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一般財団法人絵本未来創造機構(代表理事:仲宗根敦子)は、このたび、沖縄県の全ての小学校図書館に沖縄戦を描いた平和を考える絵本を寄贈いたします。これに伴い、絵本の寄贈式及び教育長表敬日程を2023年7月7日(金)、沖縄県庁にて行います。七夕であるこの特別な日に、子どもたちに平和を考える絵本を贈呈することで、世界平和を願う気持ちを共有することを目指しています。第54回講談社絵本賞受賞■絵本未来創造機構による絵本の寄贈式及び教育長表敬日程日時:令和5年7月7日(金) 15:30~15:45場所:沖縄県庁13階教育長応接室■選定した絵本について絵本の選定には、「なきむし せいとく 沖縄戦にまきこまれた少年の物語」(童心社の絵本)を採用しました。この絵本は、第54回講談社絵本賞を受賞し、40年以上にわたり沖縄を見つめ続けてきた著者である田島征彦さんが描いたものです。「沖縄戦」をテーマにした本作品は、田島さんの長年の取材の集大成として生まれたものであり、沖縄の子どもたちにとって平和とは何かを考える貴重な絵本です。この絵本を通じて、子どもたちは戦争の悲惨さと痛みを理解し、平和の尊さや大切さを実感することで、平和への思いを育むことを願っています。■一般財団法人絵本未来創造機構について一般財団法人絵本未来創造機構は、子どもたちに平和について考える機会を提供し、夢や希望を育むために絵本の力を活用しています。絵本は、想像力や感受性を刺激し、子どもたちの心を豊かに育む優れたツールです。特に、このような重いテーマを取り扱った絵本を通じて、子どもたちに平和への意識を育むきっかけを与えることが重要であると考えています。一般財団法人絵本未来創造機構 代表理事 仲宗根敦子(沖縄市在住)は、「絵本を通して豊かな未来を創造する」という理念を掲げ、絵本や読み聞かせの普及活動や、研修・出版等の活動を行っております。当財団は収益の一部を国内外の貧困地域への絵本の寄付、また平和活動として、沖縄や広島の平和祈念公園への寄付をしております。<一般財団法人絵本未来創造機構 代表理事 仲宗根敦子 コメント>「子どもたちが夢を持ち、平和について考えることは、未来の世界を築くために重要な要素だと考えています。絵本は子どもたちの心を豊かにし、平和への意識を育むための優れた手段です。我々はこの活動を通じて、子どもたちが平和の尊さを理解し、共に平和を築く力を育んでほしいと願っています。」 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年07月04日一般財団法人絵本未来創造機構の(代表理事:仲宗根敦子)は、絵本を通じて豊かな未来を創造し、絵本や読み聞かせの普及活動や研修・出版プロデュースなどの活動を展開しています。この度、第二回「Ehon for peace in Okinawa」を、2023年7月9日(日)に沖縄県平和祈念堂(沖縄県営平和祈念公園) 沖縄県糸満市摩文仁448番地2にて開催いたします。当財団は、収益の一部を平和活動として沖縄や広島の平和活動に寄付しており、このイベントでは、沖縄の子どもたちが絵本を通して共通の喜びを分かち合い、情操を育み、世界平和への意識を育てることを目的としています。第二回Ehon for peace in Okinawaチラシイベントでは、平和セレモニーとして、献花や沖縄県蝶のオオゴマダラ放蝶も行われます。絵本作家 長谷川 義史氏による講演会「へいわってなにかな、ぼくはかんがえたよ」。さらに、子どもたち150人による世界一大きな絵の作成(5×5メートルの大きな布に自由に絵を描きます)。この大きな絵は、2024年フランスにて披露される予定です。■開催概要日時 : 2023年7月9日 9時30分~12時会場 : 沖縄県平和祈念堂(沖縄県営平和祈念公園)URL : 参加費 : 無料定員 : 350人申込方法: ※満員御礼につき受付は終了しております。主催:一般財団法人絵本未来創造機構共催:株式会社 有隣堂、特定非営利活動法人アース・アイデンティティ・プロジェクツ後援:沖縄県 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年07月04日妊娠中からずっと息子に読み聞かせていた絵本についてのエピソードをご紹介します。 こんな目覚めのいい朝はない!私は妊娠が分かったころから、おなかの子に読み聞かせをしていました。なかでも絵本の「うまれてきてくれてありがとう」を夫婦で頻繁に選んでいたと思います。また、子どもが生まれてきてくれてからも、ときどき読んでいました。 すると息子が2歳を少し過ぎたある日の明け方。息子は私に「ママ、うまれてありがと(うまれてきてくれてありがとう)」と言いながら、初めてほっぺにチュッ。 こんな目覚めのいい朝は一生来ないと思うくらい本当に幸せでした。(女性 30代 主婦) まとめ読み聞かせをしていた本の言葉をママにかけてくれた息子くん。きっとママやパパが息子くんに対して常に言っている言葉だから、息子くんも同じことをしたのでしょうか。ママにとっては一生忘れられない思い出になりますね! みなさんも、お子さんから言われてうれしかった言葉はありますか? 作画/大福
2023年06月30日株式会社佼成出版社は、2023年6月27日に、『とべ!ジェイムズ オレンジいろのペンギン Leap Into a New World, James! James the Orange-Colored Penguin』(葉祥明/絵・文)を発刊いたしました。自分を愛することの素晴らしさを伝える空を自由に飛びまわる鳥を見て「ぼくも空をとんでみたい」と思ったペンギンの子、ジェイムズ。「ペンギンが飛ぶ」ことの意味を自分なりの価値観で追究する姿を通して、自分を愛することの素晴らしさを伝えます。「人間の子どもたちにもジェイムズのように一人一人に個性があり、すばらしい活躍をする可能性を秘めている」とのメッセージをこめて、画業50年の葉祥明さんが描いた一冊です。【本書の特色】1) 画業50年、100点以上の作品を世に送り出してきた、葉祥明が贈る新刊絵本2) 愛読者多数のロングセラー絵本『オレンジいろのペンギン』(2003年発刊)の続編3) コウテイペンギンの生態と南極の美しい風景4) 全文英訳付き【著者紹介】葉祥明(よう・しょうめい)/1946年、熊本市生まれ。絵本作家、画家、詩人。絵本『ぼくのべんちにしろいとり』(至光社)でデビュー。1991年、葉祥明美術館を開館。作品に『風とひょう』(愛育社)『地雷ではなく花をください』(柳瀬房子・作/自由国民社)『母になる日』(新日本出版社)『イルカの星』『ひかりの世界』『宇宙からの声』『しろくまのピナーク』『虹の橋』『あのひのこと』『オレンジいろのペンギン』(以上、佼成出版社)他多数。人間の心を含めた地球上のあらゆる問題をテーマに創作活動を続けている。【本書の概要】書名:とべ!ジェイムズ オレンジいろのペンギンLeap Into a New World, James! James the Orange-Colored Penguin発売日: 2023年6月27日販売場所: 全国書店・インターネット書店定価: 1,650円(税込)体裁: A4変型判/32ページISBNコード: 978-4-333-02902-0(画像はプレスリリースより)【参考】※公式サイト
2023年06月29日そろそろ本格的に梅雨入りの時期。お外で遊べないとなると子どもたちは少し退屈かもしれません。でも大丈夫。お家遊びのバリエーションを増やせば、楽しい梅雨を迎えられるはず! ママであり、モデルで絵本ソムリエのアンヌさんに【お家遊び】がテーマの絵本を厳選してもらいました。絵本を読んで、ぜひ実際にトライしてみて♪お家遊びがテーマの絵本 01無限の可能性を秘めた白い紙『しろいかみのサーカス』『しろいかみのサーカス』 作:たにうち つねお 写真:いちかわ かつひろ (福音館書店) 対象年齢:3歳くらいから「お家遊びは、白い紙一枚でも十分です。ここでは、簡単なのに工夫を凝らした豊かな遊びに変身させてしまいます。折ったり、向きをかえてみたり、重ねたり。切って伸ばして、丸めてみたり。さまざまな表情に様変わりする紙を、分かりやすい言葉で紹介してくれています。どこでもだれでも、さぁ試してみて!」お家遊びがテーマの絵本 02ひと味違うピッツァをつくろう『ピッツァぼうや』『ピッツァぼうや』 作:ウィリアム・スタイグ 訳:木坂涼 (らんか社) 対象年齢:3歳くらいから「外に出れない日はユニークな遊びで気分転換を! ピートは雨で友達と遊べずご機嫌斜め。そこでパパは思いつきます。ピッツァづくりです。しかもピートで! さてそのレシピは? 読みながら、ドキッとしたりクスッと笑ったり。親子で真似してみては? きっと楽しい雨の日が過ごせるはず。数々の児童書を手がけた作者が90歳のときの作品。遊び心と独特の絵のタッチにほっこりします」お家遊びがテーマの絵本 03創造力が高まる!『かおノート』『かおノート』 作・絵:tupera tupera (コクヨ株式会社)「人気ユニットによる、参加型絵本。開いてみるとページごとにいろいろな顔の輪郭が。よく見てみると、ときにはキャベツだったり、リボンだったり、タワシということも。そこに好きなように表情をつけていきます。ペンやクレヨンで描き加えたり、色紙をコラージュしたり。添付の顔パーツシールを貼ってみても。表現は自由です。工夫していくといろんな顔が出来あがって、笑いが止まらなくなりそうですよ」お家遊びがテーマの絵本 04レシピにもなるお話『サンドイッチつくろう』『サンドイッチつくろう』作:さとう わきこ(福音館書店) 対象年齢:4歳くらいから「外遊びができない日は、最高のクッキングデー。サンドイッチなら小さい子でもできそうです。冷蔵庫の中を覗いて、中にあるものを出してみましょう。卵、キュウリ、レタス、ニンジン。ゆで卵はどうつくるのかな? 炒り卵は? ポテトサラダは? 大人の少しのヘルプがあれば十分。お好みサンドがつくれてしまう、簡単レシピ絵本です」お家遊びがテーマの絵本 05想像力を膨らまして遊ぼう『ふねなのね』『ふねなのね』 文:中川 ひろたか 絵:100%ORANGE (ブロンズ新社) 対象年齢:1歳くらいから「何もたくさんのオモチャがないといけないわけではありません。ここで出てくるのは、ひとつの箱だけ。男の子が『ふねなのね』と言って乗り込みます。すると川が生まれ、すいすい進みます。ワニが現れ、ハラハラドキドキ。でも、仲間に。そしてすごい波がきて、さあ大変! 想像で物語がどんどん展開し、大冒険ができる愛らしい作品です。ほかにも『バスなのね』、『おうちなのね』もおすすめです」お家遊びがテーマの絵本 06カッターを使ってみるのはいかが?『CUTANDCUT!キッターであそぼう!』『CUTANDCUT!キッターであそぼう!』 作:五味太郎(アノニマ・スタジオ) 定価¥4,180(本体価格¥3,800)「カッターメーカー・オルファのこども向けカッター『キッター』と刃折り器、オリジナルA4サイズのカッターマット、 工作アイデアブックと五味太郎さんセレクトの14色の色紙の本(両面色紙84枚)が箱にセットされています。少し大きい子には、カッターを使わせてみても。巻末の説明に従って、使い方の注意点だけしっかり教えれば、あとは『カッター遊びのはじまりはじまり!!』。まっすぐに、ギザギザに、あるいはくねくねに。切り方はさまざま。色紙を重ねてみたりするだけで、さまざまなお顔のお面がつくれますよ。五味太郎さんによる、シンプルながらも楽しくおしゃれな一冊です」お家遊びがテーマの絵本 07ママやパパは懐かしい『あやとり いととり』『あやとり いととり』 採取・文:さいとう たま 絵:つじむら ますろう (福音館書店) 対象年齢:小学低学年から「昔の子どもの遊びといえば、必ず思い出す<あやとり>。西の方では<いととり>とも。一本の紐を結び、輪にしてしまえば遊べるものです。指に引っ掛けて、右手と左手で交互に紐を取ったり外したり。手を動かすだけで『家』、『ほうき』、『三段ばしご』、『かめのこ』などができてしまいます。各地で親しまれてきたあやとりをわかりやすく見せていて、ぜひ受け継ぎたい。3冊セットも」お家遊びがテーマの絵本 08お家にあるもので工夫して遊ぶ『しんぶんしでつくろう』『しんぶんしでつくろう』 作:よしだ きみまろ(福音館書店) 対象年齢:4歳くらいから「お家のなかでも、少しのスペースと新聞紙さえあれば体を使ったいろんな遊びができます。角を4人で引っ張り合って、千切れた部分の大きさ比べをしてみるだけでも愉快。丸めておままごとをしたり、工夫すればジャングル鬼ごっこも。さらにはひとり用の家もつくれますし、簡単な迷路もできてしまうんです。思う存分ビリビリ破いてエネルギー発散も楽しそう。新聞を大人だけの読みものにしておくのはもったいない。驚きの絵本です」PROFILEアンヌさんモデル・絵本ソムリエ・JPIC読書アドバイザー。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆を手がける。出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動してきた。息子が6歳になるまでに読んで聞かせた本は793冊1202話。現在所持する絵本は約1000冊。関連記事 PARENTING2022.04.10【戦争・平和がテーマの絵本 8選】今、親子で考えたいことPARENTING2022.05.11【友だちづくりがテーマの絵本 7選】新学期に親子で読みたい!PARENTING2022.07.14【 きょうだいができる前に読みたい絵本8選 】お兄さん、お姉さんになる準備をしようPARENTING2022.08.09【好奇心をかきたてる”実験”がテーマの絵本8選】 自由研究におすすめ!PARENTING2022.09.26【嘘がテーマの絵本 8選】子どもに伝わる嘘がダメな本当の理由PARENTING2022.10.19【食育がテーマの絵本10選】食欲の秋を絵本で堪能しようPARENTING2022.11.25【性教育がテーマの絵本8選】「赤ちゃんってどうやってできるの? 」と聞かれたら読んであげよう!PARENTING2022.12.19【お手伝いがテーマの絵本8選】冬休みに掃除や料理に挑戦してみよう!PARENTING2023.01.18【あいさつがテーマの絵本8選】新年は気持ちよくあいさつしよう!PARENTING2023.02.21【お金がテーマの絵本10選】学校や園では教えてくれないお金のことを絵本で学ぼうPARENTING2023.03.28出会いと別れの季節に読みたい 【引っ越しがテーマの絵本8選】PARENTING2023.05.31父の日に読みたい!【かっこいいパパがテーマの絵本6選】
