来年1月スタートのTBS系新火曜ドラマ「Eye Love You」に、中川大志が出演することが分かった。二階堂ふみが主演を務める本作は、目が合うと相手の心の声が聞こえてしまう“テレパス”の能力を持つ主人公・本宮侑里と、超ピュアな年下韓国人留学生ユン・テオ(チェ・ジョンヒョプ)との恋模様を描く、もどかしくも明るいファンタジック・ラブストーリー。今回出演が明らかになった中川さんが演じるのは、侑里を支えるビジネスパートナー・花岡彰人。侑里が経営するチョコレートショップ「Dolce & Chocolat.」の専務取締役で、経営面から侑里を支えている花岡は、徹底した合理主義者で、一見するとクールで無愛想だが、侑里や社員たちが困ったときには必ず手を差し伸べる頼もしい存在。侑里とは大学時代に出会い、自身がビジネスにしていこうと考えていた環境問題に詳しい侑里に興味を持ち、その思い切りの良さや度胸、芯の強さに社長としての才覚を見出し、共に会社を興すことを決意した。職場恋愛などあり得ないと考え、侑里ともあくまで仕事上のパートナー。あるきっかけでテオに出会い、ストレートに愛を表現する彼を前に、花岡は侑里にどんな感情を抱くのか。花岡の揺れ動く繊細な心模様をどのように表現するのか注目だ。「自分としても思い入れのある火曜ドラマに久しぶりに出させていただけることをうれしく思いますし、楽しみにしています」と出演を喜んだ中川さんは、花岡というキャラクターについて「すごくチャーミングな人物」と分析。また「二階堂さんとのシーンは撮影しましたが、これからチェ・ジョンヒョプさんとも一緒にお芝居をするので、初めての日本でのドラマ撮影で慣れない環境に戸惑うことも多くあると思いますが、リラックスしていただける楽しい現場になったらいいなと思っています。おこがましいですが、そうなるように、僕も自分なりにサポートさせていただきたいと思っています」とコメントしている。「Eye Love You」は2024年1月、毎週火曜日22時~TBSにて放送予定。(シネマカフェ編集部)
2023年12月01日11月23日より上映スタートした映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』が、26日までの4日間で動員44万4,546人、興行収入6億2961万6310円を記録したことが分かった。本作は、GACKTと二階堂ふみが主演し、興行収入37.6億円を叩き出した『翔んで埼玉』の続編。3週連続で首位を走り続けた『ゴジラ-1.0』、同日公開の『首』や『シチリア・サマー』を制して、堂々の興収&動員1位という好スタートを切った。前作との同期間興収と比べても、160.9%と驚異的な記録を叩き出し、鑑賞者からは「間違いなく今年の邦画で一番面白かった!」「清々しいほどのバカバカしさ」「大阪人にはツボネタ満載で笑った!」「和歌山ええ感じにディスってくれてありがとう笑」「埼玉最高!!神戸最高!!」「今作も細かい埼玉ネタに笑わせていただきました」と感想が寄せられている。『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~ 2023年11月23日より公開©2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会
2023年11月27日映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』(11月23日公開)の公開初日舞台挨拶が23日に都内で行われ、GACKT、二階堂ふみ、加藤諒、益若つばさ、堀田真由、くっきー!(野性爆弾)、高橋メアリージュン、川崎麻世(崎はたつさき)、藤原紀香、武内英樹監督が登場した。同作は『パタリロ!』などで知られる魔夜峰央氏が1982年に発表した作品で、2015年に復刊されたことをきっかけに、テレビ番組、SNS、インターネットなどメディアで多数取り上げられ、大反響を呼んだ。埼玉県民が東京都民からひどい迫害を受けている世界で、東京都知事の息子・壇ノ浦百美(二階堂)と、アメリカ帰りの謎の転校生・麻実麗(GACKT)の活躍を描く。○■映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』舞台挨拶でサプライズ同作でネタにされた県に対し、二階堂「お詫びと感謝の気持ちでいっぱいです。先にお詫びさせていただけたらと思います」と苦笑していた二階堂。フォトセッション時には、琵琶湖の最大水深104mにちなみ、滋賀県発祥の交通安全看板「とびだしとび太」に扮した104人の子供たちが登場する。キャストには人数が少なく伝えられていたため、二階堂は「最初聞いていた数と(違う)。全然途切れない」と驚き。GACKTは「出てきたタイミングでああ、かわいいなと思って後ろ振り返ったら、誰も目を合わせない。けっこうそれに傷ついている」と怖がられていた様子。一方、二階堂はしゃがみこんで子供たちに話しかけ、一緒に「とびだしとび太」ポーズで盛り上げていた。
2023年11月23日映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』(11月23日公開)のイルミネーション点灯イベントが埼玉・コクーンシティで行われ、GACKT、二階堂ふみ、加藤諒、益若つばさが登壇した。同作は『パタリロ!』などで知られる魔夜峰央が1982年に発表した作品で、2015年に復刊されたことをきっかけに、テレビ番組、SNS、インターネットなどメディアで多数取り上げられ、大反響を呼んだ。埼玉県民が東京都民からひどい迫害を受けている世界で、東京都知事の息子・壇ノ浦百美(二階堂)と、アメリカ帰りの謎の転校生・麻実麗(GACKT)の活躍を描く。○■二階堂ふみ、『翔んで埼玉』イルミネーション点灯式に登場「埼玉県民の日に埼玉に来ることができ、皆様と顔を合わすことができて本当に嬉しく思います! イェーイ!!」とテンション高めに挨拶をした二階堂。「皆様のお力もありまして、パート1はいろんな方に観ていただけて大ヒットとなりました。パート2はより羽振りのいい作品になっております。今作は(埼玉だけでなく)かなりいろんなところに飛び火をしているので、一体どうなるのかな? という心配もあります」と続編をアピールしつつ、公開を控える心境を明かした。また、二階堂は「いち映画ファンとして、この『翔んで埼玉』で劇場にたくさんの方が来ていただけているということを本当に嬉しく思っております。皆様の『翔んで埼玉』への愛で(作品を)より大きく、そしてパート3に向けて盛り上げていきたいと思います!」と続編制作に意欲を見せる。しかし、この話を聞いたGACKTはどこか冴えない表情を浮かべ「『翔んで埼玉3』はきっとやると思うんですよ。でも僕の代わりに“ウィッシュ”のDAIGOがやると思う。ちょっと背が低くなるけど、雰囲気は限りなく寄せてもらう。やってみてダメだなと思ったら途中から僕が戻るかもしれませんけど、(DAIGOが)ダメだったらT.M.Revolutionの西川(貴教)くんに頼むとか……」と笑いを誘っていた。
2023年11月15日映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』(11月23日公開)の舞台挨拶が埼玉で行われ、GACKT、二階堂ふみ、加藤諒、益若つばさ、アキラ100%、はなわが登壇した。同作は『パタリロ!』などで知られる魔夜峰央が1982年に発表した作品で、2015年に復刊されたことをきっかけに、テレビ番組、SNS、インターネットなどメディアで多数取り上げられ、大反響を呼んだ。埼玉県民が東京都民からひどい迫害を受けている世界で、東京都知事の息子・壇ノ浦百美(二階堂)と、アメリカ帰りの謎の転校生・麻実麗(GACKT)の活躍を描く。○■二階堂ふみ、意外なところで『翔んで埼玉』の羽振りの良さを実感「こうやって埼玉に戻ってくることができてとても嬉しく思います」と挨拶した二階堂。きょう14日が“埼玉県民の日”ということで「映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』公開記念 埼玉の埼玉による埼玉のため大感謝祭」と銘打ち、1日かけてキャスト陣は埼玉県内で様々なプロモーション活動を実施した。大々的なプロモーション活動について、二階堂は「作品もそうなんですが、パート2になってプロモーションもすごく羽振りがよくなってるなっていうのを感じています」と話す。「いろんなところにお呼びいただいて、分刻みでいろんなところに行かせていただいています。こうやって多くの方に見ていただけると、プロモーションも広がるんだなっていうふうに、感動しております」と感謝を伝えていた。さらに意外な部分でも、その羽振りの良さを感じたそうで、「楽屋に置いてあるお弁当もちょっと豪華になってます」と明かし、笑いを誘った。また、今作に主題歌も担当しているはなわが埼玉県の形を模したベースを持って登壇しているのを見ると、二階堂は「(主題歌)聞きたいですね……聞きたいですよね?」と無茶振り。はなわは「(ベースに)電池が入っていないんですよ……」と躱すも、アカペラで歌唱する流れになり、披露した。二階堂も「ありがとうございます! 生で聴けてうれしいです!」と笑顔を見せていた。
2023年11月14日とことん茶化した内容で、埼玉県を一躍スターダムに押し上げてしまった大ヒット作の続編が、『翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜』というタイトルで11月23日(金)から全国公開される。 前作を観たことのある関西方面在住、もしくはゆかりの皆さんは、「埼玉の次は滋賀か。いいとこ突いてきたな」と、ニヤリとされるはず。そう、次なるターゲットは、地図で見ても“湖”しかわからない、あの滋賀県。今回もすこぶる面白いです。『翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜』まるで1.5倍速のような「予告編」を観ていただくとわかるように、とても、とても情報量が多い。さて、何から書いたらよいか悩む。何せ、翔んでますので、理屈っぽく考えないことが一番。これだけ知っておけば、という部分をご紹介して、「あとは映像とギャグの波に乗って笑いまくるのみ」の態勢をとってもらうのが良いと思う。まず、予告編のっけで、埼玉解放戦線のリーダー・麻実麗(GACKT)の「埼玉に海を作る!」という発言に、壇ノ浦百美(二階堂ふみ)が思わずのけぞり…「いざ、和歌山へ」となった件、あたりから。「通行手形がないと東京に出入りできない」という迫害を受けていた埼玉県人が、埼玉解放戦線の活躍により、手形制度の撤廃に成功したのが前作。その3ヶ月後に、埼玉県人は横の繋がりが薄いという問題が浮上。「日本埼玉化計画」を推し進める麗は、まずは県人の心をひとつにすることが肝心だと考える。そして「海なし埼玉にビーチをつくる」ことを思いついたのだ。越谷に適当な土地はある。課題は砂をどうするか。彼は、和歌山県・白浜から運ぶと言いだして……。航路で嵐に遭い、なんとか和歌山の白浜海岸に流れついた麗は、砂浜で(なぜか)滋賀解放戦線リーダー「滋賀のオスカル」こと、超絶スタイルの桔梗魁(杏)に助けられ、運命的なシンパシーを感じる。桔梗の話によると、関西はかなり怪しげな勢力分布が出来上がっていた。当時(っていつのことやらわからないが)の関西は、大阪府知事(片岡愛之助)・神戸市長(藤原紀香)・京都市長(川崎麻世)連合の支配下にあり、奈良、和歌山、滋賀県人は、まるでかつての埼玉を彷彿とさせるような非人道的な扱いを受けていたのだ。 麗は桔梗らと共闘し、“関西解放”に邁進することに。しかし、それがとんでもない東西対決へと発展してしまう……。第1作は『パタリロ』で知られる魔夜峰央が1982年に発表したコミックを原作としている。今回は埼玉勢のキャラクターはそのままに、監督武内英樹、脚本徳永友一、プロデューサー若松央樹のチームがオリジナル・ストーリーを作り出した。メイキング関連の記事をいろいろ読むと、わりといい加減、というか、いきあたりばったりなところがあったようだが、それが逆に効果的にはたらいた。悪ノリをどんどん形にしていく、作り手たちのそのノリに圧倒される。監督たちは最初、白浜がある和歌山を中心に考えていた。でも、シナハン(台本を書くための取材)の段階で、どんどん浮かび上がってきたのが滋賀。大阪や京都からディスられがちなポジションに、埼玉と似た境遇を感じたという。確かに。NHKで放送しているガイド番組「“いけず”な京都旅」とかを見ていると、MCを務める滋賀出身の西川貴教が、京都人に結構イジられ、リアクションもやや自虐的だったりで、何となくそれはわかる。実は、前作の大ヒットで、全国各地から「ディスってほしい」とのオファーが大量に来たそうだ。滋賀の窓口であるフィルムコミッションが一番熱心だった。ここならどれだけディスっても怒られないだろう、と踏んだらしい。そんなこんなで、滋賀県人なら知っている交通標識「とびだしとび太」クンの存在といった地元ネタ、さらには、京都市内にもある洛中洛外の差、兵庫の鉄道沿線ごとに細分化されたヒエラルヒーなど、関西の地域ディスりネタを集めて脚本化した。そこに、濃ゆい関西ゆかりのキャストが、ここまでやるかという熱い演技を披露する。生粋の大阪人片岡愛之助と神戸の学校に通っていた藤原紀香は、結婚後初の夫婦役。