野田秀樹作・演出による、NODA・MAP第19回公演『エッグ』が公演中だ。本作は、好評を博した2012年初演作の再演。公演初日前の2月2日、ゲネプロが行われた。NODA・MAP第19回公演『エッグ』チケット情報野田作品らしく、時空間がマジカルに錯綜する本作。ドラマの発端は、改修工事中の劇場で、劇場案内係(野田秀樹)がみつけた、歌人で作家の寺山修司の未発表戯曲だ。これを、案内係と愛人関係にあるという劇場の芸術監督(野田の2役)が手に入れたことから、舞台上で、戯曲に綴られていた世界が展開する。それは、天才アスリート・安倍比羅夫(妻夫木聡)やベテランアスリート・粒来幸吉(仲村トオル)や平川(大倉孝二)ら、卵を用いた架空のスポーツ “エッグ”に情熱を傾ける男達と、彼らのチームのオーナー(秋山菜津子)、消田監督(橋爪功)、人気シンガーソングライター・苺イチエ(深津絵里)、苺の振付師・お床山(藤井隆)らの物語だ。軽妙でエッジの利いた野田の台詞、どこか切ない椎名林檎の音楽、カーテンやロッカーを効果的に用いた堀尾幸男の美術、洗練されたひびのこづえの衣裳、そして、初演以来変わらない個性豊かな豪華俳優陣の熱演によって、舞台はカラフルに躍動。彼らを通して、20世紀の大衆を熱狂させた“音楽”と“スポーツ”が、美しく輝かしい人生の応援歌であると同時に、洗脳や根性論やナショナリズムと隣り合わせであるという事実も、あぶり出される。物語はそれだけでは終わらない。芸術監督が「読み違えていた」と言い出すことから、ドラマの途中で何度も新たな情報が加わり、変更が施される。それは、人間の先入観への皮肉であり、また、改ざんが行われ続ける歴史への痛烈な眼差しでもある。真実が時に恣意的に歪められ、あるいは忘れられ、新たな神話が形成されていく中、人類は同じ過ちを、そうと気づかずに犯してきた。だが、忘れてはならないこともある、という作者の声が聞こえてくるようだ。「いつもデジャブ~」と歌う苺の声も意味深に響く。そうこうするうち、時代は、(本作初演ではまだ決定していなかった)2020年の東京五輪を見据えた現代、1965年の東京五輪、そして1940年の幻の東京五輪と遡りながら、ある葬り去られた過去へと到達するのだった……。粒来幸吉=円谷幸吉、安倍比羅夫=「裸足のアベベ」ことアベベ・ビキラなど、実在する人物を想わせる名を散りばめながら、野田は近代史の闇に迫る。その近代は、世界の知と富と権力が一部の人間に集中し、不都合な真実には蓋をして進み続けようとする現代と地続きだ。寺山の未発表戯曲の存在を含め、この劇はフィクションだが、だからこそ、そこには幾多の真実が煌めいている。本作は東京公演後の3月、パリ国立シャイヨー劇場で日本の劇団として33年ぶりに公演を行う。33年前に上演された作品は奇しくも寺山修司の『奴婢訓』だという。フランス公演後は3月26日(木)から4月8日(水)まで大阪・シアターBRAVA!、4月16日(木)から19日(日)まで福岡・北九州芸術劇場 大ホールでも上演。取材・文:高橋彩子
2015年02月09日「微妙なラインを狙う」。それは山崎貴監督が自身の映画作りのスタンスについて染谷将太に語った言葉だという。「誰もが楽しめる映画にしなくちゃいけないけど、その中にちゃんと『含ませたい』――」。染谷さんは山崎監督の発言の真意をこう説明する。エンターテイメント性とテーマ性のせめぎ合いの先に生まれる感動。それが『永遠の0』『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズなどを単なる興行的な大ヒットで終わらせない、心に残る作品にしてきた山崎監督の映画作りの極意と言えそうだ。もちろん監督が狙う“微妙なライン”がリアリティや感動を持ちうるかは、俳優陣の演技に依るところが大きい。映画『寄生獣』において、主演という立場でその重責を担ったのが染谷将太。そして、彼が演じた物語の中で移ろい、徐々に変化していく主人公の輪郭を浮き彫りにする“リトマス試験紙”とも言える立場のヒロインを演じたのが橋本愛だ。原作は「伝説的」という枕詞が決して大げさではない岩明均の人気漫画。長く映画化の権利がハリウッドのスタジオに保持されていたこと、そして、それが実現に至らなかったことからも原作の魅力、そして映像化の難しさがうかがえる。突然、社会に入り込んできた、人間の脳に寄生し人間を食料にして生きる謎の生物たち。新一は間一髪、脳を奪われるのを回避するが右手に寄生されてしまう。“ミギー”を自称するこの奇妙な“侵略者”と共存しつつ、社会に潜む寄生生物たちと戦うことに…。連載が開始されたのは染谷さん、橋本さんが生まれる以前のこと。当然、2人とも連載当時の“熱”など知る由もないのだが、今回のオファーを受けて原作を読んで、文字通り、世代を超えて愛される理由を実感したようだ。染谷さんは言う。「人が食べられてしまうという作品は、ゾンビものなども含めたくさんありますけど、面白いと思ったのは根源にしっかりしたテーマが根付いているところと、ごく日常のレベルで誰しもが経験するような人間の関係性の中に寄生生物(パラサイト)が混ざり込んでいるという部分。首から上だけが寄生されていて、一見、普通の人間のようで、人が人を食べているように見えるというのも、ビジュアルとテーマが合っていて、よくできているなと思いました」。予告編映像でも、原作の冒頭と同様に「人間の数が半分になったら、燃やされる森の数も半分で済むのだろうか?」「人間の数が100分の1になったら、垂れ流される毒も100分の1になるのだろうか?」という独白が挿入されるが、橋本さんは、矛盾や愚かさを抱えて生きる人類の側面を描いている部分に言及する。「人間が愚かだという部分、そして、それを許容した人間賛歌として描いている二面性があって、こうしたテーマを、壮大なエンターテイメントの中に落とし込んでいて、すごいことを言ってるなと思いました」。それは、映画の中にもしっかりと刻み込まれている。橋本さんは、5割ほどCGが入った状態のラッシュ映像を目にしたときの衝撃を口にする。「まだ未完成の状態だったんですが、こっちはどうしても新一くんの心情に寄りながら観ているので、パラサイトの側を“悪者”と感じるんですが、随所でパラサイトの行動や言葉で自分が揺らいでいき『そうかもしれない…』と思わされて、同じところに留まり続けることが出来なかったんです」。右手に寄生する“ミギー”との共存、すなわち人間とパラサイトが混じり合った状態で生きる中で、肉体だけでなく精神的にも変化していく新一。人間臭さを見せたかと思えば、観る者がゾッとするような言動を見せることも。染谷さんは「その部分は全体を通じても重要で繊細なところだった」と述懐する。「自分の中で軸として大事にしていたのは“怒り”と“哀しみ”。この2つの感情からの衝動で生まれる行動が多かったので、これはしっかりと持ち続けようと。逆に変化していく部分は、シーンごとにどの程度のさじ加減で見せるのか?狂気のようなものを出すならどれくらい出すのか?やり過ぎれば主人公の新一が魅力的ではなくなるので、慎重に話し合いながら探り探り作り上げていきました」。一方、橋本さんが演じた里美は新一の幼なじみであり、新一の変化に最も敏感に反応する人間のひとり。新一とのシーンが中心となったが、どのような点に意識して里美を演じたのか?「この映画の中で、平穏なシーンは冒頭の2シーンくらいしかなくて、後はどんどん、おかしくなっていくんです(笑)。だから、そこで2人の平穏な日常と関係性を分かりやすく伝えることを意識しました。里美は終始、人間としての愛情、人間特有の感情を持ち続けている人物で、監督はそこをすごく大切にしてくださり『そこは生々しくきちんと見せたい』と言ってくださったので、その言葉に付いていこうと思いました。難しくて行き詰っても、監督があきらめずに求め続けてくださいました」。そして、なんと言っても本作の大きなカギを握るのは、豪華キャスト陣が演じるパラサイトの存在と新一と彼らの対峙。今回の前編だけでも、深津絵里、東出昌大、池内万作らがパラサイトとして登場し、さらに後編でも浅野忠信ら錚々たる顔ぶれが待ち構えている。2人が撮影時、もしくは完成した作品を観て、最も恐怖を覚えたパラサイトは誰?そんな問いに染谷さんは頭を悩ませつつ、深津さん演じる田宮良子を挙げた。「今回一番、深く関わったのが田宮だったんですが、パラサイトだから表情がないんですが、なんて言うか…怖いんですよね(苦笑)。パラサイトの中にもパラサイトなりの感情がうごめいていて、それを深津さんは完璧に作り上げてそこに立っていて、表情が変わらないのに腹の内が何となく見えてくるようで…。ただ、深津さんだけでなく、それぞれ個性があって違うんですよ。あんなに優しいお母さんだった余(貴美子)さんが、同じ人が演じていると思えないくらい怖くなったり、東出くんのパラサイトも気持ち悪いし(笑)!僕は一人ずつと対峙しバトルする役だったので、飽きなかったですね。“今日のパラサイト”という感じで、みなさん魅力的でした(笑)」。そして、橋本さんからはこの問いの答えの中で、奇しくも冒頭に山崎監督の言葉として染谷さんが語ってくれた“微妙なライン”という言葉を思わせる単語が口をついた。「完成した映画を観て、一番ゾッとしたのが北村(一輝/広川=パラサイトのネットワークの首謀者で、市長選に出馬する)さんが演説をしているシーン。壇上のカットをひと目見ただけでヤバい!って思いました。まさに“曖昧なライン”が見えてくるようで、感動すら覚えました」。キャスト陣とスタッフが原作から受け継ぎ、果敢に挑戦し作り上げた“微妙で曖昧な”ライン――。現代の観客がどのように受け止めるのかが楽しみだ。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:寄生獣 2014年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 映画「寄生獣」製作委員会
