『メアリと魔女の花』以来、5年ぶりとなるスタジオポノック最新作『屋根裏のラジャー』が12月15日(金)より劇場公開。その映画の舞台裏を描いたドキュメンタリー作品「そして、屋根裏のラジャーは生まれた。~スタジオポノック、その喪失と創造~」が動画配信サービス「Hulu」にて12月22日(金)より見放題独占配信されることが決定した。新たなアニメーション映画に挑戦したスタジオポノックは、制作継続が困難なまでの様々な問題に直面していた。それでもなぜ、彼らは映画を作るのか。クリエイターたちの希望と喪失、主人公ラジャー(寺田心)の誕生の瞬間。そして、師・高畑勲から託されたひとつの想いとは? イギリス、アメリカ、フランス。世界のクリエイターたちとのコラボレーションが実現した、アニメーションの作り手たちの誰にも見えない奇跡の物語。1本のアニメーション映画『屋根裏のラジャー』を通じて、企画から脚本作りの葛藤、1枚の紙とペンから始まった苦悩の末までにこだわったアニメーション制作。そこには、クリエイターたちの誰にも見えない苦悩と葛藤、そして情熱が宿っていた。たったひとつの熱狂から始まった映画の、そして人生の物語が世界中の子どもたちに届くことを信じて夢中で映画に挑むスタジオの軌跡を映しだした本作は、スタジオジブリで中核を担ったプロデューサー・西村義明と監督の百瀬義行を中心に密着し、映画が完成するまでの激動の日々を描いたドキュメンタリー作品。ナレーションは、寺尾聰。『屋根裏のラジャー』で初のアニメーション映画出演となり、クリエイターたちの映画作りの想いに共鳴し快諾。アニメーションとドキュメンタリーの重ねての参加となった。「そして、屋根裏のラジャーは生まれた。~スタジオポノック、その喪失と創造~」は12月22日(金)よりHuluにて配信開始。『屋根裏のラジャー』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:屋根裏のラジャー 2023年12月15日より全国にて公開© 2023 Ponoc
2023年12月18日KDDIは、スタジオポノック最新作となるアニメ映画『屋根裏のラジャー』(12月15日公開)に特別協賛し、作品とコラボレーションした取り組みを順次開始する。○■主人公・ラジャーの声は寺田心同作は、『メアリと魔女の花』などで知られるスタジオポノックの最新作。イギリスの作家・A.F.ハロルド氏の『The Imaginary』を原作とし、想像から生まれたイマジナリーフレンド達による“人間には決して見えない大冒険”をアニメーションで描く。少女・アマンダ(鈴木梨央)の想像から生まれた主人公・ラジャーの声を寺田心が務めるほか、ラジャーを取り巻く個性的なキャラクターを安藤サクラ、イッセー尾形、仲里依紗、山田孝之、高畑淳子らが演じる。○■舞台挨拶のライブビューイング実施同作とのコラボ企画第1弾として、11月16日に全国5都市(札幌・横浜・名古屋・大阪・福岡)で開催する「au×映画『屋根裏のラジャー』 スペシャル試写会」に、抽選で合計650組1,300名を無料招待。スペシャル試写会では、映画『屋根裏のラジャー』の先行上映に加え、映画に参加した俳優や声優陣による舞台挨拶の模様を、ライブビューイングで見ることができる。今後も、同作の世界観に引き込む様々な取り組みや、作品にちなんだ自分だけのオリジナルキャラクターをAIで生成できるコンテンツなども提供予定。詳細は改めて発表される。
2023年10月25日スタジオポノックの長編アニメーション最新作『屋根裏のラジャー』に、寺尾聰と杉咲花が参加していることが明らかになった。イギリスの詩人・作家A.F.ハロルドによる感動作「The Imaginary」を原作とした本作。アニメーション映画へは今回が初参加となった寺尾さんが演じるのは、映画を牽引する重要なキャラクター、イマジナリの老犬。また、スタジオポノックの長編第1作『メアリと魔女の花』でヒロイン・メアリの声を務めた杉咲さんは、今回は謎に包まれたオーロラの声を担当。寺尾さんは「自分の声を出したときにそのキャラクターに一体化しているかどうか、アニメーションの中のキャラクターに命を与えられるかどうかとても責任重大で、難しくて怖がってこれまでアフレコのお仕事を一切やってこなかった」と今回初挑戦になった訳を語り、「映画の資料を拝見したとき、凄く素敵な話で引き込まれるものがあり、やってみたいと素直に思いお引き受けしました」と今作への参加の経緯を明かす。「大胆さと線の細さのどちらもを心に、まだ行ったことのない魅力的な惑星のなかへ、えいやっ と踏み出していくような時間でした」と参加をふり返った杉咲さんは、「一人の観客としてもとても楽しみです」と完成に期待を寄せている。『屋根裏のラジャー』は12月15日(金)より公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:屋根裏のラジャー 2023年12月15日より全国にて公開© 2023 Ponoc
2023年10月23日米林宏昌監督が描く、スタジオポノック初の長編アニメーション作品『メアリと魔女の花』が3月5日(土)午後1:00~WOWOWプライムでWOWOW初放送となる。本作は魔女の世界を揺るがす事件に巻き込まれてしまう少女メアリの大冒険を描くファンタジーアニメ。主人公のメアリ役の声優を務めた杉咲花をはじめ、神木隆之介、天海祐希など豪華なキャスト陣にも注目だ。さらに『メアリと魔女の花』の監督を務めた米林宏昌と音楽を担当した作曲家の村松崇継、プロデューサーの西村義明が出演するWOWOWオリジナル配信番組『マンスリー・シネマセッション』が『メアリと魔女の花』のWOWOW初放送と同日の3月5日(土)にWOWOWオンデマンドで配信スタートとなる。この番組は毎月クリエイターを迎えてトークをするWOWOWオリジナル配信番組。3月は『メアリと魔女の花』がテーマとなり、作品への想いや手書きのアニメーションへのこだわり、作品中の音楽についてなど、製作の裏側が語られる。『思い出のマーニー』でアカデミー賞にノミネートされた米林は、スタジオジブリ出身のアニメーターとして、アクションシーンの多い今作のアニメーションのこだわりについても語り「普段の世界の日常的なシーンを丁寧に描くことで、魔法の世界のダイナミックなアクション部分が際立つ。日常的な動作を観察して丁寧に描くという、ジブリで培ってきた技術をこの作品で活かすことが出来た」と製作当時を回想。『思い出のマーニー』でも米林とタッグを組んだ作曲家の村松は、作中でも印象的な音色を奏でていた「ハンマーダルシマー」という民族楽器について振り返る。「魔法学校のエンドア大学の不思議な空気感を生み出せるような、誰も聞いたことがないような民族楽器を使いたいと監督と相談していました」と村松が語ると、米林は「高畑勲監督にアドバイスを受けたことがきっかけでした」と当時を振り返り、劇中音楽の誕生秘話が明らかに。さらにスタジオポノックを立ち上げ、本作のプロデューサーを務めた西村も登場。作品のコンセプトや製作に至るまでの経緯などを語る。西村はスタジオ設立について「スタジオジブリの制作部門が解散になって、自分たちがジブリから得た喜びや楽しさを今の子供たちに伝えたいと思いました」と当時を振り返った。他にも本作のテーマについて、そして最新作『屋根裏のラジャー』に込めた想いやアニメーション制作への想いなど、ここでしか聞けない貴重なエピソードが盛りだくさん。たっぷりと語られる貴重なトークをお見逃しなく。■番組情報『メアリと魔女の花』3月5日(土)13:00~WOWOWプライムで放送20:00~WOWOWシネマで放送マンスリー・シネマセッション:『メアリと魔女の花』米林宏昌監督×作曲家 村松崇継 / 西村義明プロデューサー3月5日(土)配信スタート【WOWOWオンデマンド】
2022年02月28日スタジオポノック長編アニメ映画『屋根裏のラジャー』が2023年12月15日(金)に公開される。『メアリと魔女の花』スタジオポノックの新作長編アニメ映画スタジオポノックは、スタジオジブリ作品『かぐや姫の物語』や『思い出のマーニー』のプロデューサーを務めた西村義明が、2015年に立ち上げたアニメーション制作会社。スタジオの第1作目となる2017年公開の長編映画『メアリと魔女の花』は、世界150以上の国・地域で上映され、国内の新設スタジオとしては異例のヒットを記録した。“誰にも見えない”少年の運命を懸けた戦いそんなスタジオポノックが手掛ける新作長編が、ファンタジー超大作となるアニメ映画『屋根裏のラジャー』。主人公は、“誰にも見えない”少年・ラジャーだ。彼は少女の想像から生まれた“イマジナリ”という存在。ラジャーと仲間たちによる、現実と想像を超えた大冒険と家族の奇跡を描いていく。主人公・ラジャー役に寺田心主人公・ラジャー役の声を務めるのは、映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』や映画『鋼の錬金術師』完結編二部作にも出演する寺田心。アニメーション映画に初参加となる。また、同じくアニメーション映画への参加は初となる俳優・歌手の寺尾聰や、スタジオポノックの長編1作目である『メアリと魔女の花』で、ヒロイン・メアリの声を務めた杉咲花もキャストに名を連ねている。主人公・ラジャー…寺田心少女アマンダの想像から生まれた“想像上の友達”であるイマジナリ。人間に忘れられると消えてしまうイマジナリの運命に直面し、忘れられた想像たちの暮らす「イマジナリの町」にたどり着く。アマンダ…鈴木梨央ラジャーを生み出した少女。本屋の2階に暮らす。リジー…安藤サクラアマンダの母。シャッフルアップ書店の店長。エミリ…仲里依紗イマジナリの少女。イマジナリの町でラジャーと出会う。猫のジンザン…山田孝之ラジャーの前に現れる怪しげな猫。ダウンビートおばあちゃん…高畑淳子リジーの母、アマンダの祖母。田舎で暮らしている。ミスターバンティング… イッセー尾形謎の男。ラジャーをつけ狙っている。老犬…寺尾聰イマジナリの老犬。オーロラ…杉咲花謎に包まれたオーロラ。原作はA.F.ハロルドの名作小説『The Imaginary』アニメ映画『屋根裏のラジャー』の原作は、世界の文学賞を席巻したA.F.ハロルドの小説『The Imaginary』。イギリス文学協会賞受賞を果たし、ケイト・グリーナウェイ賞、カーネギー賞等にもノミネートされた名作だ。監督は百瀬義行監督は、『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』といったスタジオジブリ作品で中核を担った百瀬義行。