2023年06月26日保育士の中田馨さんが、「絶対に読んでおいたほうが良い」オススメの絵本について教えてくれました。子どもにはなるべくたくさん絵本を読んであげたい! という親御さんも多いことでしょう。保育士さんのオススメの絵本はどんなものか興味がありますよね。ぜひチェックしてみてくださいね。こんにちは! 保育士の中田馨です。今回のテーマは「絶対に読んでおいたほうが良いベストセラー絵本」です。保育士と言う職業柄、絵本とふれあうことの多い私が選んだ絵本をご紹介します。 『わたしのワンピース』(こぐま社)にしまきかやこ 作『わたしのワンピース』(こぐま社)は、空から落ちてきた真っ白い布で、うさぎさんがワンピースを作るところからストーリーが始まります。素敵なワンピースができて「ララランロロロン」とお出かけしたうさぎさんのワンピースは、お花畑を通ったらお花模様に。雨が降ったら水玉模様に……と模様が変化していきます。 実は先日、2歳児さんとこの絵本を読んだところ、2歳の女の子は次々に模様が変わる素敵なワンピースにくぎ付け!「わああ! かわいいワンピースになったね」と話しかけると「うん」とうっとりとしていました。 ワンピースに描かれる模様の彩りも良いので、見ているだけでウキウキします。子どもたちに「もういっかい!」とリクエストされることも多い絵本です。 参考文献:『わたしのワンピース』(こぐま社) にしまきかやこ 作 『ぐりとぐら』(福音館書店)なかがわえりこ 作・おおむらゆりこ 絵「ぐりとぐら」の絵本は、多くのお父さんお母さんが、小さいころに1度は読んだことがあるのではないでしょうか? お料理が好きな野ネズミのぐりとぐらは、森で大きな卵を見つけます。どんな料理にしようか悩んで「カステラ」を作ることに。大きな卵を料理して、だんだんカステラが出来上がっていく様子はウキウキして、出来上がったカステラはふっくらとやわらかそう!! 絵本からいい香りが漂ってきそうです。 「わあ! おいしそうなカステラ。◯◯ちゃんも食べてみる?」と絵本の絵をつまんでお口にパクリ。子どもたちはにっこり笑顔になって「もういっかい!」と何度も食べたがります。子どもたちの想像力を掻き立てる素敵な絵本です。 福音館書店の公式サイトには、「『ぐりとぐら』のカステラをつくろう!」と、カステラの作り方も紹介されています。実は、私も作ったことがあるんです。わが子はもう大きくなっていましたが、『ぐりとぐら』のカステラと知り、感動して食べてくれました。 参考文献:『ぐりとぐら』(福音館書店)なかがわえりこ 作・おおむらゆりこ 絵 『はじめてのおつかい』(福音館書店)筒井頼子 作・林明子 絵この絵本は、私が幼少期に出会い何度も読み返した絵本です。 小さなみいちゃんはママに頼まれて、手に百円玉を2つ握りしめておつかいに行きます。いつもママと通る道なのに、自転車にビックリしたり、転んでお金を落したり……とさまざまなハプニングが起きます。 絵本の主人公のみいちゃんとそう変わらない年齢だった私は「頑張れ! 頑張れ!」と応援しながら読み進めていたことを今でも覚えていて、そのときにみいちゃんと同じように不安な気持ちになったり、みいちゃんが転んでケガをしたら何だか痛みを感じたり、最後はうれしく温かい気持ちになったことも覚えています。 そんな気持ちにさせてくれた絵本ですので、自分の子どもが大きくなったら一緒に読みたい絵本のひとつでした。 参考文献:『はじめてのおつかい』(福音館書店)筒井頼子 作・林明子 絵 『おまえうまそうだな』(ポプラ社)宮西達也 作この絵本の舞台は、むかしむかしの恐竜の時代。山が噴火して生まれたのが、アンキロサウルスの赤ちゃん。赤ちゃんは独りぼっちだったのですが、1匹のティラノサウルスに出会います。 アンキロサウルスを見つけたティラノサウルスは「ガォー! ひひひひ、おまえうまそうだな」と飛びかかろうとするのですが、アンキロサウルスは「おとうさーん」と足元にしがみつきます。 さて、その後草食恐竜のアンキロサウルスと、肉食恐竜のティラノサウルスがどうか変わっていくのか……? は、ぜひとも、実際に絵本を読んでみてください。 私がこの絵本に出会ったのは、恐竜好きの息子が年中さんのときでした。絵本の表紙に描かれている恐竜の何とも言えない表情と、『おまえうまそうだな』というタイトルに「なんだこれは!」と衝撃を受けたのを覚えています。 絵本の内容は、最初のイメージを覆すほどの感動的なもの。読んだあと、胸の奥にズッシリと課題を突きつけられた思いになりました。子どもだけでなく、大人にとってもメッセージ性の強い絵本なので、ぜひお父さん、お母さんに読んでもらいたい1冊です。 参考文献:『おまえうまそうだな』(ポプラ社)宮西達也 作 今回、私の好きなベストセラー絵本を選び、中身を思い返していて改めて、絵本は感情を揺さぶり、子どもの心も大人の心もわしづかみにしてくれるものであることに気づきました。皆さんのご家庭のベストセラー絵本を、ぜひ見つけてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2023年06月14日ゆぎ書房~世界を旅する翻訳絵本の出版社~は、多摩市のアイスランドウィーク 2023に先がけ、アイスランドのかいぶつ絵本シリーズの魅力を楽しむパネル展示を2023年6月7日(水)~6月26日(月)に、読み聞かせ会を6月17日(土)にパルテノン多摩で行います。作品紹介以下いずれも、アウスロイグ・ヨウンスドッティル[絵・文]、カッレ・ギュットレル[文]、ラーケル・ヘルムスダル[文]、朱位昌併[訳]『おおきいかいぶつはなかないぞ!』(2022年7月出版)1,980円(税込)かいぶつにも、苦手なことがあるの?!「ちいさいかいぶつ」は、もの知りで何でもできるのに、ぼく(おおきいかいぶつ)は、何にもできない!パパのことまで笑われて、ついに涙がこらえきれなくなり…。『まっくらやみのかいぶつ』(2022年12月出版)1,980円(税込)かいぶつにだって、こわいものがあるらしい?!「おおきいかいぶつ」と「ちいさいかいぶつ」は勇気を出して、謎の「おばけ」を追いはらいます。でも、本当におばけだったのかな…?『アイスランドのかいぶつ絵本シリーズパネル展示・読み聞かせ会』についてパネル展示では、かいぶつ絵本シリーズの原書・日本語版を一挙展示するほか、同シリーズの人気イラストレーションや、原作者とかいぶつキャラクターたちのコラボ写真(原作者提供)、アイスランド公認ガイドの資格ももつ翻訳者・朱位昌併さん撮影の大自然フォトも展示します。観覧無料。日本語版絵本も手に取ってご覧いただけます。ご購入は「アイスランドブックフェア」(2023年6月10日(土)~6月18日(日))を開催の丸善多摩センター店(ココリア多摩センター5階)にて可能です。また、全国の書店やwebショップでもお求めいただけます。読み聞かせ会は、こどもひろばOLIVE(赤ちゃん~未就学の子どもたちのあそび広場)にて行います。小さな子どもたち・保護者の方たちほか、どなたでもご参加いただけます。2冊の日本語版絵本の読み聞かせのほか、「アイスランドってこんな国」のおはなしを、小さなお子さんたち向けに行います。■開催概要『アイスランドのかいぶつ絵本シリーズ』パネル展示期間: 2023年6月7日(水)~6月26日(月) 9:00~18:00(期間中の施設休館日は無)会場: パルテノン多摩4階ライブラリーラウンジ、同フロア通廊詳細: 多摩市広報『アイスランドのかいぶつ絵本シリーズ』読み聞かせ会期間: 2023年6月17日(土) 11:00~(20分程度)会場: パルテノン多摩4階こどもひろばOLIVE内「わくわくひろば」詳細: オリーブ通信場所:パルテノン多摩所在地:〒206-0033東京都多摩市落合2丁目35番地アクセス:京王相模原線「京王多摩センター駅」より徒歩7分小田急多摩線「小田急多摩センター駅」より徒歩7分多摩モノレール「多摩センター駅」より徒歩5分参加費:無料
2023年06月06日6/18は「父の日」。感謝の気持ちを伝えるのはもちろん、パパと子どもの絆が深まるような絵本を読んでみるのはいかがでしょうか。今回、ママであり絵本ソムリエのアンヌさんに【かっこいいパパ】がテーマの絵本を厳選してもらいました。遊んでくれるパパ、願いを叶えてくれるパパ、仕事を頑張っているパパ……いろいろなパパのかっこいい姿を見たら、もっともっとパパのことが大好きになるはず!パパがテーマの絵本 01パパはすごいところがいっぱい!『うちの パパって かっこいい』『うちの パパって かっこいい』 作・絵:アンソニー・ブラウン 訳:久山 太市 (評論社) 対象年齢:3歳くらいから「『うちのパパってかっこいい!』と坊やが紹介してくれます。綱渡りもできちゃうし、プロレスラーだって負かしちゃう! お馬さんぐらい大食いで、お魚みたいによく泳ぐ。なんでもできて、強くて、楽しいんだと。このくらい子どもにとってパパはスケールが大きい存在。子どものことを精一杯愛しているパパへ、ユーモア満載の賛歌です」パパがテーマの絵本 02父子で楽しく遊ぶ様子を描く『おとうさん あそぼう』『おとうさん あそぼう』 文:わたなべ しげお 絵:おおとも やすお (福音館書店) 対象年齢:1歳くらいから「クマくんの絵本シリーズの一冊。ここではパパと遊びます。足の上にのって一緒に歩いてみたり、たかいたかいや肩車。パパが得意とする体を使った遊びが描かれていて真似してみたくなるでしょう。最後にはよくある微笑ましい姿が。小さい子向けにシンプルに描かれた楽しくてほっこりする作品です」パパがテーマの絵本 03いろいろな動物のパパが登場!『おとうさんのえほん』『おとうさんのえほん』 作:高畠 純(絵本館) 対象年齢:2歳くらいから「子どもを一生懸命楽しませようとしてくれる世のパパ。それもユニークな思いつきで。でも、同時にちょっとズッコケたところがあるのもチャームポイントです。ここではゴリラ、ペンギン、シロクマ、ワニ……といろいろな動物が登場し、子どもをあやす姿を描いています。その展開に思わずクスッ。パパあるあるが魅力的な一冊です」パパがテーマの絵本 04ちょっぴり泣ける! パパのお仕事のお話『パパのしごとはわるものです』『パパのしごとはわるものです』作:板橋 雅弘 絵:吉田 尚令(岩崎書店)対象年齢:3歳くらいから「子どもにとってのパパはいつだって正義の味方に見えるもの。でももし悪者だったら? 学校の宿題でパパの仕事をこっそり追跡することになったぼく。ついていくと大きな体育館へ。そこでパパがやっていたのは、ずるいことばかりするヒールレスラーでした。悲しくなったぼくの目に映ったのは観客たちの楽しそうな顔。パパの活躍振りを理解するまでの、心の動きを描いたお話。父と子のやりとりにもほのぼのとします」パパがテーマの絵本 05パパが素敵なお願いごとを叶えてくれる!『ボードブック パパ、お月さまとって!』『ボードブック パパ、お月さまとって!』 作:エリック・カール 訳:もりひさし (偕成社) 対象年齢:3歳くらいから「『すごいことをやってのけてしまう』と子どもが思うのはやっぱりパパ。ここでも活躍します。ある晩、モニカはお月様をとても近くに見つけると、一緒に遊びたいと思います。でも手が届きません。そこでパパにお願いしてみると……。長いはしごを持ってきて、高い山に上り、上へ上へ。月を持って帰るいい方法をお月様に相談します。月の満ち欠けを知ることもできる、夢ある仕掛け絵本。丈夫なボードブックもおすすめです」パパがテーマの絵本 06パパが7つの「おはなし」をしてくれる!『とうさん おはなしして』『とうさん おはなしして』 作:アーノルド・ローベル 訳:三木 卓 (文化出版局刊) 対象年齢:3歳くらいから「眠りたくない7匹のネズミの子どもたち。『ひとつおはなしをして』とパパに頼みます。すると1匹に1話。全部で7話ものお話をするとの返事! その内容はほっこりするものから、奇想天外のものまでさまざま。どれも意表をつく可笑しみに溢れていて、さすがとうさんと唸ってしまいます。『がまくんとかえるくん』シリーズでお馴染みの作者による絵も、たまらなく可愛い作品です」PROFILEアンヌさんモデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆を手がける。出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動してきた。息子が6歳になるまでに読んで聞かせた本は793冊1202話。現在所持する絵本は約1000冊。
2023年05月31日保育士の中田馨さんが、「絶対に読んでおいたほうがいい」おすすめの絵本について教えてくれました。子どもが大好きな絵本。なるべくたくさん絵本を読んであげたい! という親御さんも多いことでしょう。子どもの年齢別におすすめの絵本を紹介してくれているので、ぜひ、参考にしてくださいね。こんにちは! 保育士の中田馨です。今回のテーマは「絵本」。子どもとのスキンシップを図る際に、よくオススメされるのが絵本だと思います。 私のおすすめ絵本はたくさんあるのですが、今回はその中のごく一部、かなり私の好みに偏った「おすすめの絵本」をご紹介します! 絵本のススメ私、絵本が大好きなんです。何で好きなのか? と改めて考えてみました。保育士だから? というわけではないのかもしれません。絵本を目の前にすると「何だか幸せな気持ちになるな」と考えていて、ふと思い出しました。 わが家は、私が子どものときから家に絵本がたくさんありました。わが家の場合、絵本を読んでくれるのは主に父。あぐらの中に私たち子どもを座らせ、ときには文章に自作のメロディーをつけながら、おもしろおかしく読んでくれていました。そう、私が絵本が好きな理由は、父との幸せな時間があったからなのです。 絵本を読むと「言葉を育ててくれる」、「心を豊かにしてくれる」、「想像力を沸き立たせてくれる」など、いろいろと良いことがあると言われているのですが、そんな難しいことを考えながら読んでいても、大人が楽しくありません。 「どんな絵本がいいですか?」と聞かれたときに私が答えるのは「本屋さんでチラッと見て“これおもしろそう!”ってママが思う絵本でいいのよ」です。パパやママが「おもしろい!」と思える絵本だからこそ、お子さんも楽しんで読めると思います。 ぜひとも絵本を、親子のスキンシップの時間に活用してほしいなと思います。 0歳児におすすめの絵本『しましまぐるぐる(いっしょにあそぼ)』(Gakken)「いつから絵本を読み聞かせるといいの?」と聞かれると「“いつ”と言う決まりはないので“いつからでもOK”」と返事をします。0歳児の絵本を選ぶときのコツでいうと、月齢の低い赤ちゃんは、赤・黄・青・黒などのはっきりした色に注目しやすいので、その目線で選んでも良いでしょう。 私がオススメするのは『しましまぐるぐる(いっしょにあそぼ)』(Gakken)。この絵本は、赤ちゃんがじ~っと注目するんです。私の保育所では絵本の入るサイズのウォールポケットに絵本を数冊入れているのですが、自分で取りだせる月齢になると、多くの子がこの絵本を取り出して自分で開いたり、保育士に「読んで」と渡します。 読み聞かせのポイントは?月齢が低いお子さんの場合、20~30㎝くらいの位置で絵本を読むと見えやすいですよ。0歳児の絵本としてご紹介しましたが、1歳児や2歳児ももちろん楽しめる絵本です。「赤と白のぐるぐるだね」、「目が回りそう!」なんて、色の違いや感じたことを言葉にしながら、年齢によって読みわけをしてもおもしろいですよ。 参考文献:『しましまぐるぐる(いっしょにあそぼ)』柏原晃夫(絵)|Gakken 1歳児にオススメの絵本『ねないこだれだ』(福音館書店)私が一番好きな作家さんのせなけいこさんの数ある絵本の中でも、代表的な絵本ではないでしょうか。この絵本の主役は「おばけ」。この絵本は、夜になっても寝ない子をおばけの世界に連れて行くというちょっと怖いお話ですが、子どもたちが「読んでほしい」とよく言ってくる絵本でもあります。 おばけは、怖いけれど「ちょっと見てみたいかも」という存在ではないでしょうか? それは、子どもも一緒なんですね。そのちょっとしたドキドキ感を親子で体験してみてください。 お昼寝前にこの絵本を読んでほしいと子どもに言われて「寝る前におばけが出てきたら、怖がるんじゃないかな……」と心配したのですが、逆におばけが出てくる場面で「きゃあああ!!」と大喜び。