人公は宇宙飛行士。MGMが製作する。ロード&ミラーは、『レゴ(R)ムービー』などで知られる。アニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』は、オスカーを受賞した。『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』の監督にも抜擢されたが、撮影途中にして降板させられ、ロン・ハワードが引き継いでいる。ゴズリングは、『ハーフネルソン』と『ラ・ラ・ランド』でオスカーに候補入りした。最近作はニール・アームストロングの伝記映画『ファースト・マン』。文=猿渡由紀
2020年05月18日リブート版『チャーリーズ・エンジェル』から、クリステン・スチュワート、ナオミ・スコット、エラ・バリンスカらがキュートな笑顔や、ふざけ合う姿も満載のNGシーンが公開された。激しい銃撃戦にカーアクション、スカイダイビングなど、新生“チャーリーズ・エンジェル”が魅せる見応えあるアクションシーンも必見の本作。この度公開されたのは、本作のブルーレイ&DVDに収録される特典映像「NGシーン」の一部。新生“チャーリーズ・エンジェル”を演じたクリステン、ナオミ、エラの可愛らしく仲睦まじい姿が収録されている。任務前の作戦会議で、“チャーリーズ・エンジェル”のボスを演じるエリザベス・バンクスが、競馬場のコースを意味する“レーストラック”という言葉を“レースクラック”と言い間違えたことに思わずにやけてしまうクリステン。さらに、競馬とかけて「馬鹿騒ぎはここまでに」とダジャレを言うクリステンに、エラは「やめてよ」と大爆笑してしまう。そして、エラが負傷したクリステンを抱えて建物から出てくるシーンでは、気を失っているはずのクリステンが笑ってしまう場面も。ほかにも、カメラに向かって変顔を見せたり、お酒をビンごと飲もうとするも噴き出してしまうお茶目なナオミの姿や、競馬のジョッキー姿でダンスを踊るクリステン、舌を出して笑顔を見せるエラの映像も収録されており、個性あふれる彼女たちの魅力が満載。ブルーレイ&DVDには今回公開された映像のほかにも、製作の舞台裏に迫るメイキング映像やキャスト&スタッフの貴重なインタビュー、未公開シーンなど、ファン必見の特典映像が収録されている。『チャーリーズ・エンジェル』は4月29日(水・祝)よりブルーレイ&DVDリリース、同時デジタル配信開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:チャーリーズ・エンジェル(2020) 2020年2月21日より全国にて公開
2020年04月27日アーノルド・シュワルツェネッガーが、おじいちゃんになる。長女のキャサリン・シュワルツェネッガーが、昨年結婚したクリス・プラットとの間に第1子を妊娠したという。アーノルドにとっては初孫。「People」誌などが報じた。クリスは2017年8月に元妻アンナ・ファリスと離婚することを発表し、2018年10月に離婚が成立。キャサリンとは2018年夏から交際を始め、昨年6月に結婚した。クリスにはアンナとの間に7歳半の息子ジャックくんがいる。クリスとキャサリンおよびシュワルツェネッガー家から妊娠の発表はまだないが、先週金曜日、ゆったりめのサロペットを着用し、お腹に少しふくらみが見えるキャサリンの姿が目撃された。母親のマリア・シュライヴァーとともに、愛犬を連れて散歩をしており、時折笑顔も見られた。キャサリンは作家としての本業も順調で、「キャサリン・シュワルツェネッガー・プラット」名義で執筆した「The Gift of Forgiveness」(原題)が「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラー入りを果たし、現在バーチャルブックツアーを行っている真っ最中。数日前にはクリスとともに、自身が手掛けた子ども向け絵本の「Maverick and Me」(原題)の読み聞かせも行った。(Hiromi Kaku)
2020年04月27日「アベンジャーズ」シリーズのソー役でお馴染み、クリス・ヘムズワースが主演を務めるサバイバルアクション『タイラー・レイク ー命の奪還ー』。この度、CGを極力使わずに撮影された、クリス演じる“最強傭兵タイラー・レイク”による肉弾戦・接近戦の本編シーンが解禁された。今回到着した本編映像には、誘拐された麻薬王の息子オヴィを救出するミッションを担ったタイラーが、無事オヴィを奪還し脱出を開始するも、奪い返そうと猛追する敵と相対し、壮絶な肉弾戦・接近戦を繰り広げる様子が映し出されている。人通りの多いダッカの街中を舞台に、追っ手の容赦ない攻撃でボロボロになりながらも、その卓越した戦闘スキルをフル活用して闘うタイラー。一瞬の油断が死に繋がるほどの手に汗握る攻防戦が繰り広げられていく。スタント・コーディネーターやスタントダブルの経験から、制作・出演側の両面を熟知する“アクションのスペシャリスト”サム・ハーグレイヴ監督は、「クリスはタイラーという役には必須の“過酷なアクションに耐えられるだけの身体能力”がある。この役にはうってつけだよ」と、クリスのアクションスキルを大絶賛。全世界歴代興行収入記録を塗り替えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』でのアクション経験を持つクリスでさえ、「アクションシーンの撮影はとても大変だったけど、特別なことを成し遂げたという感覚はあった。毎日撮影が終わると疲れ果ててはいたけど、達成感は凄まじかったよ!」と語っており、その生身のサバイバルアクションは目が離せない。Netflix映画『タイラー・レイク ー命の奪還ー』はNetflixにて独占配信中。(text:cinemacafe.net)
2020年04月24日パラマウント・ピクチャーズで、『セイント』のリブート企画が進められているようだ。クリス・パインが主演の交渉をしているようである。監督は『ロケットマン』のデクスター・フレッチャー。脚本はセス・グレアム=スミスが手がけた。原作小説が出版されたのは20年代。60年代にはロジャー・ムーア主演でテレビ化され、97年にはヴァル・キルマー主演、フィリップ・ノリス監督で映画化された。パインの次回作は、『ワンダーウーマン1984』。コロナの影響で、北米公開は8月に延期されている。文=猿渡由紀
