毎日新聞出版株式会社は、2022年7月4日に直木賞作家・澤田瞳子さんの歴史小説『恋ふらむ鳥は』を発売します。『恋ふらむ鳥は』書影(帯あり)「誰かの娘、妻、そして母としてではなく、一人の人間として生きる――」飛鳥の動乱を生き抜いた万葉の歌人、額田王(ぬかたのおおきみ)の激動の半生従来の額田王像にとらわれない物語構成、女性の自立、壬申の乱からちょうど1350年など、2022年の今、ぜひ読んでいただきたい要素がぎっしりとつまった一冊です。【本書の内容】古しへに 恋ふらむ鳥は 杜鵑(ほととぎす) けだしや鳴きし 我が念へるごと時は7世紀。飛鳥の世に生きた一人の女、額田王(ぬかたのおおきみ)は子まで成した大海人王子(おおあまのみこ)と別れ、その兄、葛城王子(かつらぎのみこ)の仕切る宮城で宮人として勤めに邁進する。女の身で、一人の人間として歌詠みとして生きる道を模索するも、葛城の死、大海人の挙兵でその運命は一転する。白村江の大敗、叔父と甥が争う壬申の乱……。動乱の飛鳥の世を生き抜いた額田王の運命はいかに。【書誌情報】書籍タイトル: 『恋ふらむ鳥は』著者 : 澤田瞳子価格 : 2,200円(税込)発行 : 毎日新聞出版判型 : 四六判・上製ページ数 : 568ページISBN : 978-4-620-10857-5 【著者プロフィール】澤田瞳子(さわだ・とうこ)1977年、京都府生まれ。同志社大学文学部文化史学専攻卒業、同大学院博士前期課程修了。2011年、デビュー作『孤鷹の天』で第17回中山義秀文学賞を受賞。13年『満つる月の如し 仏師・定朝』で本屋が選ぶ時代小説大賞2012ならびに第32回新田次郎文学賞を、16年『若冲』で第9回親鸞賞を、20年『駆け入りの寺』で第14回舟橋聖一文学賞を、21年『星落ちて、なお』で第165回直木賞をそれぞれ受賞。近著に『輝山』『漆花ひとつ』がある。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年07月04日株式会社文藝春秋コミック編集部は『少年と犬』(原作・馳星周、漫画・村上たかし)を刊行します。全国書店にて6月28日(火)より発売します。電子版も同時配信し、マンガアプリでも配信を開始します。『少年と犬』は、東日本大震災で飼い主と離ればなれになった一匹の犬“多聞”が、さまざまな人々との出会いと別れを繰り返しながら、東から西へと旅をする物語です。家族のために犯罪に手を染めた男、外国人窃盗団のリーダー、男に貢ぐ風俗嬢、死期を悟った老猟師、震災で心を閉ざした少年……旅の途中で多聞が遭遇するのは、傷つき、悩み、惑う人々です。彼ら彼女たちは、多聞の持つ“不思議な力”によって心を洗われ、勇気と愛をもらいます。東北から本州を縦断し、ひたすら南西へと向かう多聞が目指す“目的地”とは──。人間という愚かな存在を、犬の視線を通して描いた珠玉の連作集である原作は、2020年に第163回直木賞を受賞、25万部を超えるロングセラーとなっています。コミカライズを担当したのは、ベテラン漫画家の村上たかし。すべてを失った中年男と愛犬との最後の旅を描いた『星守る犬』シリーズが100万部超の大ヒットとなり、映画化もされました。今作では抑制の効いた語り口でドラマを紡いだ原作を踏襲しつつ、きめ細やかな作画力で、感動的にコミカライズしました。犬好き、マンガ好き、文芸ファンだけでなく、幅広い読者を引きつける魅力にあふれた作品です。(村上たかしさんのコメント)私は元々「多聞」に、強くて優しくて、そして切ないその犬に、魂を持って行かれた一読者です。「多聞」の物語を一人でも多くの読者に届けたい、その一心で、とても深く豊かで、その分コミカライズするには困難な馳先生の原作に必死で食らいつき、持てる力のすべてを駆使して描きあげました。よろしくお願いします。書名:少年と犬販売価格:1100円(税込)体裁:A5判 並製カバー装詳細URL: ■関連情報■◎プロモーション動画公開中 ◎文春オンラインで連載 ◎マンガアプリ「LINEマンガ」で6/28より配信開始 ◎マンガアプリ「ピッコマ」で6/28より配信開始 ■著者プロフィール■馳星周(はせ・せいしゅう)1965年、北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務、書評家などを経て、96年『不夜城』で小説家デビュー。同作で吉川英治文学新人賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。98年『鎮魂歌 不夜城2』で日本推理作家協会賞、99年『漂流街』で大藪春彦賞受賞。2020年『少年と犬』で直木賞受賞。主な著書に『生誕祭』『復活祭』『雨降る森の犬』など多数。村上たかし(むらかみ・たかし)1965年生まれ。85年『ナマケモノが見てた』でデビュー。すべてを失った中年男と愛犬との最後の旅を綴った『星守る犬』が大ヒット。ほかに、『後妻業の女』(原作・黒川博行)などコミカライズ作品も手掛けている。主な著書に『続・星守る犬』『青い鳥~わくらば~』『探偵見習いアキオ…』『ピノ:PINO』など多数。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年06月27日直木賞&本屋大賞受賞作家・辻村深月の人気小説を原作に、アニメ制作の現場で働く人々が織りなすドラマを描いた映画『ハケンアニメ!』が先日、公開を迎えた。計441ページ(単行本)におよぶ原作小説を約2時間の映画として脚色したのが、ドラマ「死役所」、「レンタルなんもしない人」、「あのコの夢を見たんです。」など、一風変わった設定やシチュエーションの異色ドラマを数多く手がけてきた脚本家の政池洋佑である。新卒で一般企業に就職するも突如、サラリーマンとしての生活を捨て、脚本家を志したという政池だが、どのようにしてこの世界に入り、年に数本の連ドラを任される人気脚本家となったのか? いまの時代に、脚本家に必要とされる視点や能力とは? たっぷりと話を聞いた。――まず、政池さんが脚本家になられるまでの道のりについて伺ってまいります。大学卒業後、まず企業に就職されて、その後、エンタテインメントの世界に入られたそうですね。学生時代から脚本家になりたいという気持ちはあったんですか?いや、なかったですね。ただ、TVドラマは好きで、ドラマのプロデューサーや監督になりたくて、就職活動でTV局は受けていました。ただ、選考はわりと進むんですけど、最後の最後で落ちるんですよ。たぶん、薄っぺらさが伝わるんでしょうね…(苦笑)。実際、薄っぺらかったと思います。「ドラマが好き」と言いつつも、僕よりももっと好きな人はたくさんいたと思いますし、なんとなくノリだけで面接は進んでたんでしょうね。結局、TV局は全部落ちたんですけど、就活で受かったUSENで新卒で働き始めたんです。そこで毎朝、1時間ひたすらバナーの確認をするといった仕事をしてまして。1時間ずっと「F5」ボタンを押し続けて、特定の広告が何回出たのかをカウントするんですけど「これはつらいぞ…」と(苦笑)。僕、大学の頃にママチャリで日本縦断をしたことがあるんですけど、その頃の親友がTBSで働いていたんです。そのつながりである日、音楽番組の収録を見学させてもらったんですけど、なんて楽しそうな世界なんだろう!って。大学時代は2人ともあんなに楽しそうだったのに、一方はいまもキラキラ楽しそうにしてて、俺は「F5」を延々と押し続けてて…。加えてその頃、大失恋をしたんですね。そのイキオイで会社を辞めて「脚本家になろう」と思ったんです。――会社を辞める時は、この先、生きていく自信はあったんですか?いや、完全なノリですね。当時、付き合ってた彼女にフラれて「絶対にあいつを見返してやる!」って感じでそのままノリで辞めちゃいました(笑)。いや、こう言いつつ、僕はもともと、ものすごい安定志向なんですよ。メチャメチャ貯金するタイプだし。なのにイキオイで辞めちゃったんですね。つくづく、いろんな歯車が狂った結果として、いま、ここにいるんだなと思いますね(笑)。だから『ハケンアニメ!』を書くときも、主人公の瞳に感情移入できる部分は大きかったです。彼女は大学を出て、県庁で働いていたのに、退路を断ってアニメの世界に飛び込んでくるじゃないですか。自分自身を重ねながら脚本を書いていました。――会社を辞められて、その後、有名な放送作家の元に弟子入りしたと伺いました。そうです。当初から脚本家を目指してはいたんですが、構成作家にも興味があって一度、そちらも勉強してみたいなと思って、放送作家さんの弟子として働き始めました。――その後、すんなりと構成作家に?そうですね。構成作家というのはわりと人数が多い業界なんですね。いまも僕は朝の情報番組で仕事をさせてもらっていますが、わりと早い段階からいくつかの番組に入れましたね。――構成作家のお仕事というのは、ドラマや映画の脚本家とは全く違うものですか?違うと思われる部分が多いと思いますけど、僕は構成作家であることが、脚本を書く上ですごく活きているなと感じることが多いです。『ハケンアニメ!』もそうですね。今回の原作小説を読むと、3人の主人公たちが少しだけ時系列がずれているところで奮闘していて、それぞれがすごく良いセリフを口にするんですよね。それを俯瞰で見て「このセリフは絶対に大事にしなきゃ」とか「このシーンは大切だな」というふうに組み替えながら1本の映画として“構成”していくんです。僕はこの“構成力”が、脚本家として自分が得意な部分なのかなと感じていて、おそらく今回、僕を起用してくださった東映の須藤(泰司)プロデューサーもそこを評価してくださったんじゃないかと思います。――構成作家が具体的にどういうお仕事なのか詳しく説明していただけますか?やることはメチャクチャいっぱいあります。それこそ番組の企画書を書いて、その企画を会議で通して…、といったこともしますし。先ほどもお話した映画やドラマ脚本の仕事との類似という部分で言うと、例えば、ある俳優さんのことを、情報番組で紹介するとします。「昨日の映画のイベントに出席しました」とか「過去にこういう作品に出演しています」とか「インタビューの映像があります」とかいくつも“素材”があって、それらを決められた時間の中で、どういうふうに見せたら視聴者の興味を引くことができるか? というのを考えます。「オリンピック」であれば、「競技の映像」、「過去の映像」、「表彰式」や「インタビュー」の映像があって、それらをどういうふうに組み合わせて、どういうふうにVTRを終わらせたら、一番面白いか? カタルシスを感じられるか? といったことを考える仕事ですね。素材は決まっているので、“ゼロ”から“1”を作ることはできないんですけど、素材を並べて魅力的なVTRを作っていくということをやります。――構成作家として仕事をしつつ、どのように脚本家にシフトしていったのでしょうか?まずはシナリオセンターというところに通ってみました。その後、賞に応募したりもしたんですが、なかなかそこからは仕事につながらなかったんですよね。ただ、ある幸運な出会いがありまして…。サラリーマン時代にお世話になっていた先輩がいて、その人から「昼間に西荻窪で飲もう」ってずっと誘われてたんですね。最初のうちは何度か断ってたんですけど、5回目くらいにようやく行ったんです。そこになぜかリンボーダンスを踊る人たちがいて(笑)、そこで先輩に「お前も踊れよ」と言われて僕も「イェーイ!」ってメッチャ踊ったんですけど、なぜか先輩たちはすぐに帰っちゃって、せっかくリンボーダンスを踊ったのに、ひとりで寂しく飲んでたんですよ(苦笑)。――なかなか酷い展開です…。「もう帰ろう」と思ったら、隣に座ってた2人組の女性が「さっき踊ってたよね?」と話しかけてくれて、ひとりがドラマのAPをやっている方で、もうひとりは脚本家の大島里美さん(※「1リットルの涙」、大河ドラマ「花燃ゆ」など)だったんですよ! 僕は「1リットルの涙」が大好きだったので「えぇっ! 大島里美がいるよ! 嘘でしょ?」って感じで(笑)。「こんなチャンスはない!」と思って、そこから親しくさせていただいて、自分が書いたシナリオを送って読んでもらったり、一緒に飲みに行ったりするようになって、ある時、大島さんのピアノの発表会に行ったら、そこでテレ東のプロデューサーの方と知り合って、その出会いがきっかけで、脚本家として連ドラデビューすることになったんです。いま振り返ると、あそこでリンボーダンスを踊ったことがデカかったなって思います。リンボーダンスで人生変わりましたから(笑)。だから、若い脚本家の人と話をするとき、「何かあったら、自分から動けば人生変わるかもしれない」ってことはよく言いますね。――脚本家の金子ありささん(「恋はつづくよどこまでも」、「中学聖日記」など)に師事されていた時期もあったそうですね?そうですね。金子さんは大島さんの先輩で、大島さんから「いま、金子さんが弟子を募集してるけどやらない?」ってお話をいただいて、「やる!」と食い気味に行きまして(笑)、金子さんの下で1年ほど修行させていただきました。金子さんは本当に優しくて面倒見がよくて、とにかく脚本会議などの現場に常に連れて行ってくださって、そこで、僕が考えたプロットも発表する時間を持たせてくれるんです。もちろん僕のプロットなんて1ミリも使われないんですけど(苦笑)。まず会議で、金子さんがプロットをどうやって練り上げていくか? というシナリオ術と会議術を見ることができて、さらに会議の後にカフェで1~2時間ほど、金子さんが僕のプロットの何が悪いのか? どうしたら良くなるかということをマンツーマンで指導してくださるんです。それは本当に貴重でありがたい時間でした。その時のメモは「一生忘れちゃいけないな」と思って大切にとってあるし、いまでもたまに見返してます。「あぁ、金子さん、このことを言ってたんだ!」って当時はわかってなかったことが理解できたりしています。――そもそも「脚本家になろう!」と思ったのはなぜだったんでしょう? 映画やドラマは昔から好きだったんですか?好きでしたね。ただ、学生時代にそういう創作活動は全くやってなかったんです。さっきも言いましたけど、学生時代にやったことと言えば、ママチャリで日本縦断ですから。後は遊び歩いてました。だから我ながら、よくこの仕事をやれてるなぁって思います。僕は「自分に才能がない」と認める才能があって、そのぶん、吸収力はハンパないと思うんです(笑)。他人が作った面白いストーリーから学んで、自分のものにしていくのが得意なんだと思います。いまでもいろんな作品から勉強させてもらって、自分の力にしていますね。――好きなドラマや影響を受けた作品はありますか?ドラマは好きでわりと何でも見てましたけど「やまとなでしこ」とか「マイ ボス マイ ヒーロー」、映画だと『耳をすませば』とかメチャメチャ好きでした。クリエイターで言うと古沢良太さんとかは本当にすごいなぁと思います。ただ、さっきも言いましたけど、僕の武器ってたぶん「普通」であることなんですよね。ドラマがメチャクチャ大好きで、メチャメチャ見ているという人もいるじゃないですか? でも、僕は「普通」に好きで、「普通」に見てるんですよね。だから就活の時、TV局を落ちたんだと思いますけど、それは弱点でもありつつ「普通の感覚を持っている」ことが自分の特徴なのかなと思います。なので「○○さんが大好きで、憧れて、追いかけてます!」みたいなのはないですね。――先ほど、お話に出た「武器」と通じるかと思いますが、これまでいくつもの作品を手がけてきて、ご自身の作風だったり、作品の特徴ってどういう部分だと思いますか?『ハケンアニメ!』はちょっと違いますけど、「ぶっ飛んだ設定」と「ぶっ飛んだキャラクター」ですね。ドラマ「スナイパー時村正義の働き方改革」(※)なんかはまさにそうですね。※「スナイパー時村正義の働き方改革」:2020年3月にCBCテレビで深夜枠で放送された連続ドラマ。情報機関の伝説のスナイパーと同機関の人事部のOLの2人だけで繰り広げられるシチュエーションコメディで、仕事一筋のスナイパーが社会の波を受け、ミッションのさなかに“残業ゼロの定時退社”や“デジタル化”といった働き方改革を強いられていくさまを描く。2020年日本民間放送連盟賞番組部門 テレビドラマ番組最優秀賞、令和2年度(第75回)文化庁芸術祭 優秀賞、JNNネットワーク協議会 特別番組賞などを受賞。ただ、こうして賞をいただいたりもしたんですけど、番組自体は全然見られていないんですよね…(苦笑)。――CBCでの深夜放送ということもあって、「見られなかった」という人も多いのかと思います。Paravi(パラビ)でも配信されてるんですけど、なかなかね…(苦笑)。ネットでバズることもなく、「月刊ドラマ」の5月号にもシナリオを載せてもらったんですけど、これもあんまり売れてないのかなぁ…(苦笑)?ちょっと話が脱線してしまうんですけど、今回、シネマカフェさんにこの「映画お仕事図鑑」でインタビューをしていただこうと思った理由が、この「スナイパー時村正義の働き方改革」がきっかけなんですけど、自分で自信のある面白いものを書いて、それが賞をとったとしても、意外と人々に届かないというのを感じたからなんです。民放連の最優秀賞をいただいた時に「よし、これで売れるぞ」「大ブレイクするな」と思ってたんですけど、この作品をきっかけにしたお仕事のオファーというのがひとつもなかったんです。そこにはもちろん、いろんな要素があると思うんですけど、“僕”という人間のコンテンツ力がメチャメチャ低いというのも原因のひとつだなと思ったんです。まず、僕自身が多少なりとも有名になることも大事なことだなと。この連載で、少し前に『罪の声』の野木亜紀子さん(「逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」など)のインタビューが掲載されていましたが「野木亜紀子の新作!」となると、その時点で「絶対見る!」というファンの方が多くいると思いますけど、脚本家でなかなかあのレベル、あのゾーンに達するのって簡単なことではないですよね。もちろん、「面白いものを書く」というのが一番大切なのは言うまでもないですが、それと同時に違うアプローチ、違う戦い方も必要なんじゃないかと考えるようになったんですね。「スナイパー時村正義の働き方改革」のシナリオが「月刊ドラマ」に掲載されたのも、その一環で「今度、Paraviで配信されるので、載せてもらえませんか?」と自分から編集部に売り込んだんです。これまでは「面白いものさえ書いてれば、いつか評価される」と思ってた部分があったんですが、民放連の受賞をきっかけに、それだけじゃダメなんだって勉強させてもらいました。――ここまで話をうかがってきて、『ハケンアニメ!』の脚本を政池さんに任せようと考えた須藤プロデューサーが慧眼だなと思います。僕がお話をいただいたのは5~6年前かな? 当時はまだドラマは1本くらいしか書いてなかったと思います。実は、最終的に実現には至らなかったあるプロジェクトがあったんですけど、その作品のプロットを僕が書かせていただいたんです。それを須藤さんが読んで気に入ってくださって、そのことがきっかけで『ハケンアニメ!』で僕を抜擢してくださったんだと思います。――ここから今回の『ハケンアニメ!』の脚本の執筆に関して、詳しくお話をうかがってまいりますが、政池さんはこれまで、『ハケンアニメ!』以外のドラマ作品でも、漫画や小説の脚本家を手がけてきています。原作を脚本にする際に大事にしていること、心がけていることはありますか?一番大切にしているのは最初に読んだ時に「素晴らしい!」と思ったセリフやシーン、展開で、読みながら「おぉっ!」って心が動いた部分に関しては印を付けていくようにしています。で、脚本にする際に、その部分を確実に入れるということを大事にしています。それって当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、他の脚本家の方が書いた作品を見ていて「え? あの原作のセリフなくす?」「あのシーン、削っちゃったの?」って思うことってわりとあるんですよね。「ちょっと待って! あのセリフのためにここまでの展開があったんじゃないの?」という部分がバッサリなくなってたりしてると「この作品の面白さの“核”を理解してますか?」って思っちゃう。まあ、これは他人の作品だからこそ冷静に見られる部分もあると思いますけど(笑)。これはやはり、構成作家をやっている影響が大きいと思います。「このコンテンツがなぜ世の中で流行っているのか?」「この作品がなぜ多くの人の心を打つのか?」ということを考えていかなくてはいけない仕事なので。この原作の一番面白い部分はどこなのか? を的確に見つけて、それをきちんと脚本に組み込むことが大切だなと思います。――辻村深月さんの書かれた小説「ハケンアニメ!」を最初に読んだ時は、どんなことを感じましたか?とにかくキャラクターが魅力的過ぎるなと。全キャラクターが本当に魅力的で、これを2時間の映画にまとめるのはメチャクチャ難しいぞと思いましたね。あとはセリフのうまさが印象的でしたね。小説家もいろんなタイプの方がいらして、必ずしもセリフで勝負しない方もいると思うんですけど、辻村さんが書くセリフは本当に“刺さる”んですよね。これは一文字も変えちゃいけないな! と思わせるセリフが多いので、それは実際に原作のまま変えずに脚本にしています。中村倫也さんが演じた王子監督が新作発表の場で熱く語るシーンとかはまさにそうですね。――原作は、プロデューサーの有科香屋子(尾野真千子)、アニメ監督の斎藤瞳(吉岡里帆)、アニメーターの並澤和奈(小野花梨)をそれぞれ主人公にした3章の物語で展開します。この3つの物語をどのように1本の映画にしていったのでしょうか? また、映画では、同時刻に放送される瞳と王子(中村倫也)のアニメ対決が中心に据えられています。こうした構成はどのようにして生まれたのでしょうか?映画として作るとき、バトルとした方が見やすいだろうというのはありました。原作では瞳が手がける「サウンドバック 奏の石」と王子の「運命戦線リデルライト」は違う時間帯に放送されることになってるんですけど、“ハケン(覇権)”を争うということを考えても、同じ時間帯に放送されて対決するとした方が、わかりやすく多くの観客に刺さるだろうと思いました。原作の3章の物語は、つながってはいるけれど、時間軸がちょっとずれてるんですよね。それを同じ時間軸の物語にしつつ、対決させることで物語として見やすく、まとまるなと思いました。そうすることで、映画オリジナルのシーンとして生まれたのが、瞳と王子がアニメイベントで、それぞれの新作について語る対談のシーンです。僕自身、あのシーンが映画オリジナルであることを忘れてて(笑)、撮影現場にお邪魔して「良いシーンだな」とか思って見てたら、ちょうど辻村さんもいらして「こういうつくり方もあるんですね」とおっしゃって「そうか、俺が作ったんだ!」って(笑)。