大阪・枚方育ちだが京都生まれの川崎麻世。京都の女将役で山村紅葉、元大阪府知事役でハイヒールのモモコ、滋賀解放戦線員にくっきー!や堀田真由、和歌山解放戦線員に天童よしみ。書ききれないが、そのエリア出身者をビシッとそろえた。あ、でも杏は東京出身(お父さんはタイガースの熱烈ファンだけど)。もうひとつ、紹介しておかねば。埼玉県内の田舎道をドライブする家族が、カーラジオから流れる〈埼玉にまつわる都市伝説〉を聴いている、つまりこの話は劇中劇ですよ、という構成は前回同様。今回は和久井映見、アキラ100%、朝日奈央の家族。和久井演じるお母さんの祖父母が滋賀出身という設定だ。永遠のライバル、大宮と浦和にまつわる埼玉イジりの方は同時進行で描かれるこの家族のパートでどうぞ、というわけだ。どうなることかと思った第2作だけれど、さらに手が込んでいる、お金もかかっている。バカらしさも、悪ノリもさらに増している。これを言ったらまずいんじゃないの、とか、神経過敏な世の中で、よくぞここまでドギツイ冗談をやってくれた。こんなに罪がないディスりコンテンツを成立させたのは、やはり、いじりをされる側に人としての余裕があったからだ。それだからうまいこと相乗効果が生まれた。きっと埼玉の人は、地元紹介をするときに、今話題の、と言ってみたり、ちょっと自虐ネタを披露したりして、以前より親近感を持ってもらうなんてことがあるだろう。それがどこかたわいなくて、いい。自虐ネタも気づけば、ふるさと自慢に転じたわけだ。やはり、この映画、もう一度、埼玉の都“池袋”あたりで観ようかな。文=坂口英明(ぴあ編集部)【ぴあ水先案内から】笠井信輔さん(フリーアナウンサー)「大傑作! あ、映画賞を受賞するという意味ではない(笑)……」笠井信輔さんの水先案内をもっと見る()よしひろまさみち(オネエ系映画ライター)「物語を全部解説したところで、全てが笑いのネタなので問題にもならないという奇跡のコメディでは?」よしひろまさみちさんの水先案内をもっと見る()(C)2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会
2023年11月13日来年1月スタートのTBS新火曜ドラマは、二階堂ふみ主演のもどかしくも明るいファンタジック・ラブストーリー「Eye Love You」を放送。民放GP帯連続ドラマ史上初となる、ヒロインの相手役に韓国人俳優を迎える。本作は、目が合うと相手の心の声が聞こえてしまう“テレパス”の能力を持つ主人公が、超ストレートな年下韓国人留学生と出会い、新たな恋に踏み出していく物語。ファンタジックな恋模様を、愛とユーモアたっぷりのオリジナル脚本で描いていく。テレパス能力を持った主人公・本宮侑里を演じるのは、ハリウッドドラマ「将軍 SHOGUN」で世界進出することも決定し、国内外で活躍の場を広げている二階堂さん。そんな侑里と出会う韓国人留学生ユン・テオを演じるのは、韓国でドラマ界のライジングスターの1人と呼ばれ人気沸騰中のチェ・ジョンヒョプ。「わかっていても」では主人公に片想いする幼なじみ役が話題となり、現在韓国内で放送され視聴率急上昇中の「無人島のディーバ」(Netflixでも同時配信中)では、男性主演を好演中。今作が、日本のドラマ初出演となる。二階堂さんは「相手の方が韓国の俳優さんだと聞いてすごく興味が湧きました。チェ・ジョンヒョプさんの方が年齢的には一つ上のお兄さんなので頼れるところがたくさんありそうですし、撮影期間中に韓国の俳優さんがどんなふうにお芝居にアプローチするのかもお聞きしたいです」と話し、「侑里は、すごく繊細だけどいい意味での太さもあり、自分のやりたいことや突き進みたいことに真っすぐに向かっていく勇気がある人だと思います。私自身も応援したくなるし、等身大な姿がすごく素敵です。テオさんは包容力があって、ストレートな愛情表現をするタイプだと感じました。今まで日本のドラマにあまり登場しなかったキャラクターだと思うので、台本を読んでいたら照れてしまって、ソファに『うわー!!』ってダイブしました(笑)。このドラマは素直に誰かを思ったり、大切に思うことはすごく美しいなって、ポジティブに思えるドラマだと思います。2人の等身大の姿に共感してもらえると思いますし、彼らの物語に癒やされる時間になるといいなと思います。リラックスして見ながら、ソファやベッドにダイブしてください(笑)。ぜひお楽しみに!」とメッセージを寄せている。チェ・ジョンヒョプは「“全てが初めて”というところを見ていただきたいです。二階堂さんはビジュアル撮影のときにリードしてくれて、緊張を解いてくださる方だなと感動しました。すごく魅力的な人だなと思いました。言葉の壁はありますが、気持ちで二階堂さんと意思疎通ができるように期待をしています。今は、とにかく日本語を頑張って勉強しています。日本の撮影現場がどんなふうに進んでいくのか、そして二階堂さんとの化学反応も楽しみです!」と心境を明かしている。ある事故をきっかけにテレパス能力を持ってしまった侑里は、知りたくない他人の本音を聞いてしまい人知れず傷つくことも多く、他人の本音を知ること、自分の本音を人に見せることも怖くなり、必要以上に人と親しくならず恋をすることも諦めていた。ある日、明るく人懐っこいテオと出会い、偶然目が合ってしまうが、聞こえてきた言葉は韓国語。心の声がわからないテオとなら、諦めていた恋愛ももしかしたら…と思うようになる。「Eye Love You」は2024年1月、毎週火曜日22時~TBSにて放送予定。(シネマカフェ編集部)
2023年11月10日魔夜峰央の衝撃的コミックが、2019年にGACKT・二階堂ふみ主演により実写化され、空前の埼玉ブームを巻き起こした『翔んで埼玉』。その続編『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』が、11月23日(木・祝)に公開される。その公開に先駆け、[埼玉県民の日]の11月14日(火)に「翔んで埼玉展 -埼玉の皆様、展覧会を作ってゴメンなさい。-」を、聖地埼玉の「EJアニメミュージアム」(ところざわサクラタウン内)にて開催決定。先月の開催発表から、まさかの展覧会開催が話題となっている。この度、「翔んで埼玉展」開催決定にあたり、GACKT(麻実 麗 役)、二階堂ふみ(壇ノ浦 百美 役)のコメントが到着!さらに、展覧会の見どころ&追加情報も一挙発表です。「翔んで埼玉」初の大規模展覧会にご期待ください!■GACKT(麻実 麗 役)コメント「翔んで埼玉展」が開催される?いやいや、ダメだろ?悪ふざけにも程がある。前作はたまたまラッキーで当たっただけで、みなさん、間違ってますよー!手を引くなら今ですよー!知りませんよー!■二階堂ふみ(壇ノ浦 百美 役)コメント「翔んで埼玉2」になってから、結構羽振りのよさを感じております。 (笑)実際の美術セットなど、様々な展示物もあるようです。所沢開催とのことで聖地巡礼の一つになりますし、ぜひご来場をお待ちしています。1.「翔んで埼玉展」のみどころ公開!みどころ.1普段見られない貴重な資料が盛りだくさん!設定資料集や脚本など、ファン必見の資料を多数展示いたします。<イントロダクションエリア>この夏「お台場冒険王2023」で登場した「都会指数検定」体験のほか、ここでしか見られない映像展示も必見!<制作資料展示>脚本や企画書を通して映画「翔んで埼玉」の原点に迫るみどころ.2作中に登場した美術セットを多数展示!巨大なセットやこだわり満載の小道具も必見!<背景美術展示>美術セットの展示のほか、池袋屋上の再現を通して、劇中の世界が目の前にみどころ.3魔夜峰央先生の原作原画展示!ここでしか見られない原作名シーンを会場でご堪能ください。<会場内イメージ>エントランスエリアイントロダクション/都会指数検定体験※画像は「お台場冒険王2023」のものです。背景美術展示/池袋屋上の再現を通して劇中の世界が目の前に原作原画展示エリア<展示構成>1.イントロダクションエリア:お台場冒険王で登場した都会指数検定体験のほか、ここでしか見られない映像展示も2.制作資料展示:脚本や企画書を通して映画「翔んで埼玉」の原点に迫る3.背景美術展示:美術セットの展示のほか、池袋屋上の再現を通して、劇中の世界が目の前に4.ストーリー/小物展示5.原作原画展示6.フォトスポット2.入場者限定!オリジナルステッカーをプレゼント!チケット1枚につき、おひとつオリジナルステッカーをプレゼント!お住いの地域によって、もらえる絵柄が異なります。入場特典:オリジナルステッカー(左)お住まいが埼玉以外の方 (右)お住まいが埼玉の方※画像はイメージ※地域については自己申告制となりますので、別途証明書などの確認はございません。※入場特典はなくなり次第配布終了となります3.展覧会オリジナルグッズの販売決定!会場に来ないと手に入らない!展覧会オリジナルグッズを会場内ショップにて販売します。※上段左よりトレーディング さいたまマークBIG缶バッジ各880円(税込)トレーディング 名言アクリルキーホルダー各880円(税込)トレーディング 名言手ぬぐい各1,650円(税込)※下段左より名言Tシャツ各3,960円(税込)サイタマタトゥシール1,100円(税込)衣装モチーフタオルハンカチ各1,650円(税込)※上段左よりそこらへんの草柄ネクタイ7,700円(税込)白鵬堂学院脱着式組み分けワッペン(A~Z組)各1,430円(税込)展覧会に行ってきましたクッキー1,188円(税込)※下段左よりトレーディング ゆらゆらアクリルスタンド各990円(税込)トレーディング クリップバッジ各880円(税込)A3クリアポスター各1,100円(税込)複製原稿各1,320円(税込)※商品画像はイメージです。4.角川食堂コラボが決定ところざわサクラタウン 3階「角川食堂」で「翔んで埼玉展」コラボメニューが決定!ご注文1品ごとに「オリジナル名台詞コースター」(全6種類)をランダムで1枚プレゼント!(右)埼玉カレーさといも、ゼリーフライ(おから、じゃが芋、玉ねぎ、人参、調味料)、スパイス(左)大阪カレー牛すじ、生姜、玉ねぎ、にんにく、カブ、白味噌をメインとした調味料、スパイスメニュー名:東西対決あいがけカレー販売価格:平日1500円(税込) 休日ドリンク付きセットにて1900円(税込)ところざわサクラタウン 3階「角川食堂」では、「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」をイメージした「東西対決風のあいがけカレー」を販売します。名物ゼリーフライやさといもを使用した埼玉風カレー、大阪の郷土料理どて焼きを白味噌で煮込んだ関西風カレーそれぞれの旨味がせめぎ合った一皿を是非お楽しみください。ご注文1品毎に「オリジナル名台詞コースター」(全6種)をランダムで1枚プレゼント!「オリジナル名台詞コースター」(全6種)(左)表面 (右)裏面※画像はイメージです。実際の商品とは異なる場合がございます。※メニュー、特典共に無くなり次第終了【販売店舗情報】店舗名:角川食堂(ところざわサクラタウン3F)営業時間:11:00~17:00(16:00 LO)店休日:第1・3・5火曜日(祝日の場合は営業、翌日休み)コラボ実施期間:2023年11月14日(火) ~ 12月30日(土)5.『翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜』ムビチケ前売券(オンライン)&「翔んで埼玉展」入場券セット販売決定!『翔んで埼玉~琵琶湖より愛を込めて~』(11月23日(金)公開)のムビチケ前売券(オンライン)と、『翔んで埼玉展 -埼玉の皆様、展覧会を作ってゴメンなさい。-』(11月14日(火)開幕)の入場券がセットになった、ムビチケバンドルチケットの販売が決定!【ムビチケバンドルチケット情報】■販売期間1.「翔んで埼玉展 前売券付き」:10/20(金)正午~11/13(月)2.「翔んで埼玉展 当日券付き」:11/14(火)~11/22(木)■販売価格1.「翔んで埼玉展前売入場券セット券」:2,700円(税込)2.「翔んで埼玉展当日入場券セット券」:2,900円(税込)■ムビチケウェブサイト 6.<グッズ付きチケット特典>口が埼玉になる!?マスクセット画像公開!!ついに!《グッズ付きチケット特典》口が埼玉になる!?マスクセットの画像が公開となりました!映画「翔んで埼玉」の名台詞である「埼玉なんて言ってるだけで、口が埼玉になるわ!」から着想を得て様々なサイズの埼玉県のシルエットが色々な角度に、全面にプリントされたマスクと、マルチケースがセットになったまさしく「口が埼玉になる」数量限定グッズとなります。開催概要■イベントタイトル 翔んで埼玉展 -埼玉の皆様、展覧会を作ってゴメンなさい。-■会期 2023年11月14日(火)~2024年1月14日(日)※休館日:第1、3、5火曜日※最新情報は角川武蔵野ミュージアムホームぺージをご覧ください■開催時間 10:00~18:00(入場は閉場の30分前まで)■会場 EJアニメミュージアム(ところざわサクラタウン内)住所:〒359-0023 埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3ところざわサクラタウン 角川武蔵野ミュージアム3F交通 電車:JR武蔵野線「東所沢」駅から徒歩約10分車:関越自動車道「所沢」ICから約8分■入場料:【前売券】一般1,300円 / グッズ付き3,300円【当日券】一般1,500円 / グッズ付き3,500円※すべて税込/日時指定なし/未就学児無料■公式サイトURL ■公式X(旧twitter)アカウント@EJ_AnimeMuseum■イベント問合わせ先 KADOKAWAカスタマーサポート ■主催 翔んで埼玉展 実行委員会■特別協力 映画「翔んで埼玉」製作委員会、埼玉新聞社、株式会社ムービーウォーカー■後援 埼玉県、所沢市チケット情報すべて税込/日時指定なし/未就学児無料■前売券 絶賛発売中!