2014年12月03日人間に寄生するパラサイトと人類の戦いを描く『寄生獣』の初日舞台あいさつが11月29日に都内で行われ、染谷将太、深津絵里、橋本愛、東出昌大、余貴美子、山崎貴監督が出席した。登壇者のなかで、唯一パラサイトに寄生されない“人間”役の橋本は「私も顔が割れてみたかった。ぜひ映像特典で」と山崎監督にアピールしていた。『寄生獣』舞台挨拶その他の写真人間の脳に寄生し、他の人間たちを捕食する“パラサイト”の脅威を描き、発行部数1300万部を突破する岩明均氏の人気コミックを2部作で完全実写化した。主人公の泉新一(染谷)と、新一の脳の乗っ取りに失敗し、彼の右腕に住み着くことになったパラサイトのミギーの奇妙な共生が、“人類VSパラサイト”の壮絶な戦いに波紋をもたらす。主演の染谷は「長い長い戦いだったので、こうして皆さんに作品を届けることができて嬉しい。5カ月間の撮影は、目に見えないミギーを相手に孤独な戦いだった」と感無量の面持ち。パラサイトを演じる深津と東出は、「やり過ぎるとつまらないので、さじ加減を監督と相談した。ただ歩くのも難しい」(深津)、「表情と台詞が伴っていないので、大変だった」(東出)と苦労を語った。主人公の母親を演じる余が「早く続きが観たいと思っている」と話すと、染谷らも来年4月公開の『寄生獣完結編』に期待感。一方、山崎監督は「完結編のCGが全然出来あがっていないので、ドキドキしている」と焦りの表情を浮かべたが、「次はもっとすごいことになっています!」と宣言し、場内を沸かせた。『寄生獣』公開中『寄生獣完結編』2015年4月25日(土)全国東宝系にてロードショー取材・文・写真:内田 涼
2014年11月29日映画『寄生獣』が11月29日(土)に公開を迎え、主演の染谷将太を始め、深津絵里、橋本愛、東出昌大、余貴美子、山崎貴監督が初回上映後の舞台挨拶に揃って登壇した。1990年代に大きな話題を呼んだ人気漫画を実写化。謎の生物に人々が“寄生”され、喰われていく中で、右手を寄生生物に乗っ取られて共存するハメになった主人公・新一が、彼を消そうとする寄生生物たちと戦いを繰り広げる。染谷さんは公開を迎え「本当に長い戦いだったので、みなさんにお見せできて幸せです」と感慨深げ。約5か月におよぶ撮影で全国を巡ったが、新一の右腕に寄生する“ミギー”はCGのため「孤独な戦いだった」とも。それでも、撮影を通じて右手を使った演技が求められ「終わったときは晴れ晴れとして『やっと取れた』という感じで軽くなったんですが、その途端に“ミギー・ロス”になりました、かわいいので。ネットで(ミギーの)おもちゃを買い占めたりしました」と明かし、笑いを誘う。山崎監督はホッとしたのも束の間、『完結編』となる後編が来年の公開となるが「まだCG全然できてない」と苦笑い。おめでたい公開初日の席で登壇陣から「(本作を)見終わって『早く後編を見せろ』と思った」(染谷さん)、「(自身が演じた田宮は後編で)さらに顔が割れていると思います!」(深津さん)などと、後編の完成をせっつかれていた。橋本さんは、この登壇陣の中で唯一、寄生されていない人間だが「私も顔が割れてみたかった」と明かし、「特典映像とかで(笑)!」と本編すらまだまだ作業が山積みの監督にお願い!余さんは染谷さんの母親を演じたが、親子役はこれが二度目とのことで「(手で腰あたりの高さを指しつつ)こんなに小さい頃から知ってるけど、相変わらず不敵な笑みを浮かべていました」と指摘し笑いを誘う。偶然だが余さんは、橋本さん、東出さんとも親子を演じた経験があり「そう言えば、何を考えているか分からない感じがみんな、パラサイトにピッタリ!人間離れしてるところがある」と劇中で寄生されていない橋本さんまでひっくるめて、全員“パラサイト”扱いし、会場は笑いに包まれた。観客、そしてキャスト陣の『完結編』への期待を一身に背負う山崎監督は改めて「大変です」と苦笑しつつも、「もっとすごいことになります!染谷も深津さんもエライ目に遭います」とニヤリ。会場は期待を込めた温かい拍手に包まれた。『寄生獣』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:寄生獣 2014年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 映画「寄生獣」製作委員会
2014年11月29日「月刊アフタヌーン」(講談社)にて連載、“日本マンガ史上最高傑作”といわれ、世界中に熱狂的なファンを持つ大人気コミックを最旬俳優・染谷将太を主演に迎えて贈る『寄生獣』が11月29日(土)より公開となる。それに先駆けて日本テレビでは、11月27日(木)に映画『寄生獣』本編を冒頭から一部放送することが決定した。人間の脳を乗っ取り、人間を捕食する“パラサイト”が飛来したことをきっかけに巻き起こる壮絶な物語。原作では、パラサイトは徐々に人間社会で脅威的な存在となり、やがてパラサイトと人間との争いが始まる。そんな中、右腕だけパラサイトのミギーに寄生された、主人公・新一が種の存続をかけて奮闘する姿を描く。監督・VFXには、2013年公開実写映画No.1ヒット作『永遠の0』『STAND BY MEドラえもん』など、大ヒット作を手がけるいま最も注目の監督・山崎貴。本作には、主演の染谷さんを始め、深津絵里、阿部サダヲ、橋本愛、東出昌大、浅野忠信ら、日本映画界を代表する豪華実力派俳優陣が集結している。今回、「映画を、いち早く多くの人に観せたい」と考えた映画製作サイドは、日本テレビで公開直前スペシャルとして、11月24日(月)から4夜連続で「カウントダウン寄生獣」(毎晩24時54分~)を放送している。その最終日となる11月27日(木)に放送枠を35分枠に拡大し、映画『寄生獣』の冒頭から10分以上放送するというのだ。これを聞いた山崎監督は、「え、マジですか?ほんとにそんなにやっちゃうんですか?そりゃまあ、気持ちも分からなく無いですけど、もったいないなぁ。偉い人たちがそう決めたのならしょうがないですね。大盤振る舞いです」とコメント。さらに「できればカップルで見てくれるといいなぁ」と語る山崎監督は、「そんで女子が『きゃーっ』ってなって、男子そこで『俺がついてるから大丈夫だ』ですよ。『でも、これ超面白くね?』ですよ。そんで翌日は映画デートですよ」と“妄想”が広がり…「あるいは付き合う前の微妙な時期のカップル未満の2人、これまたLINEかなんかで連絡ですよ。『今日寄生獣の冒頭結構テレビでやるらしいよ』『えーみるみる』『これマジ怖いんですけど』『でも超面白そうじゃね?』『えーでもこわくて一人じゃ観れない』『じゃ、なんなら一緒に行く?』ですよ。段々ばからしくなってきました(笑)楽しんでください」と男女で見ることをおすすめした。『寄生獣』は11月29日(土)より全国東宝系にて公開。『寄生獣 完結編』は2015年4月25日(土)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:寄生獣 2014年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 映画「寄生獣」製作委員会
2014年11月25日2012年に東京のみで上演されたNODA・MAP『エッグ』が、2015年、オリジナルキャストで再演される。本作は、架空のスポーツ“エッグ”に情熱を注ぎ、オリンピックで頂点に立つ日を夢見るふたりのアスリートと、ひとりの女性シンガーソングライターを軸に展開する物語。妻夫木聡、深津絵里、仲村トオルらとともに名を連ねる藤井隆に、心境を訊いた。NODA・MAP第19回公演『エッグ』チケット情報「初演の『エッグ』は本当に“楽しかった!”という記憶しかないくらい、すごく居心地が良くて、アットホーム感があったんですね。橋爪功さんが家庭菜園で作られたお野菜を持ってきてくださったり、大倉孝二さんがサロンみたいに楽屋でレコードをかけてくださったり(笑)。だから、また初演のキャストが揃い、自分もその中に入れていただけたことが本当に嬉しいなと思います」。稽古場でも刺激的な日々を送っていたという藤井。「どの舞台でもそうなんですが、セットがないお稽古場で、どんな風にいたらいいのかなって、みんなで想像しながら作り上げていく作業がすごく楽しいんです!野田さんのアイデアを美術さんが模型にされたのを見て『すごいな~!』ってワクワクしたり。そんな瞬間がお稽古中に何度もあるので、本当に毎日刺激的なんです。今回は再演でどうなるかはわかりませんが、今からとても楽しみです」。演じるのは、深津扮する人気シンガーソングライター、苺イチエの振付師・お床山(おとこやま)。劇中歌をはじめ、すべての音楽は、椎名林檎が書き下ろした楽曲だ。「芸能界やスポーツ界が大衆に与える影響が描かれていて、僕はスターのすぐそばにいる人の役。その中で、気持ちが引き裂かれそうになるくらい苦しい場面もあります。ですが本番中、共演者の皆さんと一緒に走らせていただく快感を味わわせていただきました。それと、深津さんが歌われるシーンが大好きなんです!とにかく可愛いんですよ。あの姿をもう一度近くで観られるのがすごく嬉しいですし、お客様にも味わっていただきたいです」。藤井にとって、同じ作品に同じ役で出演するのは初めての経験だ。しかも今回は大阪、北九州、パリでも上演される。「自分がどう変わるかも含めて、新たな楽しみがありますね。稽古で積み重ねてきても、お客様の反応で気付かされることもありますので、各地域での反応も楽しみにしています」。公演は、2015年2月3日(火)から22日(日)まで東京・東京芸術劇場プレイハウス、2015年3月26日(木)から4月8日(水)まで大阪・シアターBRAVA!、2015年4月16日(木)から19日(日)まで福岡・北九州芸術劇場 大ホールにて。チケットは12月13日(土)より一般発売開始。なお、11月13日(木)11:00まで東京・大阪公演、11月30日(日)11:00より九州公演の、チケット先行抽選「プレリザーブ」を実施。取材・文:黒石悦子
