米Mozillaは19日(現地時間)、米国におけるFirefoxのデフォルト検索エンジンを、GoogleからYahoo!に変更すると発表した。今後5年間、米国ではYahoo!がFirefoxのデフォルト検索エンジンとなる。Mozillaは、2004年よりグローバルのFirefoxのデフォルト検索エンジンをGoogleと契約していた。同契約は2014年で更新する必要があり、同社はこれを機に、Firefoxの検索パートナー戦略を変更。地域ごとに柔軟なアプローチを採択するとして、Firefoxのデフォルト検索エンジンをグローバルで共通化せず、国や地域ごとに新規のパートナーシップを締結した。米国では、12月以降にYahoo!の検索エンジンをデフォルトで提供。ただし、Google、Bing、DuckDuckGo、eBay、Amazon、Twitter、Wikipediaも引き続き標準搭載の検索エンジンとして提供される。ロシアではYandexがデフォルトで提供。ただし、Google、DuckDuckGo、OZON.ru、Price.ru、Mail.ru、Wikipediaも引き続き標準搭載の検索エンジンとして提供される。また、中国では従来通りBaidoがデフォルトで提供される。標準搭載の検索エンジンはGoogle、Bing、Youdao、Taobao。Mozilla Blogの該当記事には、日本に関する言及はない。検索エンジンは変更されるが、グローバル共通で、マルウェア感染の恐れがあるサイトの表示を防ぐセーフブラウジング機能、および位置情報機能は、引き続きGoogleを利用する。
2014年11月20日伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)は11月20日、マレーシアでITシステムの構築・保守を行うグループ会社CTC Global Sdn Bhd(以下、CTCグローバル マレーシア)とともに、障害を未然に防ぐための24時間監視や、システム運用の自動化により、運用業務を効率化する運用・監視サービスCTC Proactive Service(CPS)の提供を11月28日から開始すると発表した。今回、CTCとCTCグローバル マレーシアは、24時間365日の障害予防のためのシステム監視や自動化技術(RBA:Run Book Automation)を活用し、障害対応を行う運用・監視サービスCTC Proactive Serviceを、海外、ASEAN地域向けに開始する。リモートアクセスの際の安全な通信や、自社システムの状況をリアルタイムで把握できる管理用ポータルサイトも用意され、障害の対応業務の約60%は定型化することができ、RBAを活用して作業を効率化することで、ユーザー企業は、システム運用コストを最大で30%削減することが可能となっている。なお、CTCでは、保守サービスを含めたお客様サポートを提供するグループ会社、シーティーシー・テクノロジー内に「リモートオペレーションセンター」(ROC)を設置しており、既に120以上の利用者に24時間365日の運用・監視サービスを提供している。今回、日本のROCと同様のシステム運用機能をマレーシアで構築し、日本国内での保守サービスやROCを活用したサービス提供で得たノウハウをベースにCTC Proactive Serviceの提供を開始する。
2014年11月20日Mozillaは11月19日(米国時間)、2004年から続いたGoogleとの検索に関するグローバル規模の提携契約を延長せず、新たにYahooと米国における5年間の戦略的パートナーシップ契約を結んだことを発表した。Firefoxでは現在、検索ボックスで利用できる検索サービスに、Google、Yahoo、Bing、DuckDuckGo、Wikipediaなどを選択できるが、インストールした状態ではGoogleが設定される。これは2004年にMozillaとGoogleが締結したパートナーシップ契約に基づいたものだ。2社は2011年11月に3年間の契約延長に合意しており、今月末に期限が迫っていたが、Mozillaはこの契約を再延長しなかった。理由についてMozilla CEOのChris Beard氏は「検索パートナーシップに関して、選択と独立性を重んじるMozillaの戦略に沿うことを優先した」と述べている。Mozillaは1社をグローバル規模のデフォルト検索プロバイダーとするのではなく、国・地域で最適な検索サービスプロバイダーの採用を進める戦略に転換する。米国では5年間のパートナーシップを結んだYahooのYahoo Searchがデフォルト検索オプションになり、引き続きGoogle、Bing、DuckDuckGo、eBay、Amazon、Twitter、Wikipediaも選択できるようにする。ロシアではYandexがデフォルトになり、Google、DuckDuckGo、OZON.ru、Price.ru、Mail.ru、Wikipediaなどにも切り換えられる。中国では百度をデフォルトにGoogle、Bing、有道、淘宝、他のローカル検索サービスなどを選べるようになる。Firefoxにプリインストールされる検索サービスは全体で61になる予定だ。Googleは検索オプションの1つとしてFirefoxにプリインストールされるほか、Firefoxのセーフブラウジングとジオロケーション機能に引き続きGoogleのサービスが用いられる。検索パートナーシップ戦略の変更は、企業としてMozillaの将来に大きな影響を及ぼす可能性がある。これまでMozillaはGoogleとのパートナーシップによって命脈を保ってきた。2012年決算では連結売上高の98%が検索サービスプロバイダーからのロイヤルティ収入で、そのうちの90%をデフォルト検索オプションのGoogleが占めていた。柔軟に複数の検索パートナーと契約する新戦略で、従来の成長を維持できるかが注目される。
2014年11月20日エルナーと太陽誘電は11月17日、車載・産業機器用大型電気二重層コンデンサおよびリチウムイオンキャパシタ事業を加速させるため、資本業務提携を締結したと発表した。エルナーは、市場拡大が期待される環境・エネルギー市場、車載市場に重点をおいて、コンデンサ事業およびプリント回路事業の顧客開拓、新製品の開発を進めている。一方、太陽誘電は、コンデンサの製造・販売事業ではグローバルな販売力、マーケティング力、生産技術力、堅固な財務基盤を持ち、環境・エネルギー市場、車載市場に注力している。今回、両社は、今後グローバルに環境・エネルギー市場、車載市場向けビジネスを加速していくに当たって、製品および販路における補完関係が強いことなどから、戦略的パートナーとして資本業務提携を締結するに至ったという。具体的には、車載・産業機器用大型電気二重層コンデンサおよびリチウムイオンキャパシタの共同開発および生産、資材調達での協力、コンデンサ事業における技術・生産ノウハウの共有化、相互協力による販売拡大を図っていくとしている。
2014年11月19日ITの発達によって、さまざまな情報があふれる現代。次々と新たなトレンドが生まれ、消費者のニーズも刻々と変化してゆく中、企業にはそれに対応する力とスピードが求められる。瞬時に正しい判断をするには、正しい根拠が必要となってくるが、業務やシステムが複雑に絡み合っていたり、データが各地に点在したりしていると、適切な分析材料を取り出すことさえ難しい。分析ができたとしても、ニーズに基づく対応を全社的に浸透させるのには、さらなる時間と労力がかかってしまう。それを痛感されている方も多いだろう。2014年12月2日にパレスサイドビル(東京都千代田区)で開催される「実践型ビジネスプロセス改革セミナー~キーパーソンが語る、業務改善の手法とIT活用~」では、複雑化した業務プロセスを見直し、リソースの有効活用を実現する手法と、ニーズへの即応力を育て、企業の競争力強化につながるビジネスプロセス改革について語られる。今回と次回、2回にわたって、その概要をお届けしよう。○企業は業務レベルで環境の変化に対応できているのだろうか?グローバル化の波やソーシャル/モバイルの普及によって、ビジネス環境と顧客ニーズが急速かつダイナミックに変化している。企業にとって、こうした環境の変化に即応し、競争力を高めながら最適な事業計画・オペレーションの遂行を目指すべきだが、そこには多くの課題が突きつけられている。1.情報を早期に把握できない2.国ごと(法人ごと)に業務オペレーションがバラバラ3.事業や組織再編、M&Aなどによって、頻繁に担当や業務フローの変更が必要4.グループ間でのルールが無く、数字の根拠が希薄5.業務に必要なシステムが多数存在し、一連のプロセスが分断上記は一例ではあるが、もし、貴社が何らかの課題を抱えていて、改善したいと考えているなら、まずはその課題の根源を探る必要がある。システムの問題だと考えていることも、実は業務のやり方を変えるだけで、大きな改善効果を生むケースも少なくはない。○業務改善を行うためには、まず業務の見える化をするところから始めよう業務の見える化を行う方法として、コンサルティング会社に依頼して大規模な調査・分析をかけるのも一つの手段であるが、ここでは小規模から始められるBPEC(Business Process Engineering Cycle)という手法をご紹介しよう。BPECを活用すると、社員の業務状況をヒアリングなどで収集し、ツールに入力するだけで、どのステータスのスタッフが、どんな業務を、どれだけの時間をかけて行っているかをグラフで表示できるようになる。それにより、それぞれの業務の負荷や、そこにかけているコストが適性なのかを判断が可能になる。もし優先度の低い業務に、多くのリソースが割かれていると分かれば、その業務の周辺を見直し、人員の配置を換える、システムによる自動化を図る、といった対策の立て方も見えてくるというわけだ。このBPECについては、12月のセミナーでBPECの開発元であるBPデザイナーズから、BPECの詳しい説明が導入事例を交えて紹介される予定である。○大企業ほど山積されているプロセスの課題を解決するBPM現状の見える化と課題が具体化したら、いよいよビジネスプロセス改革の計画・実践段階となるのだが、こうした一連の業務管理手法として注目されているのが、BPM(Business Process Management)である。グローバル規模でエンタープライズ情報管理ソリューションを展開するOpenTextでは、BPMを、「経営目標に従って、継続的な業務改善を実行するための業務管理手法」と説明している。業務改善計画の策定と実施、効果測定とそこで見えてきた課題への対応というPDCAのサイクルを常に回し続けることで、企業は時代に対応できる競争力が得られる。マネジメントレベルの課題から部門レベルの業務プロセスの最適化まで、それぞれのレベルで効果を発揮するのが、BPMという管理手法なのである。しかし現実問題として、組織、システム、ルールがおのおの細分化・分断されているとプロセスはつながらない。BPMを実践しようにも先のPDCAサイクルを回すことが困難となり、結果として、部門や一部のプロセスの改善はできても、経営目標に直結するような形での改善にまでは至らないことも多い。社内に複数のシステムが乱立し、それぞれが連携せずに別々で管理、運用されている事例がその代表格だ。例えば市場を予測するマーケティング部門や、受注業務を行う営業部門、商品をつくる生産部門が持つ情報やプロセスが連携していなければ、深刻な在庫不足や過剰生産を招きかねない。さらに日本全国・世界各国に拠点を持つ場合はより複雑化し、スピーディーに生産調整を行うことも困難だろう。こうした問題を解決するために、場当たり的なシステム連携や業務プロセスの変更を繰り返していると、システム、業務プロセスはよりいっそう複雑化し、全体を俯瞰することも、迅速に計画を修正することもできなくなってしまう。事業再編や買収・統合を繰り返して業容を広げてきた大企業ほど、こうした問題は根深い。かといって、全社のシステムや業務プロセスを一気に統一するには、膨大なコストと時間がかかってしまう。ではどうしたらいいのだろうか? ――― 次回はこれらの課題を解決し、ビジネスプロセス改革の切り札ともなりえるソリューションの概要をご紹介する。
2014年11月17日12月13日に公開される特撮映画『仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル』の予告編が公開された。『仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル』は、「仮面ライダー鎧武 パート」「仮面ライダードライブ パート」「MOVIE大戦フルスロットルパート」で3つで構成。ライダーでありながらバイクではなく車に乗るという掟破りの設定で話題となっている『仮面ライダードライブ』だが、公開された予告編では、ゲスト出演のお笑いコンビ・ピースの綾部祐二が演じるアルティメット・ルパンが"仮面ライダー"の称号を盗み「仮面ライダールパン」に変身する事実が明らかに。そして、仮面ライダードライブ/泊進ノ介の相棒・ベルトさんを抱えて泣き叫ぶ泊の姿、スーパーカー「トライドロン」に乗り込む仮面ライダー鎧武とドライブ、鎧武で死亡したと思われていた戦極凌馬/仮面ライダーデュークの新たな姿など、見どころの多い予告に仕上がっている。また主題歌では、SOPHIAの松岡充に加え、仮面ライダードライブ・鎧武の出演者も参加したユニット「Mitsuru Matsuoka EARNEST DRIVE with TEAM ドライブ and 鎧武」を結成。映画を彩る豪華メンバーによる主題歌もいち早く聴くことができる。この予告編は、11月15日より全国の劇場で上映。現在劇場では、"キラキラ光って夜道も安心!輝くライダーリフレクター"付前売券も発売されている。また、本作の入場者プレゼント第一弾は、先着1,000名限定で仮面ライダー史上初となるDVDをプレゼント。『typeZERO 第0話 カウントダウン to グローバルフリーズ』と題したこのDVDは、入場者プレゼントのために完全新撮されたオリジナルストーリーで、『仮面ライダードライブ』TV放送の前日譚が収録される。なぜグローバルフリーズが起きたのか、その時、進ノ介と早瀬、霧子、そしてベルトさんは――「プロトドライブ」とロイミュードの戦いやドライブ誕生秘話が描かれているという。そして第二弾には、12月23日よりガンバライジングカードが予定されている。(C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映
