映画化もされ、社会ブームと化した「告白」に次ぐ第2作目として発表された湊かなえの同名小説が、主演に本田翼と山本美月を迎え、<a href="">『繕い裁つ人』</a>の三島有紀子監督により映画化される『少女』。このほど、衝撃的な第1弾ポスタービジュアルが解禁となった。本作は、「人が死ぬところを見たことがあるの…」という同級生の言葉に嫉妬を覚えた2人の女子高生が、「私も人が死ぬ瞬間を見たい」という願望を叶えるために危険な一歩を踏み出す夏休みを描く長編ミステリー。原作は、2009年の発行以降、累計発行部数100万部を突破した湊さんの同名小説。「人が死ぬ“瞬間”を見たい」という願望にとらわれた2人の女子高校生を描いた衝撃の問題作で、物語を担う2人の少女には、映画<a href="">『アオハライド』</a>やドラマ「恋仲」など話題作に続々出演する本田さんと、主演映画<a href="">『貞子vs伽椰子』</a>やドラマ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」ほか多方面での活躍が目覚ましい山本さんという旬な女優の豪華共演が実現。監督を務めるのは、大泉洋×染谷将太共演のモントリオール映画祭特別招待作品<a href="">『ぶどうのなみだ』</a>や中谷美紀主演作『繕い裁つ人』など、女性の心の機微を描くことに高い評価を得ている三島監督。本作ではリリカルな女子高生を描くことに挑戦し、“湊かなえワールド”のダークな世界観を見事に映像化させた。このたび解禁されたポスタービジュアルは、制服に身を包んだ本田さんと山本さんが、まるで“花葬”されたかのように一面に敷き詰められた白い花の中に横たわっているもの。ある種、“死”を連想させるようなシチュエーションでありながら、2人の真っ直ぐな眼差しがインパクト大。また、「見たい。人が死ぬとこ。」というダークで衝撃的なコピーが中央に据えられた印象的なデザインに仕上がっている。若さゆえ奇妙な方向にベクトルがむいてしまった湊さん特有の“毒”をキャッチコピーで、“死”や “少女の純真無垢さ”を白い花で表現した本ビジュアルは、美しくも儚く、ピュアながらも、独特の危うさをはらむ本作の世界観そのもの。映画<a href="">『告白』</a><a href="">『白ゆき姫殺人事件』</a>、連続ドラマ「贖罪」「夜行観覧者」「Nのために」と、最旬キャストで大ヒット映像化作品を次々と送り出してきた湊かなえ作品と、本田さん、山本さん、三島監督の化学反応にこれからも注目していて。『少女』は10月8日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月31日中谷美紀を主演に迎え、「夢をかなえるゾウ」「LOVE理論」で知られる水野敬也の著書「スパルタ婚活塾」を原案にドラマ化する「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」。藤木直人、瀬戸康史、大政絢らレギュラー出演陣が発表される中、今回新たに長谷川京子の出演が明らかになった。青山の美容皮フ科クリニックを営む開業医のみやび(中谷美紀)は「自分はしようと思えばいつでも結婚できる!」とたかをくくり、充実したシングルライフを満喫していた。ある日“女子会”で訪れた割烹料理店「とくら」で出会う超毒舌店主の十倉(藤木直人)から自分が男性から敬遠される“美人・キャリア・アラフォー”という三重苦を背負った“恋愛弱者”に陥っていると現実を突きつけられる。そのことに最初は憤っていたみやびだったが、高校時代に片想いしていた同級生・桜井(徳井義実)への気持ちが再燃し始めたことをきっかけに十倉の助言に耳を傾け始める――。本作は、“徹底した男目線”でスパルタ恋愛術を指南する女性のためのオリジナルドラマ。中谷さん演じる“39歳・超プライドが高い女子”と藤木さん演じる“超毒舌恋愛スペシャリスト”が織り成すスタイリッシュなスパルタラブコメディとなっている。この二人のほかに、みやびが経営するクリニックに出入りするデリバリースタッフ・橋本諒太郎役の瀬戸さん、クリニックの看護師・野村梨花役に大政さん、みやびの同級生で片思いの相手・桜井洋介役に徳井さん、母親役に夏木マリ、さらに平岩紙、松井珠理奈、マルシア、蘭寿とむ、松井愛莉ら個性豊かな俳優陣が集結している。そんな中、新たなレギュラーキャストとして発表されたのは、「臨床犯罪学者 火村英生の推理」で“冷徹セクシーボス”を演じるなどドラマやCMなど幅広いジャンルで活躍する長谷川さん。本作で演じるのは、フラワーコーディネーターの仕事をする十倉の妻・千波。彼女は、みやびをはじめ、店に来る大事な客であっても自分の意に沿わない態度や言動をする人間には容赦なく毒舌を浴びせるかなり“オレ様キャラ”な男・十倉が、土下座をしたり、胸倉を掴まれたり…と、唯一頭が上がらない存在なのだ。しかし二人の関係は、どうやら何か訳ありな様子…。今回本作の出演が決定した長谷川さんは「面白い! 十倉さんがダメ出しする言葉が私たち年頃の女性にはとても響きます、痛いです…。痛いけど、心して聞くべき教えもたくさんあるな、とも思います」と台本読んだ感想を語る。そして共演の中谷さんついて、「いつかご一緒させてもらいたいと願っていました。ご本人を間近にしてのお芝居は緊張もしましたが、とても気さくに話しかけてくださるので、最後にはお喋りに夢中になり過ぎてお芝居に集中できないくらいになってしまいました(笑)」と念願の共演に喜びもひとしおの様子。また藤木さんについては、「撮影初日からわたしが藤木さんに怒鳴り散らすシーンだったのですが、わたしがどれだけ強く当たっても、優しく受け止めてくださる方、包容力のある方だと感じました」と印象を語っている。長谷川さん演じる千波は、4月29日(金)放送の第4話から本格的に登場するそう。中谷さん演じるみやびと長谷川さん演じる千波、二人のクールビューティー女優の競演に期待したい。「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」は4月15日(金)22時~TBSにて放送開始。(cinemacafe.net)
2016年03月21日20代後半、年収250万ちょっと、恋人なしのおひとりさま女性・沼越さんが、“運命の物件”を求めてモデルルームを巡り歩く日々を描いた漫画『プリンセスメゾン』。『モチイエ女子web』との連動企画として『やわらかスピリッツ』に連載され、女性読者を中心にあたたかい共感とささやかな勇気を与えている本作の作者・池辺葵さんに、女性の人生と住みかの関係について前後編でお話を伺いました。 今回は後編です。■前編「おひとりさまが家を買ったっていいじゃない!」はこちら家を買うという決断には損得ではないその人だけの理由が必要『プリンセスメゾン(1)』(池辺葵/小学館 ビッグコミックス)――『プリンセスメゾン』で“運命の物件”を探す沼越さんは、20代後半で年収250万ちょっと。住んでいるのも古いアパートの1階と、かなり地に足の着いた設定ですね。池辺葵さん(以下、池辺)最初から、マンションが買えるぎりぎりの年収の人の話にしたいと思ってました。『モチイエ女子web』の人にもかなり取材や試算をしてもらったら、“年収250万”という表現でもダメで、“年収250万ちょっと”が本当にぎりぎりの最低ラインらしいです。――作中には「単身女性の住宅ローンは審査が下りにくい」とったセリフがあったり、シビアな現実も描かれていますが。池辺でも、ローンってもっと組みづらいものだと思ってたんですけど、取材をしてみて、思ってたよりなんとかなるんだとも思いました。銀行にもよると思いますが、派遣社員でも3年以上勤めていればローンが下りるとか、頭金をいくら払えるかによってもだいぶ変わるとか。持ち家は買った家自体が担保になるから、保証人に関してはむしろ賃貸のほうが厳しかったり、単純にスペックや数字だけで決まるわけじゃないんだなって。――1巻で「努力すればできるかもしれないこと、できないって想像だけで決めつけて、やってみもせずに勝手に卑屈になっちゃだめだよ」という沼ちゃん(沼越さん)のセリフがありましたが、本当にそうなんですね。池辺でも、実際のところ20〜30代の若いうちに自分の家を買う決断ができる単身女性ってそう多くないと思うんです。仕事が中心で家には寝に帰るだけとか、将来どうなるのかまだわからないって人なら、買う必要ないと思うし。沼ちゃんがそこまでして家を買おうとしていることに、どうやって説得力を持たせるかは悩みました。――2巻で、沼ちゃんが持ち家にこだわる理由というか背景が、初めて明かされたのはそのためですか?池辺それも実は後付けの設定なんですけどね(笑)。持ち家は将来的に資産になるから、長期的に考えると賃貸のほうが高くつきますよ、とか言われても、じゃあ買おうとは思えないじゃないですか。結局、損得ではなくて、たとえ高くても家を持ちたいという、その人だけの強い理由が必要だなと思って。自分の生き方や幸せの価値観を見直す作業、それが家探し ――そんな沼ちゃんの姿を見て、不動産屋の人々も次第に応援を始めて、沼ちゃんと深く関わるようになっていくんですよね。池辺最初は、沼ちゃん以外にもいろんな人が出てくる群像劇にしようと思っていて、不動産屋さんの人たちもあんなにずっと出てくる予定じゃなくて。でも、描いてるうちにみんながんばって生きてほしいなってかわいく思えてきちゃって、沼ちゃんが不動産屋さんの人たちと徐々に関係を築いていく展開に自然となっていきました。――最初はファミリー向けの物件や、都心の高層マンションを見ていた沼ちゃんが、だんだん自分に本当に必要な条件を絞っていきますよね。なんだかそれが、人生における就職や結婚に似ているなと思いました。池辺そうなんですよ。家探しって、自分の生活や生き方を見直したり、自分にとっての幸せって何か考える作業にもなるんだなと、描いていて思いました。実際に東京でかなりの賃貸物件を見て回ったんですけど、東京の住宅事情にカルチャーショックを受けて。――え、どんなところにショックを受けたんですか?池辺私の実家の方だと十分いい部屋に住める値段でも、びっくりするくらい狭くて。東京の人は、家に関してはみんなすごく優しいんだなーと思ってしまったんですよね。でも、家ってそこまで気に入ってなくても実際住んでみたら慣れちゃうし、どこに住んでも自分が受け入れさえすれば馴染んでいくんだろうなって。それは持ち家を買うにしても同じで、どんなに気に入った理想の物件でも、暮らすうちに絶対何かしらの欠陥はあって100点にはならないと思っていて。何かひとつ自分にとって譲れない魅力があれば、あとは我慢できるのかなと思うんですよ。担当編集K(以下、担当K)すごい、まるで好きな人と結婚する話をしてるみたいですね(笑)。そういえば、20代のうちは家を買うことにリアリティを持てないけど、40代になるともうローンが組めなくなる、というのも出産のリミットに似ていますね……。今どう生きたいかを考えたら持ち家もいいかも、と思えた『プリンセスメゾン(2)』(池辺葵/小学館 ビッグコミックス)――家を買うつもりがない人も、もし自分が家を買うとしたらというのを真剣に考えてみると、自分の人生にとって大事なものや生き方を見つめるいい機会になりそうですね。担当K実際に家を買った単身女性にも取材をしたんですけど、みなさん「いざとなったら最終的には売ればいい」と言っていたのに驚きました。私はどうしても、持ち家を資産や投資と考えることができなくて、愛着を持って一生愛でるものだと思ってしまうので。池辺ただ、持ち家も自分の人生を彩るツールのひとつにすぎないから、そこまで一生ものと考えて情を持つ必要はないのかなって思ったりもするんです。自分の状況が変わって要らなくなったら、売って明け渡せばいいのかなと。これまで家を買うなんて興味もなかったけど、この連載を始めてから、家を買えるっていいなって思うようになりました。――そこをもう少し軽やかに考えられるようになったら、生き方のパターンも増えそうですね。池辺今住んでいる家は賃貸なんですけど、カウンターキッチンで選んだんです。私にとってはそれだけでテンションが上がって毎日が楽しくなる。あとすっごいつらくても、幸せな気持ちになれるんですよ。家賃は希望より少し高かったんですが、少しの間だけ、と思い切りました。すごく貯金したところで、人間死ぬときは1円も持って行けないんだって思って。将来のために、今少しの不自由さを我慢するのもいいことだと思うけど、上手に使って今を楽しく生きるのもいいのかなとも。どんなに大変なことになっても、絶対なんとかなるってどこかで思ってるところがあって。浪費に気をつけないとですね。本当の贅沢とは高価なものを持つことではなく、心の有り様だとおっしゃる(そして贅沢とは悪いことではない)森茉莉さんの「貧乏サヴァラン」を再読して原点に戻らないとです。――家を持つことを、将来への投資とか、老後のための保険と言われても、正直ピンとこない人は多いと思います。池辺私も少し前まで老後のことを考えてたんですけど、最近はもう死を考えるようになって(笑)。どこでどんなふうに死ぬんだろうと思ったら、自分が今どう生きたいのかをすごく考えるようになりました。そう考えたとき、ふと、自分が死ねる家があったらいいなって思って。まあ、実際は病院で死ぬことのほうが多いやろうけど。サスペンスとか見てると、ご年配の方が「死ぬ時は自分の家で死にたい」と言うシーンをたまに見るんです。それ、前までは何でやろって思ってたけど、最近、その気持ちがちょっとだけ分かるようになりました。――家のことに限らず、人の目を気にせずに、今の自分の幸せのためにがんばれる沼ちゃんのような生き方ができたらいいですね。今日はどうもありがとうございました!(プロフィール)池辺葵2009年、『落陽』でデビュー。洋裁店で働く女性が主人公の『繕い裁つ人』(講談社)は、2015年1月に中谷美紀主演で実写映画化もされた。他の作品に、喫茶店を舞台とした群像劇『サウダーデ』(講談社)、老婆の夢と現実を描いた『どぶがわ』(秋田書店)などがある。現在、『やわらかスピリッツ』(小学館)×『モチイエ女子web』にて、『プリンセスメゾン』を連載中。2月12日に最新刊第2巻が発売された。
