サバゲ―をする小森章平容疑者(本人フェイスブックより)「いつか何か事件を起こすと思っていましたが、まさか本当にやらかすとは……」女子高生殺害の嫌疑がかけられている男の同級生が、事件の真相に近づく数々の“伝説”を明かしてくれた――。■和美容疑者には幼い子どもが3人いる8月31日未明、尊い女子高生の命が失われたという衝撃的なニュースが日本中を駆け巡った。「この日、墨田区に住む私立高校3年生の鷲野花夏(わしのかな・18)さんの遺体が、山梨県早川町の山奥にある小屋で見つかりました。同日に警察は、群馬県渋川市に住む小森章平(27)、妻の和美(28)の両容疑者を鷲野さんの死体遺棄の容疑で逮捕しています」(全国紙社会部記者)28日から行方不明になっていた鷲野さん。「友人に会う。すぐに帰る」と言って家を出たまま行方がわからなくなっていた。防犯カメラの映像で鷲野さんは、自宅付近で両容疑者の車に自ら乗り込んでいた事実が判明。「捜査の結果、車は長野県で発見された。乗っていた夫婦は取り調べで鷲野さんを殺害したこと、山梨県内の山奥に遺棄したことを認め、逮捕された」(前出・社会部記者)事件の詳しい経緯については現在も捜査中だが、夫の章平容疑者は「鷲野さんとは2年前にツイッターで出会った。妻が嫉妬していて事件になった」などと供述している。当日も3人で話し合うために夫婦が鷲野さんを呼び出していたようで、事件の背景には男女関係のもつれが見え隠れする。章平容疑者と妻の和美容疑者が結婚したのは今年の5月。その直前まで和美容疑者には別の夫がいたが、前夫のDVが原因で1年ほど前に離婚。その直後に章平容疑者と再婚しており、前夫と暮らしていた群馬県渋川市内にある妻名義の一軒家で、2人で同居を始めた。和美容疑者は前夫との間に幼い子どもが3人いたが、現在は近くに住む両親が引き取っている。再婚相手となった章平容疑者は三重県出身。その素性を調べると、とんでもない過去が明らかになる……。サバイバルゲーム、アウトドア、動物などが好きという章平容疑者。インスタグラムには「山梨のキャンプ場が好き」と書かれており、その場所は今回の事件現場からそれほど離れていない。小学生のときから剣道をやっていたようで、中学でも剣道部に所属するため、わざわざ学区外の公立中学に通っていた。だが、当時の部活の先輩によると、「どちらかというと暗めの性格。部活動も休みがちで積極的ではありませんでした」おかしな行動をすることも多かったという。冒頭の同級生が呆れた様子で語りだす。「本当に突拍子のないことばかり言うやつだった。常々、“俺は爆弾を簡単に作ることができるから、その気になれば簡単に人を殺せる”“殺すときは残虐なやり方じゃないと気がすまない”などとサイコパスのようなことをペラペラ喋っていた」実際に学校内での章平容疑者はかなりの危険人物だったようだ。「普段はそんなに怒るタイプではないのですが、何かの拍子にスイッチが入ると手がつけられないんですよ。一度、理由も思いだせないほど些細なことで休み時間に突然キレだしたことがあって、クラスの女子生徒に向かってカッターナイフをブンブン振り回して、大騒ぎになりました。なんとか、ほかの同級生が取り押さえましたが……」(以下、同級生)それだけではない。「中学2年生くらいのときにもほかの女子生徒を階段の一番上から、何の理由もなく突き落としていました。幸い軽傷ですみましたが、本当に危険人物でした」章平容疑者の通っていたこの中学は校内の窓ガラスを平気で割るような不良が何人もいたそうで、「あれに比べたら」とあまり問題視されることはなかった。しかし、彼の異常な行動はまだまだあった。「得体のしれない錠剤を大量に持ち歩いていて、学校で飲んでいましたね。何の薬なのかはわからないのですが、やたらと周囲にも“飲めよ”と勧めてきて、ちょっと怖かったです」■中学時代に小学生へ好意を抱いていた今回の事件は、ひと回り以上も歳の離れた女子高生との関係を明らかにすることが焦点となっている。それについて、同級生は重要な証言をしてくれた。「実は彼、昔から年下の女の子が大好きなんですよ。中学生当時、彼には小学生低学年の妹がいました。その妹の同級生の子に好意を抱いて、何度もストーカーまがいのことをしていました」すぐに“目移り”する性格で、ストーカー被害に遭った女子児童の数は相当数いるという。さらには、そのアプローチの仕方はというと、「スカートをめくったり、靴を奪ってどこかに隠したり。後ろをずっと付け回すような幼稚なことをよくやっていましたね。“やめなよ”と言っても全然やめようとしない。相手の女の子は、自分がどんな酷い目に遭っているかもよく理解できないような、そんな年齢でした」この当時から“年下好き”の気があったのは確かなようだ。「恋人がいるなんて話も聞いたことがありませんでしたし、結婚していたというのも報道で初めて知りました。彼は昔から年の離れた、ぽっちゃりした女性が好みでした」今回犠牲になった鷲野さんも年齢が離れており、もしかしたら章平容疑者のタイプだったのかもしれない。それが、今回のような惨事を引き起こしてしまった――。中学卒業後の章平容疑者は三重県内にある水産高校に進学。「航海士か自衛隊員になりたい」という夢があったというが、実習が過酷で、先輩にイジメられていたなどの事情もあって中退。その後は溶接工などの仕事を転々とし、和美容疑者と出会うまでは三重県で過ごしてきた。犠牲になった鷲野さんは生前、「心理学を学ぶために大学に行きたい」と受験勉強に励んでいたが、身勝手な夫婦の凶刃に倒れてしまった。さらなる真相の究明に向け、捜査は継続している。
2021年09月01日硫酸をかけたとして逮捕された花森弘卓(ひろたか)容疑者(25)高校の卒業アルバムより東京メトロ白金高輪駅で男性会社員(22)に硫酸をかけたとして逮捕された花森弘卓(ひろたか)容疑者(25)。『週刊女性』が取材を進めると、容疑者は過去にも大事になりかねない物騒な事件を起こしていたことがわかった――。■花森容疑者の生い立ちと家族今回の事件が起きたのは8月24日の夜。花森容疑者は不動産会社に勤める被害男性を尾行し、硫酸をかけた。男性は顔に火傷を負い、なんとか失明は免れたものの全治6か月の重傷。近くにいた30代女性にも液体がかかり、軽症を負った。「その後、容疑者は自宅のある静岡県にいったん戻ったあと、すぐに飛行機に乗って沖縄まで逃亡を図った。しかし傷害容疑で公開指名手配され、28日に沖縄県内で逮捕された」(全国紙社会部記者)被害男性とは琉球大学時代の映画サークルでの先輩・後輩という間柄だった2人。はっきりした動機は未だ不明。しかし2人は事件の1か月ほど前にも都内で顔を合わせており、その際に容疑者は男性の“態度”について直接文句を言っていた。捜査では「大学時代に(男性が)タメ口を使うなど態度が悪かった」などと供述しており、一方的に恨みを募らせて犯行に及んだと思われる。男性に接触するため事前に沖縄の母校まで名簿を取りに行くなど、計画性の高い犯行だった。それにしては拍子抜けするような動機とも思われるが……。■“隠キャ”だった中学時代に彫刻刀で威嚇静岡県出身の花森容疑者。父親は整体師だったが10年ほど前に亡くなった。当時の容疑者は中学生だったが、そのころの様子はというと、「いわゆる“陰キャ”というか……冷めてて友達も少なくてボソボソ喋る陰気な感じでした。部活はたしか美術部だったはず」(中学の同級生)落ち着いた性格だったというが、あるとき、事件がぼっ発する……。前出の同級生が語る。「何年生のときかは忘れましたが、美術の授業が終わったあとのことです。いきなり、近くにいたクラスの女子生徒に向かって、彫刻刀を突き付けたんです」突然の出来事に周囲も騒然。当時から体格の大きかった容疑者を周りは制止することができず、彼の筆記用具などを投げつけるなどして止めるしかなかったという。「ふざけていただけなのか、女子生徒に彫刻刀を突き刺すことなく収まったのですが、問題はその後。先生を交えた面談になったのですが、先生が叱ってもまったく反省する様子はなかった。終始、ニヤニヤしていたそうです」(前出・同級生)突拍子もないことをしでかすところは当時からあったようだ。中学卒業後は県内の私立高校を一浪した後に琉球大学農学部に進学。ところが数年前に医療関係に勤める中国人の母親が急死。天涯孤独の身となった容疑者は静岡に戻り、静岡大学農学部に編入して昆虫の研究を続けていた。この“昆虫好き”もあらぬ方向に走っていたようで、「容疑者は売買が禁止されている沖縄のカブトムシやクワガタなど、固有種を飼育・密売してひと儲けしていたようです」(前出・全国紙記者)幼少期には将来、生物学者になることが夢だと語っていたという容疑者。今の彼の姿に、亡くなった両親は嘆いていることだろう。
2021年08月31日9年前に投稿された安部光浩容疑者の写真(本人フェイスブックより)前科3犯の“凶悪”性犯罪者が、また捕まった──。ネットで知り合った女子高校生にわいせつ行為をしたとして8月19日に現行犯逮捕されたのは、三重県津市に住む職業不詳・安部光浩容疑者(38)だ。「容疑者は都内に住む女子中学生を装いSNSで女子高校生に接近。西東京市内にあるホテルで会う約束をし、待ち合わせ場所に現れた女子高校生を無理やりホテルに連れ込み、胸を触るなどの行為に及びました」(テレビ局記者)少女が友人に助けを求めるメッセージを送ったためすぐに警察官が駆けつけ、逮捕に至った。2人は初対面だった。わいせつ目的でわざわざ三重から上京していた容疑者。調べに対し、「合意の上だった。初対面の女性でも警戒されないため(安心させてあげるため)女子中学生を装っていた」とあきれた供述をしている。最近ではラブホテルで女子会を行う人も増えているそうだが、まさかやりとりしていた相手が中年男性だとは、少女も思わなかっただろう。■周囲には順調に見えた容疑者の人生そんな安部容疑者は、三重県津市で生まれ育った。地元の友人によると、「昔からぽっちゃりした体形でしたね。とにかく無口で温厚な子でした。ただ、気にくわないことがあるとクレーマーのようにブチ切れることもあり、二面性がありましたね」小学生のときから野球を始め、高校時代には野球部に所属。弱小校だったが、サードでレギュラーだった。「高校卒業後は名古屋にある私立大学に進学。大の車好きで、卒業後は自動車整備工場に就職しました」(同・友人)交際相手はずっといなかったものの、周囲には順調に見えた容疑者の人生。ところが10年ほど前から転落の一途をたどることになる……。■性行為の動画を撮影し、少女を脅す卑劣さ「2012年8月に少女への淫行で逮捕されたんです。当時29歳だった容疑者は、岐阜県内のホテルで、ネットで知り合った16歳の女子高校生に現金5万円を渡す約束をして性交した。その際に裸の写真を撮影し、“今後も俺と会わないと画像をばらまく”と脅したんです」(前出・テレビ局記者、以下同)それだけではない。「さらに同年11月には、愛知県内のホテルで15歳の女子中学生を同じ手口で買春していた事実も勾留中に発覚。性行為中の動画を撮影し、“画像をネットに流出させる”とメールで脅迫したなどとして、再逮捕されました」その後、有罪判決を受けて刑務所に入ったという容疑者。職を失い、出所後は実家に戻って更生に励んでいたのだが……。「2018年12月、またしても再犯に及んだのです。旅行で訪れた沖縄で16歳の少女と性交し、動画撮影までしていました」懲りずに性犯罪を繰り返す容疑者は前科3犯の常習犯だったが、とうとう今回で4回目の逮捕となってしまった。まったく反省していないにもかかわらず刑罰は軽くすんでおり、すぐに釈放されている。実家の近隣住民は最近も容疑者を目撃していたようで、「仕事はちゃんとしていたみたいです。毎日、実家から車で出勤しているところを見かけましたね」津市内の実家は山のふもとに位置する農村地帯にあり、サルやタヌキが普通に道を歩いている。そんな田舎で、両親とともに暮らしていた。すでに仕事を引退し、いまは農業を営む両親。40歳近くにもなって自立せず、性犯罪を繰り返すロリコン息子についてどう考えているのか。農作業から帰ってきたところの父親を直撃したが、「知らん!取材なんかするな!話したくない!帰れ!」と怒りだし、手に持っていたシャッター棒をブンブン振り回して追い返された。■「憎いけれども見捨てられない」母親の慟哭改めて翌日、自宅にいる母親を訪ねてみた。すると、「本当にすみません……。もうどうしていいのか……。息子は完全に(性犯罪の)依存症です……」と息子の“暴走”に手がつけられない様子だった。「刑務所にいたときも毎週、手紙のやりとりをして、反省の言葉を聞いていました。それなのに、またやってしまった。後で捕まるのがわかっているのに、それでも抑えられないんです」(母親、以下同)悪行を重ねる息子に両親ともお手上げ状態だが、それでも実家に住まわせ続けている。「家を追い出したら誰も見張る人がいなくなってかえって危険かと思って。結局、また防げませんでしたが……。これほどの悪人でも、自分の産んだ子ですから、憎いけれども見捨てられない。それでも、これからどうしたらいいのか……」と泣きながら途方に暮れる。■失うものがないから、ブレーキがかからない容疑者が更生する可能性はあるのか。新潟青陵大学大学院の碓井真史教授(犯罪心理学)に話を聞いた。「これほど何度も犯行を重ねているとなると、もはや刑罰に犯罪抑止効果は期待できません。失うものがないから、ブレーキがかからない」では、どうすればいいのか。「社会的制裁を加えたり、“犯罪は駄目”と言葉で伝えたりしても、無意味なんです。被害者を思うとやりきれない気持ちもありますが、あくまで再犯を防ぐという意味では、本人を孤立させず、失いたくないと思えるような新しい生活を手に入れてもらうことが必要でしょう」国には更生に向けたプログラムも存在する。しかし実際に受けることが命じられるのは一部の重大犯罪者のみ。ほかは更生もなく出所できてしまうので、後から自費で受講しない限り、更生する機会はない。現在の日本では「犯罪者の人権」を理由に性犯罪が非常に軽い罪となっている。多くの性犯罪者は数年以内の短い刑期で出所して(もしくは示談などで不起訴となって)野に放たれるため、再犯に至るケースが多発している。犯罪者が法によって守られ、被害者の女性が自衛意識を高めることを強いられるのが、今の日本の現状だ。
