京都大学は5月22日、細胞内マイクロRNAを使って細胞を選別する人工RNA(RNAスイッチ)を用い、自動的に心筋細胞以外の細胞が取り除かれるシステムを開発したと発表した。同成果は同大学iPS 細胞研究所の三木健嗣 研究員、遠藤慧 研究員(現東京大学大学院新領域創成科学研究科)、齊藤博英 教授、吉田善紀 講師らによるもので米国科学誌「Cell Stem Cell」に掲載された。ES細胞やiPS細胞など幹細胞から高純度の心筋細胞を得るためには、細胞表面の抗原を識別して細胞を選別する必要がある。しかし、心筋細胞には特異的な抗体が無く、ゲノムに傷をつける可能性があるDNA導入などを使わないと高効率に純化することは困難だった。そこで研究グループは、マイクロRNAを検知することで細胞を識別する方法の開発に着手。心筋細胞に特徴的なマイクロRNAを同定し、そのマイクロRNAが存在しない時だけ蛍光タンパク質が光るRNAスイッチを作製した。また、この仕組を応用し、蛍光タンパク質の代わりに細胞死を誘導する遺伝子を導入し、心筋細胞のマイクロRNAを持たない細胞では細胞死が起きるシステムを構築した。これにより、機械で選別することなく、高純度に心筋細胞だけを培養することに成功した。同システムは上皮細胞や肝細胞、インスリン生産細胞などにも応用可能とのことで、従来では選別が難しかったさまざまな細胞が取得できるようになり、幹細胞分野における幅広い研究での活用が期待される。
2015年05月25日ITプロパートナーズは5月21日、同社の提供する仕事紹介サービス「ITプロパートナーズ」と、約600万人のソーシャルデータと人工知能を活用したタレントマイニングサービス「TalentBase」とのAPI連携を開始したと発表した。アトラエが運営するTalentBaseは、今年3月にリリースされた人工知能とビッグデータ解析の活用によるタレントマイニングサービスで、エンジニアを中心に利用されているWebサービス「Qiita」や「GitHub」のアカウント情報から、ソーシャルメディア上のつながりやアクションデータを解析し、独自のアルゴリズムで個人のテクニカルスコア(技術力)を算出するもの。今回のAPI連携により、ITプロパートナーズでは登録者の技術力を類推したスコアを数値化して把握することが可能となり、このスコアを企業と個人のマッチングを行う際の参考数値として活用していくという。
2015年05月21日ソフトバンクは、人工知能型システム「ワトソン」を活用したコンテンツやアプリを2015年度内に提供開始する。同社の宮内謙社長は「ポケットの中のスマートフォンが、パーソナルブレイン、パーソナルアシスタント、パーソナルヘルパーになる」とアピールした。ワトソンは、米IBMが開発したコグニティブ(認知する)・テクノロジーを使った人工知能型システム。人間の言葉を解釈する「自然言語処理」、膨大なデータを元に仮説を立てて検証する「仮説生成」、経験から学習する「学習」といった能力をあわせ持っている。例えばヘルスケアの分野では、膨大な医療データと個人の遺伝子情報・症状・医療データを照らし合わせ、病名、対処法、近くの専門医を探し出すことができる。食生活を改善したい人には、個人の食事履歴・栄養バランス・体質・味の好みなどから、今日行くべきレストランやメニューを提案することも可能。教育分野においては個人の知識・性格・理解度・いままで学習してきた内容などをもとに、志望校の過去問と照らし合わせることで、今後どのように学習を進めれば良いかをアドバイスできる。ソフトバンクでは、このワトソンを活用したコンテンツやアプリをスマートフォンに搭載する考え。ゲーム、健康、教育、グルメ、趣味、会話といった分野でパートナー企業群と連携してサービスを提供していく。宮内氏は「スマートフォンの価値を上げて、利用者の皆さんのパーソナルライフをより豊かなものにしていきたい。これが本当の価値創造。世界中のすばらしいテクノロジーの叡智を集結させて、それをスマートフォンの上で実現していく」と意気込んだ。
2015年05月20日ヤフーは5月19日、人工知能技術「ディープラーニング」を同社で開発した音声認識エンジン「YJVOICE(ワイジェイボイス)」に実装し、認識精度を大幅に改善させたと発表した。「ディープラーニング」のサービスへの実装は初めてのことで、同日より18のスマートフォン・タブレットアプリとウィジェットで、精度が向上した音声認識機能が利用できるようになった。この人工知能技術は脳神経細胞の働きを工学的にモデル化した手法。通常、こうした技術では様々な事例を学習させるための膨大なデータが必要だが、同社では、「Yahoo!検索」や「音声検索」などで蓄積したビッグデータを生かし、2013年より研究を開始していた。また、東京工業大学の篠田研究室の篠田 浩一教授との共同研究なども進めている。今回の実装によって特に向上したのは、騒音下における認識精度。従来は騒音などの影響で一定の場面で誤認識があったもののうち、約1/3で精度が改善された。例えば、駅ホームでの「Yahoo!乗換案内」、街頭での「音声検索」などが、従来より快適に利用できるようになったという。「YJVOICE」を搭載するスマートフォン・タブレットアプリ、ウィジェットは、iOS、Android用が、Yahoo! JAPAN、Yahoo!音声アシスト、Yahoo!カーナビ、Yahoo!地図、Yahoo!乗換案内の10種。その他、iOS用は、音声検索など3種。Android用は、Yahoo!ブラウザーなど3アプリ、2ウィジェットとなる。