2016年03月14日中谷美紀を主演に藤木直人、蘭寿とむ、夏木マリらを迎えて贈るTBS金曜ドラマ「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」。この度ドラマの放送日が4月15日に決定すると共に、主題歌を人気グループ「いきものがかり」が手がけることが明らかになった。青山の美容皮フ科クリニックを営む開業医のみやび(中谷美紀)は「自分はしようと思えばいつでも結婚できる!」とたかをくくり、充実したシングルライフを満喫していた。ある日“女子会”で訪れた割烹料理店で出会う超毒舌店主の十倉(藤木直人)から自分が男性から敬遠される“美人・キャリア・アラフォー”という三重苦を背負った“恋愛弱者”に陥っていると現実を突きつけられる。そのことに最初は憤っていたみやびだったが、高校時代に片想いしていた同級生・桜井(徳井義実)への気持ちが再燃し始めたことをきっかけに十倉の助言に耳を傾け始める――。本作は、「夢をかなえるゾウ」や「LOVE理論」などの著書で知られる水野敬也の著書「スパルタ婚活塾」を原案に、“徹底した男目線”による、女性のための恋愛論をエッセンスにしたオリジナルドラマ。中谷さん演じる主人公の“39歳・超プライドが高い女子”が、藤木さん演じる“超毒舌恋愛スペシャリスト”から好きな男性との恋愛を成就するための恋愛指南を受けていくスパルタラブコメディ。この2人のほかに、みやびが経営するクリニックに出入りするデリバリースタッフ橋本諒太郎役に瀬戸康史、クリニックの看護師野村梨花役に大政絢、みやびの同級生で片想いの相手・桜井洋介役に徳井義実、“グルメ女子会”で会う女友達の一人でファイナンシャルプランナーとして起業しバリバリ働くキャリアウーマンの望海役に蘭寿さん、そして母親役に夏木さんといった個性豊かなキャストが集結している。そして今回本作の主題歌に決定したのは、幅広い世代からの支持を集める3人組ユニット「いきものがかり」が、ドラマのために書き下ろした新曲「Sweet! Sweet! Music!」。また楽曲は、彼らのデビュー10周年記念日となる3月15日(火)に発売されるベストアルバム「超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~」に収められている。今回の主題歌に関して、作詞作曲したギター&ハーモニカの山下穂尊は「台本を読ませて頂いて、いまの時代にマッチするちょっとシニカルで、でもファニーな感じがするなあと思ったので、世の中をちょっと笑い飛ばせるようなお祭り感のある歌詞だったり、メロディだったり、リズムだったりが表現できたらと思って作りました」と、曲作りのポイントを話すと、吉岡さんも「どんどん言葉(歌詞)が展開していくので、ノッてくると楽しいし、力を入れるというよりかは気楽に歌える楽しい曲です」とアピール。また曲を聴いた中谷さんは「4月のドラマにぴったりな、春らしい素敵な主題歌をいただきました。韻の踏み方が最高で、私は特に『アイロニカルにシニカルにシリガルなあの子みてまたよがる』のフレーズが気に入っています」と絶賛。藤木さんも「コメディドラマを支えてくれる、テンポのいい元気な主題歌です。主人公のみやびは、好きな相手へのアタックが失敗しても、その度に十倉から毒舌で厳しい教えを受けても、何度でも立ち上がる役。そんなみやびに寄り添った曲だと思いました」とドラマにぴったりだと話した。そんな「いきものがかり」の3人は、最終話の撮影となった2月某日、緑山スタジオの撮影現場に陣中見舞いとして訪れ、ラストスパートに向かって白熱した芝居を繰り広げる中谷さんと藤木さんの収録風景をセット内の傍らで見学していた。吉岡さんは、「普段、このような撮影現場に来られる機会がなかなかないので、初めて目の前で演技をしている姿を見させてもらい、周りにこんなに沢山のスタッフさんがいる中でもお二人が集中して魅力的な演技をしている姿を含めて、こういう撮影の裏側を見ることがないのでとても感動しました」と感想を話し、またドラマの撮影自体を見るのは初めてということで、セットの雑誌など細部の小道具まで撮影用にオリジナルで作られていることを知り、感心しきりの様子だった。「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」は4月15日(金)22時~TBSにて放送開始。(cinemacafe.net)
2016年03月10日4月15日スタートの中谷美紀主演ドラマ『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』(TBS系 毎週金曜22:00~)の主題歌に、いきものがかりの書き下ろし新曲「Sweet! Sweet! Music!」が決定したことがこのほど、わかった。いきものがかりの3人は、2月某日に都内で行われた最終話の撮影現場に訪れ、ボーカルの吉岡聖恵は「周りにこんなにたくさんのスタッフさんがいる中でもお二人が集中して魅力的な演技をしている姿を含めて、こういう撮影の裏側を見ることがないのでとても感動しました」と感激。3人はドラマの撮影を見るのは初めてということで、セットの雑誌など細部の小道具までオリジナルで作られていることを知り、感心しきりだった。主題歌について、作詞作曲した山下穂尊は「台本を読ませていただいて、今の時代にマッチするちょっとシニカルで、でもファニーな感じがするなあと思ったので、世の中をちょっと笑い飛ばせるようなお祭り感のある歌詞だったり、メロディだったり、リズムだったりが表現できたらと思って作りました」と説明。吉岡も「どんどん言葉(歌詞)が展開していくので、ノッてくると楽しいし、力を入れるというよりかは気楽に歌える楽しい曲です」と語った。また、主演の中谷は「4月のドラマにぴったりな、春らしいすてきな主題歌をいただきました。韻の踏み方が最高で、私は特に"アイロニカルにシニカルに シリガルなあの子みてまたよがる"のフレーズが気に入っています」と喜び、共演の藤木直人も「コメディドラマを支えてくれる、テンポのいい元気な主題歌です。何度でも立ち上がる主人公・みやびに寄り添った曲だと思いました」と太鼓判を押している。同ドラマは、水野敬也氏が手掛けた恋愛マニュアル本『スパルタ婚活塾』を原案に、著書の中で展開された"徹底した男目線"で女性のための恋愛論をエッセンスにしたオリジナル作品。中谷演じる39歳のプライド高い女子と、藤木演じるドSな毒舌恋愛スぺシャリストが織り成す、スパルタラブコメディとなる。(C)TBS
2016年03月10日「夢をかなえるゾウ」「LOVE理論」で知られる水野敬也の「スパルタ婚活塾」を原案に、中谷美紀主演でドラマ化する「私結婚できないんじゃなくて、しないんです」。このほど、本作に「SKE48」の松井珠理奈が出演することが明らかとなった。中谷さん演じる“39歳・超プライドが高い女子”と、藤木直人演じる“超毒舌恋愛スペシャリスト”が織り成すスタイリッシュなスパルタラブコメディの本ドラマ。「自分はいつでもしようと思えば結婚できる!」とタカをくくり、充実したシングルライフを満喫してい た“上から目線”のアラフォーヒロイン・橘みやび(中谷さん)は、女友達と訪れた割烹料理店で超毒舌な店主・十倉(藤木直人)から、自分が男性から敬遠される“美人・キャリア(女医という高収入な職業)・アラフォー”という三重苦を背負った“恋愛弱者”に陥っている現実を突きつけられてしまう。十倉が突きつける受け入れがたい現実に最初は憤るみやびだが、高校時代に片思いしていた同級生(徳井義実)への気持ちが再燃し始めたことをきっかけに、十倉の毒舌助言に耳を傾けて自身の“恋愛成就”に奮闘していく!果たしてみやびは“恋愛弱者”という窮地を乗り越え、恋愛成就することができるのか!?主演の中谷さんをはじめ、すでにキャストには藤木さん、瀬戸康史、大政絢、平岩紙、蘭寿とむ、松井愛莉、徳井さん(チュートリアル)、夏木マリら個性豊かな俳優陣の出演が発表されていたが、このほど「SKE48」の中心メンバーであり、CM、TVドラマ、映画と活躍の場を広げている松井さんがレギュラー出演することが明らかとなった。松井さんが演じるのは、中谷さん演じる主人公・橘みやびの回想シーンに登場する高校時代の橘みやび役。女子高生のみやびは容姿端麗な上、頭脳明晰で同級生の間では高嶺の花的な存在だったが、バスケット部に在籍する同級生・桜井洋介に密かに恋焦がれ、学校で彼の姿を目で追っては胸をときめかせているような、恋愛にはちょっと奥手な女の子。そんなみやびは高校時代のある日、ついに意を決して桜井に告白を試みたのだが…。今回の出演に際して松井さんは、「私はもう高校を卒業しているので、懐かしい気持ちで高校生役を演じました。自分が高校生だったときにできなかったことを、撮影の中で体験できるのが楽しいです」とコメント。さらに、中谷さんの高校時代を演じることに関しては「中谷さんは本当にお美しい方なので、プレッシャーというか、申し訳ない気持ちがあります。中谷さんが出ているシーンの映像を参考にさせていただいて、どうやったら似せられるか考えました。運よく髪型は中谷さんとすごく似ているので…(笑)、『大丈夫』と自分に言い聞かせて演じています」と遠慮がちに語った。また、30代の女性の恋愛を描いた本作については「18歳の私が見ても恋愛の勉強になるなと思いました。男性の気持ちがわかるので、女子は必見です!」と語り、ドラマの魅力をアピール。さらに、「39歳で結婚していると思いますか?」という質問については「していたらいいなと思うんですけど、できる限りこのお仕事を続けたい気持ちもあります。なので、39歳でもやり残したことがあったり、夢があれば、結婚していないかもしれないですね」と、仕事への意欲溢れるコメントをしている。“徹底した男目線”による、女性のための恋愛論をエッセンスにした本ドラマ。アラフォー&高校生のヒロインが、大きな注目を集めそうだ。(text:cinemacafe.net)
2016年03月03日20代後半、年収250万ちょっと、恋人なしのおひとりさま女性・沼越さんが、“運命の物件”を求めてモデルルームを巡り歩く日々を描いた漫画『プリンセスメゾン』。『モチイエ女子web』との連動企画として『やわらかスピリッツ』に連載され、女性読者を中心にあたたかい共感とささやかな勇気を与えている本作の作者・池辺葵さんに、女性の人生と住みかの関係について前後編でお話を伺いました。沼ちゃんは偏見や思い込みを打ち破る私にとってのスーパーヒーロー『プリンセスメゾン(1)』(池辺葵/小学館 ビッグコミックス)――そもそも、理想のマンション購入を目指すおひとりさま女性を漫画の題材にしようと思ったきっかけや経緯を教えてください。池辺葵さん(以下、池辺)もともと『モチイエ女子web』さんから、単身女性が家を買うことをテーマに漫画を連載したいという話があって、担当のKさんが私に企画を持ち込んでくれたんです。担当編集Kさん(以下、担当K)池辺さんはこれまで『繕い裁つ人』や『サウダーデ』などの作品で、衣食住の“衣”と“食”は描いてこられたので、「次は“住”はどうですか?」と。池辺私自身は、これまで家を買おうなんて考えたことがなかったんですけど、『サウダーデ』を描いたときに、家がないということや、帰るところがないということを、もう少し深く描きたいなと思って。『プリンセスメゾン』では、“ふるさと”や“居場所”をテーマにしていると自分では思っています。――沼越さんは、居酒屋に勤務しながら古いアパートの1階に住み、こだわりを持って地道な貯金とモデルルーム巡りを繰り返しています。恋愛や結婚とは関係なく、自分のためだけに家を買いたい、と主体的に行動する女性を描いているのが新鮮でした。池辺沼ちゃん(沼越さん)は、私にとって憧れのスーパーヒーローなんですよ。はたから見たら「沼ちゃんってかわいそうじゃない?」と思われてしまうような恵まれない状況でも、凛としていて、すごくいきいきと美しく生きている。独身で家を買う女性に対する、世間の偏見や思い込みをとっぱらってくれる存在なんです。――2巻には「まずは自分の人生をちゃんと自分で面倒みて、誰かと生きるのはそのあとです」というセリフがあって、とてもかっこよかったです。池辺沼ちゃんは、それはそれで極端だとは思いますけどね。もちろん、人は恋愛を通して成長したり、自己を確立したりすることもできるけど、そうじゃない人も魅力的に描きたいなと思っていて。共感を頼りにしか描けないからいろんな人の孤独に寄り添いたい『プリンセスメゾン(2)』(池辺葵/小学館 ビッグコミックス)――作品では沼ちゃん以外にも、さまざまな家で、さまざまな生き方をしている女性が描かれていますが、職業や地位やキャリアにかかわらず、人知れずみんなどこかに孤独を抱えている気がしました。池辺恥ずかしいことですけど、私はゼロから物語を作るのが苦手で。共感だけを頼りに描いているというか、自分が日々感じている感情をもとに膨らませないと、話に入り込めないんです。――でも、読んでいて決して寂しい気持ちにはならず、むしろ励まされて温かい気持ちになります。2巻に出てくる、旅をするOLの豊田さんが印象的でした。池辺実は、温泉で倒れたのは実話なんです(笑)。北海道へ一人旅に出かけたとき、札幌から帯広まで電車で3〜4時間かけて移動するのが大変で、疲れてたんでしょうね。温泉に入ったら気を失って浮いてたみたいで……。私、このまま死んでたかもしれないと思ったらなんかおかしくなっちゃって、これ絶対漫画に描こうと思いました。