2020年04月22日クリス・ヘムズワース主演のNetflix映画『タイラー・レイク -命の奪還-』が4月24日(金)より配信開始。『アベンジャーズ/エンドゲーム』などのスタント・コーディネーターを務めてきたサム・ハーグレイヴ監督によるド迫力アクションが魅力の本作の根底には、“孤独な傭兵”タイラーと“愛に飢えた少年”オヴィとの関係性を通じて、世界中の記憶に残る傑作映画『レオン』が紡いだような、立場を超えた者同士の心震えるドラマが表現されていることが、クリスの証言から明らかになった。『レオン』(1995)は、『ミッション:インポッシブル』や『ダ・ヴィンチ・コード』にも出演するフランスの名優ジャン・レノと、同作が映画初出演で、後に『ブラック・スワン』でアカデミー賞主演女優賞を受賞するナタリー・ポートマンによるアクション映画。孤独を抱える凄腕の殺し屋レオンと、家族から虐待を受ける少女マチルダがひょんなことから出会い、徐々に互いの傷を補い合うかのように安らぎを求め、信頼を築いていく様子は世界中の映画ファンの涙腺を刺激した。本作では、クリス演じる主人公のタイラーが誘拐されたオヴィを奪還するミッションの中で肉弾戦・接近戦・カーチェイスなどのド迫力アクションを見せるが、実は、クリスが「根底にあるのは、心を閉ざした傭兵と無垢な少年の交流だ。タイラーは過去のある理由から自分の殻に閉じこもっていて、オヴィは両親や周囲の人たちからの愛情を求めている」と語るように、タイラーとオヴィによる立場の違う者同士の物語でもある。さらにクリスは、「2人は奇妙な形で出会うけれど、徐々にお互いにとっての癒しになっていくんだ。当初はお金のためにミッションを引き受けるんだけど、オヴィの孤独に気付き心を打たれるんだ。それからは報酬のためではなく、彼を安全に奪還することだけに命を懸けるようになるんだよ」と明かしており、2人の間にはレオンとマチルダが築いた絆のように魂が揺さぶられる関係性が描かれるようだ。ハーグレイヴ監督も「たくましいアクションを楽しんでもらうだけでなく、キャラクターたちのドラマチックな物語に共感できる作品を作ることが、我々の一貫した目標だった」と本作の製作意図を打ち明けている。クリスが「観る人の心と記憶に残る作品になっているよ」と自信を覗かせる本作。数々の危険な戦闘を渡り歩いてきた大胆不敵で屈強な傭兵、タイラー・レイクと狙われた少年の関係性にも注目だ。Netflix映画『タイラー・レイク -命の奪還-』は4月24日(金)よりNetflixにて独占配信。(text:cinemacafe.net)
2020年04月19日クリステン・スチュワート、ナオミ・スコット、エラ・バリンスカの新生“エンジェル”たちによる『チャーリーズ・エンジェル』が、早くも4月29日(水・祝)よりブルーレイ&DVD&デジタル配信で同時リリースされることが決定した。2000年、キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リューら人気女優が集結し、初の映画版として公開された『チャーリーズ・エンジェル』。そのパワフルなキャラクターたちが世界中から圧倒的支持を得て大ヒット。続く2003年に公開された続編『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』はデミ・ムーアも出演して大きな話題となり、2作品の世界興行収入は5億ドルを超える大ヒットを記録。女性が活躍するアクション映画の代表作となった本シリーズは、2020年、世代も時代設定も一新し、新たなるエンジェルたちが誕生した。クリステン・スチュワート×ナオミ・スコット×エラ・バリンスカ豪華競演新世代のチャーリーズ・エンジェルとして選ばれたのは、「シャネル(CHANEL)」のミューズであり、日本でも人気の実力派クリステン・スチュワートと、『アラジン』のジャスミン役で大ブレイクしたナオミ・スコット、そして「カルティエ(Cartier)」のアンバサダーであり、抜群のスタイルを誇るイギリス出身の新鋭女優エラ・バリンスカ。さらに、監督・脚本を務め、自らもエンジェルたちのボスとして出演するのは『ピッチ・パーフェクト』シリーズなどで知られるエリザベス・バンクス。そんな女性エージェントが活躍する本作は、激しい銃撃戦にカーアクション、スカイダイビングと、“チャーリーズ・エンジェル”たちのアクションシーンは見応え満載。さらにスタイリッシュな頭脳戦にも注目。また、主題歌はアリアナ・グランデ、マイリー・サイラス、ラナ・デル・レイの3人の世界的歌姫による初コラボ楽曲「Don’t Call Me Angel」。58の国と地域のiTunesチャートで1位を獲得、ミュージック・ビデオは1億4千万回以上再生されている。アリアナはサウンドトラックの製作総指揮も務めている。ブルーレイには未公開シーンやNGシーン、製作の舞台裏に迫るメイキング映像、キャスト&スタッフの貴重なインタビューなど、ファン必見の映像特典を収録する。『チャーリーズ・エンジェル』は4月29日(水・祝)よりブルーレイ&DVD&デジタル配信同時リリース。(text:cinemacafe.net)■関連作品:チャーリーズ・エンジェル(2020) 2020年2月21日より全国にて公開
2020年04月10日クリス・ヘムズワース主演のサバイバルアクション映画『タイラー・レイク -命の奪還-』がNetflixにてもうすぐ配信スタート。この度、本作の迫力満点の予告編とキービジュアルが到着した。クリス扮する最強傭兵タイラー・レイクは、誘拐された麻薬王の息子オヴィを救出するという不可能に近いミッションを請け負うことに。しかし、街中のギャングたち全員が敵となり、凄まじい猛追を受けることとなり、もはや任務遂行は不可能とも思われる絶体絶命の状況に。今回到着した予告編では、少年オヴィを救出して脱出を図るタイラーが敵の追跡から逃れる様子が描かれ、迫力アクションの連続に目が離せない。しかし、状況は思わしくない。オヴィを見捨てれば、この窮地を脱することが出来るかもしれないタイラーだが、彼にはどうしてもオヴィを守りたいある理由が…。接近戦やカーチェイスなど、迫力満点のアクションを繰り広げるクリス。新たな彼の魅力が感じられる映像となっている。そしてキービジュアルには、戦いの中でいつしか信頼し合うタイラーとオヴィの姿が切り取られている。Netflix映画『タイラー・レイク -命の奪還-』は4月24日(金)よりNetflixにて独占配信。(cinemacafe.net)
2020年04月07日3月8日は国連が定めた「国際女性デー」。もともとはアメリカの女性労働者たちが参政権を求めてデモを起こしたことが始まり。今日では、女性たちの権利向上や自由と平等をめざし、性差別や性的搾取などに改めてNOを突きつける日、ともいえる。ところが日本に目を移してみると、男女格差を国別に数値化した「ジェンダー・ギャップ指数」(世界経済フォーラム発表・2019)では調査対象153か国中の121位と過去最低を更新。これまで、一度ならずとも「女のくせに」とか「だから女は…」といった言葉を浴びせられた人も多いのではないだろうか。そんな中、新型コロナウィルス感染拡大防止の影響により、大作の公開延期やチケット払い戻しなどが行われている映画界で、いま、女性たちの“連帯”=シスターフッドを描く作品がひと際注目を集めている。『ハスラーズ』ストリッパーたちが“家族”となって共闘まずは、「ニューヨーク・マガジン」に掲載された記事「The Hustlers at Scores」を基に、ジェニファー・ロペスがノーギャラで製作・出演したという『ハスラーズ』。ニューヨークのストリップクラブで働く女性たちが、2008年のリーマン・ショックの後、ウォール街のリッチな金融マンから大金を奪った実話ベースの物語。『ジョーカー』や『パラサイト 半地下の家族』と同様の経済格差を背景に、女性たちの連帯・共闘による反撃を見事に描き出している。その企ての中心となり、ストリッパーたちを取りまとめるトップダンサー、ラモーナを演じているのがジェイローだ。迫力のスーパーボディと猛特訓を重ねたポールダンスを披露する、驚異の50歳。祖母を養うためにストリッパーになったデスティニー(『クレイジー・リッチ!』