「リベラルアーツ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。日本ではまだ浸透しているとはいえませんが、アメリカの大学ではごく一般的な教育のことです。そのリベラルアーツのエッセンスを子どもに吸収させることが大切だと語るのは、アメリカ・ワシントンDC在住のボーク重子さん。ライフコーチとして日米で講演会やワークショップを展開し、全米の女子高生が知性や才能、リーダーシップを競う大学奨学金コンクール「全米最優秀女子高生」で娘のスカイさんが優勝したことでも注目を集めました。ボーク重子さんが、これからの子育てにおいてリベラルアーツを重視する理由はどんなところにあるのでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/櫻井健司(インタビューカットのみ)リベラルアーツの本質は「どう生きるか」と考えること辞書を見れば、リベラルアーツは「一般教養」と訳されています。ですから、わたしも最初は「なんだ、難しい本を読んで知識を得る勉強のことか」と思いました。でも、実際はその真逆といっていいものです。「知識の集積」という側面の強い日本の一般的な勉強とはちがって、リベラルアーツが目指すものは「問いを立てる力」「考える力」を育むこと。その力を身につけるために哲学書などの本を使うのです。哲学書を読むのも、アリストテレスやプラトンなど過去の哲学者たちがどんなことを述べたのか、彼らの生涯がどんなものだったのかといった知識を得るためではありません。そうではなくて、そこからさらに進んで、「彼らはこう考えてこんな答えを出したが、自分はどうだろう」「自分にとっての正義とはなんだろう」というふうに、疑問を持つ、そして考えてみる――。それこそが、リベラルアーツです。具体的には、授業はほとんどがディスカッション形式で行われます。ですから、教官が教壇に立って学生に教えるというものではありません。教官は学生の考えを引き出す進行役です。学生たちは、授業までに教材本の指定箇所を読んできて、それに対する自分の考えを述べる。そして、さらにそれぞれの考えについて各自が意見を述べる。そうして、自分の考えを構築し、相手に伝えるすべを学んでいきます。以前、日本の一般的な勉強とリベラルアーツのちがいについて、娘が面白いことをいったことがあります。彼女いわく、「日本の大学は専攻を決めて専門知識を学ぶところだけど、アメリカの大学は『これから自分がどうやって生きていくか』『自分にとっての幸せとはなにか』と考える、その期間なんじゃないかな」と。「これはリベラルアーツを完璧に表現している言葉だな」とわたしは思いました。リベラルアーツでは、なにを読むのか、なにを知るのかということが重要なのではありません。なにかを読んだり知ったりしたことで自分はなにを感じたのか、そしてそれをどう応用して生きていこうと考えるのか、それこそが大切なのです。これからの社会で必要とされる、考える力と表現する力わたしがこのリベラルアーツを重要だと考える理由は、「考える力」「自分の意見を表現する力」を伸ばすということに尽きます。わたしたちは、すでに多様化したグローバル社会に生きています。にもかかわらず、日本人のなかには「僕は海外で働く予定はないから、グローバルな教養なんて必要ない」という人もいるのは少し残念なことです。グローバル社会というのは、外国だけにあるもの、外国の社会を指すものではありません。そうではなくて、国境を越えた文化や人、お金などの流動のなかにある社会のことなのです。つまり、日本はもう立派なグローバル社会なのです。日本で働き生きていく外国人は、今後ますます増えていきます。しかも、わざわざ日本を目指す外国人の多くは優秀な人材だと思ったほうがいいでしょう。リベラルアーツ教育を受け、しっかりと自分の考えを伝えることができる人たちなのです。そんな社会に能力的には彼らと互角という日本人がいたとしても、自分の意見を論理的に表現することができなければ、彼らと競い合う、あるいは協働することなんてできませんよね。しかも、これからの社会は変化のスピードも増していきます。よく指摘されることですが、AIの進化によって今日まではあった仕事が明日にはなくなるかもしれません。小さい頃に、「タクシードライバーになりたい」といっていた子どもが大人になったときには、自動運転車が普及してタクシードライバーという仕事がなくなっているかもしれないのです。そうなったとき、どうすればいいのかと考える力を持っていなければ、自分の人生を切り開くことはできないでしょう。また、人生にはいいときもあれば悪いときもあるものです。悪いときには置かれた状況を打開しなければなりません。そういう場合も、たとえ誰かがアドバイスをしてくれたとしてもその意見を鵜呑みにすることなく疑問視し、自分できちんと精査してどんな可能性や選択肢があってなにがベストなのかと、やはり考える力が求められるのです。まず親がリベラルアーツの基本姿勢を身につけるただ、日本では、リベラルアーツを行っている大学はいくつかあるものの、公教育の小学校や中学校で行っているところはないといっていいでしょう。それでも、リベラルアーツの考え方を家庭教育に生かすこともできます。学校ではディスカッション形式の授業で学ぶものですが、家庭教育でなら、それは「親子の対話」に置き換えられるでしょう。ただ、親子で対話をする、つまり自分の意見をいうにも、自分の考えがなければそうできません。子どもと対話し、子どもの考える力、意見を表現する力を伸ばすには、まずは親自身が自分の考えをしっかり持って伝えられる必要があります。そこで、パートナーがいる場合なら、お父さんとお母さんでいろいろな意見を交換し、しかもその様子を子どもに見せてあげてください。そのとき、「ディスカッションだから」と変に身構える必要もありません。ちょっと変な意見をいってしまってもいいのです。それを見れば、子どもは「どんな意見を伝えたっていいんだ」と思ってくれるはずです。アメリカで暮らしていてやはり気になるのは、自分の意見をいえない日本人がいかに多いかということ。もちろんわたしもかつてはそうでした。でも、どんなに素晴らしい考えを持っていても、それを表現できなければ意味を持ちません。意見の内容を問わず、まずはとにかく表現できる人間に子どもを育ててほしいと願っています。『世界基準の子どもの教養』ボーク重子 著/ポプラ社(2019)■ ボーク重子さん インタビュー一覧第1回:子どもが親の失敗から学ぶもの。「やり抜く力」を育むなら“格好悪い親”であれ第2回:「親の態度」がカギを握る。子どもの自己肯定感を高める行動、低める行動第3回:「ルールを守れる子ども」はこうして育つ。親が子に与えるべき大事な“時間”第4回:「自分の考えを言えない」問題の解決法。幼い子どもにこそ大切な“リベラルアーツ”【プロフィール】ボーク重子(ぼーく・しげこ)ライフコーチ。福島県出身。30歳の誕生日1週間前に「わたしの一番したいことをしよう」と渡英し、ロンドンにある美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、留学中にフランス語の勉強に訪れた南仏の語学学校でのちに夫となるアメリカ人と出会い1998年に渡米、出産。「我が子には、自分で人生を切り開き、どんなときも自分らしく強く生きてほしい」との願いを胸に、全米一研究機関の集中するワシントンDCで、最高の子育て法を模索。科学的データ、最新の教育法、心理学セミナー、大学での研究や名門大学の教育に対する考え方を詳細にリサーチし、アメリカのエリート教育にたどりつく。最高の子育てには親自身の自分育てが必要だという研究データをもとに、目標達成メソッド「SMARTゴール」を子育てに応用、娘・スカイさんは「全米最優秀女子高生 The Distinguished Young Women of America」に選ばれた。同時に、子育てのための自分育てで自身のキャリアも着実に積み上げ、2004年、念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年アートを通じての社会貢献を評価されワシントニアン誌によってオバマ大統領(当時上院議員)やワシントンポスト紙副社長らとともに「ワシントンの美しい25人」に選ばれた。2009年、ギャラリー業務に加えアートコンサルティング業を開始。現在はアート業界でのキャリアに加え、ライフコーチとして全米並びに日本各地で、子育て、キャリア構築、ワークライフバランスについて講演会やワークショップを展開している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月11日家族といってもそれぞれちがう人間同士の集まりですから、家庭にも「ルール」は必ず必要なものです。全米の女子高生が知性や才能、リーダーシップを競う大学奨学金コンクール「全米最優秀女子高生」で娘のスカイさんが優勝したことで注目を集め、ライフコーチとして日米で講演会やワークショップを展開する、アメリカ・ワシントンDC在住のボーク重子さんは、「家庭におけるルール」についてどんな考えを持っているのでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/櫻井健司(インタビューカットのみ)ルールは子ども主導で決めさせる家族というのはひとつのチームです。そして、チームには必ず目的があります。では、家族というチームが目指す目的というと、やっぱり「家族の幸せ」ですよね。だとしたら、その目的のためにそれぞれの家族はなにができるのか――。そういう視点でつくるべきものが家庭におけるルールなのだとわたしは思っています。親はもちろん、小さい子どもであっても、「宿題は自分ひとりでやる」「靴紐は自分で結ぶ」というふうに、やれることはいくらでもあるはずです。その際、親が子どもに押しつけるのではなく、家族全員で相談しながら「あなたは家族のためにどういうことができると思う?」と子どもに聞いて、子ども主導でルールを決めさせることが大切です。なぜならば、押しつけでは子どもの責任感が育たないからです。ただ、子ども自身が決めたルールであっても、問題が起きて守れないということも出てくるでしょう。そういうときに叱ってはいけません。ルールを守れなかった理由を聞けば、「もっともだ」ということも多いものです。大人だって、公私を問わず理由があって約束を守れないということもあるでしょう。家族のルールもそれと同じです。日本人は真面目ですから、「ルールは絶対に守るべきもの」と考えがちです。でも、例外のないルールというものはありません。家庭のルールというのは、あくまでも家族の幸せを目指すための「ガイド」だととらえましょう。子どもは遊びのなかでルールの重要性を学ぶ「ルールは守るべきもの」という考えを持っている人にとっては、ルールの対極にあるように思えるものが「遊び」かもしれません。そういう人からすれば、遊びは禁じたり制限したりするものというとらえ方をしてしまうはず。でも、じつは遊びには子どもの成長を促す大切な要素がたくさん詰まっています。そもそも、「ルールを守る」という姿勢だって、遊びが伸ばしてくれることのひとつです。女の子がお友だちとふたりでおままごとをしていたとしましょう。どちらもママ役をやりたいのに、ひとりだけがママ役をやっていれば、もうひとりは「楽しくないな……」なんて思いながらパパ役ばかりをさせられる。当然、喧嘩になりますよね。でも、そのうち、パパ役とママ役を交代しながらやるというふうに、子どもは自分たちでルールを決めるでしょう。これは、「ルールを守る」ということにとどまらず、問題解決能力を伸ばすということにもつながるものです。この例なら、喧嘩というその場で起きている問題を、ルールを決めることで子どもたちは見事に解決したわけです。それから、ルールというと多くの人がイメージするのがスポーツではないでしょうか。野球やサッカーなどのスポーツは幼い子どもにとっては遊びといっていいものでしょう。でも、それらのスポーツはルールを守らないと成立しません。子どもたちはスポーツという遊びを通じてルールを守ることの重要性を学ぶわけです。さらにいえば、スポーツは子どもの社会性を身につけるためにも大切です。スポーツに親しむ子どもからすれば、もちろん「上手になりたい」と思いながら練習に励むものでしょう。でも、年上のお兄さんやお姉さん、年下の子どもたちと同じスポーツを楽しむというコミュニティーのなかで、子どもは社会性も自然に学んでいるのです。しかも、その学びは大好きなスポーツを通じて楽しみながら得られるのですから、それこそ最高じゃないですか。親の重要な役割は機会を与えることただ、気をつけてほしいのは、子どもの成長に遊びが大切だからといって、「はい、これで遊びなさい!」と親が押しつけてしまってはなんの意味もないということ。この考えは、ルールを決めるときと同じですね。子どもは自分で「こうしよう」と思ったことでなければ、熱中するものではないのですから。ちょっと乱暴ないい方かもしれませんが、ほうっておけばいいのです。というのも、子どもは退屈すれば自分で楽しくしようとするからです。子どもはつねに動いていたいものですから、ぼーっとさせておくとなにかをはじめて自然に遊びだすのです。しかも、そういうときの子どもはものすごく考えています。