――最後、オフィスの屋上でタバコをふかしながら「さて、どこで生きようか」と見栄を切るのもいいですよね。池辺意地っ張りというか、虚勢を張っている女の人を描くのが好きなのかな。見栄を張るのって別に悪いことじゃないと思っていて。全然かっこよくないけどかっこつけてる、それが本当にかっこよく見えたらいいなと思って描いてます。担当K池辺さんの描く女の人は、ダウナーだけど読んでいて心地いいんです。テンションの高い超元気な人が出てきたら、「ああ、こっちも頑張らなきゃ……」みたいに思わされてつらいじゃないですか(笑)。池辺でも、ちょっと偏っているかなと思うときもあります。家を買う単身女性を応援するwebサイトなのに、持ち家やマンションの魅力をあんまり描けていないんじゃないかと心配で。『モチイエ女子web』さんがよく我慢してくれてるなって(笑)。――マンション購入をことさらよいものとしてゴリ押ししたりせず、ひとつの価値観を押しつけるようなところがないのがこの漫画のよさだと思いますよ。池辺ただ、買うか買わないかはともかく、「こんな暮らしが私にもあったら」と素敵に思えるように描いてほしい、とは担当さんからお願いされています。それに、登場人物たちがどんな境遇であっても、最終的には自分のことを肯定して前向きに生きているように見えたらいいな、と思って描いてますね。描きたい景色が先に浮かんでから物語が下りてくるのを待ちます――池辺さんは、描きたいシーンから話を考えたり、先にセリフが浮かんだり、というのが作品によって違うそうですが、本作ではどうですか?池辺『プリンセスメゾン』はシーンが先に浮かびます。たとえば、すごくきれいな景色を見たときに、「これを眺める女の人が描きたいな」と思ったり、あるいは「こういうところがふるさとだったらいいな」「でも、自分にはあそこに帰りたいと思えるような場所がないな」と思ったり。そういうところから発想していきますね。――描きたいと思った景色や感情は、普段から意識して覚えておくようにしているんですか?池辺以前はそういうのをスマホにメモしてたんですけど、あるできごとに感情を揺さぶられたら、そのとき感じたことはそのとき描かないとものにならないということがわかって。今は、ぎりぎりまで発想や衝動が下りてくるのを待つ感じです。待っていれば絶対に下りてくると言い聞かせて、自分を信じるようにしています。――毎回、見開きの絵がとてもきれいで素晴らしくて、息を呑みます。この景色を見開きで見せたいな、と考えて話を作ることは?池辺話の流れの中でこれが見開きにきたらいいな、と自然発生的に生まれるものなので、見開きで描きたいシーンから話を作ったことはないです。見開きの絵ってすごくインパクトがあるし、読む人に訴えかけるパワーがあるぶん、その力に頼ってしまっている気がして、最近は控えるようにしてるんです。――そうなんですか?毎回、どんな流れでどんな光景が見開きでバンとあらわれるのか、楽しみにしていました。池辺それまでデジタルデータで描いていたのを、2巻の途中からアナログ原稿に戻したんですよ。デジタルをうまく使いこなせなくて。そしたら、見開きはを描くのがすごくしんどくて、頭に浮かんでいるイメージをちゃんと表現できる画力が、自分にはまだないと思い知らされました。だから、見開きはもっと考えて使わないとなって。担当Kでも、アナログに戻してから書き込みが細かくなって、原稿がすごくよくなってると思います。コマの外に絵や書き文字をはみ出させたり、小さな遊びを入れてくださることも増えてきていて。タッチも変わっていると思うので、そこも味わいながら読んでほしいですね。後編「家探しとは自分の人生を見つめ直す作業である」につづく(プロフィール)池辺葵2009年、『落陽』でデビュー。洋裁店で働く女性が主人公の『繕い裁つ人』(講談社)は、2015年1月に中谷美紀主演で実写映画化もされた。他の作品に、喫茶店を舞台とした群像劇『サウダーデ』(講談社)、老婆の夢と現実を描いた『どぶがわ』(秋田書店)などがある。現在、『やわらかスピリッツ』(小学館)×『モチイエ女子web』にて、『プリンセスメゾン』を連載中。2月12日に最新刊第2巻が発売された。
2016年02月23日いま、“ドS男子”が大人気だ。かつては少女コミックの中にしか存在しなかった“ドS男子”が、山崎賢人や「Sexy Zone」中島健人といった最旬の若手から、ブレイク中のディーン・フジオカ(DEAN FUJIOKA)や藤木直人といった大人のイケメンたちによって、続々と実写の世界に登場している。それぞれタイプは微妙に違えど、その美しい顔立ちから放たれる「せいぜい可愛がってやるよ」「俺に絶対服従しろ」などの“毒”舌には、その言葉以上の魔力でも宿っているのだろうか?今年、あなたを虜にするに違いない最新映画・ドラマの“ドS男子”たちに迫った。まず、『ヒロイン失格』『orange-オレンジ-』『四月は君の嘘』と人気コミックの実写化作品が続く山崎さんが、自身初めての金髪姿となって演じるのは、累計発行部数450万部突破の八田鮎子原作の『オオカミ少女と黒王子』(5月28日公開)。「イケメンの彼氏がいる」とつい嘘をついてしまった“オオカミ少女”・エリカ(二階堂ふみ)が超ドSの“黒王子”・恭也に彼氏のフリをしてもらう代わりに、絶対服従の身となって振り回されるという本作。撮影現場のレポートや、先日解禁された特報映像からも分かるように、そこには誰もが初めて目にする山崎さんのドS度たっぷりの姿が!最初は理想の王子様のような優しさを見せたかと思えば、「お前は犬で、おれはご主人様」「3回まわってお手からワン! だな」と豹変するなど、まさに“黒王子”といえるカリスマ性を放ちながら堂に入ったドSぶりを発揮している。そんな彼にいいように翻弄される、ごく普通(というかドM?)の女子高生を初めて演じている二階堂さんにも注目だ。また、物腰やわらかいNHK朝ドラの“五代さま”とは打って変わって、コミック誌「YOU」連載中の中原アヤの原作を深田恭子主演でドラマ化した「ダメな私に恋してください」(TBS)では、料理上手で喫茶店を営むメガネ男子というドS男を演じているディーンさん。「こんなかわいすぎる30代はズルイ」と同性からの注目も集めている深田さんが、肉大好きの貢ぎグセあり、貯金なしのダメ女・柴田ミチコを演じる一方、そんな彼女を“保護”し、住むところやバイトまで世話を焼いているのが、ディーンさん演じる元上司の黒沢歩だ。ミチコが何かやらかしたり、失言をするたび「はぁ!?」とツッコみ、食卓で肉を奪われればマジギレ。なぜかドS男子は、相手の女子を“犬”などのペットのごとく考えている点も興味深く、ミチコが落ち込んでいると手料理を振る舞ってくれるツンデレぶりがなんとも羨ましいところ。ミチコは三浦翔平演じる最上との恋が進展するが、黒沢との仲も気にならずにいられない展開となっている。同じくTBSドラマからは、「夢をかなえるゾウ」の作家・水野敬也が手掛けた「スパルタ婚活塾」を原案にした金曜ドラマ「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」が4月よりスタート。藤木さんが超毒舌でドSな自称“恋愛アドバイザー”に扮し、中谷美紀演じる“39歳・超プライドが高い独身女子”に婚活アドバイスを送る。「自分はいつでもしようと思えば結婚できる!」(=いまは、あえてしないだけ)と高をくくり、充実したシングルライフを満喫する橘みやび(中谷さん)が、自身が“美人・キャリア・アラフォー”という三重苦を背負った“恋愛弱者”であるという現実を突きつけられるところから、物語は始まる。その鋭すぎる指摘をした超毒舌男こそ、藤木さんが演じる“恋愛スペシャリスト”十倉誠司。不承不承ながら彼の助言に耳を傾けるみやびに、愛嬌たっぷりの“フェアリー男子”橋本諒太郎(瀬戸康史)や高校時代の片想いの相手・桜井洋介(徳井義実)らがどう絡んでいくのか、見逃せない。さらに、年末のスペシャルドラマに続き、2月27日(土)に公開が迫った『黒崎くんの言いなりになんてならない』で、中島さんが演じるのは“悪魔級”ドS男子・黒崎晴人。「別冊フレンド」にて連載中のマキノ原作の漫画に登場する、映像化困難と言われたエロキュンなドキドキシーンが満載らしい、ということでも話題沸騰中だ。「オレ…ドSでした」とクランクアップ時に衝撃告白していた中島さんは、中身は真逆の愛されキャラかと思いきや、顎クイどころかもはや“顎グイッ”&“壁ドン!”&“床ドン!”もかなり様になっており、強引なドS演技にすっかり開眼した様子。そんな中島さんが「黒悪魔」と皆に恐れられる悪魔級ドS男子である一方、疲れた心を温かく癒す“ヌクメン”の異名を取る千葉雄大が地で(?)演じるのは、学園のスター“白王子”こと白河タクミ。「俺に絶対服従しろ」という“黒悪魔”と「ホントの恋愛教えてあげる」という“白王子”の間で揺れる赤羽由宇(小松菜奈)のドキドキをスクリーンで体感できる。優しいだけでは物足りない、冷たくされると燃え上がる、振り回すより振り回されたい…そんな、心に秘めた女子のわがままな願いを叶えてくれるのが、ドS男子なのかもしれない。(text:cinemacafe.net)
2016年02月17日4月期の金曜ドラマ枠で放送予定の中谷美紀主演ドラマ「私結婚できないんじゃなくて、しないんです」。この度新たに、元宝塚トップスターの蘭寿とむがキャリアウーマン・山本望海役として地上波の連続ドラマに初レギュラー出演することが明らかとなった。“39歳、超プライド高い女子”・橘みやびと“超ドSな毒舌恋愛スペシャリスト”十倉が織り成すスタイリッシュなスパルタラブコメディ。青山の美容皮フ科クリニックを営む開業医のみやびは「自分はしようと思えばいつでも結婚できる!」とたかをくくり、充実したシングルライフを満喫していた。ある日“女子会”で訪れた割烹料理店で出会う超毒舌店主の十倉から自分が男性から敬遠される“美人・キャリア・アラフォー”という三重苦を背負った“恋愛弱者”に陥っていると現実を突きつけられる。そのことに最初は憤っていたみやびだったが、高校時代に片想いしていた同級生・桜井への気持ちが再燃し始めたことをきっかけに十倉の助言に耳を傾け始める――。本作は、「夢をかなえるゾウ」や「LOVE理論」などで知られる作家・水野敬也が手がける恋愛マニュアル本「スパルタ婚活塾」を原案に、“徹底した男目線”による、女性のための恋愛論をエッセンスにしたオリジナル作品。結婚なんてしようと思えばいつでも出来ると思っている主人公・橘みやびを中谷さん、超毒舌の割烹料理屋の店主・十倉を藤木直人が好演する。そのほかみやびが経営するクリニックに出入りするデリバリースタッフ橋本諒太郎役に瀬戸康史、クリニックの看護師・野村梨花役に大政絢、みやびの同級生で片思いの相手・桜井洋介役に徳井義実(チュートリアル)、母親役に夏木マリと個性豊かな俳優陣が集結している。そして新たに出演が決定したのは、元宝塚花組トップスターで現在女優や歌手として活躍する蘭寿さん。今回は、みやびが月一で集まる“グルメ女子会”で会う女友達のひとりでファイナンシャルプランナーとして起業し、バリバリ働くキャリアウーマンの望海役に抜擢。みやび同様、優れた容姿と経済力を持つ自立したアラフォー女性で、年下の彼氏がいるが特に結婚をいそいでいるわけではないという花の独身貴族のひとりという役どころだ。本作が地上波の連ドラ初レギュラーとなる蘭寿さんは「とても面白い脚本で、この作品に出演させていただけることを、嬉しく思っております」と喜びを語り、また「中谷さんはとても美しく透明感があって素敵な方です。休憩時間等もいろんなお話をさせていただき、嬉しいです。藤木さんは、穏やかにお話をしてくださるのですが、役に入るとそのスイッチの入り方が素晴らしくて感心するばかりです」と共演の2人についても印象を語った。スパルタ毒舌男というキャラクターを藤木さんがどう演じるのか、そして蘭寿さんをはじめとする個性豊かなキャスト陣がどのようにドラマを盛り上げていくのか楽しみに待ちたい。「私結婚できないんじゃなくて、しないんです」は4月期、毎週金曜日22時よりTBSにて放送予定。(cinemacafe.net)
2016年02月04日安田顕が37歳独身、小さな脇役ばかりを演じ、現場から現場へ渡り歩く日々を送る“最強の脇役俳優”を演じる映画『俳優 亀岡拓次』。彼は、映画の撮影現場を転々とする中で、馴染みのスナックやその現場周辺の居酒屋を渡り歩き、ひとり“お酒”を楽しむことに幸せを感じている。最近は、安田さんが演じた亀岡のような、“アラフォー独身”を描く作品が急増中。“おひとりさま”を満喫する、その極意に迫った。世相を反映するといわれるドラマ界では、香取慎吾主演で39歳独身の“こじらせ男子”を描く「家族ノカタチ」(TBS)が多くの共感を呼び、39歳独身、年収1,500万の開業女医を描く中谷美紀主演「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」(TBS/4月スタート)などの放送が控え、過去にも阿部寛主演の文字どおり「結婚できない男」(CX)や、草なぎ剛主演の「独身貴族」(CX)、観月ありさ主演の「おひとりさま」(TBS)など、多くのおひとりさま男女の姿が描かれてきた。本作の亀岡拓次も、そのお手本のような男性として描かれており、原作者の戌井昭人も「亀岡は、結婚しないんじゃないかな」と予言しているほど。恋人や妻がいなくとも、行きつけのスナックやふらっと立ち寄った居酒屋で、ほどよい量のお酒を呑み、友人やお店のお姉ちゃんと何気ない話をして、日々の幸せを満喫している亀岡の姿は印象的だ。また、メガホンを取った横浜聡子監督は、「亀岡はとりあえず、酒と女があれば幸せで、その都度、自分が面白いと思うことや惹かれることに、ただ忠実に向かっているだけ。いまのご時世って、マニュアルをやって達成したら、次のステップにいける自己啓発みたいな社会が基本じゃないですか。そういうところとは、別のところで生きている」と亀岡拓次の“生きざま”を語っており、「不器用かもしれませんが、本当の意味で自由で、愛すべき男なんだろうな、と。これから先もそうやって生きていくんでしょうね」とその“魅力”を明かしている。あくせくすることなく、シンプルな生き方を選んでいるからこそ、亀岡の生き方は、逆に現代の人々にとってより魅力的に映るのかもしれない。亀岡のモデルの一人といわれる、漫画家・東陽片岡のモットー“幸せのハードルを下げよう”は、もちろん本作にも反映されているそうで、「自分の好きなことに全身全霊を賭けていてブレない。それでいて、意固地になって自分のスタイルを守っているのとも違う。飄々とした感じが逆にカッコイイ」と語る戌井氏。原作者でありながら、亀岡の生きざまにすっかり魅了されている様子だ。そんな不思議な彼の魅力に注目してみると、いまを生きる“幸せの秘訣”が見えてくるかもしれない。『俳優 亀岡拓次』は1月30日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:俳優 亀岡拓次 2016年1月30日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2016『俳優 亀岡拓次』製作委員会