2014年11月15日日本政策金融公庫は13日、同社が取り扱う「国の教育ローン」のうち、海外留学資金の2014年度上半期融資実績の件数が前年同期比30%増の774件、金額では同45%増の18億円となり、件数・金額ともに大幅に増加したと発表した。特に金額は比較可能な過去10年間で最高となり、1件当たりの平均融資額についても10年前に比べて1.4倍の232万円に増加した。政府は2013年6月に策定した「日本再興戦略」において、グローバル人材の育成を目的として、2020年までに日本人留学生を12万人に倍増させることを目指しており、2013年10月から、留学促進キャンペーン「トビタテ! 留学JAPAN」を開始。また、スーパーグローバルハイスクールおよび大学を指定するなど、意欲と能力のある若者の海外留学を支援している。このような現状を踏まえ、同社は政策金融機関として、2013年5月および2014年4月に海外留学者向け制度を拡充。具体的には、海外留学資金として利用する際の世帯年収上限額を、特定の条件を満たした場合は990万円(子ども1人または2人の世帯、事業所得者は770万円)に引き上げたほか、海外留学支援施設の対象要件を拡充するなどした。同社は、今後も留学を目指す人や教育資金を必要とする人を積極的に支援していくとしている。
2014年11月14日米シスコシステムズは11月13日、Cisco Internet of Everything Innovation Center Tokyo (以下IoE Innovation Center Tokyo)を、六本木にあるシスコシステムズの本社に開設し、オープンイベントを行った。東京のIoE Innovation Centerは、ロンドン、バルセロナ、リオ・デ・ジャネイロ、ソンド(韓国)、ベルリン、トロントに次ぐ、同社としては世界で7番目となる。米シスコシステムズ インダストリー ソリューション エグゼクティブ バイスプレジデント兼 チーフ グローバリゼーション オフィサーのWim Elfrink(ウィム・エルフリンク)氏によれば、IoE Innovation Centerには、展示、構築、投資の3つの役割があるという。展示では、グローバルに拡張できるパートナー ソリューションの展示を通じてIoEの実践的な使用例を紹介、特に製造、公共に注力するという。構築では、顧客企業やパートナーとのパートナーシップの構築や大学との連携、投資では研究プロジェクトやスタートアップ企業への投資を行う同社では今後東京のIoE Innovation Centerには、10年間で2,000万ドルの投資を予定しているという。Innovation Centerの当初の活動は、公共セクターおよび製造業向けソリューションの中でも、ネットワークのエッジあるいは物理的にデバイスやオペレーションにより近い場所に存在するストレージやコンピュータ性能を活用したソリューションに重点を置く。シスコのコンサルタントが行った試算によれば、IoE(Internet of Everything)をベースとするソリューションが今後10年間で世界全体にもたらす経済価値は19兆ドル規模に達すると予測され、このうち日本では、モノづくり分野で2,480億ドル、公共分野で1,090億ドルなど、合わせて8,700億ドルの経済価値が見込まれるという。Wim Elfrink氏はIoEについて、「日本はリーダーシップを発揮し、IoEを進めてきた。調査会社の試算によれば、2020年には500億スマートオブジェクトがインターネットにつながり、IoTは1つの産業になっている。それらのデバイスからは膨大な情報が提供されるが、そのデータを情報化し、知識化し、英知を引き出し、リアルタイム判断をいかに実現するかが課題で、シスコはデジタル世界の建築家となり、物理的世界の障壁を取り除く」と述べた。また、米シスコシステムズは東芝と、IoT(Internet of Things)分野において、協力関係構築に関して協議を開始することに合意し、覚書を締結したことを発表した。今後両社は、製造、交通・運輸、スマートシティを中心とした産業分野におけるグローバルでのIoT市場向けに共同研究やソリューション開発、事業化の可能性について検討を進めていく。
2014年11月14日2014年10月17日(金)、東京国際フォーラムにおいて「Executive HR Seminar 2014グローバル展開における人事の挑戦」セミナーが開催された。同セミナーは、グローバル展開が加速している日本企業において、世界で活躍する人材の育成とマネジメントについて考察するというもの。グローバル展開を進める企業のビジネスマンや人事担当者など、約150名が参加した。まず最初に登壇したのは、日立総合経営研修所 取締役社長 山口岳男氏。山口氏は、約900社、32万人にもおよぶ日立グループのビジネス戦略や人材戦略、今後の人材マネジメントなどについて語った。ビジネス戦略については、日立グループの2015中期経営計画を紹介。2013年度売上高実績は9兆6,162億円だったが、2015年度には10兆円を目標とし、営業利益率を現行の5.5%から7%超を目指すとした。この目標のためには、海外売上高比率の引き上げが必須となるとし、グローバルな事業展開を行える人材の確保が重要になると語った。具体的な人材戦略については、これまで同じグループ内であっても、個社個社で行ってきたパフォーマンスマネジメントを、グローバルベースでプラットフォーム化。日立のコアバリュー、人材ポリシーなどを共通化することにより、組織の競走優位を図るとしている。さらに人材のダイバーシティを目指し、外国人や女性を積極的に管理職として任用、多様な人材が活躍できる組織にするとしている。続いて登壇したのは、アルー 代表取締役社長 落合文四郎氏。「戦える“グローバルマネージャー”の育て方」と題した講演では、おもにグローバルで活躍できる人材の資質やそうした人材をはぐくむための育成フローなどについて語った。まずグローバル人材については、「主体的に物事を考える」「多様なバックグラウンドを持つ同僚、取引先、顧客等に自分の考え方をわかりやすく伝え、文化的・歴史的なバックグラウンドに由来する価値観や特性の差異を乗り越えて、相手の立場に立って理解」「そうした差異からそれぞれの強みを引き出して活用し、相乗効果や新しい価値を生み出す」といった定義を紹介。こうした定義に当てはまるには「社会人的基礎力」「外国語によるコミュニケーション力」「異文化理解・活用力」の3つの能力が必要になるとした。また、グローバル人材の育成フローについても触れた。グローバル人材については、国内での業務内容から新人や若手層の資質を見極めることが肝要とした。そうした人材を「グローバル人材予備軍」とし、業務上の経験や先輩上司の薫陶、外部の研修などによりグローバルマネージャーへと育成。その際、経験が70%、薫陶が20%、研修が10%の割合で重要になるという。こうしたグローバルマネージャー論を展開したのち、アルーの「人材育成ソリューション」を紹介。インドやインドネシアなどに受講者を派遣し、英語を話す現地スタッフ2名(英語人材)をマネジメントすることでグローバルにおける実務能力を身につける「Servant Leadership Program」や、2カ月間、フィリピンでビジネス英語を学ぶ「ALUGO BOOT CAMP」などを解説した。最後に講演したのは、IHI顧問 昼間祐治氏。昼間氏は、IHIがブラジルやロシア、アメリカで展開する事業を解説。実際の海外事業について紹介することで、グローバルで活躍できる人材がいかに大切かを説いた。また、IHIのグローバル人材の育成方法についても語った。ビジネス英語の講師を社内に常駐させ、海外事業に関わる従業員の英語力を向上させる「英会話ブース研修」や、毎年6週間にわたり若手社員をインドに派遣する取り組みなどを紹介した。なお昼間氏は、講演の後にアルーの落合氏と、これからのリーダー像やグローバル人材の育成などについて対談を行った。また、この対談では参加者からの質問にも対応。人事担当者が抱えているグローバル人材における課題などについて答えた。
2014年11月13日はじめまして。GMOクラウド、技術部の西元と申します。2014年入社した新卒1年目のエンジニアです。「メディアに出てみたい!」と公言したら、このような機会をいただけることなり、まだゴリゴリの技術者ではない今の僕だからこそ書ける"ありのまま"の使用感を書かせていただきます。今回は、2014年10月21日にリリースしたGMOクラウド ALTUS Basicシリーズを利用して、仮想サーバーの作成からSSHログインまでの過程で僕がつまずいたポイントをまとめましたので、これを参考にBasicシリーズをスムーズにご利用いただけるお手伝いができれば幸いです。とはいえ、今回の説明ではポイントを絞っているので、詳細な設定手順などにつきましては、弊社サポートページのマニュアルをご参考下さい。こちらもとてもわかりやすいと思います。この記事を読んでいただきたい方Basicシリーズの導入をご検討中の方パブリッククラウドのご利用が初心者の方Basicシリーズをご利用中でマニュアルを読むのが面倒な方○1.使ってみたそれでは本題に入ります。今回は一般的なWEBシステムを想定し、下図のような構成を考えました。基本WebサーバーであるVM1、VM2へのアクセスはロードバランサーで負荷分散し、データを管理しているVM3に対してはインターネットから通信させたくなかったので、VM1、VM2の仮想サーバーからのみ通信できるようなネットワーク構成にしました。グローバルIPは2つ取得し、ひとつのグローバルIPは負荷分散を行うロードバランサー用、もうひとつのグローバルIPはVM1にインターネットからSSHログインするために用います。応用最近、DevOpsについて興味があり、テンプレートを簡易に作れるツールに対して、テンプレートから作成した仮想サーバーの動作性を知るために、ALTUS Basicシリーズを使って検証してみました。UForgeオンラインというサービスでテンプレートを作成し、Basicシリーズのテンプレートアップロード・ダウンロード機能を利用して、VM2を作成しました。構築完成までの流れ1:Web用のセキュリティグループ作成2:DB用のセキュリティグループ作成3:VM1、3 仮想サーバー構築4:VM2 仮想サーバー構築4.1:外部HTTPサーバーからテンプレートを取得4.2:外部テンプレートから、Webサーバー構築5:IP取得・設定6:それぞれのセキュリティグループのファイルウォールポリシーの設定7:ロードバランサー設定○2.構築の際注意するポイント仮想サーバーの作成・動作は簡易にできましたが、数点つまずいた点があったのでまとめました。構築する際にこのポイントを参考にしていただければと思います。ポイント1【セキュリティグループ】セキュリティグループは、最初に作成1:仮想サーバー作成時に設定したセキュリティグループは、後から変更できない2:セキュリティグループのファイアウォール設定は後から設定可能ポイント2【ネットワーク設定】インターネットで接続するなら、新規のIP取得が必須新規のIPアドレスを取得後に、スタティックNATの有効化、もしくは、ロードバランサーの設定が必要ポイント3ファイアウォール設定は設定しないと通信できない初期設定で受信は全て拒否になっているので、許可する通信を設定する必要があるポイント4【テンプレートアップロード・ダウンロード機能】外部のテンプレートを利用する際には、外部HTTPサーバーからのダウンロードが必要上記のポイントに注意して、システムを構成しました。後はSSHログインができるか試しました。結果、見事にインターネットを介して、VM1にSSHログイン成功。さらに、VM1からVM3にSSHログインできたので、VM1からの踏み台でVM3のリモート操作も可能になりました。また、外部テンプレートで作成したVM2に対しても下図のオリジナルで作成した起動画面が表示されたので、動作していることが確認できました。○3.まとめBasicシリーズにおける仮想サーバー作成~SSHログインにおけるポイントのまとめでした。ポイントとして4点ほど挙げましたが、仮想サーバーのリソースやファイアウォールのセキュリティーポリシーなどの変更は可能なので、セキュリティグループを先に作成することに注意いただければ、スムーズに仮想サーバーを作成できます。新人エンジニアの自分としてはサーバーの勉強だけでなく、スタティックNATなどのネットワーク関係も学べ、かつ検証ができ"アルとタス"かりました。Basicシリーズは500円から利用でき、リソース変更も1vCPU/1MBメモリ単位で変更可能です。他社クラウドサービスのようなインスタンス型だと、料金面で手が出しづらいシステム構成や検証にも、Basicシリーズならコストを抑えられるのでお客さまにとってももちろん”アルとタス”かりますので是非1度ご利用ください。次回は、CloudStack APIやAWS互換APIを使って、他のIaaSからのマイグレーションなどにチャレンジしたいと思いますのでご期待ください!執筆:GMOクラウド株式会社 技術部 / 西元 優介プロフィール:高知工科大学でコンピュータサイエンスについて学ぶ。ネットワークにおいてストレスを感じさせないサービスを提供するという熱意を持って2014年4月にGMOクラウドに入社。技術部に配属後、現在はサービスを提供するまでの流れを実勉強中。