つまらないからこそ、「なんとか楽しくしよう」と考えてなにかをはじめる。当然、これは考える力を育むことにもなりますよね。子どもにとっては、退屈な時間ってそれほど悪いものではないのです。ただ、ほうっておけばいいとはいいましたが、「機会を与える」ことは親の大事な役割です。本来なら外遊びが大好きになるはずの子どもや、あるお稽古事に強い興味を示すはずの子どもも、それらに触れる機会がなければ自分の好奇心に気づくことはないでしょう。子どもは自分で遊びを見つけますが、自由に出かけることはできません。ですから、なるべくさまざまなものに触れる機会を与えてあげることを心がけてください。『世界基準の子どもの教養』ボーク重子 著/ポプラ社(2019)■ ボーク重子さん インタビュー一覧第1回:子どもが親の失敗から学ぶもの。「やり抜く力」を育むなら“格好悪い親”であれ第2回:「親の態度」がカギを握る。子どもの自己肯定感を高める行動、低める行動第3回:「ルールを守れる子ども」はこうして育つ。親が子に与えるべき大事な“時間”第4回:「自分の考えを言えない」問題の解決法。幼い子どもにこそ大切な“リベラルアーツ”(※近日公開)【プロフィール】ボーク重子(ぼーく・しげこ)ライフコーチ。福島県出身。30歳の誕生日1週間前に「わたしの一番したいことをしよう」と渡英し、ロンドンにある美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、留学中にフランス語の勉強に訪れた南仏の語学学校でのちに夫となるアメリカ人と出会い1998年に渡米、出産。「我が子には、自分で人生を切り開き、どんなときも自分らしく強く生きてほしい」との願いを胸に、全米一研究機関の集中するワシントンDCで、最高の子育て法を模索。科学的データ、最新の教育法、心理学セミナー、大学での研究や名門大学の教育に対する考え方を詳細にリサーチし、アメリカのエリート教育にたどりつく。最高の子育てには親自身の自分育てが必要だという研究データをもとに、目標達成メソッド「SMARTゴール」を子育てに応用、娘・スカイさんは「全米最優秀女子高生 The Distinguished Young Women of America」に選ばれた。同時に、子育てのための自分育てで自身のキャリアも着実に積み上げ、2004年、念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年アートを通じての社会貢献を評価されワシントニアン誌によってオバマ大統領(当時上院議員)やワシントンポスト紙副社長らとともに「ワシントンの美しい25人」に選ばれた。2009年、ギャラリー業務に加えアートコンサルティング業を開始。現在はアート業界でのキャリアに加え、ライフコーチとして全米並びに日本各地で、子育て、キャリア構築、ワークライフバランスについて講演会やワークショップを展開している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月10日ライフコーチとして日米で講演会やワークショップを展開する、アメリカ・ワシントンDC在住のボーク重子さん。全米の女子高生が知性や才能、リーダーシップを競う大学奨学金コンクール「全米最優秀女子高生」で娘のスカイさんが優勝したことでも注目を集め、出版された本は軒並みベストセラーになっています。ボーク重子さんが子育ての軸としたのが「非認知能力」でした。非認知能力とは、回復力、やり抜く力、自信、リーダーシップ、主体性、社会性、共感力……など、数字では測れないさまざまな力のことですが、なかでもボーク重子さんは「自己肯定感」の重要性を強く説きます。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/櫻井健司(インタビューカットのみ)「べき」にとらわれる大人が子どもの自己肯定感を下げてしまう日本人の自己肯定感が低いということは耳にしたことがある人もいるかもしれません。その理由を考えると、多くの人が「『べき』にとらわれている」からだと思うのです。男性はこうあるべき、女性はこうあるべき、親は……、子どもは……というふうについ考えていませんか?それを子どもにあてはめるということは、ひとつの決まったサイズの服をすべての子どもに着せようとするようなものだとわたしは思うのです。子どもの体の大きさは一人ひとりちがいますから、その服がぴったり合うとは限りませんよね?ブカブカだったり窮屈だったり丈が足りないという子もいるでしょう。そんなふうにして、「どうして僕はこの服が全然似合わないんだろう」なんて考えさせてしまっては、その子の自己肯定感が高まるはずもありません。そうではなくて、「合う服というものはみんなそれぞれにちがう」「それが個性なんだ」と思わせてあげなければいけないのです。そうすれば、いいところも悪いところも含めて自分をありのままに認めることになる。「これが自分だ!」といえるようになる。それが、自己肯定感を高めるためのスタート地点なのだと思います。どんな子どもも同じように育て、一丸となって国力を上げるといった時代は終わりました。これからは「個の力」が求められる時代です。そういう意味では、子どもを育てる親、大人が子どもの個性をいかに認めるかということを考えなければなりません。多民族国家で「一人ひとりがちがうことが普通」のアメリカとはちがって、日本の場合は基本的に単一民族国家ですから、個性を認める意識が育ちにくいのかもしれませんね。でも幸い、いまも現在進行形で進んでいることですが、日本に移住してくる外国人はさらに増えるでしょう。そうなると、個性があたりまえのように認められ、日本人の自己肯定感も上がってくるということも考えられますよね。自己肯定感を高める最善策は家庭でのお手伝いにありでは、自己肯定感が低い人間にはどんな特徴が見られるのでしょうか。「自己」肯定感という言葉から、自己肯定感の影響は個人のなかで完結しているものと考えてしまう人もいるでしょう。でも、そうではありません。自己肯定感が低い、つまり自分を認められない人間は、「他人も認められない」のです。すると、「僕はなんて駄目なんだ」「また失敗しちゃった」という思いが、「あなたは駄目だね」「あなた、それは失敗だよ」とまわりの人間に向かい、どうしても他人を攻撃したり批判したりしがちになります。そうなると、周囲から煙たがれてしまうことは明白ですよね。自分の個性を生かして他人と協働していくことが求められるといわれるこれからの時代を生きるには、それは致命的なことといっていいかもしれません。では、どうすれば子どもの自己肯定感を高められるのでしょうか?先にお伝えしたように、子どもが、いいところも悪いところも含めて自分をありのままに認める、「これが自分だ!」といえるようになることが、まずは大切なこと。そして、子どもにそうさせるためのベストの方法が、「誰かの役に立つ」という経験をさせることにあるとわたしは考えています。自分の行動によって、まわりの誰かが「ありがとう」といってくれてよろこぶ姿を見る。「自分は誰かの役に立てるんだ!」という思いが、自己肯定感を高めていくのです。そういう経験を得るには、社会貢献活動やボランティアなども考えられますが、小さい子どもの自己肯定感を高めるということを考えれば、わかりやすく周囲から肯定されることが大切です。そうなると、やはり最初は家庭でのお手伝いがベストの方法でしょう。子ども自身が自分の役割として決めたお手伝いをしたのなら、親御さんは「ありがとう」と伝えて、たくさん褒めてあげてください。子どもは親御さんに認められることで自分を認められる。そうやって、自己肯定感が高まるという好循環を生んでいくはずです。叱るときは必ず理由もきちんと伝える加えて、子どもの自己肯定感を高めるにあたってのNG行動もお伝えしておきます。それは「否定する」ということ。頭ごなしの否定は、認めることの対極の行動です。それを繰り返せば、子どもが自分を認められるようになるはずもありません。たとえば、親がつくった料理に対して子どもが「これはあまり美味しくない」といったとします。そこで「そんなこと、いわないの!」なんていってはいけません。意見というものには正解も間違いもないのですから、その意見、子どもの思いをしっかり受け止めてあげるべきです。否定するのではなく、「へえ、そうなんだ」と子どもの発言を認めて、「ほんとに?どんなふうに美味しくない?」と質問してみるのです。そのやり取りは子どもを肯定しているということですから、子どもの自己肯定感を高めていくことにきちんとつながります。とはいえ、危険な遊びをしようとしたときなど、どうしても叱らなければならない場面もあります。そういうときに大切なことが、「必ず理由も伝える」こと。大人だってそうでしょう?「やめなさい!」とだけいわれたら、「どうして?」と思うじゃないですか。小さい子どもにはまだ論理を理解する力がないと思っている人も多いかもしれませんが、そうではありません。丁寧に理由を伝えれば、子どもはその論理をきちんと理解するものです。イコールそれは、子どもと「同じ目線に立つ」ということでもあります。親と子どもではなく、人間対人間という関係性を意識することが大切です。子どもというのは、すべてを親が教えなければならない存在ではなくて、人間同士としてどうやって一緒に生きていくのかと考えるべき存在なのだと思います。『世界基準の子どもの教養』ボーク重子 著/ポプラ社(2019)■ ボーク重子さん インタビュー一覧第1回:子どもが親の失敗から学ぶもの。「やり抜く力」を育むなら“格好悪い親”であれ第2回:「親の態度」がカギを握る。子どもの自己肯定感を高める行動、低める行動第3回:「ルールを守れる子ども」はこうして育つ。親が子に与えるべき大事な“時間”(※近日公開)第4回:「自分の考えを言えない」問題の解決法。幼い子どもにこそ大切な“リベラルアーツ”(※近日公開)【プロフィール】ボーク重子(ぼーく・しげこ)ライフコーチ。福島県出身。30歳の誕生日1週間前に「わたしの一番したいことをしよう」と渡英し、ロンドンにある美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、留学中にフランス語の勉強に訪れた南仏の語学学校でのちに夫となるアメリカ人と出会い1998年に渡米、出産。「我が子には、自分で人生を切り開き、どんなときも自分らしく強く生きてほしい」との願いを胸に、全米一研究機関の集中するワシントンDCで、最高の子育て法を模索。科学的データ、最新の教育法、心理学セミナー、大学での研究や名門大学の教育に対する考え方を詳細にリサーチし、アメリカのエリート教育にたどりつく。最高の子育てには親自身の自分育てが必要だという研究データをもとに、目標達成メソッド「SMARTゴール」を子育てに応用、娘・スカイさんは「全米最優秀女子高生 The Distinguished Young Women of America」に選ばれた。同時に、子育てのための自分育てで自身のキャリアも着実に積み上げ、2004年、念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年アートを通じての社会貢献を評価されワシントニアン誌によってオバマ大統領(当時上院議員)やワシントンポスト紙副社長らとともに「ワシントンの美しい25人」に選ばれた。2009年、ギャラリー業務に加えアートコンサルティング業を開始。現在はアート業界でのキャリアに加え、ライフコーチとして全米並びに日本各地で、子育て、キャリア構築、ワークライフバランスについて講演会やワークショップを展開している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月09日「非認知能力」とは、テストの点数や偏差値など数字で測れる認知能力に対して、数字では測れない力のこと。そこには、回復力、やり抜く力、自信、自己肯定感、リーダーシップ、主体性、社会性、共感力……など、さまざまな力が含まれます。その非認知能力との出会いによって自身の人生を変えたのが、ライフコーチとして日米で講演会やワークショップを展開する、アメリカ・ワシントンDC在住のボーク重子さん。全米の女子高生が知性や才能、リーダーシップを競う大学奨学金コンクール「全米最優秀女子高生」で娘のスカイさんが優勝したことでも注目を集め、出版された本は軒並みベストセラーになっています。もちろん、ボーク重子さんの子育ての軸となったのも、子どもの非認知能力を伸ばすことでした。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/櫻井健司(インタビューカットのみ)はじめての失敗で心が折れた子ども時代子どもの非認知能力の有無によってどんなちがいが生まれるのか――。親であればとても気になるところですよね。ここでは、わたし自身を例にしてお伝えしましょう。子どもの頃のわたしは、「いい高校、大学、会社に入って、いい結婚をすれば一生安泰だから、とにかく勉強をしなさい」といわれて育ちました。わたしの親は少し教育熱心だったかもしれませんが、当時の「幸せへ向かうレール」に子どもを乗せようとする、ごく普通の家庭だったと思います。わたしはいわれるままに勉強をしましたから、最初は学校の成績も優秀でした。