2021年08月31日高校の卒業アルバムに写る対馬容疑者(知人提供)「周りからは“ツッシー”と呼ばれていました。いじられても笑ってすませる温厚な人柄で、こんな大事件を起こしたことが信じられません……」容疑者の高校時代の同級生は驚きを隠せない──。自称・派遣社員の対馬悠介容疑者(36)。8月6日に小田急線の車内で乗客の男女10名を牛刀で切りつけた殺人未遂の容疑で逮捕された。「事件直前、容疑者は食料品店で万引きを行い、女性店員に通報されていました。店員を恨んだ容疑者は殺害を決意。しかし店が閉まる時間だったため、電車での無差別殺人に計画を変更しました」(全国紙社会部記者)狙われた20代の女子大生は重傷を負った。「さらに容疑者は大量殺人を企て、電車内にサラダ油を撒いてライターで火をつけようとしましたが、燃えることはありませんでした」(同・前)■「昔から人にバカにされてきた不幸な人間」容疑者は警察の調べに対し、「6年くらい前から、幸せそうな女性を見ると殺してやりたいと思っていた」「(殺すのは)誰でもよかったので、勝ち組っぽい女性を狙った」と供述している。以前から女性への歪んだ感情に支配されていたようで、その後の捜査でも、「大学のサークルや出会い系サイトで知り合った女性にバカにされて生きてきた」「幸せそうなカップルがたくさん歩いている渋谷のスクランブル交差点を爆破しようと計画していた」「俺は昔から人にバカにされてきた不幸な人間。幸せそうにしている人間が憎い」などと語っており、女性に対する強い憎悪を抱いていたことがわかる。牛刀は自殺用に購入し所持していたが、「(自殺は)痛そうだからやめた」と思い、断念。その刃は、何の罪もない女性たちに向けられた。このことからも、他人の痛みを想像できない身勝手な人間性がうかがえる。無差別殺人を計画し、社会を恐怖のドン底に突き落とした容疑者。何が彼をここまで歪んだ人間にさせたのか……。■大学時代に“異変”、ナンパを繰り返す容疑者は青森県出身。幼少期に東京・世田谷にある母親の実家に移り住み、公立の小・中学校に通った。中学から付き合いのある同級生によると、「誰にでも声をかけるタイプで、周囲に好かれていました。成績はいつも上位で、スポーツもできた。しかし、中学・高校と彼女はいませんでした」悪ふざけをすることもあったようで、「高校時代に、上半身裸で近所のファミレスに突撃したことも。女性店員には無視されていましたが」(同・前)くしくも学生時代を過ごした自宅は、今回の犯行現場となった小田急線・祖師ヶ谷大蔵駅のすぐそばにあった。その後、中央大学理工学部に進学した。何の問題もなく過ごしていた学生時代。しかし、このころから徐々に、容疑者に“異変”が現れる……。別の友人によると、「大学では周囲に“俺はナンパ師だ”などと自慢げに語り、手あたり次第に女性に手を出していましたね」一部報道では大学時代、中学・高校生にナンパを繰り返し、時にはホテルに連れ込んでいたという証言も伝えられている。大学に入学して突然、女性関係が豹変した容疑者。その勢いは止まらず……。「大学時代に友達数人でイタリア旅行に行ったことがあるんです。そして、ツッシーは海外でもナンパを……」前出の友人はあきれた様子で語る。ローマやフィレンツェなど名だたる観光地を回った楽しい旅行だったが、“真の目的”は別にあったのだ。「彼は本当に女好きで、旅行中はずっと過去のナンパ話など、女性関係の話題ばっかりでしたね」盛り上がった流れで……。「現地で女性をナンパしようということになったのですが、“さすがに現地の女性を落とすのは厳しいだろう”ということで、日本人観光客の女性に声をかけていました。ホテルのロビーで執拗につけ回したり、ロック・オンした女性の部屋をノックしたり……」(前出・友人)イタリアまで来ても、やはり言葉の通じる日本人ばかり狙って声をかけていたという。自称・ナンパ師を公言していた容疑者だが、異国の地で海外の美女にナンパをするほどの度胸はなかったようだ。ちなみに容疑者のフェイスブックにはこの旅行の後に、再度イタリア旅行をした際の投稿があり、《インジェノバ、ウィズマイフレンド&めっちゃタイプガール》(原文ママ)というコメント付きで現地の“イタリア美女”と肩を組む写真を載せている。頼み込んで、写真だけ撮らせてもらったのだろうか。■突然、大学をやめてしまったひたすら女性との交流を求め、ナンパに明け暮れた大学生活だったが、やがて……。「何があったのかわかりませんが、突然、大学をやめてしまったんです。大学時代には交際していた女性もいましたが、3年生くらいのときにフラれてしまった」(大学時代を知る別の友人)程なくして周囲の友人とは音信不通に。大学を中退した容疑者は、派遣会社を転々とし、その間に女性への“恨み”を増大させていった──。以前は執拗に女性にアプローチしていた容疑者がなぜ、一方的な敵意を募らせることになったのか。「まだまだ未解明の点は多いですが、妄想型の統合失調症を患っていた可能性を含め現在、捜査が行われているようです」(前出・記者)あまりに身勝手な理由で多くの人が傷ついた今回の事件。拗らせた容疑者の女性への感情が変わらなければ、出所後にはまた、新たな被害が出てしまうだろう。
2021年08月17日対馬悠介容疑者のフェイスブックより「6年くらい前から、幸せそうな女性を見ると殺してやりたいと思っていた」小田急線の車内で6日、乗客の男女10人を切りつけるなどして殺人未遂の容疑で逮捕された自称・派遣社員の対馬悠介容疑者(36)。その犯行動機は、女性蔑視に満ちている。容疑者は「勝ち組っぽい女性を見つけ狙った。相手は誰でも良かった」などと供述しており、無差別での犯行だった。「逮捕された対馬容疑者は青森県の出身です。中央大学理工学部に入学するも、中退。その後は派遣労働などを転々とし、次第に学生時代の友人とも疎遠になっていたようです」(テレビ局記者)犯行の直前には新宿区内の食料品店で万引きもしていた。しかし女性店員に発見され、警察ざたに。一方的に恨みを募らせた容疑者は一時、店員の殺害を決意するも、店が閉まっていたため、急遽、電車内での無差別殺人を企てた。犯行では乗客を包丁で切りつけたほか、サラダ油を車内に撒き散らしてライターで発火させることを試みたが、ライターの火力では燃えることはなかった。■殺人未遂での刑の相場は懲役5~7年無差別殺人未遂という、社会を不安と恐怖のドン底に突き落とした容疑者の身勝手な犯行。今後、どれほどの罪を背負うことになるのか。元検事でフォートレス法律事務所の田中良弁護士に聞いた。「今回、容疑者は殺人未遂で逮捕されています。一般的に殺人未遂での刑の相場は、懲役5~7年ほど。しかし、今回の事件はもっと重い罪を下されるかもしれません」(以下、田中弁護士)その理由とは。「容疑者には酌量の余地がなく、被害者にも落ち度がない。さらに逃げ場のない公共機関での犯行であり、社会的影響力の高さからしても、負うべき責任は重いと言えるでしょう」今後、殺人未遂として起訴される際の被害者の数とそれぞれの怪我の程度が量刑を決めるポイントになるという。「重傷を負った20代女性の件は起訴されるでしょうが、その他の被害者が負った被害について、何人分が起訴されるか。怪我の程度にもよりますが、かすり傷程度の場合は、検察が起訴しないケースもあります」起訴される人数が少なければ、その分、求刑が軽くなることも考えられるという。これほど大きな事件を犯して短い刑期で出所するとなれば、多くの人が不安に思うはずだが……。「しかし、もし1人分の被害しか起訴されなくても、求刑が殺人未遂の相場である7~8年を下回ることはないでしょう」それでは、最大でどの程度の罪になるのか。「4~5人の被害が起訴されることになれば、15~20年という求刑になってもおかしくありません。殺人事件での刑の相場が、おおよそ12~15年くらいなので、殺人事件を犯したのと同等の扱いになるということになります」■精神的な異常が認められた場合は一方で、懸念すべき点もあるようで……。「今回の容疑者の供述を見ていると、精神的に正常な状態だったのかという点が気になります。異常が認められた場合は、少し話が変わってきます……」容疑者は二十代前半まで普通に生活をしていたが突然、社会から脱落しており、「“スクランブル交差点を爆破する”と供述するなど、言っていることもまともではありません。もしかしたら、妄想型の統合失調症の症状があったのではないか」成人後に発病することが多いこの病気にかかると、幻覚や妄想の症状が現れ、社会生活を送ることが困難になる。「今後、精神鑑定などを行うことが予測されますが、もし精神疾患が認定されれば、その重度によっては、刑が軽くなることもあり得ます」確かに、中央大学の理工学部に入れるだけの頭脳をもった人物がサラダ油をライターで発火させられると考えているなど、まともな精神状態だったとは思えない犯行だ。「一部では容疑者が生活保護を受けていたという報道もあります。36歳で、外見的には健康そうな男性が、そう簡単には生活保護を受けられません。もしかしたら、何らかの医療行為を受けていたのではないでしょうか」これらは、あくまで推測に過ぎないが……。「場合によっては、刑務所よりも病院に入ってもらう方が良いとなるかもしれません」(田中弁護士)刑法では精神に異常のある者は無罪もしくは減刑にすると定めており、より早く、容疑者が「野に放たれる」可能性もあるのだ……。もし病気が事実だったとしても、容疑者の犯した罪はとてつもなく大きい。治療を行っても再犯を完全に防止できる保証はなく、多くの人が不安に感じることだろう。司法はどう判断するか。
2021年08月14日事後現場には献花台があり、たくさんの花が供えられている。奥にあるのは、容疑者がトラックで突撃して折れ曲がった電柱「息子がこんな、とんでもないことをしてしまって、本当に申し訳ありません。亡くなった子どもさんや、その親御さんに、どう言って謝ったらいいのか……」何度も頭を下げる80代の女性――。■私と主人の命を奪って…6月28日午後3時25分ごろ、千葉県八街市の市道で大型貨物トラックが下校中だった同市立朝陽小学校の児童の列に突っ込んだ。2人が死亡、1人が意識不明の重体、2人が重傷と凄惨な事故となった。冒頭の言葉は、そのトラックを運転していた梅澤洋容疑者(60)の母親のものだ。当初、過失運転致死傷の疑いで逮捕されていた容疑者。だが、昼食時に飲酒していたこと、さらには居眠り運転で市道脇の電柱に衝突した勢いのまま、その40mほど前にいた児童の列に減速せずに突っ込んでいたことが判明。より罪が重い危険運転致死傷容疑に切り替わって送検されている。容疑者の母親が続ける。「私にも子どもがいますから、そのかわいい子どもを失ったらと考えると、もうたまらなくて……。世間のみなさんにも、顔向けができないですよ」事故直後は、容疑者である息子をなんとか助けたいという思いもあったが、「時間が経って落ち着いてきたら“息子を死刑にでもなんでもしてくれ”“殺してください”という気持ちになっています。こんな酷い事故を起こしたんだから……」だが、こうも続けた。「とはいえ、私にとってはかわいい息子ですから、できれば代わってあげたいという気持ちも……。代わりに老いた私と主人の命を奪ってもらったらとも思います」■息子はお酒が弱い今、自分にできることは何なのか――自問自答する毎日だという。「私の家族には今、車を運転できる人間がいないんです。私は運転免許を返上してしまったし、主人は今回の事故を聞いて腰を抜かしてしまって、動けなくなってしまった。(息子の)嫁も体調が悪いし、孫は仕事が忙しいみたいだし。被害にあわれた子どもたちのお宅に行って謝ることも、息子の面会にも行けない状態。だからもう、何をどうしたらいいのか、まったくわからなくて……」悲痛な母親の叫びである。容疑者は昔から手がかからない子どもだったという。「親バカでしょうけど、反抗期もなくて、親の言うことに絶対にNOは言わない、素直な子でした。息子は運動が得意ではなかったので、高校では吹奏楽部でトランペットをやっていました」容疑者は高校卒業後、1年間のアルバイト生活。貯めたお金で、自動車関係の専門学校に通ったという。「うちは当時、雑貨店のほかガソリンスタンドを経営していて、息子はそこで働いていました。ですが、16年前に経営が悪化して借金を抱えることに……。困っているときに、ガソリンスタンドのお得意さんだったのが、息子の今の勤務先です。“じゃあ、うちへ来ないか”って助けてくれたんです」容疑者は運送会社『南武運送』に勤務。都内の建設現場に資材を運び、現場近くにある会社に戻る途中で事故を起こした。梅澤容疑者の飲酒について母親は、「家ではほとんど飲まないんですけどねぇ……。息子はお酒に弱いし。勤務時間は朝6時から昼間の3時ぐらいまで。昼ご飯のときにはもう仕事終わりなので、ついつい飲んでしまったんでしょうか……」気のゆるみで取り返しのつかない事故を起こし、幼い命を奪った梅澤容疑者。その母親も加害者の家族となって、絶望の淵に立たされている。
2021年07月01日高校時代の夏見容疑者(同級生提供)「彼とはネットを通じて知り合いました。人を洗脳するような丁寧な話し方が特徴的で、“一緒に死のう”と言われたこともあります……」容疑者を知る女性A子さんは、震えながら告白した──。■SNSで「殺してあげますよ」とメッセージ千葉県袖ケ浦市で今年5月7日、19歳の女性が刺殺され、12日に遺体が発見された事件。その後の捜査で、横浜市の夏見翔太容疑者(23)が6月21日に殺人容疑で逮捕された。「亡くなったのは美容師見習いの中込愛美さん。殺害現場は中込さんの自宅近くにある薄暗い竹林でした。2人はSNSを通じて出会ったようで、事件当日が初対面だった。容疑者は会う前に“殺してあげますよ”とメッセージを送っていました」(全国紙社会部記者)容疑者の自宅からは血液の付着した包丁が押収されており、本人も刺したことは認めているが、殺意は否認。犯行翌日の5月8日には、横浜市内にある公園のトイレで、18歳未満の少女と性交したとして、6月上旬にすでに逮捕されていた。横浜市で生まれ育った夏見容疑者。小学校時代から付き合いのある同級生によると、「人当たりもよく、礼儀正しいやつでした。実家は地元で有名なお寺で、父親は僧侶」だが昔から少し変わったところがあったようで、「メンヘラ気質なところがありました。“消えてしまいたい” “自分はどうしようもない人間だ”と、自分を責めるようなことを話してました。家庭環境について愚痴を言うことも多く、思い詰めて、よく家出をしていた」(同)容疑者の両親は再婚同士で、お互いに連れ子がいたという。父母どちらの子かは不明だが容疑者もその1人で、血のつながっていないきょうだいも複数いた。“趣味”も独特だった。別の同級生によると、「小学生のときから描写がグロテスクな本やマンガを集めていました。『ひぐらしのなく頃に』という、猟奇殺人などを扱った大人向けのホラーゲームにもハマっていた」■容疑者とネットで知り合ったA子さんの証言地元の公立高校を卒業した後は、実家の住職の仕事を継ぐために仏教系の大学に進学。「友人は多くない印象でした。あまり僧侶になりたくなさそうな様子だった」(大学の知人)結局、1年もたたずに大学は中退。2019年に一度はパン店に就職したものの、仕事が合わなかったのか、すぐに退職した。最近は近所のカラオケ店でアルバイトをしていた。最近の様子について近くに住む祖父に尋ねると、「前に会ったのは今年の正月。変わった感じはありませんでした。ごく普通の青年だと思っていたのですが……。被害に遭われた女性には、なんとお詫びをしてよいか……」と声を詰まらせた。さらに週刊女性が取材を進めると、夏見容疑者とネットで知り合ったという冒頭のA子さんに話を聞くことができた。A子さんが当時を振り返る。「彼とは数年前、私が精神的に病んでいた時期にネットで知り合いました。“父親が僧侶でカウンセラーもやっているから、自分も話を聞いてあげられる”と言っていて、よい人だと思い相談に乗ってもらいました」お互いゲーム好きで話が合ったという。「週に2、3回程度、家の近くに来て話を聞いてくれた。会話が独特なんですよ。アニメのイケメンキャラが言うようなセリフを、恥ずかしげもなく口にするんです。いつも敬語で、そっと相手に寄り添うような話し方で……。