一般1,300円/グッズ付き3,300円◇販売期間:2023年9月23日(土) 10:00 ~ 2023年11月13日(月) 23:59◇販売場所:ローソンチケットURL: (Lコード:35649)■当日券一般1,500円/グッズ付き3,500円◇販売期間:会期中◇販売場所:上記ローソンチケットおよび角川武蔵野ミュージアム2F総合インフォメーション<グッズ付きチケット特典>口が埼玉になる!?マスクセット(数量限定) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年10月26日映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』(11月23日公開)のレッドカーペットイベントが24日に都内で行われ、GACKT、二階堂ふみ、杏、片岡愛之助、藤原紀香、川崎麻世(※崎はたつさき)、加藤諒、益若つばさ、和久井映見、アキラ100%、朝日奈央、武内英樹監督が登壇した。同作は『パタリロ!』などで知られる魔夜峰央が1982年に発表した作品で、2015年に復刊されたことをきっかけに、テレビ番組、SNS、インターネットなどメディアで多数取り上げられ、大反響を呼んだ。埼玉県民が東京都民からひどい迫害を受けている世界で、東京都知事の息子・壇ノ浦百美(二階堂)と、アメリカ帰りの謎の転校生・麻実麗(GACKT)の活躍を描く。○■GACKTと二階堂ふみ、『翔んで埼玉』続編に反対続編について「最後の最後まで反対していました」というGACKT。「この豪華なキャストのリストを見せられて『もう逃げられませんよ』と最後の出演依頼をつきつけられて、『ふみちゃんはどう言ってるの?』と聞いたら、『やめましょう』と言ってるって。そんな思いの中から本当にどんな作品になるのか心配だったんですけど、監督を信じるしかない現場の中で最後までやらせていただきました」と振り返り、最終的には「この時代に必要な作品になったんじゃないかと思います」と自信を見せる。二階堂も「本当に私もGACKTさんも『やめた方がいいんじゃないか』とずっと話してたんですけど、こうやって本当に面白い作品が完成して」と同意。「世界中でいろんなことが起きていて、ロナもあって大変なことがいろいろ続いてきた中で、ただ楽しんでいただいて、それでいて自分のルーツであったり土地、郷土愛を再確認できるすごくいい作品になっているんじゃないかなと思います」とアピールした。GACKTは「多くの埼玉の方たちも含め、全国でこれだけのファンが待っているということをずっと聞いていて、残念な報告なんですけど、この作品にはかなり際どいパクり疑惑がたくさんあります」と告白し、周囲を笑わせる。「僕の予想では、しばらく経ってから公開中止になるんじゃないかな。永久追放になる可能性のある作品なので、ぜひ早めに劇場に仲間や家族お方たちを誘って、『あれが永久追放になった作品だよ』と、観た人だけの心に残る作品になってくれると嬉しいなとは思ってます」と語った。
2023年10月24日大阪のコーポに流れ着いた訳ありな住人たちを描く映画『コーポ・ア・コーポ』より、住人たちの人情味溢れる場面写真が公開された。解禁された場面写真では、馬場ふみかが演じる主人公・辰巳ユリや、東出昌大、倉悠貴、笹野高史ら演じる「コーポ」の個性豊かな住人が、コーポの入口で和む4ショットやをはじめ、女性と相合傘をして口説く男・中条紘(東出さん)、日雇い労働者・石田鉄平(倉さん)が女子大生・高橋(北村優衣)を口説こうとする様子が切り取られている。いかがわしい商売をやっているような宮地友三(笹野さん)、スカジャンに金髪ロングのユリが、弟(前田旺志郎)と公園で話し込む姿、猫を抱えて驚くシーンも登場。大阪の安アパートは、実際に住人がいるアパートで撮影されており、そんな温かな人情味を感じさせる佇まいに、少し覗いてみたくなるような雰囲気が醸し出されている。さらに今回、公開記念として舞台挨拶の実施が決定。大阪と東京で実施される今回の舞台挨拶は、10月21日(土)12時より、ローソンチケットにてプレリク先行(抽選)が行われる。『コーポ・ア・コーポ』は11月17日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:コーポ・ア・コーポ 2023年11月17日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開©︎ジーオーティー/岩浪れんじ
2023年10月20日映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』(11月23日公開)の「謝罪」表敬会見が都内で行われ、二階堂ふみ、加藤諒、武内英樹監督、埼玉県 大野元裕知事、滋賀県 三日月大造知事が登壇した。同作は『パタリロ!』などで知られる魔夜峰央が1982年に発表した作品で、2015年に復刊されたことをきっかけに、テレビ番組、SNS、インターネットなどメディアで多数取り上げられ、大反響を呼んだ。埼玉県民が東京都民からひどい迫害を受けている世界で、東京都知事の息子・壇ノ浦百美(二階堂)と、アメリカ帰りの謎の転校生・麻実麗(GACKT)の活躍を描く。○■二階堂ふみ、埼玉・滋賀両県知事からのコメントに申し訳ない表情パンツスタイルの衣装で登場した二階堂は、武内監督の「また続編を作ってしまい申し訳ありませんでした」という謝罪に合わせて埼玉県の大野知事に深々とお辞儀。続けて滋賀県の三日月知事にも「巻き込んでしまい、申し訳ございませんでした」と頭を下げた。改めて二階堂は「大野知事、三日月知事、お忙しいなか、このような茶番に付き合っていただきありがとうございます。そして申し訳ありません!」とコメントし、笑いを誘っていた。続編が制作されたことについて二階堂は、「この作品を作る前から撮影とかで埼玉にはお世話になることが多かったので、いつもお世話になっている埼玉の方々に申し訳ないなという気持ちもあった」と振り返る。しかし、前作は埼玉でも大ヒットを記録しており、二階堂もその影響を身をもって体感したそうで「街を歩いていたら声をかけていただいて、『私、埼玉出身なんです』と言っていただけた。私は埼玉代表のような気持ちになっております」と反響を明かした。また、今回巻き込まれる形で登場する滋賀の魅力について聞かれると、二階堂は「私は『探偵ナイトスクープ』がすごく好きで……番組内でよく出ていた南郷水産センターと美富士食堂にはずっと行きたいなと思っておりまして、今回のキャンペーンで行けないかなと思っています」と具体的に解答。これを聞いた三日月知事も「ぜひご案内しますよ!」と笑顔を見せていた。
2023年10月19日女優でモデルの馬場ふみかが登場する、ファッションブランド『SNIDEL』の新作コレクション「2023 Winter Collection PRE ORDER Starring FUMIKA BABA」が2日、オフィシャルオンラインストアおよびUSAGI ONLINE、MASH STOREアプリで公開された。今回公開されたコレクションでは、馬場が気分が華やぐラメやスパンコール、思わず触れたくなる柔らかなファーアイテムなど、冬の訪れを感じる最新LOOKを紹介。色彩豊かなラインアップや、柔らかくふっくらとした素材など見心地、着心地のいい服など、透き通った冬の空気の中でくすみ感のあるミントグリーンやピンク、イエローなど乙女心をくすぐる、ミュートカラーが際立つアイテムになっている。なお、同コレクションのアイテムは4日(12:00~)より先行予約が開始される。
2023年10月03日GACKTと二階堂ふみがW主演を務める、映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』(11月23日公開)の場面写真が29日、公開された。同作は『パタリロ!』などで知られる魔夜峰央が1982年に発表した作品で、2015年に復刊されたことをきっかけに、テレビ番組、SNS、インターネットなどメディアで多数取り上げられ、大反響を呼んだ。埼玉県民が東京都民からひどい迫害を受けている世界で、東京都知事の息子・壇ノ浦百美(二階堂)と、アメリカ帰りの謎の転校生・麻実麗(GACKT)の活躍を描く。場面写真では「埼玉に海を作る!」と高らかに宣言し、白浜の美しい砂を求め、未開の地・和歌山へと船を進める麗率いる埼玉解放戦線の姿が。そのバックにはかつてしのぎを削った千葉解放戦線の姿もあり、新たな冒険の始まりを感じさせる。対して関西では関西一帯を牛耳り日本全土を大阪化しようと企む大阪府知事・嘉祥寺晃や、神戸市長(藤原紀香)、京都市長(川崎麻世)から成るキャラ濃いヴィラン軍団が仁王立ち。また、かつて東京から虐げられていた埼玉と同じく、ゲジゲジと揶揄され関西地方で今なお非道な迫害を受ける滋賀の解放戦線リーダー・桔梗魁(杏)、近江美湖(堀田真由)、近江晴樹(くっきー!)ら解放戦線員の姿に加え、滋賀が誇る「とびだしとび太」のワンショットも。先日解禁された本予告映像でも急接近する様子が話題となった麗と桔梗の意味ありげな2ショットと、受話器を耳に絶望の表情を浮かべる百美の姿から、三角関係勃発の兆しが見てとれる。(C)2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会
2023年09月29日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年7月スタートのテレビドラマ『VIVANT』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。別班の乃木憂助(堺雅人)と公安の野崎守(阿部寛)が所属する組織を超えて力を合わせたように、組織という境界線は超えられる。そして乃木と黒須駿(松坂桃李)の別班の二人と、テントの面々がフローライトの採掘権を得るために力を合わせたように、イデオロギーという境界線も超えられる。野崎とドラム(富栄ドラム)の二人が、国を超えて深い信頼で結ばれているように、もちろん人種や国も超えられる。人が最も超えられないものは、克服しがたいものは何か。愛する人を理不尽に奪われた憎悪の火だけは、長い時間が過ぎても、あるいは他の幸せをもってしても、消しさることが出来ないのかもしれない。この名作ドラマの最終回に、そんなことを考えていた。壮大なロケ映像、豪華な配役、そして毎回ジェットコースターのような先の読めないストーリーで、視聴者の熱い考察を社会現象にまで押し上げた『VIVANT』(TBS系日曜21時)。17日の最終話で、激動の物語はテロ組織テントの解体と父子の別離という結末に着地した。最終回まで俯瞰しても、物語の大半で誰が味方で誰が敵か分からない、登場人物それぞれがどんな信念で行動しているのか分からない、独特の混沌とした物語だったが、それがこのドラマの良さそのものだったように思う。内通者は容赦なく処刑するダーティな部分を持つ主人公、無差別に人を殺傷するテロリストでありながら多くの戦災孤児を養ってきた主人公の父。偶然知りあった男が法の支配を無視した危険な存在だと知りながらも魅せられて追う公安の刑事、汚職や賄賂の横行するバルカで清濁を併せ持ちながら警察官として生き抜く男。いわば完全に白い善もなければ、完全に黒い悪もまた存在しないという物語だった。誰かの悪が誰かの善になり、その逆もあるという世界だからこそ、それならばせめて己の信念を貫け、ブレるな、一度信じたものを裏切るなというメッセージがより鮮やかに、随所に発信されていた。今作は、公安・別班といった組織を舞台にスパイアクションを基調にしながらも、同時に経済ドラマとしての側面も色濃く持っている。最終話もテントとバルカ政府のフローライトの採掘権を巡る契約の攻防戦がじっくりと描かれ、それがテロ組織解体への道筋となった。単純なアクションドラマに収まらないそのテイストは、テレビドラマ『半沢直樹』(2013年・2020年)、『下町ロケット』(2015年・2018年)、『ノーサイド・ゲーム』(2019年)といった、日曜劇場で数多の大勝負と金勘定を描いてきた福澤克雄作品らしいダイナミックな味わいだった。最終話でとりわけ記憶に残るシーンがある。日本に移送された後ノゴーン・ベキ(役所広司)が脱走し、動揺して問い詰める乃木にノコル(二宮和也)が呟くように言った言葉である。「憎しみは喜びで消えるほど簡単なことではなかった」と、愛する父が抱えたままの憎悪をノコルは「寂しいことだよ」と評して言う。彼にとって、それは悲しいことではなくて寂しいことなのである。失った本当の家族の写真を横目に、自分が義父の憎しみを消せるだけの喜びになりたいと願い続け、それが最後まで叶わなかった青年の孤独な長い年月が透けてみえる言葉である。血の繋がった実の息子は父の愛を確かめたのち、再びその存在すら認められない闇の組織で生きる道に戻っていく。