のコンスタンス・ウー)が、そのパフォーマンスに圧倒されて思わず見とれてしまうように、彼女のゴージャスな毛皮に包まれたくなる人が続出中だ。本作は、『マネー・ショート華麗なる大逆転』の影で起こっていたもう一つの現実であり、なぜ彼女たちがそうしたのか、それぞれの事情にも踏み込んでいる。やがて彼女たちは、ラモーナのカリスマ性と包容力に導かれ、共謀して金融マンから大金を奪うことでますます絆を深め、友情というよりむしろ疑似家族のような関係性で結ばれていく。しかし、加護者のようなラモーナの母性は、思わぬ形で破綻のきっかけをもたらすことにもなってしまうのだ。ジェイローはゴールデン・グローブ賞、全米映画俳優組合賞(SAG)賞、放送映画批評家協会賞などで候補に挙がりながらも、アカデミー賞では『アス』のルピタ・ニョンゴや『フェアウェル』のオークワフィナらとともにノミネートから落選。また、本作監督・脚色のローリーン・スカファリアも、ナタリー・ポートマンが授賞式で着用したローブに名前が刺繍されていた女性監督のひとりだった。つい先日、ジェイローはオプラ・ウィンフリーのトークイベントで初めてこの件に言及し、「キャリア史上最高のオープニング興収を記録した」のだし、「自分であることを証明するのに、アワードは必要ない」と力強く発言したばかり。シャキーラと臨んだ今年のスーパーボウルのハーフタイムショーも圧巻だったジェイロー。そんな姐御が真価を発揮する意欲作には、手垢のついた賛辞や権威は確かに不要なのかもしれない。『スキャンダル』#MeToo直前の実話を映画化シャーリーズ・セロンに、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーという人気実力派女優3人が豪華共演。アメリカで視聴率NO.1を誇る保守系テレビ局「FOXニュース」で2016年に実際に起きた、テレビ界の帝王といわれたCEOロジャー・エイルズ(故人)によるセクハラ・スキャンダルの裏側を描く。シャーリーズはプロデューサーとして自分のシーンがないときにも撮影に立ち会い、『マネー・ショート』のアカデミー賞脚本家チャールズ・ランドルフ、『トランボハリウッドに嫌われた男』のジェイ・ローチ監督とともに本作を作りあげた。#MeToo運動の引き金ともいえる、わずか数年前の出来事をもう映画化してしまうスピード感もさることながら、注目を集めたのはカズ・ヒロが2度目のアカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞に輝いたシャーリーズらの変身ぶり。シャーリーズは当時のFOXニュースの看板番組キャスター、メーガン・ケリーにそっくりに。ニコールはロジャーに対しセクハラ訴訟を起こしたミス・アメリカ出身のキャスター、グレッチェン・カールソンに、そしてベテラン俳優ジョン・リスゴーがロジャー役になりきった。マーゴットが演じている上昇志向の若手ケイラ・ポスピシルだけは架空のキャラクターで、実際の被害者を複数組み合わせたような人物だという。3人の女性はいずれも美しいブロンドが特徴的。FOXニュースではそれがキャスター採用のデフォルトだったようで、しかもミニスカートにハイヒールの彼女たちの脚が見えるようにガラス張りのテーブルにし、引きで全身を映すよう指示していたのもロジャーだった。それぞれ異なる立場にいる3人の女性たちが顔を揃えるのは唯一、あの異様なまでの緊迫感に溢れたエレベーターのシーンのみ。その後、同じ階で降りたある者はクビを宣告され、ある者はセクハラの被害に遭うのだ…。権力を持った男性は密室での出来事に「そんなつもりはなかった」「うそだ」「勘違いだ」などと言うが、劇中にも登場する当事者の女性が見せる恐怖や憤り、悔しさが詰まった涙の意味を理解できる女性は多いはずだ。とはいえ、本作はセクハラ・パワハラ男を撃退して万事解決!一件落着!とはいかない。セクハラや性差別はいまも、そこら中に蔓延している。この瞬間にも同じ思いをしている女性たちがいる。女性たちの反撃を描きつつも、それぞれに守るべきものがある彼女たちが必ずしも一枚岩ではないこと、セクハラの加害者というのはその点を平然と突いてくることにも迫っている。『チャーリーズ・エンジェル』現代版にアップデート上記2作は実話がベースで、現実同様ほろ苦さが残るだけに、スカッとしたいならば締めにはこちらを。1970年代後半、ウーマンリブの流れの中で誕生した「チャーリーズ・エンジェル」が2000年代初めの映画化に続く形で、“エンジェル”のひとりドリュー・バリモアが製作総指揮、『ピッチ・パーフェクト』エリザベス・バンクスが監督・脚本・製作で現代的に、よりスタイリッシュにアップデートされた。3人の新生エンジェルもまた、女性たちの憧れとなるクールかつチャーミングで強力な面々が集結。『トワイライト』以降、作家性の高いインディペンデント作品を選んできたクリステン・スチュワートは久々の大作出演で、アクションも披露する姿はカッコよさと美しさが共存し、惚れ惚れするほど。演じるサビーナが、ストリート育ちと見せかけて実はお嬢様という設定も効いている。『アラジン』でブレイクしたナオミ・スコット演じるエレーナは、当初は保護される対象であり、観客と共に新しいエンジェルたちの世界に誘われる役回りだが、MITを首席で卒業し、今回のキーアイテムとなる新エネルギー技術<カリスト>の生みの親でもある天才エンジニア。元MI6のエージェントで、スーパーモデルのようなスタイルから華麗なアクションを繰り出すジェーンを演じるのは、本作が本格的な映画デビューとなるエラ・バリンスカ。戦闘力は抜群だが、時に情にもろいところがあるギャップも魅力だ。また、悲劇に直面してもクールにやり過ごそうとするジェーンに、監督でもあるエリザベス演じる女性のボスレーが「ハグは大事」とそっと抱き寄せるところは、まるで『ハスラーズ』のラモーナのような姐御感。そんな彼女たちが互いに違いを認め合い、協力し合って悪事を働く男たち(セクハラ野郎も含め)を倒していくさまは実に爽快。さらにエンドロールには、“初代”エンジェルのあの人から、トランスジェンダーの女優の代表格、有名スポーツ選手、日本でも人気の若手実力派女優などなど、豪華なカメオ出演が実現しており、最後の最後まで楽しませてくれるのもポイント。奇遇なことに、この3作品や、スマッシュヒット中の『ミッドサマー』『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』、まもなく公開される『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒BIRDS OF PREY』にはある共通項が…。もしかしたら、女性たちの“抑圧”からの“解放”と何かしらの関係があるのかもしれない。(text:Reiko Uehara)■関連作品:ハスラーズ 2020年2月7日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開© 2019 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.チャーリーズ・エンジェル(2020) 2020年2月21日より全国にて公開スキャンダル(2020) 2020年2月21日よりTOHO シネマズ 日比谷ほか全国にて公開© Lions Gate Entertainment Inc.