2014年11月13日セゾン情報システムズは11月7日、コンファレンスセンター品川において「HULFT DAYs 2014」を開催した。大阪、東京、名古屋と連続で実施するイベントで、ファイル転送ミドルウェア「HULFT」シリーズが6年ぶりにメジャーバージョンアップすることをお披露目する場だ。当日は導入事例紹介なども含めて、多くの情報が来場者に提供された。○海外普及を受けてグローバル対応も大幅強化「HULFT8がお客様へ提供する新たな価値」と題してHULFTの現状と新機能について語ったのは、HULFT事業CTOでありアプレッソ 代表取締役社長でもある小野和俊氏だ。冒頭ではHULFTが20年以上の歴史を持つ製品であることを振り返り、過去には各時代のニーズを柔軟に取り入れて進化してきたことをアピール。現在の導入企業数は8,000社、販売本数は16万9,000本にも及ぶという。全国銀行協会の会員銀行では導入率が100%であり、日本自動車工業会の会員企業でも93%が導入。日本売上高トップ500企業のうち69%が導入しているなど、確実で安全なファイル転送を求める現場で広く活用されていることも紹介された。特に昨年伸びたのが、海外での導入だという。世界40カ国での導入実績があり、同種のアプリケーション群の中では世界第4位のシェアを獲得した。こうした状況を受け、新バージョンとなる「HULFT8」ではグローバル対応が従来以上に強化されたのも特徴だ。HULFTシリーズは従来からグローバル対応していたが、従来の「HULFT7」では日本語版と英語版で機能差があった。「日本語版でできるから当然英語版でもできるだろうと思っていたことができない、ということがいくつかあった。HULFT8ではそうした機能差がすべてなくなる。1環境で作業者ごとに言語を切り替えることも可能で、日付形式も各国型に対応。さらに新機能のリリースも同時になる」と小野氏はグローバル機能強化について語った。○転送速度が大幅に向上HULFTシリーズの大きな特徴は、安心・安全で確実なファイル転送だ。そして、非常に品質が高く、障害発生率なども低いという特色もある。世界的に見ても希有なレベルで品質を保っていることを小野氏は強くアピールしたが、新バージョンではそうした品質を保ちながらさまざまな機能向上をはかり、それでいてシンプルな使い心地を残したと語った。特に目に見えて向上したのが、ファイル転送の速度だという。「HULFT7の場合、チューニングしてFTPより少し速い程度だった。チューニングなしで使っている場合FTPよりも遅いと感じていたはず。HULFT8での実験では5倍以上速くなった。環境によっては10倍以上になることもある」と小野氏は速度について語った。さまざまな状況下でのテスト結果も披露され、その中では元々高速に接続されているLAN内環境では効果が薄いが、インターネットを介した接続になると高速化の恩恵が受けられることがわかった。最近増えているという、オンプレミス環境からクラウドへのアクセスなどで特に効果があるだろうと考えられる。この速度は、データ圧縮のロジックを変更したことによる高圧縮と、オンメモリでの圧縮・解凍による即時性が生み出している。また、転送速度のチューニングが自動化されたことでチューニング作業が不要になった。「多くのユーザーがチューニングなしで利用していたため、大きな速度向上が感じられるだろう。チューニングしていたユーザーの場合は、チューニングの手間がなくなるという効果がある」と小野氏。さらに転送プロトコルについても「TCPはUDPと比べて遅いという人がいるが、実際に比べてみて欲しい。TCPが遅かったのは30年前のこと。多くの研究とバージョンアップによって高速化が実現されている」と言及した。○自動化を楽に行う「HULFT Script」ファイル転送に伴う処理の自動化も強化された。「従来はシェルスクリプトでバッチを書く必要があり、時間と開発費がかかっていた。これを手軽に素早く行えるようにしたものがHULFT Script」と小野氏が語るように、デモンストレーションではその場で簡単な処理のプログラムが作られていた。処理ブロックを並べて矢印で繋ぐというイメージのグラフィカルな操作で行えるだけでなく、サンプルスクリプトを呼び出して一部変更するだけで自社にマッチした処理にすることもできるなど、徹底的な省力化がはかられている。また、変更すべき部分はスクリプト冒頭に「★」マークがつけられており、作成した処理はその場で実行テストも行える。作成中に単体テストまでが完了する仕組みだ。「我々は長年のサポートの中で、現場でどのような処理が必要とされているのか知っている。多くのユーザーが必要としている機能をテンプレート化した」と小野氏。1テンプレートが1機能となっており、テンプレートは随時追加されるため、ファイル転送の運用ノウハウをテンプレートという形で共有できるのも大きな魅力となっている。○地味ながら要望を取り入れた各種新機能「HULFT8」では根本的な部分から手を入れたため、これまで要望があることは認識していながらも取り組めなかったという細かな部分に対しても多くの改善が行われている。たとえば、ファイルIDが従来は8バイトまでだったところが50バイトまでになった。命名規約を柔軟に設定できるようになったわけだ。また、メッセージ機能のサイズ200バイトまで拡張されたため、フルパスのファイル名がジョブ連携で利用できるようになった。非常に細かい部分ではあるが、毎日利用する現場においては大きな変化といえるだろう。導入にあたってのハードルも低くなっている。従来は評価版と製品版とに連続性がなく、モジュールの入れ替えを行わなければならなかった。これがライセンスの変更のみでよくなり、本番環境構築後の再テストが不要になる。またテストに関しては、テスト実行時に不要なジョブを起動しないことやログへの記載有無などを指定できるようにしたことで、より実施しやすくもなっている。セキュリティについては、一般ユーザー権限で実行できるようになったことで、HULFTユーザー全てに管理者権限を付与する必要がなくなり、より安心かつ安全な利用が可能になった。「メジャーバージョンアップと呼ぶほど大きな変化には見えないかもしれないが、お客様の改善要望事項からさらなる品質向上をはかって180の機能改善を行っている。エラーメッセージやマニュアルの全面改定、製品構成のシンプル化などにも取り組んだ」と小野氏が語るように、より使いやすく、わかりやすくなるよう工夫されているのが新バージョン「HULFT8」なのだ。講演の終盤ではクラウド環境でのHULFT活用や、実際の活用例等を紹介。さらに周辺ソリューションの紹介と主たる活用例を紹介することで、来場したパートナーにも大きなヒントを提供した。
2014年11月10日富士重工業がこのほど発売した、6代目となるスバル新型「レガシィ」。先代モデルまで設定されていたツーリングワゴンがなくなり、クロスオーバーSUVの「レガシィ アウトバック」、セダンの「レガシィ B4」というラインナップとなった。「レガシィ ツーリングワゴン」の実質的な後継モデルである「レヴォーグ」をはじめ、「WRX STI」「WRX S4」などがラインナップに加わる中、国内において「レガシィ」のブランド名を残し、アウトバック / B4の2タイプに絞って販売するねらいとは? スバルの販売戦略について、富士重工業スバルグローバルマーケティング本部商品グループ主査、松本博桂氏に聞いた。○「レガシィ」ブランド知名度の高い50代前後が主要ターゲットに--6代目となる新型「レガシィ」では、ツーリングワゴンの設定がなくなりました。その理由について教えてください。松本氏 これまで、「レガシィ」は3種類のボディタイプで幅広いレンジをカバーしてきました。しかし、新たに「レヴォーグ」や「WRX S4」といった車種がラインナップされたことで、「レガシィ」が必ずしもすべてのフォーメーションを埋める必要がなくなってきたわけです。これまで、ツーリングワゴン・B4・アウトバックの売上比率はおおむね5:2:3でしたが、ツーリングワゴンとアウトバックで迷うお客様が多く、どっちつかずの状態になっていました。SUV人気が高まりつつあるいまだからこそ、新型はアウトバックに絞ろうということになりました。--新型「レガシィ」のターゲットとしては、どういった層を想定していますか?松本氏 新規のお客様を掘り起こすというよりも、既存のユーザーの方々をおもなターゲットとして考えています。5代目の「レガシィ」シリーズにお乗りいただいているお客様にアンケートを取った結果、現在のボディサイズに満足しているという回答が7~8割にのぼりました。そこで、サイズはあえて大きくして、そのゆとりを「ヘキサゴングリル」「ホークアイヘッドランプ」といったデザイン面の強化に使っています。--世代的にはどの層を狙っているのでしょうか?松本氏 子育てが一段落したファミリー層を中心とした、昔からの「レガシィ」ユーザーの方々にお乗りいただけるのではないかと考えています。年齢的には50代前後の方々が主要層となりますが、この世代の方々にとって、「レガシィ」というブランドの知名度は、スバルブランドをも上回ることがあります。--新型「レガシィ」のパワートレインについてお聞かせください。松本氏 エンジンは2.5リットルの水平対向自然吸気エンジンを使用しています。これはスバルのグローバルパワーユニットであり、基幹エンジンでもあります。一見、従来とは違いがないように感じられるかもしれませんが、新型「レガシィ」ではエンジンパーツの80%を新製しています。一方でミッションは燃費面に配慮して、効率を高めるための次世代CVT「リニアトロニック」を採用しています。いずれも燃費とドライバビリティを両立させるため、技術者がかなり苦労して作り上げたドライブトレインとなっています。--それにしても、今年さまざまな新モデルが発売される中、「レガシィ」に関しては新しいトピックが欠けているように感じるのですが……。松本氏 たしかにエンジンにしてもCVTにしても、売りになるような目新しさには欠けているかもしれません。しかし、「レガシィ」はスバルの最新で最良のものであるという「ニュースバルクオリティ」というテーマにもとづき、基礎を積み上げた地道な改良を重ねてきました。新型「レガシィ」の良さは、乗れば必ずわかっていただけるものだと思います。
2014年11月09日トムソン・ロイターは11月6日、世界で最も革新的な企業/機関を選出するアワード「Top 100 グローバル・イノベーター 2014」を発表いたした。国別では、昨年の日本は28社から39社と飛躍し、米国の35社抜いてトップとなった(団体含む)。「Top 100 グローバル・イノベーター」は、独創的な発明のアイディアを知的財産権によって保護し、事業化を成功させることで、世界のビジネスをリードする企業を選出する。2011年から始まり今年で4回目。国内から選出された企業は以下の通り。アイシン精機、旭硝子、ブラザー工業、キヤノン、カシオ計算機、ダイキン工業、デンソー、富士フイルム、富士通、古河電気工業、日立製作所、本田技研工業、花王、神戸製鋼所、小松製作所、京セラ、三菱電機、三菱重工業、日本電気、日本特殊陶業、新日鐵住金、日産自動車、日東電工、日本電信電話(NTT)、オリンパス、パナソニック、リコー、セイコーエプソン、半導体エネルギー研究所、シャープ、信越化学工業、ソニー、住友電気工業、住友ゴム工業、TDK、東京エレクトロン、東芝、トヨタ自動車、ヤマハ(五十音順)。トムソン・ロイターの長尾正樹氏は「日本企業は多数の独創的な発明を生み出しているだけでなく、知的財産で適切に保護しながらグローバル市場でのビジネスを効果的に展開しており、イノベーションの世界的なリーダーであることが証明されたと言えます」とコメントした。国内以外にもアジア企業の躍進が目立ち、韓国4社、台湾2社、中国からは1社が選出された。
2014年11月07日英国のロックバンド、クイーンがエイズ撲滅キャンペーン"Share The Sound Of An Aids Free Generation"に参加し、未発表音源をiTunes Storeで販売開始した。コカ・コーラ カンパニーは(RED)と協力して、HIV母子感染の撲滅を目指して世界中の人々に呼びかける"Share The Sound Of An Aids Free Generation"キャンペーンを実施しているが、このキックオフを英国のロックバンド、クイーンが飾った。同キャンペーンでは、数々のトップアーティストが新曲などを提供し、人々が集い、分かち合い、慈善活動を行うことを奨励している。キャンペーンで得られた収益は、エイズ、結核、マラリアの撲滅のために活動するグローバルファンドに提供され、HIVの感染予防、検査、カウンセリング、治療、ケアサービスに充てられる。クイーンが提供したのは、84年のアルバム『ザ・ワークス』の収録から漏れた楽曲"Let Me in Your Heart Again"。当時メンバーの4人が残した音源に、新たにブライアン・メイとロジャー・テイラーがギターとコーラスを追加し、完成させた。ミックスはウィリアム・オービットが手がけている。iTunes Storeでは、毎週新しいアーティストがオリジナル楽曲を発表し、www.iTunes.com/REDSoundからダウンロードされた楽曲の収益金はグローバルファンドへ寄付される。楽曲ラインナップは以下の通り。「Let Me in Your Heart Again」(ウィリアム・オービット・ミックス)/クイーン feat. フレディ・マーキュリー(11月3日から1週間)「Together」/アロー・ブラック(11月10日から1週間)「Divine Sorrow」/ワイクリフ・ジョン feat. アヴィーチー(11月17日から1週間)「I Lived (RED) Remix」/ワンリパブリック(11月24日から1週間)
2014年11月06日プライスウォーターハウスクーパースは11月5日、「グローバル情報セキュリティ調査2015(日本語版)」の結果を発表した。国内企業におけるセキュリティの平均投資額がグローバルの約半分であること、国内企業は情報セキュリティを扱う役員クラスのリーダーが不在である割合が高いことなどが紹介された。○グローバルは「被害拡大、予算減」 - 新たな対策を模索段階今回の調査は、PwC、CIO Magazine、CSO Magazineが共同で実施。今年3月27日から5月25日にかけて行われ、154カ国で9700人以上が回答している。調査は毎年実施しており、今回が17回目になる。発表によると、グローバルにおけるセキュリティインシデントは、件数が32%増の4948件、被害額が34%増の2.7億円だった。一方で、年間平均セキュリティ投資額は前年比4%減の4.2億円。減少した理由としては、2013年に標的型攻撃対策への需要の高まりから前年比1.5倍の急成長を遂げた影響が大きいという。「業種別の投資額を見ると、航空宇宙/防衛業界が25%減、テクノロジーが21%減、自動車が16%減、小売/消費財が15%減。セキュリティへの取り組みが早かった業界において、新たな効果を見込める対策を見出せていない状況にある」(プライスウォーターハウスクーパー ディレクター/PwCサイバーセキュリティCoEイーストクラスター代表の山本直樹氏)セキュリティインシデント発生の要因に関しては、現行の従業員による漏洩が35%、退職者による漏洩が30%を占めており、全体の65%が内部犯行によるものとなっている。山本氏は、こうした問題への対策として、「新人向けのセキュリティ教育プログラムがある会社とない会社では、インシデントの発生確率に4倍の開きがある。フィッシングメールなどを安易に開かない組織を作ると同時に、悪意を持って情報を漏らそうする者を牽制する仕組みが重要」とコメントした。○国内の平均予算はグローバルの半分、担当役員の設置を推奨今回の調査には、日本企業からも役員クラスのキーマン219人が回答している。その調査結果をグローバルと比較した山本氏は、日本企業のセキュリティ平均投資額が2.1億円と約半分であることを紹介。さらにグローバルでは、64%の企業でセキュリティに積極的なリーダーとなる役員がいるのに対して、日本企業ではこの割合が41%と大きく減るという。こうした結果について山本氏は、「現在の情報セキュリティは、IT部門の課題ではなく、経営リスクと捉えるべき。CEOに直接提言する立場にあり、部門間の利害関係も調整できる役員クラスのリーダーを担当として置く必要がある。さらには、社外から最新の情報を入手できる人脈/情報網を持っていることが望ましい」と提言し、国内企業の経営層における意識改革の必要性を訴えた。○「内部関係者」の定義を見直すべき調査の結果を踏まえ、もう1つ強調されたのが内部犯行への対策である。調査によると、インシデントの発生原因が「わからない」と回答した企業の割合は、国内で43%に上るのに対して、海外では18%にとどまっている。そのうえで山本氏は、昨今続いている大規模情報漏洩事件を踏まえ、「"わからない"の43%の中には、内部犯行の割合が高いと推測できる」とし、特に退職者や委託業者、契約の切れた委託業者が関与しているケースが多いだろうとの見方を示した。「日本において"内部関係者"への対策を考える場合、現職の従業員だけを対象としている企業がほとんど。しかし、実際に犯行に及ぶのは、組織への忠誠心が低い退職者や委託業者であることが多い。今後は、委託業者も考慮に入れ、在職中/契約中はもちろん、退職後/契約終了後にも対応できる環境を作ることが求められる」(山本氏)