テンションが上がってお昼寝前にわちゃわちゃしたことも! お子さんによっては、読むタイミングを考えなければいけないほど盛り上がる絵本でもあります。 ちなみに、この絵本は『いやだいやだの絵本』として4冊セットにもなっています。せなけいこさんの世界がお好きなら、こちらもオススメです。 参考文献:『ねないこだれだ』せなけいこ|福音館書店 2歳児にオススメの絵本『しろくまのパンツ』(ブロンズ新社)2歳になると、少し文章が長いものも楽しめるようになります。保育所の子どもたちがちょうどおむつ外しのころ。楽しいパンツのお話があるといいなと絵本を探しに行ったときに表紙を見てひとめぼれ! この絵本、表紙にしろくまさんが赤いパンツをはいていて、それを脱がすところからスタートします。絵本の中に出てくる動物さんたちのパンツはどれもこれも個性ぞろい!「わあ、おもしろいパンツだねえ」なんて子どもとお話しながら、クスクス笑って読み進められますよ。 しかけ絵本になっていて、先にパンツが見えて「だれのパンツかな?」と質問があるのですが、何度か読んでいるうちに子どもたちは覚えて「しまうま!」なんて答えるでしょう。何度読んでもその質問にワクワクして、正解を確認するページがめくられることに目を輝かせている子どもたちはかわいいものです。 ちなみに作者のtupera tuperaさんの絵本は、どれを読んでもおもしろいです。こちらも、私が一押しの作家さんです!! 参考文献:『しろくまのパンツ』tupera tupera|ブロンズ新社 実は私、絵本でちょっとした失敗をしています。わが家は子どもたちが小さいとき、寝る前に「絵本を3冊読むこと」をルーティンにしていました。息子が0歳のときからスタート。最初はそれでよかったのですが、娘が生まれて成長すると「私も3冊選ぶ!!」と選び始め、合計6冊に。 さらに、子どもの成長とともに1冊の絵本の内容もしっかりしてきて、寝る前のルーティンがだんだんつらくなってきたのです! 好きな絵本タイムのはずが、親がつらくなっては元も子もありません。経験者からの助言としては、毎日のルーティンとして絵本を読む場合は、無理のない冊数からスタートするといいかもしれませんね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2023年05月29日この記事では赤ちゃんの絵本の読み聞かせについて、医師監修のもとマンガで解説します。スキンシップとしても、教育としても絵本の読み聞かせには効果があります。最初は身近なモチーフの絵本から入り、徐々に物語のある絵本に変えていくといいでしょう。絵本の読み聞かせは、赤ちゃんとのコミュニケーションやスキンシップなど大切な役割を果たします。でも、赤ちゃんが低月齢のころは絵本を読んであげても意味がわからないので、効果がないと思っている人もいるかもしれません。そこで今回は読み聞かせを開始する時期やコツについて解説します。 赤ちゃんに絵本を読み聞かせするのはいつから?個人差はあるものの、赤ちゃんが言葉を覚え出すのは1歳前後とされています。このころから、赤ちゃんは短い単語を使って感情表現をするようになり、1歳半ごろから赤ちゃんは語彙を増やしていき、短い文章を作って話し始めるのが一般的です。そうなると簡単な絵本の内容も理解できるようになります。「言葉を覚えさせる」「お話を楽しんでもらう」という意味では、1歳半を目安にして読み聞かせをするのが効果的です。 しかし、基本的には生まれてすぐからでも読み聞かせには意味があります。赤ちゃんは文字を理解しませんが、耳で音を聞くこと、絵を見ることなどを楽しみます。また、読み聞かせには学習以外の効果も多くあります。たとえば、読み聞かせは赤ちゃんと親のコミュニケーションの場です。親からやさしく語りかけることで赤ちゃんは安らぎを覚えますし、親も赤ちゃんへの愛情を確認できる時間となります。さらに、毎日寝る前に読み聞かせを習慣にすると睡眠の儀式となり、生活リズムも整いやすくなるでしょう。本が身近な存在となって、将来的に読書が好きになるかもしれません。絵本に興味があれば、言葉がわかるようになったころの読み聞かせもより楽しめるでしょう。このようなことから、赤ちゃんが絵本の内容をわからない時期でも、読み聞かせを始めることは有意義といえます。 先ほどお伝えしたとおり0歳児で言葉や物語は追えなくても、音や絵の印象だけなら楽しむことができるので、抑揚をつけたり、「にこにこ」などの擬態語などが含まれた絵本を読み聞かせたりして、一緒に楽しみましょう。親と一緒にいろいろな絵が移り変わる時間を過ごすのは、大切なスキンシップになります。まずは図書館や本屋さんで赤ちゃんに見せてみて反応が良いものを選んでもよいでしょう。 赤ちゃんに絵本を読み聞かせする効果は?絵本の読み聞かせのメリットとしてはまず、「情緒の安定」が挙げられます。赤ちゃんは絵本の内容がわかっていなくても親が読む声をずっと聞いていて、感覚的に気持ちのいい時間を過ごせます。優れた絵本は優れた文章で書かれているため、親の読む声も耳触りがよくなります。安心感のある時間をたくさん持つことで赤ちゃんの情緒は安定していきます。また、成長したときに感情表現が豊かで、他者への共感能力が高くなりやすいでしょう。 次に、「好奇心の芽生え」も重要なポイントです。家族に囲まれた日常ではなく、まったく知らない世界を赤ちゃんは絵本でのぞきます。その結果、赤ちゃんは好奇心が刺激され、キャラクターや世界観などを「もっと知りたい」と思うようになります。こうした感情は、成長したときの学習意欲や向上心へとつながり、芸術的な視点を養ううえでも大切な機会となります。 そして、「親子のきずなの再確認」も読み聞かせでできます。絵本は親から子に物語を読み聞かせることで、テレビではできないコミュニケーションが生まれます。同じ物語でも、親が工夫して読み上げれば、そのたびに赤ちゃんは違う感想をもつはずです。赤ちゃんは絵本の内容こそ覚えていなくても親から愛情を注がれた記憶は残っていくので、良好な親子関係を築く礎ができていきます。 赤ちゃんの絵本の読み聞かせ方のポイント読み聞かせするうえでのポイントは、赤ちゃんに「感想を求めない」ことです。赤ちゃんは絵本を読んでいる間、素直に楽しんでくれているはずです。しかし、感想を聞くのは意見の強要になってしまう恐れがあり、赤ちゃんはストレスを覚えてしまいがちです。場合によっては、絵本そのものへの嫌悪感につながりかねません。 読み聞かせが終わったら、「おもしろかったね」と声をかける程度で十分です。もしも赤ちゃんが気に入ってくれたなら、感想を求めなくても笑顔になったり、繰り返し読んでほしがったりといった反応があるでしょう。 「赤ちゃんと触れ合いながら読む」ことも大切です。読み聞かせはスキンシップの時間でもあるので、ひざに乗せたり、隣に寝たりしておこなうのが理想的です。こうした習慣を続けると、赤ちゃんは絵本の内容がわかっていなくても「お母さんやお父さんと触れ合える時間」だと思ってくれるようになります。そして、読み聞かせの時間が好きになり、将来的には本そのものに興味を持ってくれます。また、親子が仲良くなるためにも欠かせない時間になるでしょう。 月齢別のおすすめ絵本低月齢の赤ちゃんなら、「にこにこ」「わんわん」「ぶーぶー」など、言葉が繰り返されて心地よいリズムの感じられる絵本がよいでしょう。まだ視力が十分に発達していないことから、はっきりした色づかいや形が描かれている絵本の方がより楽しめると言われています。 生後10カ月ごろになると、赤ちゃんは絵本を玩具のように捉えて楽しむことができるようになります。しかし、この時点ではまだ物語までは追えません。赤ちゃんにとって身近なものをモチーフにしたシンプルな絵本を読み聞かせるのがぴったりです。 たとえば、野菜や果物などの「食べ物」の絵本は、赤ちゃんが見たことがある絵が多く、親しみをもって見ることができます。また、乗り物の絵本も愛されやすいジャンルです。電車や車を絵本で知った赤ちゃんは、実際に自分が乗る立場になったときに感動を覚えてくれます。知的好奇心を育むうえでも、適した絵本といえるでしょう。 1歳を超えたあたりから、赤ちゃんは簡単な物語にも反応できるようになっていきます。身近なテーマを好むのは変わらないものの、リズム感やユーモアをともなったフレーズが載っている絵本をおもしろがってくれるでしょう。さらに、音が流れる仕様になっていたり、歌が出てきたりする絵本も人気です。これらの絵本はリラックス効果があるだけではなく、音感を養うこともできます。そして、1歳半ごろからは知育絵本を取り入れるのも効果的です。ごはんや着替えといった生活習慣を楽しみながら学べる絵本によってマナーを教えてあげるのもいいですね。 注意点としては、絵本選びが親の自己満足にならないことです。優先するべきは赤ちゃんの好みであり、苦手な本を無理に読まされても赤ちゃんは心から楽しめず、読み聞かせという行為そのものが苦痛に変わっていくかもしれません。赤ちゃんの好きなジャンルを意識して本を選びましょう。 まとめスキンシップとしても、教育としても絵本の読み聞かせには効果があります。赤ちゃんが生まれたら、積極的に読み聞かせをおこないましょう。赤ちゃんが読んで共感できる内容は時期によって変わっていきます。最初は絵の印象や音を楽しめるものから始めて、10カ月ごろになったら身近なモチーフの絵本も取り入れつつ、徐々に物語のある絵本に変えていくといいでしょう。 作画/はたこ監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生
2023年04月27日彫刻家・舟越保武の長女で、珠玉の絵本を数多く生み出した編集者の末盛千枝子。末盛が手掛けた絵本の貴重な原画や資料、彼女を育んだ父・保武や弟の舟越桂、舟越直木をはじめとする芸術一家・舟越家の人々の作品を通して、その仕事と人生を紹介する展覧会『末盛千枝子と舟越家の人々 —絵本が生まれるとき—』が4月15日(土) に開幕。6月25日(日) まで千葉県の市原湖畔美術館にて開催されている。展示風景撮影:田村融市郎(市原湖畔美術館提供)1941年に舟越保武と俳人として既に知られながら文学の道を断念し夫を支えることを選んだ母・道子の長女として生まれ、高村光太郎によって「千枝子」と名付けられた末盛。大学卒業後に絵本の編集者として仕事をはじめ、イラストレーターの井沢洋二が絵を、妹の舟越カンナが文章を担当した『あさ・One morning』がボローニャ国際児童図書展でグランプリを受賞するなど話題の本を次々と出版。さらに国際児童図書評議会(IBBY)の活動や、上皇后陛下・美智子様との共同作業、東日本大震災で被災した子どもたちに絵本を届けるプロジェクト「3.11絵本プロジェクトいわて」など、美しい絵本を世に送り出すためのさまざまな活動を続けてきた。末盛千枝子撮影:田村融市郎(市原湖畔美術館提供)開幕に際して行われたオープニングセッションで、「悲しいことがあっても、最後まで希望を持っているということが大切だと思って本を作ってきた、ということだけ言えると思います」と語った末盛。私生活ではNHKの人気番組『夢であいましょう』の名ディレクターとして知られた夫・憲彦の突然死や、長男の難病、障害といった数々の困難にも見舞われたが、そうした困難を末盛は絵本作りに昇華させていった。1階の展示室では、井沢洋二×舟越カンナで制作された『あさ・One morning』(85年)『冬の日One Evening』(88年)『冬の日・One Christmas』(89年)『そらに・In The Sky』(95年)や、絵本作家であり岩波ホールで外国映画の配給に携わっていたはらだたけひでが哲学者や宗教家を描いた『パシュラル先生』(89年)『フランチェスコ』(92年)『たびのなかま』(93年)など、末盛が手掛けた美しく、深遠な絵本の原画の数々が並ぶ。それらはいずれも、当時は子どものためのものと思われていた絵本の世界に一石を投じるような、作品性の高いものだった。「はらださんの『たびのなかま』は今こそ世界中に見てもらいたい、戦争なんてしてる場合じゃないわよっていうような絵本ですし、『そらに・In The Sky』も本当にそういう本だと思います」(末盛)井沢洋二『あさ・One morning』原画1985年はらだたけひで『フランチェスコ』原画1992年末盛がこのような独自の価値観のもとに絵本づくりに取り組むようになったのは、夫の死後、残された息子たちに父の姿を本にして伝えたいと思ったことがきっかけだった。1階展示室の一角には、そうした思いから制作された絵本『パパにはともだちがたくさんいた』の原画や憲彦が手掛けていた伝説的番組『夢であいましょう』に関する資料や映像などを集めたコーナーも。ジャンルは違えども、お茶の間に夢を届けようと奮闘した夫の遺志を継ぐ気持ちが、末盛の絵本作りの根底を支えていたという。展示風景撮影:田村融市郎(市原湖畔美術館提供)「テレビディレクター末盛憲彦の世界」のコーナー。『夢であいましょう』に出演していた黒柳徹子や渥美清をはじめ往年のスターたちとのスナップ写真もならぶさまざまな人との出会いと協働によって多くの絵本を生み出してきた末盛だが、特筆すべきものとして現在の上皇后・美智子様に関する仕事がある。絵本研究家の島多代の紹介で、92年に美智子様が自らまどみちをの詩20篇を選んで翻訳し、安野光雅が切り絵をデザインした『どうぶつたち』の編集を末盛が担当。そこから親交を深めるようになり、国際児童図書評議会(IBBY)の名誉顧問を務めていた美智子様によるIBBY国際大会でのビデオ講演の実現や、講演録『橋をかけるー子供時代の読書の思い出』(98年)の出版など、その後30年以上にわたって美智子様をお支えするようになる。会場では安野光雅が手掛けた『橋をかける』の装画や扉絵などの原画のほか美智子様のご講演の貴重映像も展示。末盛が日本に紹介した人気絵本作家M.B.ゴフスタインの絵本の原画、エリック・カールやピーター・シスらの手紙などからは、末盛が広く世界の絵本作家たちとの交流を深めてきたことを伺い知ることができる。『どうぶつたち』(92年)ほか、末盛が編集を手掛けた美智子様の著書や講演録の数々左から、安野光雅『橋をかける』挿画(麦畑)、『橋をかける』扉絵(麦穂)1998年、『橋をかける』英文扉絵(麦穂)1998年、宮内庁蔵展示風景M.B.ゴフスタイン『ゴールディーのお人形』原画ニューヨーク公共図書館蔵撮影:田村融市郎(市原湖畔美術館提供)M.B.ゴフスタインやエリック・カールなど世界の絵本作家や編集者との交友を示す手紙や写真の展示も地下の展示室では、そんな末盛を育んだ「舟越家の人々」の作品が一堂に会している。7人弟妹の長女だった末盛は「両親が子供たちを育てるために彫刻だけでやっていくということが、どれだけ大変かということが身に染みていたので、芸術家とだけは結婚したくないと思っていた」と語るが、そんな厳しい生活のなかでも父・保武は常に「何を美しいと思うか」ということを問いかけ、子どもたちの価値観や美意識を育んだという。また、弟・一馬の死をきっかけに家族全員で洗礼を受けたカトリック信仰も、末盛の支えとなった。保武の代表作である「長崎26殉教者記念像」のうちの1体《聖フェリッペ・デ・ヘスス》をはじめ、桂や直木の彫像や絵画、母・道子や妹の苗子、茉莉、カンナの絵画など家族の作品が静かに響きあう展示空間からは、末盛の絵本作りの根幹にあるものを感じとることができるだろう。展示風景舟越保武《ダミアン神父》1975年世田谷美術館蔵撮影:田村融市郎(市原湖畔美術館提供)左:舟越保武《聖フェリッペ・デ・ヘスス(長崎26殉教者記念像のうち)》1962年岩手県立美術館蔵展示風景舟越桂《海にとどく手》2016年、舟越道子、末盛千枝子、舟越苗子、茉莉・アントワンヌ・舟越、舟越カンナ撮影:田村融市郎(市原湖畔美術館提供)展示風景舟越直木撮影:田村融市郎(市原湖畔美術館提供)2010年に岩手に移住した末盛は、翌年に起こった東日本大震災で被災。だがその後、すぐに行動を起こし、避難所の子供たちに絵本を送り、読み聞かせを行う「3.11絵本プロジェクトいわて」を瞬く間に立ち上げ、その後10年にわたって代表を務めた。絵本を通じて子どもたちの悲しみに寄り添い続けてきた末盛だからこそ実現し得たことだろう。会場ではプロジェクトの全容を、写真パネルや国内外から寄せられたメッセージなどで紹介している。展示風景3.11絵本プロジェクトいわて撮影:田村融市郎(市原湖畔美術館提供)全国から届けられた絵本が入っていた段ボールに書かれていたメッセージの展示絵本を通して人生の悲しみと希望、そして美しさを伝えたいという強い思いのもと、行動し続けてきた末盛千枝子。そのたおやかで力強い作品と人生に触れてみてほしい。<開催情報>『末盛千枝子と舟越家の人々 —絵本が生まれるとき—』2023年4月15日(土)~6月25日(日) 市原湖畔美術館にて開催月曜休館(祝日の場合は翌平日)〈ギャラリーツアー〉日時:5月13日(土) 13:00~14:006月17日(土) 13:00~14:00解説:前田礼(市原湖畔美術館館長代理・同展企画者)参加費:無料 ※入館料は別途必要