スタジオポノック作品の短編アンソロジー『ちいさな英雄』の一篇『サムライエッグ』、オリンピック文化遺産財団の芸術記念作品『Tomorrow’s Leaves』でも監督を務めた。故・高畑勲に「百瀬さんがアニメーションを進化させる」と言わしめた鬼才・百瀬義行が、アニメーション人生のすべてを懸けて挑む。『屋根裏のラジャー』では、新たなデジタル技術を用いたフランスのクリエイターたちとのコラボレーションにより、手描きアニメーションでは実現できなかった質感表現と、光と影による画期的な映像表現に挑み、新たなアニメーションの表現にチャレンジする。主題歌はア・グレイト・ビッグ・ワールド「ナッシング・インポッシブル」主題歌は、グラミー賞受賞のアメリカ実力派男性デュオ、ア・グレイト・ビッグ・ワールドによる「ナッシングズ・インポッシブル(Nothing ’s Imp ossibleossible)」。シンガーソングライターのレイチェル・プラッテンも参加し、ラジャーとその仲間たちの人生の物語を彩る、生命力に満ちた楽曲に仕上げた。尚、主題歌「ナッシングズ・インポッシブル」は11月3日(金)に世界同日先行配信され、映画のオリジナル・サウンドトラックは12月6日(水)に発売される。【詳細】アニメ映画『屋根裏のラジャー』公開日:2023年12月15日(金)※当初、2022年夏に公開予定だったが延期となった。〈声優キャスト〉出演:寺田心、鈴木梨央、安藤サクラ、仲里依紗、杉咲花、山田孝之、高畑淳子、寺尾聰、イッセー尾形原作:A.F.ハロルド「The Imaginary」(「ぼくが消えないうちに」こだまともこ訳・ポプラ社刊)監督:百瀬義行原題:The Imaginaryプロデューサー:西村義明製作:「屋根裏のラジャー」製作委員会配給:東宝
2021年12月11日『メアリと魔女の花』以来、5年ぶりとなるスタジオポノック長編最新作『屋根裏のラジャー』の公開が決定。特報映像とティザービジュアルも到着した。愛を失った少女は、想像の少年ラジャーを生みだした。ふたりは、想像と現実の世界を駆けめぐり、かけがえのない時間を過ごす。しかしある日、ラジャーを狙う謎の男が現れ“想像”の世界が消えようとしていた――。原作は、世界の文学賞を席巻した傑作小説、A.F.ハロルドの「The Imaginary」。イギリス文学協会賞受賞をはじめ、ケイト・グリーナウェイ賞、カーネギー賞などにノミネートされるなど、海外の各有力メディアも絶賛した原作を基に映画化。本作の主人公は、誰にも見えない少年・ラジャー。彼は少女の想像から生まれた“イマジナリ”という存在。人間の想像が食べられてしまう世界を舞台に、ラジャーと仲間たちが、大切な人の未来と運命を懸けた“誰にも見えない戦い”に挑む感動ファンタジー超大作となっている。監督は、『おもひでぽろぽろ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』など数多くのスタジオジブリ作品で中核を担い、スタジオポノック作品の短編アンソロジー『ちいさな英雄』の一篇『サムライエッグ』を手掛けた百瀬義行。「“想像の中から生まれた少年”と聞くと、一見、窮屈な印象に思われるかもしれませんが、その少年からの目線に映るのは実に広大で開放された世界です。ラジャーと≪イマジナリの町≫で暮らす仲間たちは、無邪気で純粋で刹那的な存在ですが、この“想像たち”から見た世界を、閉塞感で描くのではなく、この時代を生きる私たちに力を与えてくれる、豊かな気持ちと解放感で満ちた映画にしたいと思います」と本作についてコメントしている。公開決定と合わせて到着した特報映像では、ポノックの手描きアニメーションならではの繊細なタッチで、冒頭の想像への入口が描かれ、普通の少年のような“見えない”主人公の表情も印象的に写し出されている。『屋根裏のラジャー』特報映像さらにティザーポスタービジュアルでは、幻想的な巨木に集まってくるラジャーとイマジナリの町に暮らす仲間たちの姿が描かれている。『屋根裏のラジャー』は2022年夏、公開予定。(cinemacafe.net)
2021年12月08日『メアリと魔女の花』以来、5年ぶりとなるスタジオポノック長編最新作となる『屋根裏のラジャー』が2022年夏に公開されることが決定。あわせて本作の特報映像とティザービジュアルが公開された。原作は、世界の文学賞を席巻した傑作小説、A.F.ハロルド著『The Imaginary』。イギリス文学協会賞受賞をはじめ、ケイト・グリーナウェイ賞、カーネギー賞等にノミネートされるなど、海外の各有力メディアも絶賛した作品だ。監督は『おもひでぽろぽろ』(91年)、『平成狸合戦ぽんぽこ』(94年)、『もののけ姫』(97年)、『千と千尋の神隠し』(01年)など数多くのスタジオジブリ作品で中核を担い、スタジオポノック作品の短編アンソロジー『ちいさな英雄』(18年)の一篇『サムライエッグ』、オリンピック文化遺産財団の芸術記念作品『Tomorrow’s Leaves』(21年)で監督を手がけた百瀬義行。「百瀬さんがアニメーションを進化させる」と故・高畑勲監督に言わしめた鬼才が、アニメーション人生のすべてを懸けて挑む渾身の作品となる。物語の主人公は、誰にも見えない少年・ラジャー。彼は少女の想像から生まれた「イマジナリ」という存在。人間の想像が食べられてしまう世界を舞台に、ラジャーと仲間たちが、大切な人の未来と運命を懸けた“誰にも見えない戦い”に挑む。初解禁となる特報映像では、ポノックの手描きアニメーションならではの繊細なタッチで映画冒頭の想像への入口が描かれており、これから始まる壮大な物語を予感させるような内容。一見すると普通の少年の様な“見えない”主人公・ラジャーの表情も印象的な映像となっている。またティザーポスタービジュアルは、幻想的な巨木に集まってくる、ラジャーと「イマジナリの町」に暮らす仲間たちの姿が。シルエットだけでも個性的なキャラクターたちがどんな冒険を見せてくれるのか、引き続き続報に期待したい。<原作:A.F.ハロルド・コメント>スタジオポノックが私とエミリーの小説に特別なものを見いだし、時間と才能を費やして映画化してくれたことを嬉しく光栄に思います。この物語が本から映画へどう変化されていくのか、楽しみで興味津々です。そしてスタジオポノック作品だからこそ信頼しています。<監督:百瀬義行・コメント>“想像”を具現化するのは、とても難しい作業です。「見たことがないもの」を映画で見せるという高いハードルがある一方で、だからこそ、アニメーション表現としての面白味を感じ、挑戦の意識を持って作っています。“想像の中から生まれた少年”と聞くと、一見、窮屈な印象に思われるかもしれませんが、その少年からの目線に映るのは実に広大で開放された世界です。 ラジャーと≪イマジナリの町≫で暮らす仲間たちは、無邪気で純粋で刹那的な存在ですが、 この“想像たち”から見た世界を、閉塞感で描くのではなく、この時代を生きる私たちに力を与えてくれる、豊かな気持ちと解放感で満ちた映画にしたいと思います。<プロデュース:西村義明・コメント>原作を手にしたのは『メアリと魔女の花』を作り終えた直後でした。誰もが経験したことのある人生のきらめき。愉快で、少し怖く、何より心が動きました。この文学を映画にできないだろうか。人間でも幽霊でもロボットでも動物でもない、「人間に想像された少年」の視点で私たちの今を捉える映画を作れないか。2年のあいだ考え続け、ラジャーの姿が立ち現れました。彼が伝えようとするかけがえのない何かに魅了されていきました。これは、想像の中に生きる少年ラジャーの物語です。誰にも見えない所で必死に生きる世界中の私たちの物語です。そして、あなたの横に愛も希望もいつも「いる」のだと、声高に言う映画です。百瀬義行という才能と、作品に関わる全クリエイターと共に、手描きアニメーション映画のその先を目指します。是非ご期待ください。『屋根裏のラジャー』2022年夏公開
2021年12月08日『メアリと魔女の花』『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』などを手掛けるアニメーション制作会社「スタジオポノック」が、22年度採用より次代の長編アニメーション映画制作で活躍するアニメーター育成のための教育プログラム「Ponoc’s “Principles of Animation” Program(”P.P.A.P.”)」を新設するにあたり、4月1日(木)より募集を開始すると発表した。新設される「”P.P.A.P.”」は、将来的に長編アニメーション映画制作で活躍できるアニメーターを志す若者を対象に、同社で有期雇用契約として籍を置きながら、アニメーション映画の基礎となる「アニメーションの原則」を習得するための年間教育プログラム。講師陣には、第一線で活躍するトップアニメーターを迎え、観察・デッサン力、演出・表現力、レイアウト・作画力を中心に養い、長編アニメーション映画の現場で活躍できるアニメーターになるための基盤を築いていく。なお現在、「スタジオポノック」では複数の劇場長編アニメーション映画を製作中。2022年度の新卒・第二新卒を中心として各職種も募集するという。(cinemacafe.net)
2021年04月01日映画『メアリと魔女の花』や、ポノック短編劇場『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』を手掛けてきたスタジオポノックと国際オリンピック委員会(IOC)は、東京2020オリンピックに向けてオリンピック短編アニメーション映画を共同制作する。オリンピズム精神に基づく芸術記念作品として制作される今回の作品は、オリンピズムをテーマとしたアニメーション作品。オリンピックの価値である「Excellence 卓越」「Friendship 友情」「Respect 尊重」 のメッセージを、若い世代を含む世界の観客とともに共有するような映画を目指す。完成作品は、スイス・ローザンヌのオリンピック・ミュージアムに収蔵される他、2020年のアヌシー国際アニメーション映画祭、東京2020オリンピック開催期に上映される見込み。今後開催される各オリンピック開催地においても上映予定だ。なお、同制作に関する内容は、2019年6月10日(月)に開幕となったアヌシー国際アニメーション映画祭にて発表された。会場では「ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―」のフランスプレミア上映もスクリーニングイベントとして行われた。
