沖縄スーパーフード協会沖縄スーパーフード協会は、スーパーフードに関する意識調査を実施、結果を公表している。昨今、人気の高いスーパーフードだが、その認知度に関しては意外な事実が明らかになっている。約7割が食べたことがある「スーパーフードを食べたことがあるか」に対しては、約7割の女性が食べたことがあると回答。しかもその過半数は、週に1回以上とっていると答えており、その関心の高さがうかがえる。具体的なスーパーフードの認識度については、「チアシード」や「アサイー」、「ココナッツオイル」などがよく知られており、沖縄県産の「シークヮーサー」や「さとうきび」に関しては認知度が6%以下という結果に。国産のスーパーフードに対する認知度の低さが明らかになっている。実は国産希望!一方で、「食品を購入する際に国産を意識するか」との問いには、約7割が「意識している」と回答。また、「沖縄県産のスーパーフードが、もし手頃な値段で購入できたら買いたいですか?」との問いには、「興味があるため、購入してみたい」との回答が9割にも上った。沖縄産のスーパーフード沖縄スーパーフード協会では、沖縄産のスーパーフードを使った商品を紹介。「発酵サトウキビファイバー」「シークヮーサーパウダー」「オキナワモズクファイバー」などを販売している。(画像はプレスリリースより)【参考】・【スーパーフードに関する調査結果】 女性の7割以上がスーパーフードを取り入れている一方で、 認知度3.5%しかない“国産”スーパーフードが存在 シークワーサー、さとうきび…約9割が沖縄県産に興味・購入に意欲的
2016年01月15日毎年冬になると流行し、学校や職場などで感染拡大が叫ばれる「インフルエンザ」。重症化すると死にいたることもあり、予防が欠かせない病気だ。ワクチンの予防接種が有効とされているが、接種しても感染することがあると聞く。では、どのような対策が適切なのだろうか。そこで今回は、インフルエンザウイルスの特徴とワクチンの有効性、適切な予防法などについて、順天堂大学大学院 医学研究科感染制御科学講座 山本典生准教授にお聞きした。○インフルエンザと風邪の違いインフルエンザとは、インフルエンザウイルスによって起こる急性感染症の一種で、通常の風邪とは異なる病気のこと。ここで、風邪とインフルエンザの違いからおさらいしてみよう。主な違いは次のとおり。■風邪(普通感冒)病原体: ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスC主な症状: 鼻水、くしゃみ、咳(せき)悪寒: 軽度、極めて短期熱: 37.5度前後合併症: まれ■インフルエンザ病原体: インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB主な症状: 発熱、筋肉痛、関節痛悪寒: 高度熱: 38~40度合併症: 気管支炎、肺炎、脳症高熱などの症状のつらさに加え、合併症リスクが高いこともインフルエンザの怖いところだ。厚生労働省の発表(「平成27年我が国の人口動態」)によると、日本人の死因は、1位「悪性新生物(がん)」、2位「心疾患」に次いで、3位に「肺炎」が入る。高齢者の肺炎は特に深刻な問題とされているが、肺炎には細菌感染(肺炎球菌など)やウイルス感染(インフルエンザウイルスなど)が関与するといわれている。肺炎による死を防ぐという点においても、インフルエンザの予防は重要だ。一般に、"インフルエンザのワクチンを接種すれば大丈夫"と思う人も多いだろう。しかし、ワクチンを打ってもインフルエンザに感染する場合がある。「残念ながら、ワクチンを打っても感染してしまうことはあります。というのも、予防接種は注射によるものなので血液中には抗体が上がってくるのですが、鼻の粘膜などには上がってきません。その点から、感染を防ぐものというよりは、重症化を防ぐものと捉えられています。ただ感染はしたとしても、血液中の抗体によって全身に広がらずに重症化を抑えることができるので、大きな意味があることだと思いますね」。○潜伏期間は検査で「陰性」と出ることもインフルエンザは「学校保健安全施行規則」に定められている伝染病であり、感染が確定すると5日間の出席停止になる。会社の場合は対応がさまざまだが、医師の許可が下りるまでは出勤停止としているところが多いようだ。「例えば高感度の検査キッドを使って検査をすれば、感染後5日を過ぎた場合でもウイルスが検出される可能性はありますし、周りに感染させてしまうリスクはゼロとは言えません。一方で休みが長引くと支障が出ますので、ウイルスの量が少なければ現実的に感染の広がりは防げるだろう、という考えに基づいて5日間と設定されているのでしょう」。なお、インフルエンザをはじめとするウイルス感染症には潜伏期間があるため、その段階で病院に行くと「陰性」で出る可能性も否定はできないという。「潜伏期間はウイルスの増殖が十分でなく、"感染はしつつあっても症状は出ていない"という期間。そのときに検査をすれば、感染していても陰性で出る可能性はあるでしょう。そもそも検査キッドには検出限界値があり、限界値に達していないと検出はできません。ただ通常は、ウイルスの増殖と比例して症状が出ますし、症状が出てから"何かが起きている"と感じて病院に行くと思いますので、感染の場合は陽性で出ることのほうが多いとは思います」。最後に、今年の傾向をお聞きした。「まだ検出報告数が少ないので傾向はつかめませんが、何が起きてもおかしくない状況でしょう。例年にならうと、年明けから注意が必要です。学校の新学期が始まるとともに集団感染が起きて、感染数が伸びてくるのではないかと個人的には思います」。お話を聞いて、インフルエンザはワクチンの予防接種をしていても油断ならないものだと痛感した。厚生労働省では、ワクチン接種のほか、咳エチケット、外出後の手洗い、適度な湿度の保持、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取などを推奨している。少しでも感染リスクを減らすために、ワクチンの予防接種と日常でできる対策との"合わせワザ"でこの冬を元気に乗り切りたいものだ。
2015年11月27日ファイザーはこのほど、「長寿社会ニッポンにおける感染症の潜在リスクと最新対策」と題したセミナーを東京都内で開催。慶応義塾大学医学部 感染症学教室の岩田敏教授が登壇し、ワクチンによる感染症対策などについて講演した。○2025年の医療費は50兆円以上?医学雑誌「Lancet」にて最近発表された研究によると、日本人の健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されずに生活できる期間)は73.4歳(2013年時点)で世界でもトップだという。定年後の人生を積極的に楽しむアクティブシニアが増えてきていることが伺える一方で、超高齢社会に伴う医療費も問題になっている。厚生労働省の試算などによると、2008年時点で34.8兆円だった国民医療費は2025年には52.3兆円まで膨らむと見込まれており、そのうち老人医療費は24.1兆円を占めるとされている。そのため、岩田教授は「超高齢社会における医療費の問題や健康寿命を鑑みると、感染症予防と予防接種の果たす役割が大きいのではないか」と提唱する。感染症を予防する手段の代表例としては、ワクチン接種があげられる。VPD(Vaccine Preventable Diseases: ワクチンで予防できる疾患)は、成人では「インフルエンザ」「肺炎球菌による感染症」「破傷風」などが、小児ではこれらに加え、「結核」「ポリオ」「水痘」「ロタウイルス」などがある。岩田教授は「ワクチンというと『子供が中心』と考えがち。もちろん子供に対してワクチンを打つのはとても大事ですが、大人にも必要なワクチンがあるんです」と力を込めるが、実際は成人の予防接種への意識は高くない現状が伺える。○成人のワクチン接種率は4割同社が7月28日から8月7日にかけて、各都道府県に住む60歳以上の男女150人(合計7,050人)を対象に行った調査によると、成人してからワクチンを接種した経験がある人は2,998人と全体の4割ほどにとどまっていた。そのうち、最も多かったのはインフルエンザワクチン(2,302人)で、その次に多かったのが肺炎球菌感染症(肺炎)ワクチン(1,501人)だった。最多となるインフルエンザワクチンですら、全体の32%ほどしか接種していないこととなり、予防接種への関心率の低さが浮き彫りとなっている。ワクチン接種率の低さの原因として「感染を100%防げない」をあげる人も少なくないだろう。ただ、重症化を防いだり、死亡リスクを低減させたりするなど、一定の臨床効果は示されている。例えば、インフルエンザワクチン接種率と学級閉鎖日数の相関を見ると、ワクチン接種率が高いほど学級閉鎖日数が少ないなどの結果も得られており、「一定の接種率を確保すると、学校などでの集団生活の中でインフルエンザが流行するというのは、ある程度抑えられます」。ただ、今年は従来よりも対応ウイルスの種類を増やしたワクチンに切り替えられている。これまではA型2種とB型1種だったが、新たにB型をもう1種増やして4種類に対応するように変更。そのため、ワクチン接種費用が高くなる傾向が見られている。岩田教授はワクチン接種に係る料金値上がりに伴う接種率の低下も懸念しつつも、「接種が重要」との見解を示した。○インフル流行時は肺炎球菌のワクチンもインフルエンザ以上に接種率が低い肺炎球菌に関しても、岩田教授はその重要性を指摘している。免疫機能が未発達の5歳未満や機能が低下してくる高齢者(65歳以上)が肺炎球菌による感染症になりやすい。