洗脳するような感じ。弱っている子は簡単に騙されると思います」(同)“付き合えなくても、私はあなたを愛しています”などと度々、口説いていた。しかし、「彼にはネットで知り合った、長年交際している女性B子さんがいたんですよ」容疑者の過去を知る知人のC氏が事情を説明する。「彼はB子さんがいるにもかかわらず、SNSで複数の少女に声をかけて相談に乗ると見せかけ、交際を迫っていた」■容疑者の狂気「死体を見ると興奮する」そのアプローチの仕方は常軌を逸していた……。「あるとき、彼は相談に乗っている子に指輪を贈った。実はその指輪は、彼がB子さんと買ったペアリングの、彼側の片割れだったんです。サイズも合っていないだろうし、もらった女性は、会ったこともないB子さんと勝手に指輪をペアにされたわけです」容疑者の奇怪な行動はそれだけではない。「指輪をもらった女性は、自宅まで押しかけられたこともあり、2時間近く玄関先でインターホンを押され続けたそうです」(C氏)女性が必死で抵抗したため、事なきを得たというが、もしドアを開けていたら、取り返しのつかないことになっていたかもしれない。容疑者の異常性に気づいたB子さんはその後、別れを決断した。前出のA子さんも次第に、容疑者の狂気に巻き込まれていく。恐怖の過去を明かす。「自分は性欲が強いとか、下半身が立派だとかいうことをやたらと話していました。首を絞めるプレーが好きらしく、求められましたが怖すぎて……。私は男性不信だったこともあり、交際する気はありませんでした」そして……。「よく“死体を見ると興奮する”と話していました。ゲームの話かと思い受け流していましたが、まさかこんな事件を起こす日がくるとは。私自身、彼から“一緒に死のう”と言われたことも。ずっと、弱っている女性を狙って機会をうかがっていたのかもしれません」(A子さん)殺害された中込さんは事件前、悩みがあったのか職場を3か月欠勤していた。そんな中、容疑者と出会ったことで、命を落とすことに……。容疑者のSNSを見ると、殺害直前の4月下旬にも、「死にたい」と投稿する見知らぬ女性に優しく言葉をかけるなど、標的を物色していた。逮捕後には「女性の悩み相談に乗り、気持ちに応えたかった」と供述している。しかし本音では、“嗜好”を満たすことが目的だったのかもしれない。
2021年06月29日指名ランキング1位だった桜木ハル氏(ホストクラブのHPより)「事件直後から、遺産を狙って容疑者を裏で操る共犯者の存在が囁かれていました」(スポーツ紙記者)事件とは、’18年5月に起きた“紀州のドン・ファン”こと資産家の野崎幸助さん(当時77)の怪死事件。先月、元妻の須藤早貴容疑者が殺人の容疑で逮捕されたことで、この噂は再燃する─。容疑者は学生時代からホスト狂いで、’16年に上京してもそれは変わらなかった。「デリヘルなどの風俗、アダルト作品への出演、交際クラブ。特定のホストに熱をあげていて、貢ぐためなら何でもやった」(風俗業界関係者)そのころ、新宿二丁目のバーで容疑者が目撃されていた。そこにも男の姿があった。「お気に入りのホスト連れだった。彼女はすごく羽振りがよくって、彼にお小遣いとして現金3万円を渡しているのも見たよ」(バーの店長)■ホスト引退は「ドン・ファンの元妻のおかげ」事件後、容疑者がハマるホストが歌舞伎町で人気の桜木ハル氏ではないかという噂が広がる─。容疑者と彼をつなぐ証言が、ほかにもあったからだ。「ハルさんが所属するホストクラブで、須藤容疑者の目撃情報がありました。彼の誕生日には、特大シャンパンタワーでお祝いしたという逸話も。金額は数千万円だったとか。金の出どころは、おそらくドン・ファンでしょうね」(前出・スポーツ紙記者)そんな中、ハル氏が1年ほど前から“金持ちの女がいるからホストを辞める”と周囲に漏らすように。「昨年7月に彼が電撃引退したから、みんな“ドン・ファンの元妻のおかげだよ”と話していた」(店の常連客)この一件で“ハルが事件の黒幕”とまで、まことしやかに囁かれ始めるように。真相を確かめるべく、週刊女性がハル氏を直撃すると、「容疑者とお会いしたこともないんです……」と、キッパリ否定。「事件直後にメディアが1社、今回の逮捕直後には3社が取材しに来ました。でも、ホントに何も知らなくて」─容疑者は店の常連では?「あんまり疑われるから店の顧客名簿を確認したことがあるんですが、サキという名の客は1人だけ。だけど容疑者ではなかった。指名客がこんな事件を起こしたのなら、堂々と話しますよ。特大シャンパンタワーもないです」昨年7月に店を辞めたことについては、「この仕事を始めたときに、23歳で終わりにしようと思っていました。それでとりあえず辞めたんですが、今はもう復帰していますよ」あらぬ疑いをかけられて、迷惑している反面、「容疑者のことを聞きたいお客さんがたくさんいて、僕の指名数が増えているのは事実です。でも、人が亡くなっているので素直には喜べないですけど」和歌山県警は、共犯者の存在について“今後の捜査で明らかにしていきたい”と発表している─。
2021年05月18日中学時代の岡庭容疑者。当時は岡庭吾義土という名前だったが通り魔事件後に改名した 5月7日、茨城県・境町で2019年9月に小林光則さん(当時48歳)と妻の美和さん(当時50歳)が刃物で殺害され、長男と次女が負傷した事件で、埼玉県三郷市在住の無職・岡庭由征(26歳)が殺人などの疑いで逮捕された。今回の逮捕で、再び注目を集めたのが、岡庭容疑者が過去に起こしていた 2件の“通り魔事件”。当時高校2年生だった岡庭容疑者は、中学3年生のあごを刃物で刺してケガを負わせ、さらに小学2年生の女児の脇腹をナイフで刺し、重傷を負わせている。なんら罪のない、見ず知らずの人を襲う「通り魔事件」。もし自分の家族が起こしたらーー。“通り魔”の家族に見る現状を、加害者家族をサポートするNPO法人『World Open Heart』の理事長・阿部恭子さんに聞いた。■兄が事件を起こし、生き地獄に「兄は、誰でもいいから人を殺したかったそうです。誰でもいいなら、家族を殺してほしかったです……」和子(仮名・50代)は、怒りと悔しさに満ちた表情で当時を振り返った。和子は短大卒業後すぐ、親戚の紹介で知り合った男性と結婚し、田舎の名士の家に嫁いだ。ふたりの子どもに恵まれ、専業主婦として何不自由のない生活を送っていたころ、兄が突然、通り魔殺人事件を起こしたのだった。報道陣は、和子が暮らす家まで押し寄せた。夫の両親は激怒し、和子にすぐさま家を出ていくようにと怒鳴りつけた。夫はおろおろするばかりで、庇ってくれる様子もない。和子は真夜中に子どもを連れて実家に帰るしかなかった。両親が暮らす実家の周りには、報道陣と思われる車が自宅を取り囲むように並んでいる。和子は息を殺すようにして玄関まで辿り着き、真っ暗な家の中に逃げ込んだ。朝になると、家の外が騒がしくなり報道陣がチャイムを鳴らし始める。両親は完全に憔悴しきっており、食事もできない状態だった。和子は、親戚中に謝罪をしながら援助を求めたが、責められるばかりで助けてくれる親族はひとりもいなかった。「実家には嫌がらせや脅迫めいた手紙が届きましたが、それ以上に、親戚中から関わらないでほしいと排除されたことがつらかったです」夫が生活費は保障するというので、都市部の縁もゆかりもない町で子どもと3人で生活することになった。事件が周囲に知れ渡ることはなかったが、生活にゆとりはなく、和子はかつて経験したことのない貧しい生活を送らなければならなかった。人付き合いといえば、子どもの学校の行事だけで、長い間、友達はひとりもいなかった。■子どもさえ守ってもらえない過酷な現実「兄の事で私が責められるのは仕方ありません。それでも、子どもたちに罪はありません。夫の両親は、事件を知った途端、私たち親子と目も合わせなくなりました。子どもたちは内心、深く傷ついていたと思います」和子が離婚し家を出てから3年後、夫は再婚した。再婚相手との間に子どもが産まれると、もう生活費の援助はできないと告げられた。子どもたちはまだ中学にも入っていない。この先、どうやって暮らしていけばよいのか。それでも、兄の事件で迷惑をかけているという引け目から、援助を続けてほしいとは言えなかった。和子は生活保護を受けて暮らすしかなかった。子どもたちが小さいころ、息子は将来、お医者さん、娘はスチュワーデスになりたいと言っていたが、その夢が叶うことはなかった。それでも、今のほうが楽に生きられると考えることもあるという。「親戚同士の集まりでは、あの子はどこの高校に行ったとか、どこの大学に受かったとか、マウンティングばかりで精神的に疲れることが多かったです。教育なんて、子どものためではなく親の見栄です」和子の両親は高学歴で、長男である兄への期待は特に大きく、エリートコースを歩むようにと生活を厳しくコントロールされていたという。兄は、親の望みどおりの大学には合格したが、その先の人生を自分で切り開くことはできず、仕事も家庭も失い、凶悪事件を起こすに至ってしまった。「『教育虐待』という言葉を知って、両親の兄への教育は虐待だと思いました。それでも、傍から見れば立派な両親で、恵まれた家庭だと思われていたと思います。兄が苦しさを打ち明けられるところはなかったでしょう」事件が起きる予兆と思われる出来事について、「仕事も家庭も上手くいかなくて、『死にたい』と口にしたことがありました。『馬鹿なこと言わないで』と返しましたが、あのときもっと、ちゃんと話を聞いていればよかったと後悔しています」私たちは、逮捕報道によって初めて犯人を知る。犯行が異常で猟奇的であればなおさらのこと、犯人を異常者としか見ることができなくなるかもしれない。しかし、犯罪者として生まれてくる者などいない。事件を振り返れば、みな、あるときから誤った方向へと歩き始めているのである。■わが子に「人を殺してみたい」と言われたら「人を殺してみたい」「事件を起こして自分も死ぬ」子どもの口からこんな言葉が出たらどうすればよいか。嫌なことから逃げているだけ、本気ではないと考える人も少なくないかもしれない。「成績もいい子だったので、まさか、本気だとは考えませんでした」「私たちは子どもに手を挙げたことなんて一度もありません。だから、うちの子がまさか人を傷つけることができるなんて考えられなかったのです」実際、殺人事件を起こした子の親たちの中には、兆候を見過ごしてしまっているケースも多い。もし、子どもがこのような言葉を口にしたなら、叱責することはせずに、「なぜ、そのように思うのか」じっくりと耳を傾けてあげてほしい。行動を正そうとする前に、なぜ、よくない行動を取るのか、その原因を明らかにすることが大きな事件を防ぐことに繋がる。■名士ほど相談に繋がりにくい筆者は、これまで200件以上の殺人事件の家族を支援してきたが、そのほとんどが経済的には中流以上の家庭であり、地元の名士というケースも珍しいわけではない。経済的に恵まれた環境だからといって、反社会的な行動の原因を「親の甘やかし」と単純に結論付けるべきではない。裕福で名の知れた家庭ほど、親族間の人間関係が複雑であったり、過度に世間体を気にするあまり、子どもへの躾が厳しかったりと、穏やかな環境ではない家庭も決して少なくはない。社会的地位のある人ほど、世間体を気にして問題を抱え込む傾向にあり、社会的に孤立していく傾向にある。報道によれば、7日に逮捕された岡庭容疑者の一族も地元では有名な名士だというが、通り魔事件のあと、損害賠償の支払い等で経済的・精神的に追いつめられていたという。このような不安定な家庭環境で、凶悪事件を起こした少年が更生できるはずなどない。社会的孤立は確実に異常行動を悪化させたといえる。犯行に至るまで、彼と家族に何が起きていたのかーー。二度と同じような事件が繰り返されないためにも、真相究明が求められる。阿部恭子(あべ・きょうこ)NPO法人World Open Heart理事長。日本で初めて犯罪加害者家族を対象とした支援組織を設立。全国の加害者家族からの相談に対応しながら講演や執筆活動を展開。著書『家族という呪い―加害者と暮らし続けるということ』(幻冬舎新書、2019)、『息子が人を殺しました―加害者家族の真実』(幻冬舎新書、2017)など。
2021年05月17日マスク未着用がきっかけで暴行事件を起こし逮捕された有田雄大容疑者(カードゲームHPより)またしても、「マスク着用」をめぐって事件がぼっ発した。GW中に友人と福岡市・天神を旅行していた有田雄大(かずひろ)容疑者(27)が5月2日に暴行容疑で逮捕された。「容疑者は友人2人と繁華街を歩いていたところ、路上で酔っぱらいの男性(55)に絡まれ、マスク着用を求められました。それでもみ合いになり、男性の顔を殴り転倒させ、後頭部を切るケガをさせた」(全国紙社会部記者)犯行時には酒に酔っていた有田容疑者。警察の調べに対して「先に手を出されたから暴行した」と容疑を認めているが、相手の男性は逮捕されていない。■緊急事態宣言下に大阪から福岡へ旅行GWで羽を伸ばして休みたいのはわかるが、現在、容疑者の住む大阪は新型コロナウイルスの感染拡大が収まるところを知らない、緊急事態宣言の真っただ中だ。旅先となった福岡も同様で、その繁華街をノーマスクで歩いていたのは軽率だったかもしれない。繁華街の“3密”具合も相当なもののようで、「GWになって一気にお客さんが増えましたね。外を出歩いている人も多いですし、飲食店もかなり混雑しています。みんな一応、マスクはしていますが……」(現場付近の飲食店関係者)マスク着用に関するトラブルといえば、昨年9月に航空機内でマスク着用を拒み問題となったマスパセ(マスク未着用途中降機乗客)こと、奥野淳也容疑者(34)が記憶に新しい。航空機の運航妨害で起訴されていた奥野容疑者だが、4月10日、千葉県内の飲食店にマスクを着用せずに入店してトラブルとなり、その際に客を殴ったとして威力業務妨害と傷害の疑いで5月6日に再度逮捕されている。有田容疑者も同様に、普段からマスクをしていなかったのかと思いきや、送致の際はしっかりマスクを着用していた。その点で、頑なにマスク着用を拒む奥野容疑者とは状況が異なる。■素顔は温厚で静かなカードゲーマー大阪府阪南市で生まれ育った有田容疑者。どんな人物なのかというと、「しっかり挨拶もしてくれるいい子ですよ。よくしゃべる子で、高校のときは彼女を自宅に招いたりしていました。二十歳を過ぎたころから髪を金髪に染めていましたが、グレている様子はなかった」(近隣住民)トレーディングカードゲームが好きだという有田容疑者。過去には上級者向けのカードゲーマーを対象とした大会で入賞を果たした実績もある。「有田さんは府内でカードショップの店員もやっていたこともあります。温厚な性格で、各店舗にある対戦スペースで、仲間と静かに対戦していました。髪の色は金や緑など奇抜な感じで、服装も派手ですが、周りに迷惑をかけているのを見たことは一度もありません」(カードショップ店員)最近は会社員として働き、カードショップに顔を出す機会も減っていたようだが、マスク着用を拒否するようなことはなかったという。そんな容疑者が起こしてしまった今回の暴行事件。なぜ、こんなことになってしまったのだろうか。実家に住む母親のもとを訪れたが、「知りません。失礼します」そう言って車から自宅へ駆け込んだ。母親もマスクはしっかり着用していた。結果的に暴行を加えたことは反省すべきだが、路上でマスクをしていないだけで口論となり、事件化した今回の一件。感染拡大するコロナウイルスへの警戒心は強く、マスクを着用していないだけでトラブルとなるケースは枚挙に暇がない。日本中で誰がいつ、どこで不祥事に巻き込まれるかわからない混沌とした状況だ。