ところが、中学生のある日、急に数学ができなくなったのです。いつも100点だったテストがいきなり70点になってしまった。そして心が折れた。いまならその理由がわかります。それは、わたしの非認知能力がまったく育っていなかったからです。当時のわたしは、「やりなさい」といわれたことになんの疑問も持たずに従っていました。いわゆる「いい子」です。だからこそ、自分で考えるということをまったくしたことがありませんでした。勉強も親や先生にいわれたことをやって、とにかく暗記を繰り返すだけ。学習内容の本質を理解していませんから、学習レベルが上がると一気に成績が落ちてしまったのです。そこでわたしがどうしたかというと……勉強をやめてしまいました。というのも、賢くないと思われるのがすごく嫌だったからです。「勉強をしなければ、『やればできるのに』と思ってもらえる……」。そう考えたわけです。そのときのわたしに回復力ややり抜く力といった力があれば、そこで立ち止まって「どうすればいいか」と考えられたでしょう。でも、当時のわたしにはそれらの力はなかった。要するに、わたしには勉強での失敗経験がなかったのです。なにかをして失敗するという経験は、非認知能力を育てるためにはとても大切なものです。あたりまえですが、失敗しないことには回復力なんて育つわけがありませんからね。そもそも、それ以前に主体性が育っていれば、親や先生のいうことにただ従うのではなく、自ら考えて勉強に励むこともできたかもしれません。さらに、そういった主体的な勉強で成績が上がったのなら、自信をつかむこともできたでしょう。でも、当時のわたしはそうではなかった。だから、たったひとつのテストの結果でポキッと心が折れてしまったわけです。教育法のちがいが子どもの人生を大きく変えるそれからはどんどん成績は下がる一方で、自分は「なんてダメなのだろう」という気持ちを拭うことができませんでした。そこからわたしが回復するには、15年ほどの時間がかかりました。20代はそれこそ暗黒時代。ずっと「どうして自分はこんなに駄目な人間なんだろう?」「どうせわたしなんて……」と思いながら過ごしていました。その後、回復するに至ったのは、30歳になる直前に、当時お付き合いしていた男性にフラれたことが大きなきっかけです。そのとき、真剣な顔をしている彼を見たわたしは「プロポーズかな?」と思った。でも、彼は「君は僕と結婚したらどう生きたい?」と聞くのです。当時のわたしは、「え?そんなの決まってる」と思いました。その答えは、「あなたのお世話をして、あなたの子どもを生んで、一緒に年を重ねたい」です。わたしの返事を聞いて、彼はこういいました。「僕、それだけの人はいらない」と。幼い頃から凝り固まった人生観を刷り込まれ、自分というものを持てていないわたしに彼は愛想を尽かしたというわけです。そうして「幸せへ向かうレール」から外れたことで、わたしは一念発起しました。ずっと心のどこかで「いつかやりたい」と考えていたアートの勉強をするため、イギリス、続いてアメリカに渡ったのです。そのうち結婚して娘が生まれると、また強い不安に駆られました。「わたしに育てられたら、いつも自信を持てなくて誰かの指示を待つわたしみたいな人間に娘が育つのではないか」と――。そして、娘のための学校を探しているうちに出会ったのが非認知能力でした。当時のアメリカにおけるいわゆるエリートコースにある幼稚園や小学校は非認知能力教育に重点を置くようになりつつありました。そして、ある研究によって、その潮流は決定的なものとなった。従来の教育を受けるか、非認知能力を高める教育を受けるかによって、その後の子どもたちに大きなちがいが生まれることがはっきりとわかったのです。非認知能力を高める教育を受けた子どもたちの学習は、機械的にやらされるようなものではありません。学習内容に興味を持ち、自ら能動的に学ぶ。勉強したくないときも、責任感があるから「やらなくちゃ」と勉強をする。もちろん、学習成績も上がります。さらには、自分がやったことを肯定してもらえるため、自信を持つようにもなる。子どもたち一人ひとりが認められるから、いじめも減る。やる気、主体性、パッションがあって、自分がやりたいことをやるためにそれ以外のことも自然にできるようになるし、やり抜く力も身についていく――。まさにいいことずくめなのです。親は子どものロールモデルという役割から逃れられないさて、肝心の非認知能力を高める教育ですが、特別な学校でしかできないというわけではありません。むしろ、家庭教育のほうが重要だともいえます。娘を通わせた学校の先生からは、「いちばん小さいけれど最強のコミュニティーである家庭での教育、親との対話が子どもにもっとも影響を与える」といわれました。親は子どものロールモデルという役割から逃れることはできません。親の姿を見て育つ子どもは、ふとしたときに出るしぐさや口癖などまで親に似るものです。子どもは必死に生きて親を愛して、いずれ親のようになる。それだけ親という存在は子どもにとって大事なものなのです。そう気づいたとき、わたしは思い至りました。「だとしたら、まずわたし自身が自分の非認知能力を高めなければいけない」と。それから、わたしはいろいろと行動をはじめました。アートギャラリーを立ち上げたこともそのひとつでしょう。とにかく行動することが大切で、ずっと家にこもっていても心は強くなりません。家でご飯を食べてテレビを観ているだけなら、誰かに共感したり、失敗して回復したりする必要もないし、主体性やリーダーシップを発揮する場面もありませんからね。そして、「ママ、いまはこういうことをしてるんだよ」というふうに、自分の行動を子どもとシェアするのです。子どもは親を見て育つといいますが、見えやすくするのも親の役目です。子どもには、いわれなければわからないこともたくさんあるのですから。親の行動をシェアする際には、「失敗こそシェアする」と心がけてください。当時のわたしはなにもわからないままビジネスをはじめましたから、当然、失敗の連続です。それらの経験を娘に伝え、ときには娘からアドバイスをしてもらうこともありました。それは、失敗か成功かという結果ではなく、なにがどうしてどうなったかというプロセスを娘に見せるということです。そうすることで、子どもは、失敗は通過点であってやり直しができるということ、方法はひとつじゃなくてもしひとつの方法が駄目でも他の選択肢や可能性を試せばいいといったことを学んでいくことができます。それは、回復力ややり抜く力といった非認知能力そのものですよね。そう考えていたわたしは、娘には成功より失敗を重点的に見せてきましたから、娘にとってはじつは格好悪いママなんです……。はじめて「子育ての本を書くんだ」といったときに、いちばん驚いていたのが娘でしたね(笑)。娘のスカイさんと。『世界基準の子どもの教養』ボーク重子 著/ポプラ社(2019)■ ボーク重子さん インタビュー一覧第1回:子どもが親の失敗から学ぶもの。「やり抜く力」を育むなら“格好悪い親”であれ第2回:「親の態度」がカギを握る。子どもの自己肯定感を高める行動、低める行動(※近日公開)第3回:「ルールを守れる子ども」はこうして育つ。親が子に与えるべき大事な“時間”(※近日公開)第4回:「自分の考えを言えない」問題の解決法。幼い子どもにこそ大切な“リベラルアーツ”(※近日公開)【プロフィール】ボーク重子(ぼーく・しげこ)ライフコーチ。福島県出身。30歳の誕生日1週間前に「わたしの一番したいことをしよう」と渡英し、ロンドンにある美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、留学中にフランス語の勉強に訪れた南仏の語学学校でのちに夫となるアメリカ人と出会い1998年に渡米、出産。「我が子には、自分で人生を切り開き、どんなときも自分らしく強く生きてほしい」との願いを胸に、全米一研究機関の集中するワシントンDCで、最高の子育て法を模索。科学的データ、最新の教育法、心理学セミナー、大学での研究や名門大学の教育に対する考え方を詳細にリサーチし、アメリカのエリート教育にたどりつく。最高の子育てには親自身の自分育てが必要だという研究データをもとに、目標達成メソッド「SMARTゴール」を子育てに応用、娘・スカイさんは「全米最優秀女子高生 The Distinguished Young Women of America」に選ばれた。同時に、子育てのための自分育てで自身のキャリアも着実に積み上げ、2004年、念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年アートを通じての社会貢献を評価されワシントニアン誌によってオバマ大統領(当時上院議員)やワシントンポスト紙副社長らとともに「ワシントンの美しい25人」に選ばれた。2009年、ギャラリー業務に加えアートコンサルティング業を開始。現在はアート業界でのキャリアに加え、ライフコーチとして全米並びに日本各地で、子育て、キャリア構築、ワークライフバランスについて講演会やワークショップを展開している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月08日ヘヴィ・メタル(以下、メタル)と聞いて、みなさんはどんな印象を持ちますか?ただ叫ぶだけの音楽?不良が聴くような音楽?そのように、一般的には悪いイメージを持たれるメタルですが、脳科学者の中野信子さんは中学生のころから一貫してメタルを愛聴してきたといいます。そして、むしろ思春期の子どもには、メタルは「心にも頭にも良いかもしれない」と提案します。2019年1月には、メタルが脳に及ぼすポジティブな影響を考察した『メタル脳 天才は残酷な音楽を好む』(KADOKAWA)を上梓した同氏に、メタルを聴くと本当に「心が整うのか」「頭が良くなるのか」を聞きました。構成/岩川悟(slipstream)取材・文/辻本圭介写真/櫻井健司(インタビューカットのみ)子どもにクラシック音楽を聴かせると頭が良くなる?書店の児童書売り場に行くと、クラシック音楽の「効能」を謳う本や教材がたくさん並んでいます。「クラシックを聴くと情動が落ち着いた子に育つ」「子どもの頭に良い影響がある」……。そんな「クラシック信仰」とでもいうべき見方が、世の中には根強く存在しています。幼い子どものころにモーツァルトを聴かせると頭が良い子に育つという、いわゆる「モーツァルト効果」を頭から信じ込み子どもに聴かせる親もいまだに多いようです。わたしは、こうしたことを「ちょっと問題がある行動では?」と感じています。子どもにクラシックをすすめることにどのような背景があり、聴くと具体的にどんな効果が見込めるのかを理解してすすめるなら問題ないのですが、「うちは落ち着きがないから、なんとか模範的な子どもに育ってほしい」と願って押しつけるような親には、疑問を抱かざるを得ません。「モーツァルト効果」が広まったのは、1993年に『Nature』に掲載された「モーツァルトを聴かせたら大学生の認知力テストの成績が上がった」とする研究報告がきっかけです。「モーツァルトを聴くだけで頭が良くなる」という方法は、子どもの教育に悩む親が欲していた手軽な解決策であり、また「そうであってほしい」と願っていた結果でもあったので、発表されるとまたたく間に全世界に広まりました。「モーツァルト効果」 が存在しないのは研究者のなかでは常識しかし、その6年後、心理学の専門誌『Psychological Science』に掲載された論文によって、その研究結果は再現性がないとして否定されます(※1)。「モーツァルト効果」が、「アーティファクト(人工的に出てきた結果)」であることがあきらかになったのです。「アーティファクト」といっても、けっして悪意のある捏造などではなく、おそらく最初の研究者は、「モーツァルトを聴くと頭が良くなるはずだ」と思い込んで研究したのでしょう。すると、一般的な科学実験でも起こることですが、真実の効果ではなく「研究者が見たいと思う効果」が見えてしまうことがあるのです。つまり、「モーツァルト効果がある」と仮定して実験していると、それを補強するデータだけを拾ってしまう現象が起きるのです。さらに、ハーバード大学のクリストファー・チャベス氏をはじめ、そのほかの研究者たちもモーツァルト効果を否定する論文を発表し(※2)、現在では「モーツァルト効果」など存在しないことは研究者のあいだでは「常識」となっています。でも、古い研究しかご存じない方や、「モーツァルト効果」を謳ったビジネスを展開されている先生たちは、現在でもそうした主張を繰り返している可能性があります。そして、子どもの行いが悪くて勉強もしないといった理由からか、せめて音楽はクラシックのような「良い音楽」を聴かせたいと考える親がいます。子を思う親の純粋な気持ちが謎のビジネスの資金源にされていることを思うと、なんとも残念でなりません。メタルで「不安傾向」を埋めると、「頭が良くなる」可能性が高いそこで、根拠のない「モーツァルト効果」がいまだ音楽産業や教育産業のPR・マーケティングとして使われ続けている現状を見て、わたしは「むしろメタルのほうが、ある思春期の子どもたちには良い効果があるのでは?」と考えるようになりました。もちろん、これもあくまで推論ですが、ある程度のレベル以上の成績優秀者に限っていうと、メタルを聴いている子どものほうがより「頭が良くなる」と考えることができるからです。