およそ40週間の妊婦生活を終え無事出産が終われば、育児生活が待っています。その中でママと赤ちゃんにとって欠かせないのが授乳。 出産前までは「母乳をあげるのって幸せそう」「子供が生まれたら自然に母乳が出るんだよね」と漠然としたイメージを持っているものですが、実際は想像以上に大変な作業です。 今回は出産前に知っておきたい授乳や母乳の基礎知識をご紹介します。授乳のしかたや姿勢、一連の流れ、意外に多いおっぱいトラブルなどこれから出産を迎える新米ママ向けなので、ぜひ参考にしてくださいね。 目次 1 授乳の基礎知識 1.1 授乳のやり方、一連の流れ 1.2 搾乳後哺乳瓶や市販のミルクでも 1.3 授乳の頻度やいつまで続くか1.4 母乳育児で気を付けるべきこと 2 意外に多い!?母乳&授乳トラブル 2.1 おっぱいがカチカチに 2.2 乳腺炎のリスク 3 まとめ授乳の基礎知識●授乳のやり方、一連の流れまずは授乳のやり方からです。(1)ママの手と乳首を清潔にする 濡れタオルやアルコールを含まない洗浄綿などで軽く拭きます。 (2)赤ちゃんに乳首を含ませる 赤ちゃんの口元に乳首を近づけると赤ちゃんは自然と口に含みます。その際、乳首の先だけをくわえさせると乳首に傷がつくことがあるので、乳輪の根元まで深く含ませるようにしましょう。 (3)赤ちゃんの体をまっすぐに、ママも楽な体勢で 赤ちゃんの体がよじれていると上手に吸うことができません。体がまっすぐになるよう抱っこしましょう。※いくら小さな赤ちゃんとはいえ抱っこするのはかなり疲れます。授乳専用クッションや背当てクッションなどを活用して、ママ自身が疲れないようにしてください。 (4)左右のおっぱいを均等に 片方のおっぱいをあげたらもう片方も同様にふくませます。片側5~15分程度で反対側へ変えるようにしましょう。どちらか片側だけのおっぱいだけを授乳に使っていると、おっぱいが張るなどトラブルのもとになります。 (5)ゲップさせる 赤ちゃんを肩にもたれかかるように抱っこして背中をさすり、ゲップをさせます。ゲップをさせずにいると、吐き戻しで喉が詰まり窒息する恐れがあります。授乳の後は必ずゲップをさせましょう。 ●搾乳後哺乳瓶や市販のミルクでも出産をすると数日~遅くとも数週間後には自然と母乳が出るようになりますが、個人差が大きいものです。 母乳が出ない場合や出が少ない場合は市販の粉ミルクを活用しましょう。70℃くらいのお湯で規定のミルク量を溶かして作ります。 また、母乳は出るものの、赤ちゃんが乳首から上手に飲めない場合もあります。その場合はは母乳を搾乳したものを哺乳瓶で飲ませてあげましょう。こちらは保存容器のままお鍋で人肌に温めます。電子レンジで直に温めたり、50℃以上のお湯を使うと栄養が壊れるので厳禁です。 粉ミルクや搾乳した母乳は哺乳瓶で与えますが、必ず消毒したものを使います。消毒方法は熱湯消毒や専用の消毒ケースを使うタイプ、電子レンジを使用するタイプなどさまざまです。 ●授乳の頻度やいつまで続くか授乳の頻度は、新生児期は2~3時間に1回というのが一般的です。ただし、赤ちゃんが一度に飲める量やママの母乳が出る量に大きな差があるのでまちまちです。 基本的には赤ちゃんがおっぱいを欲しがったらあげるという生活を続けていくことで、次第に授乳間隔が広がっていきます。 授乳は、生後5ヶ月程度で離乳食をはじめると同時に回数が減っていきます。離乳食をはじめた当初は、食事から100%の栄養を摂れるわけではないので授乳も必要です。離乳食に慣れ食事からしっかりと栄養を摂れるようなるころには卒乳を考えても良いでしょう。 ●母乳育児で気を付けるべきこと母乳の成分は、ママが摂取する食事に大きく左右されます。栄養バランスの摂れた食事、特にたんぱく質や鉄分、カルシウムなどを積極的に摂取しましょう。また当然ですが、お酒やタバコ、市販薬なども妊娠中に引き続き厳禁です。 さらに、気を付けておきたいのが水分摂取量です。母乳が十分出るようにするためには、ある程度の水分が必要なため、1日最低でも3リットル程度の水分を摂るようにしましょう。 意外に多い!?母乳&授乳トラブル●おっぱいがカチカチにおっぱいが張ってカチカチになるなんて大げさに感じるかもしれませんが、先輩ママの多くが体験しているあるある話です。 おっぱいがカチカチになってしまう理由は、分泌されたおっぱいが乳房の中で溜まってしまっているからです。赤ちゃんが飲む量とおっぱいが作り出すお乳の量のバランスが取れていないことで起きます。 一番良いのは赤ちゃんにいっぱい飲んでもらうことですが、飲んでもらえない場合は搾乳をすることで改善します。また、ときには熱を持つほど痛みが生じることもあります。 ●乳腺炎のリスク乳腺炎とは、おっぱいに母乳が溜まり乳腺に炎症が起きることです。乳腺炎になるとおっぱいに激しい痛みやしこり、腫れが生じます。 先ほどの「おっぱいがカチカチに張ってしまう」状態を放置すると乳腺炎になってしまいます。乳腺に炎症が起きないよう適宜搾乳するようにしましょう。 また、乳腺炎はひどくなる前に専門の病院で診てもらうのがおすすめです。出産した産婦人科や自宅近くの助産院がいいですが、あらかじめ乳腺外科や乳腺外来などを調べておいても安心ですね。 まとめ新生児期はおむつ替えとおっぱいをひたすら繰り返す毎日。特に、母乳育児を考えているママにとっては、母乳と赤ちゃんの飲む量が違うことでトラブルが起きやすいのが現実です。 母乳でも市販のミルクでも、授乳は赤ちゃんとママの大切なスキンシップです。2〜3時間おきに1回の授乳はかなりハードですが、ぜひ赤ちゃんへ話しかけながら愛情をもって授乳するようにしましょう。 卒乳後の「しぼんだ胸」対策!これ以上悲しい姿を見ないために、いま出来ること4つ出産直後に気分が沈む「マタニティーブルー」。原因と上手な乗り越えかた 妊娠中のママとパパのためのサプリ ●ライター/パピマミ編集部
2019年09月12日ウーマンエキサイトをご覧のみなさま、こんにちは、タキノユキです!今回は 前回の出産のお話 の続きで、入院中のできごとです。…という至れり尽くせりの最高の入院生活でしたが、やはり初めての出産でわかってないこともあり、驚くことがいろいろありました。まず驚いたのは深夜に運ばれてきたアレです…■深夜のおにぎり事件産後を乗り越えるためには体力!体力をつけるためには食事!と頭ではわかっていても、3食おやつ付きでたくさん食べた上に毎日深夜におにぎりが運ばれてくるのはびっくりしました(笑)そして母乳マッサージでまた予想外のことがありまして■初乳マンゴー事件痛すぎるマッサージを終えて初乳をとってみると色が大分濃かったらしく(黄色というよりオレンジ色だった)、母乳指導をしてくれた看護師さんもちょっと興奮気味だったのをよく覚えています…。…っていうかおっぱいマッサージ痛すぎでした(これも出産前は知らなかった…)入院中は本当に快適で食事もとても美味しく、エステまでついて「こんな贅沢な暮らししたことない!」と感動しきりでしたが、慣れない新生児との生活がスタートするにあたって母乳指導で洗礼を受けたような気がしました。出産育児は知らなかったこと&予想外の連続です…!
2019年09月11日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、助産師・ラクテーションコンサルタントの榎本さんからメッセージです。 こんにちは、助産師の榎本です。おむつの臭いは、やっぱり気になりますよね。特に月齢が進んで離乳食が始まってくると、うんちも臭くなってきますよね。様々な工夫をされている方も多いのではないでしょうか。今回は、なるべく抵コストでおむつの臭い対策ができる方法をお話します。 おむつの臭い予防に使えるアイテム重曹弱アルカリ性で酸性の汚れを落としたり臭いを吸収してくれます。重曹は、工業用・掃除用のものですと値段も安いのでおすすめです。直接ふりかけやすいように、穴の空いた調味料入れなどに入れて、使用済みおむつのそばに置いておくと使いやすいです。湿気を吸いやすいので固まりやすいですが、崩して使っても効果に問題はありません。 その他の便利アイテム・新聞紙:湿気や臭いを吸収してくれます・ラップ(食品用ラップフィルム):臭いもれを予防します・ペットシーツ:水分を吸収して臭いもれを防ぎます おむつを外したあとのカンタンひと手間【1】うんちの場合、できるだけおむつに残さないように取り除きます。ティッシュ、市販のうんちへら、牛乳パックを小さく切ったもの、使い捨ての手袋を使うと良いでしょう。基本的なことのようですが、うんちが残っていると臭いも時間とともに強くなります。 【2】おむつのうんちがついているところに、重曹を振りかけます。量はうんちの付着部分が粉で隠れるくらい多めにします。そうすることで、重曹が臭いの発生を抑えます。おむつ交換したばかりのおしっこの臭いにも重曹は消臭効果があります。 【3】空気と触れ合うことで、雑菌の繁殖が進み臭いにつながっていくので、できるだけ小さくたたみます。ビニールを2重にする、新聞紙・ラップで巻くと、臭いはもれにくくなります。 使用済みおむつ入れ・ゴミ箱のお手入れゴミを出す日まで、何日も置いているうちに臭いが強くなる場合は、おむつ入れやゴミ箱に捨てた紙おむつの上から重曹を振りかけると臭いが抑えられます。おむつ入れの底に、キッチンペーパーや新聞紙・ペットシーツを敷いて、あらかじめ重曹を振りかけておく方法もあります。その上におむつを捨てていき、ゴミを出すときに一緒に捨てます。大きいゴミ袋の底に、重曹をまいておくとそのまま捨てられて便利です。 また、おむつ入れやゴミ箱自体に臭いがついてしまうことも多いと思います。臭いを取るには、重曹をおむつ入れやゴミ箱に1カップ入れ、お湯をおむつ入れやゴミ箱の8分目まで入れて1〜2時間おきます。よく洗って、しっかりと乾かすと臭いも取れることが多いです。アルミニウムや木材などは黒ずむことがありますので、おむつ入れやゴミ箱の素材には確認が必要です。 外出先で使用済みおむつを持ち帰るときのひと工夫外出時も、重曹を調味料入れなどに入れて携帯し、うんちのついたおむつに振りかけます。小さくたたんで、新聞紙やペットシーツでくるみ、ビニール袋を二重にして持ち帰るといいでしょう。ジッパー式の袋は、水分は漏れませんが臭いはあまり遮断しないので、上記のようなものでくるむのがおすすめです。 いろいろな用途で使えると注目されている重曹。紙おむつにも使って、毎日のおむつ交換時に悩まされる嫌な臭い対策に活用できるといいですね。 参考・引用文献佐光紀子 「ナチュラルクリーニング 決定版 重曹大辞典」ブロンズ新社池田美穂 他編集 「レッスンシリーズ 効く重曹パワー」パッチワーク通信社 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年09月05日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は母乳育児に関するご相談です。 Q.母乳をたくさん飲まないとダメなのでしょうか?生後51日目の男の子のママです。現在、母乳寄りの混合栄養で育てています。10回ほどの母乳と1日3~4回、トータル250~350mlほど育児用ミルクを足しています。おっぱいを搾ると射乳や母乳が滴ることがありますが、出てこないときもあります。 母乳育児のメリットは理解しています。なので、母乳量がもう少し増えたらいいなとも思います。あまり出てないとしても、母乳を少し飲んだだけでも、言われているような母乳の効果を赤ちゃんは得られているのでしょうか? たくさん飲まないと母乳の効果はないですか? 高塚あきこ助産師からの回答おっぱいは、お子さんの免疫獲得に効果があると言われていますよね。おっぱいが少ししかあげられない場合であっても、おっぱいの免疫はしっかりお子さんにあげることができていますよ。完全ミルク育児の場合でも、お子さんとたくさんスキンシップをなさることで、免疫をあげることができると言われています。 ですので、おっぱいは少量であっても、お子さんにはとても大切なものになりますので、可能な限りは飲ませてあげてくださいね。また、お子さんとたくさんスキンシップをなさることも大切ですので、合わせてなさるといいかもしれませんね。