2014年11月06日日本発のグローバルMBaaS(Mobile Backend as a Service)サービス「Kii Cloud」を提供するKii。前回は、同社 執行役員 技術統括を務める石塚進氏にIoT(Internet of Things)とMBaaSがいかに親和性があるかについて大いに語ってもらった。今回はそうした流れのなかで、IoTをテーマにモバイルアプリ開発の“熱気”が業界内で急速に高まっている背景を事例とともに紹介しよう。○IoTとモバイルアプリ開発が大きなうねりに前回、IoTにはM2Mやセンサーネットワークなどのハードウェアを中心とした業界からのトレンドと、モバイルデバイスやウェアラブルといったソフトウェアを中心とした業界からのトレンドがあることを紹介した。この2つは、B2BとB2Cと言い換えることもできるだろう。IoTは、一般的にはB2B業界の話に思えるが、実際にはモバイルデバイスやウェアラブルといったコンシューマーに近い現場で起こっているトレンドなのだ。そして、注目したいのはコンシューマー寄りになればなるほど、IoTデバイスやスマートデバイスでは、フロントのUIやデザインが重要なポイントになるということだ。モバイル開発でMBaaSをうまく利用してフロント開発を効率化したのと同じように、IoT開発においてもフロント部分の開発にどう力を入れていくかが問われることになる。現在、Kii Cloudを使ったIoTソリューションが次々と生まれており、石塚氏はそうした事例のなかから、オープンプラットフォーム構築への取り組みと、スマートフォン用天候チェッカー「CliMate」の開発事例を紹介してくれた。○オープンプラットフォーム構築への取り組みIoTデバイスを開発するメーカー各社は、ユーザーへの付加価値を高めていくために、魅力的なアプリケーションが必要だと考えている。そのためにはAPIを公開し開発者に向けて機能を提供していくことが必要不可欠だ。そのような背景から、Kiiではメーカー各社がKii Cloud上で自社向けデバイス用に独自のAPIを定義することを可能にし、間もなく公開する予定だという。たとえば、ヘルスケアデバイスの場合はどうだろうか。メーカー側がデバイスからクラウド上に吸い上げた、ユーザーの活動情報などを可視化するAPIをKii Cloud上に定義し公開したとする。すると開発者側はそのAPIを通じてデータを取得、活用できる。そして、メーカー側が提供するデバイスに向けて独自のアプリケーションを開発し、ユーザーに提供することができるようになるのである。現在、日本国内外のいくつかのデバイスメーカーがKii Cloudを用いて独自APIをOpen化するプロジェクトが進行中だ。○スマートフォン用天候チェッカー「CliMate」「CliMate」は、米Rooti(旧名Phyode)が開発した持ち歩き型デバイスを使って、気温や湿度、紫外線量をリアルタイムに測定し、その結果をスマートフォンに通知することでユーザー同士がデータをシェアできるサービスだ。使い方はさまざまで、たとえば今いる場所の天候の変化をいち早く検知したり、これから出かけようとする場所の天候をリアルタイムにチェックしたりできる。また、デバイスはスタンドに取り付けたり、クリップで身体から少し離して取り付けたりできるため、屋内に固定して簡易なウェザーステーションとして使ったり、ベビーカーに設置して移動中の紫外線量をはかったりといった使い方も可能だ。その他、SPFや肌の具合によって日焼け止めの塗り直し時刻を教えてくれるタイマーやスマートフォンのカメラのトリガー機能、スマートフォンを探す機能なども備えている。Rootiは、カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置くベンチャー企業だ。クラウドファンディングサイトのKickstarterで出資を募り製品を展開した。ベンチャーとはいいながらこうしたサービスを提供するには、クラウド上で膨大な量のリアルタイム天候データとユーザーデータを保存できる環境が必要になる。また、セキュアで信頼性が高くグローバルレベルで展開できることも要件だ。こうした要件を満たすことができるためKii Cloudが選択されたという。「Rootiの開発者たちは、バックエンドのサーバ開発に時間をかける必要がなく、モバイルアプリのユーザー体験をより良いものに仕上げることに集中できたと言います。その結果、ユニークなGUIが開発できたということです」(石塚氏)気温や湿度をセンサーで取得してクラウドに保存するだけでなく、スマートデバイスに通7知してユーザー同士でシェアできるようにしたことが、このサービスの“新しさ”だろう。このように、IoTソリューション開発においてもフロント部分の開発は重要であり、それを実現するためにもMBaaSの選択が重要になってくるわけだ。○IoTとMBaaSの今後に期待!!石塚氏は、IoTに対するKiiの取り組みとしては、IoT推進団体「AllSeen Alliance」での活動を積極的に行っていると話す。AllSeen Allianceは、デバイスやデバイス上のアプリケーションを相互に通信できるようなフレームワークの開発、普及を目指す団体だ。マイクロソフトやシスコ、シャープ、ソニーなど70社超の企業が参加している。Kiiはベンチャー企業でありながらも早期に同団体に加盟し、Kiiの共同設立者兼会長の荒井真成氏を中心として、クアルコムなどの大手企業に混じりながら仕様策定や実装方法についての議論に加わっている。現段階では、Kii Cloudのサービスに直接関わることはないものの、IoTおいて将来を見据えた長期の取り組みになっている。実際、ここでは紹介できなかった同社のIoTソリューション事例は、この他にも、医療、ヘルスケア、教育といった分野で、急速に広まっている。特に、モバイルアプリ開発向けのMBaaSで高い支持を受けるKii Cloudに対しては、製造業のエンジニアからも熱い視線が注がれているとのこと。IoTは、モバイルアプリ開発、ウェアラブル、クラウドといったトレンドを巻き込みながら、大きなうねりになっていくことはまず間違いない。Kii CloudのようなMBaaSを使って、業界を変えるようなB2Bサービスや、ユニークなコンシューマー向けサービスが続々と生まれてくることを期待したい。石塚氏は「そうしたエンジニアを応援するために、これからも頑張っていきたい」と締めくくった。
2014年11月06日KDDIの田中孝司社長は31日、ドコモのネットワークを利用したMVNO市場における現状について「ドコモさんのネットワークを利用したものがほとんど。既にauからもドコモさんにある程度流出していると思う。あまり健全な競争環境ではない」と所感を述べた。同社の2015年3月期第2四半期の決算発表会後の囲み取材でコメントした。同社では、MVNO市場でKDDIネットワーク利用者を拡大することを目的に「KDDIバリューイネイブラー(KVE)」を創設しているが、この進捗状況について聞かれると、田中社長は「いまMVNOに参入したいというお客さんに説明しているところ。これからですね。サービスインの時期については分からない。相手がいることなので」とコメントするにとどまった。そして「MVNOは低価格が魅力。それがドコモさんばかりになると、あまりよろしくない。いまMVNOのSIMは、ドコモさんのネットワークを利用したものがほとんど。既にauからもドコモさんにある程度流出していると思う。あまり健全な競争環境ではない。遅ればせながら頑張らなくてはいかん、と思っている」と述べた。VoLTE同士の相互接続については「目処がたっていない。グローバルでも韓国が接続にむけて動き出したというくらい。VoLTEはデータなのか、音声なのかという定義すらグローバルでは食い違っている。詰めていかないといけないことが多い」との認識を示した。
2014年10月31日シェフラーは10月29日、2015年5月に神奈川県・横浜市の日本法人本社および研究開発施設を同市内で移転し、その後順次機能を強化していくと発表した。計画では現在の約2000m2から2015年5月の移転時点で4700m2、2020年までに6000m2へ拡張する予定。これに伴い従業員数も現在の270人から2020年までに450~500人まで増やす。さらに、2015年中には栃木県宇都宮市内に新たな拠点を開設するという。同社は「日本は引き続きグローバルな開発ネットワークのハブとして機能し、日本の自動車メーカーの研究開発の中心的な役割を果たします。シェフラーにとってもグローバルに事業展開する日本の自動車メーカーとの海外での取引の拡大や日本のお客様の将来の重要な課題を見据え、イノベーションと研究開発に一層重点をおいていきます」とコメントしている。
2014年10月31日●2010年からiPadを導入していた旭テック「日本の製造業界でどこよりもiPadを使いこなしているのではないか。そんな自信すらあります」と、旭テックのグローバル業務本部 AWI推進部 部長の安東恭二氏は胸を張る。旭テックは、独自のアルミ鋳造技術・鋳鉄技術を基盤とする素形材部品メーカーだ。グループ全体で国内に5工場、タイに4工場、中国に2工場の製造拠点を持ち、高い品質を誇る鋳造・ダイカスト製品をグローバルに展開している。○ワークスタイルの変革にiPadを活用旭テックは、2010年というかなり早い段階から、iPadを各工場と管理業務に導入している。そのきっかけとなったのが、2010年にスタートした同社のワークスタイル変革施策「AWI(Asahi Work Style Innovation)」の活動だ。最新のITを業務に取り入れることで、3年後の働き方を設計するというAWIのミッションが、当時の社長からトップダウンで指示されたことを安東氏は振り返る。「AWIのテーマは、経験や勘に頼った業務から脱却し、事実とデータによる管理を実現することでした。これにより、安定的に、歩留まり良く製品を納め続けることを目標として、まずはアルミニウムやマグネシウムなどの軽合金を取り扱う横地工場から、製造現場の風土の変革を行いました」(安東氏)旭テックがまず取りかかったのが、紙の設備点検表や作業手順書の見直しだった。同社の工場では膨大な数の資料を紙ベースで管理していた。しかしアナログでの管理ゆえに、実際に手順書がどれだけ閲覧されているかが不明で、点検表の「○」や「×」の理由は、それを見るだけではわからなかった。こうした紙ベースの点検表、手順書の課題を克服し、経験や勤続年数に関係なく、誰もが間違うことなく正しい作業ができるツールとして、旭テックはiPadを導入した。さらに業務アプリケーションを使うことで、工場のすべての点検表をデジタル化し、「○」や「×」でのチェックをやめ、数値による点検に変更した。これにより、日々の工場における業務の状態が"見える化"できたと、横地工場の副工場長 兼 製造課長、平原秀勝氏は語る。「数値ベースでの点検に変更したことで、工場でのさまざまな業務が"見える化"できました。データの推移をチェックすることで、設備の異常といった変化をすぐに把握できるようになり、予防のための行動を起こすことも可能になりました。iPadを活用した点検表の電子化は、設備異常率を従来の4分の1まで減少させました」(平原氏)iPadやアプリの活用状況について話し合う、定例ミーティングを毎週行う、といった導入後のフォローも功を奏し、横地工場での点検表のデジタル化は、およそ3カ月で完全に定着した。生産設備の稼働効率を示す指標であるOEE(Overall Equipment Effectiveness)も、iPad導入を契機に着実に改善されていったという。しかし、それでも不良品の発生をゼロにすることは難しい。そこで、できてしまった不良品を社外に流出させない仕組みを作るため、旭テックは作業手順書のデジタル化を決定。電子ブック・デジタルカタログ作成ソフトを使って、約750品点分の電子マニュアルの作成を行った。そして、製品現品票のバーコードをスキャンすることで、製品の概要から検査手順書、製品照合表、限度基準や過去トラブルのマップが、iPadで表示できる仕組みを構築した。「電子マニュアルによって、従来はモノクロだった作業手順書がカラー表示になりました。また、iPadのピンチアウト・ピンチインといった操作でマニュアルを拡大・縮小して表示でき、手順確認の効率を高めることに役立っています。常に最新版が閲覧できる点も、電子マニュアルの大きな効果だと感じています」(安東氏)●すべての要望を達成してくれるi-Reporterに白羽の矢が!!○管理部門と現場の相反する意向をi-Reporterで実現iPadを活用した設備点検表と作業手順書のデジタル化が実現できた。しかし、これだけでは「事実とデータによる管理」の実現というAWI活動が目指すところには及ばない。管理部門の意向は、さらに新しい仕組みを導入し、これまで以上に事実の把握、データの分析を行うことだった。その一方で、慣れた仕組みを使い続けたいというのが現場の偽らざる心情だ。この相反する要望を両立する切り札として、旭テックが今年4月に導入したのが、電子帳票ソリューション「ConMas i-Reporter」(以下、i-Reporter)だった。「現場にある帳票のデータやそのほかの重要なデータを、いかに管理しやすく、入力可能な仕組みを作るかという視点で、iPadだけではなくパソコンやAndroidデバイス向けアプリケーションなど、さまざまなソリューションを検討しました。i-Reporterは直感的な操作が可能で業務に馴染みやすく、さらに管理者の欲しいデータを拾いやすいという点が魅力でした。また、製造業での導入実績も評価し、横地工場での導入を決定しました」(安東氏)i-Reporterを使って、旭テックはこれまで手書きで記入していた紙の日報やチェックシートのフォーマットに、すべてiPadから入力できる仕組みを、横地工場の金型および鋳造部門に構築した。i-Reporterによって、使い慣れた用紙のビジュアルがそのまま使え、入力規則や項目も変えずに、日報やチェックシートのデジタル化を実現。もともと現場はiPadの操作に慣れていたこともあり、i-Reporterの定着には、ほとんど時間がかからなかったという。「現場にしてみたら、もともと使っていた用紙へ、手書きではなくiPadで入力できるようになっただけの変化です。しかし私たち管理者からすると、管理の面においては180度といっていいほど大きく変わりました。これまでは現場の手書きデータをExcelで入力し、毎週5~6時間をかけて現状把握と分析を行っていました。