2014年11月12日10月30日(木)、現在開催中の第27回東京国際映画祭にて、クロージング作品『寄生獣』のワールドプレミアが行われ、主演の染谷将太、深津絵里、橋本愛、東出昌大、山崎貴監督、さらに主題歌「パレード」を書き下ろしたロックバンド「BUMP OF CHICKEN」のメンバーが舞台挨拶に登壇した。累計1,200万部を超える岩明均の大ヒットコミックを、2部作で実写映画化した本作。人間に寄生し、捕食する謎の生物“パラサイト”に襲撃されたものの、危うく脳の乗っ取りを免れた高校生の新一(染谷さん)が、右腕に寄生したパラサイトのミギー(阿部サダヲさん)と共に、彼らを敵と見なすパラサイトたちと戦いを繰り広げていく…。『ALWAYS 続・三丁目の夕日』の主題歌も手がけ、山崎監督とは旧知の仲の「BUMP OF CHICKEN」。映画の舞台挨拶に登壇するのは初めてとあって、ボーカルの藤原基央は「手汗がすごいです…」と打ち明け、会場を笑いに包んだ。そんな彼らだが、主題歌のオファーを受けた時のことを「原作は僕たちが10代の頃から語り合った作品だったし、監督の大ファンだったので、主題歌のオファーをいただいた時はビックリしましたけど、すごく嬉しかったです」とふり返ると、「でも、時間足りるのかな…と思いました」と切羽詰まった状況だったことを告白。山崎監督は、その時のことを「いろいろと政治的なやりとりを超えてBUMPにお願いしたかったので、交渉事などがあって本当にギリギリな状況になってしまったんです。しかもいろいろなプロジェクトを抱えているところだったのに、無理やり友達枠でやっていただいて。本当にすみません」と明かしつつ、「でも、あの時間でよくここまでカッコいい曲を書いていただいたなと思います」と感謝。「すごい状況の中で、それでもがむしゃらに走っている新一の姿が浮かぶ曲。疾走感が半端なくて、『パート1』から『パート2』への橋渡しという意味でもすごくいい仕事をしてくれたと思います。何よりカッコよくて、頼んで良かったなと思いました」と手放しで褒めちぎり、その苦労をねぎらっていた。映画『寄生獣』は11月29日(土)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年10月31日11月29日公開の映画『寄生獣』の完成報告会見が30日、東京・六本木ヒルズで行われ、主演の染谷将太をはじめ、深津絵里、橋本愛、東出昌大、山崎貴監督が出席した。第27回東京国際映画祭のクロージング上映作品でもある本作は、1990年より『月刊アフタヌーン』(講談社刊)で連載され、単行本が累計1200万部を突破して世界中に熱狂的なファンを持つ岩明均の同名漫画が原作。ハリウッドが原作権を獲得したものの映画化されず、"手の出せない原作"としてお蔵入りとなっていたが、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『永遠の0』などを手掛けた山崎貴監督の手により待望の映画化となった。本作の映画化が念願だったという山崎監督は「VFXの仕事を始めた頃からいつか映画されたらスタッフとして参加したいと思っていた作品。監督できてとても喜びを感じています。大事に大事にこのメンバーと丁寧に時間を掛けて作りました」と感慨深げ。その監督から望まれて主人公の高校生、泉新一を演じた染谷は「ミギーと感動的なシーンの芝居をした時、感極まった監督に『ミギーが見えました!』って言ったら、『頭大丈夫か?』と言われましたよ。見えるぐらいのやり取りが出来たような気になったんです!」とエピソードを。「本当に長い長い道のりで、ミギーとともに歩んできました。自分もミギーと出会って、涙が出そうになりました。僕も楽しめましたので、たくさんの方に楽しんで欲しいです」とアピールした。この日登場した深津と橋本の女性陣も、染谷や東出と同様に山崎監督からの出演オファーを受けたという。顔面が割れるパラサイト女教師の田宮良子を演じた深津は「(顔面が割れることへの)抵抗は全くなかったです。むしろ『もっと割れろ!』と思いましたね。人間って欲があって嫌ですよね(笑)」と女優魂も。一方の橋本は「新一くんとの日常のシーンが多かったんですが、戦いのシーンを見た時に『こんなことやってるんだ!』と興奮しました。1人のお客さんとしての気分になったし、あれだけエンターテイメントに徹しているのに重いものが残っていて、凄いと思いました」と山崎監督の手腕を絶賛していた。映画『寄生獣』は、11月29日より全国公開。
2014年10月31日10月30日(木)、第27回東京国際映画祭にてクロージング作品『寄生獣』の完成報告会見が行われ、主演の染谷将太、深津絵里、橋本愛、東出昌大、山崎貴監督が登壇した。原作は、人間に寄生し、支配と捕食を行うパラサイトとの共生と戦いを描いた、累計1200万部の売上を誇る岩明均の大人気コミック。パラサイトの襲撃を受けながら、脳だけは乗っ取りから免れた高校生・新一(染谷さん)と、新一の右腕に寄生したパラサイトのミギー(声:阿部サダヲ)が、さまざまなパラサイトたちと遭遇し、戦う姿を描く。「VFXの仕事を始めた時から、いつかVFXを担当したいと思っていた作品で、まさか監督を務めることになるとは」と、長年にわたる念願が叶った喜びを語り、感無量の面持ちを浮かべた山崎監督。一度はハリウッドが映画化権を獲得した経緯などをふり返り、「アメリカに嫁に行ったものと思っていたものが戻ってくることになって、だったら自分のところに嫁に来てほしいと思った」と、本作への熱い想いと執念を感じさせた。だがその一方で、劇中でパラサイトの寄生によって“顔が割れる”ことになる深津さんにオファーをするのは「怒られるんじゃないかと思って、言いづらかった」と告白。これに対し、深津さんは、顔が割れた自分の映像を観た時のことを「抵抗はありませんでした。気持ち悪かったですが、欲が出てしまって、『もっと割れろ』と思ってしまいました」と述懐し、笑いを巻き起こした。さらに、右手を乗っ取ったミギーがCGで描かれるため、ミギーとのやりとりをパントマイムのように演じた染谷さんは「阿部さんがアクション・キャプチャーで魅力的なミギーを作ってくれたので、ミギーが自分を魅力的に見せてくれるし、僕もミギーを魅力的に見せられるようにと思って演じました」と語り、「長い道のりだったけど、(完成した映画で)ミギーに出会えて涙が出そうでした」と喜びを語った。そして、「あっという間に終わってしまって、早く完結編を見せろと思いました」と、完結編への期待ものぞかせ、「ミギーが右手にいるのは世界で自分だけなので自慢なんですけど、ちょっと顔も割れたいです…」と茶目っ気たっぷりに語り会場を沸かせていた。映画『寄生獣』は11月29日(土)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年10月30日伝説的コミックを実写映画化した『寄生獣』の主題歌に、人気ロックバンドBUMP OF CHICKENが本作のために書き下ろした新曲『パレード』が起用されることが10月30日に明らかになった。同日、第27回東京国際映画祭のクロージング作品として、本作が東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズでワールド・プレミア上映され、主演の染谷将太、共演する深津絵里、橋本愛、東出昌大、山崎貴監督が記者会見に臨んだ。その他の写真過去に『ALWAYS 続・三丁目の夕日』『ALWAYS 三丁目の夕日’64』でも、山崎監督とタッグを組んだBUMP OF CHICKEN。今回は山崎監督からの熱烈オファーを受け、メンバーの藤原基央が「衝撃の『前編』を締めくくり、感動の『完結編』を予感させ繋げていけるような楽曲」というテーマのもと、新曲を書き下ろした。山崎監督は「ヒリヒリした映画にしたかったし、バンプがもつ本流である“生々しさ”を出してもらえればと思った。彼らには『ALWAYS』の時にも助けられたし、今回も映画に寄り添いつつ、楽曲が別の角度から照射し、作品そのものを立体的にしてくれた」と楽曲の出来ばえに大満足の様子だった。累計発行部数1100万部を突破する岩明均氏の人気漫画を2部作で完全実写化。パラサイトと呼ばれる謎の寄生生物が、突如人類を襲撃し、人間の脳を乗っ取ることで、肉体を操り、他の人間たちを捕食し始める。両者の戦いが激化する中、あるパラサイトが主人公・泉新一(染谷)に寄生するが、脳の乗っ取りに失敗し、仕方なく新一の右腕に住み着くことに。新一に“ミギー”と名付けられ、彼らの奇妙な共同生活が始まる。「原作と映画に流れるのは、『人類とは何か』という哲学的なテーマ。3.11以後の日本でこそ語られるべきテーマで、運命を感じている。自分にとっても念願の企画だった」と山崎監督。染谷は「エンターテインメントとして純粋に楽しめたし、早く完結編を見せろという気分になりました」と完成したばかりの本編に興奮しきりだった。『寄生獣』11月29日(土)全国東宝系にてロードショー『寄生獣完結編』2015年4月25日(土)全国東宝系にてロードショー取材・文・写真:内田 涼
2014年10月30日第27回東京国際映画祭が23日、開幕し、東京・六本木ヒルズアリーナで行われたオープニングイベントで、宮沢りえや安達祐実、中谷美紀、菅野美穂ら豪華女優陣が、それぞれセクシードレスや花魁姿などを披露した。フェスティバル・ミューズを務める中谷美紀は、黒いロングドレスで登場。ファンの歓声を浴びながらレッドカーペットを歩き、ステージで「多くのお客さまがいらしていただいて。本当に映画が好きでいてくださっているんだなと思いうれしい」と感激を示した。中谷は、イベントのラストでも再び登場し、安倍晋三内閣総理大臣と共にレッドカーペットを歩く重要な役割を果たした。コンペティション部門の日本代表作品『紙の月』で主演を務める宮沢りえは、胸元の開いたセクシーなドレス姿で観客を魅了。吉田大八監督、池松壮亮と共にステージに上がり、「撮影は過酷で、ものを作る喜びとつらさを感じながらも、できあがった作品をこうやって華やかな場所に持ってこられたという興奮があります」と語った。また、『花宵道中』の安達祐実は、劇中と同じ花魁姿、『救いたい』の鈴木京香は、落ち着いた色合いの着物で登場した。そして、クロージング作品『寄生獣』に出演する深津絵里は、黒いパンツスーツ、橋本愛はワンピース姿を披露。深津は「雨の中、こんなにたくさんの方に集まっていただいてうれしいです」と喜び、橋本も「たくさんの方々に集まっていただいて、ものすごく大きな力を感じているので、このままみなさんで盛り上がっていければうれしいなと思います」と呼びかけた。さらに、オープニング作品『ベイマックス』の日本語吹き替え版で声優を務める菅野美穂は、星のスパンコールがちりばめられたドレスで、キラキラと輝きを放った。撮影:蔦野裕