※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください 母乳育児のメリットママのメリット・子宮の回復がよい・産後のダイエットにもなる・子どもとの触れ合いの機会が多くなる・ラク・経済的・授乳中は避妊率が高い・月経のない期間が長い・閉経前の乳がん、卵巣がん、子宮体がんのリスクが低下する・骨粗しょう症を予防する・妊娠糖尿病から糖尿病に移行するリスクを減少させるなど赤ちゃんのメリット・赤ちゃんに必要な栄養成分が含まれている・消化・吸収がよい・善玉菌(ビフィズス菌)が多くなる・免疫物質が多く含まれている・突然死の確率が低くなる・小児糖尿病・小児がん・中耳炎の危険が少なくなるなど 母乳育児のデメリット母子ともにメリットが多い母乳育児ですが、その一方でデメリットもあります。産後すぐは母乳の量が安定せず、母乳分泌を促すために赤ちゃんが泣いたら母乳を与える頻回授乳が必要となるため、体力的な面で大変です。また、正確な哺乳量もわからないため、足りているのか不安になるママも少なくありません。そのほか、乳腺炎になったり乳首が裂傷したりとトラブルが起こることもあります。 赤ちゃんにとってのデメリットは、母乳性黄疸やビタミンK不足をきたす可能性があります。また、母親がHTLV-1(成人性細胞白血病ウイルス)に感染している場合、母乳を介して赤ちゃんに感染する恐れもあります。そのほか、母乳は鉄の含有量が少ないため、乳児期後期に鉄欠乏性貧血になることもあります。 母乳育児を希望していても、赤ちゃんに十分な母乳を与えられない場合、育児用ミルクを補足する混合栄養という方法がとられます。そしてなんらかの理由で母乳が与えられない、また母親の意思などで人工栄養(ミルク育児)が選択されることもあります。日本では、数々の乳業会社が母乳の研究を進め、母乳を目指したミルクが開発・販売されています。2018年8月には液体ミルクの制度改正により、日本でも液体ミルクの製造・販売が解禁され、話題となりました。 人工栄養(ミルク育児)は、母乳が足りない母親にとっては、精神的な負担を軽減し、赤ちゃんの成長を助けてくれます。また、授乳室がない場所での授乳など状況に応じた授乳も可能です。さらに、ママ以外の家族が授乳することもできるため、赤ちゃんとの触れ合う機会も増えます。保育園などに預ける場合にも便利です。哺乳瓶を使うことで、赤ちゃんが飲んだミルクの量を正確に把握できるのもメリットといえるでしょう。 その一方で、調乳グッズのお手入れや、消毒など手間がかかる点はデメリットといえます。特に、夜間の授乳時は大変かもしれません。また、出かける際にも、哺乳瓶や育児用ミルク、お湯の入った水筒など、荷物が増えてしまいます。育児用ミルク代がかかるという点もデメリットといえるでしょう。※参考:基礎知識(ベビー)「母乳育児のメリットとは? 断乳・卒乳の方法、おっぱいトラブルの対処法について」
2019年08月24日信じられないような話ですが、私は妊娠8カ月までおなかの中に赤ちゃんがいることに気が付きませんでした。そのため、母乳マッサージも赤ちゃんを産んでから知ったようなものでした。それでも、なんとか母乳育児をすることができました。今回は、息子の母乳育児から得た経験をお伝えしたいと思います。 授乳は赤ちゃんとのスキンシップと考える私は母乳育児にこだわりすぎず、授乳は赤ちゃんとのスキンシップをとるための1つの手段として考えていました。なんとなくミルクをあげるより母乳をあげているほうがいいと思われがちですが、ママが大変なときはミルクに頼ってもいいと私は思います。 母乳にもミルクにもそれぞれメリットがありますので、うまく使いこなしてママが休める時間もつくりたいですね。 ママの体を休ませたいときには添い乳もママの体をしっかり休ませたいとき、私がしているのは添い乳です。赤ちゃんの横で寝転がって母乳をあげるのですが、慣れるとすんなりできるようになります。夜間断乳などの幅も広がりやりやすくなりますよ。息子はまだ添い乳をしていますが、お互いにリラックスした時間を過ごせています。 ただ、歯の生え始めなど、成長に伴って、少しずつ添い乳から違う方法にシフトチェンジすることを考えておくといいと思います。また、吐き戻しをしやすい赤ちゃんは一度起こしてげっぷをさせ、そのままママも眠ってしまわないように注意したいですね。 音楽や照明も使って授乳タイムを演出する育児をしていくうえでやっぱり大切だと思うのが、ママがリラックスしているということ。ママがリラックスしておおらかな気持ちでいると、赤ちゃんにもその雰囲気がしっかり伝わります。 自分なりのリラックスグッズがあると思いますが、なかでも音楽や照明がおすすめです。オルゴールの音楽を流したり、やさしい光の照明を灯したりして、赤ちゃんと一緒にリラックスしてもいいですね。 母乳育児は、なかなか思い通りにいかないことも多々あるかもしれません。やむを得ない事情で母乳をあげられない方もいるかと思います。無理をせず、楽しむ気持ちで赤ちゃんとの授乳タイムを過ごせたらいいですね。著者:浦松あや一児の母。学校事務や保育士を経験したのち、産休を機に退職。現在はパート。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。趣味は編み物。
2019年08月21日出産したら誰でも母乳が出るようになると勘違いしていた私。授乳でこんなに苦労するとは思いませんでした。特に「完全母乳」を目指していたわけでもない私が、母乳育児に力を入れている産院に入院したことから、大変な授乳生活がスタートしたのです。 出産後すぐに始まった授乳訓練2日間の徹夜の末、ようやく生まれたわが子。人生最大の大仕事が終わったと思ったのもつかの間、2時間ほど眠ったあとすぐに母乳をあげる練習が始まりました。 出産前に助産婦さんから「乳首を耳たぶくらいまで柔らかくしてね」と言われて毎日マッサージはしていましたが、まだまだ固くて赤ちゃんにじょうずにくわえてもらうことができずにいました。 出産して3日目の朝、お医者さんに「赤ちゃんの体重がちょっと減りすぎているね」と指摘され、ひどくショックを受けたのを覚えています。 母親として初めての「ごめんね」3日目から搾乳もすることになり、一度の授乳に1時間もかかるようになっていました。乳首のマッサージのあと、左右5分ずつの授乳。体重を計り、何g飲めたのかを助産師さんと確認。私は10gも飲ませることができませんでした。そのあとは搾乳です。 後ろから聞こえるわが子の泣き声。早く抱っこしてあげたいのにできない自分が無力でした。授乳室から部屋へ戻る病院の暗い廊下で、思わず涙が。泣いている私をキョトンと見つめる娘。私の顔をじーっと見つめて、「泣かないで」と言っているような、初めて心を通わせた瞬間でした。 足りない分はミルクで補おう退院してからもしばらくは完全母乳にこだわり、授乳と搾乳を繰り返していた私。乳首はもうヒリヒリと痛く、授乳の時間がとてもつらく感じていました。 そんなとき、親戚の叔母さんに言われた一言で、完全母乳をやめる決心をします。私が母乳が思うように出なくて悩んでいると伝えると、「足りない分はミルクを足したらよかたい。子育ては今だけじゃなかとよ。これからずっと続くとけん」と言われ、勝手に思い込んでいた「母乳で育てなくては」という呪縛から解放されて、ようやく肩の荷が下りたのです。 母乳もミルクもどちらも「育児」。母乳育児のこだわりを捨てると、子育てがうんとラクになりました。初めての子育ては不安や苦労も多く、楽しむことをつい忘れがちになっていたなと思います。そんなときは、周りの意見に耳を傾けてみることで気持ちがラクになるんだなと実感しました。 著者:吉田はな3歳の長女と1歳の長男を持つワーキングマザー。現在は都内の企業で時短勤務。11歳年下の旦那さんと一緒に育児奮闘中。
2019年08月15日撮影/川上ふみこ こんにちは、助産師・ラクテーションコンサルタントの榎本です。授乳している姿の写真を撮ったことがありますか? 卒乳をされたお母さんのなかでは、授乳の写真を撮っておけばよかったなと話される方がいます。 今回は、プロのカメラマンである川上ふみこさんに授乳写真についてや撮り方のコツなどを伝授してもらいました。 母と子の写真は意外と少ない娘との母子写真を、公園のスナップショットで撮っていただいたのが縁で、当院で企画する授乳シーンの撮影会などで一緒に仕事をさせていただいている、カメラマンの川上ふみこさん。川上さんは子ども2人のお母さんでもあります。 川上さんは、子どもの写真や父子の写真は多いけれども、意外と母子の写真が少ないと言います。私自身、助産師とはいえ、はじめての育児に自信が持てなかったころに、川上さんに撮っていただいた娘との笑顔の写真から2人の絆のようなものを感じて大丈夫だと背中を押してもらいました。 この時期にしか撮れない貴重なシーン授乳フォトについて川上さんは、こんなふうにお話ししてくれました。 「授乳は母と子をつなぐ大切なスキンシップの時間。それは癒しの時間でもあったりして、ママもほっと心落ち着くひととき。でもその時期は育児に追われて、あっという間に過ぎて終わってしまいます。で、ほとんど全員のママさんが、卒乳して寂しく思うんです。だから、そんな気持ちが少しでも和らぐように、大切な思い出として写真に収めておくことをおすすめしています」(川上さん) 出張撮影・おうちスタジオなど種類も豊富授乳写真は、撮影場所も気になりますよね。今は、依頼すると自宅に来て撮影してくれる出張撮影や、住宅の一室を利用したお家スタジオもたくさんあります。出張撮影はお家でリラックスした雰囲気のなか、自然な写真が撮れるのがメリット。場所によっては出張費などがかかることが多いので、相談されると良いと思います。また、女性カメラマンのほうが安心などあるかもしれませんね。上のお子さんも一緒に授乳を覗き込んでいる写真などもかわいいですよ。 おうちで撮影するときのポイントご自宅で家族に撮ってもらいたいというお母さんに向けて、カメラマンの川上さんから、おうちで撮影するときのポイントを3つ教えてもらいました。 ・明るいカーテン越しの窓際で撮ること・おうちなら自然光が一番・ママさんの肩越しからも撮るママがいつも眺めている可愛らしい赤ちゃんのお顔や、おっぱいを飲んでいる姿を写真に残す。できるだけママ目線で撮ることで、写真を見返したときにその臨場感が伝わる。ママの顔も写る場合は、ママが撮られているという意識のせいか、飲ませることに一生懸命になり、真剣な表情になりがちなので、ちょっと意識して心穏やかに少し微笑むくらいが素敵です。育児真っ只中では、授乳写真を撮っておこうとはなかなか思いつかないことが多いと思います。ぜひ、貴重なこの時期に授乳写真を残してみてくださいね。監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年08月14日母乳や育児用ミルクを卒業する時期は、ママと赤ちゃんのペースでゆっくり決めたいもの。個人差がありますが、離乳食を卒業する1歳半ごろには授乳なしでも大丈夫といわれています。しかし仕事復帰などのママの都合で、焦って断乳させてしまうことも。私も娘の断乳をちょっと強引にしてしまい、後悔しているママの1人です。 1歳になったら断乳しなくちゃいけない?離乳食が進み、おっぱいやミルクの回数が減ってくると、断乳や卒乳を考え出すママも多いのではないでしょうか。娘が1歳になるのを機に仕事復帰の予定だった私は、母親からの「1歳になれば断乳でしょう」という根拠のない言葉を鵜呑みにしていたこともあり、ちょっと強引に断乳をしてしまいました。 そもそも、卒乳と断乳の違いについてもあいまいな知識しか持っていなかった当時の私。子どもの意思で母乳育児を終える「卒乳」ではなく、親の意思でやめる「断乳」という方法しか知らなかったとも言えます。 当時、離乳食も進み、昼間の授乳は卒業できていた娘。入眠時の授乳も1回に減っていたので、寝かしつけさえできれば断乳は簡単だと思っていました。しかし断乳を決行した日から娘はどう寝ればいいかわからず、パニック状態に! 何をしても泣きやまない娘を前に、私も途方にくれるしかありませんでした。結局、随分泣いた末に諦めた……という感じで断乳が完了しました。 どうすれば無理なく断乳できる?前出の母の言葉のように、何となく昔から言われている根拠のない言葉を鵜呑みにするのはよくなかったと思っています。子どもが自ら「いらない」と意思表示するのを待たない断乳の場合、離乳食の進み具合や子どもの成長に合わせて、無理のない時期を設定したいもの。 仕事復帰などの期限が迫ってくると焦りがちですが、夜1回程度の授乳であれば断乳せずに仕事復帰し、自然に卒乳できるのを待つという選択肢もあったのかな、と今なら思えます。 娘にとっては、ある日突然やってきた断乳。もっとやさしく声かけをしたり、母乳をやめることについて徐々に理解を深めたりしながら、お互いが無理のない方法を探せばよかったなと思うこともあります。 