日常生活で発症する肺炎である「市中肺炎」に罹患(りかん)すると死亡リスクが上昇するなど、日常生活に多大な影響を及ぼすことがわかっている。市中肺炎の入院患者の原因微生物を見ると、肺炎球菌が全体の4分の1を占めたという報告があるほか、インフルエンザ流行時に検出された肺炎の原因となった細菌は肺炎球菌が多いというデータもある。「インフルエンザが流行したときは肺炎球菌を起こしやすくなるので、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを一緒に受けておいたほうが予防としてはいいということになります」。肺炎球菌ワクチンの定期接種は2014年10月から開始されており、2018年度までは該当する年度に65歳、70歳、75歳などのように「5歳の倍数となる高齢者」などが対象となっている。また、乳幼児や高齢者だけではなく、喫煙者や糖尿病、心疾患、呼吸器疾患などを患っている人も肺炎球菌感染症のリスクが高くなる。来る11月12日は「世界肺炎デー」。これを機に、肺炎球菌について詳しく知ろうとしてみるのもいいだろう。○医療従事者と患者間で予防接種の会話増を最後に岩田教授はワクチンが導入・普及されて日本では確実に病気の数が減ってきているとしたうえで、その接種率を高く保ち続けることが大切になってくると指摘。そのために、「医療関係者と患者さんの間で予防接種に関する会話が多くなることが重要」だとした。これからインフルエンザが本格的に流行する時期になる。岩田教授によると、健康な成人におけるインフルエンザワクチンの有効性は約7割だという。1回あたりの接種金額が500円~1,000円ほど値上がりしている病院もあるようだが、ワクチンを接種して自分の体を賢く守るよう、努めるに越したことはないと言えそうだ。
2015年11月02日朝晩が寒くなり、乾燥が気になってきました。これから冬にかけて流行してくる感染症として、インフルエンザやノロウイルスなどがあります。東京都感染症情報センターによると、すでにインフルエンザとみられる症状で学級閉鎖になった都内の小学校もあるとのことで、これからの季節、流行が心配されます。また、ひどい吐き気や下痢といった、つらい症状を引き起こす、ノロウイルス。家族間で感染しやすく、肉体的ダメージが多いこともあり、私のママ友の間でも「子どもにかかってほしくない感染症」で上位にランクインしています。免疫力の弱い小さいお子さんを持つママは、特に心配ですよね。そんな感染症の予防法はというと、まずは「手洗い・うがい」です。しかし、ちゃんとした手洗い・うがいってできていますか?親指も忘れずに! 正しい手洗いの方法まずは正しい手洗いの仕方から。1.水で簡単に汚れを落とした後、石けんをつけます。2.泡立てた石けんで、手のひら・手の甲・指の間を洗います。3.次は爪を洗いましょう。手のひらに爪を立てるようにしてこすり洗います。ここで、ポイント! 手のひらのしわや溝の部分にこすりつけ、汚れをかき落とすようにすると、さらに効果的です。4.忘れがちなのが、親指です。特に、親指と人差し指の間には汚れやばい菌がたまりやすいので、しっかり汚れを落としましょう。親指を握るようにして洗うときれいになります。指しゃぶりなどが多い小さなお子さんは、特に気をつけて洗ってあげてくださいね。5.最後に手首まで洗っておしまい。水で流しましょう。 実はこのようにしっかり洗おうとすると20~30秒くらいかかります。お子さんが飽きてしまわないように、横についてあげて、一緒に歌を歌いながら洗うと、時間が経つのも早くておすすめですよ! たとえば「チューリップ」の歌の1番を歌うと、20秒ちょっとかかります。そのほか、幼稚園や保育園では、正しい手洗いを歌で教えているところもあります。楽しく歌うことで、正しい手洗いが習慣になるといいですね。小さな子供は「ぶくぶくぺっ」の練習から、正しいうがいの方法まずは、口をゆすぎます。そして口の中をきれいにしてからうがいをするのが、正しい方法です。小さいお子さんも、まずは「クチュクチュうがい」から始めてみましょう。水を口に含んで、「ぶくぶくぺっ」の練習です。それに慣れてきたら、水を口に含んだまま顔を少し上に向けて「あー」と声を出す練習をしてみましょう。これで「ガラガラうがい」ができるようになります。横で数を数えてあげたりすると、「何秒できた!」という達成感があってお子さんも嬉しいかもしれませんね。感染症を防ぐには、とにかく「手洗い・うがい」が大切です。しっかりした手洗い・うがいでこれからの季節を元気に過ごしましょう。(あい)
2015年11月01日ココナッツオイル認知は約6割最近話題のヘルシーフードといえば、ココナッツだろう。8月24日にココウェルが発表した生活者実態調査によると、ココナッツの認知度は約8割にものぼり、「ブーム」から「定着」へ移行した感がある。特に注目されているのがココナッツオイルで、栄養化の高さはもちろん、認知症予防にも効果があるといわれ、約6割の人が認知していることがわかった。「食べ方がわからない」も根強く人気の一方で、ココナッツを購入したくないという人も根強く、その理由としては「食べ方、調理方法がわからない」が圧倒的に多かった。ココナッツオイルの食べ方については、1位「トーストしたパンに塗って」の他、同率2位「炒め油として」、「デザートに入れて」、同率3位「カレーに使う」、「コーヒー・紅茶に入れて」など、普段の食生活に“チョイ足し”をして利用していることが判明。また、食用としてでなく、スキンケアとして使う人も多く、ココナッツオイル利用者の約4割が「肌に使ったことがある」と回答した。ウォーターは熱中症対策に高い効果その他、ココナッツウォーターは熱中症対策に高い効果があるとされ、近年猛暑の続く日本でも注目の的に。さらに、ココナッツシュガーにも関心が集まっており、低GI食品として糖尿病患者の食生活の助けになるのではと期待されている。(画像はプレスリリースより)【参考】・ココウェル プレスリリース(Value Press!)
2015年08月27日Alzheimer’s Disease Internationalは8月25日、2050年の認知症患者予想数などに関してまとめた「The World Alzheimer Report 2015」を明らかにした。同レポートによると、全世界には現在4,680万人の認知症患者がいるが、2030年には7,470万人にまで達し、2050年には現在の2.8倍となる1億3,150万人にまで増加すると予想されている。患者の増加数も深刻となっており、毎年990万人以上の新たな認知症患者が誕生していると推定されている。これは3.2秒ごとに1人の患者が増えている計算となる。認知症の治療などにかかる費用も増加の一途をたどっている。2015年は、2010年比で35%も多い8,180億ドルが認知症対策費用に充てられているが、2018年には1兆ドルに達すると見込まれている。同リポートによると、この数字はApple(7,420億ドル)やGoogle(3,680億円)の市場価値を上回るという。また、患者の多くが低・中所得国在住ということも報告されている。現在、世界の認知症患者の58%が低・中所得国に住んでいると見積もられているが、2050年には68%にまで上昇すると予想されている。なお、詳細はAlzheimer’s Disease Internationalのホームページにて確認できる(原文は英語)。
2015年08月25日新潟大学は8月20日、若年性認知症の原因疾患である「HDLS」の診断基準案を策定したと発表した。同成果は同大学脳研究所神経内科の今野卓哉 医師、西澤正豊 教授、同遺伝子機能解析学分野の池内健 教授らの研究グループと厚生労働省の共同研究によるもので、第56回日本神経学会学術大会で発表した。HDLSは65歳未満で発症する認知症である若年性認知症の原因疾患の1つで、大脳白質が病変の主座となる。HDLSを診断するためには、病理組織学的な検索が必要とされ、診断が困難だった。2012年に原因遺伝子が発見されてからは遺伝子解析による診断が可能となったが、大脳白質が侵される白質脳症の原因疾患は多岐におよび、実地臨床における鑑別診断はなおも難しい現状がある。そのため、数ある白質脳症の中からHDLSの可能性を見出し、効率よく遺伝子診断につなげるためには、HDLSの臨床的特徴を反映した臨床診断基準が必要となる。今回、研究班でこれまでに解析した変位陽性22家系24症例と、文献検索によって得られた変位陽性50家系77症例の臨床像を解析し、HDLSの臨床像と画像所見の特徴を系統的に抽出した。その結果、発症年齢は43±7歳、死亡年齢は52±9歳、死亡までの罹患期間は5±3年と、比較的若年発症で進行が速く、初発症状は認知機能障害が最も多く、次いで精神症状、運動症状の頻度が高いことがわかった。また、頭部画像では白質病変のパターンや脳梁の菲薄化、脳内石灰化病変などの特徴が見られ、これらの特徴に基づき、definite、probable、possibleの判定基準を持つ、臨床診断基準案を作成した。同案を用いると、変位陽性例を95%以上の感度でpossible以上と診断でき、ほかの白質脳症との鑑別においては、解析に用いた変位陰性白質脳症53症例のうち42%を鑑別することができたことなどから、同案はHDLSの臨床診断に十分寄与しうると考えられるという。