そして前月の実績と分析をもとに、翌月の指示を出していたのです。これがi-Reporterにより入力が自動化し、ボタン1つでグラフ化することができるようになりました。分析した翌週には、現場へのフィードバックも行えるようになり、現場に対して的確な指示を出すスピードが、圧倒的に早くなっています」(平原氏)例えば金型を作る部門では、i-Reporterで金型整備チェックシートを回覧板のように整備係と鋳造係の伝達に利用している。それぞれの項目を作業者がi-Reporterで入力し、場合によってはその場でiPadのカメラで撮影した写真を添付するなどして、次の業務にうまく引き継げるよう情報共有を行う。i-Reporter上の金型整備チェックシートで、品点別の不良対策会議をその都度行うような仕組みが実現できたと安東氏は語る。「これまでのチェックシートは、こういう処置をしたという結果があとから報告される、いわば"死亡診断書"のようなものでした。i-Reporterを使うことで、結果の伝達・共有を目的とした"健康診断書"へと質を高めることができました。病院で使われるカルテのように、「トラブルにつながるこういう傾向があるので、こういう対策を行った」という、内容に深みを持たせた情報共有が可能になります」(安東氏)さらにi-Reporterによって、工場の作業者が毎日作成する鋳造日報の作成時間も、従来は毎朝45分かかっていたのが5分で終わるようになるなど、大幅な作業時間の短縮にもつながっている。しかし、現場の作業の効率化、管理部門のデータ分析のスピード化という、目に見えるi-Reporterの導入成果以上に、無形の効果が大きいと平原氏は強調する。「分析結果のフィードバックを受け取る、現場の理解度を高めることにも、i-Reporterが貢献していると思います。単に指示されたことを作業するのではなく、本当に理解したうえで問題解決のために作業する。こうすることで結果は大きく変わります。さらに定期的に行っている不良対策会議も、i-Reporterによるデータを見ながらミーティングを行えるため、会議や作業の"質"の向上にもつながっていると感じています」(平原氏)また、寸法検査全数チェックシートのデータを、そのまま生産現場の品質管理に使われるX-R管理図へ展開できるなど、i-Reporterが集計したデータのスピーディな横展開も効果が大きいという。AWI推進部の森岡亜依氏は、こうしたデータをExcelやPDFのフォーマットで出力できる点も高く評価している。「現場で入力されたデータを、管理者画面から写真付きでそのままPDFに出力し、それを見ながら現場で判断することができます。さらに、データを保存しておくことで、過去にこういうケースがあったということを記録として残すことも可能です。i-Reporterで継続して記録していくことで、日々の業務の改善だけでなく、長期的なメリットも出てくるのではないかと期待しています」(森岡氏)●i-Reporterを活用して業務改善活動がよりスムーズに○国内外の工場にもi-Reporterを標準ツールとして導入まだiPadが物珍しかった2010年から、製造業の現場で積極的にiPadを活用してきた旭テック。同社が業務の改善ツールとして選んだi-Reporterは、製造業にとって大きな可能性があるのではないかと、AWI推進部の鈴木恭晃氏は指摘する。「これまでは勘や経験から判断していた部分を、i-Reporterによってデータ活用がなされるようになったことで、アイデアしだいでさまざまな業務の改善に結びつけやすくなるのではないでしょうか。私たちも管理部門や現場の声を反映しながら、これまでの紙の帳票だとi-Reporterに馴染まなかった部分を、i-Reporterに合わせてデータの取り方を変えるといった改善を日々行っています。製造業は業務をどんどん改善していこうという気質が、他業種の企業より強いと思いますが、i-Reporterは製造業の現場での改善活動においても、とても活用しやすいツールであると感じています」(鈴木氏)旭テックでは現在、i-Reporterを横地工場にのみ導入しているが、今後は国内外の製造拠点にも標準ツールとして展開していきたいと考えている。「愛知県にある豊川工場、そしてタイのバンパコン工場にも、i-Reporterを順次展開しています。iPadは国籍や言語にかかわらず、世界のどの国や地域でも使われているグローバルなツールです。我々のようなグローバル製造業は、こうしたツールを活用し、自分たちの"標準"によって、世界中で良い製品を作っていくことが重要です。こうした我々の"標準"のスピーディな横展開を、i-Reporterといっしょに行っていきたいと考えています」(安東氏)なお、今回の取材の模様を以下の動画にまとめてあるので、合わせて確認いただきたい。
2014年10月29日日本ヒューレット・パッカードは10月28日、OpenStackの商用ディストリビューション「HP Helion OpenStack」を提供開始すると発表した。あわせて、プロフェッショナルサービス部門「HP Helion OpenStack Professional Services」の新設とサービスの提供開始を発表した。同社は今年5月に、無償のディストリビューション「HP Helion OpenStack Community」を提供しており、同製品はこれに機能を拡張し、サポートを付加したものとなる。「HP Helion OpenStack」の詳細については、クラウドビジネス統括本部 統括本部長の春木菊則氏が説明を行った。同氏は、同製品の特徴と価値について、「Helion OpenStackには、これまでのOpenStackの運用経験とノウハウが生かされているうえ、可用性や拡張性を高めるための機能が付加されているため、ユーザーは安心して、かつ手間をかけずに利用できる。また、10月にリリースされたばかりの最新バージョンであるJunoの機能を取り込むなど、先進的な機能を備えている。さらに、注目していただきたいのが価格。クラウドを利用するお客様はやはりコストを気にする。それに対する、われわれの回答がHelion OpenStackだ」と説明した。同製品は物理サーバ単位のサブスクリプションで提供され、1物理サーバ当たり12万9000円からとなっている。同氏は、OpenStackに対する同社の貢献と経験について、同社の社員がJunoのコードの21%を提供しており、2011年9月からOpenStackベースのパブリッククラウドを運用してきたことを紹介した。また、顧客から同社のOpenStackディストリビューションが選ばれる理由については、「われわれは北米でOpenStackを3年間運用しており、バージョンアップを経験している。顧客にソリューションのアーキテクチャを示すと、OpenStackをわかっていることが理解してもらえる」と述べ、同社の経験が評価されていることをアピールした。執行役員 テクノロジーコンサルティング事業統括兼Helionプロフェッショナルサービス統括本部長の有安健二氏からは、OpenStack関連のサービス部門の新設とサービス提供に関する説明がなされた。有安氏は初めに、「OpenStackはイノベーションと言える。なぜなら、OpenStackによって、データ管理やネットワークなどのミドルウェア層のアーキテクチャが変わりつつあるからだ。また、OpenStackを軸に、M&Aが盛んになるなど、IT業界全体に大きな変革がもたらされている」と、OpenStackの存在意義について語った。有安氏は、OpenStackを活用することは容易ではなく、技術者のサポートが不可欠だが、技術者が不足していると指摘する。同社でも今年5月から、技術者の採用を積極的に行っており、アジアパシフィックで数十名の技術者を確保しているという。海外のデータセンターを利用するなど、クラウドサービスの展開はグローバルで行われるため、「HP Helion OpenStack Professional Services」の人員もグローバルを意識したものになっている。「HP Helion プロフェッショナルサービス・プラクティス」は、OpenStackベースのクラウド基盤構築に向けたアセスメント、検証、導入、サービス立ち上げ、運用まですべてのフェーズにおいてサポートする。有安氏は、同社のOpenStack関連のビジネスについて、「今年5月に無償のディストリビューションをリリースしてから、多くの引き合いがある。新規でクラウドサービスを立ち上げる場合、コストや機能の面から、有力な選択肢になるようだ。ビジネスにおいても、OpenStackは広がってきている」と、好調ぶりを披露した。
2014年10月29日カーオーディオやカーナビなど車載情報機器メーカーのトップブランドとしてグローバルで卓越したブランド力を発揮するアルパイン。同社は1967年の創業以来、世界中のドライバーや自動車メーカーに愛され続けている。1978年には、当時世界最高速を誇ったスーパーカー、ランボルギーニ・カウンタックLP5000Sをキャラクターカーとして採用し、同車とともに確固たる地位を確立していった。そして現在、アルパインは未来価値を創造する”モービルメディア・イノベーションンカンパニー”を目指し、世界17カ国、50数拠点で新たな事業活動にチャレンジしている。iPodやスマートフォン、携帯電話などの急速な普及や、交通インフラのITS(高度道路交通システム)化、電子化が進む自動車の中枢機能の高度化・複雑化といった流れを受けて、かつてのカーオーディオ、カーナビゲーション単体の開発から自動車の基幹部品としてのシステム開発へと、その業務領域をシフトしている。このように変化・成長し続けるアルパイングループの経営基盤を、ITを駆使して支えているのが、アルパイン情報システム(AISI)である。同社は1991年にグループのソフトウェア開発部門を結集した新戦略会社として設立以来、グループ全体の情報システム領域を一貫して担ってきた。○成長分野を支えていくために、クラウドへ注力AISIの取締役 システム統括部 部長の阿部巧氏は、「今後アルパインの本業もクラウドにシフトしていく中で、ITを専門とする我々がそのビジネスをサポートするようになってきています」と語る。「カーオーディオもカーナビも従来はどちらかというとハードウェアがメインで、その品質には自信を持っていますが、最近ではソフトウェアのウエイトが非常に大きくなっています。そこで、ソフトウェア開発のサポート領域を強化しつつ、車載と連携したクラウドサービスの基盤をグローバルでいかに構築していくかが、この先の大きなテーマとなっています。今後、グループにおけるAISIの果たす役割はさらに増していくことでしょう」(阿部氏)実際、アルパインが策定した中期経営戦略「VISION 2020」の中でも、重点的に取り組むべき領域の1つにクラウド対応が指定されている。同社にとってクラウドサービスは、車載ビジネスにおける"プラスα"の成長分野としての期待がかかっているのである。○18のWebサイトをプライベートクラウドに集約、スケーラビリティと低コストを両立将来に向けたアルパインのクラウド戦略の皮切りと言えるのが、グループ企業のWebサーバーを中心としたプライベートクラウドへの集約である。現在、国内向けの”alpine.co.jp”と海外向けの”alpine.com”を中心とした18のサイトをGMOクラウドのプライベートクラウド上に構築しているのだ。「最もアクセス数の多いalpine.co.jpでは、月間PVが約440万にも及び、現在も増加傾向にあります。これまで特にトラブルもなく、また将来を見越してもGMOクラウドの優れた安定性と拡張性には満足しています」と語るのは、AISI システム統括部の佐藤敦氏だ。アルパインでは、クラウド移行以前にもGMOクラウドのホスティングサーバーを活用してWebサイトを運営していた。しかしユーザーの増加や提供するサービスの拡大などにより、さらなるコストメリットの追求と柔軟にリソースを追加できる環境を実現すべく、クラウドへの移行に踏み切ったのである。「例えば最新のカーナビの場合、ネットを介してマニュアルや地図情報の差分データを配信しているため、今後ユーザーが増えるにつれて、サーバーの増強が必要となります。クラウドを利用することで、コストを抑えて、そうした課題の解決も図ることができたのです」(佐藤氏)また、以前のホスティングサーバーのようにハードウェア障害に備えて余剰サーバーを用意する必要がなく安価で負荷分散環境も構築する事が可能になり、応答性能と可用性の向上も果たすことができたのだ。○サービスメニューの充実と長年培った信頼が決め手に「既にホスティングサービスでGMOクラウドのサービスレベルの高さを十分に実感していましたので、あえて他社のサービスを選択してリスクを負うメリットを感じませんでした。低コストでありながらサービスの監視や復旧などメニューが充実しているうえ、万が一サーバーに障害が生じた際にも、当社の状況を熟知しているエンジニアからサポートが受けられるという安心感は大きいですね」と佐藤氏は強調する。AISIではGMOクラウドに対しバックアップメニューの追加などいくつかの要望を出したところ、それが標準メニューとして実装されることとなった。「標準メニューとして提供されているので、さらに安心して利用することができます」(佐藤氏)また、堅牢なセキュリティもAISIがGMOクラウドのプライベートクラウドを選ぶ際の重要な要件となった。取引先の自動車メーカーの設計データや顧客情報といった極めて機密性の高い情報を社内で扱うアルパインでは、非常に厳しいセキュリティ基準が設けられているのである。GMOクラウドのサービスはこの基準を満たしていることから、アルパインとしては初めて社内業務にもクラウドを活用することとなったのだ。現在、欧州工場との設計データの交換システムは、クラウド上に構築されている。「ハードウェアの信頼性が増し、ストレージやCPU等のリソース配置がタイムリーにできるようになったことで、サイト運用が非常に柔軟になりました。サーバー負荷が特に大きい地図の差分データも、お客さまに素早くお届けできるようになったのです」と佐藤氏は笑顔を見せる。最後に阿部氏はGMOクラウドに寄せる期待を次のように語った。「今後、クラウドの活用が進む中で、当社には事業部門からの相談に応じたり適切な提案を行ったりという役割がますます求められていくことでしょう。そのためにも新事業領域であるクラウドのノウハウを蓄積していかねばと思っています。ITの潮流がめまぐるしく変化するなか、GMOクラウドには専門家としての知見を活かして価値の高いサービスを提供し続けていただきたいですね」○GMOクラウド PrivateとはGMOクラウド Privateは、仮想化基盤として定評のあるヴイエムウェア社の「VMware vShpere」を採用したプライベートクラウドサービスです。様々な要件に対応する柔軟性とSLA99.999%の高い信頼性で、幅広いお客さまのニーズに対応します。GMOクラウド Private公式サイト