2019年06月14日長編『メアリと魔女の花』やポノック短編劇場『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』を発表し、国内外から評価を集める「スタジオポノック」と国際オリンピック委員会(IOC)が、オリンピック短編アニメーション映画を共同制作することを発表した。現地時間6月10日、日本時間6月11日に開幕された仏・アヌシー国際アニメーション映画祭にて、ポノック短編劇場『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』のフランスプレミア上映がスクリーニングイベントとして開催。米林宏昌監督らによるティーチイン後に、オリンピック短編アニメーション映画制作が発表された。若い世代を含む世界の観客とオリンピックの価値である「Excellence/卓越」「Friendship/友情」と「Respect/尊重」のメッセージをテーマに、すでに短編アニメーション映画を鋭意制作中。作品完成後は、オリンピック・ミュージアム(スイス・ローザンヌ)に収蔵されるほか、来年のアヌシー国際アニメーション映画祭、東京2020オリンピック開催期の上映を検討し、今後開催される各オリンピック開催地において上映される予定という。IOCのスタジオポノックへの委託は、オリンピック文化遺産財団が主導する国際芸術、文化プログラムの一環であり、先進の現代芸術家によるオリンピック・ムーブメントの基礎となるスポーツと文化の融合の再認識と強化、また、オリンピックの価値をめぐる社会との新鮮で活発な対話の促進を目的とする。フランシス・ガベ氏 オリンピック文化遺産財団ディレクターコメントアニメーション制作会社である、スタジオポノックを知ると同時に、創造的才能溢れる制作陣と共に短編アニメーション映画を制作することに興味を抱き、彼らがオリンピックの価値である「Excellence/卓越」「Friendship/友情」「Respect/尊重」をどのような美的、物語的視点で再解釈するか、世界で評価されている美しい手描きアニメーションで如何に表現するかに興味を持ちました。この映画は、人類に関する世界的にも普遍的なテーマに焦点をあて、東京2020大会への興奮に寄与するだけでなく、これからの未来を担っていく子どもたちや若い世代に多大なる影響を与えるものになるはずです。西村義明氏 スタジオポノック代表取締役/プロデューサーコメント世界で初めてオリンピズムをアニメーション映画として表現する貴重な機会に恵まれ、大変光栄です。昨年夏に、国際オリンピック委員会の方々とお会いし、お話をいただいた当初は、お引き受けするのを躊躇しました。僕たちのアニメーションと、あのオリンピックの光景、アスリート達の姿が結びつかなかったからです。しかし、彼らの提案は違いました。描くのはオリンピズムであり、オリンピック競技を描いて欲しいわけではない、子ども達に向けて作って欲しい、という熱のある提案でした。世界的行事のイズムを表すという分を超えた仕事に、重圧はありますが、オリンピックを楽しみに待つ世界の子どもたちの顔を思い浮かべながら、美しく、楽しく、そして歓びをもって、競争の末にオリンピックが見せてくれる「もうひとつの価値」を真正面から描きたいと思っています。(text:cinemacafe.net)
2019年06月11日いまの時期は、話題の夏休み映画が大集結しているだけに、どの作品を観たらいいか悩んでしまうところ。そんなときは、子ども時代を思い出すようなアニメを楽しんでみるのもオススメ。そこで、幅広い世代の心に響く最新作『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』をご紹介します。本作は、異なる短編3作品を一度に堪能できることでも注目を集めていますが、今回はエンディングテーマを務めたこちらの方にお話を聞いてきました。それは……。写真・大嶋千尋(木村カエラ)歌手の木村カエラさん!【映画、ときどき私】 vol. 181子ども時代からアニメーション作品に親しんでいたという木村さんにとっては、念願の楽曲提供となった本作。そこで、曲が生まれるまでの苦労や悩める女子たちのために元気になる秘訣などを教えてもらいました。―まずはこの作品のエンディングテーマを依頼されたときのお気持ちは?木村さんこれまでドラマの主題歌などを作る際には、台本を読み込んでそこから自分でテーマを見つけていくということはありましたが、今回は3つのまったく違うテーマの短編ということで、最初は「大丈夫かな」という不安も正直ありました。―そんななか、どのようなことを意識して曲作りを始めたのですか?木村さんまず制作サイドから言われていたのは、映画を観終わったあとに観客のみなさんが曲を聞いて「楽しかったね」ってその歌を口ずさみながら映画館を後にして欲しいということ。そして、子どもが楽しんで歌えるものにしたいという要望もありました。今回のオファーを受けた際には、プロデューサーの西村(義明)さんからお手紙をいただいたんですが、そのなかに、私の歌声には明るくて元気でまっすぐさがあり、太陽と一緒にいる人みたいな感じがあるというとてもステキなお言葉をいただいたんです。なので、私のなかにある楽しさや明るさの部分を聴いた人が感じられるように、私が出せる力を精一杯出したいと思って集中して作りました。インスピレーションとなったのは、まさかのドリフ!?―とはいえ、今回はカニの兄弟が繰り広げる冒険から母と少年の感動ドラマ、そしてある男の孤独な闘いを描いた物語までの異なる3つのテーマをまとめる曲にするという難しい作業。そのなかで参考にしたものはありましたか?木村さんその手紙にも書いてあったことで一番のヒントとなったのは、実はドリフだったんです(笑)。というのも、ドリフってコントのなかにエロティックなものがあったり、ふざけたものがあったり、いろいろありますけど、結局「8時だョ! 全員集合」のテーマ曲が流れると全部持っていかれますよね?そういうまとめ方みたいなのを例としていただいたんですが、それがめちゃくちゃわかりやすいなと思って(笑)。だから、そこを意識しつつ、みんなが楽しかったと思えるようにすべてをかけてできあがったのが今回の曲なんです。―そんななかで、できあがるまでには、やはりプレッシャーもありましたか?木村さん私がひとりよがりで作っている曲ではなくて、スタジオポノックのみなさんが一生懸命作っている作品のなかのひとつとして入り込むというのは私のなかでは大きかったと思います。なので、今回はいままでにない以上にたくさん打ち合わせをして、何度も意見交換をしながら最終的な形にしていきました。期限がなければどこまでも突き詰めていけるんですけど、今回のように期限があるなかで作っていくと「これが正解でいいのかな」ということをどうしても考えちゃうんですよね。曲を聴いてひとりで泣いてしまったワケとは?―完成したときは思わず泣いてしまったということですが、そのときの心境を教えてください。木村さん特に、私が好きな作品を生み出してきている方々とのお仕事ということで、すごくうれしくて思い入れもあったので、不安と楽しみの両方がありました。それもあって、最後のほうは緊張しすぎてレコーディングの前にある程度できあがったものを家で聴きながら、ひとりで泣いちゃったんです(笑)。というのも、自分ではすごくいいと思ったんですけど、そう思ったからこそ「ダメって言われたらどうしよう」と、よくわからない感情になって涙が出てきたんですよね。―裏でそんな思いをされていたとは思えないほど、誰もが口ずさみたくなる元気があふれる曲に仕上がっていますが、歌詞でこだわったところは?木村さんまずは、子どもならではの目線で考えましたが、子どもって同じことをずっと言っていたりするので、その感覚や無邪気な部分は大事にしました。そうやって繰り返していると、どんな言葉でもゲラゲラ笑い始めちゃうような魔法があると思うんですよね。なので、サビの「あそぼあそぼ」の繰り返しでは、そういう状態の楽しさを出しています。実際、私も歌っている時は5歳児みたいなテンションで歌うことを意識しているんですよ(笑)。日常生活では、本当は誰もが英雄!―今回、映画と曲のタイトルになっているのは「ちいさな英雄」という言葉ですが、木村さんがそこから想像した英雄とはどのような姿ですか?木村さん私がこの言葉から感じたのは、「誰もがみんな英雄だ」ということ。それぞれの物語のなかに登場する子どもたちもそうですが、何でもない日常生活のなかで誰しもが英雄になる瞬間があって、みんながんばって生きているんだという印象を受けたんです。だから、いわゆる表に出ている英雄というのではなくて「みんなもそうなんだよ」みたいなイメージですね。―スタジオポノックでは、以前スタジオジブリで活躍されていたアニメーターの方々が中心となっていますが、木村さんがこれまでに影響を受けた作品はありますか?木村さん私はもともと動物が好きだったんですけど、「本当は動物もしゃべれるんじゃないか」とか「秘密基地の奥に実は宇宙人が住んでいるんじゃないか」とかそういうことを考えるのが子どもの頃からすごく好きだったんです。なので、たとえば『となりのトトロ』や『魔女の宅急便』が映像としてそういう世界を見せてくれたこともあって、より想像力が豊かになったというのはあったと思います。特に、ひとりっ子だったので、「キキのような力が私にもあるんじゃないか」みたいな遊びはよくしていましたね(笑)。そういうことを信じていたという部分では影響を受けていたと思います。原動力は、自分らしさを知りたいという欲求!―今年はご自身で絵本の制作もされるなど、幅広い創作活動をされていますが、その源になっているものがあれば教えてください。木村さん日々変わっていくものではあるんですけど、根本には「自分自身を確かめていたい」という思いですね。つまり、自分がどういうものを出したいか、どのように成長しているのかということ。おそらく、“私らしさ” みたいなものを知るために自分の中身を出していかないと落ち着かないんだと思います。そういう感覚がつねにどこかにあるので、いかに自分を吐き出して、楽しくやるかみたいなところで作品を作っていることが多いかもしれないです。あとは、絵本でも曲作りでも同じですけど、まず自分が楽しくないと、ほかの人を元気にできないですよね。それには自分がつまらないと思うことをやっていてもダメなので、そういうテンションや自分を大切にしたうえで作品が出せるようにというのは意識しています。―とはいえ、やはり生みの苦しみを感じることもありますか?木村さんもちろんありますよ!特に歌詞を書くときはずっとアドレナリンが出ているような感じで一番大変なので、1曲でも作るのはすごく苦しい作業ではありますね。それだけに、書き終えたあとは、そのことに関する記憶や思い出がすぽんと抜けてなくなってしまうんです(笑)。