2015年05月20日ソフトバンクモバイルとソフトバンク コマース&サービスは5月18日、ソフトバンクグループ最大規模の法人向けイベント「SoftBank World 2015」を、7月30日、31日の2日間にわたって開催すると発表した。今年で4回目を迎える「SoftBank World 2015」は、「情報革命で、いま、次の世界へ」がテーマ。モバイルインターネットやクラウドコンピューティングの活用によりビジネススタイルを実現するソリューションや製品、IoT(インターネット・オブ・シングス)や人工知能といったテクノロジーに関するコンテンツを紹介する。また、導入事例を紹介する講演や、各分野のスペシャリストによる特別講演のほか、100社を超える協賛企業によるモバイル、クラウド関連のソリューションやサービスの展示も行う。開催時間は両日とも午前10時から午後7時で、会場は「ザ・プリンス パークタワー東京」、入場は無料。SoftBank World公式サイトで、2015年5月18日(月)~7月29日(水)午後6時に事前登録を受け付ける。
2015年05月19日白ヤギコーポレーションは5月15日、オンラインメディアの運営元や事業者を対象に、ユーザーの閲覧行動を分析し最適な記事をレコメンドする独自開発の人工知能型キュレーションエンジン「カメリオAPI」の提供を開始した。「カメリオAPI」は、ユーザーの閲覧行動に基づいた最適なテーマや記事、コンテンツなどを分析し一覧表示することで、セッションあたりのPV数や閲覧時間の向上を支援するレコメンデーションシステム。タイアップ記事の閲覧やユーザー登録を増やすためのツールとして活用することができるほか、ユーザーがより興味をもって閲覧し、目を通すテーマや記事、コンテンツを把握することが可能となる。これにより、オンラインメディアの運営元や事業者は、ゼロからキュレーションエンジンを設計・開発する費用や時間を圧縮・短縮することができるという。
2015年05月15日最先端の人工知能(AI)を搭載した、ファッションセンス学習人工知能AIロボットアプリ「SENSY(センシー)」。このほど、同アプリを運営するカラフル・ボードが4月に、ACAが運営するファンドや国内事業法人などを引受先とする第三者割当増資により、1.4億円の資金調達を行ったことが発表された。同アプリは、慶応義塾大学と千葉大学との共同で開発され、2014年にリリースされたもの。表示される提携ブランド(日本最大級となる2465ブランド/4月時点)の服を、ユーザーが「好き」か「嫌い」で分類していくことで、人工知能がユーザーの“感性”を学習していき、専属のスタイリストのように世界中のECサイトから、ユーザーの感性にあった商品を提案してくれるAIロボット型のアプリだ。IZUMIや海野ルナなどのモデルを始め、Kumiko Kobayashi、Masaaki Mitsuzonoなどのスタイリストたちの人工知能も公開されており、その“感性”に沿って商品を選ぶことも可能となっている。また、「Perfume」の舞台演出でカンヌ国際広告祭で受賞し、“Apple社が選ぶ先駆的30人のクリエイター”にも選出された、ライゾマティクス(rhizomatiks)の真鍋大度氏が、アートディレクションおよびUIデザインを担当した。今回の資金調達を得たことでカラフル・ボードは今後、今年3月に行われた「SENSY」を使用したブランド実店舗での接客サービスの実証実験をもとに、人型ロボットや各社のECサイトに「SENSY」を埋め込んでいく予定だという。さらに、ファッションの分野のみならず、食、映像、音楽、旅行、ヘルスケアなどライフスタイル全般で「SENSY」の可能性を模索していくよう。また現在、米アマゾン・ドットコム傘下の米ショップポップ・ドットコムやイタリアのユークス・グループと提携しているが、今後はさらに韓国、台湾など東南アジアを中心とした海外市場への展開も積極的に行っていく予定だという。近未来として語られてきたことが今、少しづつ“カタチ”をとりつつあるよう。買い物の未来を変えそうな新テクノロジーに注目が集まりそうだ。
2015年05月14日『第9地区』『エリジウム』と、話題のSF作品を次々と世に送り出している異才ニール・ブロムカンプ監督最新作『チャッピー』。このほど、監督やヒュー・ジャックマンが登場する特別映像が公開となった。2016年、犯罪多発地区の南アフリカ・ヨハネスブルグに、世界でただ1体の“感じ、考え、成長する”AI(人工知能)を搭載したロボットが誕生した。彼の名はチャッピー。開発者のディオン(デーヴ・パテル)が極秘でAIを搭載させており、起動したばかりのチャッピーはまるでまっさらな子どものよう。だが、ディオンとともに男女2人組のストリートギャングにさらわれたことで、そのAIにはギャングによって生きるための術が叩き込まれてしまう…。『第9地区』では"エビ型エイリアン"、『エリジウム』では、マット・デイモンのボディを強化する"パワードスーツ"など、常にユニークな造形と観るものに強烈なインパクトを残す映像を発信し続けるニール・ブロムカンプ監督。最新作『チャッピー』では、人類史上初めてAIを搭載した"ロボット"が主人公として登場。最先端テクノロジーをめぐるアクションと、AIロボットの成長を描くエモーショナルなドラマが融合した、新たなSF映画が誕生した。今回公開となった映像では、監督や本作で悪役を務めるヒュー・ジャックマン、ロボットの専門家などが登場し、本作の主題である人工知能についてコメントしている。「僕は進化の過程に興味がある。人間は進化の過程であり、我々は自ら次の形態を選ぶのかも知れない」と語るのは、監督のニール・ブロムカンプ。撮影現場にて、チャッピーの造詣に対して熱心に支持を出す姿からも、彼の並々ならぬロボットへの関心が感じられる。「本来、意識というのは絶えず発達し、変化するもので、限界がありません」と指摘するのは、アリゾナ大学の准教授ウォルフガング・フィンク博士。彼は、人類史上初めてAIを搭載し、自ら感じ、考えるロボット、チャッピーには限界がないと断言する。さらに、「ロボットには多くの可能性があります。