――原作では、瞳がアニメの世界を志すきっかけになった作品が、別の監督の作品だったのが、映画では王子のデビュー作という設定に変更されていますね。「憧れの監督との対決」となることで、瞳と王子のバトルがより運命的なものになっていると感じました。そうですね。そこは映画として2時間で見せる上で、ギュッとコンパクトにするというのもありましたし、そうすることで瞳の思いをより強く感じさせられるんじゃないかと思いました。――原作を読んで「キャラクターが魅力的過ぎる」と感じたとおっしゃっていましたが、この魅力的なキャラクターを映画で描く上でどんなことを意識されたんでしょうか?2時間の映画にする上で、どうしても描き切れないキャラクターというのは出てきてしまうんですが、それでも、そのキャラクターが放つ魅力的なセリフは短くても最大限活きるように――たとえワンシーンだけだったとしてもなんとか残したいなと思って、死守しました。映画では決して長くはないですけど、並澤と市役所の宗森(工藤阿須加)のやりとりはまさにそんなシーンですね。――特に政池さんの心に残っている大事なセリフやシーンを教えてください。一番を選ぶのは本当に難しいですが…やっぱり、王子が瞳との対談で“オタク”について熱く語るところですかね。僕自身、読んでてしびれたし、これを中村倫也さんが演じたら面白くなるなと。このセリフを辻村さんがどれほど大切に思って書いたかということも感じました。行城(柄本佑)が「うちは大手だからこそ、こういう作品を作る」ということを言うところも好きですね。あと、その少し前の瞳の独白で「人生には、何かを失っても、それでも何かを成し遂げたい時がある。やらなければならない時がある」というのがあるんですけど、これは瞳の人生、彼女のストーリーの全てが詰まっているような言葉だなと思いますね。――いま、話に出ました「サウンドバック」のプロデューサーである行城に関して、映画を観てファンになる人が多いと思います。原作では「ポロシャツにジーンズ」と描写されていますが、映画では一貫してスーツを着ていますね。こうした変更など含め、“キャラクターを立てる”ためにどういった工夫をされたんでしょうか?衣装に関しては、衣装合わせで監督や柄本さん、衣装スタッフさんが話し合って決めたんだと思います。行城のキャラクターに関しては、とにかく瞳を振り回す男にしたいなというのはありました。彼なりに「作品を届ける」という思いもあって、そうしているんですけど、それをイヤ~な感じで見せたいなというのがあって、映画オリジナルで瞳を振り回す描写をいくつか入れています。辻村さんが描いたキャラクターをより魅力的に見せるために一度、僕自身で飲み込んで、咀嚼して、自分に憑依させて「この男なら、こういうことをするんじゃないか?」「こうすると、辻村さんが描いたキャラクターの魅力が最大限に際立つな」と考えながら、行動を描いていきました。――先ほど、個人的に思い入れのあるセリフやシーンについて伺いましたが、登場人物で政池さんが最も感情移入したのは誰ですか?やっぱり瞳かな? 僕自身、この作品が初めての映画脚本で、吉野耕平監督は2本目なんですよね。だからこそ、長編アニメデビュー作のために奮闘する瞳の心情をここまで丁寧に描けたんじゃないかっていう内容の感想を試写会で映画を鑑賞したお客さんからいただいて「なるほど!そうかも」って思いました。仕事をしている中で「これは絶対に外しちゃダメだ!」という仕事ってあると思うんです。最近は僕もそれなりにお仕事をいただけるようになりましたけど、最初の頃ってそんなにチャンスをいくつももらえないんですよ。まさに野球でいうところの“代打”みたいな感じで、巡ってきたその1打席で結果を出さないといけないという。僕の場合、文字通り最初にいただいたテレ東のドラマの仕事は、別の方が降板しての代打でしたからね(笑)。代打って難しいんですよ(苦笑)! 誰かが作っていたものを引き継いだり、時間があまりなかったり、条件が決して良くない中で、その1回で結果出さなきゃいけないんですから。だからこそ瞳に感情移入する部分があるのかなと思いますね。――改めて、『ハケンアニメ!』の脚本執筆の中で、一番大変だったこと、苦労されたのはどういう部分ですか?原作でそれぞれ別の章で描かれている3人をきちんと絡めるという部分ですかね。原作では、有科と並澤ってそこまで深く絡む描写ってないんですけど、映画では有科が「リデルライト」の原画を並澤に頼みに行くシーンを描いてますし、あれは良いシーンになったなと思います。それから、瞳と有科がボクシングジムで偶然出会って、銭湯に浸かって…というシーンも映画オリジナルですね。原作はそれぞれの章が独立して素晴らしいので、あまり必要なかったんですけど、映画にする上で、3人の女性がそれぞれ戦いつつ、支え合うという描写は絶対に必要だなと思っていました。かといって、あまりに都合よく、無理やり描いてもよくないので、辻村さんの世界観を大切にしつつ、彼女たちをいかに絡めるか? 瞳と王子の対談のシーンを作ったのもそうだし、冒頭に雑誌の表紙を巡るシーンを入れたのをそのためです。最初に表紙のシーンがあるからこそ、並澤をそこできちんと出して、群像劇として描くことができたんです。そのあたりはすごく考えて、工夫しましたね。完成した映画と原作を比べてみると、時間軸を組み替えたり、オリジナルで加えたりしている部分は結構あるんです。でも、原作を読まれている方が見ても、都合よく変更したような無理やりな印象を受けることはないと思います。――映画は瞳を中心に進みますが、瞳だけでなく有科、並澤、王子、行城らに感情移入し、自身を投影する観客も多そうですね。本当にひとりひとりの人物が“脇役”ではなく、それぞれ“主人公”として丁寧に描かれていると思います。原作者の辻村さんが映画オリジナルのセリフで一番刺さったとおっしゃっていたのが、有科が王子に「私に(TV)局と戦えるだけの武器をください」というセリフなんですけど、出来上がった映像を見て、書いた僕もしびれましたね。“心で戦っている”というのを尾野さんと中村さんのお2人が表現してくださったなと思いました。実は、最初の時点で瞳を主人公にするか? それとも有科を主人公にするか? というのは、結構時間をかけて議論した部分でした。初見では有科のほうが入りやすいところはありました。最終的には須藤プロデューサーが瞳を中心に据えることを決めましたが、そういう議論があるくらい、全ての登場人物が本当に魅力的でした。――ここから再び、政池さんご自身のお仕事観などについて伺って参りますが、今後、やってみたいお仕事や目標などはありますか?昔は「朝ドラを書きたい!」とか目標はあったんですけど、最近はとにかく「誰も書いてないような話を書きたいな」と思っています。こんな話、1億回は見たなって話じゃなく、設定やキャラクターがぶっ飛んだ物語を作りたいです。最近、フジテレビで放送された「ここにタイトルを入力」という深夜バラエティでドラマを書いたんですけど「予算が足りなくて、撮影中にどんどんセットが減っていく」という設定のドラマなんです。徐々に会議室の机や椅子がなくなっていったり、主人公の男がパンツ一丁になってしまったりして、最終的に主人公とヒロインがパネルの写真になってしまって、会話もできなくなるんですけど、なぜかグッとくるという展開になってます。視聴者には事前に設定などは説明されないので、物語が進むにつれて「あれ?どうなってんだ、これ?」ってなると思います。こういう仕事をしている時に、自分はこういうのが好きなんだなって実感しました。誰もやらないようなクレイジーな話を書いてるとワクワクするんです。個人的に「笑って泣ける」話が好きなんですよね。くだらなくて「あははは!」って笑ってるのに、最後に泣けてきちゃって「え? なんで俺、これで泣いちゃってるの?」となるような。そういう話を書きたいです。――物語の着想を得るために大事にしていることやアイディアを考える上での自分なりの方法はありますか?よくあるのは「逆のことをぶつける」ってことですよね。「スナイパー時村正義の働き方改革」はまさにそうですけど、スナイパーという“働き方改革”とか関係なさそうな仕事にあえてそれをぶつけてみるという。アイディア帳という意味では、スマホのメモに10年以上前から「この設定、面白いな」と思ったことをメモするようにしています。――本作も人気小説の映画化ですが、最近の日本の映画やドラマでは、オリジナル脚本による作品よりも、どうしても人気漫画や小説を原作とした作品が多い傾向があります。脚本家としてはこうした傾向をどう感じていますか?原作ものが好まれるのもわかります。制作側からしても、オリジナルで連ドラ全10話を作るって、メチャクチャ大変ですから。とはいえ最近、またオリジナルの作品が少しずつ増えてきている気もします。そこはチャンスだと思うので、面白い企画を考えて、通していくしかないなと思いますね。――いま、脚本家になりたいと思っている人に「こういうことをやっておくといい」というアドバイスがあればお願いします。いまの時代、昔と比べて脚本家になりやすいかなりにくいかで言うと、なりやすいと思います。深夜も含めてTVドラマは増えていますから。とはいえ、狭き門ではあるので、なるための戦略は必要だと思います。いま、僕の下にひとりアシスタントがいるんですが、その子はYouTubeで漫画やシナリオを配信しています。そういうところでストーリーを作ることで脚本家としての“筋肉”をつけることはできるなと思います。昔よりはこうした“ストーリーコンテンツ”をアウトプットする場は増えているので、ドラマを書きたいなら、その手前にあって誰でも自分の作品を発表できるところで、ストーリーを作る筋力や技術を身に着けることは役に立つと思いますね。いまはNETFLIXやAmazonプライムビデオなど、配信事業も増えていて、コンテンツの量が増えているのはもちろん、自分が書いた作品が届く範囲も昔よりも広がっているので、そういう意味で“夢”を持てる業界でもあると思います。もちろん、大変なことはたくさんありますけど。コンテンツが増えるのは、ありがたいことですけど、TikTokとかと戦わなきゃいけなかったりするわけですから、大変ですよ!――政池さんご自身も配信作品や韓国ドラマ、海外のドラマなどもご覧になりますか?見ますね。「参考のために」というのもありますけど、見てるとやっぱり面白いですね。もちろん、韓国ドラマが何でも面白いというわけではないんでしょうけど、人気のある作品は日本の作品と比べてもバーンっと突き抜けてると思いますね。先ほども言いましたけど、僕は自分で見ていて心が「おぉっ!」って動いたら、一度止めて、なぜそう感じたのか? というのを分析し、メモしておくということを10年以上やっているんですけど、韓国ドラマを見てると「おぉっ!」というシーンの連続ですね。「愛の不時着」とか一時停止しまくってなかなか進まなかったです(笑)。あれは本当に勉強になりましたねぇ。――「愛の不時着」はプロの脚本家の方から見てもすごい作品なんですね?抜群に面白かったですね。僕の中で「やまとなでしこ」が長くNo.1ドラマだったんですが、久々に「やまとなでしこ」を脅かす…ヘタしたら陵駕するような作品が出てきたなと。大前提としてやはり、設定が面白いですよね。先ほどの「どうしたら見てもらえるか?」という話とも通じるんですけど、いまの時代、「見てみたら面白かった」じゃなくて、「見る前から面白そう」なコンテンツを作らないといけないんだと思っています。だからこそタイトル、設定が本当に大事なんですよね。意外とドラマを作っている人たちって、自分も含め、そのことを忘れがちな気もしてて。バラエティを作ってる人たちは「タイトル命!」というくらい、そこは大事にするんですけど、ドラマだと、わりとフワッとしたタイトルが多かったりしますよね。タイトル、設定に関しては以前から大事だけど、ここ数年、より大事になっているなと感じています。――お話を伺っていて、改めて「面白い作品を作る」ということが大事なのはもちろんですが、それをどう届けるか? 「面白そう」「見てみようかな」と感じてもらうためにコミュニケーション力やマーケター的な視点も必要なんだなということを感じました。そう思います。行城と同じですね。実際、行城が映画の中で言ってることは「わかる!わかる!」って思います。“クリエイター”というのは本来、そういう部分からもっとも遠い存在だと思うんですけど、もはやそういう時代ではないんですよね。最初の話に戻るんですけど、やっぱり自分は「才能がない」ことを認める才能があるからこそ、一歩引いた視点で物事を見ているんだと思います。今回の映画で言うと王子のようなタイプは、才能と寝食を忘れるほどの情熱で自分の作りたいものを作って、その作品が世間に称賛される天才ですけど、自分はそうじゃないんですよね。だからこそマーケター的な視点も必要だし、実際、この映画を通じて行城に教えてもらったことはすごく多いなと思いますし、瞳と一緒に成長させてもらえたなと感じています。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:ハケンアニメ! 2022年5月20日より全国にて公開©️2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会
2022年05月26日YOASOBI(ヨアソビ)の楽曲「好きだ」が、ヘアケアブランド「いち髪」の新CM曲となる。直木賞作家・森絵都の書き下ろし小説が原作。森絵都の書き下ろし小説を音楽に“小説を音楽にするユニット”YOASOBIの「好きだ」は、直木賞作家とのコラボレーションプロジェクト第2弾となる楽曲。森絵都が“はじめて〇〇したときに読む物語”をテーマに書き下ろした小説「『ヒカリノタネ』――はじめて告白したときに読む物語」を楽曲化した。物語のあらすじは「幼馴染の椎太が好きでたまらない高校生の由舞が、四回目の告白を確かなものとするため、過去の告白を消し去ろうとする」というものだ。永野芽郁出演の「いち髪」新CM曲にYOASOBI新曲「好きだ」は、9月9日(金)より放送されるヘアケアブランド「いち髪」の新CM曲に。CMには、イメージキャラクターで女優の永野芽郁、俳優の東ヨシアキが出演する。森絵都のコメント原作者の森絵都は、下記の通りコメントを寄せた。「好きだ」のタイトル通り、曲全体から告白前のドクドクとした鼓動が伝わってくるようで、「心から誰かを思うこと」のまぶしさに胸が躍りました。小説から元気よく飛びだしてきたような女の子の惑いや気づき、そして決意に至る道筋が、短い歌詞世界の中に色濃く焼きつけられていることに驚いています。耳の奥でいつまでも鳴りやまない伸びやかなメロディと歌声は、世界中の片思いへの力強い祝福だと思います。【詳細】YOASOBI 新曲「好きだ」配信日:2022年5月30日(月)※5月23日(月)より、全国のセブン-イレブン店内にて音源先行解禁。※9月9日(金)より、ヘアケアブランド「いち髪」新CM曲作詞・作曲・編曲:Ayase歌唱:ikura原作:「『ヒカリノタネ』――はじめて告白したときに読む物語」」 (森絵都 著 / [『はじめての』(水鈴社 刊)より])<あらすじ>幼馴染の椎太が好きでたまらない高校生の由舞は、四回目の告白を確かなものとするため、過去の告白を消し去ろうとする。
2022年05月26日直木賞&本屋大賞受賞作家・辻村深月の小説を映画化した『ハケンアニメ!』が現在公開中。この度、吉岡里帆、中村倫也らキャスト陣の笑顔が溢れるメイキング写真がシネマカフェに到着した。アニメーション業界を舞台に、最も成功したアニメの称号=「ハケン(覇権)」を手にすべく、奮闘する者たちの姿を描いた本作。そんな劇中で火花を散らす2本のアニメーションが、「サウンドバック 奏の石」(通称:サバク)と「運命戦線リデルライト」(通称:リデル)。同クール・同時間帯で視聴率を争うことに。吉岡里帆演じる新人・斎藤瞳が監督する「サバク」そのうちの1本「サバク」は、県庁に勤めていた元公務員だが、天才監督・王子千晴が手掛けるアニメと出会い、感銘を受け、一念発起してこの業界の門を叩いた主人公・瞳(吉岡さん)が監督を務める作品。彼女を起用したのは、敏腕プロデューサー・行城理(柄本佑)。アニメづくりに没頭したい瞳と、作品を売るためには手段を選ばず、瞳をあらゆる宣伝の場に引っ張り出す行城は、衝突しながらも、次第に心を通わせ、目標に突き進んでいく。異なる立場で同じ作品に携わっている2人。行城が瞳を挑発するような強気なセリフを投げかけると、瞳はムキになって反論することも。吉岡さんは「あんまり感情の起伏が激しいタイプじゃないんですけど、それ以上の、自分が出会ったことのない人と会うとああなるんだなというか。行城さんならではのパワーだと思いました」と行城の存在が瞳の感情的な一面を引き出すキーになっているのだと分析。一方、演じた吉岡さんと柄本さんの関係は良好だったようで、「(柄本)佑さんが出られている作品のイメージもあって、すごくクールで、ミステリアスな方なのかなと思っていたんですけど、実際お会いしたらすごく三枚目な方で、たくさん面白いお話をしてくださいました」と吉岡さんが柄本さんの魅力を明かし、「撮影している時に、自由にやっていいよという空気をすごく作ってくださっていたように感じて、とてもありがたかったです。面白い方なので、それが行城さんが持つ面白さともリンクして、すごく楽しかったです!」とふり返った。柄本さんもまた「非常に可愛いらしくて、現場でもすごく気を遣える方で、だけど演技では、芯の強さがある方だなと思いました。斉藤瞳役を演じる上で、地から割とぴったりなのかなと。あと、非常に心地よい声の方だという印象がありますね」と語っている。中村倫也演じる天才監督・王子千晴の作品「リデル」かつて監督デビュー作で世を席巻し大成功を収めたが、その後はヒットなし、実は崖っぷち状態の王子監督が手掛ける「リデル」。王子を口説き落とし、8年ぶりの新作を復帰の舞台として企画したのが有科香屋子(尾野真千子)。自由奔放な王子に日々振り回されながらも、唯一心を許せる存在となっていく。過去にも共演経験のある中村さんと尾野さん。尾野さんは「すごく落ち着いていて、お芝居も素敵で、やわらかさの中に強さがある。今回、近くで中村倫也という人を見ていて、『この人って本当に不思議な人だな、一つの中にたくさんのことが詰まっている人だ』という風に思って、以前よりすごく興味が湧きました。やっとそういう楽しみな人に合えたから、またご一緒したいです!」とコメント。中村さんは「とても気さくでフレンドリーな方なので、やっぱり安心感がありました。逆に王子と有科さんでいる時の方が違和感がありましたね」と話し、「物語の後半で、ちょっとした有科さんの女性の顔が垣間見れてよかったですね。すごいきゅんきゅんしました。(王子は)めちゃくちゃなこと言ってますけどね。ツンデレっぽい感じが漏れ出てくるといいますか・・・あのシーンは、小学生感を意識しました」と明かしている。本作鑑賞の際には、ぜひ、中村さんが思わず心を奪われた香屋子とのシーンに注目してほしい。『ハケンアニメ!』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:ハケンアニメ! 2022年5月20日より全国にて公開©️2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会
2022年05月25日直木賞、本屋大賞作家・辻村深月の人気小説を映画化した『ハケンアニメ!』が5月20日(金)から公開になる。本作は、アニメーションの世界の“ハケン=覇権”をとるべく作り手たちが奮闘する姿を描いた作品だが、単なる“お仕事もの・業界もの”ではなく、そこで苦闘する人たちの想いが周囲の人々や視聴者に伝わっていく様も描いている。監督を務めた吉野耕平はCMやミュージックビデオの世界でも活躍し、『水曜日が消えた』で長編デビューを果たした人物で、舞台になったアニメーションの世界を徹底的にリサーチし、愛情をもって描きつつも「アニメーションに興味がない人にも観てもらいたいです」と語る。日々、次々と放送されるアニメーション。しかし、そこで人気を得る作品はほんのひとり握りしかない。この世界の“ハケン=覇権” をとるアニメーションはどの作品なのか? 原作小説はアニメーション制作の現場で活動する人々の姿を多角的に描いており、吉野監督は映画化が決まる前から「自分で映画化してみたい」と思っていたようだ。「頭の中で映像化しながら小説を読むことが多いんですけど、この小説も読みながら“どうすれば映画化できるかな?”と思いながら読んでいました。読んでいるとアニメーションの制作現場に自分も足を踏み入れている感じがあって、ビジュアル喚起力がすごくありました。それに同じ年齢ぐらいの、他の仕事をしていてもおかしくない人たちが仕事としてアニメーションに真剣に向き合っている。その姿がすごくリアルに感じましたし、描写も展開も“地に足のついている”感じが魅力だと思ったんです」やがて願いが叶い、吉野監督は本作の映画化に参加。原作の様々な要素を丁寧に絞り込んで、脚本家の政池洋佑と脚本をつくりあげていった。「僕が参加した段階の脚本からすでに瞳監督と王子監督の対決が脚本の中心にはなっていたんですけど、その段階ではまだ瞳監督の気持ちがしっかりと描ききれていないと思ったんです。だから王子監督と瞳監督の成長をしっかりと描くことで、他のキャラクターがたくさん出てきても最後までブレずに映画にできるだろうと思いました」公務員から大手アニメーション会社に転職した斎藤瞳(吉岡里帆)は、新作アニメーション『サウンドバック 奏の石』でついに監督デビューを果たすことになったが、監督としての経験もスキルも少ない瞳のやる気と熱い想いは空回り。作品を売るためには手段を選ばないプロデューサー行城理(柄本佑)とは衝突ばかりで、チームの足並みは乱れていく。一方、瞳がアニメーションの世界を志すきっかけになった天才アニメーション監督の王子千晴(中村倫也)もプロデューサーの有科香屋子(尾野真千子)のバックアップを受けて8年ぶりの新作『運命戦線リデルライト』の制作にあたっていた。瞳の手がける『サウンドバック』と王子が手がける『リデルライト』は同じ曜日の同じ時間に放送。どちらの作品が視聴者の支持を得るのか? それぞれの作品が問題を抱えながら制作を進め、ついに初回放送がスタートする。本作ではアニメーションの制作過程が丁寧に描かれ、そこで活動する人々の日常や悩み、迷いが描き出されるが、監督は観客が自分の目でアニメ制作の世界を覗き込んでいるような語り口を選んだ。「脚本の段階で頭にあったのは『千と千尋の神隠し』です。あの映画は不思議な湯屋の世界を、観客は千尋の目線で一緒に旅していく。結果的にその全貌はわからないけど、最後のゴールまではたどり着くことができる。だからこの映画でも観客が突然 “アニメづくりの世界”に放り込まれて、瞳監督と一緒に旅していくイメージがありました。