2020年03月08日2月22日、23日の全国映画動員ランキングは、公開7週目の『パラサイト 半地下の家族』(全国311館)が先週に続いて首位を守った。スマートフォンをきっかけにはじまる恐怖を描いたヒット作の続編『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(全国323館)は初登場2位に。公開3週目の『犬鳴村』(全国211館)と、同じく公開3週目の『ヲタクに恋は難しい』(全国304館)は先週と変わらず3位、4位につけている。そのほか新作では、大人気アニメシリーズの20周年を記念して作られた『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』(全国48館)が初登場6位。『ヘレディタリー/継承』で高い評価を得たアリ・アスター監督の新作『ミッドサマー』(全国106館)が初登場7位。人気シリーズをクリステン・スチュワート、ナオミ・スコット、エラ・バリンスカの新キャストで新たに映画化した『チャーリーズ・エンジェル』(全国305館)が初登場8位に。2016年に実際に起きたスキャンダルの裏側をシャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーの出演で描く『スキャンダル』(全国200館)が初登場9位に入った。また、公開14週目の『アナと雪の女王2』(全国379館)は11位になり初めてベスト10から外れた。次週は『映画しまじろう「しまじろうとそらとぶふね」』『架空OL日記』『仮面ライダージオウNEXT TIMEゲイツ、マジェスティ』『黒い司法 0%からの奇跡』『劇場版「SHIROBAKO」』『スケアリーストーリーズ 怖い本』『初恋』『野性の呼び声』『レ・ミゼラブル』『ロングデイズ・ジャーニーこの夜の涯てへ』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『パラサイト 半地下の家族』2位『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』3位『犬鳴村』4位『ヲタクに恋は難しい』5位『1917 命をかけた伝令』6位『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』7位『ミッドサマー』8位『チャーリーズ・エンジェル』9位『スキャンダル』10位『AI崩壊』
2020年02月25日トリコ・コム デ ギャルソン(tricot COMME des GARÇONS)は、日本のバッグブランド「テンベア(TEMBEA)」に別注した「バゲットトート(BAGUETTE TOTE)」を2020年3月6日(金)より発売する。トリコ・コム デ ギャルソンのコレクションにおいて、フラワーモチーフは欠かせない存在のひとつ。特に、2020年春夏コレクションでは、てんとう虫をあしらったストライプやポップなドット柄を交えて、愛らしくノスタルジーに表現した。その世界観を纏う今回の別注アイテムは、「テンベア」の最も定番的なキャンバス素材のバゲットトートがベース。生地の耳を活かしたディテール、シワ加工を施し、大胆かつ立体的な花の刺繍をあしらってアレンジを加えた。サイズは2種。カラーは生成と黒の単色、またはその組み合わせで各3色ずつを展開する。【詳細】バゲットトート 41,000円+税発売日:2020年3月6日(金)カラー:黒×黒×黒、生成×黒×黒、生成×生成×白バゲットトート スモール 28,000円+税発売日:2020年3月6日(金)カラー:黒×黒、生成×黒、生成×生成取り扱い店舗:伊勢丹新宿店およびトリコ・コム デ ギャルソン取り扱い店舗
2020年02月25日ナオミ・スコット、クリステン・スチュワート、エラ・バリンスカが新世代のエンジェルを演じる『チャーリーズ・エンジェル』。本日2月21日(金)の日本公開に向け、クリステンとエラの息の合ったダンスシーンの本編映像が解禁された。『アラジン』のジャスミン役で大ブレイク中のナオミ・スコット、「シャネル(CHANEL)」のミューズであり、近年様々な作品で活躍するクリステン・スチュワート、そして「カルティエ(Cartier)」のアンバサダーであり、抜群のスタイルを誇る新鋭女優エラ・バリンスカ、さらに監督・脚本・製作・出演にはエリザベス・バンクスという顔ぶれが揃った本作。今回解禁されたのは、エンジェルたちの“バッド・ガール”ぶりが映えるダンスシーン。敵陣のパーティに忍び込むサビーナ(クリステン)とジェーン(エラ)。数多くの警備員やボディガードたちもいる中、2人はパーティの客に扮し、派手なメイクとスパンコール付きのボディコンシャスなドレスで登場。人がひしめくパーティ会場で大音量で流れるのは、ディスコの女王ドナ・サマーの大ヒット曲「バッド・ガール」。軽快なサウンドにのり、客たちの中心となってキレッキレのダンスを踊るサビーナとジェーン。ダンスに夢中になっているように見せかけても、彼女たちの瞳は周りの状況を鋭く探っている…というエンジェルの仕事ぶりも伺える映像といえそうだ。『チャーリーズ・エンジェル』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:チャーリーズ・エンジェル(2020) 2020年2月21日より全国にて公開
2020年02月21日『マイティ・ソー』『アベンジャーズ』シリーズのクリス・ヘムズワースが主演するノンストップ・サバイバルアクション大作『タイラー・レイク -命の奪還-』がNetflixにて配信決定。場面写真も到着した。タイラー・レイクは数々の危険な戦闘を渡り歩いてきた大胆不敵で屈強な傭兵。裏社会の危険な任務を生業にしているタイラーは、ムンバイから誘拐された犯罪組織のボスの息子を巨悪なギャングが支配するダッカの市街地から救出するという不可能に近いミッションを請け負うことに。裏社会の武器商人や麻薬密売組織らが牛耳るアジトに単身突入し、少年を奪還、脱出を開始するタイラーだが、街中のギャングたち全てが敵となり、凄まじい猛追を受けることに――。監督は、過去にキャプテン・アメリカを演じるクリス・エヴァンスのスタントマンや『アベンジャーズ/エンドゲーム』などではスタントコーディネーターを務めたこともあるサム・ハーグレイヴ。彼の初監督作品となる本作は、どう撮影しているのか全く分からないほど、見たことがないアクションシーンの連続!そしてキャストには、ソー役でお馴染みのクリスが、傭兵・タイラーを演じるほか、「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のデヴィッド・ハーバーや、『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』『バハールの涙』のゴルシフテ・ファラハニが出演している。またプロデューサーは『アベンジャーズ』シリーズなどで監督を務めたMCUの功労者、ルッソ兄弟ことアンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ。脚本もジョー・ルッソが務めている。Netflix映画『タイラー・レイク -命の奪還-』は4月24日(金)よりNetflixにて独占配信開始。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング
