最近、メディアでも取り上げられる機会が多くなった「PTA問題」。4月の役員決めが終了し、ホッとしているママや暗たんたる気持ちのママ、意欲的に取り組もうとがんばっているママも多いのでは。そしてこれから小学校にあがるお子さんをお持ちのママにとっては、戦々恐々の問題。そこで実際にPTA役員になったことがある筆者が体験したリアルボイスをお伝えしたいと思います。こちらで紹介する内容は、わたしが体験したもので、学校によって、PTAによって、そして年度によっても異なってきます。■PTAは全員参加!? まったくもって任意団体じゃなかった!メディアでもよく取り上げられるようになり、徐々に認知が高まりつつある「PTAは任意加入団体」であり、「強制加入団体ではない」ということ。普通の団体組織であれば、「加入」か「非加入」への参加意思を決めることができるはずなのですが…。「PTAは全員参加です。6年間で必ず1回は役員を担っていただきます」これはわたしの子どもが通う学校で、PTA役員決めの際に前年度役員から最初に言われた言葉です。任意加入団体であることがホットな話題となっているいま、どういった説明がされるか興味持っていたのですが、昨年とまったく変わらない言葉でした。またわたしの子どもが通う学校では、加入・非加入についての意思確認は行われていません。どれだけ世間をにぎわそうと、実際のPTAはこうして粛々と進められちゃっているのが現実。もちろん、このように説明されたときに異議があれば手を挙げればいいこと。もしくは、PTA総会に参加して発言すればいい。それはわかっていても、実行できる自信はやはりありません。■PTA都市伝説1. 役員は絶対逃れられないのか?「PTA役員は、小学校6年間のあいだ、1回は必ずなるもの」。こんな都市伝説ありませんか?学校によって、「PTA役員を小学校6年間の中で何回やらなければいけないのか」ということは、異なっていると思います。ちなみにうちの学校では、「3回やらなければ、PTA役員決めからは逃れられない」という都市伝説が。6年間の小学校生活のうち半分の3年間もPTAに時間をささげなければいけないなんて、最初聞いたときはかなりショックでした。今回、6年生の子どもがいるママに小学校最後の役員決めの実態を教えてもらいました。はたして、1回も役員にならないとどうなるのか…。結果は、1回も役員になったことがない人と1回しか役員になったことがない人は、全員役員に決まったそうです。そう! うわさは本当でした。そして2回の人は、抽選。ただし個人の事情(働いている、子どもが小さい、介護しているなど)を鑑みた役員選びだったそうで、1回もやらなかったから、作業量が多い大変な委員になるということはなかったということです。■PTA都市伝説2. PTA役員は低学年が楽そしてまことしなやかに流れるもうひとつの都市伝説。「6年生で"卒対"にならないために、低学年で委員をやった方が楽」。"卒対"とは、卒業対策委員会のこと。実際にどんなことを行い、どれだけ大変かはいまもってわたしも未知数。ただ保育園で卒対委員さんの仕事ぶりを間近でみて思ったのは、「絶対わたしにはムリ!」ということ。保育園と小学校を同一視はできないのはあたり前ですが、その膨大な作業量ときめ細やかな対応に、本当に委員になった方に感謝しました。このため低学年のあいだは、むしろPTA役員決めはすんなり決まるというか、立候補だらけで激戦様相。なかには「去年、(きょうだいのときに)同じ役員をやったので、引継ぎも大変ですからわたしがまたやりますね~」なんて、ラクといわれる役員を堂々ゲットしちゃうつわものママも。「引継ぎなんて言い出したら、役員の交代できないじゃん!」なんて頭の中で起こる異論反論を笑顔でカバーしながら席に座り続けます。さらには同じ園出身でクラスに圧倒的人数をほこるママさん集団から「委員長はわたしと、Aさんで行います。いいですよね?」などと仕切られてしまう始末。しかも集団で「賛成でーす!」と押し切られ、拍手されてしまうと、やっぱり無言の笑顔になるしかありません。そう、役員決めは、熾烈(しれつ)な戦いだったのです。■PTAの最大の問題点とはわたしは、これまで2回PTAの役員を行っています。そのうちの1回は、本当に大変でした。たとえばこんな感じ。<実際にやってみてわかった大変だったこと>・委員会で配布される紙を委員長が延々と読むことに時間を費やす・担当の振り分けをひとりずつボードに縦一列に並んで書いていく・企画書の提出もひとりずつ委員長に呼ばれて確認していくこのように委員会では、大病院並みの待ち時間を覚悟するしかないのです。ほかにも役員から電話が入る内容が、「これはどうして学校の資材を利用しないの?」というもの。だったら学校にどんな資材があるか一覧を出してくれればいいだけなのでは? という心の声を封印することに苦心しました。そうPTA役員でよく言われる最大の問題点は、「時間=タダ」という考え。だから委員会でどれだけ時間が費やされても、あまり気にしないのだろうと思います。この委員会の最後に、指示されてもいない「委員会における提案書(担当決め、企画書フォーマットの提示、必要資料の提示)」を提出したことが唯一のわたしの良心でした。もし勇気があれば、もし改革の旗印になる気概があれば、こんな風に心の中で文句だけ言って終わりにはしないのだろうと思うと、一番弱いのは自分ですね。■委員会を効率よく進める方法があった!2回目の委員は、1回目に行った委員会とはかなり趣が異なりました。というのは、まずその委員全員のメールアドレスを共有することから始まったのです。これによって次のように進められていきました。<インターネットを使った委員会>・担当決めは、各自メールで委員長に連絡・制作する内容は、LINEを使って書記に依頼・制作物は、クラウドを使って共有サーバーに保存メールアドレスについては、全員持っていたため問題は起こらず。制作物などを担当するのは、PC知識がある人を最初から人選したためこちらも問題なし。またPCを利用できない人のためにも、学校に設置してある共有のクラス別配布資料保管ボックスに入れることで、対応していくことに。これは前年度役員がこういった手順を取り入れ、さらに新しく委員長になった人が、インターネット環境に強かったことから、対応のさらなる迅速化が進められました。スピードアップが1回目と格段の差だったことはいうまでもありません。もちろんまだまだネット弱者である人への配慮は必要となってきます。でも効率化することを検討すれば、ネットが利用できない人への対応案も生まれてきます。「PTA存在意義」については、いろいろと議論されており、賛成、反対意見も多く見かけます。PTAが子どものための組織であるかもしれませんが、活動の主体はママ。そこで、少しでも「PTAって実際こんな感じ」が伝わればいいなと思い記事を書かせていただきました。「PTAは怖い」。これは現時点での私の正直な感想です。でも少しずつですが、変わる兆しもみえてきていると思います。文/諏訪 真琴
2017年05月16日こんにちは、金融ライターの齋藤惠です。子どもが学校などに通うようになれば、気にかかるのが保護者会やPTAの存在です。未就学児の子どもを持つママは、「いったいどちらがどんな役割を持つのか?」「自分も強制参加させられるのか?」と不安になってしまうこともあるようです。そこで今回は、保護者会とPTAの違いについてと、それぞれの意義についてご紹介します。●保護者会とPTAの違いって?近年、保護者会とPTAの区別は非常に曖昧になっています。もともとは、それぞれ次のような活動を行う団体です。・保護者会……親が主体 で子どもの学校生活をよりよくするため、学校側と協議をしたりイベント運営をしたりといった活動をする団体。・PTA……学校と親が共同で運営する 組織で、子どもを取り巻く地域社会の改善と充実について協議や活動を行う団体。このように、親が自主的に活動するか学校と連携し合うかといった違いが昔はあったようですが、今ではその垣根はほとんど存在しない ようです。さらに、“保護者会=PTA”という考え方や、時代の流れを受けて保護者会やPTAをつくらない学校まであります。ここまでくると、そもそもこれらの団体は必要なのかと思ってしまいますよね。●どうして親が関わる団体が必要なの?子どもを危険から守るため、また教育や発達にふさわしい生活環境を整えてあげるためには、学校と親が協力し合わなければいけません。学校がいくら子どもの安全と発達に力を注いでいても、家庭での生活が不健全では子どもは順調に育っていかないものです。親の方だってわが子が「学校で楽しく生活できているか」「勉強しやすい環境か」「登下校などに危険はないか」など目の行き届かないところまで気にし出したらきりがありません。そんなときに学校からの報告やサポートがあればとても心強いですよね。このように子どもの健やかな成長のためには学校と家庭両方の力添えが大切なので、今の時代には保護者会やPTAという既存の概念に縛られることなく、子どもを社会全体で見守っていく姿勢が必要ではないかと思われます。●強制参加かどうか……不安もうすぐ学校に通う年頃の子どもがいるママには、ぜひとも近所にある学校のPTA行事などについて学校に問い合わせてみたり、先輩ママから情報を集めてみたりといったアクションを起こすことをおすすめします。子どもが通う予定の学校ではどんな行事や集会を行うのか、またそのとき親はどれほど深く関わらなければいけないのかは学校によって大きく違うので、事前に調べておく必要があります。親の負担が軽い場合もあれば重い場合もありますし、学校がPTAに対して良心的なところもあれば半ば強制的にいろんな仕事を押し付けるようなところもあるようです。PTAは任意団体なのですが……。子どもが学校に入学してから思い悩むより、あらかじめリサーチをして自分がどのようなスタンスで参加すべきか を決めておけば、今の不安も軽減するでしょう。本来、保護者会やPTAは子どものためになる有意義な団体ですから、自分の生活に支障のない程度に積極的に参加したいものですね。【参考リンク】・第4章学校・家庭・地域社会の連携 | 文部科学省()●ライター/齋藤惠(金融コンシェルジュ)●モデル/坂井由有紀(央将くん)、貴子(優くん、綾ちゃん)
2017年05月15日連載 第1回目 、 第2回目 では、本来は任意加入であるはずのPTAが現状なぜ自動強制加入になってしまっているかということや、それによって起きているさまざまな問題点について、お話ししてきました。 第2回目 でも少しふれましたが、なぜいまPTAで自動強制加入が可能になっているのかというと、学校の名簿が、保護者に無断でPTAでも使われているからです。そのようなやり方をしている場合、学校はすでに各自治体の個人情報保護条例に違反していますし、また改正個人情報保護法が施行される今月末(2017年5月30日)以降は、名簿を受け取るPTAの側も、法律上の義務違反を犯すことになってしまいます。「違法なPTAなんて、いやだな…」と思う方が多いかと思いますが、でもこういった状況は、少しずつではありますが、変わりつつあります。PTAがちゃんと入会届を配布して保護者の加入意思を確認し、また会員となる保護者の個人情報を自ら取得するケースが出てきているのです。■入会届け完備の“合法PTA”がじわじわ増殖中筆者がこれまでに聞いている「PTAが入会届を配るようになった経緯」は、いろいろあるのですが、わりあいよく聞くのは、こんなパターンです。▼PTA合法化 パターン1・退会者、あるいは非加入者が現れたことを機に、入会届が整備される・退会者・非加入者、あるいは会員から、入会届がないことや個人情報の取扱いに関する不備を指摘されて、入会届が整備されるこのパターン1はどちらも、実質的には、校長先生の判断であることが多い印象です。あとは、こんなパターンもあります。▼PTA合法化 パターン2・会員がPTA総会で入会届の整備を要望することによって、実現する・PTA役員(会長や副会長等)の発案・主導で、入会届が整備されるこちらは主に保護者の判断によって入会届の整備が進むパターンですが、前者(校長主導)のパターンと比較すると、どちらかというと少ない印象があります。というのは、役員がいくら入会届を整備しようとしても、もしも校長先生が反対すれば決して実現しない、というのが現実だからです。なお、まれにではありますが、校長先生が整備を進めたいと思っても、役員である保護者の反対によって入会届が実現しないというケースもあるようです。ほかには、こんなケースもあります。▼PTA合法化 パターン3・P連(自治体ごとに作られる、PTAの連絡ネットワーク)や教育委員会の指導によって、入会届の整備が促されるこのパターンは状況によって、校長先生の判断だったり、保護者側の判断だったりするようです。■「非加入家庭の子どもはどう扱うの?」問題についてさて、このように経緯はそれぞれながら、入会届を配るPTAが徐々に増えているわけですが、自動強制加入をやめようというときには必ず問題になる、あるポイントがあります。それは、「PTAに入らない」という家庭が出てきたときに、そのご家庭のお子さんに、全員に配るものをあげるかどうか、という問題です。たとえばよく話題になるのは、卒業式で配られる祝い品(記念品、コサージュ=胸につける花飾り、等)についてです。こういったものは本来、非加入家庭のお子さんにも、配られるべきものです。PTAというのはそもそも「その学校に通う子ども全員」のためのことをする団体だからです。そうでなければ、学校施設を使用するという特権は受けられないでしょう。ところが、そのことがあまり理解されていないケースが見受けられます。■PTAは「会員限定サービス」をする団体ではないPTAはこれまで長いこと、全員加入を前提に運営してきてしまったため、PTAを「会員家庭向けのサービスを行う団体」だと誤解している人が少なくないのです。そのため、非加入家庭のお子さんに対して、会員家庭と同様の祝い品を渡そうとすると、「会費を払っていないおうちにあげるのは、ズルイ」などという声が、他の会員からあがる場合があるのです。 そこでやむなく、子どもたち全員に配るものについては、非加入家庭からも実費を徴収しているPTAが多いのですが、これも“本当に正しいやり方”とはいえないでしょう。いま、大阪のある学校では、保護者会(PTA)をやめたご家庭のお子さんが卒業式のコサージュをもらえず、しかも保護者が実費負担を申し出たのに、その申し出も断られたことから、裁判が起きています。PTAはそもそも、子どもたちのために存在するはずなのに、逆にこんなことで子どもに辛い思いをさせてしまっているというのは、とても残念なことではないでしょうか。いま一度確認したいのは、PTAというのはあくまで学校に在籍する子どもたち全員のための活動をする団体であり、かつ、保護者は活動したい人が活動し、加入したい人が加入する団体である、ということです。これらのことを大前提に、これまでのPTAの運営方法や活動内容、組織のあり方全体を、見直していく必要があるのではないかな、と思います。■大塚玲子さんの著書 『PTAがやっぱりコワい人のための本』 (太郎次郎社エディタス/¥1,620)そこにいるのはどんな人たち? 負担はいったいどの程度? PTAのネガとポジを徹底仕分け。読めば気持ちが軽くなる一冊!