だから撮影の段階でも、瞳監督の見ているものを描こうとしましたし、彼女が話す場面では、そこにいる全員が彼女を見ている場面を入れるようにして、観客に瞳監督の視点を味わってほしい、ということを意識していました。それと前から『マネーボール』が好きだったんですよ。あの映画もブラッド・ピット演じる主人公が周囲に理解されない中で、根気よく野球チームを改革していき、そこに熾烈なトップ争いの話が入ってくる。チームリーダーの目から見ると野球はこう見える、ってことを感じられる。視点や切り取り方の面白さがあるんです」本作は物語を語る視点=瞳監督を明確にして、瞳監督と王子監督の対決と成長を映画の背骨にすることで映画としての強度を上げ、ブレのない状態で両監督を取り囲む人たちの魅力、映画ならではの日常描写の面白さ、文字や吹き出しが画面内を動きまくるモーショングラフィックを盛り込んでいった。「劇中の人物については役者さんの力が大きいですよね。それに僕自身もいろんな映像の現場で仕事をしてきていますので、それぞれの現場で様々な立場のプロフェッショナルたちを見てきたんですよ。彼らはその分野で自分の人生を切り拓いてきた人たちなわけで、そこはリアルに伝えたい。だから主人公とその人の距離感、主人公の感じる“その人との関係”をカメラアングルを工夫して描いていきました」監督が実感する“作り手が最後にできること”とは?吉野耕平監督さらに本作ではProductionI.Gをはじめとする日本のトップスタジオが劇中アニメを手がけ、老舗アニメ制作会社・東映アニメーションが業界監修を担当しているが、劇中アニメを実写に“挟み込む”だけでなく、その作品が物語の中で存在し、作り手や視聴者に伝わったり、影響を与えていく様子をしっかりと描いている。「劇中のアニメを登場させる時は“広がり”を見せなければならないので、意図的に完成した映像だけではなくて、絵コンテの段階で見せておいたり、テレビ越しに見せたりすることで、“物語の世界の中の作品”という表現をしています。撮影している段階では、どんなアニメーションがあがってくるのかわからなかった部分もあり、あれこれ準備を進めていたんですけど、その心配が結果としてうまく機能したところもあったと思います。映画の中では、そのキャラクターが美男や美女かどうかは、周囲の人のリアクションだったり、振り向いたりする様子によってわかるわけですよね? だからどんなに美形の役者さんでも“可愛くない”役ができる。『ハケンアニメ!』でも劇中アニメが登場する時には、視聴者のSNSでの反応も含め、さまざまな方法でそれを観ている人、周囲にいる人の反応とセットにして「どう受け取られているアニメなのか」を描くようにしています」おそらく本作を観た観客は劇中に登場するアニメーションを観たくなるはずだが、それは“作品を観て反応する人”が前後にしっかりと描かれているからだ。「僕は車にはまったく興味がないんですけど『フォードvsフェラーリ』を観ると、前半に車をつくっている人のドラマが丁寧に描かれていて、クライマックスは車が走ってる描写と、それを見守っている人たち、そこまでに積み上げていった感情が描かれていて、車に興味のない僕でも楽しめたんです。僕はアニメが好きなんですけど、アニメに興味のない観客もいるわけで、この映画をつくる上では、アニメそのものだけでなく、それを観ている人の感情も大事に描いてます。だから、アニメーションに興味がない人にも観てもらいたいですね」アニメーションが生み出される過程で監督もスタッフも声優もみな、それぞれに悩み、考え、完成した作品を観た視聴者は盛り上がったり、友達と感想を言い合ったり、固唾を吞んでテレビ画面に向き合ったりする。作品には誰かの想いが込められている。作品は観る人に手渡され、伝わり、広がっていく。「この映画を観た辻村さんは『私はこの作品で“フィクションに救われる人間”のことを描きたかったんだなぁ』と仰っていたように思います。瞳監督は最初、隣の部屋に住んでる男の子に自分がアニメ監督であることを伝えてないし、そのことを隠したいと思っているんですけど、話が進んでいく中で『絶対に面白いから観て』と言うようになる。彼女は最初は“過去の自分”に届けたい、自分の中で完璧なものをつくりたいと思っていたけど、物語が進む中で、自分のつくったものを現実に“届けたい相手”を見つけるんです。そういうことって映画だけじゃなくて、音楽や小説でも同じだと思うんですよね。それに実際に作品をつくっている側の実感で言うと、自分たち作り手が最後にできることは“いま、誰かが観てるといいな”と思うことぐらいなんですよ(笑)。自分がつくったものが誰かに届くことを願うしかないんです」アニメーション界の“ハケン”を目指す人たちの想いと、そこで生まれた作品は広がり、多くの人たちに伝わっていく。何かを変えていく。そのダイナミックなドラマが本作の最大の魅力だ。公開後、本作の作り手たちの想いは観客に伝わり、各地に広がっていくことになるだろう。『ハケンアニメ!』5月20日(金)全国ロードショー(C)2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会
2022年05月20日直木賞作家・辻村深月の人気小説を原作に、アニメ制作に携わる人々のドラマを描き出す映画『ハケンアニメ!』の試写会が5月8日(日)に都内で開催。エッセイストの犬山紙子が上映後のトークイベントに登壇した。映画ライターのSYOをMCに迎えて行なわれたこちらのトークイベント。犬山さんは、辻村さんによる原作小説も愛読していたということで「辻村先生にしか描けない、解像度の高い、フィクションを愛する者の叫びをどう描くんだろう? というのが最初、この映画で気になる点でした」と原作を愛するがゆえの映画鑑賞前の気持ちを明かしたが、実際に完成した映画を観て「最っ高でした!」と手放しで絶賛する。特に中村倫也が演じる“天才監督”王子がアニメイベントで自身も含めたアニメを愛する“オタク”への思いをまくし立てるシーンに触れ「あのシーンこそ、辻村先生の叫びなんじゃないかと。私も二次元を愛する人間として、金言のように受け取りました。中村さんの愛のこもった、魂のこもった演技で、セリフじゃなく『あ、本当に愛してる人が語ってる言葉だ!』と伝わってきました。私も『幽 遊 白書』の飛影だったり、『テニプリ(『テニスの王子様』)』の跡部様が心のよりどころの学生時代を送ったので、その私を不幸だったなんて言わせないと代弁してくれました」と感謝の思いを口にする。犬山さんが学生だった頃は“オタク”という言葉には現在よりもネガティブなイメージが色濃くあり、二次元やフィクションを愛するということに対し「生産性のない趣味」「現実がイヤだから、そういうものにハマるんでしょ?」などと偏見に満ちた心ない言葉を掛けられることも多かったという。「『二次元のキャラクターが好きなんて、実際に恋愛したら治るよ』と病気のように言われることもありましたが、そういう気持ちを作る側の立場からすくってくれる言葉でした」と熱く語る。映画の中では傍から見ればキラキラと輝いて見えるクリエイターたちの裏での苦労、“生みの苦しみ”もしっかりと描かれており、犬山さんも心打たれた様子。「『ゼロから(作品を)生み出すプレッシャーと言ったら…かじりついて書くしかないんだよ』というセリフも、辻村さんが小説を書くにあたって思っていることなんだろうなと。私も最近、気づいたんですが、原稿を書いていて行き詰ると、指毛をむしっているんです(苦笑)。裏側って見せられるようなもんじゃないんですよね。そこがしっかりと描かれていましたね」とうなずく。これまで数多くの漫画やアニメに救われてきたという犬山さん。「私の場合、好きな作品ができると、心にそれ専用の“部屋”ができるんです。小6で飛影に恋して『幽 遊 白書』の部屋ができたんですが、新しく別の作品を好きになっても、その部屋がなくなるわけではなく、永久に部屋が増え続けて、それらの部屋が集合体として私の中で聖域のような場所として作用するんです。『幽 遊 白書』が好きで、次に『テニプリ』が好きになって、『ハイキュー!!』、『ワールドトリガー』が好きになって、最近ではソシャゲなんですけど『魔法使いの約束』という作品がシナリオがすごくよくて…!どの部屋も私のよりどころとして存在していて、王子監督が話したように、もちろん現実逃避の側面もあるかもしれませんが、今を生きるために『あ、いまちょっとしんどい』とか『いま、あの作品の力を借りなきゃ』という時に、ドアをノックして、そこで少し休んで力をもらって、また出てくるみたいな“無敵の味方”のような存在なんです」と明かす。「好きを、つらぬけ。」というのは本作のキャッチコピーだが、まさに自身の中の「好き」を貫き続けた結果として“いま”があるとも。エッセイスト、漫画家として活躍するが「いま、ここでこうやってお話をさせてもらえていること自体、『好き』を貫いた先にあったことだと思います」と語り、子どもの頃から好きだったという「ちびまる子ちゃん」やその作者であるさくらももこのエッセイを読んだり、アニメ『耳をすませば』を見て、主人公・雫に対し「これは私のことでは?」と自らを重ねながら「学生時代から何かを描きたいという思いはずっと持っていた」とふり返る。「最初は編集者として雑誌を作ってたんですが、母の介護に回らなくちゃいけなくなって、でも家で介護しながらでも、何かを書くことができるんじゃないか?と夢は捨てなかったので、やはり『好き』という原動力に助けられてきたという思いはありますね」と語った。監督、アニメーター、プロデューサー、聖地巡礼を盛り上げようとする公務員など、アニメに携わる“仕事人”たちの姿を余すところなく描く本作。「監督だけでなく、スタッフみんなでアニメを作り上げてるんだということが伝わってくる。それって本当に尊い。全員が主役として、誇りをもって仕事をやっている“お仕事映画”であり、どの人にフォーカスを当ててもカッコいい!」と映画がひとりひとりの登場人物を丁寧に描いている点にも称賛を送る。そんな、数多くの魅力的な登場人物たちの中で、犬山さんが特に「グッと来たし、共感ポイントも多かった」というのが、尾野真千子が演じた、王子監督を支えるプロデューサーの香屋子。特に香屋子と吉岡里帆が演じる瞳がジムで顔を合わせ、一緒に銭湯に浸かるシーンに言及。「ライバルなんだけど、2人ともそこで力を得て、現場に戻っていくあの感じ――女性の描き方にシスターフッドをしっかりと感じました。(香屋子の)アニメ好きで一本、真っ直ぐな感じも好きです」と語る。映画を観終えたばかりの観客に向けての「もう一度、本作を見る際の注目ポイント」を尋ねると、犬山さんは「王子監督が瞳に対してもちゃんとリスペクトを持っているということ。ライバルとはいえ、面白いものを作る人へのリスペクトが互いにあって、それは香屋子と瞳もそうで、その描き方が美しいです」と語る。さらに、先述のアニメイベントのシーンに再び言及し「辻村先生が魂を込めて書かれたセリフを王子や瞳がドッと吐露するところに役者さんの魂も乗っています。原作の良さと映画の良さが見事に掛け算されている、後世に残る名シーンになっている。フィクション好きとして、私のように二次元のキャラクターを愛し、フィクションに救われた人間にとって、その気持ちをすくってくれるようなシーン。そのうち、DVD化されたら、しんどい時に見たいです。『ハケンアニメ!』の“部屋”ができました」と熱い思いを語ってくれた。『ハケンアニメ!』は5月20日(金)より公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ハケンアニメ! 2022年5月20日より全国にて公開©️2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会
2022年05月08日直木賞&本屋大賞受賞作家辻村深月の大人気小説を映画化した『ハケンアニメ!』の新予告が公開された。世界中が注目する日本のアニメ業界を舞台に、最も成功したアニメの称号=「ハケン(覇権)」を手にすべく奮闘する者たちの姿を描いた、“胸熱”お仕事ムービー 『ハケンアニメ!』。一世一代の大チャンスを掴んだ新人アニメ監督・斎藤瞳を吉岡里帆、彼女のライバルとなる天才ワガママ監督・王子千晴を中村倫也、瞳を振り回す掴みどころのない超クセ者プロデューサー・行城理を柄本佑、王子の才能に人生を懸ける作品命のプロデューサー・有科香屋子に尾野真千子と、実力派俳優陣が集結している。監督は、『水曜日が消えた』の吉野耕平。さらに劇中アニメの制作には、『攻殻機動隊』シリーズなどで知られるProduction I.Gをはじめ、日本を代表するアニメプロダクションやトップクリエイター陣が参加し、老舗アニメ制作会社・東映アニメーションが監修を手がけている。一足先に行われた試写会では、“好き”を貫こうと奮闘する瞳たちの姿に共感し、思わず熱い涙を浮かべる人が続出。胸熱度99.9%、満足度97.3%、オススメ度100%(3月25日実施:スニークプレビュー試写会調べ)という驚異の数値をたたき出し、SNS上でも「新たな傑作お仕事ムービーの誕生」「アニメにかける情熱や鬼気迫る死闘に圧倒された」「ものづくりの本気が詰まっていて見応え満載」「今年ベスト候補!」と興奮の声が続々と上がっている。いよいよ今月の劇場公開に向け、本作が描くアニメ作りに愛と情熱を注ぐ “仕事人”たちの想いを体現した新予告〈アニメは世界を変える編〉が到着した。かつて王子監督の作品に魅了され、「アニメは魔法を超える力を与えることができる」ことを知り、「誰かの力になるアニメを作るため」にアニメ監督の道を歩んできた瞳。観る人の心に生き続け、世代を超えて、今へと繋がっていく。アニメの素晴らしさ物語るように映し出されるのは、『白蛇伝』(1958 / 監督・脚本:藪下泰司)、『わんぱく王子の大蛇退治』(1963 / 監督:芹川有吾 / 脚本:池田一朗、飯島敬)、『長靴をはいた猫』(1969 / 監督:矢吹公郎 / 脚本:井上ひさし、山元護久)、『太陽の王子ホルスの大冒険』(1968 / 監督:高畑勲 / 脚本:深沢一夫)、『一休さん(第一話)』(1975 / 監督:今沢哲男、矢吹公郎 / 脚本:辻真先)、『おジャ魔女どれみ(第一話)』(1999 / 監督:佐藤順一 / 脚本:栗山緑)、『ふたりはプリキュア(第一話)』(2004 / 監督:伊藤尚往 / 脚本:川崎良)と新旧の名作アニメの数々。東映動画から東映アニメーションと、脈々と受け継がれる実在の名作とのコラボレーションにより、アニメがもたらす奇跡を体現した、まさに本作ならではのスペシャル映像に仕上がっている。本映像には、アニメ監督やプロデューサー、制作現場のクリエイターや声優など、豪華キャスト演じる、アニメ作りを支えるさまざまな職種の人々が登場。「誰かの胸に刺さってくれればいい」という一心でアニメを作り続ける新人監督・瞳、「納得できないものを世に出したらおしまいなんだよ」と産みの苦しみと戦う天才監督・王子、「一つの後悔もない作品を届けたいんです」と頭を下げるチーフプロデューサー・香屋子、「リアル以外の場所も豊かにするのが、私たちの役目ですから」と筆を動かすアニメーターの和奈(小野花梨)、「私たちは負けない、絶対に!」と自らの感情をセリフに込めるアイドル的人気声優・葵(高野麻里佳)。本物さながらの臨場感溢れる制作現場を舞台に、立場も経験も違えど、それぞれに信念とプライドを持ってアニメ作りに挑み続けるプロフェッショナルたち。彼らの心情とリンクしながら次第に完成へと近づいていく、ハイクオリティな2本の劇中アニメ『サウンドバック 奏の石』と『運命戦線リデルライト』も必見だ。「届けよう」とする人々の熱い想いによって作り出されるアニメの絶大な力、何より自分自身の“好き”なものに対して、妥協せず真っ直ぐに向き合う彼らの姿には、日々を懸命に生きる誰しもが共感すること間違いなし。「ハケン(覇権)」の称号をかけたバトルの裏に待ち受ける、胸熱すぎるドラマに期待が高まる。《あなたの心に残るベストアニメ投稿キャンペーン》「アニメは世界を変える。」そんなメッセージを含んだ本作ならではの投稿キャンペーンとして、4月28日から「あなたの心に残るベストアニメ投稿キャンペーン」の募集が開始。開始するや否や、数々の名作アニメの名前が投稿され、現在投稿数はなんと1,254件(※5月1日時点)。アニメによって多くの人がその人生に影響を受けたことがわかる。また、本作の感想投稿キャンペーンでは4月14日の完成披露上映会以降、既に試写会にて本作を鑑賞した感想も次々と集まり続け、現在集まった感想は1,081件(※5月1日時点)。アニメ業界や映像業界、メディアに働く人のみならず、日々を懸命に生きる誰しもが、共感できることが裏付けされている。感想&ベストアニメ投稿キャンペーン: 『ハケンアニメ!』5月20日(金)より公開
2022年05月02日直⽊賞受賞の小説『⽉の満ち⽋け』が実写映画化。⼤泉洋を主演に迎え、2022年12月2日(金)に公開される。直⽊賞受賞作品『⽉の満ち⽋け』が実写映画化『⽉の満ち⽋け』は、2017年に第157回直⽊賞を受賞した、累計発⾏部数26万部を超えるベストセラー⼩説。1983年『永遠の1/2』で第7回すばる⽂学賞を受賞して作家デビューしてから、『ジャンプ』『Y』『⾝の上話』など数々の名作を⽣み出し、2021年は『鳩の撃退法』の映画化でも話題となった佐藤正午による珠⽟のラブストーリーだ。<映画『⽉の満ち⽋け』あらすじ>”もう一度逢いたい”と願う純粋な想いが、27年の時を超えて奇跡を起こす――。仕事も家庭も順調だった小山内堅の日常は、愛する妻・梢と娘・瑠璃のふたりを不慮の事故で同時に失ったことで一変。深い悲しみに沈む小山内のもとに、三角哲彦と名乗る男が訪ねてくる。事故に遭った日、小山内の娘が面識のないはずの自分に会いに来ようとしていたこと、そして彼女は、かつて自分が狂おしいほどに愛した“瑠璃”という女性の生まれ変わりだったのではないか、と告げる。“愛し合っていた一組の夫婦”と、“許されざる恋に落ちた恋人たち”。全く関係がないように思われたふたつの物語が、数十年の時を経てつながっていく。それは「生まれ変わっても、あなたに逢いたい」という強い想いが起こした、あまりにも切なすぎる愛の奇跡だった——。主演は⼤泉洋、有村架純・⽬⿊蓮・柴咲コウも出演■主⼈公・⼩⼭内堅...⼤泉洋愛する妻⼦を失い、幸せな⽇常から⼀転、数奇な運命に巻き込まれる主⼈公。主演を務めるのは、俳優として、NHK⼤河ドラマ「鎌倉殿の13⼈」、映画『騙し絵の⽛』、NETFLIX作品「浅草キッド」など多数の作品に出演する傍ら、2年連続NHK紅⽩歌合戦の司会を務めるなど、国民的人気を獲得している⼤泉洋。主⼈公の28歳から55歳を演じるという難しい役どころに挑む。■正⽊瑠璃...有村架純⼩⼭内の娘と同じ名前を持つ謎の⼥性。演じるのは、『花束みたいな恋をした』『前科者』『映画 太陽の子』『るろうに剣心 最終章 The Beginning』など、話題作への出演が絶えない有村架純。■三⾓哲彦...⽬⿊蓮(Snow Man)正⽊瑠璃と許されざる恋に落ちる⼤学⽣。Snow Man(スノーマン)の⽬⿊蓮が担当する。⽬⿊蓮は『おそ松さん』の公開も控えるが、グループとしてではなく、ソロでの映画出演は『⽉の満ち⽋け』が初。⼀途に⼀⼈の⼥性を愛す20歳の⼤学⽣と、39歳の⼤⼈になった姿を、フレッシュな演技で魅せる。■⼩⼭内梢...柴咲コウ⼩⼭内の最愛の妻。深い愛を持って家族を⾒守るが、数年前に事故で他界してしまう。演じるのは、『ホリック xxxHOLiC』『沈黙のパレード』が待機している柴咲コウ。⼤泉洋との共演は3度目のタッグとなる。■正木竜之介...田中圭正木瑠璃の夫。瑠璃を愛しているが、時に暴走してしまう。■緑坂ゆい...伊藤沙莉小山内の娘・瑠璃の親友。瑠璃の死後に母になり、小山内にある頼み事をする。■小山内瑠璃...菊池日菜子小山内堅の最愛の一人娘。数年前に母、梢と共に事故で他界。■三角のバイト仲間・中西...寛一郎■三角のバイト先の店長...波岡一喜■八戸に住まう小山内の母親・小山内和美...丘みつ子■小山内和美の介護士・荒谷清美...安藤玉恵ジョン・レノンの名曲「Woman」が劇中歌に劇中歌には、ジョン・レノンの名曲「Woman」を採用。1980年当時、ジョン・レノンの暗殺当日、劇中の三角と同じく大学生であったプロデューサーの1人によるリアルな記憶が、着想源になっている。原作では82年だった設定を脚本作りの段階であえて80年に前倒し、1980年に起こる小山内夫妻の結婚と正木瑠璃と三角の出会いをよりドラマチックなものとして描き出した。また、劇伴は、「ゲスの極み乙女」のメンバー・ちゃんMARIとしても活躍しているFUKUSHIGE MARIが担当する。監督は廣⽊隆⼀×脚本は橋本裕志監督は、『ストロボエッジ』『余命⼀か⽉の花嫁』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の廣⽊隆⼀。脚本は『ビリギャル』『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』『そして、バトンは渡された』の橋本裕志が務める。【詳細】映画『⽉の満ち⽋け』公開時期:2022年12月2日(金)原作:佐藤正午「⽉の満ち⽋け」(岩波書店刊)出演:⼤泉洋、有村架純、⽬⿊蓮(Snow Man)、伊藤沙莉、田中圭、柴咲コウ、菊池日菜子、小山紗愛、阿部久令亜、尾杉麻友、寛一郎、波岡一喜、安藤玉恵、丘みつ子監督:廣⽊隆⼀脚本:橋本裕志製作:「⽉の満ち⽋け」製作委員会配給:松⽵株式会社