2021年05月12日須藤早貴容疑者(インスタグラムより)事件は発生から3年を前に急展開を迎えた。2018年5月に和歌山県田辺市の自宅で急性の覚醒剤中毒で死亡した野崎幸助氏(享年77)について、妻であった須藤早貴容疑者(25歳)が殺人容疑で逮捕されたのだ。「密室での毒殺事件。出入りしている人間は限られている。県警は明らかにしていませんが、当日の死亡直前の飲食物については確認しており、その中に致死量の覚醒剤を盛られたことは確かです。そのため、自宅内にいた、早貴容疑者と、家政婦の女性の二人に県警は注目していました」(県警担当記者)二人の女性について、事件発生当初からマスコミが追いかけ回していたのだが、県警は須藤容疑者と野崎氏の「奇妙な夫婦関係」に、注目していた。「野崎氏の著書とされる『紀州のドン・ファン美女4000人に30億円を貢いだ男』(講談社)によると、早貴容疑者との出会いは、羽田空港で転倒した際に、やさしく手を差し伸べてきた、だそうですが、野崎氏が生前に付き合っていた女性は、すべてが金銭を支払った相手といいます。早貴容疑者もそんな中の一人で、ある人物に謝礼を払って斡旋させたのです。過去には、そうやって紹介された女性に、自宅から金品を盗まれるという被害にもあっていたのに。とにかく女性は好きだった」(同)2018年2月8日、その前年から「交際」があったという早貴容疑者と野崎氏は籍を入れる。そのまま結婚生活が始まるかと思いきや、いきなり「別居」となった。当時のことを野崎氏の会社関係者(以下会社関係者A)が語る。「早貴容疑者は『東京の部屋を整理する』という理由で、結婚直後から東京に帰ったままだったんですよ。それで、結婚の条件である『月に100万円』のお手当てだけは受け取っていた。これには、社長もキレて『離婚するかどうか、はっきりせい』と、早貴に決断を迫ったのです」二人の結婚には100万円を支払うという「覚書」が存在していた。つまり、月100万円の援助交際の延長線上の「結婚」だったのである。「それで4月に早貴はイヤイヤ田辺にやって来たんですが、夫婦には見えませんよね。家事はすべて家政婦のTさんがやってるし、早貴は、何かと外に出て、自宅に立ち寄らないようにしていた。運転免許を取りたいと、自動車学校に通い始めたのです」(会社関係者A)この時の早貴容疑者と野崎社長のやりとりなどは会社の人間ならみんな知っていたという。社長は100万円をたてに夫婦生活を求めてきたと思えば、早貴容疑者を怒鳴ることや、離婚を口にすることもあった。「社長は気分の浮き沈みが激しい人。機嫌がいい時はやさしいが、悪いと怒鳴り散らすし、金についても渋くなる。早貴について『もう離婚や』などと叱責することもあったと聞きます。あと、早貴容疑者のアダルトビデオ出演が話題になっていますが、社員は結婚する頃には全員知っていましたね」(会社関係者A)夫婦には見えない野崎氏と早貴容疑者。別の会社関係者(以下会社関係者B)の目からはどう見えていたのか。■夫婦の食事の時でもずっとスマホを見ていた早貴容疑者「社長が女性に金を払うのはいつものことです。好みの女性を紹介してくれる複数の業者から、ひっきりなしに写真などが送られてきていました。会社事務の担当は、いつもそうした女性の口座にお金を振り込んでいましたよ。早貴とは結婚していましたが、社長はそれまで変わらず『別の女性の紹介』も受けていました」結婚生活とはほど遠い二人の関係であるが、二人と食事を同席した時には、さらに異様な光景を目にしたという。「食事に行った時、車から早貴が先に降りて、スタスタと先に歩いて行くんです。それを社長がヨチヨチ歩きで後ろからついていく。早貴は社長をまったく気にしない様子でした。食事の時にも会話もないし、ずっとスマホを見てます。夫婦ということを周囲に知られたくないようでした」(会社関係者B)野崎氏は、数年前に脳梗塞も経験しており、その後遺症で歩くのにも支障があったのだ。「それでも、社長の男としての意地なんでしょう。人前に出る時には、イブ・サンローランのスーツを着てますし、杖なんか絶対に使わなかった。そうしたこだわりはありましたね。でも、あれだけは……」野崎氏の知人が口を濁すのは、高齢である野崎氏の身体的な衰えについてである。「脳梗塞の後遺症なのでしょう。ここ最近は、シモのほうが本当に緩くなっていて、社長と会っていると、失禁することが多くなった。オムツもつけるようになっていました」(野崎氏の知人)野崎氏の自宅は二階建てで、トイレと風呂がそれぞれの階に設置されている。二階の風呂は野崎氏の専用で、一階の風呂を家政婦の女性と早貴容疑者が使っていた。このことについて前出の野崎氏の会社関係者Aはこう話をしていた。「社長のお風呂を掃除するんだけど、浮いているのです、アレが。社長は垂れ流しだから。だから、早貴は、社長とは別の一階のお風呂を使っています」豪邸と言われる野崎氏の自宅だが、実際は「汚部屋」だったという。■店屋物の食べカスと犬の臭いと、アレの臭いで……「社長の居室は、絨毯にところどころ黒い染みがあるんです。社長の愛犬のイブちゃんが粗相をしたものらしく、それが固まっていて。それを避けなくてはいけなくて。また、社長は『イブが粗相をした』と、従業員に掃除を言いつけるんですけど、部屋に行くと『これ、犬のじゃない』ということが何度もあったんですよ。社長の部屋は、何らかの食べカスと犬の臭いと、アレの臭いで、気分が悪くなることがありました」(会社関係者A)そうした部屋に毎晩、須藤容疑者は呼ばれていた。また、早貴容疑者は“夫婦生活”について知人にこう語っていた。「社長はキスだけで満足するから、それ以上はやっていないって」しかし、ほぼ同時期に社長と交際があったという女性は「社長は最後まで要求してきていました。不完全ですが」という証言がある。野崎氏の女性への執着は、老いてもなお盛んで、誰もが認めるものだった。「若い女の子にとって、社長はとにかく我慢が必要な相手だったはず。その点だけは、ちょっとだけ早貴に同情するんですが……」冒頭の県警担当記者は、今回の逮捕をそう受け止めた。結婚前の須藤容疑者のものと思われるインスタグラムには、海外旅行時の高級ホテルやビジネスクラスのシャンパンなどが並んでいた。ブランド物などが大好きで、月100万円の手当てに飛びついた須藤容疑者にとって、野崎氏との汚部屋での結婚生活は予想外で、耐えがたいものだったと思われる。「須藤容疑者への取り調べは、何度も行なわれて、ウソ発見器にまでかけられている。かなりつよいメンタルがないと、否認し続けることは難しいと思います。物証が出ていないことが、須藤容疑者が強く出られるところなのでしょうが、県警は物証ナシでも状況証拠の積み重ねで起訴して有罪に持ち込むこめると踏んでいるようです」(冒頭の県警担当記者)法廷で早貴容疑者の真実が明かされることはあるのだろうか。
2021年05月11日“紀州のドン・ファン”こと野崎幸助さん殺害容疑で逮捕された、妻の須藤早貴容疑者(写真/共同通信)「うちのバーに来てくれたことがあります。お金をバンバン落としてくれる、いいお客さんでした。彼女はお気に入りのホストを連れてきていて、“私の彼氏なのよ”って自慢げに紹介されましたよ」そう話すのは、新宿二丁目にあるバーの店主。■容疑者の“金への異常な執着”“彼女”とは、連日メディアを騒がせている“紀州のドン・ファン”の元妻・須藤早貴容疑者(25)のことだ。彼女がこのバーを訪れたのは、’17年の冬ごろ。「彼女は“自分がアダルト作品に出演していたこと”をあっけらかんと話していました。周囲の人に“お金を稼ぐ方法なんていくらでもある!”と豪語していましたよ」その約1年後、事件が起きた──。’18年5月、“紀州のドン・ファン”こと資産家の野崎幸助さん(当時77)が和歌山県田辺市の自宅で突然死。死因は急性覚醒剤中毒によるもので、彼の体内からは致死量を超える覚醒剤の成分が検出された。真っ先に疑われたのは、3か月前に結婚したばかりの55歳年下の妻・早貴容疑者だった。決定的な証拠は何ひとつ出てこないまま、3年の歳月が流れていたが、「4月28日、和歌山県警が早貴容疑者を殺人と覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで緊急逮捕しました。彼女がドバイへ高飛びする可能性もあったため、逮捕に踏み切ったんだと思います。ただ、今も決定的な証拠はないので、殺人の立証は難しいのではないかともいわれています」(全国紙社会部記者)容疑者の過去を振り返ると、“金への異常な執着”が見えてきた──。彼女は北海道札幌市の出身。地元の中学校、高校と特別に目立つような存在ではなかったようだ。高校卒業後、地元の美容専門学校に進む。「彼女は友人には“実家が医者で金持ちなんだ”と言っていましたが、父親は一般的な会社員。金持ちでもなんでもなかった」(同・記者)専門学校を卒業すると、上京。東京へやってきた容疑者の様子について、「北海道時代からホストにハマってて、東京に来てからも続いていました」(容疑者の知人)■デリヘルと並行していた仕事ホストクラブはひと晩で、1万5000円くらいが相場。さらに少しいい酒を飲むと4万〜5万円くらいはかかってしまう。専門学校を卒業したばかりの二十歳そこそこの容疑者が容易に支払える金額ではないが……。風俗業界関係者はこう話す。「彼女は4、5年前、渋谷の高級デリヘルで働いていました。女性のレベルが高いのが売りの店で、人気キャバ嬢や現役レースクイーンも在籍していました。でも、彼女はデリヘルでは大して働いていなかったと聞いています」理由は、デリヘルと並行していた仕事があったからだ。「容疑者はアダルトビデオにも出演していました。“ゆりか”“平美咲”などの名で数本の作品に出演しています」(AV業界関係者、以下同)セクシー女優といってもピンキリで、「きちんとした女優名をもって活動する“単体女優”はランクが高く、素人設定で出る“企画女優”はランクが低い。いろいろな名前で作品に出ていた容疑者は、後者に当てはまります」彼女が出演した作品は、ウェブ配信がメイン。「“ウェブのみ”となると、DVDになるものよりも販売範囲が狭まるので、収益も小さい。彼女へのギャラなんて、せいぜい7万、8万円程度でしょうね」金のためなら、何でもする。そんな容疑者がより割のいい仕事を求め続けて、たどり着いたのが“交際クラブ”だった。いわゆるパパ活で、金持ちの男性と知り合ってお小遣いをもらうようになっていったという。「’17年末、彼女は野崎さんとそこで知り合ったと聞いています。“毎月100万円の小遣いをあげる”と言われて、結婚を決めたんです」(前出・容疑者の知人)だが、容疑者の奔放さがあだとなる。「野崎さんにAV出演のことがバレてしまったんです。彼は激怒して、容疑者と離婚しようとしていました」(スポーツ紙記者)■約3800万円の詐欺罪で告発されるその矢先に、野崎さんは謎の死を遂げる。さらに、「事件後、容疑者は野崎さんが経営する酒類販売会社の代表取締役に就任するのですが、会社の資金約3800万円を自身名義の口座に勝手に送金しています。この件は野崎さんの友人で同会社の元監査役の男性が詐欺行為として刑事告発して、受理されています」(同・記者)金への執着を抑えることができない容疑者。その裏には、ひとりの男の存在が噂されている。それは冒頭に登場した、彼女と新宿二丁目のバーを訪れたあのホストだ。「彼は歌舞伎町で有名なホストです。その彼が昨年から“もうすぐ店をやめる”と周囲の人に漏らしていた。“お金持ちの女の人に水揚げしてもらうんだ”って喜んでいました」(前出・風俗業界関係者)容疑者は、野崎さんと結婚後もこのホストとつながっていたのか──。月100万円の小遣いが途絶えて金欠状態に陥った彼女は一発逆転を狙って、あの業界にカムバックしようと画策。前出のAV業界関係者によると、「彼女はいくつかのAVメーカーとコンタクトをとっていて“またアダルト作品に出演させてほしい”と言っていました」事件後であれば、容疑者には“ドン・ファンの元妻”というネームバリューがあり、「話題性もあるので、手を挙げるAVメーカーはあると思いますよ」(同・AV業界関係者、以下同)だが、容疑者のセクシー女優としての再デビューは実現しなかった。「彼女がメーカー側の提示した出演料に納得できなかったんじゃないかな」今の自分なら昔と違ってもっと価値があると意気込んでいたのか──。「著名な芸能人やアイドルが出演料1億円でセクシー女優になるなんて話はありますが、彼女にそこまでの価値はないですよ。しかも、逮捕されたらお蔵入りになるリスクもあるので、大した金額にならないんじゃないかな……」(芸能プロ関係者)かつては7万円という激安のギャラでアダルト作品に出演した容疑者。常に自分の価値を高めてきた彼女も、最後に“自分の値段”を見誤ったようだ。一部報道によると、早貴容疑者は一貫して否認し続けているという。