2020年02月19日「グッドモーニング、エンジェルズ」「グッドモーニング、チャーリー」スピーカー越しに交わされる、この“お約束”の会話に思わず胸が高鳴る人は多いはず。2000年、キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リューという人気女優が集結し、70年代後半に人気を博したTVシリーズの映画版として製作された『チャーリーズ・エンジェル』は、世界中から圧倒的支持を得て大ヒット。2003年には続編『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル』も公開され、2作品を合わせた世界興行収入は5億ドル超え、女性が主役のアクション映画の代表作となった。そして2020年、新たな時代の到来を象徴するかのように、キャリアの充実期を迎えているクリステン・スチュワート、実写版『アラジン』のジャスミン役でブレイクしたナオミ・スコット、超大作映画初出演のエラ・バリンスカによる新生エンジェルたちが誕生!これまでの「チャーリーズ・エンジェル」を踏襲しながらも、新次元へと変化を遂げている。原点はウーマンリブの中で誕生したTVシリーズ米「ABC」で1976年9月からスタートし、日本では1977年より日本テレビ系で放送された「地上最強の美女たち!チャーリーズ・エンジェル」は、新生『チャーリーズ・エンジェル』の監督エリザベス・バンクスによれば「テレビにおける女性のエンパワーメントの始まり」だ。謎の大富豪チャーリー・タウンゼント(声:ジョン・フォーサイス)が、警察学校を卒業した美女3人を探偵=“エンジェル”としてスカウト。サブリナ・ダンカン(ケイト・ジャクソン)、ケリー・ギャレット(ジャクリーン・スミス)、ジル・マンロー(ファラ・フォーセット)は、スピーカーの声だけで指示を出すチャーリーのもと、彼の右腕ジョン・ボスレー(デビッド・ドイル)と共にさまざまな事件に奔走した。それまで男性俳優が演じてきたカーチェイスやアクション、時には刑務所などへの潜入捜査も行う探偵を女性たちが演じるのは画期的で、個性の異なる3人の見事なケミストリーに、お色気と笑いを適度に散りばめたドラマはウーマンリブ(女性解放運動)の潮流も受けて大ヒット。1981年の第5シーズンまで続く人気番組となった。特に明るいキャラクターで豊かなブロンドが印象的なファラは、そのヘアスタイルが「ファラ・カット」として日本でいう“聖子ちゃんカット”の先駆けのような大ブームに。しかし、ファラは1シーズンで降板。第2シーズンからは“ジルの妹”クリス・マンローとしてシェリル・ラッドが登場した。サブリナ役のケイトも、後にアカデミー賞を受賞する『クレイマー、クレイマー』へのオファーがあったが今作のため出演できなかったことから(代わりに演じたのがメリル・ストリープ)、キャリアアップのために第3シーズンで降板。その後はシェリー・ハックやターニャ・ロバーツが参加した。全シリーズに出演したのは、映画版にカメオ出演も果たしているケリー役のジャクリーンのみ。ファラは第3、4シーズンにゲストとして再登場したが、2009年にがんとの闘病の末、62歳で他界。まさに、少女時代に今作を観て育ったエリザベス・バンクスは、新生『チャーリーズ・エンジェル』にもリスペクト溢れるオマージュを捧げている。世界中で大ヒット!初の映画化『チャーリーズ・エンジェル』TVシリーズの終了から19年の時を経て、2000年に初の映画化。チャーリー・タウンゼント探偵社に、陽気でお茶目なナタリー(キャメロン・ディアス)、ワイルドでワルに惚れやすいディラン(ドリュー・バリモア)、頭脳明晰・冷静沈着なアレックス(ルーシー・リュー)と、キャラの立ったエンジェルたちを迎え、スクリーンで楽しむのにふさわしくド派手にスケールアップ。アクションコメディとして世界興行収入2億6,400万ドルを突破する大ヒットとなった。セクシーかつキュートなエンジェルたちはTVシリーズさながらの七変化を見せながら悪と戦い、それぞれに恋も!『マトリックス』(’99)の成功で注目されていたワイヤーアクションやスローモーション映像がふんだんに盛り込まれているのも特徴で、ノリのいい音楽と共に3人がアクションをこなす姿はミレニアムにふさしいアイコンとなった。監督はCMやミュージックビデオで活躍していたマックGが務め、『25年目のキス』(’99)以降プロデューサー業に乗り出していたドリューが、本作そして下記の続編の製作に名を連ねている。『マスク』『メリーに首ったけ』で人気と評価を得ていたキャメロンはアクションだけでなくダンスも披露、また、多様性が謳われるはるか以前に、3人の女性の中に「アリー my Love」で注目されたアジア系のルーシーが加わっていることも大きな魅力。ボスレーはビル・マーレイが演じ、チャーリーの声はTVシリーズと同じくジョン・フォーサイス。IT界の寵児的な存在でキーパーソンとなる役を、『ジョジョ・ラビット』『リチャード・ジュエル』など活躍が続くサム・ロックウェルが演じ、エンジェルのひとりと恋愛関係に!?「フレンズ」のマット・ルブランクや『キューティ・ブロンド』のルーク・ウィルソンほか、エンジェルを襲う髪フェチの「痩せ男」役で『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のクリスピン・グローヴァーが怪演を見せた。強力なカメオ出演続々『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』前作の大ヒットを受けて製作された続編では、キャメロン、ドリュー、ルーシーのエンジェル3人が続投。「ルブタン」で蹴りをかます先輩エンジェル役デミ・ムーアは全身整形を受けて驚異の肉体改造をしたことが話題に。ドリュー演じるディランの元カレ役で『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ジャスティン・セロー、『ターミネーター2』の液体型ターミネーター役で知られるロバート・パトリック、『トランスフォーマー』以前のシャイア・ラブーフほか、オルセン姉妹やP!NK、デミの元夫ブルース・ウィリスに、TVシリーズのケリー・ギャレット役ジャクリーン・スミスが特別出演。ボスレー役は『オーシャンズ』シリーズの故バーニー・マックにチェンジ(一説にはビルとルーシーとの確執が言われている)し、ワイヤーアクションにオフロードバイクのアクション、3人揃っての“MCハマーダンス”など、見どころは増し増しに。サーフィンシーンでキャメロンが着用する白ビキニはTV版のジャクリーンへのオマージュだ。ちなみに、ルーシーとTV版のケイト、ジャクリーンは乳がんサバイバーでもある。なお、こうした映画の成功により、ドイツではTVシリーズ「スパイ・エンジェル(ワイルド・エンジェル)」(02~05)、タイ発の『マッハ!