2014年10月29日肉類、魚類、アルコールを使用しないラーメンを提供している新横浜ラーメン博物館(神奈川県横浜市)はこのほど、より従来の味わいに近づけた新たな「グローバルスタンダードラーメン」を発売した。同館は2013年に外国人観光客が15万人を突破したこともあり、宗教や思想によって肉や魚を使用したラーメンを食べることのできない人や、ベジタリアンを対象にした「グローバルスタンダードラーメン」を開発。これまでにも提供を行ってきたが、本来のラーメンとは見た目も味も異なったものであったという。そこで同館では、見た目や味も広く食べられているラーメンに近い、新たな「グローバルスタンダードラーメン」を提供すべく取り組みを開始。日本古来の和食や精進料理の技法に学び、乾燥させた野菜、大豆ミート、豆乳などを使用することによって、見た目も味も通常のラーメンに近いラーメンの開発に成功した。「NARUMI-IPPUDO」で提供する新ラーメンは『「まさか…!」のコクと深み~ベジタリアンヌードル~』(880円)。ドライトマト、玉ねぎ、セロリ、キノコ類、ニンジンなどを煮込んだスープを、昆布や乾燥ポルチーニ茸からうま味を抽出した「だし醤油」で割ったラーメンで、ローストビーフの代わりにベイクドトマトをトッピングした。「こむらさき」では、「野菜だけで作った王様ラーメン」(900円)を販売。玉ねぎ、キャベツ、ジャガイモ、リンゴなどの野菜だしに豆乳などを加え、とんこつの味やコク、触感を表現した。チャーシューは大豆ミートを使用し、見た目も通常のラーメンに近づけている。同館で現在、グローバルスタンダードラーメンを提供している店舗は9店舗中6店舗。なお、同館で発売しているグローバルスタンダードラーメンはハラール対応ではなく、ムスリムフレンドリー対応となる(台所や食器は分けていない)。※価格はすべて税込
2014年10月27日お笑いコンビ・ピースの綾部祐二が、12月13日に公開される特撮映画『仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル』にゲスト出演することが明らかになった。現在テレビ朝日系で毎週日曜日朝8:00より放送中の平成ライダー第16作『仮面ライダードライブ』は、ライダーでありながらバイクではなく車に乗るという掟破りの設定で話題となっているが、本作は『仮面ライダードライブ』初の特撮映画。綾部は、伝説の宝物を盗む怪盗・ゾルーグ東条を演じ、"仮面ライダー"の称号を盗んで「仮面ライダールパン」に変身する。ゾルーグ東条は、強化ロイミュード・サイバロイドZZZのボディを手に入れ、重加速を操ることが可能。変身後には、シルクハットにタキシードに身を包み、マントと翻した怪盗ライダーらしいデザインで、ドライブと同等の力で翻弄していくという。映画『ドロップ』(品川ヒロシ監督作品)では、通称"ルパン"と呼ばれる役柄を熱演し、ルパンに縁のある綾部は「男だったら誰もが憧れる仮面ライダーに出演できるだけでも嬉しいことなのに、さらに自分も仮面ライダーに変身できると言うことで、最初は正直ドッキリだと思いました」とオファーに驚きながらも、「撮影に入り、これはマジだなと思い、子供たちや仮面ライダーファンの方々をがっかりさせないよう僕なりに一生懸命やりましたので、皆さん、仮面ライダールパンを宜しくお願いいたします」と意気込みを語っている。本作の大森敬仁プロデューサーは、綾部の起用について「今年『吉本男前ランキング』で3年連続1位を獲得して殿堂入りを果たしたほどイケメンの綾部さんですから、女性のハートを盗むのがとても得意なはず。熟女専門かもしれませんが…。そこが怪盗であるルパンとリンクしました」と説明。また、仮面ライダールパンについては「ドライブの舞台が警察であることから、警察と対決する代表的な存在として、知名度の高い怪盗であるルパンを登場させることにしました。劇中でも、刑事である仮面ライダードライブと超怪盗である仮面ライダールパンが"あるもの"をめぐって大バトルを繰り広げます」と、ドライブ初映画の見どころを伝えている。さらに、今回は仮面ライダー史上初となる先着100万人にDVDを入場者プレゼントとして配布。『typeZERO 第0話 カウントダウン to グローバルフリーズ』と題したこのDVDは、入場者プレゼントのために完全新撮されたオリジナルストーリーで、『仮面ライダードライブ』TV放送の前日譚が収録される。なぜグローバルフリーズが起きたのか、その時、進ノ介と早瀬、霧子、そしてベルトさんは――「プロトドライブ」とロイミュードの戦いやドライブ誕生秘話が描かれているという。『仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル』は、「仮面ライダー鎧武 パート」「仮面ライダードライブ パート」「MOVIE大戦フルスロットルパート」で3つで構成。9月で大団円を迎えた鎧武では、人類滅亡の危機を救った主人公・葛葉紘汰と舞が新世界を創造する惑星が、謎の機械生命体メガヘクスに取りこまれてしまう。メガヘクスの標的は地球。今や戦極ドライバーを持つのは呉島光実ただひとりで、呉島光実と兄・貴虎、追いかける紘汰――『仮面ライダー鎧武』の最終ステージが描かれる。(C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映
2014年10月23日GMOクラウドは2014年10月21日、パブリッククラウドサービスのメニューに、新しく「GMOクラウド ALTUS Basic シリーズ」を追加した。3月から提供されている「GMOクラウド ALTUS Isolate シリーズ」と、9月に開始された「GMOクラウド ALTUS オブジェクトストレージ」と合わせた3シリーズによって、GMOクラウド ALTUSのメニューがそろったことになる。○国内最安級でも機能は多彩なパブリッククラウドGMOクラウド ALTUS Basic シリーズとGMOクラウド ALTUS Isolate シリーズは、「IaaS(Infrastructure as a Service)」に分類されるクラウドサービスである。CPUやメモリなどのシステム要件に合わせたリソースを選択したうえで、環境の変化やビジネスの成長に合わせて、柔軟にリソースを拡充・削減することが可能なところは、一般的なIaaSと大きく異なることはない。しかし、GMOクラウド ALTUSは、ほかのクラウドサービスとはいくつか異なるメリットがある。ALTUS Isolate シリーズは、仮想ルータ機能を搭載することによって高セキュアなネットワークを構築でき、パブリッククラウドサービスでありながら、プライベートクラウドに近しいセキュリティレベルを達成している。基幹/業務システムにも活用できる安全性が好評で、サービスインから高い人気を誇るサービスだ。しかし、ALTUS Isolate シリーズのようなネットワークに特化したクラウドだけでなく、簡単かつ柔軟にリソースを設計し、必要十分なネットワーク機能を持ち、よりコストパフォーマンスに優れたサービスを安心して使用したいという方もいるだろう。また、ALTUS Isolate シリーズと同一アーキテクチャで互換性があり、用途や機能によって選びたいというニーズに応える形で登場したのが、ALTUS Basic シリーズである。今回は、特にALTUS Basic シリーズの特徴やメリットについて、GMOクラウド 技術部 サービス企画室の石田勝彦氏と、営業部 セールスセクション セールスエンジニアの石井徹也氏に話を伺った。なお、低価格で容量を無制限に拡張可能なストレージサービスであるALTUS オブジェクトストレージについては、「徹底的にコスト削減、GMOクラウドのオブジェクトストレージ」に詳しく解説しているので、そちらを参照していただきたい。○かんたんに始められ、かんたんに拡張できるGMOクラウド ALTUS Basic シリーズには、大きく2つのサービスメニューが用意されている。1つは、月額固定料金500円(税抜)から利用できる「ミニサーバー」だ。スペックは以下のとおりである。ディスク容量とグローバルIPアドレス数については、従量課金制で柔軟に拡張することができる。■仮想サーバー(固定)1vCPU(1GHz相当)512MBメモリ■ルートディスク(拡張可能)20GB■グローバルIPアドレス(拡張可能)仮想サーバーごとに1つ安価にパブリッククラウドの利用を開始できるうえ、ファイアーウォールやロードバランサー、バックアップといった基本的な機能は標準で付属している。スモールスタートはもちろん、多数の仮想サーバーを並列に立てて運用したいといったニーズにも、1台あたり500円(税抜)という価格は魅力だ。「標準でロードバランサーが搭載されているので、ミニサーバー2台の場合、たったの1,000円(税抜)で2台の複数台構成を採ることが可能です。ディスク容量やIPアドレスは、数分で追加でき、時間割で従量課金されるため、コストも最適化することができます」(石井氏)GMOクラウド ALTUSでは、直感的に操作できるシンプルなインターフェースを採用した「ALTUSポータル」が用意されており、仮想サーバーの作成やファイアーウォールの設定といったクラウド運用作業も容易で、リソースの利用状況や課金状況なども確認できる。さらに24時間365日の手厚い無料サポートも提供されているため、初めてクラウドを導入するユーザーにも、GMOクラウド ALTUS Basic シリーズの「ミニサーバー」はオススメだ。"もっと高いスペックを利用したい""スペックを細かな要件に合わせたい""柔軟に拡張していきたい"というニーズには、「リソースパック」が最適だ。リソースパック[1vCPU(2GHz相当)、1GBメモリ、20GBディスク]を必要リソース分購入することで安価に利用できる。また、リソースパックからの不足リソースは従量課金で購入できるため、常に最適化されたコストで利用できる。「GMOクラウド ALTUSでは、最新のクラウド基盤である『Citrix CloudPlatform, powered by Apache CloudStack』を採用しているため、1vCPU単位/メモリ1MB単位で、要件にピッタリ合ったリソースサイズを選択できます。国内の一般的なサービスでは、オーバースペックなメニューを選択せざるを得ず、ムダなコストがかかってしまいますが、ALTUS Basic シリーズの「リソースパック」であれば、そのような悩みは不要です」(石田氏)○併用するとさらに便利なGMOクラウド ALTUSGMOクラウド ALTUS Basic シリーズは、「ミニサーバー」と「リソースパック」の二つのプランを併用することで、さらにニーズとスペック、コストを最適化することができる。例えば下図のように、Webサーバーはミニサーバー2台で複数台構成を採りつつ、より高いスペックが必要なアプリケーションサーバーやデータベースサーバーにはリソースパックを活用するといった具合である。もしビジネスが成功して、より多くのリソースが必要となった時でも、ミニサーバーからリソースパックへの拡張はデータを保持したままの移行が可能であるため安心だ。ALTUS Basic シリーズは、プライベートクラウド並みのセキュアな環境を構築できるALTUS Isolate シリーズの存在によって、さらに価値が高まる。GMOクラウド ALTUSという1つのサービスの中で、Webサーバーなどの公開系システムはALTUS Basic シリーズで、基幹システムや業務システムなどのセキュリティ要件の厳しいシステムはALTUS Isolate シリーズでという使い分けをすることができるためである。さらにバックアップやその他の大容量データは、安価なALTUS オブジェクトストレージに格納することが可能だ。GMOクラウド ALTUSシリーズも、同一のアーキテクチャで構成されているため管理が共通しているほか、1つのユーザーアカウントの中で運用できるため、管理者の負担は小さくて済む。サービスによっては、1社で提供しているにもかかわらず異なるアカウント契約を結ぶ必要があり、システムの最適化を図ろうとすると運用負担が増大するケースも少なくない。「GMOクラウド ALTUSは、基盤に「Citrix CloudPlatform, powered by Apache CloudStack」を採用しており、また業界標準のAWS互換APIにも対応しているため、他のクラウドサービスとの接続性・互換性にも優れています。そのため、ベンダーロックインの心配もなく、さまざまな用途に活用していただけます」(石田氏)
2014年10月23日ソニー銀行は17日、新たに7ファンドを取り扱い投資信託に加え販売を開始し、対象期間中の購入にかかる販売手数料を全額還元するキャンペーンを開始した。このたび、純資産総額が国内上位の人気REITファンドや、今後大きな成長が期待されるヘルスケア&バイオをテーマにしたファンドなど、魅力的かつ個性的なファンドを追加したという。また、各ファンドとも分配頻度や為替ヘッジの有無の異なるコースを同時に取り扱いしている。ソニー銀行では、顧客の多様な資産運用ニーズに応えるため、引き続き投資信託の商品ラインアップを拡充していくとしている。○取り扱いを開始するファンドの概要(ソニー銀行の取り扱いファンド数合計:34社147本)ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)世界各国の上場不動産投信(REIT)を中心に投資。決算は年12回。運用会社:日興アセットマネジメントラサール・グローバルREITファンド(1年決算型)世界各国の上場不動産投信(REIT)中心に投資。決算は年1回。運用会社:日興アセットマネジメントグローバル・ヘルスケア&バイオ・オープンAコース(為替ヘッジあり)主要先進国のヘルスケア&バイオ関連企業等の株式に投資。決算は年1回。運用会社:国際投信投資顧問グローバル・ヘルスケア&バイオ・オープンBコース(為替ヘッジなし)主要先進国のヘルスケア&バイオ関連企業等の株式に投資。決算は年1回。運用会社:国際投信投資顧問グローバル・ヘルスケア&バイオファンド主要先進国のヘルスケア&バイオ関連企業等の株式に投資。決算は年2回。運用会社:国際投信投資顧問シュローダー・インカムアセット・アロケーション(1年決算型)Aコース(為替ヘッジなし)世界の債券や高配当株式など、「インカムアセット」に投資。決算は年1回。運用会社:シュローダー・インベストメント・マネジメントシュローダー・インカムアセット・アロケーション(1年決算型)Bコース(為替ヘッジあり)世界の債券や高配当株式など、「インカムアセット」に投資。決算は年1回。運用会社:シュローダー・インベストメント・マネジメント
