生きていく上で必要不可欠なお金。日本では、近年やっと「お金の教育」の大切さが言われ始めましが、お金についてしっかりと教えている親は少ないのではないでしょうか。一方、アメリカは「お金の教育」先進国です。そんなアメリカ・ニューヨークで、親向けの「お金の教育ワークショップ」が開催されると聞いて、ニューヨーク在住の筆者が行ってきました。ワークショップを共催するのは、ファイナンシャルアドバイザー浅井早苗さんと、外資系投資機関で約20年のキャリアがあるグローバルライフコーチマックギネス美和さん。「お金の教育」は3歳から始められる!?ワークショップの参加者は、5歳〜11歳の子を持つ日本人ママたち。オープニングでは、浅井さんからの「なぜお金の教育が必要なのでしょう」という問いかけに、参加者からは「お金は生きる上で大切だから」という声が上がります。「豊かに楽しく生きていく上で、お金はとても大切」とわかっていても、「子どもに、お金との付き合い方を教えている」と自信を持って言えるママは、ひとりもいませんでした。浅井さんは、子どもとお金に関するエキスパートであり、様々な著書を持つニール・S・ゴドフリーさんの言葉を引用し、「経済観念については、歯磨きなどの生活習慣と同じで、3歳から日々の生活で身に付けさせること」を推奨しているそうです。とはいえ、何から始めてよいのかわかりませんよね。ワークショップでは、浅井さんが日本の家庭でも今すぐ実戦できる「お金の教育」の具体的なコツを伝授してくれました。キーワードは「給料制」と「4つの貯金箱」では早速、下記の手順で進めていきましょう。1.家庭での子どもの仕事を2つに分類するまずは、子どもの仕事を(1)家族の一員として自主的にやるべき仕事、(2)おこづかいが伴う仕事に分類します。「家族の一員として自主的にやるべき仕事」は、主に自分自身の身のまわりのこと。たとえば、「歯磨き」「時間通りに就寝する」「おもちゃを片づける」「服をタンスにしまう」「朝はサッと起きる」など。3〜7歳なら3つ、8歳以上なら4つ選びます。次に、「おこづかいが伴う仕事」は、家族に貢献できる仕事のこと。たとえば、「食べ終わった食器をさげる」「読み古した新聞をリサイクル箱へ置く」「ペット用の水を用意する」「植物に水をあげる」「掃除をする」「ペットを散歩につれていく」「テーブルをきれいにする」「ゴミ箱を空にする」など。同様に、3〜7歳なら3つ、8歳以上なら4つ選びます。2.それぞれについてチェックリストを作り、仕事に応じて給料を払う1.で決めた項目について、1週間分のチェックリストを作ります。各項目について、仕事ができた日は、本人と親の確認チェックをしていきます。仕事は、ひとりでできるようになるまでは、親が手を添えてあげましょう。毎週、金曜日は給料日です。給料日には、チェックリストを確認してしながら、1週間の「おこづかいが伴う仕事」のでき具合に応じて、子どもに給料を払います。金額に迷ったら、満額払い=年齢分のドル(円)を目安に。たとえば、6歳の子が1週間すべての仕事をこなせたら6ドル(または600円)になります。半分できた場合は半額。まったくできなかった場合も、怒るのではなく、次週にチャンスをあげます。3.お金の管理用に4つの貯金箱を用意する4つの貯金箱を用意します。できればジャムの空き瓶など中身が見える透明のもので。4つの貯金箱の項目は下記です。(1)チャリティー(10%)誰かの役に立たせるお金(2)クイックキャッシュ(30%)お菓子など、今すぐ欲しいものに使えるお金(3)中期貯蓄(30%)自転車やゲームなど、買いたいもののために少し先の将来まで貯めるお金(4)長期貯蓄(30%)大学の学費など、遠い将来のために、複利を利用して貯めるお金たとえば、子どもの給料が10ドルであれば、チャリティーの瓶に1ドル、クイックキャッシュの瓶に3ドル、中期貯蓄の瓶に3ドル、長期貯蓄の瓶に3ドル入れます。以上が「給料制」と「4つの貯金箱」の仕組みです。「労働でお金をもらい、計画的に使う」というシステムを体感できますね! 小銭をたくさん準備する必要があるのは大変ですが、浅井さんは「特にアメリカのようなクレジットカード社会では、クレジットカードを持つ前に4つの貯金箱の習慣でお金の感覚を養い、金銭感覚の基礎固めが必要です。アメリカでは、親子でジョイント銀行口座を持つことも珍しくありません。子どもと一緒に、通帳にいくらお金が貯まっているかを数字で確かめることができるので、自分の口座を持つ前の準備としてオススメです」。ここまでの説明中、浅井さんは何度も「目的は、子どもに仕事(お手伝い)をさせることではなく、お金をもらう体験を通して、お金について考えてもらうこと」と強調。「お子さんと楽しんで、今日から早速やってみてくださいね」というメッセージとともに、ワークショップは終了しました。子どものタイプ別アプローチが課題克服と継続のコツ!1週間後、参加者が再度集まりました。参加者は、家庭で1週間、「給料制」と「4つの貯金箱」にトライ。子どもの反応として、「子ども自身が、やるべき仕事について考えた」、「毎日お手伝いをすることが日課になった」、「親の買い物に興味を持つようになった」などがあがり、また、「チャリティーについて教えるよい機会になった」といった意見も。一方で、「夫の理解が得られなかった」、「子どもは、今まで無条件におもちゃを買ってもらっていたので、『どうしてお手伝いしないとお金をもらえないの?』と言われた」などの課題も出てきました。そこで、ママ向けの子育てコーチングなども行なっているマックギネスさんから、「現状を把握し、子どものタイプを理解し、それに応じた個々のアプローチをすると効果的」というお話がありました。マックギネスさんによると、人はコミュニケーションの傾向によって、大きく4つのタイプに分けられるそう。4つのタイプとは、下記の通り(出典:NPO法人マザーズコーチ・ジャパン)。(1)「しっかりライオンタイプ」チームを引っ張るリーダータイプ。褒められると自信もやる気も倍増(2)「楽しいおさるタイプ」明るく前向きな行動派。ちょっと飽きっぽい面もある(3)「優しいうさぎタイプ」自分よりも人の気持ちを大切にする。労われると安心する(4)「きっちりふくろうタイプ」沈着冷静な慎重派。急がずじっくり取り組むことが成功の鍵マックギネスさんは、「親とお子さんのタイプが違うのに、親が自分のやり方を押しつけると、せっかくのお金の教育もうまくいかなくなって挫折してしまいます。自分の子がどのタイプか見極めた上でコミュニケーションを取ると、やる気スイッチをオンにしやすく、楽しく続けられます」と言います。参加者同士で、「どのタイプには、どんなアプローチが有効か」について、アイデアを出し合ったところ、「楽しいおさるさんタイプには、小銭を貯金箱に入れる時に、歌うことにする」、「きっちりふくろうタイプには、数字でしっかり理解してもらう」などのアイデアが出ました。みなさんも、ご自分のお子さんなら、どんな環境で続けられそうか、考えてみてくださいね。「お金の教育」と聞くと、「難しそう」「何をしたらよいの?」と思ってしまいますが、これなら今すぐ始められそうです。最初はうまくいかなくても大丈夫。お子さんとコミュニケーションを取りながら、楽しく取り組んでみてください。<文:フリーランス記者鯰美紀>
2018年12月02日仕事フェスタ開催!発達が気になる子をサポートする仕事をしてみませんか?子どもと関わる仕事というと、どんなものを思い浮かべますか?教育・福祉の資格を活かせる仕事は、保育園・幼稚園・学校で働く仕事だけではありません。「お友達とうまく関われない」、「自分の気持ちをうまく伝えることが難しい」、「勉強につまづきがある」といった、発達が気になる子どもたちが就学前や就学後に通う事業所(児童発達支援事業所、放課後等デイサービス)が全国にあります。そうした事業所で、子どもたちをサポートする「支援の仕事」について解説・紹介するイベントを、株式会社LITALICOが開催。LITALICOのみでなく、放課後等デイサービスや児童発達支援事業を行う事業所も参加。一度に、複数の事業所の話を聞くことができます。資格を生かして、子どもたちのために働きたいならせっかく教育・福祉関連の資格を持っているのに、生かせていない…。発達が気になる子どもたちの育ちにかかわってみたい。もっとスキルアップがしたい!そんな方におすすめのイベントです。次のような思いを抱いているなら、ぜひフェスタに足を運んでみてください。・子どもに直接関わる仕事がしたい・1人1人の子どもにじっくり向き合う仕事がしたい・保育士免許や教員免許を活かした仕事をしたい・支援の仕事をすでに今しているが、別の場所で仕事がしてみたい・教育福祉心理学系の大学を出ていて、いつか人と関わる仕事をしてみたいと思っていた教育系の学校出身・資格を持っている…けれども、現在は子どもと関わる仕事をしたことがないという方から、現在、児童発達支援や放課後等デイサービスで勤務されているという方まで、大歓迎です!仕事フェスタでは、こんなことがわかる!できる!・発達が気になる子の支援(児童発達支援・放課後等デイサービス)の仕事内容がわかる・実際にどんな働き先があるか、都内大手の事業所による説明を聞くことができる・主催スタッフにあなたの悩みや不安の相談ができる新しい仕事やスキルアップにチャレンジしてみたいけれど、誰に相談したらいいかわからないと、一歩を踏み出すことが難しいですよね。仕事フェスタでは、小さな疑問や不安から、最新の情報まで幅広く聞くことができます。■イベント対象者・保育士、教員免許(小中高いずれか)、社会福祉士、精神保健福祉士いずれかの資格をお持ちの方・または、児童福祉事業での実務経験2年以上ある方・または、大学・短大で教育学、心理学、社会学、社会福祉学いずれかを学んだ方・または、上記資格を取得見込みの学生の方・ほか、児童福祉の仕事に少しでも興味をお持ちの方■参加費無料★参加特典★当日参加者全員にQUOカード500円プレゼント!■開催日程2018年12月16日(日)12:00~14:00(開場11:45)※途中参加・途中退場可■会場東京都港区海岸2-6-30 MSビル5F(ゆりかもめ日ノ出駅より徒歩2分)東京湾が一望できる、おしゃれな会場での開催となります。ぜひリラックスしてお越しください。■タイムテーブル①「発達が気になる子の支援の仕事」解説ミニセミナー(~12:20)児童発達支援や放課後等デイサービスの概要や、指導員の仕事内容についてわかりやすく解説します。②事業所紹介リレー(~12:40)東京都内で児童発達支援・放課後等デイサービスを運営している複数の大手事業所が、特色や魅力についてご紹介します。③個別相談会(~13:35)気になる事業所に、具体的な仕事内容や、雇用条件について、自由に話を聞くことができます。④面接会(※希望者のみ)希望があればそのまま面接を受けることも可能です。※当日、発達ナビスタッフによる相談コーナーも設置しています。※タイムテーブルは変更になる可能性がございます。■参加法人・株式会社LITALICO(LITALICOジュニア)・株式会社クラ・ゼミ(こどもサポート教室「きらり」)・有限会社エスエヌ企画(ライズ児童デイサービス)・ハッピーテラス株式会社・株式会社SKY(みなそら園)・オークニ商事株式会社(こぱんはうすさくら)■本イベントについてのお問い合わせ先株式会社LITALICO イベント運営事務局:info_event@h-navi.jp
2018年11月30日日本が誇る世界的大企業・ソニー。その巨大企業は、じつは科学教育発展のための助成財団を運営しています。その助成財団「ソニー教育財団」は1959年から大本となる活動を開始し、現在ではその活動の幅を大きく広げています。公立校の教員が抱える問題の解決のため、また、2020年から小学校ではじまるプログラミング教育必修化のサポートのため、ソニー教育財団がおこなっている活動について、理事長・高野瀬一晃さんにお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)大小さまざまな規模の研修で教員のネットワークづくりを支援わたしが理事長を務めるソニー教育財団が小中学校の先生の助成をはじめたのは、1959年から。理科の先生から理科教育論文を募り、優秀な論文を執筆した先生に助成金やソニー製品を贈呈するという「ソニー小学校理科教育振興資金」です(インタビュー第1回参照)。すると、その活動が新たな展開を生みました。1963年、優秀な論文を執筆して受賞した先生が所属する学校が「ソニー理科教育振興資金受賞校連盟」というものを組織し、先生同士でネットワークをつくって互いに切磋琢磨していこうという動きが起きたのです。そこで、その先生たちの研修などに必要な費用をソニーが提供することにしました。「ソニー理科教育振興資金受賞校連盟」は、「ソニー科学教育研究会」(SSTA)と名称を変え、理科教育に関心のある先生ならだれでも参加できる会として、現在も活動を続けています。会員の先生の数は、いまでは約2000人。みなさん、理科教育に本当に熱心な先生たちです。SSTAの会員の多くは公立校の先生。じつは、公立校の先生たちはひとつの問題を抱えています。異動があっても市町村内の別の学校に行くだけということがほとんど。市町村外に異動することがあっても、都道府県内の異動にとどまります。すると、先生たちは他の都道府県の先生とのネットワークをほとんど持つことができないのです。しかも、教員独特のメンタリティーなのか、なにか授業で問題が起きたとしても、同じ市町村内の先生にはアドバイスを求めにくいらしい。おそらくは、互いにコンペティターだと認識しているのでしょう。その問題を解決するため、わたしたちはSSTA会員の先生を対象とした3泊4日の全国特別研修会というものを開催しています。集まるのは全部で約100人の先生たち。そこで、たとえば北海道、青森、広島、福岡の先生がグループとなって授業の単元(学習活動の題材)開発をおこなってもらう。こうして、先生たちは「同じ釜の飯を食った」仲になる。全国に先生同士のネットワークができ、先生たちは互いにアドバイスを求めたり、アドバイスをしたりできるようになるわけです。また、全国特別研修会の他にも、全国を4つのブロックにわけておこなう「ブロック特別研修会」や都道府県単位の支部ごとの研修会も実施しています。これらにより、草の根運動ではないですが、学校現場の授業の質を上げることに貢献できていると自負しております。プログラミング教育のキモはプログラミング言語習得ではないこういった先生たちの研修のサポートの他に、ソニー教育財団では新たな試みをはじめています。わたしはもともとソニー株式会社では資材調達に携わってきました。ビジネスの現場に長く身を置いてきた立場からも、今後のソニー教育財団がどういうミッション、ビジョンを共有し、どこに向かって活動すべきかを考えています。ソニー創業者の井深大の考えも高く掲げながらも、未来志向が必要だと思うのです。その未来志向のなかではじめたのが、プログラミング教育のサポート。いま、日本のビジネスの現場にはソフトウェアエンジニアが圧倒的に不足しています。そのため、2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されるのですが、問題はそれを教える先生たちにそのスキルや指導経験がないということ。そういう先生たちを、なんとかサポートしなければなりません。たまたまではあるのですが、ソニーでは異なるグループ会社がそれぞれにプログラミング教材を開発しました。ひとつは「MESH(メッシュ)」というもの。これは、人感センサーや光センサーなど、さまざまなセンサーやスイッチ機能を持ったブロック形状の電子タグとアプリを組み合わせ、プログラミングすることでいろいろなアイデアをかたちにできるというものです。画像提供:ソニー教育財団もうひとつは、「KOOV®(クーブ)」。こちらは、子どもたちの大好きなカラフルなブロックと電子パーツで動物やロボットなどのかたちをつくり、そこにアプリからプログラムを転送することで、自分でつくった作品を動かすことができるというものです。(本記事冒頭画像もKOOV)画像提供:ソニー教育財団わたしたちは、これらをSSTAの先生たちに無償で貸し出し、プログラミング教育に役立ててもらっています。その授業はたとえばこんな内容です。教室にゴミが散らかっているという問題があるとしましょう。そこで、MESHをつかってみんながちゃんとゴミ箱にゴミを捨てるようにするための方法を子どもたちに考えてもらう。たとえば、ゴミ箱を開けると、ゴミ箱のなかの光センサーが反応して、あらかじめ録音していた「きちんとゴミを捨ててくれてありがとう」という音声が流れるようにするとか。MESHもKOOV®も直感的に使えるビジュアルプログラミングを採用しているので、プログラミングの専門的な知識がなくても問題ありません。重要なのは、「○○すれば△△が起きる」といった、プログラミングの基本的な考え方を身につけることです。プログラミング教育というとコンピューター言語を覚えるといったイメージをするかもしれませんが、その根本となる考え方、「論理的思考」を身につけることが、重要なプログラミング教育だと思うのです。■ ソニー教育財団理事長・高野瀬一晃さん インタビュー一覧第1回:ソニーが“子ども投資”を59年間も続ける深い理由第2回:世界のソニーが手がける「プログラミング教育サポート」第3回:卒業生400人、みんな理系じゃないから面白い。ソニーの凄すぎる自然教室の全貌(※近日公開)第4回:日本人教員がビックリするのも納得。豪州が取り組むSTEAM(スチーム)教育の凄さ(※近日公開)【プロフィール】高野瀬一晃(たかのせ・かずあき)1954年1月18日生まれ、東京都出身。早稲田大学教育学部卒業。1990年、ソニー株式会社入社。資材調達のエキスパートとして1993年からドイツ、ハンガリー、フランス、スウェーデンなどヨーロッパ各国に赴任。2005年に本社へ復帰し、DI事業本部、テレビ事業本部の資材部門部門長、調達本部本部長、調達担当役員(SVP)などを歴任し、2015年に定年退職。その後、公益財団法人ソニー教育財団理事長を務める。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年11月20日「レッジョ・エミリア教育」を知っていますか?優れた幼児教育として、世界中の保護者から注目を浴びています。その発祥となったイタリアの都市レッジョ・エミリアは1991年、米国の週刊誌『ニューズウィーク』により、幼児教育における国際的なロールモデルとして挙げられました。米Googleの社員が利用できる預かり保育にも、レッジョ・エミリア教育が取り入れられているそう。いったい、一般的な幼児教育と比べてどのような特徴があるのでしょうか?今回は、小さな子どもに関わる者ならぜひ知っておきたいレッジョ・エミリア教育について、簡単にご紹介します。レッジョ・エミリア教育の発祥レッジョ・エミリア教育の始まりは、第二次世界大戦の終戦直後でした。北イタリアの都市レッジョ・エミリアの近くにあるヴィッラ・チェッラ村の人々は、戦争で破壊された建物からレンガや石を集めたり、ドイツ軍が残した戦車を売り資金を集めたりして、学校を建てはじめたそう。地元の教員だったローリス・マラグッツィ(1920~1994)はそれを見て感動し、ローマで教育心理学を学びはじめます。1950年に学位を取得するとレッジョ・エミリアに戻り、学校の運営を手伝ったり新たな幼児教育施設を建てたりしたそうです。マラグッツィは市当局と協働し、1963年に公立としては初めての幼児教育施設をオープンさせました。その後も公立の施設は増え、レッジョ・エミリアの保育施設は18に、幼児教育施設は51にまでなったそう。これらの施設で行われている教育が、レッジョ・エミリア教育と総称されているのです。レッジョ・エミリア教育の理念レッジョ・エミリア教育における指導者的存在となったマラグッツィは自身の教育理論を本として残しておらず、レッジョ・エミリア教育に体系的なメソッドはありません。しかし、マラグッツィによる詩「100の言葉」は、レッジョ・エミリア教育の理念を象徴するものとして知られています。以下はその一部です。