2017年05月12日最近、事件やネットなどでもPTAという言葉が騒がれています。今では、次から次へと後出しジャンケンのようにネガティブな意見が出てきますが、実際のPTAの活動はどのようなものなのでしょうか?初めてのPTAに参加した筆者の実体験を元にご紹介します。PTA活動は強制ではないいろいろなメディアで言われていますが、PTAへの加入は任意で強制ではありません。この話題の発端は、ちょうど1年ほど前にタレントの菊池桃子さんが「一億総活躍国民会議」に出席してある発言をしたことに始まっているように感じます。それは「任意にもかかわらず、すべての者が参加するような雰囲気作りがなされている。働くお母さんたちにとっては、PTA活動っていうものが難しい」というもの。これにより多くの親たちが「え?PTAって全員入るものじゃないの?」と思ったのではないでしょうか。実際、強制とはいかないまでも、多くの学校で子ども1人に対して1回役員をやると決まっているところが多いようです。実際にやってみてわかったこと私は今年度PTA役員を引き受けています。まだ、スタートして1か月足らずですが、実際に関わってみてわかったのは、多くの活動がPTAなしではできないということです。おそらく小学校のメインイベントである運動会や全校遠足なども、準備やパトロールなどを含めてPTAの協力があってこそ安全にできていることがわかりました。当たり前だと思って受けていた恩恵が、実は誰かが支えていたくれたものだったと知るだけでも大きな収穫でした。集合時間は決まっているのに終了時間が決まっていなかったどこかでは換算すると時給1000円以上だとか、拘束時間が月平均何時間だという数値も出ていますが、確かにそれなりに仕事はありますし時間も拘束されます。私がもっとも驚いたのは集合時間は決まっているのに、終了時間が決まっていないこと。つまり、終了時間は仕事が終わるまでという考えなのでしょう。せめてこの習慣だけはやめたいという思いで、集まりがあるときには必ず「何時までですか」と聞いています。仕事の会議でもそうですが、アジェンダを共有し、決定事項を明確にすることは最低限必要だと思います。 ストイックにすることはありませんが、PTA活動が有益だと思うからこそ、目的を決めて効率的に活動を行いたいというのが私の思いです。PTAという無償の活動の意味PTA役員になったことを言うと、多くの人から「大変ね」「仕事もあるのに役員になったの?」などと言われることがありました。その度にちょっとモヤっとした気持ちになっていました。でも、仕事場で同じ小学生のお子さんを持つ女性が「尊敬する!」と言ってくれたときに、そのモヤモヤがすーっと晴れた気がしました。役員になった人はもちろん役目を全うするべきです。そして、役員にならなかった人は、なってくれた人に感謝の気持ちを持つことが大切なんだなと分かりました。誰かがやってくれると言うのではなく、自分がやらないことをやってくれていると言う意識を持つだけでも、PTAへのイメージが変わるのではないかと思います。あなたのお子さんも通学路で事故にあいそうなところを助けてもらうかもしれない、図書館で読み聞かせを聞いて本が大好きになるかもしれない、卒業式に胸に花をつけてもらうことで成長を感じることができるのかもしれない。そのなくなったときにしか気づけない1つ1つのことが、PTAという無償の活動で行われているなんて、思えばすごいことですよね。とはいえ、仕事をしながらのPTA活動は大変なことも多いです。スリム化はしてもいいから、仕事をする人もお子さんが多い人でも参加できる方法を見つけていけるといいのかもしれませんね。
2017年05月02日さて、 前回 は日本のPTAの成り立ちについてお話しました。戦後、日本でPTAをつくることになったとき、「とりあえず自動強制加入」にしたのがずっと続いてしまったわけですが、ようやくその見直しが始まっている、というのが今の状況だと思います。ではあらためて、自動強制加入だと何がまずいのでしょうか? 「これまでずっと、それでやってきたんだから、変えなくてもいいじゃないか」と思う方もいるでしょう。それを、なぜわざわざ変える必要があるのでしょうか。 現状の自動強制加入のやり方によって、具体的にどんな問題が起きているのか、それを今回はお伝えしたいと思います■1.ずばり「楽しくない」まずはこれです、自動強制加入では活動が「楽しくない」ということ。PTAが今これだけ嫌われてしまっているのも、加入方法が強制であることに根があります。人はふつう何かするとき「これをやったら、どんないいことがあるかな?」と考えて、その行動をとるものですが、強制加入ではそういったメリットを考える余地がありません。最初から「やりなさい」といわれてしまうので、なかなか楽しめないのです。たとえば「学校に通う」とか「税金を払う」といったことなら、必要性もわかるし、法律で決まっているんだから、と思いますが、PTAは残念ながら必要性がはっきりしない仕事がよくありますし、「必ずやらなければいけない」という法的な根拠もありません。それで強制されるのでは、「やりたくない」「つまらない」と感じる人が多いのは無理のないことでしょう。■2.「詐欺」に加担してしまう端的な表現ですみませんが、実際のところ、現状のPTAのやり方は「詐欺」と言われれば否定できないところがあります。法的な根拠がないのに本人の同意を得ずに会員にして、会費を徴収するというやり方は、ふつうの団体ならありえません。保護者は子どもが学校に入ると自動的に会員になるので、なかにはPTAが学校と別団体であること、PTAが任意加入であることを知らずに会費をおさめている人も少なからず存在します。そういう人から集めた会費を使って活動するのは、後ろめたいところがあります。たとえば、多くのPTAは学校に備品等を寄付していますが、本来寄付というのは自由意志に基づくものです。同意なく加入・徴収したお金で寄付を行うのは、ある意味、だましとったお金によるプレゼントのようなもの。渡すほうも、受け取るほうも、胸を張ることができません(そのためPTAによる学校への寄付は、あまり表に出てきません)。普段の活動でも同様です。たとえば筆者も、活動中にPTA予算で買ったおいしいお菓子をいただくことがありますが、うれしい反面「もしかすると、PTAが学校の一部だと思って無理して会費を払った人のお金を含んでいるかもしれない」と思うと、申し訳なく感じます。■3.事情のある人が嫌な思いをする保護者のなかには、いろんな状況の人がいます。ひとり親、闘病中の人、介護中の人など、みんながみんなPTA活動をできる状況にはありません。でも自動強制加入だと、そういう人が「できない」というためには、個人的な事情を他人に伝えなければならなくなります。「それは当たり前では?」と思う方もいるかもしれません。PTAといえば、4月の保護者会でお母さんたちが順番に「できない理由」を言うのが風物詩のようになっていますよね。でもそれも、一般の団体だったら起こり得ないことです。スポーツクラブでもクリーニング屋さんでも、ふつうは申込みをした人が会員になりますから、会員にならない人がわざわざ「入らない理由」を告げる必要はありません。むしろ、告げたらヘンでしょう。でもPTAは違います。自動強制加入で会員になってしまうから、「できない理由」を、みんなに説明せざるを得なくなったりするのです。なかにはもちろん、個人的な事情を他人に言いたくない人や、言えない人もいます。そういう人が仕事を押し付けられてしまい、行けなくて休むと陰口をたたかれる、なんていうことも起こり得ます。■学校から「児童名簿をもらうこと」の問題ちなみに、そもそもなぜ申込みをしないのに自動的に会員になるのかというと、学校の名簿が勝手にPTAに流用されているからです。このように、個人情報を本人の同意なく第三者に渡すことは、個人情報保護法例(法律や条例)で禁止されています。学校はそのルールを守っていないのです。以上のような理由で、現状のPTAのやり方には問題があることについて、おわかりいただけたでしょうか。なお、気をつけなければいけないのは、問題があるからといって、PTAを丸ごと否定する必要もないということです。PTA活動にはいい面もいろいろあり、楽しんで活動している人たちもじつはけっこういるのです。必要なのは、やり方を適切に改めることでしょう。まずは自動強制加入をやめて、「加入意思を確認して、同意の上入会する」というふつうの形にすれば、全部とは言いませんが、いまPTAが抱える多くの問題は解決、または改善していくはずです。最近は徐々に、運営の仕方を正しく改めるPTAも増えつつあります。次回は、そういったPTAについてご紹介したいと思います。■大塚玲子さんの著書 『PTAがやっぱりコワい人のための本』 (太郎次郎社エディタス/¥1,620)そこにいるのはどんな人たち? 負担はいったいどの程度? PTAのネガとポジを徹底仕分け。読めば気持ちが軽くなる一冊!