人間に協力的なロボットを作れば、なおさらです」と語るのは、同じくアリゾナ大学で視覚&自律移動ロボットを研究するアンソニー・ロドリゲス氏。2人の専門家のコメントから、本作が最新のAI研究の見地が取り入れられた本格的な作品であることがわかる。ロボット開発者のヴィンセント役を演じたヒュー・ジャックマンは、「将来起こるかも知れない事態なのに、皆見過ごしている」と、映画が描くロボットの成長への危機感をあらわにする。さらに、「人工知能ロボットは自分で判断をしますが、その基準が正しいとは限りません。人間が守っているモラルや規範を持っていないかもしれません」とフィンク博士が語り、ロドリゲス氏は、「人工知能ロボットは自分で判断をしますが、その基準が正しいとは限りません。人間が守っているモラルや規範を持っていないかもしれません」と指摘。ますます注目を集める人工知能分野だが、いまだその是非については議論が絶えないという現状がうかがえる。ニール・ブロムカンプ監督は、「高い知能レベルのロボットが、自分の生みの親である人間に共感できないなんて、僕は想像できない」と語り、「チャッピーを生んだのは人間の優しさだ」と、人類史上初めてAIを搭載したロボットSF映画『チャッピー』に挑んだ心境を吐露している。考えるロボットは人類の味方なのか、それとも敵なのか。大きな議論を呼ぶことになりそうな『チャッピー』から見て取れる人工知能の“いま”を、この映像からのぞいてみて。『チャッピー』は、5月23日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:チャッピー 2015年5月23日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開(C) Chappie - Photos By STEPHANIE BLOMKAMP
2015年05月14日ピアラは5月12日、AIを搭載したオンライン接客システム「Smattch(仮称)」の提供を開始した。同システムは、タグをWebサイトに埋め込むだけで、顧客のオンライン上の行動を見える化し、顧客ごとに最適化したナビゲーションを表示させることで、One to Oneマーケティングを可能にするもの。AI(人口知能)が搭載されており、データが溜まるとそれを基に特性を機械学習し、送客に成功したユーザーの特徴と似たユーザーの動きを特定し、表示対象にすることができる。導入価格は、成果報酬型と接客型から選択するほか、要望によってさまざまな機能のカスタマイズにも対応する。
2015年05月13日UBICとデジタルアーツは5月12日、UBICの人工知能応用技術「Predictive Coding(プレディクティブ・コーディング)」とデジタルアーツの官公庁向け情報漏えい対策製品を連携した情報漏えい対策ソリューションを提供すると発表した。具体的には、UBICのEメール自動監査システム「Lit i View EMAIL AUDITOR」とデジタルアーツのメールセキュリティ「mーFILTER」を連携。UBICの行動情報科学を応用した人工知能がメールを分析することで行動パターンを類推。情報漏えいの可能性がある対象者を推測し、機密情報漏えい対策を講じることが可能になる。「m-FILTER Archive」でメールデータをアーカイブした後にLit i View EMAIL AUDITORへメールデータを受け渡す。AUDITORは、メールデータを分析して、必要なデータだけ選別し保管する。ここで、情報を漏洩する可能性がある監査対象者のメールアドレスリストを出力し、管理者に通知する。管理者は、このリストを元に「m-FILTER MailFilter」で監査対象者のメール送受信制御を行う。制御設定は、監査対象者のメール送信時に上長承認が必要にしたり、添付ファイルの送信禁止、メール送信時に強制的に上長をBCCに設定するといったことが可能になる。また、Webブラウザのアクセス制御「i-FILTER」でも同様にWebアクセス制御の設定が可能だという。両社によると、人工知能の情報セキュリティ製品への応用は「過去になかったこと」(リリースより)としている。このソリューションは、内部犯行による情報漏えい対策製品だが、記者会見では、昨年起きた内部犯行による複数の情報漏えい事件を引き合いに出していた。デジタルアーツ エンタープライズ・マーケティング部 部長の齋藤 亮介氏は、自社製品のフィルターだけでは情報漏えい対策としてまだ未完だったことから「悪意を持った内部の人物に対してはまだまだだと思った。そこへの対策として、昨年の展示会でUBICさんのPredictive Codingを見て"コレだ"と直感した」として、連携を模索したと狙いを語った。今後も、両者の強みを活かして新規顧客の開拓を進めるとしている。
2015年05月13日産業技術総合研究所(産総研)は5月7日、2015年5月1日付で人間と共栄する情報技術に取り組む「情報・人間工学領域」の3つ目の研究センターとなる「人工知能研究センター」を設立したと発表した。同センターは、国内外の大学、企業、公的機関と連携して、実社会のサービスから得られる大規模データを活用しながら先進的な人工知能技術の研究開発を推進することを目的として設立されたもの。人工知能の実用化やベンチャー企業の創出と基礎研究の進展の好循環を生むプラットフォームの機能を果たし、これにより基礎研究と実サービスとのギャップを縮め、インパクトのある人工知能技術の研究開発を目指すとしている。具体的には、人間との親和性が高く、人間と相互に理解しあえる人工知能の実現をめざす目的基礎研究と、成果をスピーディに実社会の多様な課題に適用するための人工知能フレームワークの研究開発を行っていくとしており、主要な目的基礎研究として、人間の脳の情報処理原理に関する最新の神経科学の知見を包括的にとりいれた、人間の脳に近い脳型人工知能、および、実世界の大量のデータにもとづくデータ駆動型の人工知能とWeb上の大規模な知識グラフなどにもとづく論理的・形式的な知識駆動型の人工知能を融合して、大量かつ多様な実世界のデータを深く理解し、人間の意思決定を支援するデータ・知識融合型人工知能の研究を行っていくとしている。また、人工知能フレームワーク上で要素技術を統合した先進中核モジュールを実装して、製造業やサービス産業などの幅広い分野での産学連携による実サービスから得られる大規模なデータを使った実証研究を行っていくほか、研究用データセットなど、人工知能技術の研究の基盤となるリソースの整備も行っていくとのことで、幅広い用途での人工知能技術の有用性を提示していくことを目指すとしている。