子どもは100の言葉を持っている(そしてもっともっと何百も)けれど99は奪われている学校と文化が頭と体を切り離す彼らは子どもにこう言うのだ手を使わずに考えなさい頭を使わずやりなさいよく聴きなさいしゃべってはいけません楽しまずに理解しなさい(引用元:St Joseph’s School|The Hundred Languages of Children)この詩のなかでは、従来の幼児教育が冷たいものとして非難されています。そして、その反対がレッジョ・エミリア教育だといえるでしょう。「100の言葉」は子どもが持つ無限の可能性の象徴です。そして、人にはそれぞれ異なる価値観や個性があることを意味しています。2010年代の「多様性社会」を先取りしたものといえるかもしれません。レッジョ・エミリア教育の実践では実際に、レッジョ・エミリア教育では何が行われているのでしょう?以下ではレッジョ・エミリア教育の特徴を紹介します。1.プロジェクトレッジョ・エミリア教育の大きな特徴は、「プロジェクト」と呼ばれる活動です。これは、長ければ1年にも及ぶ長期間、一つのテーマを掘り下げるというもの。テーマは子ども同士の話し合いによって決定され、工作や調べ活動が行われます。子どもたちが議論しやすいよう、プロジェクトは4~5人の小グループで行われることが多いそう。また、グループには保育士だけでなく、保護者や地域住民といった大人も加わって、話し合いや見守りをします。このプロジェクト活動において子どもが学べることは多くあります。幼児教育を専門とする冨貴田智子・准教授(愛知江南短期大学)が、幼稚園で1カ月に渡るプロジェクト活動を行ったところ、以下のように子どもたちの「自律性」および「協同性」の成長が見られたそうです。自律性:-子どもたちだけで設計図について話し合っていた。-自由遊びの時間にも自主的にプロジェクト活動を進めていた。協同性:-自分の意見を強く主張しつつも、他者の話に耳を傾けて考えを変えた。-他者を批判したら逆に批判されたことにより、新たな気づきを得た。2.ドキュメンテーション「ドキュメンテーション」も、レッジョ・エミリア教育を語るには欠かせないものです。子どもたちが活動する様子は、文字や写真・動画によって記録されます。そしてパネルとしてまとめられ、誰もが見られる場所に展示されます。子どもがそれを見て、自分たちの活動を振り返ることにより、次に活かすのが目的です。もちろん、保育士にとっても指導の参考資料となり、保護者や地域住民といった来園者に活動を紹介する有効な手段ともなります。幼児教育学を専門とする伊東久実教授(身延山大学)は2011年、レッジョ・エミリア教育を実践する米国の保育施設を視察したところ、ドキュメンテーションは以下のように作成されていたそうです。-造形美術の専門教師(アトリエリスタ)と保育士による、2~3人のグループが担当。-子どもが活動している様子を多数の写真に収め、録音する。-子どもが興味を示したことに関して、1枚もしくは数枚の写真をピックアップする。-活動の過程や子どもの考えが分かるような言葉を添える。-教室や廊下に掲示する。具体的に、ドキュメンテーションには以下のようなことが書かれていたそうです。子どもたちの行動や発言が細かく記録されているので、その場にいなかった人でも様子をありありと思い浮かべることができますね。エレーナは来てすぐにライトテープルの脇にいるフェリックスのもとに直行した。四角や三角などの異なる形を見ながら、エレーナは「丸のかたちはないの?」と尋ねてきた。しかし、丸の形がないと知ると、彼女は自分で丸を作り始めたのだ。彼女が三角形をつなぎ合わせれば円を作れる、という直感を持っていたことに私は驚いた。エレーナ:私は丸を作ったよ。今度は丸を分解していくの。フェリックス:僕は四角を集めてる。これってマグネットなんだ。マグネットがいっぱい!エレーナは、円を作るために組み合わせた三角形をひとつひとつ指さしながら言った。エレーナ:青、だいだい、緑、だいだい、だいだい、緑。フェリックス:これとこれは同じ色だ。(だいだい色の三角形を2つ指し示しながら)(後略)(太字による強調は編集部で施した)(引用元:身延山大学 リポジトリ|レッジョ・アプローチによるドキュメンテーションの実例検討 (長澤市郎先生退職記念号))伊東教授によると、この施設におけるドキュメンテーションは、以下の3つの観点に基づいて行われていたそう。1.子どもの思考を視覚化できるよう、効果的にレイアウトする。2.結果報告ではなく、子どもたちの探究活動の経過の記録である。3.子どもを「多大な可能性を持つ存在」としてとらえ、尊敬する。日本でも、子どもたちが工作や遠足をしている写真を掲示している保育園・幼稚園はありますが、あくまで「活動の簡単な紹介」にとどまっているのではないでしょうか。ドキュメンテーションのように、文字による詳しい説明はほぼ見られませんよね。子どもたちを尊敬し、彼らが何を行って何を考えているのかを客観的に分かりやすく表現するドキュメンテーションは、レッジョ・エミリア教育を体現しているものといえるでしょう。3.教育環境レッジョ・エミリア教育を取り入れている施設には、「アトリエリスタ」という美術専門の教師がいます。一つの園につき1人が配置され、プロジェクト活動やドキュメンテーションの作成に関わります。「ペダゴジスタ」という教育学専門家の存在も、レッジョ・エミリア教育における特徴のひとつです。ペダゴジスタは複数の施設を担当しており、週に1回程度訪問する日には、保育者とアトリエリスタとで徹底的に話し合うそう。教育に関してアドバイスをするほか、運営にも関わるそうです。レッジョ・エミリア教育においては、施設のデザインも重要です。レッジョ・エミリア教育の施設には、「ピアッツァ(広場)」と呼ばれる空間があります。イタリアの都市は広場を中心として展広がっており、そこは噴水や市場があって人々が集まるスペースとなっているのですが、レッジョ・エミリアの施設でも同様。たとえばレッジョ・エミリア市のある乳幼児センターでは、ピアッツァは建物の奥にあり、年齢の異なる子どもたちの教室に囲まれています。着替え遊びができるコーナーや「劇場」のコーナーがあるそうです。また、市内の別の施設のピアッツァは、やはり教室に取り囲まれています。着替え遊びのコーナーのほか、合わせ鏡で作られた空間に入って遊ぶ「万華鏡」という遊具もあります。さらに、レッジョ・エミリア教育を取り入れた保育園を日本で経営する、ナチュラルスマイルジャパン株式会社代表取締役の松本理寿輝氏によると、レッジョ・エミリア市の保育園では、閉園時間になると街の人々がワインやチーズを持った人々がピアッツァに集まって会話を楽しむそう。子どもも自然と加わるとのことです。街と保育施設が分断されず、住民と子どもが場所を共有しているのは理想的ですね。レッジョ・エミリアの保育施設にとっては、「アトリエ」も重要です。ここには芸術活動に必要な用具・材料が置かれ、ドキュメンテーションや子どもの作品が飾ってあります。「まるで実験室のよう」と表現する人も。保育施設全体で使われる大きなアトリエのほか、各教室に備わっている「ミニアトリエ」もあります。アトリエには、小石や葉っぱなどの自然物が丁寧に保管されており、子どもの興味・関心を刺激します。日本にレッジョ・エミリア教育の施設はある?さて、ここまで読んでみたら、レッジョ・エミリア教育を取り入れた施設に子どもを通わせてみたくなったかもしれませんね。日本には、レッジョ・エミリアの保育園や幼稚園はあるのでしょうか?実は、レッジョ・エミリア教育の考えを取り入れている施設は都内では珍しくありません。アトリエリスタやペダゴジスタといったプロフェッショナルの確保、ピアッツァの設計など、日本にそのまま輸入するには難しい点もありますが、レッジョ・エミリア教育の基本的な理念を実践している施設をご紹介しましょう。-代沢インターナショナルスクール(世田谷区、渋谷区)「レッジョ・エミリア・アプローチ」を全面に打ち出し、一人一人の個性を尊重することを重視しています。プロジェクト活動はもちろん、ドキュメンテーションも実施。写真・子どもの発言・先生のコメントから成る「ジャーナル」を作成し、保護者が子どもの学習活動を把握できるようにしているそう。また、スクールのコミュニティ形成のため、イベントや課外活動には保護者の積極的な参加を求めています。-まちの保育園(練馬区、港区、武蔵野市)・まちのこども園(渋谷区)上述したナチュラルスマイルジャパン株式会社の運営する、レッジョ・エミリア教育の考えを重視した施設です。アトリエの設置や、外部の人も見られるようなドキュメンテーションの掲示など、レッジョ・エミリア教育の方法論を積極的に実践しています。それだけではなく、施設を開放して保護者や地域住民向けのイベントを開いたり、カフェを併設したりなど、施設と地域コミュニティを一体化させようという姿勢は、まさにレッジョ・エミリア教育の思想を体現したものといえるでしょう。レッジョ・エミリア教育を家庭で取り入れるにはレッジョ・エミリア教育に興味があっても、近くに施設がなかったり、費用がネックになったりする場合もありますよね。そんなときには、レッジョ・エミリア教育のエッセンスを家庭生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?たとえば、プロジェクト活動。休日の過ごし方を、子どもと話し合って決めてみてはどうでしょう。展覧会やワークショップなどの情報が載った冊子やWebサイトを子どもに見せ、どれに参加したいか自分で考えさせるのです。なぜそれを選んだのか、どんな点に興味を持ったのかを説明してもらうのもよいですね。また、以前に出かけた場所の感想を聞いてみて、気に入ったようであれば同じような場所に行ってみると、子どもの興味・関心がさらに広がりそうです。ドキュメンテーションの作成にもチャレンジしてみてはどうでしょうか。ノートやスクラップブックに、子どもが活動しているときの写真を貼り、子どもが発した言葉をそのまま記録すればOK。このとき注意したいのが、ドキュメンテーションは「思い出のアルバム」とは異なるということ。カメラ目線でポーズを取った「記念写真」ではなく、子どもが作品の制作や読書に熱中しているときの写真を選びましょう。ドキュメンテーションはあくまで「探究活動の経過の記録」です。子ども本人や親が見返して「気づき」が得られるよう、客観的に編集することを意識してみましょう。そして家族がいつでも手に取れるよう、リビングなど共有スペースに置いてくださいね。レッジョ・エミリア教育を知る本「レッジョ・エミリア教育をもっと知りたい!」という方には、本を一冊読んでみることをおすすめします。まずは、『驚くべき学びの世界~レッジョ・エミリアの幼児教育~』(ACCESS、2011年)。レッジョ・エミリア市の協力により2011年にワタリウム美術館(渋谷区)で開催された、「驚くべき学びの世界展」の内容がたっぷり詰まっています。レッジョ・エミリア教育のなかで子どもたちの作り上げたアートの美しい写真をふんだんに収録。読者の感性に直接訴えかけてくるような紙面を見ると、それだけでも子どもに対する考え方が変わりそうです。ほかに日本語で読めるものとしては、イタリア語・イタリア文化を教えるダンテ・アリギエーリ協会を創設したアレッサンドラ・ミラーニ氏による『レッジョ・アプローチ 世界で最も注目される幼児教育』(文藝春秋、2017年)があります。日本のプレスクールにおいてどのようにレッジョ・エミリア教育を実践したか、という経験に基づいて書かれたので、日本人の親にとっても共感しやすいのではないでしょうか。電子書籍版もあるので、気になったらワンクリックですぐに読むことができます。***プロジェクト活動やドキュメンテーションからうかがえるように、レッジョ・エミリア教育では子どもを一人の人間として尊重し、自主性を重んじているのですね。「幼児教育にはこんなアプローチもあるんだ」と、新たな視点を与えてくれます。就学前のお子さんをお持ちなら、近くにレッジョ・エミリア教育の施設があるか、調べてみてはいかがでしょうか。(参考)StudyHacker|レッジョ教育Newsweek|The Best Schools In The WorldHowStuffWorks|Google Benefits and Day CareThe Atlantic|Reggio Emilia: From Postwar Italy to NYC’s Toniest PreschoolsReggio Children|Loris MalaguzziReggio Children|Reggio Emilia – City of a Hundred Languages和光大学|レッジョ・エミリア・アプローチとの対話St Joseph’s School|The Hundred Languages of ChildrenJWCPE Repository|レッジョ・エミリアの幼児教育と保育環境愛知江南短期大学|プロジェクト活動を通した子どもの自律性・協同性が育つ過程の検討StudyHackerこどもまなび☆ラボ|イタリアの革新的なアート教育「100人には100通りの考え方がある」個性を大切にするレッジョ・エミリア・アプローチ身延山大学 リポジトリ|レッジョ・アプローチによるドキュメンテーションの実例検討 (長澤市郎先生退職記念号)政策シンクタンクPHP総研|子どもたちがまち中の人と出会える環境を代沢インターナショナルスクールまちの保育園ワタリウム美術館|驚くべき学びの世界展
2018年11月18日今は小学校入学前に平仮名や片仮名をマスターする子が大半で、なかには足し算や引き算、英語ができる子もいるようです。我が子も遅れを取らないように早期教育を行うべき?いったい何歳から始めればいい?そんな焦る気持ちになりますが、誤ったやり方をしないように、まずは早期教育について知っておきましょう!そもそも早期教育って?早期教育とは小学校に入る前から教育を取りいれること。胎児・乳児期に行うものは、超早期教育と呼んだりもします。早期教育を行う機関や家庭で読み書きなどを教えたり、英語やピアノ、スイミングなどの習い事を早い段階から始めることなどです。「2~3歳から始める〇〇トレーニング」や「頭のいい子に育つ〇×式子育て」なんてキャッチフレーズも目にしますよね。0~5歳は脳の神経系が急激に発達するので、この時期から経験させることでその子の能力や関心を高めることが狙いと言われています。ただ、その効果は、実はまだ明確に証明されていないのです。専門家や教育に携わるプロの間でもさまざまな意見に分かれているのは現状です。では、結局どうするのが正解なの?という疑問がわきますよね。判断材料となる、早期教育のメリットとデメリットをご紹介しましょう。早期教育のメリット〇子どもの得意分野を知り、伸ばせるスポーツ、音楽、芸術分野……我が子は何に興味があり、何が得意なのか。幼児期の習い事は、そんなことを知る良いきっかけになります。サッカーやピアノ、スイミングなどを体験させる中で、子どもの得意分野がわかってくるでしょう。おっとりしている性格だと思っていた我が子が、実は負けず嫌いだったなど、意外な発見もあるかもしれません。そして、子どもは楽しみながら自分の能力を高めていけます。〇子どもに自信がつく早期教育や習い事を通し、先生や親に褒められたり、時には失敗や困難を乗り越えたりすることで、子どもは自分に自信をつけていくことができます。また、小学校で習う前に平仮名や片仮名、漢字、足し算や引き算を学んでおけば、最初の段階で授業についていけずにつまずく、ということもありません。「私はできる!」という自信は、その後の学習意欲にもつながってくるのではないでしょうか。〇脳の働きに大きく影響子どもの脳の神経系は0~5歳の時期に最も発達すると言われています。そのため、早期教育を行う機関などでは、好奇心が旺盛で、脳が柔軟な子どものうちに教育を開始して脳を活性化することで将来も優秀な人間に育つ、という考えに基づいて行われています。行っていない子に比べて、高い基礎学力を身につけることができると言えるでしょう。早期教育のデメリット●インプット教育の弊害新しい情報を与えることはとても大切ですが、一方的に何かを教え込むインプット教育を続けていると、子どものやる気がダウンしてしまいます。「お母さんに教えてくれる?」など、アウトプットの機会をはさむことで、子どものやる気も学習効果もアップするようです。●自主性の抑圧早期教育はパターン化され、それに反応するという受け身の学習、訓練が多いと言われています。また、「早くできるように」と親が先回りして無理に教えたりすることも良くありません。子どもの自主性・創造性の領域の発達が抑圧され、受け身的になってしまう危険があります。子どもの自主性を育てるためには、親は過度な口出しをせず、失敗もつまずきも見守る姿勢をつらぬくことが大切です。●親同士の競争になってしまいがち「友達の××君が始めたから」「〇〇ちゃんはもうできるから」と他の子と比較し、子どもに過度の期待を押しつけないように気をつけないといけません。親の方が早期教育にハマり、「もっと早く、もっと正しく」と求めすぎると、子どもは精神的に追い詰められてしまいます。親自身がライバル心をコントロールできるようにしましょう。教育学博士・教育カウンセラーの諸富祥彦氏は、著書の中でこう書いています。早期教育をやるかどうか決めるときは、「お子さんの能力」よりも、子どもと親がいっしょに楽しんでできるかどうかを、真っ先に考えるべきなのです。お母さん自信が「誤りを許せない」完璧主義、「ほかの子と張り合ってしまう」ライバル心を抑えられないようなら、早期教育はおすすめできません。(引用元:諸富祥彦(2010),『女の子の育て方』,WAVE出版.)早期教育を始めるか検討の際には、これらのメリット、デメリットを踏まえた上で、お子さんに必要かどうかを判断するのが良さそうです。“教えない”という早期教育にも注目を「子どもが将来困らないように、できる限りの教育をするのが親の役目」「子どもの学力や将来は親から与えられた教育の質や量が影響する」そんな風潮から、我が子にも幼いうちから何かしてやらなければ、と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。しかし、諸富氏によれば、子どもの教育において重要なのは、親が何かを「させる」ことばかりではない、とのこと。余計な手出し、口出しをしないこと、子どもの内的な成長をじっくりと見守るということも親の大切な役割のひとつだと指摘しています。人間には一人でいるときにしか起こらないある種の内面的成長があり、そのため、一人になって自分と対話する時間を持たず、絶えず外界からの刺激に身をさらしてばかりいると、想像力や創造性の発達が妨げられるのだそうです。また、共働きの保護者に向けた役立つ情報を提供している『日経DUAL』の記事内では、早期教育について取材した記者が次のように語っています。脳科学分野の権威である小泉英明さんは、「小さいうちにそういった“不自然な教育”に時間を取られて本来伸ばすべきことがおろそかになる」という状況を懸念していました。知育よりも、子どもの意欲を伸ばすことのほうがはるかに大切で、脳が内側から外側へと進化した人類の進化の順に照らし合わせ、「意欲」や「やる気」が関わる脳の内側をまず鍛えるのが一番なんだそうです。(引用元:日経DUAL|“教えない”早期教育を脳科学者らが勧める理由)様々な考え方がある早期教育。焦らずに、また周りと比べることなく、親子が納得して楽しめるものを探した先にあるのが“答え”なのかもしれません。文/鈴木里映(参考)マイナビウーマン子育て|「早期教育」はどのような教育法?その種類や実践する際の注意点などALL About|早期教育のメリット・デメリット日経DUAL|“教えない”早期教育を脳科学者らが勧める理由諸富祥彦(2010),『女の子の育て方』,WAVE出版ベネッセ教育情報サイト|インプットよりアウトプットで子どもは伸びる