エンジェル』(06)、韓国発の『朝鮮美女三銃士』(13)といったパロディ作品も多発した。ドリュー・バリモアが製作総指揮「新チャーリーズ・エンジェル」映画版エンジェルのひとり、ドリューが製作総指揮を担当し、2011年にABCが新シリーズとしてリブート。本家シリーズの製作スタッフが集結した。新たなエンジェルは、「エスクァイア」誌で2010年「世界で最もセクシーな女性」にも選ばれたラテン系のミンカ・ケリー演じるイブ、『トランスフォーマー』「ジェシカ・ジョーンズ」に出演するレイチェル・テイラー演じるアビー、『そんな彼なら捨てちゃえば?』や2PACの自伝映画『オール・アイズ・オン・ミー』のアニー・イロンゼ演じるケイトと、時代を映すように変容。ボスレー役もラテン系のラモン・ロドリゲスが演じた。チャーリーの声でお馴染みだったジョンは2010年に91歳で亡くなったため、ヴィクター・ガーバーが担当。携帯電話などの最新機器を駆使し、犯罪も人身売買や麻薬密造、国際規模のハッキングなどが対象となり、現代的、かつスタイリッシュにアップデートされたものの、シリーズ独特の“ゆるさ”やユーモアが不足したのか、残念ながらシーズン1で打ち切られてしまった。新たなケミストリーに期待!新生エンジェル始動これまで、時代の節目節目にバージョンアップしながら登場してきた“エンジェル”たち。ドリューの製作総指揮、エリザベスの監督・脚本・製作で新たに登場する『チャーリーズ・エンジェル』では、チャーリー・タウンゼント社は国際機密企業に成長。特殊訓練を受けたエンジェルたちは世界各地に散らばり、任務によって最適な人材が集結するシステムに。チャーリーの右腕的存在“ボスレー”も拠点ごとに複数人存在する、いわば役職のようなものとなっている。そんな中、巨大テクノロジー企業に勤める天才プログラマーのエレーナ(ナオミ・スコット)は、自身で開発した新エネルギー源“カリスト”が武器として軍事利用されていることを内部告発したことから、命を狙われることに。女性のボスレー(エリザベス・バンクス)は、変装と潜入を得意とするサビーナ(クリステン・スチュワート)、元MI6で射撃と武術に長けたジェーン(エラ・バリンスカ)と共に、エレーナを保護しながら調査を開始するが…。絶賛ブレイク中+実力派+ネクストブレイク、三者三様の女優たち今回のエンジェルも、強さと自立心とキュートさが同居する頼もしい面々だ。“広瀬アリスに似ている”という声も上がるナオミは(『パワー・レンジャー』で吹替を担当)、ピンチの場面でも肝の据わった芯の強さとコミカルな一面を覗かせ、『アラジン』からファンになった人も必見。優秀なハッカーでもあることから、新たなエンジェルとしてスカウトされることに。また、『トワイライト』シリーズ以降、フランスのオリヴィエ・アサイヤス監督作『アクトレス~女たちの舞台~』ではアメリカ女優として初めてセザール賞助演女優賞を手にし、公開中の『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』などインディペンデント映画で存在感を発揮しているクリステンが、アクション映画に出演している点も新鮮。あるときは妖艶に男性を誘惑し、あるときは美しき騎手に変装するなど、クールかつワイルド(+ちょっぴり天然?)なサビーナとして活躍する。イギリスのドラマでキャリアを積んできた新鋭女優エラが演じる、何事も完璧主義なジェーンとは水と油のようだが、物語の中で彼女たちが関係を築いていく過程も見どころ。エラは元陸上選手でもあり、長身としなやかな身体を駆使した武闘アクションも素晴らしい。圧倒的体格差のある男性に対峙しても何度も何度も向かっていき、ときにはサビーナの加勢も得て倒していく姿は圧巻。現在「カルティエ(Cartier)」の顔も務めているエラだが、『ターミネーター:ニュー・フェイト』のマッケンジー・デイヴィスのように大きく注目を集めるかもしれない。何よりも、エンジェルたちの連帯が画面から伝わってくることが重要だが、今回のメンバーはすでに仲の良さが伺える映像や画像が続々とアップされており、心配無用。もちろん音楽も、映画1作目の「デスティニーズ・チャイルド」、2作目のP!NKに続き、今回はアリアナ・グランデがマイリー・サイラス、ラナ・デル・レイと組んだ「Don’t Call Me Angel」をはじめ、強力なサウンドトラックを提供。ドナ・サマーの「Bad Girls」もTVシリーズと同じ70年代末~80年代初めの雰囲気を醸しつつ、新しさを提供している。『チャーリーズ・エンジェル』は2月21日(金)より全国にて公開。(text:Reiko Uehara)■関連作品:チャーリーズ・エンジェル(2020) 2020年2月21日より全国にて公開
2020年02月18日ふたりの女性が創り上げ、世界中を騙した架空作家“J・T・リロイ”以外にも、SNSで架空の人物に成りすます大学教授や、未亡人の遺産を狙うベテラン詐欺師、ウォール街の金融マンから大金を奪おうとするストリッパーたちなど、その理由も、方法も様々に相手をダマし、観る者も翻弄する“ダマしダマされ映画”が続々と公開中。豪華キャスト陣の共演で楽しめる4作品をご紹介!一大スキャンダルが紐解かれる『ふたりのJ・T・リロイベストセラー作家の裏の裏』アメリカ文壇に彗星のごとく登場し、時代の寵児となった美少年作家J・T・リロイ。映画『サラ、いつわりの祈り』(2004)の原作者としても知られる彼は、ふたりの女性が創り上げた架空の人物だった!2000年代に一大スキャンダルとして報じられたこの驚くべき事件について、初めてJ・Tの分身を担ったサヴァンナの視点から映画化。彼女はなぜ、ローラに言われるがまま数年間もJ・Tを演じ続けたのかが紐解かれる。クリステン・スチュワートとローラ・ダーンが共演。自らを偽り理性を超える『私の知らないわたしの素顔』50歳の大学教授クレールは年下の恋人に振られてしまったのをきっかけに、SNSの世界へと足を踏み入れる。ほんの出来心からFacebookで「24歳のクララ」という架空の人物に成りすますが、アレックスという若い男がクララに恋してしまい事態は思わぬ方向に展開していく…。バーチャル恋愛にはまってしまう大学教授のクレール役をジュリエット・ビノシュが演じ、『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』のフランソワ・シビルらが共演。これぞ大人のだまし合い『グッドライアー偽りのゲーム』ベテラン詐欺師のロイは、出会い系サイトで知り合った夫を亡くしたばかりの資産家の未亡人ベティから全財産をだまし取ろうと企てる。世間知らずなベティは徐々にロイのことを信用するようになるが、単純な詐欺だったはずの計画は思わぬ方向へと進んでいき…。『クィーン』のヘレン・ミレンと『ロード・オブ・ザ・リング』などのイアン・マッケランという、イギリスを代表する2人の名優が共演している。ウォール街の男たちをだます女たち『ハスラーズ』祖母に育てられたディスティニー(コンスタンス・ウー)は、年老いた祖母を養うためストリップクラブで働き始める。