というのも、成績が良い子というのはちょっと先生に怒られたり、ちいさなミスを犯したりしただけで、「もっと悪いことが起きるかも……」と不安に感じてしまうような不安傾向が高い子どもが多いから。脳科学的にいうと、心のバランスを取る役割を持つホルモンである「セロトニン」があまり出ないような脳の持ち主です。そんな子どもは、勉強においても「ここが悪かったんだ」「次は良くしなきゃ」というように、自分に対してネガティブなフィードバックをする傾向にあります。まさに、それゆえに成績が良くなる面があるのですが、この高すぎる不安傾向をメタルがうまく埋めてくれることで実力を発揮しやすくなったという報告があるのです。ちなみに、不安傾向の高さと成績の良さの関連性も、推論の域を出ないものではありますが、ペーパーテストについていえば、90点で満足する子どもと90点しか取れなかったと悲観する子どもでは、どちらのほうがより成績が伸びるかという単純な比較はできそうです。「なぜまちがったのだろう?」「次は絶対失敗しないぞ!」と思って繰り返し勉強を続ける子どものほうが、モチベーションとしても成績は上がりやすいと推測できるでしょう。激しい音楽を聴きながら手術に臨む外科医たち世間一般的に成績優秀者と認められている医師たちが、じつは手術中に流す音楽は「ハードな音楽がもっとも多い」という面白い調査もあります。この調査ではメタルは広義のロックに含みますが、音楽のストリーミング配信サービス『Spotify』と医師向けInstagram『Figure 1』がアメリカの医師をリサーチしたところ、90%の外科医が手術中に音楽を流していると答え、もっとも人気なジャンルはロックだったのです(49%)。49%という数字は、単なる偶然の一致とはいえない数字ですよね?なかでも、メタリカやレッド・ツェッペリンなどの人気が高く、ある医師は「ロックを流すと快適になり、患者に集中できる」とコメントしたほどです(※3)。わたしたちは、手術室は無音、もしくは音楽をかけていたとしてもクラシックやヒーリングミュージックが流れている程度だと想像しがちです。しかし実情は、激しい音楽を聴きながら手術に臨んでいる医師がもっとも多かったのです。医師は若いころは当然成績優秀者であったはずで、そのころに激しい音楽を聴いて不安が解消された情動の記憶を持っている人が多いのでは?とわたしは推測しています。もちろん、手術室に「ぶち壊せ!」と叫ぶこともある音楽が流れているとなると、歌詞ではなくリズムに乗って集中していると思いたいですけどね……(笑)。ストレス耐性を上げて、不安を直視する力をメタルが与えてくれるふだんの学校での勉強や近い将来に控えた受験などを心配して、不安に感じない子どもは少ないでしょう。ただ、不安傾向が高すぎると、「学校や社会から疎外されている」と感じたり、「大事なときに本来の力が出せない」という実行面で影響が出たりすることもあり、その心理的ブレーキをやわらげてくれるなにかが必要になります。不安がパフォーマンスを左右することについては、2011年にシカゴ大学の心理学者シアン・ベイロック氏らが実験を行い、「試験についての不安を試験直前に書き出すことで、成績が向上する」という実験結果を発表しました(※4)。簡単に内容をまとめると、学生をふたつのグループにわけて2回の試験を受けさせて、1回目と2回目の成績を比べました。このとき、まず2回目の試験前に重要な試験であることを伝えてプレッシャーを与えます。そのうえで、片方のグループには10分間時間をとって「試験について不安なこと」を書き出させ、もう一方のグループはただ静かに座らせました。すると、不安を書き出したグループのほうが、1回目のテストより正答率が5%向上し、もう一方のグループは正答率が12%も下がったというのです。つまり、この実験で見えてくるのは、不安をうまく扱うためには、むしろ「不安を直視したほうが良い」ということ。そこでわたしは、子どもに不安を直視させるためにもメタルが役に立つのではないかと考えています。なぜなら、メタルの歌詞や破壊的な音を聴くことで、「自分と同じようなストレスや疎外感を持って生きている人がいるんだ」というメッセージを音楽から得て、一時的にストレスを軽減する効果があると推察しているからです。さらに、イギリスのウォーリック大学の研究チームが成績の優秀な学生を選んでメタルに関する調査を実施したところ、メタルにはストレス発散や欲求不満の解消に役立つ効果が認められました(※5)。成績優秀であることは、自分自身への期待に加え、まわりからの期待によって大きなプレッシャーを抱える場合があります。しかしメタルを聴くことでそんなプレッシャーを一時的に忘れ去り、ストレス耐性を上げる可能性が言及されたのです。「良い子にならなきゃ」というプレッシャーが、子どもの才能を潰すこのようなことからも、「子どもにメタルなんか聴かせるのは良くない!」といった意見が、いかにステレオタイプな見方であるかがおわかりになるはずです。別に成績優秀者に限らず、思春期の子どもはストレスを感じやすい存在です。そんな子どもが、自分自身を過度な不安傾向から守り、「ここぞ!」というときに力を発揮するには、「メタルも役立つかもしれないな」という認識を新たに持っていただけると良いと思いますね。どれだけ美しいクラシックでも、励ましのメッセージが詰まった音楽でも、そんな音楽をきれいごとに感じる子どもにとっては、「ウソをつけ!」となって逆効果です。むしろ、不安傾向が高い子どもには、「現実に向き合え!」「騙されるな!」と歌ってもらったほうが、「うんうん、そうだよな」と納得できることもあります。「世界は残酷で噓だらけの場所なのだ」とあらかじめ認識しておくことで、心の安定に寄与することがあるというのがわたしの考えであり、また偽らざる実感でもあるのです。たしかに、メタルという音楽ジャンルは一般的なイメージこそ良くないかもしれません。でも、「イメージが良くない」ことが大事なのです。「良い子にならなきゃ」という不安やプレッシャーが、子どもたちの成績を落とし、才能を潰します。ノーベル賞を受賞した科学者たちは、ほぼみんな「好きなことをやれ」といっています。むしろ、親のいうことに従ってしまう子どものほうが怖いかもしれない。「うん、わかった」といいながら、とんでもないことする子どもだっているのですから。そこで親は、「清濁併せ呑む」度量を持っていることを示したほうが良いのだと思います。そして、子どもに無条件の愛情を与える。たとえば、成績が良いときはほめて甘やかすのに、落ちたらものすごく叱ったり、「おまえの味方だ」といいながら子どもが悪いことをしたら責めるだけだったりすると、子どもはとても混乱します。「悪いことをしたけど、おまえを信じている」というのが無条件の愛情であり、存在を受け入れるということ。子どもが安定した愛着を築いていくためにも、親は「悪いところも良いところも受け入れる」という真の愛情を示すことが必要なのだと思います。※1:『The Mystery of the Mozart Effect: Failure to Replicate』 July 1,1999, Psychological Science, Kenneth M. Steele, Karen E Bass, Melissa D. Crook※2:『Muting the Mozart effect』Dec 11,2013, The Harvard Gazette※3:Spotify and Figure 1 team up to hear what surgeons are playing in the OR, Figure1※4:Writing about worries eases anxiety and improves test performance, Jan 13,2011, uchicago news※5:『Gifted Students Beat the Blues With Heavy Metal』 March 19,2007, University of Warwick, Stuart Cadwallader and Professor Jim Campbell『メタル脳 天才は残酷な音楽を好む』中野信子 著/KADOKAWA(2019)【プロフィール】中野信子(なかの・のぶこ)脳科学者、医学博士、認知科学者。東日本国際大学特任教授。1975年生まれ。東京大学工学部応用化学科卒業、同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。2008年から2010年まで、フランス国立研究所ニューロスピン(高磁場MRI研究センター)に勤務。脳科学、認知科学の最先端の研究業績を一般向けにわかりやすく紹介することで定評がある。コメンテーターとしてテレビ番組に出演する傍ら、ベストセラーも多数。近著に『サイコパス』(文春新書)、『あの人の心を見抜く脳科学の言葉』(セブン&アイ出版)、『ヒトは「いじめ」をやめられない』(小学館新書)、『不倫』(文藝春秋)などがある。
2019年04月30日yopipiのプチプラコーデ〜ときどき育児日記〜
あり子のワーママ奮闘記
PUKUTY(プクティ)只今育児奮闘中!
私は35歳の主婦。夫の実家は老舗のお店を経営していて、10歳の娘と義両親と一緒に暮らしています。義両親とも仲良し♪ある日私がお店の手伝いをしていると、娘が学校から帰って来ましたが、なんだか元気が無い様子で……。理由を聞いてみると、同級生のB太に意地悪をされたとのこと。公園でお花を見ていると、踏みつけてきたのだそう。 B太だけでなく、そのママ・A子も厄介な人なんです……。A子から30人前の予約をしたと電話娘と一緒に公園へ行ってみると、A子・B太親子が現れました。 「あんたの子ども、どうしてB太と一緒に遊んでくれないのよ?」と激しい口調で責めてきます。支離滅裂なことばかり言ってくるので、軽くスルーをするとさらに怒りながら帰っていきました。 それから数日後、私のスマホにA子から「あなたのお店に30人前を予約したから、日時も時間も厳守でお願いね!」と電話が。義実家の商売なので、どんなに嫌な人でも無下にはできません。しかし、その後お店の予約帳を確認しても、そんな予約は入っていない様子。不思議に思いながらも日々の忙しさから、A子のことはすっかり忘れてしまっていました。 到着5分前にキャンセルの電話がかかってきたけれど…さらに数日後、A子からまた電話が。そういえば今日は予約をしたと言っていた日。電話に出てみると「30人前の出前寿司キャンセルね! 到着時間5分前だけどさ、キャンセルしても問題ないでしょ?」と言い出しました。でも、私の家は団子屋! お寿司の予約が入るはずがありません。 A子に伝えると「は!? あんたの家って『まさまる』って名前よね!?」と焦り始めました。しかし、私の団子屋は『マサ丸』。『まさまる』はお寿司屋さんです。そうこうしているうちに、出前のお寿司30人前がA子の家に届きました。 お店が忙しいので電話を切ると、数十分後にお寿司の配達員を連れてA子がやって来たのです! 事情を知った義父が激怒「勘違いさせるようなお店の名前が悪い」と私に支払いをするように騒ぐA子。 「高級寿司30人前頼んでキャンセルして、大損させて困らせてやるつもりだったの! SNSでここの店の悪口書きまくってやる!」と言い出しました。 この話を聞いて怒ったのが義父。「職人のこと、なんだと思ってんだ? 俺たち職人は、お客さんに喜んでもらおうと、命削ってうまいもんを作ってんだよ!」と一喝!その場にいたお寿司屋の店員も事情を知って一緒に説教してくれました。 職人2人の熱意を知ったA子は、泣きながら反省。お寿司屋への支払いの60万円はA子の夫が立て替えることに。そしてA子は働き始め、少しずつ夫にお金を返しているそうですよ。 相手の仕事を利用して嫌がらせをしようとするなんて、言語道断! 自業自得ですね。 著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
