2018年6月11日 11:30
ヒット作連発・池井戸潤、執筆最大のピンチ&初映画化の感想は?
沢田はちょっとシニカルなキャラなんだけど、クールな感じも、ディーンさんは本当にぴったりでした。一生さんはどうも(ドラマ『民王』の)政策秘書に見えてしょうがない(笑)。でも本当に、相変わらずの良い演技をされていて。『民王』がすごく面白かったので、また秘書にも戻ってくれるといいなと思いました(笑)。
――それだけはまり役だったんですね。逆に先生から見て男性像が理想という登場人物はいますか?
社長を支え続ける、笹野高史さん演じる宮代のような人生はいいなと思います。
○思い入れの深い作品
――『空飛ぶタイヤ』は、池井戸先生にとって思い入れのある作品ということですが、どういうところがポイントになっているのでしょうか。
今に繋がるベースになっている作品という意味で、大事な作品です。
デビューして8年ほど経ち、ようやく直木賞の候補にもなり、作家としての位置付けが変わるきっかけとなりました。書き方を、それまでの作品と変えて、プロット重視ではなく、人をリスペクトして書くようにしたんです。
小説ではある期間を切り取っているけれど、約70人分の人生が根底にあって、それぞれがその人生を生きている人間だということを意識しながら書いたのがこの作品です。