断乳してよかったことももちろんある少し強引だったとはいえ、断乳してよかったことももちろんあります。授乳中は、毎晩必ず夜泣きをしていた娘。おなかが空いているという訳ではないようでしたが、私も眠さに負けてついおっぱいをあげてしまう毎日でした。 そんな娘も、断乳を機に朝までぐっすり寝てくれるように。やっと訪れた朝まで眠れる生活に娘の成長を感じ、当時の私は感激を覚えました。睡眠時間を確保できるようになり、娘も私もストレスが軽減されたように思います。 ずいぶん泣かせてしまった娘もその後順調に成長してくれて、今では5歳になりました。現在、第2子妊娠中の私。長女の断乳に関する反省を生かして、次こそは親子のペースで卒乳を目指したいと思います。 イラスト:sawawa著者:金谷ともみ第2子妊娠中、5歳の娘の母。働きながら結婚、出産、産休育休を経て復帰、マイホーム購入などを経験。よりフレキシブルな働き方を求めて、ライターに転向。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年08月13日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、助産師・おむつなし育児アドバイザーの榎本さんからメッセージです。 こんにちは。助産師・おむつなし育児アドバイザーの榎本です。おむつなし育児をやってみたいけど、1歳を過ぎたらできないの? というご質問がありました。 実は何歳からでもおむつなし育児は始められます。今回は1歳からの始めるポイントについてお話します。おむつなし育児によって、本格的なトイトレがラクにスムーズに進みます。 1歳からおむつなし育児を始めるのは遅い?1歳からでも始めるのは遅くはありません。 しかし、生まれてから1年間「おむつの中でおしっこをする」ことに慣れてきたお子さんにとって、トイレという穴の空いた空間におしっこをするという新たな行動を学習し直すことは大人が想像するよりも大変です。膀胱の筋肉を緩ませてトイレやおまるでおしっこをするという感覚はすぐには育たないことがあります。しかし、大人の真似をしたり、歩行などの身体機能も発達して、言葉も理解してくるのでやりやすい点もあります。また、うんちや溜まったおしっこを出すとスッキリするという快感も感じやすい時期です。 おむつの外におしっこやうんちをする感覚を覚えよう1歳過ぎの場合、まずは思いきっておむつを外して、おしっこやうんちを自分の体から出ていることを知らせてあげましょう。赤ちゃんはおしっこが出るとすぐに下を向いて確認します。その経験を何度も続けていると、おしっこをしたいという感覚と、するために膀胱の筋肉を緩めて外に出すという感覚が連動してきます。初めておむつを外したときは、この感覚ができていないので、頻尿状態になっていることが多いのですが、2〜3カ月経つと、排尿間隔もあいて落ち着いてきます。おしっこが出ている間、「シーシー」という合図を出してあげて、その合図で膀胱の筋肉を緩ませておむつの外で排泄するということを、焦らず繰り返し教えてあげましょう。 サインやタイミングは? どのように対応する?タイミングでわかりやすいのは、下記のようなとき。・寝起き・外から帰ってきてから・ご飯のあと(授乳や飲み物を飲んだあと)・寝る前・入浴前後・抱っこやおんぶから下ろされたとき・チャイルドシート、ベビーカーから降りたとき わかりやすいサインは、下記のような行動。・ある決まった音(ちっちなど)を出す・自分のお股を触る・おむつなどを触る・落ち着かなくなる(足をモゾモゾなど)・うんちの場合、いきむ、オナラが出る、動きが止まるお漏らしなどで、おうちの掃除や洗濯が大変な場合には、1日何枚までパンツを濡らしたら終わり、15〜30分ぐらいの決まった時間だけにするなどでも良いと思います。サインがみられたらおまるに座らせてあげたり、トイレに連れていってあげたりしましょう。 嫌がったら無理強いせずにおまるやトイレに連れて行って、嫌がるようであればすぐに切り上げます。遊びに夢中な時などは、難しいこともあります。2〜3分待って出なそうな場合にも切り上げるようにしましょう。その時に出なくても、おむつをしたらすぐにするという時もあります。その場合は、タイミングはあっているので、おむつをしたままで座って排泄してみても良いでしょう。おむつにしたうんちを一緒にトイレに流したり、大人がトイレでしているのを見せるのも良い方法です。もし、床でおしっこをしてしまっても、子どもがショックを受けないように、怒らずに騒がないことが大切です。トイレやおまるでできたら、「ありがとう」「上手だね」と声かけをしてあげましょう。1歳からのおむつなし育児は、おしっこやうんちをおむつの外へ出すという感覚を覚えるまで、ゆっくり時間をかけるということが大切です。それをしているうちにトイレトレーニングに自然に進めていける時期です。 保育園に行っていても、おうちにいる時だけでもできます。2歳クラスで始まる保育園でのトイレトレーニングにもスムーズに移行することができます。ゆるく楽しく、おむつなし育児をしてみてくださいね。引用・参考文献 :おむつなし育児アドバイザー養成講座テキスト監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年08月12日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんからメッセージです。 こんにちは。助産師・おむつなし育児アドバイザーの榎本です。夏にトイレトレーニングをはじめようという方も多いのではないでしょうか? 今回は1歳半〜2歳ぐらいのお子さんを対象として、夏に始めるメリットや進め方のポイントについてお話していきます。 子どもにとってのメリットは?夏は汗をかきやすいので、おしっこの量が減ります。それに伴い、回数も寒い冬に比べて少なくなります。おしっこに行きたい感じがわかっても、遊びなどを中断して、トイレやおまるに向かうのを嫌がるお子さんもいます。回数が減ることは、お子さんにとっては嬉しいですね。 洋服も薄着なので、脱ぎ着に時間をとられません。薄着やパンツ1枚でいると、おしっこが体外に出る感覚がつかみやすくなります。また、おむつの蒸れによる不快を感じやすいため、おむつを外して、おむつの外に排泄する解放感や気持ちよさを感じやすくなります。 親(大人)にとってのメリットは?ずばり、夏は洗濯物がすぐ乾くことです。おしっこでぬれたパンツやズボンなどの洋服、床にひいているマット、お布団など洗ってもすぐに乾きます。トイレトレーニングを始めたころに大量に出る洗濯物へのストレスが減ります。 冬はトイレも寒いし、おしりが冷たくて自然とトイレに行きたくないなという心理状態がおこるといわれています。そのため、夏はトイレやおまるに誘いやすくなります。おしっこの回数が少ないことで、連れて行く回数も減ります。冬は冷えで尿意を感じやすく、水分摂取量と関係なく頻尿になる傾向があります。 また、水分摂取してすぐにおしっこが出るお子さんもいて、夏の間は水分補給の機会も多くタイミングもつかみやすいです。おうちであれば、パンツ1枚でも過ごせるので、自分で脱ぎやすく、突然のおしっこ! にも対応しやすくなります。 トイレトレーニングに便利な服装やグッズ夏のトイレトレーニングは、できるだけ薄着ですることがポイントです。まずは、おむつを外してみましょう。 特に2歳を過ぎている場合は、排泄の身体機能はかなり整ってきているので、思い切って外してしまいましょう。初めておむつを外したときは、排泄感覚ができていないので、頻尿状態になっていることが多いのですが、約1〜2カ月程度の時間が経つと排尿間隔もあいて落ち着いてきます。 1日が大変でしたら、30分〜数時間でもいいと思います。パンツ1枚で、スカートや長めのシャツなどにするとすぐにおしっこができます。床にもらしたときのために、雑巾(布おむつを雑巾がわりにしても可)を用意しておきましょう。重曹水を床やマットにスプレーして臭い消しをするのも良いかもしれません。 詳しいトイレトレーニングの進め方は、以前お伝えした記事「トイトレがラクになる!トイレやおまるでするための3つのステップ」も参考にしてみてくださいね。 夏のトイレトレーニングの最大のポイントは、夏に始めやすいというだけで、「夏の間におむつを外そう!」とは思わないことです。進み方は個人差も大きく、一度トイレでできるようになっても寒くなっておしっこの回数が増えると、またできなくなってくることもあります。親子で楽しくマイペースのトイレトレーニングをしてみてくださいね。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年07月23日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんからメッセージです。 こんにちは。助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本です。今回は、夏の寝苦しい夜に、赤ちゃんが寝やすい環境のつくり方についてお話しします。 適切な温度は?夏の設定温度で、最適とされているのは室温25〜27℃といわれています。赤ちゃんは眠くなると、手足や頭が熱くなるという経験をされたことはありますか? 赤ちゃんは熱を発散させて、体の温度を下げて眠ります。寝入るまでにできるだけ涼しくすることで、寝つきが良くなります。この時に寝汗をかかないようにすることが、よく眠れるコツです。 冷房や扇風機の使用は?冷房をずっとつけておくことに、抵抗がある方も多いと思います。しかし、反対につけたり消したりすると、室温の差で寝汗をかいて起きてしまうことがあります。寝入るまでは、設定温度を20〜23℃にして涼しくし、寝入ったら、設定温度を25℃以上にあげます。 寝入ったあとに扇風機を使うのも効果的です。扇風機は弱風にして、赤ちゃんから少し遠ざけ、直接当たらないようにしましょう。頭にタオルなどで包んだアイスノンをあてるのも効果的です。寝相が悪くて頭をのせてない赤ちゃんでも、頭の付近にアイスノンがあるだけでも涼しいようです。 お風呂の入るタイミング体温が下がるときに眠りやすいといわれています。お風呂に入ってから2時間以内には、眠ると良いと思います。赤ちゃんはお風呂に入ったあと、体温が下がるのが早いといわれているので、30分〜1時間後でも良いかもしれません。 夏はシャワーで済ませるというおうちも多いかもしれませんが、湯船を入れて38℃程度のぬるま湯に短時間つかって体を温めると、お風呂から出て体温が下がるときに寝入りやすくなります。 服装や布団の選び方寝るときの服装は、肌着一枚で十分です。汗の吸い取りが良い綿素材か、汗が出ても乾くのが早いメッシュ素材のものが良いと思います。脇の汗を吸い取ってもらうためには、ノースリーブよりも脇をおおう半袖のほうが良いかもしれません。背中に汗とりパッドやガーゼを入れて、汗をかいたら外すようにすると夜中に着替えをする手間が省けます。汗をかいたら、乾いたタオルよりも、固く絞った濡れタオルで拭くほうが、拭き取ったあとにさっぱりします。 敷き布団はタオルを引いて、汗で湿ったら適宜交換します。冷感シーツも涼しく眠れます。赤ちゃんは手足から熱を発散させるので、掛け布団も手足を外に出すようにして、おなかを中心にタオルなどをかけてあげてください。寝相が悪く、すぐにはだけてしまうようなら、薄手の夏用の腹巻や夏用のスリーパーを着させてもよいでしょう。 夏は大人でも寝苦しく、夜中に目が覚めてしまうことがありますよね。夜間起きたときには、おっぱいやミルク、お茶などで水分補給してあげてください。夜間よく眠れなかったときは、昼寝で調整していくとよいかもしれませんね。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年07月16日私は3人の子どもを産みましたが、第一子のときから母乳の出があまりよくなく、混合栄養で育てて、生後3カ月くらいから完全に粉ミルクに移行……という感じでした。毎回なんとなく申し訳なさと、劣等感を感じていたのですが、第三子はさらに短い授乳期間となってしまいました……。 母乳がなかなか出ない…第一子のときから母乳の出があまりよくない私。おっぱいマッサージをしてもあまり効果はなく、なんとか粉ミルクとの混合栄養で育てて、生後3カ月くらいからは完全に粉ミルクへ移行していきました。第二子も同様だったので、第三子もまた同じ感じだろうな……と思っていました。 生後1週間で口の中に発疹が…無事出産して退院すると、生後1週間しか経っていないのに赤ちゃんが39度前後の熱を出してしまいました。そして、母乳を飲ませようとすると大泣き。口の中を見てみると、口内炎のようなブツブツがたくさんできていてびっくり! 口の中が痛いため、飲みやすくてたくさん出てくる粉ミルクならなんとか飲んでくれる状況でした。 生後1週間で完全育児用ミルクに総合病院で診てもらいましたが、幼児がかかりやすいヘルパンギーナのような症状で、なぜ赤ちゃんがそのような症状になったのかはわかりませんでした。その後、症状はよくなり、心配いらないとのこと。 症状が治まった後は搾乳してなんとか母乳を飲ませようと頑張っていたのですが、だんだんとそれすらも難しくなり、断念。生後1週間で完全粉ミルク育児となってしまいました。 いまだに子どもたちが体調を崩すと「わたしが母乳をあげられなかったから体調を崩しやすいのか……?」と考えてしまうこともありますが、大きなトラブルもなく3人ともすくすく育っています。罪悪感や劣等感を感じたことも多々ありましたが、粉ミルクだとパパも授乳することができ、夜中の授乳の負担も少なく、生後6カ月で保育園に入園した後も、完全粉ミルクだったことで預けるのがスムーズでした。私には粉ミルク育児にもメリットがいっぱいあると感じました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:ライター 岩崎未来三児(女・女・男)の母。出版社・編集プロダクションの勤務を経たのち、第一子出産を機にフリーランスに。現在は会社役員という肩書きを持ちながらも、ライター・編集者としても活動中。