先輩ストリッパー、ラモーナから仕事のノウハウを教わり、徐々に安定した生活を送れるようになるが、やがてリーマンショックの煽りを受けることに。それでも裕福な生活を送り続けるウォール街の金融マンから、彼女たちは金をだまし取る計画を企て…。驚愕の実話を映画化、ジェニファー・ロペスの熱演にも注目。(text:cinemacafe.net)■関連作品:私の知らないわたしの素顔 2020年1月17日よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開©2018 DIAPHANA FILMS-FRANCE 3 CINÉMA-SCOPE PICTURESハスラーズ 2020年2月7日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開© 2019 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.ふたりのJ・T・リロイベストセラー作家の裏の裏 2020年2月14日よりシネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国にて公開© 2018 Mars Town Film Limitedグッドライアー偽りのゲーム 2020年2月7日より全国にて公開© 2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND BRON CREATIVE USA, CORP./© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
2020年02月15日ナオミ・スコット、クリステン・スチュワート、エラ・バリンスカが新世代のチャーリーズ・エンジェルに扮し、エリザベス・バンクスが監督・脚本・出演もする、女性たちが輝く映画『チャーリーズ・エンジェル』。この度、3人の新生エンジェルと女性監督が本作について語る特別映像が到着した。国際機密企業チャーリー・タウンゼント社で特殊訓練を受けたエリート女性エージェント組織、通称“チャーリーズ・エンジェル”。彼女たちは世界各地に拠点を置き、平和を見守る天使=“エンジェル”として隠密に活動している。今回到着した映像では、エンジェルたちのアクションシーンや撮影の裏側、エンジェルや監督のインタビューも映し出されていく。「今の時代にこそ新生エンジェルが必要」だと話すのは、シリーズで初めて脚本・監督・製作・出演の4役をパワフルにこなしたエリザベス。天才プログラマー・エレーナ役のナオミは「私たちは助け合うからこそ強い。エリザベスだから作れた映画」、元MI6であらゆる武器を自在に操るジェーン役のエラは「エリザベスは台風の目」とエリザベスを絶賛。また、変装と潜入を得意とするサビーナ役のクリステンが「ボスレーも女性になってド派手にパワーアップした」と語っているように、今作ではエリザベスが前シリーズでは男性キャラクターだったボスレーを演じている。チャーリーに代わり、エンジェルたちにミッションを与える司令塔ボスレー。女性たちが生き生きと撮影に臨む様子が映し出されていく中、エリザベスが演技をしながら自分でカットをかける姿も。映像最後には「女性たちの背中を押したかった。力を合わせれば何でもできるんだってね」と力説しており、ガールズ・パワー感じる映像に仕上がっている。『チャーリーズ・エンジェル』は2月21日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:チャーリーズ・エンジェル(2020) 2020年2月21日より全国にて公開
2020年02月14日『チャーリーズ・エンジェル』の日本公開も控えるクリステン・スチュワートと、『マリッジ・ストーリー』でついにアカデミー賞を受賞したローラ・ダーンの二大女優が豪華共演を果たす『ふたりのJ・T・リロイベストセラー作家の裏の裏』。この度、架空の天才少年作家がどのように出来上がっていったのかが分かる本編映像の一部が解禁された。2000年代に一大スキャンダルとして報じられた、ふたりの女性が創り上げた架空の美少年作家J・T・リロイの“嘘のような本当の話”が紐解かれる本作。この度、解禁されたのは、のちに時代の寵児となる美少年作家という架空のキャラクター、J・T・リロイがどのように出来上がっていくかが分かる本編映像。クリステン演じるサヴァンナが胸にさらしを巻きながら、J・T・リロイになる練習をするシーンも描かれている。ローラ演じるローラ・アルバートの指導の下、最初はあまり乗り気じゃなかったものの、そのしゃべり方や声のトーンをテープを聞きながら復唱していくサヴァンナ。サヴァンナが繰り返す「時にウソは真実を超える」というセリフは、のちに大きな意味合いを持ち、ブーメランのようにサヴァンナとローラに戻ってくる。さらにサヴァンナだけでなく、ローラも、兄ジェフ(ジム・スタージェス)もそれぞれに“誰か”を演じていることが明かされる重要シーンとなっている。『ふたりのJ・T・リロイベストセラー作家の裏の裏』は2月14日(金)よりシネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ふたりのJ・T・リロイベストセラー作家の裏の裏 2020年2月14日よりシネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国にて公開© 2018 Mars Town Film Limited
2020年02月12日2019年 第93回「キネマ旬報ベスト・テン」の表彰式が11日、東京・文京シビックホールで行われ、受賞者の瀧内公美、池松壮亮、池脇千鶴、成田凌らが出席した。映画誌『キネマ旬報』が主催する「キネマ旬報ベスト・テン」は、今年で93回目の開催。その年を代表する日本映画、外国映画をそれぞれ10本挙げるほか、主演男優賞や主演女優賞、新人男優賞、新人女優賞などを、映画評論家や映画記者らが選出する。日本映画ベスト・テン第1位となった荒井晴彦監督の『火口のふたり』で柄本佑相手に激しい濡れ場を披露した瀧内公美が主演女優賞を獲得。瀧内は「この作品は、私が今までお世話になっていた事務所を退所してフリーになった時に声をかけていただいた作品です。こうれからどうしようと思っていた時にこういう作品をいただけたので、やってみようと思いました。(所属事務所の)社長に『思いっきりやるんだよ』と背中を押してもらいました」とオファー当時を振り返った。続けて、「色んな人に感謝したいんですが、この作品はほとんど(柄本佑と)2人の映画で、お相手役をしてくださった柄本さんがいたから今日があるんだと思っています」と感謝し、荒井監督についても、「こういう場所に連れて来てくれたのは荒井さんです。(撮影中は脚を)しならせるんだとよく言われました。毎日湿布を貼って首と腰が痛くなった作品ですね(笑)」と濡れ場における演出の厳しさに身体も悲鳴をあげていたそうだが、「荒井監督はお話を聞いてくださる方だったので、すごくやりやすかったです」と印象を語った。主演男優賞には、『宮本から君へ』で主演を務めた池松壮亮が選出。