2015年9月4日 09:26
痛みを伴ってこその母性? 無痛分娩が少ない日本の出産事情を海外と比較
人口あたりの麻酔科医の数を比較すると、ともに日本の約2.5倍もの数の麻酔科医がいるといわれるほど。そのため、日本より無痛分娩に携わる麻酔科医の確保がしやすいといえます。
その3. 分娩に対する考え方
日本には、我慢を美徳とする風潮があります。"お腹を痛めて出産してこそ母性が生まれる"といった偏った意見もあります。そのため、無痛分娩や帝王切開を恥ずかしいとする方もいるのです。妊婦健診の時に、付き添いで来た母親から「無痛分娩を選択するのはわがまま」「ぜいたく」という声を聞くことがあります。以前に比べると、"分娩の痛みを我慢する必要はない"という意見が出てくるようになったとはいえ、まだまだ無痛分娩に対する消極的なイメージもあるようです。
○無痛分娩について
無痛分娩は全く痛みがないのかと尋ねられることがあります。
「無痛」といっても、陣痛と呼ばれる子宮収縮がないと分娩に至りません。麻酔薬のおかげで痛みをほとんど感じない方もいれば、子宮収縮時の圧迫感を痛いと感じる方もいらっしゃいます。ほかに通常のお産と違うのは、麻酔投与中は麻酔のために動くことができないことや、分娩進行がゆっくりになるために吸引分娩が通常の出産より多くなるという報告があります。