2022年02月25日直木賞作家・辻村深月による人気小説を主演・吉岡里帆をはじめ、中村倫也、柄本佑、尾野真千子といった実力派俳優陣で映画化する『ハケンアニメ!』公開初日が5月20日(金)に決定。併せて、劇中アニメに出演する超豪華声優陣が解禁され、実写パートにも出演していることが分かった。本作の大きな見どころの1つが、劇中でハケン(覇権)を争うハイクオリティなアニメーション。吉岡さん演じる瞳が監督する『サウンドバック奏の石』(以下『サバク』)と、中村さん演じる王子が監督する『運命戦線リデルライト』(以下『リデル』)の2作品だ。すでに、「群野葵」というアイドル的人気声優という役柄で、声優・高野麻里佳が実写映画初出演を発表しているが、そのほか劇中アニメの声優陣にも錚々たるトップ声優が集結。さらに一部の出演者は、実写パートでも“声優役”として出演するなど、アニメ制作現場のリアリティを、一切の妥協なく描いている。『サウンドバック奏の石』『サバク』にて、トワコたちと共にロボット「サウンドバック」に乗って戦う、どこか影のある少年リュウイチに、「進撃の巨人」のエレン・イェーガー役の梶裕貴。同じく彼らの仲間で、熱血漢の少年タカヤ役には、「HUNTER×HUNTER」ゴン=フリークス役などで知られる潘めぐみ。ヒロイン・トワコの妹にしてしっかり者の少女マユに、「スター☆トゥインクルプリキュア」フワ役などの木野日菜。音を吸収してロボットに変形する謎の「奏の石」役に、「ヒプノシスマイク」の神宮寺寂雷役などの速水奨が決定。実力派声優たちによって命を吹き込まれた、王道ジュブナイルロボットアニメに期待が高まる。『サウンドバック奏の石』対する『リデル』では、行方不明の妹を探す主人公の魔法少女・充莉に、「Re:ゼロから始める異世界生活」エミリア役などで知られる高橋李依。1話1歳ずつ年を重ねる「成長するヒロイン」を演じている。ライバルの謎めいた魔法少女・清良には、「PSYCHO-PASSサイコパス」常守朱役などの花澤香菜。『運命戦線リデルライト』充莉に「運命を変える力」を与えるマスコットキャラクターのデルに、「魔法つかいプリキュア!」キュアマジカル役などの堀江由衣。文学好きな魔法少女・詩織に、「銀魂」猿飛あやめ役などの小林ゆう。充莉の親友にして魔法少女仲間の七菜香に、「ドロヘドロ」ニカイドウ役などの近藤玲奈。芸能活動を行う魔法少女・圭に、「東京24区」きなこ役などの兎丸七海。スポーツ万能で天然な魔法少女の悠樹に、「アイカツスターズ!」香澄夜空役などの大橋彩香。“天才監督”王子千晴(中村さん)待望の新作、という設定の斬新な魔法少女アニメを演じる豪華声優陣はさらなる話題を呼びそうだ。『運命戦線リデルライト』また、本作『ハケンアニメ!』のナレーションを担当するのは、「鋼の錬金術師」のエドワード・エルリック役などで知られる朴ろ美。細部にまでこだわり抜かれた声のキャスティングは“必聴”となっている。さらに実写パートには梶さん、潘さん、木野さん、速水さん、高橋さん、小林さん、近藤さん、兎丸さん、大橋さんが声優役として出演する。劇中アニメの声優キャスティングについて、本作で監督を務める吉野耕平は、「決定した声優陣のお名前を伺った時は『まさかこんなことになってしまうとは』と、幸運すぎて怖くなりました」とコメント。人気実力ともに一流の声優陣が集結した『サバク』と『リデル』が、映画の中でどのように映し出されるのか。ますます期待が高まる。劇中アニメ『サウンドバック 奏の石』出演者コメント◆梶裕貴(リュウイチ役)ひとつのアニメーションが完成するまでにどれだけの時間がかかっているか、どれほどのプロフェッショナルが死力を尽くしているか、それが伝わってくる作品です。声優もその一部。辻村深月先生の繊細でありつつエモーショナルな世界観がどのように映像化されるのか、僕自身とても楽しみにしています。参加させていただき、光栄です。◆潘めぐみ(タカヤ役)普段の仕事がカット割りされて撮影されていくので、シーンやカットごとで、自分の動作をつながりとして記憶しておく感覚は新鮮でした。作品一つ、その一秒、一瞬ができるまでに込められた人の想いや時間の中にあるドラマを考えると、そうした方々と共にこの役を演じさせて頂いているんだなと、改めて有難みを感じました。◆木野日菜(マユ役)声優役としての出演に最初はびっくりしましたが、普段お仕事をしている時のように自然体で出演させて頂きました。とても貴重な機会を頂きまして光栄に思います。私も知らなかったような裏側や、監督の葛藤。様々な人が関わり合って、作品を想い合ってひとつの作品が出来上がるんだと改めて強く感じました。是非ご覧下さい!◆速水奨(奏の石役)初めて実写映画に出演させて頂きましたが、いやあ、短いシーンも丁寧に様々なアングルで撮影するんですね。アフレコ現場だと、テスト、本番の二回で録り切りますから、その違いに驚きました。でも、手作り感と、演技の情熱を垣間見ることが出来、本当に幸せでした。劇中アニメ『運命戦線リデルライト』出演者コメント◆高橋李依(充莉役)「運命戦線リデルライト」主人公の充莉役、そして、アフレコスタジオでの撮影にも参加させていただきました! 「リデルライト」は、運命を変えるバイクレースに参加する物語。不思議な世界観を、時に可愛く、時に熱く描いています。劇中劇でありながら、このアニメを追っていきたい!と思っちゃう、覇権アニメのオーラを感じました!大好きなアニメ業界にスポットライトを当てていただけることが、嬉しくて光栄だなぁと思いました。そして、声優という職業の描き方もすごく最先端だったなぁと。今作を見終わった皆様は、どの職種にどんな想いを抱くのか、楽しみです。◆花澤香菜(清良役)原作の大ファンなので、こういう形で作品に関わることができて嬉しいです。アニメ制作の舞台裏で、それぞれの立場の人達が悩みを抱えながらも熱を注いでいき、作品ができあがっていく様子は、アニメのお仕事が好きな私にとってとても刺激になります。お仕事ものとしても楽しめる作品なので、ぜひたくさんの方に観ていただきたいです!◆堀江由衣(デル役)劇中のアニメのキャラクターの声を担当させていただきました。そのアニメは断片的にしか出てこないのですが、とても面白そうで全部見たくなるような作品でした(笑)近しい業界のお話でしたのでとても感情移入して見てしまい、最後はものすごくジーンとしてしまいました。お仕事だけでなく、何かを頑張っている人に共感して頂ける作品なのではないかなと思います。たくさんの方に見て頂けたら嬉しいです。◆小林ゆう(詩織役)大好きな辻村深月先生の作品に、声優として携わらせて頂く事ができて心から感謝しております。恐縮ながら以前『ハケンアニメ!』文庫本の帯を書かせて頂きました。この素晴らしい小説が映画化され、さらに出演までさせて頂けた事を大変光栄に思います。アニメ業界を描いた今作の公開がファンの1人としてとても楽しみです!◆近藤玲奈(七菜香役)劇中に登場するアニメの細かい資料がたくさんあり、実際に放送されるのではないかと錯覚するくらい、本格的な作りに感動しました。日本の誇りであるアニメーションをテーマとした映画に、声優として出演させていただけてとても嬉しかったです。アニメ業界の命を懸けた本気のアニメ作りの現場をぜひご覧ください!◆兎丸七海(圭役)声優として映像作品に出演させていただくのは初めてだったので、お話を頂いた時はすごく嬉しかったです。普段のアフレコ現場とは収録方法が違っており、それがまた面白く、声優役として演じるのも初めての経験だったのでとても楽しかったです!声優やアニメ制作関係者の舞台裏を観られる作品として絶対に楽しめると思いますので、是非劇場でお楽しみください!◆大橋彩香(悠樹役)悠樹役と、実写で声優役としても出演させて頂いて…いつもと全然違う雰囲気でのアフレコシーンはとっても緊張しました!!アニメを制作する上でスタッフの皆様にはたくさんお世話になっていますが、裏側は中々見られないので勉強になりました…!劇中アニメも設定等とても丁寧に作られているので、楽しみにしていて下さい映画『ハケンアニメ!』ナレーションコメント◆朴ろ美本作を通じて「貴方にとって『尊いもの』とは、何ですか?」と、「モノづくり」に携わる人間として、改めて問われた気がしています。この作品が孕む濃厚な熱量に触れ、そっと日常とクロスフェードさせながら世界に没入してご覧ください。『ハケンアニメ!』は5月20日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ハケンアニメ! 2022年5月、全国にて公開予定©️2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会
2022年02月24日2017年に第157回直木賞を受賞し、累計発行部数26万部を超えるベストセラー小説「月の満ち欠け」(岩波書店刊)が松竹制作・配給により実写映画化、2022年冬に公開することが決定。大泉洋、有村架純、目黒蓮、柴咲コウら豪華キャストが集結する。小山内堅は、愛する妻・梢と家庭を築き、仕事も順調、どこから見ても順風満帆だった。だが、不慮の事故で梢と娘・瑠璃を同時に失ったことで幸せな日常は一変。深い悲しみに沈む小山内のもとに、三角哲彦と名乗る男が訪ねてくる。事故のあった日、小山内の娘・瑠璃が面識のないはずの自分に会いに来ようとしていたという。そして、彼女と同じ名前をもち、自分がかつて愛した“瑠璃”という女性について語りだす。それは数十年の時を超えて明かされる、はかなくも鮮烈な、許されざる恋の物語だった。原作は、1983年「永遠の1/2」で第7回すばる文学賞を受賞し作家デビューしてから「ジャンプ」「Y」「身の上話」など数々の名作を世に生み出し、昨年は「鳩の撃退法」(第6回山田風太郎賞受賞作)の映画化でも話題の作家、佐藤正午の最高傑作と名高い、時を超えた珠玉のラブストーリーである。監督を務めるのは、30年に渡り日本映画界を牽引し続け、『彼女の人生は間違いじゃない』『ママレード・ボーイ』ほか、現在公開中の『ノイズ』などリアルな人間描写と圧倒的な映像美に定評のある廣木隆一監督。1980年から現在に至るまでの歳月を描き、その時代を象徴する名曲と共に丁寧に織り上げた。廣木監督は「日本映画で憧れの曲が流れる映画です。懐かしい高田馬場のオープンセットも見られてこんな素敵なキャストと原作と内容でいい映画になってほしいと思ってます、いやなってるはずです、きっと。映画を見てくれた皆さんがある日何処かで月を眺める機会があったらもう一度この映画を思い出してくれたら嬉しいです」とコメントしている。幸せな日常から一転、数奇な運命に巻き込まれていく主人公・小山内堅は現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出演中の大泉洋が演じる。『騙し絵の牙』、NETFLIX『浅草キッド』など多数の映画やドラマに出演する大泉さんが、主人公の28歳から55歳を演じるという難役に挑んだ。大泉さんは「今回演じた小山内堅という役は、同じくらいの娘を持つ父親として、今まで演じた役で一番感情移入しやすく、それだけに、今まで演じてきた中で一番辛い役でした。でも最後には、どこか希望を持たせてくれる不思議な作品だと思います」とコメント。また、初めて廣木組に参加したことについては、「決して多くを語ってくれるわけではないのですが、こんなにも演じやすい場を与えてくれる監督も居ないと思いました。なんのひっかかりも、ストレスもなく、自然に役者がその世界に入れるように撮影してくれていたのだと思います」と撮影をふり返っている。そして、小山内の娘と同じ名前を持つ謎の女性の正木瑠璃には、昨年大ヒットした主演映画『花束みたいな恋をした』を始め6本の映画に出演し、第13回TAMA映画賞最優秀女優賞、第45回日本アカデミー賞優秀女優賞ほか数々の賞を受賞した有村架純が演じる。本作で廣木監督の作品に参加するのは3度目となる有村さんは、信頼を寄せる監督のラブコールに応え出演を快諾した。有村さんは、本作について「何度生まれ変わっても会いたいと思える人に一生涯で出会えるとしたら。ロマンさえも感じてしまう人生の壮大さを最初に脚本を読んだ時に感じました」と語り、作品については、「寡黙な廣木監督ですが、監督が持つピュアさを演出から感じられて、この物語全体がどのような紡がれ方をするのか楽しみです。夢のような、現実のような不思議なことがもし起こったとしたら。自分は一体誰の生まれ変わりなんだろう、そんなことを想像できるのも作品の良さなのかもしれません。公開を楽しみにしていてください」とコメントを寄せた。正木瑠璃と許されざる恋に落ちる大学生・三角哲彦には、グループとしてではなくソロでの映画出演は初となる、「SnowMan」の目黒蓮が務める。トップアイドルとしての活動もめざましい目黒さんは、フレッシュな演技で一途に一人の女性を愛する20歳の大学生、そして39歳の大人になった姿を演じている。本作について「お話を頂いてすぐに原作を読ませていただきましたが、演じる三角という役どころがとても重要なことに驚きと不安を覚えたのと同時に、人柄が自分と重なる部分があり、『自分がやるべきだ』と少し運命を感じました」と明かす。続けて「大泉洋さんとは初共演でしたが、現場での立ち振る舞いや作品に対しての向き合い方が素敵で勉強になることばかりでしたし、素晴らしい共演者、スタッフの皆様と、廣木組の一員となって作品を作り上げられる機会を頂けたことが本当に有り難かったです。今後の自分の大きな宝になる作品と巡り会えたと確信しております」とコメントしている。さらに小山内の妻・梢には俳優としての活動はもちろん、レトロワグラース代表としての顔も持つ柴咲コウが出演。『ホリックxxxHOLiC』『沈黙のパレード』と公開待機作が途切れない柴咲さんは、大泉さんとの共演は3回目。廣木監督とは映画デビュー作『東京ゴミ女』以来2度目のタッグで、深い愛を持って家族を見守る妻を体現する。柴咲さんは「梢は一見すると、自己主張の強いタイプではなく、家族をフワッと包み込むような優しく朗らかな女性ですが、奥に秘めた、愛を貫く強い意思があります。そんなキャラクターを演出してくださったのは20年ぶりにご一緒させていただくことになった廣木隆一監督。打ち合わせの段階からこちらの意見にも真摯に耳を傾けてくださいました。堅役の大泉洋さんとは、以前時を超えた親子役で共演。今回は夫婦役です。役の汲み取り方、お芝居の足し算引き算、周りへの配慮、ブレない安定感…またもや大泉洋という人間としての魅力を、改めて感じました。私も大好きな『月』がキーとなる作品。どのような仕上がりになっているのか私も今から楽しみです」とコメントしている。失った家族を想う愛、そして狂おしいほどに求めあう許されざる愛。「もう一度あなたに逢いたい」という純粋な想いが、時間も空間も超えて巻き起こす奇跡の物語が誕生する。『月の満ち欠け』は2022年冬、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:月の満ち欠け 2022年冬、全国にて公開予定©2022「⽉の満ち⽋け」製作委員会
2022年02月22日島本理生さん、辻村深月さん、宮部みゆきさん、森絵都さん、この4人の直木賞作家とのコラボ企画を始動させたYOASOBI。4つの短編小説を一冊にまとめた書籍『はじめての』が発売され、これらを原作とする楽曲を順次発表していく。まさに「小説を音楽にするユニット」としての真骨頂とも呼べる企画に、Ayaseさんもikuraさんも純粋に楽しんで取り組んでいる様子です。――これまでも「小説を音楽にするユニット」として活動されてきましたが、お二人は今回の企画にどんなやりがいを感じていますか。Ayase:今回は名だたる作家さんたちに、お力を貸していただいているというのもあって、今まで以上に原作に触れてくれるリスナーも増えるんじゃないかと思っています。まさにYOASOBIの神髄みたいな企画なので、この一年をかけて、あらためて皆さんに楽しんでもらえたら嬉しいです。ikura:私も今回の企画のお話を聞いた時から、どんな作品を書いていただけるんだろうってワクワク、楽しみにしていました。――では、お二人が4作の短編を読んで感じたことは?Ayase:当たり前すぎて言うのも憚られますが、どの作品も本当にめちゃくちゃ面白かった。“はじめての”というテーマで皆さん全然異なる世界観で表現されて、それぞれのゴールに向かっていく。初めて読んだ時の鮮度を落とさないよう、最初に読み終えて感じたことはメモに書き留めました。どの曲も一番最初に感じたことをもとに音楽を作っていきます。ikura:どの作品も読み終えた時に、私は経験していないのに、心の奥底に潜んでいた自分の経験を呼び起こしてもらったような感覚がして。すごく神秘的な体験でした。私も、いつも小説を読む時のワクワク感から始まって、読み終えた後の余韻まで純粋に楽しみました。その後に「この感動を歌でも伝えなきゃ」って気持ちに切り替わりました。――第一弾となる楽曲「ミスター」は島本理生の短編小説「私だけの所有者」をもとに書き下ろされました。アンドロイドと所有者による切ない物語ですが、Ayaseさんが音楽に落とし込みたいと思った部分は?Ayase:「ミスター」に関しては、白のイメージがあって、曲調の話をざっくりすると、ちょっと’80年代のシティポップっぽいものになっています。僕は小説を読む時に常に映像として登場人物や背景を思い浮かべるんですが、「私だけの所有者」はすごく懐かしい色褪せ方をしている世界観だなと思ったので。アンドロイドの無機質さと、近未来のSF感を出したくて音を選んでいきました。――切ない物語ですが、ポップで口ずさみやすい曲調になりました。Ayase:はい。原作はわりとメッセージ性のある話だと思うし、アンドロイドと他の登場人物との関係性や事件は、時代を風刺している気も。そういうシリアスな原作を読んだ時には、僕はどちらかというとポップな曲が思い浮かぶんです。シリアスさを内に秘めたままポップな感じを出すと、アンドロイドの感情にリンクするなと。――ではikuraさんは「ミスター」を聴いて、どんなふうに歌と向き合いましたか。ikura:私がアンドロイドの気持ちになった時、すごく悲しかったんです。心の中が温かくなったつもりでも、芯の部分は機械だから、やっぱり冷たい。そこに儚さや切なさを感じて。ただ感情的に歌えばいいわけではなくて、どこかに陰や闇の部分を声色でも出せたらなと。そのバランスは意識しました。レコーディングの時は、主人公であるアンドロイドのあの子だったらどんなふうに歌うかなって考えたら、“降りてきた”感じがして。――アンドロイドまで“降ろせる”ってすごい技術ですよね。ikura:確かに、初めての経験でした(笑)。――私がこの短編小説集『はじめての』を読んで感じたのは、作家さんたちそれぞれの世界観で描かれながら、どこか通じているものがある気がしたんです。それはYOSOBIが持っているYOASOBIらしさや表現世界が、少なからず作家さんにもインスパイアを与えたのではないかと思ったんですが。Ayase:それは僕はあんまり感じなかったですね。そもそもYOASOBIらしさみたいなものを意識したことがないです。常に良い作品を作ろう、楽しくやろうってことしか考えてなくて。その結果、人それぞれでYOASOBIらしさみたいなものを感じてもらえたらと思います。『はじめての』¥1,760(水鈴社)。島本理生「私だけの所有者」を原作にした第一弾楽曲「ミスター」配信中。他楽曲も順次配信予定。3月23日には初のライブ映像作品集『THE FILM』がリリースされる。【完全生産限定盤(2BD+特製バインダー+ライブ写真集)】¥10,000(ソニー・ミュージックエンタテインメント)ヨアソビ右・Ayase(コンポーザー)と左・ikura(ボーカル)からなる「小説を音楽にするユニット」。2019年に公開した「夜に駆ける」が大ヒット。’21年に初のCD『THEBOOK』をリリース。同年、初の有観客ライブ「NICE TOMEET YOU」を日本武道館で2日間開催するなど勢いはとどまるところを知らない。Ayaseさん・ニット¥105,600パンツ¥87,450(共にKIDILL×rurumu/Sakas PR TEL:03・6447・2762)靴¥19,800(PG/PRAYGROUND TEL:03・5738・1872)ネックレス¥15,400(JieDa TEL:03・6427・8464)ikuraさん・シャツ¥28,600パンツ¥27,500(共にPHEENY TEL:03・6407・8503)ベスト¥23,100(F/CE.(R)/F/CE. Flagship Store Tokyo TEL:03・6452・5867)靴¥39,600(MANA/コンコルディア TEL:03・5829・6611)ピアス¥26,400(LEVENS/Comcode Showroom TEL:03・6804・3108)※『anan』2022年2月23日号より。写真・澤田健太スタイリスト・藤本大輔(tas)ヘア&メイク・YOUCAインタビュー、文・上野三樹(by anan編集部)
2022年02月20日直木賞作家・辻村深月による、アニメ業界で奮闘する者たちを描いた小説の映画化『ハケンアニメ!』。この度、本作劇中アニメのクリエイター陣が発表され、各作品のアニメ場面写真も解禁となった。主演の吉岡里帆をはじめ、中村倫也、柄本佑、尾野真千子といった実力派キャスト陣による珠玉のドラマはもちろんのこと、本作の大きな見どころの一つが、劇中で覇権を争う2作のアニメーションのクオリティの高さ。現在、東映映画YouTubeチャンネルで特報が配信中の「サウンドバック 奏の石」(斎藤瞳監督)と「運命戦線リデルライト」(王子千春監督)は、その出来栄えがアニメファンを中心に話題を集めている。吉岡さんが演じる斎藤瞳が所属する「トウケイ動画」と、中村さんが演じる伝説の天才監督、王子千晴が所属する「スタジオえっじ」、カラーの異なる2本のアニメを制作するのは、いずれも人気実力ともに日本を代表するトップクリエイター陣だ。吉岡里帆:瞳は王道!ジュブナイルロボットアニメ瞳が監督する「サウンドバック 奏の石」を手掛けるのは、「テルマエ・ロマエ」「若おかみは小学生!」などで知られる谷東(たにあづま)監督。キャラクター原案を担当したのは、「ツルモク独身寮」「ワタナベ」「ショコラ」などの作品を手掛けた漫画家・アーティストの窪之内英策。メカデザインは、「機動戦士ガンダム00」シリーズや「マジンガーZ/INFINITY」などで知られるメカニックデザイナーの柳瀬敬之が担当。主人公トワコと仲間たちが、のどかな田舎町を突然襲った巨大ロボットから平和を守るため、音を奏でて戦うというストーリー。窪之内氏の写実的で繊細な人物描写と、柳瀬氏がデザインした、吸い込む音で姿が変わる巨大ロボットのコンビネーションで描く、王道ジュブナイルロボットアニメーションが誕生した。中村倫也:王子、ポップなキャラデザとパワフルな作画に注目対して王子監督が生み出す「運命戦線リデルライト」の監督は、「プリキュア」シリーズほか「ONE PIECE STAMPEDE」などで知られる大塚隆史監督。キャラクター原案は、「デュラララ!!」「ハイキュー!!」「魔法少女まどか☆マギか」などで知られる岸田隆宏が務めた。魔法少女・充莉が自らの魂の力で乗るバイクを変形させて、ライバルたちとレースで競い合うというストーリー。最大の特徴は主人公たちが1話ごとに1歳年を取るという設定。そこに、ポップで可愛らしいキャラデザとパワフルな作画のギャップが加わり、天才・王子の世界観が表現された。原作者の辻村さんも、小説ではアニメが面白く見えるようにこだわりを持って執筆しており、今回の映画化にあたり最も期待していた部分がアニメのクオリティだと語る。さらに辻村さんは劇中アニメの制作にあたり、映画で全編使われるわけではないエピソードを含む各12話分のプロットを自ら書き下ろし。単独でアニメシリーズになりうるほど高い完成度を誇るプロットに、映画スタッフやアニメパートスタッフも感激し、現場全体が熱意に満ちた状態で渾身の劇中アニメ制作が進められた。なお、本作の原作本の出版元・マガジンハウスの雑誌「anan」の12月1日発売号にて、本作のアニメクリエイター陣のインタビューが掲載中となっている。『ハケンアニメ!』は2022年5月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ハケンアニメ! 2022年5月、全国にて公開予定©️2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会