それは、おもしろくもあり不思議なことですが。まさに身を削って作っている感じですね。カエラ流リラックス方法を伝授!―それだけ忙しいなかで、実践している息抜き方法などはありますか?木村さんみなさんも、相性の合わない人と会ったら頭が痛くなったり、疲れたりすることって日々ありますよね?私はそういうふうに自分がマイナスに向かっていると感じた瞬間に、自分にとっていいことをたくさんするようにしています。たとえば、私は海の塩を瓶に入れたものをお風呂場に置いているんですけど、そういうときは湯船に塩をドバーッと入れるんです。そうすると発汗もよくなるし、塩で清められた感じもするので、そうやって気分を変えることはけっこう大事にしていますよ。あとは自分が好きなものを身に着けたり、朝一番にお香をたいたりとかもしていますね。とにかく、「今日はヤバいかも」とちょっとでも思ったら、そんな感じで自分にとっていいと思うことをするように心がけています。無駄なことに悩むより笑うことが大切!―最後に、ananweb読者に向けて木村さんのように前向きになれる方法を教えてください!木村さん私には悩んだときに、自分に言い聞かせる言葉があるんですけど、それは「他人に振り回されるな。自分を幸せにしなさい」というもの。たとえば彼氏とかに傷つけられたりとか、友だちとうまくいかなかったりとか、自分が悪くないことが原因で悩むときもあると思います。そういうときには、「この時間って無駄だな」と思うようにして、自分を取り戻すようにしているんです。だからみなさんにも「そういう時間はもったいないし、そのぶん笑ってたほうが楽しいよ」ということは伝えたいですね。インタビューを終えてみて……。とにかく明るいオーラ全開で、笑顔が素敵な木村カエラさん。同じ空間にいるだけで、幸せな気分に包まれてしまうほどでした。そんな木村さんが歌うエンディングテーマは、誰もが元気になれる一曲。事前に予習してから鑑賞すれば、一緒に楽しめること違いなしです。小さな奇跡が大きな感動を巻き起こす!短編という表現方法にチャレンジしたスタジオポノックから届いたのは、愛と優しさに包まれる3つの物語。この夏、新たな映画体験を期待するなら、見逃せない話題作のひとつです。ちいさな英雄たちとの出会いを求めて劇場に足を運んでみては?作品概要昨夏、『メアリと魔女の花』で一躍注目を集めたスタジオポノックが、新たに立ち上げたプロジェクト「ポノック短編劇場」。記念すべき第一弾では、「ちいさな英雄」をテーマに作られ、声優陣には木村文乃や尾野真千子、オダギリジョー、坂口健太郎、田中泯といった豪華なキャスティングが実現している。今回公開されるのは、川に消えた父を探すために旅に出るカニの兄弟の大冒険を描いた『カニーニとカニーノ』をはじめ、たまごアレルギーを抱えながらもたくましく生きる少年と母との絆を映し出した感動作『サムライエッグ』、そして誰からも姿が見えない男の孤独な闘いに迫ったスペクタクルアクション『透明人間』の3作品。世界観に引き込まれる予告編はこちら!作品情報『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』8月24日(金)全国公開配給:東宝レーベル名:ポノック短編劇場©2018 STUDIO PONOC楽曲情報2018.08.22 releaseDigital single「ちいさな英雄」映画『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』エンディングテーマ
2018年08月22日スタジオポノック(『メアリと魔女の花』)の新プロジェクト、ポノック短編劇場の第1弾映画『ちいさな英雄ーカニとタマゴと透明人間ー』から、この度収録される3作品の新予告編が到着した。“子どもたちから大人まで楽しめるアニメーション映画を作りたい”という志からスタートした本プロジェクト。本作では、カニの兄弟の大冒険を描く『カニーニとカニーノ』、実話をもとに描いた母と少年の愛と感動の人間ドラマ『サムライエッグ』、見えない男の孤独な闘いをスペクタクルアクションで魅せる『透明人間』と、3つの物語で構成されている。今回到着した予告編では、そんな“3つの奇跡の物語”の魅力をぎゅっと凝縮!『カニーニとカニーノ』では、手描きの背景とCGの融合により、水の泡が印象的な新たな水中世界を覗くことができ、一方の『サムライエッグ』では水彩、色鉛筆、CGなどの様式を駆使して絵本がそのまま動きだしたかのような画面が実現した。そして、あらゆるアニメーション表現を用いた『透明人間』では、繊細だが時としてスピーディーでアクロバティックな動きに目を奪われる映像となっている。また、木村文乃や鈴木梨央、尾野真千子、坂口健太郎、オダギリジョーら豪華俳優陣が声のキャストを務めている本作。そんな豪華キャスト陣の演技、劇伴を務めた3人の音楽家たちの三者三様のコラボレーションもぜひこちらから楽しんでみて。『ちいさな英雄ーカニとタマゴと透明人間ー』は8月24日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ちいさな英雄ーカニとタマゴと透明人間ー 2018年8月24日より全国にて公開(C)2018 STUDIO PONOC
2018年08月10日『メアリと魔女の花』の「スタジオポノック」が短編アニメーションの制作レーベルとして「ポノック短編劇場」を新設、その第1弾として公開される『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』から、木村カエラの新曲が流れる予告編が到着した。“子どもたちから大人まで楽しめるアニメーション映画を作りたい”という志からスタートした本プロジェクト。“ちいさなものの中にこそ大事なものが込められている”3つの奇跡の物語が誕生し、木村さんの新曲「ちいさな英雄」がエンディングテーマとして起用されることになった。■木村カエラ「子どもたちが、のびのびと生きてほしい」と思い込める木村さんは「この3作品を手掛けられた、米林監督作品や、百瀬監督、山下監督が関わった作品の大ファンで、いつか自分の曲も一緒に何かできないかとずっと思っていたので、夢が叶いとてもうれしく思っています」と今回の起用に感動の様子。「何度もスタッフと打ち合わせを行い、3作品のすべてをまとめるというエンディングテーマなので、この映画を観終わった人たちすべての人が笑顔で帰れるような楽曲を作ろうと思いました。この楽曲を聴いた子どもたちが、のびのびと生きてほしい、育ってほしいと、私なりの目線で書かせてもらいました」と、母親として絵本も手がける木村さんならではの楽曲となっているようだ。劇場公開よりひと足早く解禁された本作の予告編では、その元気なエンディングテーマを聴くことができる。『メアリと魔女の花』の米林宏昌監督の自身初となるオリジナルストーリーとなる、カニの兄弟の大冒険ファンタジー『カニーニとカニーノ』。故・高畑勲監督の右腕として活躍してきた鬼才・百瀬義行監督による、実話をもとにした母と少年の愛と感動の人間ドラマ『サムライエッグ』。宮崎駿監督作品の中心を担った天才アニメーター・山下明彦監督が、見えない男の孤独な闘いをスペクタクル満点のアクションで描く『透明人間』。兄と弟の勇気、母と子の絆、そしてたったひとりの闘い…。楽曲「ちいさな英雄」の中では、懸命に生きる子ども、そして彼らを温かくみつめる大人の目線、感情が相互に入れ替わり、軽やかで爽快な楽曲となっている。西村義明プロデューサーが「すごい!」と唸った楽曲物語も絵柄も作り手も異なる3つの作品を、「ちいさな英雄」というテーマで明るく包む歌が欲しい。声の中に笑顔が見える木村カエラさんの歌声なら、この無理難題に一緒に挑んでもらえるんじゃないか。その思いでエンディングテーマをお願いしました。後日、歌曲が完成したとき「緊張しすぎて泣きました!」と笑っていた木村カエラさんですが、こちらは思わず「すごい!」と唸りました。カエラさんの曲と真っ直ぐな声は、感傷や叙情を軽々と飛び越えて、劇場をキラキラと祝福で満たします。映画館からの帰り道、大人も子どもも思わず口ずさんで空を見上げるような、とても素敵な歌の完成に心から感謝しています。『ちいさな英雄ーカニとタマゴと透明人間ー』は8月24日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年07月05日『メアリと魔女の花』で知られる「スタジオポノック」の新プロジェクト「ポノック短編劇場」。その第1弾『ちいさな英雄ーカニとタマゴと透明人間ー』に、木村文乃、坂口健太郎が新たに参加することが分かった。米林宏昌をはじめとするスタジオジブリ出身の3人の監督が手掛けた3作品の短編アニメーションからなる本プロジェクト。このたび、米林監督の『カニーニとカニーノ』、巨匠・高畑勲監督の右腕として活躍した百瀬義行監督の『サムライエッグ』、そして宮崎駿監督作品の中心を担ったアニメーター・山下明彦監督による『透明人間』の3作品で声の出演を果たす追加キャストとスタッフが明らかに。兄と弟の勇気、母と子の絆、そして、たったひとりの闘い。“英雄たち”の3つの物語で、奇跡のコラボレーションが実現し、ポスタービジュアルも解禁となった。■木村文乃×鈴木梨央、『メアリ』米林監督初のオリジナルストーリーに挑む!オリジナルストーリーとなるカニの兄弟の大冒険ファンタジー『カニーニとカニーノ』では、木村さんが主演カニーニ役でカニ役に初挑戦。弟のカニーノ役には鈴木梨央。音楽は『思い出のマーニー』『メアリと魔女の花』に続き、米林監督と3度目のタッグとなる村松崇継が務める。木村文乃(カニーニ役)初めてお話をいただいたとき、カニ役のお兄ちゃんということでどんな風になるのか、と思っていましたが、絵コンテで米林監督の映画の世界観に触れて想像が広がり、とてもワクワクしています。全編、カニ語!?ということで、どのように演じていくのかいまから楽しみです。鈴木梨央(カニーノ役)米林監督が、初めて男の子を主役にされた作品だと聞いて感動したこと、その作品に私も関わることが出来るとわかったときは、驚きと喜びで全身に鳥肌が立ちました。男の子の役は初めてですが、カニーノの気持ちになって、カニーニと大冒険をしていく様子をしっかりと演じきれる様に精一杯頑張りたいと思います。村松崇継(音楽)絵コンテを頂いたとき、これが短編映画?と感じるくらい、短編とは思えない展開やスケールに正直、驚かされました。そしてこの映画は、家族愛、兄弟愛、何をテーマにしているんだろうと思ったとき、あっ、この映画は、いま、この現代だからこそ届けたい全ての愛を表現しているんだということにも気づかされました。絵コンテ状態から既に感じる圧倒的な絵の美しさとスケール感。