2023年04月26日ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」と、人気絵本『くまのがっこう』との初コラボレーションイベント「大人気絵本キャラクターコラボ くまのがっこう ジャッキーとなかまたち」が25日より開催されている。『くまのがっこう』は、作者・あいはらひろゆき(文)氏、あだちなみ(絵)氏による人気絵本シリーズ。2019年9月には、シリーズ累計発行部数222万部を突破するなど、幅広い世代に愛されている。そして今回、同作とイチナナとのコラボイベントの開催が決定。イベントは、イチナナユーザーであれば誰でも参加可能で、イベント期間中には、『くまのがっこう』の主人公である「ジャッキー」 や、おともだちの「デイビッド」など、かわいいなかまたちのキャラクターをデザインしたオリジナルコラボアニメーションギフト(有料)が用意されている。また、イベントの参加条件を満たして配信を行い、見事一定の基準をクリアした参加ライバーには、『くまのがっこう』オフィシャルグッズの贈呈も。なおイベントの開催期間は、5月10日23時59分までとなる。
2023年04月26日生きること、死ぬこと、命とは何か。小さな子どもに説明するのは難しいですよね。でも、自分自身や他人、動物の命を大切に思う気持ちを育むためにも、幼い頃から少しずつ理解すべきことなのかもしれません。今回、絵本ソムリエでありママでもあるアンヌさんに【命がテーマ】の絵本を選んでいただきました。身近な人が亡くなってしまったり、動物の命をいただくことについてだったり、さまざまな視点から描かれたストーリーは、可愛い絵とやさしい口調で語られているので、子どもでも楽しく読めるはずです。命がテーマの絵本 01大人も胸を打たれる名作『ずーっと ずっと だいすきだよ』『ずーっと ずっと だいすきだよ』 作・絵:ハンス・ウィルヘルム訳:久山太市(評論社) 対象年齢:5歳くらいから「ペットとの別れは辛いものです。僕と一緒に大きくなった、犬のエルフィー。一緒に眠り、一緒に遊びます。ときにはいたずらも。でもいつでも世界でいちばん素晴らしい犬だと家族みんなに愛されています。やがて僕の背が高くなったころ、エルフィーはだんだんと動きが鈍くなっていきます。僕は毎晩『ずっと大好きだよ』と伝えて……。いつかはやってくる死。命への思いに、共感なくしては読めません。学校教科書にも載っている名作です」命がテーマの絵本 02食べ物に感謝する心を育もう『しんでくれた』『しんでくれた』 詩:谷川俊太郎絵:塚本やすし (佼成出版) 対象年齢:6歳くらいから「インパクトのあるタイトルにドキッとしますが、谷川俊太郎さんの詩を土台に描かれた絵本です。わたしたち人間は、ほかの命をいただいて生かしてもらっています。でも人間はほかのものに対して死んでやることはできません。『うししんでくれたぼくのためにそいではんばーぐになった』というように、シンプルな言葉が『生』そのものの尊さを押し出してくる力強い作品です」命がテーマの絵本 03お母さんを殺した犯人への憎しみの行き場は?『チリンのすず』『チリンのすず』 作・絵:やなせたかし(フレーベル館) 対象年齢:4歳くらいから ※2023年9月新装版刊行予定「子羊チリンはお母さんと一緒に牧場で暮らしていました。ところが、ある日恐ろしい狼のウォーに襲撃されてしまいます。子どもを庇ったお母さんは死に……。悲しんだチリンはウォーの住む山へ行き、弟子にしてもらおうと考えます。強くなったら敵討ちをしようと。年月が経ち大人になったときにはどう成長しているでしょう。心は……。なんとも表現し難い感情が残り、命が消えることの悲しさが押し寄せてくる、傑作です」命がテーマの絵本 04おじいちゃんとのお別れが描かれたお話『おじいちゃんの ごくらくごくらく』『おじいちゃんの ごくらくごくらく』 作:西本鶏介絵:長谷川義史(鈴木出版)対象年齢:4歳くらいから「ぼくはおじいちゃんが大好き。園の送迎も、お風呂に入るのも、寝るのもいつも一緒です。オモチャもつくってくれます。湯船に浸かるとおじいちゃんの口癖が。『ごくらく、ごくらく』。心が幸せな気持ちになる合言葉です。ところがある日、入院することになってしまいます。元気になって戻ってくるとの約束は……? 心情豊かな文とダイナミックな絵。そしてふたりを繋ぎ続ける合言葉に、生きていることの喜びを感じる感動作」命がテーマの絵本 05ピュアな少年の心にほっこり『いのちが かえっていくところ』『いのちが かえっていくところ』 作:最上一平絵:伊藤秀男(童心社)対象年齢:6歳くらいから「たもんはお父さんに連れられて初めての岩魚釣りに出かけます。山の合間を流れる川のふちで、餌の取り方や釣糸の泳がせ方、竿の引っ張り方などを教わります。そして見事に大物が! 針を外し、火を焚き、焼いて食べるまでの過程を心の動きとともにエネルギッシュに描写した一冊。小さな命の重さがずっしりと伝わってきます」命がテーマの絵本 06小さな子でも理解できる可愛い絵とやさしい文章が魅力『うさこちゃんの だいすきな おばあちゃん』『うさこちゃんの だいすきな おばあちゃん』 文・絵:ディック・ブルーナ訳:まつおか きょうこ (福音館書店) 対象年齢:4歳くらいから「大好きな人が亡くなったらどうなるでしょうか。お馴染みブルーナのうさこちゃんは、ここでおばあちゃんの死と向き合います。静かに息を引き取きとると、みんなが大粒の涙を流し、それからひつぎが運ばれてきます。故人を見送ることやお墓のこと、そしてどんな思いが残るのか。そうしたことが簡潔に小さい子に伝わる言葉で描かれている、心に響く作品です」命がテーマの絵本 07大切な仲間の死をどう乗り越える?『わすれられない おくりもの』『わすれられない おくりもの』 作・絵:スーザン・バーレイ訳:小川仁央(評論社) 対象年齢:6歳くらいから「もの知りでみんなから尊敬されているアナグマ。自分の死が近いことを感じて、仲間たちに向けて手紙を書きます。そして静かな旅立ち……。残されたものたちはどのように悲しみを乗り越えていくのでしょうか。アナグマの思い出を語り合いながら、愛情や知恵を受け継いでいることに気づいていきます。そして感謝の気持ちへ。死を受け入れていくまでのプロセスを丁寧に描いた、心揺さぶられるロングセラーです」命がテーマの絵本 08地球と生命のつながりを学べる『キツネ 命はめぐる』『キツネ 命はめぐる』 文:イザベル・トーマス絵:ダニエル・イグヌス訳:青山 南 (化学同人) 対象年齢:6歳くらいから「寒い冬。静まり返る森のなかで、小さな音をたてて歩いているのはキツネ。子ども達への餌を探しています。巣に戻ると元気な小狐たちが。まわりの自然から必要なものを得ながら、ときに遊びときに冒険し、生きる力を身につけていきます。ところが車の音がして、キツネは撥ねられてしまいます。生き物が死んだらどうなるのか。科学的根拠に基づいた内容で明確に答えてくれ、すべての命に意味があると教わる作品。巻末には解説も。センスが光るグラフックも素敵です」PROFILEアンヌさんモデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆を手がける。出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動してきた。息子が6歳になるまでに読んで聞かせた本は793冊1202話。現在所持する絵本は約1000冊。
2023年04月24日障害児向けの絵本作家として活動しているしょうじあいかは、2023年3月に「全国の障害児施設へ自作絵本を配るクラウドファンディング」を実施し、初期の目標金額389%を達成。この度、クラウドファンディング成功を足がかりに、4月1日に障害児支援を目的とした絵本屋サイト『絵本屋だっこ』をオープンしました。URL: 絵本屋だっこに掲載中の絵本■絵本作家しょうじあいかとは・北海道在住の3児の母で、長男が重症心身障害児・保育士、幼稚園教諭、教員免許、カウンセラー資格等を保有・言語理解が難しい息子でも楽しめる絵本をつくりたいと、2022年から障害児向けの絵本づくりをスタート「自作絵本を障害児施設に配りたい」という夢のため2023年2月~3月に挑戦したクラウドファンディングは、400%に迫る達成率で成功をおさめました。4月より全国の施設へ絵本約2,000冊を配布していきます。実施した絵本クラファンまた「絵本づくりを少しでも障害児支援につなげたい」という思いから、クラウドファンディングと同時進行でサイト『絵本屋だっこ』の立ち上げ準備をしてきました。しょうじあいかの絵本の売り上げは、全額、障害児支援のための寄付にします。■絵本屋だっこの取り組み・絵本の売り上げを障害児のための寄付に・障害者アーティストのイラストを絵本にし、売り上げはアーティストに全額還元・一部絵本の売り上げをもとに障害児施設等へ絵本を配布絵本づくりをとおして、インクルーシブな社会の実現へ寄与できればと考えています。■絵本屋だっこの絵本ジャンル・重い障害があっても楽しめる絵本・障害があってもなくても楽しめるインクルーシブ絵本・障害者アーティストの作品を使用した絵本・障害への理解を広める絵本・英語版絵本■絵本の購入はAmazonから絵本屋だっこ制作の絵本はすべてAmazonからご購入いただけます。(AmazonのKDPにより出版)※HPの購入ボタンを押していただくと、それぞれの絵本のAmazon販売ページに遷移します。■読み聞かせ動画も無料公開絵本の内容を知っていただくため、絵本屋だっこでは全作品の読み聞かせ動画を公開中です。▼しょうじあいか【障害児向け絵本作家】絵本屋だっこ ■今後は法人化も検討現在は個人事業として運営していますが、書店への絵本流通や図書館や海外への絵本寄付など、より幅広い活動のため、今後は法人化(出版社化)も検討しています。・公式サイト ・絵本屋だっこInstagram ・公式LINE ・しょうじあいかInstagram 絵本屋だっこチラシ 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年04月07日詩人・谷川俊太郎の仕事から絵本に焦点を当てた展覧会『谷川俊太郎絵本★百貨展』が4月12日(水)〜7月9日(日)、PLAY! MUSEUMで開かれる。1952年に詩集『二十億光年の孤独』でデビューして以来、詩だけではなく、ラジオドラマの台本や記録映画の脚本、歌の作詞、翻訳など言葉によるさまざまな作品を生み出してきた谷川俊太郎。そのなかで「最も自分に向いてると思ったのが絵本」だという。「言葉だけの詩と違って写真や絵が伴うと世界が一挙に広がるし、具体的になる、そこに魅力を感じて絵は描けないけれど、まず何をどう扱うかという絵本のコンセプトを考えて、限られたページ数の中で各場面をどういうイメージで組み合わせるか、また言葉と絵や写真が一緒になることでどんな新しい世界が生まれるかなど、詩を発想するのとは次元の違う興奮がありました」(谷川)。絵本作りは1960年代から本格化し、和田誠、堀内誠一、長新太、タイガー立石、皆川明、tupera tuperaなど多彩なクリエイターと共作している。『まるのおうさま』(絵・粟津潔)などの認識絵本、『もこ もこもこ』(絵・元永定正)などのナンセンス絵本、『へいわとせんそう』(絵・Noritake)のような考える絵本、『かないくん』(絵・松本大洋)などに見られる「死」の表現。それら多種多様な絵本を同展では「百貨店」と名付けた。選び抜かれた約20冊の絵本の世界を、アートディレクター、映像作家などさまざまなクリエイターたちが、朗読、アニメーション、インスタレーションなどの形で表現する。そのほか、谷川さんが“すきなもの”に唐突に遭遇する新作『すきのあいうえお』を発表。また、PLAY! SHOPでは、「言葉をもちかえる」とテーマに、「言葉を着る」アパレル、「言葉を食べる」食品などグッズも販売される。いろいろな形になって現れる “谷川さん”の言葉の世界へ出かけよう。<開催情報>『谷川俊太郎絵本★百貨展』会期:2023年4月12日(水)〜7月9日(日)※会期中無休会場:PLAY! MUSEUM時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)料金;一般1,800円、大学1,200円、高校1,000円、中小600円※立川割あり、お土産付き公式サイト:
2023年04月04日育児と妊婦生活を両立する日々を描く、漫画家の倉田けい(@kurata_kei)さん。ある日、3歳の息子さんが、倉田さんのお腹の中にいる赤ちゃんに、絵本を貸してあげようとしました。優しさを感じた倉田さんは、息子さんに「本が読めない赤ちゃんの代わりに、読んであげてほしい」と頼みます。すると、息子さんは、本棚から1冊の本を持ってきて…。あかちゃんにえほんよむ… pic.twitter.com/m7quIJM27G — 倉田けい書籍『ピジョンの子育て』マンガ担当しました! (@kurata_kei) March 30, 2023 「新函館北斗、新青森、盛岡」と、お腹の中の赤ちゃんに読み聞かせる、息子さん。そう、電車が大好きな息子さんが読み聞かせていたのは、新幹線『はやぶさ』が停車する駅の名前だったのです。息子さんの気づかいに、ホロリときていた倉田さんでしたが、なんともクセの強い胎教に、驚いたのでした…!【ネットの声】・自分の好きなものだからこそ、赤ちゃんにも伝えたいという、兄心なのかもしれませんね。・かわいい!お兄ちゃんの英才教育ですね。・わあ、うちの子もこうやっていたのを、思い出してしまった…!兄心の芽生えと、電車に興味を持つ息子さんらしさの両方が感じられるエピソード。大切なものを共有したいという純粋さには、心が温まりますね。[文・構成/grape編集部]