2014年10月24日今年で第27回目を迎える、アジア最大級の映画祭「東京国際映画祭」(以下、TIFF)が開幕!10月23日(木)、六本木ヒルズにてレッドカーペットが行われ、国内外から詰めかけた豪華俳優陣が歩いた。赤絨毯一番乗りのスペシャル・アンバサダーの「嵐」(大野智、櫻井翔、相葉雅紀、二宮和也、松本潤)がのっけから会場を盛り上げたが、毎年恒例となる女優陣のドレスにも注目が集まった。今年の注目は客席から聞こえた「寒そう…」という言葉に現れている。この日は、関東地方の各地で気温が下がり、気象庁によると最低気温は東京都心が12.9度と今季最低を観測したのだ。しかし、女優たちは寒いからといって華やかな舞台でも豪華でセクシーなドレスにコートを着たりはしなかった。「嵐」に次いで登場した中谷美紀は、全身を覆うドレスで登場したものの、風が吹けばふわりと舞うほどの薄いブラックドレスで登場し、さらに国内外のTVメディアに向かって30分以上かけてインタビューに応えていた。そしてこの日、女優としては最も会場を沸かせた宮沢りえも、ゴージャスかつセクシーなドレスで観客の目を釘付けにした。胸元と背中がザックリと空いた透け感たっぷりのグレーのドレスで大人の妖艶さを漂わせていた。舞台に上がった際、主演作『紙の月』が今年のTIFFで上映されることについて「撮影は過酷で、それをこういった華やかな場所にもってこれたという喜びがあります。(作品には)エネルギーを本当に使いました。7年振り(の主演作)ということで、それまでに溜めておいたものはすべて出し切れた気がします」と喜びと自信のほどを語っていた。今年のTIFFでの注目作品という意味では、ディズニー最新作『ベイマックス』も負けず劣らず。そんな同作で吹き替え声優を務めることとなった菅野美穂も、レッドカーペットに登場。黒と赤、さらにスパンコールが全て星で彩られた肩だしドレスで登場。他の女優陣たちがクール&ビューティーな雰囲気なのに対して、菅野さんはエグゼクティブ・プロデューサーのジョン・ラセター氏と共に大はしゃぎで無邪気な笑顔を見せた。終盤に登場した実写版『寄生獣』チームでは、深津絵里はモード感たっぷりの黒のオールインワンで、橋本愛は黒とグレーの柄入りワンピースで寒空の下で健闘だった。1つポイントを挙げるならば、深津さんは左肩を大胆に露出したドレスに見えるが、実はこの部分はヌーディ―カラーの生地が切り返しとして使われており、場数を踏んだ女優ならではのテクニックを駆使していた。一方、“厚着”という言い方をすると語弊が生まれるが、温かそうな衣装で登場した女優たちも。TIFFは海外メディアも多く取材に詰めかける映画祭とあって例年、和装で登場する著名人も少なくない。今年で言えば、R-18文学の映画化作品『花宵道中』から抜け出してきたようなド派手な花魁姿で会場を沸かせた安達祐実に、嵐のようなフラッシュが浴びせられていた。その逆に、3.11後の被災地を描いた『救いたい』を携えての登場となった鈴木京香は、日本ならではの淡い色使いで大人の優美を漂わせ、男性陣の注目を集めていた。寒空の下、薄手のドレスでも笑顔を絶やさない女優たち。会期中にはどんなファッションで登場するのだろうか?第27回東京国際映画祭は10月31日(金)まで六本木ヒルズ、TOHOシネマズ日本橋ほかにて開催。(text:cinemacafe.net)
2014年10月23日第27回東京国際映画祭が10月23日に東京・六本木ヒルズで開幕。オープニング作品『ベイマックス』を引っさげ来日したジョン・ラセター、日本語吹替えキャストの菅野美穂と小泉孝太郎、クロージング作品『寄生獣』の山崎貴監督、染谷将太、深津絵里、橋本愛、フェスティバル・ミューズの中谷美紀、スペシャル・アンバサダーに就任した人気グループ嵐らが駆けつけたファンの歓声を浴びていた。その他の写真今年は同映画祭のトレードマークであったグリーンカーペットが、レッドカーペットに改められ、最高賞の名称も東京サクラグランプリから“東京グランプリ”に変更されるなど、新たな方向性の模索が始まった。その主軸が日本のカルチャーを世界に発信する“アニメシフト”のプログラム構成だ。映画祭の先陣を切る『ベイマックス』はディズニー・アニメーション・スタジオの最新作。日本文化へのオマージュを捧げた冒険アドベンチャーは、同スタジオ史上初として日本がワールドプレミアの地に選ばれた。また、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』を手がける庵野秀明氏のキャリアを総括する特集上映『庵野秀明の世界』も大きな目玉企画だ。特別招待作品には『アップルシード アルファ』『劇場版 進撃の巨人前編~紅蓮の弓矢~』、押井守監督の最新実写作『GARM WARS The Last Druid』、押井氏が総監督を務める『THE NEXT GENERATION パトレイバー/エピソード10:暴走!赤いレイバー』などが並ぶ。ディレクター・ジェネラルを務める椎名保氏は「国内外のクリエイターが東京を目指し出品し、国内外での評価とビジネス的成功をもたらし、映画祭のブランド力を上げる」ことを目標に掲げており、アニメーションへの注力にも積極的だ。それだけに今回の成否は、今後の東京国際映画祭にとって重要なターニングポイントとなりそうだ。期間中はコンペティション、特別招待作品など自主企画と提携企画を含めた約250本、ワールドプレミア32本、インターナショナルプレミア3本が上映される。第27回東京国際映画祭10月23日(木)から31日(金)まで会場:六本木ヒルズ(港区)、TOHOシネマズ 日本橋(中央区)ほか取材・文・写真:内田 涼
2014年10月23日人気TVアニメ『ラブライブ!』に登場する「絢瀬絵里」が、2.5頭身のデフォルメフィギュア「ねんどろいど」シリーズで立体化され、「GOOD SMILE ONLINESHOP」にて予約受注がスタートしている。2015年3月発売予定で、価格は3,241円(税抜)。劇中では、9人のスクールアイドルグループ「μ’s」(ミューズ)のお姉さん的存在の絢瀬絵里が、TVアニメ1期オープニングテーマ「僕らは今のなかで」の衣装で待望のねんどろいどで立体化。表情パーツは、キリッとした「通常顔」と弾ける「笑顔」パーツが付属している。オープニングをイメージしたさまざまなダンスポーズが再現可能で、別売りのねんどろいど『矢澤にこ』『高坂穂乃果』『南ことり』と合わせて、『ラブライブ!』の世界をディスプレイできる。商品価格は3,241円(税抜)で、「GOOD SMILE ONLINESHOP」の受注締切は11月19日21:00。商品の発売および発送は、2015年3月を予定している。なお、「GOOD SMILE ONLINESHOP」の予約特典として、「ねんどろいど用特別仕様台座 ストライプ柄」と「ねんどろいど台座 拡張パーツ 小、大」が付属する。(C)2013 プロジェクトラブライブ!
2014年10月21日「カバチタレ!」「極悪がんぼ」など、TVドラマ化されるたびに話題を呼ぶ原作・田島隆による新漫画シリーズ「びったれ!!!」が、実力派若手俳優として活躍する田中圭を主演に迎え、TVドラマ化されることが決定。2015年1月より放送されることになった。主人公の伊武 努(いぶ つとむ/田中圭)は、普段は司法書士事務所に勤務するお人好しのサラリーマン。しかも、ちょっぴりドジなシングルファーザー。だが、彼は、弱者が強欲な輩のせいで理不尽な目に遭っているのを見過ごすことが出来ない、誰よりも熱い男だった!「びったれ」 (小心者を意味する広島弁)という言葉を聞くと、法的な手段で庶民を守る“切れ者の司法書士の顔”に、そして、法的な手段でも動じない至極悪徳な輩に対しては、誰にも見せられない“脅威の裏の顔”に変身するのだ――。本作は、常盤貴子、深津絵里が出演し人気を博した「カバチタレ!」、櫻井翔&堀北真希が主演した「特上カバチ!!」、尾野真千子、椎名桔平ら豪華キャストの異色“月9”ドラマ「極悪がんぼ」、竹内結子、北村一輝、松坂桃李が出演した「ダンダリン 労働基準監督官」など、多くのドラマ化作品を持つ原作者・田島隆が「プレイコミック」創刊45周年特別企画として執筆し、2013年6月より連載開始された司法書士漫画の新シリーズ。原作の田島氏自身も法律実務に身を置くことから、一つ一つのエピソードがとにかくリアルな本作。今回のドラマ化でも、放送コードギリギリのリアルにブラックな実態を表現していくという。田島氏は「自分の作品が映像化されると、いつも逆に影響を受けそうになります。映像に負けないよう、頑張らなきゃ!」と、うれしさと共に今後への気合いを覗かせるコメント。また、作画を担当する漫画家・高橋昌大氏も「ただただ感謝です!励みになります!もっともっと、きばります!!」と喜びのコメントを寄せている。社会の弱者のために“スーパー司法書士”として悪徳強者を倒す、田中さん演じる主人公の一人三役ぶりに期待したい。「びったれ!!!」は2015年1月、TVドラマシリーズ放送開始。(text:cinemacafe.net)
2014年09月30日福山雅治主演、是枝裕和監督の新作『そして父になる』が9月に公開される。本作はすでに海外などでも高い評価を集めている作品だが、詩的な映像も注目を集めている。この映画で撮影を手がけたのは、数々の人気CMも手がけ、写真集も人気を集める写真家の瀧本幹也だ。なぜ彼は長編映画の撮影監督に就任したのだろうか?その他の画像瀧本は1974年生まれの写真家で広告の世界を中心に活動しており、トヨタReBORN・大河シリーズやサッポロ黒ラベル・大人エレベーターシリーズなどを手がけ、今年5月に発売した写真集『LAND SPACE』も大きな話題を呼んでいる。瀧本と是枝監督の出会いは古く、是枝監督が手がけた初の長編映画『幻の光』(1995年)では、スチールを担当した写真家、藤井保のアシスタントとして瀧本が参加。2009年には瀧本が是枝監督作品『空気人形』のスチールを担当している。是枝監督が本作の準備中にリリー・フランキー、深津絵里出演のダイワハウスCMに惹かれ「これを撮影した人なら長編映画も撮れる」と調べたところ、撮影が瀧本だったことから、監督がオファーしたという。是枝作品はこれまで中堀正夫、山崎裕、リー・ピンビンなど名だたる撮影監督が参加してきたが、瀧本の描き出す繊細な映像もすでに出品された映画祭などで高い評価を集めており、公開後は物語だけでなく、映像も注目を集めることになりそうだ。ちなみに9月3日(火)には東京・銀座のApple Store Ginza 3Fシアターで是枝監督と瀧本のトークショーが行われる。本作は、ある日突然、自分の子どもが病院で取り違えられたという事実を突きつけられた親の姿を通して、愛、絆、家族とは何かを問うヒューマンドラマ。福山雅治が主人公の父親役を務め、その妻を尾野真千子が、子どもを取り違えられてしまったもうひと組の夫婦をリリー・フランキーと真木よう子が演じる。『そして父になる』9月28日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー9月24日(火)~27日(金)全国先行ロードショー