2019年07月15日こんにちは。助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本です。汗っかきの赤ちゃんの夏の洋服はどのようなものがいいのか悩むママもいると思います。今回は、夏の暑い時期に悩む赤ちゃんの服装についてお話します。 夏にお家で過ごすときの服装は?生後3カ月ごろまでは動きも少なく寝て過ごすことが多く、おむつ交換の回数も多いので、脱ぎ着しやすい服装がおすすめです。目安は大人の服装プラス一枚です。 【例】短肌着とコンビ肌着短肌着と長肌着短肌着とロンパース 頭や背中に汗をかきやすいので、タオルを敷いて適宜交換します。 生後4カ月以降は動きが多いので、足元がスナップボタンなどでとまるものを選び、動いてはだけないようにします。活動量が増え、新陳代謝も良いので、目安は大人と同じか1枚少ない服装です。 【例】コンビ肌着1枚ボディ肌着1枚ロンパース1枚 はいはいする時期はひざが痛くなりやすいので、膝丈ぐらいまでのロンパースや薄手のレッグウォーマーを合わせても良いかもしれません。 夏のお出かけの服装は?ロンパースやベビードレス一枚だと、汗の吸収などが十分できないので、服の下には肌着を着せるようにしましょう。夏のお出かけは、薄手のメッシュの肌着が大活躍します。女の子は、ノースリーブの洋服や襟ぐりや脇の開きが大きい洋服も多く、キャミソールタイプの肌着だと重ね着しても見えないので便利です。 脱ぎ着しやすいものを選び、屋外や冷暖房がついた室内など、温度の変化に合わせて対応できるようにしましょう。カーディガン、ケープ、薄手のレッグウォーマー、ガーゼタイプのおくるみがあると便利です。紫外線対策として、できるだけ肌の長時間の露出を防ぐためにも役立ちます。 夏におすすめの素材は?綿素材が肌には1番優しいのでおすすめです。しかし、洗濯や乾燥機の使用を繰り返すと繊維が固くなったり、劣化しやすいものもあります。その他、速乾性のある素材、肌に触れると涼しく感じる素材、メッシュ素材などがあり、洗濯してもすぐに乾くので便利です。 夏は汗とりパッドが大活躍!汗をかいたら、体が冷えて風邪をひかないように、こまめに着替えることが大切です。しかし、着替えが手間な時もありますよね。そんな時は、背中に汗とりパッドやガーゼハンカチを入れておいて、背中の首元で外側に折り返しておきます。汗で濡れたら、折り返した部分を引っ張って、パッドやハンカチを背中から抜いておきましょう。着替えなくても汗で濡れる襟元や背中が、サラサラ乾いた状態になります。 夏の服装はできるだけ薄着にし、必要時に追加するようにすると調整しやすいです。デザインが可愛いものも多いですが、肌に優しい素材や首や袖周りに装飾の少ないものを選び、肌に負担がないようにしてあげたいですね。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年07月08日産後に母乳が出づらく赤ちゃんの吸う力も弱かったため、手で搾っておっぱいを出し哺乳瓶であげていました。しかし手で搾るのは時間も労力もかかるため、搾乳が苦痛に感じるときがありました。そんな搾乳時の悩みを解決してくれたのが、ピジョンの「さく乳器 母乳アシスト手動」です。搾乳器を使うまでの気持ちや使用してよかったと感じた点をお伝えします。 搾乳器に頼らなかった産後の授乳出産後5日ほどは母乳が出にくく、さらに生後間もない赤ちゃんの吸う力が弱く、おっぱいをうまく飲むことができませんでした。そのため長時間かけて直接授乳したり、手で搾って哺乳瓶から母乳をあげていたのです。 しかし、おっぱいを搾る力も必要ですし時間もかかってしまい、毎回の授乳タイムにしんどさを感じるようになってきていました。そんなときに助産師さんにおすすめされたのが、搾乳器です。出産も育児も初めてだった私は「搾乳器? 痛そう! 手で十分!」とあまり乗り気ではありませんでした。 もっと早く知りたかった! 搾乳器の便利さ 助産師さんに搾乳器をおすすめされたのは、赤ちゃんが生後1週間ほどのころです。私の母乳の量は増えてきていたのですが、まだ赤ちゃんの吸う力が弱かったので、助産師さんが試しに搾乳器を使わせてくれました。 搾乳器を使うと、手や指全体に力を入れなくてもレバーを引くだけで母乳が搾れました。簡単に哺乳瓶に母乳がどんどん溜まることに驚き、なんでもっと早く使わなかったんだろう! と思い、早速購入することにしました。 搾乳器を使う機会は意外と多かった 搾乳器のメリットは手で搾るより力が要らないため、搾乳時間をぐっと減らすことができます。おかげで授乳を楽しめるようになりました。そして赤ちゃんのほうも生後2カ月ごろにはおっぱいを吸う力がついてきて、直接母乳をあげられるようになりうれしかったです。 そろそろ搾乳器の出番は終わりかな? と思っていましたが、他にも用途がたくさんあったのです。赤ちゃんに直接授乳できない場所にいるとき、誰かに赤ちゃんを預けるとき、乳首が切れて痛みがあるときなど、使う場面は意外とたくさんありました。 手動の搾乳器の使いやすさとは 搾乳器には手動と電動のタイプがあり、それぞれにメリットやデメリットがありました。私が使用した手動のメリットは電動よりも価格が安い、自分の力加減で搾乳できて使いやすい、パーツも簡単な物で洗浄しやすいということです。デメリットは電動に比べて手が疲れて時間がかかることです。 私がピジョンの「さく乳器 母乳アシスト 手動」を選んだ決め手は、弱めの刺激をする「搾乳準備モード」と、効率的に母乳を出す「搾乳モード」の2つがあったことです。 搾乳器はあまり使わないかもしれないと思い購入を悩みましたが、私の場合は使用頻度が意外と多かったので役立ちました。実際に手動の搾乳器を使ってみて、手が疲れると感じたこともなく授乳が楽しくなってよかったと思っています。 著者:西口くるみ 1歳児の男の子ママ。息子や夫と美味しいものを食べることが好き。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年07月07日こんにちは。助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本です。今回は、夏になって増えてくるおむつかぶれへのスキンケアについてお話していきます。 どうしておむつかぶれになるの?おむつかぶれは、おむつで湿った環境にある皮膚の表面におしっこの中の尿素が付着することで菌が増え 、おしっこの中のアンモニアなどが刺激になって皮膚が炎症を起こすことでおこります。 これに加えて、おむつと皮膚の摩擦や、汗やうんちなどで悪化してしまうことがあります。 おむつかぶれを悪化させてしまう原因は?紙おむつは、性能が良くおしっこをすぐに吸収してくれるので、皮膚への刺激が少なくなります。しかし、紙おむつの繊維による皮膚への刺激やおむつ内の蒸れた環境によっておむつかぶれができてしまうこともあります。 布おむつは、綿素材のため皮膚への刺激は少ないのですが、すぐに変えずにおしっこが皮膚に付着した状態が続くとかぶれてしまうこともあります。ナイロン性のものなど、おむつカバーも素材によっては蒸れやすくなります。 また市販のおしりふきの成分や、拭くときの摩擦で悪化してしまうこともあります。 おむつかぶれにならない・悪化させないようにするためには?基本的には、おしっこやうんちが出たら、できるだけ早くおむつを替えてあげることが大切です。紙おむつの場合、繊維によってかぶれる場合もあるため、メーカーを変えてみるのもいいかもしれません。布おむつの場合、おむつカバーをウール素材にして通気性を良くしてみましょう。 市販のおしりふきは、保存料などが入っていないシンプルなものを選びましょう。カット綿や布切れをお湯で濡らして使用するのも良いでしょう。強く丁寧に拭きすぎると摩擦で皮膚に負担がかかります。霧吹きで濡らしたり、ベットボトルやドレッシングボトルに入れたぬるま湯で流すのも効果的です。 おしりにこびりついたうんちの場合は、洗面器などでおしりだけを洗う臀部浴もおすすめです。おむつ交換時には、乾燥させるようにドライヤーを遠くからあてたり、仰いで風をおくったりしてみましょう。 おしりがかぶれたときのスキンケアおしっこの成分やおむつの繊維が直接皮膚につかないように保護することが大切です。おむつ交換時に、ワセリンやベビーオイルなどで皮膚を保護してあげます。 赤みがある場合は、炎症を抑える作用のある馬油を塗った上からワセリンを塗ってフタをする感じで保護するのも良いでしょう。 ベビーパウダーを使用する場合は、皮膚のくぼみなどにたまって汚れや細菌の繁殖がすることがあるので、少量にしたり、こまめに洗い流してあげたりすることが大切です。セルフケアをしても改善のない場合や皮膚剝けがある場合には、亜鉛華軟膏などの市販のおむつかぶれ用のお薬を使用したり、小児科へ受診をして相談されると良いと思います。 新生児のころにできやすいおむつかぶれですが、夏になり暑くなったり、活動量が増えたり、下痢などで頻回に排泄があったりすると月齢が進んでもできてしまうこともあります。 時々、床にシートなどを敷いて、おしっこをしてもいい状態にし、少しおむつを外して開放する時間をつくるなど、おむつなし育児を取り入れるのも一つの方法です。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年06月28日雨の降る日が多く、湿度も高い6月。赤ちゃんがいると洗濯物が増えがちなのに、なかなか乾かないので困ります。赤ちゃんと迎えた初めての梅雨、なんと使い始めたばかりの布製母乳パッドにカビを生やしてしまいました。そのときのショッキングな体験をお伝えします。 布製母乳パッドを使ってみることに出産準備をするまで、その存在も知らなかった母乳パッド。産院でもらったメーカーと同じ使い捨て母乳パッドを、産後に何度か購入して使っていました。しかし、出産から3カ月ほど経ったころから、赤ちゃんが飲む量と生産される母乳量がうまく釣り合ってきたのか、母乳パッドが濡れることが少なくなってきたのです。 それまで「布製の母乳パッドは吸収量が少ない」と聞いたので使っていなかったのですが、この状況なら使い捨てより布製のほうが経済的かもしれないと思い、使い始めることにしました。 快適に使っていたはずが、まさかのカビ!母乳パッドは「購入したけれど使わなかった」という人も少なくないようで、あるフリマアプリで検索してみると使い捨てタイプも布製もたくさん未開封状態で出品されていました。そのなかから、取り外し可能な防水カバーがついている布製母乳パッドを安価で購入することができました。 使ってみると、肌あたりが柔らかいのでかぶれることもなく、とても快適。厚みがあるためか多少の射乳反射があっても漏れません。しばらくは何の問題もなく過ごしていたのですが、ある日パッドをカバーにセットしようとすると、パッドの内側に細かい黒い点が見えました。なんとカビが生えてしまったのです! 染み込んだ母乳をしっかり落として清潔にすぐさまネットで情報を調べ、カビが生えたパッドは即処分。思うに、自分自身に「パッドが濡れた」という実感がなくてもパッドにわずかに付着した母乳成分を栄養にしてカビが生えてしまったようです。それからはせっけんで洗う前に、しっかり水の中で揉み洗いして、母乳がパッドに残らないようにすることを心がけました。 また、あえて布製母乳パッドは使わず、付属の防水カバーの中に畳んだガーゼを入れ、湿り気を帯びたと思ったらすぐに洗う、という方法も取り入れました。清潔さを保てたおかげか、長女が2歳で卒乳するまでの間、布製母乳パッドやガーゼなどに再びカビが発生することはありませんでした。 今思えば、赤ちゃんの哺乳瓶消毒に比べると、母乳パッドを清潔に保つ感覚は結構ルーズでした。神経質になりすぎるのはよくないかもしれませんが、赤ちゃんが健やかに過ごせるように、特に梅雨時は意識していたいと思います。著者:柴崎諒子2016年2月長女、2019年2月次女を出産。元雑誌編集部勤務で、企画・編集・営業・ライターを経験。現在は仕事をセーブしつつ子育て優先。妊娠・出産・子育てに関する記事を中心に執筆している。