2024年05月01日長女は卵と乳製品にアレルギーがあり、今は除去食の給食を食べることができていますが、1歳までは弁当を持参していました。他にも育児用ミルクやおやつなど、保育園で口にする物すべてを持参しなければならず、日々の着替えやおむつの準備に加え、働きながらの毎日の弁当作りはとても大変でした。 医師からの弁当持参の指示娘が生後4カ月ごろ、顔と体の湿疹がひどかったことから受けたアレルギー検査で、卵と乳製品にアレルギーがあることがわかりました。その後保育園への入園が決まり、保育園での食事について医師に相談に行きました。 すると、「卵のアレルギーがひどいので保育園には弁当を持って行ってください。その他、育児用ミルクやお茶も含め、口にする物はすべて持って行ってください」と言われました。 保育園に通い始めたのが生後5カ月で、それから2歳の誕生日直前まで、約1年半の弁当持参の日々が始まりました。 大変だった弁当作り大人の弁当は作ったことがありましたが、子どもの弁当は作ったことがありません。しかも離乳食期の弁当なんて、何をどうしたら良いのか手探り状態で始めました。 保育園での給食のように栄養バランスも考えなければという気持ちと、わが子だけ周りの友だちと違うごはんはかわいそうかなという思いから、その日の給食のメニューと似たものを作ろうと頑張ったこともありました。しかしそれはとても大変で、働きながらとなると私には無理だったので、それからは自分なりに栄養バランスを考えた弁当を作りました。 保育士からのうれしい言葉2歳になる直前、医師から保育園で作った給食を食べてもいいと許可が出たことで、約1年半の弁当作りは終了しました。 給食を食べるようになって半年ほどたったある日、ある保育士さんと話をしました。その保育士さんは長女が生後5カ月で入園したときからずっと担任をしてくれている方でした。 「お弁当作りお疲れ様でした。給食もおいしそうに食べていますが、お母さんのお弁当のほうがうれしそうに食べていましたよ。お母さんが作ってくれたんだと友だちに自慢していましたよ」と。その言葉を聞いて涙が溢れました。 毎日の弁当作りはとても大変でした。しかし1番の気がかりは、長女の気持ちや様子でした。 そのときの保育士さんからの言葉でわかった長女の様子をうれしく思ったのと同時に、弁当作りを頑張ってよかったという気持ちでいっぱいになりました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 作画/はたこ 著者:松裏幸恵二男(二卵性の双子)一女の母。薬剤師として働きながら子育てをしている。自身の妊娠・出産・育児に関する体験談を中心に執筆中。 監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年05月01日助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、赤ちゃんの水分補給について教えてくれました。これからの季節、水分補給は欠かせないですよね。月齢ごとのポイントや水分補給の際の注意点についても詳しくお話ししてくれています。ぜひ参考にしてくださいね。気温が高くなるこの時期、赤ちゃんの水分補給に迷うこともあるかと思います。今回は、月齢ごとに水分補給のポイントについてお話ししていきます。 生後6カ月未満の赤ちゃんの水分補給生後6カ月未満の赤ちゃんへの水分補給は母乳か育児用ミルクが最適で、その他の水分は不要と言われています。お茶や白湯などの水分は赤ちゃんの未熟な消化機能では水分として取り込みづらく、その他の水分をとることで必要な母乳や育児用ミルクを飲む量が減ってしまうことがあり、必要な栄養が取れなくなってしまうリスクがあるからです。 そのため、生後6カ月未満の赤ちゃんが外出先や野外でなどで汗をたくさんかいた場合には他の水分をあげるのではなく、授乳間隔を通常よりあけないようにするなど、こまめに授乳をすることが大切です。 生後6カ月〜1歳未満の赤ちゃんへの水分補給生後6カ月〜1歳未満の赤ちゃんは、離乳食を食べるようになってきて、母乳の授乳回数や育児用ミルクの量が減ってくるかもしれません。基本的には生後1歳未満であれば、水分補給の中心は母乳や育児用ミルクがメインなので、無理してその他の水分で水分補給する必要はありませんが、お茶や白湯などの他の水分も離乳食や授乳に影響しない程度に進めても良いでしょう。 最初は、麦茶や白湯をあげるようにすることをおすすめします。ミネラルウォーターをあげる場合は、赤ちゃんの胃腸に負担の少ない軟水にしましょう。 また、赤ちゃん用のイオン飲料やジュースは、あげすぎるとそれだけを好んで飲むようになることがあり、糖分のとりすぎに繋がってしまいます。発熱などの病気の際にもなるべく、母乳や育児用ミルクを与えるようにしましょう。 一気に飲ませるのはNG! 与え方のポイントは?麦茶や白湯の赤ちゃんへの与え方のポイントは、いっぺんにたくさん飲ませるというよりは、少量を数口程度にこまめに分けてあげる感じがおすすめです。基本的には、コップやスプーン、ストローなどであげるようにします。哺乳瓶で慣れている場合は、哺乳びんであげても大丈夫です。 しかし、生後1歳未満であれば、水分補給の中心は母乳や育児用ミルクがメインなので、基本的には、無理してその他の水分で水分補給する必要はありません。母乳や育児用ミルクは、通常の授乳間隔よりあけすぎないようにいつもよりこまめにしっかり飲ませるようにすることが大切です。 1歳以降の水分補給のポイントは?1歳以降の赤ちゃんは離乳食も進んできて、母乳や育児用ミルク以外にも、麦茶や白湯を水分補給に取り入れる家庭も多いことでしょう。外出する際にもベビー用の麦茶などを携帯しておくのがおすすめです。 母乳を飲んでいる場合には、基本的には欲しがるときにお子さんにあわせて与えれば問題ありません。育児用ミルクの場合も、通常の回数や間隔であげてください。 水分補給をおこなうタイミング水分補給のタイミングは、通常のお世話のタイミングや遊んだあと、お風呂上がりなどがよいでしょう。春夏の季節の外遊びは気温も高く熱中症の心配も出てくるので、こまめな水分補給を心がけてくださいね。 水分補給は、飲ませようとしてもなかなか飲んでくれないというお子さんがいたり、反対に、水分を欲したときに一気にたくさんの量を飲んでしまうこともあるでしょう。効果的な水分補給のポイントは、一気に飲ませるのではなく、少量ずつこまめに飲ませてあげること。 1歳を過ぎると、赤ちゃん用のイオン飲料やジュースなどを好んで飲む子も多く、水分補給が気になるママとしてはついつい与えてしまいがちにもなりますが、糖分のとり過ぎや虫歯の原因となることもあるので注意しましょう。 このころの水分補給は、ストローマグなどであげることも多くなるかと思います。逆流防止機能のあるストローであっても、口をつけた物を長時間常温に置いておくのは雑菌が繁殖しやすいので避けるようにしましょう。 別の容器で用意しておき、少量ずつ新しい物を入れてあげるのも良い方法です。1回に入れる量は、1〜2時間で飲み切る量を目安にして、それ以上の時間になったら破棄するようにしましょう。 まとめ水分補給のポイントをおさえて、赤ちゃんの成長や様子に合わせて対応していけると良いですね。 引用参考文献:NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会編集、『母乳育児支援スタンダード』 医学書院、2009参考サイト:やってる人多し!体調の急変にもつながるので要注意!乳幼児への熱中症予防対策を現役助産師が教えます|ベビーカレンダー参考サイト:実はお茶や白湯はNGなことも!?助産師が教える暑い季節の体に負担をかけない「水分補給」とは?|ベビーカレンダー 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀
2024年05月01日イヤイヤ期真っ最中の娘を育てながら、正社員として働くりささんは、現在第2子を妊娠中。平日はワンオペ育児でヘトヘトでした。妊娠4カ月を迎えて会社の上司に報告をしたところ、参加していたプロジェクトのメンバーからも外されてしまいました。さらに休日は義実家で家事を押し付けられ、まったく休む暇がありません。自由気ままに過ごす夫が羨やましく思えて、つい夫に「入れ替わりたい」と非現実的なことを言ってしまいました。すると、なんと本当に入れ替わってしまい、夫はりささんとして過ごすことに。覚悟を決めたものの、ひどいつわりに耐えながらの家事や育児は想像以上に大変……。しかし、手探りで娘との生活を続けるなかで、りささんの頑張りや思いやりに気付き始めます。りささんとして過ごす日々が続く夫。ここ最近は、娘の超ハードモードなイヤイヤ期に困っています。インターネットで見かけた対処法も通用せず、何かいい方法はないかと悩むばかり。同僚に相談すると「自我が芽生えた証拠」と言われ、まだしばらくは頭を抱えることになりそうで……。ちょっとだけわかってきた! 娘お着替えを嫌がる理由を探るべく、観察を続けていた夫。ついに、星柄のパジャマの日は着替えを嫌がるということに気付きます。保育園の先生に話を聞いてみると、蛍光塗料で星が光るのが保育園のお友だちにも人気なようです。 りささんは一足先にそれに気付いていたようで、同じパジャマを2着用意していて「星柄パジャマから星柄パジャマへのお着替え」ができるようにしていました。お着替えの拒否は、ただのイヤイヤ期ではなく、ちゃんと理由があってしていた行動だとわかった夫は、その後の対処もバッチリ! しかし、イヤイヤ期は絶賛継続中。油断をすると地雷を踏んでしまうため、ちょっとしたことがきっかけで遅刻確定になってしまいました……。 お着替えを嫌がるのは、イヤイヤ期だからではなく、まさしく「自我が芽生えた証拠」でしたね。着ている洋服を褒めてもらったり、自分のまわりに人が集まってきてくれたりするのがうれしいのは、大人も子どもも同じようです。みなさんはお子さんのイヤイヤ期をどのように乗り越えましたか? 著者:マンガ家・イラストレーター しろいぬしろ 著者:原作者 中澤夕美恵
2024年04月30日藤井爽子(そうこ)はやさしい夫・拓也、3歳の娘・未来(みくる)と慌ただしくも幸せな毎日を送っていた。ある日、爽子は家の掃除中に、娘と同じ「未来」という名前の女性に宛てた夫の手紙を発見。さらに身内の形見だと言って結婚指輪の代わりに身につけている指輪に「MIKURU」という刻印があることを知ってしまった。どうやら、夫には娘と同じ名前の恋人がいたようだ。不信感を抱えたまま、2人目の妊活を考え始めた爽子だが、娘が慕う保育園の先生の先生の下の名前が未来(みくる)であることを知ってしまう。夫はこの保育園の先生と昔付き合っていたのだった。 どうしたらいいかわからない…未来(みくる)という女性に向けた手紙を見つけたこと、指輪の裏に「MIKURU」と刻印がしてあるのを発見したこと、そして大学時代のアルバムにカナエ先生の写真を見つけたことを夫に問い詰めた爽子。 夫はたしかに大学のときにカナエ先生と付き合っていたという。そしていまはメンタルが不安定なカナエ先生のために「支えになりたい」と思って会ったこと、娘の名付けの際は「そのときはその名前が1番いい名前だと思っていた」と告白した。 これを聞いてショックを受けた爽子は、娘とともに家を出て先輩の家に身を寄せた。 そのころ、カナエ先生は爽子の義母に接触を始めていて……。 v 夫のことを許せない気持ちと、娘と父親を引き離してしまう申し訳なさに悩む爽子。 一方の夫は、友人にお灸を据えられていた。夫は「妻と子どもを失うことは考えられない。けれど元恋人を放っておくこともできない」と悩んでいるよう。 そんなところに、義母から電話が。別居がバレたかと焦る爽子だったが、それは娘の未来の誕生日をみんなで祝おうというお誘いだった。夫とも話し、娘のために誕生日はこれまで通りに過ごすことに決めた。しかしその影で、実はカナエ先生は義母に近づいていたのだった。 ◇◇◇ 自分の気持ちと、娘の気持ちの両方を考えなければいけない爽子さん。きっと、とてもつらい状況ですよね。それなのに夫の拓也さんは、別居したあとも元恋人を「放っておけない」と言っています。一見やさしいように思える拓也さんですが、それは真のやさしさとは言えないのではないでしょうか。大切なものは何なのか、きちんと考えてほしいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター 樹ユウマ
2024年04月30日亮太さんは妻の麻耶さん、4歳の息子・和馬君の3人家族。亮太さんは、麻耶さんに対して不満があり、会社で寝泊まりして1週間になります。亮太さんが家を出ることになった理由とは……?何を伝えてもいつも屁理屈ばかりの麻耶さんに、亮太さんはいつしか「話し合うだけ無駄」と考えるように。ある日体調不良で早退した亮太さんは、自宅で麻耶さんが楽しそうに浮気相手らしき男性と電話している声を聞いてしまいます。それでも「子どもの手前、夫婦喧嘩はできない」と考えた亮太さんは、一旦電話が終わるまで待つことに。ところが肝心の和馬君の姿が、家のどこにも見当たらないのです。そんなとき、玄関のインターホンが鳴り響きます。そこにいたのは、隣人の山田さんに連れられて泣いている和馬君でした。 イヤホンで音楽を聴いたり電話したりしていた麻耶さんは、和馬君が外に出たことに気づかなかったようです。 亮太さんが「なぜこんなことが起きたのか」を和馬君に尋ねると……? 和馬君が自宅から締め出されてしまった理由とは 帰宅するなりイヤホンで音楽を聴き始めた母を邪魔してはいけないと、庭に出てしゃぼん玉で遊ぶことにした和馬君。 ところが、そんなことを知らない麻耶さんは、ついいつもの癖で庭に続く窓の鍵を閉めてしまったようです。 そんな自分の行動を棚に上げて、反省するどころか開き直るかのように亮太さんに逆ギレする麻耶さん。 思わず亮太さんは妻に対して強い怒りを覚えるのでした。 亮太さんが言うように小さな子どもがいる家庭では「いつ何が起きるか」わからないもの。 息抜きで音楽を聴くにしても、イヤホンを片耳だけにしておく・小さな音量で聞くといった配慮が必要だったかもしれませんね。 今回は山田さんのおかげでことなきを得ましたが、これを機に摩耶さんには自分の行動を見直して欲しいですね。 そして、もし亮太さんの聞いた麻耶さんの電話が本当に浮気なのならば、妻としても反省が必要です。 二度と和馬君や亮太さんが嫌な思いをすることがないよう、改めて家族と向き合ってもらいたいですね。 >>次の話著者:マンガ家・イラストレーター くろねこ