2015年05月08日新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は5月7日、NEDOプロジェクトにおいて3Dプリンタで成形するカスタムメイド人工骨「CTボーン」を開発した医療技術ベンチャー企業のネクスト21が蘭XillocとEU諸国における製造・販売に関するライセンス契約を締結したと発表した。この「CTボーン」は、患部のCTスキャン画像から作成した3次元CADデータをもとに、カルシウム粉体で患部にぴったりな人工骨を3Dプリンタを用いて造形するというもの。3Dプリンタを利用することで、0.1mmの形状再現が可能となる。従来の人工骨と異なり熱処理を必要としないため、患者自身の骨と癒合が速く、優れた治療効果を得られるという。今回の契約では、ネクスト21が欧州での製造販売登録に必要なテクニカルドキュメンテーションを含む製造適合性資料をXillocに提供し、登録完了後、XillocがEU諸国での製造・販売を開始する。
2015年05月07日『第9地区』『エリジウム』のニール・ブロムカンプ監督最新作『チャッピー』(5月23日公開)のメイキング映像や、世界初のAI(人口知能)ロボット誕生の瞬間と成長を描いた特別映像が30日、公開された。本作は、2016年の南アフリカの犯罪都市ヨハネスブルグを舞台に、世界で初めて人工知能を搭載されたロボット、チャッピーの成長を描いた物語。このたび公開された映像では、監督が「チャッピーは警察官に変わる兵器ロボットとして開発された」と語る。「やったぞ、人類初の人工知能だ」と、誕生したばかりのロボットを熱く見つめるのは、AIを開発したロボット研究者のディオン。ディオンを演じるデーヴ・パテルは「僕はチャッピーを善良なロボットに育てようとする」と説明している。チャッピーを演じるのは『第9地区』『エリジウム』に続き、ニール・ブロムカンプ監督作品に3作目の登場となるシャールト・コプリー。全編に渡って、人体にセンサーを設置して動きをコンピューターに取り込むモーション・キャプチャーによる演技を披露している彼は、「いつロボットは人間として見なされるのか。おそらくロボットが人間と同じように、感情を持ったときだろう」と語る。そして、プロデューサーのサイモン・キンバーグは「チャッピーは影響を受けやすく、科学者といれば科学に興味をもち、ギャングといれば犯罪者になる」と説明。現に滑らかな指先の動きでキーボード入力をする場面があるかと思えば、ストリートギャングのニンジャに銃の持ち方を教えられる場面もある。また、「他人の人生に干渉するな。犯罪はダメだ」というディオンの教えに、「犯罪はダメ」と応えるチャッピー。映像のラストでは、ニンジャから「死にたくなければ戦え」と教えられ、足蹴りで壁をブチ壊し、銃を手に巨大なロボットに立ち向かう。「観客はチャッピーを通して、人間のさまざまな感情を経験することになる」と語るコプリーのコメントを受けて、デーヴ・パテルは「アクションだけでなくドラマがある」と目を輝かせている。今回の映像には、撮影現場でチャッピーに扮するシャールト・コプリーにデーヴが何かを教えている場面も収録している。
2015年04月30日東大発のベンチャー企業・エルピクセルは4月20日、生命科学分野の学術論文の画像を中心に、人工知能を用いた研究画像不正検査サービス「LP-exam Cloud」の販売を開始すると発表した。同サービスでは、研究画像に対する加工の有無を自動で推定するために画像自動分類の特許技術を採用。大学や研究機関が画像をアップロードするだけで安易な不正・加工の有無を検査することが出来きるという。加工が推定された画像についてはライフサイエンス研究と画像解析の専門家が確認・解析し、レポートを作成する。料金は定額制で月額約3万円、1画像約500円から解析ができ、研究室単位で導入することも可能だ。エルピクセルは「LP-exam Cloud」を提供することで、これまで膨大な時間がかかるとされ敬遠されていた不正加工の検査にかかるコストを削減し、画像不正が生じない環境の構築を支援するとしている。
2015年04月20日リクルートホールディングスは4月15日、「Recruit Institute of Technology」を人工知能(AI)の研究所として再編し、AI分野の世界的権威を新たにアドバイザーとして迎え、リクルートグループ各社と連携したグローバル規模のAI研究を開始したと発表した。同社は「2020年に総合人材サービス領域でグローバルNo.1、2030年に人材領域・販売促進支援領域でグローバルNo.1」という中長期な戦略ビジョンの実現に向け、破壊的技術(Disruptive Technology)としてのAI研究に着目し、2015年4月1日より、AI分野の研究所として新生RITをスタートさせたという。今回、同研究所のアドバイザーとして就任したのは、Tom M. Mitchell氏(米カーネギーメロン大学教授)、Oren Etzioni氏(Allen Institute for Artificial Intelligence CEO/元・米ワシントン大学教授)、David M. Blei氏(米コロンビア大学教授)の3名。米カーネギーメロン大学のMitchell教授は、黎明期から機械学習の基礎・応用に幅広く取り組んできた代表的な研究者で、機械学習の代表的な教科書『Machine Learning』の著者でもある。あわせて、同社は米マサチューセッツ工科大学メディアラボのコンソーシアム研究所のメンバーになっており、Alex ’Sandy’ Pentland教授のもとに客員研究員を派遣してビッグデータ分析の新しい取り組みの研究を開始している。同社はすでに米国やイスラエルのAI関連企業と協業を開始しており、これらの結果も順次報告していく予定だ。