2017年04月28日この時期、ママたちの頭を悩ませるのがPTA役員の問題。4月早々の保護者会は、役員選出を兼ねた地獄です。前年度の役員が前に立ち、「就学中、ひとり1回は必ず役員をやってください」と連呼しても、いつまでも決まらないあの重い空気。そして最後はじゃんけんで「負けた人」が担うことに……。しかし、PTAは任意加入の団体。絶対に入らなければならないワケではありません。「PTA辞めたの私だ」という言葉はSNSで拡散され、大きな話題になりましたよね。PTAなんて本当は入りたくなかった、辞めてしまいたいというママたちは多いはずです。でも実際、どのようにしたらやめられるのでしょうか?今回は、PTAを退会したツワモノたちに緊急インタビューを敢行。どんなふうに退会したのか、情報をあつめてみました。●(1)夫を味方につけ、総会で退会宣言クラス役員を1年間務めたものの、語り尽くせないほどツラい思いをしたというAさん。夜の集まりが多くなり、家事や育児に支障が出始めたのをきっかけに、ご主人がいい顔をしなくなりました。『「家族に迷惑かけてまでやるのは本末転倒。オレが話つけてやるから、もう辞めてくれ」と言った夫。有給を取って、PTA総会に同席してくれました。そして、会の最後に突然挙手。「すいませ〜ん、ウチPTA辞めたいんですけど、どうしたらいいんですかぁ〜?」と大声で発言し、空気読めない系ダンナ を演じてくれたんです。場内は一瞬シーン。うわっ、コイツやらかした!と思っていたら、「ウチも」「ウチも」と続々声が上がって騒然となったんです。本部役員たちもそれを無視するわけにはいかなくなり、退会についての話がなされました。すったもんだのあげく、正式退会までには半年以上かかったけど、最初の取っ掛かりを作ってくれた夫には感謝してます』(30代女性/会社員)PTA会長は、男性が担っていることが多いもの。地元では有名な活動家や、長年その土地に貢献してきた人などが抜擢されていることもあります。そんな相手に退会意志を伝えるのは、ママにとってはちょっぴりハードル高め。Aさんのように、ご主人が味方になってくれると心強いでしょう。●(2)独自の「非入会届」を作成し、入学式後に提出「一度入会するからややこしくなる。そもそも入会しなければいいのよ」と語ったのはBさんです。夫婦そろって勤務医をしており、役員を担うのは到底不可能なため、「非入会」という姿勢を取りました。『「非入会届」を自分で作って、入学式のときにPTA会長と教頭先生に渡しました。書類はその場ですぐ目を通してもらい、受取りのサインを頼みました。内容について了解しないとサインはできないとゴネられましたが、「了解してなくても構わない。受け取った、という証明をしてくれ」と説明し、サインさせました。昨今の報道を受けてか、わりとすんなり非入会は認められましたが……今後そのことでわが子が差別されないか不安もありますね』(40代女性/医師)非入会も途中退会も、依頼は書面で行うのが鉄則。しかし、多くのPTAが「退会届」や「非入会届」といった書式を用意していないのが実情です。今回インタビューに答えてくれた人たちの中でも、独自の書類を作って提出した という声が圧倒的多数を占めていました。書面に記載すべき項目としては、次のようなものがあります。・「退会届」「非入会届」などのタイトル・書類を提出した日にち・PTAを退会する/入会しない旨の文言・保護者氏名、住所・子どもの学年、クラス、氏名退会する理由は特に必要ありません。「たかがそれくらいで辞めるの?」なんて無用のツッコミを避けるためにも、書かないほうが賢明でしょう。退会後の不利益が心配なら「退会による差別的対応はしないでほしい」という念押しの一言を入れるのもいいでしょう。中には、「退会するが、PTA費は寄付として納入させてほしい 」と書いた人もいました。余計な波風を立てない、上手なスタンスですね。●(3)教育委員会に指導依頼を入れた一向に動いてくれないPTA会長や校長にしびれを切らしたCさん。最後の手段として、教育委員会に話をしたそうです。『会長あてに退会届を出してもノーリアクション。PTA費も普通に引き落とされていて、頭に来たんですよね。校長や教頭もダメ。「そんなことを言ってくるのはアナタだけです」だの「アナタのためだけに事務手続きを増やすわけにはいかない」だので、話になりませんでした。仕方ないので、教育委員会に報告 したんですよね。「本来任意であるはずのPTAに、校長みずから強制加入させようとしてきた。公務員として許されない行為である。早急に指導してほしい」という内容で、県の教委に書類を送付しました。そうしたらすぐにPTA会長から連絡があり、退会となりました。これまでの無視は何だったの!?って笑っちゃうほど迅速な動きでした。まあ、教育委員会には頭が上がらない連中なんでしょうね』(40代女性/自営業)教師の人事権を握っているのは、都や県の教育委員会です。市町村の教育委員会には人事権がありません。指導の依頼をするならば、都・県の教委あてにするのがいいでしょう。書類を郵送するときは、普通郵便ではなく内容証明郵便を使いましょう。受け取りの記録を残しておくことができます。----------過剰な負担や個人情報の流出など、問題点がクローズアップされているPTA。しかし、役員をやることのメリットは全くないわけでもありません。学校を訪れる機会が増えれば、内部のことがよく分かります。校内での子どもの様子を知ることもできますね。まずはPTAのメリット・デメリットを十分に考えましょう。そして、退会を希望するときは正々堂々と手続きしましょうね。●文/パピマミ編集部●モデル/杉村智子(まさとくん)
2017年04月26日小学校に入ると親が関わらなければならないのがPTA活動。PTAとは Parent-Teacher Associationの略で、各学校で組織された家庭と学校とが協力して教育効果をあげようとする団体のことです。正直役員にはなりたくない、役員決めのときが憂鬱という親も多いようですが、実際はどうなのでしょうか?Q.PTA役員はどうやって決めてる?1.立候補 46.5%2.推薦 19.7%3.抽選 19.5%4.その他・わからない 14.3%立候補が46.5%の約半数という結果になりました。数字だけみるとスムーズに決まっているかのようですが、実情はなかなか難しいよう。そんななか、実際にPTA役員をやった人の意見も聞くことができました。■基本は立候補。決まらなければ抽選基本的にはやりたいという意思のある人にやってもらうのがベスト。でも、決まらなければ抽選という決め方が多いようです。最近では少子化からか、子ども1人につき1〜2回はやる決まりになっている学校もあります。「結局、毎年同じような顔ぶれです。何らかのお仕事をされていると思うのに、嫌な顔をせずありがたいです。そんな人を『好きなんだね』などと陰口を言う人は頭にきます」(神奈川県 50代女性)「子ども1人につき1回はやることになっています。立候補で決まらなければ、やっていない人から抽選です」(千葉県 40代女性)「やりたくない人は懇談会に来ないので、いつも同じ人に押しつけられる。抽選にすればしたで、来ない人は役員になっても来ないので、他の役員さんが困る」(神奈川県 40代女性)■意外にも経験者は「やって良かった」とメリットを実感イヤイヤ引き受けた役員も、やってみると楽しかった、学校の仕組みがよくわかった、先生と仲よくなれたなどのメリットも多いようです。他の人がやるときには感謝をし、自分がやるときには前向きに取り組めるといいですね。「3年間PTA会長をしましたが、暇な人とかそういうのが好きな人というのは間違いです。それにやれば何か得るものがあります」(鳥取県 40代女性)「私も役員やりましたが、近所の人に無記名で勝手に推薦されました。すごく嫌でしたが、いざやってみたら楽しくなり、ぜんぜん苦じゃなかったです。今まで気づかなかった学校のことがよくわかり、先生とも仲良くなれたので、今となってはやってよかったと思います」(神奈川県 50代女性)「今年で3年連続やりました。あまりやりたい人がいないようですけど、父親として役員をやり、子どもの成長と学校の取り組みを間近で見ることができ楽しかったです」(千葉県 30代男性)■仕事をしていてもやらなきゃダメ?最近では働くママも多くなってきているため、仕事を理由にPTA役員を辞退するのは難しいそう。自分の子どもにも関係することなので、より良い学校づくりのために親が協力できることはするという考えが持てると、学校との関係も良好になるのではないでしょうか。「今年度はくじ引きで役員になりました。仕事もしているので最初はイヤでしょうがなかったです。でもやっていくうちに、 PTA活動は子どもたちのためには必要なことで、学校や先生がたが日々、授業以外に色々なことをしてくれていることがわかりました。今は仕事をしている保護者が多くなり、反対意見も多いですが、自分の子どもにも反映されるので楽しんでやっていただきたいものです」(神奈川県 30代女性)Q.PTA役員はどうやって決めてる?アンケート回答数:9389件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年04月17日学校は子供が学校する場所だけではなく…大人もひそかにやることがいっぱいあるんですよね…。そう、それが「PTA役員!」入学前の「学校説明会」で「PTA役員にできるorなってもいいorできない」という項目が書かれたアンケート用紙が配られていたんですよ。どうせいつかPTA役員になるなら早いほうがいい。ってママ友さんと会話していたので、「できる」にマルをつけてしまったワタシ。1年生のPTA役員は激戦だと思ってたら意外とそうでもなかった! 1クラス4人選出するんですけど、私が参加したこまめのクラスは立候補6人でした。そして、ジャンケンでPTAになっちゃったんですけど… 激戦になると予想して、のまめのクラスにも「できる」って書いちゃったYO! くまさんは…! のまめのクラスにいるくまさんはどうなった…!? 心配して、その場にいた先生(たぶん教頭)にかくかくしかじか説明したところそこのところはちゃんとチェックしてるから2人PTA役員が同時にかぶることはありませんって言われたんですよね。なので、ホッとしてその後の説明を受けていたのですが…。まったく違う説明を受けてた!(笑)どっちが正しいのか分からないけど、教頭先生のほうがエライから正しいはず。のまめのクラスは5名しか立候補がいなかったので、くまさんがギリギリ辞退したのですが。やばかった!本当にやばかった!学校初双子夫婦でPTA役員やるとこだった…!(※学校初かどうかは実際不明です)一回やれば6年生までPTA役員にならなくていいという噂は本当なんだろうか…(私の場合、のまめ分もう一回やらないといけないみたいなんですが)すでに4月、やばいです。(行事もりだくさんで!)
2017年04月15日このところ、新聞、雑誌、テレビ、ウェブ媒体と、いろんなメディアでPTAのことが取り上げられています。時代とともに社会が大きく変わるなか、昭和の頃とあまり変わらない、昔ながらのやり方を続けるPTAに対して、違和感を抱く人が少なくないようです。とくに最近は「#PTAやめたの私だ」というハッシュタグが広がりを見せるなど、「PTAに入らない=非加入」という選択にも注目が集まっています。「保護者は全員必ず自動的に加入する」というのが、日本のPTAでこれまで長く続けられてきた慣習でしたが、本来PTAは、任意で加入・活動する団体です。そのことがだんだんと知られるようになり、「入らない」という行動をとる人も増えてきたのです。そもそもPTAとはどんなもので、どういう経緯で、今のような形になったのか? 今回は、そういった背景について、お伝えしたいと思います。■「自動加入方式」が定着したのはなぜ? PTAの成り立ちさかのぼって、日本にPTAができたのは、第二次世界大戦後間もなくのことです。もともとPTAは、アメリカの保護者(母親たち)が自発的につくった組織ですが、それを日本にもつくるように、GHQ(連合軍総司令部)が指示を出したのです。そこで文部省がハタ振りして、全国の学校につくらせたのが、日本のPTAの始まりです。アメリカのPTAは「ボランティア」です。つまり「自主的に、やりたい人がやる活動」なのですが、日本では戦後PTAが始まった当時、「ボランティア」というような概念はありませんでした。ですからPTAをつくらせるにあたっては、「保護者は全員、会員です」という、強制的な入会にするしかなかったのでしょう。この自動加入方式が、なんと70年という年月を経た今なお続いてきてしまったわけですが、そればかりか、強制はエスカレートしてきたところがあります。加入の仕方だけでなく、普段の活動についても、「保護者(母親)は全員必ず、6年間に1度は役員をやってください」というふうになり、本来の「ボランティア」とは、すっかりかけ離れてしまったのです。かくして「PTA=強制」という面が強化されていき、PTAを「やりたくないもの」「いやなもの」と感じる人が増えてしまった、というのが現状かと思います。■タブーだった「自動強制加入問題」が明るみにさて、そんなPTAがここに来てようやく、本当に「任意」のものであると知られるようになってきたのですが、それは、なぜなのでしょう? 原因は、いろいろあると思います。9年前、作家の川端裕人さんが『PTA再活用論』を出版し、任意加入周知の必要性を広く知らせたこと。憲法学者の木村草太さんが、今のPTAの強制加入について違法性を指摘したこと。新聞やテレビなど、大手メディアでPTAの問題が報じられるようになったこと。また最近は、熊本で起きた裁判も注目を集めました。ある保護者が、PTAが任意加入であることを知らずに会費を支払っていたため、会費の返還を求めて裁判を起こしたのです。この裁判は和解に終わりましたが、これによって、PTAが任意加入の団体であることは、より多くの人に認識されることとなりました。SNSなど、ネットが普及したことの影響も大きいでしょう。じつはPTAの強制性については、過去何度も問題になったことはあり、声をあげる人もそれなりにいたのですが、各PTAのなかで、特殊な例として処理されていました。それが、SNSなどの普及により、同じような考えの人同士がつながって、経験や情報を共有したり、声を上げたりできるようになったことから、社会のなかで可視化されてきた、という面があります。■少子化、共働き世帯の増加… PTA担い手減少の現実さらに、母親たちの状況の変化もあります。こちらは、専業主婦のいる世帯と共働き世帯の割合の推移を示したグラフですが、いまはこのように、共働き世帯のほうがだいぶ多くなっています。(注)1.「男性雇用者と無業の妻からなる世帯」とは、夫が非農林業雇用者で、妻が非就業者(非労働力人口及び完全失業者)の世帯。2.「雇用者の共働き世帯」とは、夫婦ともに非農林業雇用者の世帯。3.2011年は、東日本大震災の影響により、全国の調査結果が公表されていないため、掲載をしていない。4.「労働力調査特別調査」と「労働力調査(詳細集計)」とでは、調査方法、調査月などが相違することから、時系列比較には注意を要する。資料出所:1980~2001年は総務省「労働力調査特別調査」、2002年以降は総務省「労働力調査(詳細集計)(年平均)」を基に作成。出典:厚生労働省 女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会報告書 このグラフには含まれていませんが、ひとり親家庭も増えています。筆者もそのひとりですが、いまは母子家庭や父子家庭が増加しており、約7~8世帯に1つは、ひとり親世帯といわれています。昔のように、子どものことやPTAに時間をかけられる、専業のお母さんは、だいぶ減ってきているのです。こういった時代・社会状況の変化を背景に、PTAは徐々に、時代に合わない部分が増えてきたのでしょう。PTAや自治体(教育委員会・P連)によっては、こういった状況に対応すべく、PTAが任意加入であるということを前提に、組織や規約を修正する動きも出始めています。では、あらためて、自動強制加入のPTAでは、具体的に何が問題となるのでしょうか? 実際に、どのような問題が起きているのでしょう? 次回は、この点について、もう少し詳しく掘り下げて、お伝えしたいと思います。■大塚玲子さんの著書 『PTAがやっぱりコワい人のための本』 (太郎次郎社エディタス/¥1,620)そこにいるのはどんな人たち? 負担はいったいどの程度? PTAのネガとポジを徹底仕分け。読めば気持ちが軽くなる一冊!