2023年04月03日春は出会いと別れの季節。お友達、あるいは自分がお引っ越しすることに対して、理解することや、気持ちを整理をすることが難しい子がきっといるはず。今回、モデルで絵本ソムリエのアンヌさんに引っ越しがテーマの絵本を紹介してもらいました。お友達と別れる寂しさに寄り添ってくれたり、新しい街に行くことがワクワクするような物語だったり、さまざまな視点で描かれています。お気に入りの一冊を見つけてみて!引っ越しがテーマの絵本 01引越しのなんとも言えない寂しさを表現『クマくんのひっこし』『クマくんのひっこし』 作・絵:フランク・アッシュ 訳: 山口文生 (評論社) 対象年齢:4・5歳くらいから「住み慣れたお家を離れるのは、ちょっと寂しいものです。引っ越しのためクマくんは、お父さんとお母さんと一緒に荷物をすべてトラックに積み込みます。でも何か忘れてたような気持ちになります。そこで、もう一度家の中を見て回ることに。けれども、どこのお部屋にも何も残っていません。忘れ物は一体なんだったのでしょう。新しい場所に移り住むのには、気持ちの切り替えが必要です。きっとこの一冊が、小さな子の気がかりに寄り添ってくれるでしょう」引っ越しがテーマの絵本 02集合住宅の魅力が詰まったお話『くすのきだんちへおひっこし』『くすのきだんちへおひっこし』 作:武鹿悦子 絵:末崎茂樹 (ひかりのくに) 対象年齢:3歳くらいから「新居は集合住宅。ほかの住人たちと仲良くなれるかな。そんなときこの作品でリラックスしてみてはいかがでしょうか。カエルくんが見惚れたのは、大きなクスノキの団地です。早速管理人のモグラが中を案内してくれました。キツネ、ウサギ、サル、いろいろな動物が一緒に暮らしています。空き室もありますが、上下階にはカエルくんの天敵が! 帰ろうとしたところ、なんと滑ってケガをしてしまいます。それを思いやる住人たち。カエルくんは次第に安心してゆき……。団地のあまりの魅力に読み手のこちらも憧れてしまうでしょう。春の風も感じる気持ちのいい作品です」引っ越しがテーマの絵本 03@@@@@『いつだってともだち』『いつだってともだち』 絵:エリック・バトゥー文:モニカ・バイツェ訳:那須田淳(講談社)対象年齢:4・5歳くらいから「アフリカの大草原で暮らす子ゾウのベノ。仲良しのフレディとは毎日何をするにも一緒でした。ところが、フレディが別の草原に行ってしまうことに。すっかり元気をなくしてしまったベノに、物知りフクロウが3つの「できること」を教えてくれます。一体どんなことでしょう? 仲良くしていたお友達が、遠くへ行ってしまうのは誰にとっても寂しいものです。そんなときの心の支えになる一冊。一生大切に覚えておきたい宝物のようなアドバイスは、大人にも響きます」引っ越しがテーマの絵本 04美しい水彩画と繊細な友情物語『またあえるよね』『またあえるよね』 作:あいはらひろゆき 絵:こみねゆら (教育画劇) 対象年齢:3・4歳くらいから「かなとなつきちゃんは、大の仲良し。お花見に行けば、ブランコに替わりばんこで乗ったり、おにぎりを分け合ったり、公園を裸足で冒険したり。ふたりでいるのがあんまり楽しいので、ずっと一緒がいいと思っています。ところが、春休みが終わってかなが園に行ってみると、なつきちゃんの姿がありません。かなの、溢れんばかりの哀しみを、桜の美しさに乗せた描写が愛らしく素晴らしい。こみねゆらさん初の水彩画。別れの季節にぴったりの、大変繊細な作品です」引っ越しがテーマの絵本 05ネズミ一家のお引っ越しを覗いてみよう!『14ひきのひっこし』『14ひきのひっこし』 作:いわむらかずお(童心社) 対象年齢:3歳くらいから「大人気のロングセラー『14ひき』シリーズの第1巻。おとうさん、おかあさん、おじいさん、おばあさん、そして兄弟たち。14ひきのネズミ一家は、心地いい場所を求めて森の奥へ。崖をのぼったり、天敵から隠れたり、川を渡ったり。大冒険の果てに見つけるのは素敵な根っこ。暮らしやすいように、みんなで竹を細工して寝床をつくり、水を引いてきたり、食料を集めたりします。その様子が、余す所なく繊細に描かれていて、何度見てもワクワクします。住処が変わる楽しみが見つけられそう!」引っ越しがテーマの絵本 06お友達とのお別れの日にクマさんがしたこととは?『ぼくとクッキーさよならまたね』『ぼくとクッキーさよならまたね』 作・絵:かさいまり(ひさかたチャイルド) 対象年齢:4歳くらいから「小さい子が初めて経験する『別れ』はとりわけ悲しいものです。クマのぼくは、クッキーと大の仲良し。いつも遊んでは『さよなら、またね』と言い合っていました。でもある日突然、引っ越しを告げられます。『またね』はないの? 寂しい気持ちをどう表現したらいいのか戸惑うぼく。嫌いになってみたり、悩んでみたり、ため息をついてみたり。そしていいことを思いつきます。小さなぼくが悩み抜く健気な姿に心打たれる感動作です」引っ越しがテーマの絵本 07新しい街を楽しもう!『げんくんのまちのおみせやさん』『げんくんのまちのおみせやさん』 作・絵:ほりかわりまこ (徳間書店) 対象年齢:5歳くらいから「新しい街に引っ越してきたげんくん。一軒家になったので犬が飼いたいと思っています。家のそばの商店街に出かけてみると、いろいろなお店が。八百屋さん、魚屋さん、お蕎麦屋さん……。お肉屋さんでコロッケを買ってみます。食べようとしたとき、足元に子犬が! 少し分けてあげると、懐いてあとからついてきました。どこのお店の子なのでしょう。街の様子を隅々まで描いていて、人々との交流が楽しい作品。引っ越しが待ち遠しくなりそうですよ」引っ越しがテーマの絵本 08子どもならではの想像力が素敵!『ふしぎなともだち』『ふしぎなともだち』 作・絵:サイモン・ジェームス 訳:小川仁央(評論社) 対象年齢:5歳くらいから「レオンは新しい街にママとやってきます。でも寂しくはありません。だって、ボブっていう友達がいるから。ボブは誰にも見えないけれど、いつでも一緒。ところが、ある日お隣に男の子が引っ越してきて……。子どもの気持ちを巧みに表現した物語で、サプライズも。読み終わったあとには不思議な安心感に包まれます。場所が変わっても、大丈夫。そんな気持ちになるでしょう」PROFILEアンヌさんモデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆を手がける。出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動してきた。息子が6歳になるまでに読んで聞かせた本は793冊1202話。現在所持する絵本は約1000冊。
2023年03月28日2023年2月26日に、スケーター史上初となる東京ドームでの単独公演『GIFT』を成功させた、プロスケーターの⽻⽣結弦さん。同公演では、制作総指揮を羽生さんが務め、自身の半生とこれからを氷上で表現しました。そんな⽻⽣さんと、創作集団『CLAMP』がタッグを組んだ絵本 『GIFT(ぎふと)』 が発売されます。『CLAMP』とは、いがらし寒月さん、大川七瀬さん、猫井椿さん、もこなさんの4人からなる創作集団です。代表作には、漫画『東京BABYLON』『X』『魔法騎士レイアース』『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』『xxxHOLiC』などがあり、世界中から人気を博しています。絵本 『GIFT(ぎふと)』 は、羽生さんから『CLAMP』へ作画依頼を行ったことがきっかけ。絵本の文は羽生さんが担当し、絵を『CLAMP』が担当しているとあり、世界中のファンから注目が集まっています。【ネットの声】・すごい!夢のようなコラボレーションだ。楽しみすぎます。・先日の公演を見ました。本当に感動した。絵本もとても楽しみです。・『CLAMP』と羽生くんの世界観がぴったり。美しい。・早速予約しました。早く発売日にならないかな。『GIFT(ぎふと)』 の発売日は、2023年9月1日。全64ページを予定しているとのこと。多くのファンが、発売日を心待ちにしています。『GIFT(ぎふと)』発売予定日:2023年9月1日定価:3300円(税込み)[文・構成/grape編集部]
2023年02月27日「日本の教育はお金について学ぶ機会が少ない」と言われていますが、ではどうやって教えてあげればいいのでしょうか。子どもの頃に学んできていない親世代の私たちにとって、わかりやすく子どもに教えるのは難しいですよね。そんなときはお金がテーマの絵本を親子で読んでみるのはいかがでしょうか。モデルで絵本ソムリエのアンヌさんに、投資や稼ぎ方、使い方など、さまざまな視点から描かれたお金にまつわる絵本を10選ピックアップしてもらいました。可愛い絵と楽しいストーリーで楽しく学んでみましょう!お金がテーマの絵本 01小さな子でも理解できる投資のお話『ポーチとピース とうしについてかんがえるえほん』『ポーチとピース とうしについてかんがえるえほん』 作:倉橋隆行 絵:ふゆはる (プラチナ出版) 対象年齢:4歳くらいから「日本の教育に金融について学ぶ機会が、欧米に比べて圧倒的に少ない。そのことに疑問を感じた著者は投資の専門家。『お金って?』『投資って?』小さいうちからお金の運用について考えてもらいたいとの思いでつくられた本作品。登場するのは可愛いリスのピースとタヌキのポーチです。2匹はクリが大好きですが、『少し食べて取っておく』リスさんと、『全部一気に食べてしまう』タヌキさんとでは、そのあとの暮らしぶりに差が出ます。同じ森に住むのに、片方は豊かに。もう片方は貧しい。どうしてでしょう。そのプロセスもなるほど納得の興味深いお話です。続巻をテキストにしたボードゲームもあるので、絵本を読んだあと家族で遊んでみるのはいかがでしょうか」お金がテーマの絵本 02身近にあるものでお金を稼ぐ方法とは?『レモンをお金に変える法』『続・レモンをお金に変える法』『レモンをお金にかえる法』 作:L・アームストロング絵:B・バッソ訳:佐和 隆光(河出書房新社)対象年齢:9歳くらいから「子どもが本格的にお金に興味を持ち始めたら、この本を。始まりは至ってシンプル。あるのはタネも仕掛けもないひとつのレモン。これを絞って水と砂糖を加えるとレモネードの出来上がり! と主人公の女の子は誇らしげ。それに『価格』を付け、『消費者』に『製品』を売ることに。友達が大勢買いにくると、『市場価格』が決まります。そして『初期投資』、『自己資本』、『資本貸付』という一見難しそうなキーワードに触れてゆきますが……。的確な文とコミカルな絵で、堅苦しさはゼロ。お金の循環システムに楽しく親しめること間違いなし。経済学入門のバイブルとも言えるほどのつくりで、大人の方のおさらいにも」『続 レモンをお金にかえる法』 作:L・アームストロング絵:B・バッソ訳:佐和 隆光(河出書房新社)対象年齢:9歳くらいから「続編は、そのレモネードがとびきりおいしいと評判になったところからスタート。子どもたちは上手いこと『利益』や『賃金』を稼いでいます。ところが、異常寒波に見舞われ原料のレモンが不作に。『値上げ』を余儀なくされると、『賃金と物価の追いかけっこ』が始まり、『インフレーション』につながる。そして『不況』から『景気回復』までを、愉快な絵とともに簡潔に追って行く展開が見事です」お金がテーマの絵本 03“仕事のやりがい”と“お金”の関係がわかる!『ありがとうのおかね』『ありがとうのおかね』 作:さない ごう絵:なかむら まちこ(リーブル出版)対象年齢:3歳くらいから「そもそもお金はどうしたらもらえるのか。小さなゾウのカイルくんは、パパに聞きます。すると『ひとから”ありがとう”といわれるしごとをすれば』という返事。そこでカイルくんはお友だちとそれぞれのパパの仕事を見にいくことに。バスの運転手さん、ケーキ屋さん、本屋さん。みんなに『ありがとう』と言われ、お金を受け取っています。人が喜ぶことをするのはとても嬉しい。その気持ちも伝えたくなります。稼ぐことの本当の意味とは。ポップな絵で小さい子に伝わりやすい楽しさがあり、お金に対してポジティブなイメージが持てるようになるでしょう」お金がテーマの絵本 04お金をもらうことは嬉しいこと!『ひゃくえんだま』『ひゃくえんだま』 作:ねじめ 正一絵:荒井 良二(鈴木出版)対象年齢:2歳くらいから「百円玉をもらった男の子。とっても嬉しくてたまりません。じっと見つめて、それから見上げて。お尻にのせてみたり、ポケットにしまったり。絶対に手放したくないからギュッと握って眠ってみると……。リズム感あふれる詩にのせて、喜びの世界が広がり、とてつもない百円玉の大冒険が繰り広げられます。その展開が奇想天外でおもしろい! お金をもらうことはなんといっても嬉しい。そんな素直な気持ちが尊重される人気の作品です」お金がテーマの絵本 05目的を持ってお金を貯めよう『かあさんの いす』『かあさんの いす』 作・絵:ベラ B.ウィリアムズ訳:佐野 洋子(あかね書房)対象年齢:5歳くらいから「食堂で働くかあさんとおばあちゃんと三人で暮らす『わたし』は、お仕事を手伝ってお金をもらうと、半分だけ大きな瓶に入れます。かあさんも仕事から帰ってくると小銭を。おばあちゃんも安売りで得をしたときに。みんなが協力をして瓶をいっぱいにしようとします。火事でなくしてしまったふわふわのイスを買うことを夢見て。そこへ行き着くための経緯が心をやさしく揺さぶります。隅々まで描かれた水彩画も微笑ましく、あたたかみのある素敵な貯金の物語です」お金がテーマの絵本 07お金で買えるものを考えよう『買い物絵本』『買物絵本』 作:五味太郎(ブロンズ新社)対象年齢:5歳くらいから「お金で何を買うことができるでしょうか? お菓子だとおいしい、楽しい、嬉しい。でも、虫歯も買うことになるかもしれません。そこで、歯の治療を買うことに。また、嫌な仕事は人に任せれば、ラクチンやのんびりが。つまり暇が買えて、自分の仕事をする時間も……と展開してゆきます。もの以外にもどんなものが手に入るのか。『やさしい心の満足感』、『強い意思の充実感』、『みずからの可能性の追求』など、ちょっと哲学的なテーマも。五味太郎さんならではの絵と文が魅力の長年愛されてきた作品。新装版で復活しました」お金がテーマの絵本 082冊を通してお金の稼ぎ方と使い方を理解できる『おかねをかせぐ!-生きるのにかかせないお金のはなし』『おかねをつかう!-生きるのにかかせないお金のはなし』『おかねをかせぐ!-生きるのにかかせないお金のはなし』 作・絵:シンダーズ・マクレオド訳:田中 靖浩、大加瀬 裕美(岩崎書店)対象年齢:3歳くらいから「『お金のごく基本的なことを教えるのに、早すぎるということはありません』という筆者。その言葉を映し出すように、ごく小さな子どもに向けたお話です。歌うのが大好き。お金持ちで人気者になりたい。素直な欲望を実現させるには……。稼ぐことの目的とプロセスを、ウサギのバンちゃんがお金の代わりのニンジンを集めて、出世を目指そうと頑張る姿が可愛い。お子さんにもきっと夢があるでしょう。バンちゃんの考えをお手本に、一緒にどうやったら叶えられるか考えてもいいですね」『おかねをつかう!-生きるのにかかせないお金のはなし』 作・絵:シンダーズ・マクレオド訳:田中 靖浩、大加瀬 裕美(岩崎書店)対象年齢:3歳くらいから「ウサギと考えるお金の話の第2弾は、サニーが登場します。ウサギの国ではお金がにんじん。お小遣いで貯めた3本を、さてどう使おうか。もちろん、あれもこれもは買えません。ものにはどんな価値があるのかを知り、自分に必要なものを適切に選んでゆくサニー。その考え方のプロセスをシンプルに描いていて、算数の感覚も培えます。お金のことを考えるのは生きるのに欠かせないことだと伝えたいですね」PROFILEアンヌさんモデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆を手がける。出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動してきた。息子が6歳になるまでに読んで聞かせた本は793冊1202話。現在所持する絵本は約1000冊。