2015年04月16日リクルートホールディングスは4月15日、「Recruit Institute of Technology(RIT)」を人工知能(AI)の研究所として再編し、グループ各社と連携したグローバル規模のAI研究を開始することを発表した。RITでのAI研究は2015年4月1日付で開始。アドバイザーには、AI分野の世界的権威で機械学習の代表的な教科書である「Machine Learning」の著者でもある米カーネギーメロン大学のTom M. Mitchell教授、ならびに米国人工知能学会(Association for the Advancement of Artificial Intelligence:AAAI)フェローで元 米ワシントン大学教授のOren Etzioni氏、膨大なデータの中からパターンを見つけるための代表的な機械学習手法であるトピックモデルの第一人者である米コロンビア大学のDavid M. Blei教授らが就任。すでに米マサチューセッツ工科大学メディアラボのコンソーシアム研究所メンバーとして、客員研究員を派遣してビッグデータ分析の研究を進めているほか、米スタンフォード大学にもコンピュータフォーラムメンバーとして、客員研究員を派遣して自然言語処理研究を行う予定だとしている。なお今後は、世界のAI研究人材の採用を積極的に行いながら、各有識者の指導のもとAI研究を推進していく予定だとしている。
2015年04月15日5月23日に日本公開を控えているニール・ブロムカンプ監督の最新映画『チャッピー』より、主人公の人工知能ロボット「チャッピー」がthreezeroによってアクションフィギュア化され、2015年10月に発売されることが決定した。現在「GOOD SMILE ONLINESHOP」にて予約受付中で、価格は29,074円(税別)。『チャッピー』は、難民エイリアンと人類の対峙を描いて全世界で大ヒットした『第9地区』(2010年)、未来の格差社会を鋭く描いた『エリジウム』(2013年)などで知られるニール監督の最新作。彼が新たに挑むのは、2016年のヨハネスブルグを舞台に成長するAIを搭載した人型ロボット「チャッピー」を主人公にした監督の原点的野心作で、チャッピーを演じるのは、『第9地区』『エリジウム』とニール・ブロムカンプ監督の盟友ともいえるシャールト・コプリー。そのほか、ヒュー・ジャックマン、シガニー・ウィーヴァー、デーヴ・パテルら、豪華俳優陣たちが名を連ねている。今回は香港で有名なオリジナル玩具クリエイターである王剣峰氏が創立した玩具ブランドthreezeroによってフィギュア化。1/6スケール、全高約30.5cmのフル可動フィギュアとなる。劇中の姿を忠実に再現したハイディテールな造形、リアルなウェザリングを含む緻密な塗装が施され、目および頭部右側面にはLED点灯ギミックを搭載。付属の差し替えパーツで目の表情も変更可能となっている。また、武器としてAKS-74Mライフルが付属。商品価格は29,074円(税別)で、「GOOD SMILE ONLINESHOP」の予約締切は、2015年6月17日21:00。商品の発売および発送は、2015年10月を予定している。TM & (C)MRC II Distribution Company L.P. and Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
2015年04月14日WACUL(ワカル)は4月13日、Webサイトのデータを分析し改善提案まで行う人工知能「AIアナリスト」を20日より提供すると発表した。AIアナリストは、Google Analyticsのアクセス解析データと連携することで、大量データを分析して、サイト内の課題を自動的に発見し、課題のパターンごとに、改善方針を自動で提案する。対応する業種・サイトは現状180種類に及び、長く使うほどに機械学習によって提案力が強化される。同社は「成果が出なければ返金する」という成果コミット型Webコンサルティングを提供しており、その成果創出の知見を活かして、人工知能のアルゴリズムを開発。AIアナリストを用いた改善により、多数のサイトでCVRが1.3倍~2倍以上に伸びる実績が確認されたという。価格は月額3万円で、すべての機能が利用可能。費用が発生するのは利用月のみなので、1カ月だけでも使うことができる。同社はリリース前の先行申し込み限定で、30日間の無料試用を提供している。
2015年04月14日科学技術振興機構(JST)、北海道大学、岡山大学らは4月8日、リン酸化プルランを主成分とする新しい歯科用人工骨の開発に成功し、これを実用化するためのベンチャー企業・メディカルクラフトンを立ち上げたと発表した。この人工骨は北海道大学大学院歯学研究科の吉田靖弘 教授(元岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 准教授)らが開発したもの。これまで使われてきたリン酸カルシウム系の歯科用人工骨は体内で吸収されて骨に置き換わるのに数年必要であることから歯周病やインプラント周囲炎の治療には不向きとされている。これに対し吉田教授らは歯や骨に対し強固に吸着し、体内で吸収され組織に置き換わる新規生体材料のリン酸化プルランを開発し、リン酸カルシウムと混合することで、接着力や圧縮強度、生体吸収・骨置換速度をコントロール可能なペースト状人工骨を開発した。この人工骨は、必要部位に必要量とどめることができ、短時間で周囲の組織を再生するため、従来品では不可能だった歯やインプラント周囲の骨の治療にも有効であることが確認された。この人工骨は、骨粗しょう症による骨折治療など外科領域の治療にも応用が期待できるとのこと。今後は今回設立したメディカルクラフトンを通じて歯科領域への普及を進め、将来は整形外科領域を中心に広く展開していく計画で、2021年に歯科領域の製造販売承認を取得し、販売開始3年後には売上6.5億円を目指すとしている。