2017年04月14日こんにちは。ライターのNANARUKAです。少し前、学校でのPTA活動や役員を強制する是非がネット上で議論されていました。筆者は、長女が通っていた幼稚園で、長女が入学した小学校で、長男と次男の保育園で、毎年誰かのクラスで何かしらの役員を引き受けている状態が続いています。どのクラスでも、自ら進んで立候補しているわけではありませんが、やってみると何かしらの収穫や思い出は残るもので、今のところは決してイヤなことばかりではないという印象です。そこで、先日小学校のママさん方と集まる機会があった際、小学校のPTAや役員、ボランティア活動にメリットを感じたことがあるか、また、どんなメリットがあったかインタビューしてみました。その結果、経験者20名のほとんどのママさんが、少なからずメリットを感じていました。その意見を抜粋してご紹介します。●子どもによい影響があったと感じた例役員やボランティア活動は子どもが健全に成長していく日々を支える活動ともいえますよね。「やらされている」と暗い気持ちで1年間を過ごすくらいなら、「子どもの活動に一緒に参加している」気分でやってみましょう。そういうママさんはみなさん口を揃えて「子どもとの会話が増え、話も弾む 」とおっしゃっていました。『役員は先生と話す機会も増えるので、普段の子どもの様子を知ることができてよかったです。特に低学年のころは「学校に行きたくない」と言って休んだ時期が何度かあったので、先生と連携もしやすかったし、子どもも私が学校と関わっていることで安心感を得ていたようです』(40歳/1年・3年で役員を経験)『月に1、2回ほどの当番のあるボランティアを引き受けてみたところ、子どもと共通の会話ができたし、子どもが当番の日を楽しみにしてくれるようにもなりました』(37歳/2年でボランティアを経験)●自分の今後にプラスになった例「初めて顔を合わせた人でも思っていた以上に会話が弾んだ」「校内や近所に顔見知りが増えた 」「長く付き合える人に出会えた 」という声は多数ありました。学校活動に馴染めない人の中には、「人間関係を築くことが苦手」という方も多いと思います。けれど、“同じ年頃の子を育てている親”という共通点があるのだから、それほど身構えることはないのかもしれません。『6年間お世話になる小学校では、低学年のなるべく早いうちに委員や役員、ボランティアなどで行事に参加しておくといいと思います。知り合いが増えるし、学校の雰囲気や特徴をより深く知っておくと、その後いろいろな場面で参考にもなると思います』(42歳/1年・2年・5年で役員を経験)『保育園や小学校で何度も役員経験がありますが、どんな場でも仲間同士で楽しくできれば役員仕事もとてもいい思い出になるので、やるときは仲良しのママ友と一緒に立候補しています』(35歳/1年・2年で役員を経験)『不本意に任命されて最悪の気分でスタートしましたが、やるとなったら最低限はちゃんとやりたい性格。子どものためだと思い、腹をくくって前向きに取り組みましたが、意見に賛同してもらえたりアイデアが採用されたりすると嬉しいもの。最終的にはやりがいを感じられるようになっていましたし、高学年のママ友もできて、子どもの授業や進路の相談もできるようになりました』(38歳/2年で役員を経験)●思ってもみなかったラッキー体験例スタート時のマイナスイメージが強すぎたからでしょうか、「やってみたらそれほどイヤなものでもなかった」という声も。「またやってもいいかも」と思える所以としては、思っていた以上に収穫を感じられたり、“ご褒美”をいただけるパターン などがありました。初めからそれを望むのは贅沢かもしれませんが、そんな気分で終われたらハッピーですよね。『子どもに頼まれて図書関係のボランティアに参加したら、年度終わりにお礼をいただきました。ボランティアなのにお礼が出てビックリしましたが嬉しかったです。それに、子どもの普段の様子を見ることができたので毎回楽しみでした』(38歳/2年で役員・3年でボランティアを経験)『学校役員というと「やりたくないもの」とみんな口を揃えて言うけれど、よくよく聞くと「知り合いがいなくて気を使ってばかりだった」とか、「ひとり変な人がいて揉めた」とか。でも、私が引き受けた年は知り合いばかりだったので、決め事は和気あいあいだったし役員会もなごやかな雰囲気で緊張することもなくできました。毎回こういう感じなら、また引き受けてもいいなと思えました』(42歳/3年で役員を経験)『毎年必ず揉めるという役職になってしまい、その年も役員さんの中に言動ややり方が偏っていてトラブルを引き起こしやすそうな人が1人いて不安でしたが、他の方々が大人の対応でかわしてくれ、荷担する人もいなかったのでイヤな思いもすることなく終えることができました。運良く、そういう人への対応に慣れている方々とできてよかったです』(40歳/4年で役員を経験)----------いかがでしたか?フルタイムの仕事に就いている方、きょうだいが多い家庭、介護や育児など、困難な事情を抱えている方も、もちろんいると思います。そういう方々に、半ば無理矢理に押しつけるようなことはあってはならないと思いますが、もし、少しでも前向きになれるのなら経験してみて損はないのかもしれません。納めているお金の動きや決め事、それらの理由や過程などを知れば、学校運営がどういうものか理解でき、知識も深めることができます。そんな「チャンス」と捉えて暗いイメージを払拭できれば、役員仕事もなかなかクセになってしまうものなのかもしれません。●ライター/NANARUKA(フリーライター)●モデル/REIKO(SORAくん、UTAくん)
2017年04月13日こんにちは、『PTAをけっこうラクにたのしくする本』の著者・大塚玲子です。この春、お子さんが小学校に入る保護者のみなさま、おめでとうございます。小さな背中にランドセルをのせて学校に向かうお子さんの姿を想像すると、顔がほころんでしまいますね。保護者として不安なこともいろいろあるでしょう。もしかしたら、特に心配なことのひとつは「PTA」かもしれません。世間ではよく、PTAはとてもオソロシイもののように言われています。「時代に合わない」とか、「お母さん同士の関係がスゴイ」とか。でも実はPTAって、そんなにみなさんが思うほどは、コワくないのです。PTA経験者は「思ったよりもいい印象だった」という意見が多い!?TVなどではどうしても、ギョッとするようなひどいPTAの話が取り上げられがちです。なかにはそういうPTAも存在するのは事実ですが、でも全国にある約2万の小学校のPTAの全部で、そんなひどいことが起きているわけではありません。以前、ある女性誌でアンケートをとったところ、PTA経験者のうち「思ったよりいい印象だった」または「思った通りいい印象だった」と回答した人は、なんと“7割強”。いま「リビコミュ」で「小学校のPTA役員、委員について」というテーマにコメントが寄せられていますが、ここでもやはり「実際にやってみたら、知り合いが広がってよかった」という声がたくさんあがっています。よかったら、のぞいてみてください。わたしも子どもが小学校に入るときはとても不安だったのですが、3年生のとき、初めてある委員をやってみたところ、予想していたよりずっとラクで、拍子抜けしてしまいました。運がよかったのかもしれませんが、「世間で言われるようなPTAのイメージは、ほんの一面に過ぎないんだな」ということを実感しました。PTAをどう乗り切る?低学年でやっておきたい3つの理由さて、おそらくみなさんがいま一番知りたいのは、「PTAをどう乗り切ればよいか」というところでしょうか。よく聞くのは「低学年のうちに委員をやっておいたほうがいい」という話でしょう。「高学年でやるよりラクだから」ということでそう言われるようですが、わたしは正直「そこは、どうかな?」と思います。PTAによって違うのですが、委員長は学年に関係なく選ぶことも多いので、いつやってもそんなに変わらない場合もあります。でも「低学年のうちにやってみる」ことは、私もおすすめです。理由は、以下の3つです。■1ほかの保護者とつながりができるからこれはよく言われることですが、学校のこと、先生のこと、子ども同士のことなど、低学年のうちは特にわからないことが多くて不安でしょう。そこでPTAに足を踏み入れると、ほかの保護者と話す機会ができるので、情報が入りやすくなり、ちょっと安心できると思うのです。それに学校に行ったとき顔見知りの保護者がいると、ほっとしますよね。わたしもPTAをやってきて、それが一番よかったと思うところです。わたしのように、中・高学年からやってもいいのですが、早めに顔見知りが増えると、より心強いんじゃないかなと思います。■2びくびくしないで済むから早めにやってみれば、そんなにコワくないことがわかるから、という意味でもおすすめです。「いつか、やらなきゃ」と思いながら毎年春をユウウツに迎えるよりも、早めにやったほうが、気持ちがラクじゃないかなと思います。■3楽しかったら、またやれるから低学年でやっておけば、もし楽しかったときにまたやれるから、というのもあります。もちろん「もういいや」と思ったら距離をおけばいいですし、早めにやって様子を見るといいのかな、と。意外と思われるかもしれませんが、PTAって実は、委員長や本部役員など「中心的な役割」のほうが楽しいところがあるのです。その証拠にホラ、PTAが楽しそうな人って大体役員さんでは?なぜ役員のほうが楽しいのかというと「やらされ感」が少ないからでしょう。ヒラの委員は自分で決められることが少ないので、どうしても「やらされ感」を抱きやすいのですが、委員長や本部役員は自分で決められる範囲が増える分「やらされ感」が減って、楽しくなるのかな、と。ただ辛いのは、中心的な役割ほど、仕事や拘束時間も増えていくところ…。どこまでやれるかはその人の状況によって異なるので、早めに一度委員をやってみて、見極めるのがいいと思います。「やらないと決めたならやらない」「やると決めたら楽しんで」最後に一つだけ、お願いしておきたいことがあります。それは「どうしてもやりたくないなら、やらない」、でも「やると決めたら、楽しんでやってほしい」ということです。というのは「やりたくないのにやる」人は、「わたしもやりたくないのにやったんだから、あなたもやりなさいよ!」というふうに、他の保護者にも活動を強制しがちで、PTAの雰囲気が悪くなってしまうから。だったら、やらないほうがいいと思うのです…(苦笑)。でも一方で、もし「やる」と決めたなら、ぜひ楽しんでやってもらえたらうれしいです。なんでもそうですが「楽しもう」と思ってやれば楽しくなるし、「つまらない」と思ってやればつまらなくなるもの。せっかくやるなら、楽しんだほうがいいですよね?なお、なかにはPTAを本当に「できない」状況の人もいると思います。闘病中の人や、家事育児仕事をひとりで全部背負っている人、看護・介護中の人など、どうか無理はなさらずに。もしも役員を押し付けられたりして、キツイときは、学校の先生などに、退会(非加入)の相談をしましょう。みなさんの入る学校のPTAが、楽しいものでありますように。問題点もあると思いますが、そういうものも、無理のない範囲でちょっとずついい方向に変えていってもらえたら、とてもうれしいです。<プロフィール>大塚玲子さん編集者&ライター。出版社や編集プロダクション勤務を経て、2003年、妊娠出産を機にフリーに。主に「PTA」などの保護者組織、「いろいろな形の家族」をテーマに取材や執筆、講演等を行う。新聞・雑誌、テレビ・ラジオ等にちょこちょこ登場。著書は『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『PTAがやっぱりコワい人のための本』『オトナ婚です、わたしたち』(全て、太郎次郎社エディタス)。ホームページ