2021年05月11日送検される岡庭容疑者。ネット上では整形疑惑が流れるが、埼玉県警に逮捕された昨年11月から外に出ていないため、整形はありえない5月7日、茨城県境町で2019年9月、小林光則さん(当時48歳)と妻の美和さん(同50歳)が刺殺され、子ども2人が負傷した事件で、茨城県警は埼玉県三郷市に住む岡庭由征容疑者(26・無職)を夫妻に対する殺人容疑で逮捕した。同日、容疑者宅には多数の報道陣が詰めかけた。岡庭容疑者の実家の広大な敷地内には2軒の家が建っており、奥にある古びた木造2階建て民家が祖父母の住居。手前にある比較的新しい家に岡庭容疑者と父母が住んでいる。奥の住居の白いカーテンで閉ざされた窓の向こうに人の気配がした。岡庭容疑者の祖父とみられるが、報道陣の呼び掛けには一切応じず、不安そうに外をのぞいていた。一方、容疑者の父母が住んでいる玄関のドアの上には防犯カメラが取り付けられ、室内に電気がついているのはわかったが、インターフォンを押しても応答がなかった。■母親と祖父が語っていた肩身の狭い生活そんな岡庭一家が一度、取材に応じたことがある。岡庭容疑者が別件で茨城県警に逮捕された今年2月のことで、母親は玄関ドア越しに、弱々しい声でこう語った。「(息子のことで)家から出たくないんです。周りの目にさらされ、まだ生きていたのかって顔をされるから。(通り魔事件から)もう9年、ほとんど外出していませんので、変わり者と思われています」ドアのガラス越しに、母親の輪郭がうっすら透けて見える。「身体の調子もあんまりよくなく、すごく精神的に不安定になっちゃうんです」岡庭容疑者の祖父も言葉少なにこう語った。「由征には全然会っていないから何もわからない。仕事もやってんだかやってないんだかもわからない」今年2月の逮捕は、警察手帳を偽造販売した疑いによるもの。また岡庭容疑者は昨年11月、硫黄約45キロを自宅に所持していた疑いで埼玉県警に逮捕と、2度にわたる別件逮捕の末、本件での逮捕に繋がった。その翌月には消防法違反罪で起訴されていたが、この再度の逮捕により茨城県警に移送された。この3か月後の5月7日、岡庭容疑者は茨城一家殺傷事件に関与したとして逮捕される。■通り魔事件後に名前を改名した実は岡庭容疑者は10年前にも殺人未遂の容疑で逮捕されている。2011年、当時、通信高校の2年生だった岡庭容疑者は、三郷市の路上で中学3年生の女子生徒のあごを刃物で刺してケガを負わせ、さらにその2週間後には、隣接する松戸市の路上で小学2年生の女児の脇腹など数か所を刺して重傷を負わせていた。この連続通り魔事件に加え、猫の首を切断、さらに連続放火にも関与し、自宅からはサバイバルナイフや鉈など計71本の刃物が押収されていた。当時中学生の岡庭容疑者が持つには異常な量である。「このうちの16本は18歳未満の所持が禁じられているものであったため、埼玉県警は父親を県青少年育成条例違反容疑(有害玩具を子どもに買い与えてはいけないという条例)で書類送検しています」(社会部記者)当時の容疑者は「吾義土」(あぎと)という名前だったが、こうした事件の影響で現在の「由征」に改名した。その行動の奇異性は近所でも騒がれていた。ところが本人の姿はほとんど目撃されていないという。近所の高齢女性が語る。「猫の死骸を家の周りに埋めたとのことで、鑑識の捜査員が警察犬を連れて調べていました。容疑者の姿は見たことがないですが、弟が1人いて、2人兄弟です。弟は家を出て1人暮らしをしているみたいです。両親とも話をしたことがありませんが、母親は教育ママだったと聞いています。お父さんは測量の仕事をしていましたがここ5年は働いていないと(容疑者の祖父から)聞いたことがあります。この辺に『岡庭』という名字は多いのですが、容疑者一家は地元の名士なんです」祖父はかつて農家を営んでおり、辺り一帯に土地を所有していたが、通り魔事件後は、自宅に隣接する駐車場を売り払ったという。「被害者への賠償支払いが莫大だったと言っていました。おじいちゃんも孫があんなことになってしまったから可哀想ですよ。前は会うとニコニコしていたんだけど、今は下を向いてちょぼちょぼ歩いています。おばあちゃんも元気な良い人だったんですけど、寝込んでいるみたいですね」■母親は「運転免許はない」と断言事件は19年9月23日午前0時38分ごろ発生した。美和さんが「助けて」と110番通報して事件が発覚。犯人は小林さん宅に侵入し、2階の寝室に直行。光則さんの胸や美和さんの首に刃物を突きつけて殺害した後、子ども2人の部屋に押し入り、足や腕などを切りつけた。茨城県警は昨年11月に硫黄所持の件で岡庭容疑者を逮捕した際、自宅から押収した化学薬品や刃物、衣類など約600点を調べたところ、岡庭容疑者の殺人関与の疑いが強まった。しかし、岡庭容疑者と小林さん一家に「接点はない」という。そうだとしたならば不可解な点が多い。現場は、うっそうと生い茂る雑木林の中。周囲には畑が広がり、近くの民家までは約300メートル離れ、そこだけぽつんと孤立している。雑木林の中へ通じる道が1本だけ開かれているが、その入り口に立つと、奥には物置の小屋や廃屋が見えるだけで、その先に小林さん一家が住んでいた一軒家があるかどうかまでは肉眼ではわからない。しかも犯行時間帯は真っ暗な未明で、激しい雨が降っていた。今年2月の同じ時間帯に現場を訪れた時は、雨は降っていなかったものの、辺りは真っ暗闇に包まれていた。初めてこの場所を訪れたのであれば、雑木林の中に家があるなどとは想定できない。岡庭容疑者が犯人であるならば、事前に家の場所を把握していないと不可能だろう。いったいいつから小林さん宅を狙っていたのだろうか。三郷市にある岡庭容疑者宅から現場までは直線距離で約40キロあるが、未明の時間帯にこの現場まで足を運ぶ交通手段も不明だ。しかも母親は、「(岡庭容疑者は)免許証を持っていない」と断言している。電車の最寄り駅は約12キロ離れているため、そこからタクシーに乗った可能性もあるが、事件当時タクシー会社から目撃情報は出なかったという。また、容疑者はサイクリングが趣味といい県警は自転車で移動したと見ているようだが、事件当日は激しい雨が降っていた。雑木林のぬかるみを進むのはたとえスポーツタイプの自転車でも困難な道のりだ。であれば小林一家の民家に、「免許証なし」でどのようにしてたどり着いたのか。そもそも「接点がない」小林一家の民家に、なぜ向かったのか。逮捕後、岡庭容疑者は容疑を否認しているという。茨城県警の今後の取り調べに注目が集まりそうだ。取材・文/水谷竹秀ノンフィクションライター。1975年三重県生まれ。上智大学外国語学部卒業。カメラマンや新聞記者を経てフリーに。2011年『日本を捨てた男たちフィリピンに生きる「困窮邦人」』で第9回開高健ノンフィクション賞受賞。近著に『だから、居場所が欲しかった。バンコク、コールセンターで働く日本人』(集英社文庫)など。
2021年05月08日“紀州のドン・ファン”こと野崎幸助さん殺害容疑で逮捕された、妻の須藤早貴容疑者(写真/共同通信)「彼女は4、5年前、渋谷のデリバリーヘルスで働いていたんです」と話すのは、風俗業界関係者。彼女とは今、連日メディアを騒がせている“紀州のドン・ファン”殺害容疑で逮捕された妻・須藤早貴容疑者(25)のことだ。2018年5月、“紀州のドン・ファン”と呼ばれた資産家の野崎幸助さん(当時77)が和歌山県田辺市の自宅で突然死した。死因は急性覚醒剤中毒によるもので、彼の体内からは致死量を超える覚醒剤の成分が発見された。すると、疑いの目はわずか3か月前に結婚したばかりの55歳年下の妻・早貴容疑者へと向けられる。だが、決定的な証拠は何ひとつ出てこないまま、3年の歳月が流れていた。そんな中、事態は急展開を見せる。4月28日、和歌山県警が東京都品川区のタワーマンションに住んでいた早貴容疑者を、殺人と覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで緊急逮捕したのだ。「地道な捜査で、覚醒剤の売人を特定できたこと、そして野崎さんが容疑者と離婚しようとしていたことから彼女の動機も見つかったからではないでしょうか。また、彼女がドバイへ高飛びする可能性もあったため、逮捕に踏み切ったんだと思います。ただ、状況的な証拠ばかりで、殺人の立証は難しいのではないかとも言われています」(メディア記者)そんな早貴容疑者とは、どんな女性なのかーー。■須藤早貴容疑者の素性彼女は北海道札幌市の出身。地元の中学校、高校と特別に目立つような存在ではなかったようだ。高校卒業後、地元の美容専門学校に進むと、徐々に“派手な女性”へと変貌していったという。「ホストに入れあげていましたよ。彼女は友人には“実家が医者で金持ち”と言っていましたが、父親は一般的な会社員。金持ちでもなんでもなかった」(大手新聞記者)ホストクラブ通いするための資金を、彼女がどのようにして得ていたのかは定かではない。専門学校を卒業すると、上京。東京に来ても、ホストクラブ通いは相変わらず続いたようだ。“その金はデリヘルなどで賄っていたようだ”と話すのは、冒頭の風俗業界関係者。「当時、彼女は渋谷の高級デリヘルで働いていました。たぶんスカウトで入ったんじゃないかな。女性のレベルが高いのが売りの店で、人気キャバ嬢や現役レースクイーンも在籍していました。でも、彼女はデリヘルでは大して働いなかったと聞いています」それよりも、もっと歩合がいい仕事があったからだ。風俗業界関係者は続ける。「アダルト作品に出演していました。デリヘルと並行してやっていたんでしょうね」さらに歩合がよかったのが“交際クラブ”。いわゆるパパ活で、金持ちの男性と知り合ってお小遣いをもらうようになっていったという。「彼女は野崎さんとそこで知り合ったと聞いています」(同・風俗業界関係者)事件後は、再び東京に舞い戻った容疑者。「最初は、東新宿のタワーマンションに住んでいたようですね」(同)再びあの業界にカムバックしようと動いていたという。「彼女はアダルト作品の制作会社をいくつか訪ねて出演させてほしいと言っていました」(AV業界関係者)野崎さんから月100万円の小遣いをもらっていたという容疑者だが、「事件後、彼女を野崎さんサイドが訴えて、役員報酬などを差し押さえていると聞きました。だから、お金にかなり困っていたのではないでしょうか。複数人の女性が登場する企画ものには出演している可能性はあると思います」(同)和歌山県警は、現在も早貴容疑者の認否を明らかにしてない――。
2021年05月01日佐藤健が事件の容疑者として追われる主人公を、阿部寛がそれを追う刑事を演じる中山七里原作映画『護られなかった者たちへ』。この度、本作に出演する新たなキャスト13名が発表された。まず、『友罪』、『64 -ロクヨン-』など、これまでも瀬々敬久監督作品に出演してきた永山瑛太と緒形直人が、不可解な連続殺人事件に巻き込まれていく重要な役どころで出演。第一の事件の被害者で、仙台市若葉区福祉保健センター課長の三雲を演じる永山さんは「瀬々監督は、真っ直ぐに芝居をみてくれます。そしてしっかりと芝居をつけてくれます。また一緒に作品作りに携わることができて、嬉しい気持ちでドキドキしながら現場へ向かいました」と当時をふり返り、「瀬々監督が今、この御時世に発信したいメッセージとは何なのか、この映画を通じて、皆様の胸の内にある答えをみつけて、明日へと繋げていただけたら幸いです」とコメント。第二の事件の被害者で、杜浦市福祉保健事務所の元所長・城之内を演じる緒形さんは「瀬々監督からは、『今回は物語の縦軸に関与する人物です。人間臭く演ってください。』との言葉を頂き、監督の創り上げる作品の中にしっかり根を生やす事を心掛けて演じました」と語っている。さらに、ケースワーカーとして働く円山(清原果耶)の上司・楢崎役で岩松了。利根(佐藤さん)を見守る保護司・櫛谷役で三宅裕司。震災で母親を亡くした少女カンちゃんの伯父・鈴木役で波岡一喜。笘篠(阿部さん)の亡くなった妻・紀子役で奥貫薫。円山の同僚・菅野役で井之脇海。連続殺人事件の捜査指揮をとる笘篠の上司・東雲役で鶴見辰吾が出演。ほかにも、西田尚美、宇野祥平、原日出子、黒田大輔、千原せいじの参加も明らかになった。『護られなかった者たちへ』は秋、公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:護られなかった者たちへ 2021年秋、全国にて公開予定©2021映画「護られなかった者たちへ」製作委員会
2021年03月31日目立たない存在だった中学時代の樺沢容疑者「身長は165センチ、100キロくらいでデカくて、こちらが挨拶すると返してくれるけど会話はしない、とてもおとなしい青年。まさか、あの子がねぇ……」いつもの容疑者と事件との落差にそう驚くのは近所の住民。今年の1月中旬ころ、埼玉県さいたま市桜区の自宅から、「仕事がイヤになった」と告げて家出していた樺沢勇人容疑者が、3月15日の午前10時ごろ、2か月ぶりに帰宅した。行方不明者届を警察に出していたため、母・知美さんは警察に連絡。「息子が帰ってきました。届けを取り消してください」そんなやりとりをしている最中に、「ギャー!」という悲鳴が響きわたった。すると、樺沢容疑者が電話口にそのまま出て、「母親を包丁で刺してしまいました」と告げたのだった─。■刑務所に入ろうと思った埼玉県警浦和西署員が急きょ駆けつけると、自宅には背中などを刺されて血まみれで倒れている母親と、その傍らで呆然と立ち尽くす息子の姿があった。樺沢容疑者は、殺人未遂の現行犯で逮捕されたが、母親は病院へ搬送後に死亡。容疑は殺人に切り替わった。「何もかもイヤになってしまって、母親を殺して刑務所に入ろうと思った」などと供述しているというが、いったい何があったのだろうか─。さいたま市の閑静な住宅街に住む樺沢一家は、容疑者のほかに両親と弟の4人家族。「共働きのお宅で、お父さんはよく近所のスーパーに自転車で食材を買い出しに行っていました。お母さんは町内会の班長を務めていて、会費集めなどもする明るくてしっかりした人でしたよ」(冒頭の住民)地元の中学、高校を経て大学を卒業した樺沢容疑者は、昨年4月に近隣のスーパーに就職。「高校時代、大学時代は近くの同じ系列の別のスーパーのレジでバイトをしていました。彼の高校の前身は農業高校ということもあって、食べ物が好きなのかな。買い物で会うと、ニコッとはにかんだように笑ってね」(別の住民)仕事がイヤになり家出したと報じられているが、「“仕事がイヤになった”と報じられていましたが、失態があったとか、怒鳴られたとか、特別にトラブルや問題もなく、勤務していました。どんな理由で辞めたのかは、捜査中でもあるのでコメントしかねます……」(スーパーの本社広報)■女子中学生アニメが大好きだった退社、家出、刺殺と行動が突発的にも思えるが、容疑者の中学時代の同級生が語る。「カバちゃんは、勉強もスポーツも特に目立たない、地味でおとなしい生徒でした。卓球部にいましたが、腕前は同学年10人中、6番目くらい。体重があるわりには、意外に器用でした」卓球以外にも好きなものがあったそうで、「暗いオタクで、『ゆるゆり』というゆるゆるした女子中学生の日常を描いたアニメが大好きでした。でも、アニメの話で盛り上がっても、急に真顔になってテンションが下がることも。そういう不気味なところはありましたね。アニメの女子キャラの話はしていましたけど、同級生の異性の話はまったく聞いたことがない」(同級生)いかにも衝動的な行動や事件を起こすような人物には見えないが……。この同級生が続ける。「でも、2回キレたことがありました。1回目は、クラスのイジメっ子にいびられたとき。2回目は、卓球部で同級生にイジられたとき。“コノヤロー!”などと大声を発しただけで、ケンカにまではなりませんでしたけど。ため込んでため込んで、一気に感情を爆発させるタイプなのかもしれません」■母親が新興宗教にハマっている樺沢容疑者は、こんなことも同級生に打ち明けていた。「実は母親が新興宗教にハマっていて、ウザいんだよ」家族との関係は微妙だったようなので、久しぶりのわが家で待っていたのは母親からの叱責だった可能性もある。それにキレた容疑者が、電話中の母親に刃物を向けたのだとしたら……。同級生はこう厳しい言葉を投げかける。「僕もそうですが、社会に出たらつらいですよ。アルバイトと違って、勤務時間も長いし、最初は給料も安く、責任も重い。でも、この状況で会社を辞めたら、次の仕事もなかなか見つからない。だから、みんな耐えているんです。彼は甘えていますよ」樺沢容疑者の耳には痛い話のはずだが……。また感情に身を任せてしまうのだろうか。