2015年08月21日生活の中にはやるべきことの優先順位があります。仕事の中で、または家庭の中でやるべきことに順位をつけて日々こなしていく。その中で、「運動」はあなたの優先順位のどの位置にあるでしょうか? ランニングやウォーキングをしようと思いながら、日々の忙しさや疲れ、面倒くささに負けてしまい、運動の優先順位を下げている方が多いかもしれません。そう、アラフォー世代の女性たちが継続できないのが、ジム通いやランニングなどの運動、いわゆる「有酸素運動」です。実はこの有酸素運動こそが、あなたが将来、認知症になることを食い止めてくれる、とても重要なテーマであることをご存じでしょうか。脳機能を専門とする研究者として、声を大にして伝えたい! 「運動は、人生において “必須科目” である」と。自由にしたいことを選ぶ「選択科目」ではありません。今、始めなければ、今、習慣にしなくてはいけない「理由」があるのです。では、わかりやすくご紹介していきましょう。「運動」と「認知症」との関係性運動といってもここでお伝えするのは有酸素的な運動です。有酸素運動とは、“運動能力を評価する「最大酸素摂取量」の60%~75%の運動を30分以上行う運動” のこと。年齢によって多少異なりますが、アラフォーの場合は心拍数が130前後となる程度の運動、となります。 この有酸素運動を日常的に行うことによって、脳に2つの効果があるとされています。まず、記憶に関わる脳の部分「海馬」の萎縮が防止されること。もうひとつは、有酸素運動によって「脳由来神経栄養因子(BDNF)」という、脳の神経の再生を促すタンパク質が増加するということです。そしてこの2つの効果が認知機能の低下を防ぎ、記憶力の向上が期待できるのです。わたしはこの話を尊敬する恩師、半場道子先生(現在 福島県立医科大学医学部)に伺い、そのまま走って家に帰ったほど刺激を受けました。ストレッチやヨガではだめなの?さて、すぐにでも運動を始めたくなるこんな研究結果があります。認知症ではない健康で高齢な男女を2群に分け、1つのグループには、「週3回のストレッチを中心としたヨガ」を継続し、もう1グループには「週3回の有酸素運動(歩行40分)」を継続。1年後に海馬の体積、BDNFの量を測定したところ、有酸素運動を続けていたグループが、ストレッチ・ヨガグループと比較して海馬が増加しており、BDNFの量も増加していたのです。左右の海馬の体積とBDNF量は正の相関を示しており、これは海馬体積が大きければBDNF量も多いということを意味しています。海馬体積、BDNF量の上昇とともに、記憶力テストの結果も増加した、という結果となりました。近年の脳科学では、「脳は思ったよりも再生し、新しい細胞が増える」ということがわかってきました。もちろんストレッチやヨガは心身をリラックスさせ、継続して行うことで様々な利点を得られます。しかし、活性物質を全身に送り届けるためには、ある程度の運動強度を30分以上継続して行うことが重要なようです。将来、あなたが「認知症」にならないために…年齢とともに海馬体積が減少し、そして記憶が衰えるということは自然の現象です。有酸素運動を継続することによってそれを少しでもくい止め、生活の質を維持することができるなら、有酸素運動運動は人生における必須科目とするしかありません。毎日、歯を磨くことや洗顔後に化粧水をつけることは習慣になっています。それと同じように、意気込む必要もなく、ただ淡々と運動をしていきましょう。運動を日々の習慣にしてしまえばよいだけなのです。「もう帰るのですか?」「この仕事、終わらせてよ」と言う人が、将来あなたの認知症の介護をしてくれるでしょうか。また、少しだけ掃除や洗濯を怠ったとしても大丈夫。運動による脳神経の再生にはかえられません。大切な家族のためにも、自分が心身ともに元気な姿でいられること。これがとても重要です。人生の必須科目「有酸素運動」の単位を落としてはいけません。有酸素運動をして気分もリフレッシュしてから、終わらせるべき仕事に着手する。疲れたまま仕事を続けるよりも、断然はかどることでしょう。さあ今日は “歩きやすくてかっこ良い、心踊るスニーカー” を買いに出かけてみませんか?
2015年08月18日東京都福祉保健局はこのほど、海外旅行における感染症の注意点などをまとめた「海外旅行者・帰国者のための感染症予防ガイド」を同局のホームページにて公開した。エボラ出血熱をはじめとする国内未確認症例を含め、海外にはさまざまな感染症が存在する。そこで、海外旅行者が増えると見込まれる夏休みシーズンを前に、海外旅行における感染症の注意点などをコンパクトにまとめたガイドを東京都が作成した。「海外旅行者・帰国者のための感染症予防ガイド」には、感染症予防のポイントや帰国後の健康状態をチェックできる独自の体調管理シートなど、すぐに活用できる情報が一目でわかるようになっている。例えば、旅行前に行う準備として、旅行先の感染症情報の収集方法や、必要な予防接種と受けられる医療機関の探し方が記されている。旅行中に気をつけるポイントとしては、「手洗いが基本」「生水や氷、カットフルーツ、サラダに用心すべき」「はだしでの水遊びは禁物」などが挙げられている。また、海外旅行から帰国した後に「発熱」「下痢」「皮膚の異常」などの症状が出た場合、どのような状態が続けば医療機関を受診すべきかもまとめられている。同ガイドは7月17日より、都内のパスポートセンター4カ所(有楽町、新宿、池袋、立川)において、無償で配布する予定。なお、東京都福祉保健局のホームページからも自由にダウンロード可能となっている。
2015年07月13日カリフォルニア プルーン協会はこのほど、カナダ・モントリオールで開催された「骨粗しょう症の栄養学的側面に関する国際シンポジウム」において、プルーンの有益性を示唆する2件の研究が報告されたと発表した。同シンポジウムにおいて、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の内科教授のバーナード・ハロラン博士は、プルーンの摂取と骨量増加の関連性について発表。マウスの食餌にプルーンを取り入れると、幼体期と成長期のマウスだけではなく、若年成体と成体のマウスでも、骨量増加を助ける可能性があることがわかったという。この結果を受け、ハロラン博士は「プルーンが生涯の早い時期から骨の健康をサポートし、もしかしたらわれわれの加齢に伴う骨関係の問題への有効な対策になりうる可能性が示唆されます」とコメントした。ポスターセッションでは、サンディエゴ州立大学運動栄養科学科の研究員・助教授のシリン・フーシュマンド博士が閉経後の女性を対象とした新しい研究結果を発表した。これまでの研究では、閉経後の女性が1年間にわたってプルーン1日100グラム(2サービング相当、約10~12個)を摂取すると、骨密度(BMD)が増加し骨代謝回転指標が改善されるという関係が明らかになっていた。同博士は今回、プルーンの摂取量を50グラム(1サービング相当、約5~6個)に減らした場合の有用性について研究したという。その結果、骨の健康改善と骨量減少の進行抑制に対しては、1サービングのプルーンでも有効かもしれないということがわかった。同博士は「風味豊かなドライフルーツで手軽な軽食でもあるプルーンが、骨量減少の予防に役立つ可能性があるのです」と研究の成果を語った。骨粗しょう症治療用の処方せん薬は進歩しているが、長期的有用性などの問題も多い。今回の研究結果を受けて、同協会は「プルーンは手軽でコストパフォーマンスの高い軽食および食材としてさらなる研究に値する」と期待を寄せている。
2015年06月22日アニコム損害保険は7月5日、アニコム予防講習会「家族みんなでSTOP熱中症IN渋谷」を開催する。同社によると、暑さが本格化するこれからの季節に気を付けたいのが犬の熱中症であるという。特に梅雨明け直後は、体が暑さに慣れていないため、熱中症の発生件数が増える傾向にある。講習会では、テレビのニュース番組などでも活躍している気象予報士で獣医師の鈴木 勝博先生が、天気予報を正しく理解し、愛犬を熱中症から守るコツを解説する。また、獣医師の小川篤志先生による講習「熱中症知っておきたい10のこと」も行う。会場はTKP渋谷カンファレンスセンターホール7A。時間は14:00~16:00。参加費は無料。アニコム損保の契約者以外でも参加できる。事前に申込みが必要で、フォームから参加申込を受け付けている。詳細はアニコム損害保険公式サイトまで。なお、当日は動物の同伴は不可。(画像と本文は関係ありません)