2017年03月21日春にお子さんが小学校入学を控え、親子ともにワクワクドキドキしているご家族も多いかと思います。その反面、未知な小学校ワールド。「PTAって大変!?」「親の負担はどれくらい!?」と不安でいっぱいの方もいらっしゃるでしょう。■学校からたくさんのプリント。本当に参加しなければいけない行事はどれ!?小学校に入学してまず驚くのは、持ち帰ってくるプリント類の多さ。校長や学校から出されるもの、PTAから出されるもの、地域から出されるものなど重要なものも、そうでないものも玉石混合で、どっさりと子どもが持ち帰ってきます。その中には、保護者会のお知らせ、講座などのお知らせ、ボランティアのお願い、授業参観など学校への参加を呼びかけるプリントが入っています。できるだけ学校にも協力したいし、子どもの様子も知りたいけれど、働いていたり、小さなきょうだいがいたりすると難しいのが現実。年に数回ある保護者会は、毎回の出席が難しければ、係りや委員を決める最初の保護者会にはできるだけ顔を出し、それ以降のものは調整がつく範囲での出席、などと優先順位をつけるのがおすすめです。■PTAの係りや委員、あなたはどうする?加入が任意であり、加入しない保護者が出てきたことも話題になっているPTA。それでもほとんどの人が加入するのが現状です。考え方や事情によって立場は人それぞれですが、筆者は、公立小学校は学校側だけでできることにも限界があり、保護者の協力が学校生活には欠かせないと感じています。だから、「がんばりすぎず、できる範囲での協力」を心がけています。「がんばりすぎず」というのは、小学校ママ歴も5年近くなり、PTAの仕事というのはやはり「子育て観」が関わってくるもので、子育て観ほど全員一致が難しいものはない、と実感しているからです。特に公立小学校は、「この学校のここが気にいって子どもを行かせている」というわけではないので、ますます価値観はバラバラです。利益の追求という共通の目標を持って動く会社などの組織とは異なり、目標も熱意も集まってくる人もバラバラ。そこで子育て観をぶつけ合うのもなかなか大変なので、「与えられた仕事」をきっちりこなすことや、自分の得意な仕事(例えば書類作成)などで貢献するようにしています。■どうやって「できる範囲の協力」をする!?「働いているから」というのがPTAの仕事の免除の理由にはならなくなってきています。でも、現状平日の昼間をPTAの仕事に割ける人は限られています。それではどうしたらいいでしょう。係りによっては家や土日でもできることも多かったり、特定の時期だけ忙しかったりと働いていても比較的参加しやすいものと、平日の集まりが多くまず難しいものがあります。ただ、表面上はなかなかそれが見えにくく、係りを決める段階でほとんどの人がよくわかっていないのが現状です。係り決めを運任せにするのではなく、リサーチが重要。上の学年にきょうだいがいるママなどに早めに係りや委員の仕事の内容を聞いておき、どの係りや委員なら比較的できるか目星をつけておくことをおすすめします。希望者がいないと、くじ引きやじゃんけんで決められる場合もあるので、大変な係りになってしまうリスクを避けるために、事前にリサーチした比較的やりやすい係りに立候補してしまうのも作戦のひとつです。係りをやると学校の事情もよくわかったり、他学年の知り合いもできたりなど、プラスの面もあります。小学校は、子どもが自分で登下校して、親同士が知り合う機会も園時代よりぐんと減るので、知り合いを作りたい場合は、思い切ってできそうな係りに立候補してみてもいいでしょう。【まとめ:小学校PTAをのりきる 3つのコツ】1)どの係りならできそうか事前にリサーチをしておく2)学校の事情を知りたいならできそうな係りをやってみる3)PTAと仕事は違うと考え、仕事のやり方をそのままPTAに持ち込まないように注意
2017年03月06日新入生ママを戸惑わせるのが、小学校でのPTA問題。多くの小学校では、「子ども1人につき1回は役員・委員を」といった暗黙のルールがあります。共働き家庭に配慮されていた保育園とは異なり、小学校でのPTA活動の多くは平日の日中。「仕事があるから」は役員や委員免除の理由にならないため、仕事とPTA活動の両立に苦慮しているママも多いようです。■「PTAやめた」と考える前にPTAが任意団体であることは昨今のニュースでも報じられています。実際問題、PTAを積極的にやりたいと思っているママは、専業、兼業問わず多くないのではないかと思います。でもだからといってすぐに「PTAやめた」とは声をあげることもできないのも実情。また「やりたくない」と思っていても、くじ引きなどで引き受けざるを得ないことも。まずは自分の学校のPTA活動について調べてみてはいかがでしょうか? もしかしたら仕事との両立ができる活動や子どもにとって必要な活動も見えてくるかもしれません。■各委員の活動内容をリサーチまずは委員会の種類や活動内容をリサーチしてみましょう。PTAには、活動の中心となる本部役員をはじめ、各クラスのとりまとめを行う学級委員、保護者向けの交流会などを主催する文化委員、広報誌を発行する広報委員など、さまざまな委員会が設置されています(委員会の名称は学校によりさまざまです)。委員会の中には、平日の会議が比較的少ないものもあるかもしれません。たとえば、広報委員会の作業として、運動会や発表会の参観のついでに写真撮影すれば対応できる場合もあります。また校外委員会の場合には、出勤前に通学路の見守りや夏休みの夜間見回りといった活動内容で、子どもの安全な通学、日常を守るために必要な役割を担っています。さらにこうした校外活動は、あまり仕事に影響せずに対応できる可能性も。一般的に「PTA活動は子どもが低学年のうちに引き受ける方が負担が少ない」といわれています。自分にできそうな委員会があったら、早めに立候補してしまうのも手です。■積極的に引き受けられる作業いまは1人1台のスマホが一般的になり、ネット環境もとても身近なものになりました。でも、「パソコン作業は苦手」という人もまだ少なくありません。アナログ作業が多いPTA活動の中でも、お知らせのプリントやチラシ、パワーポイントを使った発表用資料の作成など、パソコンスキルが必要となる場面もあります。書類作りや調べ物など、自宅でできる作業は積極的に引き受けることで参加するという方法もあります。仕事の都合でどうしても会議に出席できないときも、「その代わりに書類は作っておきます」ということになれば角が立ちにくいかも。■ママだけの活動ではないPTAの「P」は「Parent=親」の意味。活動に参加するのはママだけ、という決まりはありません。委員会の会議などは、パパに参加してもらうのもひとつの方法です。「仕事でPTAの会議を欠席」というママにはときに厳しい視線が向けられることもあるPTAですが、なぜか男性であるパパが参加すると、「仕事もあるのにPTAに参加するなんてスゴイ」といった雰囲気に。同じように仕事を持つママとしては少しモヤモヤしますが、そこはこらえてパパに頑張ってもらいましょう。PTAの会議では「本題に関係ないおしゃべりで時間が無駄に過ぎる」という悩みもよく聞かれます。参加するのがパパなら、そんなママたちのおしゃべりもシャットアウトできそうです。さらにパパに期待したいのが、会議の効率化。仕事で培ったプレゼン能力、時間の使い方工夫をPTAでもいかんなく発揮して、「これはこうしませんか?」と提案してほしいところ。ほかのママも提案したくてうずうずしている場合もありますが、どうしても女性同士では軋轢が生まれそうで言えないものです。共働きやシングル家庭が増えている最近では、委員会を設置せずイベントごとにお手伝いの保護者を募るなど、より多くの保護者がPTAに参加できるよう工夫されている学校もあるようです。PTA活動の意義についての意見も聞かれるようになった昨今。自分の目でどういった活動をしていて、子どもにとって何が有意義なのかを把握することも必要な時代になってきていると思います。学校にすべて任せて安心するのではなく、学校への意識を高めるために、PTA活動について考えてみたいですね。
2017年03月04日こんにちは、こじらせ美容オタク家のともです。先日、PTAをやめた東京都内の主婦のことが話題になっていました。PTAに関しては長年賛否はありますが、そもそも「え?PTAって入らなくてもいいの?」と思った人もいるのでは……。そうなんです、PTAは任意なので入る入らないは自分次第。しかし、現実は「入らなくてもいいなら入らなければいいじゃん」とそう簡単なものでもないようですね。そこでPTAに入会しないことに対する賛否両論の意見を聞いてみることにしました。●(1)皆やっているのに一人だけやらないのは許せない『皆、いろいろな事情があって忙しいのにきちんとPTAの仕事をこなしてきている。自分だけしない、なんてただのわがまま』(30代女性/パート)やはりPTA非加入をよしと思わない理由の一つに、「皆やっているのに……」という気持ちがあるのは確か。また、自分がもうPTAをやった後に「非加入でもいい」という風潮になってしまえば、「私は頑張ったのにずるい」のような気持ちになるのは仕方がないことなのかもしれません。ずっと続いているPTAの制度、「私はやったのに」という気持ちが永遠と受け継がれていく ことも、なくならない理由の一つなのでしょう。●(2)学校とのつながりを持てる『やってみたら、たくさんの親と話せるようになったし先生とも仲良くなれた。学校に出向く機会も増え、学校と子どもと親がつながれる良い機会に。今でもそのPTAで仲良くなれた人たちと先生とは連絡を取り合っている』(40代女性/会社員)確かにPTAがないと学校と親が密につながる機会はなくなります。PTAをやることによって、学校という存在が子どもだけでなく親にとっても身近に感じられるとのこと。また、「学校はこんなことをやっているんだ」と新しい発見もある ようです。その活動に意義を見いだせたとすれば、「やってよかった」と思えるのかもしれません。●(3)PTA活動自体が無駄ばかり『お菓子を配ったり、ベルマークを集めたりとその仕事がわざわざ親に半強制でさせる仕事か?って思う。これだったら会費を払って外注してくれた方が体力的にも精神的にも全然楽』(30代女性/看護師)「PTAはいらない」という理由に、「その仕事自体がしてもしなくてもいいような仕事だったから」と感じる人は多いみたいですね。「大した仕事じゃないし、わざわざこれを親がしなくてはならない意味がわからない」「無理やり仕事を作っているだけの気がする」というように、仕事自体に全くやりがいや意味を感じない 、それなのに無駄に人間関係に疲れたり、時間を拘束されたりするからこそPTAはボランティアや外注に、と思うようです。●(4)負担が増えて子どものための時間が減る『仕事に家事に育児、その上PTAの活動となると子どもとの時間は減るに決まっている。夜中の集まりもあったりして、小さい子どもがいる家庭はどうすればいいんだ、って感じ。むしろ親に悪影響を与えているだけ』(30代女性/自営業)PTAをすることによって子育ての余裕がなくなり、イライラしているのを子どもにあたってしまう、では本末転倒。子どものための活動なのに、なぜかいつのまにか学校のためだけの活動になってしまっている と感じるのも「イラナイ」と思う理由。実際、親は日々の生活だけでてんてこ舞いの人の方が多いのです。それに加えPTA活動となると、仕事も半日休まなければいけなくなるなど、特に働いている親にとっての負担は大きいよう。----------やはり「PTAをやりたい」と心から思っている人は少数であり、ただそれでも「やめます」と言えないのは、「やめたら子どもがいじめられるのでは……」と子どもを人質にとられている感がある、というのは否定できないですね。また昔と違って家族のかたちも現在は多種多様なので、やはり古い制度をそのまま今に、というのは無理が生じてくるものなのでしょう。●ライター/とも(こじらせ美容オタク家)●モデル/ゆみ