2021年03月23日中学のときから“貫禄”があった赤堀恵美子容疑者(卒業アルバムより)「赤堀は、保護責任者遺棄致死で逮捕される前に詐欺で逮捕されていますが、それとは別の金銭トラブルが次々と報じられています。これから、ますます被害を訴える人が出てくるかもしれませんね」と地元メディア記者は、事件の今後の成り行きを話す。■小学生のころから「ボス的な存在で怖かった」昨年4月までに、福岡県篠栗町の無職・赤堀恵美子容疑者(48)は、“ママ友”の碇利恵容疑者(39)を洗脳のような状態に。碇家の生活を支配して、5歳だった三男の翔士郎ちゃんを餓死させたとして、保護責任者遺棄致死の疑いでともに逮捕されている。「詐欺について、赤堀は生活保護費だけではなく、車を売らせたり架空の裁判費用をデッチ上げたりするなど、さまざまな手法で碇から金をだまし取ったとされていますが、すべての容疑を否認しています」(同・記者)総額で1200万円を碇容疑者からだまし取ったとされるが、赤堀容疑者の地元・福岡県大川市では、別の“被害”を訴える人物が現れている。3人きょうだいの末っ子として生まれた赤堀容疑者は幼いころ、ひょうきんで話を盛り上げるタイプだったというが……。「意地悪というか、弱い者イジメをすることがあったとです。ボス的な存在で怖かった」と小学校の同級生。人に依存する性格は若いころからあったようで、中学の同級生はこう証言する。「私立高校を卒業後は、しばらく無職だったとか。まだ両親が木工工場で働いていて、それほど生活は苦しくはなかったとでしょうね。20歳のころ、ようやく職探しを始め、親しくもない同級生のコネをたどって、福岡の久留米市の電子機器会社へ就職したようです。ところが、体格がよすぎてその会社の制服が入らなかったというエピソードがあったくらい」その会社はあえなく倒産し、無職となり地元のスナックで働いていた時期もあったようだが、疑問の声もある。「プータローとは言えないから、見栄を張って“スナックの雇われママをしとる。繁盛しとるよ”とウソをついたのかも。恵美子のあんなルックスと性格で接客ができるはずない」(近所の住民)■「違法ビジネス」に乗り出そうとした過去赤堀一家は恵美子容疑者を含めて、以前から近所に金の無心をしていたが、容疑者の両親が働いていた木工工場がつぶれると、返済が滞るように。「恵美子は28歳前後で結婚して大分県日田市に移り住みましたが、結婚式の費用はほとんど元夫側が負担。恵美子の両親と兄姉は借金苦から同じ時期に、夜逃げ同然で佐賀県鳥栖市に引っ越したとよ」(別の近所の住民)その後、赤堀容疑者を頼ってか赤堀家は鳥栖から日田に引っ越して現在も住み続けている。こちらでも借金で首が回らなくなったのか、赤堀容疑者は「違法ビジネス」に乗り出そうとしたことも。容疑者の知人が証言する。「故郷・大川市の元ヤクザの闇金業者に、“シャブの売人になりたかとよ”と相談したそうです。ところが、その元ヤクザは“もし売った相手がパクられたら、売人もパクられるし、オレまでパクられるかも。やめたほうがよか”と断った」ちょうどそのころに、赤堀容疑者に300万円以上を貸したが、返済されていないAさんに話を聞くことができた。「借金はそのときだけではなく、恵美子の祖父母や両親の代から3代にわたって申し込まれたとですよ。“盗聴器が仕掛けられたから、それを取り除くために金がかかる”とか、“ケガで手術代がかかるから”などと、繰り返し繰り返し言ってくる。おかしな話だけど、言われ続けると、ホントにそうなのかなと思えてきて……」そう話すAさんは一種のマインドコントロールに陥っていたのかもしれない。■Aさん「3万円を10回返してくれただけ」2008年に作成された公正証書には、赤堀容疑者には「340万5000円」の債務があると記されている。連帯保証人には元夫や赤堀容疑者の兄や姉の名前が並んでいる。「そのうち3万円を10回くらい返してくれただけで、以降はほとんど返してくれないんです。電話で支払いを要求すると、赤堀は“弁護士を入れるから”が常套句で、逃げてしまう。はるばる何十キロも車を運転して、何度も日田まで行ったけど……」公正証書には、利子や遅延損害金も定められていて、30万円程度の返済では、現在の債務額は莫大なものになる。Aさんは、こうも訴える。「私は多いほうだと思うけど赤堀は、ほかにも小口を含めいろいろな人に借りている分が500万円はあると思う」単純計算すれば碇容疑者の分も含めると、総額で2000万円以上の金を借りたままの状態で、返済は絶望的……。前夫と結婚後は仕事もせず、ブランドものを買いあさっていたという赤堀容疑者。この夫と離婚後は、現在の夫と一緒になり、篠栗町で暮らすようになったが、今度は碇容疑者をターゲットにして“洗脳”“たかり”“詐取”を続けていたことになる。現在も日田に住んでいる容疑者の父親に話を聞くと──。「そげな金はいっさい借りとらんし、知らん。誰が言いよっとか?信用でけんよ。その債務者や保証人に、オレの名前があっとか?なかなら、オレは関係なか。ウソじゃなかか!」と証書には確かに父親の名前はないが、何度も借金を頼んでいるAさんを知らないはずはない。この父親は一部報道で今回の事件について、「あんなことをしたとは信じられない」「もしやっているとしたら、罪を償ってほしい」とも答えていたが、Aさんはこう怒りを爆発させる。「マトモな親ヅラして、何を言ってんのと思った。あんたがやってきたことを、幼いころから見ていた娘がまねてやってるだけのことでしょう!」きちんと働かず人の金をだまし取り、踏み倒したうえに幼い子どもを死に至らしめた赤堀容疑者の罪は重い。
2021年03月16日中学時代は軟式テニス部だった赤堀容疑者「あの女は本当に死刑になってほしい!貸した金を踏み倒されて、本当に大変です」そう本誌に怒りをぶつけるのは、福岡県篠栗(ささぐり)町の5歳児餓死事件で逮捕された赤堀恵美子容疑者(48)の出身地・大川市に住むAさん。赤堀容疑者は、“ママ友”の碇(いかり)利恵容疑者(39)を洗脳のような状態にして、一家を支配。碇容疑者の三男・翔士郎(しょうじろう)ちゃん(享年5)を餓死させたばかりではなく、合計で1200万円の金をだまし取ったとも言われている。「赤堀は、碇の車を売らせフリマアプリでも金を工面させ、生活保護のほかに架空の裁判費用や、翔士郎ちゃんの葬儀代も詐取(さしゅ)していたようです」(地元メディア記者)大川市の元実家周辺でも、赤堀容疑者や家族に20万~30万の金を貸したが返してもらっていないという証言が多数。本誌でもすでに報じたが、困窮から覚せい剤の売人になろうとしたこともあったようだ。冒頭のAさんは、赤堀容疑者から300万円以上の金が返済されていないと、公正証書を握りしめながら憤る。「恵美子一家とは近所の付き合いで、彼女の母方の祖父母時代から、“うちは見張られていてる”“盗聴器が仕掛けられているから、はずすのに金がかかる”という妙な理由で何度も借金を申し込んできた」返していた時期もあったが、15年ほど前から滞るように。「恵美子の両親は近所の従業員30人ほどの木工所で20年働いていた。父親は工場長までしよった。ところが、その工場が突然、倒産。働き口がなくなって、両親は新聞配達の稼ぎだけになって、次第に生活に困るようになった。さらに、恵美子が結婚したので、結婚式にも金がかかった」(工場の元従業員)2008(平成20)年に公証役場で作成された証書には、赤堀容疑者が債務者となり、《平成18年5月から平成19年6月までの間に8回にわたり借り受けた金銭の合計340万5000円》との記載がある。赤堀容疑者の名字は前夫のもので、住所も大分県日田(ひた)市で、前の夫と離婚する前の時期だったと思われる。連帯保証人は前夫のほかに、佐賀県鳥栖(とす)市で暮らしていた兄妹が名を連ねている。しかし、Aさんには3万円を10回、計30万円程度しか返済されなかったという。「電話で請求すると、“弁護士が入る(介入する)けん”が常套(じょうとう)句で逃げるとですよ。だから、当時、恵美子が住んでいた日田に何度も車を飛ばしたことか……。恵美子の父親から借金のカタに年金キャッシュカードを渡されたけど、まったく使えないカードだった……」(Aさん)公正証書には、《年利率5パーセント》《期限後又は期限の利益を失ったときは、以後完済に至るまで年21・9パーセント》と利子についても定められているので、現在では容疑者の債務はかなり膨れ上がっていることに……。しかし、なぜそんな女に何度も金を貸したのかーー。「盗聴器が仕掛けられたとか、ケガをしたとか何回も言われ続けると、本当にそうなのかと……」そう肩を落とすAさんも、一種のマインドコントロールにかけられていたのかもしれない。「警察は赤堀の金銭トラブルの線も捜査していて、昨年の夏ごろから関係者から聴取していたようです」(前出・記者)赤堀容疑者の周辺には、さらなる“被害者”がいるかもしれない。
2021年03月12日1984年ころ。小学校時代から体格がよかった赤堀容疑者「あの一家はホントにトラブルだらけで、夜逃げするように出ていったとよ」福岡県篠栗(ささぐり)町の5歳児餓死事件で、逮捕された赤堀恵美子容疑者(48)の元実家の近所の住人はそう吐き捨てるように話す。■1200万円を碇容疑者から搾り取る3月2日に同じく保護責任者遺棄致死で逮捕されたのは、故・翔士郎(しょうじろう)ちゃんの母・碇(いかり)利恵容疑者(39)。“ママ友”の赤堀容疑者に“洗脳”されていたが、その実態が次々と明らかになっている。「事件後、児相に預けられた翔士郎ちゃんの2人の兄を引き取るために裁判費用が必要だと、碇容疑者をだました疑いもあります。さらに、赤堀がだまし取っていた生活保護費は(碇容疑者が)パチンコに使ったと警察に言うように指示。証拠隠滅(いんめつ)のためにスマホを捨てるようにも命じていたようです」(地元メディア記者)碇容疑者のスマホからは、「食べさせられずごめんね」という翔士郎ちゃんへのメモが見つかったことも報じられている。一方、赤堀容疑者はすべての容疑を否認。翔士郎ちゃんの餓死は「母親(碇容疑者)の責任」と供述しているというが……。合計で1200万円もの大金を碇容疑者から搾り取ったとも言われている赤堀容疑者だが、実は過去に別の犯罪に手を染めようとしたこともあった──。■四方八方に借金をして踏み倒す一家赤堀容疑者の元実家は、篠栗町から60キロほど。福岡県大川市ののどかな田園地帯ある。「恵美子一家は、母方の実家の敷地内に住み、両親は健康保険料を払う金にも困っていた時期もあったけど、恵美子を含め3きょうだいとも私立の高校に行かせとった。四方八方に借金をしまくり、ことごとく踏み倒しとった。幼いころからそれを見とった恵美子も、その手法を真似たのかもしれんね」(別の近所の住人)赤堀容疑者は地元の中学を経て、高校卒業後は電子関連会社に入社したが、「身体が大きすぎて、会社の制服が入らなかった」というエピソードがある程だった。その後、地元でスナックの雇われママをしていた容疑者だが、20年ほど前に前夫と結婚して大分県の日田(ひた)市へ。同じころ一家も佐賀県鳥栖(とす)市に夜逃げ同然で引っ越したがその後、日田市の容疑者宅のすぐそばに移り住んだという。日田でも赤堀容疑者と家族は金に困っていたのか、違法な商売に手を出そうとした。「恵美子が故郷の元ヤクザに、“シャブ(覚せい剤)の売人をやりたい”と相談したそうです。でも、“クスリの売人は、買ったほうがパクられたら、売人もパクられるし、オレまでパクられるかも。やめたほうがよかばい”と元ヤクザから反対されたそうです。結局、クスリには手を出さなかったようですが……」赤堀容疑者は「バックにヤクザがいる」などと暴力団がトラブルを解決する名目で、碇容疑者から現金をだまし取っていたが、あながちウソではなかったのかもしれない。赤堀容疑者の父方のおじは涙ながらに、「ずっと会っとらんけん、事件があったときも、(容疑者の)顔がわからんやったとですよ。こげなことをするような子じゃなかったとです……」と言うばかり。《私の将来の夢は保母さん》と小学校の卒業アルバムに綴(つづ)っていた赤堀容疑者。ヤクの売人にはならずにすんだが、さらなる悪名で全国に知られてしまった。
2021年03月10日“ママ友”の赤堀恵美子容疑者「昨春の事件後、きれいな服装をして福岡市へ向うバス停に立っていた碇(いかり)容疑者を見ました。悲しそうなようすもなくて、何をしていたのか……」碇利恵容疑者(39)と同じマンションの住人は首をひねる。昨年4月、福岡県篠栗(ささぐり)町で碇容疑者の三男・翔士郎(しょうじろう)ちゃんが餓死した事件は3月2日に急展開。保護責任者遺棄致死の疑いで碇容疑者と、“ママ友”の赤堀恵美子容疑者(48)が逮捕された。2人は、それぞれの子どもたちが通っていた幼稚園で、5年前に知り合っていた。「碇容疑者に”狙い”を定めた赤堀容疑者は、巧みに取り入り、一種のマインドコントロールの状態に。碇容疑者の夫の浮気をデッチ上げて調査費をだまし取るなど、合計で1000万円以上の詐取(さしゅ)とも報じられています。碇家の生活を支配して困窮させ、主に赤堀容疑者の指示で翔史郎ちゃんを栄養失調にして、最悪の結果となりました」(地元メディア記者)赤堀容疑者は、碇家の生活保護受給費や児童手当だけでなく、フリマアプリや消費者金融でも金を工面させ、翔士郎ちゃんの葬儀代もだまし取っていたという。冒頭とは別の住人が語る。「電気、ガスなども止められていたようです。スマホも止められて、近所のコンビニへ行って、無料Wi-Fiをつなげて使っていたようです」支配は生活全般におよび、夫と離婚させ、翔士郎ちゃん幼稚園から退園させるなど、すべてを奪い尽くした。そんな赤堀容疑者に碇容疑者は、「赤堀さんにだまされた。子どもを守ってやれなかった」と後悔し容疑を認めたが、赤堀容疑者は全面的に否認。次々と“悪事”が報じられるなか、本誌の取材でも新たな疑いが明らかになった。「兄2人は児童相談所を通して支援施設に預けられるかもしれない。すでに小学校を転校しているけど、トラウマが残り、イジメにあうかもしれないので多くは語れない」捜査関係者が言葉を濁しながらも「トラウマ」に触れたように、翔士郎ちゃんの兄たちも虐待を受けていたようなのだ。赤堀容疑者は碇容疑者に対して、翔士郎ちゃんに「優しくするな」「飯を与えるな」などと指示していたので、「2人の兄はもっとやんちゃで食べ盛りなので、赤堀は厳しくしつけていたようです」(両容疑者の知人)さらに赤堀容疑者は、「バックにヤクザがいる」「ボスが(監視カメラで)見張っている」と架空の人物をデッチ上げ、碇容疑者を支配していたが本物の“黒幕”の存在が囁(ささや)かれている。別の捜査関係者が話す。「赤堀の夫が妻の容疑について、まったく知らなかったとは考えにくい。碇から詐取した金をブランド品などに使ったと報じられたが、大半は生活費に回っているよう。家族が知らなかったはずがない」昨春の事件後も金をだまし取っていた赤堀容疑者は、昨年9月ころ、篠栗町にあるオートロックの3LDKで月6万5000 円のマンションに、夫や3人の子どもと引っ越していた。赤堀容疑者は無職の一方で、夫は定職に就いているがそれほど高収入ではないそう。「碇容疑者の元夫の浮気調査代のデッチ上げも、かなり綿密に計画されたようだ。共犯者がいる可能性もある」(前出・記者)家族ぐるみの犯罪となれば、路頭に迷う子どもがさらに増えてしまうことになる。