2016年01月27日中谷美紀の初舞台として注目された『猟銃』(2011年初演)が今春、東京・PARCO劇場にて再演される。井上靖の短篇恋愛小説を原作とした舞台は、ある男性の13年にわたる不倫愛を、妻、愛人、愛人の娘の、三人の女性がしたためた手紙によって語り継いでいくものだ。中谷は年齢も外見も違う三役をひとりで担い、見事な変貌を見せて時にしなやかに、時に激しく、彼女たちの心の叫びを伝えていった。確かな存在感を示した圧巻の演技は高い評価を得て、その年の紀伊國屋演劇賞個人賞、読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。映画監督であり、オペラやシルク・ドゥ・ソレイユの舞台なども手掛ける演出のフランソワ・ジラールも「これまで作ってきたすべての作品の中で、一番美しくパーフェクトな初日の夜でした」と初演での中谷を絶賛する。舞台『猟銃』チケット情報「初演では、あの時点でできる最大限のことを、これ以上何も残らない…というくらいに集中して演じました。ニュートラルな気持ちで、三人の女性をみつめる作業をしたと思います。衣装の着替えもすべて舞台上で行って…。再演にあたりもう一度あの作業をやると思うと、とても恐ろしい(笑)。心して臨まなければいけないなと思っています」(中谷)「映像は一度完成させたらその状態でキープされますが、演劇は戻ることができます。そこが演劇の美しいところですね。もう一度自らに問いかけ、違う角度、違うアイデアから作品を深く突き詰めていくことができる。井上靖さんはこの物語をとてもシンプルな構成で書いています。私はそれに添って派手な効果を施すことなく、テキストにあるエッセンスをお客様へ伝えていくだけです。それは素晴らしいパフォーマーがいて成り立つこと。また美紀さんとこの作品に挑めるのは、本当に喜ばしいことです」(ジラール)周囲を驚かせた初舞台の後、中谷は群像劇『ロスト・イン・ヨンカーズ』(13年)、二人芝居『メアリー・ステュアート』(15年)と話題作に出演し、舞台ならではの魅力と実力にいっそう磨きをかけていった。「ほかの俳優さんたちとご一緒させていただいたことで、あらためて『猟銃』を振り返ってみた時に、もっと言葉に厳密に取り組んでもよかったかな…という思いがありました。一つ一つの言葉をより大切に演じたい。言葉に含まれている背景を具体的に自分の中でイメージして、お客様に伝えられたらと思っています」(中谷)「美紀さんの中で4年間寝ていた三人の女性を起こしてみて、どう反応するかを見ていきたい。気づかぬところで人物たちが育っていて、前回見抜けなかった彼女たちの別の一面に気づけるかもしれません。美紀さんの新しいスキルも楽しみにしていますよ」(ジラール)男性の役を身体表現のみで演じるカナダ人のフィジカル・アクター、ロドリーグ・プロトーも初演に引き続いて合流。舞台女優・中谷美紀の出発点となった衝撃の舞台、そのさらなる完成形をぜひ見届けたい。東京公演は4月2日(土)から24日(日)まで。その後各地巡演。東京公演のチケット一般発売は1月23日(土)より。取材・文上野紀子
2016年01月22日女優の中谷美紀が、「夢をかなえるゾウ」の作家・水野敬也が手掛けた恋愛マニュアル本「スパルタ婚活塾」を原案にしたオリジナルドラマ「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」にて、5年ぶりのTBSドラマ出演&15年ぶりの主演を務めることが決定した。「自分はいつでもしようと思えば結婚できる!」と高をくくり、充実したシングルライフを満喫していた“上から目線”のアラフォーヒロイン・橘みやび。ある日、女友だちと訪れた割烹料理店で超毒舌な店主から自分が“美人・キャリア・アラフォー”という三重苦を背負った“恋愛弱者(モテない女)”に陥っているという現実を突きつけられた。最初は十倉の客とも思わぬ不遜な態度に激しい怒りを覚え店を後にしたみやびだが、現実に向き合ってみると、恋愛&婚活市場では自分が“恋愛弱者”に貶められていることを突きつけられ、不承不承ながら毒舌男・十倉の助言に耳を傾ける羽目になり…。“39歳・超プライドが高い独身女子”VS“超ドSな毒舌恋愛スペシャリスト”が織り成すスタイリッシュでリアルなスパルタラブコメディの本作。原案は、水野氏のブログ「ウケる日記」で連載され大反響を受け書籍化された「スパルタ婚活塾」。本書の中で展開された徹底した“男目線”による女性のための恋愛論をエッセンスに、大河ドラマ「花燃ゆ」『へルタースケルター』などの数々の作品を手掛けている金子ありさを脚本に迎え、オリジナル作品としてドラマ化する。主演を務めるのは、大河ドラマ「黒田官兵衛」やドラマ「ゴーストライター」での好演も記憶に新しい中谷さん。TBSドラマに出演するのは、日曜劇場「JIN-仁-完結編」以来5年ぶり、かつ主演としては15年ぶりだという。演じるのは、自他共に認める才色兼備な美容皮膚科医の橘みやび。ある日、高校の同窓会で自分と周囲との“存在価値のギャップ”に愕然…その後訪れた和風割烹「とくら」で超ドSな店主に、女性としての存在価値全てを一刀両断に打ち砕かれる役どころだ。中谷さんは本作の感想を「テンポの良さと痛快な台詞、私の人生そのものを言い当てているかのような物語に、瞬く間に引き込まれ、抱腹絶倒しました」とコメント。さらに「まさに私も『結婚できないんじゃなくて、しないんです』と思っていましたし、そう言い続けてきましたが、『スパルタ婚活塾』や台本を読むうちに、『本当は私も結婚しないんじゃなくて、できないのだろうか?』と不安になりました」と、役柄との共通点について正直な胸の内を明かした。中谷さん演じるみやびに自称“恋愛アドバイザー”として立ちはだかり、その精悍なルックスからは一見想像もつかないほどの超毒舌でみやびの言動にスパルタ恋愛術という名の鋭いメスを突き立てる強気な“俺様”・十倉誠司を演じるのは、映画・ドラマに多数出演し、近年は蜷川幸雄演出「海辺のカフカ」など舞台のでも活躍している藤木直人。中谷さんは藤木さんとの共演について「藤木さんの美しいお顔立ちから矢継ぎ早に放たれる毒舌恋愛論は、『プレ更年期のうぬぼれ女ドクター』などと、いちいち腹立たしいのですが、世の女性たちははっきりと物を申す、十倉のような男性を待っていたのかもしれません。藤木さんに罵倒されることがだんだん心地よくなってきました」と告白した。そのほか、オーガニックカフェのデリバリースタッフで、その愛らしいルックスと愛嬌の良さから“フェアリー男子”と称される橋本諒太郎役に、『合葬』で柳楽優弥とW主演を務めた若手俳優の瀬戸康史。みやびのクリニックの看護師のひとりで、まだ20代半ばながらすでに精力的に婚活を展開する野村梨花役に、モデル・女優とマルチに活躍する大政絢。みやびが高校時代に片思いをしていた同級生で、久しぶりの再会を機に再びみやびから恋愛対象として想いを抱かれる商社マン・桜井洋介役に、近年は俳優としても名が通ってきた「チュートリアル」の徳井義実。そして、才色兼備の一人娘・みやびをこよなく愛する着物美人な母・昭子役に、夏木マリと、多種多様で豪華な顔ぶれが集結した。いまや39歳以上の男女5人に1人が未婚という時代。そんな現代でも、力強く幸せを掴もうと奮闘するヒロインに、きっと貴方も元気をもらえること間違いなし。「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」は2016年4月期、毎週金曜日22時より放送。(text:cinemacafe.net)
2015年12月11日激動の20世紀初頭、フランスを拠点に活動した日本人画家・藤田嗣治の人生を描き出す『FOUJITA』の初日舞台あいさつが11月14日に、都内で行われ、主演を務めるオダギリジョー、妻役で共演する中谷美紀、10年ぶりに長編映画のメガホンをとった小栗康平監督が登壇した。『FOUJITA』舞台あいさつ/その他の写真オダギリ演じる藤田嗣治は“エコール・ド・パリの寵児”と高い評価を獲得しながら、帰国後は戦争協力画を描くことになった、葛藤に満ちた天才画家。「小栗監督は表情を作ったり、セリフに感情をこめたりする演技を嫌っていた」と振り返るオダギリは、「そのおかげで自分の演技もどんどん研ぎ澄まされ、セリフの重みも増した。とても新鮮な体験で、演技の新しい意味を見つけた気がする」と強い手応えを示した。その上で「自分が演じる姿が、今までのどの作品より美しく見えた」と断言し、「今までは『東京タワー』のオダギリジョーと言われていましたが、これからは『FOUJITA』を代表作にしてもらえれば。自画自賛ではないですよ」と誇らしげ。劇中にも登場する等身大マネキンとのツーショットには照れ笑いだった。そんなオダギリに対し、共演した中谷は「オダギリさん、とても素敵でしたよ。自画自賛なさるのも無理はない。私もつい見とれてしまった」と茶目っ気たっぷりに称賛。自身が演じるのは、藤田の5番目の妻という役どころで「他の奥さんに嫉妬しながら演じていました」と役作りを明かすと、オダギリは「ずっと素敵な女優さんだと思っていたので、共演できてうれしかった」と喜んでいた。同日(現地時間13日)、パリでは痛ましい同時多発テロが発生し、小栗監督も「とても不幸なことがありました」と沈痛な面持ち。映画は約100年前のパリを描くが「今に結びつく問題が、この映画にはあるんだろうと思う」と静かな口調で語った。『FOUJITA』公開中取材・文・写真:内田 涼
2015年11月14日映画『FOUJITA』が11月14日(土)に公開を迎え、主演のオダギリジョー、中谷美紀、小栗康平監督が舞台挨拶に登壇した。1920年代のパリ、1940年代の日本とそれぞれの年代と場所で、時に時代の寵児となり、時に戦争協力者とののしられるなど、波乱の人生を歩んだ不世出の画家・藤田嗣治の姿を描き出す。撮影は1年前にパリでも行われたが、ちょうど現地時間の13日夜、パリでは多数の死者を出した凄惨なテロ事件が起きたばかり。小栗監督は「パリでとても不幸なことが起きました。この映画は1920年代のパリと、1940年代の日本を藤田の目を通して描いてます。(映画の中のパりの時代から)100年近くが経っていますが、ヨーロッパ社会とはどういうものなのか?それと比べてのアジア社会とは?映画で描いた世界が遠い昔のことではなく、いまと結びつく世界であるとしみじみと感じております」と静かに語った。オダギリさんは「完成した映画を見て、いままでの自分のどの演じている姿よりも美しく見えて、監督の指導の下で、良さを引き出していただきました」と語る。これまで、何かと発言が一部を切り取られ、ニュースなどで取り上げられることが多いオダギリさんとあって、自分を指しての「美しい」という言葉や「“良さ”を引き出してもらった」という発言について、その真意を注釈!「監督の指導で、一番衝撃を受けたのが『感情をセリフに入れるな』という言葉です。セリフには既に感情が書かれているから役者の演技でさらに感情を入れて、意味を役者が限定させてしまうことを嫌っての言葉なんです。その思いでやっていいて、研ぎ澄まされていくのを感じました。でも、それを別の現場でやると『もっと感情を』と言われてしまう(苦笑)。新鮮で、演技することの新しい意味を見た気がして、小栗監督に引き出されて、新しい自分を見ることができたという意味です」と語り「勘違いしないでくださいね(笑)。いい気になってるわけじゃないので!」と強調。中谷さんは「自画自賛してるわけじゃないですよ」と語るオダギリさんに「してましたよ(笑)」とツッコみつつ「自画自賛も、ごもっとも!私も見とれました!」とその演技を称賛。また、秋田で行われた撮影の合間にはオダギリさんと2人で藤田の絵画を見に行き「束の間のデートを楽しみました」と明かし、さらにその時、オダギリさんが「鳶(とび)」と漢字の入ったニッカボッカをはいていたことを暴露し、それがものすごく似合っていたと感嘆!オダギリさんは「中学の時、母親が『あなたに似合うと思う』と買ってきて(笑)、気に入って20年くらいはいてるんです」と照れくさそうに明かした。『FOUJITA』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:FOUJITA 2015年11月14日より角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開(C) 2015「FOUJITA」製作委員会/ユーロワイド