2013年08月30日恋愛・結婚マッチングサイトのマッチ・ドットコム ジャパンはこのほど、全国の25~34歳の独身男性240名を対象に実施した、年上女性との恋愛や結婚に関する調査の結果を発表した。調査は6月14日、インターネットにて行われた。調査ではまず「年上女性との交際経験はありますか?」と質問。「ある」は36.3%で、約3人に1人が年上女性との交際経験があることが分かった。「ある」と答えた人に直近の相手との年齢差を聞いたところ、平均5歳差という結果になった。さらに、交際の感想としては、「こちらがリードしなくてはと気負わずに済んで、自然体でいられた(29歳)」、「甘えさせてくれる(30歳)」など、大人の女性ならではの包容力や余裕に居心地の良さを感じたとの意見が多く見られたという。一方で、「上から目線のときがある(34歳)」、「口うるさい(26歳)」など、経験値が高いが故に相手の言動に口を挟んでしまうというマイナス面も少数ながら挙がったとのこと。「年上女性で、結婚対象として考えられるのは何歳上までですか?」と聞いた質問では、「年上は考えにくい」という9.2%の人を除くと、9割以上の男性が年上女性を結婚対象として考えられるという結果になった。考えられる年齢差は、「5歳上まで」が37.1%と最も多く、理由は「話が合いそうだから(34歳)」「離れ過ぎると価値観が違うので(29歳)」「5歳くらいの歳の差は誤差だと思うので(26歳)」など。5歳差程度であれば、そもそもあまり歳の差を感じないという意見が多くみられた。次に多かったのが「歳の差は気にしない」で、21.3%の人が、年齢を結婚の条件には考えていないことが分かった。理由は、「価値観の違いを認め合えるかが大事だから(31歳)」「恋愛や結婚に年の差は不問だと感じているから(34歳)」などが挙がった。回答理由に女性の出産年齢を挙げている人は、全体の4.2%と少数だった。「10歳上だと、子供が産めるかどうか心配(29歳)」「子供が欲しいので5歳上くらいまで(28歳)」といった意見もあったが、全体的に、価値観や話題が合うかどうかといった、本人同士の相性の方を重視している人が多い傾向が見られたという。「結婚したいと思うアラフォー独身有名人は誰か?」という質問では、踊る大捜査線シリーズなどでおなじみの深津絵里さんが、一番結婚したいアラフォー独身有名人1位に選ばれた。理由は、「キレイで好きだから(30歳)」「やさしそうだから(25歳)」「しっかりしていて頼れそう(30歳)」「かわいくて、かっこいい(27歳)」「同性からの支持も高そうなので(32歳)」などで、女性としての様々な魅力を全てバランスよく兼ね備えているところが人気の理由だと推察される。2位以下は、中谷美紀さん、石田ゆり子さん、米倉涼子さん、観月ありささんと個性派・実力派の女優陣が続き、6位、7位には、若年層からの支持が厚いaikoさん、昨年末に復帰を果たした華原朋美さんの歌手2人がランクインした。aikoさんは「一緒にいて楽しそう(31歳)」「かわいくて親近感がある(26歳)」、華原朋美さんは「年齢より若く見える(30歳)」「結婚生活が楽しくにぎやかになりそう(34歳)」などの意見が寄せられたという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年07月18日「ぴあ」調査による9月7日、8日公開の映画・満足度ランキングは、織田裕二主演の人気シリーズ完結編『踊る大捜査線 THE FINAL新たなる希望』がトップに輝いた。2位にデンゼル・ワシントン主演作『デンジャラス・ラン』が、3位に『ボラット』『ブルーノ』のサシャ・バロン・コーエン主演のコメディ映画『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』が入った。その他の写真1位の『踊る大捜査線 THE FINAL…』は、織田、深津絵里、柳葉敏郎らお馴染みのキャストと、本広克行監督らスタッフが再集結したシリーズ最新作。出口調査では「まさにファイナルという感じ。最後は衝撃的だった」「テーマは重くもあり、かつ軽妙。エンターテインメント性もありながら考えさせられる作品だった」「ファイナルを観て初回に戻ったような懐かしい感覚になった」「“踊る”らしい小ネタなど楽しめる要素が詰まっていて、最後まで楽しめた」「ファンとして感慨深いものがあった」「胸に残る台詞があって感動した」などのコメントが寄せられ、世代をこえて高い満足度を獲得。シリーズ完結編とあって「続きがあってほしい」「終ってほしくない!」などの声もあがった。2位の『デンジャラス・ラン』は、何者かに命を狙われている犯罪者(ワシントン)と、彼を護送することになった新米CIA局員(ライアン・レイノルズ)の逃亡劇を描いたサスペンス・アクション。アンケート調査では「こんなに激しいワシントンを観たのは初めてで新鮮だった」「アクションのスピード感と迫力が凄い。デンゼル・ワシントンをはじめ、男らしいキャストが揃っていてカッコよかった」「ライアン・レイノルズは、デンゼル・ワシントンに負けない存在感があって、ふたりの化学反応は素晴らしい」「男として共感できる部分があり、グッときた」「デンゼル・ワシントンのパワーとカリスマ性を感じた」など、特に男性から好評だった。(本ランキングは、2012年9月7日(金)、8日(土)に公開された新作映画10本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2012年09月10日15年もの間、ファンを魅了し続けた大人気シリーズの完結編『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』が9月7日(金)、ついに全国で封切られ、公開2日間で早くも観客動員50万人突破の大ヒット!9月9日(日)には主演を務める織田裕二w始め、共演する深津絵里、ユースケ・サンタマリア、水野美紀、脚本を手掛けた君塚良一、メガホンをとった本広克行監督が東京・台場のシネマメディアージュにて公開御礼舞台挨拶に立った。織田さんは今月7日(金)に東京・日比谷のTOHOシネマズスカラ座で行われた初日舞台挨拶を皮切りに、札幌・シネマフロンティア、福岡・Tジョイ博多(以上9月8日)、大阪・TOHOシネマズ梅田、名古屋・ミッドランドスクエアシネマ(以上9月9日)と“弾丸ツアー”を敢行し、その後シリーズの聖地とも言えるお台場にゴール。同所での舞台挨拶がスタートしたのは午後9時過ぎだったが、織田さんらが登場すると、客席を埋め尽くすファン約600人のボルテージは早くも最高潮だ。「ただいまー!弾丸出張を命じられて、たったいま戻ってきました」と織田さん。ミュージシャンとして全国ツアーを行った経験はあるものの、“青島俊作”として東京・大阪以外の都市を訪問するのは、15年の歴史上でこれが初めて。もちろん、各地で熱狂的に迎えられたと言い、なんと大阪では室井を演じる柳葉敏郎がサプライズ登壇したのだとか。全国のファンの思いを背負った織田さんは「ここまで続けられたのは、みなさんの力があってこそ。いまさら聞きますけど、みなさん『踊る』好きですか?」。もちろん客席からのあちこちから「好きーー!」の声が飛び、織田さんも「オレも!」と満面の笑みを見せていた。舞台挨拶の後半には、トレードマークである“青島コート”を身にまとい、ファンは大歓声。すると、織田さんは1997年にテレビ放送された第2話「愛と復讐の宅配便」の撮影現場をふり返り「(いかりや長介さんが演じた)和久さんの爆弾のエピソードで“踊る劇団”のチームワークが出来上がる感覚があった。何かが生まれる“予感”がして、気づいたら15年。いつの間にか大きな存在になっていた」と激白。それだけに15年目のファイナルを惜しむ声は絶えないが、織田さんは「続けたい気持ちもあるが、やっぱりこれで最後。ごめんね」と断言すると、15年分の感謝を込めて深々と頭を下げた。『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 2012年9月7日より全国東宝系にて公開© 2012 フジテレビジョンアイ・エヌ・ピー
2012年09月10日1997年の放送開始からファンを魅了した人気シリーズの完結編『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』が全国で封切られ、9日に、主演を務める織田裕二をはじめ、共演する深津絵里、ユースケ・サンタマリア、水野美紀、脚本を手掛けた君塚良一、メガホンを執った本広克行監督が東京・台場のシネマメディアージュで“公開御礼舞台あいさつ”に登壇した。その他の写真7日の公開初日からわずか2日間で、観客動員50万人を記録。織田は7日~9日の3日間で東京・日比谷、札幌、福岡、大阪、名古屋、東京・台場と6会場9回の舞台あいさつに立ち、「ただいまー! 弾丸出張を命じられて、今(台場に)戻ってきました」とゴールに感慨もひとしお。この日は久しぶりに“青島コート”も着用し、ファンは見納めになるかもしれない“勇姿”を目に焼き付けた。ミュージシャンとして全国各地でツアーを行った経験もある織田だが、“青島俊作”として東京・大阪以外の都市に足を運ぶのは今回が初めて。「どの街も『こんな熱さ、なかなかない』と思うほどすごかったですね。どこに行っても温かく迎えていただいた」と、いつも以上に熱く燃え上がる織田。なんと名古屋に水野が、大阪には柳葉敏郎がサプライズで飛び入りし、会場を沸かせたのだとか。水野にとっては7年ぶりのシリーズ復帰で「卒業式のような場に、こうして皆さんと一緒にいられるのは本当に嬉しい」と感激していた。深津は本作の公開後、初めてファンの前に登場し「皆さんに15年もの間、愛され続け、育てていただいた作品に参加できて光栄」。舞台出演のため、日比谷で行われた初日舞台あいさつは欠席しており「すごく盛り上がったと聞いて、すごくうらやましかった」と本音をこぼすと、ユースケ・サンタマリアが「そりゃ、もうハンパなかった。(ロンドン五輪の)メダリストのパレードあったでしょ。あれとほぼ同じ状況」と笑いを誘っていた。最後に織田は「僕らはムービー1(98年公開の『踊る大捜査線 THE MOVIE』)で出し切った感もあった。それでも、ここまで続けることができたのは、ファンの皆さんの力があってのこと。悲しい出来事や別れもあったが、今は続けたい気持ちもある」と胸中を吐露。それでも「でも下手なものは作れないし、これで最後。ごめんね」とキッパリ断言し、15年分の感謝をこめて、深々とファンに頭を下げていた。『踊る大捜査線 THE FINAL新たなる希望』公開中