2018年11月13日スイミングにサッカー、ピアノに学習塾など、子どもの習いごとは多種多様です。わが子にも何か習いごとをさせてあげたいと考えているお母さんも少なくないでしょう。習いごとをさせるのは「好きなことを伸ばしてあげたい」「興味の幅を広げてあげたい」といったママの思いがあり、たくさん通わせてあげたほうが良いだろうという発想が生まれてくるのは自然なことかもしれませんね。けれど、習いごとにたくさん通わせなければ、子どもを教育できないものでしょうか? 今回は、習いごとと子どもの学歴について考えてみたいと思います。■子どもの学歴は「家庭の年収」が左右する?文部科学省の委託により、国立大学法人お茶の水女子大学が分析を行った小・中学生の保護者への調査( 平成29年度全国学力・学習状況調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究」(国立大学法人お茶の水女子大学) )によると、家庭の社会経済的背景が高い子どものほうが、各教科の平均正答率が高い傾向にあることが分かりました。この調査データから分かることは、経済的に余裕のある家庭の子どもは学力が高いということです。確かに、お金に余裕があればたくさんの習いごとに通わせることができるでしょう。まだまだ好きなこと、やりたいことが分からない状態でも、その小さな興味に応じた学びを与えることができるかもしれません。けれど「行かせてあげたいけど、難しい」という状況にある場合、この調査結果を見て焦りや不安を感じてしまうかもしれません。そこで、いま一度、考えてみたいと思います。「子どもにお金をかけること」は本当に学歴に結びついているのでしょうか? 私は少し違うような気がするのです。■教育はお金で買える?「子どもに習いごとをさせていない」不安経済的な理由から、子どもに習いごとを十分にさせてあげられないことで悩んでいるママは少なくありません。「まわりはみんな習いごとをやっている。うちのように習いごとに通わせていないのは、子どもにあまり良くないのでは?」「学歴によっては、子どもの人生が悪い方向にむかうかも…」といった心配が積もっていけば、ストレスになってしまうこともあるでしょう。確かに、今回の調査データでは「教育はある程度、お金で買える」という事実があるのかもしれません。けれど、私はお金がすべてではないと思います。子どもの教育を考えるなら「習いごとに通わせる」「お金をかける」ではなく、「子どもへの親の働きかけ」に目を向けてみてほしいのです。 ■子どもの教育「いくらかけた」ではなく「どれだけ関わった」か教育をお金で買うことができるのは事実。けれど、子ども本人に学習意欲がなければ、あまり効果がないのも事実です。脳も体の一部なので、小さいときから、たくさん体を動かして遊んだほうが脳も発達するといわれています。 では体操や医スイミングなど「体を動かす習いごと」に通わせるのが一番手っ取り早いですが、お金を出して習わせないと、子どもは体を動かさないものでしょうか?例えば、公園遊びがそうですね。公園には広い空間のなかにいくつかの遊具があったり、さまざまな植物が植えられていたりしますよね。そうした環境でも、子どもに学びを与える遊びがたくさんできます。自分でルートを選び、手足をひっかけながらよじのぼったり、移動したりするジャングルジムは、立体的な見方ができる空間把握能力を養うといわれています。また、わざわざ植物園や昆虫展に行かなくても公園には季節の花々や小さな虫たちがたくさん隠れていますし、種類の異なる木々も生えています。図鑑を持って出かければ、名前や特徴と照らし合わせる遊びができますよね。そこから知識と経験の両方を得ることができます。自宅でできることもたくさんあります。例えば、トランプ。神経衰弱はどこに何があるかを覚えなければならないので記憶力が身につきますし、七ならべでは自分のカードから相手のカードを推測し、先を見通す力を養うことができるでしょう。絵を描く、ゲームをする、本を読む、たくさん話をする。実は習いごとにお金をかけなくても、親の働きかけで、子どもの好奇心や学習能力は伸ばせるのではないでしょうか。さらに、こういった日々のくらしや遊びを通して学んだ体験は、学習塾だけでは決して得られないものといえます。そして、その遊びをママも一緒にやりましょう。すると「この遊び、特に気に入ってるな〜」と子どもの興味にいち早く気づくことができます。さまざまな習いごとをさせてムダな時間とお金を費やすよりも、はるかに効率的に伸ばすべきポイントが分かるメリットもあるようです。大事なのは「親が子どもとどう関わっていくか」。子どもに寄り添い一緒にやることで母子のつながりが強まれば、「自分は愛されている」という子どもの自信や親への信頼感が芽生えます。ママに褒めてほしいから頑張るんだ! といった気持ちを持ちやすくなり、学力向上にもつながるのではないでしょうか。参考サイト: ・平成29年度全国学力・学習状況調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究」(国立大学法人お茶の水女子大学)
2018年11月12日幼いお子さんをお持ちの親御さん、親子で一緒に歌を歌っていますか?音楽による幼児教育研究が専門の、高崎健康福祉大学人間発達学部子ども教育学科教授・岡本拡子先生によると、子どもにとって歌は親とのつながりを感じられるもの。親は子どもと一緒にたくさん歌を歌ってあげるべきなのだそうです。では、幼い子どもの成長につなげるために、いったいどんな歌を歌えばよいのでしょうか。まずは、子どもが歌を歌うことの意義から語っていただきました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)歌は人間的成長に欠かせないもの子どもが歌うことにはたくさんのメリットがあります。ただ、わたしとしては「メリット」という言い方はあまり好きではないんですけどね。というのも、いいことがあるから人は歌うわけではないからです。歌うときには声を使います。そして、声を使うということは体を使うということですから、歌うという行為は人間のプリミティブな欲求、本能に根ざしているものと言えるからです。歌というものが生まれた当初は、おそらく、伝達やコミュニケーションのために、そのうち儀式や神事などに使われたのでしょう。それから、気持ちの高揚や感情を表すひとつの手段として、また、人の楽しみとして使われていった。それが歌なのです。では、子どもの歌となるとどうでしょうか。まず、どこからが歌でどこからが歌ではないのか、ということを考えてみてください。たとえば、子どもがお友だちの家に遊びに行ったときに言う「ひーろーちゃん、遊びましょ」。これは歌でしょうか、歌ではないでしょうか。遊びの輪に入れてもらうときの「いーれーて」「いーいーよ」、あるいは数を数えるときの「いーち、にーい、さーん、しーい」はどうでしょう。これらには決まったリズム、メロディーがあるとも言えますよね。子どもたちは、誰かがつくった歌を歌うだけではなくて、遊びのなかでどんどん気持ちが弾んでくると、たくさんの「歌」を歌っているのです。これらも歌であり、音楽の入り口と言えるでしょう。そして、お母さんなど周囲の大人も子どもと一緒にたくさん歌ってあげるべきだと思います。それにはふたつの理由があります。ひとつは、子どもにとって、歌は親とのつながりを感じられるものだからです。親が乳幼児をあやす際に自然に発する高い音域で抑揚のある「マザリーズ」と呼ばれる話し方で話すと、子どももそれに応えて声を発しますが、じつはその声の波形やリズムは親のそれらとまったく同じなのです。その時点で、親子の音楽的なやり取りははじまっていると言っていいでしょう。それはコミュニケーションというより、「情動の交流」と呼ぶべきものです。子どもが明確に歌と呼べるものを歌うようになるのは1歳頃からですが、それ以前にも赤ちゃんはリズミカルに歌っています。そうして親と「歌」を交わすことで、子どもは親とのつながり、親と通い合っていることを無意識のうちにも感じるのです。それから、親など周囲の大人が子どもと一緒にたくさん歌ってあげるべきもうひとつの理由は、歌が人間的成長に欠かせないものだからです。誰かと一緒に歌を歌う際に重要なのは、呼吸を合わせることですよね。そして、人が呼吸を合わせることが求められるのは歌うときだけではありません。会話のなかでどう相づちを打つかといったことも、人と呼吸を合わせることのひとつでしょう。人は必ず社会のなかで生きていくもの。だからこそ、人との関わりのなかで、「自分が社会の一員なんだ」と感じることは、子どもの成長に絶対に欠かせないものです。人と呼吸を合わせることが求められる歌というものは、そういう社会性を育むことに大きな役割を果たすものだとわたしは考えています。また、親が子どもと一緒に歌えるということは、親子関係がいい状態にあるというサインでもあります。怒ったりイライラしたりしているときには大人は歌いませんよね。歌を歌うということは親がリラックスしていることの証なのです。子どもが健やかに育つためにも、親がそういう心の余裕を持てるような家庭、社会であってほしいですね。歌だけではなく五感が総合的に子どもの感性を育むでは、どういう歌が子どもの成長につながるのでしょうか。幼い子どもの場合、子どもの認知能力や発達ときちんと合っているものである必要があります。簡単に言えば、子どもが「表現できる歌」であるべきでしょう。日本には「わらべ歌」という、子ども自身がつくって歌い継がれてきた歌があります。それらの多くは、日本語のリズムや抑揚に合わせてつくられた音域が狭いもの。子どもにも無理なく発声できて、話しはじめたばかりの子どもでも、しゃべることの延長のような感じで歌えます。幼稚園や保育所の年少さんくらいの子どもの場合だと、有名なところでは『ちょちちょちあわわ』『東京都日本橋』など、赤ちゃんでも一緒にできる手遊び歌がいいでしょう。それから、年少さんの子どもでも歌詞の意味が理解しやすいもの。たとえば、『ぞうさん』『おつかいいありさん』『やぎさんゆうびん』など。これらは、動物に「さん」をつけて人間のように扱っているので、子どもが内容を理解してイメージしやすいのです。最近の保育の現場を見ていると、子どもには難しい歌を歌わせていると感じることもあります。なかには、「大人にも難しいんじゃないかな?」と思うような歌もあるくらい。それに、大人が聴いてうれしい歌も多いですね。子どもの歌と言いながら、大人にウケる歌です。そうではなくて、もっと子どもの発達に目を向けて、それに合った歌を歌わせてあげてほしいですね。そして、大切なのは、いろいろな歌を歌うより、子どもが大好きな歌を(作詞・作曲という意味ではなく)つくってあげること。季節に関する歌なんていいですね。夏になったら、あなたのお母さんが必ず歌ってくれた歌があるとしましょう。子どもの頃の記憶というのは、歌と密接に結びついているものです。すると、大人になっても夏がくるたびに、お母さんの歌とともに、お母さんと散歩したときに見た景色やそのときの草の匂い、つないでいた手の感触といった五感がよみがえってくる。それらのさまざまな感覚こそが、あなたが大人になるための感性を育んでくれたのです。『感性をひらく表現遊び―実習に役立つ活動例と指導案 音楽・造形・言葉・身体 保育表現技術領域別』岡本拡子 著/北大路書房(2013)■ 音楽教育のエキスパート・岡本拡子先生 インタビュー一覧第1回:幼少期における音楽体験の意味――「音楽という環境」を通し子どもの感性を伸ばす第2回:子どもの感性を育む「歌と五感」――幼い子どもの成長につながる歌ってどんな歌?第3回:「手遊び歌」が子どもにもたらすもの――楽しく歌うことが「学びの姿勢」につながる第4回:【年齢別おすすめ】子どもの想像力がアップする!5つの「手遊び歌」【プロフィール】岡本拡子(おかもと・ひろこ)1962年8月25日生まれ、大阪府出身。大阪教育大学大学院教育学研究科修士課程音楽教育専攻修了。聖和大学大学院教育学研究科博士後期課程幼児教育専攻満期修了。聖和大学助手、美作大学短期大学部講師などを経て、現在は高崎健康福祉大学人間発達学部子ども教育学科教授。大学在学中より幼稚園や小学校などで「歌のお姉さん」として活動。その後、子育てをしながら大学院で幼児教育を学ぶ。現在は保育者養成に携わりながら、幼児やその保護者を対象としたコンサートや保育現場でのコンサートをおこなうほか、子どもの歌の作詞・作曲を手がける、保育者研修の講師を務めるなど、幅広く活躍する。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年10月31日ウーマンエキサイトで連載中のちゅいママさんの記事 「日本の義務教育で本当に教えて欲しいことは? 夫婦で話し合ってみた」 で、日本の義務教育に関するアンケートを実施。「義務教育で今後重視してほしいと思うこと」「今の義務教育で見直した方がいい(減らしてもいい)と思うこと」について、さまざまな意見が集まりました。■“お金”にまつわる社会の仕組みを教えて!2020年度から小学校でのプログラミング教育、英語の必修化が始まります。パパやママは、子どもたちが自分たちの小学校のときとは違う教育を受けることに不安や期待を抱いているのではないでしょうか。ちゅいママさんとご主人も、これを機に「義務教育」について話し合ったそうです。おふたりがまず「義務教育で今後重視してほしいと思うこと」は、ずばり “お金” のこと。お金は貯金するだけでなく、「増やす」「活用する」方法もあるんだということを教えてほしいということで、それに共感するコメントや、税金や年金といった“お金”にまつわる社会の仕組みについて「教えてほしい」という意見が多数集まりました。社会の仕組みについて、しっかり学習すべきと思います。給料をもらうと、いくら、どこに、なぜ納税するのか。働き方、正社員と派遣社員、自営業の仕組み。年金や保険制度の意義、どんな場合にどのような社会保障があるのか教えてほしい。お金、税金、社会保険などなどの社会の基本的な仕組みを知らない人が多すぎる。確定申告(自分の税金の計算)くらい自分でできるようになるべき。FPの勉強内容を授業でやってほしい。政治についても、若い意見がより反映されやすいように選挙に行く姿勢を養ってほしい。性についても、生理が始まる頃から教えるのではなく、保育園、幼稚園から男女の違いを教えるべき。知ることが自分の身を守る事になると思うから。■多様性を認めないと、世界から遅れていくちゅいママさんご夫婦からは、「自分の意見を自分で考えて述べる」教育をしてほしいという意見も。これにも賛同の声が挙がり、 “ディスカッション” や “ディベート” を積極的に取り入れてほしいとのコメントが寄せられました。●ディスカッションと、働くことディスカッションは、自分の意見を持つこと、発信することの大切さ、さらには協調性や気配り、視野を広くもつ重要性を学べると思う。応用編でディベートも取り入れるとおもしろい。働き方について。まずは働くことの意味、働き方の選択肢、マイナーな職業についてなど小学生から取り入れてほしいです。マイナーでも生活を支えているお仕事も早くから知ってほしい。●性教育日本では、恥ずかしい事として隠してしまう傾向がある。でも、小さなときから性に関してオープンにして、きちんと知り理解する機会があれば、性の問題や不妊治療、望まない妊娠・中絶などで苦しむ人たちが今より少なくなるのでは? と思う。●人権・権利の大切さもっとかみ砕いて分かりやすく教えて欲しいです。いじめも、性犯罪も、暴力も、差別も、すべて相手の人権・権利を軽視・無視した結果起こるものだと思うので。相手を尊重することの大切さを具体的に伝えて欲しいです。●多様性を認める「みんなと同じが良い」という風潮、日本にはありますよね。多様性を認めないところに日本という国が他の国に遅れをとり、伸びていかない理由があると思います。その子らしさを認め、それを伸ばすような教育を。そして平均的に良いよりも、何か得意なこと、好きなことを見つけ伸ばすような教育が良いと思います。●インターネットリテラシー(インターネットを正しく使うための知識、能力のこと)子どもたちは生まれたときから当たり前のようにある世界。親が思ってるより子どもたちはネットの世界を自分たちでも使いこなすけど、それに伴うリスクなどは無知な子どもが多いと思います。だから学校でインターネットを使ったたくさんのメリットやそれにまつわる良くないことも教育していってほしいと思います。●交渉能力アクティブラーニング、生徒が能動的に学べるような授業を行うこと。●環境問題使い捨てが主流になりつつあるけど、その先を見据えて使い捨てているのか。もっと積極的に環境問題を取り上げて欲しい。そして、教育するべき問題だと思う。未来を生きるのは自分たちだから。親は未来の環境はどうにもしてあげられない。■「英語」「プログラミング」「道徳」は必要ない?一方、「今の義務教育で見直した方がいい(減らしてもいい)と思うこと」についてはどんな意見が集まったのでしょうか。「見直してほしい教科」としては、2020年に新たに導入されることになる「英語」「プログラミング」、そして本年度から新たに教科化となった「道徳」に関しての意見が集まりました。●道徳の授業・違う意見を考える人をあぶりだして、弾くことにしかならないと思う・自分の意見を出したら先生からおかしいと言われ認められなかった。道徳の授業は、大人の考えの押し付けだと思う。・核心を教えない、上っ面だけの道徳の時間。学校の先生ではなく、ちゃんと心のスペシャリストを呼んで教えさせてほしい。●英語・数年先には機械が簡単に翻訳して話してくれる。それより自国の文化や習慣、言葉遣いは必須であり、自国を紹介できないのに多国語を喋れるだけになっても意味はない。・漢字学習ですら覚えるの大変なのに、なぜ英語までさせるかわかりません。・ムダな日本語英語習わせなくてもいいと思う。そんなのでは身につかない。いまの時代、言葉が通じなくても機械が何とでもしてくれる。他にすべき事を伸ばすべき。・英語のゲームや歌などはお遊び過ぎてまったくもって時間のムダ。●プログラミング・プログラミングは、教育する側の体制が整っていないなら、時期尚早かと。そもそも学校の先生、プログラミングの授業できるんですか?・子どもが大人になったら全然違う言語や仕組みになっていそうなので、役に立たないのでは?・義務教育でしなくてよくないですか。選択肢を与えて各々やりたい子に興味ある分野を深く学ばせたらいい。・いま習っても、習わなくてもパソコンはいつかは使えるようになる。パソコンなどのハード面に投資するのももったいない。その費用と時間を貧困対策や教育格差解消に使って欲しい。●計算・解き方がわかれば電卓つかっていいと思う。筆算ができるようになるメリットって?・計算するだけの宿題は不要英語教育を必要ないと考える人の根底にあるのは、「正しい日本語を使えるようにすることの方が大切では?」という意見が多くあるように思えます。またAI化が今後ますます進むことを考えたときに、コンピューターが得意とする分野(計算、翻訳を含む英語)に力を入れたり、暗記させるよりは、自分の考えを言えるための力やその土台となる国語力を育む教育をしてほしいとするコメントを多くみかけました。意見がかなりわかれたのが、歴史。「必要ない」とする人、「日本の黒歴史も教えるべき」とする人、「世界の国からみた日本の歴史を教えてほしい」など、意見がかなりわかれました。■個性をつぶす日本の教育方針を見直してほしい学校の教科だけではなく、勉強や学校の在り方から日本的教育方法など、大きな視点での意見も集まりました。みんな同じ、みんな一緒を重視する教育をやめるべき。海外の飛び級制度のような、個人の能力に合わせて教育を受けれるようにしてほしい。多様性の受け入れにもつながる。個性が認められる社会を作るきっかけにもなり、いじめも減る。「先生に注意されるから」、「みんなそうだから」、「集団生活を学ぶ場だから」、「何でかわからないけど決まりだから」と、いまだに個性をつぶす教育が横行している点は、早急に見直した方が良い。通知表も、他人の評価ばかり気にする子になってしまうから自己評価表にするべき。学力テストでの学力の差別化、子どもの能力の数字化はやめてほしい。授業のほとんどがただのテスト勉強に。過去問題をただ単にたくさんやった子が点数取れるテストなど意味がない。宿題は、時間がない先生が採点に忙しいだけ。宿題よりもっと家族や友人や地域で育む時間など大切なことがある。失敗してもいいって教えて欲しい。子ども自身の人生や自分自身の歩み方についての勉強や学びが、本当に少ないなと思います。教科書どおりに学ぶのではなく、子ども自身が興味があることを伸ばしつつ、それに基づく勉強もしっかりすればいいのかなもしれないなと思いました。好きなことや、やりたいことを摘み取ってしまったら悲しいし、何より時間がもったいないなと思います。それなら、もっと遊ぼうよ!と思ってしまいますね(笑)小学校でも留年させてほしい。教育を受ける権利。理解してから進級してください。分数を理解してない大人、人生損してるよ!学校は、足並みを揃えすぎ。はみ出た子どもを気にしすぎ。学校側から管理しやすいというのはわかるけど、人は人、自分は自分です。ほかに、校則や服装、生活指導といったルールの見直しを訴える声や、「1クラスの生徒数を少人数にして手厚い対応ができるようにしてほしい」といった意見も出ました。日本の平等教育とは、「同じ内容を一斉に教える」という一斉教育が主流で、そこには「理解している」は含まれていないこともあります。しかし海外などで考える「平等」とは、「ここまでは理解させて上の学年に行く」というもの。日本ではほとんどない留年も、海外ではあるとされています。「本当の教育とはなにか?」親自身も今後ますます考えていかなければいけない時代なのかもしれませんね。■パパママが望む“義務教育”のあり方とはアンケート結果を見てみると、パパやママによって義務教育に“重視してほしい”点、そして“減らしてもいいと思う”点はさまざまでした。かつて自分が学校で学んだことがどれだけ“今”に役立っているか。逆にどんなことを学校で学びたかったか。そんな経験を踏まえてパパやママが望むのは、教科というよりも、生きる力…、“将来子どもが生き抜くための力”を養ってほしいと思っているように感じました。必修科目が増え、今後どうなるかわからない点もありますが、学校、先生、地域、そして家庭でうまく連携を取りながら、子どもたちの豊かな成長を促していければいいですね。Q.「義務教育で今後重視してほしいと思うこと」についてのご意見をお書きください。回答数:184Q.「今の義務教育で見直した方がいい(減らしてもいい)と思うこと」についてご意見があればお書きください。回答数:159アンケート集計期間:2018/9/21~9/25ちゅいママさん記事で使用したデータ: 「こんな教育をしてほしい! 親が望む義務教育でやってほしいこと【パパママの本音調査】 Vol.298」