2019年06月25日こんにちは。助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本です。 今回は、夏になって気になる赤ちゃんの日焼け予防についてお話します。知っておくことで、不安なく夏のレジャーが楽しめるようになりますよ。 赤ちゃんにも日焼け予防は必要?昔は、子どもは日光に当たることを推奨されていました。骨をつくる栄養素のビタミンDは日光に当たることでつくられますが、手の甲に15分程度あたるくらいで十分とされています。 紫外線をたくさん浴び続けると将来的に、様々な皮膚のトラブルになることがあります。赤ちゃんのうちから強い日焼けをしすぎないようにすることが大切です。 日焼けしすぎないように注意することは?■時間帯に注意する1日のうちで午前10時〜午後2時までに紫外線量が1番強くなります。この時間に長時間屋外で過ごすことは避けるようにしましょう。短時間であれば問題ありません。 ■場所に注意する日陰を選んで遊びましょう。ひさし、屋根、パラソルなどがあるところを選ぶようにします。 ■衣類や帽子つばの広い帽子、首にカバーがある帽子をかぶせましょう。衣類は肌の露出が少ないもの、紫外線を反射しやすい白や淡い色のもの、UVカット効果のある素材のものを選びましょう。ケープやベビーカーの日差しよけも良いですね。プールの場合、ラッシュガードなどを着るのも効果的です。 日焼け止めクリームはどんなものを選べば良い?肌に負担の少ない低刺激性で、ベビー用や子ども用のもの、石鹸で落とせるものにしましょう。 生後3カ月以上で使用可能とされていますが、メーカーによっても異なるので説明書などで確認しましょう。プールなど水遊びのときは、ウォータープルーフのものにしても良いかもしれません。 日常の生活では、SPF15〜20、PA ++海や山では、SPF20〜40、PA ++〜+++を目安にしましょう。 汗で落ちやすいので、こまめに塗るようにします。お風呂のときは、日焼け止めをしっかり洗い流し、保湿をするようにします。 日焼け止めの塗り方使用前は、腕の内側や太ももなどの目立たないところでパッチテスト(1円玉大ぐらいに塗って赤くならないかみる)をします。 ■顔クリーム状はパール1個分、液状は1円玉1個分手のひらにとる。額・鼻の上・両頬・アゴに分けておいてそこからまんべんなく丁寧に塗りのばします。その後にもう一度同じ量を重ねづける。 ■腕や脚などの広範囲容器から直接直線を描くようにつけてから、手のひらでらせんを描くように均一にムラなく伸ばす。 塗り薬と虫よけを一緒に使う場合は、塗り薬→日焼け止め→虫よけの順番になります。 紫外線の強い季節、外出や外でのレジャーも増えます。曇りの日も、紫外線を浴びているので長時間の野外活動の場合、日焼け予防に努めることが大切です。ぜひ、参考にしてみてくださいね。 ※引用・参考文献日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会「保育園・幼稚園での集団生活における紫外線対策に関する日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会統一見解(2015.09)」 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年06月19日赤ちゃんに授乳するようになると、母乳の出る量が増え、自然に母乳が溢れ出てくるという方もいると思います。そんなときに便利なのが「母乳パッド」。 今回は、いつごろから必要になったか、どんなタイプがあるのか、愛用していた「母乳パッド」について先輩ママ2,306人が教えてくれました!アンケートの結果から、リアルな口コミや、おすすめの「母乳パッド」をご紹介します。 「母乳パッド」はいつ必要?種類は?どう使うの?一般的には出産後、授乳が始まってから母乳が出るようになる方が多いのですが、なかには妊娠中から母乳が出る方もいます。母乳の出る量は個人差がありますが、たくさん出るようになると「母乳パッド」がないと下着や服がびしょ濡れになってしまうこともあります。新生児用品を購入するのと同時に、妊娠中から準備しておくと安心です。 「母乳パッド」は、大きく分けて布タイプと紙タイプの2種類があります。布タイプは洗濯して何度も繰り返し使用でき、紙タイプは生理用ナプキンのように下着へ貼り付け、汚れたら剥がして新しいものに取り替えます。 布タイプは繰り返し使えて経済的ですが、洗う手間がかかります。また、紙タイプは気軽に取り替えられるので乳房を清潔に保てますが、夏は蒸れやすくなります。お出かけ時や母乳分泌過多の間は紙タイプを、すぐに洗濯できる在宅中や蒸れやすい夏は布タイプを、シーンや時期によって使い分けてもいいですね。 先輩ママ2,306人に「母乳パッド」事情を聞いてみました! なんと8割以上の方が、母乳が漏れて下着・服が汚れるのを防ぐためなどの理由で「母乳パッド」を使用していました。使用していなかった方は、「母乳が溢れるほど出ることはなかった」「ガーゼやタオルで代用した」「汚れたら着替えていたので必要なかった」という回答でした。 また、使用していた時期については、開始時期は産後すぐ(当日〜1週間以内)が最も多く、使用をやめた時期は卒乳・断乳のタイミングという方が多く見られました。なかには妊娠中から使用を開始した方もいたので、やはり準備は早めが良さそうです。 「母乳パッド」を使用していたママに使用していたタイプを聞くと、紙タイプを使用していたママが圧倒的に多数でした。「洗濯の必要がない」「取り替えがラク」「衛生面を考えて使い捨てが良い」という理由で紙タイプが選ばれたようです。また、自宅では布タイプを使用し、お出かけの際は紙タイプにして使い分けているママもいました。 選ぶ際に重視したポイントは以下のようなアンケート結果になりました。 毎日使用するものだからこそ、やはり“低コスト”に抑えたいですよね。乳首を守るという機能も欠かせないので、“肌触り”も重要になってきます。「母乳パッド」がズレて下着に母乳が漏れてしまった……なんて事態になると元も子もないので、“ズレにくい”ことも重要なポイント。 先輩ママに人気の「母乳パッド」TOP3先輩ママへのアンケート調査結果をもとに、とくに人気だった「母乳パッド」をご紹介します。 dacco 母乳パッド マミーパット助産師さんとママの声から生まれたブランド・daccoの「母乳パッド マミーパット」。下着からはみ出ないサイドカット形状で、長い4本のテープで下着にしっかり固定できる母乳パッドです。 ピジョン 母乳パッド フィットアップ プレミアムケアピジョンの「母乳パッド フィットアップ プレミアムケア」は、中心部はふわふわで、敏感な肌にやさしい肌触り。かゆみを感じやすい方、肌荒れしやすい方にも◎。乳首がデリケートなママや、はじめてのママに特におすすめの、プレミアム品質の母乳パッドです。 ピジョン 母乳パッド フィットアップたくさんのママから支持されたのは、ピジョンの「母乳パッドフィットアップ」。クッション性がある立体的なカップシートがおっぱいを包み込み、母乳を吸収してくれます。 初めはあまり母乳が出ず、「母乳パッドは必要ない」と感じるかもしれません。それでも、赤ちゃんのおっぱいを吸う力が強くなり、母乳をしっかり飲んでくれるようになると、母乳の分泌量が増えたというケースもあります。念のため、妊娠中に1つ用意しておくと安心ですね。ぜひ先輩ママの口コミを参考に、ご自身に合った母乳パッドを選んでみてください。 <調査概要>調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」のサービスを利用された方調査期間:2019年6月9日(日)~2019年6月10日(月)調査件数:2,306件 監修者:助産師 保健師・看護師・アドバンス助産師(※) 高塚あきこ都内の看護大学にて保健師・助産師・看護師の資格を取得。大学卒業後、大学附属病院の総合周産期母子医療センターにて、助産師として妊娠期から産後のケア、新生児のケアに携わる。9年程勤務した後、出産を機に、横浜市内の総合病院の産婦人科病棟にて勤務し、母子のケアをおこなっている。現在、自身も3人の子の育児に日々奮闘中。※アドバンス助産師とは、日本助産評価機構より自律して助産ケアを実践できると認証された助産師の呼称です。
2019年06月19日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんからメッセージです。 こんにちは。助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本です。 授乳期間は、おっぱいに関する様々なトラブルや「これでいいのかな?」という不安もいっぱいな時期です。 母乳育児がラクになるように、母乳外来を利用してみましょう。 母乳外来はどんなときに利用するの?一般的に、母乳外来というと、乳腺炎などのおっぱいのトラブル発生時に受診するイメージがあると思います。 そのほかにも、・母乳分泌を増やしたい・授乳姿勢がうまくできない・赤ちゃんがおっぱいを吸ってくれない・母乳が足りているか心配・赤ちゃんの体重が増えているか心配・混合栄養でミルクをどのくらい足したらいいの?・母乳分泌が多すぎて困っている・卒乳や断乳時のケアなど、たくさんの相談ができます。 不安を解消することで、精神的なサポートが受けられ、母乳育児がよりラクになっていきます。 母乳外来にはどのようなものがある?■産婦人科クリニックや総合病院出産した病院であれば受診しやすいですし、乳腺炎などのときも医師の診察や処方などもしてもらえます。病院によっては、授乳姿勢チェックや体重測定、母乳相談のみで乳房マッサージは実施していない場合や、出産した方限定で受診できる場合、また受診できる曜日・対象月齢などの制限があるところもありますので、事前の確認が必要です。 ■助産院お産のイメージが強いですが、分娩だけでなく母乳相談ができるところも多くあります。助産院で出産されていなくても、母乳外来は受診できることもあります。また、出張訪問もしているところもあるようです。 ■母乳相談室地域で母乳相談を専門として開業しています。来院型や訪問型のタイプがあります。おっぱいマッサージやケアの理論など、専門の知識をもった助産師が開業しています。桶谷式母乳育児、堤式乳房マッサージ、国際ラクテーションコンサルタントも、母乳育児のケア専門家の資格のひとつです。 日本助産師会のホームページから、全国の開業助産師の一覧を検索できます。 気になる料金は?母乳外来は、一般的に相談する場所であって、病気を治療する場所ではありません。そのため、母乳外来でかかる診察料は保険適用外になり、病院であっても全額自己負担になります。 比較的、病院の母乳外来のほうが安い傾向があります。費用は施設によって異なりますが、初診で5,000~7,000円程度、再診で3,000~5,000円程度かかります。また、診察料とは別に、乳房マッサージに料金がかかる場合もあります。助産院や開業助産師の母乳相談室の料金は、助産師業務料金参考表(平成29年9月改定 乳房管理指導料7000円以上)に基づき設定しています。施設によって料金には差があるようです。 