2012年09月10日台湾初の本格的な刑事ドラマ「ブラック&ホワイト」(’09)で俳優デビューを飾り、人気俳優ヴィック・チョウとのイケメン凸凹刑事で大ブレイク。一躍トップスターに踊り出たマーク・チャオ。そんな彼が「ドラマの3年前」という設定で、ひょんなことから犯罪組織のチンピラとタッグを組んで爆破計画を阻止するさまを描いた映画『ハーバー・クライシス<湾岸危機>Black & White Episode1』で帰ってきた!『モンガに散る』(’10)を始め、今年だけでも4本もの出演映画が公開されるなど、“いま、最も気になる華流男子No.1”の彼が、過酷なアクション撮影秘話や人生観、女性観などを現地台湾でたっぷりと語り尽くしてくれた。『ハーバー・クライシス』ではドラマ版から遡った設定のため、坊主頭で新鮮味を出し、正義のためなら頭より体が先に動いてしまう熱血刑事・インションを演じたマーク。「実際の僕は、インションのように衝動的ではないです。論理的で理屈っぽい所が僕にはあって、色々考えてから動く方だからインションみたいにちょっとしたことでカッとすることはないですね(笑)。似ている点は正義感が強いところと、是か非かがはっきりしてるところ。犯罪が大嫌いなところも似ています」。語り口はフランクながら落ち着いた印象が漂うマーク。そんな彼を苦しめたのは、ドラマ版よりも一層激しさを増したアクションシーンだと言う。「2か月間アクションや武術のトレーニングをしたので、体もかっこよく鍛えることができたんですけど、それもほんの少しの間だけ。撮影が始まると、あまりの過酷さと疲労で1か月もしないうちに筋肉が落ちてしまいました。特に忘れられないのが橋の下のトラックに飛び降りるシーン。飛ぶタイミングを計算しないとケガにつながるとても危険なシーンだったんです。それを19回もやりました(笑)。これまで『できない』と言ったことはなかったんですけど17回か18回目のテイクで、さすがに『これ以上は無理です』と監督に言ったら『どうして?インションはそれぐらいで疲れるの?』って言われました。僕はその言葉にすごく傷ついたのでチャンスがあるたびに監督への恨みを語っています(笑)」。そんな危険と隣合わせの撮影現場で劇中さながら良き「相棒」となったのが、お調子者のチンピラ、ダーフーを演じたホァン・ボーの存在。「僕たちの映画は“刑事とチンピラ”がタッグを組むという『パートナー』の部分で新しいスタイルを展開することに成功しました。ホァン・ボーさんは38歳ですけど、とてもピュアで誠実な心の若い人。歌が好きで撮影の合間にひとりで海に向かって歌ってました(笑)。彼とはいまでも連絡を取り合っているんですが、僕が困ったときに色々ヒントをくれたり、手をさしのべてくれる兄貴みたいな存在です」。本作もそうだが、彼の出演作をふり返ってみると、「ブラック&ホワイト」も『モンガに散る』も友情や仁義、絆がテーマの作品が多い。マーク自身も仲間の存在を重要と考えているそうだが、それにはこんな理由が…。「僕はなぜか“付き合いにくそうな人”と思われることが多いんです(笑)。そんな付き合いにくい僕のそばにいてくれる人を、僕は大切にしなければと思っています。いまの社会は真心を持って接してくれる人が少なくなっているから、純粋に友達として接してくれる人って大事ですよね。あとは『家族』と『恋』も大切にしたい重要な要素です」。子供の頃から「家庭を持ちたい、子供が欲しい、結婚したい」という思いが強かったというマーク。日本の女性は「結婚しないでバリバリ働く人も多いんですよ」と伝えると、人生を達観したような深い答えが返ってきた…。「結婚しないのは台湾の女性も同じです。女性にとっては才能が発揮できて、バリバリ働ける土壌のようなものがやっと固まってきた時代だと思うので、『子供を産み、家事をする』という選択をあえてしないのも僕は“アリ”だと思ってます。経済面から見ても“共働きをしないとやっていけないから子供を産まない”とか、“成功するまで結婚しない”という考えも理解できます。でも僕自身は、仕事よりも恋をすることや家族を大事にすることが重要なんです。これが本心なんですよ。結婚というのは形式ではあるけれど、人生にとって結婚でしかエンジョイできないこともあるんじゃないかなとも思うんです。お金をいくらたくさん稼いだとしても、奥さんが温めてくれた一杯の牛乳の“あたたかさ”にはかなわないこともあるんじゃないかなって。電子レンジでチン!でもいいですけど(笑)。人生のポイントをどこに置くかは人それぞれだから、色々と考えてみるのも悪くないのではないかなと思います」。日本には3か月程の留学経験もあり、少しなら聞き取りもできるという彼は「木村拓哉さんや、妻夫木聡さん、阿部寛さんが好きです。映画では深津絵里さん主演の『ステキな金縛り』が好き」と言い「日本のクルーと仕事ができれば長く滞在することができるので実現を願っています」とも語る。そんな彼は最後にこんな抱負を教えてくれた。「父親が芸能人なので、昔から母親には『芸能界だけには入るな』と言われ続けてたんですけど、いまこうして役者をやっているのはもう“運命”と言うしかないなと思っています。今後は少し仕事をペースダウンして調整しながら、すべての作品に全力を尽くせるようにしていきたいです。俳優としては『楽しい人』になりたいという目標があります。そしてプライベートでは『30歳までに結婚したい』と言い続けてきたので実現させたいですね。あと2年以内に(笑)!!『ハーバー・クライシス』はアクションシーンはもちろん、ツァイ監督の最も得意な分野である人間性を引き出し、感性を描いたところにも注目して楽しんでいただければと思います!」(text:Tomomi Kimura)■関連作品:ハーバー・クライシス<湾岸危機>Black & White Episode1 2012年9月8日より全国にて公開© 2012 Hero Pictures Corporation Limited. ALL RIGHTS RESERVED.
2012年09月03日堺雅人と山田孝之をキャストに迎え、自ら書き下ろした戯曲を映画化した赤堀雅秋の初監督作『その夜の侍』。このたび、本作が8月23日(現地時間)より開幕となる第36回モントリオール世界映画祭の「ファースト フィルムズ ワールドコンペティション部門」に出品されることが明らかとなった。小さな鉄工所を営む中村健一は、5年前にひき逃げ事件で妻・久子を亡くして以来、虚無感に囚われた生活を送っていた。一方、ひき逃げ犯・木島は刑期を終えて出所。しばらくすると木島の元に、“何か”をカウントダウンする匿名の脅迫状が届くようになる。送り主は中村に違いないと周りの者はそれを止めさせようとするが、久子の命日の夜、遂に2人は対峙することになる――。本作の出品が決定した「ファースト フィルムズ ワールドコンペティション部門」は、世界中から選りすぐった初監督作品で競うコンペティション部門。同部門に選ばれた作品はもちろん賞の対象にもなるため、映画祭でも一際高い注目を集めている部門である。劇団「THE SHAMPOO HAT」の旗揚げ以来、全作品の作・演出・出演を担当し、その独自の世界観は“赤堀ワールド”と称され多くの支持を集めてきた赤堀監督は、初映画監督作ながらも舞台で鍛え上げた手腕で主人公・中村役の堺さん、木島役の山田さんを始め綾野剛、谷村美月、坂井真紀、安藤サクラら豪華実力派キャストの力を存分に引き出し、細部にわたってこだわりを見せ、独自の世界観を映画に注入させたようだ。今回の海外出品の決定について、当の赤堀監督は「なんかすいません…といった感じです。出品させていただくことになり、キャスト・スタッフのおかげだと思います。嬉しいです」と恐縮しつつも、その喜びを噛み締めている様子。かつては滝田洋二郎監督が『おくりびと』でグランプリ、『悪人』の深津絵里が最優秀女優賞、『わが母の記』が審査員特別大賞受賞と、数多くの日本映画が栄えある賞を手にしてきた映画祭だけに、同じくコンペティション部門の賞レースに本作がどのように絡んでくるのか、注目が集まる。『その夜の侍』11月17日(土)より全国にて公開。■関連作品:その夜の侍 2012年11月17日より全国にて公開© 2012「その夜の侍」製作委員会