2018年10月18日子を持つ親であったら、正しい金銭感覚を子どもに身につけさせたいと誰もが思うはず。しかし近年は、インターネットを介して現金を持たずに買い物することは日常。お金を使っている実感がないせいか、大人の私たちでもその使い方で失敗するということも……。そんな背景もあるからでしょうか、「株式会社イー・ラーニング研究所」が行ったある調査によると、将来の子どものお金の使い方に不安を感じるという親がなんと74%にものぼることが判明しました。子どものお小遣いの有無や、お小遣いの額、その管理方法など、他のご家庭がどのようにされているか気になりますよね。今回は、「子どもとお金」についてのお話です。■ 月2,000円がトップ!イマドキの「お小遣い事情」よっし / PIXTA(ピクスタ)調査対象の親たちは、子どもにお小遣いを渡している人とそうでいない人が半数ずつ。その内、お小遣いを渡しているという親の半数は、月額2,000円以下に金額を設定していることが分かりました。気になるお小遣いの行方は「子ども自身」にその管理を任せているという回答がトップですが、お小遣いで何を購入するのか?何をするのか?についてはある程度親が意見している家庭も多く存在するようです。確かにお金を稼いだことのない子どもに、計画的にお小遣いを遣うことを望んでしまうのはちょっとハードルが高い気も。Kazpon / PIXTA(ピクスタ)1か月分のお小遣いをゲームセンターで1日で使い切ってしまった!などは、いまでもよく聞く話ですし、ある程度の助言やルール決めは必要であると筆者も思います。清十郎 / PIXTA(ピクスタ)■ いま必要とされる”子どもの金融教育”とは?”お金”は生活に欠かせないものです。人は生まれてから死ぬまで「つかう、貯める、稼ぐ、借りる」などお金と深く関わって生きていきます。このお金の使い方を誤ってしまうと、損をしたり、悲しいことに不幸になったりすることもあるのです。HAKU / PIXTA(ピクスタ)大切な家族と幸福に生きていくためには、若いうちからのお金や金融の働きを理解し、それを通じてしっかりとした意思決定ができるような知識を身につけなければなりません。現代では、そんな“金融教育”が必要とされています。実際に、今回の調査でも「子どもの金融教育は必要だと感じますか」という質問に「はい」と答えた親は100%。よっし / PIXTA(ピクスタ)また、金融教育をスタートさせたいと思うタイミングは、「小学校1・2年」がトップで、約6割が小学校低学年までに、子どもの金融教育が必要だと感じていることもわかりました。幼いころから、便利なものに囲まれすぎている子どもたち。子どもが電子マネーで買い物をすることがある、と答えた親は約6割にものぼりますし、現金のやりとりなしでお金を使うことは今後は更に当たり前になるでしょう。お金の量感も質感も感じないまま育ってしまえば、労働意欲がない人間に育ってしまったり、カードローン地獄に陥ってしまったり、なども考えられるのではないでしょうか?Naoaki / PIXTA(ピクスタ)お金の価値を知ること、金融の仕組みを知ることは、生きる力を養うこと。子どもの自立と将来の豊かな生き方のためにも、まずは大人の私たちが”お金を大切に使う”お手本を見せられるようになるべきですね。【参考】※子どもがいる親世代に聞いた「子どもの金融教育に関するアンケート」子どももキャッシュレス化!?約6割の子どもが現金以外の決済手段を使用!金融教育を始めるタイミング、第1位は「小学校1・2年」※金融教育について-金融広報中央委員会
2018年10月17日早めの幼児教育を!街に出かければ、幼児教育を専門にしている塾があるほどです。でも塾に行かせるほどでもないし、私たちは何をしたらいいのやら…と悩みますよね。誰かに相談するにも、ママ友もいないし、思い悩んでしまいがち。今回は、そんな0歳児から出来る教育方法をパピマミ編集部が紹介していきます。絵本の読み聞かせは0歳からの赤ちゃん教育絵本の読み聞かせって教育なの? と思われるかもしれません。しかし0歳の赤ちゃんでも、きちんとした教育のひとつになります。というのも、読み聞かせにはさまざまな効果があります。まず赤ちゃんにとってママの声や温もりを感じる精神的な発達を促します 。赤ちゃんにとってママの声は安心しますから、たくさん読んであげてください。絵本を持っていなくても、保健所の乳児健診のときに絵本を貰ったり、図書館でお子さんの月齢にあった絵本をレンタルできます。月数の浅い赤ちゃんは、内容を理解しづらいかもしれません。しかし、読み聞かせてあげることが何より大事なのです。子育て支援センターは大事な教育の場子育て支援センターは、赤ちゃんと何をしたらいいか分からないママたちの学校 でもあります。施設によって保健師さんや看護師さん、栄養士さんに相談できます。もちろん、ママの学びの場だけでなく、赤ちゃんの発達に繋がることがあります。他の赤ちゃんに触れると、観察力や感情の発達にも繋がります 。月数の早い赤ちゃんの行動を真似してみたり、たくさんの人たちに囲まれてみたり。我が子の成長を一緒に楽しみましょう。支援センターにあるおもちゃは、消毒されていたり安全な物ばかりなので子供たちもたくさんの物に触れられます。開催されているイベントの多くは、ママだけじゃなくパパも参加できるので近くの施設をチェックしてみてください。0歳の赤ちゃんだから出来るリトミックの教育法「リトミック教室」を知っていますか?リトミックとは、スイスで生まれた音楽の教育法 です。音楽に合わせて手遊びをしたり踊ったり、音を鳴らしてみたりと、家ではやりづらいことを行います。もちろん、お友達を作って一緒に楽しめますし、パパも参加できます。楽しみながら音楽に集中すれば、豊かな表現力が養われます。踊りにもメリットがあり、基礎体力やリズム感を身につけられます。また自分とは違う他人の表現力を感じられると、他人を受け入れる精神も身につき、友達も作りやすくなります。リトミック教室に通うと、大人になるにつれて必要な精神力と体力を養える のです。教室によって雰囲気ややり方も違うので、まずは近くの色々な教室を覗いてみましょう!0歳の赤ちゃんは家の中での生活が教育の場になっている赤ちゃんは、家の中の生活でも成長に繋がる経験 をたくさんしています。まだ新生児の赤ちゃんは、目が見えなくてもママやパパの声、ママのおっぱいの味、洋服の肌触りや沐浴の水の触り心地を理解しています。そのうち目がはっきり見えてくるようになると、いつも置いてある家具やおもちゃに興味を持ったり、思考力や感情にも変化 をもたらします。離乳食が始まると食べ物の存在や味覚を認識し、もっと赤ちゃんの世界が広がっていきます。ハイハイを始めて色んな場所に狙いを定めて移動することや狙ったものを手で掴むこともまた成長の過程では必要なこと。優しい目で見守るだけで、赤ちゃんは勝手に成長 していきます。まとめ赤ちゃんの教育は他にもたくさんあります。0歳から海外生活をすれば2カ国語を難なく話せます。0歳から出来ることは無限にあり、子どもの可能性が大きく広がります。0歳からの教育を重視するママもどんどん増えてきて、今では0歳から当たり前のように習い事をしています。ぜひ、考えてみてください。●文/パピマミ編集部
2018年10月16日いま、教育資金は「情報戦」です。たとえば、教育関係の公的な助成・補助金は、申請するからこそ、もらえるお金。申請しなければ、もらえません。また、いまや大学は、返さなくていい給付型の奨学金をこぞって増やしている時代です。これらを「知っている」のと「知らない」のでは、大違い! 充実してきた教育支援制度の情報を、教育資金に詳しいファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんにピックアップしてもらいました。【「教育費どうしようかな?」と思ったら】 第1話 “情報格差”で、子どもの進路に影響が出る!? 第2話 普通の進路でも、老後破産する!? その落とし穴とは 第3話 児童手当が大学資金に! “いつの間にか貯まる”教育資金ワザ ■低所得のひとり親家庭に給付するお金児童扶養手当死別や離婚などで母親または父親、父母がいない場合は祖父母などひとり親家庭で18歳未満の子どもを養育している人が、低所得の場合にもらうことのできる手当です。受け取れる額は、「養育している子どもの人数」と「親の収入(所得)」によって違い、とても複雑なので、詳細はお住まいの市区町村窓口に問い合わせをすることが大切です。申請をした後、1~3ヶ月程度の認定審査があり、認定日の月の翌月分から支給が開始されます。■幼稚園の月謝、入園費の補助私立幼稚園就園奨励費補助金私立幼稚園に通う場合は、ぜひ「私立幼稚園就園奨励費補助金」の活用を!国が自治体に依頼している補助金制度で、満3歳児から5歳児(年長)までの月謝と入園費を対象に受けることができます。きょうだいの人数、年齢、親の収入(住民税の額)、そして住んでいる自治体などで補助金の額は異なります。なお、千葉県野田市のように公立幼稚園に通う世帯にも助成しているところもあります。一方で市区町村によっては制度がない場合や国の基準よりも厳しく設定しているところなど助成額も異なるため、まずは自治体に問い合わせをしましょう。■高校の授業料の無償化高等学校等就学支援金(国の制度)家庭の所得に応じて、高等学校の授業料が支給されるシステムです。現金で直接、生徒や保護者が受け取れるというものではなく、学校設置者(学校法人など)が生徒本人に代わって受け取り、授業料と相殺されます。申請書類は、入学時は4月に、継続して支給を受ける届け出手続き関係は6月~7月頃に高校から配布されます。ただし、モデル世帯(給与所得のみの夫婦・16歳以上の高校生一人・中学生一人の4人世帯の例)で言えば、年収約910万円以上になると就学支援金は受けられません。■返さなくていい奨学金!?今回の取材で、筆者が一番驚いたのは、「返さなくていい奨学金」が増えていること。そのなかでも、最近の一大トレンドとなっているのは、「予約型」の奨学金です。これはおもに地方からの受験生が対象で、受験前に申し込み、合格したら支給をされる奨学金のことです。申し込みは、前年度の秋のことが多く、それゆえ「予約型」。つまり、現役生の場合は、この情報を「知っていて」、高校3年生のときに応募しておかなければなりません。現在、多くの大学は、予約型の奨学金を設けています。●早稲田大学「めざせ! 都の西北奨学金(予約型)」半期(春学期)の授業料が免除。●慶應義塾大学「学問のすゝめ奨学金(予約型)」地方の新入生500人に年額60万円~90万円を卒業まで支給します。国立大学でも、たくさんの奨学金給付があります。たとえば、一橋大学の「一橋大学学業優秀学生奨学金制度」では、前年度にとくに優秀な成績を収めた学部生12名以上に月8万円(年96万円)を毎月送金します。支給は1年間限定ですが、親の年収制限を設けるなど家計の経済状況は加味されません。奨学金といえども、返済義務があるものは、大学を卒業した途端、数百万円もの借金を背負うもの。返さなくていい奨学金を上手に活用することで、親の家計への負担を減らし、子どもの進学に役立てることができます。そんな時代がやってきたのは、喜ばしいこと。みなさんに制度を知ってもらい、活用して欲しいです。いかがでしたか? いつの時代も、「わが子にできるだけのことをしてあげたい」というのは、当然の親心。けれども、先行き不透明ないま、教育資金作りに不安を感じる人も多いことでしょう。この連載が、教育資金の「情報格差」を解消し、前向きな教育資金作りの第1歩を踏み出すキッカケになるとうれしいです。■今回のお話を伺った竹下さくらさんのご著書 『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』 竹下さくら著/日本経済新聞出版社 ¥1,500(税別)竹下さくらさんファイナンシャル・プランナー(CFP)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。慶応義塾大学商学部にて保険学を専攻。卒業後、損害保険会社・生命保険会社の本店業務部門等を経て、1998年よりFPとして独立、現在に至る。主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。
2018年09月29日専門家・プロ:渡邉純子(コドモット)小宮山利恵子(こみやまりえこ) リクルート次世代教育研究院院長。同研究院はリクルートマーケティングパートナーズにおける次世代の教育を考える調査研究機関で、小宮山さんは立ち上げからかかわり、未来の教育を研究している。超党派国会議員連盟「教育におけるICT利活用促進をめざす議員連盟」有識者アドバイザー。2018年8月より東京学芸大学客員准教授。第4回教育とテクノロジーの融合がひらく子どもの未来とは?渡邉:教育にテクノロジーが入ってくることで、これからの教育はどう変化していくのでしょうか。小宮山:テクノロジーのなかでも、VR(仮想現実)やAR(拡張現実、現実の風景とデジタル情報を重ね合わせて表示する)が教育に入ってくると、かなり変わってくることが予想されます。先日わたしが参加した米国の発表会では、VR・ARを使って古代エジプト史を学ぶというコンテンツが紹介されていました。ピラミッドの中に友だちといっしょに入って、壁画を見たりできるんです。医療にはすでにVR・ARが入ってきている例もあります。手術の前の子どもたちは精神的にとても不安定なので、VR・ARを使って直前に気もちを緩和してから手術室に行くと、脈拍などが安定するそうです。こういった取り組みは、運動会がいやだ、数学がいやだという子に、その前にゲーム的な取り組みで緩和するというようなかたちで、学校に応用できるかもしれません。渡邉:過去のできごとのように実際に体験できないこと、子どもの気もちや技術が理由でできないことを、できるようにするためのサポートをテクノロジーがして、子どもの世界を広げていく時代になりそうですね。小宮山:潜在的な能力を引き出すことって、カンに頼っているところが多いですよね。それは先生もそうです。いままでカンで、こういう子はこう、みたいな導きがあったと思いますが、はたしてそれが今後もそうなのかわからない。そして、テクノロジーが進展していくなかで、去年成功していたことが今年はもう陳腐化してしまうこともある。だから、学びもどんどん刷新していかないと追いつかないんです。そのなかで、昔はこうだったという話がどこまで通用するでしょう。そこにテクノロジーが役立ちます。テストの解答分析や学習者全体のデータ分析などから、潜在的な能力を引き出すためのレコメンドやアドバイスが可能ですから。もちろんそれがすべてではありませんが、選択肢の一つとして提示できる。スタディサプリはそんなふうに、教育を科学したいんです。渡邉:そうなってくると、家庭でのサポートも変わってきますね。保護者がどうサポートすると、子どもたちの未来につながるのでしょうか。スタディサプリを運営する(株)リクルートマーケティングパートナーズのオフィス。壁面いっぱいに教育に関する本が集められている小宮山:選択肢をできるだけ多く設けて、子どもがやりたいと言ったらやらせる。そのための環境を整えるのが一番重要だと考えています。子どもが大人になるころには、保護者にはわからない未来が広がっているわけですから、保護者が子どもにアドバイスするのって難しいと思うんです。それからわたしは、やりたくないものは無理してやらなくても良いと思っています。人生100年、健康寿命80年とされる一方で、企業の平均寿命が22~23年と言われています。20歳から働き始めたとして、その後の人生60年と22~23年には大きな差がありますよね。さらに、企業の終身雇用はほとんどなくなるかもしれません。そのような状況になると、兼業するか、フリーランスになるか、転職をくり返すか、しかありません。そこでは、自分の強みがなにかわかっている人が強いんです。そして、自分に足りない部分は、その分野の能力が強い人を連れてきてチームを形成する、という社会になると思います。だから、いかにその子の好きを伸ばしてあげられるかが重要なんです。そして、お母さん、お父さんも自分の好きなものを見つけましょう。親が自分の好きなものをもっていると、子どももそれがわかるんです。渡邉:スマホやタブレットを使って学習するときに、保護者が注意する点はどんなことですか?小宮山:自分の目の届くところで使うことです。わが家でも、必ずわたしがいるところでやることを徹底しています。自分の部屋ではなく、必ずわたしがいるリビングでスタディサプリの学習をやっています。また、もし不安でしたら、始めのうちは1日に30分とか1時間とか、時間制限をかけて、ルールを決めてやってみると良いと思います。その際には、必ずスマホやタブレットを渡す前にルールを決めること。渡してしまってからだと、ルールがなし崩しになりますので。ルールが破られたときのことも決めてしまい、もしルールが破られたら、必ずそれを実行する。そこまでやると、平和が保たれると思います!(笑い)小宮山:それから、お子さんには、テクノロジーに早めに触れさせておくのが良いと思います。どれだけテクノロジーに触れているかで、高校生、大学生、大人になったときに、編集能力や発信力、デジタルリテラシーや情報リテラシー※1が変わってくると思うんです。早いうちに失敗しておけば、ああ、これはネットに書いちゃいけないんだなとわかりますが、ある程度年齢がいってからだと、炎上したりして大惨事になって、就職にも影響するかもしれない。そうなってしまったら困るので、小さなころから触れさせるのがわたしは良いと思います。※1:リテラシーとは、ある事柄に関して適切な判断を下したり、ふさわしい使い方ができるような能力のこと。また、これからは世界の人たちと。外国からの労働者が増えるかもしれないし、機械翻訳の精度が上がってどんどん世界の人たちといっしょに働く。そうなったときに、テクノロジーがわからないと、自分が困ってしまうんです。ほかの国々は、発展途上国でも、テクノロジーに触れていますから。※2100%でなくて良いんです。5%でも10%でも良いから、テクノロジーに慣れるようにしていってほしいと思います。渡邉:本日はありがとうございました。※2:PISA2015年調査国際結果(OECD)などによる 第1回国内外で累計約74万人が利用している動画授業とは第2回スタディサプリで子どもの学びはどう変わるのか第3回スタディサプリで学校はどう変わるのか第4回教育とテクノロジーの融合がひらく子どもの未来とは?渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)株式会社コドモット代表取締役社長。NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。
