【石子と羽男 第10話 感想】その傘は、誰のために差し出すのか?
は、本当の羽男を認めた暖かい言葉なのだ。ふつうの親子の姿が、確かにそこにあった。
そして石子も。大庭との交際も順調。そして羽男には「これからも俺の隣にいてください」と相棒としてプロポーズされたが、綿郎の後押しも受け、司法試験を受けることを決めていた。
二人前、『爆盛り』以上の相棒弁護士としてこれからも羽男の横にいるために。
迎えた試験当日、交差点で足がすくむ。石子の心に、雨雲がかかる。
そんな石子にそっと傘を差し出したのは、羽男だ。
また柱の影に隠れて待ってたように、絶妙なタイミングで表れた相棒は、その雨雲を、その過去が見えないように傘を差し出す。
石子は一歩、また一歩背中を押され、過去を乗り越えていくのだ。
思えばオープニングで石子と羽男が持つ黒い傘の内側は光っていた。それはきっと真面目に生きる人に訪れる、日々の暮らしの幸せなのかもしれない。
確かにずっと晴れていれば傘はいらない。だが、他人には見えずとも、雨に降られている人がいる。小さなトラブルの裏に、大切な暮らしがある。
そしてその傘を使うのは、この作品を見た私たちである。自分が持つ『傘』を誰に差し出しますか?
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[文・構成/grape編集部]
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