2012年07月30日NODA・MAP 第17回公演『エッグ』の制作発表が7月20日に行われ、作・演出の野田秀樹と出演の妻夫木聡、深津絵里、仲村トオルらが登壇した。NODA・MAP 第17回公演『エッグ』チケット情報本作は野田が芸術監督を務める東京・池袋の東京芸術劇場のリニューアルこけら落とし公演。スポーツと音楽というふたつの要素を中心にした作品だ。妻夫木がこの世にないスポーツの新人選手、仲村がベテラン選手を演じ、深津はシンガーソングライター役。重要な要素となる音楽は椎名林檎が担当する。「どのような作品にしたいか」と問われた野田は「不可解にして愉快、爽快で若い、老獪な芝居」と韻を踏んで表現。「この世に存在しないスポーツを描き、見る人が想像するという不可解。見事なキャスティングと自負する役者たちが自在に動く愉快、椎名さんの爽快な音楽。そして最近考え込んだようなものが多かった自分の芝居を壊すという意味の“若い”、とはいえ若い演出家にはつくれない作品をつくるという意味で老獪」と流れるように説明した。そこに共演の橋爪功が「野田作品は奇っ怪。音楽をテーマにするというのでミュージカルだと思って引き受けたら違った。自分が歌うシーンがなさそうなので不愉快」と切り返し笑いを誘った。今回でNODA・MAP3作目となる妻夫木は「野田さんはいつも、終わったあとも未来永劫その舞台の世界について想像し続けられるような作品をつくる方。今回も、自分も観客の方も見たことのない景色を見たいし、見せたいと思います」と意気込んだ。野田作品に初めて参加する仲村は「転校した学校でかくれんぼをしていて、うまく隠れすぎて見つけてもらえなかったところを、日が暮れたころにようやく見つけてもらった気分。泣きながらありがとうと抱きつきたいです」と独特の言い回しでこの作品に参加できる喜びを表現していた。深津はすでに椎名とレコーディングを始めているそうで「才能があるうえにやさしくかわいく、あげくの果てに頭がいい。彼女を通じて役作りが始まっていて、得した気分です」と椎名にべた惚れの様子。そんな椎名から寄せられた「唯一無二と書いてトクベツと読むこの声に、似合わない調べはありません」というコメントが読み上げられると、「この言葉を勇気に頑張りたい」と思いを新たにしていた。最後に振付師を演じる藤井隆がスポーツに掛けて「オリンピックイヤーに、池袋で野田さんのオリンピックが開かれます」ときれいにまとめて会場は笑いに包まれた。出演はほかに秋山菜津子、大倉孝二。公演は9月5日(水)から10月28日(日)まで東京芸術劇場プレイハウスにて上演。チケットは7月21日(土)10:00より一般発売開始。取材・文:釣木文恵
2012年07月20日9月、妻夫木聡が舞台に立つ。NODA・MAPの新作『エッグ』がそれで、妻夫木にとって3度目の舞台であると同時に、3作目の野田秀樹作品でもある。NODA・MAP「エッグ」チケット情報「気が付いたら、続いちゃいました(笑)」と笑うが、「作品を選ぶ時は、かなり直感に身を任せています。野田さんに声をかけてもらったら反射的に“あ、やりたい”と思うんですよね」という言葉が裏付けるのは、自身と野田との相性の良さだろう。昨年の出演作『南へ』は、不二山という架空の火山を舞台に、噂、報道、真実、嘘といった問題がやがて、日本の歴史全体への視線に繋がるような作品だった。「『南へ』での経験は大きかったですね。僕が演じたのは、見方によって幽霊とも人間とも、記憶喪失者とも二重人格者とも言える青年。お客さんが観ながら解釈の可能性を広げていける話なので、自分の役が何者かを決めつけるのは早々にやめました。と同時に、野田さんからは、役の感情や感覚が腑に落ちていることが求められたんです。演じる側にそれがないと、ただ難解なだけの話で終わってしまう。難しくて苦しみましたけど、苦しむことを自分で大切にできた作品でもありました」。『エッグ』は、スポーツと音楽をモチーフにした話になること、妻夫木聡、深津絵里、仲村トオルが主演であること、音楽を椎名林檎が手がけること以外、詳しいことは明らかにされていない。「どんな作品になるのか、楽しみですよ。さっきの“腑に落ちる”も、野田さんからよく言われる言葉で、わかったような芝居をするな、ということなんですけど、いつもたくさんの刺激をもらっています」。新作でどんな苦しみと喜びが待っているかはわからないが、共演者にも心強い期待を寄せる。「深津さんと一緒にやると、引き出されるものが多いんです。役者としてあれだけいろんな顔を持ってたら、自我を大事にするのかと思いがちですけど、協調性をとても大事にする方で。これは僕の想像ですけど、それは野田さんの舞台に出演されていたことも影響しているんじゃないかな。仲村さんは、子供の頃からずっと拝見しているので、以前から知っているような気がしますが、実は全くの初対面。おそらくがっつり絡むと思うんですが、初めての共演を舞台でできることは、とてもうれしいですね」。取材・文:徳永京子公演は9月5日(水)から10月28日(日)まで東京芸術劇場プレイハウスにて上演。チケットは7月21日(土)10時より一般発売開始。なお、チケットぴあでは7月10日(火)11時まで先行抽選・プレリザーブを受付中。
2012年07月06日現在、大ヒット公開中の『宇宙兄弟』を始め、『告白』、『悪人』、『モテキ』とヒット作を次々と送り出してきた東宝の気鋭プロデューサー・川村元気が、6月16日(土)、ラフォーレミュージアム原宿にて、「ショートショートフィルムフェスティバル & ASIA2012」の一環で行われた若手クリエイター向けのセミナーに登壇し、ほかでは聞くことのできない製作秘話を交えながら、ヒットを生み出す極意の講義を行った。「映画プロデューサー」と聞くと、映画製作のためのお金を集める人というイメージを持っている人もいるかもしれないが、川村さん曰く「全部をやる人」であり、「プロデューサーのネームバリューだけで作れる映画なんて、まずないですよ」と語る。川村さんがいう“全部”とは、映画の企画・脚本やキャスティングから宣伝、DVDパッケージの製作まで、1本の作品の全てに携わるということ。だが一方で、「僕は撮影現場にはあまり行かないんです」とも。父親が映画監督だったこともあり、「(撮影現場に)行くと、ついつい何か言いたくなってしまうんですよ」と笑い、妻夫木聡&深津絵里主演の『悪人』の撮影現場では「たまにノムさん(元・楽天ホークスの監督)みたいに、ボヤいてました(笑)」というエピソードを明かし、会場を沸かせた。続いて、松たか子が壮絶な復讐劇を怪演した『告白』の話になり、予告編が流されると、「疲れますね~。胃もたれしそうですね…」と自身の担当作品を辛口評価する川村さん。「この暗い内容を“どうやって売れる娯楽作品にできるか”に挑戦して、メジャー大作として成功させられたことは本当に嬉しかった」とふり返った。本作のメガホンを取ったのは、現在『進撃の巨人』を製作中の鬼才・中島哲也監督。鬼才の放つオーラに日々怯えていたという川村さんは「熊みたいで、ホントに怖かった…」と漏らす一方で、「中島さんって“誰の言うことも聞かねぇぞ”ってイメージだと思うですけど、実は誰よりも他人の話をよく聞いてるんですよ。映画を成功させる人って、みなさんそうだと思います」としっかりフォローも忘れなかった。さらに、『モテキ』の製作裏話も。本作では、長澤まさみを始め、麻生久美子、仲里依沙、真木よう子ら主人公を取り巻く豪華なヒロインたちが特に話題を集めたが、このキャスティングの理由について聞かれた川村さんは「下世話すぎて、僕の人品が下がりそうですが…」と前置きしつつ、「大根仁(監督)と『誰が飲み会に来てくれたら、嬉しいか』と話し、オファーしました(笑)」と正直に告白。「とことん脚本を作る時点で考えました。脚本は女優に対するラブレターだから」。ちなみに、大根監督は長澤さん、川村さんは麻生さんを推したそう。最後に、川村さんは「よく映画祭に足を運ぶんですが、たいていの若い監督はアイディアを“発見”した時点で映画を作ってしまっていて、その発見を使ってどうやって観客を楽しませるかという“発明”の部分がないように思います。ウディ・アレン(『ミッドナイト・イン・パリ』)やコーエン兄弟(『トゥルー・グリット』)のような監督だって『面白くない』と思われることがあるのに、若い監督ならなおさら。たぶん観客を優しい人たちだと思って作っている。だから、僕はそこの“甘え”はなくしてほしい」と真剣な表情で、明日のヒットメイカーたちにエールを送っていた。「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2012」は6月19日(火)までラフォーレミュージアム原宿にて、6月22日(金)から24日(日)まで表参道ヒルズ スペース オーほかにて開催。公式サイト:特集「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2012」特集「シネカフェくんのふらっと映画祭」■関連作品:悪人 2010年9月11日より全国東宝系にて公開© 2010「悪人」製作委員会 告白 2010年6月5日より全国東宝系にて公開© 映画「告白」フィルムパートナーズモテキ 2011年9月23日より全国東宝系にて公開© 2011映画「モテキ」製作委員会宇宙兄弟 2012年5月5日より全国東宝系にて公開© 2012「宇宙兄弟」製作委員会
2012年06月18日今秋公開の映画『踊る大捜査線 THE FINAL新たなる希望』に、SMAPの香取慎吾が犯人役で出演することが発表された。その他の写真『踊る大捜査線 THE FINAL…』は、湾岸署を舞台に、おなじみのメンバーである青島(織田裕二)やすみれ(深津絵里)、署長に就任した真下(ユースケ・サンタマリア)、室井(柳葉敏郎)らが、新犯人(香取)が巻き起こす事件に挑む姿が描かれる。これまで“踊る”シリーズに登場した犯人といえば、 小泉今日子が演じた猟奇殺人犯や岡村隆史が演じた女子高生連続噛み付き魔など、観客に強烈な印象を残してきた。本作で香取が演じる犯人は、極端に台詞が少なく台本にも感情がほとんど書かれていないそうで、その正体や彼の犯行内容、その目的は謎に包まれている。長年、“踊る”シリーズのファンだったという香取は「いつかは出演したいと思っていましたが(メンバーの)稲垣くんが出演した時に自分の出演はないなと思いました。自分の持つ力を出しきって勝負したい。織田さんに負けません」と意気込みを語っている。すべての撮影を終えた本広克行監督は、香取について「普段あまり見せない狂気の芝居を見せてくれてます。その表情だけでものを語れる役者としての香取さんにすごい魅力を感じました」とコメントしており、シリーズ最後の犯人が青島とどのように対峙するのか気になるところだ。『踊る大捜査線 THE FINAL新たなる希望』9月7日(金)より全国公開