息を飲むスペクタクルな展開。この世界を自分が、音楽で表現させてもらえることにいまは、ただただ幸せを感じています。■鬼才・百瀬義行監督による『サムライエッグ』、坂口健太郎はパパ役本作は、故・高畑勲監督の右腕として活躍した鬼才・百瀬義行による実話を元に描いた母と少年の愛と感動の人間ドラマ。出演は尾野真千子、子役の篠原湊大(9歳)に坂口健太郎が参戦。たまごアレルギーをもった少年シュンとその家族が懸命に生きる姿を描く。さらに、日本ポップス界を牽引する島田昌典が映画音楽を手がける。尾野真千子(ママ役)本格的な声のお芝居は初挑戦でした!とにかく難しい。声優というお仕事を尊敬した時間でした。でもやはり伝えたいという気持ちは変わらず1つ1つ大切にお芝居させていただきました。この物語がたくさんの人に届きますように。篠原湊大(シュン役)オーディションでは関西弁に気をつけながら「ぼくはシュンだ!」と思いながら初めてのアフレコに臨みました。極度のたまごアレルギーのシュンになりきり、自分と戦う役を精一杯頑張りたいです。坂口健太郎(パパ/医者役)普段のお芝居とは違う、声でキャラクターに命を吹き込むことを大切に、現代の小さなヒーローに寄り添えるように頑張ります。ぜひ、楽しみにしていてください。島田昌典(音楽)初めての映画音楽です。それがこのような素晴らしい作品で挑戦させていただけたなんて、大変光栄です。観る方々が、スッーと映像の世界感に入っていけるような、寄り添った音になっていると嬉しいです。■オダギリジョーが『透明人間』!宮崎監督作品のアニメーター・山下明彦が監督見えない男の孤独な闘いをスペクタクルアクションで魅せる本作。透明人間はオダギリジョーが演じ、舞踊家として活躍する田中泯も出演。音楽プロデューサーの中田ヤスタカが独自のEDM的サウンドで重厚感のある音楽世界を作り上げた。オダギリジョー(透明人間役)改めて芝居というのは色々な要素で形成されるんだなということを考えさせられました。声優の仕事を通して、俳優の根源を見つめ直すことができ、良い経験になりました。アニメーションで透明人間を描く、ということがまず面白い挑戦だなと思っています。いままでにない、未知の経験をこの作品から感じて頂くことが出来たならとても嬉しく思います。田中泯(盲目の男役)見えてない、あるいは見られていなくでも人は存在できた。が、現代ではこれでは無視されることになる。見える、見られるために他者が必要なのだろうか?わからない人では駄目なのだろうか?誰のカラダの中にも、自分ですら知らない透明人間性というのが本来的にあるのではないのでしょうか。誰だって自分のカラダの中で生きているのだから。■キャスト決定に西村義明プロデューサー、3つの物語は「紛れもない挑戦」『カニーニとカニーノ』のカニの演技、『サムライエッグ』の現実の家族、『透明人間』の言葉にならない芝居。今回の3つの物語で要求される演技は、どれを1つ取っても簡単ではありません。短い映画だからこそ、台詞ひとつが作品を大きく決定づけることも起こります。出演者の方々にとって、3人の監督たちにとって、本作は紛れもない挑戦となるでしょう。実力ある映画界、音楽界の方々と、アニメーションの才能が一同に介して、この夏、まったく新しいアニメーション体験を皆さまにお届けできたら嬉しいです。『ちいさな英雄ーカニとタマゴと透明人間ー』は8月24日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年06月18日スタジオポノックのアニメーション映画『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』が、2018年8月24日(金)に全国公開。本作は、3本の短編映画で構成される。『メアリと魔女の花』のスタジオポノック、新プロジェクト開始『メアリと魔女の花』が266万人の国内観客動員数を記録、全世界の上映も決定するなど、2017年に初の長編作品で鮮烈なデビューを飾ったスタジオポノック。本作では、新プロジェクトとしてスタートする「ポノック短編劇場」から、それぞれ異なる監督が手掛ける3本の短編映画を一挙に上映する。兄と弟の勇気を描く『カニーニとカニーノ』兄と弟の勇気、母と子のきずな、たったひとりの闘い…と3作それぞれ違う視点をとりつつも、描かれるのはいずれも愛と感動の英雄たちの物語だ。『メアリと魔女の花』の米林宏昌が自身初のオリジナルストーリーで挑む、カニの兄弟の冒険ファンタジー『カニーニとカニーノ』。主演カニーニは、映画『伊藤くん A to E』『羊の木』に出演した木村文乃が担当し、カニ役に初挑戦。弟のカニーノ役には、NHK大河ドラマ『八重の桜』に出演し、女優、声優としても活躍している人気子役の鈴木梨央。音楽は、『思い出のマーニ』『メアリと魔女の花』に続き、村松崇継が再び米林宏昌とタッグを組む。母と子の絆に焦点を当てた『サムライエッグ』2018年4月に惜しまれつつもこの世を去った高畑勲監督の右腕として活躍した百瀬義行が手掛けるのは『サムライエッグ』。主演に映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』にも登場した尾野真千子、映画『今夜、ロマンス劇場で』の坂口健太郎もキャストに迎える。物語で描かれるのは、母と少年の愛に溢れた人間ドラマ。たまごアレルギーをもった少年シュンとその家族が懸命に生きる姿が映し出される。孤独な男の闘い『透明人間』宮崎駿監督作品を中心に携わった、天才アニメーター山下明彦は、見えない男の孤独な闘いをスペクタクルアクションで魅せる『透明人間』を展開。主役となる透明人間には、映画『エルネスト』で主演を務めたオダギリジョー、さらに音楽は中田ヤスタカが手がける。エンディングテーマは木村カエラ「ちいさな英雄」エンディングテーマは、木村カエラの新曲「ちいさな英雄」。懸命に生きる子ども、そして彼らを温かく見つめる大人の 目線、それぞれの感情が相互に入れ替わり、軽やかに飛び越えていくような楽曲だ。「TREE CLIMBERS」や「Ring a Ding Dong」などの楽曲を手掛けた、ASPARAGUSの渡邊忍がサウンドプロデュースを行っている。作品情報『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』公開日:2018年8月24日(金)「カニーニとカニーノ」監督:米林宏昌/音楽:村松崇継/声の出演:木村文乃 鈴木梨央「サムライエッグ」監督:百瀬義行/音楽:島田昌典/声の出演:尾野真千子 篠原湊大 坂口健太郎「透明人間」監督:山下明彦/音楽:中田ヤスタカ/声の出演:オダギリジョー 田中泯エンディングテーマ:木村カエラ「ちいさな英雄」(ELA/ビクターエンタテインメント)プロデューサー:西村義明制作:スタジオポノック/スタジオポノック・日本テレビ・電通 提携作品/配給:東宝
2018年06月07日スタジオポノック最新作『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』が、2018年8月24日(金)全国公開。スタジオジブリ作品『思い出のマーニー』(2014)や『借りぐらしのアリエッティ』(2010)を手掛けた米林宏昌が、2014年末にジブリを退社した後、西村義明が設立したスタジオポノックでの監督第1弾作品となる映画『メアリと魔女の花』は、女優・杉咲花を声優に迎え大きな話題を呼んだ。そんなスタジオポノックが新プロジェクト“ポノック短編劇場”を発足。第1弾として展開するのが2018年夏に公開となる『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』だ。作品は3つの物語で構成される。米林宏昌が紡ぐのは、カニの兄弟の冒険ファンタジー。『火垂るの墓』の監督を務めた高畑勲の右腕として活躍した鬼才・百瀬義行は、母と少年の愛と感動の人間ドラマ「サムライエッグ」を、そして宮崎駿監督作品の中心を担ったアニメーター・山下明彦が、見えない男の孤独な闘いをスペクタクルアクションで魅せる「透明人間」をそれぞれ描き出す。共通するのは「ちいさな英雄」がテーマであること。映画『メアリと魔女の花』で華々しいデビューを飾ったスタジオポノックの新しいプロジェクトに期待が高まる。【詳細】ポノック短編劇場『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』公開日:2018年8月24日(金)配給:東宝(C)2018 STUDIO PONOC
2018年03月30日『メアリと魔女の花』で知られる「スタジオポノック新作プロジェクト発表会」が3月27日(火)、都内にて行われ、新作のタイトル『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』が発表された。■スタジオジブリ出身の監督が集結本作は新プロジェクト「ポノック短編劇場」が贈る第一弾で、米林宏昌をはじめとするスタジオジブリ出身の3人の監督が手掛けた3作品の短編アニメーションから成る。『メアリと魔女の花』の米林監督の『カニーニとカニーノ』、巨匠・高畑勲監督の右腕として活躍した百瀬義行監督の『サムライエッグ』、そして宮崎駿監督作品の中心を担ったアニメーター山下明彦監督による『透明人間』の短編3作が結集した。「ちいさな英雄」をテーマにしたアニメーションとなるが、それぞれジャンルはバラバラ。『カニーニとカニーノ』は米林監督が自身初となるオリジナルストーリーに挑戦したカニの兄弟のファンタジー、母と少年の愛と感動の人間ドラマを描いた『サムライエッグ』、見えない男の孤独な闘いという奇想天外なストーリーが目を引く『透明人間』と、バラエティに富んでいる。■プロデューサー西村義明「短編は次なるステップ」スタジオポノック代表取締役/プロデューサーの西村義明は、「今後、僕らの挑戦の場としてレーベルを立ち上げました。高畑勲監督、宮崎駿監督は新しいものを先駆として、アニメーションの豊かさを信じてやってきた。彼らが作った土台にどっぷり胡坐をかいて作るのかと思うと、自分たちが次なるステップを作っていかないといけない。短編アニメーションはそれができる場だと思った」と意気込む。配給元となる東宝株式会社常務取締役の市川南も、「西村さんから提案を受けて、ふたつ返事で受けました。三者三様、冒険ファンタジー、リアルな人間ドラマ、アクションものとできています」と出来栄えに胸を張った。今後の事業展開では長編も作り続けるという西村さんは「漠然と、長編アニメーションは2年に1本作るのがやっとでベスト。その合間に短編アニメーションを作れたらと思います」とした。今回はスタジオジブリスタッフの抜擢となったが、今後の短編アニメーションについては「実写監督かもしれないし、海外の人かもしれないし、畑違いの方々、漫画家や絵本作家が作るかもしれない。アニメーション映画の可能性を狭めても仕方ないので、“次、ポノックには何が起こるんだろう”と期待を持ってもらえるレーベルになってもらえたらうれしいです」と期待を込めていた。なお、『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』の声優にはオダギリジョー、尾野真千子、田中泯が決定している。『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』は8月24日(金)より全国公開。(cinamacafe.net)