2015年06月19日夏は、熱中症や夏バテで体調を崩しがち。でも、それだけでなく感染症にも注意が必要だというのをご存知ですか?感染症と言えば、インフルエンザなど冬のイメージ。ところが、夏に流行る感染症もあるので油断は禁物です。そこで今回は、医師の佐藤留美先生に夏に気をつけるべき感染症について聞いてみました。「夏にとくに注意したいのは、子どもがかかる感染症。咽頭結膜熱(プール熱)、手足口病、ヘルパンギーナなどがあります」佐藤先生は7歳の男の子のママ。あまりなじみのない病名が挙げられましたが、これらは珍しいものではなく、子どもを持つママは知っておいたほうがいいものだそう。「どの病気も高熱が出るのが共通する症状です。さらに、咽頭結膜熱(プール熱)では、ノドや目が充血したり、ヘルパンギーナではノドの奥の扁桃に小さいプツプツができて腫れたりします。手足口病は手や足、口の周りに水泡ができたりもします」咽頭結膜熱(プール熱)は、だいたい3~5日ぐらいで熱も下がり、症状は落ち着くと言いますが、手足口病やヘルパンギーナといった病気の原因となるウイルスは、夏から秋にかけて流行します。エンテロウイルス、エコーウイルス、コクサッキーウイルスといった聞きなれない名称ですが、実はこのウイルスは、こういった手足口病やヘルパンギーナといった病気を引き起こすのではなく、髄膜炎を引き起こすウイルスなのです。さらに、エンテロウイルスは「便」として排出されて、口の中に発疹ができるので、非常に痛がり水分が取れず脱水症状になる可能性も。そのため、熱が下がらなかったり、頭痛や嘔気・嘔吐などの症状があるときは、早めに医師の診察を受けられてください。「髄膜炎を合併したりすると、即入院して、安静、点滴などの治療が必要」とのことなので、怖いですね。夏の感染症や夏風邪にかからないために大切なのは、冬と同様予防をすることです。ただし、インフルエンザのようなワクチンはないそう。そこで、佐藤先生は、「手洗い、うがいは冬のイメージですが、夏も大切です」と言い、ご自身が実行するのはもちろん、息子さんにも徹底されているとか。さらに、「睡眠や栄養を十分にとり、抵抗力をつけることや、二酸化塩素を主成分とする除菌剤など除菌グッズを使って、手やよく手の触れる所などの除菌、空間除菌をすることが大切」とアドバイスをいただきました。これらは子どもがかかる感染症ですが、実は子どもから大人に感染することもあるので、大人も注意が必要だそう。また、感染すると大人のほうが重症化するケースが多いそうなので、特に気をつけたいですね。まだ子どもがいなくても、甥っこや姪っこ、女友達の子どもなど、小さな子どもに接する機会は意外にあるものです。そんなときは、手洗いやうがいなどを意識的にして、注意を払いましょう。冬は、ウイルス対策をして、インフルエンザなどの感染症を予防している人は多いはず。けれども、夏でも感染症に注意する必要があるというのは、いつかママになる日のためにも知っておきたいですね。もちろん、手洗い、うがい、空間などの除菌といった予防対策についても、今からしっかり覚えて、意識的に実行しておきましょう。<佐藤 留美先生プロフィール>2002年医師免許取得、2012年医学博士号(甲)取得。現在は、呼吸器内科にて常勤医。日本内科学会認定内科医、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医、インフェクションコントロールドクター、「日本感染症学会感染症専門医、日本化学療法学会化学療法認定医・指導医、日本結核病学会抗酸菌認定医・指導医、肺がんCT検診認定医」。Doctors Meにて、女性の健康や美容などについての記事を執筆中。二酸化塩素を使用した除菌剤「クレベリン」製品ページは こちら
2015年06月15日風邪の予防や対策のために、マスクをして寝るという方は少なくありません。しかし「マスクをしたまま寝るのって本当に大丈夫なのかな?」と体への負担が気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。寝るときのマスクって睡眠にはOK?風邪の主な感染経路は、鼻や口を通してウイルスが体内に入リ込むことです。そのため、それらの部分をガードしてくれるマスクは、風邪予防に効果的な方法として考えられています。そして、問題の「寝るときにマスクをしていてもよいか」という点ですが、結論からいうと、就寝時は鼻やのどが乾燥しやすいので、それを防ぐうえでとても効果的だそうです。鼻やのどが乾燥してしまうと、免疫力が低下し、ウイルスの繁殖が増長されてしまうからです。ただし、息苦しさを感じるのであれば、睡眠が妨げられてしまうので、注意が必要です。もし、寝ている最中にマスクが原因で目が覚めるようでしたら、マスクのサイズを変えるか使用をやめるようにしてください。夏風邪と冬の風邪は違うので要注意!風邪の予防にマスクは効果的ですが、「夏風邪」については注意が必要です。夏風邪とは、単に夏にひく風邪ではなく、夏風邪特有のエンテロ(腸)ウイルスや、アデノ(のど)ウイルスによる感染症のことを指します。これら夏風邪の原因となるウイルスは、湿気が多く、不潔な環境を好むと言われており、就寝時のマスクがかえって逆効果になってしまうケースもあるのです。だからといってマスクをはずしなさいというわけではありません。大事なのは、定期的にマスクを交換し、きちんと清潔な状態に保つこと。ウイルスが好む環境を作らないことです。夏風邪にかかっているときは普段よりもマスクの管理をきちんと行うようにしましょう。より予防効果を上げるには?寝るときにマスクをして、保湿効果を高めることは風邪予防の第一歩です。さらに効果を高めるためにマスクと並行した風邪対策もご紹介します。風邪予防で大切なのは、乾燥をさせないこと。そのためにも加湿器の使用は有効です。もし、加湿器がない場合は水を入れたコップなどを枕元に置くだけでも違うと言われています。加湿による結露が気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は結露が起きるくらいのほうが風邪の予防には適しているのだそうです。このように、適切なマスクの使用は風邪予防に有効であり、他の対処法と組み合わせることでさらなる効果が期待できます。自身の症状に合わせた方法で取り入れてみてはいかがでしょうか。photo by pixabay
2015年06月15日高齢化が進む日本では、認知症になる人の数も相対的に増えています。認知症のなかで最も多いのはアルツハイマー型、二番目に多いのはレビー小体型認知症と言われています。レビー小体型認知症は睡眠障害と似た症状が出ることもあるのだとか……。本当に睡眠障害?睡眠障害だと思っていたら、認知症のひとつである「レビー小体型認知症」だったということがあるそうです。この認知症は、脳のなかに「レビー小体」という特殊なたんぱく質が出現し、視覚情報の処理に影響を与えてしまうというもの。アルツハイマー型に次いで二番目に多いと言われ、具体的には次のような症状が現れます。1.幻視(いないはずの人や虫が見えて、触ろうとして手を伸ばしたり、声をかけたりする)2.筋肉がこわばり、動作がスローになる3.これらの症状に波があるなぜ、レビー小体型認知症が睡眠障害と勘違いされることがあるかというと「レム睡眠行動障害」でも似たような症状が現れるからです。レム睡眠行動障害とは?レム睡眠行動障害の特徴は、簡単に言えば、睡眠中に異常行動を起こすことで、次のような症状があります。・睡眠中に大声で話をしたり、笑ったり、説教をしたりする・睡眠中に手足を動かしたり、字を書くような動作をする・睡眠中にベッドから出て、歩きまわるこれらの異常行動がレビー小体型認知症の症状に似ていることから、レム睡眠行動障害として診断され、本来の病気である認知症になかなか気付けなかったなんてことも起こりえます。また、むずむず脚症候群と呼ばれる睡眠障害も、名前の通りに脚がむずむずして眠れなくなる病気ですが、「脚に虫が這いまわっているようだ」と訴えていた患者が実はレビー小体型認知症だったという例もあるようです。早期発見が重要!レビー小体型認知症は早期発見、早めの治療が大切だと言われています。家族や友人など身近な人で、冒頭にあげた幻視やその他の症状があるという人がいたら、一度医師に診てもらうようにしましょう。現時点では、体内に溜まったレビー小体を完全に取り除くことはできず、レビー小体型認知症を完治する方法も確立されていないそうです。ただ、症状を緩和したり抑制したりする薬はあるので、改善をすることはできると言われています。レム睡眠行動障害やむずむず脚症候群と診断された人も、症状がなかなかよくならなかったり、他にも気になる症状が出てきたりしたときは、早めに医師に相談するようにしましょう。Photo by Wonderlane
2015年05月25日愛知県蒲郡市と愛知学院大学、明治は5月19日、産学官共同でチョコレート摂取による生活習慣病の予防・改善効果を調査した実証研究の最終報告を行なった。日本で初めてとなる大規模な同実証研究により、チョコレートの血圧低下効果や、善玉コレステロール値の増加効果などについて発表した。○産学官共同取り組んだチョコレート摂取の実証研究今回の「チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究」は、愛知県蒲郡市が策定してる「蒲郡市ヘルスケア計画」に基づく取り組みとして、愛知学院大学、明治と共同で行なったもの。平成26年3月からスタートしたこの実証研究は、昨年11月24日に中間報告が行なわれ、この日「最終報告書」が発表された。研究は蒲郡市内外の45~69歳までの男女347人が、4週間カカオポリフェノールを多く含むチョコレートを毎日一定量摂取し、摂取前後の血圧や血液成分などの体の状態の変化を検証するというもの。チョコレートを用いた実証研究としては、日本初の大規模なものとなる。中間報告ではチョコレートの摂取前後で「血圧の低下」「HDLコレステロール(善玉)の上昇」などの結果が報告された。血圧については、高血圧の人の方が、正常な血圧の人よりも血圧が低下するという。これらの報告により、カカオポリフェノールが血圧を低下させ、善玉コレステロール値の上昇により動脈硬化の予防にもつながる可能性が示唆された。そして今回、これらの中間報告の結果に加え、さらにふたつの研究結果が新たに発表された。○うつ病、アルツハイマー型認知症などへの関連性今回新たに報告されたのは、学習や記憶など認知機能を促進させる脳にとって重要な栄養成分「BDNF(脳由来神経栄養因子)」が、チョコレートの摂取後に上昇していること。血清中のBDNF濃度が摂取前は6.07ng/mlであったのに対し、摂取後は7.39ng/mlと有意に上昇が認められた(p値=0.005)。BDNFは脳の中で記憶形成を司る海馬に多く存在することが確認されている。