2015年11月14日女優の中谷美紀が26日、東京・六本木ヒルズで行われた第28回東京国際映画祭コンペティション部門出品作品『FOUJITA』(11月14日公開)の記者会見に、オダギリジョー、小栗康平監督、クローディー・オサールプロデューサーと共に出席した。本作は、フランスを中心に活躍した日本人画家・藤田嗣治藤田嗣治の半生を、『泥の河』『死の棘』『眠る男』の小栗康平監督が描いた作品。フジタの5人目の妻・君代を演じる中谷は「映画史上に忘れがたき功績を残された監督が久々に映画を撮られるということで、喜んで参加させていただきました」と小栗監督の10年ぶりの新作となる本作に出演する喜びを語った。そして、フジタを演じたオダギリを「まるでフジタそのもののような、生き写しのようなたたずまいで映画の主軸としていてくださった」と絶賛し、「私は5番目の妻で最後の妻。ただただ映画にいさせていただけるだけで幸せでした」と振り返った。中谷はフランスでの撮影はなかったものの、その撮影現場を訪れたそうで、「スタッフのみなさんが『小栗! 小栗!』と小栗教の信者のように監督を慕ってましたし、ジョーのフランス語がすばらしいと口々にほめてらっしゃって、同じ日本人として誇りに思いました」と報告。フランスにあるフジタのアトリエや彼が手掛けた教会の絵も見て、「日本にこれだけすばらしい画家がいたことを誇りに思いました」と続けた。また、役作りについて「君代さんの資料はそんなになかったので、小栗監督が書かれた脚本の行間を吸い取るように、あとは、稀代の天才であるフジタのそばにいて、自分は何も持っていないけど、せめてこの画家の美意識にそぐう人間でありたいと務めている姿…そう思いながらもフジタの自由さに踏み込めない壁のようなものを感じながら演じました」と明かした。
2015年10月26日オダギリジョーを主演に迎え、日本からフランスに渡った画家・藤田嗣治の姿を描いた『FOUJITA』が10月26日(月)開催中の「第28回東京国際映画祭」にてワールドプレミアとして上映され、オダギリさんに加え、共演の中谷美紀、小栗康平監督らが舞台挨拶に登壇した。1920年代、“エコール・ド・パリ”の寵児となり、パリで時代を彩る画家たちと共に狂乱の時代を生きたフジタ。1940年代の日本で戦争協力画を手掛け、疎開先の村で敗戦を迎えたフジタ。二つの時代を生きた天才画家の姿を描き出す。ワールド・プレミアを日本で迎え、オダギリさんは「初めて見ていただく機会ですが、大きなスクリーンのいい環境で見ていただくのに適した、美しい作品になっています」と胸を張る。藤田の妻を演じた中谷さんは昨年、映画祭のミューズを務め、その際にコンペティション部門に出品される作品に出演し、再び映画祭に戻ってくることを夢だと語っていたが、本作のコンペティション部門ノミネートで「早々にその夢が叶って嬉しいです」と満面の笑み。さらに「美しい絵画の連続のような映画ができました。オダギリさんも美しい佇まいで藤田そのものですし、流暢なフランス語を話されています。セクシーな一面をご覧いただけると思います」と語った。10年ぶりの新作となった小栗監督は「この企画がスタートして約3年になります。藤田は歴史的な人物ですが、映画の中でも彼が遺した優れた絵画を使用しています。いわゆる伝記映画ではなく。1920年代のエコール・ド・パリと呼ばれた時代のパリ、1940年代の日本という全く違う時代、文化をまたぐ藤田の姿を描いています」と語った。また、4日後の10月29日は小栗監督の70回目の誕生日ということで花束がオダギリさんと中谷さんから贈られた。中谷さんは小栗監督の頬にキスもプレゼント!コメントを求められたオダギリさんは「中谷さんが『チューしてあげてください』って言うんですけど、無理でしょ(苦笑)!オッサンがオッサンにチューって…」と困惑しつつ「おめでとうございます」と祝福。中谷さんは「70年という記念の年にこうしてお目にかかれたことを幸せに思っております」と語った。小栗監督は「戦後70年という意識はあるんですが、自分が70歳という意識が全然なくて…」と苦笑を浮かべるも「思わぬプレゼントをいただきました。ありがとうございます」と相好を崩していた。『FOUJITA』は11月14日(土)より角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:FOUJITA 2015年11月14日より角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開(C) 2015「FOUJITA」製作委員会/ユーロワイド
2015年10月26日俳優のオダギリジョーが26日、東京・六本木ヒルズで行われた第28回東京国際映画祭コンペティション部門出品作品『FOUJITA』(11月14日公開)の記者会見に、中谷美紀、小栗康平監督、クローディー・オサールプロデューサーと共に出席した。本作は、フランス・パリで活躍した日本人画家・藤田嗣治の半生を描いた作品。『泥の河』『死の棘』『眠る男』の小栗康平監督が10年ぶりにメガホンをとった。フジタを演じるオダギリは、小栗監督に声をかけてもらったことを「本当に光栄」と感激し、「フジタはあまり知らなかったですし、いまだにそんなに興味があるわけではないんですけど、小栗監督の作品に関わりたいなっていう気持ちだけで参加したのが正直なところ」と本音を暴露。小栗監督は小突きながらも「うれしいです」と喜んだ。そしてオダギリは「久しぶりにいい映画を見た」と完成した映画の感想をコメント。「今まで見た自分の映画の中のオダギリジョーという役者の幅をいくつもいくつも超えてそこに存在していて、監督のおかげでいい俳優になれたなみたいな…言い方難しいですけど」と監督に感謝し、「うれしく思っています」と続けた。また、フランス語は「セリフを丸覚えした」と言い、フランス語の先生による棒読みのCDを聞いて丸暗記した後、フランス人俳優に芝居してもらったものを録音して聞き、「感情を持ったフランス語に仕上げていった」と過程を説明。「文法も、下手したら単語の意味すらわかっていないところもあって、響きから身に入れていったという感じ」と明かした。さらに、前半と後半で大きなギャップがあるフジタの役作りについて「監督に丸投げしました」と明かすオダギリ。「自分の我を出して見せていくよりも、監督の手のひらの中に転がっていく方が、僕にとっても作品にとってもいいと思ったので、8割9割監督の言うことを素直に聞いていた」と語った。オダギリの発言について、小栗監督は「『丸暗記』『丸投げ』というのはマイナスではない」と補足。「俳優さんが何かを預けるということはとても勇気がいること。感覚的にゆだねることができる役者はとても少ない」と言い、「オダギリ君が自分の身体の全体から芝居をつかむ、最も難しいことをやっている一人の俳優」と評価した。
2015年10月26日第28回東京国際映画祭(TIFF)が22日、開幕した。東京・六本木ヒルズアリーナで行われたレッドカーペットには、上映作品の監督・出演者をはじめとする約440人のゲストが登場し、華やかな幕開けとなった。先陣を切ったのは、フェスティバルナビゲーターを務めるモデルの季葉とラジオDJ・翻訳家の野村雅夫。ステージに登壇し、ロボットのPepperと共に「第28回東京国際映画祭レッドカーペット、スタート!」と開幕を宣言した。その後、続々と豪華ゲストが登場し、『シーズンズ2万年の地球旅行』からは、日本版ナレーターを務める木村文乃、笑福亭鶴瓶、ジャック・クルーゾ監督が参加し、『劇場版 媚空ーびくうー』からは、秋元才加、須賀健太らが参加。『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』のPefumeが現れると、ひと際大きな歓声が沸き起こり、『劇場霊』で主演を務めたAKB48の島崎遥香にも、「ぱるる~!」という熱い声援が送られた。コンペティション部門に出品される日本映画3作品の監督・出演者も集結。『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』の竹内結子、橋本愛、中村義洋監督、『FOUJITA』のオダギリジョー、中谷美紀、小栗康平監督ら、『さようなら』の深田晃司監督、ブライアリー・ロング、新井浩文らが参加した。また、『の・ようなもの のようなもの』からは、松山ケンイチ、北川景子らが登場。北川は、背中がセクシーな黒いドレス姿を披露し、「景子ちゃん!」「北川さん!」と熱烈な声援を送るファンに近づき、気軽にサインをして喜ばせた。終盤では、クロージング作品の『起終点駅 ターミナル』から、佐藤浩市、本田翼、篠原哲雄監督が登場。本田はあでやかな着物姿を披露し、タキシード姿の佐藤浩市にエスコートされて歩いた。『映画 Go!プリンセスプリキュア Go!Go!!豪華3本立て!!!』からは、声優陣やキュアフローラ、キュアマーメイド、キュアトゥインクル、キュアスカーレットとともに、主題歌を歌うEvery Little Thingが登場。特集上映「ガンダムとその世界」からは、富野由悠季総監督をはじめ、古谷徹、池田秀一、潘めぐみ、主題歌を担当するGACKTらがそろった。海外からも多数のゲストが参加し、オスカー女優のヒラリー・スワンクとヘレン・ミレンが圧倒的な存在感を披露。『サヨナラの代わりに』に出演するヒラリー・スワンクは白いロングドレス、『黄金のアデーレ 名画の帰還』のヘレン・ミレンは華やかなピンクのドレスでカーペットを歩き、日本のファンの声援に笑顔を振りまいた。第28回東京国際映画祭は、10月22日~31日の10日間にわたって開催。従来の六本木を中心に、今年は新宿にもエリアを広げて展開する。上映本数は205本(昨年:200本)で、オープニング作品は『ザ・ウォーク』、クロージング作品は『起終点駅 ターミナル』。出演者による舞台あいさつなどイベントも連日行われる。撮影:蔦野裕
2015年10月23日10月22日(木)、六本木ヒルズアリーナにて第28回東京国際映画祭レッドカーペットイベントが開催。国内外からの豪華俳優陣の登場に、会場は黄色い声で埋め尽くされた。開幕冒頭から、特別招待作品『サヨナラの代わりに』の主演を務めるヒラリー・スワンクが登場。胸元のパープルの飾りが映える白いギャザードレス姿のヒラリーに、会場中から歓声がわいていた。さらに、来日女優としては『黄金のアデーレ名画の帰還』で主演を務めたヘレン・ミレンの登場に、会場からは大声で名前を呼ぶ声が飛び交う。花の刺繍が施され、胸元から肩を露出したベージュのドレス姿のヘレンは、落ち着いた美しさで会場を魅了していた。日本の女優陣は、色はシンプルながらも少し個性的なデザインのドレスが目を引いた。『の・ようなもののようなもの』の松山ケンイチやでんでんと一緒に登場した北川景子は、黒を基調としていながらもビビットのイエローのラインが入ったドレス姿を披露。松山さんと一緒に、多くの来場者にサインで応じていた。コンペティション出品の『残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-』からは、監督の中村義洋と共に竹内結子、橋本愛が登場。竹内さんは、肩に結び目のついた一枚布のようなシンプルなダークネイビーのドレス姿、橋本さんは大ぶりなギャザーが施されたブラックのドレスと、どちらも個性的な印象ながらもシックな雰囲気を放っていた。同じくコンペティション出品作品である『FOUJITA』の中谷美紀は、ショートハイネックのホワイトドレスに、シンプルなヘッドドレス姿で登場。「何しゃべればいいんでしたっけ?」ととぼけるオダギリジョーに会場からは笑いが起き、中谷さんは落ち着いた語りで作品の魅力を語り、フランス語が披露される一幕もあった。ほかにも『シーズンズ2万年の地球旅行』でナレーションを務めた木村文乃は、ホワイトのロングドレス、クロージングを飾る『起終点駅ターミナル』の本田翼はクリーム色の着物姿を披露し、どちらも落ち着いた魅力を放っていた。さらにイベントでは、初のドキュメンタリー『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』が出品された「Perfume」の3人や、『劇場霊』の島崎遥香、『0.5ミリ』の安藤サクラなどの女性陣が会場を沸かせていた。第28回東京国際映画祭は、10月31日(土)まで開催中。(text:cinemacafe.net)
2015年10月22日第28回東京国際映画祭(TIFF)が22日に開幕し、東京・六本木ヒルズアリーナで15時よりレッドカーペットがスタートした。はじめに、高性能ロボットのPepperが登場し、「東京国際映画祭のレッドカーペットへようこそ! 日本が世界に誇る高性能ロボットペッパーと申します」とあいさつ。フェスティバルナビゲーターを務めるモデルの季葉と、ラジオDJ・翻訳家の野村雅夫を迎え入れ、3人で協力して「第28回東京国際映画祭レッドカーペット、スタート!」と開幕を宣言した。第28回東京国際映画祭は、10月22日~31日の10日間にわたって開催。従来の六本木を中心に、今年は新宿にもエリアを広げて展開する。上映本数は205本(昨年:200本)、オープニング作品は『ザ・ウォーク』、クロージング作品は『起終点駅 ターミナル』。出演者による舞台あいさつのほか、今年で2回目の開催となる「歌舞伎座スペシャルナイト」や、日本を代表するシェフたちによる特別メニューが味わえる食の祭典「東京映画食堂」、映画を愛するミュージシャンが集結する音楽イベント「CINEMA MUSIC JAM」など、連日イベントも行われる。レッドカーペットには、上映作品の監督・出演者が続々と登場。映画祭の顔となるコンペティション部門に出品される『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』の竹内結子、橋本愛、『FOUJITA』のオダギリジョー、中谷美紀、『さようなら』の深田晃司監督、ブライアリー・ロング、また、『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』のPerfume、『劇場霊』の島崎遥香、『起終点駅 ターミナル』の佐藤浩市、本田翼らが登場する。