日焼けすらかなわぬほどに大切に育てられたもう一人の息子は父と別れ、国を背負う大企業のトップとして陽のあたる道で生きていく。その鮮やかな交錯は、柔和な笑顔の奥に毅然とした覚悟を秘めた堺雅人と、頑なな孤独の中に繊細な愛情を秘めた二宮和也、二人の緻密な演技があってこそ描きだせたものだと思う。今作では、親しみの持てる容姿や表情が可愛らしくも頼りがいのある相棒・ドラムを演じた富栄ドラムや、登場時は憎々しい敵でありながら、次第にそのコワモテぶりが素敵に見えてくる警察官チンギスを演じたバルサラハガバ・バトボルドといった新しい魅力的な俳優を見られたことも大きな楽しみの一つになった。とりわけチンギスは、少年漫画の熱血ライバルのように、その兄貴然とした魅力に筆者も含め多くの視聴者が魅了された。まだまだ世界には、沢山の『格好いい』があるのだと思うと、それだけでも楽しい。物語は、乃木がノゴーン・ベキと彼に付き従うバトラカ(林泰文)、ピヨ(吉原光夫)の三人を銃で撃ち、ベキの死を弟のノコルに報告し、そして乃木が薫(二階堂ふみ)とジャミーン(ナンディン・エルデネ・ホンゴルズラ)の元に帰ってくるところで終わる。ただし、乃木からノコルに伝えられた、「徳のある人物は報いられる」という意味深な書経の一節、そして「花を手向けるのはもう少し先」という乃木の不自然な言葉、更には火事で確かめられない遺体。これらはどうやら一つの仮定を指していると思うが、今それを確かめるすべはない。ぜひ今後その真意を知ることのできる機会があることを願う。幸い製作サイドから続編への前向きな言葉が出ているが、決め手は視聴者からの要望次第とのこと。改めて、「超希望!超希望!」という続編への熱烈なエールで締めたいと思う。再び視聴者が、乃木憂助とF、野崎、薫、ジャミーン、ドラム、ノコル、そして偉大なるベキに会える日が来ますように。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年09月20日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年7月スタートのテレビドラマ『VIVANT』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。その『もう一人の彼』は、孤独な幼児が社会や人々の仕打ちに絶望して、「もう消えてしまいたい」と願った瞬間に現れた。そして死の危機にある砂漠、片思いの女性とうまく話せない病院の待合室、テロリストの父を殺すという運命に悩むホテルの一室、それぞれで現れて彼を強く励ました。いつも口調は荒っぽいが、乃木憂助(堺雅人)の心にあるもう一人の人格Fは、無意識の生への執念そのものなのかもしれない。乃木はFに手を焼きながら、最後にはFの言いたいことを言わせ、あるいは二人で対話してきた。その乃木が最後までFを抑え込んで同意しなかったのは、父に自分の嘘を告白した瞬間だった。思えばFは「消えたい」と願った幼い乃木に、「もっと強くなろう、強くなりたいならミリタリースクールに行くんだ」と言った。幼い二人の間で強くなるということが、強靱な体を持つこと、銃や武器を使い他者の暴力を凌駕する力を得ることだとしたら、それは幼心に残る残酷な経験がそう発想させたのだろうか。それを思うと切なくなる。もうこれは社会現象と言ってもいいだろう。日曜の放送直後から一週間、途切れることなく考察がSNSを賑わせ、次回が待ち遠しいと多くの人が日曜を待ち望む『VIVANT』(TBS系日曜21時)。最終回を一週間後に控え、9話では乃木憂助の父にしてテロリストの指導者、ノゴーン・ベキ(役所広司・回想シーンは林遣都)の過去とテロ組織テントの最終的な目的が明らかになる。父の晩餐に訪れた憂助に語られたのは、祖国に捨てられ、大切な息子を奪われ、愛する妻を拷問の果てに死なせた男の、絶望という言葉でも表せない凄惨な日々だった。だが、全て失い一度は魂が死んだ男は、一人の赤子との出会いで生きる理由を得る。自分を救ってくれた仲間と、託された赤子、つまりノコル(二宮和也)のために、ノゴーン・ベキはテロ集団テントの指導者として武装と暴力の世界に身を投じたのだった。若き日のノゴーン・ベキ、乃木卓を演じるのは林遣都。妻の乃木明美は高梨臨が演じ、祖国から遠く離れた地で国に見捨てられた若い夫婦の悲しい運命を描きだす。とりわけ、殺さねば殺されるだけなのだと強盗団相手に迷いなく銃を撃ち続ける林遣都の、覚悟の表情は鳥肌がたつほどに美しかった。それにしても、なぜノゴーン・ベキは乃木の重さを正確に当てる能力を知ったその時に、黒須の殺害未遂時の銃弾の残数で、別班としての任務を放棄していない息子の真意に気づきながら乃木を息子として組織に迎え入れたのか。そして乃木自身も、父に勘付かれていると察しつつ、なぜテントのために巨額の資金調達を申し出たのか。あくまで推測ではあるけれども、ベキは愛する息子に祖国への恨みも水に流し、子供達に飢えのない安全な居場所を作ろうとしている父としての一時がほしかったのかもしれない。そして乃木もまた、ただ立派な父を慕い、父のためにその優れた能力を発揮する孝行息子として生きる一時が欲しかったのかもしれない。息子が別班、つまり敵としてここに来たと気づき、息子は父に気づかれたことを気づき、タイムリミットは遠くないと察した二人が、それぞれに「そうありたかった人生」を演じたのではないかと思うのだ。父が失った息子を想い、全ての子が脅かされずに生きられる楽園を作ろうと決めたとき、その失われた息子は、力と武器がなければこの世界を生き抜けないと決意していた。なんと皮肉なことかと思う。乃木が「美しき我が国」と呼ぶ日本を、ノゴーン・ベキは「私の知る日本は、友人隣人を大切にし、助け合いのこころを持つ慈しみ深い国だった」と語る。その過去形の言葉の影に、「もはや私の知らない日本」を感じ取るのは、うがち過ぎた見方だろうか。そして今はその名を捨てた乃木卓という男は、はたして苦悶と共に死んだ妻の最期の一息となった「復讐して」という言葉をなかったことにできる男だろうか。全ての謎と人々の運命を巻き込み、まるで滝に落ちる直前の川のように物語は激流となる。希代の名作テレビドラマは、次週ついに決着する。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年09月13日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年7月スタートのテレビドラマ『VIVANT』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。主人公・乃木憂助(堺雅人)が言う『美しき我が国』が内包する、非合法で暴力的組織の別班と、憂助の父・ノゴーン・ベキ(役所広司)率いるテロの請負組織テントが作り上げる子供たちのための清らかな楽園。かたや美しいものを守るために自らは汚れ、かたや汚れた社会から吸い上げた富で楽園を生む。互いの清濁が照らしあうそのさまは対称的だ。後半に入っても中だるみなどどこふく風で、話題性も視聴者の考察も熱を増す一方の『VIVANT』(TBS系日曜21時)。8話、ついに乃木は生き別れの父が率いる謎のテロ組織テントの本拠地にたどり着く。しかし、そこにたどり着くために彼が差し出したものはあまりにも大きかった。別班の同僚たちを裏切り、祖国を捨ててたどり着いた父のもとで虜囚として扱われる乃木だが、工作員として鍛え上げた能力が父との対話の道を開く。そこで乃木が見たのは、無差別にテロや暗殺を繰り返すテントという組織の、驚くべき実態と目的だった。ここまでに恐るべきは、そもそも主人公・乃木憂助の行動原理が分からない。その上多くの主要人物の正体もよく分からない。いまだ幾つかの伏線も回収されていない、これだけないない尽くしでありながら、圧倒的にこのドラマは分かりやすいのである。考察をしないでストーリーの流れに沿って楽しみたい視聴者も、繰り返し見て考察を楽しみたい視聴者も、それぞれのアプローチで十分に楽しめる作りになっている。8話もテントというテロ組織の暴力性と奇妙な潔癖さ、その二面性を描き出すのに、損益計算書や施設の経費といった数字と、工作員である乃木の突出した分析力を組み合わせて分かりやすく見せていた。米を横領する養護施設長に、『TEAM NACS』の音尾琢真を配するという、つくづく豪華な布陣だ。これぞ伝統のTBS日曜劇場が積み上げてきたノウハウといった趣きである。今回、指導者ノゴーン・ベキの右腕として寄り添う息子のノコル(二宮和也)が、本格的に登場して乃木と相対する。血の繋がらない息子と、突如現れた死んだはずの実の息子。二宮和也と堺雅人という、まさに今が円熟の俳優二人が、その複雑な距離感を隅々まで神経の行き届いた演技で表現している。DNA鑑定の結果を知り、鉄格子を挟んで向かい合い絶句する父と息子、それを心許なげな表情で凝視するノコルの場面は、冷たい水が溢れるような哀しい情感に満ちていた。主人公が追う敵の幹部が親であるというストーリー自体は定石とも言えるが、今作は、その父親であるノゴーン・ベキの複雑な潔癖さが印象に残る。オマージュとして共通項が指摘されている『スター・ウォーズトリロジー』はその最たる作品である。どんなに組織に役立つ人物でも、横領をはたらき私腹を肥やす者には非情な処分を下す。一方で情報漏洩という重大な裏切りを犯した者でも、そこに至るまでに組織への誠意が感じられるなら許す。乃木に対しても、同僚を裏切ってでも息子が会いに来た喜びよりも、息子が自分を用心深く欺きながらも根底では信念を貫いていることを評価しているかのようだ。遠い過去に母国から捨てられ、妻子を失った男は何を恨み、何を理想としているのか。それは残り少ない物語の中で、きっと明らかになるのだろう。常に不安定で見通しのきかないストーリーの中で、一つだけ、これは確かだと感じることがある。それは、乃木がジャミーン(ナンディン-エルデネ・ホンゴルズラ)と柚木薫(二階堂ふみ)に向ける温かな愛情だ。その愛情の帰結として、もう会わない覚悟とともに乃木が薫に自宅を託したのなら、それは大切な人たちが暮らすその場所を、自分が守るという強い願いではないかと思うのだ。乃木は、きっとぎりぎりの境界線の上でたった一人で戦っている、そう思いたい。次回は特番含めて怒濤の4時間弱の放送が決定している。滅多に見られない、エンターテイメントが生み出す祭りの熱狂を最後まで存分に楽しみ尽くしたいと思う。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年09月06日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年7月スタートのテレビドラマ『VIVANT』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。またしてもやられた。呆然と天を仰ぐ、そんなラストの10分だった。この作品の主人公・乃木憂助(堺雅人)が自分の出自をめぐり揺らいでいる人物だということは分かっていたし、テロ組織の指導者である父親を敵視する一方で、子供のように会いたがっているということも分かっていた。それでも、まさかここまで残酷な方法で同僚を裏切るとは予想できなかった。何となく『そう』だとわかっていたけれども、手段が想定外に過激だったというのは、山本(迫田孝也)を処刑した衝撃と同じものだった。そんな、一つ飛び越えた安堵の直後に深い穴に視聴者を落とすような、このドラマの巧みさには本当にうなるばかりである。ドラマ後半に入り、話題性もドラマ放送後の考察も熱く盛り上がっている『VIVANT』(TBS系日曜21時)。7話、ついに乃木憂助と別班の面々は、バルカで謎のテロ組織・テントに接触する。別班としての命がけの作戦を前に、乃木は手術後のジャミーン(ナンディン-エルデネ・ホンゴルズラ)を見舞い、愛する柚木薫(二階堂ふみ)と一時の逢瀬を果たす。それは切なくも微笑ましいシーンなのだが、どこかしら不可解さも見え隠れする。大切な恋人の姿を手元に残したい気持ちは理解出来る一方で、なぜ唐突に目玉焼きを焼いている横顔を撮るのか引っかかりが残る。さらに穿った目で見れば、「抱きしめてもいいですか」と尋ね、乃木が薫を抱きしめた時も、キスの後に初めてなんですとしみじみ呟いた時も、それは初めての恋に感極まった男の表情といえばそうなのだが、微妙な間はまるで何かに気づいてしまった表情にも見える。それでもジャミーンと薫は、国家が家族だと思いながら任務を遂行してきた乃木にとって、初めて具体的に守りたいと願った対象であり、帰る場所でもある。見え隠れしている薫に関する疑念が、どうかミスリードで杞憂であってほしいと願う。そして今回、これまでは名前も明かされず、登場場面も少なかったノゴーン・ベキの息子、ノコル(二宮和也)が本格的に登場する。取引に出発する前、「何があってもノコルに犯罪歴をつけさせるな」というテント幹部の言葉が印象に残った。その一言で、彼が組織にとって大切な御曹司なのだとわかる。まだセリフは少ないノコルだが、眉間にシワを寄せた表情や神経質な振る舞いから、どこか満たされていない、憂いをまとった青年を二宮和也がその演技力で繊細に表現している。血縁の有無はまだ分からないが、ベキが家族の写真を見る横顔を黙って見つめている表情からも、そして乃木が「自分はベキの息子だ」と叫んだ瞬間に咄嗟に銃を弾いた判断からも、ノコルがベキの『本当の息子』に複雑で少なくない感情を抱いているのは間違いない。