2014年10月21日2007年に設立された米ルビコン・プロジェクト。独立系の会社としてロサンゼルスに本拠を置き、同社が提供するデジタル広告向けのリアルタイムトレーディングプラットフォームは業界大手の一角を占めている。同社のSSP(Sell Side Platform)はグローバルで多くのメディアに採用されており、月間で数兆件にも及ぶという広告取引は、comScoreの調査によると米国のネットユーザの96%にリーチし、Googleをも凌ぐ規模となっている。テクノロジーをベースに成長を続けるルビコン・プロジェクトは、2014年4月にニューヨーク証券取引所への上場を果たした(NYSE: RUBI)。その直前の2月には日本市場への本格展開を発表し、データセンターの設置や京セラコミュニケーションシステム(KCCS)のDSP(Demand Side Platform)「デクワス.DSP」との接続を開始するなど、日本市場への参入を推し進めている。セルサイドのSSP、バイサイドのDSP、そして両者の間で広告枠をリアルタイムに自動売買するRTB(Real Time Bidding)、さらにファーストパーティやサードパーティの属性データを広告配信に利用するDMP(Data Management Platform)の登場など、メディア広告枠のかたちは大きく様変わりした。一昔前であればWebメディアの広告"枠"がターゲットされていたが、近年は、メディアに訪れた個々のユーザに焦点が当てられている。このような流れの中で、SSPやアドネットワークに流すのは余り在庫のマネタイズ……といった考えをメディア側も変えていかなければならないだろう。すでに、米国では広告の自動取引(プログラマティック)に純広告も加えていこうという流れができつつある。また、国内SSPにおいても、純広告枠をビッディングの一入札者として取り扱うことによって、より収益化を高めようといった試みも行われている。デジタル広告がテクノロジーによって新たな展開を迎えつつある中で、ルビコン・プロジェクトの日本進出にはどのような意味があるのだろうか。「すべての日本のメディアへの導入を目指す」と笑顔で語る同社のジェイ・スティーブンス(Jay Stevens)氏に話を聞いた。同氏は、ルビコン・プロジェクトにおいてイギリスなど欧州の支社をゼロから立ち上げた人物だ。***ジェイ・スティーブンス氏 : 我々の事業はパブリッシャーの広告売買を自動化することからスタートしました。例えば、アドネットワーク収益を最適化するといったことです。そして4年前にはRTBをうまく統合し、マーケットを作ってきました。現在、パブリッシャーでは30のマーケットをカバーし、プレミアムパブリッシャーの数も700を超えています。ーー日本市場への参入理由を教えて下さい。ジェイ・スティーブンス氏 : まず日本の市場規模が挙げられます。そしてタイミングです。パブリッシャーのニーズや広告在庫などの面からも非常に時期を得たタイミングでした。また、グラムメディアのようなグローバルパブリッシャーがいることもそのひとつです。日本市場への参入にあたっては、全社をあげて体制を整えました。人的リソースもかなりの投資を行い、日本国内に専用のデータセンターも構築しています。請求書なども日本語化し、日本の法規制にあった対応ができる組織など、すべての面において日本で日本の方のために運営できる組織を整えました。これらは、日本市場へのコミットメントとも言えるでしょう。ーー日本市場における競合他社をどのように意識していますか?ジェイ・スティーブンス氏 : 日本のSSPは、SSPとDSPを兼ね備えているところが多くあります。その中で両方を洗練されたかたちで戦っていかなければならない、このことは大変だと認識しています。重要なのは、我々は(資本関係などがなく)独立した会社であること。例えば、あるパブリッシャーのみに肩入れするとか、大手広告代理店の意向を汲んで……などといったことなく、あくまでも独立性を保つことを重要視しています。この独立性は非常に重要です。どこかに偏ってしまうとパブリッシャーのニーズや意を汲めなくなってしまうこともあります。パブリッシャーの収益を最大限に上げるためには独立した存在であることが重要だと考えています。ーー日本市場での現状は?ジェイ・スティーブンス氏 : すでにに契約が完了しているパブリッシャーが10社あり、9月には8社がまとまる予定です。ほかにも話を進めている会社が多数あり、ターゲットはすべてのパブリッシャーだと思っています(笑)。DSPではFreakOutとKCCSと提携し、統合も完了しています。グローバルではCriteoやMediaMath、Googleなど150社と提携しています。イタリアでの例ですが、当初、我々のプラットフォームに乗っているパブリッシャーの数は0でした。それが18ヶ月のうちにトップ50サイトのうち28サイトが我々のプラットフォームを利用しています。この数字をみると市場がどれぐらい急速に変わっていくのかがわかると思います。このような変化は日本においても起き得ることです。日本に関しては、素晴らしいそして魅力のある市場だと考えていますが、商習慣や取引など独特の部分もあり、市場における電通や博報堂の存在は大きなものです。一方で、グローバルではメディアの取引は自動化が進んでおり、効率化が必要だと言われています。テクノロジーを使うことで、日本においても効率のよいそして正確な取引を担保できると思います。ーープログラマティックな世界においてデジタル広告の効率化を支える仕組みは整ってきましたが、実際の現場においては非効率な運用がまだまだ行われています。なにが課題となっているのでしょうか。ジェイ・スティーブンス氏 : このような状況はグローバルにおいても同様で、まったく非効率な現実です。重要なことはもっとも効率的な方法を取り入れることで、包括的なオークションの場を作らなければならないでしょう。現状では、アドサーバのプライオリティ設定で純広告が高くなっており、それよりも高単価なビッドがもしあったとしても、入って来られなくなっています。我々は2つのAPIを提供することで、この課題を解決しようとしています。つまり純広告も、オークションの場に参加することになります。純広告とSSPは対峙するものではなく、プログラマティックで相互補完していく。純広告とSSPが鎬を削っている会社もありますが、競争ではなく補完しないといけないと思います。ひとつの例ですが、オランダのとあるパブリッシャでは、Webサイトに我々のタグを直接設定しています。パブリッシャーがDSPを抱えており、これは純広告をオークションに引き込むためになります。このようにして、キャンペーンの優先順位を無くし包括的なオークションを行えるようにしています。ーーこのような課題を解決するには?ジェイ・スティーブンス氏 : 私もパブリッシャーの立場にいたことがあります。その経験も踏まえ、このような課題を解決するには効率性が鍵になると思います。少額の純広告売上に時間を費やしている……そういったことはどんどん自動化してしまえばいいでしょう。フォーカスすべきは利益が高いところにすべきですが、視点が違っていたために効率的な運用ができていなかったのではないかと思います。例えば、1000ドル~2000ドル規模の純広告売上があったとして、それに関わるパブリッシャーのコストが1500ドルほどの場合もあります。まったく利益もなく赤字。我々の製品はこのような課題も解決します。一方で、DSPはエコシステムはどのユーザがどのインプレッションであるかを選ぶことができ、広告主にとってなるべく安価に価値を提供することがひとつの目的となります。SSPは、逆にパブリッシャーのインプレッション価値の最大化するアルゴリズムで動いています。DSPとSSPをひとつのソリューションとして統合するという考え方は受け入れにくいことですが、頭の構造を変えていく必要があるでしょう。
2014年10月21日ヤマハ発動機はこのほど、320ccの水冷・直列2気筒エンジンを搭載するスポーツモデル「YZF-R3」を2015年1月末から北米で発売し、順次欧州やアジアなどグローバルに展開すると発表した。製造はインドネシアの同社グループ会社であるPT.Yamaha Indonesia Motor Manufacturingが行う。YZF-R3は、2014年7月からインドネシアなどに導入している「YZF-R25」の軽量かつ高性能な車体をベースに排気量をアップさせたモデル。「毎日乗れるスーパーバイク」を開発コンセプトとし、高性能かつ扱いやすい2気筒エンジン、マス集中を図った軽量ボディ、YZF-Rシリーズを継承するボディデザインなどを特徴としている。カラー展開は、ブルー / ブラック / レッドの3色で、価格は4,990USドル。100~125ccが主流のアセアン・アジア市場においては大きめの排気量で、近年スポーツモデルの人気が高まりつつある同市場でのハイエンドモデルとなる。一方で、600cc以上の中大型モデルが主流の先進国市場では、若者や未経験者などの"最初のモーターサイクル"とし、将来的には中大型モデルへのステップアップ需要に繋げていくモデルになるとのこと。
2014年10月20日米IBMは10月19日(米国時間)、20日朝に「事業に関する大きな発表」と2014年第3四半期の決算報告を行うと発表した。bloombergとWall Street Journalは、IBMが半導体事業をグローバルファウンドリーズに譲渡することで合意したと報じている。両紙によると、IBMはグローバルファウンドリーズに15億ドルを支払い、2億ドル相当の資産を受け取るという。以前から、IBMの半導体事業の売却については報道されており、交渉が進められていた。
2014年10月20日多くの有名デザイナーを輩出したベルギーのアントワープ王立芸術アカデミー出身である、日本人デザイナーの中章氏が、自身のブランド「アキラ ナカ(AKIRA NAKA)」を14-15AWシーズンより刷新。その第一弾を、新宿伊勢丹のみで限定コレクションとして発売した。本コレクションでは、海外のラグジュアリーブランドに認められる存在ながらも国内ではあまり知られていない日本の工場を活用し、日本の繊維技術を自身のコレクションを通じて世界に発信する。このコレクションにはどのような日本の技術が取り入れられたのか。新生「ナカ アキラ」や生産背景、そこに携わる職人達とのかかわり、海外へ進出するにあたってのビジネス戦略に至るまで、デザイナーの中氏に詳しく話を聞いた。――「アキラ ナカ」が新しく生まれ変わるに至った経緯をお聞かせください。ブランド設立以来アントワープ(ベルギー)で学んだコンセプチュアルな作風を続けていたのですが、東日本大震災を機に大きく変化をしました。それまでは自分のクリエーションを形にするという自己に向かうものづくりでしたが、その時以来社会に価値を生み出すためにクリエーションを使って行こうという思いに変化しました。その時はまだコンテンポラリーというくくりもまだなかった頃で、「アキラ ナカ」というブランドは“手頃な価格で手に入る贅沢品”という意味を持つ「アフォーダブルラグジュアリー」を目指しました。日本の人が日常に取り入れてポジティブになれる、社会的に価値のある洋服を作りたかったのが理由です。日本で“高級既製服”のことを指すプレタポルテをやっていたので「デイリーに着られるプレタポルテ」という新しいブランドコンセプトを立てました。その後数年が経ち徐々に知名度も上がっていく中で、次のステージへのステップアップを考える時期に来ました。ただデイリーに着やすいとか、便利で可愛くてお洒落なプレタポルテというのではなく、しっかりとデザイナーズレーベルとしての提案をしていく必要性があると感じるようになって。自分達はインターナショナルのカテゴリーでくくられるところでものづくりしているので、グローバルに展開していくために“転換”を図ろうという時期にきたと感じています。――海外へ活動範囲を広げていくということですね。具体的にはどのような活動を予定していますか。来年9月からヨーロッパで展示会を開くことにしました。しかしヨーロッパへ進出するにあたって、便利で価格が安いデイリーアイテムを作っているようでは、絶対にあちらでは生き残れません。欧州で見てもらうためには、更に主張のあるテキスタイルを使って、デザインももう一歩踏み込んだものを作っていかなければなりません。それを“メイドインジャパンで作っていこう”という思いがあります。――すべて日本製の素材を使って展開していこうということでしょうか。そうです。日本の技術は大変優れていますし海外のコレクションレーベルでは実際に日本の素材が多く使われています。「友禅で着物をつくる」とかじゃなく例えばそれがテーラードジャケットとしても、“日本人のモノ作り”をすれば、日本の味が必ず出ます。それが自分のレーベルにとっては大きな力になると考えています。――アントワープで世界レベルの優秀な人材や技術に触れてきた中さんが、海外へ進出するにあたり、必要な要素が“ジャパンのモノ作りとおっしゃるのに興味を惹かれました。海外で生活して来たことで自分が日本人であることを意識するようになったからだと思います。デザイナーとしてアイデンティティーをもって海外に出て行くにあたって、日本の本当に良しとされているものや力のあるものを集めるのは必然のことだと感じています。――日本の良さをクリエーションにしたときに勝てると思う理由は何でしょうか。エディターやバイヤーなど、世界を見てきた人だと分かると思いますが、僕が思う“デザイン”というのは、日本とイタリアのもの。日本人とイタリア人は、これまで培ってきたものを突き詰める姿勢や美徳があります。例えば同じことをして同じ成果だったとしても3年やったのものと10年やったものとでは全然捉え方が違っていて、10年継続したほうは「匠」と呼ばれる。何かを突き詰めること、継続していくこと、向かい続けることに対して、リスペクトを持てる民族です。そういう意味で日本は、実は世界でも非常に稀な“デザイナーが多く排出されるべき土壌”であり、日本人はデザイナー向きの人種。ただ教育の問題であまり出てきていないだけだと思っています。――日本の技術や人材が、もっとファッションのフィールドで活きてこなければいけないと。デザイナーという括りでは少ないけれど、作り手として世界で光っている日本人はたくさんいます。ビッグメゾンのパタンナーには日本人が多く起用されていますし。さきほど申し上げたように海外コレクションでは多くのビッグメゾンが日本の生地を使っています。現在、アメリカの大きいブランドがどんどん北陸に入ってきて工場を押さえている現状もあります。――今回の伊勢丹限定ラインも様々な日本の素材メーカーを起用していますが、特に秀でているところを一つ挙げるとしたらどこでしょうか。一つは難しいですが敢えて挙げるとすれば、「カナーレ」と「藤本商店」でしょうか。テキスタイルを織れる業者はいますが、糸の段階からオリジナル企画をして作り上げる「カナーレ」はすごいです。ものすごく手間をかけてクチュール的なものづくりをしています。「藤本商店」はもともと着物を作っていたところで、シルクに対して優れた技術を持っている会社です。ディオールやエルメスなど様々なメゾンからも依頼を受けています。プレタポルテで使うために必要な表情を出す為に、その生地に使われている糸の撚りにまでこだわりを持ち、糸の段階から服地の仕上がりが考えられています。シルクウールのボンディングパンツは「藤本商店」の生地を使っていますが、非常に良く仕上がったと感じています。