2015年10月22日25周年を記念し11月21日(土)、28日(土)に初めて2週連続放送することが決定した「世にも奇妙な物語」。21日には視聴者からの人気投票で上位にランクインした作品を新たな出演者により復活させる「傑作復活編」、28日には日本を代表する映画監督&キャストで贈る「映画監督編」が放送されるが、この度、「映画監督編」のスタッフ&キャストが決定。山崎貴、本広克行、中田秀夫ら日本を代表する監督と共に妻夫木聡、竹内結子、阿部サダヲら豪華俳優陣が集結した。人間が持つ恐ろしさ、醜さなどがにじみ出る奇妙なドラマを描いてきた同番組。「傑作復活編」に選ばれた作品は、「イマキヨさん」(主演・松本潤)、「昨日公園」(主演・堂本光一)、「ズンドコベロンチョ」(主演・草刈正雄)、「思い出を売る男」(主演・小堺一機)、「ハイ・ヌーン」(主演・玉置浩二)。この作品の主演は誰になるのかは、追って発表されるとのこと。25周年を飾るにふさわしい豪華キャストが「傑作復活編」にこぞって出演するようだ。そして今回「映画監督編」では、『永遠の0』『寄生獣』の山崎貴監督が3度目のタッグとなる阿部サダヲを、『踊る大捜査線』の本広克行監督が妻夫木聡を、『アンフェア』の佐藤嗣麻子が竹内結子を、『リング』の中田秀夫監督が4回目のタッグとなる中谷美紀をそれぞれ主演に迎えて「世にも奇妙な物語」の25周年を盛り上げる。本広監督は「『奇妙』の前身『奇妙なできごと』(1989年~1990年深夜枠で放送)ではADもやっていました。『奇妙』のコンセプトは身に染みています。正統派をがっつり見せていきます」と意気込みを語った。タッグを組む妻夫木さんは「『世にも奇妙な物語』は僕にとってどこか登竜門のような存在だと考えていました。それは脚本家さんや監督さんにとっても、もしかしたらそういう存在なのかもしれません。いつか出てみたいとずっと心の奥底にしまっているような存在で、『美女缶』で初めて出演できたときは不思議な感じでした。人間の想像力は果てしない。その中にはかなさを感じさせてくれる。そこが僕にとっての『世にも奇妙な物語』の魅力です」と語った。本作の演出は約15年ぶり2作品目となる佐藤監督は、初タッグとなる竹内さんについて「ほぼ竹内さんの演技にかかっている作品です。竹内さんのすばらしい演技力を持ってすれば必ず成功します」と期待を寄せた。そんな竹内さんも「初めてお会いしたりお世話になる方に対しては、なるべく考え込まず必要以外の準備をせず、監督を信頼するという気持ちだけ携えて撮影に臨みたいです。出演するキャストが非常に少ない作品ですので、佐藤監督を独り占めする勢いで指示を仰ぎたいと思います」と真摯な姿勢をみせた。そして今回初めて本作の演出を手掛ける山崎監督、中田監督。山崎監督は開口一番「ずっと『奇妙』をやりたかったんです」と興奮気味に語ると「僕は今回“This is『奇妙』”ということをやってみたかったので、そういう視点で作品も選びこれぞ『奇妙』というものができたと思います。ある種クラシカル、昔ながらの『奇妙』の味わいを出せたと思います」と自信を見せた。タッグを組む阿部さんはこれまで声の出演のみで参加していたが「人づてに『顔を出して!』と(阿部さんが)言っていると聞いていたのでまずは念願がかなって良かった」と笑顔で語る山崎監督。やっと顔出しができた阿部さんも「いままで山崎監督の作品は声の出演しかなかったので実写で出られたのがすごくうれしかったです。僕の作品は『世にも奇妙な物語』らしい!!『世にも奇妙な物語』と言ったらこういうの!っていう作品だと思います」と喜びを語った。また中谷さんと、4作目のタッグを組む中田監督は「またご一緒できてワクワク楽しみにしております」と話すと、主演の中谷さんも「まさに中田監督が最も得意とする心理的な恐怖表現と言いますか、日常に潜む恐怖を扱った作品というのが監督らしいと思います。かつ今回は親子の愛情のようなものを扱っている悲しい物語でもあります。十何年もお会いしてなかったのですが、その間に監督はいろいろな道を歩んでこられたと思いますので、私も成長できているかは分かりませんが、お互いお会いしていなかった間の人生が反映されたらいいかなと思います」。「映画監督編」では、ほかにも『呪怨』を手掛けた清水崇監督が参加。現在キャスト、ストーリー共に調整中とのこと。今後の続報に期待したい。「世にも奇妙な物語」は11月21日(土)、28日(土)にフジテレビにて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年10月21日ヴェネチア、ベルリンなどの映画祭や米アカデミー賞などを数々受賞し、名だたる巨匠たちに愛されるフランスの大女優ジュリエット・ビノシュが主演、クリステン・スチュワート&クロエ・グレース・モレッツという若き実力派女優が競演という、華やかなキャストが話題の映画『アクトレス ~女たちの舞台~』。このほど、中谷美紀、風吹ジュン、余貴美子ら“同業”の女優たちを始め、各界の女性たちから絶賛の声が続々と届いていることが分かった。一世を風靡した大女優マリアを演じた主演のジュリエットに、彼女の敏腕マネージャー役として裏方に徹し、米国人として初めてフランスのセザール賞「助演女優賞」を受賞したクリステン・スチュワート、そして清純派のイメージを覆し、本人とはまるで違う(!?)スキャンダルまみれのお騒がせ若手女優を演じたクロエ・グレース・モレッツ。本作のキャッチコピー「永遠に輝くこと、それが彼女たちの使命」の通り、3人の人気女優たちの素晴らしい演技合戦が注目を浴び、第67回カンヌ国際映画祭でも称賛を受けた本作。絶景のスイスの景勝地シルス・マリアを舞台にした女優たちの生きざまには、世代を超えた各界の女性から絶賛のコメントが届いている。<以下、コメント>■中谷美紀(女優)古い器のように年輪を重ねてこそ味わい深くなる円熟した女優も、圧倒的な若さと無邪気さには敵わない。役を見出す産みの苦しみ、そして老いと向き合い、受け入れていくこと。ジュリエット・ビノシュが、彼女の人生そのものを演じているかのようなこの作品に、心動かされました。■風吹ジュン(女優)切れても消えても見事なクリステン…強かで瑞々しいクロエ…それでもビノシュは魅力的!■高橋ひとみ(女優)大女優になってしまったマリアの心の葛藤が突き刺さりました。それぞれ違う立場の女性達の見えない駆け引きが魅力的で怖いくらい。最後の言葉の意味は?受け入れるのか諦めるのか この舞台とはいったい…。■鈴木杏(女優)女優さんの人生って、やっぱり特殊で面白いなぁ!と他人事のように堪能してしまった。この素晴らしい三人を、もっともっと、ずっとずっと見ていたい!■荻野目慶子(女優)このスリリングな演技の“火花”の炸裂は見逃せない!息を呑むほど美しいスイスの絶景の絵、女優魂が眩しくて、新鮮なクリステンにはノック・アウト!■余貴美子(女優)3人の女たちの演技合戦は、物語なのか、現実なのか。ドキュメンタリーのようで、とてもクール!■玉城ティナ(モデル)自覚した美しさほど人を魅了できるものはありません。二人の若さへの隠された争いに虜になってしまいました。かつてない豪華競演の話題作を、ぜひともチェックしてみて。『アクトレス ~女たちの舞台~』は10月24日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アクトレス~女たちの舞台~ 2015年10月24日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開(C) 2014 CG CINEMA - PALLAS FILM - CAB PRODUCTIONS - VORTEX SUTRA - ARTE France Cinema – ZDF/ARTE - ORANGE STUDIO - RTS RADIO TELEVISION SUISSE – SRG SSR
2015年10月06日10月22日(木)~10月31日(土)に開催される第28回東京国際映画祭「コンペティション部門」にて、『FOUJITA』『さようなら』『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』の3作品が選出されたことがこのほど決定した。今年は新たに「パノラマ」「Japan Now」「日本映画クラシックス」の3部門が新設される第28回東京国際映画祭。映画祭の顔とも言える「コンペティション部門」に日本映画が3作品も選出されたのは、2004年の第17回開催以来11年ぶりとなる。プログラミング・ディレクターの矢田部吉彦氏は、選定理由について「巨匠、ヒットメーカー、若手のホープ。3名の異なるタイプの監督をお迎えすることで、日本映画の実力と多様性を世界に発信したいと思いました。充実していると感じており、世界にひけを取りません。この勢いが今年の映画祭で反映される形となりました」とコメントし、それぞれの作品への賛辞を送っている。このほど選出が決定した作品のうち1作品目は、日本人画家・藤田嗣治の半生を『泥の河』『死の棘』『眠る男』の小栗康平監督が日仏合作で描く『FOUJITA』。主演の藤田嗣治役をオダギリジョーが務め、妻の君代役には中谷美紀が配役。今回の選出は、昨年フェスティバル・ミューズを務めた中谷さんが語った「いつか女優としてコンペティション部門で映画祭に戻って来たい」という願いが一年で叶ったかたちとなる。2作品目には、「ももいろクローバーZ」が主演し話題を呼んだ『幕が上がる』の原作者として知られる平田オリザのアンドロイド演劇を映画化した『さようなら』が選出。二階堂ふみ主演の『ほとりの朔子』で2013年にも東京国際映画祭コンペティション部門出品された深田晃司監督の最新作である本作に、矢田部氏は「いままで見たことのない日本映画を完成させ、次代のトップランナーに躍り出ると確信しています」と絶賛を寄せている。さらに3品目として、竹内結子と橋本愛が共演を果たす『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』が選出。本作と阿部サダヲ、瑛太妻夫木聡が共演を果たす『殿、利息でござる!』の公開が来年既に決定している中村義洋が監督を務め、小野不由美の映画化挑む。矢田部氏は本作を「恐怖演出の歴史に新たな金字塔を打ち立て、日本の伝統的な怪談映画を深化させました」と評している。なお、ほかのコンペティション部門選出作品は、9月29日(火)に開催される「ラインナップ発表会」にて公表される予定。日本代表する3作品が、アジア最大級の映画祭である東京国際映画祭でどのように評価されるのか、大きな注目が集まりそうだ。第28回東京国際映画祭は10月22日(木)~10月31日(土)開催。(text:cinemacafe.net)
2015年09月16日中谷美紀は三島有紀子監督を「荒野を駆ける美しき野獣」と表現し「美しく聡明な方ですけど…運転すると人格が変わる人っていますよね?そんな感じです(笑)」と評した。ちなみに、中谷さんは三島監督からの『繕い裁つ人』の主演オファーを快諾したが、資金不足のため予定通りにクランクインをすることができなくなり、一度は企画が暗礁に乗り上げるという事態に見舞われた。それでも、三島監督と本作の持つ魅力を信じて時機を待ち、もう一度この映画のためにスケジュールを空けたという。2012年の『しあわせのパン』、昨秋公開の『ぶどうのなみだ』とどこか幻想的な世界の中で、しかし、地にしっかりと足をつけて前に進もうとする人々の姿を描き、女性を中心に高い支持を集めた三島監督。なぜ彼女が紡ぎ出す映像や登場人物たちのやり取りは観る者を惹きつけるのか?先に挙げた2作の主演を務めた大泉洋、本作の中谷美紀など既に十分過ぎる実績を持ち、様々な役をこなしてきた俳優たちがなぜ彼女の演出の下でこれまでにない表情を見せるのか?今年1月に公開された『繕い裁つ人』のブルーレイ&DVDが発売されるのを機に改めて三島監督に話を聞いた。池辺葵の同名漫画を原作に、祖母の後を継いだ「南 洋裁店」の頑固者の2代目店主・市江が仕事への誇りを胸に、真摯に洋服を紡いでいくさまを描き出すが、三島監督はこの原作に出合う以前から、仕立て屋を主人公にした映画を撮ることを構想していたという。話は、いまは亡き父親の思い出にまで遡る。「元々、うちの父はスーツしか着ない人で、神戸のテイラーに仕立ててもらっていたんですが、全部で8着を一生大切にして着ていたんです。常々『服ではなく、職人の誇りをまとっているんだ』ということを言っていて、ひとつのものを丁寧に作り上げる職人さんの姿が素晴らしいなというのを私もずっと感じていて、いつか仕立て屋さんの映画を撮りたいと思っていたんです」。その思いを胸に、独自に仕立て屋に取材を重ねるなど、映画に向けて少しずつ準備を進めてきた三島監督。その中でいくつかもの出合い(と苦難)があった。「ある洋裁店の女性に『いままで仕立てた中で一番思い出深い服はどんな服ですか?』と尋ねたら『車いすの女性のために作ったウェディングドレスです』と仰られて、あぁ、その人自身が最も美しく見える服を作るというのが、オーダーメイドなんだなと思い、オーダーメイドの意味を深く見つめるような映画を作ろうと思ったのが8年前ですね」。そして、池辺さんの手による原作漫画と出合った。「自分で本を書いてもなかなかお金も集まらず、企画も通らない中で原作を初めて手に取ったのが5年前ですね。その中でも市江さんというキャラクターが本当に素晴らしくて、“頑固じじい”と呼ばれるくらい、ひとつひとつを丁寧に、自分の最高の技術で服を作る姿が美しいなと。