2015年04月09日東京都・渋谷の渋谷ヒカリエ ホールAにて、AdobeのIllustrator愛を語り合うイベント"24時間Illustrator「愛(Ai)はクリエイティブを救う」"が開催される。開催日時は4月24日14:00~17:00。参加費無料。同イベントは、28年間の歴史を持つAdobe Illustratorをフィーチャーした、同ソフト初の単独イベント。Illustrator愛を熱く語るゲストセッションや、IllustratorのテクニックNo.1を決定する「Ai-1グランプリ」などのIllustratorのイベントが行われる。また、「聖☆おにいさん」をはじめ著名な装幀を数多く手掛ける、ナルティスの新上ヒロシ氏によるゲストセッションも予定されているとのこと。さらに会場では、Illustratorの作業が捗るプラグインのメーカーなど多数の企業が出展する。また、イベントに参加してアンケートを提出すると、イベントオリジナルTシャツがプレゼントされる。また、同イベントと同時開催で「24時間オンライン配信」も行われる。開催日時は4月24日12:00~4月25日12:00。ヒカリエでのイベントの様子も配信されるほか、多彩なゲストを招き、Illustratorの魅力を語るオンラインイベントとなる。内容としては、Illustratorの細かすぎる機能解説や意外な活用事例、目から鱗のTips、裏話などの情報が語られるということだ。前述の「Ai-1グランプリ」に参加したファイターたちによる、ヒカリエのイベントでは伝えきれなかった秘技の数々も紹介される。そのほか、ユーザーから寄せられた「Illustrator愛」を紹介するコーナーもあり、イベント中、エピソードが紹介された人にはアドビオリジナルグッズがプレゼントされるとのこと。なお、どちらのイベントも参加に際してはイベント特設サイトからの申し込みが必要となる。
2015年04月08日『第9地区』での鮮烈なデビュー以来、SFファンのみならず多くの映画ファンからの注目を浴びるニール・ブロムカンプ監督の最新作『チャッピー』。この度、AI(人工知能)を搭載したロボットがテーマである本作の特別映像が到着した。2016年、犯罪多発地区の南アフリカ・ヨハネスブルグに、世界でただ1体の“感じ、考え、成長する”AI(人工知能)を搭載したロボットが誕生した。彼の名はチャッピー。開発者のディオン(デーヴ・パテル)が極秘でAIを搭載させており、起動したばかりのチャッピーはまるでまっさらな子どものよう。だが、ディオンとともに男女2人組のストリートギャングにさらわれたことで、そのAIにはギャングによって生きるための術が叩き込まれてしまう…。今回到着した特別映像では、巨大ロボットとの銃撃戦や、カーチェイス、爆破シーンなど、迫力のある映像を見ることができ、本作のスケールの大きさが窺い知れる内容となっている。さらに監督のニール・ブロムカンプを始め、主演のヒュー・ジャックマン、シガニー・ウィーバーらが登場し、作品について解説。「本作のキャスティングには自分でも驚いているよ」と語るのは、ブロムカンプ監督。「僕があこがれていた人たちがそろったからね」。中でも、あの“リプリー”が現場にいると思うと圧倒されたとのこと。「彼の『第9地区』は衝撃的だった」と監督を絶賛するのは、本作において悪役を演じるヒュー・ジャックマン。「野心的な男であるヴィンセントは、演じるのが楽しい役だったよ」と語り、“悪趣味なマレットヘア”で役に挑んだんだと茶目っ気たっぷりに笑ってみせる。また「ブラッドリー役の第一候補だった」とプロデューサーのサイモン・キンバーグが話すシガニー・ウィーバーも、監督への賛辞を送っている。「彼はあらゆるテクノロジーに精通しているの。SFだけでなく、現実のテクノロジーにもね」。まずはこちらのキャスト陣が語る特別映像から、公開への期待を膨らませてみて。『チャッピー』は5月23日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月07日イー・ガーディアンは4月2日、大手ブログサービスや画像共有サービスなどユーザー投稿型メディア4社に人工知能型画像認識システム「ROKA SOLUTION」を提供し、すべての企業で導入前に定めた目標値を達成したと発表した。システム導入前と比較し、最大400%の広告売上アップ、90%のコスト削減を実現したという。同システムは、世界トップクラスの画像認識の機械学習システム(人工知能)を持つ東京大学大学院原田研究室とイー・ガーディアンが共同で開発したディープラーニングを活用した人工知能型画像認識システム。大量の画像・動画データを目視により分類したものを教師データとして事前にエンジンに学習させた後、実際の対象画像・動画をシステムに判定させ、結果を数値で表す。結果が誤っていれば、再度学習するという作業を繰り返し行うことで判別能力を向上していく。従来、導入企業4社はいずれも、広告配信先ページの適切是非を確認するために、ページ内の投稿画像をヒューマンオペレーションでチェックした後に広告を配信せざるを得なかった。そのため、閲覧数が一番高い公開直後のタイミングで広告を配信するチャンスを逃していた。しかし、同システムにおいては、事前に不適切なコンテンツを学習させることで、投稿画像が適切か不適切か瞬時に判定することが可能。これにより、ほぼリアルタイムで投稿画像をチェックし広告を配信できるため、目標とした売上の達成に貢献したと考えられる。また、ヒューマンオペレーションで実施する場合と同等の健全性を維持しつつ、従来の工程で発生する人件費やマネジメント工数、管理費用などを大幅に圧縮することも可能となった。