2018年03月27日夏休み映画の目玉作品『メアリと魔女の花』の米林宏昌監督にインタビュー。後編では、スタジオジブリの制作部解散後の葛藤や、新天地・スタジオポノックでの奮闘をはじめ、恩師である宮崎駿監督や高畑勲監督とのエピソードについて語ってもらいました。■スタジオジブリ退社後、喫茶店で始めた脚本作りスタジオポノックを立ち上げたのは、『思い出のマーニー』(14)で米林監督と組んだ、元スタジオジブリの西村義明プロデューサーです。>>前編はこちら言わば戦友ともいえるおふたり。また次の作品を作りたいという情熱に駆られた米林監督は、再び西村プロデューサーとのタッグを選びました。「『思い出のマーニー』制作中に、スタジオジブリの制作部が解散することが決まり、終わった後は何も見えない状態でした。でも、また映画を作ると決めてからは動くことができたんです。メアリー・スチュアートの原作を見つけ、まだ、スタジオがないから、西村プロデューサーと喫茶店で脚本を練っていきました。西村プロデューサーは不動産も探しながらの作業で、その後、脚本家の坂口理子さん(『かぐや姫の物語』)が合流し、3人で喫茶店に長時間いすわって脚本を作っていきました」■宮崎駿監督作『魔女の宅急便』とはココが違う宮崎駿監督作『魔女の宅急便』といえば、言わずと知れた傑作です。当然ながら“魔女”つながりで、『メアリと魔女の花』と比較されそうですが、米林監督は「根本的に違う作品」と言い切ります。「『魔女の宅急便』は、魔女のキキが途中でスランプに陥り、魔法が使えなくなります。その後で復活し、魔女に戻るという話です。『メアリと魔女の花』は全く逆で、普通の女の子が偶然魔法の力を手に入れますが、肝心なところで魔法の力がなくなってしまいます。つまり、普通の女の子に戻ってから何ができるのか?という話です」自分の力で道を切り開いていくこと。米林監督は、メアリに自分たちを重ねたそうです。「それがいちばんやりたかったことでした。スタジオジブリという魔法を使って映画を作っていた僕たちが、その魔法の力をなくしてしまった後、どんな映画を作れるのだろうかと。誰もがみんな、仲間たちや信頼関係などの魔法の力を得て生きています。でも3.11以降、本当に信じていたものの信頼が地に落ちたり、価値観が大きく変わったりしました。そんな中で自分が何をより所としていけばいいのかと考えるようになって。魔法の力を失った後、前へ一歩進もうとする勇気になってもらえたらいいなと思い、この作品を作りました」■宮崎駿監督や高畑勲監督への思い本作を手がける前に、米林監督は宮崎監督のもとへ挨拶をしに行ったそうです。「『今度こういう作品をやろうと思っています』とお伝えした時、宮崎さんは『うれしいよ』と言って喜んでくださいました。そんなことを素直に言ってくださる人なんだと改めて感動した次第です。その時はうれしかったと同時に、期待に応えなければいけないと、改めて身を引き締めました。『覚悟してやれ』とも言われたので、とにかくがむしゃらに作りました」「高畑勲監督、宮崎駿監督、鈴木敏夫プロデューサーのお三方にはものすごく感謝しています。宮崎さんは『大丈夫か?間に合うのか?』と心配してスタジオまで来て激励してくださいました。ありがたいことです。高畑さんには、音楽面でアドバイスをいただきました。それがハンマー・ダルシマーという打弦楽器のアイデアです。実際、これまで20年間ずっと感謝してきたという思いもあるし、この映画を作れたのはお三方の力があったからだと思っています」その後、宮崎駿監督が76歳にして最後の長編アニメーション映画に取り組むという驚きのニュースが舞い込みました。米林監督は「僕は本当に楽しみです。また、宮崎さんの作品が観られるなんて。もちろん作り上げること自体が相当大変だと思いますが、その覚悟をもって次に臨まれたのだから、心から尊敬します」と熱いエールを贈ります。■子どもに「こうしなさい」とつい言ってしまうパパ・ママたちへのメッセージも最後に、『メアリと魔女の花』をお子さんと観るママたちにもメッセージをいただきました。「この作品では、“変身”が1つのモチーフになっています。壮大な変身実験の物語だけではなく、メアリやピーターも自分を変えたい、変身したいと思っているので。マダムやドクターたちは他者を変身させようとしますが、メアリたちは自分で変身したいと思っているんです。これは僕たち親と子どもとの関係に通じるところがある気がします。親は子どもに『そうじゃなくてこうしなさい』と言って、自分の思い通りに操ろうとしがちです。でも、そうではなく、子どもの気持ちを尊重し、子どもにどう向き合うべきかと考えた方がいいのかなと。ということで、パパ、ママたちもぜひご覧になってください!」>>西村プロデューサーのインタビューはこちらメアリと魔女の花2017年7月8日(土) 全国東宝系にてロードショー 「メアリと魔法の花」公式ホームページ 監督・米林宏昌がスタジオジブリ退社後の第一作目として、満を持して発表する長編アニメーション映画『メアリと魔女の花』。監督が最新作に選んだ題材は、かつて師である宮崎駿監督が選んだ題材と同じ「魔女」。あらゆる世代の心を揺さぶる夏のエンターテインメント超大作が誕生! 【声の出演・スタッフ】杉咲花 神木隆之介 / 天海祐希 小日向文世 / 満島ひかり 佐藤二朗 遠藤憲一 渡辺えり / 大竹しのぶ 原作:メアリー・スチュアート「The Little Broomstick」脚本:坂口理子脚本・監督:米林宏昌音楽:村松崇継
2017年07月14日『借りぐらしのアリエッティ』(10)や『思い出のマーニー』(14)の米林宏昌監督が、スタジオジブリを退社後、新天地・スタジオポノックで手がけた映画が、『メアリと魔女の花』です。7月8日(土)公開の本作の全貌がようやく明らかになりました!本作の主人公は明るくて天真爛漫だけど、自分の赤毛にコンプレックスを抱えた少女メアリ(声優:杉咲花)。ある日、メアリは森で7年に一度しか咲かない魔女の花「夜間飛行」を手に入れたことで、不思議な力を身につけ、そこから大冒険へと繰り出します。本作は“静”ではなく“動”。冒頭からいきなりクライマックスのような怒涛の展開で心を鷲づかみ! 空を縦横無尽に飛ぶスリリングな飛行シーン、イマジネーションあふれる魔法の数々、メアリと少年ピーターの友情のドラマや成長劇など、新たな米林ワールドが全開です。スタジオジブリファンのみなさん、ご安心ください。米林監督がジブリのDNAを引き継ぎながら、スタジオポノックの顔として挑んだ勝負作は、冒険ファンタジーのツボを押さえた快作に仕上がりました!興奮冷めやらぬ今、本作を手掛けた米林監督にインタビューし、制作裏話はもちろん、宮崎駿監督、高畑勲監督への感謝の思いについてもたっぷり語ってもらいました。>>後編はこちら ■乙女心がわかる監督が愛読していたのはあの少女漫画『思い出のマーニー』の公開後、スタジオジブリの制作部門は解散。その後、同作で組んだ西村義明プロデューサーが立ち上げたスタジオポノックで、『メアリと魔女の花』は産声を上げました。米林監督は「本当に苦しい作品でした」と穏やかな表情で言葉をかみしめます。「スタジオジブリにいる時は、たくさん優秀なスタッフ陣がいましたが、それを1から集めなければいけなかったので、制作は遅れに遅れました。しかも活劇だったので枚数もかかる。でも、内容は手を抜きたくなかった。本当に大変で、なんとか完成できたのは、いろんな方々のおかげだと感謝しています」それにしても米林監督は男性なのに、前2作同様、思春期の少女の心のゆらぎを丁寧にすくい上げています。なぜこんなに乙女心がわかっていらっしゃるのか?と聞いてみると「少女漫画で育ったからだと思います」と言われ、大いに納得。「妹が買っていた『りぼん』をずっと読んでいました。中でも池野恋さんの『ときめきトゥナイト』が好きでしたし、『耳をすませば』(柊あおい)もリアルタイムで読んでいました」とのこと。なんと、そういうことでしたか。■メアリの顔に影を入れた理由とは?魔女の服といえば黒色の印象が強いですが、メアリは赤色ベースです。ピンクの衣装もよく似合っています。「アリエッティもそうでしたが、自分の気持ちをどんどん前に進めていくような主人公なので、赤やピンクなどの暖色系の色が合うだろうと思いました」今回、目の上に影がある点は、『千と千尋の神隠し』や『借りぐらしのアリエッティ』など、ジブリ作品でおなじみの作画監督・稲村武志のこだわりでした。「今回新しい部分を入れていこうかなと。高畑勲監督が手がけたテレビアニメ『赤毛のアン』のアンの顔にも影がありましたが、西洋人の顔は彫りが深いから影ができるんです。また、今回は髪の毛もかなり立体的に描きました」■杉咲花、神木隆之介は、鉄板のキャスティングメアリ役の声優を務めた杉咲花のハマリ具合はもちろん、アフレコのスキルの高さにうなります。加えてピーター役は、すでにクオリティーはお墨付きの神木隆之介。2人とも米林監督作には2度目の参加となりました。「メアリは明るくて朗らかだけど、ドジで、ウソをつくし、調子にのりやすい。声によっては嫌われる可能性がある女の子だと思ったので、そうならない声の人にやってほしくて。杉咲さんは『思い出のマーニー』で東京から来た女の子・彩香役を、僕が想像していた斜め上くらいの声で演じてくれて、絶妙にハマったんです。それは声を入れてみて初めて発見した部分でもありました。メアリの時も実際にテストをしてみたんですが、『あ!メアリだ!』と思ったんです。今回も前回と同様に予想以上のものになって、本当にうれしかったです」ジブリ作品の声優では常連の神木隆之介について、米林監督は「もうベテランです」と太鼓判を押します。「神木さんについては、『アリエッティ』以来7年ぶりのお仕事でしたが、もう安心感がありました。現在24歳ですが、今回12歳の少年をやってもらいましたが完璧でした。実はピーターにも悩みがあり、メアリと同様に自分は変わりたいと思っている。その心の内を語るシーンも上手に演じてくれました」 >>西村プロデューサーのインタビューはこちらメアリと魔女の花2017年7月8日(土) 全国東宝系にてロードショー 「メアリと魔女の花」公式ホームページ 監督・米林宏昌がスタジオジブリ退社後の第一作目として、満を持して発表する長編アニメーション映画『メアリと魔女の花』。監督が最新作に選んだ題材は、かつて師である宮崎駿監督が選んだ題材と同じ「魔女」。あらゆる世代の心を揺さぶる夏のエンターテインメント超大作が誕生! 【声の出演・スタッフ】杉咲花 神木隆之介 / 天海祐希 小日向文世 / 満島ひかり 佐藤二朗 遠藤憲一 渡辺えり / 大竹しのぶ 原作:メアリー・スチュアート「The Little Broomstick」脚本:坂口理子脚本・監督:米林宏昌音楽:村松崇継