2018年09月28日前回、ごく普通の家庭が「知らぬ間に陥りがちな2つの落とし穴」についてファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんに教えていただきました。【「教育費どうしようかな?」と思ったら】 第1話 “情報格差”で、子どもの進路に影響が出る!? 第2話 普通の進路でも、老後破産する!? その落とし穴とは 第3話 児童手当が大学資金に! “いつの間にか貯まる”教育資金ワザ 第4話 「もらえる」教育費がトレンド! 充実の教育支援制度を活用するには -->落とし穴に落ちないためには、教育資金は、あらかじめ資金計画を立て、長い時間をかけてコツコツと計画的に準備する必要があります。今回は、具体的な教育資金づくりについてお話しを伺います。■児童手当が大学資金となる「教育資金づくりで大切なことは、子供が小さいころからコツコツと積み立てることです」(竹下さん)。そのための軍資金として心強いのが「児童手当」です。児童手当から受け取れる額は、次の表のとおりで、0歳から15歳までの総額は、198万円(※)にもなります。まさに、「ちりも積もれば山となる」ですね!大学進学に合わせて備えておきたい額は、国公立・自宅通いケースの学費総額をもとに200~300万円が一つの目安と言われていますが、児童手当を積み立てるだけで、この最低ラインは賄える計算となります。※児童手当の0~15歳までの総額198万円=15,000円×12ヶ月×3年+1万円×12ヶ月×12年:第1子、第2子の場合の例。一人あたり。▼児童手当の対象年齢と支給額■児童手当は、さかのぼってはもらえない!児童手当で覚えておいて欲しい注意点は、「申請が遅くなった際、その分をさかのぼってはもらえない」ということです。子どもが生まれた場合は、出生届が受理されて初めて、児童手当の申請を市区町村の役所が受理する流れになっています。ですから妊娠中に必要な書類などを役所の窓口やホームページなどで確認し、出産後は速やかに申請することが大切です。出産直後のママが動くことが厳しい場合も多いので、申請手続きの流れをパパと一緒に、シミュレーションしておくと良いですね。 ■「学資保険」はなぜおすすめなのか教育資金づくりの「はじめの一歩」は、児童手当を軍資金に、家計とは切り分けて積立てを始めることです。その手段として、おすすめしたいのが「学資保険(子ども保険)」です。「マイナス金利の影響もあり、最近お得度が下がり気味ではありますが、根強い人気が続いています。理由はおもに3つあります」(竹下さん)。▼学資保険の魅力3つ魅力その1確実に教育資金を準備できる安心感がある学資保険は、親の死亡時には以後の保険料支払いが免除になった上で満期金がうけとれる“保険ならでは”のしくみがあるプランが人気です魅力その2税制優遇がある満期などで受け取るお金は一時所得扱いになるので、増えて得した額が50万円を超えなければ実質的に非課税です。預貯金で積立した場合、得した額の約20%は税金として源泉徴収されます魅力その3子供のお金として色づけができる家計が苦しくなったり、住宅ローン返済が滞りそうになった時でも、学資保険は「取り崩しにくい心理が働く」と言われています出典: 「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本 より一部抜粋筆者としては、学資保険は保険商品ならではの「強制力」が大きな魅力だと感じています。有無を言わさず(←ここ、とても大事です)、自動的に指定口座から保険料が振り替えられているので、最初から「そのお金が無いこと」で生活する習慣がつきます。ですから、「いつの間にか貯まっている感」があるのです。■学資保険を選びときにチェックすることどの学資保険を選ぶか? というときに最初にチェックしたいのは、「返礼率」です。返礼率とは、支払った保険料に対して、受け取れる保険金の割合を示す率。たとえば、返礼率105%だったら、保険料を100万円支払えば、合計で105万円受け取れるということになります。ちなみに、これだけおすすめしておきながら、筆者の学資保険デビューは、長男を出産した1年後(汗)。初めての出産後、慣れない育児で手一杯になってしまい、教育費のことまで頭が回りませんでした。いまは、妊娠中から入ることができる学資保険も増えているので、プレママ時代に、学資保険のリサーチ&契約しておくのもアリだと思います。学資保険の注意点としては、途中で解約すると、ほぼ間違いなく損をする点。その時点の解約返戻金(解約することで戻ってくるお金)は、それまで支払った保険料より少なくなるのが通常です。確実に満期まで続けられるよう家計に無理のない保険料での利用が無難です。■「低解約返戻金型終身保険」vs「学資保険」最近は、保険ショップで「学資保保険に入りたいのですけれど」と相談すると、低解約返戻金型終身保険をすすめられることが多くなっています。低解約返戻金型終身保険とは、一生涯を保障する生命保険である「終身保険」の一種です。この終身保険を、適当な時期に解約して、解約返戻金を教育資金にあてるという使い方をします。この保険について、メリットとデメリットを整理しておきましょう。▼「低解約返戻金型終身保険」のメリット①教育資金として現金化できるタイミングを選べる「学資保険」が満期日(18歳の誕生日など)まで現金化できないのに対して、この保険であれば、保険料払込期間を経過していれば、いつ解約しても、ほぼ損をしません。たとえば、AO入試や推薦入試で合格すると、高校3年生の秋には入学金を支払う必要があり、お金の工面に困ることも考えられます。②親にもしものことがあった場合の死亡保障が大きい「親の死亡保障確保の点から言えば、同じ保険料の学資保険に入るよりも、死亡保障額が大きいので、費用対効果が高いです」(竹下さん)▼「低解約返戻金型終身保険」のデメリット保険料払込期間中に解約するとペナルティが大きい保険料払込期間とは、保険契約者が保険料を支払う義務がある期間で、保険契約を結ぶ時の条件として定められています。最初に取り決めをするので、あとから保険を見直すとペナルティが大きく、少ししか解約返戻金を受け取ることができません。「低解約返戻金型終身保険の利用は、家計に無理のない保険料水準が大前提で、しくみをしっかり理解できる保険中級者なら、視野にいれて検討するのも一策です」(竹下さん)■今回のお話を伺った竹下さくらさんのご著書 『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』 竹下さくら著/日本経済新聞出版社 ¥1,500(税別)竹下さくらさんファイナンシャル・プランナー(CFP)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。慶応義塾大学商学部にて保険学を専攻。卒業後、損害保険会社・生命保険会社の本店業務部門等を経て、1998年よりFPとして独立、現在に至る。主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。
2018年09月28日「教育資金は、まさに『聖域』。家計がどれだけ苦しくてもほかの支出を見直し、最優先で教育資金だけは死守するご家庭を、これまでたくさん見てきました」と言うのは、ファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんです。竹下さんの事務所には、教育資金に関する相談がじわり、じわりと増加しているそう。お話しを聞いてきました。ファイナンシャルプランナー 竹下さくらさん自らの生活者としての経験を踏まえた、家計の運営や、教育資金設計のご相談のほか、講演、執筆活動などを行っている。■「教育資金」で夫婦ゲンカとなるケースが多い竹下さんは、言います。「教育費の話が発端で、大きなケンカになってしまうご夫婦、じつは多いんです。そのときの心の傷は、子育てが終わったあとの夫婦関係にまで、影響を及ぼしてしまう…。それが、現実です」。筆者の周りを見渡してみても、多くの夫婦ゲンカの要因は、「子どものこと」と「お金のこと」、そして「お互いの実家のこと」が多いのでは? と感じています。「教育資金」の問題は、これがミックスされた話なので、「そりゃ、夫婦関係の『綻び』になるよなぁ」と、妙に納得してしまいます。■教育費と老後資金は「綱引き」の関係一方で、子どもの教育にお金をかけすぎて老後資金が枯渇するケースも、じつは少なくないそうです。「実際に、『老後のやりくりが大変』というご家庭の相談を受けていると、いまのお金がない状況を招いた原因として、教育費をかけすぎたことをあげる方が少なくありません」(竹下さん)。会社員の場合、生涯年収は有限です。その「限りがあるお金」の中で、教育費と老後資金は、常に「綱引きの関係」にあります。遠い将来、お金で揉めない夫婦になるためには、「教育費のかけすぎ」にも注意しなければいけないんです。▼「教育費」と「老後資金」は“綱引き”関係こんな現状のいま、教育資金について、ママたちが「本当に知っておくべきこと」を、この連載では考えてみたいと思います。「教育資金に関して、『情報格差』を感じます」(竹下さん)。まずは、そんな「情報格差」の例を3つほど、教えてもらいましょう。■情報格差1、ママ友からの情報は正しいのか?一点目は、ママ友からの情報で焦る妻が増えているそうです。「『この地域、中学受験をする人が多いの』と妻が夫に相談しても、夫は考えすぎだと聞き流すばかりで、妻の『不安な気持ち』を受け止めて一緒に考えてくれる夫は少数派という実感があります」(竹下さん)。「中学受験をするかどうか?」。ママとしては、たしかに無関心ではいられない問題ですよね。でも、周りの「ママ友情報」だけに振り回されるのは、あまりおすすめできません。なぜなら、子どもの進路については、基本的に後戻りができないからです。あたり前のことながら、私立中学に合格すれば、その後6年間、「私立の学費」を払い続けなければなりません。「志望校名 + 学費」で検索してみると、学費に関する情報は、わりと簡単に出てきます。「その金額を、家計から6年間、きちんと支払い続けていけるのか?」を、まずはイメージしてみましょう。また、ママ友情報だけでなく、夫の職場の同僚、実際に進学希望の学校に通わせている人などにも話を聞き、幅広い範囲での情報を仕入れることも大切です。そういった情報を得つつ、夫婦でもしっかり「わが家の方針」を話し合い、中学受験にトライするかどうかの最終決定をしましょう。■夫婦の「子供の進路イメージのすり合わせ」は大変!この時点で、「子供の進路イメージ」が夫婦でまったく異なっていることに気がつく方も多いようです。竹下さんも、こんなふうにおっしゃいます。「教育資金の相談を受けていて頭を悩ますことが多いのは、夫婦で『子供の進路イメージ』がかけ離れている場合が多いという事実です」。じつは筆者自身、長男を中学受験させるかどうかで、夫と相当、揉めました。長男が小学校の2年生の秋、「中学受験させるかどうか?」を初めて話し合った日のことは、いまでも鮮明に覚えています。中高一貫校に通っていた夫は、「中学受験をして、俺の母校に行って欲しい」の一点張り。高校まで地方(京都)の公立育ちの私は、「中学受験!? 何のために必要なの?」。あのときの、「私、こんな人と結婚していたんだ」という驚きは、まさに青天の霹靂レベルでした。この話は語り出すと長くなるので割愛しますが、「夫婦で『子供の進路イメージのすり合わせ』をするのは、とても大変なこと」だと、自分自身の実感を込めて思います。でも、あの時点で、夫婦で何度も何度も、ときにはケンカになりながらも話し合いをしたので、長く厳しい(結果的に息子3人とも私立の中高一貫校に通っています)「教育費戦線」を、夫と「同志」として過ごすことができています。■情報格差2、低所得世帯は進学をあきらめざるをえない?「シングルマザー・シングルファザー、低所得世帯の場合、教育資金については充実したさまざまな施策があるのですが、そのことを知らず、『人並みの教育を受けさせてやれない』と嘆いている世帯が多いようです」(竹下さん)仕事も子育てもすべて一人で抱えていたり、生活や心身ともに余裕がないせいか、必要な情報をうまくキャッチできていない人が多いのかもしれませんね。本連載の後半では、公的助成・奨学金などについても整理しますので、それをキッカケにして情報のアンテナを今より少し立ててみてはいかがでしょうか?■情報格差3、親の時代の常識は、いまの時代に通じるのか?たとえば、「大学はとにかく国公立。授業料が私立の半額ですむから」という常識は遠い過去の話です。いまの国立の授業料は私立の3分の2程度。国公立にこだわって下宿になるより、自宅から私立に通うほうが総額は安くすみます。また、「給付型奨学金」や「授業料免除」が充実している私立大学の数が、本当に多くなってきました。ですから、こういった制度を利用して私立大学に通う方が、国公立に進学するよりも割安になる場合もあります。今回、竹下さんのところに取材に伺って、筆者が一番驚いたことは、この「私立大学の給付型奨学金」の充実ぶり。ただ、こういった奨学金は、「高校3年生の秋に予約が必要」など、さまざまな要件を満たさなければなりません。これらは、情報がアップデートされている分野なので、まさに「情報力」が必要ですね。「情報を知っているか否か?」。それが、「子どもの進路の幅の差」になる時代になってきているのです。次回は、教育資金。知らぬ間に陥りがちな2つの『落とし穴』についてお話しを伺います。■今回のお話を伺った竹下さくらさんのご著書 『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』 竹下さくら著/日本経済新聞出版社 ¥1,500(税別)竹下さくらさんファイナンシャル・プランナー(CFP)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。慶応義塾大学商学部にて保険学を専攻。卒業後、損害保険会社・生命保険会社の本店業務部門等を経て、1998年よりFPとして独立、現在に至る。主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。
2018年09月26日専門家・プロ:渡邉純子(コドモット)小宮山利恵子(こみやまりえこ) リクルート次世代教育研究院院長。同研究院はリクルートマーケティングパートナーズにおける次世代の教育を考える調査研究機関で、小宮山さんは立ち上げからかかわり、未来の教育を研究している。超党派国会議員連盟「教育におけるICT利活用促進をめざす議員連盟」有識者アドバイザー。2018年8月より東京学芸大学客員准教授。第3回スタディサプリで学校はどう変わるのか渡邉:スタディサプリは学校でも使われているのですか?スタディサプリを導入した学校のようす。右側の男性は生徒のサポートをするスタッフ小宮山:現在、全国に約5000校ある高校のうち2353校に学校向けのスタディサプリが導入されています。小学校・中学校に自治体単位で導入していただいている地域もあります。たとえば、東京都の渋谷区では公立の全小学校・中学校に、大阪府の寝屋川市では公立の全中学校でスタディサプリが導入されています。導入した学校では、宿題をスタディサプリでやる、事前の学習をスタディサプリでやる、昼時間を使った15分授業で従来のミニテストのかわりにスタディサプリを使うというように、さまざまな使い方をしていただいています。反転学習※を行なっているところもあります。※授業をオンライン等で自宅学習し、学校ではグループワークや討論などを行なう授業型式小宮山:学校と家で同じタブレットを使うようになると、テクノロジーが日々のシーンのなかにあることが当たり前になるので、学校内と学校外のつながりに断絶がなくなっていますね。ただ、スタディサプリはあくまでもサプリメント(補助栄養)で、補助教材、副教材という位置付けで、先生の授業を補強する意味合いが強いです。渡邉:学校でスタディサプリを使って、成績は上がりますか?小宮山:上がった例もあります。渋谷区内のある中学校では、スタディサプリを使って到達度テストの成績が、2カ月半で平均20点アップしたそうです。その中学校では、使い慣れた学習ノートを活用して、問題、動画、解き直しのサイクルをルール化したということです。スタディサプリを使う前と後でノートのとりかたが変わり、以前は教科書の丸写しだったのが、要点を考えながらノートにまとめるようになったそうです。渡邉:アクティブ・ラーニング※でも使われているのですか?※アクティブ・ラーニングとは、一方向的な講義形式の授業ではなく、子どもが能動的に学習する方法のこと。問題解決学習や、教室内でのグループ・ワーク、ディスカッションなども含まれる。小宮山:スタディサプリは教科教育ではない動画も用意しています。これからの正義とはなにか、哲学、経営といった、21世紀型の学びに関する内容のものです。スタディサプリを導入している奈良県の市立一条高校では、これらの動画を使って、アクティブ・ラーニングを実施しています。動画を見たうえで、グループごとに地図を1枚渡し、ハンバーガー店をどこに出店すると一番売上げが上がるか考える演習を行なっているんです。生徒のスマホを使って案をまとめ、発表します。アンケートもスマホで行ないます。渡邉:経営に詳しい先生がいないからできない、という学校間の格差の解消にもなりそうですね。先生の役割も変わってくるのでしょうか。小宮山:わたしは、一方的に教える“Teach”という言葉はもうなくなって、“学び合う”という言葉が主流になってくると考えています。テクノロジーが普及することで情報を受け取りやすくなったせいで、先生よりも子どもたちのほうがより知っている情報があるかもしれないし、たとえばプログラミングのように、子どもたちのほうができることもあるかもしれない。ですから、子どもたちから学ぶことはより多くなるのではないかと思うんです。それはテクノロジーの恩恵だと思います。当然、先生の役割も変わってくる。Teaching、つまり教えることの割合が少なくなると考えています。もちろん学校という存在は重要ですが、医学とか理科系科目以外は、100年前から教えていることがほとんど変わらないという状況だとすると、その部分はスタディサプリのようなテクノロジーでぎゅっと圧縮して学べる可能生が高い。そして、チューター、メンター、ファシリテーターの3つの役割が大きくなるのではないかと思います。チュ-ターとは、子どもに寄り添う伴走者としての役割、メンターとは、子どもの意欲を引き出し潜在的な能力を見つける役割です。ファシリテーターは、集団の議論を運営して高い成果を出していく役割ですね。授業も変わってくるのではないかと考えています。「この動画を予習として見ておいて」と宿題にして、学校ではグループ学習やアクティブ・ラーニング、課題解決型学習といった、議論などを中心にした授業を行なう、という具合です。そのときに、それぞれの子どもがどこまで理解できているのか把握し、議論を回していく力がこれからの先生には必要なのではないかと思います。小宮山:講演をすると、先生方から「わたしたちの仕事はなくなるんでしょうか」と聞かれるのですが、わたしは「なくなりませんよ」とこたえます。どこの研究所で出している発表でも、先生の職はなくならないと言っています。教材や役割の内容は変わっても、先生自体はすごく重要な存在なんです。 ――先生の役割が変わるという小宮山さんの指摘に、保護者の想像をこえた未来を子どもたちが生きていくのだと実感させられます。最終回となる次回は、教育にテクノロジーが入ることで、子どもの未来がどう変わるのか、そしてそんな時代の家庭の役割について聞きます。 第1回国内外で累計約74万人が利用している動画授業とは第2回スタディサプリで子どもの学びはどう変わるのか第3回スタディサプリで学校はどう変わるのか第4回教育とテクノロジーの融合がひらく子どもの未来とは?渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)株式会社コドモット代表取締役社長。NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。