このBDNFは加齢とともに減少し、これまでは運動によって上昇するとされていたが、今回の研究報告により、抗酸化物質(本研究ではカカオポリフェノール)を含むチョコレートを摂取することでBDNFを上昇させる可能性が報告された。これまで、うつ病やアルツハイマー型認知症においては、脳内BDNFの減少が報告されている。大澤教授は、「BDNFを摂取することで、認知機能が改善されるとする研究報告は多数なされている。チョコレートを摂取することでBDNFを上昇させ、認知機能の問題を予防できる可能性がある」と話し、チョコレートを摂取することにより、これらの疾患を予防できる可能性が示された。○新たな動脈硬化の予防効果も中間報告では HDLコレステロール(善玉)の上昇により動脈硬化を予防できる可能性が見出されたが、さらに動脈硬化の検査に使われる炎症指標(hs-CRP)と酸化ストレス指標(8-OHdG)の値が低下することも確認され最終報告で明らかにされた。これは、被験者のうちこれらの数値が高かった上位1/4の人を対象にチョコレート摂取の前後を比較したものだ。「世の中にはさまざまな抗酸化物質があるが、カカオポリフェノールは抗酸化性に加え、血流の増加効果も期待できる」(大澤教授)と、カカオポリフェノールがHDLコレステロール(善玉)の上昇による「血流改善」に加え、炎症を起こりにくくする「血管内皮機能改善」により、動脈硬化を予防できるのではないかとみられている。今回の大規模な実証研究で、チョコレートの機能性について知られざる部分が数多く明らかにされた。今後さらに研究が進められるが、大澤教授は「健康においてはチョコレートにはネガティブなイメージがあるが、決してそんなことはない」と話し、1日に約25g程度、カカオポリフェノールが70%以上のダークチョコレートを食べることを勧めた。
2015年05月22日これから夏本番。この時期絶対に欠かせないのが熱中症対策ですよね。熱中症対策の基本である水分補給は徹底しておきたいところですが、お茶や水だと「飲みたい」と思わなくなり、結果的に水分が足りなくなってしまうことに。熱中症対策を続けるためには「おいしさ」がとても重要。おいしいものなら無理なく続けることができます。「熱中症対策をしないといけない」という義務的な気持ちもなくなり、気軽に熱中症対策に取り組めるはずです。■旬の果物でおいしく無理なく熱中症対策できる熱中症対策に不可欠なのは、水分と塩分。これに旬の果物をプラスすることで、自然においしい熱中症対策ができるのです。タイには「ローイゲーオ」という、塩と砂糖で下味をつけた果物に、シロップを掛けて氷を加えて食べるスイーツがあります。タイの年間平均気温は29度。暑い日は40度以上にもなるため、年間を通して熱中症対策が必要な地域と言えます。■素材本来の甘みを出す塩の量は、フルーツによって異なるローイゲーオがタイで愛されているのは、果物本来の甘み、そしてお母さんの知恵と愛情がいっぱい詰まっているから。水分や塩分、使用する果物などはそれぞれの家庭によって分量が異なるので、各家庭で味がちがうのもローイゲーオの魅力です。「タイ版おふくろの味」というわけですね。タイのお母さんは、使うフルーツによって塩をまぶして寝かせる時間を変えているそう。旬のフルーツを選ぶ彼女たちは、フルーツによって引き出されるおいしさが違うことを知っているのです。■日本人に“塩×フルーツ”のおいしさを伝えるために日本人の熱中症対策には、リニューアル発売された『 キリン 世界のKitchenから ソルティライチ 』がピッタリ。“塩×フルーツ”おいしさの秘密は、つぶしたライチに塩をまぶし、今まで以上に時間をかけて寝かせるということ。甘みと香りがさらに引き出された飲料なので、ライチが苦手な人もおいしく摂取できるはず。手摘みの旬のライチやミネラルを含む沖縄海塩を使用するなどのこだわりもあり、後味すっきりな爽やかな味になっています。めまいや顔のほてり、筋肉のけいれんなどの熱中症の症状が出る前に、小まめに水分補給をすることが大切。この夏の熱中症対策は、おいしく楽しく乗り切りましょう。
2015年05月01日大分大学と東芝は4月16日、「認知症のなりやすさ」と身体情報・生活習慣との因果関係を解明する実証研究を開始すると発表した。同研究は今年度から3年間、1000人を対象に実施する予定で、認知症診断に用いられる脳内アミロイドβ蓄積量と認知機能検査情報の「認知症関連データ」に加えて、東芝のリストバンド型生体センサーを用いて日中の活動量、睡眠時間・発汗量、摂食状況などの「生活データ」および、体重、血圧、体温、血糖値などの「身体データ」を継続的に収集する。従来は問診による収集がメインだった「生活データ」をリストバンド型センサーを用いて自動的に収集することで、科学的に生活パターンを捉えることが可能となる。その「生活データ」「身体データ」と「認知症関連データ」の関係性を検証し、「認知症のなりやすさ」と身体情報・生活習慣の因果関係を解明するとともに、認知症の発症予防に向けた取り組みを進めていくという。東芝は、2020年には同研究を通じて確立した認知症予防の知見・ノウハウを活かし、ケアセンターや健康機関に向けた認知症リスクを抑制するサービスの実用化を目指すとしている。
2015年04月16日花粉症シーズンまっただ中。花粉症は体質だからとあきらめがちですが、アレルギーが起きる原因や予防の最新情報はぜひ知っておきたいですよね。4月5日21時から放送されるNHKスペシャル「新アレルギー治療~鍵を握る免疫細胞~」では、最新の花粉症のメカニズムが紹介されます。花粉症をはじめアレルギーに悩まされている人は必見です。実はアレルギーの予防や治療法の発見には、研究の最前線でも苦戦を強いられてきたのだそう。その難しい発見に挑戦し、最近注目されているのが、日本人研究者が発見した「Tレグ」と呼ばれる免疫細胞。体内の「Tレグ」がアレルギーを抑え込むことがわかってきたそうなのです。けれども、現代日本のような衛生的で細菌の少ない環境では、「Tレグ」が増えないということも判明。最近ではアレルギーが急増していますが、その理由と、治療の鍵として研究が進む「Tレグ」について、ぜひ詳しい解説を聞いてみたいですね。また、命の危険の可能性もある食物アレルギーについても、これまでの常識を覆すような結果が発表されます。これまで子どものアレルギーを予防するために、妊娠期の女性や幼児はアレルゲンとなる食品を避けることが常識とされてきました。しかし、これを覆す実験の結果が発表されるのです。一方、皮膚からのアレルゲン侵入に関しては、アレルギーを抑え込む免疫細胞「Tレグ」ではなく、逆に攻撃する免疫細胞が作られ、アレルギー発症の大きな原因になることがわかっているというから、ややこしいですね。花粉症も、皮膚や気道の粘膜からの侵入が原因になっているそうです。番組では分かりやすく説明されているので、要チェックです。最新情報ということで、耳慣れない「Tレグ」といった免疫細胞の名前などが出てきますが、スタジオゲストとして、自身や子どもがアレルギー持ちという、加藤浩次さんと松嶋尚美さんが登場するので、アレルギーに苦しむ視聴者と同じ目線で番組を進めてくれそうです。専門家を交えたアレルギー座談会では、当事者だからこその率直な悩みや疑問をぶつけられ、これまで病院に行っても、なかなか聞くことができなかった悩みが解決できるかもしれません。アレルギーは治らないからとあきらめるのではなく、こういった番組で最新情報を入手して、少しでも快適な毎日が過ごせるようにしたいものです。アレルギーに悩んでいる人はもちろん、身近にアレルギーに苦しんでいる人がいるなら、ぜひチェックしたい番組です。・NHKスペシャル「新アレルギー治療~鍵を握る免疫細胞~」放送日時:2015年4月5日(日) 21:00~21:49(N H K総合) 公式サイト
2015年04月03日スギやヒノキなどの花粉が原因で起こる花粉症。その症状があまりにもひどく、日常生活に支障をきたしている人も少なくないだろう。そこで、マスクやめがねなどの予防グッズと並行して行える、日常生活における花粉症対策を紹介しよう。■風邪をひかない花粉症は、「くしゃみ」「目のかゆみ」など、目と鼻に関する症状が多い。免疫反応と関係の深い粘膜組織を持つことがその理由と考えられているが、花粉症シーズンに風邪をひくと粘膜を保護する上皮が弱くなってしまう。そのために花粉症の症状がひどくなるケースがあることから、いつも以上に体調管理に気をつけよう。■過度の飲酒をしない多量の飲酒は、花粉症の症状である「鼻づまり」を悪化させる可能性がある。花粉症を患っているビジネスマンやOLは、仕事後の一杯はほどほどにするかできる限り避ける方が賢明だ。■たばこを控える風邪同様、粘膜を傷つけることがあるので喫煙も控えたい。これらのことをしっかりと踏まえていれば、いたずらに症状を悪化させずにすむ。風邪は他人からうつされてしまうこともあるが、酒とたばこに関しては自分の意志の問題となってくる部分が大きい。ひどい花粉症に悩まされたくなかったら、まずは自分の生活習慣をしっかりと正すことが必要なのだ。写真と本文は関係ありません