2021年03月07日裁判所を後にする飯塚被告(10月8日)「(飯塚被告に)期待はしませんが、この現実は知ってください。本当に……」妻・真菜さん(享年31)と長女・莉子ちゃん(享年3)を失った無念を公判後にそう語ったのは、松永拓也さん(34)。2月1日、11人の死傷者を出した“上級国民”こと、飯塚幸三被告(89)による池袋暴走事故の5回目の裁判が開かれた。遺族の松永さんは前回の裁判で、被告に民事訴訟を起こしていることを公表。今回も犯罪被害者となった従業員の特別休暇を企業に義務付ける要望を出すなど、悲しみをこらえながら妻子の無念を晴らそうとしている。前回に続いて、警視庁交通課の交通事故専門官が検察側の証人として出廷。大破した被告の車からコンピューターなどを取り出して、分析した鑑定書などの証言だった。場内のモニターに映し出された写真や資料12点を指し示しながら、およそ2時間にわたる事故の詳細な解析結果を説明。そうした結果、「車輌(しゃりょう)に異常があると、暴走できない。今回、故障はなかった」と結論づけた。さらに、「(事故の)原因は、アクセルとブレーキの踏み間違い」とも断言。そうした証人尋問の間、車イスの飯塚被告は週刊女性が報じてきたように、法廷内で首をすくめて、うたた寝のような姿勢を決め込んでいたのだろうか――。■被告人に見られた「変化」実は、前回の4回目の公判から被告にはふたつの“変化”があった。ひとつは、グレーのベストをスーツの内側に着るようになったこと。もうひとつは、シャキッとしたように姿勢を正し、きちんと前を向くようになったのだ。顔色や目つきも以前とは、比べものにならないほどよさそうである。さらには、資料や書籍を手に取り、ペンでメモをとるようにもなっていた。冒頭の松永さんも、「自分の裁判に向き合っているのか」と憤りを露わにしたことがあったが、反省したのか?元通産省工業技術院院長という肩書きを持つエンジニアとして、コンピューターの解析は見逃せないと思ったのか?それとも、無罪を主張するにあたり、その材料を探していたのかもしれない。今回も左手に技術書のような本を握っていたが、そのところどころにピンクの蛍光ペンで印が入っているのも見え、最初のころに比べ、とても“前向き”な態度なのだ。そんな変節ぶりに不信感を抱いたのか、裁判が終わり、飯塚被告の車イスが押されて法廷を出る間際のことだったーー。「人殺し……」それほど甲高くはない声で、傍聴席の中年女性の声。法廷内は一瞬、シーンと静まりかえった。すると、10秒ほどあとに再び、「人殺し」と同じ声が。何かしら、恨みがこもったような重いトーンだった。その声が終わるや否や、廷内にいた警備員が傍聴席の前と横にさっと移動して、「発言はやめてください。これ以上、発言すると退席させますよ」と今度は裁判長の声。もっとも、検察官や弁護人が先に退廷したばかりだったので、今度は傍聴人が退席する順番のときだったが……。関係者と思われる女性の静かな心の叫びは、はたして被告に響いたのだろうか。
2021年02月02日燃え跡が残る事件直後のスタジオ「2度と声は出ないと思っていた……」「こんな自分でも、必死に治療してくれる人がいる」事件直後の’19年9月、犯行時の全身ヤケドから奇跡的に一命をとりとめた青葉真司被告は1日中、泣き続けた。そして、医療スタッフに感謝の意を伝えたという。「盗作された」と京都アニメーションの第1スタジオ(京都府伏見区)にガソリンをまいて火を放ち、36人の命を奪い33人の重軽傷者を出した事件から1年半─。被告の精神鑑定の留置が終わり起訴されて、ようやく裁判への第一歩となったが、回復途上で初公判の期日は決まっていない。■現場が“聖地”になってしまうと「遺族と私とは立場が違うので、“死刑にしてほしい”などとは、簡単には言えません。ただ、被告にはどうしてこんなことをしたのか、本当のことを正直に話してほしい。それが助けられた被告の使命だと思う」と週刊女性に複雑な心境を語ったのは、京アニの取締役で“天才アニメーター”と呼ばれた木上益治さん(享年61)の友人・渥美俊彦さん(60)。渥美さんは40年ほど前、東京のアニメ専門学校時代に、木上さんと同居していた無二の親友だった。同じく木上さんが東京時代に働いていたアニメ制作会社の社長だった本多敏行さん(70)も、こう話してくれた。「今後はやはり、なぜこのような事件を起こしたのかですよ。2度とこんな痛ましい事件が起きないように、徹底的な解明をすることが望まれます」そんな遺族関係者たちの胸中と同じく、事件現場となった京アニスタジオの跡地も揺れている。《長時間の立ち止まりはお控え下さい》と第1スタジオ跡地のフェンスには貼り紙がされていて周辺の町内にも、《私たちは、ここで生活をしています。その日常や、プライバシーが脅かされることがないよう、お願い致します》という貼り紙があちこちに見られた。4月に取り壊しが終わった跡地は更地のままだが、その後もファンが後を絶たず、警備員が常駐。週刊女性記者も声をかけられてしまった。「犠牲者には気の毒だという気持ちはありますが、町内会では、慰霊碑や公園を造ってほしくないと要望しています。“聖地”になると、ファンがさらに訪れ、私たちは悲惨なあの事件をいつまでも思い出してしまいます」近隣の住民はそう訴えながら続ける。「京アニ側に土地を売却したい気持ちがあったとしても、遺族感情を逆なでしてしまう。いわくつきの土地になり買い手がつかないかもしれず、非常に難しい立場だと思いますけどね」(同・住民)京アニの公式コメントでも、「何ら定まっておりません」「特段の協議は行われておりません」としているが、関係者と地域住民の板挟みで苦しいところだろう。「こんなに多くの人が死ぬとは思っていなかった」と述べる程度で、いまだ被害者への謝罪や反省は口にしていないという青葉被告。やがて裁きの場に出たときに、犠牲者の数だけではすまない罪の深さを、正面から受け止めることができるのか
2020年12月29日水野有幸容疑者(インスタグラムより)「重度の障害者であっても、笑顔が素敵だ」そんな志望動機を語って知的障害者施設の職員になった容疑者が、信じられないような暴行事件を──。■「言うことをきかないので、カッとなった」昨年7月、愛知県東浦町の「愛光園 なないろの家」の臨時職員だった水野有幸(ありゆき)容疑者(45)は、当直をしていた夜間、54歳の男性入所者の腹を蹴るなどして腸に穴があく大ケガを負わせた。その後、男性は2か月入院して、10月に死亡。暴行と死亡の因果関係は不明だが、病院から通報があった警察は1年以上にわたり捜査を続け、12月4日に、容疑者を傷害の疑いで逮捕した。水野容疑者は、「個室で2回蹴った」「言うことをきかないので、カッとなった。日ごろのストレスがあって、イライラしていた」と犯行を認めているという。「2018年以降、この施設では今回以外にも3件、入所者がケガをする事案が起きたようです。1人は昨年3月に亡くなり、このときの当直も水野容疑者だったとか……。残る2人も病院に搬送されている。警察は、これらと水野容疑者の関わりについても慎重に捜査を進めています」(地元メディア記者)愛光園の日高啓治副理事長は10年前、容疑者が最初に同園へ就職したときの様子を次のように説明する。「以前は飲食店関係の仕事をしていたと聞いています。2年ほど当園で働いたあと、いったん辞めて、別の施設で働き、6年前からうちで非常勤として働いていました。当初は正社員を希望していましたが、“土日はどうしても空手教室や障害者スポーツのボランティア活動をしたいから休みたい”ということだったので、正社員はあきらめたようです」容疑者は口数こそ少なかったが、落ち着いていて、まじめだったとか。「ただ、声が大きいときもあり、今年の6月ごろに入所者に“座ってろと言ったでしょ!”と怒鳴ったので、厳しく注意して、始末書を書かせる処分はしました。しかし、まさか暴力までふるっていたとは……」(副理事長)容疑者が供述している“ストレス”については、「介護の仕事は、こちらが思ったようにはならないことが多いので、確かにストレスはつきもの。カッとなったときは1度、その場を離れるとか、ほかの人にバトンタッチするようにしていました」(同)突き刺すようなダメージを与えるためか、足の親指を立てた“凶器”で入所者を暴行したという容疑者。■障害者のためのボランティア活動にも熱心「なないろの家」がある東浦町で4人きょうだいの末っ子として生まれた水野容疑者は、小学校時代から空手に打ち込んでいた。「地元で空手を習っていて、大学卒業後も続け、10年ほど前に地元の空手会に入会。四段の腕前で、みずから子ども向けの教室を開いていました」(容疑者の知人)報道によると逮捕直前の11月に空手の師匠へ、《暴力行為を行ったことは事実であるため、空手を行うこと、まして指導する資格はありません》《ご迷惑をおかけしたことは何度お詫びをしても済むことではありませんが、この度は本当に申し訳ありません》という謝罪の手紙を送っていたようだ。そんな“特技”を活かしながら、容疑者は障害者のためのボランティア活動にも熱心だった。《障がい者スポーツを通じて障がい者の方と地域住民の方の交流を寄り添い、助け合える住みよい社会、街作りをしたい!》(原文ママ)という理念のもと、特定非営利活動法人である「来夢の森」を設立し、クラウドファンディングで資金を調達。空手のほかに、脳性まひ者などのために考案された球技・ボッチャなどを指導し、ほかの障害者団体と交流するなど、幅広く活動していた。■容疑者の指導は誠実で充実していたそれらの場で、問題行動はなかったのか──。ある障害者施設の関係者は、「部活動の外部講師として3か月の期間限定でボッチャなどを教えてもらいました。ルールや投げ方、ゲームの進め方を初心者の職員や子どもたちに丁寧に指導してくれました。指導は誠実で充実していました。最初から部活動を指導するボランティアとしてお願いしましたが、最後に全部で1万円の謝金を渡しました。非常に熱心な方だと思いました」地元・東浦町の福祉関連団体でも、「うちでは4年ほど前から、ボッチャを月に1回指導してもらいました。障害者10人ほどで行いましたが、和気あいあいと楽しんで、いい雰囲気でした。私たちが(容疑者の)ストレスに気づいてあげて、サポートできなかったのかと反省しています」私生活も問題なかったはずだと言うのは、前出とは別の容疑者の知人。「水野のインスタグラムやツイッターを見ると、ボランティア以外にも家族思いで子煩悩なパパだと思っていました。まだ小さい長男に空手体験をさせたり、家族3人でディズニーランドや動物園に行ったりした様子が紹介されていて、公私ともに順調だったはずです」昨年、まだコロナ禍の前に職場以外のストレスはなかったようだが、「水野さんの奥さんと母親には不和が……」と打ち明けるのは、自宅近所の住民。■プライドが高く、クレーマーとして有名だった母親容疑者は40歳前後で結婚して、実家に妻を迎え1男をもうけていた。「同居する父親は穏やかな人だけど、母親が勝ち気で、変な人。この辺りでは名家の水野一族の末裔(まつえい)らしく、プライドがめちゃくちゃ高い。近所のあちこちにクレームをつけて、うち2軒は引っ越していきました。“あんたもどこかの馬の骨でしょ?”と言われた家もあったとか。そういう母親だから、奥さんとは合わないはずです。容疑者はその板挟みになってストレスがあったのでは」(同・住民)ハードな仕事のうえに、家庭内でのストレスがたまっていたのかもしれないが、それを無防備な知的障害者にぶつけるとは、とうてい許されることではない。「私たちが死ぬのが早いか、息子が家に戻ってくるのが早いか……」母親はそう漏らしているそうだが、容疑者の暴力と2人の死因に因果関係が認められれば、そんな日は当分、来ないはずだ。みずからによる蹴りで、入所者が浮かべた笑顔ではない表情に、水野容疑者は何を感じたのだろうか……。
2020年12月16日小学生時代の佐藤喜人容疑者栃木県那須町の別荘地にある山林から、切断された女性の遺体が見つかった。別荘を所有していたのは、容疑者の親族で──。今年9月、豊島区の会社員・富塚(とみづか)沙織さん(享年35)の遺体を山林に遺棄したとして、保育士の佐藤喜人(よしと)容疑者(29)が12月6日に逮捕された。■殺害後、小学生女子にわいせつ行為も「殺害現場となった富塚さんの自宅アパートから600メートルほど離れた場所に容疑者は住んでいた。2人に面識はなかった」(テレビ局記者)現場付近の防犯カメラでは、殺害直後も顔色ひとつ変えない容疑者の姿が確認されている。「容疑者は富塚さんを殺害した後も、勤務する保育園で働いていた。遺体を運んだ翌日には、友人の結婚式に出席していたことも一部で報道されている。さらに11月には、新宿区内の小学生女子にわいせつ行為をしていた」(前出・記者)マッチングアプリに登録し、逮捕直前まで女性を物色していた痕跡も残っている。取り調べで容疑者は「金銭目的」と供述していたが、富塚さんの遺体が全裸で遺棄されていたことからも、性犯罪目的だったことが疑われる。「富塚さんはいつも笑顔で明るい子。ファッション好きで、よく可愛らしい洋服を着ていましたね」(友人)そんな富塚さんを殺めた容疑者はどんな人物なのか。「60歳くらいの母親とふたり暮らしでしたね。入居のときに菓子折りを持って挨拶にきてくれた」(近隣住民)佐藤容疑者の出身は埼玉県。幼いころから父親がおらず、ひとり親家庭で育ったようだ。小学校時代の同級生が少年時代を回想する。「佐藤くんは暗くて静か。でも慣れてくると、ボソボソと冗談を言うんです」家庭は裕福ではなく、母親の仕事も忙しいため、容疑者はあまり母の愛情に触れる時間がなかったようだ。そのせいか、マザコンの気があったようで……。■母親の実家は資産家だが、住まいは安アパート昨年まで働いていた埼玉県内の介護施設のHPには、〈母親が保育士をしていたことで、福祉に関心を持った〉と綴っていた。また容疑者は若くして離婚歴があり、その後も母親とふたり暮らしで、家事を任せきっていたことからも、母に甘えていたことがうかがえる。母親の実家は、いくつも会社を経営する資産家。遺体遺棄現場となった那須の別荘など不動産も複数所有している。一方、容疑者と母親が暮らしていたのは築50年の安アパート。実家からの援助はなかったのだろうか。母親の実家で容疑者の離婚歴など家庭事情を尋ねると、「(深い付き合いのない)親類だから詳しくは知りませんね。いつ結婚したのかも記憶にありませんねぇ」と親族間の“断絶”をうかがわせた。嫌がらせのように親族の別荘地で遺体を遺棄したことからも、容疑者がよい感情を抱いていなかったことがわかる。これらの心情について新潟青陵大学大学院の碓井真史教授(犯罪心理学)は、「親の実家が裕福なのに家が貧しい状況を容疑者は受け入れられないのでしょう。お金があれば、母親の愛情をもっとたくさん注いでもらえたのにと、実家に対してコンプレックスを抱いたのでは」と分析する。無残な殺人現場の舞台裏に、屈折した親族関係が浮かび上がった。