2021年12月01日Audio Photo Cinema 「廃墟に乞う」製作委員会主催による、第142回直木賞を受賞した佐々木譲原作の舞台『廃墟に乞う』が2021年12月27日(月)~12月28日(火)に札幌市民交流プラザ3Fクリエイティブスタジオ(北海道札幌市)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 ⼤剛)にて発売中です。東京公演を成功させ、パワーアップした舞台をぜひご覧ください!カンフェティでチケット発売中 公式ホームページ ホーム札幌といえば『廃墟に乞う』の舞台となった土地でもあります。数々の悲しい事件に関わったことで精神を病んでしまった刑事・仙道は、療養のため休職中。そんなとき、殺人犯・古川幸男から秘密裡に連絡が舞い込む。古川の目的は何なのか?そして、心を病んだ仙道は、古川の“最後の選択”に向き合うことができるのか―…。ハードボイルドなキャラクターたちと北海道の歴史が交錯する、『廃墟に乞う』の魅力あふれる世界をぜひ物語の舞台・札幌で体感しましょう!演劇界の新機軸!“Audio Photo Cinema”って?さて、2019年から現在も続く新型コロナウイルス感染症。観劇には行きたいけれど、やはり心配ですよね。グループ虎では、徹底した感染症対策を行っているのはもちろん、演出方法にも工夫を凝らして、感染リスクを抑えています!いったいどんな方法なのか―――!?さまざまな業界がコロナウイルスの影響を受ける中、演劇界も規模の縮小を余儀なくされました。「今まで通りにはいかなくても、なんとか舞台を続けることはできないだろうか…?」考え抜いた結果、従来の舞台劇とはガラッと様変わりした、“Audio Photo Cinema”という新しい演出方法を考案しました。【写真・映像の投影】と【朗読劇】で構成された一見シンプルな演出ですが、巧みな朗読と絶妙なタイミングの写真と映像によって、強烈なイメージがしっかりと伝わってきます!役者たちの実力と、細部にまでこだわり計算された演出力が結実する、新感覚の舞台をお見逃しなく!さらに“Audio Photo Cinema”について、役者さんたちの熱い思いがAFCアサヒファミリークラブ(朝日新聞 会員制クラブ)で紹介されました!こちらもぜひご覧ください!さてさて“Audio Photo Cinema”でお送りする、舞台『廃墟に乞う』に興味がわいてきたのではないでしょうか―――?ここからは“Audio Photo Cinema”にちなんで“声”“写真”“シネマ”の3つの観点から舞台『廃墟に乞う』の魅力をご紹介します!“声”―TV・ラジオで活躍中!話題の役者が多数出演!“Audio Photo Cinema”のメインは朗読劇。ですので、やっぱり声の演技が重要になってきます。声の演技といえば、まずは殺人犯・古川役の寿大聡さんです!寿大聡今年夏のNHKラジオドラマ『女だてら』で、準主役(石上玖左衛門役)を演じました。『廃墟に乞う』では一転、複雑な生い立ちを抱える繊細さと、心の傷の深さを物語る激しい怒りといった、古川の二面性を見事に演じます!続いて、個性派俳優として広く知られる木下ほうかさん!木下ほうかボイスキャストとして、今回はイヤミな新聞記者・酒井を演じます!古川を精神的に追い詰める酒井の鋭い言葉をお聞き逃しなく!また、NHK大河ドラマ『麒麟が来る』で佐久間盛重役を演じた室山和廣さんもご出演!室山和廣古川を捕まえようとする熱血刑事・山岸を演じます!クールで繊細な仙道に対し、正義感と気力に満ちた室山さんの演技が際立ちます!え!?写真撮影をするのは「あの」役者!?続いてのテーマは“写真”です!なんと!舞台に投影される写真はすべて俳優の加藤雅也さんが撮影しています!加藤雅也さんといえば、近年では大河ドラマ『いだてん』(杉村陽太郎 役)や『キングダム』(肆氏 役)など、多数の作品に出演されています!加藤雅也そんな加藤雅也さんは写真家としても活動されており、今回の劇中で使われる写真もすべて撮影しています。『廃墟に乞う』の世界観を表現するため、徹底的にこだわり抜かれた写真の数々は見逃せません!もちろん!カメラマンとしてではなく、役者としても舞台にも上がります!精神を病んだ刑事・仙道の知的でナイーブな語りにご注目ください!多彩な表情を見せるAudio Photo Cinemaさて、最後のテーマは“シネマ”。フランス語で「映画館」という意味です。日常を忘れて、別世界を見せてくれる映画館のような存在に、“Audio Photo Cinema”もなりたい―――。そのためにスタッフ一同とってもがんばっています!それでは、表舞台に立つ魅力的な役者さんたちの紹介に続いて、今度は舞台裏の様子をちら見せしちゃいます♪公演を観ただけではわからない、汗と苦労の舞台作りの日々について少しだけ語らせてください!立ち上げ間もない“Audio Photo Cinema”。俳優さん、スタッフが相談しながら作品を作り上げています。例えば、効果音もすべて自前。無料の音素材は使わず、目に見えないところにもしっかりこだわっています!この日は寿大さんも立ち会って、微妙な音の具合を確認中…。演出は、舞台「Les Miserables~惨めなる人々~」などを手掛けるベテラン演出家の高橋征男さん。音楽や照明のタイミング、投影する映像のチェックなど、入念に準備を進めています。妥協ナシ!のモノづくりの舞台裏はいかがでしたでしょうか?気になった方はぜひぜひ!下記リンクをチェック!▼チケットの購入はこちら ▼公式サイトはこちら ホームTwitter Instagram FaceBook 公演概要Audio Photo Cinema&プライベートトークショー『廃墟に乞う』【札幌公演】公演期間:2021年12月27日 (月) ~2021年12月28日 (火)会場:札幌クリエイティブスタジオ(北海道札幌市中央区北1条西1丁目)■出演者仙道孝司役: 加藤雅也古川幸男役: 寿大聡記者酒井役: 木下ほうか(声の出演)山岸刑事役: 室山和廣(声の出演)■スタッフ原作: 佐々木譲 直木賞受賞作品「廃墟に乞う」(文春文庫)監督・構成・演出: 高橋征男■公演スケジュール12月27日(月)18:0012月28日(火)14:00(※カンフェティ取扱なし)/18:00※受付開始は開演1時間前。開場は開演30分前。■チケット料金全席自由:3,900円(税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年12月01日YOASOBIと直木賞作家とのコラボレーション企画が2022年2月より始動することが発表された。このコラボレーションでは、島本理生、辻村深月、宮部みゆき、森絵都の4名が「はじめて〇〇したときに読む物語」をテーマに小説を書き下ろし、これらの小説を原作とした楽曲をYOASOBIが順次発表していくというもので、“小説を音楽にするユニット”として2年間活動してきたYOASOBIが、人気作家4名とタッグを組んで送る壮大なプロジェクトとなっている。原作となる小説は、「はじめて人を好きになったとき」をテーマにした島本の『私だけの所有者』、「はじめて家出したとき」をテーマにした辻村の『ユーレイ』、「はじめて容疑者になったとき」をテーマにした宮部の『色違いのトランプ』、「はじめて告白したとき」をテーマにした森の『ヒカリノタネ』の4作。またこの4作をまとめた書籍『はじめての』が、2月16日に水鈴社より刊行されることが決定した。■Ayase コメントこんなにも豪華な作家陣の皆さまに原作を書きおろしていただけたことが素直に嬉しいです。皆さまがそれぞれ小説に込めてくださった想いを溢すことなく汲み取って、YOASOBIというフィルターを通し、自分たちが一番カッコいいと思える音楽という形で楽しんでアウトプットすることができたらと思っています。■ikura コメント私が小説を読むきっかけをくださった作家さんや、高校時代にたくさん親しんできた作家さん達とこうして一緒に作品を作ることができて嬉しい気持ちでいっぱいです。素敵な4つの物語と、それらを原作としてAyaseさんが紡いだ曲に一生懸命向き合って、私なりの歌を乗せていきたいと思います。■島本理生 コメント(C)文藝春秋初めての挑戦をたくさん詰め込んだら、むしろ自分の原点とも言うべき、好きな人との物語になりました。恋よりも強い絆で結ばれた「私だけの所有者」にこの短編で出会ってください。■辻村深月 コメント撮影:森脇裕介人は誰でも、その出会いの前と後で人生が変わってしまうような一生モノの出会いの経験があると思います。その一夜を通じて、前の自分にはもう戻れなくなるような、そんなはじめての家出を書きました。この小説もまた、読む前と読んだ後で誰かの何かが変わると信じて、送り出します。■宮部みゆき コメント撮影:塔下智士いつも物語をつくる時は、そのイメージに合った音楽を探すようにしています。ぴったりな音楽が見つかれば、その音楽が私を正しい方向に導いてくれるからです。今回はまず物語が先にあり、そこから音楽が誕生するという企画で、私にはまったく新しい経験に、胸が高鳴っています。■森絵都 コメント(C)Toshiharu Sakai「はじめての」というお題をいただき、私もはじめての設定にトライしてみました。時空を超える片思い――この物語が、読者の皆さんの過去に灯る大事な瞬間とつながってくれますように。<書籍情報>『はじめての』(水鈴社刊)2022年2月16日(水) 発売『はじめての』書影本体価格:1,650円(税込)頁数:224頁体裁:四六判上製【収録内容】・島本理生「『私だけの所有者』――はじめて人を好きになったときに読む物語」・辻村深月「『ユーレイ』――はじめて家出したときに読む物語」・宮部みゆき「『色違いのトランプ』――はじめて容疑者になったときに読む物語」・森絵都「『ヒカリノタネ』――はじめて告白したときに読む物語」特設サイト:■書籍情報SNSTwitter::<リリース情報>YOASOBI 2nd EP『THE BOOK 2』Now On SaleYOASOBI『THE BOOK 2』ジャケット価格:4,950円(税込)仕様:CD+特製バインダー※完全生産限定盤【収録曲】1. ツバメ(YOASOBI with ミドリ-ズ)※NHK・子ども向けSDGs番組シリーズ『ひろがれ!いろとりどり』テーマソング2. 三原色※NTTドコモ「ahamo」CMソング3. 大正浪漫※NTTドコモ「Quadratic Playground」コラボレーション楽曲4. もう少しだけ※フジテレビ『めざましテレビ』テーマソング5. 優しい彗星※TVアニメ『BEASTARS』第2期エンディングテーマ6. 怪物※TVアニメ『BEASTARS』第2期オープニングテーマ7. もしも命が描けたら※舞台『もしも命が描けたら』テーマソング8. ラブレター※TOKYO FM / JFN『日本郵便 SUNDAY’S POST』レターソングプロジェクト楽曲YOASOBI『THE BOOK 2』クロスフェード映像<店舗別先着特典>特典:特製バインダー用オリジナルインデックス※下記チェーンで絵柄が異なる予定です。※特典はなくなり次第終了となります。店舗別特典一覧【対象店舗】・TOWER RECORDS全店(オンライン含む / 一部店舗除く):「怪物」ver.(「怪物」MVディレクター・三皷梨菜描き下ろし)・TSUTAYA RECORDS(一部店舗除く) / TSUTAYAオンラインショッピング:「ツバメ」ver.(「ツバメ」MVアニメーター・藍にいな描き下ろし)・HMV全店(HMV&BOOKS online含む / 一部店舗除く):「ラブレター」ver.(「ラブレター」MV美術監督・banishment描き下ろし)・WonderGOO / 新星堂(一部店舖除く)および新星堂WonderGOOオンライン:「もう少しだけ」ver.(「もう少しだけ」MVディレクター・hmng描き下ろし)・楽天ブックス:「もしも命が描けたら」ver.(「もしも命が描けたら」MVディレクター・清川あさみ描き下ろし)・Amazon.co.jp:「優しい彗星」ver.(「優しい彗星」MVディレクター・門脇康平描き下ろし)・Sony Music Shop:「大正浪漫」MV ver.・YOASOBI 応援店:「三原色」ver.(「三原色」MVキャラクターデザイン&作画監督・中村章子描き下ろし)応援店対象店舗はこちら:『THE BOOK 2』購入リンク: 英語版第一弾EP『E-SIDE』Now On Sale『E-SIDE』ジャケット【収録曲】1. Into The Night(「夜に駆ける」英語Ver.)2. Haven’t(「たぶん」英語Ver.)3. Monster「怪物」英語Ver.)4. Comet(「優しい彗星」英語Ver.)5. RGB(「三原色」英語Ver.)6. Encore(「アンコール」英語Ver.)7. Blue(「群青」英語Ver.)8. Tracing A Dream(「あの夢をなぞって」英語Ver.)YOASOBI 英語版第一弾EP『E-SIDE』クロスフェード配信リンク:<ライブ情報>YOASOBI『NICE TO MEET YOU』YOASOBI『NICE TO MEET YOU』キービジュアル会場:日本武道館12月4日(土) 開場17:00 / 開演18:3012月5日(日) 開場16:00 / 開演17:30チケット料金:全席指定5,560円(税込)※6歳以上有料。5歳以下膝上鑑賞無料、お席が必要な場合は有料。※入場時に身分証確認を実施いたします。本人確認ができない場合は入場をお断りいたします。※本公演の座席数は厚生労働省のガイドライン及び会場の定める規約に準じて収容人数を設定しております。※複数枚購入の場合、連番でのお席のご用意ができません。※今回のチケット販売は「電子チケット(スマートフォン専用)」のみとなります。<YOASOBIオフィシャルファンクラブ『CLUB 夜遊』限定 有料生配信>■配信日時12月4日(土) サイトオープン 17:30 / 配信スタート 18:3012月5日(日) サイトオープン 16:30 / 配信スタート 17:30配信リンク:■料金:2,560円(税込)■チケット販売期間12月4日公演:10月22日(金) ~12月4日(土) 18:3012月5日公演:10月22日(金) ~12月5日(日) 17:30『CLUB 夜遊』新規入会はこちら:※YOASOBI『NICE TO MEET YOU』チケット抽選申し込みには有料会員登録が必要となります。YOASOBIオフィシャルファンクラブ『CLUB 夜遊』ロゴ関連リンクYOASOBI Official Site: Twitter: YouTube Channel: TikTok:
2021年12月01日直木賞作家・辻村深月の小説『ハケンアニメ!』が実写映画化。2022年5月20日(金)に公開される。主演は吉岡里帆。辻村深月の小説『ハケンアニメ!』を実写映画化原作小説の『ハケンアニメ!』は、直木賞作家・辻村深月がアニメ業界の舞台裏を描いたお仕事ドラマ。本屋大賞にもノミネートされた人気小説が、7年の時を経て実写映画化される。アニメの頂点【ハケンアニメ】の称号を手にいれろ!物語の主人公は、地方公務員からアニメ業界に飛び込んだ斎藤瞳。瞳は、監督デビュー作で、憧れのスター監督・王子千晴と覇権を争うことに。王子は過去にメガヒット作品を生み出したが、その過剰なこだわりとわがままぶりで、監督降板が続いていた。そんな崖っぷちの王子を8年ぶりに監督復帰させるべく、プロデューサーの有科香屋子は、人生を懸けた大勝負に出る。瞳は、クセ者プロデューサー・行城理や、個性的な仲間たちと共に、汗と涙と鼻水にまみれ、アニメの頂点【ハケン(覇権)アニメ】の称号を手にするべく、熾烈な“戦い”に身を投じていくのだが...。吉岡里帆がアニメ業界で奮闘する新人監督に主演を務めるのは、『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』『見えない目撃者』などで幅広い演技を見せてきた吉岡里帆。その他、中村倫也、柄本佑、尾野真千子ら実力派俳優陣が集結した。主人公・斎藤瞳...吉岡里帆アニメが持つ力を信じ、チャンスを掴んだ新人監督。目標に向かって努力するも、不器用がゆえ壁にぶち当たる日々の中で、それでも懸命に前に進む。王子千晴...中村倫也かつて伝説のアニメを世に打ち出し、天才として名を馳せるが、その後はヒット作を出せず、もう後がない崖っぷちの天才監督。行城理...柄本佑仕事はできるが超クセのある性格で、瞳を振り回す敏腕プロデューサー。有科香屋子...尾野真千子かつて「伝説の制作進行」と呼ばれた、王子の才能に人生を懸ける名プロデューサー。アニメ業界を支える人々に多彩なキャストその他にも、多彩なキャストが出演。アニメの顔として表舞台に出ることの多い監督や声優だけではなく、アニメーターや編集、宣伝マンなど...アニメ業界を盛り上げるために不可欠な人々の姿がしっかりと描かれる。宗森周平役...工藤阿須加アニメの企画で秩父を盛り上げようと奮闘する市の観光課職員。実直な青年。並澤和奈役...小野花梨劇中アニメ「サバク」と「リデル」に参加する作画スタジオ「ファインガーデン」所属のアニメーター。“神作画”で話題の人気アニメーターとして、瞳たちから頼りにされる。群野葵役...高野麻里佳「サバク」の主人公・トワコ役を務める声優。アイドル的人気で支持を集めており、監督の瞳とは何かと衝突することも!?演じるのは、「ウマ娘 プリティーダービー」「デジモンアドベンチャー: 」で知られる人気声優・高野麻里佳。俳優として、自身初の実写映画出演を果たす。根岸役...前野朋哉「サバク」の制作会社「トウケイ動画」の制作デスク。越谷役...古舘寛治「トウケイ動画」の宣伝マン・越谷役。根岸と越谷は仕事柄一緒にいることも多く、二人でドライな行城を目の敵にしているが、それぞれ実はアニメ制作にかける熱い思いを秘めている。前山田役...徳井優「サバク」の脚本・シリーズ構成の脚本家。関役...六角精児「ファインガーデン」の社長兼アニメーター。河村役...矢柴俊博「サバク」の作画や画面作りを統括する作画監督。白井役...新谷真弓カット毎に撮影されたデータを絵コンテに準じて繋ぎ合わせる「サバク」の編集。田口役...松角洋平アニメ表現をより効果的に見せる事を担当する「リデル」担当演出。逢里哲哉役...水間ロングッズの王道・フィギュアを生み出すフィギュア会社の企画担当。星役...みのすけ視聴率が高いアニメを放送する事が命題の「リデル」放送局の重役。アニメショップの店員役...前原滉『水曜日が消えた』吉野耕平が監督監督は、新海誠監督のアニメ映画『君の名は。』にCGクリエイターとして参加し、中村倫也主演の映画『水曜日が消えた』で長編映画デビューを果たした吉野耕平。また、老舗アニメ制作会社・東映アニメーションが監修を行い、変化の激しいアニメ業界の“今”のリアリティを徹底的に追求した。劇中アニメはProduction I.Gらが制作劇中アニメ『サウンドバック 奏の石』『運命戦線リデルライト』の制作には『攻殻機動隊』シリーズなどで知られるProduction I.Gなど、日本を代表するアニメプロダクションが参加。スタッフ、声優キャスト共に、劇中アニメとは思えぬ豪華な布陣となっている。■劇中で吉岡里帆が演じる瞳が監督する『サウンドバック 奏の石』監督:谷東『テルマエ・ロマエ』『若おかみは小学生!』キャラクター原案:窪之内英策『ツルモク独身寮』『ワタナベ』『ショコラ』メカデザイン:柳瀬敬之『機動戦士ガンダム00』シリーズ、『マジンガーZ/INFINITY』声優キャスト:梶裕貴、潘めぐみ、木野日菜、速水奨■中村倫也が演じる王子が生み出す『運命戦線リデルライト』監督:大塚隆史『プリキュア』シリーズほか『ONE PIECE STAMPEDE』キャラクター原案:岸田隆宏『デュラララ!!』『ハイキュー!!』『魔法少女まどか☆マギか』声優キャスト:高橋李依、花澤香菜、堀江由衣、小林ゆう、近藤玲奈、兎丸七海、大橋彩香主題歌はジェニーハイの新曲「エクレール」主題歌は、小籔千豊、くっきー!(野性爆弾)、新垣隆、中嶋イッキュウ(tricot)、川谷絵音(ゲスの極み乙女。/ indigo la End)から成るスペシャルバンド、ジェニーハイ。川谷絵音が作詞・作曲/編曲を手掛け、新曲「エクレール」を書き下ろした。楽曲タイトルは、吉岡里帆演じる主人公・斎藤瞳の好物としてたびたび劇中に登場する「エクレア」をモチーフにしている。映画に出演している人気声優陣が参加しているのも、新曲「エクレール」の見逃せないポイント。ゲストボーカルとして高野麻里佳が歌うほか、梶裕貴、潘めぐみ、高橋李依、花澤香菜といった面々も掛け声で参加している。映画『ハケンアニメ!』あらすじテレビアニメの年間制作本数300本以上、マーケットは2兆円を超えるとも言われるアニメ業界。今や世界中が注目する日本のアニメ業界だが、その制作現場では、最も成功したアニメの称号=「覇権(ハケン)」を取るため、日夜熾烈な闘いが繰り広げられている。そんな世界に飛び込んだ斎藤瞳は監督デビュー作で、憧れのスター監督・王子千晴と覇権を争うことに!過去にメガヒット作品を生み出し、天才として名を馳せる王子は、プロデューサー・有科香屋子とタッグを組み8年ぶりに監督復帰を果たすのだ。瞳は、クセ者プロデューサー・行城理や、個性的な仲間たちと共に、汗と涙と鼻水にまみれ、アニメの頂点【ハケン(覇権)アニメ】の称号を手にすべく、奮闘を重ねるのであったー。【詳細】映画『ハケンアニメ!』公開日:2022年5月20日(金)原作:辻村深月「ハケンアニメ!」(マガジンハウス刊)監督:吉野耕平脚本:政池洋佑出演:吉岡里帆、中村倫也、柄本佑、尾野真千子制作プロダクション:東映東京撮影所配給:東映