値段はある程度しますが、それだけの価値は必ずあるものです。海外のラグジュアリーブランドと素材も縫製も同レベル、そしてシルエットは日本人向けに計算されたパターンを採用しています。このパンツはトップスのスタイリングを選ばず、シンプルなTシャツであってもスタイル自体を引き上げる力があります。――多くの若い人たちがファストファッションに傾倒しているというデータが出てくるという現状の中、デザイン性が強いものでさらに高い価格となれば、難しさもあると思いますが、そこはどう捉えていますか。お洒落でパッと着れる便利な服は、今市場に沢山あります。けれど”この服でしか感じられない高揚感”や”この服を着てしか見れない景色”のような感覚をもった服は少なく、だからこそそんな洋服がもっと必要だと感じています。最近SHOWSTUDIO(フォトグラファーのニック・ナイト手掛けるファッションサイト)、で取り上げられていたのが「JWアンダーソン」の服でした。購入した当時に肩幅に違和感を覚えていたが、着ていくことでそれが自分の新しいスタイルになり、そこにはその服でしか感じられないものや引き出せない感覚があるという内容のものでした。この場合、その人が服に追いついているのか、また逆なのかは分かりませんがそういう現象はその服でしか成し得ないものです。そしてそこに対しての価値を含めての価格なのだと思います。購入に至るには、その服を着てでないと見られない風景があるという、“この部分の価値”を説く人も必要になってきます。――お客さんと直に接する、販売するスタッフのことですね。実際に接客してみると、「高いし、着るの難しそうなので考えます」とお客様には言われてしまいます。お客様にとってはその服を着るためにリスクを持つわけですから、それはある意味で当然の反応と言えます。でもそこで「安くします」ではなくて、「この服はあなたに新しい感覚や特別な高揚感をもたらすことが出来ます。この価格にはそのような力も含まれています」と伝える。目に見える表層的なことだけではなく、ファッションが持つ深層の部分、本来ファッションが持ちうる力や影響力もお客様に提供して行くということ。実際着た時に、これって大丈夫なのかなという不安に陥るのはよくあることですが、買う方も勧める方もその部分を楽しむことが大事。本当にファッションを楽しむって、肩が綺麗に見えるとか落ち感がどう出るとかそういうところを超えたものだと思うんです。そういう服をもっともっとデザインしていくべきなのが、プレタポルテなんだと僕は思っています。――少なくとも、プレタポルテはそういう考え方であるべきだと。「洋服」というものに何百年という歴史を持ったヨーロッパの人達が求めているものですから。それを今後しっかりとグローバルに展開していくために、伊勢丹のインターナショナル売り場で置くものは、僕の中でこういうもの(今回のコレクション)だと感じています。ただ着易く便利なものだけを置いていたのでは意味がない。主張も強く売りやすいものばかりではありませんが、いかに理解して買ってもらえるかだと思っています。そう言う意味では、お客様に何をどのように届けるのか、届くべきなのかを考えています。――しっかりと売り手のことまで考えているのですね。今は少なくなりましたが、消化率のことを指摘されることもありました。消化率とデザインのことって一番指摘しやすいのです、それはイメージで捉えることですから。でもただデザインだけに原因があると安易に考えるのは違うと思っています。(売り手が)本当にいい出会いを演出できていたのか等、様々な側面も考慮する必要があります。もちろん売れない理由について、デザインはデザインで考えるのは当然なので、責任転嫁するつもりはありません。ただ、売る人はその服を着た後のこともきちんと理解して、その洋服が語るストーリーをしっかり伝えることができていたのかと。そこまでした上でダメであれば、お客様が何を求めているか僕たちがもう一度根本的に考える必要があると思います。――生まれ変わったコレクションが、どう展開されるか楽しみですね。伊勢丹は百貨店のモデルケース。周りに合わせた客観性ではなく主観を持ってやっているのが伊勢丹のイメージです。「理念がある、百貨を売る、ミュージアムである」というコンセプトを感じ、それに適ったことを導入している。本来は売り場面積を狭めるってなかなか出来ないですが、これで売り上げが伸びているって素晴らしいと思います。成功したのはしっかりとブランディング出来るマネージャーが居たからではないでしょうか。僕からのお願いは、自社のモデルケースだけ残すのではなくて様々なノウハウを公開して欲しいなと。ビジネスとして大きく捉えたときに、何かの形で伊勢丹の成功ケースが周りにもっと普及していったらいいなと思います。――ビジネスの話が少し出ましたが、海外進出においてのビジネス戦略というものは考えていますか?もちろん考えています。ヨーロッパに憧れでいくつもりはありません。アントワープで学んだというのも大きいですが、最初からグローバルなビジネスをしたいという思いがありました。アントワープで共に学んだ友人も名立たるメゾンで仕事をしていますが、海外のレーベルがすごいのはチームワークだと思います。それぞれの匠がみんな手を繋いでやっている。海外のメゾンと同等のものを築いていくには、チームが同じ理念を共有し、強さをもった人材を集めて行くことが必要になります。――海外ブランドはチームワークが優れているということですが、具体的にはどういった部分が日本と違うのでしょうか。バレンシアガやプラダなど本当に強いブランドと同じフロアで自身のブランドも展開してみて、この差は何だろうと考えた時期がありました。もちろん歴史というものがあるのですが、違いはやはり総合力だと思いました。アメリカに、「チェーンの強さは最も弱いリング次第」ということわざがあります。集団の力はそれを構成する最も弱いメンバーに左右されるということを意味していて、他がどんなに強くても一番弱いリングがある限り、そのチェーンはその弱いリング以上の強さを持てないという意味です。クリエーティブなデザイナー、パタンナー、それを支える経営のブレーンすべてが、チームには必要です。その全てを高い位置で備えたのが欧州のブランドだと思います。日本には、まだそういった海外のメゾンと肩を並べられるような“チーム力”を備えたブランドが少ないのが現状だと思います。――日本は総合力がないということですが、改善の余地はどこにあると考えますか?産業は企業の集まりであって、1企業の成功は、ソフトが良ければOKかというとそうでない。正しいコミュニケーションがあって正しいチャンネルがあって、そこから正しい戦略とマネジメントが組めます。アレキサンダー・ワンが成功したのは、ブランドの規模拡大に合わせて大手からブレーンを抜いて、しっかりと戦略を立てたからだと伺っています。それまでアレックスの父親が担っていたことを、元ルイ・ヴィトンのロドリゴ・バザンがそれまでの経験を生かし、手腕を奮ってブランドを導きました。どのようにブランドが育ち、どのようにして背景を保てるか。結局、ビジョンをマッチングさせられる戦略を持ったディレクターが必要なのです。例えば、バーバリーのCEOがアップルにいくといった、違うフィールドで活躍した人材を引き抜くというのが日本ではあまり見られません。デザインじゃなく、マネジメントサイドとして海外のビッグメゾンで経験を積み、それを日本に持ち帰り、日本の背景を使ってブランドを成功に導ける、そういうマップを描ける人が必要だと思います。――マネジメントやブランディングという部分は非常に難しく、日本の企業は重要性を正しく理解している人が少ないのかもしれません。僕は、海外で企業経営をしていた友人を自分の会社へ招きました。ファッション以外の海外の大手企業でマネジメント経験を積んだブレーンを連れてくることで、利益率に対する感覚も変わりました。ファッションのヒストリーを学ぶよりも、スティーブ・ジョブズなど他の分野で成功している人達が今どのように成功を勝ち得たのかというマインドを学んだほうがいいと思っています。ファッションで日本が幸せになっていくというそんなマップを描いていますが、そのような長期ビジョンにおいてはどうしたら自分のブランドの成長と共に背景にいる企業が成長していけるのか、どうしたら僕の家族も社員も、服を生産しているその家族までもが幸せになっていくのか継続性のあるWIN-WINを考える事が重要だと思います。――すごいですね。短期間で驚くほどの飛躍ではないでしょうか。戦略を持ってしっかりとしたチームを組めば、間違いなくビジネスは上手く行くと信じています。その仕組みをどうやって日本で築いていくかが課題です。若手のデザイナーに「いつが世に出て行くデビューのタイミングなのか?」と聞かれるのですが、そういう考えであればいつまで経っても出て行かないほうがいいと伝えます。なにか運命的なことがあって、リンクして売れていく。そんなビジネスは永続しないと思います。若手のデザイナーは才能があれば、いつの日かチャンネルがマッチしてポンと売れていくのではないかという夢を見ていることが多い。バイヤーの方でも、デザイナーの才能があるから売れると思う人がまだいたりします。デザイナーの才能や先見性は確実に必要ですが、しっかりとしたブランディングとマネジメントによって戦略的に育っていくものだと思います。でもそれが意外と認知されていないのではないでしょうか。オンリーワンを作ろうと言っても、ディレクションもされていないので、オンリーワンはいつまで経ってもオンリーワンのままでしかない。そこにどんな価値が出てくるか、どうやったら出せるのかまでかは考えられていないケースが多いのです。――では、ディレクターが担う具体的な役割というのはどういったことでしょうか。一時期の日本のサッカーと同じで、選手のポテンシャルは高いけど監督が居ないのでレベルが上がらないという状況。日本のファッションブランドの現状はそれに近いかもしれません。ブランドを育てるノウハウを持った経験値の高いディレクターが少ない。以前、某社にコンサルティングのような立場で呼ばれたことがあるのですが、デザイナーさんとのコラボレーションが行われていました。でも現場では生地の提供、デザインの提供で完結していて、その企画ベースから生まれる次の発想やディレクションが残っていない状況でした。そしてその企画を評価しようとする視点が設けられず企画自体で終了していました。これでは互いのドライブに繋がって行かない。企業もデザイナーも戦略を持って1を2に、2を4にと流れを生み出して行かなくては行けないと思います。そんな側面を多面的に観察しバックアップして行くことがディレクターに求められているのではないでしょうか?――確かに海外では職人が大事にされていて、最初から最後まですべての工程が繋がっているという考え方が多いですね。弊社ではルックブックが出来上がったら、完成まで携わって下さった付属屋、生地背景、縫製工場、パタンナーさんなど全社に送ります。パソコンが先方にない場合はプリントアウトして渡します。そうすると「中さんのところからこれ届いたよ、こんな風になったんだ」と工場の皆さんがルックブックを見て喜んでくれる。「テレビでタレントさんが御社が作った服を着るから見て下さい」と連絡すると、社員の方々は休憩時間を作って見てくれますし、自分達が作った服がテレビに出ているのを見るとモチベーションが上がります。企画展で作ったビジュアル等は持ち帰って工場に届けます。古いミシン場のある工場という雰囲気なのですが、モデルさんが綺麗に服を着こなしたキャンペーンパネルを職場に飾っていると、同業者や近隣の人達との話題にも繋がるそうです。一度、縫製業者の方を伊勢丹の売り場にお呼びしたことがあります。実際に売り場に自分の縫った服が展示されているのを見て、色々な思いや動機に繋がったと仰っていました。大手メゾンなど様々な店舗を一緒に見て回ったのですが、同じ洋服を縫う職人としてそこにある多くの服から多くを感じたと言われました。「自分はセリーヌの縫子さんと顔を合わせることはないけれど、モノを見ると呼吸がわかる」と言われていました。そこには服を通じた阿吽(あうん)のコミュニケーションがあって、「自分も更に踏み込んだモノ作りしなければならない」という想いに繋がったそうです。職人さん達には職人さん達のストーリーがあり、それはしっかりと語られるべきことであり、大事にしなくてはならないものなのです。――素敵なエピソードですね。そういう優秀な方々との仕事を続けることが、ブランドとしては大事だと捉えています。仕事の依頼を増やす事でお互いの生産効率を上げたり、様々な状況をシェアすることで理念やビジョンも共有する。こうして生産背景がチームになっていくのだと思います。僕はそのような状況を築いて行くためにはビジョンを持つデザイナーが生地産地や生産背景に直接出向くべきだと思っています。「弊社の船はこういう状態ですが、今後はこうなっていく予定です。このビジョンに共感して頂けるようであれば一緒に船に乗って頂けませんか」とお願いする為に。僕のチームと言ったら失礼ですが、一緒にモノ作りをしてくださっている方々は本当に意識が高いと感じています。10月15日から、まずは伊勢丹限定コレクションが発表されますが、海外での活動も含め、今後の「アキラ ナカ」に注目して頂けたら幸いです。【プロフィール】中章(なか・あきら)アントワープ王立芸術アカデミー出身。在学中にルイ・ヴィトンプロジェクトに参加する。また「DELVAUX D-175PROJECT」のデザイナーに、05年には「イェール国際新人フェスティバル」デザイナーに選出され、PUNTO-SETAよりテキスタイルサポートアワードを受賞。ニットデザイナーEls Arnolsに師事。06年に帰国した後、翌年「ポエジー(POESIE)」をスタート。08年AWで東京コレクションに参加。同年6月にレーベル名を「アキラ ナカ(AKIRA NAKA)」に変更した。
2014年10月16日ポイントが展開するブランド「GLOBAL WORK(グローバルワーク)」から、初となるスポーツライン「ACTIVE(アクティブ)」が発表された。「ACTIVE」では、「ADAPT(適応する)」をコンセプトに、スポーツにも普段使いにも適応するファッションを提案する。メンズ・ウィメンズともにクルーネックTシャツ・パーカー・レイヤードショーツ・カットロングパンツ・ナイロンパーカーなどのアイテムをそろえ、各アイテムのカラーは他アイテムとの合わせやすさを配慮した「ホワイト・ブラック・グレー」の3色となる。同ラインのアイテムは、スポーツウェアの機能性と、グローバルワーク既存アイテムのファッション性を兼ね備えるとのこと。「ジャケットにカットロングパンツ」や、「ミモレ丈スカートにパーカー」といったスポーツミックススタイルの提案を行っていくという。これらのアイテムは、イオンレイクタウン・ららぽーと船橋・イオンモール木曽川・ヨドバシ梅田・イオンモール倉敷と、GLOBAL WORK公式オンラインストア(「ZOZOTOWN」含む)にて販売される。取扱店舗は今後も拡大される予定だ。
2014年10月10日