遙か過去に生き別れた本当の息子と組織を継ぐべく運命づけられたもう一人の息子。その対峙がどんなものになるか、そこにあるのは協力関係か敵対か、それは来週明らかになるだろう。今回のラスト、乃木は別班の同僚四人を射殺し、黒須(松坂桃李)には重傷を負わせ、テント側に寝返る。乃木の最終的な目的は何なのか、どこまでの覚悟で国を裏切っているのか、それともその裏切り自体が別班としてフェイクなのか、憎らしいほどに先は読めない。しかし、相手の言動を互いに信じられないと熟知した上で、乃木は公安の野崎(阿部寛)に何かを託し、野崎は乃木の人生の幸福を守ろうとしている。信じられない立場の相手でも自らの信念に従い、託し守ろうとする互いの思いと、乃木が機内で野崎に託した「あなたは鶏群の一鶴、眼光紙背に徹す」という熱い言葉が、暗転した物語を照らす微かな灯火である。何もかもが怪しく、登場人物の誰も信用できないという、とてつもないドラマではあるけれども、確実に信じていいことが少なくとも一つはある。このドラマに賭ける私たちの期待はきっと裏切られない。物語はクライマックスに駆け上がっていく。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年08月30日「2月上旬に始まった『VIVANT』の撮影は現在、佳境に入っているそうです。モンゴル、島根、愛知を巡って撮影してきた異例の長期ロケですが、放送回を重ねるごとに世間の注目度が上がっており、出演者とスタッフは一層気合が入っているのだとか」(テレビ局関係者)高視聴率を連発する人気ドラマ『VIVANT』(TBS系)。同作で主演を務めているのが堺雅人(49)だ。第1話冒頭の堺演じる乃木憂助が、広大な砂漠を彷徨う印象的なシーンなどを撮影するために行われた2カ月半に及ぶモンゴルロケ。総移動距離が1万キロメートルに及ぶ過酷な撮影であったが、堺にとっては楽しい日々だったようだ。芸能関係者が明かす。「モンゴル料理の多くで羊肉が使われています。ほとんどの出演者たちは、その独特のくさみに苦戦していたそうです。しかし堺さんだけは初日からモンゴル料理にハマって、時間を見つけては現地の人が食べに行くようなローカルな食堂に足を運んでいたと聞いています。堺さんおすすめの食堂に阿部さんも訪れたそうですが、舌に合わなかったのだとか。帰国後、堺さんは日本で肉を食べて、『味がしない』と嘆いていたといいます」モンゴル料理のなかでも堺はある食材が特に気に入っていたという。前出の芸能関係者は続ける。「羊や牛、馬の乳から作る乾燥した酸味のあるチーズのアーロールを好んで食べていました。砂糖が入っていないものが特に好みだったのだとか。乾燥でうま味が凝縮しているため、嚙めば嚙むほどうま味が出てくるそうです。これは阿部さんの口にも合ったといいます。堺さんは『これなしではいられない』と言い、現地で5キロほど食べ、さらに5キロ買って日本に帰ってきたそうです」■松坂が出演を熱望したわけそんな堺と作中でタッグを組むのは、松坂桃李(34)。第4話では堺を“先輩”と呼ぶことで正体を明かし、視聴者に衝撃を与えた。そんな松坂が今回、キャスティングされたのには裏事情がーー。「松坂さんは、役所広司さん(67)との共演を熱望し、マネージャーを通じて『どんな役でもいいので、出演できないですか?』と強く要望したそうです。’18年に役所さんの主演映画『孤狼の血』で共演して以来、師匠として慕っているのだとか。同作内で役所さんが使用していたライターを松坂さんは譲り受けて、肌身離さず持ち歩き、モンゴルにも持っていったと聞いています」(映画関係者)’21年8月に本誌のインタビューで、松坂は役所にもらったライターへの“愛”を明かしている。《常にかばんに入れて持ち歩いていました。たまにオイルを足したり、火を付けてみたりして》役所と対峙する役柄で出演しているのが阿部寛(59)。第1話では、長身を生かしたダイナミックな動きで、並んだ車の上を走りながら次々と飛び移っていき、手に汗握る激しい逃走シーンを演じた。60歳を目前に控えても軽快なアクションをこなすことができるのには理由が。「阿部さんはジムに通い、スクワットや1日50回の懸垂など、過酷な筋トレを欠かさないそうです」(前出・テレビ局関係者)その理由を自著で明かしている。《時代劇にしろハードボイルドにしろ、男優にはアクションシーンは不可欠。そのためにも身体を鍛えておかなければならない》(『アベちゃんの悲劇』)そんな阿部が強靭な体作りに挑むにあたって、多いときは「1日に4本食べる」ものがあるという。《焼き芋、好きです(笑)。(中略)見つけると思わず買っている(笑)。栄養豊富で、太るわけでもないらしいしね》(「OurAge」’22年8月23日掲載)■管理栄養士が語るさつまいもの効能栄養豊富な焼き芋は筋トレとも相性がよいのだろうか。「さつまいもは脂質やGI値が低く、食物繊維やカリウム、ビタミンCが多く含まれており、ボディメーク向けの食材といえますね。特にビタミンCは、筋トレで負荷がかかった体の回復と筋肉量の維持に役立ちます」(管理栄養士)命がけのアクションに挑むために鍛錬を続ける阿部。作中で医師を演じる二階堂ふみ(28)は、モンゴルの地で、命を守るために奮闘していたーー。「馬糞を燃やしていたそうです。モンゴルでは家畜の糞を乾かして、虫よけにします。このことを知った二階堂さんは阿部さんなど共演者らに馬糞を配って回ったといいます。異国の地で虫に刺され、感染症に罹患すると処置が遅れ、命の危機に瀕することもありますからね」(前出・芸能関係者)馬糞を燃やすことで別な発見もあったようだ。8月6日に番組HPで公開されたインタビューコメントで、二階堂はこう語っていた。《馬糞がすごくいい香りがすることに驚きました。遊牧民の方に教えていただいたのですが「馬糞の香りを嗅ぐと故郷を思い出す」と、モンゴルの歌や詩の一節にもあるぐらい生活に根付いた知恵なのだそうです》撮影が始まったばかりの2月中旬。本誌は東京・神田明神で『VIVANT』のロケに臨む堺を目撃した。白いモンゴルの服に身を包み、拝殿に向かって手を合わせていた。「一流の俳優を集め、1話1億円という多額の制作費をかけて制作される作品で主演を務めるに際し、成功を心から祈ったといいます」(映像制作関係者)座長・堺に率いられ、『VIVANT』の衝撃展開はまだまだ続きそうだーー。
2023年08月26日6週連続で新情報を公開中の映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』。この度、その第3弾として、また新たなキャストが発表された。今回新たに明らかになったのは、東西対決のカギを握る、強烈な京阪神の新キャラクターたち。ハイカラな街・神戸を率いる妖艶な神戸市長を藤原紀香、京都に絶対的な誇りを持つ雅な京都市長を川崎麻世(正しくは、「崎」は「たつさき」)、通行手形制度と謎の施設・甲子園を用いて関西圏を牛耳る嘉祥寺晃(片岡愛之助)の母であり、首都を大阪に置く「大阪都構想」を企てていた元大阪府知事をモモコ(ハイヒール)、建前の奥に強烈な本音をひた隠す京都の女将をサスペンス界の重鎮・山村紅葉が演じる。そんな強烈キャラが登場する映像も到着。神戸市長が「ダ埼玉の連中ごときが、何ができるんやろか」と茶目っ気たっぷりに埼玉ディスを披露したり、京都市長が東西の全面戦争を楽しんだり。女将が前作での百美の名セリフを彷彿とさせる、「そこら辺の害虫でも食べといたら宜しッ!」と本音をぶちまける衝撃シーンも見られる。夫・片岡愛之助と夫婦役での共演が実現した藤原さんは、「まさかの夫婦役!“壮大、かつ大真面目に郷土愛へ向き合う志の高い映画”を作ろうとしている前作からの製作陣、キャスト陣に感銘を受け、威風堂々たるこの茶番劇に忠実、かつ真摯に乗っかってみようと決意しました」とふり返り、川崎さんは「関西出身の片岡愛之助さん、藤原紀香さんと楽しく滋賀・和歌山・奈良のみなさんをディスらせていただきました。この3人の空気感がぜひスクリーンを通してお届けできればと思います。ぜひお楽しみください」とメッセージ。モモコさんは「演じた元大阪府知事は、『大阪を首都にしたい』という野望を持ち、まさに私にピッタリの役でした」と話し、山村さんは「これはフィクションでエンターテインメントですからね。京都の方みんなが私の演じた女将のような人ではありませんよ。あれが私の本当の姿だと思ってもらえたのなら、それは私の演技力だということで(笑)」と呼びかけている。そしてキャスト発表と合わせて、華麗でド派手な見た目とは裏腹に、醜悪なオーラが感じられるキャラクターポスタービジュアルも到着した。『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』は11月23日(木・祝)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~ 2023年11月23日より公開©2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会
2023年08月24日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年7月スタートのテレビドラマ『VIVANT』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。「そんな人でも僕の父親だ」「息子だとわかれば愛してくれるかもしれない」と乃木憂助(堺雅人)が叫んだ表情は、出世に縁のない冴えない男とも、別班としての冷徹な顔とも違って、傷ついた少年のようだった。その叫びに対するもう一人の乃木、Fもまたいつも以上に感情的だった。工作員として他人の心理を操るスキルとはまた別に、乃木の中にある情動は、Fという分身を生み出した孤独な少年の頃のまま止まっているのかもしれないと思った。ドラマ全体の折り返しを回って、更に視聴率を上げ、ネットでの考察も熱を増している『VIVANT』(TBS系日曜21時)。6話ではテントと名乗る謎のテロ組織の内部と、厳密に隠されているテントの本拠地を突き止めようと奔走する別班の乃木と黒須(松坂桃李)、それを監視し情報を得ようとする野崎(阿部寛)ら公安の三つ巴の様子が描かれた。先週から徐々に、テントと呼ばれるテロ組織の内情が明らかになりつつある。偉大なる父と構成員に呼ばれ、恐れられている指導者の名はノゴーン・ベキ(役所広司)。組織の資金に大きな貢献をもたらしたとしても、横領していた幹部を容赦なく追い詰め処刑する潔癖さは、バルカという国全体を覆う拝金主義や、賄賂が前提の国家体制とは対照的だ。そして、常にノゴーン・ベキに寄り添い、腹心のような青年を演じる二宮和也の存在感が目をひく。まだ名前も明かされずセリフも殆どないが、何かに倦んだような、感情の読み取れない表情で任務を遂行する。幹部の横領を暴くために部下が拷問をしている横で、それを見もせずに淡々とスマートフォンをいじっている姿は、なまじ拷問や処刑を実行する以上に冷酷に見えた。堺雅人が演じる多くのエキセントリックな役柄が、饒舌や収拾のつかない優しさといった『騒がしさ』の中で過激を表現するのに対し、二宮和也が演じるそれは、諦めであったり、それでも情を捨てられない苛立ちであったり、沈黙や静寂の中に潜む過激さである。偉大なる父ベキを巡って二人の青年、二人の名俳優が相対する展開がこの先待っているのだろうと思うと、今からゾクゾクする。もう一つ、今回の大きな見所はアリ(山中崇)から託された暗号を巡る別班のハッキングの一連である。飯沼愛演じる太田梨歩の、一度は死の危険に晒されて怯えた目の女が、暗号を手にした途端に玩具を貰った子供のように目をぎらつかせて食いつく様は見ごたえがあった。ぎりぎりのハッキングの成功から、乃木と黒須に技量を証明しろと太田が促し、それに応えて二人が鮮やかなナイフ投げを見せる展開は躍動感があった。思いもよらぬキャラクターにときめくことが出来るのは視聴者として嬉しい誤算だと思う。頼りになる上司、本人、その相棒、そして優秀なハッカーと、乃木と野崎をめぐる陣容は互いに合わせ鏡のように整いつつある。一方、野崎自身はハッキングの現場に踏み込むタイミングにしても、直接乃木と出会った時の様子にしても、乃木の正体を追及して突き詰めることをためらっているように見える。乃木の経歴に迫りながらも、事実を突きつけて抜き差しならない敵対関係になってしまうのを避けるのは国益のためか、あるいは乃木という男に対する情なのか。そしてFが乃木相手に揶揄したように、聖母マリアみたいな慈愛の権化のように見える医師の柚木薫(二階堂ふみ)だが、「乃木のことをもっと知りたい」と語る言葉に比して、薫自身の出自の話は語られない。ただ、遠い国からきた身寄りのない少女が生死を賭けて手術に向かうとき、乃木、野崎、薫、ドラム(富栄ドラム)の4人がジャミーンの無事を祈る気持ちは純粋に同じ方向を向いたような熱量のものには違いない。あくまで法にのっとった存在である公安と、法を逸脱した存在の別班。乃木と野崎が再び協力しあう時がくるのか、それともあくまで追い追われる関係なのか。何もかもが疑わしく、目まぐるしい物語だが、その緊張感は心地よい。張りつめた糸のまま、我々視聴者をを引っ張って、ドラマは終盤に向かおうとしている。