2023年02月21日年少のとき、絵本にあまり興味がなかった次男。子ども園での読み聞かせに集中できず、連絡帳にその旨を書かれてしまいました。私は、興味のない本を読むことを強制したくはないけれど、一方で、ストーリー性のある絵本に触れ、想像力を豊かにしてほしいとも考えていました。そんな私に担任の先生がアドバイスをくれました。そしてそれを実行してみると……!? 図鑑にしか興味のない次男次男が子ども園の年少のときの話です。園生活にも慣れてきた、5月下旬のある日のこと、連絡帳に「◯◯くんは、絵本タイムにはあまり関心がないようで、友だちに話しかけたり、おもちゃで遊んだりしています」と書かれていました。 わが家では、毎晩寝る前に読み聞かせをしているのですが、当時次男が好んでいた本の大半は、たしかに図鑑や何か指定された物を見つけるといった、読み聞かせるのにはふさわしくない物でした。ただ、当時の私は「そのうちストーリー性のある絵本にも興味が出てくるだろう」と、楽観視していたのです。 強制はしたくないけれど…しかし、それから約半年後、また連絡帳に「楽しさを感じてもらえるよう、工夫しているつもりなのですが、絵本タイムはどうしてもそわそわしてしまいます。」と書かれてしまったのです。私は工夫してくださっている先生方に申し訳ないと思いつつも「本人の興味がある本を読んであげるのが一番良いと思うので、わが家では図鑑の読み聞かせをしています」と返信しました。 本人が興味のない絵本を読み聞かせるのは、本人にとっても、それを聞いてもらえない親にとっても、ストレスになると感じていたからです。ただ「本当は、想像力が豊かになるような、ストーリー性のある絵本を選んでほしいと思っています」とも付け加えました。 先生がくれたアドバイスとはすると先生は「たしかに図鑑などでは、お話のイメージが広がらないかもしれませんね。時間が許せば、そうした図鑑などに加え、ご両親おすすめのストーリー性のある絵本も読んであげるといいかもしれません」とアドバイスしてくれました。 また、次男のクラスにほかの保護者の方が読み聞かせに来たときに、珍しく集中して見ていたという絵本も教えてくれました。私はこれを聞き、「それなら次男も興味を示してくれるかも」と思ったため、さっそくそのシリーズの本や、次男が好きな恐竜や昆虫が出てくる図鑑以外の本を、図書館で借りて読み聞かせることに。 長めの絵本も読めるようにするとその約1週間後、連絡帳に「お母さんの願いが通じました! 読み聞かせのときに、一番前で見て『おもしろかった!』と言ってくれましたよ」と書かれていたのです。私はそれを聞き、その後も同様の方法で、読み聞かせを続けるようにしました。 すると次男は次第に、昔話のような長めの物語でも、最後まで集中して聞いてくれるようになったのです。ストーリー性のある長めの絵本だとしても、本人が少しでも興味のある物が出てくれば、徐々に楽しめるようになる、ということがわかった出来事でした。 ほかの保護者の方が読み聞かせをしたとき、絵本に興味を示した次男のわずかなサインを見逃さず、また、絵本が好きになるかもしれないという可能性を捨てず、根気強くアドバイスをしてくださった先生に、心から感謝しています。これからも息子たちのそのときどきの興味を見逃さず、心や想像力を豊かにする絵本を選んであげたいと思います。 イラストレーター/ねね著者:今岡めい7歳と4歳の超わんぱく兄弟を育てるママであり、フリーライター。「子育てで一番大切なのは母親が笑顔でいること」「幼児期最大の英才教育は遊びである」をモットーに掲げ、日々テキトー育児を繰り広げている。
2023年02月07日せなけいこの絵本『ねないこだれだ』や、馬場のぼるの絵本『11ぴきのねこ』シリーズなど、ロングセラー絵本をモチーフにした、缶入りメモが新登場。“ロングセラー絵本”モチーフの全12種類展開されるのは、ロングセラー絵本を題材にした全12種類の“缶入りメモ”。せなけいこ作品の『ねないこだれだ』『ふうせんねこ』『いやだいやだ』と、馬場のぼる作品『11ぴきのねこ』シリーズがモチーフとして選ばれており、いずれもカラフルな丸缶に、絵本でお馴染みのキャラクターたちをデザインしているのが特徴だ。また缶の中には、各作品と連動したキュートなサークルメモをセットに。ひとつの缶につき、2種類のメモ(各25枚)をつめこんでいるので、気分にあわせて使い分けを楽しむこともできる。小物入れとしてもOK!メモを使い切った後も、クリップやヘアピンなどを収納する小物入れとして活用できるのもGOOD。価格は、ひとつ715円で販売される。【詳細】・S/N缶入メモ全6種類 各715円・11N缶入メモ全6種類 各715円発売日:2023年1月24日(火)販売先:全国の文具・雑貨店、学研ステイフル公式オンラインショップほか
2023年02月02日絵本・日本プロジェクト(会長:高橋 小織・株式会社隆文堂 代表取締役会長)は、2021年の春より「絵本専門士が選ぶ『逢えない誰かに贈る絵本』フェア」を企画。毎春、全国の書店にフェア開催の提案をしてまいりました。コロナ禍で自粛生活が続いた2021年~2022年の春に展開した「逢えない誰かに贈る絵本」に代わり、第3回目となる本年度は「逢いたい誰かに贈る絵本」と改称し、パワーアップした企画を2023年春までお届けしています。当企画では、107名の絵本専門士とあわせて、人気絵本作家の荒井良二さんとえがしらみちこさんにも絵本を選定していただいています。■「絵本専門士が選ぶ『逢いたい誰かに贈る絵本』フェア」企画の背景絵本・日本プロジェクトは、2010年国民読書年に「絵本を贈り、贈られる生活文化を創造するため」に結成されました。以降、出版業界の各社で働く女性社員をプロジェクトメンバーとして、地域の書店とタイアップし、地域の子どもたちが本とふれあえるイベントを毎年開催してきました。イベントは、2020年からはコロナ禍のため中止を余儀なくされていますが、このような時だからこそ、常に“つながり”を大切にして活動してきたプロジェクトの原点に立ち返り、絵本の知識を豊富に有する全国の「絵本専門士」(*)の協力を得て、書店店頭で展開する絵本フェアを企画・提案しています。(*)「絵本専門士」は国立青少年教育振興機構が実施する養成講座を修了し、絵本専門士委員会にて認定された絵本のエキスパートです。2014年のスタートから現在まで、全国で約490名が活躍しています。■「絵本専門士が選ぶ『逢いたい誰かに贈る絵本』フェア」について第3弾となる今回のフェアには、人気絵本作家の荒井良二さん、えがしらみちこさんが選書メンバーに加わり、作家のおふたりと107名の絵本専門士の皆さんがそれぞれに贈りたい大切な人をイメージして、24冊を選びました。フェア期間中は、選書者の心のこもったコメント入りPOPが店頭に掲示されます。当フェアは2022年11月からすでにスタートしており、春の参考書等の商戦が始まるまで各書店の都合にあわせて自由にお取り組みいただけます。実施時期が比較的自由で、店舗にある作品とあわせて展開でき、対象が子どもたちだけではなく幅広いため、絵本を多くの方に紹介できると好評です。■概要企画名 : 「第3回 絵本専門士が選ぶ『逢いたい誰かに贈る絵本』」展開期間: 2022年11月~2023年春(バレンタイン、卒業・入学ほか、別れと出会いの季節)規模 : 選定絵本総数 24冊全国で活躍する絵本専門士107名が選んだ20冊絵本作家2名(荒井良二さん、えがしらみちこさん各2冊)企画対象: 子どもから大人まで詳細 : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年01月31日長男が生後7カ月のころから始めた絵本の読み聞かせ。しかし成長に伴い、長男は絵本への興味が薄れていき……。そんなある日、子育て支援センターの先生から意外なアドバイスをもらいました。それを実践し、長男が絵本好きになっていった体験をご紹介します。 絵本への興味が薄れていく長男わが家では長男が生後7カ月のころから、絵本の読み聞かせを始めました。きっかけは私の友だちが長男に絵本をプレゼントしてくれたこと。最初はカラフルな絵本に興味津々で、何回も読み聞かせてあげました。 しかし長男は成長するにつれ活発になっていき、1歳半のころには絵本を読むよりとにかく体を動かして遊ぶことのほうが好きになったようでした。読み聞かせをしてもすぐにペラペラとページをめくってしまうのです。絵本を好きになってもらうにはどうしたらいいのか、私は頭を悩ませていました。 先生からもらった意外なアドバイスそんなある日、私と長男は子育て支援センターの読み聞かせのイベントに参加しました。このときもやはり、先生が読み聞かせてくれる絵本には見向きもせず、別のおもちゃで遊んだり走り回ったりしている長男。 私はイベントのあと、子育て支援センターの先生に「どうしたら絵本を読んでくれるようになりますか」と聞いてみました。すると先生は、「子どもにはそれぞれのタイミングがありますから、無理に読ませなくても大丈夫です。まずは寝る前だけ読み聞かせをしてみるのはどうでしょう」とアドバイスをしてくれました。私は「寝る前だけでいいの?」と少し疑問に思ったものの、さっそくその日の夜から実践してみることにしたのです。 アドバイスを実践した結果…そしてその日の夜、寝室に行くときに「◯◯ちゃん、好きな絵本持っておいで〜」と声をかけてみました。すると寝るときは寝室に行くということが理解できているからなのか、長男はすんなりと絵本を持ってきたではありませんか! その後数日間は読み聞かせをしてもあまり聞いていない様子でしたが、これを毎日繰り返しているうちにだんだん聞いてくれるようになったのです。 寝室にはおもちゃを置いていないので、絵本だけに集中できたのかもしれません。そして同時に「絵本を読む=そのあとは寝る」というパターンが身につき、寝つきも良くなりました。 この「寝る前だけの読み聞かせ」を続けた結果、長男は寝る前以外の時間でも「これ読んで〜」と何回も絵本を持ってくるぐらい絵本好きになりました。次男も1歳ぐらいからこの習慣を身につけ、今も毎日私と夫で分担して2人に読み聞かせています。絵本の読み聞かせは、子どもにとって無理のない形でするのが良いと感じた出来事でした。 作画/きょこ監修/助産師 REIKO著者:今岡めい6歳と3歳の超わんぱく兄弟を育てるママであり、フリーライター。「子育てで一番大切なのは母親が笑顔でいること」「幼児期最大の英才教育は遊びである」をモットーに掲げ、日々テキトー育児を繰り広げている。
2023年01月28日あっという間に2023年に突入。1月と言えば新年のごあいさつから始まりますよね。「あけましておめでとう」はもちろん、日常のあいさつもとても大切なこと。そこで今回、モデルで絵本ソムリエのアンヌさんに『あいさつ』がテーマの絵本を紹介してもらいました。基本的なあいさつから、世界の国々のあいさつ、気配りについて学べるものまで、さまざまな種類をラインナップ。ぜひ親子で楽しみながら読んでみて♪あいさつがテーマの絵本 01さまざまな国のあいさつを知ろう!『せかいのくにで おめでとう!』『せかいのくにで おめでとう!』 作・絵:野村たかあき(講談社)対象年齢:4歳くらいから「『しんねんあけましておめでとう! 』。これが日本の新年のごあいさつ。では、世界各国ではどんなふうに交わされるのでしょう。ニューヨークではご承知の通り。ルーマニアでは『ラ・ムルツィ・アニ』と言って、熊の毛皮を着て踊ります。「フェリス・アーニョ・ヌエーヴォ」と言って12粒のブドウを食べるのはスペイン。などなど、ユニークなお正月行事を盛り込んだ、楽しくて発見のある作品。ちょっとしたネタにもなりそうです」あいさつがテーマの絵本 02子猫と一緒にあいさつの練習をしてみよう『おはよう』『おはよう』 作・絵:いもと ようこ(至光社)対象年齢:2歳くらいから「小さい子にとって、あいさつをするということはとても勇気がいるものです。なかなか口に出せない子も多いはず。でも本当は言えるようになりたいんですよね。ここに出てくる小さな子猫も同じです。声をかけられてもお返事すらできませんが、心の中では嬉しいと思っている。きっと子どもの気持ちが重なるでしょう。まずは『おはよう』から。子猫と一緒にたくさん練習してみて! 言えた喜びが伝わる、大変愛らしい作品です」あいさつがテーマの絵本 03場面別の正しいあいさつとは?『ペネロペ あいさつできるかな』『ペネロペ あいさつできるかな』 文:アン・グットマン絵:ゲオルグ・ハレンスレーベン訳:ひがし かずこ(岩崎書店)対象年齢:1歳くらいから「1日に使うあいさつを、お母さんと練習中のペネロペ。幼稚園から帰るときに『こんにちは』と言ったり、ぬいぐるみを見つけてもらったのに『ごめんなさい』と言ってしまったり。失敗だらけのペネロペですが、すぐに間違いに気づいて言い直します。読み聞かせながら、お子さんは笑いながら、適切なあいさつを教えてくれるかもしれませんよ。上手く言えなくても大丈夫。そんな安心感も得られるでしょう。お馴染みのキャラクラーは相変わらず可愛い!」あいさつがテーマの絵本 04あいさつとセットで“気配り”も学ぼう『あいさつできるよ』『あいさつできるよ』 作:リチャード・スキャリー訳:木坂 涼(好学社)対象年齢:3歳くらいから「『おはよう』や『こんにちは』が言えるようになったら、今度は気配りの行き届いた礼儀正しいごあいさつを学んで欲しいですよね。本作品はまさにそのお手本です。人に席を譲るときの声の掛け方から、友人宅に招かれたときのマナーまで、バリエーション豊かに、その場に適した言葉選びが丁寧に紹介されています。主人公のゾウくんのように、できたらかっこいいですね。レトロタッチの絵も魅力の手元に置いておきたくなる一冊です」あいさつがテーマの絵本 05ユニークな絵に注目!『あいさつ団長』『あいさつ団長』 作:よしなが こうたく(好学社)対象年齢:5歳くらいから「パワーみなぎるダイナミックなタッチと博多弁との『バイリンガル』。そんなユニークさでファンも多い作者。今回は『あいさつ』版です。小学校に新しく転校生がやってきました。慣れない日本語で一生懸命挨拶したサムソンくんは、即座にクラスの人気者に。くやしがった番長たちは、みんなの注目を取り戻そうと試行錯誤します。うまくいくでしょうか。喜怒哀楽が炸裂するドタバタ劇に思わず笑ってしまいますが、人と人との繋がりに大切なこともしっかり詰まっています。見返しの部分にはおもしろ迷路や、工作用の型も」あいさつがテーマの絵本 06いろいろな国の習慣がわかる!『世界のあいさつ』『世界のあいさつ』 作:長 新太監修:野村 雅一(福音館書店)対象年齢:4歳くらいから「世界にはたくさんの独特なあいさつがあるようです。本作品では、漢族やチベット人、マレー人やニューギニアのシンブー人といった、あまり見かけることのない民族の慣わしが紹介されています。懐かしいという思いをこめて、相手の匂いを嗅ぐ。相手を敬う意味をこめて舌を出す。会えた喜びを大声で泣いて表現する。などなど。どれもこれも相手への思いが込められていて意味があり、仰天の連続です。愉快な画風がぴったりな視野が広がる絵本です」あいさつがテーマの絵本 07耳が聞こえないお友達のあいさつを知ろう!『手話でつながる 世界のあいさつ』『手話でつながる 世界のあいさつ』 作:一般社団法人全国手話通訳問題研究会絵:見杉宗則(クリエイツかもがわ)対象年齢:4歳くらいから「手を動かしてあいさつする人もいます。手話の世界も覗いてみましょう。同じ『おはよう』でもやはり国によってさまざまで、ジェスチャーが違います。インドでは、開いた手から親指を立てる。ブラジルでは利き手を開きながら前に出し……。ニュージーランドとスイスを比べてもそれぞれ。手話のあいさつを世界各国の名称と結びつけて覚えながら、口で発する言語とはまた違った、さまざまなを国のあいさつを知ると、コミュニケーションにも広がりが。小さいうちから手話に慣れるのも大切」あいさつがテーマの絵本 08持ち歩きにぴったり! 手ぬぐい絵本『ごあいさつ』『ごあいさつ』 作:濱文様(株式会社ケイス)「こんな作品はどうでしょうか。あいさつの基本が載っている手ぬぐいです。折り畳むと本の形状になり、読むこともできますし、広げれば汚してしまった口や洋服をさっと拭くという用途にも使えますよ。どういうときに何を言えばいいのか、シンプルで可愛いシロクマさんが明確に教えてくれます。持ち歩きもしやすいので、あいさつ初心者のお子さんに安心グッズとなるかも」PROFILEアンヌさんモデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆を手がける。出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動してきた。息子が6歳になるまでに読んで聞かせた本は793冊1202話。現在所持する絵本は約1000冊。