2015年04月03日電通国際情報サービス(ISID)とUBICは3月31日、UBICの人工知能応用技術であるPredictive Coding(プレディクティブ・コーディング)とその関連技術を用いて、インターネット上の膨大なコメント群から、一人ひとりの嗜好に合ったアイテムや店などの情報を探し出して提案する、新たなデジタルキュレーションサービスの共同開発に着手したと発表した。両社が開発するサービスは、評価点数や購買・行動パターンではなく、多数の人がそれぞれ意思を持って書き込んだコメント群を人工知能が分析することにより、おすすめするアイテムの精度を高めていることが特長だという。たとえば、利用者がこれまで読んだ本の好みを数冊から10冊程度指定するだけで、人工知能が嗜好のニュアンスを読み取り、インターネット上の本に関する膨大なコメント群から利用者の嗜好と似たものを自動的に探し出し、「おそらく好みであろう本」を提案することができる。また、本の好き・嫌いの情報から潜在的な嗜好パターンを類推し、別のジャンルの商品を提案するといったことも可能だ。同サービスは、商品、店など、あらゆるジャンルに適用可能で、両社はすでに、プロトタイプを用いた検証を通じて同サービスの有用性を確認しており、同サービスを構成するビジネスモデルについて、日本国内における特許を共同で出願している。今後は、電通のデジタルマーケティング領域の事業との連携も図り、2015年中の事業化を目指しているとのこと。
2015年04月01日ヒューマン・データ・ラボラトリはこのほど、全国の20~60代男女500名を対象に実施した「食の安心・安全に関する意識調査 ~人工甘味料編~」の結果を明らかにした。調査期間は3月13日~15日。カロリーゼロやカロリーオフを標榜(ひょうぼう)する「人工甘味料」が入っている加工食品や飲料などの商品を選んでいるか尋ねると、55.2%が「選ぶ」と回答した(「毎回選ぶ」6.4%+「時々選ぶ」37.4%+「特定の食品のみ選ぶ」11.4%)。理由について聞くと、最も多い回答は「カロリーが低いから」(68.5%)だった。2位は「ダイエットに役立つから」(34.8%)、3位は「健康面に良い気がするから」(25.7%)となっている。特に女性を中心にカロリーゼロやカロリーオフの機能性に期待していることがわかった。一方で、「人工甘味料」が入っている加工食品や飲料などの商品を「選ばない」と答えた人にその理由を聞くと「不自然な甘さだから」(31.7%)、「健康面に悪い気がするから」(30.4%)、「カロリーや糖分を気にしておらず、摂取する必要を感じていないから」(28.6%)、「安心・安全性が感じられないから」(21.4%)などが挙げられた。「人工甘味料」の健康面に対するイメージを見ると、「人工甘味料」が入った商品を選ぶ人と選ばない人では、「人工甘味料」の健康評価は両極に分かれていることがわかった。年代別に見ると、悪いイメージを持っているのは30代が最も多い。30代は、小さい子どもがいる家庭も多いと考えられることから、子どもの健康に配慮して摂取は控えたいと考えているのではないか、と同社は分析している。2014年9月にイスラエルの研究チームが、「飲料・加工食品等に使われているサッカリンなどの人工甘味料には、代謝に関わる腸内細菌のバランスを崩し血糖値が下がりにくい状態にする作用がある」という研究結果を発表した。摂取することにより、糖尿病や肥満といった生活習慣病のリスクを高める可能性があるという。そこで、「人工甘味料」には生活習慣病のリスクを高める可能性があるという研究結果を知っていたか調査したところ、65.7%が「知らなかった」と回答した。「聞いたことはあるが詳しい内容は知らない」は27.5%で、「内容まで知っていた」という人は7.2%にとどまっている。
2015年03月30日NTT東日本関東病院とUBICは3月16日、医療における予測困難な有害事象の防止を目指して、人工知能を用いた転倒・転落の事前防止システムを共同で開発していることを明らかにした。同システムは、UBICが開発した人工知能が電子カルテを解析することで、入院患者の転倒・転落の予兆を察知し、未然にそうした事故を防ぐことを目的としたもの。NTT東日本関東病院では、一般病床の平均在院日数は10.6日で、そのおよそ半数が6日以内ということで、短期間の間でケアをする必要がありながらも、看護師が多忙なため状況の把握が難しいなどの課題があり、個々の患者の転倒・転落リスクを迅速に察知することに優れたソリューションが求められていたという。すでに2015年2月、同病院において共同研究を実施。転倒・転落の前兆行動が記載された患者の電子カルテを教師テータとして用い、1万6749件という患者が特定される個人情報を含まない大量のカルテに対して、患者ごとのリスクをスコア表示できることを確認し、実際に転倒・転落のリスクが高いと思われる患者のカルテを短時間でリスクが高い順に確認できることを示したという。同研究に用いられた人工知能「バーチャルデータサイエンティスト(VDS)」は、専門家の判断(暗黙知)を、暗黙知のまま学び、ビッグデータ解析を可能にするもので、今回の研究では、医療スタッフの知見を学び、電子カルテから院内の有害事象を予見することで、より質の高い患者ケア実現を支援することを可能にするという。今後は、NTT東日本関東病院としては、さらに効率よく重要な情報を選択することができるよう、院内での取り組みを行っていくとするほか、UBICとしては、医療分野の人工知能の活用に向け、専門家の暗黙知を用いて、さまざまな医療分野での利用を促進していきたいとしており、2015年度中に他要因も含めた大規模データに対する検証と予測ロジックの確定を行い、プロトタイプの開発・導入による実現場での運用を開始したいとしている。