2024年04月30日2児のママ・モグさんの夫は、イケメンですがモラハラ気質を持っています。ある日の夕食後、娘・ハナちゃんが熱を出してしまいました。パパは子どもの体調不良に気付かなかったモグさんを責め、病院への送迎も、長男・タロくんの面倒を見ることも拒否! その上、自分から「病院へ行くよな?」と言っていたはずなのに、「ただの風邪なのに大げさ」と、夜間診療を受診することに文句を言い始めたのです。さらにパパは、子ども2人連れて慌ただしく出かけようとするモグさんに、“出かけるついでに”と言って、お酒とおつまみの買い出しを頼んできました。モグさんが断っても「俺は(ゲームで)手が離せないから」と冷たく言い放ったのです。病院から帰宅した妻に夫は… 混んでいる夜間診療……熱があって機嫌が悪いハナちゃんと、いつもなら寝ている時間で眠いタロくんを連れての診察は容易なことではありません。 しかし、パパはそんなことはお構いなし。買い物に行けなかったモグさんを責め、挙句の果てには夜間診療へ行ったことを非難し、子どもがかわいそうだから早く寝かせろと命令してきたのです。 反論したい気持ちをぐっと堪え、モグさんは何も言い返さずに2人を寝かしつけるのでした。 帰宅後、パパから真っ先に出たのがモグさんを労う言葉や、体調が悪いハナちゃんを心配する言葉ではなく、自分が頼んだ買い物のことなんて……本当に2児の親なのかと呆れてしまいますね。著者:マンガ家・イラストレーター モグ
2024年04月30日出産直後から産後うつになり、とても苦しい時期を過ごしました。夫や私の両親は理解を示してくれたのですが、義母に症状を伝えたところ、とんでもないひと言が返ってきて……。ドン引きしました。 産後うつだと義母に伝えたところ…出産して、産後うつになった私。「自分は子育てができない」と悩み、食事もまともに食べられない、眠れない、涙が出てくる、と思い出しても本当につらかったです。 夫や私の両親は産後うつについて勉強し、理解を示してくれました。私が少しでも休めるようにと、夫は早めに帰宅をして育児をしたり、母は家事を手伝ってくれたりと、本当に有難かったです。 あるとき、義母に産後うつだと電話で話したところ、「子どもを産んだだけでうつ? どういうこと?」「そんなことでこれから育てられるの?」とお説教が始まり……。追い詰められた私は始終泣いていました。 その後も義母から電話が続き、堪忍袋の緒が切れた夫が「いま○○(私)は病気なんだ。看病する気がないなら放っといてくれ!」と言って電話禁止令を出してくれました。家族の助けや病院の治療で、うつの症状は治っていきました。今は元気を取り戻し、夫と両親にはとても感謝しています。しかし、義母の余計なひと言で症状が悪化したため、義母の言動は今も忘れられません。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◇ ◇ ◇ 産後はホルモンバランスが急激に変わり、この変化が自律神経に影響を及ぼします。よく聞かれる「マタニティブルーズ」は一過性の生理的なもので、産後2週間ほどで自然に治まることがほとんど。一方の「産後うつ」は早ければ産後2〜4週ごろに発症し、こちらは医療機関での治療が必要です。マタニティブルーズが悪化して産後うつになるケースも少なくないので、ひとりでかかえこまず、かかりつけの医師または心療内科や精神科に相談して治していきたいですね。 イラスト/シュー子著者:中田美子監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年04月30日子どもとスーパーで買い物をしていたときの話です。 ちょっとやめてよ!野菜コーナーでカボチャを見たときに子どもが突然「ママのおしりはかぼちゃみたいに大きいよね」と大きな声で話しました。周りの人にも聞こえる声だったので、それを聞いたご婦人が驚いていたのを覚えています。とても恥ずかしかったです。 家でよく夫が私に対し言っていた言葉を真似したのだと思います。子どもは夫婦の会話をよく聞いているため、気をつけなければならないなと感じたと同時に、子どもの前では乱暴な言葉や、下品な言葉を使う事はしないようにしようと夫とも共有し、気をつけています。 作画/加藤みちか著者:北川みずき 3人の男の子を育てる専業主婦。
2024年04月30日私の息子はよく汗をかきます。当時1歳の息子は、単純に子どもで代謝が良いから汗がよく出ると思っていました。しかし、保育園の先生から「汗っかきだよね」と言われるように。髪の毛があまりなかった赤ちゃん時代や冬は問題なかったのですが、夏になると頭から強い臭いが出るようになり……。こまめに汗を拭いてみても…保育園の先生から指摘されてから、肌荒れを防ぐためにタオルなどでこまめに息子の体を拭くようになりました。清潔に保てたのか肌荒れはありませんでしたが、息子を拭くたび、頭から汗の臭いが強く出ていることに気が付きました。 そこで、頭皮や髪の毛もなるべく拭くように心がけ、シャンプーでなるべく丁寧に洗うようにしたのですが、頭の臭いはなかなか消えてくれなかったのです。 理容室のご主人に相談してみるとある日、息子を理容室に連れて行ったときのこと。私は、ふと息子の頭の臭いに悩んでいると理容室のご主人に相談してみました。ご主人は、「たしかに少し臭うね。予洗いを長めにしてみたら?」とアドバイスをくれました。 予洗いとは、ブラッシングして髪の毛の絡まりをといたあと、シャンプーをする前にお湯だけで髪の毛を洗うことです。先に予洗いすることで頭皮や毛穴の汚れを浮かし、シャンプーの効果が高まると言われているそう。 早速、翌日から試してみると、私の息子には効果テキメン! 完全に臭いが消えたわけではありませんが、不快には感じない程度に改善されていたのです。 臭いの原因はさまざまなため、予洗いで必ずしも臭いが軽減されるわけではないそうです。今回の件で初めて予洗いというものを知った私。毎日汗を拭く作業は大変でしたが、子どもがいるからこそ自分の知識が広がったと感じます。また、ささいなことでも困ったときは、誰かに相談したほうが良いと改めて学びました。 イラスト/森田家著者:長谷川 なぎ
2024年04月30日わが家には、保育園に通う3歳の娘がいます。ある朝、マンションのエントランスで70代くらいのAさんとBさんが立ち話をしていました。「おはようございます」と私があいさつすると、Aさんが「あらぁ、保育園に行くの?」と声をかけてくれたのです。声をかけられた娘はうれしそうでしたが、一方のBさんは無愛想で……? 毎朝登園を阻むマンションの住人… Aさんの「あらぁ、保育園に行くの?」という声かけに、娘は「うん、そうだよ。これ! クマちゃん!」とニコニコ。一方Bさんは、ひと言も話すこともなく少し不愛想な様子。 翌朝、娘の機嫌が悪くスムーズに準備が進みませんでした。遅れ気味のため急いでいると、AさんとBさんがまたエントランスで立ち話をしていました。遅れそうだったのであいさつだけして通り過ぎようとしたとき、Aさんが急に私の腕をつかんで「今日は何を持っているの?」と横にいる娘に声をかけたのです! 強引な行動にぎょっとした私。しかし振り切れず、仕方なく少し会話をしてギリギリで保育園に到着しました。このままだといつか遅刻するかも……と思った私は、次の日から出発時間を少し早めることにしましたが、2人はまたエントランスにいます。ただでさえ朝の準備は大変なのに、他人のことも考慮しながら出発しないといけないことが苦痛になっていました。 1週間後。この日もエントランスにはAさんとBさんがいました。いつものように私たちの行く手を阻むように立ち、声をかけてくるAさん。もう嫌だ……と気持ちが折れかけたそのとき、Bさんが「いいかげんにしなさいよ」と言ったのです。突然の言葉にびっくりした私とAさん。Bさんは続けて、「私にも3歳くらいの孫がいるけれど、毎朝保育園に連れていくのが大変って娘が言っていたわ。あなたも毎朝大変でしょう。話につきあわなくていいから、早く行きなさい」と言ってくれました。Aさんはすぐにバツの悪そうな表情に。そして「気が回らずごめんなさいね」とひと言。私は、Bさんの言葉に涙が出そうになりました。 今思えば、Bさんは無愛想なのではなく、私たちが忙しいだろうと気にかけて、話しかけないようにしてくれていたのかもしれません。その日からAさんとBさんは「おはよう」とにこやかにあいさつするだけで、引き止めてくることはなくなりました。同じようなことがあったときは自分で事情を話し、気持ちを伝えられるようにしようと感じた出来事です。 作画/Pappayappa著者:中川みかん
2024年04月30日息子が生まれたばかりのころの話です。里帰り出産をした私は、実家から近い祖父母の家で1カ月ほどお世話になっていました。そんなある日、祖父が何気なく放った言葉に私はとてもショックを受けてしまいました……。 祖父の何気ない一言そのころの息子はよく泣く子だったので、泣き始めてすぐは様子を見ているようにしていました。息子を抱き上げた祖父は、「こんなに泣いているのにママに抱っこしてもらえないなんて、かわいそうに」と言ったのです。 私にとっては初めての子育て。泣いている理由もまだわかりませんでした。 祖父にも悪気はなかったと思いますが、そのときの私は産後で心身ともにボロボロの状態。その一言が割れたガラスのように心に突き刺さってしまい、ショックでぼう然……。その後、そのまま別室に行って、しばらく一人で泣いていました。 後日、夫が私の祖父母の家に来たとき――。 息子を夫に任せ、私はのんびりとお風呂へ。私が入浴してからしばらく経つと息子はぐずり出してしまい、いくら夫があやしても私が戻るまで泣き続けていました。 そのときにも祖父は「かわいそうに」「やっぱりママじゃないとダメなんだ……」と夫と息子に対して言ったそうです。今度は、夫が祖父の言葉にひどくショックを受けていました。 私たち夫婦は、2人で協力して子どもを育てていこうと約束していました。もちろん性差はありますが、「ママじゃないとダメ」「パパじゃないとダメ」ということはできるだけないようにしていくつもりだったのです。 今回のことで、祖父のような近しい存在でも、子育てに対する考え方が違ったり、何気ない言葉で傷つけてしまったりすることがあると気づかされました。子育てをしていく過程では、大小あれどこのようなことはまた起こるのかもしれません。私たち夫婦は、この出来事をきっかけに改めて話し合いました。そして、アドバイスは参考にしつつも、人の言葉に惑わされず、息子に合った育児スタイルを確立させていこうと心に決めました。 イラスト/ふくふく著者:松本 ロイ子
2024年04月30日3歳の息子と公園にお出かけしたとき、息子と遊んでいた小学生のひとりが「トイレ」と言い出します。公園内にトイレはなく、自宅のトイレを貸してあげたのですが、その後まさかの展開に……。 こんなことってある!?団地住まいの3歳の息子と私は、敷地内の公園によく遊びにいきます。あるとき、息子と一緒に遊んでいた小学1年生くらいの男の子がもじもじし始め、「トイレに行きたい……」とひと言。公園内にトイレはないため、自宅のトイレを貸してあげることにしました。最後に「ありがとうございました」とお礼が言えるいい子だったのですが、その日以降、その子は私と息子が公園にいない日でも「トイレを貸してほしい」と何度もわが家を訪ねてくるように。漏れそうで困っているという様子でもありません。トイレを一度貸したことをきっかけに、わが家のトイレが「気軽に行ける公衆トイレ」だと思われているのでは!? と思った私は、「漏れそうで急いでいるとき以外は、自分の家のトイレを使ってね」とやんわり注意しました。 その後、その子がトイレを貸してほしいと言うことはなくなりました。困っているときはトイレを貸してあげたいですが、「漏れそうなときだけ」などのルール作りは必要だと感じた出来事です。 作画/Pappayappa著者:桂ゆかり
2024年04月30日息子が3歳、娘が1歳のときの話です。当時、私は家で遊ぶと部屋中散らかり放題になるため、できるだけ児童館や公園などへ外出していました。ある日、ママ友のと子連れで公園へ行った日のこと。帰宅した私に放った夫の言葉に一瞬耳を疑いました……。 ママ友と公園ピクニックを計画あるとき、仲良しのママ友と子どもを連れて大きな公園に行く計画を立てました。ママ友親子と会うのは久しぶりだったので、お弁当を持参し、午前中からたっぷり遊ぶことに。お出かけまでの準備や乳幼児を2人連れたワンオペの外出は一苦労ですが、私も子どもたちも公園ピクニックをとても楽しみにしていました。 しかし、準備の段階でやっぱり大変! まず、お弁当。それから水筒・着替え・タオル・おやつ……など外出時の常備品。さらに、息子には三輪車もせがまれました。いつも以上に準備で疲れてしまいましたが、すべては子どもたちの笑顔のために! そう思って頑張りました。 当日は、大量の荷物を持ちながら娘の抱っこに対応。また、元気な息子を見守ることにも必死の私。 当然、ママ友とゆっくり話せる時間もありません。それでも、楽しく遊べたので私は満足でした。 夫のありえない発言公園から帰宅すると一気に疲れが押し寄せてきました。この日は休日で在宅だった夫に「ちょっと疲れたから休んでくるね」と私は言いました。すると夫は……。 「今、友だちと遊んで息抜きしてきたのに、疲れたって?」と言ったのです! 思わず「これのどこが息抜きなんだよ!」と私は夫にまくし立てて、準備から当日まで大変だったことを話しました。 私の訴えに夫は、「ごめん。息抜きではないね」と謝罪。私はひとりで休憩することができました。その後も、わが家ではこのスタイルが定着。夫の休日に私が子連れでママ友とお出かけしたあとは、帰宅後は育児を夫とバトンタッチするように。そうすることで私も夫もひとりの休憩時間を確保することができるようになりました。きっかけは夫のありえない発言でしたが、結果的にお互いに息抜きができるようになってよかったです。 著者:都 うめこ