2017年07月13日『思い出のマーニー』(14)に続き、『メアリと魔女の花』(7月8日公開)で米林宏昌監督と2度目のタッグを組んだ西村義明プロデューサーにインタビュー。後編では、敢えて宮崎駿監督作『魔女の宅急便』と同じ“魔女”をモチーフにした理由や、杉咲花や神木隆之介の声優陣のキャスティング、SEKAI NO OWARIの主題歌「RAIN」の制作秘話などをお届けします。 宮崎駿監督の弟子たち・西村義明Pが感じる師匠への思い 『メアリと魔女の花』がついに公開!【前編】 『メアリと魔女の花』の主人公は、明るくて天真爛漫だけど、自分の赤毛にコンプレックスを抱えた少女メアリ(声優:杉咲花)。彼女が、魔女の花「夜間飛行」を手にしたことで不思議な力を身につけ、大冒険へと繰り出します。>>前編はこちら西村プロデューサーは、最初に米林監督と「元気な女の子が動き回るファンタジーをやろう」と決め、メアリー・スチュアートの原作を監督に突きつけました。「“魔女”の話なので、きっと嫌がるだろうと思いましたが、逆にそれはいいことだとも思いました。『魔女の宅急便』という強力な傑作があるから、それとは違う新しい魔女を描けばよいと、舵を切れますから。怖さを乗り越えて、誰かのために立ち向かう少女の物語を描くなら、作り手たち自身も大きな何かと対峙したほうがいい。スマートなものではなく、ボコボコした映画にしようという話は最初からしていました。スムーズな映画より、ボコボコしていたほうが、映画って力を持っていたりするんですよね。とにかく米林監督と、ジブリ出身のクリエイターたちのすべてを出し尽くす熱をもった企画。米林監督が得意とする最高速度のストレートを、ストライクゾーンのど真ん中に投げる。もしかしたら暴投になって、打ち返されるかもしれないけど、カーブや変化球を投げて打ち返されるより、ど真ん中で勝負すべきだと思っていました」■セカオワに突きつけた主題歌の役割西村プロデューサーは自身の仕事内容についてこう話してくれました。「プロデューサーという肩書はあるけど、本当に映画の全部をやるのが僕のスタイルです。企画して、出資を募って、環境も整えるし、完成したら告知活動もやります。監督が声優のキャスティングや音楽に思いを馳せる時間がないので、こちらがキャスティングや音方面の舵取りも担う。映画をよくするために自分ができることは何でもやりますね」主題歌「RAIN」を手掛けたSEKAI NO OWARIとは、米林監督と共に何度も打ち合わせを重ねたそうです。「SEKAI NO OWARIの方々が作る世界観や曲は僕もよく知っていますが、そうじゃなくて今回は『この映画の主題歌を作ってほしい』と伝えました。米林監督にも彼らと初めて会う時、『もし気に食わなかったらケンカしてもいいからね』と言ってありました。僕らは商業的なタイアップ曲なんて求めてはいないんです。そもそも映画に主題歌が必要なんて、誰が決めたわけでもないんだから。『映画に主題歌が必要だとすれば、それは、映画の内容的主題を語るか、音楽的主題を使用するかの2つしかない。そのいずれでもなかったら、それは主題歌とは呼ばない』と、生意気にもお伝えしたりして。作り手のみなさんにちょっとだけ背伸びをしながら歩いてほしくて。そうしないと1+1=2にしかならないので。みんなが少しやせ我慢しながらつま先だけで歩いていくと、もう少し高いところへ行けるし、いい化学反応が起きると思っているんです」■実直に声を選んでいるという自信メアリ役の杉咲花や彼女と共に冒険をするピーター役の神木隆之介をはじめ、天海祐希、小日向文世、満島ひかり、佐藤二朗、遠藤憲一、渡辺えり、大竹しのぶと、声優陣のキャスティングが絶妙です。西村プロデューサーが「現場を兼ねるプロデューサーは、企画や脚本から、キャスティングや音楽、音響まで、映画制作の全部に関わります。企画から始めている分、米林監督と考えが違うことは少ないです」と言うとおり、おふたりは二人三脚で映画作りをされていきました。「キャスティングでは、声そのものがもっている人格や人生を探すんです。たとえば庭師のゼベディ役の遠藤憲一さんは、有名な役者さんだから頼むわけじゃない。冒頭、赤い館に引っ越して一週間しか暮らしていないメアリが、なぜか朴訥で無口なゼベディに親しみを感じています。ゼベディには、子どもがつい心を許してしまう魅力があるらしいのです。遠藤さんの声は、厳しさと渋さの裏に、よく聞くと可愛げというのがある。それは遠藤さんが人生を経て獲得した人間的魅力だと思いますし、ゼベディの声色そのものに、こどもを引きつける魅力が欲しかった。マダム・マンブルチューク役の天海祐希さんもそうでした。魔法大学の学校長としての品格や優雅さ、厳しく冷徹で怖くもあり、一方で直情的な面も持つ。二面も三面も持った人物です。天海さんなら、そのすべてを演じていただけると思いましたが、困ったことに、マダムはコミカルな面もあった。決め手は、天海祐希さんがされた故・土井たか子さんのモノマネでした(笑)。このチャーミングさがマダムの声には必要だった。芝居で演じるのではなく、その人の声がもっている人間性も出してもらいたい。杉咲花さんや神木隆之介さんの声も、登場人物の人間的な本質のところで合致している声かどうかということが大事でした。映画はテレビアニメと違い、その人物を存分に説明する台詞量も時間も足りません。少ない台詞で登場人物に、リアリティや説得力を持たせるためには、抽象的に演じ分けられた声と演技ではなく、役者さんが持っている具体的な人間性が有用なことが多いんです。相応しい声を探して見つけるまでは、長い時間がかかります。映画に描かれない登場人物の過去すら想像しつつ、映画のなかでポイントとなる台詞を思い浮かべて、それこそ実直に、様々なジャンルの色々な方の声を延々と聞き続けます。その作品に合った声しか欲しくないんでしょうね」■子どもから教えられたものとやりがい最後に、『メアリと魔女の花』を親子で観るママへのメッセージをお願いしたら、西村プロデューサーは「映画のプロデュースというのは昼夜を問わない仕事でして、子育ては奥さんに全部まかせきりなので、迷惑をかけています。だから、ママへのメッセージといわれても、まともなことは言えないんですが」と前置きした後、こんなお話をしてくれました。「ただ、僕は子どもが大好きで、子どもに教わった大事なことがあります。毎年サンタクロースになって子どもの枕元にクリスマスプレゼントを置くのですが、朝起きた当時4歳の娘が、さっそくプレゼントを見つけて喜んだ。そして、いきなり立ち上がってベランダの方にかけていって、そこから空に向かって『ありがとう、サンタさーん!』と大声で叫んだんです。そのとき、僕はこれがアニメーション映画の仕事の本質だと思いました。誰かに大切な何かを伝えたいと、伝わればいいなと願って何年も費やすけれど、僕ら作り手は、最後にはひっそりと隠れていればいい。子どもたちが『ありがとうサンタさん』『がんばれメアリ』と笑ったり、大事な何かを受け取ってくれるなら、それは人生をかけるに値します。今は年間100万人しか子どもが生まれていない。ぼくらのときは年間200万人でした。少子化で子どもの数が少なくなれば、子ども主人公の実写映画も作りにくくなるし、アニメーションもいつのまにか、大人たちが見て、ああでもない、こうでもないと、楽しむものに変わりました。大人のほうが圧倒的多数な社会で、効率とか経済合理性とか、そういうのは一旦横において、子どもたちには大切なことを伝えたいし、大人たちには子どもの未来に責任があるんだと伝えたい、そういう思いを込めて一本の映画を作りました。ぼくたちが作りたいのは、子どもと大人がいっしょに笑い、一緒に感動できる、そういう作品です。ぜひ親子で観ていただけたら嬉しいです」メアリと魔女の花2017年7月8日(土) 全国東宝系にてロードショー 「メアリと魔法の花」公式ホームページ 監督・米林宏昌がスタジオジブリ退社後の第一作目として、満を持して発表する長編アニメーション映画『メアリと魔女の花』。監督が最新作に選んだ題材は、かつて師である宮崎駿監督が選んだ題材と同じ「魔女」。あらゆる世代の心を揺さぶる夏のエンターテインメント超大作が誕生! 【声の出演・スタッフ】杉咲花 神木隆之介 / 天海祐希 小日向文世 / 満島ひかり 佐藤二朗 遠藤憲一 渡辺えり / 大竹しのぶ 原作:メアリー・スチュアート「The Little Broomstick」脚本:坂口理子脚本・監督:米林宏昌音楽:村松崇継