「僕が演じた宮本というキャラクターは、正しくないことに対して声を出し続ける男です。みんなが鼓舞されて何とかやり遂げることができたと思います。みんなで戦った日々の勲章としてこの賞をいただけたとともに、池松から宮本へこの重みの賞を捧げることができたらと思います」と受賞を喜び、「多分今日は(トロフィーを)抱きしめて寝ると思います」と喜んだ。また、日本映画脚本賞を受賞した阪本順治監督の『半世界』に出演した池脇千鶴が助演女優賞を獲得。「キネマ旬報ベスト・テン」は、第73回(1999年度)に『大阪物語』で新人女優賞を受賞して以来となる。「基本男3人の映画なんですが、阪本監督が1人の女として妻として母として人間としてきちんと描いてくださいました。それが映画に反映されての評価なのかなと思っています」と自分なりに分析しつつ、「小さめの映画で私の出番もあまり多くありませんでしたが、こうやって評価していただけて、映画の神様は見てくださっているのかなと思います」と笑顔。初めて組んだ阪本監督については「もっと怖そうな印象がありました」と本音を明かしつつ、「接するとダジャレを言ってくれますし、ものすごく愛の深い監督さんでした。すごく厳しいんだけども、キャストを見つめてくださって楽しかった思い出がいっぱいありました」と撮影を振り返っていた。○第93回「キネマ旬報ベスト・テン」受賞一覧日本映画ベスト・テン第1位『火口のふたり』(荒井晴彦監督)外国映画ベスト・テン第1位『ジョーカー』(トッド・フィリップス監督)文化映画ベスト・テン第1位『i-新聞記者ドキュメント-』(森達也監督)読者選出日本映画ベスト・テン第1位『半世界』(阪本順治監督)読者選出外国映画ベスト・テン第1位『ジョーカー』(トッド・フィリップス監督)日本映画監督賞:白石和彌監督『ひとよ』『凪待ち』『麻雀放浪記 2020』日本映画脚本賞:阪本順治監督『半世界』外国映画監督賞:トッド・フィリップス監督『ジョーカー』主演女優賞:瀧内公美 『火口のふたり』主演男優賞:池松壮亮 『宮本から君へ』助演女優賞:池脇千鶴『半世界』助演男優賞:成田凌『愛がなんだ』『さよならくちびる」』ほかにより新人女優賞:関水渚『町田くんの世界』新人男優賞:鈴鹿央士『蜜蜂と遠雷』『決算!忠臣蔵』読者選出日本映画監督賞:阪本順治『半世界』読者選出外国映画監督賞:トッド・フィリップス『ジョーカー』読者賞:ライムスター宇多丸、三沢和子 連載『2018年の森田芳光』特別賞:和田誠(映画の素晴らしさや愉しさを広く伝え、多くの映画ファンを育てた功績に感謝をこめて)
2020年02月12日成績優秀でスポーツマン、学校の人気者の高校生の知られざる内面に迫り、人間の謎めいた本質とアメリカの現実をえぐり出し、サンダンス映画祭などで絶賛された『ルース・エドガー』(原題:LUCE)が5月15日(金)より公開決定。場面写真2点が解禁となった。バージニア州アーリントンの高校生ルース・エドガーは文武両道、スピーチやユーモアのセンスにも長けた17歳の少年。アフリカの戦火の国で生まれた過酷なハンデを克服し、様々なルーツを持つ生徒たちの誰からも慕われている彼は、養父母のもと自由の国アメリカで希望を象徴する存在へと成長した。そんなルースがある課題のレポートをきっかけに、同じアフリカ系の女性教師ウィルソンと対立、彼の順風満帆の日常が大きく揺らぎ出す。ルースが危険な過激思想に染まっているのではというウィルソンの疑惑は、ルースの養父母である白人夫婦エイミーとピーターの胸にも疑念を生じさせていく。はたしてルースは何者なのか。本当に“完璧な優等生”なのか、それとも世間を欺く“恐ろしい怪物”なのか…。2019年のサンダンス映画祭でプレミア上映されるや批評家の絶賛を博し、全米の賞レースで20を超える賞のノミネートを達成。その年の最も優れた独立系作品を選定するインディペンデント・スピリット賞でも監督賞、主演男優賞、助演女優賞の主要3部門に名を連ねた本作は、深刻な矛盾をはらんだアメリカ社会の現状をリアルにえぐり出し、謎のベールに覆われた人間の本質に鋭く切り込んだヒューマン・ドラマ。模範的な若者として学校や地域の誰からも愛され、称賛される少年の“知られざる真実”をめぐって展開するサスペンスフルなストーリーは、観る者の好奇心をかき立てるにとどまらず、私たちの内なる潜在意識を揺さぶり、先入観を根底から覆していく。『ルース・エドガー』の最もユニークな特徴は、全編出ずっぱりの主人公ルースが真意不明のミステリアスな存在であること。成績優秀なスポーツマンで、誰とでも分け隔てなく接するオープンな人柄の持ち主。アフリカ系の移民であり、白人の養父母の愛に育まれてトラウマを克服したルースは、若きバラク・オバマの再来とも称され、まさに現代のアメリカン・ドリームそのもの。しかし、J・C・リーの戯曲「Luce」の映画化である本作は、観る者に強烈な問題提起を突きつける。ルースの“完璧な優等生”というイメージは、彼に期待する両親や校長らが一方的に押しつけたものではないのか。そして、それとは真逆の過激思想を持った“恐ろしい怪物”という見方も、極端に偏った思い込みなのではないか。人種、容姿、性別、階級、学歴、思想、信仰……いったい人間の“価値”とは、何によって決定されるのか。本作では、アメリカという国の歴史や政治をも取り込み、その理想と現実をあぶり出していく。注目の次世代スター×実力派キャストの“真実”をめぐるアンサンブル主人公ルース役は、終末スリラー『イット・カムズ・アット・ナイト』における迫真の演技で注目されたケルヴィン・ハリソン・Jr.。同作品のトレイ・エドワード・シュルツ監督と再び組んだ「A24」配給『WAVES/ウェイブス』に主演、『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』ではクリステン・スチュワートの恋人役を務め、英国アカデミー賞EEライジング・スター賞の候補にも選ばれるなど、いまブレイク中の新星が、まだアイデンティティが確立されていない17歳の少年の葛藤を生々しく体現する。プライベートに問題を抱えながら、ルースと激しく敵対する教師ウィルソンを演じるのは、『ドリーム』『シェイプ・オブ・ウォーター』のオクタヴィア・スペンサー。また、ナオミ・ワッツとティム・ロスが愛する息子への思いがけない疑念に動揺するリベラルな夫婦に扮し、観客の視点を担う役どころに説得力を与えている。オバマ大統領の時代に上演された原作の戯曲に感銘を受け、監督・製作・共同脚本を務めたのは『クローバーフィールド・パラドックス』のジュリアス・オナー。自らもナイジェリア出身のアフリカ系移民であり、物語の舞台となったバージニア州アーリントンで育った。この新鋭監督は、洗練されたシャープな語り口と、キャラクターの繊細にして多面的な心理描写を披露。その絶え間なくスリリングで心揺さぶる映像世界は、観る者を白熱のクライマックス、深い余韻を残すエンディングへと誘い、私たちそれぞれの想像力によって変わる“真実”を浮かび上がらせる。『ルース・エドガー』は5月15日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年02月10日