2024年04月30日下の子が幼稚園のとき、クラスの違うお友達のママからなぜかとても気に入られ、よく話しかけられるようになりました。え!?今なんて!?特に避ける理由もなかったので、会ったらおしゃべりする程度でした。ある日、そのママが通っているクリニックの整体師さんがどれだけカッコ良いのかを話してきました。私は「へぇ、イケメンだね」程度に答えていたのですが、それからというものもっぱら彼女の話題は整体師さんがどれだけイケメンなのかばかりに。ある日、別のママから「あの人整体師の人と不倫してるんだよ」と告げられました。旦那さんは単身赴任で海外にいると聞いていたのですが、楽しそうに不倫している姿を彼女はSNSに投稿しているのも見てしまいショックを受けました。 その後、話かけられたら対応はするけれど、自分からは挨拶以外は話をしないようにしました。 ◇ ◇ ◇ 不倫していることがバレバレなのに、アピールするような行動をとる人と仲良くするのはトラブルなどに巻き込まれたりしないためにも、このママのようにある程度距離を置くことも大切かもしれませんね。子どものことを考えると、わざと避けるよりも当たり障りのない対応をすることが良いのかもしれませんね。自分と価値観が合わない人とは、ある程度距離を置き無理に合わせず、ママの心の平和を優先させると良さそうですね。 作画/さくら著者:米田芽衣子40代、中学生と大学生の子がいる母。正社員で働きつつ家事は全て担当しているブラック主婦。
2024年04月30日私自身の通院のため、3歳の息子を義実家に預けていました。息子を迎えに行くと、義父が息子と仲良く遊んでくださっていて感謝の気持ちでいっぱいでした。しかし、後日、再び預けた日……私は義父が息子にとんでもないことを言い聞かせているのを目撃してしまったのです――。 冗談では済まされない息子が帰宅後、義父と遊んだ時のことを話してくれたのですが、義父のことを「おとうさん」と呼んだのです。 いつもなら義父のことを「じいじ」、夫のことを「パパ」と呼んでいる息子。義母が義父のことを「おとうさん」と呼ぶので、それを真似しているのかな?と思い、その場ではとくに何も言いませんでした。 後日、再度、預けた息子を義実家へ迎えに行ったとき――。 わたしが「お義父さんありがとうございました」と言いながら部屋に入っても、耳が遠い義父は私に気が付きません。そこで、近くまで行って声をかけようとしたそのとき……とんでもない会話を聞いてしまったのです。 いつも通り義父のことを「じいじ」と呼んだ息子。すると、義父は「『じいじ』じゃなくて『おとうさん』と呼びなさいと言っただろ」と息子に言ったのです。 その言葉を聞いて私はゾッとしました……。たとえ冗談のつもりでも、自分を「おとうさん」と呼ばせようとしていたことに驚きとモヤモヤした気持ちに。また、私や夫のいないところでそんなことを息子に教えていたということを不快に感じました。 息子も違和感を覚えたのか、すぐに「おとうさん」と呼ぶことはなくなりました。夫の親族のこともそれなりに信頼していた私。身内と言えども、子どもに関しては目を光らせておかないといけないのかなと考えさせられた出来事でした。 イラスト/ぽん子著者:二原 紗奈
2024年04月30日私は35歳の主婦。夫と娘の3人家族です。私たち一家は、最近車で30分ほどの会員制スーパーに、家族で買い物に行くのがお気に入り。テレビでも数多く取り上げられていて、見るだけでも楽しい場所です。会員以外にも大人は2人まで一緒に入れるので、友だちや両親や兄弟を誘って一緒に行くことも♪ 保育園の仲良しのママ友と会員制スーパーに行く約束をしていたところ、あまり話したことがないB美が「私も行きたい」と話しかけてきました。迎えに行くと、あまり知らないママが突然現れた3人で行く予定でしたが、急に仲の良いママ友が体調不良に。予定を変更しようとしても、B美は「パート休んだんだから連れていってよ! 旦那にも買い物を頼まれてるし!」とどうしても行きたいと言います。 当日、待ち合わせ場所に行くと、なんとあまり話したことのないB美の友だちも一緒に待っていたのです! 理由を聞いてみると「1人減ったから連れてきてあげたの。私って気が利くでしょ」とリナ。 私はしぶしぶ出発したものの、コンビニや銀行などにも寄らされ、予定より30分以上遅れて到着。買う物がない上に2人と一緒にいたくない私は、車で待つことにしました。 会計のタイミングでどこかへ消えたママ友2時間後、買い物が終わった2人から連絡が。会員が会計をしなければいけないため、私が一旦支払うことに。会計中、2人はどこかへ行ってしまいました。そして買い物の合計金額はなんと6万円超え! 私がカードで支払いを終えると、近づいてきました。 2人に3万円ずつ支払いするように伝えると、「3人で割り勘だから、1人2万じゃないの?」「たくさん買い物してポイントついたでしょ? 6万くらいおごってくれるのがママ友」などと言い始めました。 おまけに手持ちのお金もない様子。最初から私に支払いをさせるつもりだったのです。我慢の限界に達した私は、荷物を車に詰め込むと2人を置いてそのまま帰宅!叫びだす2人に、保育園の先生が喝翌日保育園にお迎えに行くと、大激怒の2人が詰め寄ってきました。そして「みなさ~ん! この人はスーパーに私たちを置いて帰る、薄情な人です!」と叫びだしたのです。驚いた保育園の先生に質問された私は、昨日のことをすべて話しました。 話を聞いた先生は「子どもたちには自分のことは自分でするように教えています。お買い物の方法も、おままごとを通じて覚えてもらっています。あなた方は『お金がなかったらお友だちにねだりなさい』って教えるんですか?」と毅然とした態度で説教してくれました。 どうやら2人は同じ手口で、他の人にも支払いをさせていたとのこと。子どもたちの前で説教され、2人は涙ながらに謝罪をしてくれました。 大切なのは思いやり。車に乗せてもらったりお世話になったりしたら、感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。 著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
2024年04月30日モグモグと美味しそうにご飯を食べる赤ちゃん。するとママから、「いただきますした?」の一言が。ママの質問への赤ちゃんの反応に思わずクスッ♪ ママとお姉ちゃんはお話し中 ご飯の時間。その前に、ママとお姉ちゃんは大事なお話しをしています。 ご飯美味しい…♡ その横で、妹のかんなちゃんはすでにご飯に夢中です(笑) 美味しそうに食べていますね♪大物っぷりを発揮しています! あれ?「いただきます」したかな?ご飯をモグモグ食べていたかんなちゃん。すると、お姉ちゃんとのお話しが終わったママがあることに気づきました。 「かんな、いただきますした??」 すると… あ!?そういえば… ママの言葉に思わず振り向くかんなちゃん。 「あ!忘れてた…!?」という表情が微笑ましいですね(笑) さらに… 「いただきます!」 ママの方を見て、「いただきます」をアピール(笑)(あたち、「いただきます」忘れてなんかないよ…) しっかり「いただきます」もできました! ママも思わずクスッ♡ かんなちゃんの大慌てな「いただきます」を見て、ママも思わずクスッ。ママ達にも再び笑顔が♡かんなちゃんのファインプレーで、みんなで笑顔の食卓になりました♪ YouTube「いっちーファミリー@itchyfamily」では、他にも思わずクスッとしてしまう動画がたくさん配信されていますよ。 ショート動画はどれも大人気♪姉妹で遊ぶ姿や、仲良し姉妹の日常の姿をぜひご覧くださいね。また、Instagram(@kokopapagram)も更新しているので、そちらも要チェックですよ! 「いただきます」をし忘れてママにバレた!その時、1歳児の反応は|いっちーファミリー画像提供・協力/いっちーファミリー
2024年04月30日出先のトイレに、小学1年生の娘と一緒に入ったときのこと。私は生理だったため、使用済みナプキンをトイレットペーパーでくるんでから、包装フィルムに包みサニタリーボックスに入れました。すると娘から「ゴミ箱に入れるのに、なんでトイレットペーパーでくるくるするの?」と言われ……。 なんでトイレットペーパーでくるくるするの?出先でトイレに入るときは、防犯対策やほかの方への迷惑を考えて娘と同じ個室に入るようにしている私。 ある日、娘とトイレに入ったときのこと。私は生理だったのでナプキンを取り替えました。いつものように外したナプキンを丸めてからトイレットペーパーで包み、新しいナプキンの包装フィルムで巻いてサニタリーボックスへ。 それを見た娘が「ゴミ箱に入れるのに、なんでトイレットペーパーでくるくるするの?」と聞いてきました。不思議に思ったようです。 掃除をしてくれる人へのやさしさ小学校1年生の娘にどう説明したらいいのかと悩みましたが、この子もいずれ生理がくるのだから、きちんと伝えようと思いました。 そして、「例えば、学校で鼻血が出た子がいて、血の付いたティッシュはゴミ箱に捨てるよね。お掃除のときに間違ってその血の付いたティッシュが、お掃除する人の手に付いたらどうかな? 嫌じゃない?」と、私は娘にもわかってもらえるよう、学校でありえそうなシチュエーションに例えて話してみることに。 「それに、血が苦手な人もいるよね。お掃除してくれる人に見えないように、血が手に付かないようにするのがやさしいと思うの。だからお母さんはトイレットペーパーでくるくるするんだよ」と言うと、娘は笑顔で「お母さん、偉いね!」と褒めてくれました。 経験したからわかること私がトイレットペーパーでくるくる包んで捨てるのは、そう教わってそれが当たり前のことだと思っていましたし、この方法がいいと思うからです。 仕事でトイレを掃除したときに、サニタリーボックスの中身は、ナプキンを丸めただけで捨ててあったり、トイレットペーパーで巻かれていたり、包装フィルムに巻かれていたりと、いろいろでした。できるだけナプキンが見えないように包んで捨ててくれる人はやさしいなぁ……と、掃除のたびに思っていたのです。 サニタリーボックスに入れる使用済みナプキンをトイレットペーパーでくるくる包むのは、それを片付けてくれる誰かへのやさしさでとても大切なことなのだと娘に伝えられたと思います。娘に生理がくるようになったら、またこの話をしてあげたいです。 著者/神谷 まりな作画/ののぱ 監修/助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。 ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター ののぱ