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年08月23日堺雅人が自衛隊の秘密部隊“別班”のメンバーを演じる「VIVANT」の6話が8月20日に放送。堺雅人と二階堂ふみが急接近する、一見ロマンスに思える展開に視聴者からは「怪しい」や「何かありそう」の声が上がっている。福澤克雄が脚本を担当した完全オリジナルストーリーの本作は、テロ組織“テント”の壊滅を狙う秘密組織“別班”の活動と隠された家族の物語。別班のメンバーで丸菱商事に在籍する主人公・乃木を堺雅人、乃木をバルカ共和国で助けた公安の野崎を阿部寛、乃木がバルカで命を助けてもらった医師の薫を二階堂ふみ、別班の仲間・黒須を松坂桃李、乃木の父親でテントのリーダーであるノゴーン・ベキを役所広司、天才ハッカーである太田を飯沼愛が演じている。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。乃木(堺雅人)は、“テント”の幹部であるアリ(山中崇)からの情報で、リーダーであるノゴーン・ベキ(役所広司)が幼い頃に生き別れた父だと確信する。一方野崎(阿部寛)も、乃木家の家紋とテントの犯行現場に残されたマークの類似に気付き、乃木とテントの関係にたどり着いていた。その後、乃木はジャミーン(Nandin-Erdene Khongorzul)の手術に間に合うように帰国。手術は成功するが、ジャミーンは予断を許さない状態が続いていた――というのが6話の展開。ICUでジャミーンを見守る乃木と薫(二階堂ふみ)。予断を許さない状況が続く中、やっと状態が安定したジャミーンを見て「私本当は怖くて」と本音を吐露する薫を乃木はぎゅっと抱きしめる。その後、薫は乃木の家を訪問。そして「乃木さんて私のこと好きなんですか」「大事な時はいつもそばにいてくれる」「乃木さんのこと、もっと知りたくなっちゃったじゃないですか」と乃木に告げるのだった。そんな乃木と薫の急接近に、SNSでは「どう見ても何かあるよねぇ」「裏がありそう」「ロマンスになるほど怪しい」の声が。「薫先生には裏の顔なんてなくて、家族も愛も知らない乃木さんに愛を教えてくれて、一緒に人生を歩んでくれる存在でありますように」「薫さんがあっち側だったら辛いので、それだけは勘弁」など、これまでに多くの謎と伏線が散りばめられてきた本作ならではのコメントが多く上がっている。またSNSでは「乃木と薫が兄妹なのでは?」という推察も盛り上がっており、今後の二人の関係からも目が離せない。【第7話あらすじ】天才ハッカーであるブルーウォーカー・太田(飯沼愛)の協力で、テントのサーバーからある重要な情報を得ることに成功した乃木(堺雅人)と黒須(松坂桃李)。相変わらず公安による乃木への尾行は続いていたが、通常業務と見せかけ乃木、黒須をはじめとする6名の“別班”精鋭部隊が、司令・櫻井(キムラ緑子)の下に集結する。テントの最終標的である日本での犯行を未然に防ぐため、乃木は別班メンバーにテントのリーダー・ベキ(役所広司)が自身の父であり、元公安の警察官だったと打ち明けるが――。「VIVANT」は毎週日曜21時~TBS系にて放送中。(シネマカフェ編集部)
2023年08月21日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年7月スタートのテレビドラマ『VIVANT』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。能ある鷹は爪を隠すというけれど、無防備なほどに無能をぎりぎりまで演じきって、数日間生死を共にした相手にも有能さの気配すら感じさせないというのは、相当なことだと思う。その二面性にリアリティを持たせるのは、柔和な物腰と切れ味鋭い知性、その両方を持ち合わせた堺雅人という役者ならではだろう。中だるみなど皆無、回を追うごとに評価も視聴率も上がっていく『VIVANT(ヴィヴァン)』(TBS系日曜21時)。衝撃の誤送金事件の決着後、舞台は再び中央アジア・バルカへ、そして謎のテロ組織テントを追う展開となった。丸菱商事からテロ組織へ誤送金を仕組んだ山本(迫田孝也)の死に不審を感じる野崎(阿部寛)は、これが乃木憂助(堺雅人)の仕業だと直感する一方で、凡人にしか見えない乃木が別班の一員であるとは信じかねていた。一方でいずれ野崎から自分の正体を見抜かれると確信した乃木は、公安より先にテントの幹部・アリ(山中崇)の身柄を押さえるべく相棒の黒須(松坂桃李)とともにバルカへと飛ぶ。乃木の正体を確かめるためにバルカと日本を往復する野崎と、バルカでアリから組織の情報を得ようと暗躍する乃木、二人の追跡劇が交錯する。今回、新たに別班の司令・櫻井としてキムラ緑子が登場する。言葉一つひとつは丁寧だが、やや早口、切り口上で有無を言わせない圧を感じさせるあたり、秘密情報部の幹部として静かな迫力を感じさせる。そして序盤で執念深く手強い敵として視聴者を震え上がらせたバルカ警察のチンギス(バルサラハガバ・バトボルド)が、野崎の要請で公安に助力することになる。最初は厳しい表情を見せながらも、野崎の男気やドラム(富栄ドラム)の愛嬌にほだされて尽力する様子は、強敵が味方についてくれる少年漫画の趣きで、見ていて胸が躍った。このあたりのわくわくする見せ方の匙加減は、やはり日曜劇場の十八番だと思う。あらゆる証拠を自身の目で確かめた上で、野崎は乃木が別班だと確信する。一つひとつ、乃木という男が隠していた高い能力を知る度に、野崎は騙された悔しさよりむしろ楽しげな表情を見せていた。そんな野崎の変わらぬ好漢ぶりが、騙し騙されの緊張の中で一服の清涼剤である。そして乃木はアリの居場所を突き止め、アリの家族を人質にして容赦ない尋問を始める。その苛烈な尋問で聞き出したテントのリーダーの正体は、驚くべきものだった。今回、野崎は乃木の履歴を追って舞鶴、島根と訪ねていく。行く先々の人々はみな穏やかで、垣間見える景色は静謐で美しい。乃木が日々訪れる神社の佇まいも含めて、湿度と鮮やかさを感じさせる景色は、乃木が言う『美しき我が国』そのものなのだろう。今回、乃木憂助の出自とテントのリーダーが憂助の父・乃木卓(回想パートは林遣都、現在パートは役所広司)だという重大な事実が二つ判明してもなお、物語の上で謎はまだいくつか残っている。最たるものの一つは、憂助の父、乃木卓の過去。たたら製鉄で財をなした名家、産業、文化、武器たる『鉄の一族』から警視庁に入り、警察官になった男がなぜ突然農業支援で中央アジアの小国に向かったのか。それは果たして純粋な善意であったのかどうか。そしてバルカに向かった先で何が起き、両親と息子は離散したのか、そして何が乃木卓をテロ組織に向かわせたのか。そしてもう一つは、別班司令の櫻井がジャミーン(ナンディン・エルデネ・ホンゴルズラ)を『奇跡の少女』と称した言葉。ここまでに幾つかの場面でジャミーンの父親・アディエルがテントの関係者だったと示唆されているが、ジャミーン自身にも重病を抱えた孤児という以上の何かがあるのかもしれない。更に今回のラストには初回以来再びテントの指導者ノゴーン・ベキとしての乃木卓と、彼に付き従う青年(二宮和也)が登場する。青年はノゴーン・ベキを「父さん」と呼び、どこかしら淡々とした佇まいである。会議らしきその場面は、意外にも収支報告から始まる。それはテントという組織の堅固さ、規律の厳しさ、規模の大きさを暗喩するものだろう。乃木の正体を知った野崎はこの先どう動くか、乃木と野崎の共闘は再びあるのか、そしてジャミーンと薫(二階堂ふみ)に平穏はあるのか。激しい渦のようなドラマ後半が始まろうとしている。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年08月16日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年7月スタートのテレビドラマ『VIVANT』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。ラストの10分で自分含めて視聴者が衝撃を受けたのは、乃木憂助(堺雅人)が『別班』だったからではない。それは初回からある程度予想されていたことで、何度もそれらしい目印が描かれていた。だが、私たちが予想している以上に彼が冷酷だったことが、私たちを驚かせたのである。主人公のその冷酷さは、日曜の21時台の民放ドラマで私たちが想定する決着の境界線を越えていた。壮大なロケーション映像、豪華な配役。更にストーリーの厳しさを加え、まさに破格のドラマだと改めて思った。中盤に入って、評価も視聴率も右肩上がりの『VIVANT(ヴィヴァン)』(TBS系日曜21時)。日本の大手商社の片隅で始まった誤送金事件は、中央アジアの小国バルカから砂漠を経て再び日本に戻った。誤送金を仕組んだ犯人は丸菱商事で経理を担当している太田(飯沼愛)だと判明するものの、公安の野崎(阿部寛)は他に太田に指示を出した黒幕がいるはずだと考えていた。野崎と乃木は協力してあぶり出し工作を試みるも、その黒幕は意外なところから判明する。薫(二階堂ふみ)がバルカから呼び寄せた少女・ジャミーンが持ってきた写真に写っていたのは、バルカに行ったことがないはずの乃木の同僚・山本(迫田孝也)だった。3話まで出ていないことで話題をさらっていた松坂桃李が、この回ついに別班の一員・黒須として登場する。NHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』(2012年)『わろてんか』(2017年)、『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系・2016年)と、どちらかというと素直な好青年役の印象が強い松坂桃李だが、過去に『劇場版MOZU』(2015年)で見せた、狂気と暴力を煙のように纏わせた演技も印象深かった。今作では乃木を先輩と呼び、別班の一員として、他人を騙すことも暴力も、殺人までも、まるで遊びの延長のような醒めた目の青年を演じている。おそらく今作の黒須は、三十代半ばの松坂桃李にとって俳優として更なるキャリアを切り開く転機の役になるだろう。黒須と、別人格のFが出現した乃木が山本を尋問し裁くシーンは、山本を演じる迫田孝也の怪演も加わって鳥肌の立つような数分間だった。命乞いをする山本に、言葉では条件次第では助けると応じながらも、あっさりと時間がないと自白剤に切り替える。最初から尋問、自白剤、そして『排除』まで既定路線だったのだと思う。「美しいだろう?この美しき我が国を汚す者は何人たりとも許せない」山本の処刑の前にFが口にしたこの言葉。「迷いのない正義と信念」は、まるで精緻に研ぎすませて、実用するには人を過剰に傷つけてしまう長く鋭い刃物のようだ。それでも辛うじて、公安を入れずに直接連れてきた方がよかったという黒須に、太田の命を優先させたかったからこれでいいと語るFの言葉は、温かみとともにある種の救いのように思えた。乃木の経歴に疑念を持ち続けていた野崎にとって、この誤送金事件の決着は乃木の正体を確信する決め手になるだろう。そして新たに大きな疑問が生じる。山本がテロ組織『テント』の手先であると判明するきっかけのジャミーンの写真。なぜジャミーンの家族がテントの一員を写した写真を持っているのか、ジャミーンの父親であるアディエルはテントと何らかの関係があったのか。その疑念は、父娘と家族のように親しかった薫にも及ぶ。公安である野崎も、別班である乃木も、それを見過ごすことはないだろう。乃木、野崎、薫。三人の信頼と疑念が絡み合う関係がそれぞれどのように変化していくのか、この先も一瞬も見逃せない展開が続く。そして何度も差し挟まれる、両親にまつわる記憶。まだ乃木憂助という人物の全貌は見えてこない。冷酷さを露わにしてなお魅力が増す、その男の行程を最後まで見届けたい。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年08月09日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年7月スタートのテレビドラマ『VIVANT』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。騙すつもりはなくても本当のことは言えず、また隠されている側も何か隠されていると知りつつもそれ以上は口にせず、そういう曖昧な親しさというのも人の中には存在するのだろうなと思う。信頼と利害関係の間にある緩衝地帯。過酷な砂漠をゆく4人に、そして都内の片隅でもんじゃ焼きをつつく3人の姿に、そんなことを考えていた。初回から視聴者の度胆を抜く迫力のロケ映像と、主演級がずらりと名前を連ねる豪華な配役、そして何よりも一度見始めたらもう画面の前を動けないスリリングな展開が大好評の『VIVANT(ヴィヴァン)』(TBS系日曜21時)。大手商社丸菱商事勤務の乃木憂助(堺雅人)は、桁ひとつ間違えた100億円以上の誤送金の濡れ衣を着せられ、返金交渉のために中央アジアの某国・バルカ(ドラマ上の架空の国名である)を訪れる。金の行方を追ううちに自爆事件に巻き込まれ、テロリストとして現地の警察に追われることになった乃木は、日本の公安警察・外事第4課の刑事、野崎守(阿部寛)と、バルカで医療活動をしていた医師の柚木薫(二階堂ふみ)の3人で決死の逃避行を試みる。