訪問型は、交通費などが別途かかることが多いです。実際に母乳外来に訪れる前に料金の詳細について問い合わせてみることをおすすめします。領収書はかならずもらいましょう。 乳腺炎などの乳房トラブルでの受診など、場合によっては医療費控除の対象となる可能性があります。また、自治体によっては母乳外来でかかった料金を一部補助してくれることがあります。 母乳外来は来院型と訪問型、どちらが良い?赤ちゃんを連れての移動は、月齢が浅いと大変です。ご家族の方に送り迎えをお願いしたり、タクシーなどを利用されたりする方が多いです。 特に新生児期は訪問型をおすすめします。ただ、おうちに訪問されることに抵抗を感じる方にとっては、来院型のほうが良いかもしれません。料金も安くなります。しかし、交通費がかかり思わぬ出費があることもあり、訪問型のほうが反対に出費を抑えられる場合もあります。お子さんの月齢やお母さんの体調、母乳外来場所との距離、家族の送迎など、トータルで検討されるとよいと思います。 母乳外来を選ぶ基準は、口コミだけでなく助産師との相性もあると思います。セカンドオピニオンも有効的です。 地域や病院では、母乳育児を支援している助産師がいます。母乳育児をラクにできるように、ぜひ活用してみてくださいね。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年06月16日出産後2日程は助産師さんのすすめもあり、乳頭保護器を使用せずに直接授乳しました。しかし、授乳しているという喜びを噛み締めたのも束の間、2日目には乳首は傷ついてしまいました。授乳時の痛みがどんどん増していくのに加え、乳首にうまく吸いつけない娘。そのため産後3日目から乳頭保護器を使用した体験談をお伝えします。 乳頭保護器を使ってみて…私は産院でも使用しているという、メデラの乳頭保護器「ニップルシールド」を購入しました。まず娘が保護器に吸い付いてくれるか心配でしたが、嫌がらなかったのでよかったです。しかし新生児の力では、乳頭保護器のついた乳首から母乳を飲むことは難しいようで、娘自身も慣れて満足に飲めるまで少し時間がかかりました。 その間に私の少し短い乳首も乳頭保護器によって引き伸ばされ、傷も深くなることなくきれいに治り、徐々にお互いがストレスなく授乳することができるようになりました。 使用の際に大変だったこと新生児のころは授乳時の動きも少なく、スムーズに娘の口にくわえさせることができていましたが、少し動けるようになってくると乳首を探す動きを片方の手で押さえ、もう片方の手で乳頭保護器を押さえるという作業が必要でした。 娘の動きによって、せっかく消毒した乳頭保護器を床に落としてしまったり、ぴったり肌に密着するものではないので、スムーズにいかないときは手こずってしまいました。 乳頭保護器のやめどき乳頭保護器を使った授乳をしていた私でしたが、娘が生後1カ月半ごろに1度、直接授乳をしてみました。また傷ができるかもと心配でしたが、くわえさせてみると吸いつかないのです。乳頭保護器を付けると吸い付くのに……。そのときは、「まだ保護器が必要なのだ」と諦めました。 次の授乳時に、くわえる練習として乳頭保護器だけを最初にくわえさせ、すぐに直接乳首をくわえさせるという方法を試しました。すると、うまく吸い付くことができ、直接授乳に成功! 痛みも軽減していたのでよかったです。 気持ちに余裕があるときは乳頭保護器なしで授乳することにしていました。しかし、だんだんと生後2カ月には直接乳首からしっかり飲むことができるようになり、乳頭保護器を卒業しました。 乳頭保護器を使用することによって、乳首の痛みや傷にほとんど悩まされることなく授乳することができたのでよかったと思っています。乳頭保護器を卒業した現在も、乳首の痛みや傷は問題なく、娘の哺乳量も十分与えることができています。著者:上田かんな0歳の娘を育てている、理学療法士。写真を撮ることが好き。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2019年06月16日私が出産をした産院は、母乳育児を推進しているところ。そこでは、赤ちゃんに湯冷ましを飲ませる必要はないと教わりました。ところが同居する義母は真逆のことを言います。今回は、この体験を通じて感じた、湯冷ましの必要性についてお伝えします。 世代で育児方針が異なることをわかって!入浴後や汗ばむ季節など、どんなときでもおっぱいだけ飲ませればいい。そう産院で教わり、自宅へ帰った私に、同居する義母は「のどが渇いているんじゃない? 湯冷ましをあげたら?」と言います。 私はおっぱいしかあげたことがないことを伝えたのですが、「飲ませてみたらいいのよ」と義母。育児に口出しをしてくる義母に正直イライラしてしまったことを覚えています。世代で育児方針が異なることをわかってほしい。そういった気持ちでした。 義母が湯冷ましをあげていた!ある日、わが子を義母に預けて外出していた日がありました。お風呂の時間には帰宅する予定だったのですが、帰ってみると入浴を済ませてくれていたんです。とても助かったのですが、私の目に飛び込んできたのが「哺乳瓶に入った湯冷まし」です。「えっ……勝手に飲ませてるの?」とびっくりしすぎて声になりませんでした。 義母からしたら入浴後の湯冷ましは、当たり前のことなのでしょう。ただ、義母は湯冷ましを与えようとしたようですが、おっぱいしか口にしたことのないわが子は嫌がって飲まなかったようでした。 母乳外来で聞いた水分補給の話そんな義母とのやりとりもあって、私は改めて母乳外来で湯冷ましの必要性について相談してみました。すると、母乳育児の場合は離乳食が始まるころまで、おっぱいだけでもOKとのこと。ミルク育児の場合は、湯冷ましを与えても飲ませ過ぎない程度であればOKだと聞きました。 入浴後であれば水分補給に1回30~50ml程度。1歳6カ月ごろでも1回に100mlまでにし、飲ませても1日に200~300mlが目安だと教わりました。 義母の言うことが100%間違っているとは言えません。実際に、夫は元気に育っていますからね。でも、自分がおこないたい育児方針を否定されると嫌な気持ちになってしまいます。今は一旦義母の話を聞いておいて、取り入れるかどうかは自分で決めるなど、ある程度割り切って義母と付き合うようにしています。 イラスト:sawawa著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年06月14日こんにちは。助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本です。 今回は、赤ちゃんの頭が変形している? と心配されるお母さんへ。頭の変形を予防する方法についてお話ししていきます。 赤ちゃんの頭は柔らかい?赤ちゃんの頭は5枚の骨でできていて、大泉門という隙間があいています。これはお産のときに、頭を小さくしてせまい骨盤を通るために大切な形状です。また、この構造は、脳が成長するためにも必要です。 ひし形の隙間である大泉門が縮小し始めるのは生後10カ月~1歳2、3カ月で、1歳6カ月ごろに閉じてくるといわれています。頭の形を改善するためには、大泉門が閉じてくる、このころまでが大切です。 頭の変形を予防するには?首すわりや寝返りをする前頭の一辺がへこんだタイプにオススメ・抱っこや授乳の頭の方向を時々変えてみる・同じ方向を向かないように頭の向きを変える・明るいほうや音のなるほうを向くことが多いので、寝かせる場所を変える・興味のあるおもちゃを置く位置を変える 頭の後頭部が平らな(絶壁)タイプにオススメ・背中に薄いクッションやタオルを入れてやや横向きにする・ドーナツ枕(あまり効果はないとされています)・首枕をする(後頭部の首の隙間にタオルなどを丸めて入れる)。商品化しているものもあります※上から見て頭が縦に長いタイプにもオススメです 寝返りやおすわり、はいはいが始まったらどのタイプにも共通・日中の活動量を増やしてみる(横になっている時間を減らす)・うつ伏せの状態や座位での遊びを一緒にしてみる 遺伝的要素も大きい?頭の形が変形していると、心配になってしまいますよね。1歳ごろになると、仰向きや横になっていることが少なくなり、頭が圧迫される時間は自然に減っていきます。自然に丸くなってくることがほとんどですので、あまり心配し過ぎないようにしてくださいね。 1歳を過ぎても、変形が強い場合にはヘルメットなどを使用した治療が行われることもあります。最終的な頭の形は、遺伝的要素が影響するといわれています。 頭の変形は、頭蓋骨の圧迫によって起こるので、比較的よく眠ってくれる赤ちゃんに多くみられます。SIDS(乳幼児突然死症候群)予防でうつぶせ寝を避けるようになったために、頭の変形がみられる赤ちゃんが増えてきたといわれています。早めに予防することがオススメですが、自然に改善されていくこともあるので、心配し過ぎないことが大切です。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年06月10日赤ちゃんが生まれたら、母乳育児で頑張ろうと意気込んでいた私。出産前から母乳を出しやすくするというおっぱいマッサージをする、食事に気をつかうなど、できることはしていたつもりでしたが、現実はそううまくいきませんでした。入院中、必死で母乳をあげ続けていた私が、言われてショックだった・悲しかった言葉です。 母乳育児への憧れ私はもともと母乳育児に憧れを抱いており、妊娠中に読んだ育児雑誌で母乳の良さや便利さといったメリットを知ると、ますますその憧れが強くなりました。 妊娠がわかってからは、産院で教わった母乳が出やすくなるというおっぱいマッサージをし、準備は万端。幸いにもおなかが張りにくい体質だったので、マッサージを毎日のようにおこなうことができましたし、出産前から食事にも気をつけ、母乳が出ると信じて疑いませんでした。 最初からミルクしかし、分娩中に異常があり、緊急帝王切開になったので、わが子が最初に口にしたのは粉ミルク。仕方ないとわかっていながらも、母乳育児に幻想ともいえるほど憧れを抱いていたので、それもショックでした。 わが子が部屋に来てからも、不慣れなことと体の疲れで授乳がうまくいかず、泣かせっぱなし。出なくてもおっぱいを吸わせないとますます母乳が出にくくなると聞いていたので、なるべくミルクは足さず、泣くたびに吸わせていました。 助産師さんのひと言が…授乳を始めてまだ4日目くらいだったと思いますが、乳首が切れて血がにじむようになってしまいました。なかなか母乳が出ないこと、そのせいでわが子がずっと泣いていること、おっぱいが痛いことなどで、こっちのほうが泣きたい気持ちに……。 部屋にきた助産師さんに相談すると、「どのくらいの頻度で授乳しているんですか」と聞かれました。「泣き止まないので、30分おきくらい……」と答えると、助産師さんはあきれ果てたという顔で「そんなことしてるからですよ。当たり前です。ミルクを足してください」と言い、出ていきました。悲しいのと悔しいのとで、泣きました。 当時の私にとっては母乳が出ないことは一大事で、とてもショックなひと言でした。しかし、不思議なのですが退院すると入院中の苦労が嘘のように母乳がたくさん出るようになり、それからはミルクを足さなくてもおなかいっぱい飲ませることができるようになりました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:ライター 銀鏡あゆみ二児の母。生まれ育った町で、自身の父母・祖母・夫・子ども2人との大家族で暮らす。地元を中心に取材・撮影・執筆を行うライター。