2023年01月18日お手伝いがテーマの絵本 01お片付けの手順を学ぼう!『キキとジャックス なかよしがずっとつづく かたづけのまほう』『キキとジャックス なかよしがずっとつづく かたづけのまほう』 作:こんどうまりえ絵・文:サリナ・ユーン(文響社)対象年齢:3歳くらいから「片付けコンサルタントの近藤麻理恵さんによる作品。子どもに手伝って欲しいことNo.1は、お片付けという方も多いはず。でも子どもに『やって』とお願いしても、なかなか……。それは手順を知らないから。ここでは、きれい好きのジャックと、散らかしてばかりのキキが登場します。ふたりは仲良しでも、キキのお家では遊べません。そこで、ジャックはいいことを思いつきます。『一緒に片付けてみよう』と。するとキキもものをまとめ始めます。お部屋がすっきりしていると気持ちがいい。そうとわかると、子どもは片付け名人になってくれるかも。Tシャツの畳み方も載っているので、参考になりますよ」お手伝いがテーマの絵本 02おつかいの注意点がよくわかる!『ベーコン わすれちゃだめよ!』『ベーコン わすれちゃだめよ!』 作:パット・ハッチンス訳:わたなべしげお(偕成社)対象年齢:4歳から「おつかいが上手くできるようになったら、とっても助かりますよね! 男の子がお母さんに、『卵とケーキとナシと、それとベーコンも』と言い付かって出かけます。道々、忘れないようにと頼まれたものを唱えているうちに、目に入ってくるものの言葉と混ざってしまい、さあ大変! ちゃんと思い出して、買い物を済ませてこれるでしょうか? 卵『egg』なのに大根足『leg』、ケーキ『cake』なのにケープ『cape』。英語の言葉遊びがベースにあるつくりですが、渡辺繁男さんの訳が素晴らしい。日本語でも十分ユーモアが伝わります。最後のオチも最高で、おつかいの注意点も学べます」お手伝いがテーマの絵本 03五感を刺激する絵と文章が魅力的『おとが あふれて オムライス』『おとが あふれて オムライス』 作:夏目義一(福音館書店)対象年齢:3歳くらいから「今日のお昼ごはんはオムライス! と、お父さんとつくり始めます。ニンジン、ピーマン、タマネギを切って……。手順と材料がリアルに描かれていて、もう、目の前でお手本を見せてもらっているみたい。野菜の切り方もお肉の炒め方もしっかり学べます。ページをめくるたびにいい匂いがしてきそうで、食欲も湧いてきます。読んだあとは勢いに乗って、一緒にオムライスづくりへGO! 楽しみですね!」お手伝いがテーマの絵本 04お留守番中にゆかいな動物たちと……!?『ずんずんばたばたおるすばん』『ずんずんばたばたおるすばん』 文:ねじめ正一絵:降矢なな(福音館書店)対象年齢:2歳くらいから「家族の人が忙しいときにはひとりでお留守番も大助かりなお手伝いです。でもちょっと不安……。そんな子にはこの作品。お母さんが買い物に出かけました。ひとりになったかと思いきや、天井から小猿がおりてきて、靴磨き。ベランダではリスとモグラが洗濯物が飛ばないよう見張りを。ぼくはお部屋でカピバラとフラダンス。動物たちが次々と登場し、一緒に楽しくお母さんの帰りを待ちます。その間にお風呂掃除までできていたりして? そんな話も子どもとしつつ、お手伝いのイメージを持たせてあげたいですね」お手伝いがテーマの絵本 05大人も子どももみいちゃんの勇気に共感するはず!『はじめてのおつかい』『はじめてのおつかい』 作:筒井頼子絵:林明子(福音館書店)対象年齢:3歳くらいから「赤ちゃんのお世話にお料理にと忙しいお母さん。『ぎゅうにゅうがほしいんだけど』と小さなみいちゃんは頼まれます。100円を2枚握りしめ、いざ初めてのおつかいへ。ところが、道で転んでしまったり、お店には知らない大人の人がいたり……ドキドキが止まりません。ちゃんと買えるでしょうか。小さい子の不安な気持ちや小さな勇気を汲み取るように描いている本作品。何度読んでも心に沁みるベストセラーです。子どもの『できるかな』を応援してくれます」お手伝いがテーマの絵本 06寒い日にぴったりなシチューづくりのお話『もっと もっと おおきな おなべ』『もっと もっと おおきな おなべ』 作:寮美千子絵:どいかや(フレーベル館)対象年齢:3歳くらいから「ほっかほかのシチューは子どもたちも大好き。寒い日には格別です。小さなねずみくんが、森でキノコをいっぱい摘んで、シチューをつくろうとします。でも塩や水を足していくうちに、溢れてきそうに。そこで大きなお鍋を借りにお友達に会いに行きます。するとクリやクルミを入れようということになり……。次々と食材が増え、さらに大きなお鍋をと巡ります。仲間もどんどん加わって賑やかに。小さなねずみくんに習って、自分でもつくってみたくなりそうです」お手伝いがテーマの絵本 07小さな子でも挑戦できるレシピ本『平野レミの おりょうりブック』『平野レミの おりょうりブック』 文:平野レミ絵:和田唱和田率(福音館書店)対象年齢:4歳くらいから「人気料理家による小さい子向けのレシピ絵本。子どもがお料理したがっても、火や包丁を使わせるのはちょっと心配になりますよね。でも大丈夫。ここでは危ないものは使わずに、ちゃんとつくれちゃう方法を教えてくれます。卵ごはんなら、卵を割って(必見!)、お醤油をかけて、混ぜて……。オープンサンドならバターを塗って、好きな具を上に乗せて……。「自分でできた」という自尊心も育つでしょう。これさえあれば、家族のためにランチも準備してくれるかも。ありがとうと言っていっぱい褒めてあげたいですね」お手伝いがテーマの絵本 08真似したくなるお掃除のアイディア『ぐりとぐらのおおそうじ』『ぐりとぐらのおおそうじ』 作:なかがわ りえこ絵:やまわき ゆりこ(福音館書店)対象年齢:3歳くらいから「お掃除を自主的に手伝ってくれないかな。そう思ったら、お馴染みぐりとぐら! 今回は、冬の間に埃がたまっていたことに気づくお話です。まずは埃除けの格好から。そして、使い物にならなくなったホウキやハタキや雑巾の代わりに引っ張り出したのは、古着です。さてどうするのでしょうか。『ぼくらが このよで すきなのは おそうじすること みがくこと』と、いつものリズムで声をかけ合う2匹。可愛いアイディアがたくさん詰まった、とびきり楽しい大掃除です。きっと真似したくなりますよ」PROFILEアンヌさんモデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆を手がける。出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動してきた。息子が6歳になるまでに読んで聞かせた本は793冊1202話。現在所持する絵本は約1000冊。
2022年12月19日シルバニアファミリー初の写真絵本『シルバニアファミリーいつもそばにいるよ』が、全国書店で発売。「シルバニアファミリー」が写真絵本に1985年にエポック社から生まれた「シルバニアファミリー」は、さまざまな動物のファミリーが夢あふれる村で暮らす様子を再現したドールハウス玩具だ。今回はそんな「シルバニアファミリー」の世界観を詰め込んだ写真絵本が、講談社から初登場。美しいシルバニア村の風景写真と共に、家族や友達に対する温かなメッセージを綴った“癒し満点”の一冊に仕上げている。書籍の中では、近年人気を集める「赤ちゃんシリーズ」をはじめ、キャラクターたちが助け合うキュートな写真作品も。また巻末では、シルバニアファミリーの「誕生日」やそれぞれの「お気にいりの遊び」を紹介するプロフィールコーナーも掲載するなど、ファン必見のコンテンツも含まれている。ページをめくるたびに優しい気持ちになれる写真絵本は、大人へのギフトにもぴったり。価格は1冊1,320円となっている。【詳細】『シルバニアファミリーいつもそばにいるよ』1,320円発売日:2022年11月30日※書店によって発売日が異なる場合あり。仕様:オールカラー/72ぺージ発行:講談社展開:全国の書店、ネット書店
2022年12月05日性教育がテーマの絵本 01男の子と女の子の体のお話『わたしのはなし』&『ぼくのはなし』『わたしのはなし』作:山本直英・和歌山静子(童心社)対象年齢:3歳くらいから『ぼくのはなし』作:和歌山静子(童心社)対象年齢:3歳くらいから『わたしのはなし』「『わたしのなまえはあいです』という自己紹介の形で語る、プライベートゾーンのお話。自分の心と体は、世界でたった一つの大切なもの。嫌なことをされたら『やめて』と叫び、怖い目に合いそうだったら大きな声で断るのだと愛ちゃんは言います。そしてそのことを大人に話すことも忘れずにと、きっぱり。ポイントをしっかり抑えていて小さい子に分かりやすい。絵もシンプルかつダイナミックなので、説得力があります」『ぼくのはなし』「『わたしのはなし』と対になる作品。今度は『海』くんが登場し、出生のプロセスを語ってくれます。周囲のどういう思いがあったのか。それから、性器や性交の説明。表現がシンプルかつ具体的なので、子どもは納得しやすいでしょう。このように包み隠さず、自分のルーツを知るために、『正確に自信をもって』話すことが大切という、『人間と性』教育研究所長さんの解説もあり。性の話は最終的には自己肯定感を育むことに繋がります」性教育がテーマの絵本 02男女の体の違いや性行為について解説!『ハグして! 』おとなになる心と体のじゅんび『ハグして! おとなになる心と体のじゅんび』 作・絵:安藤由紀(岩崎書店)対象年齢:5歳くらいから「体が大きく変化する前に、必ず伝えておきたい性の話。ここでは、男女の体のつくりの違いや変化、清潔に保つ方法、交わり方などがはっきりと書かれています。自分自身を大切にすること、多様性を受け入れることなど、安心して大人になるための知識が簡潔に、可愛い動物キャラを登場させて描いているので親しみやすい。子どもたちがたこ焼きを食べながら性の話を聞くという設定はユニークでありながら、そのくらい構えることのない話題だというメッセージと取れます。小学生になったらぜひこの作品を」性教育がテーマの絵本 03プライベートゾーンを学べるはじめての「からだ」と「性」のえほん『だいじ だいじ どーこだ?』『はじめての「からだ」と「性」のえほんだいじ だいじ どーこだ?』 作:遠見才希子 絵:川原瑞丸(大泉書店)対象年齢:3歳くらいから「今いちばん読まれていると言われている性の絵本。現役産婦人科のお医者さんによるものです。自分の体を大切にすることがはじめの一歩。どこをどうやって守るのか。怖いイメージを与えることなく、幼年期の子どもたちに語りかけるように綴られているので安心です。また、短くまとめられているので、何度も見返せます。巻末には悩み相談窓口のリストも。子どもがひとりで悩みを抱えることのないよう、解決の選択肢があることも伝えたいですね」性教育がテーマの絵本 04愛を知るための第一歩!『はぐ』『はぐ』 佐々木マキ 作(福音館書店)対象年齢:2歳くらいから「抱きしめ合うことから教えたいと思ったら、この作品。ラクダとシマウマが浜辺にやってきて……。はぐ! お次はワニとペンギンが。それからなんと、タコとおじさんが。という具合に想定外の組み合わせで抱きしめ合います。佐々木マキさんのほのぼのしたナンセンスにほっこりした途端、大切にすること、されることの表現として、すぐにもハグしたくなりますよ。子どもたちが将来素敵に愛し合えますように、まずは! 」性教育がテーマの絵本 05初めての性教育におすすめの一冊!『おうちせいきょういくえほん』『シールでペタペタあ!うまれたおうちせいきょういくえほん』 作・絵:La ZOO 監:アクロストン(主婦の友社)対象年齢:2歳くらいから「初めての性教育に、シールブックというアイディアが斬新な本作。赤ちゃんってどうやってできるの? そんな質問が出てきたら、体に興味を持ち始めた証拠。正しい知識は、小さい子が相手でも湾曲的な表現を避け、やさしい言葉を使いながら正確に伝えることが、後に自分や他者を自信を持って愛することに繋がります。卵子や精子の場所はどこ? と問いかけてみてください。ちっとも難しく考えることはありません。小さな子にペタペタと貼らせながら読んで聞かせると、実は恥ずかしがっていたのは親のほうだったと気づくかも! 」性教育がテーマの絵本 06性に関する基礎知識を可愛い絵とともに『性の絵本』みんながもってる たからものって なーんだ?『性の絵本みんながもってる たからものって なーんだ?』 著:たきれい 監修:高橋幸子(KADOKAWA)対象年齢:3歳くらいから「くわばたりえさん推薦の作品。体の仕組み、性交、妊娠、そして防犯、と性にまつわる基礎知識が正しい言葉を用いて可愛い絵とともに説明されています。読みながら、体に対するオーソドックスな『恥じらい』から大人が解放されてゆくことも、子ども自身が自分を宝物と思え、よりいっそう大切にすることに繋がるでしょう」性教育がテーマの絵本 07やさしい言葉で性行為のあれこれを説明『なぜなの ママ?』『なぜなの ママ?』 作:北沢杏子 絵:やなせたかし(復刊ドットコム)対象年齢:3歳くらいから「日本の性教育研究家の草分けである北沢杏子となせたかしさんの貴重な作品。一時は絶版になってしまいましたが、3歳から親しめる性教育絵本として再編・復刊たものです。おとうさんとおかあさんの体には違いがあります。ふたりは愛し合って、一緒に暮らし、握手したり、キスしたり……。性交については、『だっこしあったり』という表現。なので、この手の話にちょっぴり戸惑う方にも、スターターブックとしておすすめです。巻末には子どもの想像力を育み、じっくり語り合えるような見開きが待っています。とにかく元気、パワフル、生命力溢れるタッチも素晴らしい」性教育がテーマの絵本 08多様性についても学べる『あかちゃんはどうやってつくられるの?』『あかちゃんはどうやってつくられるの?』 著:アンナ・フィスケ 絵:さわき ちはる(河出書房新社)対象年齢:9歳くらいから「ノルウェー生まれのやや図鑑に寄せた本作品。出だしから多様性が伝わってきます。人はそれぞれ。肌の色もさまざま。すらっとした人、ぽっちゃりの人、ドレス姿もあれば、背広姿にハイヒールもいます。でも元はみんな赤ちゃんでした。ではどうやってつくられたのか。そのプロセスをユーモアたっぷりの絵で描き、プチエピソードを交えながら、楽しく、詳しく、科学的に説明してくれています。同性愛や人工授精など色々なケースもスルーせず。まさにSDGs時代にぴったりです」