2012年06月01日2011年の実写映画ナンバー1ヒットを記録した映画『ステキな金縛り』のブルーレイ&DVDが25日(金)にリリースされる前に、三谷幸喜監督が取材に応じた。その他の写真本作は、三流弁護士のエミ(深津絵里)が、殺人容疑をかけられた男の上にのしかかっていた落ち武者(西田敏行)の幽霊を証人に招きいれ、被告が事件の夜“金縛り”にあっていたというアリバイを証明し無罪を立証するべく奔走する法廷コメディだ。映画でも次々とヒット飛ばしている三谷監督だが、本作は監督が10年前から温め続けるも、なかなか実現しなかったという企画だ。「当時は、映画でコメディはあたらない、法廷ものは難しい、幽霊ものもそれほどヒットしないと言われて、『その3つを全部やって、当たる映画を作ります!』って宣言しちゃった手前、これが当たらなかったら次はないな、と。だから公開前は不安でしたね」。しかし、映画は大ヒット。興行収入42.8億円を記録した。もちろん、企画を温め続けた10年の間に大きな出来事もあった。主演女優・深津絵里との出会いだ。「前作(『ザ・マジックアワー』)で初めて深津さんと御一緒して、今回は“深津さんありき”で始まったんです。まず『深津さん主演でコメディをやりたい』と思いましたし、深津さんの魅力をどれだけ映像で残せるかが僕の使命だと思っていました。彼女はお芝居も上手なんだけど、動きが面白いし、動きのキレがいいんですよね。深津さんはそれに加えてどこか“哀感”がある。この人はコメディエンヌに必要なものをすべて持っている人だと思います」。ちなみに三谷監督は続く舞台『ベッジ・パードン』、スペシャルドラマ『ステキな隠し撮り 完全無欠のコンシェルジュ』でも深津に出演を依頼している。自作がヒットし、高評価を集めていることについて「もっと褒めてもらってもいい!」とジョークを飛ばす三谷監督だが、本作ではこれまで多様してきた“長回し”をあえて封印して、短いカットを積み重ねる作劇に挑戦するなど、1作ごとに自らにハードルを設定し、映画を撮り続けている。「映画に関しては明確な目標があって、それは『お熱いのがお好き』(ビリー・ワイルダー監督の傑作コメディ)なんです。あの映画のいいところは“観終わった後に感動が残らないのに満足は残る”こと。そんな映画がつくりたいし、それが僕の映像としてのコメディの目標なんですね。だからそのために今なにをすればいいのか逆算しながら作っています。そこに向けて着実に進んでいる感じです」。『ステキな金縛り』スペシャル・エディション3枚組7140円(税込)発売元:アミューズソフト販売元:東宝『ステキな隠し撮り 完全無欠のコンシェルジュ』3990円(税込)発売元:フジテレビジョン販売元:ポニーキャニオン『 三谷幸喜「short cut」』3990円(税込)発売元:株式会社WOWOW販売元:東宝株式会社すべて発売中
2012年05月25日演劇好きなら誰もが知るテネシー・ウィリアムズの『ガラスの動物園』。長塚圭史により詩情あふれる演出が加えられ、新たな魅力を引き出されたその舞台が3月10日東京・シアターコクーンで開幕した。『ガラスの動物園』チケット情報客電が落ち、劇場に闇がわだかまる。しばしの静寂の後、舞台に一筋の明かりが灯ると、光の中には瑛太演じる作品の語り部、作家の分身トムが唐突に立っている。次いで音楽とともに現れたのは、作家自らが「追憶の芝居」と言う劇中に棲み、物語を進める記憶の断片=ダンサーたち。演出の長塚圭史は、執拗かつ膨大に戯曲に書き込まれた作家の記憶と思い入れを、俳優とは異なる身体表現で軽やかに舞台に乗せることに成功していた。物語はトムの記憶のなかにある過去、母アマンダ(立石凉子)と姉ローラ(深津絵里)との生活と、それを捨てた現在のふたつの時間を往還しながら進んでいく。家族の支配者である母と、ひどく内向的な姉。経済的に行き詰まった1930年代、大恐慌時代のアメリカという背景とともに、トムはこの小さな家族にがんじがらめにされ息苦しく暮らしている。そんな、世界に対して閉じて暮らす3人家族に、風のように現れてさざなみを立てるのはトムの高校時代の同級生にして現在の同僚、かつてローラが想いを寄せていたジム(鈴木浩介)だ。ささやかでいい、今よりも少しだけ幸せになりたい。4人の登場人物が抱く望みは、形こそ違うけれど時代や国にかかわりなく普遍的なもの。でも、そのための一歩を踏み出すことがいかに難しく、そこには闘いと呼んでもいいほどの葛藤が伴うことを作家は残酷に書き記す。ふたりの子供を深く愛しながらも華やかな過去に執着し、時に感情を暴走させるアマンダを硬軟自在に演じる立石。現実社会に対応できぬもろさと、ガラスの動物たちにだけ心寄せる自分だけの世界を築く頑なさ。ひとりの女性のなかに宿る真逆の資質を鮮やかに表現する深津。明るく、善良で前向き。それゆえに人を傷つけるという矛盾を孕んだ好青年を軽妙に体現する鈴木。そしてふたつの時空を行き来しながら、深く自身に向き合い傷つく男を繊細かつ大胆に生きる瑛太。今、この作品を演じるのはこの4人しかいない、というほどのベスト・キャストが集まっている。従来は重く、観客にのしかかるような作品の空気が、笑いも交えながら心地よく浸透していったのは4人のアンサンブルによるところが大きいだろう。さらに効果を上げているのが、冒頭にも書いたダンサーの存在。気鋭のダンスグループ「プロジェクト大山」を率いる振付の古家優里は、長塚の演出意図に十全に応え、劇場全体を追憶へと誘い、観る者すべての記憶の扉を開けさせる大役を、ダンサーの身体と動き、その気配までをも操ることでまっとうしていた。そう、この舞台を観ることで観客は自らの記憶、つまりは自分自身と向き合うことを余儀なくされる。誰もが望みながら、果たすことの難しい内なる心の旅。それは観劇後、劇場を出て尚しばらく、貴方を心地よくさまよわせるに違いない。公演は同所にて4月3日(火)まで。取材・文:尾上そら
2012年03月12日時代の空気感を表してきたといっても過言ではないテレビのCM。では、新旧のCMのなかから「好きなCM」と「嫌いなCM」を選ぶとしたら? マイナビニュース読者にアンケートしました。調査期間:2011/12/5~2011/12/9アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数 861件(ウェブログイン式)■好きなCM「トヨタ。ドラえもんや織田信長などさまざまなキャラクターがおもしろい」(22歳/男性)「ローソン。今だとおにぎり屋のCMが素朴でおいしさが伝わってくる」(47歳/女性)「消臭力。うますぎる歌を聞いていると、思わず笑ってしまって明るい気持ちになる」(27歳/女性)「ダイワハウス。リリーフランキーさんと深津絵里さんが夫婦を演じているやつ。あの空気感がとてもステキ」(25歳/女性)「JR九州新幹線。沿線の人がたくさんあつまっている様子が映し出されているのが面白い。『ココであんなことしてる、あそこであんなことしている』と、何度見ても発見がある」(31歳/女性)「アイフル。チワワが可愛かった。CMがきっかけでチワワを飼い始めた」(25歳/女性)ざっくりとした回答が多かったものの、キーワードから「あーあれね」なんて、当時のCMを思い出したという方もいるのでは?続いては、読者が選んだ「嫌いなCM」をご紹介。■嫌いなCM「某不動産。音が大きくてドキッとする」(29歳/男性)「殺虫剤。虫が苦手なので、食事どきに流さないで」(24歳/女性)「電話アプリ。泣いている演技や笑っている演技が鼻につく」(23歳/女性)「消費者金融。借金を軽いものだと考えやすくなると思う」(26歳/男性)「出たがりの社長が、棒読みで会社の説明をするCM」(24歳/女性)「某美容整形外科。院長のナルシスト具合が……」(25歳/女性)辛らつな意見もちらほら……。好みの問題もあるのでなかなか難しいところですが。さまざまな趣向があるとはいえ、こうしたCMの好みに対する意見として多く見受けられたのが、「好きな芸能人が出ていれば好きだし、嫌いな芸能人が出ていれば嫌い」というもの。内容うんぬんではないというのは、何とも身もふたもない話ですが……皆さんはどう思います?(くわ山ともゆき+プレスラボ)
2012年02月21日アメリカの劇作家テネシー・ウィリアムズの自伝的作品『ガラスの動物園』が3月より、東京・シアターコクーンで上演される。2月6日、稽古場で会見が行われ、演出の長塚圭史と出演の立石凉子、深津絵里、瑛太、鈴木浩介が登壇した。『ガラスの動物園』チケット情報2011年に生誕100年を迎えたテネシー・ウィリアムズ。彼の戯曲は世界中で頻繁に上演されており、中でも本作と『欲望という名の電車』は日本でもたびたび上演されている。『ガラスの動物園』は、かつて家を捨てた息子トム(瑛太)が、観客に向けて過去の出来事を語りかける、“追憶の芝居”という形で進行する。1930年代のセントルイスでつましく暮らす3人の家族。子供たちの将来に現実離れした期待を抱いている母アマンダ(立石)。ガラス細工の動物たちと父が残した擦り切れたレコードが心の拠り所の内気な姉ローラ(深津)。父親不在の生活を支える文学青年の弟トム。ある日ローラに紹介するため、トムが会社の同僚ジム(鈴木)を夕食に招いた。惨めだった家族につかの間の華やぎがもたらされたかのようだったが……。長塚は「普遍的な家族の話であり、切っても切れない家族の縁、業の部分が色濃く出ている。これは“追憶の芝居”なので、瑛太が演じるトムの記憶が家族を表出させていき、現代劇として力強い部分になっていくんじゃないかと思う」と語った。また、演出プランとして「家族の思い出とトムが出会う記憶と繋がるモノたち(ダンサー)を入れてみようと思った。彼と家族の隔てた時を繋ぐ細胞のような存在になれば視覚的に面白く見せられると思う」と明かした。姉弟を演じる深津と瑛太はこれが初共演。深津の印象を尋ねられた瑛太は「深津さんがお姉さんというのは幸せです。素敵な方で、誤解を招きそうですが“武士みたいな人だな”と。どうしたらそこまでスっとしていられるのかと思います」とコメント。深津は「武士みたいと言われたのは初めてではないので、そんなに驚きはしないです」と苦笑しながらも、瑛太に対し「(役が)姉弟だからとかで無理に距離を縮めなくてもそこに居てくれて、一緒にいて疲れないから演じる事に集中できます。若いのに落ち着いていて、私とテンションが近いのかなと思います」と信頼を寄せる。また立石と鈴木はそれぞれ「このキャストと演出が長塚さんと聞いて1秒以内に“やります!”とお返事しました」(立石)、「役柄でも深津さんから憧れてもらっているなんて役者の醍醐味です。人生でもこんなチャンスは2度とないと思うので、最後の舞台になってもいいという気持ちで作品に向かいます」(鈴木)と意気込みを語った。公演は同劇場にて3月10日(土)から4月3日(火)まで上演。チケットは発売中。
2012年02月07日