2020年12月15日映画『護られなかった者たちへ』が、2021年10月1日(金)に公開。佐藤健と阿部寛が共演する。殺人の容疑者と刑事の想いが交錯するヒューマンミステリー映画『護られなかった者たちへ』の原作は、「このミステリーがすごい」受賞作家・中山七里の同名小説。連続殺人事件の容疑者とそれを追う刑事が繰り広げるヒューマンミステリーを、日本を代表する豪華キャスト陣で映像化した。■『護られなかった者たちへ』ストーリー震災から10年目の仙台で発生した、連続“餓死”殺人事件。容疑者として捜査線上に上がってきたのは、別の事件の刑期を終え、出所してきたばかりの利根という男。刑事の笘篠は利根を追い詰めていくが、決定的な証拠がつかめないまま、第3の事件が起きようとしていた――。なぜ、このような無残な殺し方をしたのか?利根の過去に何があったのか。やがて事件の裏に隠された、切なくも衝撃の真実が明らかになっていく――。佐藤健vs阿部寛主人公・利根:佐藤健主人公は、過去に起こした放火事件で服役し、出所したばかりの男・利根泰久。全身を縛られたまま“餓死”させられるという異様な手口の連続殺人事件が発生し、容疑者として捜査線上に名前が挙がることとなる。彼はなぜ捜査線上に浮上したのか?過去の事件と連続殺人事件との関連はー?演じるのは、『るろうに剣心』で主役を務めた佐藤健だ。刑事:阿部寛利根を追い詰める刑事の笘篠は、『疾風ロンド』『のみとり侍』主演の阿部寛。事件の奥に隠れた、衝撃の真実を突き止めていく。その他、『宇宙でいちばんあかるい屋根』の清原果耶や倍賞美津子、吉岡秀隆、林遣都ら豪華キャスト陣が名を連ねている。主題歌は桑田佳祐「月光の聖者達」主題歌は、桑田佳祐の「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」。「月光の聖者達」は桑田佳祐の4枚目のオリジナルアルバム「MUSIC MAN」 に収録されている楽曲で、「現在 (いま)がどんなにやるせなくても 明日(あす)は今日より素晴らしい」という歌詞が、映画の登場人物たちの心情と共鳴している。なお監督は、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』でメガホンを取った瀬々敬久が担当。ラストに明かされるのは真実か、愛か。ミステリーの先に待ち構える心震える人間ドラマの行方に注目だ。【詳細】『護られなかった者たちへ』公開時期:2021年10月1日(金)監督:瀬々敬久脚本:林民夫、瀬々敬久原作:中山七里「護られなかった者たちへ」キャスト:佐藤健、阿部寛、清原果耶、林遣都、永山瑛太、緒形直人、吉岡秀隆、倍賞美津子主題歌:桑田佳祐「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」
2020年12月13日中山七里の小説を瀬々敬久監督が映画化するヒューマン・ミステリー『護られなかった者たちへ』が、来年秋に公開決定。この度、容疑者に扮する佐藤健と、刑事に扮する阿部寛の表情を切り取った本作の第1弾ビジュアルが公開された。待望のビジュアルでは、佐藤さん扮する殺人事件の容疑者として追われる主人公・利根が、激しい怒りをむき出しにし、鋭い目で睨みつけ、一方、阿部さん扮する彼を追う刑事・笘篠は、胸中に渦巻く想いを抱えながら事件の奥に隠された真実を解き明かそうと、じっと見据えるような眼差しを向ける。緊迫感漂う1枚が完成した。なお、本作の音楽を『思い出のマーニー』や『8年越しの花嫁 奇跡の実話』などを手掛けた村松崇継が担当することが決定した。『護られなかった者たちへ』は2021年秋、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2020年12月10日上尾市内にある容疑者の自宅。自動車は亡父が遺したものだという「つい最近も朝の7時半ごろにきれいな格好をして、颯爽と出勤していました。お父さんは有名企業に勤め区長に、お母さんも民生委員として長年、地域のために尽くしてきた立派な一家なのに……」と近所の住民は驚く。そんな埼玉・上尾市の実家近くでは、ちょっとした有名人の“美人お嬢さま”が横領で逮捕された。11月5日、愛宕署と警視庁捜査2課は、東京・港区の船舶関連商社「鶴洋(かくよう)商事」で、1億5600万円を業務上横領したとして、元管理部課長の金子幸代(さちよ)容疑者(46)を逮捕した。「社員数26人の会社で、容疑者は長年、ひとりで経理を担当。2014年4月から昨年11月に、インターネットバンキングを利用して会社の口座から自分名義の口座に60数回にわたり振り込んでいました。3月にすでに懲戒解雇されています」(テレビ局記者)金子容疑者は犯行を認めていて、銀座の百貨店や高級ブティックで、ルイ・ヴィトンやフェラガモなどブランド品の購入にあてていたと供述しているという。一体、何が容疑者を狂わせたのか──。■幼少期に右目の視力をほとんど失う会社員の父親、専業主婦の母親の間に次女として生まれ育った金子容疑者。父親は2年前にがんで他界したが、近所では目立つ立派な一戸建ての実家で、母親、姉と暮らしていた。容疑者の小学校と中学校の先輩は、「お姉ちゃんはがっしりした女性ですが、妹は色白で細くて可愛い子だった。幼いころはきれいな洋服や着物を着て、父親がよく家の前で記念写真を撮っていましたね。明らかにお姉ちゃんとは可愛がりようが違った」と証言する。地元の中学校に進学して、姉妹ともに陸上部に所属。「お姉ちゃんは少し変わり者ですが、ざっくばらんで明るい性格。妹はきれいですが、つんとすましている感じで、友達とも交わらないというか、ひとりでポツンとしている印象でした」(先輩)それは幼少期に負った傷が原因かも、と続ける。「よく見ないとわかりませんが、彼女は小さいころ遊んでいるときに右目にケガをして、視力をほとんど失い、白くなっています。それを気にしているだろうし、自分がきれいだという自覚もあるので、複雑な性格になったのかも」そんなコンプレックスが、金銭欲やブランド欲への暴走につながったのだろうか……。■ブランドものの服が束になって捨てられていた近所の主婦は、「金子さんのお宅の前のゴミ収集所には、ブランドものの服がハンガーにかかったまま、束になって捨てられていました」と目撃談を。さらに、前出の先輩は最近、容疑者を見かけたときの印象を次のように語る。「体格がよくなったと同時に、顔はサイボーグなのかと思いました。もともと美人でしたが、別人のようでね。ボトックスはもちろん、整形もやっているのかと」一方で、私大の家政科出身の容疑者は料理が得意で、「よく家族に振る舞ってくれる」と母親が周囲に自慢していた。■横領金の使い道は?その母親が、週刊女性の取材に応じた。ブランドものについては、「確かにそこそこの服は着てましたが、OLですから、決して派手な服ではないです。あの子は可愛い感じの服が好きなので、『ハロッズ』はよく着ていました。20年以上もしっかりした会社に勤めていて、給料もいいので、その程度なら買えるだろうと」ほかの使い道に心当たりはないのだろうか?「……本当に、まったくわかりません。主人が生きているころからの犯罪ですが、主人も私も、(容疑者の)お姉ちゃんも気づきませんでした。宝飾品も派手なものは身につけないし、家はもともとあるし、車も乗らないですから。お酒も飲まないし、おいしいものを食べに出かけるとか、海外旅行もしません。せいぜい、私と1年に1、2回、温泉に行く程度ですが、それは私が払っています。お姉ちゃんもあの子も、家には毎月、決まったお金を入れてくれていますが、彼女たちのために貯金しています」先の先輩は、横領金の使い道についてこうも話す。「ブランド品だけで、1億5000万円は使えない。整形だって、美食だって、そこまでかからないと思います。とすると、私たちの世代の女性なら、オトコですよ。特定の男か、ホストに貢いでいたのかも」■男性には興味がないと思っていたその疑問を、そのまま母親にぶつけてみた。「それはないと思います。お姉ちゃんは何度かお見合いさせましたけど、あの子は目が不憫なので、一生、家に置いて、私が面倒を見ていこうと。だから、1度も見合いはさせなかったし、“結婚しなさい”とも言わなかった。男性を家に連れてくることもなく、交際の話も聞いたことがない。テレビのタレントも関心がなく、男性には興味がないと思っていました」夜は7、8時には必ず帰宅。夜遊びもなかったという。ただ、土日は出かけていたとか。「それはひとりで買い物にね。友達が少ない子で、外に誰かと出かけること自体ないんです。趣味といえば、せいぜい家で読書するくらい。倹約家で、お金を散財することもなかったし、親にまとまった金を要求する子でもなかったですし……」80歳目前の母親は最後、悪い腰とやつれた顔で、弱々しくこうつぶやくのみ。「できる限りの償いをしていくしかないです。主人が残してくれた財産と、この家を売って、それからあの子のために蓄えた貯金で……」3月に解雇された後も、別の会社では普段どおりに働いていたという金子容疑者。次に老母と顔を合わせたときに、初めての金の無心をするのだろうか。
2020年11月19日高橋舞容疑者(本人フェイスブックより)マスク姿でもにじみ出るその美貌。交際相手の自宅に侵入して殺害したその女性は、この世の終わりといった表情で警察署を後にした。彼女のマスクの下に隠された“素顔”とは──。「トラブルから娘が交際相手を殺(あや)めてしまった」物騒な通報が警察に届いたのは、10月29日の午前8時前。現場に駆けつけた警察官が目にしたのは、腹部から血を流して倒れている税理士の白井僚(つかさ)さん(享年35)と、手に切り傷を負った高橋舞容疑者(29)だった。■カトパン似の美女とネットで注目「28日から29日ごろまでの間に、高橋容疑者は川崎市のマンションに住む交際相手と思われる白井さん宅に侵入し、刃物のようなもので腹部を刺した。白井さんは搬送先の病院で死亡が確認され、容疑者は住居侵入と殺人容疑で逮捕された」(捜査関係者)犯行後、容疑者は電話で母親に「男性を刺してしまった。自分も死のうと思った」と語っていたという。移送時の映像がアナウンサーのカトパンこと加藤綾子によく似た美女とネットで注目を浴び、その素顔に関心が集まったが……。高橋容疑者は千葉県浦安市のUR賃貸で家族と暮らしていた。幼少時代は愛知県名古屋市で過ごしたが、中学生のときに浦安市に移住。東海大学付属高校から東海大学観光学部に進学し、サッカーサークルのマネージャーを務めるなど青春を謳歌(おうか)した。美人3姉妹の長女として学生時代から評判だったようで、「きれい系で純粋な女性というイメージ。少しわがままなところもありましたが、さすが長女でやるべきときは頼れる人でした」(大学の友人)そんな彼女を殺意へと駆り立てた白井さんとの関係とは。■白井さんには別の女性の影が白井さんが暮らしていたのは、神奈川県川崎市の閑静な住宅街にある高級マンション。今年5月にできたばかりの新築で、日当たりがよく、緑豊かな庭園も併設する。逮捕時は無職だった容疑者が、高収入の彼氏と結婚して裕福な暮らしを夢見ていたとしても不思議ではない。しかし、白井さんの周りには別の女性の影が……。「白井さんが女性と一緒にいるところを見かけたことがあります。事件の女性ではなかったですね……」(近所の住民)30歳を目前に内心、焦りがあったのだろうか。男性に遊ばれていただけで、待ち望んだはずの“セレブ婚”が勘違いにすぎなかったとしたら、怨恨の感情を抱くのも無理はないが……。■同居する母親を訪ねるとなぜ、彼女は今回のような事件を起こしてしまったのか。同居する母親を訪ねたが、インターホン越しに、「人違いです……」と繰り返すばかり。娘である容疑者の写真も見せたが、「そんな人知りません」と、他人のフリを貫いた。当初は殺害を認めていた高橋容疑者だが、その後一転して「侵入も殺害もしていない」と供述している。どんな事情があったにせよ、犯した罪に対しては、本人が正面から向き合っていかなければならない。
2020年11月10日世界的大ヒットドラマを唐沢寿明主演で映像化した「24 JAPAN」5話が11月6日放送。誘拐された娘・美有を探すためテロ容疑者を“脱走”させようとする獅堂。オリジナル版とは違う令和の日本らしいその方法に多くの視聴者が反応した。世界的人気ドラマ「24-TWENTY FOUR-」をテレビ朝日と20世紀FOXが手を組んで日本でリメイク。本作ではジャック・バウアーにあたるCTU(テロ対策ユニット)第1支部A班班長・獅堂現馬を唐沢さんが演じて、日本初の女性総理誕生前夜の“24時間”が描かれる。暗殺者に狙われる日本初の女性総理候補・朝倉麗を仲間由紀恵が。CTU第1支部A班チーフで獅堂と深い仲だった水石伊月を栗山千明が。CTU職員で今の伊月の恋人である南条巧を池内博之が。CTUで暗号解析を担当する明智菫を朝倉あきが。麗の夫の遥平を筒井道隆が。獅堂と対立するCTUの鬼束元司を佐野史郎がそれぞれ演じる。また誘拐された獅堂の娘・美有に桜田ひより。獅堂の妻・六花に木村多江。美有を誘拐する鮫島剛に犬飼貴丈、長谷部研矢に上杉柊平。鮫島らを使って麗暗殺計画を進める神林民三に高橋和也といったキャスト。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。寿々は病院に運ばれ手術を受けることに。六花は獅堂に電話、早く来るよう頼むが獅堂は六花のもとには向かわず、美有が誘拐されたことを知っていた麗暗殺計画の容疑者の1人、陳元永福(渋谷謙人)から情報を聞き出そうと陳元を脱走させる。その頃、麗は息子・夕太(今井悠貴)が妹・日奈(森マリア)に暴行を働いた少年を殺害した過去が報道されれば、日奈が大きなショックを受けると考え、ジャーナリストの山城まどか(櫻井淳子)と直接話し合っていた…というのが今回の物語。取り調べ室で殴り合いになったと見せかけ陳元の口に紙をくわえさせ、陳元をトイレに誘導。そこに置いたスマホで連絡を取り合う…このシーンに「日本版はLINEしてたけど本家はまだLINEなんてないし電話だった」など現代化されたアレンジに注目したコメントが。また神林が指示を仰ぐテロ組織の“黒幕”が誰なのかについても視聴者からは「まさか、黒幕ってすずの父親??」「多江が全ての黒幕であって欲しい」「本部長が黒幕っぽいな」など様々な反応が。「黒幕って意外な人な気がする次週も楽しみ」と、今後明かされていくであろう事件の全貌に多くの視聴者が注目している模様だ。(笠緒)
2020年11月07日人気俳優から容疑者となってしまった、伊藤健太郎売れっ子俳優が容疑者になった。ひき逃げ犯として逮捕された伊藤健太郎容疑者(23)。運転していた車でバイクをはねたが現場から逃走。取り調べに対し「パニックった」と供述しているという。■過去の映像は使いたい放題伊藤容疑者の逮捕で浮き彫りになっているのは、所属する芸能事務所の位置づけだ。「伊藤は事務所の売れっ子の筆頭で、いうまでもなく稼ぎ頭です。今年9月に、デビュー時に所属していた同事務所に戻ったばかりでした。さあ、これから伊藤で儲けさせてもらうという段階でこの事故は、貧乏くじを引いたようなものです。新聞報道では、違約金が4億円とも5億円とも伝えられていますが、持ちこたえる体力はない。事務所の経営は、かなり厳しくなるでしょうね」そう同情するのは芸能プロダクション幹部だ。弱小プロダクションの悲哀は、ワイドショーの報道でも明らかだった。「伊藤の映像が、普通に使われていました。力のある事務所、例えばジャニーズ事務所なら何があっても過去の映像なんて使わせない。せいぜい、静止画。数日たてば、静止画もNGで、似顔絵になったりする。元SMAPの稲垣吾郎が道交法違反で逮捕されたことがありましたが、静止画だけでした。それに引き換え伊藤のケースは、過去の映像は使い放題で、その上、車の運転についてしゃべっているシーンまでオンエアされた。芸能界のパワーバランスの悲哀を感じましたね」(前出・芸能プロダクション幹部)売れっ子だけに、映画会社、テレビ局、CMクライアントなどへの謝罪が、所属事務所にのしかかる。前出・芸能プロダクション幹部が指摘する「倒産」の二文字が、日に日に現実味を帯びそうだ。〈取材・文/薮入うらら〉
2020年10月30日