執拗に追いすがるバルカの警察を振り切るため、3人と野崎の仲間のドラム(富栄ドラム)を加えた一行は、生きては戻れないと言われる死の砂漠に足を踏み入れる。今回、3話で一旦バルカでの逃走劇は区切りがついて、舞台は日本へと移るのだが、陽炎が揺らめく砂漠の前半と、サーバールームの点滅の中を駆け抜ける後半それぞれに見所がいくつもあった。まず印象に残ったのは、途中行方不明になった薫を救助に向かった乃木が力尽きたラクダに語りかける場面である。砂漠の真ん中、死の淵、そこにいるのは自分と意識が朦朧としている薫、そして人の言葉を理解しないラクダ。しかもラクダはもう歩く気がないらしい。そんなラクダに、「こんな辛い思いをさせてごめんよ」と、自分の痛みのように話しかける乃木の姿は哀しみとともに心をうった。危機の淵にその人間の地金が見えるというのなら、悪態一つつかずにラクダに詫びる乃木憂助という男は、何かを隠しているとしても心の底から優しいのだろう。そして同様に、「8時間以上は待たない、先に行く」と宣言しながらも、結局2人を救いにやってきて「よく生きてたな」とねぎらう野崎という男も、捨てられない情を抱えて生きているのだろう。そういう男だからこそ、ドラムのような青年が危険を顧みず尽くすのだと思う。ド迫力のモンゴル国境のシーンでは、視聴者としては敵役ではあるけれども、自分の国を守るために心身を捧げているバルカ警察のチンギスと、異国の刑事への友情に生きて母国に居られなくなるドラムのそれぞれに想いを馳せた。砂が舞うバルカ編とは打って変わって、東京では緻密かつスピーディな誤送金問題をめぐる作戦行動が繰り広げられる。興味深いのは、初回から時折挟まれている乃木の二重人格が、はっきりと独立した二つの人格だと示唆するシーンが幾つか見られたことだ。もう一人の自分を、乃木は「エフ」と呼び対話する。口論したり、励ましたりもする。名前があるということは、他者と認識しているということだ。エフと呼ばれる男は、2話目では野崎が乃木に気があるんじゃないかと忠告したり、今は乃木が薫に片思いしていることを頻繁に気にしていて、乃木にちょっかいをかけている。一見切れ者のようだけれども、人の心の機微にはちょっとポンコツ気味のようだ。大人というより、その言動は少年めいている。だがエフの「いつだって俺を呼んでいるのはお前の方じゃないか」という言葉は、人格の分離と同時にエフと乃木の複雑な距離感も示唆していて耳に残る言葉だった。凄腕のハッカーだが何だか適当で飄々とした東条(濱田岳)そして野崎の作戦と、乃木の同期・山本(迫田孝也)の献身的な助力と、乃木の決死の疾走で誤送金を仕組んだ人物は明らかになった。しかし砂漠でエフが乃木に「俺たちにはやることがあるんじゃないのかよ」と叫んだ言葉、神社で意味ありげに一瞬映る祠(ほこら)。乃木は初回、イスラム教にも敬意を表して祈りを捧げようとしていた。信仰やそれに対する敬意は何かの意味を持つのかもしれない。謎はまだまだ尽きない。一方で誤送金問題は次回で一旦決着となるようで、メインだと思っていたごちそうがまだコースの一皿目に過ぎなかったというのは、いかにも日曜劇場らしい豪華さである。まだまだ後半を貪欲に味わえるよう、当方も心して待ちたい。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年08月02日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年7月スタートのテレビドラマ『VIVANT』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。「月の砂漠を はるばると旅のらくだが ゆきました」という美しい童謡があるけれども、現実のラクダの旅は、そんなに牧歌的なものではなさそうだ。陽炎が立ち上る灼熱も夜の寒々しさも、ひたすらにラクダの背で揺れる過酷さもリアルで、夕日に映えるラクダの姿は美しさ以上に悲壮感に満ちていた。初回からロケ独特の熱気と、空前絶後の配役の豪華さで注目を集めていた『VIVANT(ヴィヴァン)』(TBS系日曜21時)。2話目も引き続きモンゴルでのロケの迫力ある映像が満載で、嵐のような展開が待っていた。大手商社・丸菱商事に勤める乃木憂助(堺雅人)は、130億円の誤送金をした疑惑をかけられ、金を取り戻すべく中央アジアのバルカ(ドラマ上の架空の国名)へと向かう。金の行方を追う先で乃木は自爆事件に巻き込まれ、居合わせた公安部・外事第4課の刑事・野崎守(阿部寛)と、彼らの怪我を手当てした医師の柚木薫(二階堂ふみ)の三人でテロリストとしてバルカ警察に追われることになってしまう。何とか日本大使館に駆け込んだものの、安心したのも束の間、バルカ警察に包囲された大使館を抜け出して日本へ戻るための苦闘が始まる。やはり今回の白眉は、タイトルの『VIVANT』の意味が一つ明らかになったことだろう。バルカの言語で『BEPPAN』という表記が「ヴィパァン」、転じて「ヴィヴァン」に聞こえる、つまり『別班』という日本語ではないかと野崎は推理する。別班という単語が出た瞬間、スッと無表情になる野崎とその部下の新庄(竜星涼)の様子が印象深い。常に余裕のある野崎、穏和な雰囲気の新庄の二人をもってしても、構えてしまう程の何かを引き当てているということなのだろう。後に野崎の口から『別班』とは自衛隊内の秘密組織で、非合法にスパイ活動をしているエリート諜報員の組織だと語られる。実際にそういった組織の有無は都市伝説のように語られることもあり、「なるほど今作、そう来たか」と唸った。野崎は乃木のようなおっとりした男が別班であるはずがないと笑い飛ばすものの、それが真意かどうかは分からない。なにせ野崎は剛毅な一方で万事を疑い、裏切りやあらゆる不測の事態にも代案・対策を怠らない細やかさも持ち合わせた男である。CIAから情報を得ることが出来、何カ国語をも理解し、何度も命の危機にさらされながらもへこたれず、何故かラクダの視力の良さも知り、そして数日間砂漠でラクダの背で揺られても体力が尽きない男が、ただの商社マンであるとそのまま信じているとは思えない。視聴者もまた、もう一人の人格の存在や、時折挟まれる悪夢や過去の記憶から、乃木憂助という男が見かけ通りの人間ではないと知っている。どうしても主人公を信じきれないその揺れが、物語全体を絶妙に不安定にして、視聴者の目を離さない。果たして乃木憂助は『別班』の一員なのか、関係者なのか、それとも別班と国際テロをめぐる渦に巻き込まれただけの男なのか。また、ヴィヴァンという言葉自体が別班とはまた違うものか、あるいはダブルミーニングの可能性も捨てきれない。ただ、二重人格で、片方が行っているあらゆる諜報・工作活動を「それは自分のことではない」と捉えられる人物が存在するならば、諜報員として相当な適性であることは間違いないだろう。誰が味方か敵か、主人公の素性も不透明な揺れる物語ではあるけれども、互いに迷ったり言い争ったりしながらも重病の子供を見捨てられない一行の優しさは、我々視聴者にとっての確かなセーフティーネットのようだ。ドラム(富栄ドラム)の愛嬌ある可愛らしさ、バルカ警察・チンギス(Barslkhagva Batbold)の恐るべき執念といった脇役の躍動感と独特のキャラの強さも福澤作品らしい熱に満ちている。チンギスが看護師イリア(真凛)の輸液を拾い丁寧に砂を払って返すシーンは、警察官としてのチンギスの善良さを見るようで印象に残った。乃木達には恐ろしい敵だけれども、見方を変えれば国民を守ろうとする正義感の強い警察官ということなのだ。物語は次回、また大きく舞台を変えて動くようである。新たなキャストの登場を楽しみに待ちつつ、架空の国バルカを描き出した素晴らしいロケーションに見惚れた身としては、是非またバルカでの展開を見たいと思っている。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年07月26日女優の馬場ふみかが20日、都内で行われたRPBCインナーブランド「misora(ミソラ)」の発表記者会見に出席し、クリエイティブディレクターを務める同ブランドへの思いを語った。「グラビアや雑誌の撮影など下着を着るお仕事をたくさんしてきました」とこれまでの芸能活動を振り返った馬場。「色々な種類の下着を着用して撮影している中で、私自身が下着が持つ力を感じたんですね。下着によって気分が上がって楽しくなったり、洋服をきれいに見せてくれたり。そういった経験から、みなさんにも素敵な下着を提供したい」と願望を抱くようになり、「そのためには自分で作ろう!」と決心した。24日のアイテム発売を記念して、22日と23日には東京・原宿(レンタルスペースさくら 原宿竹下口)で一般向けにお披露目会を開催する。馬場は、「いよいよ、ブランドがローンチし、展示会も始まるのですが、ドキドキしますね」と発売を目前に控えた心境を伝え、「写真と動画では事前にみなさんに見ていただいているのですが、これから実際に商品を目の前で見てもらったり、触ってもらったりするので反応が気になります。それと、同時に楽しみでもありますね」と吐露する。ブランド名の「misora」は、「私が青色が好きというのもあり、青色から“海”、“空”などの広いものを連想し、“空”が持っているさまざまな青がすごく好きで『misora=美しい空の色』という意味」で命名。「美しい空のようにみなさんを明るく、照らしていきたい」という願いも込めた。「この先も長く展開をしていきたいと考えているので、ブランドの名前を決めるときは自分の子供の名前をつけるのと同じくらい悩みました」と笑顔を見せ、「季節によって『ベストな空の色=misora色』を展開していきたいと思っています。misora(ミソラ)は自分の子供が生まれたらつけたい名前です!」と自身の未来にも重ね合わせる。「自分の個性を隠すのではなく、ありのままの自分を愛してほしい」という思いから、ブランドコンセプトは「as is / ありのまま」。馬場は「無理して頑張ることも素敵なこと」とながらも、「今のありのままの体が美しいのだという自信を持つサポートをmisoraのアイテムができれば」と期待を寄せている。
2023年07月22日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年7月スタートのテレビドラマ『VIVANT』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。『映画みたいな~』は、これまでにもいくつかの日本のドラマにも存在していたけれども、これは『みたい』じゃなくて、もう映画だと見終えてからちょっと放心していた。そして『映画のような』の、映画らしさって何だろうなと考え込んだ。ロケによる映像の生々しさ、ふんだんにかけられた予算をうかがわせるアクション、完結まで観客が見ることを前提にした堅固かつ信頼感溢れるストーリー。どれだろうな、いやどれもだなと感嘆のため息が出た。『VIVANT(ヴィヴァン)』(TBS系日曜21時)。今作はタイトルと出演俳優と、そしてモンゴルでロケーションが行われているということ以外は殆ど何も事前に明かされないままに始まった。主演級の俳優がずらりと名を連ねる配役の豪華さと、そしてTBSドラマの看板・日曜劇場で数々のヒット作を生んだ福澤克雄が手がけているということから、ただならぬ作品だということは予想がつく。実際に始まった拡大版90分の初回は我々の『凄いらしい』の予想を一気にぶち抜いてきた。物語は灼熱の砂漠を彷徨う日本人のサラリーマンから始まる。その男は乃木憂助、演じるのは堺雅人である。人の名前に『憂』の字は珍しく感じられる。『憂』は言わずもがな思い悩む様であるけれども、『憂』の下の部分『夊(すい)』はゆっくり歩く様子という意味があり、彼が砂漠をよろよろと歩く姿が象徴的に見えてくる。乃木がその状況に追い込まれた原因は一桁間違った誤送金である。一桁間違いの送金とは、ある意味どこで起きてもおかしくないような、事務職の悪夢の一つではあるけれども、乃木が被ったのは大手商社の13億と130億の間違いという途方もない額だった。堺雅人とバンキングとなればついついあの名作ドラマ『半沢直樹』(TBS系)を思い出すが、乃木には半沢直樹の盟友・渡真利忍は見当たらず、同期として登場する山本巧(迫田孝也)は、圧は強めだが敵なのか味方なのかは分からない。乃木は中央アジアのバルカという国(この国名は架空のものである)に振り込まれた金の返金交渉に一人で訪れるが、返金交渉は難航した上に、ようやく見つけた交渉相手は返金どころか周囲を巻き込んだ自爆で死んでしまう。すんでのところで乃木を救い出したのは、野崎と名乗る公安部外事4課の刑事だった。野崎を演じるのは阿部寛。2015年・2018年放送のテレビドラマ『下町ロケット』(TBS系)、2005年・2021年放送の『ドラゴン桜』(TBS系)と、阿部もまた日曜劇場を代表する俳優である。大胆にして用意周到、どんな危機にも飄々と対処するダンディズム溢れる野崎は、阿部寛にしか出せない圧倒的な存在感である。かくして爆弾犯と見なされて現地の警察から追われることになった乃木と野崎は、バルカで医師として働く柚木薫(二階堂ふみ)まで巻き込んで、日本大使館まで怒濤の逃走劇を繰り広げることになる。ダーティで一見救いのない逃走劇だが、もはや懲戒免職どころか生きぬくことも難しそうなのに、出会う相手に律儀に名刺を渡し、お金を返して下さいと切々と訴える乃木の社畜ぶりが可笑しくて魅力的だ。なるほど、これも堺雅人にしか出来ない。