市江さんは言葉で聞くのではなく、お客さまをつぶさに観察して、何を願っているのかを受け取って、服に縫い込んでいく。市江さんと人生を共に生きたい、彼女の人生をもう一度、自分の映画の世界で旅したいと願って映画化を希望しました」。そして、市江を演じる中谷美紀との出合い。オファーから撮影に至る経緯は冒頭で書いたとおりだが、三島監督にとって、中谷さん主演では映画を撮るというのは、およそ20年に渡って熱望し続けてきたことだった。きっかけは中谷さんの初の主演映画『BeRLiN』(利重剛監督)。1995年公開当時、中谷さんは19歳だったが、スクリーンの中の中谷さんの姿に衝撃を受け、手元のメモにペンを走らせた。「私、昔から『一緒にもの作りをしたい!』と思ったら、名前をメモするクセがあるんです(笑)。『BeRLiN』の中で中谷さんが手を離すシーンがしばらく忘れられなかったんです。こんな表情をする女優さんがいるんだ?と。市江さんもそうなんですが、中谷さんはそこに立っているだけで、空気が静謐に感じられる人。車が行き交う騒々しい通りでも、中谷さんが立つとスッと静かになる。絵画ではそういうことってあるけど、動画でそう感じさせる人はなかなかいないと思います」。いまでもその印象は変わらないが、実際に現場を共にする中で、中谷さんの思いもよらなかった一面に驚かされることもあったという。「中谷美紀という女優さんは、それこそ市江さんのように、ストイックに自分の本分だけをやられる方だと思っていましたが、もっと作品全体を見つめるアーティストなんだと感じましたね。この作品をどういう方向に持って行けばいいか?それを考える時、彼女は私が一番に話をしたい人なんです。単に監督と役者というよりは共にゴールを目指す“戦友”でした。また周りを気遣い、スタッフに声を掛けたり、スープを作ってきてくださったり……座長でもあり、女優でもあり、よりよい作品作りを渇望し邁進するクリエイターだと思います」。4歳の頃から、映画に親しんできたという三島監督。「バレエを習ってたんですが、教室の下が名画座で、レッスンを終えて名画を見て帰るというのが日曜のお決まりのコースだった」という。「小学生の時に映画監督・演出という存在を知ったんです。ちょうどスピルバーグなどの監督という生き物が脚光を浴びるようになって、どうやらこの人たちが映画の世界を作っているらしいと。家の近くに東映の映画会館があったんですけど、そこで掛かった映画のパンフレットが置いてあって、立ち読みするのが小学生の時の日課でした(笑)。その中の熊井啓監督のインタビューを読んで『監督って大変なんだな』と思ったり、映画もいま思うとどこまで理解してたのか怪しいんですけど…(苦笑)。補導されかけたこともありましたよ。お巡りさんが『こんなところで何をしてるんだね?』『いや、映画のパンフレットを…』って(笑)」。10代で自主映画を撮り始め、大学卒業後はNHKにディレクターとして入局し、その後、独立していまに至るが、そりゃ映画監督になるしかないだろう。その中で、本作に限らず、誇りを持って仕事に臨み、優しく他者に寄り添っていく人々を描く原点には先に語った父親の教えがある。「『ものとはものではなく、それを作った人である』という考えなんですよ、父は。ものが生まれる時、そこにどれだけ作り手の思いが込められているか?ということをいつも聞かされてきました。だから、私も小さい頃からものを見る時に、それが思いが込められて作られたのかどうかというセンサーが働くんです(笑)。その技術を身につけるための時間も含めて人生を懸けて作られたものってとても力があるし、慈しむ気持ちが芽生えてくる。だからこそ、それを作った人たちが浮かばれてほしいし、それをよしとする世の中が美しいと思います」。それは単なる技術ではない。仕事に対する責任と誇り――失われかけた精神を映画は優しく静かに映し出す。(text:Naoki Kurozu)■関連作品:繕い裁つ人 2015年1月31日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開(C) 2015 池辺葵/講談社・「繕い裁つ人」製作委員会
2015年09月09日中谷美紀は誇らしげに自らを「肉体労働者」と呼ぶ。作品に必要とされ、己の身体、表情、声色、全てを駆使して役柄を表現することへの喜びと愛おしさがそこにはあふれている。今年の1月に公開された『繕い裁つ人』もまた彼女にとって大切な愛おしい作品となった。洋裁店の頑固な女主人・市江を演じ、タイトル通り「繕い」「裁つ」という営みの中で多くの発見を手にした。仕事に誇りを持ち、凛と生きる市江の姿は、中谷さんが20年以上にわたって、女優として見せてきた姿とも重なる。つい先日、デビュー以来、在籍してきた事務所を離れ、個人事務所を設立したことが発表された。そして、年が明ければ“不惑”の40歳を迎える。女優として、そしてひとりの女性として、中谷美紀の目にはいま、何が映っているのか?じっくりと話を聞いた。もちろん、洋服を作ることと女優として作品に参加するということは決して同じではない。中谷さんが演じた市江は、お客さんの気持ちを汲みつつ、あくまでも自分一人を責任者として、頑固に己の守るべきものを貫こうとするが、映画作りは共演者やスタッフ、何より全てをジャッジする監督がいてこそ存在する。「理想はやはり、自らの主張を貫くことではなく、本当に尊敬できる作り手さんと出会い、その方の色に染まることだと思います。それには、まず信じられる作り手さんと出会わなくてはならないのですが、その意味で三島(有紀子)監督との出会いは私の財産だなと思います」。中谷さんの初主演映画『BeRLiN』(’95)で当時まだ10代だった中谷さんの姿に衝撃を受け、以来、三島監督は中谷さんとの仕事を熱望。本作の企画が通るとすぐに市江役に中谷さんをオファーしたという。今回、三島監督と出会い、一緒に仕事をする中で、新たに引き出されたと感じる部分は?「監督がとりわけ大切にされていた部分が、市江の“ほころび”を見せるということでした。一見、修道女のような真面目で融通の利かない人間ですが、実は仕事以外ではダメ人間で、家事もろくにできなかったり、おっちょこちょいな部分――実はパジャマ姿の時もよく見るとボタンを掛け違えてるんです(笑)。『こういう人間です』と提示されると、どうしてもステレオタイプにその一面ばかりを演じたくなるものですが、やはり誰でも多面性を持っている。そこをどう演じるかでその人間、物語の豊かさが変わってくるものだと思います。そういった意味で、三島監督からいろんなエッセンスをいただけたと思います」。市江のチャーミングな一面として、お気に入りの喫茶店でチーズケーキをホールごと平らげるというシーンが登場する。これは池辺葵の漫画原作にはない、三島監督によるアイディア。中谷さん自身、ここでの市江の姿に自らを重ね合わせ、大いに共感する。「私も一人で食事をする時間がとても好きなんです。普段、100人近くの方々と接しているので、たまに一人でいたくて、おそば屋さんで一人、心の赴くままに、3枚くらい平らげたりします(笑)。とても幸せな時間なので、市江の気持ちがよくわかりますね。カウンターだけのお店で気配を消して、他人の話をじっと盗み聞きしたりもしています(笑)。お嫁さんや奥さんの愚痴だったり、ずっと別居されていたらしい老夫婦が久しぶりに会って、お互いの誤解を懸命に解いていたり……そんな話にじっと聞き耳を立てています(笑)」。ちなみに、本作に関しては中谷さんの出演が決まり、撮影のためのスケジュールを空けたのち、一度は企画が暗礁に乗り上げ、その後もめどが立たないまま約1年も予定が延びてようやく撮影が行われた。そんな不安定な状況でも、本作に出たいと考えたのは「三島監督がぶれることがなかったから」だった。「1年の延期も闇雲にというのではなく、機が熟して万全の状況で作れるのを待とうということでした。そこでじっくりと考える時間も生まれたでしょうし、監督はロケ地もご自分で探されるんです。(洋裁店のロケに使用された)旧平賀邸もかなり苦労して見つけたそうです(※実際に決定したのは撮影開始直前!)。スタッフは『もうそろそろ妥協してくれないと』と思ったでしょうが(笑)、決して妥協しない。でも、そこにみんな付いていきたいと思いますし、だからこそいいものができるに違いないと思ってるんです」。本作に限らず、中谷さんが作品への出演を決める際に基準としているのは何より「人」だという。「やはり、人生の少なからぬ貴重な時間を作品、監督に捧げることになるので、まず何より、自分が心動かされた作品に携わられたスタッフとお仕事させていただければ、幸せだなと思います。自分のテリトリーの範囲というか、心地よい範囲で演じていれば安全ですし楽ですが、どのみち新しい作品を作るのであれば、新しい扉を開いてくださる方、思いも寄らなかった演出をしてくださる方と出会いたい。撮影が始まってしまえば、暑かったり寒かったり、痛かったり眠れなかったり…つらいことばかりなので(苦笑)、いずれにせよ苦労するなら、それが喜びに変わるような作品に出逢えればと思います」。来年で40歳となるが年齢を重ねることは「楽しいです。20代の頃から40代になるのに憧れていた」と明かす。「たまたま憧れの対象が、年齢を重ねた方が多かったんです。その会話に加わるには20代、30代でまだ切符をいただけてない気がしていて、40代になれば憧れる世界に少しは近づけるのではないかと期待しています。そうなるとまた、50代、60代にならないといただけないチケットも出てくるのかもしれませんが…(笑)」。“年の功”という言い方は失礼かもしれないが、年齢を重ねたことで、若い時以上に見えてくるものや分かってくることは?「自分の発する言葉にようやく説得力が出てくるのかな…?その分、責任も生じてくると思いますけれど。若い頃は、理想の方が高くて現実が追い付かなかったので、理想の自分、やりたい作品や到達したいプランがあるのですが、口では言っていても全然出来なかったんです。それでも理想はあるのでそれを掲げるんですが、海外の良質な作品見る度に、理想と現実のギャップが開いて苦しかったです。最近はそれが少しは縮まってきたように思います。身の程知ったのもあるのかもしれませんが…(笑)」。先に“肉体労働者”という言葉が出たが、ここ数年で「猟銃」(’11/原作:井上靖/演出:フランソワ・ジラール)、「ロスト・イン・ヨンカーズ」(’13/作:ニール・サイモン./演出:三谷幸喜)、「メアリー・ステュアート」(’15作:ダーチャ・マライーニ/演出:マックス・ウェブスター)と、まさに己の肉体を最大限に使っての表現を求められる舞台にも出演している。30代半ばで初舞台というのも意外な気もするが、出演を決めたのには心境の変化が?「市江と同じように、自分に限界を設けていたんです。『私には舞台は向いていない』と。舞台俳優さんはやはり身体能力に長けた方たちであり、そうでないといけないと思っていて、私は訳あって体も硬くプロの方のように自由に身体を使えないので…。でもそれでも演じていいのだと演出家の方(フランソワ・ジラール)が教え導いてくださったんです。そうして舞台に携わるにつれて、限界というのは他人が強要したわけでも、目の前に壁のように立ちはだかっていたわけでもなく、あくまで自分の心が勝手に設けていたのだと感じました」。女優という仕事は「10代、20代の頃はアルバイト感覚で『私にはもっと適職があるはず』『いつでも辞めてやる!』なんて思いつつ、やめるタイミングを逃してここまで来てしまった感覚。それがいまでもお仕事をいただけるなんて、ありがたいことです」と苦笑交じりに語る。「若い時は七転八倒していました(笑)。いまは…やはり、人の心ってわからないから面白いと思うし、心を探る作業は興味の尽きない試みだなと感じてます」。この先の展望は「日本の誇るべき文化を紹介したい」とも。「友人知人にものづくりをする方が多いのですが、手仕事をする方々の懸命に生きる姿は本当に素敵で、またその作品もため息が出るほど美しいです。将来的に伝統そのものが廃れたり、人口の減少とともに販路を見出すことが難しくなっていく中で、その存在を伝えるお手伝いをできればと思っています。これまで大きな会社の庇護を受け、ありがたい環境で仕事をさせていただいて、心から感謝していますが、この先は、豊かな表現力を培って、守るべきものを守り、伝えるべきことを伝えるだけの価値のある人間になりたいと思います」。出会いとつながりの中で、中谷美紀はより一層、美しさを増してゆく。ヘアメイク:下田英里スタイリスト:岡部美穂カメラマン:宅間國博(text:Naoki Kurozu/photo:宅間國博)■関連作品:繕い裁つ人 2015年1月31日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開(C) 2015 池辺葵/講談社・「繕い裁つ人」製作委員会