2017年02月14日ママ友の派閥争い……殺伐とした役員決め……平日昼間からの会合(とくに意味のある会話なし)……などなど、何かと悪いイメージがある“PTA”。タレントで『一億総活躍国民会議』の民間議員でもある菊池桃子さんが、『PTAは本来、任意活動であるはずなのに、全員参加のような雰囲気がある。働くママにとっては厳しい』といった主旨の発言をして多くのママの共感を得ました。たしかに、日本のPTAは任意制のはずなのに、もはや強制加入が当たり前みたいな雰囲気がありますよね。しかし、PTA活動には悪い面だけではなく、「ママ友が作れる」「学校の様子を詳しく知ることができる」など、メリットとなる部分もたくさんあります。いろいろと騒がれることの多いPTAですが、実際のところママたちはPTAについてどう思っているのでしょうか。そこで今回は、パピマミ読者の皆さんに「PTA活動のあり方」についてどう考えているか聞いてみました!●「PTA活動」のあり方について、どう考えますか?・1位:PTA活動自体なくなればいいと思う……37%(244人)・2位:完全任意制にすべきだが、役員には何かしらの報酬を出すべきだと思う……24%(160人)・3位:全員参加にすべきだが、運営方法の改善は必要だと思う……21%(141人)・4位:完全任意制にして興味のある人だけやればいいと思う……15%(99人)・5位:保護者たるもの全員参加すべきだと思う……2%(16人)※有効回答者数:660人/集計期間:2016年5月5日〜2016年5月9日(パピマミ調べ)●「なくなればいい」が最多『今度子どもが小学校を卒業するけど、正直必要性は全然感じなかった。ムダな仕事が多いし、目的があいまいでグダグダだった』(30代ママ)『PTAが成し遂げることよりも、絶対にママたちへの被害の方が大きい。仕事休んでまで会議出席しろとか頭おかしい。なくなっても誰も困らないよ』(40代ママ)一番多かった回答はなんと『PTA活動自体なくなればいいと思う』でした!仕事とPTAのバランスや人間関係など、その理由はさまざまですが、多くのママにとって“不必要”というイメージがある みたいですね。PTAの活動内容は各学校によって大きく異なりますが、学校によっては「全員参加」「会議は平日昼間」「会費強制徴収」などを掲げるところもあり、横柄とも思えるPTAのあり方に疑問を感じる人は少なくありません。また、本来「プリントに目を通しておいて」で済むはずの情報をわざわざ会議を開いてダラダラと説明したり、平日の昼間に集まったと思ったら、ランチを食べながら来ない人の悪口を延々言って終わる、などの体験談もあり、本来の“PTA”としての役割を果たしていない との声も多く聞かれました。たしかにそういった現状を聞くと、PTAの存在価値について考えてしまいますね。しかし、一方ではPTAがないと学校がうまく回らないというケースも多くあります。そのため、一概に“PTA活動”をなくせばいいというのは早計ですね。『一度保護者向けに「PTAは必要だと思いますか?」ってアンケートをやればいいのに』というコメントがありましたが、保護者に“PTA”の存在意義を問うてその上で多数決で運営するかどうかを決める、というのも一つのアイデアですね。学校によっては本当にPTAを廃止しているところもあるようなので、「PTAがなくなればいい」という思いは決して実現不可能なものではありません。周囲のママや学校側と相談しながら適切な落としどころを見つけるようにしたいですね。●「完全任意制にすべき」は約4割『PTAは本来任意制なんだから、そうすべき。ママの中にはPTAをやりたいって人もいるし、そういう人たちに任せたらいいじゃん』(30代ママ)『みんながPTA活動に消極的なのは、見返りが全くない“ボランティア”だから。報酬を出せばおのずと任意制で回るようになるはず』(40代ママ)「PTA活動自体なくなればいいと思う」を選んだママとほぼ同数が選んだのが、『完全任意制にすべき』という回答。役員選出の際に、その場の全員がうつむいて無言になり、遅い時間になってもなかなか決まらない……というのはよく聞く話です。また、夜の10時に4〜5人のママに突然訪問されて「PTAやってくれない?」と一時間ぐらいゴネられた、というエピソードもありました。そんなことが起こるのは、“PTAは全員参加すべきだ” という考えがママたちの間に根付いているから。本来PTAは任意制なので、嫌だと言われればそれまでのはずです。しかし、それでも無理矢理役員を決めようとする高圧的な姿勢が、多くのママに強いストレスを与えていることは間違いありません。そこで多くのママたちから出た意見が、「報酬制にすべき」 というもの。たしかに、陰湿な人間関係やムダとしか思えない会議への出席も、報酬が出るなら耐えられますし、モチベーションも上がりますよね。実際、役員の歴任年数に応じて報酬を出している学校もあり、1年目2万円、2年目5万円、3年目10万円などといった制度を実施している例もあります。選出に手間取って運営に行き詰まりを感じている学校は、検討してみてはいかがでしょうか。また、東京都大田区立嶺町小学校では完全自主参加制の“PTO”という制度の運営に成功しているので、そちらを参考にしてみるのもいいと思います。●「全員にすべき」は約2割『PTAは子どもたちをサポートするもの。親の好き嫌いで活動の有無を決めていいわけがない。子どもへの愛情があるなら、全員参加が基本 』(40代ママ)『やっぱりPTAはなくてはならないし、負担を平等にするためにも全員参加すべきだと思う。ただ、家庭環境によって負担の割合を軽減したり、なるべくムダな時間を減らすような努力は必要だと思う』(30代ママ)「全員参加にすべき」と考えている方も少なからずいるようです。たしかに現状の制度のままでは、任意制にするだけだと負担の偏りが大きくなる可能性があります。また、PTAに全員参加することで保護者間のつながりを強固なものにしたり、担任の先生との関係を深めたりといったメリットもあります。各家庭で異なる負担の大きさをどう調整するか、参加を嫌がるママをどうやってやる気にさせるかなど、いろいろな課題はありますが、皆が納得できる形であれば、“全員参加”も苦ではないはずです。----------いかがでしたか?今回のアンケートからは、多くのママが「PTA活動はなくなればいい」と考えていることが分かりました。また、「完全任意制にしてほしい」と回答した人も含めると、約8割近くのママが現状のPTA活動に不満を抱えているといっても良いでしょう。PTAがどうあるべきか、その答えはいまだに出ていませんが、菊池桃子さんのように、私たちも一人ひとりが声に出して問題提起をすれば、解決の糸口が見つかるのかもしれませんね。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜5位)】「PTA活動」のあり方について、どう考えますか?()●文/パピマミ編集部●モデル/大上留依(莉瑚ちゃん)
2016年05月11日【ママからのご相談】小2の女の子のママです。小学校のPTAで広報委員会に所属しています。年数回の広報パンフレットの作成が主な仕事ですが、毎回見づらく見栄えがいまいちのパンフレットになってしまいます。素人だからしょうがないと思いつつも、 委員の最後に、せめてもう少しデザインの良いパンフレットを作りたいです。見栄えを良くするデザインポイントなどがあれば教えてほしいです。●A. 見栄えするデザインのコツをお教えします。こんにちは、遊びと学びの専門家大根はじめです。なんとなくプリントやパンフレットのデザインが決まらないことはありますね。非デザイナーの方向けに書かれたデザイン本『ノンデザイナーズ・デザインブック』と『一生使える 見やすい資料のデザイン入門』から、わかりやすい、見栄えするデザインのコツを3つご紹介します。●(1)タイトルや見出しに文字装飾は不要。書体を使い分けて見やすくパンフレットのタイトルや見出しはついついPCソフトウェアの文字装飾機能を使ってあれこれゴテゴテと装飾してしまいがちですが、文字装飾はせずシンプルにした方が見やすくスタイリッシュになります。タイトルや見出しのフォントはゴシック体系統 のものが良いでしょう。ゴシック体は視認性が高く見やすいフォントなので、目を引きたいタイトルや見出し部分には最適な文字です。さらに目立たせたい場合は太字にするのも良いでしょう。デザイン良く見せたいのなら、書体をメイリオというゴシック系のフォントにするのもお勧めです。タイトル・見出し以外の文章部分は読みやすさが求められるので、可読性にすぐれた明朝体を使うと良いでしょう。フォントを使い分けることでぐっと見やすさがアップします。ただし、複数のゴシックフォント、明朝フォントを使うと紙面が混乱しますので、それぞれ1種類ずつ とした方が失敗は少ないでしょう。●(2)イラスト素材と色は使いすぎ注意文字だけだと寂しいと考えてイラストをちりばめる場合も注意が必要です。イラストのテイストがバラバラだと統一感がなく、まとまりのない印象のパンフレットになってしまいます。イラストを使う場合はテイストを揃えておくと良い でしょう。ネットで素材を探す場合、同じ作者のものや同じサイトの素材でテイストを揃えて使う方が統一感の感じられるパンフレットになります。色も悩むところですが、多色使いをするとゴテゴテとしてまとまりのない印象になります。色はベースカラー・メインカラー・アクセントカラーの3色に絞って使うと良いでしょう。●(3)近接と整列ワザですっきりどうしても空白が気になってぎゅうぎゅうに文字やイラストを詰め込んでしまうのは、初心者がよく陥る失敗です。パンフレットの中の情報をまず確認しましょう。いくつかのトピックに情報を分割できるのではないでしょうか?関連する項目に分類してまとめましょう。似た情報は近づけて近接させると、視線も迷わずすっきりした印象 になります。逆に似ていない項目は離して配置しましょう。最後にすっきりと整列させてみましょう。中央揃えにしがちですが、意外と中央揃えは失敗しやすく難易度の高い揃え方です。中央揃えはタイトルのみ、見出しと本文は左揃えにするとすっきりするでしょう。----------いかがでしょうか?コツを押さえるとデザインも楽しくなると思います。挨拶状などでも今後使える技なのでぜひ試してみてください。【参考文献】・『ノンデザイナーズ・デザインブック』ロビン・ウィリアムズ(著)・『一生使える 見やすい資料のデザイン入門』森重湧太(著)●ライター/大根はじめ(マンガ家)
2016年03月17日こんにちは。ママライターのamuです。子どもが小学生になるのはうれしい、でもPTA役員や学級の役員などは大変そう!と思っているママは多いと思います。「役員決めの保護者会は沈黙の時間が続くんでしょ!?耐えられる気がしない」という声も。私も、あの沈黙を味わいました。一人ひとり、できない理由を言っていく場面もありました。そして、なるようになれと、思いきってやってみることにした学級代表。それなりに大変でしたが、感謝してもらえたり、他の学年にも顔見知りが増えたり、最後には打ち上げもできたりと、楽しい経験となりました。学級代表のときにしたことが、5つほどあったので、詳しく書いてみたいと思います。●あなたもなるかも? 予習しておきたい学級代表のお仕事5つ●(1)運営委員会への出席年に6・7回、校長先生、副校長先生、PTA役員、各委員会の委員長、全学級代表が集まり、学年活動・地域活動・委員会活動の報告や、よりよい学校・地域にするための意見交換などをします。ここで出た連絡事項などを、保護者会のときにお母さん方へ伝える役目があります。大変そうな気もしますが、行ってしまえば、正直ただ座っているだけのことが多かった ような……。土曜日にあったのですが、午前中で終わるため、ついつい寝過ぎてしまう私にとっては、すっきりした頭で午後から動けるのでよかったなと思いました。また、学級代表は、代表と副代表二人体制なので、どちらかが出席すればいい点も助かりました。●(2)茶話会の告知と開催地区会館を借りる、ランチのお店を予約するなどしてから、お知らせのプリントを作り、出欠表を集めます。地区会館の場合は、飲み物持参、お茶菓子の差し入れ歓迎という形にしました。10時~12時で自己紹介や雑談、ちょっとしたゲーム、PTAへ提出するアンケートや意見の交換 などをし、行ける人でランチへ流れました。ランチ会にしたクラスは、『お知らせのプリントに広めの個室があるお店のランチメニューを載せ、あらかじめ選んでもらってから予約をした。大人数でもスムーズに料理が出てきたからオススメ。時間は11時半から子どもの下校時間少し前まで』(30代ママ)という形にしたそうです。●(3)PTA会費の集金一部屋に集まって、封筒に入れられた会費を集計し、未提出の人に連絡します 。電卓を打つ・お札を数えるのがとても早い人もいて、久々に社会人のときのような気分を味わいました。