自分は下手だからと卑屈になってモチベが落ちないか心配です問題
と思ってしまいます。
試合に出られない彼の悔しさに「残念だったね。悔しいね。一緒に連れて行ってくれればいいのにね」と共感することは重要です。ただし、子どもの気持ちに親が同化してはいけません。そこでは「いいじゃん。学年の試合があるしね。また頑張ればいいよ。
楽しくサッカーできればいいね」と寄り添ってあげてください。
しかも冒頭で伝えたように、息子さんは楽しんで通っています。そこを認めてあげましょう。
■「試合に出さないなら辞めさせます」親が立腹して子どもの意思を無視するケースも

(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)
以前、都内で少年サッカーのコーチをしている方が、こんな事例を教えてくれました。
4年生が大会に出たら、相手が強くて、二人だけ試合に出せなかったそうです。すると、その日当番だったその子のお母さんが「試合に出ないのなら当番なんかしないほうがよかった。もうやめさせます」と言ってきたそうです。
コーチは陳謝し、その子にも「今度はチャンスがあるから」と説得したら、子どものほうはうなずいたそうです。
入ってまだ数か月でしたが、サッカーを好きになっていました。ところが、お母さんは聞き入れません。「みんな出られると言われたから入れたのに」と言って、息子さんの手を引っ張って帰ってしまいました。
「子どものほうはやめたくなかったと思う。歯を食いしばって泣くのを我慢していました。でも、母親にやめたくないと言えないわけです」
歯を食いしばっているのを、お母さんは「ほら、この子もこんなに悔しがっている」と言ったそうです。
親が子どもをコントロールできると考えないほうがいいです。声掛けとか、何か話をしてやる気が出るものではありません。
日ごろから、できるだけ子どもの選択を尊重して任せましょう。
「ま、いっか。サッカーをするのは私じゃない。この子なんだし」
そのようにぜひ割り切ってください。

島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。
『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)