二階堂ふみ演じる医師の薫はタフで自立したメンタルの持ち主である。二階堂ふみのインテリで気丈な女は、やはりハマり役だ。監督の福澤は、番組開始前のインタビューでドラマの内容は明かさないまでも、自身がスター・ウォーズシリーズの大ファンだと語っている。なるほど無垢で頭でっかちの主人公と、無頼でダンディな男と無頼な男の頼れる相棒(野崎にはドラムという有能な男がサポートについている)、そして気丈で高潔な魂の女。面白くならないわけがない、まさに黄金比である。今回、冒頭の砂漠から大使館前の白熱のゴールラインまで、時間も週明けの仕事の予定も吹っ飛んだように見ていた。羊たちとともに疾走する馬に、瞬きを忘れた。ラスト、乃木の体を大使館の一線を挟んで引っ張り合うシーンではその無茶苦茶さに笑いながら手に汗を握った。子供の頃にわくわくしながら見ていた香港アクション映画のようだと思った。それは今や当たり前になった、どんなエンタテインメント作品か事前に情報を入れて、自分の予想と答え合わせしながら見ている視聴体験とはまったく違う、鮮烈で素晴らしいものだった。知らされていないという楽しさを、このドラマでは存分に味わいつくしたい。そして、とにかく画面から溢れてくる熱と勢いが凄まじいから、こちらも気合いを入れて画面の前に座ろうと思う。ぜひ皆さんもご一緒に。『VIVANT』で空前絶後の冒険を!ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年07月19日林遣都、高梨臨、佐藤隆太がトリプル主演を務めるU-NEXT制作ドラマ「MALICE」(マリス)に、馬場ふみか、磯山さやか、アキラ100%、神保悟志の出演が決定した。翔東大学の事務局長・小園洋平が自宅で刺殺体で発見された。現場に駆けつけた富士見署刑事・星野尚人(林遣都)は、殺害現場であるリビングの様子を見て、妻と離れて暮らしていたという小園に別の女の影を感じる。翔東大学国際社会学部の講師・谷村夏帆(高梨臨)は、どんな手を使ってでも出世しようとしており、半年前から人事権を持つ小園と不倫関係にあった。その小園が殺害され、夏帆は殺人犯として逮捕される。一方、不倫の情報を匿名のメールで受け取った記者の丸山奏太(佐藤隆太)は、何者かが事件の印象操作を図ろうとしていることに気づき、独自の調査を始める。そんな中、星野は、中途半端な捜査で夏帆を犯人と決め込む警察上層部の捜査方針に違和感を覚え、やがて夏帆が何者かにハメられた可能性に気づく。刑事、容疑者、記者。3人はそれぞれにプライベートにおける問題も抱えながら、利害関係の一致から協力関係を結ぶことに。事件を企てた人間をあぶり出そうと画策し、真実へと近づいていく――。本作は、警察、事件関係者、マスコミという3つの視点から、事件の裏に潜む「MALICE=悪意、敵意、恨み」に迫り、真相を暴いていくヒューマンサスペンスドラマ。事件を担当する弁護士・河合朱莉役で出演する馬場さんは、「一つの事件に対して毎回いろいろな角度から語られていくことで、視聴者の皆さんがより一層深く没入できる作品になっていると思いますので、毎週楽しみに観ていただきたいです」とコメント。娘の親権を巡って離婚調停中の丸山奏太の妻・香里を演じる磯山さんは、「丸山家は『娘のため』と同じ気持ちを持っているのに、なかなかなすれ違いが生じています。丸山家がどうなるのか、見守っていただきたいです」とメッセージ。異動を望む丸山に、「手柄を立てろ」と条件を突き付ける週刊誌の編集長・藤木卓雄役のアキラ100%さんは、「緊張していましたが、佐藤さんがとても明るく元気に引っ張ってくれて楽しく撮影できました」とふり返り、「とても素敵な作品ですので、手に汗握りながら楽しんでご覧いただきたいです」と語る。丸山がスクープを狙う民進党議員・中川満役の神保さんは「素敵なドラマの影の『悪』を演じさせて頂けて最高に楽しめました。『悪』と言っても私が演じた中川にとっては、それが常識であり、それが正義。そんな社会の裏側を感じて頂ければ最高です」と役柄について説明している。「MALICE」は9月、U-NEXTにて見放題配信予定。(シネマカフェ編集部)
2023年07月19日主演に宮沢りえ、共演にはオダギリジョー、磯村勇斗、二階堂ふみを迎え、辺見庸の小説「月」を石井裕也監督が映画化。『新聞記者』のスターサンズ、故・河村光庸が企画・エグゼクティブプロデューサーを務めた。辺見庸による原作小説「月」は、実際に起きた障害者殺傷事件がモチーフ。事件を起こした個人を裁くのではなく、事件を生み出した社会的背景と人間存在の深部に切り込まなければならないと感じたという著者は、“語られたくない事実”の内部に潜ることに小説という形で挑戦した。この問題作を映画化したのは、『舟を編む』以降も、コロナ禍を生きる親子を描いた『茜色に焼かれる』、新作『愛にイナズマ』など、常に新しい境地へ果敢に挑み続ける映画監督、石井裕也。10代の頃から辺見庸の作品に魅せられてきたという彼は、原作を独自に再構成して自ら脚本を執筆、渾身のパワーと生々しい血肉の通った表現としてスクリーンに叩きつける。本作は、スターサンズの故・河村光庸プロデューサーが最も挑戦したかった題材でもあったという。日本社会に長らく根づく、労働や福祉、生活の根底に流れるシステムへの問いであり、複眼的に人間の尊厳を描くことへの挑戦。オファーを受けた石井監督は、「撮らなければならない映画だと覚悟を決めた」と、このテーマに目を背けてはならないという信念のもと、キャスト・スタッフと共に作り上げる決意をした。宮沢りえそんな監督のもとに集った宮沢りえ、オダギリジョー、磯村勇斗、二階堂ふみといった第一級の俳優陣たちもまた、ただならぬ覚悟で参加していたという。オダギリジョー公開決定とともに解禁された場面写真は、まるで何かを隠そうと生い茂る森に囲まれ、佇む宮沢さん演じる洋子。その表情からは、様々な悩みや不安を抱えていることが読み取れる1枚となっている。物語深い森の奥にある重度障害者施設。ここで新しく働くことになった堂島洋子(宮沢りえ)は“書けなくなった”元・有名作家だ。彼女を「師匠」と呼ぶ夫の昌平(オダギリジョー)と、ふたりで慎ましい暮らしを営んでいる。施設職員の同僚には作家を目指す陽子(二階堂ふみ)や、絵の好きな青年さとくん(磯村勇斗)らがいた。そしてもうひとつの出会い――。洋子と生年月日が一緒の入所者、“きーちゃん”。光の届かない部屋で、ベッドに横たわったまま動かない“きーちゃん”のことを、洋子はどこか他人に思えず親身になっていく。しかしこの職場は決して楽園ではない。洋子はほかの職員による入所者への心ない扱いや暴力を目の当たりにする。そんな世の理不尽に誰よりも憤っているのは、さとくんだ。彼の中で増幅する正義感や使命感が、やがて怒りを伴う形で徐々に頭をもたげていく。そして、その日はついにやってくる――。「宮沢りえさんがとにかく凄まじい」監督・プロデューサーよりコメント到着監督・脚本:石井裕也この話をもらった時、震えました。怖かったですが、すぐに逃げられないと悟りました。撮らなければいけない映画だと覚悟を決めました。多くの人が目を背けようとする問題を扱っています。ですが、これは簡単に無視していい問題ではなく、他人事ではないどころか、むしろ私たちにとってとても大切な問題です。この映画を一緒に作ったのは、人の命や尊厳に真正面から向き合う覚悟を決めた最高の俳優とスタッフたちです。人の目が届かないところにある闇を描いたからこそ、誰も観たことがない類の映画になりました。異様な熱気に満ちています。宮沢りえさんがとにかく凄まじいです。プロデューサー:長井龍目の前の問題に蓋をするという行為が、この物語で描かれる環境に限らず、社会の至る所に潜んでいるのではないか、という問いが映画『月』には含まれています。障害福祉に従事されている方にも本作をご覧頂き「この映画を通して、障害者の置かれている世界を知ってもらいたい」という言葉も預かりました。本作を届けていく必要性を改めて噛み締めています。そして、映画製作を通して、この数年で障害福祉の環境が変わろうとしている現実も目の当たりにしました。そのこともまた、社会の持つ可能性のひとつだと信じています。磯村勇斗なお、本作をいち早く鑑賞した編集者・見城徹は「この社会に蔓延る[嘘と現実]、[善と悪]、[建前と本音]の判断を宙吊りにしたとてつもない映画だった」と語り、作家の高橋源一郎は「『月』は、あまりに強烈なテーマを扱っているので、もしかしたら観客は、そちらに視線を奪われるかもしれない。そうではない。もっとずっと繊細で、実はおぼろげなものが、そこにある。それは『生きる』ということなのかもしれない」とコメント。映画評論家・森直人は「石井裕也が命がけでぶん投げてきた灼熱の問題提起の豪球。我々にできるのは、火傷しながらも全身で受け止めること」と本作を評している。『月』は10月13日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:月 2023年10月13日より新宿バルト9、ユーロスペースほか全国にて公開(C)2023『月』製作委員会
2023年06月30日GACKT&二階堂ふみがW主演を務める、映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』(11月23日公開)の特報映像が27日、公開された。同作は『パタリロ!』などで知られる魔夜峰央が1982年に発表した作品で、2015年に復刊されたことをきっかけに、テレビ番組、SNS、インターネットなどメディアで多数取り上げられ、大反響を呼んだ。埼玉県民が東京都民からひどい迫害を受けている世界で、東京都知事の息子・壇ノ浦百美(二階堂)と、アメリカ帰りの謎の転校生・麻実麗(GACKT)の活躍を描く。この度、正式タイトルが『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』、公開が11月23日に決定。hoChannelは壮大な航海シーンからスタートし、麗の口からは「今ここで戦わなければ日本全土が大阪になってしまう」「琵琶湖の水を止める」という発言が飛び出す。険しい旅路の中で不気味な景色が見え隠れし、しまいには、大量のたこ焼きを食べながら「なんでっしゃろ?」と流暢な関西弁を話す百美の姿も。西も東も入り混じり、埼玉のみならず日本中を巻き込んでいくことになる“天下分け目の東西対決”の兆しがうかがえる映像となっている。併せて解禁となったティザービジュアルでは、漫才師のような出で立ちの麗と百美が「関西の皆様 飛び火してすんまへん。」とおなじみの謝罪ポーズを関西弁とともに披露しているほか、「○さ」マークに加え「阪」の文字や、どこかで見たことのあるシルエットもちらつく隠しデザインがあしらわれている。○GACKT コメント『翔んで埼玉』なのになぜ関西に行くのか。そもそも関西に行くことがスケールアップなのか。よくここまでくだらなく突き詰めたなと思いながら撮影をしました。自由を手に入れたはずの埼玉解放戦線は、今度は何のために戦うのか。壮絶な東西対決の行方はみなさんの予想を裏切り、期待には大いに応えられる作品になっていると思います。前作からのスケールアップ、飛翔したストーリー、そして関西ならではの感情のキャッチボールをぜひお楽しみください。○二階堂ふみ コメント前作プロモーションの関西キャンペーンで、続編は「止めるで琵琶湖」なんて安易に言ってしまったことを後悔しています。まさか本当に関西で続編が作られるなんて。『翔んで埼玉』公開以降、埼玉県の方にすごく声をかけていただくようになり、勝手に埼玉県代表のような気持ちになっています。関西を巻き込んでいっても変わらず、“埼玉愛”、“郷土愛”そして“人とのつながり”をお届けいたします。新たな『翔んで埼玉』の一面も見せられたらなと思っておりますので、ぜひお楽しみに。○若松央樹プロデューサー コメント前作では、公開当日まで不安な日々を過ごしましたが、埼玉の皆様をはじめ関東そしてその他の地域の方々からも、公開後愛あるお言葉をいただき、本当に感謝しております。そしてこの度、さらに地域を拡大し、古くから言われております「東西対決」といったところに焦点をあてさせていただきました。関西の皆様には本当に飛び火してしまい、申し訳ありませんが、どうか寛大な心で見守っていたければ幸いです。また、埼玉の皆様におかれましても輪をかけて「相変わらず」でございますのでご容赦いただければと思っております。さらに今作では、地域の広がりだけでなく、登場人物の規模そしてキャラの濃さも、前作をはるかに超えるものとなっております。監督はじめ制作者一同愛を持って作ったこの茶番劇を再び楽しんでいただければと心より願っております。○武内英樹監督 コメントいよいよ皆様に『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』を発表する事ができます。続編は、関東はもちろんのこと関西を巻き込んだ東西ディスり対決!!まだまだ言えない情報も沢山ありますが、紛れもなく“愛をこめて”お届けいたします。画面の端々からスケールアップした“埼玉”の世界を感じ取って頂ければ嬉しいですし、ふたたび皆様にこの茶番劇を楽しんでいただき、愛される作品になればこの上ない喜びです。(C)2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会
2023年06月28日