2019年06月10日初めての出産を経験した後、父親からの何気ない一言にどん底に陥ってしまった私。母乳がうまく出ないことがきっかけで、慣れない育児に輪をかけるように悩みが積もっていった私のエピソードをお伝えします。 うまくいくと思っていた初めての育児私は器用なタイプだったので、これまでの人生で特に苦労した経験がありませんでした。悩みもすぐに解決できるほうで、ポジティブな性格。そのせいか、初めての育児を経験する前からなぜか自信たっぷりで、「育児なんて簡単だろう」ぐらいの気持ちでいたのです。 しかし第1子を出産後、病院で初めておこなったおむつ替え、沐浴指導、夜中に泣き出す長男と向き合うなかで、お見舞いに来てくれる家族や友人の何気ない言葉が棘のように感じることがありました。特に「母乳はどうなの?」という言葉には痛いところを突かれるような気分になっていったのです。 母乳が出ない… 病院にいる間は助産師さんに言われた通り、できる限り母乳を飲ませるようにしていたのですが、コツが掴めず乳首はボロボロに……。痛みで母乳をあげるのもためらうほどでした。 それでも、乳首に馬油を塗ったりして、退院後も痛みに耐えながら母乳をあげ続けました。しかし長男はおっぱいを吸わせてもすぐに泣き出し、足りない分をミルクで足すしかなかったのです。 試しに搾乳を試みたものの、頑張って30分搾っても10ml程度。母乳が出ないことが情けなくて、泣いているわが子を抱きしめ「こんなママでごめんね」と呟くこともありました。 父親の何気ない一言でどん底へ母乳が出るためにはどうすればいいのか、ネットで調べたり育児本を読んだりしたのですが、どれも効果なし。そんなある日、昼食でなかなか箸が進まない私を見兼ねた父親が「ちゃんと食べないから母乳が出ないんだよ」と呟いたのです。 きっと、本人は軽く呟いただけたったのでしょうが、私にとってその言葉は重くのしかかりました。とっさに、母乳育児のために読んでいた本をテーブルの下に隠しました。そのとき、私はまさにどん底に陥ってしまったのです。ひとりになると耐えきれず、声を抑えながら涙しました。 その後、1番の相談役であった母に母乳が出ないことで悩んでいると泣きながら打ち明けると、「私もそうだったんだよ。でもあなたたちはミルクでも立派に育ってるじゃない」と言われました。その言葉に胸がスーッと晴れ、「母乳が出ないことは悪いことではない」と、気持ちがラクになったのです。私をどん底から救ってくれた母親には、感謝してもしきれません。著者:堀江ゆうき二男の母。現在第三子を妊娠中。現在はフリーランスとして育児をしながら、体験談・出産・妊娠についての記事を執筆。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年06月07日私は母乳育児を推奨している産院で出産しました。今日は、私が母乳育児をしてみて、よかったことと困ったことをお伝えしたいと思います。 母乳育児推奨の産院での出産私が出産した産院は母乳育児を推奨していました。健診のときには、母乳外来というものがあり、問診や乳房のチェックなどがありました。また、母乳育児についての勉強会もあり、出産前から完全母乳で育てる気持ちになっていました。 先に出産した友人から、母乳があまり出ないうちは、泣いてグズる赤ちゃんとの母子同室がつらいという話を聞き、少し不安な気持ちもありました。 母乳育児でよかったこと産後の入院中は溢れるくらいに母乳が出て困ることがなかった私は、退院後も母乳がよく出て、ミルクを足さなくてもいいくらい。ミルクを作るには、哺乳瓶などの消毒やミルクを作る手間も必要ですが、母乳だと飲ませるだけなので、ミルク育児に比べてとても楽でした。 産院では、母乳で育った子どもは風邪を引きにくいという話も聞いていましたが、母乳の影響なのか、わが子も風邪はほとんど引きませんでした。 母乳育児で困ったこと母乳育児で困ったことは、私が熱を出したとき。このときだけミルクを飲ませようとしましたが、母乳に慣れてしまっていた息子はまったく飲みませんでした。 カップで飲ませてみたり、スプーンで飲ませてみたりしましたが、どうやっても飲まず、泣いて開けている口に流し込むことしかできずにとても困りました。少しだけでもミルクを飲ませて慣れさせておくべきだったと思っています。 完全母乳を目指すママが多いとは思いますが、こだわりすぎるとストレスにもなります。赤ちゃんとママに合わせて無理のない範囲でミルクを足すなど、柔軟に考えられたらいいですね。著者:藤川智子結婚前は小学校教員、現在は幼児への音楽教育を指導している音楽ママ。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年06月05日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんからメッセージです。 こんにちは。助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本です。 母乳をあげていると、虫歯になりやすいといわれていますが、本当でしょうか?歯が生えてきても、安心して母乳育児が続けられるように、ラクに虫歯予防できる方法をお話しします。 母乳は虫歯の原因になる?母乳相談の中に、お子さんに虫歯ができて、母乳のせいだからと歯科医に断乳をすすめられたというお話がありました。母乳が虫歯の原因なのでしょうか? 実は、母乳に含まれている乳糖からは、虫歯の原因となる酸は生成しないといわれています。 しかし、離乳食が始まり、食物の残りカスなどに母乳の乳糖が混じると、急に虫歯のリスクが上がってきます。母乳だけでは、0.01%だった虫歯のリスクが、食物の糖分(しょ糖)が加わると、1.3%になったという研究データがあります。特に睡眠中に、口腔内は虫歯になりやすい環境になるため、寝る前はしっかり食物のカスを残さないようにしてから授乳することが大切です。 虫歯になりにくいお口の環境をつくろう・普段からの甘いものに気をつけよう 市販のお菓子やジュースなどは、赤ちゃん用であっても砂糖の入っているものが多くあります。しかし、おやつ(間食)はお子さんの楽しみだったり、栄養の補足のためには必要なことも。市販のお菓子やジュースを与える場合は、砂糖不使用のものや、できるだけ糖分の少ないものを選ぶようにしましょう。 ・歯に食べカスを残さないように食事やおやつ(間食)の最後にお茶や白湯を飲んで洗い流すようにしましょう ・ずっと食べ続けない口の中のPHは、食事が始まると食べ物に含まれるしょ糖によって酸性に傾き、虫歯になりやすい環境になります。そして、食事の時間の合間に修復されます。食事やおやつ(間食)は時間を決めてダラダラと食べないようにすることが大切です。 効率的な歯みがきで時短テクニック寝ている時間は唾液の分泌が減るため、口腔内が虫歯になりやすい環境になってしまいます。寝る前の歯みがきが1番重要で、1日1回、この時間の歯みがきだけでも十分とされています。 歯みがきを嫌がる赤ちゃんの場合、お互いに憂鬱な時間になってしまうこともあるかもしれませんが、虫歯のリスクが高い部位を知って効率的に歯磨きをしてあげましょう。 【虫歯のリスクの高い部位ランキング】1位…上の前歯 (上唇を持ち上げて表裏を横磨きしましょう)2位…上の奥歯のほっぺた側(指を入れて広げて横磨きしましょう)3位…下の奥歯の舌側 下の歯は最初に生えてくるので、ついつい先に磨きがちですが、唾液などで虫歯になりにくいので、最後にするようにしましょう。 歯医者さんにいって虫歯予防歯が一本でも生えてきたら、小児歯科のあるところで健診を受けてみましょう。お子さんの対応に慣れている医師や歯科衛生士が子どもの歯の健康をサポートしてくれます。 最初は泣いてしまう子も多いですが、お母さんと一緒だから大丈夫。口をあーんとあけることに慣れることも大切です。 歯医者さんを身近に感じることが虫歯予防のひとつになります。また、お子さんの個性や歯の生え方に合わせた歯みがきのアドバイスを受けたり、定期的にフッ素を塗ってもらうことで、歯も虫歯に強くなります。 母乳育児は、顎の発達を良好にし、歯並びを良くするといわれています。歯が生え始めても、離乳食が完了するまでは出来るだけ長く母乳育児は続けていくことが大切です。今回は、母乳育児の視点から虫歯予防のお話をしましたが、ミルクで育っているお子さんでも共通することです。お母さんやお父さんも一緒に虫歯予防をして、小さいころから習慣をつけるようにしましょう。※引用・参考文献母乳育児支援を学ぶ北関東教室2016 資料集青葉達夫「長期授乳のための歯・口腔の衛生について」 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年06月03日こんにちは。助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本です。今回は育児でストレスや疲労がたまってしまってつらいお母さんたちに、少しでもラクになれる方法や相談場所などをお伝えします。 自分の怒りをコントロールしてみよう育児のイライラやストレスの原因は、子どもそのものよりも、夫や家族への不満であることが多いといわれています。もっとサポートしてほしい、理解してほしいという気持ちを話し合える環境ができると良いですね。 イライラしてしまう、お子さんにあたってしまいそうなときは、まずは少し離れて目を閉じて6秒我慢し深呼吸しましょう。怒りのピークは6秒。ここを我慢すると落ち着いてきます。 それでもお子さんにあたってしまいそう・叩いてしまいそうなときは以下のことをするとアンガーマネージメント(怒りを抑える)できるといわれています。 【怒りが収まる行動】・手を繋ぐ・抱きしめる・キスをする・愛称で呼ぶ(かわい子ちゃん、こまったちゃん、元気ちゃん、頑固ちゃん、ラブちゃんなど) 誰かに相談してみよう赤ちゃんのことや育児のこと不安や心配があったら誰かに相談してみましょう。 私自身も、母乳相談室を開業していて、母乳だけではなく、様々な育児相談を受けます。定期的に訪問することで、不安が軽減や育児の自信がつくようにサポートしています。専門家に聞いたり、なかなか話しにくいときも匿名で相談できるところもあります。話をするだけでも負担が少し減ることもあります。 【相談できる場所の例】・出産した病院(産後1カ月ごろまで)・保健センター・子育て支援センター・ベビーカレンダー〈助産師に相談コーナー〉・地域の開業助産師・日本子どもの虐待防止ネットワーク(メール相談も可)・子どもの虐待防止センター・子育て・女性健康支援センター 赤ちゃんと一緒に出かけてみよう家にいると孤独を感じたり、赤ちゃんとの生活にイライラしてしまうことも。赤ちゃんのためでなく、お母さんのためにも、一緒に出かけて参加してみましょう。 おすすめなのは、子育て支援センターです。全国にあり、保育園や公民館に併設されています。お住まいの地域のホームページや保健センターなどで調べてみましょう。様々な無料のイベントのお知らせやママサークルの紹介もあります。 また、ベビーマッサージ、ベビースイミングなど、赤ちゃんとできる習い事も良いかもしれません。 赤ちゃんと一緒にバランスボールを使ったエクササイズをするマドレボニータ協会もおすすめです。体の回復だけではなく、お母さん同士のコミュニケーションを通して心の回復も促進します。産後ケアサービスを活用してみようベビーシッターや一時預かりなどを利用して、リフレッシュしましょう。お住まいの地域の保健センターでご相談されると紹介してもらえますよ。 そのほかには、産後間もないときであれば、産後ケア入院できる施設が全国にあります。産後おうちではサポートが受けられない方が入院して育児のお手伝いや母乳育児の支援をしてもらえます。高額の施設もありますが、自治体によっては、助成金が出ることもあります。 お家でのサポートをご希望の方は、産後ドゥーラがあります。母子に寄り添い、自宅に出張して日常生活(育児や家事・食事)のサポートをしてもらえます。 産後の育児のつらいとき、家族だけでなく周りにはサポートしてくれるところがたくさんあります。お母さんは完璧でなくても大丈夫。周りの手を借りながら育児をしていくようにしましょう。私たち、ベビーカレンダースタッフもお手伝いさせていただきます。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年05月29日こんにちは! 助産師のREIKOです。赤ちゃんが生まれたら、「できれば」母乳で育てたいというママは多くいらっしゃると思います。しかし、実際に赤ちゃんが生まれて授乳が始まったら、「こんなはずじゃなかった……」「授乳指導、超スパルタ!」なんて感じることも多いようです。そこで今回は、ママがそのように感じてしまう要因についてお話ししたいと思います。 「できれば」母乳のすれ違い私が働いていた病院は、母乳育児を推進していて、母親学級でも母乳育児に関する内容がしっかり組み込まれていました。また、お産前には、ママたちに授乳方針を確認して、その希望に沿うように指導がおこなわれていました。 実際、出産前から「”完全母乳”で!」というママは少数派で、「”できれば”母乳で」というママが大多数でした。この「できれば」という言葉の認識が、母乳育児を希望するママと助産師で違うことによって、すれ違いが起きてしまうのではないかと私は思います。 「できれば」母乳で育てたいママたちの大半は、「無理のない程度に頑張って、母乳が出たら母乳で……」というニュアンスのほうが多いのではないでしょうか。