2015年03月11日マイボイスコムはこのほど、花粉症に関する調査結果を発表した。同調査は2月1日~6日、同社のアンケートモニターを対象にインターネット上で実施し、1万2,084名から有効回答を得た。まず「花粉症にかかっているかどうか」を聞いたところ、花粉症経験者は46.0%となり、そのうち現在花粉症の人は34.5%となった。地域別に見ると、関東や中部では花粉症経験者が5割強、現在花粉症の人が4割弱を占めている。一方、北海道では花粉症経験者が2割強と少ない傾向が見られた。次に「花粉症で悩まされる症状」を聞くと、「鼻水が出る」「目がかゆくなる」「くしゃみが出る」「鼻がつまる」の順で多くなった。また、「くしゃみが出る」「鼻をかみすぎて鼻の下が痛い」「のどがかゆい、イガイガする」「頭がぼーっとする」の項目では、女性が男性を10ポイント以上上回る。特に「のどがかゆい、イガイガする」では20ポイント差となった。「花粉症の予防・対処をし始める時期」については、56.8%の人が「3月」と回答。また、北海道では「5月」、東北では「4月」が最多となった。症状が重い人では、「2月」「3月」が6割と多い傾向になっている。続いて「花粉症の予防・対処で利用するもの」は、「マスク」(56.0%)が最も多く、「医師の処方薬、注射」(35.7%)、「市販の目薬」(32.3%)、「市販の飲み薬」(26.2%)が続いた。「マスク」については、女性では7割弱を占めている。また、関東では6割強と多いのに対し、北海道や中国では3~4割にとどまった。最後に「花粉症の症状を軽減するために気をつけていること」を聞いた。自由回答には、「スナック菓子などの添加物ばかり食べないようにする。規則正しい生活をする」(女性・19歳)、「コンタクトの利用時間をなるべく短くする。花粉症の症状に効くと聞いた食材を食べてみる」(女性・35歳)など、食べ物に気をつけているという回答があがった。また、「洗濯するときに、柔軟剤で花粉対策用の物を使用している」(女性・40歳)、「なるべく外出しない。マスクは一日中掛ける。洗濯物は風がおさまってから乾かし、早めに取り込んで部屋干しする」(女性・64歳)など、洗濯方法や干し方に気を配っている人も多いことがわかった。
2015年03月05日なんだか落ち着かない、手に汗をかく、寝付けない、途中で起きてしまう、このような症状に悩まされている方はいませんか? もしかしたら、それは自律神経失調症かもしれません。原因と予防法を探っていきます。自律神経のバランス、乱れていませんか?自律神経のバランスが乱れているかどうか、なんて自分ではサッパリわかりませんよね。まずは自律神経失調症になると、どのような症状が出るのかみていきましょう。不眠や倦怠感、無気力、頭痛、耳鳴り、多汗、口の渇き、目の疲労、立ちくらみ、食欲不振、吐き気、頻尿などさまざまな症状があるようです。ただ、これだけ幅広く症状があると自分が自律神経失調症かどうかの判断は素人にはとても難しいものだと思います。そこで今回は、自律神経の働きと自律神経失調症を予防する方法を紹介していきます!自律神経失調症は未知の病気自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、これらは自分の意志で調整することはできない神経と言われています。交感神経は興奮系の働き、副交感神経はリラックス系の働きを担います。これらがバランスよく働くことで、私たちの体は正常に保たれているのです。このバランスが崩れてしまう一番の理由は、ストレスと考えられています。ただ、自律神経失調症についてはまだ完全に判明していないことも多く、治療法が確立していないとも言われています。そのため私たちは、まずは予防を心がけるべきかもしれません。睡眠時は副交感神経を優位に睡眠時にはリラックス系の副交感神経が優位に働いている必要があります。逆に交感神経が優位な状態だと、興奮したままでなかなか眠りにつくことはできません。副交感神経を優位にする方法はいくつかあります。深呼吸したり、寝る前に照明を暗めにしたり、ストレッチをしたり……。好きな小説を読んだり、静かな音楽を聴きながら入眠するのも良いでしょう。睡眠時間が短かったり、起床・食事の時間がいつもバラバラだと自律神経のバランスが乱れやすいと言われています。副交感神経をコントロールして睡眠時間を確保し、生活リズムを整えていきましょう。Photo by Josh Angehr
2015年03月03日東京都などはこのほど、東京都健康安全研究センターにて「第9回 花粉症予防・治療シンポジウム」を開催。同シンポジウムでは日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部・感覚器科学分野の大久保公裕教授が「花粉症予防と対策及び治療に関する最新の話題」との題で講演し、花粉症治療の現状や展望などについて解説した。○花粉症はどのように発症するのか最初に大久保教授は、スギ花粉症発症のメカニズムについて解説した。花粉(抗原)が体内に侵入してくると、かゆみや炎症を引き起こす化学伝達物質をたくわえている「肥満細胞」に、花粉に対する抗体(IgE抗体)が付着するようになる。花粉との接触を何年も何回も繰り返すうち、IgE抗体が付着した肥満細胞が増加していき、ある一定のレベルに達すると「感作」が成立する。感作はアレルギーを発症する1段階手前とも言える状態だが、この時点でアレルギーを発症する確率は50%以上となる。感作の状態で抗原が再侵入してくると、肥満細胞に付着しているIgE抗体が「抗原抗体反応」と呼ばれる反応を起こす。それに伴ってヒスタミンなどの化学伝達物質がまき散らされることで、くしゃみなどの症状が出るようになる。大久保教授は、スギ花粉症の有病率は1998年に比べて2008年ではほとんどすべての年代で増えていると話す。「有病率は決して高くないのですが、一回かかると治りづらいということがわかります」と、完治がなかなか難しい花粉症のやっかいな性質を指摘した。○花粉を寄せ付けないための簡単な行動そんな花粉症の悩みから抜け出すにはどのようにしたらよいのか。大久保教授は2つの観点から「対花粉症」の解説をしてくれた。抗原の除去と回避2つの「対花粉症」のうちの1つは、日常生活においてなるべく抗原(花粉)を寄せ付けないように努めることだ。特別な施術などをすることなくスギやヒノキの花粉を回避するには、下記のことに取り組むとよいという。■飛散の多いときの外出を控える■飛散の多いときは窓・戸を閉めておく■飛散の多いときは外出時にマスクやめがねを着用する■外出時に毛織物などのコートは避ける■帰宅時は衣服や髪をよく払ってから入室する■帰宅時に洗顔、うがいをして鼻をかむ■掃除を励行する○自ら実施できる舌下免疫療法そしてもう1つの対策方法が、根本的解決を目指す「免疫療法(減感作療法)」だ。免疫療法(減感作療法)対症療法の薬物療法とは異なり、免疫療法は"治癒"が期待できる根治療法だ。小児期に行うと他抗原の感作を抑制し、他のアレルギー疾患の合併を減少させる効果があるとされている。免疫療法の中でも特に近年注目を集めているのが、「舌下免疫療法」(舌下減感作療法)だ。これは抗原のエキス、すなわちスギ花粉症ならばスギ花粉エキスを舌の下側(舌下)に滴下し、一定時間その状態を保ったあとで飲み込むというものだ。注射などによる「皮下免疫療法」よりも全身性の副作用が出るリスクが少ない可能性があるそうで、通院せずに自宅で自ら"治療"できるというメリットもある。実際、スギ花粉による症状が緩和できたという臨床試験例もある。花粉症患者531人はシダトレン(スギ花粉エキス舌下液)とプラセボ(偽薬)のいずれかを、スギ花粉飛散期1年目の約9~20週間前(中央値18.9週間)からスギ花粉飛散期2年目が終わるまでの最長83週間にわたって、1日1回、舌下に滴下。患者はそれを2分間保持した後に飲み込み、その後5分間はうがいと飲食を控えていた。2つのグループの差は、総合鼻症状薬物スコアと総合眼症状薬物スコアで調べた。これらのスコアは症状と薬物併用状況を点数化したもので、スコアが低いほど症状が軽いことを意味している。その結果、シダトレンを舌下に滴下することで、スギ花粉飛散期2年目では、平均4割のアレルギー症状の程度の軽減が確認された。特に花粉飛散のピーク期間で顕著に症状がやわらいだという。そして、治療をやめた後のシーズンも、治療効果が続いている実感を伴っている人が多いこともわかっている。ほかの試験でも、舌下免疫療法によって患者のQOL(生活の質)に改善が見られたという報告もされている。○患者自身の理解力や自己管理能力が必要舌下免疫療法は自ら行うだけに、治療に対する理解や毎日しっかりと投与を行えるだけの自己管理能力も求められる。事実、大久保教授も「(アレルギー症状の原因となる)自分にとっての『異物』を持って帰ってやる治療法なので、それを理解していない人にはできません」とクギを刺す。それでも、自分の努力次第でつらいアレルギー症状をコントロールできるというのであれば、トライしてみる価値はあるといってもよさそうだ。「毎日やる必要のない免疫療法がないか、5~6回注射するだけでスギの反応性を落とせないか、そういったことも考えて免疫療法は続いています」と大久保教授が話すように、免疫療法は日々、新たな可能性を模索している。重度の花粉症に悩みながらも、これまで一度も医療機関を訪れていないという人もいることだろう。そういう人は一度医師と相談してみて、できる限りよいQOLで花粉症シーズンを乗り切るように試してみてはいかがだろうか。