2024年04月30日同性カップルの日常をYouTubeチャンネル『ふたりママFamily(旧Maho Risa Family)』で発信しているMahoさんとRisaさん。パートナーシップ宣誓し、家族となった2人。その後Risaさんが2022年11月に長男・ぽこ太郎くんを出産しました。今回は、Mahoさんが妊娠・出産したということで、1人ずつ出産しようと思った経緯や年子育児のメリット、デメリットなどをお聞きしました。 ベビーカレンダーは、多様化している家族のあり方=『新しい家族のカタチ』について発信する取り組みを開始しました。当事者のリアルな声を紹介していきます。多様な幸せを実現できる社会、そして、もっと「家族を持ちたい」「赤ちゃんを産みたい」と思う人が増える世の中づくりの一助となりますように。 職場の同僚のMahoさん(写真左)とRisaさん(写真右)。一緒に仕事をする中でお互いに惹かれあい、お付き合いをスタートし、家族になりました。 付き合ったころから「子どもが欲しい」と思っていたという2人。さまざまなステップを経て、デンマークの精子バンクで1,000人以上の候補の中からドナーを決定。5回目のチャレンジでRisaさんが第一子・ぽこ太郎くんを授かり、2022年11月に出産しました。 育児に専念するため、しばらく動画をお休みしていた2人。久しぶりに更新した内容は、なんと「2人目の妊娠発表」! 今回妊娠したのはMahoさん。2024年3月に第2子を出産しました。2人のママが、1人ずつ出産したわけとは…!? マイノリティだからこそ、分かり合えるきょうだいが欲しかった2人は元々、「子どもは2人欲しかった」そうです。 その理由は、「マイノリティだから、分かり合える相手としてきょうだいがいた方が良い」と考えてのことだと語っていました。 年齢的に子どもを3人もつことは厳しいかもしれないため、話し合って子どもは2人と決めたようです。 2人のママが1人ずつ出産したわけとは?子どもたちの将来を考えて、きょうだいを作ろうと計画した2人。Mahoさんは最初から「絶対に子どもを産みたい!」と思っていたそうですが、Risaさんは自分で産むことに関しては、「どちらでもいいかな」と思っていたそう。 そんな中、「家族が増える=家族としての幸せが倍になる」という話を2人でしているうちに、Risaさん自身も自然と「子どもを産みたい」と考えるようになったといいます。 自分も産みたいけど、2人の子どもを想像したときに「Risaの子どもを育てたい」というMahoさんから熱望もあり、1人ずつ出産することにしたようです。 なぜ「絶対に自分が産みたい!」と思っていたMahoさんからではなく、Risaさんが先に出産したかというと、年功序列で決めたそうです。 年子育児のメリット・デメリット動画では、年子での妊娠・出産・育児を振り返って良かったこと、大変だったことを教えてくれています。 良かったこと・上の子もまだ小さいので、ママが妊娠することによる寂しさをあまり感じていない・1人目の出産・育児の記憶が新しいから、2人目育児の想像がつきやすい・出産準備がラク。上の子のものを使える 大変だったこと・ぽこ太郎が保育園1年目なので風邪をひくことが多かった・妊娠中のMahoさんが子どもと一緒に風邪を引きやすかった・妊娠中の抱っこが大変だった このほかにも、「上の子と同じ産院で出産し、同性カップルという特殊な環境を温かく受け入れてもらえた」ことが良かったそう。 同性カップルだからこそわかり合えること「1年前にパートナーが妊娠・出産を経験しているからこそ、つらさや大変さをわかり合うことができた。これはめちゃくちゃ良いことだった!」と語るMahoさん。 初めての妊娠で不安な中、一度出産を経験しているパートナーが横にいてくれるのはとても心強かったそうです。 また、2人のつわりの重さが違ったことから、「人によっても妊娠や出産の状況は異なる。決めつけた価値観で話さない方が良い」など、お互いに経験しているからこそ理解し合えることもあったといいます。 ◇◇◇ 動画では、終始おふたりが笑顔で見つめ合って話す姿から、お互いを想いあっている様子がとても伝わってきます。そんな姿に、視聴者からは『愛に溢れた素敵な家族だと心から思える。お体お大事に赤ちゃん楽しみにしてます!』など、たくさんの応援コメントが届いていました。 同性カップルの子育てや年子育児はたくさんの苦労もあるかと思います。お互いの気持ちを分かり合えるおふたりなら、支え合いながら笑顔溢れる子育てができそうですね。 YouTubeチャンネル「ふたりママFamily」では、おふたりの日常生活妊娠中や子育てについてなど、さまざまな動画が投稿されています。ぜひチェックしてみてくださいね。著者:ライター 逆井マリ
2024年04月30日次男が3歳のころ、家族全員で地元のお祭りに行ったときの話です。そろそろ帰ろうと階段を上っていると、次男が転んでしまいました。私はすぐさま次男を抱きかかえ、階段をのぼりました。ただ転んだだけだから大したことはないと思った私。まさか救急車を呼ぶことになるとは思いもよりませんでした――。 楽しいお祭りのはずが…救急車!?階段を上ったところで、一呼吸していると、見知らぬ女性が「お子さんの額から血が出てますよ!」と教えてくれました。よく見ると次男の額はぱっくり割れていて、そこから血が流れていて、私の服も血だらけになっていたのです。予想外の出血量に少しパニックの私に、額に当てる用にとティッシュを差し出しながら、女性は「救急車を呼んでもらった方がいいかもしれませんね」と言いながら救護所へ誘導してくれました。 救護所へ着いてもなかなか止まらない出血……。結局救急車を呼んでもらうことに。そして次男と一緒に私もそのまま病院へ行きました。 病院に到着すると、まずCTを撮り、その後、額の傷を縫ってくれました。後日、抜糸に行くことに。 お祭り会場は暗がりで人がたくさんいたため、3歳の次男にとっては歩きづらかったのかもしれません。そして、階段のとんがった角部分に額をぶつけたようで、縫うほどの怪我をさせてしまいました。 処置が早かったおかげか、幸いにも次男の額の傷は目立たなくなりました。あのとき声をかけてくれた女性には感謝してもしきれません。 二度と大きな怪我をさせないよう、今は子どもの目線に立って、歩きづらさや危険なポイントがないかどうかなどを確認するようにしています。 イラスト/ふくふく著者:丘里リル監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年04月30日全国農業協同組合中央会(JA全中、代表理事会長:山野徹)は、「食」や「農」を身近に感じてもらい、特に子育て層の皆さまにその魅力を感じてもらうことを願い、Instagramを活用したフォトコンテストを初開催します。受賞された方には、賞品として豪華な国産和牛や国産黒豚をプレゼントします。ぜひご応募ください。■コンテスト概要名称:『#(ハッシュタグ)みんなのよい食フォトコンテスト』主催:JA全中応募テーマ:「食・農の魅力をシェアしよう!」応募期間:令和6年5月1日(水)~5月31日(金)審査員:・一般社団法人SNSエキスパート協会 代表理事 後藤 真理恵氏・JA全中■審査基準・下記(1)~(3)のいずれかの要件を満たし、応募者が撮影した写真または、撮影者の許諾を得た写真。(1)子供や親子が国産農畜産物を食べている写真(2)子供や親子が国産農畜産物を料理している写真(3)子供や親子が農作業体験をしている写真・子供や親子が「食」や「農」に親しんでいることがわかる写真。・文字入れや組み写真、明るさ・色の調整など、Instagramに投稿した際に目を惹くように加工されている写真。・投稿に合った、興味を惹くキャプション(投稿文)。・応募から6月1日(土)までの‘いいね’の数。■応募方法1.JA全中公式アカウント「みんなのよい食プロジェクト(@yoishoku_ja)」をフォロー2.指定のハッシュタグ『#みんなのよい食フォトコンテスト』をつけ、アカウントから発信3.投稿にJA全中公式アカウント「みんなのよい食プロジェクト(@yoishoku_ja)」のメンション「@yoishoku_ja」をつける。4.投稿する(応募完了)。※応募数は1アカウントにつき5投稿まで↓「みんなのよい食プロジェクト」のInstagramはこちらからご覧ください。■賞品大賞(1点) :国産和牛(3万円相当)優秀賞(5点) :国産和牛(5千円相当)入賞(20点):国産黒豚(3千円相当)■「みんなのよい食プロジェクト」とはJAグループがすすめる、心と体を支える食の大切さ、国産・地元産の豊かさ、それを生み出す農業の価値を伝え、国産・地元産と日本の農業のファンになっていただこうという取り組みです。↓「みんなのよい食プロジェクト」のサイトはこちらからご覧ください。★「みんなのよい食プロジェクト」のシンボルキャラクター<笑味ちゃんのプロフィール>[年 齢]7歳、小学生[性 格]いつも明るく元気で食べることが大好き。好奇心がおうせいで、思っていることは素直に言っちゃう。[特 技]「食のポーズ」をかっこよく決める![口ぐせ]パク! 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年04月30日子どもが5歳くらいの頃の話です。同居の義母は普段から気性の荒い人でした。特に嫁である私に対するあたりが強く、料理など家事をなじられ、私は肩身を狭くして暮らしていました。その日も突然不機嫌MAX状態になった義母。義母の気性の荒さには慣れていた私も、その日の義母の言動のひどさには驚いていました。夫に相談すると、義母の機嫌が悪い本当の理由がわかって――!? 義母がイライラしているのは…普段から怒鳴られている私ですが、ある日、さすがにあまりの義母の言動のひどさに、夫に相談することにしました。すると、衝撃の事実がわかったのです……。 自営業の私の夫は、支払いが重なるなど資金繰りに困ったときに、大家さんとしてそこそこの収入がある義母にお金を借りていたと言うのです。 義母は私がお金を借りたかのように、私に対してひどい言動を繰り返していました。夫も夫で、私に何の相談もなく、義母に借金を繰り返していたことにショックを受ける私……。 借金を打ち明けられたときには思わず、「家にお義母さんと2人にされている私の身にもなってよ!」と夫に詰め寄ってしまいました。 その後、お金を返すと多少機嫌が良くなる義母ですが、ことあるごとに「誰のおかげでお前たちは生活できているんだ!」と怒鳴ってきます。 夫は外に出てばかりで、義母と顔を合わせるのを避けていました。私が何か言おうものなら、「仕方がないんだ!俺だって一生懸命やってるのに文句あるのかよ!」と逆ギレされる始末です。家では義母にひどい態度をとられ、夫にも逆ギレされ、本当にやるせません。 お金の問題がなければ、もう少し居心地が良かったのだろうかと思う毎日です。義母の怒りをぶつけられるたび、「家族だからといって安易にお金を借りてはいけない」と感じています。夫と私が冷静に話せるタイミングをみて、一度夫婦でしっかり話し合おうと思います。 イラスト/ふくふく 著者:原田加奈子
2024年04月30日私と子ども2人でドライブに行ったときのこと。帰り道にジュースを買ったのですが、しばらくしてすぐに「もうない!」と言い始め……。帰宅して後部座席を見ると、まさかの光景が広がっていました。 車のある部分にジュースがたっぷりと…私と息子2人で少し遠くにドライブに行ったとき。帰り道にジュースを買いました。しばらくすると、3歳の息子が「ジュースがもうない!」と言ってきました。 そんなに早く飲めるはずがないのに……と思いつつ、自宅に到着。子どもを降ろそうと後部座席を見ると、ドアの内側の取っ手部分にオレンジジュースがなみなみと注がれており……。 ジュースをこぼさないよう、雑巾で吸い取りながらキレイにしました。まさか、そんなところに液体が入っているとは思わなかったのでビックリ。驚きとともに、大人の発想では考えつかないことがあるなぁと思いました。 ◇ ◇ ◇ 子どもはときに思いもよらない行動をしますよね。ダメなことはダメと伝えつつ、子どもの好奇心を伸ばしていきたいですね。 イラスト/あやこさん著者:いちご
2024年04月30日私には7人の子どもがいます。第7子を出産するにあたり、上の子どもたちにも出産に立ち会ってもらうことを希望しました。近くに助産院がなく、自宅出産や助産院での出産は断念しましたが、子どもたちも立ち会いOKの病院に出合いました。出産当日、病院へ向かう途中に夫が取ったある行動に驚いたエピソードをお伝えします。※コロナ禍前の体験談です 子どもたちにも出産を見守ってもらいたい第7子の妊娠が判明したとき、私は上の子どもたちにも出産の大変さや素晴らしさを感じてもらいたいと思い、家族全員での立ち会い出産を希望しました。助産院にも問い合わせましたが、遠すぎるため自宅出産は不可。 しかし、幸い子どもたちも立ち会いOKの病院を見つけました。私は自然分娩を希望していたため、お産がいつになるかわからずドキドキする日々を過ごしました。 家族で病院へ! 夫の行動に驚き妊娠38週で早朝4時ごろに破水し、陣痛が始まりました。奇跡的に、4時30分ごろには子どもたちが全員起床。全員で車に乗り込み、病院へ向かいました。 ところが、病院まであと1〜2分というところで、なんと夫がコンビニに停車し、「朝ごはんのパン食べる人〜!」と子どもたちに呼びかけたのです。「わーい! 食べる食べるー!」と子どもたち全員と夫はコンビニ店内へ。 陣痛MAXの中、私は車内で待つことになり不安を感じましたが、幸い数分でパンの購入を済ませた家族が戻って来て、無事に病院へたどり着きました。病院の入り口で車椅子を広げて私を迎えてくれた助産師さんが天使に見えたことは言うまでもありません。 家族が見守る中、無事出産私はひと足先に分娩室へ。一方、夫と子どもたちは車内でパンを食べてから分娩室へ来てくれました。陣痛の最中だった私は、夫の行動が呑気すぎると思いましたが、実は夫が機転をきかせたゆえの行動だったのです。 朝早く起床した子どもたちに朝ごはんも食べさせずに立ち会いをさせたら、おなかが空いて誰かがグズりだし、夫がグズる子どもを連れて分娩室から出なければならなくなっていたかもしれません。 しかし、腹ごしらえをしたおかげかグズる子は1人もおらず、時折「お母さん頑張れ〜!」と応援しながら、あたたかく出産を見守ってくれました。そして、家族全員に赤ちゃん誕生の瞬間を見守ってもらい、私の希望が叶いとてもうれしい瞬間となりました。 立ち会い出産から3年経ちましたが、子どもたちは今でもそのときのことを話してくれます。赤ちゃんの誕生の瞬間に立ち会えたことは、子どもたちにとって貴重な経験となり、良い思い出となっているようです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:藤原ナオミ3男4女の母。ハワイ留学中に学生結婚。育児の合間を縫って英検1級・TOEIC970 監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター こちょれーと
2024年04月30日