●(4)学年活動の企画・開催体を動かすレクリエーションや、楽器演奏など、内容は自由 でしたが、学年ごとに毎年やることは決まっているようでした。過去の資料もあるので、それを参考に演奏者とのやり取りをし、予定を立てたらプリントで知らせました。当日は、椅子を並べたり、出演料の支払いをしたり、司会をしたり。保護者も参加でき、参加率も高かったです。『お笑い芸人の友達がいるママがいて、ライブをしてもらった』(小4男の子のママ)という、うらやましい声も。●(5)先生へのメッセージやプレゼントの取りまとめクラス替えを控えた3月の修了式の日に、先生へのお礼のメッセージを渡すことが多い ようです。私たちは、他の学級代表さんたちと相談して、写真やメッセージを入れたカードを1人1枚ずつ作成してもらい、ポケットアルバムに入れることにしました。先生へは、その日の日直の子に渡してもらいました。費用は、学年活動費から出ました。『花束を買って渡した』(小3女の子のママ)『学校公開のときに、みんなで写真を撮って、それを色紙とともに渡した』(小5男の子のママ)小学校の先生をしている友人の話では、とてもうれしく、落ち込んだときなどにたまに眺めるそうです。お世話になった先生に、喜んでいただけると私たちもうれしいですよね。----------活動するたびに、報告書を書く・許可をもらうなどの手続きで学校へ出向く手間もありましたが、思っていたより簡単で、子どもたちにも顔を覚えてもらえて、楽しいことも多かったです。高学年になると、経験済みの人も増え、保護者会の出席率も悪くなるそうなので、できたらなるべく早いうちにやっておくといい のかなと思います。娘の学校では、PTA執行部や学級代表委員のほかにも、学校での活動を取材し広報誌を作る“広報委員”、“給食試食会”やベルマーク集計や美化活動を行う“厚生委員”、次年度のPTA役員の選出に関わる活動をする“役員選出委員”などがあります。ただ、役員を、6年間一度も何もやらないで済む人のほうが多く、また、何人かはそういうことが好きで、快く何度も引き受けてくれる方が必ずいます。行事のときの校門警備や、読み聞かせ、パトロールなどの簡単な手伝いで、ママ全員が何かしら関わるという学校も多いようです。さまざまな理由で忙しいママは無理をしなくていいと思うし、みんな理解・協力してくれる雰囲気はあるので、心配しなくても大丈夫ですよ。●ライター/amu(ママライター)
2016年03月15日【ママからのご相談】私は、シングルマザーで3人の子どもがおり、看護師資格を取るために大学(この春2年生)に通っています。PTAが任意ということは知らず、子どもが入学した際、当たり前のようにPTA規約を渡され受け取りました。5日前にPTAでの地区長を決める投票が行われ私が選出されたようです(投票の際、私は参加できませんでした)。その日の夜に、現在の地区長から連絡があり、「選ばれたのでやってくださいね」と言われました。しかし、私も平日は7:30~19:30と帰りも遅く、土曜日も変則で大学に行かねばならず今回は断らしてほしいと願い出たのですが、投票で当たったら皆平等、どんな状況でも受けてもらわないと困るからやってくださいと、ほぼ強制的に引き受けることとなってしまいました。2学年からは実習なども入ってくるため、周りに迷惑をかけずにやっていくことができるのか、どう考えても時間的に無理な状況でしかなく、正直不安ばかりで引っ越してしまいたい気分で一杯です。子どももお世話になっているので、回って来たらいつかはしないといけないと思っていたのですが、無理をしてまでしなくてはならないのか、拒否権もないのかなどいろいろな葛藤がわき起こってきます。こんな状況をどう自分に納得させ、今後活動していけばよいのでしょうか。●A. PTA役員は、無理にやる必要はありません。ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の島田さくらです。学校でのトラブルのひとつとして、PTAでのもめ事というのはよく耳にする話です。保護者として社会と向き合わなければならない。でも仕事や生活とのバランスも必要。PTAの役員に選出されたら絶対に受けなければならないのでしょうか。●PTAって絶対入らなきゃいけないの?PTAは各学校で組織される保護者と教職員の団体ですが、あくまで任意の団体であり、その学校の保護者であれば絶対に入らなければならない強制加入団体というわけではありません。そのため、PTAは絶対に入らなければならないものではなく、加入も退会も自由です 。PTA規約に「保護者は絶対参加」と書かれている場合でも結論は同じです。憲法21条は、基本的人権のひとつとして集会・結社の自由を定めており、特定の団体へ加入するかしないか決めることも憲法上保障された権利と言えます。憲法は、本来国家対個人の関係についてのルールなのですが、民間においてもその考え方は十分尊重されるべきです。よって、「保護者は絶対参加」というような団体に加入しない自由を侵害する記載は、公序良俗に反するものとして無効となる でしょう(民法90条)。●PTA役員に選ばれたら断れないの?PTAの役員に就任するのは、法的にいうと“委任契約” にあたると考えられます。契約をするかしないかは個人が自由に決められるので(契約自由の原則)、選ばれた人が承諾しない限り委任契約は成立しません。すなわち、役員に選ばれたとしても断ることができます 。では、PTAの規約に「選ばれた人は役員にならなければならない」と書かれている場合はどうでしょうか?PTAに加入した時点で規約に従うことを承諾しているんだから、その後役員に選ばれたら役員に就任する義務が発生するのではないかとも思えます。しかし、実際は子どもが入学した途端に説明もないまま、PTAが任意の加入団体であることも知らされずPTAに加入したというケースが多い でしょう。こういった場合、PTAに入るのか入らないのかという点に保護者の意思は介在していないので、PTAに加入した時点で規約に従うことを承諾したというのは難しいでしょう。また、仕事の状況や収入、生まれたばかりの子どもや介護が必要な家族がいないかなどを一切考慮せず、「選ばれた人は役員にならなければならない」という規定になっているのであれば、そのような規定は公序良俗に反し無効となると思います。●まとめ以上のように、法的な話をするとPTAの役員に選ばれても断ることは可能ですが、今後の付き合いを考えると断りにくいという気持ちもありますよね。できれば役員投票の前に、前任者や周囲の人に事情を話して、今年は役員になれないということについて理解を得ておきたいところです。役員を受けるのであれば、周りの保護者が自分に期待して投票してくれたんだとポジティブに捉えてやっていきましょう!負担もあるでしょうが、周りの保護者と仲良くなれたり、情報交換ができたりというメリットもあるはずです 。仕事や大学とのバランスを考えて断るのであれば、きちっと断って代わりにやってくれる人を探しましょう。また、どうしても嫌だけれども断れないし受けるというのであれば、初めにできることできないことを明らかにして、他の役員と協力してやっていけるとよいですね。私も今年は息子の保護者会役員です。ドキドキしますが、新しい出会いもあるでしょうし、ママ友を作るチャンス。頑張りましょう!●ライター/島田さくら(アディーレ法律事務所所属弁護士)
2016年03月07日卒業シーズンを終えるとあっという間にやってくる新学期。4月から子どもが小学校に進級するママ達は、PTAのお仕事に不安を感じている人も多いのでは。小1の壁という言葉の通り、保育園は延長保育があったのに対し、学童保育は延長できないことがほとんどで、ワーキングマザーたちは子育てと仕事のバランスを見直す必要が出てきます。そんな中、「PTAの集会は平日の昼間に行われている」なんて話を聞くと、ちょっと気が重くなってしまいますよね。学校によって関わり方は違うとはいえ、いったいPTAとはどんなものなのか、今回詳しく調べてみることにしました。PTAってどんな団体?PTAとは、保護者と教職員が協力して子どもの健全育成を図る社会教育関係団体のこと。全国各学校で組織され、全ての児童生徒のためのボランティア活動というのが本来のありかたです。体制や運営方法に違いはありますが、本部役員のほかに広報や校外、学校保健、学年・クラス、行事など各種委員会が設置されます。必ず加入しないとダメなの?原則善意による任意加入ですが、学校や子どもとの関わりも多いため、加入している保護者がほとんど。PTAの参加方法は各学校によって違いますが、自薦他薦、くじ引き、ポイント制、6年間に1度、全員一役など、さまざまな手段が取られています。近ごろは各家庭の事情や働くママも多いことから、PTAとの関わり方に対してストレスを感じるママも少なくありません。運営側もそれを十分に認識して、フルタイムで働くママも参加できるよう改革をしているところが増えています。PTAの役割って学校生活において、子どもたちが健全に楽しく生活するためにはPTAの役割はとても重要です。例えば運動会一つにしても、子どもと先生だけで準備や片づけを行うに限界があります。テント張り、校内の巡回、清掃、駐車場の誘導、来賓の案内など、前日から当日にかけてやらなければならないことはたくさんあります。先生方は当日子どもたちを指導しなければいけないので、手の行き届かない場所のお手伝いを誰かがやらなくてはならないことは必然的です。そういった縁の下の力持ちがいるからこそ、当たり前のように運動会が開催できることを忘れてはいけません。学校によってはPTA主催のお祭りやイベントを開催しているところもあるようです。また、PTA会費から子どもたちへの記念品やプレゼントを購入する場合もあります。とにかくやってみる!PTAのお仕事は「大変」「重荷」などマイナスイメージを感じやすいかもしれません。でも「どうせやるなら楽しんでしまえ!」という気持ちでやってみることも大切かもしれません。学校で見せる子どもたちの楽しそうな姿や一回り成長した姿を間近に見るチャンスにもなります。パパやママが学校で先頭に立って活動している姿を見つけると、子どももとてもうれしいとか。また、委員会を通じて学校に行くと先生と話す機会が増え、子どもの様子や先生方の苦労や意外な一面、学校の雰囲気を知ることもできます。気の合うママ友と知り合うチャンスもPTA主催のお祭り委員を担当した人からは「学園祭の準備みたいで学生時代を思い出した」「達成感があって久しぶりに充実した時間だった」という声も聞けました。もちろん、それぞれの家庭の事情がありますから無理は禁物。保護者たちが連携を取り合って、フォローし合うことが大切です。平日に活動することが無理ならばその旨を伝え、土日や自宅で出来る仕事を回してもらうなど、何かしらの手段でお手伝いすることは可能なはずです。子どもたちが同じ学校に通っているのも何かのご縁。PTA活動は、気の合うママ友と知り合うチャンスでもあります。親にとっても子どもにとっても、6年間という長い小学校生活を過ごす仲間ですから、気持ちの良い関係を作りましょう。何より、子どもたちが楽しい学校生活を送れる手助けをする場だと考えると、関わり方も変わってくるかもしれません。PTAの仕事を重荷だと考えず、できることから始めてみると良いのかもしれません。