2018年09月21日専門家・プロ:渡邉純子(コドモット)小宮山利恵子(こみやまりえこ) リクルート次世代教育研究院院長。同研究院はリクルートマーケティングパートナーズにおける次世代の教育を考える調査研究機関で、小宮山さんは立ち上げからかかわり、未来の教育を研究している。超党派国会議員連盟「教育におけるICT利活用促進をめざす議員連盟」有識者アドバイザー。2018年8月より東京学芸大学客員准教授。第2回スタディサプリで子どもの学びはどう変わるのか渡邉:スタディサプリで学ぶことで、子どもたちにはどんな学習効果があるのでしょうか。さきほど「つまずきの防止」(第1回参照)というキーワードがでてきましたが、そのほかにありますか?小宮山:テクノロジーが入ってくることで、楽しいという気もちがわいてくるようです。学びへの興味関心の喚起、これがすごく重要だと思います。わたしたちはスタディサプリを使って、名古屋市と協働して2017年の8月から不登校支援を行なっています。アンケートをしたところ、タブレット学習でおよそ8割の子どもが「勉強が楽しくなった」と回答しています。学ぶことが楽しいと思うようになったことが一番大きいんです。また、学ぶモチベーションを維持するため、主に小学生向けには「サプモン」といって、学習すればするほど自分のモンスターが育つという意欲を喚起する要素を取り入れています。学習すると自分のモンスターが育つ「サプモン」小宮山:小学校・中学校では、学校で使う、または家庭で保護者といっしょに使う場合が多いです。そこで、学校向けにはほかの学校でどう使っているかをまとめた事例をお伝えし、家庭向けには声かけの方法などを講演でお伝えしています。高校生向けだと、合格特訓コースといって、大学生コーチにオンラインで相談できる有料のサービスをご用意しています。渡邉:授業動画自体にもくふうをしているのでしょうか?小宮山:動画の質にはすごくこだわっています。いまの子どもたちはYouTubeなどに慣れているので、つまらないと思ったらすぐに消してしまうんです。わたしたちは動画の視聴ログをデータ分析しています。ある講義で、急に視聴率が下がるところがある、理由を検証したら先生が後ろを向いて無言で板書していた……というように、ログをとって離脱が多い要因を分析し、その都度動画の撮り直しもしているんです。視聴率が高いまま、子どもたちの集中力が続く状態の動画の質を保つよう、こだわって更新し続けています。渡邉:ICTを使ったからできることと、逆に、従来の紙の参考書だとできるけれどICTを使うと難しいことはありますか?小宮山:いままでは情報処理力が重要だった時代と言われています。もちろん、情報処理力は必要ではありますが、これからはその割合が少なくなって、情報編集力が重要になってきます。情報編集力とは、21世紀型スキルと言われている、回復力や創造力、協働などの力です※1。※1回復力とは、失敗を乗りこえる力のこと。レリジエンス。協働とは、複数の人間で目標を共有し、力を合わせて活動すること。それらの力をやしなうことに関してICTは非常に大きな効果があるのではないかと。いままでは知識としてインプットするのが学びのメインでしたが、これからはアウトプットするまでが学びという解釈ができるのではないかと、わたしは思っています。そのアウトプットにあたって、ICTは表現のための道具としてすごく良いと思うからです。小宮山:そのうえで、わたしは紙とICTの両方で学ぶのが良いと思っています。たとえばスタディサプリを導入している渋谷区のある小学校では、動画を見ながらその内容を自分のノートに書いていく取り組みをしています。そうすると手を動かすので、知識の定着率が上がるんですよ。「ふんふん」とただ動画を見るだけでわかることって、あまり多くない。頭で考えつつ、手を動かしたりして五感を使って学ぶのがとても重要だと思います。わたし自身も、子どもがスタディサプリを使うときには、紙と鉛筆を用意してから動画を見るように言っています。それに、まだ保護者のなかには紙のほうが良いという方が多いかもしれません。子どもにもICTだけでやりたいという子もいるし、紙とICTをいっしょに使いたいという子もいる。それぞれの子どもの好みに合わせて使っていったら良いのではないかと思います。渡邉:スタディサプリの利用で、どういった子どもに育ってほしいと考えていますか?小宮山:スタディサプリがすべてではないんですね。スタディサプリを使って、もし学ぶ時間が短縮できたら、そこでできた時間を使っていろいろなところに足を運んで自分で見たり聞いたりする経験をしてもらいたいと考えています。反対に、じっくりゆっくり定着するために使っていただいても良いんです。昔は、小学校5年生6年生になって、小学校4年生の算数を習いたいといっても、親が教えるしかなかった。それが教育にテクノロジーが入ってできるようになったわけです。ひとそれぞれ、で良いんです。 ――授業動画をただ見るのではなく、紙と鉛筆を用意して、ICTと紙の両方で学ぶのが良いという小宮山さん。これからはスマホやタブレットだけで勉強するんだ!と振り切ってしまうのではなくて、手を動かしながら学ぶことが大切だと知りました。次回はスタディサプリが学校に導入されることで、学校での学びがどう変わっていくのか聞きます。 第1回国内外で累計約74万人が利用している動画授業とは第2回スタディサプリで子どもの学びはどう変わるのか第3回スタディサプリで学校はどう変わるのか第4回教育とテクノロジーの融合がひらく子どもの未来とは?渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)株式会社コドモット代表取締役社長。NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。
2018年09月14日いつの時代も、ママさんは子どもの教育のことで頭がいっぱい!子どもの習い事は何をさせるべきか、同じくらいの年齢の子たちはどんな習い事をしているのか、子どもの将来の可能性を伸ばすためにどのような習い事をさせている人が多いのか……?子どもの習い事や教育に関するあらゆる情報を集めたいと常に思っている知り合いのママさんたちにヒアリングし、その声を集めてみました。さて、いまの子どもたちはどんな習い事をしているのでしょうか?■ 将来仕事の幅が広がるかも!?「サイエンス系」「大人になってから仕事の幅を増やせるように、サイエンス系への興味をもたせることは親としての役目なのではないかと思っています」(35歳/専業主婦)Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)これからは科学の力が必要になる時代だといわれています。そのせいか、この種の習い事をさせるママさんも多いようです。年齢にもよるようですが、理科の実験教室などサイエンス系の習い事の月謝は10,000円前後のところも多いようです。■ 2020年には小3年から必修に!親も関心が高い「英語」「どんどんグローバル化が進む中、もはや英語のスキルはマストだと思います」(30歳/パート)Greyscale / PIXTA(ピクスタ)2020年からは小学校3年生から英語の授業が必修になるということもあり、最近ではますます需要が高まっているようです。ちなみに以前、筆者が働いていた塾の英語コース(小学部)の月謝は6,000円でした。■ 2020年から小学校の必須科目に!「プログラミング」「理論的思考も身につくでしょうし、算数への苦手意識もなくなるかと思って」(34歳/パート)ocsa / PIXTA(ピクスタ)こちらも2020年から、小学校の必須科目となる予定の分野です。プログラミング教育とは、プログラミングを体験しながらコンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習のこと。とはいえ、プログラミングはまだポピュラーな勉強ではないので、潔くプロに任せてみるのも良いのかもしれませんね。こちらも、だいたい10,000円前後の月謝となるようです。■ 「ピアノ」「スイミング」は昔も今も定番人気「私が学生だったころの音楽の先生が、ピアノを習っていない生徒はテストの点数に関わらず3以上はくれない先生だったトラウマから、子どもにはピアノを習わせています」(36歳/専業主婦)タニホ / PIXTA(ピクスタ)「うちの子は身体が弱く喘息気味なので、肺活量が上がるようにスイミングを習わせています」(33歳/パート)Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)社会の移り変わりとともに、これからの社会を見越した習い事をさせているママさんたちも増えてきているようですが、調べてみるとやはり定番の習い事というのも根強い人気があるようでした。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか。将来の可能性を広げるため、興味関心のあることを見つけさせるため、個性や才能を伸ばすため、社交性を身につけさせるため……。これらの親心も、習い事をさせる目的のひとつだといえるでしょう。その子にぴったりの習い事に出会うまでには、多少のまわり道もあるかもきれません。「うちの子にも、そろそろ習い事をさせてみようかな?」と思っているのであれば、まずは子どもをどのような世界に進めたいか、その方向性から決めていくのもいいのではないかと思います。子どもの人生が、より豊かなものになるようにというパパママの願いが叶うものが見つかるといいですね。
2018年08月25日東京オリンピックが開催される2020年には小学校、中学校の英語教育が変わるといわれており、今まで以上に子ども達の英語教育は重要視されています。学校以外でも英語に触れる機会があると、子ども達の英語力やモチベーションは格段に上がるので海外旅行は最適ですが、まとまったお休みが取れないと海外に行くのは厳しいですよね。でも諦めるのはまだ早いです。クラブメッドでは日本にいながらにして異国体験が出来ます。2017年12月にオープンしたばかりのクラブメッド・北海道トマムへ滞在したのでご紹介したいと思います。■ 日本では石垣島、北海道サホロにもある「クラブメッド」ってどんなところ?クラブメッドはフランスに本社のある国際的なバカンス企業で世界に約70か所の宿泊施設があります。日本では石垣島、北海道サホロに続きトマムが3番目のリゾートになります。クラブメッドの大きな特徴は滞在中の費用がすべてが旅行代金に含まれるので(オールインクルーシブ)、朝食、昼食、夕食、アルコール類(一部高級アルコール除く)を含むドリンクも追加費用がかかりません。食事も和、洋、中とバラエティに富み、様々な国籍のシェフが腕をふるった料理を味わえます。日中も営業しているバーでは、外国人のバーテンダーに向かって子どもが英語でジュースのオーダーに挑戦しました。クラブメッド・北海道トマムは約7割が外国人の宿泊客ということもあり、様々な国籍のスタッフの方がいます。外国人のスタッフの中には日本語を話せる方もいましたが、英語で会話することもあります。もちろん、日本人スタッフもいるので困る事はありません。また、子どもから大人まで楽しめる多彩なアクティビティもほとんどが追加代金不要です。雲海で有名な星野リゾートトマムの運営する雲海テラスへ行くゴンドラ費用も含まれていました。■ 年齢に合わせた多彩なアクティビティ子どもの年齢に合わせたアクティビティが用意されているので、外国人のお友達と一緒に遊ぶことができます(2~3歳のプティクラブは追加費用が掛かります)。子ども達に人気の空中ブランコも敷地内に完備。その他アーチェリー、テニス、マウンテンバイク、プールなどのプログラムがあります。チャイルドケアの資格や経験を持つスタッフが対応してくれるので、安心して子どもを参加させる事が出来ます。大人向けには朝のヨガやダンスレッスンなどがあるので、家族それぞれで楽しんで、また食事のときに集合するのも良いですね。今回は、子どもも英語学習のモチベーションアップに繋がる旅になりました。筆者の子ども達は学校以外でも英語学習をしていますが、なかなかアウトプットする機会がなかったので今回のクラブメッド・北海道トマムの滞在はとても良い機会となり、「もっと英語が話せるようになりたい!」という気持ちになったようです。夏休みの旅行先選びの参考になれば幸いです。※クラブメッド・北海道トマム
2018年07月20日子ども部屋をつくるときは、それぞれのご家庭の教育方針などにより、どこに重きを置くのか分かれるのではのではないかと思います。筆者の知り合いのパパさんとママさんに協力してもらい、意見のリサーチをしてみると、実は「リビングや夫婦の寝室のレイアウトを考えるよりも難しかった」という人も多いということがわかりました。自分たちのことよりも子どものことのほうが難しかったりするものなんですよね。今回は、子ども部屋をつくる時にどんな点を重視したのか、そのポイントを3つご紹介いたします。■ 1.背の高いものはNG!安心して遊べる部屋づくりをポイントに「苦労したのは安全面ですかね。大人が見ていないと危険がありそうなものはなるべく排除。背の高いものや不安定なものはデザイン的にアリでも、小さいうちは子ども部屋には置けないですよ」(30歳/専業主婦)smuki / PIXTA(ピクスタ)子どもがまだ小さいうちは、危険を減らすことに重きを置く人も少なくないようです。せっかくの子どものために用意したスペースで、万が一のことがあったら大変ですものね。■ 2.とにかく明るく!勉強に適した部屋づくりをポイントにした「勉強をしたり、本を読んだりする機会がどんどん増えてくるので、部屋が明るくないとダメだと思って、部屋全体が明るくなるよう考えました。うちは注文住宅だったので、子ども部屋には窓を3方向につけ、明かりが偏らないように工夫しました」(40歳/フルタイム)「明るい環境で勉強をさせてあげたかったので、窓の側に造り付けの机と本棚をつけることにこだわりました」(33歳/パート)Greyscale / PIXTA(ピクスタ)確かに、子ども部屋のライティング問題というのはすごく大事なことです。というのも、覆いかぶさるような姿勢で勉強をする子はかなり多く、そのせいで目が悪くなりやすいからです。TATSU / PIXTA(ピクスタ)窓の位置、電気の位置は元塾講師目線からみても、すごく重要だと思います。■ 3.デザインや家族との繋がりをポイントにした「うちの場合は、デザイン性ですかね。というのも、私の趣味でリビングや玄関などをアジアンテイストに統一してあるので、子どもが好きそうな可愛いデザインのものはないんです。だから子ども部屋くらい好きなテイストにしてあげたくて」(35歳/パート)「年齢によって、ある程度自由がきく部屋にしようと思って、無難な部屋にしてあります。壁紙も子どもが好きそうな柄ではなく、無地のものにして、ある程度好きに変えられるように配慮しました」(32歳/パート)「セルフリノベーションで、ドアをチェンジしました。真ん中がすりガラスのようになっていて、部屋の中の様子がわかるんです。中からも家族の様子を感じられることで、繋がりを大事にしました」(36歳/専業主婦)y.u-stable / PIXTA(ピクスタ)なるべくなら趣味や好みに合わせてあげたいと思うのも、まさしく親心というものでしょう。子どもにとっては家の中にある唯一のプライベート空間。居心地を良くしてあげたいと思いながらも、部屋にこもって時々しか姿が見えないことが続くと不安になったりもします。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)親のストレス軽減のためにも親子仲を円満に保つためにも、それが隔離した空間になりすぎるのはNG。成長を見守り、家族の繋がりを感じさせることも、子ども部屋を作るにあたって外すことができない大切なことなのです。いずれも、子どもがすくすくと育ってくれることを目的とした子ども部屋を作ろうと頑張っているパパとママの気持ちが見て取れますね。さて皆さまは、どのような点を意識して子ども部屋をつくっていますか?今回の意見をぜひ参考にしてください。
2018年06月26日教えたい!と学びたい!をつなぐアプリ4月25日、株式会社メルカリのグループ会社である株式会社ソウゾウは、学びを売り買いできるフリマアプリ「teacha」(ティーチャ)をリリースした。「teacha」は、勉強や趣味など幅広いジャンルのレッスンを扱ったフリマアプリ。少ないステップで自分のスキルを活かしたレッスンを設定したり、それを受講したりできる。すでに語学や料理といった「習い事」の定番から、キャンプのハウツー、LINEスタンプの作り方など、まさにフリマのように様々なレッスンが設定されている。キレイになれるレッスンもたくさんビューティー関連のレッスンとしても、表現力を高めるメイクや自分でできるヘアメイク方法、流行中のジェルネイルレッスンやダイエットのためのエクササイズなど様々。見ているだけでも楽しくなるたくさんのレッスンの中から、自分が求めるレベルの運動やメイク方法などを探せるのが「teacha」の魅力のひとつだろう。レッスンは最短30分から、最低料金500円から設定できるので、一般的な習い事よりも低価格で受講できるものも多い。「何か始めてみたい」「美について学びたいことがある」と思っている人は、フリマに立ち寄る感覚で「teacha」を覗いてみてはいかがだろうか。(画像はプレスリリースより)【参考】※プレスリリース