2021年11月28日直木賞作家・辻村深月による、アニメ業界で奮闘する者たちを描いたお仕事ドラマで、本屋大賞にもノミネートされた大人気小説『ハケンアニメ!』(マガジンハウス刊)が発売から7年の時を経て遂に映画化。2022年5月に公開(配給:東映)されることが決定した。また本作の映画化決定のニュースに併せて、ティザービジュアル・特報も公開に。さらには、キャスト・監督・原作者からコメントが届いた。テレビアニメの年間制作本数300本以上、マーケットは2兆円を超えるとも言われるアニメ業界。今や世界中が注目する日本のアニメ業界だが、その制作現場では、最も成功したアニメの称号=「覇権(ハケン)」を取るため、日夜熾烈な闘いが繰り広げられている。そんな世界に飛び込んだ斎藤瞳は監督デビュー作で、憧れのスター監督・王子千晴と覇権を争うことに。過去にメガヒット作品を生み出し、天才として名を馳せる王子は、プロデューサー・有科香屋子とタッグを組み8年ぶりに監督復帰を果たすのだ。瞳は、クセ者プロデューサー・行城理や、個性的な仲間たちと共に、汗と涙と鼻水にまみれ、アニメの頂点【ハケン(覇権)アニメ】の称号を手にすべく、奮闘を重ねるのであった。主演を務めるのは、数々の映画やドラマに引っ張りだこの人気俳優・吉岡里帆。アニメが持つ力を信じ、チャンスを掴んだ新人監督・斎藤瞳が、目標に向かって努力するも、不器用がゆえ壁にぶち当たる日々の中で、それでも懸命に前に進む姿をひたむきに演じ、新たな一面で魅せる。また、かつて伝説のアニメを世に打ち出し、天才として名を馳せるが、その後はヒット作を出せず、もう後がない崖っぷちの天才監督・王子千晴に、多彩な演技力で人々を魅了し続ける中村倫也。仕事はできるが超クセのある性格で、瞳を振り回す敏腕プロデューサー・行城理を、演技力と個性で近年ますます活躍の場を広げる柄本佑。かつて「伝説の制作進行」と呼ばれた、王子の才能に人生を懸ける名プロデューサー・有科香屋子に日本を代表する実力派俳優・尾野真千子。豪華俳優陣が揃い、2組の<アニメ監督×プロデューサー>が覇権をかけて火花を散らす。監督は、映画『君の名は。』にCGクリエイターとして参加、数々のCMやPVを手掛ける注目の映像作家で、中村倫也主演の映画『水曜日が消えた』で長編映画デビューを果たした吉野耕平。また、老舗アニメ制作会社・東映アニメーションが監修を行い、変化の激しいアニメ業界の“今”のリアリティを徹底追求した。劇中アニメ『サウンドバック 奏の石』『運命戦線リデルライト』の制作には『攻殻機動隊』シリーズなどで知られるProduction I.Gをはじめ、日本を代表するアニメプロダクションが参加。また、実はこのアニメ2作品は、本情報解禁に先駆けて、YouTubeに予告編がアップされ、ネット上では“謎のアニメーション”と話題となり、2週間で併せて10万を超える視聴数を記録している。徹底的にこだわり尽くした劇中アニメにもぜひ、注目してほしい。本作初の映像解禁となる特報は、軽快な音楽に載せ、劇中アニメ『サウンドバック 奏の石』と、『運命戦線リデルライト』の映像をバックに、吉岡演じる瞳が「アニメは魔法を超える力を与えることができる!」と真剣な表情で訴えかけるシーンから始まり、瞳、王子(中村倫也)、行城(柄本佑)、香屋子(尾野真千子)がアニメ制作に奮闘する姿と、慌ただしい制作現場の風景がテンポよく描かれる。そして、「2022年 覇権を手にする アニメは何か!?」のテロップが現れると、新人監督の瞳が天才監督の王子に「私、負けません。全部勝って、覇権を取ります!」とまさかの勝利宣言。不敵な笑みを浮かべる王子、驚いた顔の行城、香屋子のアップが映し出される。 アニメ業界で働く者たちの熱い想いと、覇権を取るための熾烈な争いが垣間見える、熱血感溢れる仕上がりとなった。併せてティザービジュアルも公開。<瞳×行城>チームは『サウンドバック 奏の石』、<王子×香屋子>チームは『運命戦線 リデルライト』と、それぞれが作っているアニメのメインキャラクターを背負い、真剣な表情で正面を見据える4人の姿と、「覇権を掴め。」「己を超えろ。」のキャッチコピーが。覇権を賭けた熱い闘いが、これから繰り広げられることを想像させるビジュアルに仕上がっている。映画『ハケンアニメ!』は2022年5月公開。■映画『ハケンアニメ!』特報映像<アニメ予告>・『サウンドバック 奏の石』特報・『運命戦線リデルライト』特報<キャスト・スタッフコメント>■吉岡里帆公務員出身の新人アニメ監督、斉藤瞳を演じさせて頂きました。1本のアニメが生まれるまでの軌跡と、アニメーター達の死闘を描く今作。日本の宝とも言えるアニメーション作品ですが、その裏では想像の何倍も何十倍も地道な作業が繰り返されています。アニメーター達の底知れない才能が日夜コンテとなり原画となり動画へと昇華されていく…素晴らしいアニメを見た時、抑え切れない感動を覚えるのと同じようにそんなアニメ作品を作る人々の想いに触れた時きっと今までにない感動が届くと撮影をしながら毎日思っていました。どうぞ『ハケンアニメ!』をよろしくお願い致します!■中村倫也王子千晴役、中村倫也です。台本を読みながら何度も「ある、ある。」と、この職業独特の〝クリエイター熱〟に頷いてしまいました。覇道に足を踏み込みながらも、悩み多き、王子という人間を演じることができて幸せです。きっと多くの人が、魂を削りながら仕事への情熱を注ぐ彼らを見て、日々を生きるエネルギーを受け取っていただけると思います。監督・吉野耕平の世界を乞うご期待!!■柄本佑行城はクセが強めなのですが同時に人間臭くもあるヤツだと思い現場に臨みました。吉野監督は線が細く声が小さく、挙動不審なところがありますがその見た目からは想像できないほど頑固で芯の通った男らしさがありました。アニメ業界を生きる骨太な人間ドラマが時に軽妙に、時に深刻に描かれます!是非楽しみにしていて下さい!■尾野真千子希望、夢、憧れ、進むべき道、そんなキラキラした物語の中にいました。久しぶりに恋なんかしたりして。妖精のような吉野監督とのやりとり楽しかったです!どんな風に繋がっていくのか楽しみです!■吉野耕平(監督)本作は、もともと自分が映画化したかった原作企画を、逆に監督オファーを頂くという幸運に恵まれた作品でした。ちょうど自分自身が長編第一作目を撮った直後の、新人監督としての記憶も生々しいこの時期に、同じ新人監督の物語を描けたことの幸運と、さらに、素晴らしいキャスト・スタッフと共にその作品に挑めたことの幸運を、今は噛み締めています。様々な映像ジャンルを横断した、この作品ならではの共演をぜひお楽しみいただければと思います。願わくばこの作品が、スクリーンの向こうの誰かの幸運な出会いにつながりますように。幼い頃からずっと憧れてきたアニメの世界と、この作品を通じて関わることができたのは、本当に一生の幸運でした。■辻村深月(原作)『ハケンアニメ!』は私の小説の中では最も映像化が難しいタイトルだと思っていました。理由は、作中に登場する二本のアニメ。「その期の覇権をとる」と言われるようなクオリティーのアニメを現実に映像内に再現してもらうのはまず無理だろうと諦めていました。だけどーー今回、素晴らしいスタッフとキャストの皆さんの力を借りて実現しました。私の描いた王子が、香屋子が、瞳が、行城がここにいる。彼らの作るアニメがここにある。劇場で彼らの軌跡を目撃できるのが、今から楽しみでなりません。映画『ハケンアニメ!』2022年5月公開
2021年11月25日全国無料放送のBS12 トゥエルビ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:須磨直樹)では、毎週金曜深夜3時00分よりトークバラエティー番組「BOOKSTAND.TV」を放送しています。11月5日の放送は、直木賞作家で、最新刊『正欲』の第34回柴田錬三郎賞受賞でも話題の朝井リョウさんを迎えます。1.番組「BOOKSTAND.TV」概要知識豊富な水道橋博士と原カントくんが旬な人・気になる人を招き、じっくりとお話と好きな本を聞きます。金曜深夜にカルチャーをお届け!本と映画にまつわる総合サイト『BOOKSTAND』のテレビ版です。■放送スケジュール毎週金曜深夜3時00分~3時30分BOOKSTAND.TV | 情報・ドキュメンタリー番組 | BS無料放送ならBS12(トゥエルビ) : 2.放送内容#304ゲスト:朝井リョウ(11月5日(金)深夜3時00分~)数々の名だたる文学賞を受賞している作家・朝井リョウが初登場!過去作から、第34回柴田錬三郎賞の受賞でも話題の最新作『正欲』まで、制作秘話や作品に込められた思いをたっぷりと伺います。早稲田大学在学中に『桐島、部活やめるってよ』でデビュー、23歳で発表した『何者』は戦後最年少の直木賞受賞、そして作家生活10周年を迎えた今、朝井リョウが選ぶ一冊とは。さらに、あのタイトルって?作家としてのカタルシスは?なぜ小説を書くの?などなど水道橋博士が切り込みます。3.ゲストプロフィール朝井リョウ1989年、岐阜県生まれ。小説家。2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2013年『何者』で第148回直木賞、2014年『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞を受賞。他の小説作品に『チア男子!!』『星やどりの声』『もういちど生まれる』『少女は卒業しない』『スペードの3』『武道館』『世にも奇妙な君物語』『ままならないから私とあなた』『何様』『死にがいを求めて生きているの』『どうしても生きてる』『発注いただきました!』『スター』、エッセイ集に『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』がある。(新潮社「朝井リョウ『正欲』作家生活10周年記念作品 特設サイト」より) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年11月02日直木賞作家・島本理生の小説『よだかの片想い』が実写映画化。2022年9月16日(金)に新宿武蔵野館ほか全国で公開される。直木賞作家・島本理生の小説『よだかの片想い』実写映画化2018年に『ファーストラヴ』で第159回直木三十五賞を受賞し、これまでに『ナラタージュ』『Red』などの著作が映画化されてきた作家・島本理生。そんな島本の作品の中でも傑作恋愛小説と評される『よだかの片想い』が実写映画化する。主演に『ゾッキ』など出演の女優・松井玲奈主演・前田アイコ役を務めるのは、映画『今日も嫌がらせ弁当』『ゾッキ』などに出演した松井玲奈。小説家としても活動し、読書好きで知られる松井が大ファンを公言する島本作品のメインキャラクターを務める。また、アイコの思い人となる飛坂逢太役には中島歩が抜擢。第71回ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した『偶然と想像』や、第76回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に選出された『サタデー・フィクション』など出演作の公開が控える注目の俳優だ。前田アイコ役:松井玲奈理系女子大生の前田アイコ。顔にアザがあり、幼い頃よりからかいや畏怖の対象にされ、恋や遊びには消極的になっていた。大学院でも研究一筋の生活を送っていたが、「顔にアザや怪我を負った人」のルポルタージュ本の取材を受けて話題に。本が映画化されることになり、友人の編集者の手引きで、監督の飛坂逢太と会う。飛坂逢太役:中島歩アイコの本を原作とする映画の監督。仕事第一で女性にも不自由しないタイプ。映画制作にあたりアイコと関わりを持ち、アイコの思い人となる。まりえ:織田梨沙アイコの幼馴染。アイコが登場する本の出版社で働く編集者。ミュウ先輩:藤井美菜アイコの大学院の先輩。いつも明るくアイコと自然に接し、さりげなく気にかけて恋愛相談にも乗ってくれるお姉さん的存在。原田:青木柚アイコの事を慕う後輩。安達:三宅弘城アイコを優しく見守る大学院の研究室の教授。城崎美和:手島実優アイコの本の映画化にあたり、その作品の主演を務めることになる女優。飛坂との間に“ある関係”がある。監督に新鋭・安川有果、脚本に城定秀夫また、監督としてメガホンを取るのは、第25回日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞を受賞した新鋭・安川有果。脚本は『愛がなんだ』『街の上で』などを手掛けた今泉力哉監督とのコラボレーション企画映画などを展開する城定秀夫が担当した。映画プロジェクト“ノット・ヒロイン・ムービーズ”第2弾として制作なお、本作は映画プロジェクト“ノット・ヒロイン・ムービーズ”第2弾として制作。“ノット・ヒロイン・ムービーズ”は、『勝手にふるえてろ』『寝ても覚めても』『愛がなんだ』『本気のしるし』を手掛けてきたメ~テレと制作会社ダブが手を組み、新進女優と次世代監督によって「不器用に、でも一生懸命“今”を生きるヒロインたち」を映画化するプロジェクトとなっている。主題歌は音楽家・角銅真実「夜だか」主題歌は、音楽家の角銅真実による「夜だか」。その静謐なピアノ音と、濁りのない透き通った歌声が物語を彩る。作品情報映画『よだかの片想い』公開日:2022年9月16日(金)出演:松井玲奈、中島歩、藤井美菜、織田梨沙、青木柚、手島実優、池田良、中澤梓佐、三宅弘城監督:安川有果脚本:城定秀夫原作:島本理生『よだかの片想い』(集英社文庫刊)主題歌:角銅真実「夜だか」(ユニバーサル ミュージック)<映画『よだかの片想い』あらすじ>物語の主人公は、理系女子大生の前田アイコ。彼女の顔の左側にはアザがある。幼い頃から、からかいや畏怖の対象にされ、恋や遊びはあきらめていた。大学院でも研究一筋の生活を送っていたが、「顔にアザや怪我を負った人」のルポルタージュ本の取材を受けて話題となってから、状況は一変。本が映画化されることになり、友人の編集者の手引きで、監督の飛坂逢太と会う。話をするうちに彼の人柄に惹かれ、作品にも感動するアイコ。飛坂への片想いを自覚してから、不器用に距離を縮めていくが、相手は仕事が第一で、女性にも不自由しないタイプ。アイコは飛坂への想いを募らせながら、自分のコンプレックスとも正面から向き合うことになる。
2021年09月24日玉山鉄二と深川麻衣が共演し、「雲を紡ぐ」で直木賞にノミネートされた作家・伊吹有喜の「今はちょっと、ついてないだけ」(光文社文庫刊)を映画化、2022年春に公開が決定した。かつてスター・カメラマンだった主人公・立花浩樹を演じるのは、NHK連続テレビドラマ「マッサン」に主演、『ハゲタカ』をはじめ多くのドラマ、映画で活躍する玉山鉄二。人付き合いが下手で、美容サロンをリストラされる美容師を主演映画『パンとバスと2度目のハツコイ』から大河ドラマ「青天を衝け」まで活躍する深川麻衣が務める。がむしゃらに働いて挫折をした人々が集まってきたシェアハウスを舞台に、疲れ果てている世代を包み込むような、やさしい眼差しを持った物語。「今はちょっと、ついてないだけ。そのうちいい運がやってくるよ」本作の監督・脚本は、『流れ星が消えないうちに』『パーフェクトワールド 君といる奇跡』などで注目される気鋭の柴山健次監督。原作の中、主人公にさりげなくかけられた母からの言葉「今はちょっと、ついてないだけ。そのうちいい運がやってくるよ」に心が震えたという柴山監督。「この物語の登場人物たちは人づきあいが下手だったり、時代についていけなかったりと、うまくいかない人生に対して、『どこで判断を誤ってしまったのだろう?』、『自分の望んで来た幸せはこれだったのか?』という思いに苛まれている。しかし、この言葉によって、これまでの時間は肯定され、次の一歩を踏み出す勇気を得ることになるのではないだろうか」と、本作の製作に至る思いをコメントしている。本作は、30代から40代の人生模様を描き、これまで過ごしてきた時間をふり返りながら、「今だからこそ見える風景が、ここにある」と苦しみも哀しみも引き受けて、この先を生きるんだと勇気を与えていく。なお、今回併せて到着したイメージボードは、アニメーション映画『泣きたい私は猫をかぶる』の監督で、本作の柴山健次監督の実兄にあたる柴山智隆が手掛けた。伊吹氏の作品は『四十九日のレシピ』(13)、『ミッドナイト・バス』(17)に続いての映画化。撮影は、千葉県茂原市、長野県千曲市、愛知県幸田町、長崎県島原市の4都市の製作協力により、今年9月にスタートする。8月31日(火)までクラウドファンディングにてサポーターを募集中。玉山鉄二・コメント「やれば出来る」、「努力すれば必ず夢はかなう」大人たちに教わったこの言葉で、苦しんだ人達は少なからずいると思います。なぜ「今はちょっと、ついてないだけ」と言ってくれなかったのかと。人生に惰性や楽観を生み出せる事も人間の強さ。今、こういう社会だからこそ、セカンドチャンス、人生の敗者復活戦があっても良いと思います。観ていただいた方々から「少し肩の荷がおりた」と言っていただけるような作品になればと思います。深川麻衣・コメント生きていると、誰しも日々いろいろな出来事に直面すると思います。楽しいことばかりではなく、思わず後ろ向きになってしまうことや、もしもあの時に戻れたら...。という後悔を持つことも。この物語は、過去を見て見ぬふりをしたり、無かったことにして前に進むのではなく、本当の意味で今までの自分を受け入れて、人生を歩んでいく勇気をそっと分けてくれるような、そんなあたたかいお話です。皆さまの人生にそっと寄り添えるような映画になりますように。『今はちょっと、ついてないだけ』は2022年春、全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:今はちょっと、ついてないだけ 2022年春、全国にて順次公開予定©2022 映画『今はちょっと、ついてないだけ』製作委員会
2021年07月26日小説「月の満ち欠け」で第157回直木賞を受賞した佐藤正午の名作を原作にした『鳩の撃退法』より、風間俊介の場面写真とコメントが解禁された。先日行われた完成披露試写会で「謎が多すぎて一度観ただけじゃ追いつかない!もう1回観たくなる!」「あのラストシーンはどういうこと?」などの感想が続々と寄せられた本作。さらに一部のユーザーからは謎の裏サイトの存在も報告され、公開に向けてますます盛り上がりを見せている。今回場面写真が解禁された風間俊介が演じるのは、4歳の娘を持ち家族3人で幸せに暮らしている“バーのマスター・幸地秀吉”。深夜のコーヒーショップで小説を読んでいたところ、天才作家の津田伸一(藤原竜也)が居合わせ、小説談議に花を咲かせることになる。しかしある日突然、秀吉は家族と姿を消してしまう。果たしてこの津田と秀吉の出会いが【一家失踪事件】を引き起こし、さらには【謎の偽札】、【裏社会の男】といった大きな謎に繋がり、物語を大きく動かすことになるのだろうか。今回解禁された場面写真では、血で汚れた顔で佇む秀吉の姿が切り取られており、秀吉の身に何が起こったのか、壮絶なドラマを予感させる1枚となっている。幸せな家庭を持つ男とは思えない謎めいた影を持つ彼は、どのように物語に関わり、どのような結末を迎えるのか――。また今回秀吉を演じた風間さんは「正直な話、自分がパズルのピースのひとつなので、まだ(全体が)分からないんですけど、そこが最大の魅力なのかなと思っているんです。この仕掛けって文学的だと思うんですよ。文章とか本の世界で繰り広げる手法に真っ向から映像が挑んだ形なので、どうなるのか僕にも全く分からないんです。だからこそワクワクしているんですよね」と、未だ物語の全貌が見えてこない観客参加型謎解きエンター<転>メントと称された『鳩の撃退法』の魅力と期待の高さについてコメントを寄せている。『鳩の撃退法』は8月27日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:鳩の撃退法 2021年8月27日より全国にて公開©2021「鳩の撃退法」製作委員会 ©佐藤正午/小学館
2021年07月23日直木賞作家・佐藤正午の同名ベストセラーを映画化した『鳩の撃退法』の完成披露試写会が7月12日、都内で行われ、主演を務めた藤原竜也をはじめ、共演する土屋太鳳、風間俊介、西野七瀬、タカハタ秀太監督が出席した。藤原は「(演技が)うまい人ばかり。僕は楽をさせてもらった」と共演陣を絶賛していた。かつて直木賞を受賞した天才小説家・津田伸一(藤原)が、富山の小さな街で経験した“ある出来事”をもとに新作小説を執筆。その内容に、担当編集者の鳥飼なほみ(土屋)は心を躍らせるが、あまりにリアルな描写に、小説がフィクションなのか検証を始める。やがてたどり着いた驚きの真実とは?過去と現在、真実と虚構が入り乱れるユニークな構成に、藤原は「現場では難しいなと思うことも」と苦労を告白。それでも「タカハタ監督がテストをせずに、一発でカメラを回すんですよ。『回してみよう、よーい、スタート』って。いい緊張感が生まれて、効果もあった」と振り返った。東京では4度目となる緊急事態宣言が発出されたが「こういう状況ですが、足を運んでくださり、ありがとうございます。1人でも多くの人に知っていただければ」とアピールしていた。土屋も「女優として、映画ファンとしても、こうも謎が多い作品はそうそうない」と本作が仕掛ける謎に興味津々。「こういう時期ですが、心の中は自由ですので、ぜひ謎にまみれて、深堀りしていただければ」と呼びかけた。憧れだったという藤原との初共演が実現し「掛け合いも多かったが、竜也さんのセリフのスピード感とリズム感を目の前にして、こちらも舞台を見ているようなハラハラドキドキを味わった。見どころの1つです」と感想を語っていた。風間も藤原とは初共演で「まくし立てる竜也くんとマイペースな僕。交じり合わない2人がしゃべり続ける、今までにない感覚のお芝居だった」。やはり本作特有の構造に触れて「見ていただき、考えていただき、初めて完成する、進化する作品。いろんな考察が生まれると思う」とアピールし、「演じる僕らも何が現実で、何が虚構か分からず、フワフワした状態で撮影していた。奇妙な空気が面白くて」と現場を回想した。西野は「複雑で台本を1回読んだだけでは、すっきり理解できなかった。試写で見て『なるほど』と」と話していた。もともと映像化不可能の呼び声が高かった原作だが、タカハタ監督は「原作は堂々めぐりで結末も書かれていない。複雑難解な原作を、どうエンターテインメントに昇華させるか。意識したのは角を取るんじゃなくて、面白い部分を活かしながら、お客さんをだまし続けること。見た人によって違う正解がある作品になった」と胸を張った。取材・文・写真=内田涼『鳩の撃退法』8月27日(金) 公開