2016年03月04日日本で子育てをしていると、PTAとの関わりは必ずと言っていいほど経験するもの。PTA(Parent-Teacher Association)とは父母と教師の会のことで、教育効果の向上、子どもの健やかな育成を目的として、1897年アメリカで結成。日本では第二次大戦後に設立されました。活動を通して学校と父母、地域を繋ぐ役割を果たしています。PTAへの参加は「任意」とされていますが、実際は「全員参加」を強いられることがほとんど。また、かつて日本の家庭は、男性が働き女性が家を守る、という形が主流だったため、母親の役割とされてきたPTA活動は、参加者が主婦であるという前提で行われてきました。ところが現在では共働きの家庭が増え、家族の形も多様化。そのような状況でも、PTA活動の仕組みは以前からそれほど変わっておらず、共働きの場合、PTAの役員仕事のために時間を割くということが困難になっています。ひとり親も同様です。子育てと仕事を両立しようとする親にとって、保育園までは、なんとかできていたものの、子どもが小学校に上がった途端、そこにPTA活動が加わり、大きな負担としてのしかかることがあります。これが世に言われる「小1の壁」の原因の一つです。では海外にはPTAのような組織はあるのでしょうか? 例えば男性同様に働く女性が多いフランスでは、どのようにそれらの活動と関わっているのでしょうか? フランスには、日本のPTAとまったく同じような組織ではありませんが、学校に子どもを通わせる親により組織された父母団体は存在します。それらは右派、左派など考え方によって分かれており、主にPEEP、FCPE、UNAAPEという3つの団体があります。どの団体に参加するか、またはどの団体にも参加しないか、すべては任意です。関わらなくても、学校に子どもを通わせる親として等しく与えられた権利が制限される、ということはありません。ただし参加すれば、教育現場の情報をより得られやすくなります。選挙も行われ、親はどれかの団体に投票し、勝った団体の代表者が、要望や改善など学校側との交渉を担当します。食事など親睦会も開かれます。それらは仕事をしている人でも参加できるように、出勤前の8時から9時、または仕事後の18時から、といった時間に設定されることが多いです。これも参加は任意。そのため、日本で言う「小1の壁」もありません。PTA活動は、同じ学校に子どもを通わせる親同士が仲良くなるきっかけになりますし、学校以外に地域とも繋がる機会を提供してくれます。そのため一概に悪い面ばかりではありませんが、本当に必要な活動のみ行うなど、時代に合わせて柔軟に変えていくことも必要かもしれません。(加藤亨延)
2016年03月01日近年、何かと話題に上ることが多いPTA。マイナビニュース会員のママ限定でアンケートを実施したところ、PTAに参加したことがあると応えた人は31.0%だった。参加経験があるママにはその感想を、不参加のママにはその理由を聞いてみた。○PTAに参加したことはありますか。または参加していますか。はい 31.0%いいえ 69.0%○参加経験のあるママ、感想は?・「子供のイジメとか教師と話し合いができるから良い」(30歳 / 運輸・倉庫 / 技術職)・「面倒の一言です」(39歳 / 医療・福祉 / 専門職)・「いやいや参加してる人が多いと感じる」(34歳 / 学校・教育関連 / 専門職)・「平日の会議が多くて大変だった」(50歳以上 / 電力・ガス・石油 / 事務系専門職)・「子供が1人しかいなかったのでPTA活動で、得る情報は楽しかった」(50歳以上 / ホテル・旅行・アミューズメント / 専門職)・「友達がたくさんできたし、子供の様子や学校のことがよくわかったので、大変だけれど楽しかった」(38歳 / 生保・損保 / 事務系専門職)○PTA不参加のママ、その理由は?・「仕事の都合で出席できなかった」(30歳 / 印刷・紙パルプ / 事務系専門職)・「人間関係が煩わしいから」(31歳 / 団体・公益法人・官公庁 / 事務系専門職)・「時間が無いし必要無いと思う」(36歳 / 小売店 / 販売職・サービス系)PTA参加経験のあるママの多くは、「大変」「面倒」といった感想を述べているが、中には情報収集の場としてうまく活用し、有意義だったというママもいる模様。参加することになったのなら、こういったポジティブな気持ちで取り組めると自分自身の気持ちも楽になりそうだ。PTA不参加のママは、「時間の無駄」「面倒」といった声が目立った。ここからは、PTA組織の必要性について。○PTA組織は必要だと思いますか。はい 43.0%いいえ 57.0%○必要! と応えたママの意見・「報連相が必要だと思うから」(27歳 / 情報・IT / 事務系専門職)・「生徒が言いづらいことを代弁して学校へ訴えるための組織としては必要。ただ、必要以上の権力をもってしまうことは問題」(24歳 / 食品・飲料 / 専門職)・「何かあったときに学校と折衝する窓口が必要だから」(32歳 / アパレル・繊維 / 事務系専門職)○PTA不要派の意見・「個人的には共働きの家庭も多いし、忙しいと迷惑かける罪悪感もあるから必要ではないとは思います」(30歳 / 運輸・倉庫 / 技術職)・「共働きが多い時代に適さない」(30歳 / 機械・精密機器 / 事務系専門職)・「子供のためといいながら、PTAの中でもママカーストやいじめがあり、子供の見本にもならないような親が集まってやっている組織だから」(40歳 / 運輸・倉庫 / 事務系専門職)PTAについては、57.0%と過半数が「不要」と回答。「学校が頑張ればよい」「なくても困らない」といった意見から、「共働きが多い時代には適さない」といった時代の変化に即していく必要性について考えさせられる意見も目立った。PTAが必要と回答したママの中には、不要派の回答とは真逆で「先生たちが大変そうで子どものことがおろそかになりかねないから」といった内容も見られた。さらには、学校と折衝する窓口としての機能や、行事を行う際のリーダーとしてのPTAについて存在意義を感じてるようだった。調査時期: 2015年6月4日~2015年6月8日調査対象: マイナビニュース会員(ママ限定)調査数: 100名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年08月12日スカイマークは3月18日、執行役員を2人新任し、現状の4人に加えて6人体制にすることを発表した。同社は2月の取締役会において、井手隆司氏(代表取締役会長)ら取締役4人に加えて執行役員4人を新任したが、3月の取締役会で執行役員として新たに経営企画室担の本橋学氏と、安全推進委員会事務局長の兼子学氏が加わることとなった。現在、取締役には井手隆司氏(代表取締役会長)、有森正和氏(代表取締役社長)、松尾愛一郎氏(取締役執行役員)、鈴木圭太氏(取締役執行役員)が、執行役員には田上馨氏、寺田成利氏、仙北谷茂氏、小野輝雄氏、本橋学氏、兼子学氏が担っている。
2015年03月19日スカイマークは2月17日、取締役会において執行役員の選任及び取締役・執行役員の担当職務について決議した。取締役は4人で、井手隆司氏(代表取締役会長)は安全推進委員会委員長と取締役会議長、有森正和氏(代表取締役社長)は監査室担当、松尾愛一郎氏(取締役執行役員)は安全統括管理者・生産部門管掌役員・整備部門担当、鈴木圭太氏(取締役執行役員)は管理部門管掌役員をそれぞれ担当する。また、執行役員の4人はいずれも新任で、田上馨氏は経理部担当、寺田成利氏は総務人事部担当、仙北谷茂氏は空港管理部担当、小野輝雄氏はクルー管理部/訓練審査部担当となる。
2015年02月18日富士通は1月19日、現執行役員常務の田中達也氏が代表取締役社長となり、現代表取締役社長の山本正已氏が代表取締役会長となる役員人事を発表した。ともに、6月22日開催の定時株主総会および臨時取締役会後に正式決定される予定だ。富士通の社長が、パーソナルビジネス本部出身の山本氏から、産業ビジネス本部出身の田中氏に変わる。両氏の略歴は下記の通り。田中氏は、1956年生まれで1980年に富士通に入社。2009年より産業ビジネス本部長代理(グローバルビジネス担当)、2012年より執行役員 産業ビジネス本部長、2014年より執行役員常務 Asiaリージョン長を務めていた。なお、1月19日付けで田中氏は執行役員副社長に就いた。山本氏は、1976年に富士通に入社、2002年にパーソナルビジネス本部長代理、2005年に経営執行役に就いた後、経営執行役常務、執行役員副社長、執行役員社長を経て、2010年より代表取締役社長を務めていた。
2015年01月19日テルモは12月25日、膝下などの末梢血管内治療に用いるPTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty:経皮経管的血管形成術)バルーンカテーテル「Tercross」を開発し、欧州で販売を開始したと発表した。PTAは、動脈硬化などで狭くなった足や手などの末梢血管を、カテーテルで押し拡げる血管内治療法である。従来の薬物治療や外科手術に加え、PTAバルーンカテーテルやステントを用いた血管内治療は、患者の身体への負担が少ないことから、今後広がることが見込まれている。同製品は、病変部での通過性を高めるため、血液に触れると潤滑性が増す親水性ポリマーを表面の一部に施している。また、バルーンの種類を、硬い病変部の拡張に適した耐圧性の高いバルーンと、狭窄した病変部での通過性を重視し、柔軟性を高めたバルーンの2タイプから選択できる。さらに、バルーンの長さも20mm~200mmで6品種がラインナップされており、膝下に多い長い病変部への対応を図っている。この他、カテーテルのシャフトに剛性の高い材料を用いることで、操作性も向上させたとしている。
2014年12月26日東洋経済新報社は12日、2011年5月期から2012年4月期までの有価証券報告書に記載されている役員報酬総額についての調査結果を発表した。1億円以上の役員報酬を得ている、いわゆる1億円プレーヤーは366人で、2011年の調査に比べて7人増加したことがわかったという。同調査では、1億円プレーヤー366人のうち現役役員312人を対象として、役員報酬額が多い順にランキングを作成。トップは前年の調査時と同様、「日産自動車」のカルロス・ゴーン会長兼社長だったという。2位は「メガネトップ」の冨澤昌三会長で、5億7,200万円の役員退職慰労金を含めて、7億3,500万円の役員報酬を得ている。一方、2011年に2位だった「ソニー」のハワード・ストリンガー取締役は、役員報酬額が4億6,600万円と、前年役員報酬総額に比べて4億1,600万円減少し、順位は6位に下がった。1億円以上の高額報酬を得ている役員の数を会社ごとに見ると、1億円プレーヤーが最も多いのは「ファナック」の14人。続いて2位は、2011年にトップだった「大塚ホールディングス」で10人、3位は「日産自動車」、「キヤノン」、「三菱商事」の6人となっている。また、高額役員数の増減を見ると、「高額報酬役員が増えた会社」では、「ファナック」が2011年の6人から14人と8人増加し、ここでも1位となった。反対に、「高額報酬役員が減った会社」では、「日本板硝子」のほか、「トヨタ自動車」や「ソニー」、「野村ホールディングス」で減少が目立っている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月13日公的年金を利用した役員退職金作りセミナー保険営業成功事例研究会は、10月16日に保険営業を対象としたセミナーを開催する。今回のテーマは「公的年金を利用した役員退職金作り」だ。無理のない役員退職慰労金作りを講師は、年金・退職金のスペシャリストである沖倉功能氏。赤字に転落した企業が大幅に増えた昨今、経営者にむけてどのような保険の提案をすればよいか、という悩みに「無理のない役員退職慰労金作り」という切り口で話す。このセミナーでは、「在職老齢年金」の仕組みを説明し、経営者への大胆な保険提案につなげることを目的としている。セミナーは、新宿の大久保地域センターで14時から開始する。定員は30名で参加費は9800円(早期割引価格:5000円)。当日は懇親会も予定している。
2010年09月26日三井住友海上火災保険が、役員賠償責任保険料を従来比10%引き下げた新商品を、11月から発売するという。日経新聞が報じている。これは、企業の役員が訴えられた場合などの費用を保障するもので、これまでは保険料も高く加入条件が限られる上、加入手続きが複雑なため、中小企業には普及していなかったもの。中小企業でも使い易く見直した新商品を11月に発売同社では昨年、中小企業でも使い易く手続きの簡素化を図った商品を発売したところ、反響が大きかったため、新たに見直しした新商品の投入に踏み切るとのことだ。売上高が240億円の自動車部品メーカーの例で、保険金支払い限度額を5億円とした場合、これまでの保険料185万円から145万円になるという。同社はこれにより、新規の契約件数を、年間で400件に倍増させるとしている。
2010年09月25日