2018年05月01日共働きの育児で不安に思うことはたくさんありますが、中でも「子どもと過ごす時間が少なくなることへの悪影響」を懸念してしまいますよね。寂しさから性格が変わってしまうのではないか、うまく教育できないのではないだろうか、子どもの学力に影響があるのではないか……そんなことを考えれば考えるほど心配な気持ちに。ただ、それらのことは果たして本当なのでしょうか。本当に共働きは子どもにとって悪影響なのか。今回はそんな共働きの育児についてお話しします。 共働きの子どもは「愛情不足」?共働きの場合、子どもと接する時間がどうしても少なくなってしまいます。子どもの性格によっても異なるかもしれませんが、客観的に見ると専業主婦世帯に比べて寂しい思いをさせる時間が多くなるのだと思います。子どもの目線になって考えても、朝早くから夜遅くまで保育園生活、親がいつも忙しそう……というのは、寂しいものかもしれません。子どもに寂しい思いをさせることで、子どもが「愛情不足」を感じてしまう可能性が高いです。愛情不足の状態は、子どもにどのような影響を及ぼすのでしょうか。コミュニケーションが苦手になる肌で触れ合う、目を見て話しかける、一緒に遊んで気持ちを共感する……といった経験が少ないことにより、コミュニケーションの取りかたが分からず、他者と接するのが下手になる。自分に自信が持てない「愛されている」という無償の愛を感じないことにより、自己肯定感が低くなる。そのため自分に自信が持てず、消極的になってしまう。 子どもは愛情不足を訴えているかも子どもが愛情不足のときのサインを見逃さないようにしましょう。ほんの一例をご紹介します。爪噛み、指しゃぶり大人(先生や他の親)に甘えるわざと注目されるようなことをするうそをつくおねしょや夜泣きまた、かまってアピールが強かったり、イタズラばかりするのも、「こっちを向いてほしい」という子どもからの切なメッセージ。対応に一苦労……ということもあるかもしれませんが、そんなときに「ちょっと待って」「なんで困らせるの!」とイライラすると、子どもにもしっかり伝わってしまいます。それが愛情不足を加速させてしまう原因となるので、一回深呼吸して改めて子どもと向き合いましょう。子どもにとって、親と接することのできる大切な時間です。 共働きは子どもの教育に悪い?愛情不足の問題を考えていくと、共働きは子どもの教育に悪いのかと不安になりますよね。しかし、そんなことはないそうなんです。乳幼児期の子どもの反応に対しては、特定の人が抱っこなどの対応をすることで、愛情が育っていくのだとか。特定の人というのは、家庭や保育園など環境はさまざま。共働きだからといって子どもが愛情不足に陥ったり、教育に悪影響をもたらすとはいえないということですね。子どもとの時間は量よりも質海外の研究によると、親子で過ごす時間と、子どもの学力・行動・情緒の安定には、なんの関係もないということがわかったそうです。子どもと長く一緒にいられるほど良いと思いがちですが、大切なのは時間ではなく「子どもと何をして過ごすか」という質の面。たしかに、1日中一緒にいる中で、子どもにはタブレットやテレビを与えて親は好きなことをする……というよりは、短時間でも子どもと一緒に遊んだり、絵本を読んであげるといったほうが、子どもの教育や情緒に良いでしょう。 共働きが子どもに与える良い影響それでは共働きが子どもにどのような影響を与えるのか、「良い面」にフォーカスを当ててみましょう。子どもの自立につながる忙しくしているパパやママを見ていたら、「お手伝いをしよう」「できることはないかな」など自分で考え、行動できるようになるのではないでしょうか。また、子どもにお手伝いを頼むことで「頼られている」という自信にも。そういった自立心や生活力は、いずれ子どもが大きくなったときに役に立つでしょう。働くママ・パパへのリスペクト働きながら家のことをこなす両親をかっこいいと思いますし、「今日ママ、仕事でこんなことがあったんだー」という話を聞くことで、「仕事とはなにか」ということを学べます。「私もママ・パパみたいになりたい」と憧れてくれるかもしれません。経済的なサポートができる共働きのため、経済的に余裕ができることも。家族旅行に行ったり、子どもに塾や習い事をさせたり、志望しているところへ行くための経済的なサポートができたりと、「お金」の面で困ることが少ないのも、子どもにとって良い面ですね。 共働きの育児はとても大変ですよね。急いでいるのに子どもが言うことを聞いてくれなかったり、休みたいのにかまってほしそうにしたり。しかしそれは、子どもが成長しているという証です。イライラしたらとりあえず深呼吸。そして「子どもと過ごす時間は量より質」を意して、しっかりコミュニケーション・スキンシップをとるよう心がけてくださいね。 参考:スキンシップが重要! 愛情不足に陥った子どもの特徴と危険性保育園の先生が我が子を「愛情不足の典型ですね」と鼻で笑った話。児童精神科医が語る「親の愛情不足」への誤解働くお母さんに朗報! 子どもと過ごす時間は「長さ」より「質」の方が大切
2018年04月28日子どもの習い事や進路を決めるときに、夫婦で話し合いをすることもあると思います。そんなとき、パパとママの意見が違ったらどうしますか? 昔から「教育ママ」という言葉もあるように、ママの方が子どもの教育には関心が高いイメージがありますが、実際にはどうなのかを調査してみました。 Q.夫婦で教育方針が違うとき、どうする?1.自分の意見を通すために説得する 5.9%2.相手の意見を聞いた上で自分の考えや折衷案を提示する 36.3%3.自分の意見は心にしまい、パートナーの意見に合わせる 3.6%4.お互いの落としどころを見つける 11.4%5.子どもの意見を尊重して決める 30.1%6.喧嘩になってしまい解決しない 5.8%7.その他 3.3%相手の意見を聞いた上で自分の考えや折衷案を提示するが36.3%ともっとも高い結果になりました。次に多いのが子どもの意見を尊重して決めるというものでした。■パパとママで意見が違う子どもの教育方針ママの方が子どもの教育に関心が高く、パパがやや関心がないという声が多くありました。そのほか食い違う原因として、どちらかが学歴にこだわったり、古い考えだったりということもあるようです。「私は色々経験させたい! 学歴も大事! と思っています。旦那はのびのび育ってくれたらいいそうです。いいバランスかと思います」(滋賀県 30代女性)「夫は教育方針を持っていないようです。私の方針に同調しますが、相談しても反対意見どころか特に意見が出たこともありません」(神奈川県 40代女性)「まだ2歳なので教育方針を話し合う機会は少ないですが、現時点で合わない気が。私はやらせてあげられるのであれば、英語や習い事などの機会を設けてあげたいと考えています。しかし、旦那は俺たちの子どもだから学力で上を目指すのは無理、平凡に育ってくれればいいよと」(神奈川県 30代女性)「夫は娘に関しては大学名にこだわりませんでしたが、息子に関してはある程度の大学でないと学費を払わないなどの嫌なプレッシャーをかけてきます。息子はオープンキャンパスなどにも行き研究内容なども見て、受験する大学を選んでいるのに国立早慶以外は認めないようです」(神奈川県 40代女性)■親の教育方針よりも子どもの意思を優先親の方針よりも子どもの意思を大切にするという親も多くいました。親は方針を決めるのではなく、子どものサポートをするのが役目と考えているようです。また、夫婦で意見が分かれたときには子どもに選択させるという声も。「習い事でも塾でも、まずは子どもがやりたいかどうかが最優先。やるからにはちゃんと最後まで遣り抜く覚悟と意思を確認してからはじめます」(香川県 30代女性)「最終的には子どもです。親が子どもの道を決めるのではなく、アドバイスをします」(茨城県 30代女性)「今まで意見が分かれたことはないです。もし食い違った場合は、子どもに選択させようと思います」(三重県 40代男性)「離婚しましたが、子どもの進路やトラブルは元夫に相談します。やはり母にしかできないこと、父にしかできないことがありますしね。意見が分かれたら、子どもに2つの案を提案して選んでもらってます」(千葉県 40代女性)「結局、方針が子どもにとって苦痛だと意味がないので、子どもの意見も大事」(宮城県 30代女性)■すべてママが教育方針を決定している家庭も教育方針はもっぱらママが決めているという家庭もありました。大事なことはパパにも事後報告しているそうですが、本音はもう少しパパにも関わってもらいたい、という声もありました。「夫は教育方針どころか何も意見や考えがないので、相談しても無駄。私が全部考えて決定、行動します。そして事後承諾。」(茨城県 40代女性)「ぜーんぶ私です! 3人の子どもの教育に関しても、車の買い替えも、家を立てるときの設計や細かな打ち合わせも。とってもうまくいっている我が家です」(神奈川県 40代女性)「夫よりも私の方が子どもと接する時間が長いので、基本的には私と子どもの話し合いで子育てしています。夫にはつど報告していますが、一任されている感じです。とりあえず、今まで反対されたことはありません」(千葉県 30代女性)Q.夫婦で教育方針が違うとき、どうする?アンケート回答数:4211件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2018年04月20日兄弟がいると、程度の差はあってもケンカをすることは避けられないと思います。大抵は些細なことがきっかけで始まることが多いと思いますが、毎日だと親もどう対応していいのか悩みますよね。兄弟げんかにはどう対応すればよいのでしょうか。兄弟げんかは学びの機会兄弟仲良くいてほしいと思っていても、兄弟がいるとケンカをするものです。しかし兄弟げんかは社会性を育む貴重な機会であり決して悪いことではありません。幼い内になるべくたくさんケンカをすることで、おのずと社会性や対人関係を学びます。ケンカをしたら無理に止めるのではなく、なるべく介入せずに公平に接することを心がけましょう。友達とのけんかの違い兄弟がケンカをするのは、家庭が安心できる証拠であり自分の意見を自由に言えるということ。友人関係とは違い、甘えや安心感があるからこそケンカができるのであり、健全なことです。園や学校の友達とのケンカと違い、兄弟げんかはケンカした後もひとつ屋根の下で一緒の生活が続きます。悲しそうにしていたり痛そうにしていたりする姿を見て、相手の想いを想像して反省したり手加減したりという経験を積み重ねることができます。また、兄弟げんか特有の理由として"親を独り占めしたい"、"注目されたい"という気持ちから起こることもあります。親が心に余裕を持ち、兄弟を順番に抱きしめたり甘えさせたりすることで子どもが落ち着くこともあります。普段から公平に愛情をかけることも大切です。ケンカを公平に見守るための親の心構え兄弟げんかには、大きな危険がない限り基本的には見守ります。親の心構えを知っておきましょう。・ケンカの最中に口出しをしない・上の子ばかり叱らない・一方的に判断しない・意識的に公平に接するように努める・子どもの気持ちを尋ね、共感する・子どもが納得する家族のルールを作る・ケンカ自体を「いい経験である」と前向きに捉えるケンカでは子どもの本音が飛び出すので注意深く耳を傾けましょう。途中でけんかを止めると後から蒸し返しがちになります。時間を置いて落ち着いたのを見計らって、「どうしてほしかったの?」などとフォローしましょう。兄弟の年齢や体格に差がある場合は助け船を出しましょう。「弟が言いたいことをしゃべるまで待ってあげてね」「小さい妹と取っ組み合いになったらどうなると思う?」など、自分で考えさせたり我慢させたりすることは良い経験となります。私自身3人兄弟の一番上なので、「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」などと言われることは多くありました。親から見ると、年齢が上の子によりしっかりしてほしいという気持ちは強くなるものなので、公平に扱うということはとても難しいと思います。だからこそケンカの際は親が口出しをせず見守ることで、子ども同士が対等に関わることができます。見守ることが一番難しいかもしれませんが、大人の思い込みや先入観は子どもの成長を妨げます。けんかを止めたい気持ちはわかりますが、少し下がって見守るようにしていきましょう。
2018年04月16日最近ではほとんどの学校で実施している性教育ですが、親子間での教育はまだまだされていない家庭も。今の親世代が子どものときには、家庭内でなんとなくタブーとされていた性教育。今、親となって子どもにどう伝えたらいいのか悩む人もいるようです。Q.子どもの性教育、いつから始めますか?1.未就学児 4.1%2.小学校低学年 6.7%3.小学校高学年 43.2%4.中学生 23.6%5.高校生 4.1%6.その他 7.2%7.家庭ではしない 11.2%小学校高学年が43.2%ともっとも多い意見となりました。女の子は初潮のタイミングがきっかけになることが多いようです。一方、家庭ではしないという人も11.2%いるという結果になりました。■聞かれたら親としてはっきり伝えたい子どもに聞かれたら包み隠さず話すべきと考える人が多いようです。学校での性教育がきっかけで、家で聞かれることもあるようですが、恥ずかしいことと思わずに誠実に答えていきたいと考えているようです。「現在小1ですが、先日学校で性教育の授業がありました。男女の体の違いなどの話で、まだ性教育と言えるほどではないかもしれませんが、子どもに質問されたら話せる範囲で答えていくつもりです」(北海道 30代女性)「聞かれたらその都度、当たり前に話しています。母が産婦人科に務めていたので、私も小さなころから隠すことなく伝えてもらいました。男の子は女の子を大切にするため、女の子は自分の身を守るために教えています。家庭で教えなければ、学校では足りませんし、誤った知識が先に入ると困るのはかわいそう。親の責任だと思っています」(東京都 40代女性)「我が家では『結婚しなくても赤ちゃんは生まれる?』などの子どもからの質問には、隠さず本当のことを教えています。普段から性に対して恥ずかしいことではないと思われていれば、親にも相談してくれてます」(愛媛県 30代女性)「体の変化がある時期には、はっきり伝えなければいけないと思う。親のつとめとして。聞かれたらそのままのことは、今も伝えるようにしています。自然なことであって、いけないことではないけど、自分の体は自分で守れるようにしてあげたいです」(北海道 30代女性)■自分が性教育を受けていないだけに悩む現在のパパママ世代は学校ではもちろんですが、家で親とそういった話をしたことがある人は少数派。だからこそ、自分の子どもにはどう伝えたらいいか悩んでいる人もいました。「どこまで教えるべきなのか悩みます。私の世代の性教育は避妊、避妊、避妊と、とにかく避妊についてが多かったですが、不妊についてはなにも教わっていません。不妊が増えているこの時代、妊娠適齢期と不妊についても学ぶべきだと思います」(東京都 20代女性)「私自身、6年生のときに結婚しただけでは子どもができないと初めて知り、両親がそういう行為をしたという事実があまりにもショックで大泣きした記憶があります。子どもにはどう教えるか悩むところです」(茨城県 40代女性)「家庭で教わった覚えがないので、どうしたら良いのかわかりません」(新潟県 30代女性)「小4、小3、0歳のママです。正直、性教育はいつから始めたらいいのか悩んでいます。3人目を妊娠してから、長男に『どうやったら赤ちゃんができるの?』と聞かれて、なんて答えていいか迷いながら、神様が運んでくれると言いました」(奈良県 30代女性)「どのタイミングで、どう話してよいかわかりません」(神奈川県 40代女性)■小さなときから年齢に応じた伝え方が大切 性教育はいつから始めるというよりも、年齢やその子の成長に合わせて説明していくというのが理想的なのかもしれません。性教育というと抵抗があるかもしれませんが、命の話としてしっかりと伝えられるといいですね。「『おなかの中に赤ちゃんのベッドがあるんだよ』と月経のことを教えたのは、息子が4歳くらいのときでした。一緒にお風呂で出血を見るわけですから、堂々と教えたかった。そのころ、『赤ちゃんはどこから生まれてくるの?』という質問にもちゃんと答えました。『すごいことなんだよ、こんな狭いところから生まれてくる赤ちゃんは命がけなんだよ、あなたは本当に頑張って生まれてきてくれた宝物だよ』って。男女間の性についてもいずれ愛を持って話したいと思います」(鳥取県 40代女性)Q.子どもの性教育、いつから始めますか?アンケート回答数:4498件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2018年04月13日以前なら、「子どもにより良い教育を」と考えたとき、私立の学校に通わせるというのが一般的でしたが、最近では、あえて公立小学校を選ぶ家庭も増えているといいます。なかには、子どもの教育環境や生活環境を重視し、希望する公立小学校へ入学させるべく、わざわざ引越しをする「公立小移民」と呼ばれる人たちもいるとか。そこで今回は、そんな「公立小移民」について、教育ジャーナリストの斎藤剛史さんにお話をうかがいました。公立小移民と学区の関係希望する公立小学校があるとはいえ、なぜわざわざ引っ越すのか…。それは、「『学区』が大きく関係している」と斎藤さんは話します。「『公立小移民』は、希望する公立小学校に子どもを入学させるため、その学区に引っ越す、または住民票を移す保護者と子どもたちのことを言います。公立の小中学校には学区があり、学区内に居住または住民登録していないと入れませんので、子どもを入学させるためには引越しをしなければいけないのです」(斎藤さん、以下同)引越ししてまで通わせるメリットはある?「公立小移民」の目下の目標は、まず希望する公立小学校に入学すること。しかしそれ以外に何かメリットはあるのでしょうか?「公立義務制は無料なので、私立と違い、入学金などのお金をかけずに入学できます。またその小学校がいわゆる『ブランド校』であれば、地域に集まる保護者も比較的富裕層が多いため、保護者にとってステータスになりますし、進学にも有利と考えられています」とはいえ、斎藤さんはこれらのメリットには少し慎重のよう。「あくまで公立小学校なので、『ブランド』というのは、保護者の勝手なイメージにすぎない場合もあります。住居を移すなど、お金をかけてまで入学するメリットが本当にあるかどうは疑問です」都内でも、大田区の田園調布小学校や港区の青南小学校、千代田区の番町小学校など、“ブランド校”と呼ばれる人気の公立小学校はたくさんあります。実際に、これらの小学校の近くの不動産屋さんでは「○○小学校学区内」と謳っている物件もあるそうです。「子どものため」ということ以外にも、「人気らしいから」「ママ友がいいと言っていたから」など、きっかけは様々あるかと思いますが、引っ越しというのは、人生の中でもわりと大きな決断。「引っ越してまでその学校に通わせるべきなのか」、今一度、立ち止まって慎重になってみてもいいのかもしれません。(文・明日陽樹/考務店)
2018年04月12日まずは母語を完璧に。自分の意見を話す訓練も大事ですね。グローバル化が進むなか、2020年度より、英語教育(外国語活動)の開始を小学校3、4年生に早め、5、6年生からは英語が正式な教科となることが決まりました。現在、文部科学省では指導計画を考案中です。僕自身、英語習得に苦労したので、英語教育のスタートが早くなるのは、とてもいいことではないかと思います。早期英語教育の話が出ると、「母語の教育をおろそかにしてはいけない」という反論がよく上ります。母語はとても重要です。必ずしも日本語でなくても構いませんが、複雑な気持ちを表現できる言語を何か一つ、徹底的にきちんと身につけるのは、生きていく上で必要なことです。言葉は人に気持ちを伝えるだけでなく、自分の思考を深める助けにもなるからなんですね。母語も新しく学ぶ言語も未熟な状態を「ダブルリミテッド」または「セミリンガル」といいます。それだと“アイデンティティ・クライシス”に陥りやすく、モヤッとした気持ちを伝えられないと不安が募り、暴力的になったり、引きこもりになることもあります。勘違いされやすいのは、その言語環境にいれば子供は勝手に言葉を話せるようになるだろう、ということ。しかし、思考を深めるくらいの言語を習得するには専門的な教育が必要です。日本語であれば、国語の授業や小論文ですね。これにより言葉の表裏を知り、表現が鍛えられます。ですから、早期英語教育を始めるにあたっては、母語教育が重要なんですね。ダブルリミテッドは避けなければいけません。海外で日本人が苦労するのは、言葉以前に、自分の意見を話すということではないでしょうか。英語力があっても、意見がなければコミュニケーションにはなりません。文科省では、討論や発表を通じ、自ら問題を見つけ解決できる学習を、英語だけでなく各教科で導入していこうと計画しています。日本人以外の非英語圏の人たちは、多少文法が間違っていたり、発音が訛っていても、たくましく自分の意見を英語で伝えようとします。日本人が英語が苦手な理由は、「間違ったら笑われる」という不要な羞恥心が邪魔をしているのかもしれませんね。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年3月28日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年03月25日子どもの学校選びで、様々な学校を調べているママも多いと思いますが、「教育モデル校」という言葉が出てくることはありませんか?そうした学校に通わせることで、先進教育に触れる機会を増やせるため人気は高いようですが、そもそもモデル校ってどうやって選ばれるの?教育ジャーナリストの中曽根陽子さんに聞きました。モデル校のテーマは多岐にわたるまず、モデル校はどれくらいあるのかを聞こうとしたところ、「ひと口にモデル校といっても、たくさんあるので数はわかりません。各教育委員会にお問い合わせください」と中曽根さん。「たくさんある」とは、どういうこと?「例えば、最近では、英語学習・プログラミング教育・道徳教育などテーマはたくさんあります」(中曽根さん、以下同)実際、「平成29年度東京都教育委員会研究指定校一覧」を見てみると、かなりの数が…。中曽根さんの言う通り、そのテーマは様々で、「安全教育推進校」「人権尊重教育推進校」「日本の伝統・文化の良さを発信する能力・態度の育成事業」など、学習以外のことでもモデル校が指定されているようです。モデル校を指定する目的・基準は?何を目的としてモデル校を指定するのか、というのも気になるところ。これに関して、中曽根さんは、「文科省がその時そのときに力をいれようとしているテーマを推進するために、モデル校を作り施策の実現をはかるため」と話します。先ほどの「平成29年度東京都教育委員会研究指定校一覧」にも記載されているので、一部紹介します。【日本の伝統・文化の良さを発信する能力・態度の育成事業】「2020東京オリンピック・パラリンピック教育における伝統・文化に関する取組について、地域の専門的な知識や技能を有する外部人材の活用を通して、児童・生徒の専門性を高めるとともに、外国人と積極的に関わり、意見交換する機会等を設定し、日本の良さを発信する能力や態度を育成する」【安全教育推進校】「学習指導要領及び都教育委員会教育目標等に基づき、学校において、幼児・児童・生徒に危険を予測し回避する能力と、他者や社会の安全に貢献できる資質や能力を育成するため、効果的な安全教育を実践的に研究し、その効果を普及することをねらいとして、安全教育推進校を指定する」このように、テーマごとによって、目的も異なるのです。また、もうひとつ気になるのは、誰がどうやってモデル校を決めるのか。中曽根さんいわく、「明確な基準が開示されているわけではありませんが、各学校、特に学校長が手をあげて、学校の実状や地域のバランスなどを鑑みて、教育委員会が決定することが多いと思います」とのこと。また、「場合によっては、教育委員会から学校側に打診されることもあると思います」とも。都道府県や市町村ごとに、モデル校一覧をまとめていることもあります。自分の子どもが通う学校は何かのモデル校になっているか、もしくは力を入れて学んでもらいたいことのモデル校はどこかなど、事前に確認してみてはいかがでしょうか?(文・明日陽樹/考務店)