2022年11月25日娘が生後6カ月ごろのこと。お昼寝も夜も、娘の寝かしつけには絵本を読んであげることが多々ありました。あお向けになった娘の脇に私は添い寝の形になり、絵本を読んで聞かせます。その読み聞かせで経験した、あわや大怪我に繋がるヒヤリなエピソードを紹介します。 読み聞かせで心地よく入眠娘は生後3カ月ごろまでは抱っこで眠ることが好きでしたが、徐々に抱っこだと不快になってきたようで、横になって添い寝をすることで安心して眠りにつくようになりました。 生後6カ月ごろになると、絵本を読み聞かせると興味を持って喜んで見てくれて、読んでいるうちに次第にウトウトするように。最終的には指しゃぶりをして気持ちよく眠るのでした。 私がウトウトしてしまい…ある日のお昼寝のとき読み聞かせをしてあげていたところ、私のほうが先に眠気がきてしまいました。ウトウトしては眠気を振り払って読んでいましたが、ついに気が遠のいてしまいました。その拍子に、持っていた絵本を落としてしまったのです。 あお向けで添い寝の状態だったので、絵本が落ちたのは私と娘の顔の上! 顔に絵本が当たった衝撃でハッと目覚めた私は、娘の目のあたりに絵本の角が当たってしまったことに気づき、大慌て! 急いで目の中が傷ついていないか確認しました。 急いで眼科へ目の中を見てみましたが、傷ついているかどうかよくわかりませんでした。娘は絵本が当たったときは少し泣いたもののすぐに泣き止み、痛がる様子もありませんでしたが、後々になって炎症を起こさないか、私は最悪のことも考えて心配になってきたのです。そこで近くの眼科に行ってみることにしました。 眼科は娘にとって初めての経験。痛い思いをさせてしまわないかと親の私のほうが不安でドキドキでしたが、診察室に入って事情を説明すると医師が「そういうこともあるよね」と笑い飛ばしてくれたので、安心して診察を受けられました。結果は特に目の中が傷ついているということもなく、薬ももらわず帰ってくることができました。 読み聞かせのとき、私は少々疲れていたのかもしれません。しかし、ついウトウト……では済まされない大事故に繋がるような出来事。私は、気を付けなければと肝に銘じたのです。眼科は私自身もあまりかかったことがなかったのでドキドキしましたが、心配なときにすぐに診てもらうことで安心できてよかったなと感じました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:斎藤ますみ1児の母。保育士として働く傍ら、自身の出産・子育て経験をもとに、妊娠・出産・育児に関する記事を中心に執筆している。 イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター うちここ年子男児を育てる2児の母。家族で過ごす日常や思い出をInstagram(@uchikoko20)やブログ「うちここ日記」で描いてます。
2022年11月16日千葉市美術館は、企画展「ブラチスラバ世界絵本原画展 絵本でひらくアジアの扉-日本と韓国のいま」を2022年11月12日(土)から12月25日(日)まで開催する。世界最大規模の絵本原画コンクール、日本&韓国に焦点「ブラチスラバ世界絵本原画展」(略称BIB=Biennial of Illustrations Bratislava)とは、スロバキア共和国の首都ブラチスラバで2年ごとに開催される世界最大規模の絵本原画コンクール。企画展「ブラチスラバ世界絵本原画展 絵本でひらくアジアの扉-日本と韓国のいま」では、2021年10月から2022年2月にかけてブラチスラバで開催されたBIB2021(第28回展)参加国の中から、近年数多くの受賞作家を輩出している日本と韓国にフォーカス。日本と韓国の作家による全出品原画作品や絵本、絵本が生み出され読者に届くまでの過程を取材した特集展示、グランプリ他、各受賞作家の作品をパネルと絵本により鑑賞することができる。日本と韓国の出品作家による原画&絵本見どころは、近年の活躍がめざましい日本と韓国の絵本の総特集。BIB2021では、日本のしおたにまみこが第3席に当たる金牌を受賞した他、韓国のイ・ミョンエと中国のチョウ・チョウが第2席に当たる金のりんご賞を獲得するなど、大躍進を見せている。BIB2021出品作品だけでなく、「うみだす」「そだてる」「とどける」「ひろがる」というキーワードのもと、作家・編集者・出版社を取材し各国の絵本文化も紹介していく。韓国のフレッシュな絵本文化韓国独自の新鮮な絵本文化にも注目だ。韓国での創作絵本の成り立ちは1980年代後半と比較的遅いものの、他国とは異なるフレッシュでパワフルな魅力に、2000年代から海外で高く評価され注目を集めている。会場では、特集「BIBからみる韓国の絵本」として14人の出品作家の絵本と約100点の原画を展示、日本では目にする機会の少ない韓国の絵本を実際に手に取ることができる。日本ならではのアナログ絵本原画BIB第1回展で瀬川康男の『ふしぎなたけのこ』がグランプリを受賞して以来、これまで多くの日本人受賞者を生み、長く続く絵本文化に根差した力のある作品を生み出し続けている日本。今日、世界的にもデジタルでの原画作品が多い中、日本のほとんどの絵本原画がアナログ技法で制作されていることから、特集「BIBからみる日本の絵本」では15人の出品作家の絵本と約70点の原画を展示する。また、BIB2021で金牌を受賞したしおたにまみこ『たまごのはなし』は、原画の他習作やラフ原稿、制作過程の展示を実施する。アナログ原画ならではの繊細なタッチや色を堪能できる。【詳細】企画展「ブラチスラバ世界絵本原画展 絵本でひらくアジアの扉-日本と韓国のいま」会期:2022年11月12日(土)~12月25日(日)休館日:12月5日(月)※休室日は11月21日(火)開館時間:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)※入場受付は閉館の30分前まで会場:千葉市美術館住所:千葉県千葉市中央区中央3-10-8観覧料:一般 1,000円(700円)、大学生 700円(560円)、小・中学生、高校生無料※障害者手帳所持者とその介護者1名は無料※( )内は前売り、市内在住65歳以上の料金※前売券は千葉市美術館ミュージアムショップ、ローソンチケット(Lコード:32248)、セブンイレブン(セブンチケット)、千葉都市モノレール「千葉みなと駅」「千葉駅」「都賀駅」「千城台駅」の窓口にて11月11日(金)まで販売(11月12日(土)以降は当日券販売)。※ナイトミュージアム割引:金・土曜日の18:00以降は観覧料半額※本展チケットで7階「新収蔵作品展」、5階常設展示室「千葉市美術館コレクション選」も鑑賞できる。■韓国の出品作家イ・ソヨン、イ・ミョンエ、オ・セナ、キム・ジヨン、キム・セジン、クォン・ジョンミン、コ・ジョンスン、サイダ、ジウン、ジャン・ヒョンジョン、ジョン・ミファ、チョ・ミザ、パク・ヒョンミン、ハン・ビョンホ■日本の出品作家あべ弘士、荒井真紀、荒井良二、飯野和好、うえだまこと、きくちちき、しおたにまみこ、スズキコージ、田島征三、たじまゆきひこ、舘野鴻、中島真典、降矢なな、松本大洋、ミロコマチコ【問い合わせ先】千葉市美術館TEL:043-221-2311 (代表)
2022年11月04日食育がテーマの絵本 01お口に入った食べ物がたどる道を楽しく解説『たべもののたび』『たべもののたび』 作:かこさとし(童心社)対象年齢:4歳くらいから「食べものがお口の中に入ったあと、いったいお腹のなかでどんな旅をするのでしょう? 黄色い栄養かばんを持った食べ物たちは、口のトンネル、広い胃袋公園、小腸ジェットコースター、など、子どもの遊び場に見立てた消化器官を経て、どこでどう栄養になり、どう排泄されるのか。その様子を身近な言葉で遊びのように説明しています。見えない体の中に興味を持った小さいお子さんはもちろん、高学年での学習にも役立つはず。ずっと読み継がれている『かこさとしからだの本』シリーズの第2巻。です・ます調の日本語も美しいです」食育がテーマの絵本 02食べ物の音に着目してみよう『おいしい おと』『おいしいおと』 文:三宮 麻由子 絵:ふくしま あきえ(福音館書店)対象年齢:3歳くらいから「幼児期、そろそろおはしを使う子もいるでしょう。ますます食べ物に興味を持つ時期に、ちょっと目を閉じて聞いてみましょう。白ごはん、ワカメ、プチトマトにカボチャ。今お口に入れたものは、どんな音がするかしら? カコッ ホッ カル カル……。ポホッ モワーン ムッチ ムッチ……。ああ、ほんと! 食べ物が口の中で響かせるリアルな音に納得。読み手は少しばかり練習が必要かもしれませんが、愉快な音も子どもたちは大好き! 楽しくなって食欲も湧きやすい。三宮麻由子さんにしか描けない聴覚の世界が素晴らしい作品です」食育がテーマの絵本 03苦手なものを工夫して食べるお話『ぜったいたべないからね』『ぜったいたべないからね』作:ローレン・チャイルド 訳:木坂 涼(フレーベル館)対象年齢:3歳くらいから「野菜どころか、お肉もパンも、何にも食べてくれない、という子もいるでしょう。偏食を無理に直そうとするのはよくないと言われていますが、ちょっとしたきっかけで食べてくれるのなら、それに越したことはありません。まずは、この作品でお試しあれ。こちらの女の子、偏食ぶりは半端ありません! お兄さんも呆れるほどに、ニンジンや豆はもとより、子どもが好きそうなソーセージもバナナも、絶対食べないからね、と言い張るんです。そこで、賢いお兄さんは、とある戦略を思いつきます。さあ、頑固な妹は? そしてこれを読んだお子さんは? 写真と絵のコラージュがユニークで、ウィットに富んだ素敵な作品です」食育がテーマの絵本 04食器と仲良くなれば食欲アップ!?『おさじさん』『おさじさん』 文:松谷 みよ子 絵:東光寺 啓(童心社)対象年齢:0歳くらいから「赤ちゃんに食べさせるのはひと苦労。お口をきっちりすぼめたままだったり、そっぽむかれたり、最後にはスプーンを弾かれたり。そんなときにぜひ! おやまをこえて、のはらをこえて……、姿を現したのは『おさじさん』。可愛いうさぎさんの『ぼく』のところにやってきます。小さい子が、無理なく食に関心を向けられるよう、やさしく、楽しくお話が進んでいきます。作者の言葉は声がけのヒントになるので、ぜひ試してみてはいかがでしょう。もしかしたら、自分も同じものを持っている、と誇らしげに『myおさじ』を見せてくれるかも? 松谷みよ子さんの赤ちゃん向け絵本シリーズ一冊です」食育がテーマの絵本 05食と体の関係について学べる!『はらぺこさん』『はらぺこさん』 作:やぎゅう げんいちろう(福音館書店)対象年齢:5.6歳くらいから「お腹がすいて、ぺっこぺこ! そんな『はらぺこさん』になるときって、どんなとき? たくさん遊んだあとや、おいしい匂いをかいだとき。そうなるとパワーが出なくなったり、気持ちが悪くなることもありますよね。みんなの気持ちに寄り添ったあと、頭の中にある『のう』の仕組みや、体が燃料を必要として動いていることなど、科学的な説明を小さい子向けに砕いて書いてくれています。食欲そそるコロッケや餃子、お友達の笑顔などの写真も織り込んで飽きさせません。いわゆる『おねえさん』ぽくない『おねえさん』や、お料理するお父さんなども、手垢がつかない所以でしょう」食育がテーマの絵本 06食べ物の役割を簡単な言葉で解説『もったいないばあさんの いただきます』『もったいないばあさんのいただきます』 作:真珠 まりこ(講談社)対象年齢:3歳くらいから「絵本界の名物ばあさんといえばこの人です! 『もったいないばあさん』シリーズの『もったいないばあさんのいただきます』は、食べ物を粗末にするといつもの頑固ばあさん口調で、『もったいない』と、子どもたちに戒めてくれる一冊。『じょうぶになるよ』『おおきくそだつよ』『きもちよくすごせるよ』と、ギロリ。ビタミン、タンパク質、ミネラルなど、栄養学の基本となる食べ物の役割を小さい子に簡単な言葉で伝えてくれます。ばあさんに睨まれながらも、その姿にほっこりするのも魅力です」食育がテーマの絵本 07さまざまな種類の野菜を知ることができる『おやおや、おやさい』『おやおや、おやさい』文:石津 ちひろ 絵:山村 浩二(福音館書店)対象年齢:2歳くらいから「『きょうは いよいよ マラソンたいかい』! だれが競争するのかと思いきや、野菜たち。ピーマン、トマト、ニンジン、といったお馴染み野菜だけでなく、ニンニク、パセリ、ラディッシュなどなど、いろいろな種類が登場します。『りっぱな パセリは つっぱしる』。『ラディッシュ だんだん ダッシュする』。それぞれの名称にゴロを合わせて、競技に参加する姿をリズミカルに書き出しているのがとても愉快です。野菜自体の絵もリアルなのにお茶目。さまざまな野菜に親しめ、語彙もどんどん増えるでしょう。さあ、意外や意外? 一等はだれでしょう! 」食育がテーマの絵本 08ダイズを使った食べ物が繰り広げる愉快なお話『ヘルシーせんたい ダイズレンジャー』『ヘルシーせんたい ダイズレンジャー』 作:やぎ たみこ(講談社)対象年齢:3歳くらいから「ここはダイズの畑が広がる『いそふらのくに』。みんな健康に暮らしていた矢先、とつぜん殿様からの変なおふれが!『だいずきんしれい』です。人々は困り果てました。そこでわれらの力をみせてやる! とダイズたちは戦士の姿に変身し、ダイズ由来の食べ物がどんなにおいしいか知らしめようとします。栄養素を時代劇風の戦隊モノ化した、おもしろ絵本。おいしそうな、納豆、きなこ、ユバ、がんもを見るうちに食欲もそそられ、食べ物の名称も豊富に。イソフラボンやプロテインといったちょっと難しい用語も覚えられ、その役目もちゃんと理解できるでしょう。そして、殿様は……? お楽しみです」食育がテーマの絵本 09調理される生き物への感謝が生まれる!『おすしやさんにいらっしゃい! 生きものが食べものになるまで』『おすしやさんにいらっしゃい!生きものが食べものになるまで』 文:おかだ だいすけ 写真:遠藤 宏(岩崎書店)対象年齢:5歳くらいから「お魚好き、お寿司好きにはこれ! 寿司職人による、こだわりの食育写真絵本。自分で魚を釣り、自分でさばき、最後はお寿司にして、さあ召し上がれ! 生き物が食べ物になるまでのプロセスを子どもたちと一緒に楽しく体験します。キンメダイ、アナゴ、イカと、それぞれ生き物としての特徴も説明してくれ、驚きや発見もある展開で、食物連鎖も理解できる内容です。おもしろさがあり、食欲もそそられ、自分が生きていくために、たくさん命をもらっているという大切な学びがあり、さらには感謝の気持ちへと導いてくれます」食育がテーマの絵本 10心躍るカラフルな色使いが魅力的『ボードブック はらぺこあおむし』『はらぺこあおむし』 作:エリック・カール 訳:もりひさし(偕成社)対象年齢:2歳くらいから「赤ちゃんも惹きつけられる、何度読んでも飽きない名作中の名作。心躍るカラフルな色使い。簡単な数の感覚への導入。野菜や果物への興味。掻き立てられる食べることへの意欲。どきどきする仕掛け。はっとするサプライズ。どこをとっても素晴らしい。小さい子が何度も楽しめるよう、ページが痛みにくく、持ち歩ける小型のボードブック版がおすすめですが、少し大きくなったらより色彩が美しい大型版で、子どもにじっくりエリック・カールワールドに浸らせてみてはどうでしょうか」アンヌさんモデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆を手がける。出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動してきた。息子が6歳になるまでに読んで聞かせた本は793冊1202話。現在所持する絵本は約1000冊。
2022年10月19日