2017年07月12日高畑勲監督作『かぐや姫の物語』(13)の西村義明プロデューサーが、『思い出のマーニー』(14)に続き、再び米林宏昌監督と組んだ『メアリと魔女の花』が、いよいよ7月8日(土)より公開されました。明るくて天真爛漫だけど、自分の赤毛にコンプレックスを抱えた少女メアリ(声優:杉咲花)が、7年に一度しか咲かない魔女の花「夜間飛行」を手にしたことで不思議な力を身につけ、大冒険へと繰り出します。本作はスタジオジブリの作品ではなく、西村プロデューサーがジブリを退社後に立ち上げたスタジオポノックでの第1作目。公開を前にしたインタビューで今の心境を聞くと「ほっとしたの同時に、怖さを感じました」と神妙な面持ちをされました。それは、ジブリ作品を愛してジブリに入社し、働いてきた西村プロデューサーだからこそ、ジブリ作品のクオリティーを誰よりも知っているからです。本作はジブリの制作部が解散した後、米林監督と二人三脚でゼロから始めた企画ということで、全身全霊で臨みました。その渾身の映画『メアリと魔女の花』の制作秘話や、宮崎駿監督、高畑勲監督、鈴木敏夫プロデューサーから得たもの、また現役復帰宣言をされた宮崎監督への思いについてもうかがいました。■ジブリ退社後の苦労を激白イベント登壇時、10kg痩せたと言っていた西村プロデューサーが、独立後の苦労を吐露しました。「ジブリのときは、ジブリという傘の下で守られていたんです。『かぐや姫の物語』は完成するのに8年かかりましたが、高畑さんが作りたいものを信じてやっていけばいいと思っていたし、『思い出のマーニー』は宮崎さんが大好きな原作を基に、最後はジブリ制作部の総力をあげて邁進するだけでよかった。ジブリの制作部門が解散して、クリエイターが散り散りになりました。業界を去った方も多い。そんな中、子どもから大人まで楽しめる価値あるアニメーションは作り続けるべきだと思ったし、その火は絶やしてはいけないと思っていました。待ってても誰も始めてはくれないのなら、痩せ我慢でも自分が始めようと。今回は何の拠り所もないわけで、お金もなければ、スタッフも環境もない。でも、始めたからには責任があります。アニメーション映画は、人の数や期間がべらぼうにかかる。クリエイター400人だけではなく、製作委員会や映画館の方々も含め、その人生を費やしてくださるわけですから」本作を手がける前に、西村プロデューサーは米林監督と共に高畑監督、宮崎監督、鈴木プロデューサーのもとにあいさつをしに行ったそうです。「その時に『覚悟をもってやれ』と言われましたが、覚悟なんて当たり前なんです。でも、その覚悟すら揺らぐことが多くあったし、肉体的にも精神的にもぎりぎりでしたね。ジブリじゃないってことが、ここまで苦しいとは思わなかったですよね。■映画では珍しい「感謝」のクレジットの意味とは? ジブリを退社後、鈴木プロデューサーの偉大さをかみしめたという西村プロデューサー。「ジブリを出た今だから言えますが、鈴木さんは、尊敬に値するプロデューサーです。ジブリ時代は常に鈴木さんに相談しながらやってきましたが、今回は自分の足で立っているわけだから、相談はしないと決めていたし、鈴木さんにもそう伝えました。ただ、あいさつに行った時、帰りがけに鈴木さんが『お前、大変だと思うけど、ここぞというときは俺に言いに来いよ。なにか一個だけ協力してやるから』と言ってくれて。かっこいい人ですよね」高畑監督は、本作の映画音楽に関してヒントをくれたそうです。「ハンマー・ダルシマーという楽器を具体的に提案してくれました。また『ジブリの制作部が解散した今、スタジオポノックはアニメーション映画の牙城になるかもしれませんね。何でも協力しますよ』と言ってくれて」宮崎監督については「もしも映画を観て喜んでくれるんだったらもう現役じゃないのかもしれないです。彼はまだ現役ですから、観たら手厳しいことを言ってくれると思います」とどこかうれしそうに語ってくれました。■宮崎監督の現役復帰宣言に対しての思い今年に入り、宮崎監督が新作長編の準備に入ったと報道され、日本中がざわめきました。西村プロデューサーは「ああ、作るんだ!と。だったら引退するなんて言わなければよかったのにと思いました」と苦笑い。「ただ、『風立ちぬ』(13)で宮崎さんは体力の限界まですり減っていたことを、『メアリ』を作ったクリエイターはみんなわかっています。76歳でまた1本の映画を作ろうとするなんてすごいことです。やれば自分がどうなるのかは、宮崎さんがいちばんわかっているはず。本当に命懸けになるかもしれない。僕はそこが心配です。すごい覚悟をされて決断したんだろうなと。ただ、高畑さんは81歳で宮崎さんは76歳、その年齢でしか作れない映画があるし、作るべき作品があると僕は思います。一方で、今の宮崎さんに『天空の城ラピュタ』(86)や『魔女の宅急便』(89)みたいな冒険物語を求めてるのも酷です。もう過去に作ってきたわけだから。その年齢だからこそ作れる、作るべき作品があると僕は思っています」後編では、敢えて宮崎駿監督作『魔女の宅急便』と同じ“魔女”がモチーフの映画にした理由や、杉咲花や神木隆之介ら声優陣のキャスティング、SEKAI NO OWARIの主題歌「RAIN」の制作秘話などをお届けします。>>後編はこちらメアリと魔法の花2017年7月8日(土) 全国東宝系にてロードショー 「メアリと魔女の花」公式ホームページ 監督・米林宏昌がスタジオジブリ退社後の第一作目として、満を持して発表する長編アニメーション映画『メアリと魔女の花』。監督が最新作に選んだ題材は、かつて師である宮崎駿監督が選んだ題材と同じ「魔女」。あらゆる世代の心を揺さぶる夏のエンターテインメント超大作が誕生! 【声の出演・スタッフ】杉咲花 神木隆之介 / 天海祐希 小日向文世 / 満島ひかり 佐藤二朗 遠藤憲一 渡辺えり / 大竹しのぶ 原作:メアリー・スチュアート「The Little Broomstick」脚本:坂口理子脚本・監督:米林宏昌音楽:村松崇継
2017年07月12日『借りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』で知られる米林宏昌監督の最新作『メアリと魔女の花』完成の一報を受け、東京都武蔵野市の株式会社スタジオポノックを訪ねた。出迎えてくれたのは、本作のプロデューサーを務める西村義明氏だ。スタジオポノックは2015年、米林監督の新作映画を制作するため、『かぐや姫の物語』『思い出のマーニー』の西村プロデューサーが設立したアニメーション映画制作会社だ。スタジオジブリの制作部門解散を経て、ジブリ出身の両名が、新たなスタジオでリスタートを切る本作について、西村プロデューサーは「時代の中で作り手たちが葛藤しながら『これだけは伝えたい』というメッセージを物語の背後に据えつつ、直球勝負で、自分たちがスタジオジブリで培ったもの、愛したもののすべてを出した」と自信を示す。――では“これだけは伝えたい”こととは?「現代における“魔女の花”とは何なのか、魔法とは何なのかということは、企画の段階から考え続けてきました。自分たちが作り出した魔法に振り回されて、世界が混乱していくのを僕たちはこの間、たくさん経験してきています。何かを置き去りにしながら、忘却しながら、また同じことを繰り返していく。そこに、映画の作り手としてどう向き合いながら、大切なことを次の世代に受け渡していけるだろうか。変わり続ける世の中だとしたら、変わらない大事なものをメアリという少女に託したいというのが、僕たちの映画の本懐です。“ジブリマジック”と言われますが、アニメーション映画は地道な作業の積み重ねです。ジブリという集団は、面倒なことにこそ大事なことがあるんだと信じて愚直に突き進んできた。あらゆるものが合理化、効率化される時代にあって、少しだけ立ち止まって、何が大事かを考えて、もがいて、シンプルに伝えるために、大人たちが何百人と集まって懸命に1本の映画を作る。そこに“ジブリの志”があると思いますし、職人たち何百人の本気が詰まっていると思っています」――「魔女、ふたたび。」というキャッチコピーの意図は?「当然、『魔女の宅急便』を連想する人が多いでしょうし、実際『プレッシャー、あるでしょ?』と問われてきましたが、魔女=ジブリ。その高いハードルだからこそ、米林監督が挑戦する価値があるだろうという思いはありました。宮崎駿監督が語った『魔女の宅急便』とは違い、今回は、魔女という題材ながら人間の物語を描こうとした。人間の少女が偶然、手に余る不思議な力を見つけ魔女になりますが、その力は仮初でしかなく、いつか消えてしまう。拠り所を失ったとき、無力な人間はどうするのか。立ち止まってしまうのか。それでも、前に進むことができるとしたら、それは何故なのか。そこに、米林監督自身が投影された新しい“魔女”の萌芽があると思ったし、この時代に作る意味があると思ったんです。懸命に生きている人たちを応援する映画。ボロボロになりながらも、立ち止まることを恐れないメアリという新しい“魔女”を描く理由はあると思いました」――メアリがそうであるように、米林監督も魔法を失った?「監督デビュー作である『借りぐらしのアリエッティ』がその年の邦画ナンバー1ヒットになり、『思い出のマーニー』が米アカデミー賞(の長編アニメーション映画賞)にノミネートされた。それが監督だけの力だったかと言えば、首をかしげる人も多いのではないでしょうか。まさしくジブリの魔法があったからこその成功であり、評価だったと思います。ところが、アニメーション監督にとって勝負といえる3作目で、彼はすべて失った。それでも『メアリと魔女の花』という作品を作ると決めた。不安で怖かったと思いますよ。ジブリ時代と同じように、環境があるわけじゃない。期待されるわけじゃない。そんな恐怖を振り切って米林監督は3年間、机にへばりついて、“いつも通り”絵を描き続けた。メアリだって魔法なんて持ってやしない。自分ではない誰かを想い浮かべて、“いつも通り”一生懸命に生きた人間です。先が見えない時代だからこそ不安なのは、映画の作り手も同じです。そこにメアリの人生が重なる。無力なメアリの一途な行動が、彼女を取り巻く不安と閉塞感を打ち破ったとき、多くの人の心に、大切な作品として届くと期待したんです」――プロデューサーとしての苦労は?「『メアリと魔女の花』の予告編が映画館で流れたとき、本当に涙が出るほどうれしかった。こんな喜びを見出せるとは思わなかったんです。正直、ジブリで映画を作っていた頃は、制作費を集めることを心配しなくてよいし、製作委員会の応援者も多かった。予告編だって『公開日も決まったし、そろそろ流れるかな』という感じでした。いま思うと、本当におこがましい考え方でした。今回も“ジブリが残してくれた恩恵”があって、多くの皆さんに応援していただいていますが、心理的には1度ゼロに戻れました。スタジオポノックの未来は考えません。作品を作るたび『大事なものとして、人の心に残したい』という気持ちだけです。それは簡単ではないけど、単純な想いです。実写やCGの表現がここまで広がった時代に、2Dのアニメーションで何を作るべきか。映画はいつも時代とともにあるし、そこに対峙し続けるだけなんだと思います」イギリスの児童文学を原作に、7年に1度しか咲かない不思議な花“夜間飛行”を偶然見つけた主人公のメアリの大冒険を描いた本作。一夜限りの不思議な力を発揮し、魔法世界の最高学府であるエンドア大学への入学を許可されたメアリだが、彼女がついたウソが大切な人を大事件に巻き込んでしまう…。スタジオジブリというあまりに強大な魔法と、それがもたらす恩恵と呪縛から解き放たれた米林監督と、西村プロデューサーの未来は、魔法をもたないメアリと同じく未知数。クロアチア語で「深夜0時」に由来し、新たな1日の始まりの意味が込められたスタジオポノックの時計の針は、いま進みだしたばかりだ。(text:Ryo Uchida/photo:Nahoko Suzuki)■関連作品:メアリと魔女の花 2017年7月8日より全国東宝系にて公開(C) 2017「メアリと魔女の花」製作委員会
2017年07月04日