2018年02月22日子どもへの英語教育に関心が高まるなか、学校以外にも「子どもの英語教育」に関心を寄せている親は少なくないだろう。そこで、実際に子に英語教育を始めている人は何歳ごろから、どんな学習を選択しているのか?ママテナの独自インターネット調査で「英語教育の実施状況や、2020年の英語教育義務化に関する本音」を探った(調査期間:2018年1月19日〜1月23日、有効回答数:172人)。●約8割の親は、学校以外での英語教育の必要性を実感まず子どもがいる親を対象に「英語教育についての現状」を質問したところ、次のような結果となった。1位現在子どもの英語教育を行っている……51.8%2位現在は行っていないが、将来的には英語教育を行いたい……27.4%3位子どもの英語を行う予定はない……20.7%「現在子どもの英語教育を行っている」親がかなり多く、さらに「現在は行っていないが、将来的には英語教育を行いたい」と考えている親も含めると、実に約8割は学校以外の英語教育が必要だと考えているようだ。英語教育を行っている人、行いたいと思っている人にその理由を尋ねると、一番多いのは「将来、英語が必要な時代になり、少しでも働くうえで選択肢が増えればと思って習いはじめました」(30代後半)「将来英語は話せて当たり前な世のなかになると思うので」(30代後半)など、国際化社会への対応を視野に入れた理由だった。一方で「小学校から英語が必修となるため、早くから英語に慣らせたかった」(30代前半)といった、2020年よりスタートする小学生の英語教育義務化を見据えた回答も目立った。小学校3年生より英語教育がスタートし、5、6年には教科として成績もつくようになるという。また意外に多かったのは「本人が興味を持ったから」(40代前半)など、子ども自身が英語教育に興味を持ったケース。すでに英会話スクールに通う友だちがいたり、英語のアニメに触れたりする機会があると、自ら英語に興味を持つことも多いようだ。●すでに始めている人の半数は、3歳以下からスタート!では、子どもに英語教育を行っている親は、どういった学習方法を選んでいるのか?同調査では「将来的には英語教育を行いたい」親も含め、その内容について調査。結果は次の通りだ。1位英会話スクール、英語教室などに通う……69.4%(将来的に行いたい66.7%)2位英語の教材やラジオなどで家庭学習させる……36.5%(将来的に行いたい37.8%)3位ネイティブスピーカーや英語が得意な人と関わりを持たせる14.1%(将来的に行いたい26.7%)4位外国で暮らす、留学……3.5%(将来的に行いたい13.3%)圧倒的に人気なのは「英会話スクール、英語教室に通う」。ほか英語の家庭学習も根強い人気だった。さらに子どもに英語教育を行っている親と、将来的には英語教育を行いたい親を対象に、英語教育を始めた(始めたい)年齢についても調査。その結果は後述の通りだが、こちらは始めた年齢と始めたい年齢で、大きく結果が異なっている。・英語教育を始めた年齢1位0歳から3歳……52.9%2位4歳から6歳……29.4%3位10歳以上……11.8%4位7歳から9歳……5.9%・英語教育を始めたい年齢1位10歳以上……31.1%2位4歳から6歳……24.4%2位7歳から9歳……24.4%4位0歳から3歳……8.8%すでに始めている人たちの半数以上は0歳から3歳からスタート。52.9%のうち、言葉がほぼ話せない0歳から1歳で始めている人も、21.2%いた。これから始めたい人たちで一番多いのは「10歳以上」。どうやら英語教育は赤ちゃんの頃から始めている層と、小学校高学年以上に始める層で大きく分かれているようだ。●小学校の英語教育義務化は賛成も、授業内容に不安さらに2020年から始まる小学校の英語義務教育化についての率直な感想を尋ねた。「良いことだと思う。教室に通わなくても学校の授業で同等の教育ができたらとてもありがたいことだと思う」(30代前半)といった期待を持つ意見もあるが、かなり目立ったのは「英語の早期教育はいいと思うが、学校、教師によってレベルや内容に偏りが起こりそうで心配」(30代前半)、「良いと思う、ただ今までのような文法重視の英語教育はやめて欲しい」(30代前半)といった、早期英語教育は必要としながらも、教育内容に不安を覚える意見だった。今回の調査結果で実感したのは、学校の英語教育に期待が持てない親がとにかく多いこと。だからこそ英会話スクールや家庭学習などの英語教育への関心も高く、高い実施率となっている。そんな親たちの期待や子どもたちの努力が果たして、将来的な英語力向上に実を結ぶのか?できれば親子の想いや努力が、報われる結果となってほしい。(取材・文:高山惠編集:ノオト)
2018年02月18日いよいよ我が家のおっとり長男も春から小学生です。同じく新1年生のお母さんたち、入学準備は着々と進んでいますか?我が家では年内に届いたランドセルに腕を通した長男の案外しっかりした背中に、ついこの間まであんなにぷくぷくで、ハイハイしていたあの子が…と早くも目頭が熱くなっちゃいました。小学校ではどんな生活が待っているのか、親子で期待に胸を膨らませつつ、でも最近ある情報を小耳に挟んでからちょっと不安なことがあります。それは、「2020年から、大規模の教育改革」があるということ。学校教育や大学入試も変わるとのことで、小学校でも英語が教科になるそうです。 英語の教育改革では、現在5・6年生で行われている「外国語活動」が3・4年生で実施され、5・6年生では、英語が教科となって成績がつくようになるとのこと。(一部の学校では、2018年度から先行実施される学校もあるそうです)英語が苦手すぎて、必修外国語に英語が無いという理由で進学先を日本史学科に選んだほどのコンプレックスがあるワタシ(恥)…。今でも外国の方を前にすると、急に寡黙な微笑みの精と化します。夫は反対に英語が得意な人ですが、本人いわく相当な努力の賜物だそうなので、小学校からの英語教育に子どもがちゃんとついていけるのか…今から心配になってしまいます。そんな中タイミングよく! ウーマンエキサイトさんからのお声がけで、教育のプロにお話を伺う機会をもらいました。英語教育について、気になっていたギモンをいろいろぶつけてみました!!小5から英語に「成績がつく」とは?tomekko:英語が教科になるってどういうことですか? これまでと何が違うのでしょうか。加藤さん:英語に慣れることから英語力の基礎を身につけることに目標がレベルアップし、身についたかどうかのテストがあるということです。実はすでに2011年度から、5・6年生に対しては「外国語活動」という教科ではないかたちで、週1回英語教育は行われています。教科書がなく、「英語に慣れ親しむ」という目的で、ゲーム・あいさつなどを行う簡単なもので、調査結果では、そのレベルに満足していない保護者も少なからずいらっしゃるようです。また、評価は評定(数値などの段階であらわされるもの)がつかない形で行われており、「積極的であったかどうか」などの意欲や態度を中心に記述される形で行われています。しかし2020年度からは、現在行われている「外国語活動」は3・4年生で実施となり、5・6年生は「教科」で週2程度行われ、「評定がつく」ようになります。どんな内容の授業を受けるの?tomekko:では5・6年生の授業はどのような内容になるのでしょうか?加藤さん:まずは「聞く・話す」が中心なことは変わりませんが「相手に通じるか」という点が重要となります。これまでは歌などでリピートするだけでよかった英語を、質問されたらその意味を理解して(聞く)、ちゃんとこたえることができる(話す)ようになるための授業です。しかし、突然できるようにはならないので、よく使いそうな状況と登場人物などを設定し、ロールプレイングする中で会話を聞いて真似をします。そして、日本語を学んだのと同じように、まずは耳から入ってきた言葉の意味を理解することからはじまります。例えば「ワッチュワネーム(what's your name)?」という音が、名前を聞いているということを理解して、自分でも使ってみます。そして、読んだり書いたりするときに初めて「ワッチュワネーム(what's your name)?」が3つの単語でできていて、単語の間にスペースを開けて書くことに気づく、という順番です。「読む・書く」のスキルについては、例文を声に出して読んだり、英語をみてそのまま書き写したりする程度。あくまでも読み書きは英語の文字に慣れ親しむことを大切にします。また、「聞く・話す」スキルは、ペーパーテストではわからないので面接形式や、外国人講師とのやりとりをみて、評定をつけるようになります。小学生では、「読む・書く」スキルよりも、まずは「聞く・話す」ことを重視して評価します。tomekko:文法は中学校で習うのでしょうか? 自分は文法が苦手で英語が嫌いになりかけたので…心配です。加藤さん:はい。文法理解などを始めるのは中学生からです。今までは中学生からいきなり「聞く・読む・話す・書く」の4技能をやっていますが、実はこれはかなり難しいことなんです。つまずく人が多いのは、これが原因です。たとえば、日本語を習得するときは、「聞く・話す」は6歳ぐらいまでゆっくりと身につけますよね。個人差はありますが、2歳までは特に「聞く」のみ。2歳ごろからやっとおしゃべりを始めて、「読む・書く」を習うのは小学1年生からですよね。英語は、中1から突然4技能をやり始めるからつまずく人が多かったんです。これは良くないと、現行の指導要領では、まずは小学生のうちに「聞く・話す」、次に「読む・書く」もはじめておく、など段階をつけることになりました。実は英語が母国語ではないアジアの国では、ほとんどの国が小3からやっていて、やはり、「聞く・話す」→「読む・書く」の段階的な英語学習を行っています。tomekko:え…そうなんですか! それなら小学校の早い段階で始めなくて良いのでしょうか?加藤さん:これは私の考えですが、まず、学校教育の最初の段階で日本語(母語)を学ぶ、思考能力などの基本的な部分をまず母語でしっかりさせることのほうが優先です。母語の基礎をしっかりすることが、他教科や外国語を学ぶ上でも必須だからです。ただし全く英語をやらない方がいいということではありませんよ! 年齢が若いというのは、言語学習が成功しやすいとも言われています。家庭で、親が子どもにできることって?tomekko:そうなんですね…! では具体的に、親が子どもにしてあげられることはありますか?加藤さん:一番大事なことは、英語を使いたい! というコミュニケーションへの意欲を高めることです。それは、義務感で「やりなさい」といっても全然ダメです。親も興味を持って、一緒に楽しむ気持ちでやりましょう。声がけも「ママも苦手だったからやらないと困るわよ」ではなく「お母さんも一緒にやってみようかな~♪」というのが大切です。乳児や幼児は、親が好きなものは興味を持つんです。例えば、外国の文化に興味を持って欲しければ、テレビで流れてきたニュースをママやパパが話題にすることなどは子どもにとてもいい影響です。と言っても難しいニュースについて話す必要はなく「○○で大きなサッカー大会があるよ。どこにあるのかな?」「日本語とは違う言葉を話しているね」などでもいいと思います。DVDなど、子どもが興味を持ったアニメなどを英語音声にしてみるのもいいですね。【1】日本語音声で見て【2】英語音声に変えて字幕で見る。意味がわかっていて英語が聞こえてくるから、学習効果も高くなります。tomekko:「聞く・読む・話す・書く」どれを先に取り組むのがいいんでしょうか?加藤さん:順番としては、まず聞く機会を増やすことです。わからなくても、なんとなく聞き続けるという能力は子どものほうが高いんです。その次に「話す」になるのですが、話す相手に興味を持って質問してみようという気持ちも必要になります。日本人に多いのは、質問されたら応えられるけれど質問ができない人です。これは、パーティで初対面の人とスモールトークが苦手な人が多いというのにもつながっていそうです。これからは、多様な人と関わっていく力、オープンな心も必須になってくると思います。また、小5・6以降になると「わからないことは恥ずかしい・失敗は嫌」という思いがどんどん高まっていきます。小さい頃から、間違えてもいいから英語を話すという体験をさせてあげるといいと思います。こういったことも、年齢が若い方が学習しやすいという理由です。tomekko:なるほど! やっぱり「聞く」「話す」が大事なんですね。英語の教材やスクールを選ぶときに大切なことはありますか?加藤さん:英語を使いたいという意欲を育てることを前提に、効果的な学習方法を選ぶというのが大切です。何が効果的なのかは、お子さまの性格にもよるのですが、タイミングと学習環境、そして先生(指導者)選びが大事です。例えば、シャイなお子さまは最初は子どもが大勢いる英語教室よりも安心できる家庭での学習教材がいいかもしれません。ただ、「シャイだから連れて行かない」など親が子どものポテンシャルを閉じる必要はありません。初めてでも意外とやれることもあるものです。特に幼児は体調や機嫌で変わってくることもありますので。長い目でみてあげましょうね。自宅で楽しく「使える英語」を学ぶには?おっとりした長男には、家庭学習が合ってるかもしれない…。自宅で学べて、しかも先生と話す機会もある教材なんてあるの…? と思ったら、それがかなうのがベネッセさんの「進研ゼミ 小学講座」とのこと。 気になったことを責任者の豊泉さんに聞いてみました!tomekko:どんなレッスン内容なのでしょうか?豊泉さん:「進研ゼミ 小学講座」は、小学生での学びでとても大切な「自分で考えられる力」を身につけられるよう、お子さまが夢中で考え抜く楽しさやわかるおもしろさを体験・実感できる家庭学習教材です。2018年度4月号からの英語学習は、英語4技能を身につけられる内容にパワーアップします!バランスよく4技能に取り組める毎月のレッスンに加え、4技能が本当に身についているか診断できるアセスメントが受けられるようになるんです。技能別の力を細かく診断し、個別アドバイスをお届けするので、お子さまの力にあわせて英語力をしっかり身につけていくことができます。もちろん、お子さまが楽しく学べる工夫をしており、ゲーム形式や物語形式でネイティブスピーカーの音声で短いフレーズに何度も触れられたり、外国人とやりとりをする擬似体験などもできるようになっています。もっと英語に触れたい、英語力を伸ばしたい方には、有料オプションの「Challenge English」もおすすめしています。パソコンやオリジナルタブレットで4技能を学ぶデジタルレッスンと、月1回外国人講師との「オンライン会話レッスン」もできる講座なんですよ。tomekko:小学生が学ぶことを重視した教材、というのがいいですね!豊泉さん:ゲーム感覚のロールプレイや、クイズ形式など、英語力を確認できる仕組みを取り入れ、お子さま自らがやりたくなるような仕掛けをたくさん作ってあります。そして、周りを気にせず、間違いを恐れず、どんどん英語を使ってもらうためには、リラックスできるご自宅で、毎日英語に楽しく触れられれることもポイントだと考えています。「英語が楽しくなった」「自信がついた」といううれしいお声をたくさんいただいています!tomekko:それは、良さそうです!! 自宅学習だと送り迎えもいらないし、何よりおっとり長男が無理なく続けられそうなのが魅力的です。今までと違い、英語力もより大事になってくる今の子どもたち。母もいろいろ情報を仕入れて、子どもにあった学習法を見つけてサポートしていきたいと思います! 自宅で外国人講師との会話レッスンを受けられる!「Challenge English」をWEBで体験してみよう 「進研ゼミ 小学講座」も追加料金なしで英語学習ができるように!>> PR:株式会社ベネッセコーポレーション
2018年01月18日子どもにとって小学校は学びの場です。もちろん、勉強を教えてもらうために通うんだけど、もうひとつ大事なことがあると思うのよ。それは、「社会生活を知る」ということ。世間というものを肌で感じる第一歩が小学校なんじゃないかしら? 自分の力ではどうにもならないことがあると知るのもこのくらいから…。社会というものを子どもながらに学んでいくんですね。この「社会性を身につける」というのは、とても大事なことなの。人は、人間社会の中でしか生きられません。どんな形であれ、必ず人と関わり合いながら生活していくことになります。社会人として、きちんと生きていけるよう訓練する場所が学校なんですね。幼稚園や保育園はあくまでもその準備段階で、本格的に社会と向き合うようになるのは小学校だと思います。そこでは当然、イヤな経験をすることもあり、子どもに強いストレスがかかることもあるでしょう。そこで重要になってくるのが家庭。たとえ小学校でイヤなことがあっても、家に居場所があれば子どもはがんばれるんですね。そのうち、自分自身の力で何とかやっていけるようになります。やはり幼稚園とは勝手が違うし、初めての経験ばかりで子どもは不安なの。でも、自分を丸ごと受け入れてくれる温かい家庭があれば安心できます。 イヤな思いを味わうことも社会勉強。避けて通ることはできません。子どもの代わりに人間関係を築いてあげるなんて、いくら親でもできっこないでしょう? 子ども自身がつまずきながら社会性を身につけていくしかないのよ。親は、そんな子どもを遠くで見守ることしかできません。特に、二黒土星のお母さんは心配性なところがあり、子どもの学校生活のすべてを知りたがります。でもね、根掘り葉掘り聞き出そうとすると、かえって子どもは口を閉ざしてしまいますよ。ほどほどにしましょうね。子どもが成長していくためには、良いことも悪いことも経験する必要があります。傷つき、悩むこともあるでしょう。そんな子どもたちに何よりも必要なのが温かい家庭です。がんばっている子どもたちが安心して戻れる場所をつくってあげてくださいね。 ※もうすぐ!※あなたの運命が動き出す◆今から準備しておくべきこと
2017年12月22日