2015年02月18日東京都などはこのほど、東京都健康安全研究センターにて「第9回 花粉症予防・治療シンポジウム」を開催。同シンポジウムでは、日本医科大学大学院医学研究科 眼科学分野の高橋浩教授が「眼科からの花粉症予防と対策」との題で講演し、目のアレルギーや治療薬、花粉症患者の目のケア方法などについて解説した。○花粉症とは季節性アレルギー性結膜炎のことそもそも花粉症とは、スギ花粉やヒノキ花粉などの花粉によって起こるアレルギー疾患のことであり、特にそのアレルギー症状は目と鼻で起こりやすい。目のアレルギーには、即座に反応が出るものに「季節性アレルギー性結膜炎」と「通年性アレルギー性結膜炎」があり、やや時間をおいてから反応が出るものに「アトピー性角結膜炎」「春季カタル」などがある。いわゆる花粉症は、「季節性アレルギー性結膜炎」に該当する。その症状はかゆみや充血、流涙などがあるが、花粉症シーズンにこれらの症状が出ているからといって、自分で季節性アレルギー性結膜炎(花粉症)と決めつけるのは危険だと高橋教授は話す。「花粉症はいろいろなアレルギー性結膜炎の一つにすぎません。(発症の)原因はダニ(による通年性アレルギー性結膜炎)で、それがたまたま時期が(花粉シーズンと)重なっただけかもしれません。これらの(かゆみ、充血などの)症状を見て花粉症と決め付けるのは早いです」。高橋教授によると、季節性アレルギー性結膜炎(花粉症)と同じような症状を呈する結膜炎が他にもあるそうで、その代表的なものが『ウイルス性結膜炎』、いわゆる『はやり目』だという。花粉症だと思い込んで生活していると、周囲に感染させてしまうなど、思わぬ"被害"を与える可能性もある。季節性アレルギー性結膜炎(花粉症)かウイルス性結膜炎かはっきりと判明するまで、注意が必要だと高橋教授は警鐘を鳴らした。○万全の予防策をしても、すべての花粉は防げない少しでも花粉症の症状を和らげるためには、予防やセルフケアが大切だ。■帽子を着用する■めがね、または花粉症用ゴーグル型めがねを着用する■マスクを着用する■スカーフを着用する■髪をまとめる■凹凸のない素材の衣服を着用するこれらの予防策をとるのが好ましいが、高橋教授は花粉による曝露(ばくろ)を100%防ぐことはできないと指摘。どれだけ予防策を講じても、すべての花粉をシャットアウトすることは不可能だと覚えておこう。治療に関しても解説してくれた。眼科では季節性アレルギー性結膜炎(花粉症)の治療には、肥満細胞安定薬と抗ヒスタミン薬を用いるのが通例。それでもどうしてもかゆみが治まらない場合は、ステロイドを使用することもある。肥満細胞安定薬は効果が出るまでに時間がかかるため、「花粉が飛び始めたら点眼するのが良い」と話した。一方の抗ヒスタミン薬は、かゆみへの即効性に優れるのが特徴だ。最近はこの2つの要素を備えたものも多いので、点眼薬選びの参考にするのもいいだろう。○過度の洗眼・点眼がさらなる危険を招く恐れも最後に、高橋教授は季節性アレルギー性結膜炎(花粉症)に悩む人に知っておいてほしいことについても言及した。ドライアイは花粉症を悪化させるアレルギー性結膜炎に負けないくらい患者が多いと言われているドライアイ。ドライアイとアレルギー性結膜炎は似たような症状が出るが、両者は互いに「負の相互作用」がある。すなわち、ドライアイがアレルギー性結膜炎を悪化させ、アレルギー性結膜炎がドライアイを悪化させる。どちらにも該当するという人は注意が必要だろう。過度の洗眼・点眼は危険過度の目洗いは、目を閉じた状態からパッと目を開いた際に目元に現れる「涙の膜」の維持機能を低下させる恐れがある。この涙の膜の維持機能が低下していくと、涙の量は普通でもドライアイの症状が出てくる。「曝露(ばくろ)されてしまった目の花粉を取り除くという考え方は正しいですが、やりすぎはよくないです」。洗う際には防腐剤なしの人口涙液がお薦めだという。同じく過度の点眼にも注意が必要で、使用する点眼薬は防腐剤なしのものがいいとのこと。2weekなどのソフトコンタクトレンズの上から点眼をしないコンタクトレンズはさまざまな成分を吸着する。花粉が吸着されていることもあるし、点眼薬が吸着されていることもある。1dayタイプやハードコンタクトの上から点眼しても大丈夫だが、2weekなどのソフトコンタクトレンズの上から点眼するのは避けるようにしよう。○花粉シーズンを快適に過ごすための努力を花粉症の症状がひどくなると、意識が目や鼻にばかりいってしまい仕事や家事に集中できなかったり、倦怠(けんたい)感やだるさに悩まされたりする。ただ、高橋教授が解説してくれたように、点眼や洗眼など「目のために良いだろう」と花粉症患者が思ってやっていることが、実は自身の目をさらなる危険にさらしている可能性もある。それでは元も子もない。自身の目のケア方法に不安や疑問がある場合は、しっかりと医師に相談した上で、少しでも花粉シーズンに快適に過ごせるよう、努めてもらいたい。
2015年02月05日カリフォルニア くるみ協会はこのほど、カリフォルニア大学が実施した「くるみの摂取と認知機能に関する調査」の結果を明らかにした。同研究は、くるみの摂取と認知機能に関する初の大規模代表分析で、アメリカの全国健康栄養調査(NHANES)のさまざまな調査から利用可能なすべての認知データを取り入れた。今回は20歳以上の成人を対象としている。研究を実施したのは、同学のロサンジェルス校デイヴィッド・ゲフィン医科大学院のレノア・エイラブ博士と共同研究者のアルフォンソ・アング博士。これまでの動物試験によって、一日に無理のない摂取量(13g)で神経保護の効果が示されている。同研究は、マウスモデルのアルツハイマー病の進行抑制、予防といった有益な効果の可能性を含め、認知機能障害の軽減や全体的な脳の健康に対するくるみの効能に関する研究を補強するものとして行った。今回、6種類の認知機能検査を行った結果、くるみ摂取量の多い被験者が有意な好成績を示すことが明らかとなった。年齢や性別、民族を問わず、くるみを摂取した被験者の認知機能(記憶力、集中力、情報処理速度など)が一様に向上。エイラブ博士は「これまでの動物試験の結果が強力に裏付けられることが判明したのは素晴らしいことです」とコメントしている。くるみには、認知機能保護の寄与因子の可能性がある有効成分が豊富に含まれている。さらにくるみは、心臓と脳に対する保健効果を持つ植物性オメガ3脂肪酸である「アルファ・リノレン酸(ALA)」も多く含む。
2015年02月04日冬は風邪や感染症が気になるシーズン。皆さん、どんな対策をしていますか?実は、普段からやっている「あること」を見直すだけでも予防効果が期待できるとか。ウィルス性の病気にかかってしまう理由が分かると、予防もしやすくなると思います。ウィルスが活発な冬は感染対策が必要冬は乾燥する季節。さらに、空気は温めると乾燥するので、暖房をつけている部屋のなかは特に湿度が低くなっています。また、冬はインフルエンザやノロウィルス、ロタウィルスなど、感染症が流行しやすいです。これは、ウィルスが飛散しやすいことや、乾燥していることからノドが炎症を起こしやすく、ウィルスに対する抵抗力がなくなってしまうからです。感染症はマスクや予防接種で対策するのもひとつの手です。でも、人間が持っている免疫力を高めて対策する方法もあります。そのためには、どんなことをすればいいのでしょうか?免疫力を強化するのは睡眠!睡眠は免疫機能を高めて、ウィルスから身体を守るために役立つと言われています。また、ストレスを軽減する作用もあるのだとか。「病は気から」という言葉がありますが、ストレスや不安を抱えていると免疫力が低下してしまうと考えられています。そのため、睡眠を取ればインフルエンザやノロウィルス等の病気にかかりにくくなると言えるでしょう。ただし、睡眠の質が悪いと効果が薄くなってしまいます。J-STAGE(科学技術振興機構)によると、深いノンレム睡眠は免疫力の強化に役立つと言われています。ぐっすり眠ることが感染症対策の予防につながるでしょう。ぐっすり眠って元気な身体をキープしよう誰しもインフルエンザやノロウィルスにはなりたくないもの。乾燥する冬場は感染症の予防が欠かせません。でも、どんな対策をすればいいのかと考えていた方もいると思います。人間の免疫力はさまざまなウィルスをやっつけることができます。その力を最大限に発揮するには睡眠がポイント。免疫力の強化とストレス解消ができるからです。ウィルスに感染しないためには、万全の対策を立てる必要があります。そのなかでも、よい睡眠は効果的な予防のひとつになるはず。できるだけぐっすり眠れるサイクルを作って元気な身体をキープしましょう。Photo by Drew Leavy
2014年12月19日NTTデータはこのほど、レセプト(診療報酬明細書)データ等を活用した糖尿病性腎症重症化予防対策を埼玉県にて開始したことを明らかにした。糖尿病は現在、1,000万人が罹患(りかん)している病気だが、初期は自覚症状が出にくく、医療機関を受診しない人が4割近くいるという。そのまま放置して病状が進むと、目のかすみや手足のしびれ等の症状が出るだけではなく、重症化すると人工透析等のリスクも高まる。人工透析に移行すると週3回(1回当たりの治療時間4~5時間)ほどの頻度で治療をする必要が生じ、QOL(生活の質)が低下する可能性もある。さらに重症化すると、失明や壊疽(えそ)による足の切断などのリスクも高くなる。糖尿病の重症化を予防することは、生活の質を維持するとともに医療費適正化の効果もある。そこで埼玉県下18市町(※1)在住の国民健康保険の被保険者約100万人を対象に、糖尿病性腎症重症化予防対策事業を行う。すでに10月から糖尿病の重症化リスクが高い人を抽出する準備を進めており、今後、医療機関未受診者や治療中断者に対する受診勧奨および通院中の方に対する食事・運動等の生活指導を行う。このように、レセプトデータ等を活用して複数の市町村が共同して実施する糖尿病性腎症重症化予防対策事業は、全国で初となる。※1川越市、所沢市、飯能市、狭山市、羽生市、鴻巣市、上尾市、草加市、朝霞市、志木市、和光市、新座市、八潮市、三郷市、日高市、鳩山町、幸手市、さいたま市の計18市町(入間市は市単独で4月から同様の事業を行っている)。