2021年07月12日今年4月に発表した作品で、見事第165回直木賞にノミネートされた一穂ミチさん。昨年出版したデビュー作が、いきなりベストセラーリストに入った新川帆立さんと蝉谷めぐ実さん。注目の作家3人が、具体作を紹介しながら語る、官能を書く喜び、読む楽しみとは!?3人が語る、小説世界における「性愛」の秘密。新川:官能成分のない小説を書いている人間なので、どんな本をおすすめしたらいいんだろうと悩んだのですが、私はエログロ好きなので、筒井康隆さんや中島らもさんを交ぜました。筒井さんの「喪失の日」は、童貞喪失の日に主人公がてんやわんやする話。中島さんの「DECO-CHIN(デコチン)」は、チンの画期的な使い方を編み出した短編。どちらも、めちゃくちゃ面白いです。一穂:私は選書がかぶってしまったらどうしようと思っていました。いま新川さんの基準を聞いていたら、杞憂でしたね。かぶる要素が全然ない(笑)。LiLyさんみたいな、ザ・官能な作家さんのも選んでらっしゃいますね。新川:『SEX』は、きっと女子は大好き、男子はドン引きな本です!5編それぞれいろいろなタイプの男女が出ているので、自分の好みを探すのもいいかもしれません。友だちと感想を言い合いたくなる作品集です。蝉谷:一穂さんの挙げた山田太一さんの『飛ぶ夢をしばらく見ない』はどういう物語ですか。一穂:主人公の中年男性は、病院で衝立越しにいる女性と性的な交流を持つのですが、翌朝、彼女は自分よりずっと年上のおばあさんだとわかり、ショックを受けるんですね。ところが、女性はどんどん若返っていくんです。ひとり逆行していく時間を生きる彼女に何ができるかと、主人公が苦悩する悲恋物語です。最初に読んだのが中学生のときなので「性の描写なんて要らない。そこがなければ美しい話なのに…」と思っていたんですが、大人になったいまは、「官能描写は貴重だな。あった方がいい」と大転換。「喪失の日」筒井康隆童貞喪失を夢見る青年は、官能の扉を開けられるか。主人公は、24歳の会社員。ある日、童貞喪失のチャンスが巡ってくる。しかも相手は会社のマドンナ的存在。目の前の目標に囚われ、朝からハイテンションな青年は、仕事はミスし、挙動が同僚に不審がられる。「性愛で頭がいっぱいになった人間の滑稽さが味わい深いです」。(『最後の喫煙者―自選ドタバタ傑作集 1―』に所収)新潮文庫605円「DECO-CHIN」中島らもぶっ飛んだ世界観で描かれる音楽と性愛と生の三つ巴。主人公が出会ったのは、奇形のメンバーで構成されている奇妙なバンド〈ザ・コレクテッド・フリークス〉。この短編が不慮の事故でこの世を去った著者の遺作でもある。「狂気じみた性愛を切り取ったラストシーンが圧巻。誰しもが持つ破滅願望を突き付けられ、背筋が冷えます」。(『君はフィクション』に所収)集英社文庫576円『SEX』LiLy女性主体の性愛のかたち。共感ポイントも多いはず。マッチングアプリで出会った男女の一夜限りのアフェア、ずるずる続くオフィスラブ…身近なシチュエーションがリアル、性愛にまつわる5編を収録。「女性が主体的にありのままに描かれているので、読んでいても清々しい。表現に臨場感もあって、『これぞ官能』と思わずときめいてしまうような圧巻の小説集です」。幻冬舎1650円『飛ぶ夢をしばらく見ない』山田太一限られた時間の中で、性愛は切なく燃え上がる。「読み返して惹かれたのは、時を遡っていく恐怖に苛まれながら、束の間の蜜月を繰り返す睦子の強さと聡明さ。彼女の言葉〈私にこんな思いをさせている神様かなにかには、意志も善意も悪意も理性もなくて(略)、私の方には理性だって意志だってあるのだから、それでわずかに対抗するしかないと思うわ〉が気高い」。小学館電子版671円*編集部調べ一穂ミチさん「ずっとBL(ボーイズラブ)作品を書いてきました。そのときは、女性が読んで萌えるのは近づき、行為に至るまでのプロセスで盛り上がるのかがいちばん大切だと感じていました。それは、男女間を描く場合でも同じだと思います。官能性というのは、関係性なのだとあらためて感じました」新川帆立さん「官能どころか恋愛小説も依頼が来たことがなかったので、この機会に書いてみたいと思いました。最初は、自分の好きなシチュエーションを織り込んでいましたが、実際の行為の様子は恥ずかしくなってしまい、最終的にシチュエーションを変えました。思いがけない体験で楽しかったです」蝉谷めぐ実さん「お引き受けしたものの、意識して書いたことのない世界なので、書き進めながらも手探り。『官能?う~ん、わからんぞ~』とぼやきっぱなしでした(笑)。私は、秘めたものや見えないところがいちばんエロい、と思っているので、そこに共感していただけるよう、腐心しました」※『anan』2021年7月14日号より。取材、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2021年07月11日直木賞受賞作家・佐藤正午原作の映画『鳩の撃退法』が、8月27日(金)に全国ロードショーされる。この度、浜中文一&佐藤新(IMPACTors)が本作に出演していることが明らかになった。原作では小説表現の臨界点を超えた、先の読めないストーリーが展開されることから、映画化が発表されるやいなや、ネット上ではすでに原作を読んだ人から 「これ、どうやって映画化するの!?」 と話題になっている。天才作家・津田伸一役を藤原竜也が演じるほか、土屋太鳳、風間俊介、西野七瀬、豊川悦司 らキャストが集結し、監督はTVドラマ『赤めだか』でギャラクシー賞ほか各賞を受賞するなど活躍しているタカハタ秀太が務める。浜中は、劇団☆新感線『月影花之丞大逆転』や舞台『スマホを落としただけなのに』でも個性的な役をこなし、ラジオやバラエティ番組など活躍の場を広げている。佐藤は昨年、テレビ朝日系音楽番組『ミュージックステーション』の本番5分前に滝沢秀明からグループ名を告げられ、衝撃の結成を迎えたジャニーズJr.の新生グループ「IMPACTors」のセンターを務めている。本作で浜中が演じたのは、床屋を営むまえだ(リリー・フランキー)のもとを訪れる警察官の“松方”。佐藤が演じたのは、囲いを出た”鳩”の行方を握る謎多き大学生の“田中”。謎に迫る警察官と、謎多き大学生。双方とも本作の謎にまつわる役となっている。『鳩の撃退法』8月27日(金) 公開
2021年07月03日直木賞受賞作家・佐藤正午の最高到達点との呼び声高い小説を映画化した『鳩の撃退法』。ネット上ではすでに原作を読んだ人や予告編を観た人から「これ、どうやって映画化するの!?」「めちゃくちゃ気になる!」と話題沸騰中。そんな本作で予想もつかない謎を仕掛ける天才作家・津田伸一を藤原竜也が演じることで、さらに注目が集まっている。本作で主演を務めるのは、“新世界の神を目指した男”や“殺人を告白しカリスマになった男”、“元殺し屋の天才料理人”など、これまで強烈なキャラクターを見事に演じ切ってきた唯一無二の俳優・藤原竜也。その藤原さんが本作で演じる“津田伸一”はかつて直木賞を受賞した天才作家。富山で「女優倶楽部」の送迎ドライバーとしてその日暮らしを続けているが、ある日、大金を手にしたことから思いもよらない出来事に巻き込まれていく、という新作小説を執筆中。だが、この新作は小説の中だけとは思えない内容で、周りをも巻き込んでいくというひと癖もふた癖もあるキャラクター。津田が執筆している新作小説の内容は、“小説(ウソ)なのか、それとも現実(ホント)なのか”を観客が劇中の登場人物と同じ目線に立って追体験することで、津田が仕掛けた真相の見えない謎に挑んでいくのは本作の見どころの1つ。“謎の偽札”・“一家失踪事件”・“裏社会の男”という謎に満ちた3つのキーワードと、天才作家・津田伸一。点と点が線で繋がるように全ての謎がどう彼へと結びつくのか?観客参加型謎解きエンター<転>メントと称された本作、そして藤原さん演じる津田伸一が仕掛けた謎に挑む主人公は、映画を目撃するあなた自身といえるだろう。『鳩の撃退法』は8月27日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:鳩の撃退法 2021年8月27日より全国にて公開©2021「鳩の撃退法」製作委員会 ©佐藤正午/小学館
2021年06月30日直木賞作家・西加奈子の小説に、明石家さんまが惚れ込み企画・プロデュースした劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』は、漁港の船に住む母娘・肉子ちゃんとキクコの秘密が紡ぐハートフルコメディ。肉子ちゃんの声を大竹しのぶ、娘・キクコの声をCocomiが務め、人気声優の花江夏樹や下野紘、吉岡里帆、マツコ・デラックスら、豪華キャストの声の出演でも話題になっている。本作をはじめ、小説をアニメ化した映画には時代を彩る良作ばかり。これまでの多岐のジャンルにわたる数々の名作を生み、「ジャパニメーション」という呼称で愛されるほど世界で圧倒的人気と高い評価を得ている日本のアニメーション。色鮮やかな風景、細やかで瞬時にキャラクターの心の機微を映し出す繊細なタッチ、実写映画とはまた違った味わいで観る者を楽しませ、物語の世界へ惹き込んでいく。そして、そんな日本のアニメーションとベストセラー小説がタッグを組めば、あなたの一生の1本になり得る映画が生まれるはず。そこで、ベストセラー小説が原作になったアニメ映画4作品を特集する。◆『時をかける少女』(06)細田守監督の時を超えて愛される傑作高校2年生の紺野真琴は、理科実験室に落ちていたクルミをうっかり割ってしまったことがきっかけで、時間を飛び越えて過去に戻る力「タイムリープ」を手に入れる。自分が“飛べる”ことを確信した真琴は、友達の間宮千昭や津田功介とカラオケでノドが枯れるまで歌ったり、3人で何度も野球をして好プレイを連発!何気ない日常を思う存分満喫するのだった。「タイムリープ」を繰り返し、残り回数が底をついたとき、真琴は自分にとって一番大事なかけがえのない時間がそこにあったことに気づくのだった…。小松左京、星新一と並び「SF御三家」とも称される筒井康隆の同名の小説を原作とするSFロマンス。細田守監督、「マッドハウス」の制作によってアニメ映画化。上映発表当初は全国で21館のみと非常に少ない公開館数だったが、鑑賞者の口コミ効果や主題歌を務めた奥華子の切ない楽曲も注目され、動員数を増やしていった。最終的には上映館は延べ100館以上、2007年4月20日のDVD発売日まで9か月にわたり公開が続くというロングラン興行となった。さらに、2021年4月2日には、「スタジオ地図」の創立10周年記念企画として4DX版が公開され、色あせることのない真琴たちの青春の瑞々しさと胸がキュッとなるようなほろ苦さに、時をこえても愛され続ける話題作。◆『君の膵臓をたべたい』(18)タイトルのイメージを見事に裏切る傑作他人に興味をもたず、いつもひとりで本を読んでいる高校生の「僕」。そんな「僕」はある日、偶然「共病文庫」と記された1冊の文庫本を拾う。それは、天真爛漫なクラスの人気者・山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。そこには、彼女が膵臓の病気で、余命いくばくもないことが記されていて……。「よるのばけもの」(双葉社)、「青くて痛くて脆い」(KADOKAWA)など、数々の話題作で知られる小説家・住野よるのデビュー作であり、2016年の本屋大賞で2位にランクインし、累計発行部数が200万部を越える人気小説が原作。2017年の実写映画化に続き、「スタジオヴォルン」制作で新進気鋭の監督、牛嶋新一郎が作り出す丁寧かつ繊細なタッチでアニメ映画化された。『漁港の肉子ちゃん』と同じく、あまりにもインパクトのあるタイトルが注目を集めたが、そのタイトルイメージを見事に裏切るような号泣必至の展開が評判を呼んだ。人気ロックバンド「sumika」が主題歌、劇中挿入歌を担当したことも相乗効果となり、「キミスイ」の愛称で支持を集めた。◆『ジョゼと虎と魚たち』(20)新世代から支持を集める海洋生物学を専攻する大学生の恒夫は、ある夜のバイト帰りに坂道を猛スピードで下ってくる車椅子の女性、ジョゼを助けたことがきっかけで、アルバイトとしてジョゼの相手をするように依頼される。恒夫は留学費用のためにその依頼を承諾するが、ジョゼの高飛車な言動に閉口してしまう。一度はアルバイトを辞めようとしたものの、ジョゼに言われるがままに様々な場所へと外出に付き合わされるうちに2人は距離を縮めていくが、ジョゼの祖母の死をきっかけに、その関係性に決定的な変化が生じ始める…。芥川賞作家・田辺聖子の名編が原作となり、映画『おおかみこどもの雨と雪』で助監督を務めたタムラコータロー監督、TVアニメ「僕のヒーローアカデミア」など多くの人気作を手掛けてきた「ボンズ」が制作を担当し、アニメ映画化された。アニメーションだから描き出せる、リアルにしてイマジネーションに満ち満ちた日常の輝きや恋愛のときめき、人生のきらめきを、疾走感すら感じさせる色彩を巧みに使いスクリーンへ映し出しているのが印象的。また、主題歌を約5億万回のMV総再生回数を誇り、TVアニメ「呪術廻戦」のオープニングテーマでも注目を集めたEveが書き下ろし、劇中キャラクターの細かな心理描写や儚さを見事に表現してZ世代の支持を集めた珠玉作。◆『漁港の肉子ちゃん』(21)母の恋が終わるたびに放浪する親子描く愛情深い性格ゆえに、これまでの人生、ダメ男ばかりを引き寄せては、何度もだまされてきた母・肉子ちゃん。とんでもなく豪快で、子どもみたいに純粋な母に比べて、しっかりもので大人びた性格の小学5年の娘・キクコ。ふたりは肉子ちゃんの恋が終わるたびに各地を放浪し、北の漁港の町へと流れ着く。漁港で途方にくれる母娘は、肉子ちゃんを“肉の神様”と思い家族のように迎え入れてくれた「うをがし」の店主・サッサンが所有する漁港の船を住処に、肉子ちゃんとキクコの新しい生活が始める。しかし、肉子ちゃんの次の恋が終わったら、またこの町を出て行かなければならない。そんな不安が次第によぎるキクコと肉子ちゃんの大きな秘密が明らかになり…。原作は第152回直木賞を受賞した西加奈子の累計発行部数35万部超の同名ベストセラー小説。EX「アメトーーク!」の<読書芸人>回では、「ピース」又吉直樹が本書を紹介し、大きな反響を呼んだ。漁港の船に住む魅力的な母娘の物語に惚れ込み、劇場アニメ化を熱望し、本作で企画・プロデュースを務めるのは明石家さんま。映画化のオファーをさんまさん自ら、原作者・西さんに打診し、5年の歳月を経てついにアニメ映画化が実現した。監督は、『ドラえもんのび太の恐竜2006』や『海獣の子供』などのアニメーション作品を世に送り出してきた渡辺歩。さらに、キャラクターデザイン・総作画監督は『かぐや姫の物語』などで作画監督を務めた、「スタジオジブリ」一期生の小西賢一。脚本は「凪のお暇」の大島里美。アニメーション制作は『映画 えんとつ町のプペル』を手掛け、圧倒的クオリティと世界観で世界中に多くのファンを持つ「STUDIO4°C」。また、幅広い世代から絶大な人気を誇る「GReeeeN」が書き下ろすエンディングテーマ「たけてん」が、肉子ちゃんとキクコの日々を表すように、優しく寄り添っている。劇場アニメ化について、渡辺監督は「原作を読んで、こういった人間ドラマをアニメで描けるのはいいなと思いました。そして、さんまさんが企画・プロデュースという形でアニメにチャンスをもらえたということが、とにかく嬉しかったですね」とコメント。総作画監督の小西氏は「小説作品をアニメにしたいという想いは持っていました。そして自分たちのアニメーション映画を作るからには、ゼロからキャラクターを作りたいと。これは渡辺監督と共通の思いでした。それを本作で叶えることができて、非常にありがたいと同時に、今後につながっていくと思います」と話し、美術監督の木村真二は「西加奈子さんの作品がすごく好きなので、今回作品に携わることができて本当に嬉しかったです。小説作品をアニメーションの世界で表現できるというのは貴重な機会ですし、とても面白いと思っています」と、それぞれに思いを語る。第一線で活躍するアニメクリエイターが、原作小説へのリスペクトと劇場アニメ化への熱意をたっぷり込めて、本作を送り出す。『漁港の肉子ちゃん』は6月11日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:時をかける少女 (2010) 2010年3月13日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開© 「時をかける少女」製作委員会2010君の膵臓をたべたい(2018) 2018年9月1日より全国にて公開(C)住野よる/双葉社 (C)君の膵臓をたべたい アニメフィルムパートナーズジョゼと虎と魚たち(2020) 2020年12月25日より公開©2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project漁港の肉子ちゃん 2021年6月11日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開©2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
2021年05月06日直木賞を受賞した大ベストセラー小説『ファーストラヴ』が、待望の映画化。豪華キャストとスタッフが集結して作り上げた“禁断のサスペンス・ミステリー”に、公開前から高い注目が集まっています。そこで、劇中で見せた鬼気迫る演技が話題となっているこちらの方にお話をうかがってきました。女優の芳根京子さん【映画、ときどき私】 vol. 355今回、芳根さんが演じたのは、父親を刺殺した容疑で逮捕された女子大生の聖山環菜。主演の北川景子さん演じる公認心理師の真壁由紀が、環菜との面会をきっかけに心の奥底に隠したはずの“ある記憶”と向き合っていく姿が描かれているため、物語のキーパーソン的存在でもあります。そこで今回は、本作に出演して得た新たな気づきやファーストラヴの思い出などについて、語っていただきました。―まずは、この作品のオファーを受けたときのお気持ちから教えてください。芳根さん堤幸彦監督の作品で北川景子さんや中村倫也さんとご一緒できる喜びとやりがいのある役をいただけて、大きな声で「やったー!」と言ってしまったほどうれしかったです。でも、読めば読むほど本当に重要な役であることに気がつき、ワンテンポ遅れて衝撃が走った感じでした。―複雑なキャラクターでもあるため、演じるうえで難しさを感じることもあったのではないでしょうか?芳根さん私が演じた環菜は周りを翻弄する役どころだったので、役作りの過程で気がついたのは、私の演じ方次第で作品の“色”が変わってしまうかもしれないということ。そう考えるようになってからは、プレッシャーで怖くなってしまうこともありました。でも、監督とたくさん相談しながら環菜を作りあげられたので、普段だったら感情だけで演じていたようなシーンも、見え方を意識して、頭を使って演じることに。これまでとは違う達成感を味わうことができたと思います。北川景子さんは、心が安らぐ大好きな先輩―そんななかでも、忘れられない出来事はありますか?芳根さん印象に残っているのは、北川さんと2人で面会室にいる後半のシーン。リハーサルの前にした段取りの時点で、北川さんの目を見てお芝居をしていたら、下に水たまりができるくらい涙があふれて、ボロボロに泣いてしまったことがありました。そのあと監督に「もう一回同じことをやれる自信がありません」と伝えたら、「ごめん、もうカット割り全部消しゴムで消しちゃったから同じことしてくれないと困る」って言われてしまって(笑)。「困ると言われても困る!」と思ったんですけど、それに応えるのが私たちの役割ですから。内心は不安でドキドキでしたが、北川さんの目を見たら、やっぱりあふれるものがあったので、乗り越えられました。―北川さんとご一緒されてみて、印象に残っていることはありますか?芳根さん実は、その時期は仕事でも私生活でも、モヤモヤして悩んでいたんですけど、特に誰にも言わずに過ごしていました。でも、そんななかで唯一そのことに気がついてくれたのが北川さん。そういう部分は、劇中の役の関係性と重なる部分はあったと思います。―実際、北川さんからはどのような言葉をかけられたのかを教えていただけますか?芳根さん 撮影が終わったあと、お食事に行かせていただいたときに「芳根ちゃん、大丈夫?悩んでるんじゃない?」と声をかけられて、私の心が全部見透かされているのかなと本当に驚きました。それは北川さんの観察力の高さや人柄でもあると思いますが、本当にパワーのある方なんですよね。北川さんにはたくさんのことを引き出していただきましたし、心が安らぐ瞬間を作ってくださる大好きな先輩です。あのときの私以上に、環菜を演じられる人はいない―女優の先輩としても学んだことは多かったですか?芳根さんそれもたくさんありました。プライベートでお会いしたときにも、「こういう女優さんになりたい」とか「こういうお芝居をしたい」とか、いつもいろいろなお話をさせていただいています。北川さんがいまの私の年齢の頃にどうだったかというお話も聞かせていただいたりしたので、おかげで将来に対する不安がなくなりました。―ステキな関係ですね。ただ、今回は精神的につらい役どころだったと思いますが、私生活に影響を与えることはありませんでしたか?芳根さんこの役はけっこう引きずりましたが、同時期にコメディのドラマを撮影していたので、それに救われました。どれだけ環菜でつらい思いをしていても、翌日には別の現場で周りの方たちが笑わせてくださっていたので。そういった感情の差も、今回はすごくおもしろいなと思ったところです。ただ、環菜のことを考えるだけで涙が出てしまうようなことが続いていたので、撮影が終わってから環菜とは距離を取るようにしました。それほどいままでで一番引きずった役だったかもしれないですね。―ご自身の女優人生においては、どのような作品になりましたか?芳根さんもちろん、どの作品も出会えてよかったと言えるものばかりですが、そのなかでもこの作品は特にその思いが強かったと思います。ちょうど悩んでいた時期だったからこそできた部分もあるので、あの時期の私以上に環菜を演じられる人はいないと言いたいくらい。いまの私にもできないかもしれないですね。でも、そういったことも含めていろいろなことを気づかせてくれた役なので、この先も続いていく芝居人生においてたくさんのことを教えていただきましたし、改めてお芝居の楽しさを味わうこともできました。ここから自分の人生が変わると感じられた作品にもなったと思います。これから観客の反応もひとつずつ吸収していきたい―そのほかの共演者の方とのやりとりで、思い出に残っていることはありますか?芳根さんまず中村倫也さんは、本当にこの役にぴったりな方だなという印象でした。監督からは話す相手が女性か男性かで変えてほしいと言われていたので、男性のときには少し媚びを売るような甘ったるい感じを出していますが、中村さんがステキな方だからこそ、演じやすいと感じる部分は多かったです。あと、お母さん役の木村佳乃さんは、現場にいらっしゃるとすぐにわかるくらい本当に明るくてパワーのある方だなと。とても気さくにお話してくださったので、それもうれしかったです。ただ、映像で木村さんを見たときは、あの恐ろしさにゾッとしました。でも、観る人にそういう恐怖心を与えてしまう木村さんの演技がすごく好きですし、私もいつかああいう役をやってみたいです。