しかし、助産師はスタートが肝心!と母乳育児を確立すべく、指導を開始します。 お産の疲れを癒す間もなく始まる授乳指導、そしてその内容にママたちは「こんなはずじゃなかった……」「授乳指導、超スパルタ!」と感じてしまうのではないでしょうか? さまざまな「こんなはずじゃなかった……」母乳育児を希望していたママにとって、こんなはずじゃなかった……と思うことはたくさんあると思います。 赤ちゃんが寝ない、泣いてばかりいるおっぱいを飲ませたから、このあとはぐっすり寝てくれるかな……なんて思って、ベッドに寝かせたら赤ちゃんが泣き出したということも多々あります。つい最近までママのおなかの中にいた赤ちゃんは、常にママと一緒。動いているときのほうが多かったかもしれません。しかも、せまくて温かいおなかの中。でも、赤ちゃんのベッドはどうでしょう? 何かが違う!って赤ちゃんもわかるのではないでしょうか。 また、赤ちゃんが生まれて、意外と夜行性なのにも驚かれると思います。それは夜のほうが母乳分泌に関係するホルモンがよく出るため、夜赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらうことで、さらに母乳がよく出るようになるということも。そのため、出産近くになると、夜中に赤ちゃんが動く頻度が多くなって、ママの身体をを夜型にする……なんて話もあります。 飲ませたばかりなのにすぐおっぱいを欲しがるさっきおっぱいを飲ませたばかりなのに、赤ちゃんがまた欲しがるということも多々あります。生まれたばかりの赤ちゃんの胃の大きさはビー玉くらい。加えて母乳はミルクに比べて消化が早いので、1~2時間おきのペースになることが多いです。 おっぱいが痛い最初は慣れない者同士。じょうずにおっぱいを含ませることも、含むこともできないということがあります。それによって、痛みが生じます。赤ちゃんがママの乳首を深く含めないことで、傷ができてしまうこともあります。 産後、数日するとおっぱいが張ってつらい思いをする方もいらっしゃいます。そのときのおっぱいマッサージは激痛だったという感想を持つ方も多いのですが、本来おっぱいマッサージは痛くないんですよ。 きっとこれ以外にも、こんなはずじゃなかった……と思うことがあると思います。出産の疲れも癒えないうちに、赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけおっぱいを飲ませる……。たしかにしんどいですよね。しかし、その指導の裏には、お産後のママのホルモンの変化と密接な関係があったんです。 まだおっぱいが出ていないのに、赤ちゃんに吸わせる理由は?出産後、すぐ母乳が出るようになると思っている方も多いのではないでしょうか? 出産後は、ほんのにじむ程度という方がほとんどです。それなのに助産師は、「赤ちゃんが欲しがるときにおっぱいを吸わせましょう」「1日8回以上、赤ちゃんにおっぱいをあげましょう」という指導をします。 それにはママのホルモンである「プロラクチン」が深く関係しています。プロラクチンは、母乳分泌を開始させ、分泌を維持させる働きのあるホルモンです。プロラクチンの濃度はお産直後に最高になり、徐々に低下していくのですが、赤ちゃんがおっぱいを吸うたびに濃度が上昇します。 授乳をしないと2週間で妊娠前の濃度にまで戻ってしまうといわれていて、赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらう回数が多いほうがプロラクチンの濃度が高くなります。また、1日に8回以上おっぱいを吸ってもらっていると、次の授乳までにプロラクチンの濃度が下がるのを防げるともいわれています。 頻回授乳じゃ寝不足になる!?母乳がまだにじむ程度しか出ていないのに、赤ちゃんが生まれてすぐ授乳をしたり、出産の疲れも癒えないうちに母児同室が始まり、赤ちゃんが欲しいときに授乳する頻回授乳をおこなったりするのには、ほかにも理由があります。 それは、授乳にかかわるもう1つのホルモン「オキシトシン」です。オキシトシンは、母乳が作られるのを維持したり、赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激に対して、母乳を出す射乳反射を起こすホルモンです。 お産直後にママと赤ちゃんが触れ合う早期接触の際に、おっぱいを吸ってもらうと、ママのオキシトシン濃度は急上昇する一方、何もしないと1時間以内に元の濃度に戻ってしまいます。ですので、生まれたばかりの赤ちゃんも出生後2時間を過ぎると眠りに入ってしまうことが多いため、遅くともお産後2時間以内にはママのおっぱいを赤ちゃんに吸ってもらうようにしているんですよ。 また、オキシトシンには、射乳反射を促すだけでなく、鎮静作用もあります。そのため、ママが細切れ睡眠になっても、短時間で休養できるよう働いてくれるんです。それでもやっぱり最初は、睡眠不足との闘いかもしれません。 意外と指導する側は気付いていないかも……これは私が働いていた病院のことなのですべての施設に当てはまることではありませんが、母乳育児を推進していたとはいえ、助産師によって熱意はさまざまだったように思います。それでも、「ここの病院はスパルタだって聞いた」というお話をされたママも何人かいらっしゃいました。 たしかに母乳育児希望のママには、赤ちゃんが欲しがるだけ、1日に8回以上……といった指導はしていましたが、ママが希望すれば赤ちゃんを新生児室で預かることも、状況に合わせてミルクを足すこともできたので、スパルタという話を聞いたときは正直驚きました。意外と指導している側にはスパルタという自覚はないんです。 残念ながら、母乳は赤ちゃんを産んですぐに出るというものではなく、ママの頑張りも必要になってきます。でも、頑張り過ぎる必要はないし、ママがつらい、苦痛だと思いながらの授乳は続かないと私は思っています。 母乳育児が確立するには時間がかかります。ママの心と体と相談しつつ、休憩したり、ミルクを足したりしてもいいと思います。ママが笑顔で赤ちゃんに接することができる……それが一番だと思いますよ。 イラスト:sawawa 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2019年05月21日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、助産師・おむつなし育児アドバイザーの榎本さんからメッセージです。 こんにちは。助産師・おむつなし育児アドバイザーの榎本です。 今回はおむつなし育児で、トイレやおまるでうんちやおしっこができるまでの、3つのステップについてお話していきます。おむつなし育児をしているとトイレトレーニングがスムーズに進みやすいといわれています。今トイレトレーニングを始めようとしている方へも何かのヒントになるかもしれません。 トイレやおまるでするためのSTEP1ジャーっと出して、うんちやおしっこが体から出ていることを五感を使って認識する 「ためて一度に出す」という排泄コントロールの感覚が育つには、うんちやおしっこが体から出ている事実を、脳が五感(目、肌、耳、鼻)を使って認識することが必要です。 それには、うんちやおしっこが体から出ていることが認識しやすい服装(布おむつ、布パンツなど)で過ごす時間をつくってあげます。トイレトレーニング用のパンツやおむつ、おしっこパッドなどでも良いのですが、ジャーっと太ももまで濡れないと分かりづらいお子さんもいるようです。 一日中が難しければ一定の時間(15〜30分)や、漏らされても気にならない場所(フローリングや子ども用フロアマット、屋外、お風呂場など)で、布おむつや布パンツで過ごす時間をつくってあげます。 トイレやおまるでするためのSTEP2「しーしー」という言葉がけで、おむつの外でするという排泄感覚を取り戻す 生まれてからずっとおむつの中で排泄してきた赤ちゃんは、おむつの外でするという感覚を取り戻す必要があります。その合図は、「しーしー」という言葉がけです。 この「しーしー」は、水を連想させて膀胱の筋肉を緩ませます。おしっこをしそうなサインがあったり、おしっこをすでにしていたら、「しーしー」という合図を出してあげることを何度も繰り返しているうちに、合図とおしっこが連動していることを理解できるようになります。 トイレに一緒に行って、大人がおしっこをしているところをみせるのも効果的です。ここのステップ2に時間がかかる子もいるので、焦りは禁物です。 トイレやおまるでするためのSTEP3おまるやトイレという決まった場所で排泄するという社会的ルールを学習する おしっこやうんちをしたそうなときがわかるようになってきたら、おまるやトイレに誘ってみましょう。大人がトイレに行きたいときに、一緒に誘ってみるのも良いですよ。 おまるやトイレを嫌がる場合は無理強いせず、まずはおむつをつけたまま、おまるやトイレに座らせて慣らしていきましょう。リラックスして、楽しい時間になるように絵本やおもちゃ、手遊びや歌を歌ってあげるのも効果的です。会話ができるくらいの年齢でしたら、「トイレやおまるをスタートする日」を話し合って子どもに決めさせてもいいでしょう。決めた日にスタートできなくても叱らずに、次の目標日を決めさせます。 3つのSTEPの進め方生まれてから1年以上、100%おむつの中で排泄してきた赤ちゃんは、「おむつの中でする」ということを強く学習している可能性が高いので、このSTEPを知っておくと便利です。2〜3歳を過ぎてから、トイレトレーニングを始める場合にもこのSTEPは役立つと思います。 逆に、生後6カ月未満の場合は、「おむつの中でする」ことを学習していないため、STEP1と2は自然にできるようになるので、1歳半〜2歳ごろになって自分で動けるようになったらSTEP3をするだけでトイトレをラクにすることができます。1日15〜30分のおむつなし時間を習慣づけることで、ラクにスムーズにトイトレができるようになるので、ぜひできるときからスタートしてみてください。 おむつなし育児は、親子のコミュニケーションのひとつとして楽しんでやることが大切です。焦らず、ゆっくりと、赤ちゃんの排泄に寄り添ってあげてくださいね。次回は、おむつなし育児の実践編です。 ※参考・「おむつなし育児アドバイザー養成講座テキスト」(おむつなし育児研究所) 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年05月11日完全母乳で育てた娘は、1歳を機に卒乳しました。母乳育児を終えてみて、振り返るといいこともたくさんありましたが、大変だったこともあります。今回は、子育て中の私が母乳育児で大変だったことを3つ紹介します。 【その1】言いようのない痛み! おっぱいトラブル授乳中のトラブルといえば、最もつらかったのは乳腺炎でした。ミルクは足さずに母乳一本だったので、授乳間隔が空いたり甘いものを食べすぎたりすると乳腺炎になったものです。キャベツ湿布で冷やしながら、とにかく母乳を飲んでもらうのが回復を早める一番の方法でした。 次につらかったのは、歯が生えてきたわが子に乳首を噛まれたときのことです。痛がるとふざけてまた噛んでくるので、鼻をつまんで口を離してもらうようにしていました。私は、乳首の傷を馬油でケアしていました。 【その2】意外に早かった生理再開。その影響で!?私は完全母乳でしたが、比較的早く、出産から半年ぐらいで生理が再開しました。 それ以降も月一で生理が来るようになり、生理前になるとなんとなく母乳の味が悪くなるのか、授乳中には娘もさえない反応をしていました。生理中はさらにおいしくないのか出が悪いのか、不機嫌そうに噛まれることもしばしば。授乳中は生理が来ないとよく聞きますが、個人差があるようです。 【その3】自分が病気になったときの授乳授乳中は体調を崩すことが少なかったのですが、あるとき感染性胃腸炎にかかってしまったことがあります。授乳は続けて大丈夫とのことだったので、普段通りに飲ませていましたが、やはり体がつらかったです。 また、逆流性食道炎にかかり、麻酔なしで胃カメラを飲んだこともありました。授乳中には麻酔がよくないとのことで、麻酔なしでおこないましたが、ちょっとつらい思いをしました。 以上、今思うと「よく頑張った!」と自分をほめてあげたくなった授乳中のエピソードでした。著者:山田孝子一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年05月07日