2014年11月26日不眠症の解消にはさまざまな方法があります。今回は、そのうちの1つである認知行動療法をご紹介したいと思います。これは不眠の原因を理解し、その原因を断ち切るというもの。具体的にはどのような方法があるのでしょうか?不眠症の定義とは?今回は「不眠症の認知行動療法」を取り上げたいと思います。認知行動療法を説明する前に、まずは不眠症についてしっかり学習をしたいと思います。不眠症とはどのような状態のことを指すのでしょうか?この定義は非常に難しいと言われていますが、一般的には次の3つの存在があげられています。1.寝ても回復感がないなど、主観的に睡眠の質が悪い状態2.布団に入っていても眠れない状態が長く続く3.日中に眠くなる、または機能低下などがある当てはまるものはありましたか?悪循環を断ち切る不眠は以下の4つの機能が相互に作用している問題と考えられています。1.生理:交感神経系の亢進2.情動:布団に入るだけでネガティブな気持ちになる3.認知:今日も眠れないかもしれないと不安になる4.行動:不眠を解消するためにさまざまな試みをする1の交感神経の亢進は、多忙や体調不良など、ちょっとしたことで簡単に起こると言われています。それをきっかけに眠れなくなり、不眠を解消しようと焦っていろいろと行動を起こして、また眠れないと不安になるという悪循環に入ることがある、ということですね。この悪循環を断ち切ることが不眠の解消につながると考えられています。認知行動療法の紹介不眠症の認知行動療法にはさまざまな方法がありますが、そのいくつかをご紹介したいと思います。・睡眠制限法布団に入ったらすぐに眠れるように、あえて就寝時間を遅らせる。それによって睡眠効率をアップさせる。・刺激統制法寝室=睡眠のためのスペースと意識するため、寝るとき以外は寝室を使わないようにします。・リラクセーション呼吸法などのリラックスできる方法を日頃から練習・習得し、寝る前にも行うように習慣化します。ほかにもさまざまな方法があるようなので、気になる方は一度調べてみるとよいかもしれません。Photo by Rory MacLeod
2014年11月16日睡眠障害にはさまざまなタイプがあるため、それだけ多種多様な悩みが存在すると言えます。認知症との併発もまさにその1つかもしれません。今回は、認知症と睡眠障害の関係、またその対応について考えてみたいと思います。認知症と睡眠障害の関係認知症と睡眠障害には深い関連性があると言われています。それはデータにも表れていて、じつに認知症患者の約7割が何らかの睡眠障害に悩んでいるというものです。認知症患者の睡眠障害(夜間頻尿や昼夜逆転)は介護をする側の負担を激増させるので、介護破綻につながる可能性があると考えられています。今後、日本は高齢化社会へ突入していき、在宅介護がますます増えていくことが予想されるので、これは他人事ではない深刻な問題と言えるかもしれません。とは言っても、なかなか専門知識のない一般人には睡眠障害の対処法はわからないものです。何か良い方法はないのでしょうか?自宅でできるケア独立行政法人国立長寿医療研究センターは、すぐにできるケアとして次のような項目をあげています。・楽しめる活動やレクリエーションを活用する・つねに規則正しい就寝・起床時刻を保つ・有酸素運動を取り入れる(16時前が理想)・ベッド上で読書やテレビを見るなどの生活をしない・就寝3時間前は、食事・カフェイン摂取・喫煙をやめる・眠れない場合は一度起きて、眠くなってから再度ベッドに入る・温めた牛乳やバナナなどの軽食を摂る・日中は、なるべく日光を浴びるようにする・昼寝を制限する(寝すぎない)どれもやろうと思えば、すぐにできそうなものばかりですよね。カフェインの効果的な使い方上記の項目にあるカフェインは摂取の方法によっては、昼寝後の覚醒レベルを高めるなどの効果があります。具体的には、お茶やコーヒーなどカフェインの入ったものを飲むと30分後ぐらいを目安にカフェインの血中濃度が上がるため、覚醒しやすくなるのだそうです。つまり、夜眠る前にカフェイン入りの飲料を摂取してしまうと目が覚めてしまって逆効果ですが、昼寝などパッと短時間寝て、パッと起きるようなときには効果的に活用できる、ということですね。まずは、いろいろと上の項目を試してみて、自分に合った方法を探ってみるというのがよいかもしれません。ただし、それでも改善されない場合は、お医者さんに相談するようにしましょう。Photo by vic xia
2014年11月13日多くの方が親の介護の不安について語るとき、認知症の発症をあげます。それはまた自分におきかえても同じことです。パートナーや肉親に迷惑をかけたくないという思いから、認知症となることへの恐れを抱く方も少なくないよう。まだまだわからないことが多い認知症ですが、よいとされている睡眠での予防策をご紹介します!なかなか知られていない睡眠と認知症との意外な関係性とは?睡眠時は、成長ホルモンを分泌するなど身体的な回復を図る時間であると同時に、脳の記憶を整理するという働きがあります。まさにこの記憶の整理こそが重要で、きちんと自分が行ってきたことを時系列に引き出しにしまっておくことができるようになるのです。認知症の研究は日進月歩ですが、どういった要因で発症するのかはまだはっきりわかっていません。気になるのは、どんな睡眠の取り方をすれば認知症予防につながるのか? ということですよね。詳しく見ていきましょう。「知っておきたい」認知症予防につながる睡眠の取り方認知症を防ぐための睡眠の取り方にはいくつかポイントがあるようです。まずは、朝しっかりと太陽の光を浴びること。光には体内時計を調整する働きがあります。夜眠くなり、朝目が覚めるというリズムを生み出すために、日光を浴びることを意識しましょう。2つ目は、就寝時間と起床時間を定めること。これは、朝きちんと日光を浴びることにリンクしており、体内のリズムを整える上で重要です。そういう意味で、決まった時間にきちんと三食とることも重要です。ここでのポイントは、朝食をきちんと食べることで1日を活動的に過ごすこと、就寝2時間以上前に夕食をとっておくことです。そして、夕方以降はアルコールやニコチンをとることも控えましょう。最後に、部屋の照明や温度、湿度を管理して、睡眠環境を整えましょう。部屋の温度は16~26度くらいに設定します。暑すぎても、冷えすぎても眠りは阻害されてしまうので注意してくださいね。認知症になった場合、どんな睡眠の悩みを解消する方法があるのか?認知症になると、まずは脳の記憶を管理する部分が障害にさらされるといわれています。その後、さまざまな派生の仕方をし、睡眠と覚醒のリズムが狂うこともあります。不眠症を併発したり、昼夜逆転を引き起こしたりすることがあるのはそのためです。また重度の認知症の場合は、わずか1時間すら連続で眠っていられないこともあるようです。このような認知症の方の場合、介護者の睡眠時間もばらばらになり負担が増加してしまうという問題もあります。このような認知症の症状にも、上記の「認知症予防につながる睡眠の取り方」が有効です。認知症予防につながるような睡眠の取り方は健康にも効果的。心身ともに元気に活動できるように、睡眠を上手に活用してくださいね。Photo by Alba García Aguado
2014年10月31日近年、医学的にも効果が高いと認められてきた、認知症・アルツハイマー病患者への音楽療法。本年度サンダンス国際映画祭ドキュメンタリー部門で「観客賞」を受賞し、全米でも多くの関心を集めた認知症の音楽療法に迫るドキュメンタリー『パーソナル・ソング』の予告編が到着した。かつてIT業界で働いていたソーシャルワーカー、ダン・コーエンは、あるとき、「患者がiPodで、自分の好きな歌(パーソナル・ソング)を聴けば、音楽の記憶とともに何かを思い出すのではないか」ということを思いつく。実験を始めてすぐ、その効果は現れた。長年認知症を患い、見舞いに来た娘の名前も思い出せずふさぎ込んでいる94歳の黒人男性・ヘンリー。だが、昔好きだったキャブ・キャロウェイの音楽を聴いた途端、突然スイッチが入ったように音楽に合わせ、陽気に歌い出したのだ…。現在、全米で500万人、日本でも高齢者の4人に1人、約400万人以上いるとされ、今後も爆発的に増え続けるといわれているアルツハイマー病を始めとする認知症患者たち。新薬の開発が続々と進められているが、いまだ特効薬と呼ばれるものはなく、先進国の間では深刻な社会問題となっている。本作は、ソーシャルワーカー、ダン・コーエンがiPodとヘッドホンを使い、認知症患者に思い入れのある曲を聴かせて、失われた記憶を呼び戻すという実験を3年に渡って追ったドキュメンタリー。制作時に、本編の一部映像をインターネットでアップしたところ、その驚きの映像が反響を呼び、1週間で700万回再生数を突破、CNNでも取り上げられるほど話題となった。米・映画批評サイト「RottenTomatoes」でも観客満足度が驚異の93%を記録。本作への関心の高さを伺わせている。予告編映像では、音楽を聴いた患者たちが、音楽の素晴らしさや仕事のこと、家族のことを次々に語り出すなど、饒舌になり、笑顔になり、手足を動かしたり、踊り出したり、1曲の音楽が持つ力を次々と映し出していく。「ある音楽を聴いた途端、自然と涙が溢れた経験はないか」と、「Don’t Worry, Be Happy」で知られるボブ・マクファーリンも映像の中で語りかける。1,000ドルの薬より、1曲の音楽を――。認知症に光を当てる、奇跡の瞬間をこの予告編から目撃してみて。『パーソナル・ソング』は12月よりシアターイメージフォーラムほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2014年10月30日