2015年09月04日『しあわせのパン』や『ぶどうのなみだ』を手がけ、世界でも高く評価されている三島有紀子監督の新作『繕い裁つ人』のBD&DVDが本日発売となる。本作で、「頑固じじい」と言われるほど頑なこだわりを持つ仕立て屋の2代目店主・市江を演じた中谷美紀。実は原作である池辺葵のコミックとは別に、市江を演じるにあたり参考にした身近なモデルがいたという。その他の写真「この作品と出逢い、私以上に私の友人に変化が訪れました」と中谷美紀。「『Lisiere(リジエール)』というアパレルブランドを立ち上げている友人なのですが、大量生産はせず、自分の信念を頑なに貫いている、まさに市江のような人だったんです。この作品のお話をお受けしたときに、『あなたをモデルに役作りをします。いろいろと教えてください』と、お伝えしにいきました。その友人がこの作品を観て、自分で設けていた限界を取り払って、もっともっと大きな世界に飛び込んでくれるようになりました。伊勢丹さんでのポップアップストアも決まったんですよ。藤井(三浦貴大)のおかげです(笑)」。1年ほど撮影時期が延期してしまったという本作だが、それでもこの作品に出たいと思った理由について、「監督もプロデューサーも最高の舞台になるまで妥協をしなかったからこそ、私もついて行きたいと思いました。女優としての理想は、本当に尊敬できる作り手さんと出逢い、作り手さんの色に染まること。それしかないと思っています。三島監督と出逢えたことは財産です」。衣装について感想を尋ねると、「はじめは戸惑いました」という意外な答えが返ってきた。「体を使って作業をする人間なのに、スカートもボリュームがあって袖も長くて、こんなに固い衣装で果たして自由に体が動くのだろうか、と少し違和感がありました。でも実際にセットに入ったら、衣装合わせで感じた違和感が払拭されたんです。その鎧のような衣装をまとってその場に立つということが、市江にとってどれだけ大切だったのか、ということを実感しました。まさに市江そのもののような衣装で、伊藤佐智子さんの意図に感服しました」。来年40歳を迎える中谷だが、歳を重ねることは楽しみだという。「自分の発した言葉にようやく説得力がでてくるのかな、と思います。若いうちは理想と現実のギャップが開いて苦しかったのですが、最近は縮まってきました。身の程を知ったらかでしょう。理想の女性像は、言い訳をせずに自分の仕事や行動に責任を持ちつつ柔軟である人。演じるという仕事を通じて、人の心を表現できたらなと思います」と語った。凛とした気品がありながらも、飾らない自然体な姿で多くの人々を惹き付けてやまない中谷。年齢を重ね、今後ますます魅惑的な女優になっていくに違いない。『繕い裁つ人』ブルーレイ&DVD発売中ブルーレイ:5500円+税DVD:4700円+税発売元:ポニーキャニオン写真:宅間國博取材・文:小杉由布子
2015年09月02日2度のアカデミー賞に輝くダスティン・ホフマンと注目の新人俳優ギャレット・ウェアリングが、少年合唱団のベテラン団長と自らの才能を開花させていく天才少年を演じる映画『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』。このほど、本作をいち早く鑑賞した中谷美紀、BONNIE PINKら各界の著名人から絶賛の声が到着。また、数々の音楽作品を手がけてきた本作のプロデューサー、ジュディ・カイロが語るコメントも到着した。本作は、複雑な家庭環境に育った孤独な少年が、突然の事故をきっかけに米国一のエリート少年合唱団を有する私立高に入学し、ベテラン合唱団団長と出会い、人生を切り開いていく感動のドラマ。大空に舞い上がるような高音域で人々を魅了する13歳ごろまでの少年の歌声は、その時代だけに与えられた束の間の美しさと、奥深い力を放つ。ベテラン教師でいまなお衰え知らずの頑固な合唱団団長カーヴェルに、ダスティン・ホフマン。そして天才少年シンガー、ステットを演じるのは、新人若手俳優ギャレット・ウェアリング。『レッド・バイオリン』(’98)でアカデミー賞「作曲賞」を受賞したフランソワ・ジラールがメガホンを取った。現在、マスコミ関係者向けに行われている本作の試写会は連日、満席が続いており、予約で数十席が埋まるほどの人気ぶり。そして、音楽に精通した著名人を始め、役者、ジャーナリスト、タレント、キャスターと著名人たちから幅広い支持を得て、応援コメントが続々寄せられている。本作でプロデューサーとして名を連ねるジュディ・カイロは、TVミニシリーズ「ELVISエルヴィス」、『クレイジー・ハート』など音楽作品を多く手掛けてきた敏腕プロデューサー。彼女は、本作が多くの人々から共感を得る理由について、「素晴らしいメッセージがあるからだと思う。どの子どもにも輝くチャンスがある。自分の声を見つけ、人生の目標が何であってもそれに到達し、大きな夢をみるチャンスがある。それがこの映画で語っていることなの」と明かす。たぐいまれなる美声という自らの才能を、団長や仲間とのかかわりの中で開花させていくステット少年を体現してみせた新星ギャレットについては、「発見だったわ。素晴らしい子なの」と絶賛。「彼は美しい声と、素晴らしい人柄の持ち主で、監督のいうことをよく聞く。きっとスターになると思うわ」と太鼓判を押している。<著名人コメント抜粋>鳥越俊太郎(ジャーナリスト)「久し振りに心を揺さぶられ、心を洗われ深い感動を覚えた、そんな映画だ。変声期の前に束の間だけ訪れるボーイソプラノの天使の声。問題児だった主人公が歌うメサイアのソロが哀切に胸に響く」BONNIE PINK(シンガーソングライター)「少年のフラジャイル(壊れやすい)な心が、歌という力を得てみるみると強くなっていく。私も小学校の合唱団出身なので、鞭打たれた思い出と重なってジーンと来ました。ボーイ・ソプラノに心洗われた後なら、ファルセットのhigh Dも出るかも!是非お試しあれ」中谷美紀(女優)「孤独な少年の心が少しずつほどけていく姿と、情感あふれる歌声。ただそれだけをシンプルに描いたこの作品に、思わず涙させられました」鎌谷悠希(「少年ノート Days of Evanescence」「隠の王」漫画家)「いまの声を失った未来の自分と自信を、今の声が育んでいる―――。儚く美しい、圧倒的な魅力がボーイソプラノにはあります。それがゆえに心を揺らがせる少年達の想い、見つめる大人達の想いそれぞれが内包されたメサイアのあの合唱を、聴衆のひとりになって何度でも聴いていたい!」『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』は9月11日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月20日ダスティン・ホフマン主演の映画『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』のフランソワ・ジラール監督と、劇中で天才的な歌の才能を持つ少年を演じたギャレット・ウェアリングが来日。8月4日(火)に行われた試写会の上映後に舞台挨拶を行った。孤独な少年が全米一の合唱団を率いる指導者との出会いを経て、変声期前の限られたわずかな期間しか出すことのできないボーイ・ソプラノの奇跡の歌声に青春を捧げ、成長を遂げていくさまを描く。初来日となったギャレットくんは開口一番、覚えたての日本語で「来テクレテ、アリガトウ!」と挨拶し喝采を浴びる。日本で見るもの、食べるもの全てが珍しく、楽しいようで「ポッキーやコアラのマーチを食べました!街のあちこちにドラえもんがいるし面白い!おみやげに買い占めて帰りたいです(笑)。I LOVE JAPAN SO MUCH!!」と満面の笑顔を浮かべる。そんなギャレットくんをジラール監督は絶賛。オーディションで長編映画初出演となる彼を抜擢したが「素晴らしい俳優の誕生に立ち会えたことを幸せに思います。寡黙で孤独な少年の役でしたが、それを演じるには内面性が必要です。彼の年代でそれを有し、それを表現できる俳優はほとんどいません。彼は言葉や動きなしで、佇まいで少年の内面を表現してくれました」と語る。監督自身、親日家で知られ今回が「おそらくは25回目くらいの来日です」とのことだが、初来日のギャレットくんを見やり「これから日本のみなさんも、彼を何度も目にすることになる思います。『これが25回目の来日です』と語る姿を見る日が来ることでしょう」とこれからのキャリアに太鼓判を押した。ちなみに撮影中と比べてギャレットくんはかなり背が伸びたよう。「だいぶ伸びました。実は撮影中も伸びてて、衣裳スタッフから『これ以上伸びちゃダメ!』と言われました(笑)。そんなこと言われても困るけど…。髪も短くなったし、残念だけど、もう高音の『レ』は出せません…」と凄まじいスピードでの成長を明かした。撮影現場ではダスティン・ホフマンやキャシー・ベイツといった大御所の俳優陣にかわいがられたようで「初めての長編映画で彼らと仕事をさせてもらえるなんて、貴重な経験でした。彼らは気さくでオープンで、いろんなことを教えてもらいました。そこで教わったことは僕にとっては宝物です。一緒にランチに行くこともありました。一度、ダスティン・ホフマンとキャシー・ベイツも一緒にバーガー屋さんに行ったことがあったんだけど、ダスティンは先に着いてて『おれはもう4つ目だけど、どんどん食べなよ』と大盤振る舞いでした(笑)。キャシーとダスティンに挟まれてランチを取ることになるなんて今でも信じられないね」と語っていた。ちなみに、次回作の予定を尋ねるとギャレットくんは「『インディペンデンス・デイ』の続編の撮影をもう終えました。20年近く前の映画の続編ですが、すごい映画になってるよ!」とアピール。一方、ジラール監督はオペラや舞台の演出が決まっているそうだが、特に2011年に中谷美紀を主演に迎え、井上靖の同名小説を舞台化し、ジラール監督が演出を務めた「猟銃」が来年、再び日本で上演されると明かし「美紀さんが本当に素晴らしいのでぜひそちらもお楽しみに」と呼びかけた。『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』は9月11日(金)より公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月05日アカデミー俳優であるダスティン・ホフマンが出演する『ボーイ・ソプラノただひとつの歌声』の公開を記念し、フランソワ・ジラール監督と、天才子役と称されるギャレット・ウェアリングの来日がこのほど決定した。複雑な家庭環境に育ち、トラブルばかり起こしていた少年ステットだが、実はたぐいまれな美声の持ち主だった。そんな彼に飛び込む名門少年合唱団への入学。そこで少年たちの育成を任されているのは、厳しい指導で知られているカーヴェル。彼は若いころに才能を否定され、指導者の道に入った過去があり、才能がありながらも、無駄にしているステットに対して厳しく接する。楽譜も読めず同級生たちからのいじめに遭いながら、カーヴェルの導きにより、次第に“歌う”事に魅了されていくステット。そんな時、由緒正しいコンサートでソロを歌うチャンスが与えられる――。若い頃音楽を学び、挫折した経験を持つダスティン・ホフマンの自伝的映画とも言える本作。ホフマンのほか、『ミザリー』『タイタニック』のキャシー・ベイツらベテラン俳優たちが勢揃いする中、主人公である少年ステットを、本作が長編デビュー作である新星ギャレット・ウェアリングが演じている。幼い頃より芸術に強い興味を抱き、中学の頃教師に導かれ演技を始め、プリティーン男子モデル賞をはじめとする数多くの賞を獲得し注目を集めた彼は、11歳の時に演技の夢を追及するためロサンゼルスに移り住み、本作のオーディションに見事合格。はれて銀幕デビューを飾ることとなった。ジラール監督は、「12歳の子どもを配役するのはいつだって恐怖を伴う。以前仕事をしたことがある子はほとんどいない。だからオーディション以外に証拠がないんだ。しかもオーディションは惑わされることが多いから、僕は好きじゃない。でもギャレットにはステット役に必要な素晴らしい演技力があることがすぐに分かった。彼の年代にはめったに見られない集中力がある。彼の強烈さと鍛錬に感心した。俳優としての彼にとってこの映画はエキサイティングな旅の始まりになると思う」と、ギャレットの才能への賛辞を送っている。そしてこのほど、ギャレット・ウェアリングとフランソワ・ジラール監督の来日が決定。ジラール監督は、アレッサンドラ・バリッコのベストセラーの映画化『シルク』にて、中谷美紀と役所広司を起用しており、日本にも馴染みのある人物としても知られている。ダスティンが「彼は最高だよ。見たままの素晴らしい子どもだ。豊かな精神と真実を捉える感覚を備えている」と絶賛するギャレット。次世代のスター来日で、さらなる話題を呼びそうだ。『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』は9月11日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月17日1920年代よりフランスを中心に活躍した日本人画家の藤田嗣治(レオナール・フジタ)の半生を描いた、11月14日に全国公開となる映画『フジタ(FOUJITA)』のティザーポスターが公開された。1913年に単身フランスへ渡った藤田嗣治は、1919年に美術展覧会「サロン・ドートンヌ」に6点の作品を初出品し、すべて入選。「私の部屋、目覚まし時計のある静物」、「五人の裸婦」などの作品を発表し、高く評価された。1940年に戦時の日本に戻ると、「アッツ島玉砕」、「サイパン島同胞臣節を全うす」など数多くの戦争協力画を発表する。映画では、1920年に「乳白色の肌」で裸婦を描き、パリのモンパルナスを中心に活躍した芸術家たちの中で寵児となっていた藤田嗣治が、戦争を機に日本に戻り、数多くの「戦争協力画」を描いて日本美術界の重鎮に上りつめていく様が描かれている。主演の藤田嗣治役を演じるのはオダギリジョー。台詞の半分はフランス語という撮影に猛特訓で挑んだという。その他、5番目にして最愛の妻である君代役の中谷美紀を始め、加瀬亮、岸部一徳などのキャストが顔をそろえた。ティザーポスターでは、“パリが愛した日本人”というコピーとともに、画家として活躍するきっかけとなったと言われる「ジュイ布のある裸婦」と、「戦争協力画」の代表作でもある「アッツ島玉砕」の間に、アトリエでキャンバスに向かうオダギリジョー演じる藤田嗣治の写真を配置。フランスと日本、二つの国と時代に生きた藤田嗣治の二面性や複雑さが表現された。また、中谷美紀演じる君代との2ショット写真や、モンパルナスの女王と謳われたモデルのキキとのパーティシーンなども公開されている。
2015年07月02日夫婦の危機
体調悪い詐欺夫
義父母がシンドイんです!