―法廷のシーンも非常に緊迫感がありましたが、撮影は大変でしたか?芳根さん実はあのシーンでも、面会のときと同様に脚本には泣くとは書いてませんでしたが、それでも込み上げてくるものがあり、独白のシーンでは段取りのときからすごく感情があふれてしまうことも。気持ちが落ちてしまうときもありましたが、監督が私に向かって冗談を言ってくださったりしたので、そういう監督の明るさにとても救われました。―この作品を経て、ご自身で成長を感じる部分などがあれば教えてください。芳根さん特殊な役でしたが、ここまで感情が持っていかれる役に出会えたことは奇跡だと思いました。自分としてはやり切っていても、実際に環菜を見た観客の方々の反応から得るものもあると思うので、それをひとつずつ吸収していきたいです。環菜を演じたことで、すでに自分からにじみ出ている部分もあるかもしれませんが、それが何かを言葉にできるようになるまではもう少し時間がかかるのかなと。それくらい受け止めるのがつらい役でしたし、いまもまだ一緒に生きている感覚なのかもしれません。いつか思い出として振り返れるようになったら、自分でも成長がわかるようになるのかなと思っています。仲良しの母が心の支えになっている―作品が終わると、いつもお母さまとお出かけするそうですが、今回はどのように過ごされましたか?芳根さんいつもだったら、「終わったー!」といって母と外食に行くんですけど、その時期はすごく忙しかったのと、作品が重たかったこともあって、家で母とずっと一緒に時間を過ごしました。物理的にも体力的にも余裕がなかったこともありますが、そういうこともいままではなかったので、この役に出会えたのは運命だったなと改めて感じています。―この作品は、母と娘に関する話もありますが、そういったことについても話されましたか?芳根さん私の母も涙もろいので、原作を読んだときに「環菜ちゃん……」と言って泣いていましたが、私が試写を見たあとに「すごく救われたし、環菜の未来が楽しみに感じられたよ」と伝えたら、また泣いてしまって(笑)。母は私が朝ドラに出演するようになったときくらいから、娘ではなくちゃんと役で見ることができるようになったと言ってくれて、純粋に作品を楽しんでくれているので、この作品もどんな感想を言ってくれるのか楽しみです。私にとっては母が心の支えであり、生きがいと言っても過言ではないほど本当に仲良しなので、母の存在に救われています。私の幼なじみからも、「こんなにポジティブで、パワフルで、明るい人はいままで見たことがない」と言われているくらいの母なんです(笑)。―芳根さんにとって、いま一番幸せを感じる瞬間はどんなときですか?芳根さん最近飼い始めたフェレットと家で一緒に遊ぶのが毎日の楽しみですね。私が出かけるときにいつもかわいい姿を見せてくれるんですけど、それを見るだけで「早く帰ろう!」と思って癒されます。―日常生活で欠かさずにしていることはありますか?芳根さんいままで美容に無頓着で、メイクもスキンケアもほとんどしたことがなかったんですけど、最近はメイクさんや美容に詳しい友達といろいろな情報を共有するようになりました。特に毎日パックをするようになってからは、今日はどのパックにしようかなと選ぶのが楽しくて、「ああ、私って女子だなぁ」と思えてうれしくなります(笑)。自分のファーストラヴって何だろうと考えている―では、「ファーストラヴ」と聞いて思い出すことがあれば、教えてください。芳根さん実は自分の初恋の記憶がないので、母に聞いてみたんですけど、「わからない」と言われ、幼なじみには「多分、小学校6年生じゃない?」と言われたくらい「私のファーストラヴって何なんだろう?」と考えているところです(笑)。というのも、子どもの頃の私は人見知りが激しくて、母の後ろから顔を出しているようなタイプだったので、あまり感情を出すこともなかったんですよね。なので、自分でも忘れてしまいました……。―(笑)。ちなみに、いまラヴなものといえば何ですか?芳根さんいまはフェレットのことしか頭にないかもしれませんね。頼まれてもいないのに、マネージャーさんやメイクさんたちに毎日写真を見せてます(笑)。―かわいいですよね。それでは最後に、理想としている女性像や今後の目標があれば、教えてください。芳根さん私は、北川さんのような女性になりたいと本当に思っています。私が大したことない話をしても毎回ちゃんと答えてくださったり、優柔不断な私に的確なアドバイスをくださったり、あの美しさは心から出ている美しさもあるんだなと感じているからです。しかもそれでいてお母さんでもあるなんて、本当に憧れます。将来、私も結婚して子どもを持つかもしれないですけど、あんなふうになりたいなと。私もがんばろうと思って、最近北川さんと同じジムに通い始めました。ただ、一向に北川さんにはなれないので、次は何をしたら北川さんになれるのかを今度聞いてみたいと思います(笑)。インタビューを終えてみて……。仕事のことからプライベートのことまで、目をキラキラと輝かせて話す姿が印象的な芳根さん。この作品と北川さんとの出会いがいかに大きかったかをひしひしと感じました。誰もが釘づけになってしまう芳根さんの熱演をぜひお見逃しなく!心を揺さぶり、刺激する!先が読めない展開と環菜に翻弄されながら、たどり着く“衝撃の真実”。気がつけば、誰もがさまざまな問いと向き合わずにはいられないはず。あなたも心の奥にある隠し続けてきた“愛の記憶”を呼び起こしてみては?写真・北尾渉(芳根京子)取材、文・志村昌美スタイリスト:藤本大輔(tas)衣装協力:beautiful people(beautiful people 青山店 03-6447-1869)/JIMMY CHOO(JIMMY CHOO 0120-013-700)/talkative(talkative 03-6416-0559)ストーリーアナウンサー志望の女子大生・聖山環菜が、著名な画家である父を刺殺するというセンセーショナルな事件が発生。しかも、「動機はそちらで見つけてください」という環菜の挑発的な言葉が、世間をますます騒がせてしまう。その後、事件を取材することになった公認心理師の真壁由紀は、夫の弟で環菜の弁護士でもある庵野迦葉とともに、彼女の本当の動機を探ろうと面会を重ねることに。二転三転する供述に振り回されながらも、由紀は過去の自分と似た“何か”を感じていた。そして、由紀が封印していた記憶をさらけ出したとき、環菜がついに驚くべき真実を語り始めることに……。胸がざわつく予告編はこちら!作品情報『ファーストラヴ』2 月11 日(木・祝)より 全国ロードショー北川景子中村倫也芳根京子板尾創路石田法嗣清原翔 ・ 高岡早紀木村佳乃窪塚洋介監督:堤幸彦脚本:浅野妙子原作:島本理生『ファーストラヴ』(文春文庫刊)音楽:Antongiulio Frulio主題歌・挿入歌:Uru「ファーストラヴ」「無機質」(ソニー・ミュージックレーベルズ)配給:KADOKAWA製作:『ファーストラヴ』製作委員会制作:角川大映スタジオ/オフィスクレッシェンド公式Twitter @firstlove2021公式Instagram @firstlove2021 #ファーストラヴ© 2021「ファーストラヴ」製作委員会写真・北尾渉(芳根京子)
2021年02月08日「第164回芥川賞・直木賞」(日本文学振興会主催)の選考会が1月20日に都内で開かれ、直木賞には西條奈加氏(56)の「心淋し川」が決定。人気グループ・NEWSの加藤シゲアキ(33)は「オルタネート」が候補作となっていたが、受賞を逃した。加藤の作品は、高校生限定のマッチングアプリを通じて運命が交錯する物語。各スポーツ紙によると加藤の作品は候補6作のうち、最終投票の4作に残っていたという。また直木賞の選考委員を務めた北方謙三氏(73)は「『加藤シゲアキに直木賞を受賞させよう』という機運をまとった意思は、2、3あった。私もその1人」とした上で、「表現をバッと突き抜けて、深いところにドーンと入っていく。そういうような小説を書いていただきたい。もう1作くらい待ってみようと」と次作に期待を寄せたという。「加藤さんの作品は今回、初めて候補作となりました。そこですぐに直木賞を受賞するのは至難の業。たとえば昨年に『少年と犬』で受賞した馳星周さんは初めて候補に選ばれてから23年目、7回目でやっと受賞していました。ただ今回は候補者がいずれも初候補ばかりだったので、ある意味チャンスではありました。ただ快挙は逃したものの、話題になったことは間違いありません。作品の売り上げを大きく伸ばしそうです」(出版関係者)■「本屋大賞」の候補作にもノミネート21日には全国の書店員が最も売りたい本を投票して選ぶ「2021年本屋大賞」の候補10作が発表され、ここでも加藤の「オルタネート」がノミネートされた。大賞は4月上旬に決定するが、すでに明るい未来が予想されるという。「本屋大賞は04年からスタート。『博士の愛した数式』『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~』『海賊とよばれた男』など、映像化された対象作品はことごとくヒットしています。大賞に選ばれなかったノミネート作も『教場』『君の膵臓をたべたい』『罪の声』などが映像化され、ヒットしています。加藤さんの作品は当然、テレビ局と映画会社で映像化権の争奪戦が繰り広げられることになるでしょう。また今後しばらくは、作家としての仕事依頼が殺到することになりそうです」(芸能関係者)
2021年01月23日’12年のデビューから7年、ほぼ年1冊のペースで小説を書き続けてきている加藤シゲアキさん(33)。7作目での直木賞ノミネートは出版界のみならず、世の本読みたちを大いに賑わせ、耳目を集めています。加藤さんの作品をお読みになったことがない方は、彼が人気アイドルグループNEWSのメンバーであることから「所詮、ジャニーズが書いているんでしょ?」「直木賞も話題づくりじゃないの?」と、冷めた目で見ているかもしれません。’03年から『女性自身』で書評を担当してきた私は、それはちょっともったいないですよ、と申し上げたい。そこで、彼のデビュー作から候補作品まで一挙に紹介したいと思います。加藤さんはデビュー作『ピンクとグレー』で、現在と過去を混在させながら芸能界という特殊な世界に足を踏み入れた若者たちの闇と光を描きました。“ジャニーズ事務所所属のアイドルが書いた”というだけで明るい青春小説を想像すると裏切られます。作品全体に薄暗く不穏な空気が漂っているからです。筆致や構成など荒削りな面がまだまだ目立ちますが、一般には見えてこない芸能界の状況がつぶさに描かれ、「なるほど」と興味をそそられるシーンが多々あってキラリと光っていました。行間からは著者の「書きたい!」という強烈なエネルギーも伝わってきて、それらがページを繰る推進力になっていました。次はどういう作品を読ませてくれるのだろうと期待が膨らむ一冊です。2作目の『閃光スクランブル』も芸能界、アイドル、パパラッチ、不倫、ストーカー、幻視、大事な人の死……とキャッチーな要素がたくさん盛り込まれています。もう少し絞り込んでよかったのでは、と思う一方で、デビュー作と比べて登場人物の造形に厚みが増し、情景描写が細かく丁寧になり、全体的にブラッシュアップされたように感じました。物語を進めるのは主人公2人の視点で、それらが交互に展開していくことから全体像を把握しやすくなり、前作よりも小説の世界に入っていきやすくなっています。映画や写真、小説などのエッセンスが随所に挟み込まれているのも効果的でした。3作目『Burn.―バーンー』は、子ども時代に別れを告げて大人になっていく男の物語です。孤独だった天才子役のレイジが、ホームレスの徳さんとドラッグクイーンのローズと出会い、擬似家族のような関係を構築していくなかで少しずつ気づきを得て、成長していく姿が紡がれます。この作品でも現在と過去が交差しますが、全2作より物語を進める視点が整理されてディテールも詰められているので、主人公に寄り添いやすくなったと感じました。読後、温かい気持ちになる小説です。4作目『傘を持たない蟻たちは』は初の短編集です。文庫版には単行本未収録の1編を加えた7作品が収録されています。「渋谷サーガ」として知られる前3作は渋谷と芸能界をモチーフにしていました。この作品集では渋谷と芸能界から離れた著者が嫉妬、傲慢、怒り、絶望、懊悩などの感情を掬い上げながら、人間の「性」と「生」を描きます。性描写あり、ファンタジーあり、SFあり、サスペンスありと作品の幅も広がり、著者の筆力が確実に向上していることがわかる一冊です。5作目にあたる『チュベローズで待ってる【AGE22】』『チュベローズで待ってる【AGE32】』は、上下合わせて548ページというサスペンスフルなエンタメ超大作です。上巻ではホスト業界で生き抜きながら就職活動に邁進する主人公・光太が描かれ、下巻ではゲームクリエイターになった光太が10年前に封印した過去を乗り越える姿が描かれます。下巻の設定が近未来なので、著者が考える現在は存在していない新技術が紹介されるのが刺激的。また最後の100ページでは、読み手の想像を遥かに超える展開がこれでもかと繰り広げられ、「えぇっ!」と思わず声が漏れてしまうほど驚きます。アイデア、構成、筆致と全てにおいてこれまでの作品を凌駕しており、一気呵成に読み切りました。アイドルが書いたとは言わせない、という著者の気迫が伝わってくる怪作です。6作目『できることならスティードで』は旅先や日常生活のなかで考えたことを怜悧な文章で綴った、滋味深いエッセイ集です。祖父の死について書いたTrip「岡山」は日本文藝家協会が選ぶ『ベストエッセイ2019』に収録された名作。対象と絶妙な距離を保ちながら編み上げられていく文章には品があり、滑らかさに舌を巻きました。そして直木賞候補になった7作目『オルタネート』は、高校生たちの出会いと別れ、不安と焦り、挫折と成長を描いた群像劇です。いくつものドラマが重なり合う構成もヒリヒリするような心理描写も秀逸です。 ページを捲るにつれて緊張が高まっていき、クライマックスの料理対決は臨場感といい迫力といい圧巻そのもの。読後に立ち上る温かさと清々しさに胸がいっぱいになる作品です。こうしてデビュー作から一気にまとめて全著作を読むと、著者が書くことに対して不断の努力を重ねてきたことが伝わり、その真摯な姿勢に一読者として素直に感銘を受けます。次にどういう世界を見せてくれるのかーー。読書の愉悦に浸りたい私は作家・加藤シゲアキのこれからに期待が膨らむばかりです。ここからは、加藤さんの作品により関心を持ったあなたに向けて、全作品のあらすじをご紹介いたします。2012年デビュー作『ピンクとグレー』KADOKAWA/角川文庫(560円・税別)大阪から横浜に引っ越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾、石川、木本と出会い、意気投合。その後、石川と木本は転校するが、大貴と真吾は中学受験をして同じ私立学校に進学する。高校時代にはバンドを組み、読者モデルもやるなどいつも2人は一緒だった。高校卒業後、2人は同じ事務所に所属し芸能活動を開始。真吾はすぐに認められスターダムを駆け上がっていくのだが、大貴はチャンスを掴むことができず無名のまま。ある日、真吾が勝手に事務所の移籍を決めたことから決裂は決定的になり……。2013年2作目『閃光スクランブル』KADOKAWA/角川文庫(560円・税別)将来を期待されていたカメラマンの巧は、妻子を亡くし写真に興味を失っていた。今は学生時代の同期のアシスタントをしながら、現場で入手した情報をもとにゴシップ写真を撮って写真週刊誌に売る日々。そんな巧に狙われたのが人気アイドルグループのメンバー・アッキーこと伊藤亜希子だった。グループが世代交代の時期に来ていることを察し、自分の存在価値に思い悩んでいた亜希子は大物俳優と不倫中だったのだ。ところが、亜希子が相手を呼び出したホテルの部屋に有名女優である妻が現れ、言い争いになってしまう。ホテルから飛び出した亜希子はさらなるトラブルに巻き込まれてしまい、成り行きから亜希子を庇った巧は彼女を連れて逃げる。2014年3作目『Burn.―バーンー』KADOKAWA/角川文庫(560円・税別)演劇のアカデミー賞といわれる大きな賞を受賞した舞台演出家のレイジには20年前の記憶がほとんどなかった。授賞式の帰り、妊娠中の妻が運転していた車が交通事故に遭い、2人は病院に担ぎ込まれる。そこでレイジは20年前の一時期を共にしたドラッグクイーンのローズと再会し、少しずつ過去を思い出していく。当時、レイジは天才子役として活躍していたが、感情が動くことのない孤独な少年だった。ある日、渋谷の宮下公園で小学校の上級生にいじめられていたところをホームレス・徳さんに救われ、仲良くなる。ローズを紹介したのも徳さんだった。レイジは徳さんから「魂、燃やせよ」と言われ、少しずつ生きる力を獲得していくのだが、渋谷再開発を巡って事件が起こる。2015年4作目『傘を持たない蟻たちは』KADOKAWA/角川文庫(560円・税別)優等生で通っていた美大生の市村は、ある日、橋脚にカラースプレーでグラフィティを描いている女と出会う。彼女は同じ美大に通う学生で天才的な感性の持ち主だった。市村は彼女の魅力に加速度的にハマっていく(染色)。広告代理店で働いていた大西が脱サラの日を迎えた。リサと秘密の社内恋愛をしていた大西は、これからは仕事も恋愛も自由にできると希望に満ちあふれていた。だが、リサを驚かそうと出張先の大阪に向かうと……(Undress)。美鈴の家は祖父が空から降ってきた新生物・イガヌを食べることを許していなかった。だが、彼氏も友人もみな口々にイガヌが美味しいと絶賛する。ある日、美鈴は祖父の目を盗み、イガヌを食べてしまう(イガヌの雨)。ほか4編。2017年5作目上巻『チュベローズで待ってる【AGE22】』扶桑社(1,100円・税別)2015年。就職試験に失敗した大学4年の光太・22歳は、自暴自棄になって新宿の路上で酔い潰れていたところ、カリスマホストの雫にスカウトされる。就職浪人することにしたものの学費や家族の生活費を稼ぐ必要があったため、1年限定で歌舞伎町にある雫がトップを務めるホストクラブ「チュベローズ」で働くことに。競争の激しいホスト業界でのし上がるべく腹を括った光太に、やがて太い指名客・美津子がつく。だが、彼女は光太が最終面接まで残った大手スマホゲームメーカーDDLの幹部で、彼を落とした張本人だった。事情を知った美津子の指導もあり、次の年、光太は数多の試練を乗り越えて無事にDDLの親会社で大手ゲームメーカーAIDAから内定をもらうのだが……。2017年5作目下巻『チュベローズで待ってる【AGE32】』扶桑社(1,200円・税別)2025年。大手ゲームメーカーAIDAのクリエイターとして活躍する光太。誰からも一目置かれる存在になっていたが、大きな喪失感を抱えていた。そんなある日、「チュベローズ」のオーナーが亡くなったという知らせを受け、久しぶりに昔の仲間に会う。その頃、会社では光太が中心的に関わったプロジェクトがNPO法人から抗議を受けるトラブルの対応に苦慮していた。問題を解決するために動いた光太は、10年前の過去と向き合うことになる。2020年6作目『できることならスティードで』朝日新聞出版(1,300円・税別)旅をテーマに綴ったエッセイ15編と掌編小説3編を収録した作品集。キューバ、大阪、ブラジル、ニューヨーク、渋谷、パリなどといった旅先の風景やそこで見聞きしたり考えたりしたこと、あるいは学校に行く意味や死についてなど日常生活のなかで考えたことを怜悧な文章で綴る滋味深い作品ばかり。2020年7作目『オルタネート』新潮社(1,600円・税別)高校生限定のアプリ「オルタネート」が必須の時代の東京。「オルタネート」はユーザーが指定した条件に合わせて相性のいい人を紹介する機能やSNS機能を持つ高校生必須の人気アプリだ。「オルタネート」を使わない円明学園高校3年の蓉は料理部の部長で、ライブ配信される料理コンテスト「ワンポーション」での優勝を目指しパートナーを探していた。同校1年の凪津は母子家庭で育ち、母親に複雑な思いを抱いている「オルタネート」信望者。大阪の高校を中退したため「オルタネート」が使えない尚志は、同校に通うかつてのバンド仲間を探して単身上京し、アーティストが集まるシェアハウスで暮らしていた。高校生たちの心は「オルタネート」を巡って揺れ動き……。(文:品川裕香)
2021年01月19日第159回直木賞を受賞し、累計発行部数30万部を超える島本理生のサスペンス小説を映画化した『ファーストラヴ』の完成報告イベントが1月12日、都内で行われ、主演を務める北川景子をはじめ、中村倫也、芳根京子、窪塚洋介、堤幸彦監督が出席した。アナウンサー志望の女子大生が父親を刺殺するという衝撃的な事件を軸に、予測不能な結末と、タイトルの裏に隠された秘密を描く。北川は、動機なき殺人事件の真相に迫る、公認心理師の真壁由紀を演じ、原作の設定に合わせる形で、自らの提案で髪の毛を30cm以上カットしたことも話題に。当の本人は「よく体当たりと言っていただくが、実際にはずっと切りたいと思っていた」といい、「せっかく切るなら、大切や役どころ、思い入れのあるお仕事でと思っていた。堤組に参加するのが夢だったので、舞い上がった」と本作への強い思いを明かしていた。その上で「脚本を読み、人は誰しも大なり小なり、悩みや苦しみ、忘れられない過去があると思えた」そうで、「皆その重荷と折り合いをつけながら、必死に生きている。それでいいんだと言ってもらえたようで、私自身も気持ちが軽くなった」と作品のメッセージ性にも強く共感。「ぜひ劇場にお越しくださいと言いにくい状況ですが、皆さんの心に届くよう一生懸命つくった作品」だとアピールにも熱がこもった。由紀の義弟で、由紀とともに、事件の真相に迫る敏腕弁護士・庵野迦葉を演じた中村は「言葉にしない言葉をたくさん持っている男」と役柄を分析。初共演を果たした北川とは同い年で、共通の話題で意気投合したといい「私たちの世代にとって、窪塚さんはカリスマ!」(北川)、「僕のお兄さん役が窪塚さんと聞いて、最初はオファーを断ろうと思ったほど。いちファンとしての“フワフワ感”が出ないよう意識したが、もちろんとても光栄でした」(中村)と共演した窪塚へのリスペクトを披露した。そんな2人の言葉を受けて、窪塚は「言ってよ!嫌われているのかと思った」と当初感じた距離感に言及。由紀の夫であり、迦葉の兄・真壁我聞を演じ「北川さん、中村君とご一緒して『えっ、こんなに(演技が)できるの?』って正直驚がくした。まゆ毛のぴくっとする動きや瞬きまで、すべてをコントロールしていて…。役者って面白いけど、負けたくないというか、ケツを叩かれているようだった」と振り返ると、中村は「酔っぱらっちゃった」と尊敬する先輩からの言葉に心酔していた。取材・文・写真=内田涼『ファーストラヴ』2021年2月11日(木・祝)全国公開
2021年01月12日