2015年03月16日メタデータは3月11日、顧客の声(VoC:Voice of Customers)やSNS上の商品の評判、アンケート自由回答等を数量化して分析できる「VoC分析AIサーバ」の提供を開始したと発表した。同サーバでは、ビッグデータ解析や人工知能型のアルゴリズムを駆使することにより、VoCなどの本文テキストにさまざまな数値評価を付与することができ、10万以上の日本語語彙を約1万種の階層化された意味カテゴリに区別して認識する意味カテゴリAPI、7段階でネガポジや好悪・悲喜・怒怖を判定する感情解析APIなどのWeb APIや、相関係数付きバブルチャート、ヒートマップを含む各種グラフの描画機能を持つ。データの絞り込み結果や中間分析状態は、CSV形式でダウンロードできるので、Excelなどの独自分析ツールと連携させることができる。同サーバを採用したリクルートスタッフィングでは、1万人規模のアンケート自由回答から仮説を抽出して定量検証、定性分析、年次変化の傾向分析、回答者属性との相関分析などを行っている。
2015年03月11日アルケアは2月16日、オリンパステルモバイオマテリアル(OTB)より、OTBが製造販売している人工皮膚「テルダーミス真皮欠損用グラフト(テルダーミス)」の国内における医科向けの独占販売権を取得し、3月より販売すると発表した。テルダーミスはコラーゲンを原料とする生体材料(人工皮膚)で、やけどや手術による傷など重度に皮膚や粘膜が欠損した場所に貼り付けることで、皮膚の再生をサポートする。2007年よりOTBが製造販売し、形成外科や整形外科などに供給してきた。今回、アルケアが国内における医科向け独占販売権を取得することで、同社の販売網を活用した幅広い提供が可能となり、「テルダーミス」を商品ラインアップに加えることで、創傷治療の発展に貢献していくとしている。
2015年02月16日フィリップス・レスピロニクスは2月9日、日本人の顔面形状データを分析し開発した人工呼吸器用マスクであるウィスプネーザルマスク用の「Mワイドクッション」の販売を開始すると発表した。睡眠呼吸障害や呼吸不全に対する呼吸療法には、CPAP装置やバイレベル装置が使用されている。こうした治療器を使用する上で、直接肌に触れるマスクのクッション部分が適度に密閉され、快適に使用できることが重要な要素の1つとなる。同製品は、独自の3Dスキャン技術を用いて、日本人の睡眠時無呼吸症候群患者の顔面形状データを収集し、平均的な顔面形状を割り出し、日本人の特徴を分析した。そして、その日本人の平均的な顔面形状データを基に、鼻の幅や高さに加え、鼻梁部のラインに適切にフィットするよう、クッションの形状を設計した。また、顔面圧力分布のシミュレーションを実施し、"継続的な密閉性"と"跡残りの軽減"という、相反する2つの特徴を両立できるよう最終評価を行い、製品化へ繋げたという。なお、価格はヘッドギア、マスクフレーム、Mワイドクッションがセットになった「ウィスプネーザルマスク Mワイドファブリックフレーム」が2万6000円(税抜き)、交換用のMワイドクッションのみが2400円(税抜き)となっている。
2015年02月10日『第9地区』のニール・ブロムカンプ監督最新作『チャッピー』が、5月23日に日本公開されることが3日、明らかになった。『第9地区』では、難民エイリアンと人類の対峠を描いて全世界で大ヒットを記録し、『エリジウム』では、未来の格差社会を鋭く描いたニール・ブロムカンプ監督。最新作『チャッピー』では、2016年の南アフリカのヨハネスブルグを舞台に、世界でただ一体の"感じ、考え、成長する"AI(人工知能)を搭載した人型ロボット"チャッピー"を主人公とする物語を描く。開発者のディオン(デーヴ・パテル)によって、極秘でAIを搭載されたチャッピー。起動したばかりの頃はまっさらな子供のようだったが、ディオンとともにストリートギャングにさらわれたことで、そのAIには、ギャングによって生きるための術がたたき込まれていく。そして、急速なAIの成長は、彼自身のバッテリーが残り5日間と知ると共に、死への恐怖をも感じてしまう。主人公チャッピーを演じるのは、『第9地区』『エリジウム』にも出演し、ニール・ブロムカンプ監督の盟友ともいえるシャールト・コプリー。そのほか、ヒュー・ジャックマン、シガニー・ウィーヴァー、デーヴ・パテルら、演技派俳優たちが顔をそろえる。
2015年02月04日オルツは1月28日、パーソナル人工知能(P.A.I)「al+」を2015年3月よりiOS向けに配信開始すると発表した。「al+」は、利用者がよく利用するSNSやアプリケーションと連携し、自動的に利用者の思考を学習して、アプリケーション上に仮想のコピー人格を生成するというもの。人工知能エンジンには三段階の知能エンジンが設けられており、各エンジンが連携し、より柔軟で人間らしい思考を実現する。また、「al+」利用者全体の動向を常に解析することで1人の利用者からは得られない思考についても学習する機能をもち、利用者数の増大と共に、思考精度が向上していくという。さらに、作り上げたP.A.Iは売買することができ、例えば法律知識に強いP.A.Iを購入し、自分のP.A.Iにインストールすることで、自身の人格を保ちながらも法律の知識を加えることが可能となる。北米版からリリースを開始し順次各国で配信していく予定で、リリースから1年以内に500万人の獲得を目標としている。利用料は無料。
2015年01月28日